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  • 特表-サドル乗車型車両の収納容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】サドル乗車型車両の収納容器
(51)【国際特許分類】
   B62J 9/23 20200101AFI20230213BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20230213BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230213BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20230213BHJP
   B62J 43/30 20200101ALI20230213BHJP
【FI】
B62J9/23
E05B47/00 G
E05B49/00 K
E05B83/00 H
B62J43/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537542
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2020062034
(87)【国際公開番号】W WO2021124153
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】102019000024940
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】512185877
【氏名又は名称】ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Viale Rinaldo Piaggio, 25, I-56025 Pontedera, PI,Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】バラッキーノ,ルイージ
(72)【発明者】
【氏名】ベルナルディーニ,ニコラ
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250CC01
2E250CC11
2E250DD02
2E250FF26
2E250FF36
2E250HH07
2E250LL11
(57)【要約】
サドル乗車型車両(1)の収納容器(100)であって、
収納容器(100)は、作動に電力供給を必要とする電気デバイス(110)を備え、
電気デバイス(110)は、
無線電力送信機(201)によって、生成された電磁界から、電力を取得する無線電力受信機(101)と、
電磁界から得られた電力を前記電気デバイス(110)に供給するように、無線電力受信機(101)と、電気デバイス(101)に動作可能に接続される電力供給回路(102)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サドル乗車型車両(1)の収納容器(100)であって、
前記収納容器(100)は、作動に電力供給を必要とする電気デバイス(110)を備え、
前記電気デバイス(100)は、
無線電力送信機(201)によって、生成された電磁界から、電力を取得する無線電力受信機(101)と、
前記電磁界から得られた前記電力を前記電気デバイス(110)に供給するように、前記無線電力受信機(101)と、前記電気デバイス(101)に動作可能に接続される電力供給回路(102)と、を備える
収納容器。
【請求項2】
前記収納容器(100)を前記車両(1)に取り付けるように、前記サドル乗車型車両(1)に取り付け可能な取り付け基部(200)、
を備える上述の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項3】
前記車両(1)に取り付ける前記取り付け基部(200)は、前記無線電力送信機(201)を含む、
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項4】
前記収納容器(100)は、基部(130)およびカバーまたはドア(131)を有する容器本体(130,131)を含み、
前記無線電力受信機(101)は、前記容器本体(130,131)の前記基部(130)、好ましくは、前記基部(130)の底面に結合される、
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項5】
前記電力供給回路(102)は、さらに、得られた前記電力を貯蔵する蓄電デバイス(103)を備える、
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項6】
前記蓄電デバイス(103)は、再充電可能なバッテリ、および/または、キャパシタであり、好ましくは、超コンデンサである、
請求項5に記載の収納容器(100)。
【請求項7】
前記電気デバイス(110)は、内部照明源、錠(120)を制御可能な電気アクチュエータ、収納容器(100)を保温/冷却する手段、アクティブな物体保持デバイス、電気ソケット、好ましくは、USBのうち、1以上のデバイスを含む
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項8】
前記電力は、誘導型の電磁界から取得する
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項9】
前記電力供給回路(102)は、さらに、電気デバイス(110)に選択的に電力供給を可能とする制御デバイス(106)を備える、
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項10】
前記制御デバイス(106)は、収納容器(100)の外側に配置され、好ましくは、収納容器(100)の外側後部に配置される、
請求項9に記載の収納容器(100)。
【請求項11】
前記制御デバイス(106)は、スイッチを含み、好ましくは、押しボタン付きのスイッチである、
請求項9または10に記載の収納容器(100)。
【請求項12】
前記電力供給回路(102)は、許可制御システムによって付与されまたは、拒否されたそれぞれの承認に基づいて、前記電気デバイス(110)への電力供給をアクティブ化または非アクティブ化するようにする
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項13】
前記許可制御システムは、前記収納容器(100)に含まれ、特に、前記電力供給回路(102)に含まれる
請求項12に記載の収納容器(100)。
【請求項14】
前記許可制御システムは、許可信号を受信する無線受信機(107)を備える
請求項12または13に記載の収納容器(100)。
【請求項15】
前記電力供給回路(102)は、前記収納容器(100)の一部を形成し、前記無線受信機(101)と前記電気デバイス(110)との間に動作可能に配置される
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項16】
前記電気デバイス(110)は、前記収納容器(100)の一部を形成する
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項17】
前記電気デバイス(110)は、前記収納容器(100)に固定され、または、一体化される
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項18】
前記無線電力送信機(201)は、前記収納容器(100)の外部に配置される
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項19】
前記無線電力受信機(101)は、前記収納容器(100)の内部に配置される
上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)。
【請求項20】
サドル乗車型車両(1)は、荷台(10)および上述のいずれか1の請求項に記載の収納容器(100)を備え、
前記収納容器(100)は、前記荷台(10)に取り付けられるように適合および構成され、
前記車両(1)は、前記車両(1)から前記収納容器(100)に電力を送信するために、前記収納容器(100)に動作可能に接続される電力源(11)を備える
サドル乗車型車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サドル乗車型車両の技術分野に関し、特に、サドル乗車型車両の収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのタイプのサドル乗車型車両、例えばオートバイ、特に、限定されないが、2つ以上の車輪を備えたスクーターへの収納容器の適用が知られている。例えば、サドル乗車型車両の後部に収納容器を適用し、例えば1つ以上のヘルメットを収納容器に収納できるようにすることが知られている。
【0003】
一般にオートバイの後端に固定される収納容器は、一般に、収納コンパートメントを画定する収納本体を備え、これは、基部と、基部にヒンジで取り付けられたカバーとを備え、それにより、収納コンパートメントへアクセスできるようにする開放構成、カバーが上部で基部を閉じ、収納コンパートメントへアクセスできないようにする閉鎖構成を可能とする。収納容器の基部は、通常、上述のように、カバーによって上部が閉じられるように適合された閉じた底部を有する剛体である。
【0004】
収納容器は、通常、1つ以上のヘルメットなどの物体を運ぶために使用されるが、収納容器は、食品を運ぶるための温められたまたは冷却されたサーマル容器など、より具体的な目的を持つ収納容器も知られている。
【0005】
いくつかの収納容器は、少なくとも1つの電気、電気機械、電子部品または電子デバイスを有し、これらは、その作動のために電力供給を必要とする(以下では、略して電気負荷デバイスまたは一般に電気デバイスとする)。たとえば、一部の収納容器は、電気負荷デバイスとして、内部照明源、電子キー、容器内の温度の制御を可能とする手段、物体保持デバイス(たとえば、膨張可能な部材および関連する膨張デバイス)から1つ以上を有する。
【0006】
オートバイ用、または一般に既知の技術のサドル乗車型車両用の収納容器は、電気ケーブルまたは一般に導電体または少なくともコネクタを有する有線の電源システムを必要とし、これは、収納容器に供給するための電気負荷デバイスの作動に必要とされる電力供給を可能とする。これらの電気ケーブルは、一般に、収納容器をオートバイの電気システムに電気的に接続することを可能にする。
【0007】
既知の技術の収納容器の前述のケーブル接続された電源システムは、悪意のある人による収納容器の盗難や改ざんを防止するため、ユーザがオートバイを駐車した後に収納容器を取り外したい場合、収納容器をオートバイから迅速に取り外す必要があることも考慮すると、一般に高価で信頼性が低くなる。収納容器を電気ケーブルによって車両の電気システムに接続できるようにするコネクタが含まれる場合、そのようなコネクタは気象条件に晒されるため、そのようなコネクタは、たとえば、短絡を防止したり、長期にわたって良好な電気的接触を確保したり都合良く便利に保護される必要があることを覚えておく必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一般的な目的は、前述の欠点を完全にまたは少なくとも部分的に克服できる、サドル乗車型車両用の収納容器を提供することである。
【0009】
このような目的は、請求項1に一般的に定義されたサドル乗車型車両用の収納容器によって達成される。前述の収納容器の、好ましい、また、有利な実施形態は、添付の従属請求項によって定義される。
【0010】
本発明は、以下のパラグラフで簡単に説明する添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられる、その特定の実施形態の以下の詳細な説明から、さらによく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、収納容器の非限定的な実施形態の一例を含むオートバイの側面図を示す。
【0012】
図2図2は、収納容器が動作可能に連結された図1のオートバイの尾部の概略側面図を示し、収納容器のいくつかの部分は仮想線で示される。
【0013】
図3図1図2の収納容器の回路ブロック図を図3に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
同一または類似の構成は、同じ参照番号を使用して添付の図に示す。
【0015】
図1はサドル乗車型車両1の実施形態を示し、図示の特定の例では、限定をするものではないが、前輪6および後輪7を有する二輪オートバイ、特に二輪スクーターからなる。
【0016】
以下、本説明では、限定することなく、一般的なオートバイ1を参照し、以下の説明が、一般に、以下を含む様々なタイプのサドル乗車型車両1を意味する。
・本体2,3,4
・本体2,3,4に拘束(constrained)される少なくとも2つの車輪6,7
・本体2,3,4に拘束され、2つの車輪6,7のうちの少なくとも1つに直接的または間接的に動作可能に接続された、たとえば、熱または電気またはハイブリッド牽引モータなどのモータ8
【0017】
オートバイ1の本体2,3,4は、前部2、尾部4、および前部2と尾部4との間に介在する中央部3を有する。中央部3は、例えば、フットボード5を備える。
【0018】
この例では、前部2は、フロントシールド21、ステアリングハンドルバー9、前輪6を含む。
【0019】
好ましい非限定的な実施形態によれば、尾部4は荷物台10を備える。
【0020】
好ましくは、オートバイ1の本体2,3,4は、少なくとも1つのバッテリ11を含む。
【0021】
オートバイ1は、収納容器100を備え、好ましくは、また、限定的ではないが、オートバイ1の尾部4に、より好ましくは、オートバイ1の荷台10に取り付けられる。例えば、収納容器100は、収納容器を画定する容器本体130,131を備え、基部130と、基部130にヒンジで取り付けられたカバーまたはドア131(以下、「カバー」とする)とを含み、これにより、収納コンパートメントへアクセスできるようにする開放構成、カバーが基部130を閉じる閉鎖構成とをとることができ、それにより、収納容器へのアクセスを防止する。例えば、容器本体130,131は容器のような形状であり、カバー131は基部130を上部で閉じる。
【0022】
第1の実施形態によれば、収納容器100は、収納容器100をオートバイ1の荷台10に、好ましくは取り外し可能に、取り付けるように適合および構成された、取り付けプレートなどの取り付け基部200を備える。既知の方法で、前述の取り付け基部200は、耐タンパー性の取り付けシステム、たとえば、収納容器100を取り付け基部200に取り付ける際に、緩めたり、取り外したり、解放したりできない、ネジまたはボルトなど、によって、オートバイ1の荷台10に機械的に結合できる。次に、収納容器100、特にその基部130は、当業者にそれ自体知られている取り外し可能な結合手段を介して、取り付け基部200に機械的に結合できる。
【0023】
別の実施形態によれば、収納容器100は、当業者に周知の取り外し可能な結合手段を介して、すなわち取り付け基部200を含まずに、オートバイ1の荷台10に直接取り付けられる。これらの連結手段により、収納容器100の基部130を、例えばオートバイ1の荷台に直接取り付けできる。
【0024】
収納容器100は、その動作のために電力供給が必要な電気デバイス110を備える。便宜上、以下に説明する例に示すように、電気デバイス110は収納容器100の一部を形成する。特に、以下に説明する例に示すように、電気デバイス110は収納容器100に固定されるか、または、一体化される。
【0025】
図面に示される非限定的な実施形態では、収納容器100は、収納容器100を開くことを可能にするための作動解除構成と、収納容器100の開放を防止するための作動ロック構成とをとるように作動可能なロックアセンブリ120とを備える。開かれることから。電気デバイス110は、作動ロック構成からロックアセンブリ120を作動解除構成にすることを可能にする制御可能なアクチュエータであるか、またはそれを備える。例えば、制御可能なアクチュエータは電磁アクチュエータである。例えば、ロックアセンブリ120は、ラッチ121を含み、前述の制御可能なアクチュエータは、ラッチ121を動かす、たとえば、回転させることを可能にする。図の特定の例では、前述のアクチュエータは、ラッチ121を回転させるためにピストン111を摺動方向に沿って摺動させるように制御可能である。都合良く、ロックアセンブリ120は、キー122によっても作動させることができる。
【0026】
上述の代替的なまたは追加の実施形態では、電気デバイス110は、内部照明源、収納容器100を保温/冷却する手段、アクティブな物体保持デバイス、電気ソケット、好ましくはUSBのうち、1以上の電気デバイスを備える。
【0027】
収納容器100は、収納容器100に一体化され、無線電力送信機201によって生成された電磁界から電力を得るように構成される、無線電力受信機101を備える。後述するように、無線電力送信機201は収納容器100の外部、好ましくは収納容器100の近くまたは隣接、特に容器本体130,131の外側に配置される。収納容器100は、電磁界から得られた電力を電気デバイス110に供給するため、さらに、無線電力受信機101および電気デバイス110に動作可能に接続された電源供給回路102をさらに備える。
【0028】
有利な実施形態によれば、無線電力受信機101によって電磁界から得られる電力は誘導型である。例えば、無線電力受信機101は、共振型または非共振型の誘導結合受信機である。例えば、無線電力受信機101は、可変磁場に晒されると、誘導電流を供給するような少なくとも1つの電気コイルを備える。好ましくは、電気コイルは、らせん平面コイルなどの平面コイルである。可能な実施形態によれば、無線電力受信機101は、無線電力コンソーシアムによって開発されたQi標準に準拠し、標準の最初のバージョンまたはその後のバージョンのいずれかに従っている。
【0029】
収納容器100が、収納容器100をオートバイ1に取り付けることを可能にする取り付け基部200を備える場合、取り付け基部200が、電磁気を生成するように構成された送信機201、すなわち無線電力送信機201を備えることが有利であり、無線電力受信機に到達すると、無線電力受信機101は、電気デバイス110供給する有用な電力を抽出することができる。たとえば、無線電力送信機201は取り付け基部200に組み込まれる。したがって、無線電力送信機201は、無線電力受信機101と機能的に相補的であることが理解されるであろう。例えば、無線電力送信機201は、また、収納容器100が取り付け基部200に結合されている場合に適用される無線電力受信機101に当たる可変磁場を生成するように適合された、好ましくは平面である少なくとも1つ以上の電気コイルを備える。例えば、無線電力送信機201は、ワイヤレスパワーコンソーシアムによって開発されたQi規格で、規格の第1のバージョンまたは後続のいずれかのバージョンに従う。
【0030】
無線電力送信機201は、オートバイ1の電源、例えばオートバイ1のバッテリ11、または一般にオートバイ1の電気システムに、例えばコネクタ12によって接続される。
【0031】
取り付け基部200が設けられず、収納容器100がオートバイ1、例えば、荷台10に直接,取り付けられる場合、無線電力送信機201に関しては、無線電力送信機201に関する前の段落で説明されたすべての事項が適用され、唯一の違いは、この場合、無線電力送信機201がオートバイ1、例えば荷台10に組み込まれることである。
【0032】
いずれにせよ、無線電力受信機101が容器本体130,131の基部130、好ましくは基部130の底壁、例えば収納容器100の基部130の壁に一体化されることが特に有利である。無線電力受信機101が可能な限り無線電力送信機201の近くに配置するため、無線電力受信機101は、取り付け基部200または荷台10に可能な限り近くに配置されるように、取り付け基部200または荷台10上に配置される。
【0033】
図3は、電源供給回路102の好ましい非限定的な実施形態の回路ブロック図を示す。上述のように、電源供給回路102は収納容器100の一部を形成し、無線電力送信機101と電気デバイス110との間に挿入される。
【0034】
特に有利な実施形態によれば、電源供給回路102は、無線電力受信機101から抽出された電力を蓄電する蓄電デバイス103を備える。例えば、蓄電デバイス103は、再充電可能なバッテリおよび/またはキャパシタ、好ましくはスーパーキャパシタを備える。
【0035】
有利な実施形態によれば、電源供給回路102は、調整回路104(「パワーピックアップユニット(power pick up unit)」ともいう)を備える。調整回路104は、無線電力受信機101から抽出された電力を、例えば、蓄電デバイス103で貯蔵するため、収納容器110で利用可能な形式にすることができる。調整回路04は、たとえば、蓄電デバイス103が再充電可能な電池を含む場合、再充電回路を含むことができる。
【0036】
都合よく、電源供給回路102は、さらに、電圧および/または電流に関するパラメータなどの電気デバイス110の動作に必要なパラメータを満たす電源を電気デバイス110に供給するように適合された、電力回路などの、電気デバイス110の駆動回路105を備えることができる。
【0037】
有利な実施形態によれば、電源供給回路102は、さらに、電気デバイス110に選択的に電力を供給するように動作可能な制御デバイス106をさらに備える。例えば、電気デバイス110が内部照明を備える場合、制御デバイス106は、収納容器100の開放センサであり、または、備え、収納容器の開放時に内部照明の自動点灯を可能にする。
【0038】
好ましい実施形態によれば、制御デバイス106は、収納容器100の外側、好ましくは収納容器100の後外側、すなわち、収納容器100がオートバイ1と結合された使用条状態で、使用される側に配置された手動制御装置である。例えば、手動の制御デバイス106は、スイッチ、好ましくは押しボタンスイッチを備える。例えば、前述の手動の制御デバイス106により、電気デバイス110がロックアセンブリ120の制御可能なアクチュエータである場合、ユーザはキー122を使用せずに収納容器100を開くことができる。
【0039】
特に有利な実施形態によれば、電源供給回路102は、許可制御システムによって付与されたまたは拒否された承認に基づいて、電気デバイス110の電力供給をアクティブまたは非アクティブにするものである。これにより、悪意のある人々による収納容器100の無許可の使用が有利に回避される。例えば、電気デバイス110がロックアセンブリ120の制御可能なアクチュエータである場合、悪意のある人が収納容器100を開くことを防止する。
【0040】
特に有利な実施形態によれば、許可制御システムは、収納容器100、特に電源供給回路102に含まれる。有利なことに、これにより、許可されたユーザは、例えば収納容器100を開くため、また、収納容器100をオートバイ1から取り外す場合に、電気デバイス110を使用できる。これは、収納容器110が蓄電デバイス103を備える場合とそうでない場合の両方で起こり得る。しかしながら、実際、理論的には、無線電力受信機101と機能的に補完的であり、たとえば、ユーザが自宅、ガレージ、またはオフィスに保管できる充電パッドまたはドッキングステーションなどに組み込まれている任意の他の無線電力送信機からでも、無線電力受信機101によって電力を得ることができる。
【0041】
有利な実施形態によれば、許可制御システムは、許可信号の無線受信機107を備える。例えば、許可信号は、収納容器100および/またはオートバイ1と論理的に対になったキーフォブによって送信される無線信号であり、これにより、電気デバイス110は、許可されたユーザが所有している場合にのみ電力を供給できる。キーフォブを携帯している場合、無線受信機107によるキーフォブの可視範囲(visibility range)内にある。
【0042】
特に有利な実施形態によれば、前述の認証制御システムは、例えば、以下にリストされた条件などの、オートバイ1の少なくとも1つの動作状態に基づいて、電気デバイス110の電力供給をアクティブ化または非アクティブ化に適合および構成されている。動作状態は、例えば、以下にリストされた状態の機能として示される;オートバイ1の制御盤のエンジンをかけるまたはスイッチオフの状態、オートバイ1のモータ8のエンジンをかけるまたはスイッチオフの状態、オートバイ1の速度、オートバイの駐車状態、前の状態の1つが発生または停止してから経過した時間間隔。
【0043】
前述の条件は、特に電源供給回路102が蓄電デバイス103を備える場合、電源供給回路102によって自律的に検証することができる。例えば、認証制御システムは、オートバイのモータ8がオンであるが、まだ信号待ちまたは列に並んでいるときに、悪意のある人々によって収納容器100が開けられるのを防止するため、例えば、オンであるときにはいつでも同意を拒否することができる。モータ8がオンであるかを検出するために、認証制御システムは、例えば、無線電力受信機101によって取得された電力に基づいて、無線電力送信機201が電磁場を送信しているか否かを確認できる。この場合、モータ8がオンのときのみ送信機201に供給できるようにオートバイ1を構成できる。換言すれば、オートバイ1の状態に関する情報は、例えば、送信機201によって、または、無線周波数信号の送信(Wi-Fi、Bluetooth、RFIDなど)によって、データまたは情報を送信するように構成された1つまたは複数の別個の送信機によって、収納容器100に無線で送信することもできる。
【0044】
しかし、収納容器100が蓄電デバイス103を備えていない場合、すべての認証ロジックは、例えば、オートバイ1の電子制御ユニット(ECU)によって、オートバイ1に搭載された状態で管理することができ、オートバイ1が送信機201に電力を供給できるようにする認証状態を確立して、例えば、電気デバイス110に電力を供給できるようにする。
【0045】
好ましい実施形態によれば、電源供給回路は、蓄電デバイス103に蓄えられた電力によって電力供給される可能性がある電子制御ユニット108を備え、例えば、以下のリストで定義される1以上の動作の管理を可能とする。蓄電デバイス103を充電する、電気デバイス0を駆動する、制御デバイス106の入力を管理する、無線受信機107によって出力された信号を処理することにより、および/または無線電力受信機101から抽出された電力によって認証を制御する、等。
【0046】
上述のタイプの収納容器100も本特許出願の対象であり、無線電力受信機101に加えて、または無線電力受信機101の代わりに、本明細書で詳述され、収納容器100に含まれる、または一体化される、たとえば充電式電池、キャパシタ、超コンデンサなどの蓄電ユニット103に動作可能に接続される無線電力送信機201と同等または類似の無線電力送信機を備えることに留意されたい。
【0047】
収納容器100に含まれる無線電力送信機と蓄電ユニット103とにより、収納容器100は、オートバイ1に電力を供給するため、および/または他の任意の電力供給を要求するデバイス(たとえば、スマートフォン)に電力を供給するために有利に使用できる。これは、収納容器100がオートバイ1に固定されているときと、オートバイ1から取り外されているときの両方に有用であり得る。
【0048】
無線電力受信機201が収納容器100内に存在する場合、アンテナの相互関係の原理または定理のために、当業者の範囲内で変更された無線電力受信機201は、収納容器100の無線電力送信機として使用できる。この場合、収納容器100は、無線電力の供給源として、または無線電力を吸収するように適合された積み荷として選択的に使用できる。
【0049】
無線電力受信機201が存在せず、代わりに無線電力送信機が存在する場合、収納容器100は使用することができるが、収納容器100は、収納容器100を充電することができる外部電源への接続のため(例えば、配電ネットワークへの接続のため)に、蓄電ユニット103を充電する可能性を提供することによって(例えば、収納容器100の充電ソケットを含むことによって)、使用することができる。
【0050】
したがって、上記の説明に基づいて、既知の従来技術を参照して、上述のタイプの収納容器が上述の目的をどのように達成できるかを理解することが可能である。
【0051】
本発明の原理を害することなく、実施形態および詳細は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、単に非限定的な例として与えられた上記の開示に関して広く変更され得る。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サドル乗車型車両(1)の収納容器(100)であって、
前記収納容器(100)は、作動に電力供給を必要とする電気デバイス(110)を備え、
前記電気デバイス(100)は、
無線電力送信機(201)によって、生成された電磁界から、電力を取得する無線電力受信機(101)と、
前記電磁界から得られた前記電力を前記電気デバイス(110)に供給するように、前記無線電力受信機(101)と、前記電気デバイス(101)に動作可能に接続される電力供給回路(102)と、を備える
収納容器。
【請求項2】
前記収納容器(100)を前記車両(1)に取り付けるように、前記サドル乗車型車両(1)に取り付け可能な取り付け基部(200)、
を備える請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項3】
前記車両(1)に取り付ける前記取り付け基部(200)は、前記無線電力送信機(201)を含む、
請求項2に記載の収納容器(100)。
【請求項4】
前記収納容器(100)は、基部(130)およびカバーまたはドア(131)を有する容器本体(130,131)を含み、
前記無線電力受信機(101)は、前記容器本体(130,131)の前記基部(130)、好ましくは、前記基部(130)の底面に結合される、
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項5】
前記電力供給回路(102)は、さらに、得られた前記電力を貯蔵する蓄電デバイス(103)を備える、
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項6】
前記蓄電デバイス(103)は、再充電可能なバッテリ、および/または、キャパシタであり、好ましくは、超コンデンサである、
請求項5に記載の収納容器(100)。
【請求項7】
前記電気デバイス(110)は、内部照明源、錠(120)を制御可能な電気アクチュエータ、収納容器(100)を保温/冷却する手段、アクティブな物体保持デバイス、電気ソケット、好ましくは、USBのうち、1以上のデバイスを含む
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項8】
前記電力は、誘導型の電磁界から取得する
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項9】
前記電力供給回路(102)は、さらに、電気デバイス(110)に選択的に電力供給を可能とする制御デバイス(106)を備える、
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項10】
前記制御デバイス(106)は、収納容器(100)の外側に配置され、好ましくは、収納容器(100)の外側後部に配置される、
請求項9に記載の収納容器(100)。
【請求項11】
前記制御デバイス(106)は、スイッチを含み、好ましくは、押しボタン付きのスイッチである、
請求項9または10に記載の収納容器(100)。
【請求項12】
前記電力供給回路(102)は、許可制御システムによって付与されまたは、拒否されたそれぞれの承認に基づいて、前記電気デバイス(110)への電力供給をアクティブ化または非アクティブ化するようにする
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項13】
前記許可制御システムは、前記収納容器(100)に含まれ、特に、前記電力供給回路(102)に含まれる
請求項12に記載の収納容器(100)。
【請求項14】
前記許可制御システムは、許可信号を受信する無線受信機(107)を備える
請求項12または13に記載の収納容器(100)。
【請求項15】
前記電力供給回路(102)は、前記収納容器(100)の一部を形成し、前記無線受信機(101)と前記電気デバイス(110)との間に動作可能に配置される
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項16】
前記電気デバイス(110)は、前記収納容器(100)の一部を形成する
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項17】
前記電気デバイス(110)は、前記収納容器(100)に固定され、または、一体化される
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項18】
前記無線電力送信機(201)は、前記収納容器(100)の外部に配置される
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項19】
前記無線電力受信機(101)は、前記収納容器(100)の内部に配置される
請求項1に記載の収納容器(100)。
【請求項20】
サドル乗車型車両(1)は、荷台(10)および請求項1に記載の収納容器(100)を備え、
前記収納容器(100)は、前記荷台(10)に取り付けられるように適合および構成され、
前記車両(1)は、前記車両(1)から前記収納容器(100)に電力を送信するために、前記収納容器(100)に動作可能に接続される電力源(11)を備える
サドル乗車型車両(1)。
【国際調査報告】