(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】ネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230213BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230213BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06Q50/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538326
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2020133720
(87)【国際公開番号】W WO2021129344
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911368776.8
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519087309
【氏名又は名称】炬星科技(深▲せん▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Syrius Robotics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 401,block D,building 7,Shenzhen International Innovation Valley,Dashi 1st Road,Xili community,Xili street,Nanshan District,Shenzhen,Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 志欽
(72)【発明者】
【氏名】黄 華
(72)【発明者】
【氏名】王 翔宇
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB24
3F522BB35
3F522CC01
3F522FF05
3F522FF12
3F522GG05
3F522GG13
3F522GG22
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3F522GG34
3F522GG36
3F522GG39
3F522GG46
3F522GG49
3F522HH02
3F522HH16
3F522HH24
3F522HH30
3F522HH35
3F522HH40
3F522JJ02
3F522KK05
3F522LL15
3F522LL41
3F522LL61
3F522LL62
5L049CC11
(57)【要約】
ネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法、機器及び記憶媒体を提供し、方法は、サーバが倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得るステップ(S10)と、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信するステップ(S20)と、ロボットから通知された自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割されたローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てるステップ(S30)と、ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとするステップ(S40)とを含む。倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にして、余分なコストアップを招くことなくタスク実行の全体的な効率を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが、倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得るステップと、
サーバが、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信するステップと、
サーバが、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てるステップと、
ロボットによるタスク実行が完了すると、サーバロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとするステップとを含む、ネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法。
【請求項2】
ロボットは、オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに、ネットワーク通信の状況を検出し、サーバと他のロボットとの間の通信情報を取得し、ロボットの自体の能力特徴情報を得て、得た前記能力特徴情報を前記サーバに通知するステップと、
ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点の位置情報を記録するステップとをさらに含む、請求項1に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法。
【請求項3】
ロボットは、オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに、ネットワーク通信の状況を検出し、サーバと他のロボットとの間の通信情報を取得し、ロボットの自体の能力特徴情報を得る前記ステップは、
ロボットは、オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しながら、ネットワークの状況を検出し、サーバとの通信を試みるとともに、ロボット同士の予め設定された通信方式によって、他のロボットと通信するステップと、
サーバと他のロボットとの間の通信情報に基づいて、ロボットの自体能力特徴情報を取得するステップとを含む、請求項2に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法。
【請求項4】
サーバが、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てる前記ステップは、
サーバがロボットから通知された前記能力特徴情報に基づいて、予め設定されたルールに従って、分割された倉庫に対応するローカル領域ごとに、対応するローカル中心ロボットをそれぞれ決定するステップと、
ローカルタスクパケットを前記ローカル領域内のローカル中心ロボットに送信し、前記ローカル中心ロボットによって前記ローカル領域内の他のタスク実行ロボットに実行待ちタスクを割り当てるステップと、を含み、
前記ローカル中心ロボットと他のタスク実行ロボットは同一ローカル領域内で1つのローカルネットワークを構成する、請求項1、2又は3に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法。
【請求項5】
ロボットは、自在に移動しているときに、前記ローカル中心ロボットに遭遇すると、前記ローカル中心ロボットとロボット間の通信を行い、前記ローカル中心ロボットとともに対応する前記ローカル領域内でローカルネットワークを構成し、同一のローカルネットワーク内のロボットは前記ローカル領域に対応するローカルタスクパケットを共同で遂行するステップと、
前記ローカル中心ロボットは、予め設定されたタスク割り当てルールに従って、前記ローカルタスクパケットに対応する実行待ちタスクを前記ローカル領域内の前記タスク実行ロボットに割り当て、前記タスク実行ロボットは対応する実行待ちタスクを実行するステップとをさらに含む、請求項4に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法。
【請求項6】
前記タスク実行ロボットは、タスクを実行しながら、同一ローカル領域内のローカル中心ロボットに現在のタスク実行の状況をリアルタイムでレポートするステップと、
タスクロボットが1つのタスクを完了した後、同一ローカル領域内の対応する前記ローカルタスクパケットには実行していないタスクが存在すれば、前記ローカル中心ロボットは実行待ちタスクを前記タスクロボットに送信し続けるステップと、
同一ローカル領域内の対応する前記ローカルタスクパケットのタスクが全て実行されていれば、前記ローカル中心ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点位置情報の記録に基づいて、対応する通信点位置に走行し、当該ローカル領域内の前記ローカルタスクパケットが全て完了した旨を前記サーバにレポートし、自在に移動可能なロボットとして開放されるステップとをさらに含む、請求項5に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法。
【請求項7】
前記ローカル中心ロボットが前記ローカルタスクパケットを取得してから予め設定された時間内で、前記ローカル中心ロボットと協力してタスクを実行する他のロボットがなければ、前記ローカル中心ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点位置情報の記録に基づいて、対応する通信点位置に走行し、当該ローカル領域内のタスクの実行不能の旨を前記サーバにフィードバックし、前記ローカル領域に対応する今回のタスクを開放するステップをさらに含む、請求項1、2又は3に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法。
【請求項8】
ロボットが現在作動している倉庫範囲及びロボットの通信能力情報に基づいて、倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得る倉庫領域分割モジュールと、
オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てる実行待ちタスク割り当てモジュールと、
ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、前記タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとするロボット開放モジュールとを含む、ネットワーキング自在なロボットのタスク実行装置。
【請求項9】
メモリとプロセッサとを含み、前記メモリには前記プロセッサ上で運行可能なタスク実行プログラムが記憶されており、前記タスク実行プログラムは、前記プロセッサによって運行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法を実行する電子機器。
【請求項10】
1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、請求項1~7のいずれか1項に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法のステップを実現するタスク実行プログラムが記憶されているコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターネットの技術分野に関し、特にネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法、機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット技術の普及、及び経済の持続的な発展や進歩に伴い、ネットショッピングの流行と普及により、宅配便や倉庫業も急速に発展し、その結果として、倉庫でのピッキングに対する要求もますます高くなっている。倉庫でのピッキングを効率化するため、多くのメーカーが従来の手動ピッキングに加えて、ロボット支援ピッキングシステムを追加している。このようなシステムによりロボットは自律的にピッキングタスクの注文を受け、ピッキングすべき倉庫の保管場所まで走行して作業員を待ち、作業員は指示に従い対応商品をピッキングし、現在のピッキングタスクの完了を確認し、ロボットは自律的に次のピッキング位置まで移動して作業を継続することができ、ピッキング効率を高める。
【0003】
実際の適用では、コストや規模を考慮して、多くの倉庫は遠隔地に配置されており、倉庫内のネットワーク環境も不安定で、ロボットはこのような環境の下でサーバと常に安定した通信を維持することができず、現在のピッキングの状况をリアルタイムで通知することができず、また、アイドル状態になった直後にサーバにタスクを要求することもできない。
【0004】
このような事情に対して、既存の処理では、倉庫のインフラストラクチャをアップグレードして、ロボットが倉庫内のどこにいてもサーバと安定した通信を維持できるようにするが、このソリューションは、コストが高くなる可能性があり、また、倉庫が大きいほどコストがかかり、要求される通信品質が高いほどコストも高くなる。通信状態が悪い大規模倉庫の環境では、ロボットがサーバとの通信を確立し、タスクの実行状況を通知するために遠くまで移動しなければならず、実行が完了するたびに特定の位置に移動しなければならず、非効率的である。そのため、倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にしてピッキングの全体的な効率を高めることは課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にして、タスクの全体的な実行効率を向上させるネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法、機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成させるために、本発明は、
サーバが、倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得るステップと、
サーバが、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信するステップと、
サーバが、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てるステップと、
ロボットによるタスク実行が完了すると、サーバロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとするステップとを含む、ネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法を提供する。
【0007】
上記の目的を達成させるために、本発明はまた、
ロボットが現在作動している倉庫範囲及びロボットの通信能力情報に基づいて、倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得る倉庫領域分割モジュールと、
オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てる実行待ちタスク割り当てモジュールと、
ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとするロボット開放モジュールとを含む、ネットワーキング自在なロボットのタスク実行装置を提供する。
【0008】
上記の目的を達成させるために、本発明はまた、メモリとプロセッサとを含み、前記メモリには前記プロセッサ上で運行可能なタスク実行プログラムが記憶されており、前記タスク実行プログラムは、前記プロセッサによって運行されると、前記ネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法を実行する、電子機器を提供する。
【0009】
上記の目的を達成させるために、本発明はまた、1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、前記ネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法のステップを実現するタスク実行プログラムが記憶されているコンピュータ記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法、機器及び記憶媒体は、下記有益な効果を奏する。
倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得て、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、対応する実行待ちタスクを分割された前記ローカル領域に割り当てて、ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとし、これによって、倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にして、余分なコストアップを招くことなくタスク実行の全体的な効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面は本発明をさらに理解するために提供されるものであり、明細書の一部を構成し、本発明の実施例とともに本発明を解釈し、本発明を制限するものではない。
【
図1】本発明のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法の一実施形態の流れの模式図である。
【
図2】本発明のタスク実行装置の一実施形態の機能モジュールの模式図である。
【
図3】本発明の電子機器の一実施形態の内部構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明し、ただし、ここで説明する好適な実施例は本発明を説明して解釈するために過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0013】
本発明は、倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にして、タスクの全体的な実行効率を向上させるネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法、機器及び記憶媒体を提供する。
【0014】
図1に示すように、
図1は本発明のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法の一実施形態の流れの模式図であり、本発明のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法は、下記したステップS10~S40を実施してもよい。
【0015】
ステップS10、サーバが倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得る。
【0016】
余分なネットワーク配置コストを招くことなく倉庫の様々な位置に配置されたロボットを全て効率的な作動状態とすることを考慮して、本発明の実施例は、倉庫に対する領域分割の方式によって実現され、サーバは、1つの大規模倉庫をロボットの直接通信が可能な複数の領域に分割する。
【0017】
本発明の実施例では、サーバロボットが現在作動している倉庫範囲及びロボットの通信能力情報に基づいて、倉庫全域に対して領域分割を行い、即ち、倉庫領域に対する分割は、倉庫の規模及びロボットの通信能力に基づいて行われる。もちろん、具体的な適用シーンでは、実際の状況に応じて他の分割方式が利用可能であり、本発明の実施例では、倉庫領域の具体的な分割方式について一々例示して限定しない。倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後のローカル領域を得ることは、1つのローカル領域内の全てのロボットの通信を確保し、効率的な作業を維持し、タスクの実行効率を向上させるためである。
【0018】
サーバは、倉庫全体を複数の領域に分割した後、同一のローカル領域内で実行すべきタスクを当該ローカル領域に対応するローカルタスクパケットにする。
【0019】
例えば、倉庫全体のサイズが200*100mであり、ロボットの通信範囲が100mである場合、倉庫全体は2つの領域A及びBに分割され、A及びBは全て100*100mのものとし、このように、1つの領域内のロボットは直接通信可能である。実行待ちタスクも領域ごとに処理され、即ち、実行待ちタスクも領域Aタスクと領域Bタスクに分けられ、例えば、領域Aには30個のピッキングタスク(T1~T30)、領域Bには70個のピッキングタスク(T31~T100)があるなどである。
【0020】
ステップS20、サーバは、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信する。
【0021】
ステップS30、サーバは、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てる。
【0022】
ロボットは、オンラインになると、自律的に移動し、サーバと通信可能になれば、現在のロボットの能力を通知し、サーバは、現在のタスクの状況及び各ロボットの能力に基づいて、どのロボットがローカル中心ロボットであるかを決定し、ローカルタスクパケットを全体として当該ロボットに送信する。
【0023】
つまり、ロボットは、オンラインになると、倉庫内を自律的に移動し、ネットワークがある位置に移動すれば、現在のロボットの通信能力及びロボットの現在の状態をサーバにレポートし、サーバは、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、所定のルールに従って、ロボットをローカル中心ロボットとするか否かを決定する。ローカル中心ロボットを決定したら、対応するローカル中心ロボットに現在のローカルタスクパケットを送信する。ロボットは、自在に移動しているとともに、どの位置でサーバと通信可能であるか、及びサーバと通信するときの通信信号の強度を記録し、ローカル中心ロボットは、ローカル領域内のローカルタスクパケット中の全てのタスクが完了したと判定すると、ネットワークがある位置に走行してタスク実行の状況をサーバにレポートする。
【0024】
例えば、ロボットは、それぞれ、オンラインになると、倉庫内を自律的に移動し、通信点(C1)に移動すれば、サーバに能力を通知し、通知した能力情報には、当該ロボットがどのタイプのタスクに対応できるか、ロボットの現在の健康状態などが含まれる。しかも、自律的な移動中、ロボットは、それぞれ、必要な場合にサーバにタスクをレポートすることを考慮して、通信点の位置情報を記憶する。
【0025】
ステップS40、ロボットによるタスク実行が完了すると、サーバロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとする。
【0026】
本発明の実施例では、ロボットによるタスク実行が完了すると、サーバが受信したタスク完了通知情報はローカル中心ロボットによって送信されたものである。サーバによってローカル中心ロボットに送信されたローカルタスクパケットが全体として完了した後、ローカル中心ロボットは通信可能な位置に走行し、ローカルタスクが全て完了した旨をサーバにレポートし、このとき、当該ローカル中心ロボットは開放される。開放されたロボットは自由ロボットとなり、倉庫内を自律的に移動することができ、移動中にもサーバや他のロボットとの通信を試み、タスクを取得して実行し、このように、上記ステップS10~S40を繰り返す。
【0027】
ロボットによるサーバへのデータ通知に関しては、ロボットは、サーバと通信可能なネットワーク位置、又は予め設定された特定のデータ収集点を通過すれば、タスクデータをサーバにアップロードすることができ、全てのタスクの実行が完了した場合にのみ、ローカル中心ロボットによってタスク情報を通知するわけではない。そして、ロボットがサーバにデータを通知する場合、通知の方式はネットワークを含むが、これに限定されるものではなく、他の近距離無線通信技術、例えばコード操作によるアップロード、ブルートゥース(登録商標)、NFC、RFIDなどの技術としてもよい。
【0028】
さらに、一実施例では、ローカル中心ロボットに対する決定は、以下のように実施されてもよい。
【0029】
ロボットは、オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに、ネットワーク通信の状況を検出し、サーバと他のロボットとの間の通信情報を取得し、ロボットの自体の能力特徴情報を得て、得た前記能力特徴情報を前記サーバに通知し、それと同時に、ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点の位置情報を記録する。
【0030】
ここで、サーバはロボットから通知された前記能力特徴情報に基づいて、予め設定されたルールに従って、分割された倉庫に対応するローカル領域ごとに、対応するローカル中心ロボットをそれぞれ決定し、例えば、サーバは、現在のタスクの状況及び各ロボットの能力に基づいて、このうちの1つのロボットを現在のローカル領域のローカル中心ロボットとして決定する。例えば、特定の適用シーンでは、現在同一ローカル領域内にR1、R2、R3、R4という4つのロボットが存在し、この4つのロボットの能力は、タスク受信及びタスク実行を含み、そして、これらの健康の状况に対応するスコアはそれぞれ90、85、80、75であると仮定する。
【0031】
上記R1、R2、R3、R4の4つのロボットは、移動しながら、サーバと通信を試み、サーバは現在のタスクの状況及び各ロボットの実際能力や健康状況に基づいて、領域AのタスクをロボットR1、領域BのタスクをロボットR2に送信する。即ち、R1には領域Aの30個のピッキングタスク(T1~T30)が割り当てられ、R2には領域Bの70個のタスク(T31~T100)が割り当てられる。
【0032】
サーバは、ローカル中心ロボットを決定すると、前記ローカル領域に対応するローカルタスクパケットを抽出し、前記ローカルタスクパケットを前記ローカル領域内のローカル中心ロボットに送信し、前記ローカル中心ロボットは前記ローカル領域内の他のタスク実行ロボットに実行待ちタスクを割り当てる。
【0033】
一実施例では、ローカル領域内の各ロボットに関する自動的なネットワーキングは、以下のように実施されてもよい。
【0034】
ロボットは、自在に移動しているときに、前記ローカル中心ロボットに遭遇すると、前記ローカル中心ロボットとロボット間の通信を行い、前記ローカル中心ロボットとともに対応する前記ローカル領域内でローカルネットワークを構成し、同一のローカルネットワーク内のロボットは前記ローカル領域に対応するローカルタスクパケットを共同で遂行し、前記ローカル中心ロボットは、予め設定されたタスク割り当てルールに従って、前記ローカルタスクパケットに対応する実行待ちタスクを前記ローカル領域内のタスク実行ロボットに割り当て、前記タスク実行ロボットは対応する実行待ちタスクを実行する。
【0035】
例えば、ロボットは、倉庫内を自律的に移動しているときに、ネットワークの状況を検出し、サーバと通信を試みるに加えて、ロボット間の通信方式(Wifi、Bluetoothなどを含むが、これらに限定されるものではない。)を利用して、他のロボットと通信し、現在のロボットの能力及び状態をレポートする。当該ロボットは、ローカル中心ロボットに遭遇すると、ローカル中心ロボットと通信を確立し、現在のロボットの状態をレポートし、ローカル中心ロボットは、予め設定されたルールに従って、現在のタスクパケット中のタスクを、実行のために他のロボットに送信し、タスクを割り当てられたこれらのロボットは当該ローカル領域内のタスク実行ロボットとなり、これによって、同一のローカル領域内で同一のローカルタスクパケットに対応する実行待ちタスクを共同で実行するロボットは1つのローカルネットワークを構成し、このグループのローカルタスクを共同で完了する。
【0036】
例えば、R1は、ローカルタスクパケットを得るときにR3の情報を受信すると、タスクをR3に送信し、R3はこのタスクを実行すると決定すれば、R1とR3はローカルネットワークを構成し、領域Aのタスクパケットを共同で実行する。同様に、R2とR4は領域Bのローカルネットワークを構成し、領域Bのタスクを共同で実行する。
【0037】
タスクを実行する際には、前記タスク実行ロボットは、タスクを実行しながら、同一ローカル領域内のローカル中心ロボットに現在のタスク実行の状況をリアルタイムでレポートし、例えば、上記ロボットR1及びR3の両方は領域Aの位置に進み、領域Aのタスク(T1~T30)を実行し、R2及びR4の両方は領域Bの位置に進み、領域Bのタスク(T31~T100)を実行し、タスクの実行結果はそれぞれR1及びR2にレポートされる。
【0038】
タスクロボットが1つのタスクを完了した後、同一ローカル領域内の対応する前記ローカルタスクパケットには実行していないタスクが存在すれば、前記ローカル中心ロボットは実行待ちタスクを前記タスクロボットに送信し続け、
同一ローカル領域内の対応する前記ローカルタスクパケットのタスクが全て実行されていれば、前記ローカル中心ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点位置情報の記録に基づいて、対応する通信点位置に走行し、当該ローカル領域内の前記ローカルタスクパケットが全て完了した旨を前記サーバにレポートし、このとき、自在に移動可能なロボットとして開放される。
【0039】
ローカル中心ロボットがローカルタスクパケットを取得してから予め設定された時間内で、前記ローカル中心ロボットと協力してタスクを実行する他のロボットがなければ、前記ローカル中心ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点位置情報の記録に基づいて、対応する通信点位置に走行し、当該ローカル領域内のタスクの実行不能の旨を前記サーバにフィードバックし、前記ローカル領域に対応する今回のタスクを開放する。
【0040】
例えば、特定の適用シーンでは、ロボットR1は、オンラインになって、倉庫内を自律的に移動し、通信点C1に移動すると、サーバと通信して領域Aのタスクパケット(T1~T30)を取得し、ロボットR2は、オンラインになって、倉庫内を自律的に移動し、通信点C1に移動すると、サーバと通信して領域Bのタスクパケット(T31~T100)を取得し、ロボットR3は、オンラインになって、倉庫内を自律的に移動し、移動中にR1に遭遇すると通信を確立し、タスクT1を取得し、ロボットR4は、オンラインになって、倉庫内を自律的に移動し、移動中にR2に遭遇すると通信を確立し、タスクT31を取得し、ロボットR1及びR3は領域Aに進んで領域Aのタスクパケット(T1~T30)を実行し、ロボットR2及びR4は領域Bに進んで領域Bのタスクパケット(T31~T100)を実行し、ロボットR3は1つのタスクを実行するたびにR1にタスク実行結果を1回レポートし、実行すべきタスクがまだ存在すると、R1は次のタスクをR3に割り当て、領域Aの全てのタスクが実行されると、R3は開放されて、倉庫内を自律的に移動できる自由ロボットとなる。
【0041】
R1は、領域Aでのタスクを完了した後、通信点C1に移動してサーバに領域Aのタスクパケット(T1~T30)の実行状況をレポートする。このとき、R1は開放されて自由ロボットとなり、現在新しいタスクがなければ、R1は倉庫内を自在に移動し続け、ロボットR1及びR3は、倉庫内を自在に移動するときに、まず、領域Bに移動してロボットR2と通信を確立し、このとき、領域Bのタスクが全て実行されていない場合、R2はタスクをR1及びR3に割り当て、R1及びR3は領域Bのタスクネットワーク中のタスク実行ロボットとなり、タスク実行ロボットR1、R3及びR4は、タスク実行中に、中心ロボットR2にタスクの実行状況をリアルタイムでレポートし、R2は、領域Bの全てのタスクが実行されるまで、領域Bのタスクを実行のために各ロボットに順次割り当てる。タスクがない場合、ロボットR1、R3及びR4は開放されて、自由ロボットとなる。
【0042】
R2は、領域Bでのタスクを完了した後、通信点C1に移動して、サーバに領域Aのタスクパケット(T31~T100)の実行の状況をレポートする。このとき、R2は開放されて自由ロボットとなり、倉庫内を自在に移動し続ける。
【0043】
本発明の実施例に記載の技術案によれば、大規模な倉庫は多くの小さなローカル領域になり、ローカル領域ごとに、当該ローカル領域でのタスクを実行する1組のロボットが配置されている。タスクの実行が完了すると、これらのロボットは開放されて、他のローカルネットワークに加入してもよく、ローカルネットワーク同士はリアルタイムで通信して、緊密な協力を行うことができ、これによって、ローカルネットワーク中の各ロボットの効率的な作業が確保される。また、この技術案では、倉庫のインフラストラクチャの改修が必要ではなく、コストアップを招くことはなく、しかも、作業待ち領域に対するローカル分割方法、及びロボットの自在なネットワーキング方法は他の適用シーンにも適用されやすい。
【0044】
なお、本発明の実施例に記載のサーバと各ロボットとの通信方式は、Wi-Fi、HTTP等を含むが、これらに限定されるものではなく、通信を可能とする任意の方式であってもよく、また、ロボット同士の通信方式は、Wi-Fi、Bluetoothなどを含むが、これらに限定されるものではなく、通信を可能とする任意の方式であってもよい。
【0045】
本発明のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法では、サーバが倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得て、サーバは、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、サーバは、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、対応する実行待ちタスクを分割された前記ローカル領域に割り当てて、ロボットによるタスク実行が完了すると、サーバロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとし、これによって、倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にして、余分なコストアップを招くことなくタスク実行の全体的な効率を向上させる。
【0046】
図1の実施例に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法に対応して、本発明の実施例はまた、ネットワーキング自在なロボットのタスク実行装置を提供し、
図2に示すように、
図2は本発明のタスク実行装置の一実施形態の機能モジュールの模式図であり、本発明の実施例では、前記タスク実行装置は機能的な区分に過ぎず、倉庫領域分割モジュール100と、実行待ちタスク割り当てモジュール200と、ロボット開放モジュール300とを含む。
【0047】
倉庫領域分割モジュール100は、ロボットが現在作動している倉庫範囲及びロボットの通信能力情報に基づいて、倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得る。
【0048】
実行待ちタスク割り当てモジュール200は、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てる。
【0049】
ロボット開放モジュール300は、ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとする。
【0050】
図1に記載の実施例におけるネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法の説明に基づいて、一実施例では、前記ネットワーキング自在なロボットのタスク実行装置はロボット400をさらに含む。
【0051】
前記ロボット400は、
オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに、ネットワーク通信の状況を検出し、サーバと他のロボットとの間の通信情報を取得し、ロボットの自体の能力特徴情報を得て、得た前記能力特徴情報を前記サーバに通知し、
前記サーバと通信可能な通信点の位置情報を記録する。
【0052】
一実施例では、前記ロボット400は、
オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しながら、ネットワークの状況を検出し、サーバとの通信を試みるとともに、ロボット同士の予め設定された通信方式によって、他のロボットと通信し、
サーバと他のロボットとの間の通信情報に基づいて、ロボットの自体能力特徴情報を取得する。
【0053】
一実施例では、前記実行待ちタスク割り当てモジュール200は、
ロボットから通知された前記能力特徴情報に基づいて、予め設定されたルールに従って、分割された倉庫に対応するローカル領域ごとに、対応するローカル中心ロボットをそれぞれ決定し、
前記ローカルタスクパケットを前記ローカル領域内のローカル中心ロボットに送信し、前記ローカル中心ロボットによって前記ローカル領域内の他のタスク実行ロボットに実行待ちタスクを割り当て、
前記ローカル中心ロボットと他のタスク実行ロボットは、同一ローカル領域内で1つのローカルネットワークを構成する。
【0054】
一実施例では、前記ロボット400は、
ロボットは、自在に移動しているときに、前記ローカル中心ロボットに遭遇すると、前記ローカル中心ロボットとロボット間の通信を行い、前記ローカル中心ロボットとともに対応する前記ローカル領域内でローカルネットワークを構成し、同一のローカルネットワーク内のロボットは前記ローカル領域に対応するローカルタスクパケットを共同で遂行し、
前記ローカル中心ロボットは、予め設定されたタスク割り当てルールに従って、前記ローカルタスクパケットに対応する実行待ちタスクを前記ローカル領域内のタスク実行ロボットに割り当て、前記タスク実行ロボットは対応する実行待ちタスクを実行する。
【0055】
一実施例では、前記ロボット400は、
タスク実行ロボットは、タスクを実行しながら、同一ローカル領域内のローカル中心ロボットに現在のタスク実行の状況をリアルタイムでレポートし、
タスクロボットが1つのタスクを完了した後、同一ローカル領域内の対応する前記ローカルタスクパケットには実行していないタスクが存在すれば、前記ローカル中心ロボットは実行待ちタスクを前記タスクロボットに送信し続け、
同一ローカル領域内の対応する前記ローカルタスクパケットのタスクが全て実行されていれば、前記ローカル中心ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点位置情報の記録に基づいて、対応する通信点位置に走行し、当該ローカル領域内の前記ローカルタスクパケットが全て完了した旨を前記サーバにレポートし、このとき、自在に移動可能なロボットとして開放される。
【0056】
一実施例では、前記ロボット400のうち、タスクロボットは、
ローカル中心ロボットがローカルタスクパケットを取得してから予め設定された時間内で、前記ローカル中心ロボットと協力してタスクを実行する他のロボットがなければ、前記ローカル中心ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点位置情報の記録に基づいて、対応する通信点位置に走行し、当該ローカル領域内のタスクの実行不能の旨を前記サーバにフィードバックし、前記ローカル領域に対応する今回のタスクを開放する。
【0057】
本発明のネットワーキング自在なロボットのタスク実行装置では、倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得て、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、対応する実行待ちタスクを分割された前記ローカル領域に割り当てて、ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとし、これによって、倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にして、余分なコストアップを招くことなくタスク実行の全体的な効率を向上させる。
【0058】
本発明はまた、
図1に記載のネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法によって対応するタスクを実行することができる電子機器を提供する。
図3に示すように、
図3は本発明の電子機器の一実施形態の内部構造の模式図である。
【0059】
本実施例では、電子機器1はパソコン(PC:Personal Computer)であってもよいし、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯式コンピュータなどの端末機器であってもよい。この電子機器1は少なくともメモリ11、プロセッサ12、通信バス13、及びネットワークインタフェース14を含む。
【0060】
メモリ11は少なくとも1つのタイプの読み取り可能な記憶媒体を含み、前記読み取り可能な記憶媒体はフラッシュメモリ、ハードディスク、マルチメディアカード、カードメモリ(例えば、SD又はDXメモリなど)、磁気メモリ、磁気ディスク、コンパクトディスクなどを含む。いくつかの実施例では、メモリ11は、電子機器1の内部記憶ユニット、例えばこの電子機器1のハードディスクであってもよい。別のいくつかの実施例では、メモリ11は電子機器1の外部記憶機器、例えば電子機器1に装備されたプラグイン式ハードディスク、スマートメディアカード(SMC:Smart Media(登録商標) Card)、セキュアデジタル(SD:Secure Digital)カード、フラッシュカード(Flash Card)などであってもよい。さらに、メモリ11は、電子機器1の内部記憶ユニットとともに外部記憶機器を含む。メモリ11は、電子機器1にインストールされたアプリケーションや各種のデータ、例えばタスク実行プログラム01のコードなどを記憶するだけでなく、出力された又は出力しようとするデータを一時的に記憶してもよい。
いくつかの実施例では、プロセッサ12は中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサや他のデータ処理チップであってもよく、メモリ11に記憶されたプログラムコード又は処理データを運行し、例えばタスク実行プログラム01などを実行するものである。
【0061】
通信バス13はこれらの部品同士の連続通信を可能とする。
【0062】
ネットワークインタフェース14は、任意選択的に、標準な有線インタフェース、無線インタフェース(例えばWI-FIインタフェース)を含んでもよく、通常、この電子機器1と他の電子機器との間で通信接続を確立する。
【0063】
任意選択的に、この電子機器1はさらにユーザインタフェースを含んでもよく、ユーザインタフェースはディスプレイ(Display)、入力ユニット例えばキーボード(Keyboard)を含んでもよく、任意選択的に、ユーザインタフェースは標準的な有線インタフェース、無線インタフェースを含んでもよい。任意選択的に、いくつかの実施例では、ディスプレイはLEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、タッチ液晶ディスプレイ及び有機発光ダイオード(OLED:Organic Light-Emitting Diode)タッチパッドなどであってもよい。このうち、ディスプレイは適宜表示画面又は表示ユニットと呼ばれてもよく、電子機器1において処理される情報や可視化ユーザインタフェースを表示するものである。
【0064】
図3は部品11-14及びタスク実行プログラム01を備える電子機器1だけを示しているが、当業者が理解できるように、
図2に示す構造は電子機器1を限定するものではなく、図示したものよりも少ない又は多い部材を有したり、これらの部材を組み合わせたり、異なる部材のレイアウトを採ってもよい。
【0065】
図1、
図2の実施例の説明に基づいて、
図3に示す電子機器1の実施例では、メモリ11にはタスク実行プログラム01が記憶されており、前記メモリ11に記憶されたタスク実行プログラム01は、前記プロセッサ12上で運行可能であり、前記タスク実行プログラム01は、前記プロセッサ12によって運行されると、
サーバが倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得るステップと、
サーバは、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信するステップと、
サーバは、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てるステップと、
ロボットによるタスク実行が完了すると、サーバロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとするステップとを実現する。
【0066】
一実施例では、前記タスク実行プログラム01は、また、前記プロセッサ12によって運行されると、
ロボットは、オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに、ネットワーク通信の状況を検出し、サーバと他のロボットとの間の通信情報を取得し、ロボットの自体の能力特徴情報を得て、得た前記能力特徴情報を前記サーバに通知するステップと、
ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点の位置情報を記録するステップとを実現してもよい。
【0067】
一実施例では、前記タスク実行プログラム01が前記プロセッサ12によって運行されると、前記ロボットは、オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに、ネットワーク通信の状況を検出し、サーバと他のロボットとの間の通信情報を取得し、ロボットの自体の能力特徴情報を得るステップは、また、
ロボットは、オンラインになると、現在の倉庫範囲内を自在に移動しながら、ネットワークの状況を検出し、サーバとの通信を試みるとともに、ロボット同士の予め設定された通信方式によって、他のロボットと通信するステップと、
サーバと他のロボットとの間の通信情報に基づいて、ロボットの自体能力特徴情報を取得するステップとを含む。
【0068】
一実施例では、前記タスク実行プログラム01が前記プロセッサ12によって運行されると、前記サーバは、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てるステップは、また、
サーバはロボットから通知された前記能力特徴情報に基づいて、予め設定されたルールに従って、分割された倉庫に対応するローカル領域ごとに、対応するローカル中心ロボットをそれぞれ決定するステップと、
前記ローカルタスクパケットを前記ローカル領域内のローカル中心ロボットに送信し、前記ローカル中心ロボットによって前記ローカル領域内の他のタスク実行ロボットに実行待ちタスクを割り当てるステップとを含み、
前記ローカル中心ロボットと他のタスク実行ロボットは同一ローカル領域内で1つのローカルネットワークを構成する。
【0069】
一実施例では、前記タスク実行プログラム01は、前記プロセッサ12によって運行されると、また、
ロボットは、自在に移動しているときに、前記ローカル中心ロボットに遭遇すると、前記ローカル中心ロボットとロボット間の通信を行い、前記ローカル中心ロボットとともに対応する前記ローカル領域内でローカルネットワークを構成し、同一のローカルネットワーク内のロボットは前記ローカル領域に対応するローカルタスクパケットを共同で遂行するステップと、
前記ローカル中心ロボットは、予め設定されたタスク割り当てルールに従って、前記ローカルタスクパケットに対応する実行待ちタスクを前記ローカル領域内のタスク実行ロボットに割り当て、前記タスク実行ロボットは対応する実行待ちタスクを実行するステップとを実現してもよい。
【0070】
一実施例では、前記タスク実行プログラム01は、前記プロセッサ12によって運行されると、また、
前記タスク実行ロボットは、タスクを実行しながら、同一ローカル領域内のローカル中心ロボットに現在のタスク実行の状況をリアルタイムでレポートするステップと、
タスクロボットが1つのタスクを完了した後、同一ローカル領域内の対応する前記ローカルタスクパケットには実行していないタスクが存在すれば、前記ローカル中心ロボットは実行待ちタスクを前記タスクロボットに送信し続けるステップと、
同一ローカル領域内の対応する前記ローカルタスクパケットのタスクが全て実行されていれば、前記ローカル中心ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点位置情報の記録に基づいて、対応する通信点位置に走行し、当該ローカル領域内の前記ローカルタスクパケットが全て完了した旨を前記サーバにレポートし、このとき、自在に移動可能なロボットとして開放されるステップとを実現してもよい。
【0071】
一実施例では、前記タスク実行プログラム01は、前記プロセッサ12によって運行されると、
ローカル中心ロボットがローカルタスクパケットを取得してから予め設定された時間内で、前記ローカル中心ロボットと協力してタスクを実行する他のロボットがなければ、前記ローカル中心ロボットは、前記サーバと通信可能な通信点位置情報の記録に基づいて、対応する通信点位置に走行し、当該ローカル領域内のタスクの実行不能の旨を前記サーバにフィードバックし、前記ローカル領域に対応する今回のタスクを開放するステップを実現してもよい。
【0072】
本発明の電子機器では、倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得て、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、対応する実行待ちタスクを分割された前記ローカル領域に割り当てて、ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとし、これによって、倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にして、余分なコストアップを招くことなくタスク実行の全体的な効率を向上させる。
【0073】
さらに、本発明の実施例はまた、1つ又は複数のプロセッサによって実行されて、
倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得る動作と、
オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信する動作と、
ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、分割された前記ローカル領域に対応する実行待ちタスクを割り当てる動作と、
ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとする動作と、を実現するタスク実行プログラムが記憶されているコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0074】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の具体的な実施形態は、上記ネットワーキング自在なロボットのタスク実行方法、装置、及び電子機器に対応する各実施例とは実施原理がほぼ同じであるので、ここでは詳しく説明しない。
【0075】
当業者にとって明らかなように、本発明の実施例は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。このため、本発明は、ハードウェア単独の実施例、ソフトウェア単独の実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態としてもよい。
【0076】
もちろん、当業者であれば、本発明の主旨や範囲を逸脱することなく本発明について各種の改良や変形を行うことができる。このようにして、本発明のこれらの修正や変形は本発明の特許請求の範囲や同等技術の範囲に含まれるものとし、本発明はこれらの変化や変形を含むことを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の実施例では、倉庫全域に対して領域分割を行い、領域分割後の倉庫に対応するローカル領域を得て、オンラインになったロボットが現在の倉庫範囲内を自在に移動しているときに通知した自体能力特徴情報を受信し、ロボットから通知された前記自体能力特徴情報に基づいて、ローカル中心ロボットを決定し、ローカルネットワークを自在に構成するロボットが実行するために、対応する実行待ちタスクを分割された前記ローカル領域に割り当てて、ロボットによるタスク実行が完了すると、ロボットから通知されたタスク完了情報を受信し、タスク完了情報を通知したロボットを開放して自由移動可能なロボットとし、これによって、倉庫の様々な位置に配置されたロボットを効率的な作業状態にして、余分なコストアップを招くことなくタスク実行の全体的な効率を向上させる。
【国際調査報告】