(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】吐出装置を有する飲料調製装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/46 20060101AFI20230213BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
A47J31/46 115
B67D1/08 Z
B67D1/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538338
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2020085637
(87)【国際公開番号】W WO2021122335
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】102019134919.2
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512218854
【氏名又は名称】フランケ・カフェーマシーネン・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】FRANKE KAFFEEMASCHINEN AG
【住所又は居所原語表記】FRANKE‐STRASSE 9, 4663 AARBURG, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】フェッテルリ,ハインツ
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB04
3E082CC03
3E082DD09
3E082EE01
3E082FF09
4B104BA16
4B104BA36
4B104CA30
4B104DA57
4B104EA17
4B104EA18
(57)【要約】
コーヒー飲料を供給するための飲料調製装置は、給湯器と、給湯器からお湯を供給することが可能な抽出装置と、ホット飲料管を介して抽出装置と接続された吐出装置とを含んでなる。さらに飲料調製装置は、別個の各フード管を介して吐出装置に案内された各飲料成分を供給するための、吐出装置に固定可能な少なくとも一つの吐出ヘッドを有する。吐出装置は、吐出ヘッドを密閉状態で連結するための機械的インターフェースを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器(20)と、前記給湯器(20)からお湯を供給する抽出装置(21)と、ホット飲料管(24)を介して前記抽出装置(21)と接続されている吐出装置(2)とを備える、特にコーヒー飲料を供給するための飲料調製装置であって、
少なくとも一つの前記吐出装置(2)に固定可能であり、別個の各フード管(24,37’、43)を介して前記吐出装置(2)に案内された一つまたは複数の飲料成分を供給するための吐出ヘッド(3)を有し、前記吐出装置(2)は前記吐出ヘッド(3、3’、3”)を密閉状態で連結するための機械的インターフェース(2a、2b、5)を有することを特徴とする飲料調製装置。
【請求項2】
前記機械的インターフェースは、前記吐出ヘッド(3、3’、3”)を挿入するためのリニアガイド(2a)を有することを特徴とする請求項1に記載の飲料調製装置。
【請求項3】
前記機械的インターフェースは、接続点(13a~13g)が設けられた前記吐出装置(2)の密閉面(14)に対し、押圧機構を介して前記吐出ヘッド(3、3’、3”)を押圧するように構成された操作レバー(5)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の飲料調製装置。
【請求項4】
前記機械的インターフェースは、操作要素(5)を介して作動し、作動すると、接続点(13a~13g)が設けられた前記吐出装置(2)の密閉面(14)に対し、前記吐出ヘッド(3、3’、3”)を押圧するように構成されたモータを有することを特徴とする請求項1または2に記載の飲料調製装置。
【請求項5】
前記機械的インターフェースは、前記吐出ヘッド(3、3’、3”)を連結するために回転固定手段、特にバヨネットロックを有することを特徴とする請求項1に記載の飲料調製装置。
【請求項6】
前記機械的インターフェースは、さまざまな飲料成分のための複数の接続点(13a~13g)を有し、前記接続点に対して前記吐出ヘッド(3、3’、3”)が密閉状態で連結され、前記吐出ヘッド(3、3’、3”)は、前記接続点(13a~13g)の一部に対応する開口部(11a、11b、11d、11g)を有する密閉面(10)を有し、前記密閉面(10)は前記吐出ヘッド(3、3’、3”)が連結された状態において残りの前記各接続口(11c、11e、11f)を流体密に閉止していることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料調製装置。
【請求項7】
前記個々の接続点(13a~13g)にはそれぞれ密封部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の飲料調製装置。
【請求項8】
前記吐出装置(2)は、前記吐出装置(2)と前記吐出装置に連結された前記吐出ヘッド(3、3’、3”)とを加温するためのヒータ(25)を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の飲料調製装置。
【請求項9】
前記吐出ヘッド(3、3’、3”)に前記吐出ヘッド(3、3’、3”)を介して供給可能な飲料の種類を識別する、非接触で読み取り可能な識別子(26)、特にRFIDタグが設けられ、前記吐出装置(2)は、前記識別子(26)を読み取るためのリーダー(27)を有することを特徴とする請求項1~8に記載のいずれか一項に記載の飲料調製装置。
【請求項10】
制御手段と、信号技術によって前記制御手段と接続されるユーザインタフェース(4)、特にグラフィック・ユーザインタフェースとを有し、前記ユーザインタフェースを介してさまざまな飲料及び飲料バリエーションが選択可能であり、前記制御手段は、前記飲料調製装置によって選択された飲料または選択された飲料バリエーションの自動供給を実施するように構成され、前記制御手段は、連結されている前記吐出ヘッド(3、3’、3”)によって供給可能である飲料または飲料バリエーションだけを選択可能として提供するために、前記リーダー(27)によって読み取られた前記識別子(26)に応じた前記グラフィック・ユーザインタフェース(4)を介して、前記リーダー(27)と協働することを特徴とする請求項9に記載の飲料調製装置。
【請求項11】
前記吐出ヘッド(3、3’、3”)は、ポルタフィルタの形で構成されており、前記吐出ヘッドの上面は、一つの接続口(11a、11b、11d、11g)を有する以外は閉止された密閉面(10)によって形成されることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の飲料調製装置。
【請求項12】
さまざまな飲料または飲料群のための、前記吐出装置(2)に交替に連結される複数の吐出ヘッド(3、3’、3”)を有することを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の飲料調製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器と、当該給湯器からお湯を供給することが可能である抽出装置と、ホット飲料管を介して当該抽出装置と接続されている吐出装置とを備える、特にコーヒー飲料を供給するための飲料調製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術においてコーヒーベースの各飲料をポーション毎に調製して供給するために使用される全自動コーヒーメーカーが公知である。ここで飲料の選択はユーザインタフェースを介して実施される。飲料バリエーションを選択した後に内蔵された抽出装置によってユーザの各仕様に応じてコーヒー飲料が調製されて飲料吐出部へと供給される。多くの場合、前述した当該ホット飲料吐出部の他にミルク、ミルクフォームまたは各風味添加物などの他の各飲料成分のための各吐出部が設けられている。当該各吐出部は、当該全自動コーヒーメーカーに固定的に配置された吐出ヘッドにまとめられ得る。
【0003】
その他、先行技術においてはいわゆるポルタフィルタ装置が公知であり、当該ポルタフィルタ装置では吐出ヘッドの代わりに自身に取り付けられた吐出部を有するポルタフィルタが密閉するように固定される。当該ポルタフィルタに手動でコーヒー粉を入れ、当該ポルタフィルタ装置に固定し、所定のお湯が当該ポルタフィルタ内に含まれるコーヒーフィルタと当該コーヒーフィルタ内のコーヒー粉を通過するまで当該ポルタフィルタ装置によって加圧下においてお湯が注がれる。他の各飲料用添加物は当該コーヒー飲料にバリスタによって手動で加えられる。
【0004】
最後に、同様にポルタフィルタが用いられるハイブリッド式システムも公知であるが、当該ポルタフィルタには内蔵されたコーヒーミルで挽いたコーヒー粉が自動的に充填される。この類のハイブリッド式コーヒーメーカーは、例えばWO 2010/085850A1において記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、全自動コーヒーメーカーの各利点と、前記吐出ヘッドに関しては交換可能であり洗浄が容易であるということを考慮したポルタフィルタ装置の各利点とを組み合わせる飲料調製装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
当該課題は、請求項1の各特徴によって解消される。有利な各実施形態は、各従属クレームより得られる。
【0008】
冒頭で述べた類の飲料調製装置において、本発明では当該飲料調製装置が吐出装置に固定可能であって、別個の各フード管を介して当該吐出装置に案内された、一つまたは複数の飲料成分を供給するための少なくとも一つの吐出ヘッドを有し、当該吐出装置は当該吐出ヘッドの密閉状態で連結するための機械的インターフェースを有するように設けられている。
【0009】
ここで当該吐出ヘッドは、例えばコーヒーなどの淹れたてのホット飲料用の吐出部と、必要に応じて例えばミルク、ミルクフォームまたは各風味添加物などのその他の各飲料成分のための各吐出部を含んでなる。当該吐出ヘッドの連結のための当該機械的インターフェースは、洗浄または当該吐出ヘッドの交換のための取り外しを容易にする。当該吐出ヘッドは、特にポルタフィルタに類似した外形を有するように構成することが可能であるが、当該吐出ヘッドの上面には各接続口が設けられている以外は閉止された密閉面が形成されている。当該吐出ヘッドをポルタフィルタの形状に構成することによって容易且つ直感的な操作を可能にし、プロフェッショナルなバリスタマシンの印象と魅力とを与える。
【0010】
好ましい実施形態において当該機械的インターフェースは、当該吐出ヘッドを挿入するためのリニアガイドを有している。これにより当該吐出ヘッドを例えば前方から当該ガイドに挿入し、交換または洗浄のために引っ張り出すことが容易になる。
【0011】
別法としてないし追加的に当該機械的インターフェースは、押圧機構を介して接続点が設けられた当該吐出装置の密閉面に対して当該吐出ヘッドを押圧するように構成された操作レバーを有する。したがって当該操作レバーを介して当該吐出ヘッドを密閉するように当該吐出装置に連結するまたは当該吐出装置から分離することが可能である。当該各接続点を介して当該吐出ヘッドに設けられた各吐出部と当該吐出装置に案内される各フード管との間の流体接続が得られる。当該密閉面に対する押圧による連結は、吐出ヘッドと吐出装置の間の容易且つ確実な連結を可能にする。前述のリニアガイドと組み合わせることによって、当該吐出ヘッドを当該ガイドに挿入した後、当該操作レバーを用いて当該吐出装置に対して当該吐出ヘッドを連結してロックすることにより特に容易な操作が得られる。
【0012】
押圧機構に代えて、例えば操作レバーのような操作要素を作動した場合に当該吐出ヘッドを当該吐出装置の当該密閉面に対して押圧するために当該吐出ヘッドを当該吐出装置に対して移動させるモータを設けることも可能である。
さらに別の実施形態において当該機械的インターフェースは、リニアガイドと押圧機構とに代えて、特に例えばバヨネットロックのような回転固定手段の形における別の固定手段を有することが可能である。
【0013】
本発明の範囲内において特に当該機械的インターフェースが異なる各飲料成分のための複数の接続口を有し、当該各接続口が当該フード管と連通し、当該各接続口に対して当該吐出ヘッドが密閉状態で連結されるようにすることが可能である。ここで当該吐出ヘッドは特に当該各接続口のうち一部(あるいは全て)のための対応する各開口部を有する密閉面を有することが可能であり、当該密閉面は当該吐出ヘッドが連結された状態において残りの、すなわち当該吐出ヘッドによって採用されていない各接続口を流体密に閉止する。よって特に吐出ヘッドにおいて当該吐出装置によって提供される全ての各飲料成分が供給され得るわけではないようにすることも可能である。したがって当該吐出装置に連結された吐出ヘッドの選択によって供給可能な各飲料バリエーションが事前選択される。例えばエスプレッソを一つのカップに供給するため(シングル流出)、エスプレッソを二つのカップに同時に供給するため(ダブル流出)あるいはカプチーノ及びラテマキアートを供給するために別個の各吐出ヘッドを設けることが可能である。
【0014】
当該吐出装置における当該個々の接続口には、それぞれ密封部が設けられることが好ましい。当該密封部によって当該吐出ヘッドの連結された前記密封面に対して密閉するかあるいは当該吐出ヘッドによって採用されない場合に該当する当該接続口を密閉する。
【0015】
好ましい実施形態において当該吐出装置は、当該吐出装置と当該吐出装置に連結された当該吐出ヘッドを加温するためのヒータを有する。これにより各ホット飲料が予熱された当該吐出装置と当該予熱された吐出ヘッドとを介して供給されるため、当該ホット飲料が飲用容器までの途中で冷めてしまわない。ここで当該吐出ヘッドの熱的連結は、特に例えば鋳造アルミニウムなどの金属から形成され得る、当該吐出ヘッドの密閉面を介して実施され得る。
【0016】
本発明は、当該接続ヘッドの交換を容易にするため、別の好ましい実施形態において当該吐出ヘッドを介して供給され得る飲料の各種類を識別する識別子を当該吐出ヘッドに付し、当該吐出装置が当該識別子を読み取るためのリーダーを有するようにすることが可能である。当該識別子は、特に例えばRFIDタグ、NFCチップなどの非接触で読み取り可能な識別子であり得る。同様に識別子として光学的または磁気的に読み取り可能なコードを当該吐出ヘッドに設けることも本発明の範囲内にある。さらに例えば異なる長さを有する各ピンや各突起を用いた機械的コーディング及び当該吐出装置において各ピンの長さの機械的走査を実施することも可能であり、本発明の範囲に含まれるものである。
【0017】
本発明の範囲内では当該吐出ヘッドが交換可能であるように設けられる。特に当該吐出装置と選択的に連結可能な、さまざまな各飲料または各飲料群のために異なる各吐出ヘッドを設けることが可能である。当該さまざまな各吐出ヘッドの当該識別子と当該吐出装置に配置されたリーダーとによって当該飲料調製装置において現在連結されている吐出ヘッドの種類を自動的に検知し、当該現在連結されている吐出ヘッドによって供給可能である各飲料または各飲料バリエーションのみを選択のために提示することが可能である。
【0018】
この目的のため当該飲料調製装置は制御手段と、当該制御手段と信号技術によって接続されたユーザインタフェース、特にグラフィック・ユーザインタフェースとを有することが好ましい。当該ユーザインタフェースを介してさまざまな各飲料または各飲料バリエーションが選択可能である。ここで当該制御手段は、選択された飲料または選択された飲料バリエーションを当該飲料調製装置によって自動的に調製及び供給を実施し、当該飲料調製装置を相応して制御するように構成されている。当該制御は、当該リーダーによって読み取られた識別子に応じた当該グラフィック・ユーザインタフェースを介して当該連結された吐出ヘッドによって供給可能である各飲料及び各飲料バリエーションのみ選択できるように当該リーダーと協働する。これによりさまざまな各飲料または各飲料群のためのさまざまな各吐出ヘッドを使用することが可能であり、その際現在使用されている当該吐出ヘッドの自動検知によって可能な各飲料の事前選択が制御される。
【0019】
本発明のさらなる各利点及び各特徴は、各図面に基づく以下の各実施形態例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】吐出装置と当該吐出装置に連結された吐出ヘッドを有する飲料調製装置の図
【
図2】吐出ヘッドが取り外された、
図1による飲料調製装置
【
図3a】吐出ヘッドが取り外された飲料調製装置を斜め下から見た図
【
図4】三つの代替的に使用可能な吐出ヘッドを有する飲料調製装置
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1において全自動コーヒーメーカーの形における飲料調製装置が図示されている。当該全自動コーヒーメーカーの前面には吐出ヘッド3のための受容部を有する吐出装置2が設けられている。当該吐出装置2の上方には接触感知ディスプレイの形におけるグラフィック・ユーザインタフェース4が配置されている。当該グラフィック・ユーザインタフェースの横には操作レバー5が設けられて、当該吐出口2の当該受容部に受容された当該吐出ヘッドをロックまたはロック解除するよう機能する。当該吐出装置2の下方にはドリップ網6を有する受け皿7が配置されている。当該ドリップ網6上で当該吐出ヘッド3の下方において例えば飲用容器8が配置されており、当該容器の中に当該全自動コーヒーメーカー1によって供給されるホット飲料が注がれる。
【0022】
当該全自動コーヒーメーカー1の上部領域においてコーヒー豆のための収納容器9が示されている。当該全自動コーヒーメーカーは、内蔵されたミルを有し、当該ミルを用いてコーヒー豆をポーション毎に挽いてコーヒー飲料を調製するために内蔵された抽出装置内に充填する。
【0023】
図示された当該飲料調製装置の機能は、従来の全自動コーヒーメーカーの機能に相当する。接触感知ディスプレイ4上にピクトグラムの形で表示される各飲料バリエーションが選択され、必要に応じて相応する開始記号が作動されると当該選択された飲料の調製と供給が自動的に実施される。ここで挿入された当該吐出ヘッド3によって供給可能である各飲料バリエーションのみ、当該グラフィック・ユーザインタフェース4を介して選択可能である。
【0024】
図2において吐出ヘッド3が取り外された状態の当該全自動コーヒーメーカー1が図示されている。この目的のため当該吐出ヘッド3のロック解除のため当該操作レバー5が前方に摺動されており、当該吐出ヘッド3は当該吐出装置2のガイド2aから前方に引っ張り出されている。
【0025】
当該吐出ヘッド3は、従来のポルタフィルタに類似して構成されており、グリップ3bが設けられたキャリア3aを有する。当該キャリア3aの上面に円形の密閉面10が形成されており、図示される実施形態例においては当該密閉面の中に二つの開口部11a、11bが配置されており、当該各開口部は当該吐出ヘッドの下面における各吐出部12a、12bに対応する。当該各開口部11a、11bと関連する各吐出部12a、12bとを介して当該吐出装置を介して各飲料成分を供給することが可能である。
【0026】
図3aにおいて当該全自動コーヒーメーカーが斜め下から図示されている。ここでは下から当該吐出ヘッドが挿入され得る、当該吐出装置2の当該受容部2b内を見ている。当該吐出装置2の下面における、横方向内側に突出する両延長部は、当該吐出ヘッド3のための当該リニアガイド2aを形成する。当該受容部2bの上面において当該吐出装置2を介して供給可能である、さまざまな飲料要素のための全部で七つの吐出口13aから13gが設けられており、当該各吐出口は、
図3bの詳細図において拡大されて図示されている。当該各吐出口13aから13gの周りに当該吐出ヘッド3の当該密閉面10に相応する密閉面14が形成されている。さらに当該各吐出口13aから13gを挿入された吐出ヘッドの密閉面10に対して密閉する各リング密閉部が当該各吐出口13aから13gの周りにそれぞれ設けられている。中央の当該吐出口13aは、淹れたてのコーヒーを供給し、当該吐出口13bはミルク及びミルクフォーム用、残りの当該各吐出口13cから13gは他の各飲料添加物のためである。
【0027】
当該操作レバー5の機能は、当該受容部2bに挿入された吐出ヘッド3を相応する押圧機構、例えばレバー機構やピニオン付きラックなどによって当該吐出装置2の当該密閉面14に対して押圧し、よって当該吐出ヘッド3を当該吐出装置と当該吐出装置の各吐出口13aから13gに密閉状態で連結することにある。別法としてモータ駆動の駆動ユニットを設けることも可能であり、当該駆動ユニットは(例えば各図面に図示されるように操作レバー5を介して)作動された場合、当該吐出ヘッドを当該吐出装置2の当該密閉面14に押圧する。当然、各図面において図示された操作方向が逆、すなわち当該吐出ヘッドを垂直位置でロックして前方に摺動された位置においてロックする方向であってもよい。
【0028】
当該実施形態例において当該各吐出口13aから13gのうち二つだけ、すなわち各吐出口13a及び13bが関連する当該各開口部11a、11bを介して当該吐出ヘッドの当該密閉面10において当該吐出部12a、12bと接続されている。残りの当該各吐出口13cから13gは、当該吐出ヘッド3の当該密閉面10によって流体密に閉止されている。したがってこのように閉止されている当該各吐出口13cから13gを介して供給は実施され得ないため、当該吐出ヘッド3を使用した場合に関連する当該各飲料成分を供給することができず、利用することができない。
【0029】
図4において当該全自動コーヒーメーカー1が三つの交互に使用可能な吐出ヘッド3、3’、3”を有するように図示されている。当該吐出ヘッド3’の場合、当該密閉面10において一つの開口部11aのみが設けられている。これにより二つのエスプレッソカップのダブル流出12が実施される。よって当該吐出ヘッド3’を用いてエスプレッソを作って二つのカップに同時に供給することが可能である。これに対して例えばミルクやミルクフォームを含む各飲料などのその他の各選択可能性は、当該ユーザインタフェース4においてブロックされ、相応する各ピクトグラムが全く表示されないかグレー表示されている。
【0030】
当該吐出ヘッド3”の場合、例えば四つの吐出口11a、11b、11d及び11gが設けられており、当該各吐出口は相応する各開口部12a、12b、12d及び12gに対応している。よって当該吐出ヘッドを用いて全部で四つの異なる各飲料成分を供給して混合することが可能である。例えば各コーヒー飲料にミルクフォームならびに追加の各液体風味添加物を供給することが可能である。
【0031】
図5において当該全自動コーヒーメーカーに搭載され得る、水流機構の形における油圧回路が図示されている。当該回路は、導管22、22’を介して抽出装置21と接続されている給湯器20を有する。吐出側において当該抽出装置21は吐出導管24を介して吐出装置2と接続されている。当該抽出装置は、全自動コーヒーメーカーにおける従来の抽出集成体である。本発明の範囲内において利用可能な当該抽出集成体とは、例えばEP2561778A1において記載されており、不要な繰り返しを避けるためにここでは当該公報を完全に参照するものとする。抽出チャンバを通って案内される水量は、流量計28によって分配される。当該給湯器20からのお湯は、流入側に接続された水ポンプ29を介して供給される。
【0032】
当該水流機構においてさらにミルク機構が図示されている。当該ミルク機構は、ミルク容器31と、当該ミルク容器31と取出導管を介して接続されているミルクポンプ32と、押圧側において当該ミルクポンプ32に対して接続された、ここではスパイラルミキサーとして構成されている対圧要素34とを有する冷蔵庫30を含んでなる。別法として対圧要素34として簡単なオリフィスあるいは減少された供給径を有する圧力ホースを用いることが可能である。さらに吸込導管33には、空気弁36を有する給気導管35が開口している。ここで当該空気弁36は、クロック制御、すなわち間欠的に開閉されるソレノイド弁として構成されている。対圧要素34及び空気弁36は、それ自体公知である方法でミルクを泡立てる機能を有する。相応するミルク機構がEP3021037A1において記載されており、不要な繰り返しを避けるためにここでは当該公報を完全に参照するものとする。
【0033】
昇圧要素34からミルク導管37が切替弁38へと案内されており、当該切替弁を用いて当該ミルクポンプ32から供給されるミルクまたはミルクフォームが選択的にサーモブロック39を介してあるいは直接当該吐出装置2に案内され得る。相応して当該ミルク機構と当該吐出装置2とを介して温かいまたは冷たいミルク(空気弁が閉止されている)または温かいまたは冷たいミルクフォーム(空気弁がクロック開閉されている)のいずれかを供給することが可能である。
【0034】
最後に当該水流機構においてさらに別の、例えばシロップ状の風味添加物などの他の各飲料成分を供給するための装置40が図示されている。ここで当該装置40は、該当する風味添加物のための貯蔵容器41と、フード管43を介して当該風味添加物を当該吐出装置2に供給する分配ポンプ42とを含んでなる。ここで当該装置40は例示的に示されているに過ぎない。その他の各飲料成分のための同種または類似した、別個の各フード管を介して当該吐出装置と接続されている別の各装置を設けることが可能である。本発明の範囲内で使用可能である、相応したシロップステーションは、EP2030538A1において記載されており、不要な繰り返しを避けるためにここでは当該公報を完全に参照するものとする。
【0035】
当該ミルク冷蔵庫30と当該シロップステーション40は、典型的には別個の装置として構成され、当該各装置はアドオン装置として当該飲料調製装置に隣接して設置されるかカウンターの下に搭載され、当該飲料調製装置と当該吐出装置2とに対して外部から案内される各フード管を介して接続されている。
【0036】
したがって当該吐出装置2は、図示される実施形態例において三つの飲料供給導管、すなわち当該ホット飲料管24、ミルクまたはミルクフォーム用の当該導管37’ならびに各液体風味添加物のための当該フード管43を有する。当該吐出装置2には前述の構造の吐出ヘッド3が連結されている。当該吐出ヘッドは、当該吐出装置2を介して前述の各フード管24、37’、43に流体導通式に接続されている三つの吐出部12a、12b、12cを有する。
【0037】
さらに当該吐出装置2は、ヒータ25を有し、当該ヒータを用いて当該吐出装置2のみならず当該吐出装置に連結された当該吐出ヘッド3をも予熱することが可能である。これにより供給時において供給されるホット飲料が冷めてしまうことを防止する。ここで当該吐出ヘッド3の加温は、吐出ヘッド3と吐出装置2の間における接触面を介して実施される。
【0038】
さらに
図5において当該吐出装置に設けられたRFIDリーダー27によって読み取り可能であるRFIDタグ26が当該吐出ヘッド3に取り付けられていることが概略的に図示されている。当該RFIDタグ26を介して当該吐出ヘッド及び当該吐出ヘッドから供給可能な各飲料成分を識別ことが可能であるため、当該飲料調製装置における相応する制御を介して当該飲料調製装置におけるユーザインタフェースにおいて該当する吐出ヘッド3によって供給可能である各飲料及び各飲料バリエーションだけが利用可能となって選択のために表示される。したがって吐出ヘッドを交換することによって別の各飲料バリエーションが提供され得る。
【0039】
最後に当該水流機構においてさらに第二の給湯・給スチーム器50が図示されている。当該給湯・給スチーム器は、すすぎ及び洗浄目的のためのお湯とスチームを提供する。スチームは、例えば従来の構造を有するスチーム導管51及びスチームランス52を介して供給され得る。
図1から
図4において図示される当該飲料調製装置においては見やすさのためこのようなスチームランスが図示されていないものの、公知の方法で当該吐出装置2の横に配置することが可能である。
【0040】
さらにスチーム導入手段51’を介してスチームを当該吐出装置2にも案内することが可能であり、当該吐出装置において当該スチームをミルクまたはミルクフォームの再加熱のために当該スチーム導入手段を使用することが可能である。同様に完全を期すために図示されている各すすぎ導管と各すすぎ・排水弁とは、当業者に一般的に知られているためここでは詳細な説明が不要である。当該各すすぎ導管と当該各すすぎ・排水弁は、例えばEP2583596A1において詳しく記載されており、不要な繰り返しを避けるためにここでは当該公報を完全に参照するものとする。
【国際調査報告】