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特表2023-507033ポリペプチド、タンパク質複合体及びそれを作製する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】ポリペプチド、タンパク質複合体及びそれを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230213BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20230213BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230213BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230213BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230213BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230213BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230213BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230213BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230213BHJP
   A61K 47/55 20170101ALI20230213BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20230213BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230213BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20230213BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230213BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/00 ZNA
C07K16/28
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K47/55
A61K47/68
A61P35/00
A61P31/00
A61P37/02
A61K39/395 D
A61K39/395 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538373
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 CA2020051753
(87)【国際公開番号】W WO2021119832
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/951,701
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PLURONIC
(71)【出願人】
【識別番号】522245477
【氏名又は名称】キソジ・バイオテクノロジー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ワーガチャック
(72)【発明者】
【氏名】アシュワニ・グプタ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス・ダ・クルス
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エス・ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・モリン
(72)【発明者】
【氏名】シュガン・ヤオ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA08
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA83X
4B065AA83Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA44
4C076CC07
4C076CC27
4C076CC32
4C076CC41
4C085AA13
4C085BB11
4C085EE03
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA09
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、概しては、1つ又は複数の抗原結合性ドメイン並びに多価及び/又は多特異性タンパク質複合体への少なくとも2つのポリペプチド鎖の集合を可能とする二量体化ドメインを含むポリペプチドに関する。本開示のポリペプチド及びタンパク質複合体は抗腫瘍活性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N末端からC末端への様式において式Ib:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
mが、0、1又は1より大きい整数であり;
nが2又は2より大きい整数であり;
Aba、Abdが各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含み;
X又はYが独立して存在するか又は存在せず、アミノ酸配列を含み;
Lb、Lcが各々独立して1つ又は複数のリンカーを含み;
Lcが、切断可能なリンカーを含まず;且つ
DDが二量体化ドメインを含む、
ポリペプチド。
【請求項2】
前記二量体化ドメインが、CH2ドメイン、CH3ドメイン又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
前記二量体化ドメインが、EUナンバリングにしたがってD399、D/E356及び/又はK370に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352、S354、R/Q355、T394及び/又はP395に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を更に含む、請求項3に記載のポリペプチド。
【請求項5】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q及びK370Eを含む、請求項3又は4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含む、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項7】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Wを含む、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項8】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Mを含む、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項9】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Iを含む、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項10】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Vを含む、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項11】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含む、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項12】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Eを含む、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項13】
前記二量体化ドメインが、EUナンバリングにしたがってD399、E357及び/又はK439に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
【請求項14】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352、S354、R/Q355、T394及び/又はP395に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を更に含む、請求項13に記載のポリペプチド。
【請求項15】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含む、請求項13又は14に記載のポリペプチド。
【請求項16】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、E357Q、K439E、Y349D及びS354Dを含む、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項17】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含む、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項18】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Yを含む、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項19】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Iを含む、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項20】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Vを含む、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項21】
前記CH3ドメインが、
a.突然変異D399N、D/E356Q、K370E;
b.突然変異D399N、K439E、E357Q;
c.突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354K;
d.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351W;
e.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354M;
f.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350I;
g.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350V;
h.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352R;
i.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352E;
j.突然変異D399Q、D/E356Q及びK370E;
k.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Y;
l.突然変異D399N、D/E356Q、K370E、及びL351H;
m.突然変異D399N、D/E356Q、K370E、及びR355K;
n.突然変異D399N、D/E356Q、K370E、及びQ355K;
o.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354K;
p.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350L;
q.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT394N;
r.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Y;
s.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352V;
t.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352T;
u.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352L;
v.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352G;
w.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352C;
x.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351T;
y.突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351A;
z.突然変異D399Q、E357Q、K439E、Y349D及びS354D;
aa.突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351R;
bb.突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Y;
cc.突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350I;
dd.突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350V;
ee.突然変異D399Q、K439E、E357Q;
ff.突然変異D399N、K439E、E357Q、S354K;
gg.突然変異D399N、K439E、E357Q、S354W;
hh.突然変異D399N、K439E、E357Q、Y349R;
ii.突然変異D399N、K439E、E357Q、T350L;
jj.突然変異D399N、K439E、E357Q、R355W;
kk.突然変異D399N、K439E、E357Q、Q355W;
ll.突然変異D399N、K439E、E357Q、P395I;
mm.突然変異D399N、K439E、E357Q、P395G;
nn.突然変異D399N、K439E、E357Q、P395E;
oo.突然変異D399N、K439E、E357Q、P352K;
pp.突然変異D399N、K439E、E357Q、P352D;並びに
qq.突然変異D399N、K439E、E357Q、L351D
からなる群から選択される突然変異を含むCH3ドメインである、請求項2に記載のポリペプチド。
【請求項22】
N末端からC末端への様式において式Ic:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
mが、0、1又は1より大きい整数であり;
nが、0、1又は1より大きい整数であり、但しm及びnが同時に0ではなく;
Aba、Abdが各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含み;
X又はYが独立して存在するか又は存在せず、アミノ酸配列を含み;
Lb、Lcが各々独立して1つ又は複数のリンカーを含み;
DDが、
EUナンバリングにしたがってD399、D/E356及び/若しくはK370に対応する位置における1つ若しくは複数の突然変異を含むCH3ドメイン;
又は
EUナンバリングにしたがってD399、E357及び/若しくはK439に対応する位置における1つ若しくは複数の突然変異を含むCH3ドメイン
を含む二量体化ドメインを含む、
ポリペプチド。
【請求項23】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E356Q及びK370Eを含む、請求項22に記載のポリペプチド。
【請求項24】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含む、請求項22に記載のポリペプチド。
【請求項25】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352、S354、R/Q355、T394及び/又はP395に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を更に含む、請求項22~24のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項26】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項27】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Wを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項28】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Mを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項29】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Iを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項30】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Vを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項31】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項32】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Eを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項33】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、E357Q、K439E、Y349D及びS354Dを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項34】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項35】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Yを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項36】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Iを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項37】
前記CH3ドメインが、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Vを含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項38】
mが2又は2より大きい整数である場合、前記[(Aba)-(Lb)]単位が同じである、請求項1~37のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項39】
mが2又は2より大きい整数である場合、前記[(Aba)-(Lb)]単位が異なる、請求項1~37のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項40】
mが2より大きい整数である場合、前記[(Aba)-(Lb)]単位が、同じ及び異なる単位を含む、請求項1~37のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項41】
nが2又は2より大きい整数である場合、前記[(Lc)-(Abd)]単位が同じである、請求項1~40のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項42】
nが2又は2より大きい整数である場合、前記[(Lc)-(Abd)]単位が異なる、請求項1~40のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項43】
nが2又は2より大きい整数である場合、前記[(Lc)-(Abd)]単位が、同じ及び異なる単位を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項44】
前記1つ又は複数のリンカーが、抗体又はその抗原結合性断片のヒンジ領域を含む、請求項1~43のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項45】
前記ヒンジ領域が、IgG1、IgG2、又はIgG4からのものである、請求項44に記載のポリペプチド。
【請求項46】
前記1つ又は複数のリンカーの各々が、独立して、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50個のアミノ酸残基の長さを有する、請求項1~45のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項47】
前記1つ又は複数のリンカーの各々が、独立して、柔軟性リンカー、らせん状リンカー、又は剛性リンカーである、請求項46に記載のポリペプチド。
【請求項48】
前記1つ又は複数のリンカーが柔軟性リンカー及び/又は剛性リンカーを含む、請求項47に記載のポリペプチド。
【請求項49】
Lcが剛性リンカーである、請求項1~48のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項50】
前記柔軟性リンカーがGSリンカーを含む、請求項47~49のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項51】
前記柔軟性リンカーが、配列番号7に示されるアミノ酸配列を含む、請求項47~50のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項52】
前記柔軟性リンカーが、配列番号7に示されるアミノ酸配列を含み、且つnが、2、3、4、5又は5より大きい整数である、請求項51に記載のポリペプチド。
【請求項53】
前記剛性リンカーが複数のPAリピートを含む、請求項47~52のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項54】
前記剛性リンカーが、PAPAPKA(配列番号8);APAPAPAPAPKA(配列番号9);APAPAPAPAPAPAPAPAPAPKA(配列番号10);又はこれらの組合せから選択される、請求項53に記載のポリペプチド。
【請求項55】
前記らせん状リンカーが、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含む、請求項47に記載のポリペプチド。
【請求項56】
前記らせん状リンカーが、AEAAAKEAAAKA(配列番号12);AEAAAKEAAAKEAAAKA(配列番号13);AEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKA(配列番号14);又はこれらの組合せから選択される、請求項55に記載のポリペプチド。
【請求項57】
前記二量体化ドメインが、配列番号27に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項58】
前記二量体化ドメインが、配列番号29に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一のアミノ酸配列を更に含む、請求項1~57のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項59】
mが、2、3、4、5又は5より大きい整数である、請求項1~58のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項60】
nが、3、4、5又は5より大きい整数である、請求項1~59のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項61】
以下:
X-(Aba1)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-Y (式II);
X-(Aba1)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式III);
X-(Aba1)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-Y (式IV);
X-(Aba1)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式V)
X-(Aba1)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-(Lc3)-(Abd3)-Y (式VI);
X-(Aba1)-(Lb3)-(Aba2)-(Lb2)-(Aba3)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式VII);
X-(Aba1)-(Lb3)-(Aba2)-(Lb2)-(Aba3)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-(Lc3)-(Abd3)-Y (式VIII)
からなる群から選択される、請求項1~60のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項62】
Lc1、Lc2及び/又はLc3が剛性リンカーである、請求項61に記載のポリペプチド。
【請求項63】
前記抗原結合性ドメインが、単一ドメイン抗体(sdAb)、重鎖可変領域(VH又はVHH)、軽鎖可変領域(VL又はVLL)、単鎖可変断片(ScFv)、VNAR断片、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~62のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項64】
前記抗原結合性ドメインがsdAbを含む、請求項63に記載のポリペプチド。
【請求項65】
前記抗原結合性ドメインがVHHを含む、請求項63に記載のポリペプチド。
【請求項66】
前記sdAb又はVHHが、ラクダ科動物抗体又は軟骨魚抗体からのものである、請求項64又は65に記載のポリペプチド。
【請求項67】
前記ラクダ科動物抗体が、ヒトコブラクダ、ラクダ、ラマ又はアルパカからのものである、請求項66に記載のポリペプチド。
【請求項68】
前記軟骨魚抗体がサメ抗体である、請求項66に記載のポリペプチド。
【請求項69】
各個々の抗原結合性ドメインが異なるエピトープに結合する、請求項1~68のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項70】
各個々の抗原結合性ドメインが異なる抗原に結合する、請求項1~69のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項71】
各個々の抗原結合性ドメインが異なるタンパク質に結合する、請求項1~70のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項72】
CD36、DRD1、DRD2、DRD3、DRD4、DRD5、PD-L1、TROP2、CD147、MCT1、IL1RAP、AMIGO2、PTK7、MCT2、MCT4、NHE1、H+/K+-ATPアーゼ、LAP、HLA-I A2、CD73、CD98、CEACAM5/6、ICAM-1、MCSP、フィブロネクチン、ベータ1インテグリン、テトラスパニン8、CD164、CD59、CD63、CD44、CD166、cWF、TNF、IL-17A、IL17-F、IL-6R、BCMA、TNF、RANKL、ADAMTS5、VEGF、Ang2、CX3CR1、CXCR4、TfR1(CD71)、CXCR2、CD3、PD1、PDL-1、CTLA-4、CD8、LAG-3、OX40、CD27、CD122/IL2RB、TLR8/CD288、TIM-3、ICOS/CD278、NKG2A、A2AR、B7-H3、GITR/TNFRSF 18、4-IBB/CD137、KIR2DL1、KIR3DL2、SIRPα、CD47、VISTA、CD40、CD112、CD96、TOGOT、BTLA、TIGIT、LAG-3、CD4、VEGFR2、CD19、IGFR1、EpCAM、EGFR、DLL3、CGRP、CD79b、CD28、CCR5、ErbB3、ErbB2、TGFβ1、TGFβ2、TGFβ3、TGFβR1、TGFβR2、IDO1、IDO2、TLR-4、TLR-7、TLR-8、TLR-9、SARS-CoV-1スパイク、SARS-CoV-2スパイク又はこれらの組合せに結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む、請求項1~71のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項73】
腫瘍により発現されるタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン、免疫細胞に結合し且つそれを動員する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む、請求項1~72のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項74】
腫瘍により発現されるタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン、免疫チェックポイントタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン及び免疫細胞に結合し且つそれを動員する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む、請求項1~73のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項75】
前記免疫細胞がT細胞である、請求項73又は74に記載のポリペプチド。
【請求項76】
受容体に結合する抗原結合性ドメインを含む、請求項1~75のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項77】
前記受容体がGタンパク質連結型受容体である、請求項76に記載のポリペプチド。
【請求項78】
前記Gタンパク質連結型受容体がドーパミン受容体である、請求項77に記載のポリペプチド。
【請求項79】
前記ドーパミン受容体が、ドーパミン受容体D1(DRD1)、ドーパミン受容体D2(DRD2)、ドーパミン受容体D3(DRD3)、ドーパミン受容体D4(DRD4)又はドーパミン受容体D5(DRD5)である、請求項78に記載のポリペプチド。
【請求項80】
腫瘍抗原に結合する抗原結合性ドメイン及び免疫調節因子に結合する抗原結合性ドメインを含む、請求項1~79のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項81】
腫瘍抗原に結合する前記抗原結合性ドメインが前記二量体化ドメインのN末端側にあり、且つ免疫調節因子に結合する前記抗原結合性ドメインが前記二量体化ドメインのC末端側にある、請求項80に記載のポリペプチド。
【請求項82】
前記免疫調節因子が、免疫チェックポイントタンパク質、サイトカイン、ケモカイン又は免疫受容体若しくは補助受容体である、請求項80又は81に記載のポリペプチド。
【請求項83】
CD36、DRD1、DRD2、DRD3、DRD4、DRD5、PD-L1、TROP2、CD147、MCT1、IL1RAP、AMIGO2、PTK7、MCT2、MCT4、NHE1、H+/K+-ATPアーゼ、LAP、HLA-I A2、CD73、CD98、CEACAM5/6、ICAM-1、MCSP、フィブロネクチン、ベータ1インテグリン、テトラスパニン8、CD164、CD59、CD63、CD44、CD166、cWF、TNF、IL-17A、IL17-F、IL-6R、BCMA、TNF、RANKL、ADAMTS5、VEGF、Ang2、CX3CR1、CXCR4、TfR1(CD71)、CXCR2又はこれらの組合せに結合する、前記二量体化ドメインのN末端側にある1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む、請求項1~82のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項84】
CD36、DRD1、DRD2、PD-L1、又はTROP2に結合する、前記二量体化ドメインのN末端側にある1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む、請求項83に記載のポリペプチド。
【請求項85】
CD3、PD1、PDL-1、CTLA-4、CD8、LAG-3、OX40、CD27、CD122/IL2RB、TLR8/CD288、TIM-3、ICOS/CD278、NKG2A、A2AR、B7-H3、GITR/TNFRSF 18、4-IBB/CD137、KIR2DL1、KIR3DL2、SIRPα、CD47、VISTA、CD40、CD112、CD96、TOGOT、BTLA、TIGIT、LAG-3、CD4又はこれらの組合せに結合する、前記二量体化ドメインのC末端側にある1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む、請求項1~84のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項86】
CD3、PD1、CTLA-4、CD8、LAG-3、OX40、CD27、CD122/IL2RB、TLR8/CD288、Tim3、ICOS/CD278、NKG2A、A2AR、B7-H3、GITR/TNFRSF 18、4-IBB/CD137、KIR2DL1、KIR3DL2、SIRPα、CD47、VISTA、CD40、CD112、CD96、TOGOT、BTLA又はCD4に結合する、前記二量体化ドメインのC末端側にある1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む、請求項85に記載のポリペプチド。
【請求項87】
前記二量体化ドメインのC末端側にある前記1つ又は複数の抗原結合性ドメインがそれぞれCD3及びPD1に結合する、請求項86に記載のポリペプチド。
【請求項88】
1つ又は複数の抗原結合性ドメインがヒト化されている、請求項1~87のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項89】
X又はYが、リンカー、サイトカイン、ケモカイン、タグ、マスキングドメイン、ファージコートタンパク質(pIII、pVI、pV、pVII若しくはpIX)、抗原結合性ドメイン又はこれらの組合せからなる群から独立して選択される、請求項1~88のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項90】
治療用部分、検出可能な部分若しくは延長された半減期を可能とするタンパク質にコンジュゲートされており、又はナノ粒子に取り付けられている、請求項1~89のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項91】
請求項1~90のいずれか一項に記載のポリペプチド及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項92】
請求項1~90のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸。
【請求項93】
請求項92に記載の核酸を含むベクター。
【請求項94】
請求項1~90のいずれか一項に記載のポリペプチドを発現する細胞。
【請求項95】
請求項92に記載の核酸又は請求項93に記載のベクターを含む細胞。
【請求項96】
請求項1~90のいずれか一項に記載のポリペプチドを含むキット。
【請求項97】
請求項92に記載の核酸、又は請求項93に記載のベクター又は請求項94若しくは95に記載の細胞を含むキット。
【請求項98】
請求項1~90のいずれか一項に記載の第1のポリペプチド及び請求項1~90のいずれか一項に記載の第2のポリペプチドを含み、前記第1及び第2のポリペプチドが同一又は異なる、タンパク質複合体。
【請求項99】
1つ又は複数の抗原結合性ドメイン、及びEUナンバリングにしたがってD399、D/E356及び/又はK370に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む第1の二量体化ドメイン(DD1)を含む第1のポリペプチド;
並びに
1つ又は複数の抗原結合性ドメイン、及びEUナンバリングにしたがってD399、E357及び/又はK439に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む第2の二量体化ドメイン(DD2)を含む第2のポリペプチド
を含み、
前記第1及び第2のポリペプチドが二量体を形成する、
タンパク質複合体。
【請求項100】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q及びK370Eを含むCH3ドメインを含み、且つ前記第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む、請求項99に記載のタンパク質複合体。
【請求項101】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)及び/又は第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352及び/又はS354に対応する位置における突然変異を更に含むCH3ドメインを含む、請求項99又は100に記載のタンパク質複合体。
【請求項102】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含むCH3ドメインを含み、且つ前記第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、E357Q、K439E、Y349D及びS354Dを含むCH3ドメインを含む、請求項101に記載のタンパク質複合体。
【請求項103】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Wを含むCH3ドメインを含み、且つ前記第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む、請求項101に記載のタンパク質複合体。
【請求項104】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Mを含むCH3ドメインを含み、且つ前記第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Yを含むCH3ドメインを含む、請求項101に記載のタンパク質複合体。
【請求項105】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Iを含むCH3ドメインを含み、且つ前記第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Iを含むCH3ドメインを含む、請求項101に記載のタンパク質複合体。
【請求項106】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Vを含むCH3ドメインを含み、且つ前記第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Vを含むCH3ドメインを含む、請求項101に記載のタンパク質複合体。
【請求項107】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含むCH3ドメインを含み、且つ前記第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む、請求項101に記載のタンパク質複合体。
【請求項108】
前記第1の二量体化ドメイン(DD1)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Eを含むCH3ドメインを含み、且つ前記第2の二量体化ドメイン(DD2)が、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む、請求項101に記載のタンパク質複合体。
【請求項109】
前記第1及び第2のポリペプチドが、各々独立して、N末端からC末端への様式において式I:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
のアミノ酸配列を含み、
mが、0、1又は1より大きい整数であり;
nが、0、1又は1より大きい整数であり、但しm及びnが同時に0ではなく;
Aba、Abdが各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含み;
X又はYが独立して存在するか又は存在せず、アミノ酸配列を含み;
Lb、Lcが各々独立して1つ又は複数のリンカーを含み;且つ
DDが、前記第1のポリペプチド中の第1の二量体化ドメイン(DD1)及び前記第2のポリペプチド中の第2の二量体化ドメイン(DD2)である、
請求項98~108のいずれか一項に記載のタンパク質複合体。
【請求項110】
Lcが剛性リンカーである、請求項109に記載のタンパク質複合体。
【請求項111】
前記第1及び第2のポリペプチドが、各々独立して、請求項1~83のいずれか一項に記載のポリペプチドである、請求項98~110のいずれか一項に記載のタンパク質複合体。
【請求項112】
前記第1及び第2のポリペプチドが、各々独立して、式IIIを有するポリペプチドである、請求項98~111のいずれか一項に記載のタンパク質複合体。
【請求項113】
前記第1のポリペプチドが式IIを有し、且つ前記第2のポリペプチドが式IIIを有する、請求項98~111のいずれか一項に記載のタンパク質複合体。
【請求項114】
多特異性である、請求項98~113のいずれか一項に記載のタンパク質複合体。
【請求項115】
二特異性、三特異性又は四特異性である、請求項114に記載のタンパク質複合体。
【請求項116】
前記第1及び第2のポリペプチドが、同じ価数及び特異性を有する、請求項115に記載のタンパク質複合体。
【請求項117】
前記第1及び第2のポリペプチドが、異なる価数及び特異性を有する、請求項115に記載のタンパク質複合体。
【請求項118】
二特異性抗体である、請求項115に記載のタンパク質複合体。
【請求項119】
前記第1及び第2のポリペプチドの各々が抗体重鎖である、請求項118に記載のタンパク質複合体。
【請求項120】
前記二特異性抗体が第1の抗体軽鎖及び第2の抗体軽鎖を更に含む、請求項119に記載のタンパク質複合体。
【請求項121】
請求項98~120のいずれか一項に記載のタンパク質複合体を含む組成物。
【請求項122】
単量体、二量体及びこれらの混合物を含む、請求項121に記載の組成物。
【請求項123】
前記第1及び第2のポリペプチドの70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%より多くが二量体として存在する、請求項121に記載の組成物。
【請求項124】
前記第1及び第2のポリペプチドの70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%より多くがホモ二量体として存在する、請求項121に記載の組成物。
【請求項125】
前記第1及び第2のポリペプチドの70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%より多くがヘテロ二量体として存在する、請求項121に記載の組成物。
【請求項126】
請求項1~90のいずれか一項に記載のポリペプチド、又は請求項98~120のいずれか一項に記載のタンパク質複合体、又は請求項121~125のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、障害又は疾患を処置する方法。
【請求項127】
前記障害又は疾患ががんである、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記障害又は疾患が感染症である、請求項126に記載の方法。
【請求項129】
前記障害又は疾患が免疫調節異常である、請求項126に記載の方法。
【請求項130】
請求項92に記載の核酸を含む1つ又は複数のベクターを用いて細胞を形質転換することを含む、請求項98~120のいずれか一項に記載のタンパク質複合体を作製する方法。
【請求項131】
ヒト抗体の二量体化ドメインをコードする1つ又は複数の核酸、抗原結合性ドメインをコードする1つ又は複数の核酸及び任意選択でリンカーをコードする1つ又は複数の核酸を同じ又は別々のバイアル中に含むキット。
【請求項132】
各核酸がベクターである、請求項131に記載のキット。
【請求項133】
各核酸が、ポリペプチド鎖をコードするためのDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを含むDNAセグメントである、請求項131に記載のキット。
【請求項134】
EUナンバリングにしたがって位置D/E356、E357、K370、D399及び/又はK439におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードする1つ又は複数の核酸を含むキット。
【請求項135】
a. EUナンバリングにしたがって位置D/E356、K370及びD399におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードするDNAセグメント;
b.位置E357、D399及びK439におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードするDNAセグメント;
c. 1つ若しくは複数の抗原結合性ドメインをコードする1つ若しくは複数のDNAセグメント、並びに/又は;
d.任意選択で1つ若しくは複数のリンカーをコードする1つ若しくは複数のDNAセグメント
を同じ又は別々のバイアル中に含み;
各核酸が、ポリペプチド鎖をコードするためのDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを含むDNAセグメントである、
請求項134に記載のキット。
【請求項136】
前記二量体化ドメインが、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352及び/又はS354に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を更に含む、請求項134又は135に記載のキット。
【請求項137】
式Ia、式Ib又は式Icのポリペプチド鎖をコードするDNA構築物の集合用である、請求項134~136のいずれか一項に記載のキット。
【請求項138】
式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII又は式VIIIのポリペプチド鎖をコードするDNA構築物の集合用である、請求項134~136のいずれか一項に記載のキット。
【請求項139】
ヒト抗体の二量体化ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント及び抗原結合性ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント及び任意選択でリンカーをコードする1つ又は複数のDNAセグメントを共有結合的に集合させることを含み、各DNAセグメントが、ポリペプチド鎖をコードするためのDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを含む、請求項1~88のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸を製造する方法。
【請求項140】
少なくとも1つのDNAセグメントが天然抗体の二量体化ドメインをコードする、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
少なくとも1つのDNAセグメントが、ヘテロ二量体形成を有利にするアミノ酸置換を含むCH3ドメインを含む突然変異型二量体化ドメインをコードする、請求項139に記載の方法。
【請求項142】
前記アミノ酸置換が、EUナンバリングにしたがって位置D/E356、K370及びD399におけるアミノ酸置換又は位置E357、D399及びK439におけるアミノ酸置換を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記二量体化ドメインが、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352及び/又はS354に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を更に含む、請求項141又は142に記載の方法。
【請求項144】
前記核酸が、抗原結合性ドメインをコードする少なくとも2つのDNAセグメントを含む、請求項139~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記核酸が、抗原結合性ドメインをコードする少なくとも3つのDNAセグメントを含む、請求項139~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記核酸が、抗原結合性ドメインをコードする少なくとも4つのDNAセグメントを含む、請求項139~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
前記核酸が、二量体化ドメインをコードするDNAセグメントの5'末端及び3'末端の各々において抗原結合性ドメインをコードする少なくとも1つのDNAセグメントを含む、請求項139~146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項148】
式Ia、式Ib又は式Icのポリペプチド鎖をコードする核酸の集合のためである、請求項139~147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII又は式VIIIのポリペプチド鎖をコードする核酸の集合のためである、請求項139~146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
ヒト抗体の二量体化ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント及び抗原結合性ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント及び任意選択でリンカーをコードする1つ又は複数のDNAセグメントを共有結合的に集合させることを含み、各DNAセグメントが、ポリペプチド鎖をコードするためのDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを含む方法により作製された核酸を用いて細胞を形質転換することを含む、請求項1~90のいずれか一項に記載のポリペプチド又は請求項98~120のいずれか一項に記載のタンパク質複合体を作製する方法。
【請求項151】
前記DNAセグメントのうちの1つ又は複数が、a) EUナンバリングにしたがって位置D/E356、K370及びD399におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメイン又はb)位置E357、D399及びK439におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードする、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
1つのDNAセグメントが、EUナンバリングにしたがって位置D/E356、K370及びD399におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードし、且つ別のDNAセグメントが、位置E357、D399及びK439におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインをコードする、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記二量体化ドメインが、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352及び/又はS354に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を更に含む、請求項151又は152に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概しては、1つ又は複数の抗原結合性ドメイン並びに多価及び/又は多特異性タンパク質複合体への少なくとも2つのポリペプチド鎖の集合を可能とする二量体化ドメインを含むポリペプチドに関する。本開示のポリペプチド及びタンパク質複合体は抗腫瘍活性を有する。
【背景技術】
【0002】
ラクダ科動物及び軟骨魚は、機能的なホモ二量体重鎖抗体(HCAb)から構成される抗体を天然に産生する(Hamers-Castermanら、1993;Muyldermans及びSmider、2016)。HCAbの重鎖は第1の定常ドメイン(CH1)を欠いており、軽鎖対合に通常関与するわずか数アミノ酸の置換により古典的な抗体とは異なる(Muyldermansら、1994;Vuら、1997)。これらの置換(Val37Phe/Tyr、Gly44Glu、Leu45Arg、及びTrp47Gly)はフレームワーク領域2(FR2)中に存在する。HCAbの抗原結合性断片は、単一ドメイン抗体(sdAb)、VHH又はナノボディ(登録商標)と称される。VHHは約15kDaの分子量を有し、これによりそれらは、増強された組織透過又は迅速なクリアランスを要求する応用、例えば放射性同位体ベースのイメージングに適したものとなる。しかしながら、治療応用のために、VHHの半減期は、通常、腎臓クリアランスを最小化し、且つ治療有効性を最適化するように増加させる必要がある(De Vliegerら、Antibodies 8(1)、1~22頁、2019)。VHHの半減期を増加させる方法、例えばPEG化、N-グリコシル化、HSA又は他のキャリアタンパク質との融合が活用されているが、そのような構築物は免疫原性を導入し得るか、又は成功は限定的となり得る。
【0003】
VHHは、二特異性及び多特異性抗体を作製するためのビルディングブロックとして活用されている。一部の研究において、二価構築物は、一価形態と比較して増加したアビディティ又は親和性を有することが示されている(Conrathら、2001; Coppietersら、2006; Hmilaら、2008; Simmonsら、2006及びHultbergら、2011、Jahnichenら(2010)、Fridyら、2014)。
【0004】
多数のVHHベースの治療剤が現在、後期治験ステージにあるか、又はFDAにより承認されている。これらとしては、血栓性血小板減少性紫斑病に対して承認された抗原vWFに対する二価単一特異性抗体カプラシズマブが挙げられる(Duggan、2018)。RSVに対する三価ナノボディ複合体、ALX-0171は、呼吸器合胞体ウイルス感染症に対して後期開発ステージにある(Detalleaら、2015)。ALX-0061は、抗原IL-6Rに対して一価であるが、半減期を延長させるためにHSAナノボディに取り付けられており、RA及びSLE適応症に対して臨床開発ステージにある(Van Royら、2015)。治験薬物ALX-0761は、抗原IL-17A、IL-17F及びHASに対する3つのナノボディを含有し、乾癬に対して開発されている(Svecovaら、2019)。抗RANKL、ALX-0141は、抗原RANKLに対して二価であり、半減期を延長させるためにHSAに取り付けられている(Schoenら、2013)。オゾラリズマブは、抗原TNFαに対する二価ナノボディであり、半減期を延長させるためにHSAに取り付けられている(Fleischmannら、2012)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9328174(B2)号明細書(2016)
【特許文献2】米国特許第9688763(B2)号明細書(2017)
【特許文献3】米国特許第9212226(B2)号明細書(2015)
【特許文献4】米国特許第8937164(B2)号明細書(2015)
【特許文献5】米国特許第9758584(B2)号明細書(2017)
【特許文献6】米国特許第999639(B2)号明細書(2018)
【特許文献7】米国特許第8703135(B2)号明細書(2014)
【特許文献8】米国特許第9346884(B2)号明細書(2016)
【特許文献9】米国特許第9683045(B2)号明細書(2017)
【特許文献10】米国特許第9663570(B2)号明細書(2017)
【特許文献11】米国特許第9546211(B2)号明細書(2017)
【特許文献12】米国特許第8703131(B2)号明細書(2014)
【特許文献13】米国特許第9067991(B2)号明細書(2015)
【特許文献14】米国特許第9371381(B2)号明細書(2016)
【特許文献15】米国特許第9745372(B2)号明細書(2017)
【特許文献16】米国特許第8217140(B2)号明細書(2012)
【特許文献17】米国特許第8188223(B2)号明細書(2012)
【特許文献18】米国特許第9573992(B2)号明細書(2017)
【特許文献19】米国特許第7807162(B2)号明細書(2010)
【特許文献20】米国特許第8372398(B2)号明細書(2013)
【特許文献21】米国特許第9028816(B2)号明細書(2015)
【特許文献22】米国特許第10112989(B2)号明細書(2018)
【特許文献23】米国特許第8623361(B2)号明細書(2014)
【特許文献24】米国特許第9475877(B2)号明細書(2016)
【特許文献25】米国特許第9505840(B2)号明細書(2016)
【特許文献26】米国特許第9534055(B2)号明細書(2017)
【特許文献27】米国特許第8629244(B2)号明細書(2014)
【特許文献28】米国特許第8748581(B2)号明細書(2014)
【特許文献29】米国特許第8962805(B2)号明細書(2015)
【特許文献30】米国特許第9181350(B2)号明細書(2015)
【特許文献31】米国特許第9273150(B2)号明細書(2016)
【特許文献32】米国特許第9605072(B2)号明細書(2017)
【特許文献33】米国特許第9611326(B2)号明細書(2017)
【特許文献34】米国特許第9617341(B2)号明細書(2017)
【特許文献35】米国特許第10118967(B2)号明細書(2018)
【特許文献36】米国特許第8962807(B2)号明細書(2015)
【特許文献37】米国特許第9834611(B2)号明細書(2017)
【特許文献38】米国特許第8975382(B2)号明細書(2015)
【特許文献39】米国特許第9969805(B2)号明細書(2018)
【特許文献40】米国特許第9932403(B2)号明細書(2018)
【特許文献41】米国特許第10017568(B2)号明細書(2018)
【特許文献42】米国特許第9243065(B2)号明細書(2016)
【特許文献43】米国特許第9695234(B2)号明細書(2017)
【特許文献44】米国特許第9211330(B2)号明細書(2015)
【特許文献45】米国特許第10072098(B2)号明細書(2018)
【特許文献46】米国特許第9908935(B2)号明細書(2018)
【特許文献47】米国特許第9670275(B2)号明細書(2017)
【特許文献48】米国特許第10100110(B2)号明細書(2018)
【特許文献49】米国特許第8557965(B2)号明細書(2013)
【特許文献50】米国特許第8858940(B2)号明細書(2014)
【特許文献51】米国特許第9382333(B2)号明細書(2016)
【特許文献52】米国特許第9822175(B2)号明細書(2017)
【特許文献53】米国特許第8906680(B2)号明細書(2014)
【特許文献54】米国特許第9512236(B2)号明細書(2016)
【特許文献55】米国特許第9034325(B2)号明細書(2015)
【特許文献56】米国特許第9850321(B2)号明細書(2017)
【特許文献57】米国特許第9156914(B2)号明細書(2015)
【特許文献58】米国特許出願公開第2019/0010242号明細書
【特許文献59】米国特許出願公開第20110076275号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Hamers-Casterman Cら、「Naturally-occurring Antibodies Devoid of Light-chains.」、Nature 1993、363:446~448頁
【非特許文献2】Muyldermans,S及びSmider、2016. 「Distinct Antibody Species: Structural Differences Creating Therapeutic Opportunities.」、Current Opinion in Immunology 2016、40:7~13頁
【非特許文献3】Muyldermans, Sら、1994. 「Sequence and Structure of VH Domain From Naturally Occurring Camel Heavy Chain Immunoglobulins Lacking Light Chains.」、Protein Eng. 7: 1129~1135頁
【非特許文献4】Vu, K. B.ら、1997. 「Comparison of Llama VH Sequences from Conventional and Heavy Chain Antibodies.」、Mol. Immunol. 34: 1121~1131頁
【非特許文献5】De Vliegerら、「Single-domain Antibodies and their Formatting to Combat Viral Infections」、Antibodies 8(1)、1~22頁、2019
【非特許文献6】Conrath, K.E.ら、「Camel Single-Domain Antibodies as Modular Building Units in Bispecific and Bivalent Antibody Constructs.」、J. Biol. Chem. 2001、276、7346~7350頁
【非特許文献7】Coppieters, K.ら、「Formatted Anti-Tumor Necrosis Factor alpha VHH Proteins Derived from Camelids Show Superior Potency and Targeting to Inflamed Joints in a Murine Model of Collagen-induced Arthritis.」、Arthritis Rheum. 2006、54、1856~1866頁
【非特許文献8】Hmila, I.ら、「VHH, Bivalent Domains and Chimeric Heavy Chain-only Antibodies with High Neutralizing Efficacy for Scorpion Toxin AahI'.」、Mol. Immunol. 2008、45、3847~3856頁
【非特許文献9】Simmons, D.Pら、「Dimerisation Strategies for Shark IgNAR Single Domain Antibody Fragments.」、J. Immunol. Methods 2006、315、171~184頁
【非特許文献10】Hultberg, Aら、「Llama-derived Single Domain Antibodies to Build Multivalent, Super Potent and Broadened Neutralizing Anti-viral Molecules.」、PLoS One 2011, doi:10.1371/journal. pone.0017665.
【非特許文献11】Jahnichen Sら、「CXCR4 Nanobodies (VHH-based single variable domains) Potently Inhibit Chemotaxis and HIV-1 Replication and Mobilize Stem Cells.」、Proc Natl Acad Sci USA. (2010) 107: 20565~20570頁
【非特許文献12】Fridy PCら、「A Robust Pipeline for Rapid Production of Versatile Nanobody Repertoires.」、Nat Methods. 2014 December; 11(12): 1253~1260頁
【非特許文献13】Duggan S.、「Caplacizumab: First Global Approval.」、Drugs (2018) 78:1639~1642頁
【非特許文献14】Detallea Lら、「Generation and Characterisation of ALX-0171, a Potent Novel Therapeutic Nanobody for the Treatment of Respiratory Syncytial Virus infection.」、Antimicrobial Agents and Chemotherapy 60(1) 2015
【非特許文献15】Van Roy Mら、「The Preclinical Pharmacology of the High Affinity Anti-IL-6R Nanobody(登録商標) ALX-0061 Supports its Clinical Development in Rheumatoid Arthritis.」、Arthritis Research & Therapy (2015) 17:135頁
【非特許文献16】Svecova Dら、「A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Phase 1 Study of Multiple Ascending Doses of Subcutaneous M1095, an Anti-Interleukin- 17A/F Nanobody(登録商標), in Moderate-to-Severe Psoriasis.」、J Am Acad Dermatol. 2019年3月26日.
【非特許文献17】Schoen Pら、「Anti-RANKL Nanobody(登録商標) ALX-0141 Shows Sustained Biomarker Inhibition in a Phase I Study in Healthy Postmenopausal Women.」、DOI 10.1530/boneabs.1.PP135 (2013)
【非特許文献18】Fleischmann Rら、「A Novel Individualized Treatment Approach in Open-Label Extension Study of Ozoralizumab (ATN-103) in Subjects with Rheumatoid Arthritis on a Background of Methotrexate.」、Abstract 1311頁、ACR/ARHP Annual Meeting (2012).
【非特許文献19】Vincke C.ら(J. Biol Chem. 2009、284(5):3273~3284頁)
【非特許文献20】Kovalenko OVら(J Biol Chem. 2013、288:17408~17419頁)
【非特許文献21】Saunders K.O.(Front. Immunol. 10:1296頁、2019)
【非特許文献22】Ha, J-Hら(Front Immunol、2016;7:394頁)
【非特許文献23】Godar Mら(Expert Opinion on Therapeutic patents、2018;28(3):251~276頁)
【非特許文献24】Chen Xら(Adv Drug Deliv Rev. 2013;65(10):1357~1369頁)
【非特許文献25】Angal, S.ら、Mol Immunol 30、105~108頁、1993
【非特許文献26】Tatiana A. Tatusova、Thomas L. Madden (1999)、「Blast2 sequences - a new tool for comparing protein and nucleotide sequences」、FEMS Microbiol Lett. 174:247~250頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの開発にもかかわらず、複数の標的に結合し、効率的な免疫応答を生成する抗体様分子に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願人は、抗原結合性ドメイン並びに多価及び/又は多特異性タンパク質複合体を形成させるために2つのポリペプチド鎖の集合を可能とする二量体化ドメインを含むポリペプチドを生成した。
【0009】
本開示のポリペプチドは、異なるモジュールから構成され、特異的な標的に結合する能力のために選択された抗原結合性ドメインを含む。抗原結合性ドメインはまた、例えば、細胞プロセス、例えば遺伝子発現、シグナル伝達、細胞増殖、及び細胞生存等をモジュレートする能力を含むin vivo及び/又はin vitroでの機能的特性又は生物学的効果のために選択されてよい。
【0010】
抗原結合性ドメインは、単一の部分を用いて異なる細胞成分又は異なる細胞種を標的化するように単一のポリペプチド鎖となるように操作される。ポリペプチド鎖は、それらの生物学的効果を増強するためにタンパク質複合体、例えば二量体に集合させうる。いくつかの細胞プロセスは、そのため、単一のポリペプチド、又はタンパク質複合体種の投与を用いてモジュレートされ得る。追加的に、同じ分子内の複数の標的特異的抗原結合性ドメインの存在は、各抗原結合性ドメインの宛先とされる全ての細胞が集まった場合、同じ位置にそれらが最終的に送達されることを確実にする。追加の利益は、様々な生物学的効果がタイムリーな様式で又はほぼ随伴的にトリガーされることである。
【0011】
これは、別々の抗体の投与を上回る重大な利点となり、その理由は、そのような投与のアウトカムに影響する投薬量、投与のスケジュール、投与の経路、薬力学、薬物動態を含むいくつかのパラメーターが、別々に各部分に帰せられるのではなく、単一の部分に帰せられるからである。そのため、別々の抗体の投与は、所望の生物学的効果を必ずしも達成しない。
【0012】
更に、ポリペプチド鎖及びタンパク質複合体は、治療剤又は検出可能な部分とのコンジュゲーションに適する。
【0013】
本明細書に開示されるポリペプチド及びタンパク質複合体の別の利益は、様々な抗原結合性ドメインのそれらの標的への結合が同調した様式で起こりうることである。例えば、所与の単一ドメイン抗体のその標的への結合は、他のものの結合を助けうる。
【0014】
本開示に基づいて、本出願人は、腫瘍を標的化し且つ/又は免疫チェックポイントをモジュレートし且つ/又は免疫細胞を動員する様々な単一ドメイン抗体から構成されるポリペプチド及びタンパク質複合体を生成した。例えば、一部の実施形態では、ポリペプチド部分及びタンパク質複合体は、腫瘍を標的化する様々な単一ドメイン抗体から構成される。一部の実施形態では、ポリペプチド部分及びタンパク質複合体は、免疫チェックポイントをモジュレートする様々な単一ドメイン抗体から構成される。一部の実施形態では、ポリペプチド部分及びタンパク質複合体は、免疫細胞を動員する様々な単一ドメイン抗体から構成される。一部の実施形態では、ポリペプチド部分及びタンパク質複合体は、腫瘍を標的化し、免疫チェックポイントをモジュレートし且つ免疫細胞を動員する様々な単一ドメイン抗体から構成される。
【0015】
本出願人は、本開示のポリペプチド鎖は、単独又は化学療法との組合せのいずれかでin vivo前臨床モデルにおいて腫瘍退縮を促進することを実証する。
【0016】
別の利点は、本開示のポリペプチド鎖は細胞中で効率的に発現されることである。本明細書に開示されるポリペプチド鎖のフォーマットは、グラム/Lの範囲内のタンパク質複合体の収率を達成することを可能とする。
【0017】
本出願人はまた、驚くべきことに、例えば、増加したアビディティ、細胞標的化の増加した特異性を含めて、一価ポリペプチドを上回る様々な有利な特性を有するモジュール式、多機能性、多特異性及び/又は多価ポリペプチドを製造する方法を発見した。
【0018】
本開示のポリペプチドに組み込まれるVHH、単一ドメインAb結合性部分は、抗原結合のために軽鎖を要求せず、これは、軽鎖を要求する結合性部分と比較して分子量、サイズ、複雑性、及びジスルフィド結合の数を低減させる。これは次いで、様々な利点、例えば、抗がん療法のために好適な量の製造の単純化を有する。本開示のポリペプチドに組み込まれるCH2-CH3ドメインは、標準的な抗体精製方法のために有用であり、VHHタンパク質の半減期よりも長い全長抗体の半減期を付与する。本開示のポリペプチドの各鎖の異なるサイズは、ヘテロ二量体及びホモ二量体の間の区別を単純化し、これらの抗体の製造の単純化に寄与する。別の望ましい特性は、本開示のポリペプチドの異なる位置において使用されるリンカーである。プロテアーゼによる切断に感受性であるように特に設計されていないリンカーを選択することにより、本開示は、さもなければ多特異性の利益を打ち負かすであろうその構成部分への多特異性抗体の分解を克服する。
【0019】
本開示のポリペプチドの別の利点はポリペプチドの構造である。この利点としては、例えば、結合性部分がリンカー及び抗体最適化を通じてポリペプチドのC末端に位置する場合に結合親和性が低下するという制限を克服することが挙げられる。追加の利点としては、例えば、CH2-CH3ドメインは免疫系の様々な受容体とエンゲージし、結合性部分の空間的組織化を課すことが挙げられる。空間的組織化は、結合性部分の数の増加と共に中央にある分子の挙動の制御がより困難となる、末端を合わせて結合性部分を線状に並べることの制限を克服する。
【0020】
単一ドメイン抗体の機能的特性は、二量体タンパク質複合体へのポリペプチド鎖の集合においてもポリペプチド鎖内で保持される。更に、単一ドメイン抗体の機能的特性は、二量体化ドメイン(例えば、Fc)のC末端又は本明細書に記載されるような他のモジュールの間に位置する場合であっても保持される。よって、一部の実施形態では、本明細書に記載の単一ドメイン抗体は、二量体化ドメインのC末端に位置する場合に機能を保持する。一部の実施形態では、本明細書に記載の単一ドメイン抗体は、モジュールの間に位置する場合に機能を保持する。
【0021】
二量体化ドメインは、天然抗体のCH2-CH3ドメインに基づくか、又はヘテロ二量体形成を有利にするCH3突然変異の独特のセットを含有する。
【0022】
そのように生成されるタンパク質複合体は、所望の特異性を各々が有する少なくとも3、4、5、6及びより多くの抗原結合性ドメインを含みうる。一部の実施形態では、ポリペプチド又はタンパク質複合体の各抗原結合性ドメインは、単鎖としてその標的に結合する能力を有する。
【0023】
更に、本出願人は、ポリペプチド又はタンパク質複合体の活性にポジティブな影響を及ぼすリンカー及びポリペプチドの構成を同定することができた。
【0024】
本出願人はまた、本開示のポリペプチドを作製するためのモジュール式のシステムを提供している。
【0025】
本明細書に開示されるモジュール式のシステムは、ポリペプチドをコードするDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを各々が含む様々なDNAセグメントから構成される。このシステムの独特の特色により、ユーザーは、1つ又は複数のモジュールを交換して最良の候補を選択することができる。
【0026】
一部の態様及び実施形態では、本開示は、したがって、N末端からC末端への様式において式Ia:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
に示される構成を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
mが、0、1又は1より大きい整数であってよく;
nが、0、1又は1より大きい整数であってよく、但しm及びnが同時に0ではなく;
Aba、Abdが各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含んでよく;
X又はYが独立して存在しても存在しなくてもよく、且つアミノ酸配列を含んでよく;
Lb、Lcが各々独立して1つ又は複数のリンカーを含んでよく;且つ
DDが二量体化ドメインを含む、
ポリペプチドに関する。
【0027】
他の態様及び実施形態では、本開示は、N末端からC末端への様式において式Ib:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
に示される構成を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
mが、0、1又は1より大きい整数であり;
nが2又は2より大きい整数であり;
Aba、Abdが各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含み;
X又はYが独立して存在するか又は存在せず、アミノ酸配列を含み;
Lb、Lcが各々独立して1つ又は複数のリンカーを含み;
Lcが、切断可能なリンカーを含まず;且つ
DDが二量体化ドメインを含む、
ポリペプチドに関する。
【0028】
一部の実施形態では、ポリペプチドの二量体化ドメインは、CH2ドメイン、CH3ドメイン又はこれらの組合せを含む。
【0029】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは天然IgG1 CH3ドメインを含む。
【0030】
他の実施形態では、二量体化ドメインは天然IgG4 CH3ドメインを含む。
【0031】
他の実施形態では、二量体化ドメインは、天然IgGのCH3ドメインと比較して1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む。
【0032】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは突然変異型IgG1 CH3ドメインである。
【0033】
他の実施形態では、二量体化ドメインは突然変異型IgG4 CH3ドメインである。
【0034】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、本明細書において定義される第1の二量体化ドメイン(DD1)である。よって、一部の実施形態では、二量体化ドメインは、本明細書に開示されるアミノ酸配列を有する第1の二量体化ドメイン(DD1)である。
【0035】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、本明細書において定義される第2の二量体化ドメイン(DD2)である。よって、一部の実施形態では、二量体化ドメインは、本明細書に開示されるアミノ酸配列を有する第2の二量体化ドメイン(DD2)である。
【0036】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、EUナンバリングにしたがって399、356及び/又は370に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む。他の実施形態では、二量体化ドメインは、EUナンバリングにしたがって399、357及び/又は439に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む。
【0037】
よって、一部の実施形態では、二量体化ドメインは、EUナンバリングにしたがってD399、D/E356及び/又はK370に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む。更に他の実施形態では、二量体化ドメインは、EUナンバリングにしたがってD399、E357及び/又はK439に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む。
【0038】
一部の実施形態では、CH3ドメインは356位におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0039】
一部の実施形態では、CH3ドメインは357位におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0040】
一部の実施形態では、CH3ドメインは370位におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0041】
一部の実施形態では、CH3ドメインは399位におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0042】
一部の実施形態では、CH3ドメインは439位におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0043】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、399位及び356位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3ドメインを含む。一部の実施形態では、二量体化ドメインは、399位及び357位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3ドメインを含む。一部の実施形態では、二量体化ドメインは、399位及び370位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3ドメインを含む。一部の実施形態では、二量体化ドメインは、399位及び439位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3ドメインを含む。一部の実施形態では、二量体化ドメインは、356位及び370位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3ドメインを含む。一部の実施形態では、二量体化ドメインは、357位及び439位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3ドメインを含む。
【0044】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、位置D399、D/E356及び/若しくはK370又はD399、E357及び/若しくはK439におけるアミノ酸置換並びに1つ又は複数の更なるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3ドメインを含む。
【0045】
一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメイン中の1つ又は複数の更なるアミノ酸置換は、EUナンバリングにしたがってアミノ酸残基349~355を包含する領域中に位置してよい。
【0046】
一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメイン中の1つ又は複数の更なるアミノ酸置換は、EUナンバリングにしたがってアミノ酸残基394~395を包含する領域中に位置してよい。
【0047】
一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメイン中の1つ又は複数の更なるアミノ酸置換は、EUナンバリングにしたがってアミノ酸349~355を包含する領域中及び/又はアミノ酸394~395を包含する領域中に位置してよい。
【0048】
一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメイン中の1つ又は複数の更なるアミノ酸置換は、EUナンバリングにしたがって349、350、351、352、354、355、394及び/又は395に対応する位置にあってよい。
【0049】
一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメイン中の1つ又は複数の更なるアミノ酸置換は、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352、S354、R355若しくはQ355、T394又はP395に対応する位置にあってよい。
【0050】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置Y349にある。
【0051】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置T350にある。
【0052】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置L351にある。
【0053】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置P352にある。
【0054】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置S354にある。
【0055】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置R355にある。
【0056】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置Q355にある。
【0057】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置T394にある。
【0058】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置P395にある。
【0059】
一部の実施形態では、更なるアミノ酸置換は位置Y349及びS354にある。
【0060】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370及びY349におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0061】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370及びT350におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0062】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370及びL351におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0063】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370及びP352におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0064】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370及びS354におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0065】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370及びR355におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0066】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370及びQ355におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0067】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370及びT394におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0068】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、D/E356、K370、Y349及びS354におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0069】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、K439、E357及びY349におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0070】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、E357、K439及びT350におけるアミノ酸置換を含む。
【0071】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、E357、K439及びL351におけるアミノ酸置換を含む。
【0072】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、K439、E357及びP352におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0073】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、K439、E357及びS354におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0074】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、K439、E357及びR355におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0075】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、K439、E357及びQ355における突然変異を含んでよい。
【0076】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、K439、E357及びP395におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0077】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、位置D399、E357、K439、Y349及びS354におけるアミノ酸置換を含む。
【0078】
一部の実施形態では、位置Y349におけるアミノ酸置換は、Y349K、Y349D又はY349Rから選択される。より特には、一部の実施形態では、位置Y349におけるアミノ酸置換はY349Kである。他の実施形態では、位置Y349におけるアミノ酸置換はY349Dである。
【0079】
一部の実施形態では、位置S354におけるアミノ酸置換は、S354K、S354D、S354W又はS354Mから選択される。より特には、一部の実施形態では、位置S354におけるアミノ酸置換はS354Kである。他の実施形態では、位置S354におけるアミノ酸置換はS354Dである。他の実施形態では、位置S354におけるアミノ酸置換はS354Mである。
【0080】
一部の実施形態では、位置L351におけるアミノ酸置換は、L351Y、L351W、L351H、L351R、L351D、L351A、L351Tである。より特には、一部の実施形態では、位置L351におけるアミノ酸置換はL351Yである。他の実施形態では、位置L351におけるアミノ酸置換はL351Wである。他の実施形態では、位置L351におけるアミノ酸置換はL351Rである。
【0081】
一部の実施形態では、位置T350におけるアミノ酸置換は、T350L、T350I又はT350Vである。より特には、一部の実施形態では、位置T350におけるアミノ酸置換はT350Iである。他の実施形態では、位置T350におけるアミノ酸置換はT350Vである。
【0082】
一部の実施形態では、位置P352におけるアミノ酸置換は、P352Y、P352V、P352R、P352T、P352L、P352G、P352E、P352C、P352K又はP352Dである。より特には、一部の実施形態では、位置P352におけるアミノ酸置換はP352Rである。他の実施形態では、位置P352におけるアミノ酸置換はP352Eである。
【0083】
一部の実施形態では、位置T394におけるアミノ酸置換はT394Nである。
【0084】
一部の実施形態では、位置P395におけるアミノ酸置換はP395Iである。他の実施形態では、位置P395におけるアミノ酸置換はP395Gである。他の実施形態では、位置P395におけるアミノ酸置換はP395Eである。
【0085】
一部の実施形態では、位置R355におけるアミノ酸置換はR355Kである。他の実施形態では、位置R355におけるアミノ酸置換はR355Wである。
【0086】
一部の実施形態では、位置Q355におけるアミノ酸置換はQ355Kである。他の実施形態では、位置Q355におけるアミノ酸置換はQ355Wである。
【0087】
更に他の態様及び実施形態では、本開示は、N末端からC末端への様式において式Ic:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
に示される構成を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、
mが、0、1又は1より大きい整数であり;
nが、0、1又は1より大きい整数であり、但しm及びnが同時に0ではなく;
Aba、Abdが各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含み;
X又はYが独立して存在するか又は存在せず、アミノ酸配列を含み;
Lb、Lcが各々独立して1つ又は複数のリンカーを含み;
DDが、a) EUナンバリングにしたがってD399、D/E356及び/若しくはK370に対応する位置における1つ若しくは複数の突然変異を含むCH3ドメイン;又はb) EUナンバリングにしたがってD399、E357及び/若しくはK439に対応する位置における1つ若しくは複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む二量体化ドメインを含む、
ポリペプチドに関する。
【0088】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E356Q及びK370Eを含む。
【0089】
他の実施形態では、CH3ドメインは、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含む。
【0090】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含んでよい。
【0091】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Wを含んでよい。
【0092】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Mを含んでよい。
【0093】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Iを含んでよい。
【0094】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Vを含んでよい。
【0095】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含んでよい。
【0096】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Eを含んでよい。
【0097】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399Q、D/E356Q及びK370Eを含んでよい。
【0098】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Yを含んでよい。
【0099】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E、及びL351Hを含んでよい。
【0100】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E、及びR355Kを含んでよい。
【0101】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E、及びQ355Kを含んでよい。
【0102】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Kを含んでよい。
【0103】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Lを含んでよい。
【0104】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT394Nを含んでよい。
【0105】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Yを含んでよい。
【0106】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Vを含んでよい。
【0107】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Tを含んでよい。
【0108】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Lを含んでよい。
【0109】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Gを含んでよい。
【0110】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Cを含んでよい。
【0111】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Tを含んでよい。
【0112】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Aを含んでよい。
【0113】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399Q、E357Q、K439E、Y349D及びS354Dを含む。
【0114】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含む。
【0115】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Yを含む。
【0116】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Iを含む。
【0117】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Vを含んでよい。
【0118】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399Q、K439E、E357Qを含んでよい。
【0119】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、S354Kを含んでよい。
【0120】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、S354Wを含んでよい。
【0121】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、Y349Rを含んでよい。
【0122】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、T350Lを含んでよい。
【0123】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、R355Wを含んでよい。
【0124】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、Q355Wを含んでよい。
【0125】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、P395Iを含んでよい。
【0126】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、P395Gを含んでよい。
【0127】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、P395Eを含んでよい。
【0128】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、P352Kを含んでよい。
【0129】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、P352Dを含んでよい。
【0130】
一部の実施形態では、CH3ドメインは、突然変異D399N、K439E、E357Q、L351Dを含んでよい。
【0131】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも2つ又は少なくとも3つの抗原結合性ドメイン並びに多価及び/又は多特異性タンパク質複合体を形成させるために2つのポリペプチド鎖の集合を可能とする二量体化ドメインを含む。
【0132】
一部の実施形態では、Lcは切断不可能なリンカーを含む。他の実施形態では、Lcは切断不可能なリンカーからなる。
【0133】
mが2又は2より大きい整数である一部の実施形態では、[(Aba)-(Lb)]単位は同じである。
【0134】
mが2又は2より大きい整数である他の実施形態では、ポリペプチド又はタンパク質複合体の[(Aba)-(Lb)]単位は異なる。
【0135】
mが2より大きい整数である他の実施形態では、ポリペプチド又はタンパク質複合体の[(Aba)-(Lb)]単位は、同じ及び異なる単位を含んでよい。
【0136】
nが2又は2より大きい整数である一部の実施形態では、[(Lc)-(Abd)]単位は同じである。
【0137】
nが2又は2より大きい整数である他の実施形態では、[(Lc)-(Abd)]単位は異なる。
【0138】
nが2又は2より大きい整数である他の実施形態では、[(Lc)-(Abd)]単位は、同じ及び異なる単位を含む。
【0139】
実施形態では、1つ又は複数のリンカーは、抗体又はその抗原結合性断片のヒンジ領域を含む。
【0140】
一部の実施形態では、ヒンジ領域はIgG1からのものである。
【0141】
他の実施形態では、ヒンジ領域はIgG2からのものである。
【0142】
更に他の実施形態では、ヒンジ領域はIgG4からのものである。
【0143】
一部の実施形態では、1つ又は複数のリンカーの各々は、独立して、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50個のアミノ酸残基の長さを有する。
【0144】
一部の実施形態では、1つ又は複数のリンカーの各々は、独立して、柔軟性リンカー、らせん状リンカー、又は剛性リンカーである。
【0145】
一部の実施形態では、リンカーLcは剛性リンカーである。
【0146】
一部の実施形態では、1つ又は複数のリンカーは柔軟性リンカー及び/又は剛性リンカーを含む。
【0147】
一部の実施形態では、柔軟性リンカーはGSリンカーである。
【0148】
一部の実施形態では、柔軟性リンカーは、1つ又は複数のGGGGS単位を含む。
【0149】
一部の実施形態では、柔軟性リンカーは、少なくとも2、3、4、5、又はより多くのGGGGS単位を含む。
【0150】
一部の実施形態では、剛性リンカーは複数のPAリピートを含む。
【0151】
一部の実施形態では、剛性リンカーは、PAPAPKA(配列番号8); APAPAPAPAPKA(配列番号9); APAPAPAPAPAPAPAPAPAPKA(配列番号10);又はこれらの組合せから選択される。
【0152】
一部の実施形態では、らせん状リンカーは1つ又は複数のEAAAK単位を含む。
【0153】
一部の実施形態では、らせん状リンカーは、AEAAAKEAAAKA(配列番号12); AEAAAKEAAAKEAAAKA(配列番号13); AEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKA(配列番号14);又はこれらの組合せから選択される。
【0154】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、配列番号27に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一のアミノ酸配列を含む。
【0155】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、配列番号29に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一のアミノ酸配列を更に含む。
【0156】
一部の実施形態では、mは2である。
【0157】
他の実施形態では、mは3である。
【0158】
更に他の実施形態では、mは4である。
【0159】
更なる実施形態では、mは5である。
【0160】
他の実施形態では、mは5より大きい整数である。
【0161】
一部の実施形態では、nは2である。
【0162】
他の実施形態では、nは3である。
【0163】
追加の実施形態では、nは4である。
【0164】
更なる実施形態では、nは5である。
【0165】
他の実施形態では、nは5より大きい整数である。
【0166】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、式II:
X-(Aba1)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-Y (式II)
を含む。
【0167】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、式III:
X-(Aba1)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式III)
を含む。
【0168】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、式IV:
X-(Aba1)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-Y (式IV)
を含む。
【0169】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、式V:
X-(Aba1)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式V)
を含む。
【0170】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、式VI:
X-(Aba1)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-(Lc3)-(Abd3)-Y (式VI)
を含む。
【0171】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、式VII:
X-(Aba1)-(Lb3)-(Aba2)-(Lb2)-(Aba3)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式VII)
を含む。
【0172】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、式VIII:
X-(Aba1)-(Lb3)-(Aba2)-(Lb2)-(Aba3)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-(Lc3)-(Abd3)- Y (式VIII)
を含む。
【0173】
一部の実施形態では、Lc1は剛性リンカーである。
【0174】
一部の実施形態では、Lc2は剛性リンカーである。
【0175】
一部の実施形態では、Lc3は剛性リンカーである。
【0176】
一部の実施形態では、Lc1、及びLc2は剛性リンカーである。
【0177】
一部の実施形態では、Lc1、Lc2及びLc3は剛性リンカーである。
【0178】
実施形態では、抗原結合性ドメインは単一ドメイン抗体(sdAb)である。
【0179】
実施形態では、抗原結合性ドメインは重鎖可変領域(VH又はVHH)である。
【0180】
一部の実施形態では、VHHは、ヒト、マウス、ラット等に由来する。
【0181】
一部の実施形態では、VHHは、ラクダ化マウス若しくはラットVHH、他の種(例えば、ヒト等)からのVHH又は他の種からのラクダ化VHH(例えば、ラクダ化ヒトVHH等)を発現する能力を有するトランスジェニックマウス又はラットからのものである。
【0182】
実施形態では、抗原結合性ドメインは軽鎖可変領域(VL又はVLL)である。
【0183】
実施形態では、抗原結合性ドメインは単鎖可変断片(ScFv)である。
【0184】
実施形態では、抗原結合性ドメインはVNAR断片である。
【0185】
他の実施形態では、ポリペプチドの抗原結合性ドメインは、単一ドメイン抗体(sdAb)、重鎖可変領域(VH若しくはVHH)、軽鎖可変領域(VL若しくはVLL)、単鎖可変断片(ScFv)及び/又はVNAR断片のいずれかの組合せを含む。
【0186】
一部の実施形態では、sdAb又はVHHはラクダ科動物抗体からのものである。
【0187】
実施形態では、ラクダ科動物抗体は、ヒトコブラクダ、ラクダ、ラマ、アルパカ等からのものである。
【0188】
他の実施形態では、sdAb又はVHHは軟骨魚抗体からのものである。
【0189】
実施形態では、軟骨魚抗体はサメ抗体である。
【0190】
一部の実施形態では、各個々の抗原結合性ドメインは異なるエピトープに特異的に結合する。
【0191】
他の実施形態では、各個々の抗原結合性ドメインは異なる抗原に特異的に結合する。
【0192】
更に他の実施形態では、各個々の抗原結合性ドメインは異なるタンパク質に特異的に結合する。
【0193】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍により発現されるタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。他の実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍により発現されるタンパク質に結合し且つその活性をモジュレートする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0194】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、免疫チェックポイントタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。他の実施形態では、ポリペプチドは、免疫チェックポイントタンパク質に結合し且つその活性をモジュレートする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0195】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、免疫細胞タンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。他の実施形態では、ポリペプチドは、免疫細胞タンパク質に結合し且つその活性をモジュレートする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。更に他の実施形態では、ポリペプチドは、免疫細胞に結合又はエンゲージし且つそれを動員又は再方向付けする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0196】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、末梢血単核細胞(PBMC)に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。他の実施形態では、ポリペプチドは、PBMCに結合し且つその活性をモジュレートする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。更に他の実施形態では、ポリペプチドは、PBMCに結合し且つPBMCを動員又は再方向付けする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0197】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、T細胞タンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。他の実施形態では、ポリペプチドは、T細胞タンパク質に結合し且つその活性をモジュレートする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。更に他の実施形態では、ポリペプチドは、T細胞タンパク質に結合し且つT細胞を動員又は再方向付けする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0198】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍により発現されるタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン及び免疫細胞に結合し且つそれを動員又は再方向付けする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0199】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍により発現されるタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン、免疫チェックポイントタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン及び免疫細胞に結合し且つそれを動員又は再方向付けする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0200】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、免疫チェックポイント阻害因子をモジュレートする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0201】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍抗原に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン、免疫チェックポイントタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン及びT細胞に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0202】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍抗原に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン、免疫チェックポイントタンパク質に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン及びCD3に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0203】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、CD3機能をモジュレートする少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む。
【0204】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、受容体に特異的に結合する抗原結合性ドメインを含む。
【0205】
実施形態では、受容体はGタンパク質連結型受容体である。
【0206】
実施形態では、Gタンパク質連結型受容体はドーパミン受容体である。
【0207】
一部の実施形態では、ドーパミン受容体は、ドーパミン受容体D1(DRD1)、ドーパミン受容体D2(DRD2)、ドーパミン受容体D3(DRD3)、ドーパミン受容体D4(DRD4)又はドーパミン受容体D5(DRD5)である。
【0208】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍抗原に特異的に結合する抗原結合性ドメイン及び免疫調節因子に特異的に結合する抗原結合性ドメインを含む。
【0209】
一部の実施形態では、腫瘍抗原に特異的に結合する抗原結合性ドメインは二量体化ドメインのN末端側にあり、且つ免疫調節因子に特異的に結合する抗原結合性ドメインは二量体化ドメインのC末端側にある。
【0210】
一部の実施形態では、免疫調節因子は、免疫チェックポイントタンパク質、サイトカイン、ケモカイン又は免疫受容体若しくは補助受容体である。
【0211】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、CD36、DRD1、DRD2、DRD3、DRD4、DRD5、PD-L1、TROP2、CD147、MCT1、IL1RAP、AMIGO2、PTK7、MCT2、MCT4、NHE1、H+/K+-ATPアーゼ、LAP、HLA-I A2、CD73、CD98、CEACAM5/6、ICAM-1、MCSP、フィブロネクチン、ベータ1インテグリン、テトラスパニン8、CD164、CD59、CD63、CD44、CD166、cWF、TNF、IL-17A、IL17-F、IL-6R、BCMA、TNF、RANKL、ADAMTS5、VEGF、Ang2、CX3CR1、CXCR4、TfR1(CD71)、CXCR2、CD3、PD1、PDL-1、CTLA-4、CD8、LAG-3、OX40、CD27、CD122/IL2RB、TLR8/CD288、TIM-3、ICOS/CD278、NKG2A、A2AR、B7-H3、GITR/TNFRSF18、4-IBB/CD137、KIR2DL1、KIR3DL2、SIRPα、CD47、VISTA、CD40、CD112、CD96、TOGOT、BTLA、TIGIT、LAG-3、CD4、VEGFR2、CD19、IGFR1、EpCAM、EGFR、DLL3、CGRP、CD79b、CD28、CCR5、ErbB3、ErbB2、TGFβ1、TGFβ2、TGFβ3、TGFβR1、TGFβR2、IDO1、IDO2、TLR-4、TLR-7、TLR-8、TLR-9、SARS-CoV-1スパイクタンパク質、SARS-CoV-2スパイクタンパク質又はこれらの組合せに特異的に結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む。
【0212】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、CD36、DRD1、DRD2、DRD3、DRD4、DRD5、PD-L1、TROP2、CD147、MCT1、IL1RAP、AMIGO2、PTK7、MCT2、MCT4、NHE1、H+/K+-ATPアーゼ、LAP、HLA-I A2、CD73、CD98、CEACAM5/6、ICAM-1、MCSP、フィブロネクチン、ベータ1インテグリン、テトラスパニン8、CD164、CD59、CD63、CD44、CD166、cWF、TNF、IL-17A、IL17-F、IL-6R、BCMA、TNF、RANKL、ADAMTS5、VEGF、Ang2、CX3CR1、CXCR4、TfR1(CD71)、CXCR2、VEGFR2、CD19、IGFR1、EpCAM、EGFR、DLL3、CGRP、CD79b、CD28、CCR5、ErbB3、ErbB2、TGFβ1、TGFβ2、TGFβ3、TGFβR1-TGFβR2、IDO1、IDO2、TLR-4、TLR-7、TLR-8、TLR-9又はこれらの組合せに特異的に結合する、二量体化ドメインのN末端側にある1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む。
【0213】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、CD36、DRD1、DRD2、PD-L1、又はTROP2に特異的に結合する、二量体化ドメインのN末端側にある1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む。
【0214】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、CD3、PD1、PDL-1、CTLA-4、CD8、LAG-3、OX40、CD27、CD122/IL2RB、TLR8/CD288、TIM-3、ICOS/CD278、NKG2A、A2AR、B7-H3、GITR/TNFRSF18、4-IBB/CD137、KIR2DL1、KIR3DL2、SIRPα、CD47、VISTA、CD40、CD112、CD96、TOGOT、BTLA、TIGIT、LAG-3、CD4又はこれらの組合せに特異的に結合する、二量体化ドメインのC末端側にある1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む。
【0215】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、CD3、PD1、CTLA-4、CD8、LAG-3、OX40、CD27、CD122/IL2RB、TLR8/CD288、Tim3、ICOS/CD278、NKG2A、A2AR、B7-H3、GITR/TNFRSF18、4-IBB/CD137、KIR2DL1、KIR3DL2、SIRPα、CD47、VISTA、CD40、CD112、CD96、TOGOT、BTLA又はCD4に特異的に結合する、二量体化ドメインのC末端側にある1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む。
【0216】
所与の抗原結合性ドメインは、異なるタンパク質中に存在するエピトープに結合してよいことが本明細書において理解されるべきである。そのため、一部の実施形態では、抗原結合性ドメイン、又はそれを含むポリペプチド若しくはタンパク質複合体は、1つより多くのタンパク質に結合してよい。一部の実施形態では、抗原結合性ドメイン、又はそれを含むポリペプチド若しくはタンパク質複合体は、1つより多くのタンパク質に対して親和性を有してよい。
【0217】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、ウイルス抗原に結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む。一部の実施形態では、ウイルス抗原は、エンベロープウイルスからのタンパク質を含む。一部の実施形態では、ウイルス抗原はウイルス糖タンパク質を含む。一部の実施形態では、ウイルス抗原はスパイクタンパク質を含む。
【0218】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、SARS-CoVタンパク質に結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む。例えば、ポリペプチドは、SARS-CoV-1スパイクタンパク質に結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含んでよい。例えば、ポリペプチドは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質に結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0219】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、それぞれCD3及びPD1に特異的に結合する、二量体化ドメインのC末端側にある少なくとも2つの抗原結合性ドメインを含む。
【0220】
一部の実施形態では、抗原結合性ドメインのうちの1つ又は複数はヒト化されている。
【0221】
一部の実施形態では、X又はYは、リンカー、サイトカイン、ケモカイン、タグ、マスキングドメイン、ファージコートタンパク質(pIII、pVI、pV、pVII若しくはpIX)、抗原結合性ドメイン又はこれらの組合せからなる群から独立して選択される。
【0222】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、治療用部分、検出可能な部分若しくは延長された半減期を可能とするタンパク質にコンジュゲートされており、又はナノ粒子に取り付けられている。
【0223】
本開示の他の態様及び実施形態は、本明細書に開示されるポリペプチド及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0224】
本開示の更に他の態様及び実施形態は、本明細書に開示されるポリペプチド、又はポリペプチド鎖をコードする核酸に関する。
【0225】
他の態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示される抗原結合性ドメイン、二量体化ドメイン、リンカー又はこれらの組合せを含む個々のモジュールをコードする核酸に関する。核酸は、本明細書に開示されるDNAセグメントの形態であってよい。
【0226】
本開示の追加の態様及び実施形態は、本明細書に開示される核酸を含むベクターに関する。
【0227】
本開示の更なる態様及び実施形態は、本明細書に開示されるポリペプチドを発現する細胞に関する。
【0228】
本開示の追加の態様及び実施形態は、本明細書に開示される核酸又はベクターを含む細胞に関する。
【0229】
本開示の更なる態様及び実施形態は、本明細書に開示されるポリペプチドを含むキットに関する。
【0230】
本開示のいっそう更なる態様及び実施形態は、本明細書に開示される核酸、ベクター又は細胞を含むキットに関する。
【0231】
他の態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示される第1のポリペプチド鎖及び第2のポリペプチド鎖を含むタンパク質複合体に関する。一部の実施形態では、第1及び第2のポリペプチドは同一又は異なる。一部の実施形態では、第1及び第2のポリペプチドは、同一又は異なるアミノ酸配列を含む。
【0232】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は、二量体化ドメインのN末端における1つの抗原結合性ドメイン及びC末端における1つ又は2つの抗原結合性ドメインを含むポリペプチド鎖から作製されている。
【0233】
本開示のタンパク質複合体は、異なる免疫調節因子を標的化する2つの抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0234】
一部の実施形態では、ポリペプチド鎖は、1つの腫瘍標的化抗原結合性ドメイン、並びに異なる免疫調節因子に結合し、それにより六価及び三特異性タンパク質複合体を生成する2つの抗原結合性ドメインを含む。2つのそのようなポリペプチド鎖がヘテロ二量体形成を有利にするCH3ドメインを含む場合、六価及び六特異性タンパク質複合体が得られうる。
【0235】
他の態様及び実施形態では、本開示は、a)1つ又は複数の抗原結合性ドメイン、及びEUナンバリングにしたがって399、356及び/又は370に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む第1の二量体化ドメイン(DD1)を含む第1のポリペプチド並びにb)1つ又は複数の抗原結合性ドメイン、及びEUナンバリングにしたがって399、357及び/又は439に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む第2の二量体化ドメイン(DD2)を含む第2のポリペプチドを含み、第1及び第2のポリペプチドが二量体を形成する、タンパク質複合体に関する。
【0236】
更に他の態様及び実施形態では、本開示は、a)1つ又は複数の抗原結合性ドメイン、及びEUナンバリングにしたがってD399、D/E356及び/又はK370に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む第1の二量体化ドメイン(DD1)を含む第1のポリペプチド並びにb)1つ又は複数の抗原結合性ドメイン、及びEUナンバリングにしたがってD399、E357及び/又はK439に対応する位置における1つ又は複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む第2の二量体化ドメイン(DD2)を含む第2のポリペプチドを含み、第1及び第2のポリペプチドが二量体を形成する、タンパク質複合体に関する。
【0237】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)及び/又は第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって349、350、351、352、354、355、394及び/又は395に対応する位置における更なる突然変異を含むCH3ドメインを含む。
【0238】
他の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)及び/又は第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがってY349、T350、L351、P352、S354、R355若しくはQ355、T394及び/又はP395に対応する位置における更なる突然変異を含むCH3ドメインを含む。
【0239】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第1の二量体化ドメイン中の位置Y349にある。
【0240】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第1の二量体化ドメイン中の位置T350にある。
【0241】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第1の二量体化ドメイン中の位置L351にある。
【0242】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第1の二量体化ドメイン中の位置P352にある。
【0243】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第1の二量体化ドメイン中の位置S354にある。
【0244】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第1の二量体化ドメイン中の位置R355にある。
【0245】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第1の二量体化ドメイン中の位置Q355にある。
【0246】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第1の二量体化ドメイン中の位置Y349及びS354にある。
【0247】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置Y349にある。
【0248】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置T350にある。
【0249】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置L351にある。
【0250】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置P352にある。
【0251】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置S354にある。
【0252】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置R355にある。
【0253】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置Q355にある。
【0254】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置P395にある。
【0255】
一部の実施形態では、更なる突然変異は第2の二量体化ドメイン中の位置Y349及びS354にある。
【0256】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q及びK370Eを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q及びK370Eを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む。
【0257】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、E357Q、K439E、Y349D及びS354Dを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、E357Q、K439E、Y349D及びS354Dを含むCH3ドメインを含む。
【0258】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Wを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Wを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。
【0259】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Mを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Yを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Mを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Yを含むCH3ドメインを含む。
【0260】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Iを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Iを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Iを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Iを含むCH3ドメインを含む。
【0261】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Vを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Vを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Vを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Vを含むCH3ドメインを含む。
【0262】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。
【0263】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Eを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Eを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。
【0264】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q及びK370Eを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q及びK370Eを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む。
【0265】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Yを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びS354Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Yを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びS354Kを含むCH3ドメインを含む。
【0266】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Hを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びS354Wを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Hを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びS354Wを含むCH3ドメインを含む。
【0267】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びR355Kを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びY349Rを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びR355Kを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びY349Rを含むCH3ドメインを含む。
【0268】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びQ355Kを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びY349Rを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びQ355Kを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びY349Rを含むCH3ドメインを含む。
【0269】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Kを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Lを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Kを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Lを含むCH3ドメインを含む。
【0270】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Lを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びR355Wを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Lを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びR355Wを含むCH3ドメインを含む。
【0271】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Lを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びQ355Wを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Lを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びQ355Wを含むCH3ドメインを含む。
【0272】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT394Nを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP395Iを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT394Nを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP395Iを含むCH3ドメインを含む。
【0273】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT394Nを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP395Gを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT394Nを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP395Gを含むCH3ドメインを含む。
【0274】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT394Nを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP395Eを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT394Nを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP395Eを含むCH3ドメインを含む。
【0275】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Yを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Yを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。
【0276】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Vを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Vを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。
【0277】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Tを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Tを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。
【0278】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。
【0279】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Dを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Dを含むCH3ドメインを含む。
【0280】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Lを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Lを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。
【0281】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Gを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Gを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。
【0282】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Cを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Cを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。
【0283】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Cを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Dを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Cを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Dを含むCH3ドメインを含む。
【0284】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Tを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Tを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びP352Kを含むCH3ドメインを含む。
【0285】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Aを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Aを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。
【0286】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Yを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Yを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む。
【0287】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q及びK439Eを含むCH3ドメインを含む。
【0288】
一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含むCH3ドメインを含み、且つ第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。よって、一部の実施形態では、第1の二量体化ドメイン(DD1)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含むCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、第2の二量体化ドメイン(DD2)は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含む。
【0289】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は、本明細書に開示されるアミノ酸配列のいずれかを有する第1の二量体化ドメイン(DD1)を含む第1のポリペプチド及び本明細書に開示されるアミノ酸配列のいずれかを有する第2の二量体化ドメイン(DD2)を含む第2のポリペプチドから構成されてよい。
【0290】
一部の実施形態では、タンパク質複合体の第1及び第2のポリペプチドは、各々独立して、N末端からC末端への様式において式Ia:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
のアミノ酸配列を含み、
mは、0、1又は1より大きい整数であり;
nは、0、1又は1より大きい整数であり、但しm及びnは同時に0ではなく;
Aba、Abdは各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含み;
X又はYは独立して存在するか又は存在せず、アミノ酸配列を含み;
Lb、Lcは各々独立して1つ又は複数のリンカーを含み;且つ
DDは、第1のポリペプチド中の第1の二量体化ドメイン(DD1)及び第2のポリペプチド中の第2の二量体化ドメイン(DD2)である。
【0291】
一部の実施形態では、第1及び第2のポリペプチドは、各々独立して、本明細書に開示されるポリペプチドである。
【0292】
一部の実施形態では、第1及び第2のポリペプチドは、各々独立して、式IIIを有するポリペプチドであり、且つ二量体化ドメインは天然の二量体化ドメインである。
【0293】
一部の実施形態では、第1及び第2のポリペプチドは、各々独立して、式IIIを有するポリペプチドであり、且つ二量体化ドメインは突然変異型二量体化ドメインである。
【0294】
一部の実施形態では、第1のポリペプチドは式IIを含み、且つ第2のポリペプチドは式IIIを含み、且つ二量体化ドメインは天然の二量体化ドメインである。
【0295】
一部の実施形態では、第1のポリペプチドは式IIを含み、且つ第2のポリペプチドは式IIIを含み、且つ二量体化ドメインは突然変異型二量体化ドメインである。
【0296】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は多特異性である。
【0297】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は、二特異性、三特異性又は四特異性である。
【0298】
一部の実施形態では、タンパク質複合体の第1及び第2のポリペプチドは、同じ価数及び特異性を有する。
【0299】
一部の実施形態では、タンパク質複合体の第1及び第2のポリペプチドは、異なる価数及び特異性を有する。
【0300】
一部の実施形態では、タンパク質複合体は二特異性抗体であり、且つ任意選択で第1及び第2のポリペプチドの各々は抗体重鎖である。
【0301】
一部の実施形態では、二特異性抗体は第1の抗体軽鎖及び第2の抗体軽鎖を更に含む。
【0302】
更なる態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるタンパク質複合体を含む組成物に関する。
【0303】
他の態様及び実施形態では、本開示は、単量体、二量体及びこれらの混合物を含む組成物に関する。
【0304】
一部の実施形態では、第1及び第2のポリペプチドの70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%より多くは組成物中で二量体として存在する。
【0305】
一部の実施形態では、第1及び第2のポリペプチドの70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%より多くは組成物中でホモ二量体として存在する。
【0306】
一部の実施形態では、第1及び第2のポリペプチドの70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%より多くは組成物中でヘテロ二量体として存在する。
【0307】
追加の態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるポリペプチドを投与することを含む、障害又は疾患を処置する方法に関する。
【0308】
他の態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるタンパク質複合体を投与することを含む、障害又は疾患を処置する方法に関する。
【0309】
更なる態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示される組成物を投与することを含む、障害又は疾患を処置する方法に関する。
【0310】
一部の実施形態では、障害又は疾患はがんである。
【0311】
一部の実施形態では、障害又は疾患は感染症である。
【0312】
一部の実施形態では、障害又は疾患は免疫調節異常である。
【0313】
他の態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示される核酸を含む1つ又は複数のベクターを用いて細胞を形質転換することを含む、タンパク質複合体を作製する方法に関する。
【0314】
一部の実施形態では、方法は、ポリペプチド複合体を不純物から単離及び/又は精製することを更に含んでよい。
【0315】
他の実施形態では、方法は、ヘテロ二量体を単量体及び/又はホモ二量体から単離及び/又は精製することを更に含んでよい。
【0316】
他の実施形態では、方法は、ホモ二量体を単量体及び/又はヘテロ二量体から単離及び/又は精製することを更に含んでよい。
【0317】
更なる態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示される二量体化ドメインをコードする1つ又は複数の核酸、抗原結合性ドメインをコードする1つ又は複数の核酸及び任意選択でリンカーをコードする1つ又は複数の核酸を同じ又は別々のバイアル中に含むキットに関する。一部の実施形態では、二量体化ドメインはヒト抗体からのものである。
【0318】
一部の実施形態では、各核酸はベクターである。
【0319】
他の実施形態では、各核酸は、ポリペプチド鎖をコードするためのDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを含むDNAセグメントである。
【0320】
一部の実施形態では、二量体化ドメインをコードする1つ又は複数の核酸は、EUナンバリングにしたがって356位、357位、370位、399位及び/又は439位におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む。
【0321】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、356位、357位、370位、399位及び/又は439位におけるアミノ酸置換並びに349、350、351、352、354、355、394及び/又は395に対応する位置における更なるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む。
【0322】
一部の実施形態では、二量体化ドメインは、位置D/E356、E357、K370、D399及び/又はK439におけるアミノ酸置換並びにY349、T350、L351、P352、S354、R355若しくはQ355、T394及び/又はP395に対応する位置における更なるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む。
【0323】
より特には、一部の例示的な実施形態では、二量体化ドメインは、位置D/E356、E357、K370、D399及び/又はK439におけるアミノ酸置換並びにY349、T350、L351、P352、及び/又はS354に対応する位置における更なるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む。
【0324】
一部の実施形態では、核酸の各々はDNAセグメントであり、且つキットは、
a) EUナンバリングにしたがって356位、370位及び399位におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードするDNAセグメント;
b) 357位、399位及び439位におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードするDNAセグメント;
c) 1つ又は複数の抗原結合性ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント;並びに
d) 任意選択で1つ又は複数のリンカーをコードする1つ又は複数のDNAセグメント
を同じ又は別々のバイアル中に含み;
各核酸は、ポリペプチド鎖をコードするためのDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを含むDNAセグメントである。
【0325】
一部の実施形態では、キットは、式Ia、式Ib又は式Icのポリペプチド鎖をコードするDNA構築物の集合用である。
【0326】
他の実施形態では、キットは、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII又は式VIIIのポリペプチド鎖をコードするDNA構築物の集合用である。
【0327】
他の態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるポリペプチドをコードする核酸を作製する方法であって、ヒト抗体の二量体化ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント及び抗原結合性ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント及び任意選択でリンカーをコードする1つ又は複数のDNAセグメントを共有結合的に集合させることを含み、各DNAセグメントが、ポリペプチド鎖をコードするためのDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを含む、方法に関する。
【0328】
一部の実施形態では、少なくとも1つのDNAセグメントは天然抗体の二量体化ドメインをコードする。
【0329】
一部の実施形態では、少なくとも1つのDNAセグメントは、ヘテロ二量体形成を有利にするアミノ酸置換を含むCH3ドメインを含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。
【0330】
一部の実施形態では、少なくとも1つのDNAセグメントは、本明細書に記載されるような二量体化ドメイン(DD)をコードする。
【0331】
一部の実施形態では、少なくとも1つのDNAセグメントは、本明細書に開示されるアミノ酸配列を有する第1の二量体化ドメイン(DD1)をコードする。
【0332】
一部の実施形態では、少なくとも1つのDNAセグメントは、本明細書に開示されるアミノ酸配列を有する第2の二量体化ドメイン(DD2)をコードする。
【0333】
一部の実施形態では、アミノ酸置換は、356位、370位及び399位におけるアミノ酸置換を含む。
【0334】
一部の実施形態では、アミノ酸置換は、EUナンバリングにしたがって357位、399位及び439位におけるアミノ酸置換を含む。
【0335】
一部の実施形態では、DNAセグメントは、356位、370位及び399位におけるアミノ酸置換並びに任意選択で349、350、351、352、354、355、394及び/又は395から選択される位置における更なる突然変異を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。よって、一部の実施形態では、DNAセグメントは、356位におけるアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、370位におけるアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、399位におけるアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、356位、370位及び399位におけるアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、349位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、350位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、351位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、352位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、354位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、355位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、394位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、395位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。
【0336】
一部の実施形態では、DNAセグメントは、357位、399位及び439位におけるアミノ酸置換並びに任意選択で349、350、351、352、354、355、394及び/又は395から選択される位置における更なる突然変異を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。
【0337】
よって、一部の実施形態では、DNAセグメントは、357位におけるアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、399位におけるアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、439位におけるアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、357位、399位及び439位におけるアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、349位における突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、350位における突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、351位における突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、352位における突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、354位における突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、355位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、394位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、395位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、核酸は、抗原結合性ドメインをコードする少なくとも2つのDNAセグメントを含む。
【0338】
一部の実施形態では、核酸は、抗原結合性ドメインをコードする少なくとも3つのDNAセグメントを含む。
【0339】
一部の実施形態では、核酸は、抗原結合性ドメインをコードする少なくとも4つのDNAセグメントを含む。
【0340】
一部の実施形態では、核酸は、二量体化ドメインをコードするDNAセグメントの5'末端及び3'末端の各々において抗原結合性ドメインをコードする少なくとも1つのDNAセグメントを含む。
【0341】
他の態様及び実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるポリペプチド又はタンパク質複合体を作製する方法であって、ヒト抗体の二量体化ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント及び抗原結合性ドメインをコードする1つ又は複数のDNAセグメント及び任意選択でリンカーをコードする1つ又は複数のDNAセグメントを共有結合的に集合させることを含み、各DNAセグメントが、ポリペプチド鎖をコードするためのDNA構築物への独特の位置における集合を可能とする独特のオーバーハングを含む方法により作製された核酸を用いて細胞を形質転換することを含む方法に関する。
【0342】
一部の実施形態では、DNAセグメントのうちの1つ又は複数は、a) EUナンバリングにしたがって356位、370位及び399位におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメイン又はb) 357位、399位及び439位におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードする。
【0343】
一部の実施形態では、1つのDNAセグメントは、EUナンバリングにしたがって356位、370位及び399位におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインをコードし、且つ別のDNAセグメントは、357位、399位及び439位におけるアミノ酸置換を有するヒトIgG1の突然変異型CH3ドメインをコードする。
【0344】
一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメインは、349、350、351、352、354、355、394及び/又は395から選択される1つ又は複数の位置における更なるアミノ酸置換を含む。よって、一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメインは、349位における更なるアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメインは、350位における更なるアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメインは、351位における更なるアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメインは、352位における更なるアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、突然変異型CH3ドメインは、354位における更なるアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、DNAセグメントは、355位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、394位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。一部の実施形態では、DNAセグメントは、395位の突然変異を更に含む突然変異型二量体化ドメインをコードする。
【0345】
本開示の更なる範囲、応用可能性及び利点は、以下に与えられる非制限的な詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、この詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態を指し示すが、添付の図面を参照して、単なる例として与えられることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0346】
図1】本明細書に開示される例示的な多価タンパク質のモジュール設計及び集合を示す概略図である。VHHが選択され、リンカー及び二量体化ドメインと組み合わされ、多価及び/又は多特異性ポリペプチド二量体を形成する。
図2】本開示の単量体(図2A)又は対称ホモ二量体形態又はヘテロ二量体形態のいずれかのタンパク質二量体(図2B)として示した3つのVHHドメインを含むポリペプチドの例示的な構造を示す概略図である。
図3】ポリペプチドKB011(図3A)、KB003及びKB004(図3B)、又はKB005(図3C)を含有する上清をロードした、還元条件下で実施した4~12% Bis-Tris勾配SDS-PAGEゲルの写真である。ウシ血清アルブミン(BSA)の段階希釈を、ローディング対照として使用した。ゲルは、GelCode(商標)染色試薬を使用して染色し、タンパク質を可視化した。
図4】哺乳動物細胞で発現したポリペプチドKB007及びKB008(図4A)、又はKB009及びKB010(図4B)を含有する上清をロードした、還元条件下で実施した4~12% Bis-Tris勾配SDS-PAGEゲルの写真である。ウシ血清アルブミン(BSA)の段階希釈を、ローディング対照として使用した。ゲルは、GelCode(商標)染色試薬を使用して染色し、タンパク質を可視化した。
図5】4~12% Bis-Tris勾配SDS-PAGEゲルを使用して、非還元条件下でポリペプチドKB012、KB013、及びKB011を含有する上清をロードした4~12% Bis-Tris勾配SDS-PAGEゲルの写真である(図5A)。ウシ血清アルブミン(BSA)の段階希釈を、ローディング対照として使用した。非還元及び還元条件下で実行した、2μgのKB012、KB013、及びKB011をロードした8% Tris-グリシンSDS-PAGEゲルの写真である(図5B)。ゲルは、GelCode(商標)染色試薬を使用して染色し、タンパク質を可視化した。
図6A】非還元条件下で、2μgの精製ポリペプチドKB001、KB003、KB004又はKB005を含有する試料によって実施した8% Tris-グリシンSDS-PAGEゲルの写真である。ゲルは、GelCode(商標)染色試薬を使用して染色し、タンパク質を可視化した。
図6B】還元条件下で、2μgの精製ポリペプチドKB001、KB003、KB004又はKB005を含有する試料によって実施した8% Tris-グリシンSDS-PAGEゲルの写真である。ゲルは、GelCode(商標)染色試薬を使用して染色し、タンパク質を可視化した。
図6C】ポリペプチドKB001、KB003、KB004又はKB005の生産収率、等電点(pI)及び分子量(MW)を要約する表である。
図6D】非還元条件下で、2μgの精製ポリペプチドKB008、KB009又はKB007をロードした8% Tris-グリシンSDS-PAGEゲルの写真である。ゲルは、GelCode(商標)染色試薬を使用して染色し、タンパク質を可視化した。
図6E】還元条件下で、2μgの精製ポリペプチドKB008、KB009又はKB007をロードした8% Tris-グリシンSDS-PAGEゲルの写真である。ゲルは、GelCode(商標)染色試薬を使用して染色し、タンパク質を可視化した。
図6F】ポリペプチドKB008、KB009又はKB007の生産収率、等電点(pI)及び分子量(MW)を要約する表である。
図7】KB017(陰性対照)、KB019、又はKB015ポリペプチドから作製された二量体のJurkat細胞へのフローサイトメトリー結合データを示すヒストグラムである。
図8】KB019(図8A)及びKB015ポリペプチド(図8B)から得られたホモ二量体を示す概略図である。OCI-AML3並びにKB017及びKB019ポリペプチドから作製された二量体(図8C)又はKB017、KB019及びKB015ポリペプチドから作製された二量体(図8D)との、ヒトPBMCの48時間インキュベーションによって実施したPBMC依存的細胞障害性アッセイのデータを示すグラフである。
図9A】48時間でアッセイしたKB015、KB016又はKB018ポリペプチドから作製された二量体によってOCI-AML3細胞で実施したPBMC-依存的細胞障害性アッセイのデータを示すグラフである。
図9B】48時間、KB074、KB075、KB076及びKB078ポリペプチドから作製された二量体の存在下でOCI-AML3細胞とのヒトPBMCのインキュベーションによる細胞障害性アッセイのデータを表すグラフである。
図10】KB020、KB021、KB022、KB015、KB023ポリペプチドから作製された二量体又は抗体Fc融合体KB045、KB046及びKB033の組合せによりTHP-1で実施した細胞障害性アッセイのデータを示すグラフである。
図11図11Aはリンカー改変のために選択した位置を示す概略図である。図11B及び図11Cは、異なるタンパク質二量体の、ヒト組換えタンパク質PD-1ヘの結合曲線を示すヒストグラム及びグラフである。
図12図12Aはリンカー改変のために選択した位置を示す概略図である。図12B及び図12Cは、異なるタンパク質二量体の、組換えタンパク質PD-1ヘの結合を示すヒストグラム及びグラフである。
図13図13Aは、DRD2プロテオリポソーム又は空のリポソームにKB001、KB003、KB004、KB005又はKB017ポリペプチドから作製された二量体の結合を示すグラフである。図13Bは、DRD1プロテオリポソーム又は空のリポソームにKB007、KB008、KB009又はKB017ポリペプチドから作製された二量体の結合を示すグラフである。
図14】1:10の比でヒトPBMCと、及び10μg/mLの濃度でKB015、KB018、KB001、KB003、KB004又はKB005ポリペプチドから作製された二量体とインキュベートしたNCI-H510細胞(図14A)又はNCI-H69細胞(図14B)生存能を示すヒストグラムである。図14Cは、1:10の比でヒトPBMCと、及び10μg/mLの濃度でKB015、KB018、KB007又はKB008ポリペプチドから作製された二量体とインキュベートしたNCI-H510細胞生存能を示すヒストグラムである。
図15】KB017、KB019、KB012又はKB013ポリペプチドから作製された二量体(図15A)により、又はKB011、KB015、KB017、KB012、KB013又はKB014ポリペプチドから作製された二量体(図15B)により、48時間、OCI-AML3で実施したヒトPBMC依存的細胞障害性アッセイのデータを示すグラフである。
図16A】OCI-AML3腫瘍及びヒトPBMCを皮下に注射した、及びKB015、KB017又はKB019ポリペプチドから作製された二量体又はPBSを、28mg/kgで週に1回腹腔内(i.p)に処置したNOGマウスの経時的な腫瘍体積を示すグラフである。
図16B】OCI-AML3腫瘍及びヒトPBMCを皮下に注射した、及びKB017、KB011ポリペプチドから作製された二量体又はKB058又はPBSを、28mg/kgで週に1回処置したNOGマウスの経時的な腫瘍体積を示すグラフである。
図17】KB120又は陰性対照sdAb(NC)を、16mg/kgで週に1回処置した小細胞肺がんNCI-H510AモデルのSCIDマウス異種移植片における腫瘍進行を示すグラフである。
図18図18Aは、陽性対照抗体又は陰性対照抗体と比較した、ヒトPD-1(KB072)に対する抗PD-1 VHHを含むタンパク質複合体の結合を示すグラフである。図18Bは、陽性対照抗体又は陰性対照抗体と比較した、ヒトPD-1(KB072)に対する抗PD-1 VHHを含むタンパク質複合体のCPI機能(免疫チェックポイント阻害)を示すグラフである。
図19】DRD2、PD1及びT細胞(KB073)を標的化するVHHを含むタンパク質複合体又は陰性対照抗体を、28mg/kgの用量で、隔週、全部で8回投与により処置したNCI-H82 SCLCヒトPBMC共移植モデルにおける腫瘍進行を示すグラフである。
図20図20Aは、KB047ポリペプチドから作製されたホモ二量体を示す概略図である。図20Bは、KB047、KB015、KB018又はKB048ポリペプチドから作製された二量体によってOCI-AML3細胞で実施した細胞障害性アッセイのデータを示すグラフである。
図21図21Aは、KB049ポリペプチド軽鎖(レーン1)、KB050ポリペプチド重鎖(レーン2)をコードする異なる比のDNAをコトランスフェクトした細胞又は1:1、3:1、及び1:3(レーン3~5)の比で両プラスミド(KB057として同定された)をコトランスフェクトした細胞によって作製された二量体のSDS-PAGE解析後に実施したウェスタンブロットの写真である。図21Bは、KB050又はKB049ポリペプチドから作製されたホモ二量体又はKB049及びKB050のKB057コトランスフェクションから作製されたヘテロ二量体の分子量を要約した表である。
図22図22Aは、KB051、KB052、KB053又はKB054ポリペプチドの鎖A及び鎖Bを発現するDNA構築物を細胞にコトランスフェクトすることによって作製した単量体、ホモ二量体又はヘテロ二量体の分子量、並びに鎖A及び鎖Bのコトランスフェクションのために使用したDNA比を要約した表である。非還元(図22B)又は還元(図22C)下で行い、KB051(レーン1)、KB052(レーン2)、KB053(レーン3)の鎖A及び鎖Bを発現する1:1比のDNA構築物又はKB054(レーン4)ポリペプチドの鎖A及び鎖Bを発現する1:2比のDNA構築物を細胞にコトランスフェクトすることによって作製したタンパク質二量体をロードしたSDS-PAGE後に実施したウェスタンブロットの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0347】
詳細な説明
定義
他に指し示されなければ、二量体化ドメインのために指し示されるアミノ酸ナンバリングはEUナンバリングシステムによるものである。
【0348】
実施形態を記載する文脈(特に請求項の文脈)における「a」及び「an」及び「the」という用語並びに類似した参照語の使用は、本明細書において他に指し示されなければ又は文脈に明確に矛盾しなければ、単数及び複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。
【0349】
特に記載されなければ又は文脈から自明でなければ、本明細書において使用される場合、「又は」という用語は、包含的であると理解され、「又は」及び「及び」の両方をカバーする。
【0350】
「及び/又は」という用語は、本明細書において使用される場合、他方を伴う又は伴わない指定される特色又は構成要素の各々の特有の開示として解釈されるべきである。
【0351】
「含む」(comprising)、「有する」、「含む」(including)、及び「含有する」という用語は、他に記載されなければ、オープンエンドの用語として解釈されるべきである(即ち、「含むがそれに限定されない」を意味する)。「からなる」という用語はクローズエンドとして解釈されるべきである。
【0352】
「処置」という用語は、本開示の目的のために、治療的処置及び予防的又は防止的措置の両方を指す。処置を必要とする者としては、障害を既に有する者の他に、障害を有する素因を有する者又は障害が予防されるべき者が挙げられる。
【0353】
所与の値に関する「約」又は「おおよそ」という用語は、値における変動が想定されることを意味する。一部の実施形態では、「約」又は「おおよそ」という用語は、所与の値又は範囲の+/-20パーセント以内、+/-10パーセント以内、+/-5、+/-4、+/-3、+/-2又は+/-1パーセント以内の範囲を一般に意味する。
【0354】
抗原結合性ドメインに関する「機能的に活性の」という用語は、抗原結合性ドメインがその標的に結合する能力を有すること及び任意選択で抗原結合性ドメインが1つ又は複数の生物学的活性を有することを意味する。
【0355】
本明細書において使用される場合、「柔軟性リンカー」という用語は、隣接するモジュールが互いに対して相対的に動くことを可能とする柔軟なアミノ酸残基から構成される少なくとも部分を含むペプチドを指す。
【0356】
本明細書において使用される場合、「剛性リンカー」という用語は、剛性の構造を呈し且つ2つのモジュールの間の距離を保つアミノ酸から構成される少なくとも部分を含むペプチドを指す。
【0357】
本明細書において使用される場合、「らせん状リンカー」という用語は、α-ヘリックスコンホメーションをとるアミノ酸残基から構成されるリンカーを意味する。
【0358】
本明細書において使用される場合、「切断可能なリンカー」という用語は、ADAMS、ADAMTS、アスパラギン酸プロテアーゼ、カスパーゼ、システインカテプシン、システインプロテイナーゼ、メタロプロテイナーゼ、セリンプロテアーゼ、凝固因子プロテアーゼ、II型膜貫通セリンプロテアーゼ(TTSP)及びこれらの組合せからなる群から選択されるプロテアーゼに対して感受性の酵素切断部位を含むペプチドを指す。
【0359】
「A~B」等の形式において値の範囲に言及する表現は、そのような範囲に含まれる及び該範囲を構成する各個々の値及び任意の部分的範囲を含むことが本明細書において理解されるべきである。例えば、「1~10」という表現は、限定なく、「2~10」、「2~9」、「3~6」、「5~7」等の部分的範囲、並びに1及び10を含めて1~10に含まれる任意の個々の値、即ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10を含む。
【0360】
所与の値に関する「少なくとも」という用語は、該値及びより大きい値を含む意図であることが本明細書において理解されるべきである。例えば、「少なくとも80%」という用語は、「少なくとも81%」、「少なくとも82%」、「少なくとも83%」、「少なくとも84%」、「少なくとも85%」、「少なくとも86%」、「少なくとも87%」、「少なくとも88%」,「少なくとも89%」、「少なくとも90%」、「少なくとも91%」、「少なくとも92%」、「少なくとも93%」、「少なくとも94%」、「少なくとも95%」、「少なくとも96%」、「少なくとも97%」、「少なくとも98%」、「少なくとも99%」、「少なくとも99.1%」、「少なくとも99.2%」、「少なくとも99.3%」、「少なくとも99.4%」、「少なくとも99.5%」、少なくとも99.6%」、「少なくとも99.7%」、「少なくとも99.8%」、「少なくとも99.9%」、及び100%を含む。
【0361】
ポリペプチド
所望のポリペプチド配列をコードするDNAのセグメントはin vitroで合成される。異なるDNAモジュールが組織化及び方向付けされた方式において単一片に集合され、それは次に発現ベクター中にクローニングされる。結果としてもたらされるポリペプチドは、したがって、単一の鎖を形成する異なるモジュールから構成される。
【0362】
本開示のポリペプチドは、限定なく例えば、抗原結合性ドメイン、リンカー及び少なくとも2つのポリペプチド鎖の集合を促進する二量体化ドメインを含む。
【0363】
例示的な構成では、1つ又は複数の抗原結合性ドメインは、二量体化ドメインのN末端、C末端又は各側に位置してよい。
【0364】
別の例示的な構成では、ポリペプチドは、二量体化ドメインのN末端における少なくとも1つの抗原結合性ドメイン及び二量体化ドメインのC末端における少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0365】
更なる例示的な構成では、ポリペプチドは、二量体化ドメインのN末端における1つの抗原結合性ドメイン及び二量体化ドメインのC末端における少なくとも2つの抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0366】
いっそう更なる例示的な構成では、ポリペプチドは、二量体化ドメインのN末端における2つの抗原結合性ドメイン及び二量体化ドメインのC末端における2つの抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0367】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、N末端からC末端への様式において式Ia:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
に示される構成を有するアミノ酸配列を含んでよく、
mは、0、1又は1より大きい整数であってよく;
nは、0、1又は1より大きい整数であってよく、但しm及びnは同時に0ではなく;
Aba、Abdは各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含んでよく;
X又はYは独立して存在しても存在しなくてもよく、且つアミノ酸配列を含んでよく;
Lb、Lcは各々独立して1つ又は複数のリンカーを含んでよく;且つ
DDは二量体化ドメインを含む。
【0368】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、N末端からC末端への様式において式Ib:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
に示される構成を有するアミノ酸配列を含んでよく、
mは、0、1又は1より大きい整数であってよく;
nは2又は2より大きい整数であってよく;
Aba、Abdは各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含んでよく;
X又はYは独立して存在しても存在しなくてもよく、且つアミノ酸配列を含んでよく;
Lb、Lcは各々独立して1つ又は複数のリンカーを含んでよく;
Lcは、切断可能なリンカーを含まず;且つ
DDは二量体化ドメインを含んでよい。
【0369】
例示的な実施形態では、mは2であってよい。他の例示的な実施形態では、mは3であってよい。更なる例示的な実施形態では、mは4であってよい。追加の例示的な実施形態では、mは5であってよい。他の例示的な実施形態では、mは5より大きくてよい。
【0370】
例示的な実施形態では、nは2であってよい。他の例示的な実施形態では、nは3であってよい。更なる例示的な実施形態では、nは4であってよい。追加の例示的な実施形態では、nは5であってよい。他の例示的な実施形態では、nは5より大きくてよい。
【0371】
本明細書に開示される式Ia、式Ib又は式Icにおいて、mが2又は2より大きい整数である場合、Aba、Lb又は(Aba)-(Lb)により定義される各単位の各々は同じ又は異なってよいことが本明細書において理解されるべきである。
【0372】
本明細書に開示される式Ia、式Ib又は式Icにおいて、nが2又は2より大きい整数である場合、Abd、Lc又は(Lc)-(Abd)により定義される各単位の各々は同じ又は異なってよいことが本明細書において理解されるべきである。
【0373】
ポリペプチドの実施形態としては、限定なく例えば、式IIに示される構成、式IIIに示される構成、式IVに示される構成、式Vに示される構成、式VIに示される構成、式VIIに示される構成、式VIIIに示される構成を有するものが挙げられる。
X-(Aba1)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-Y (式II);
X-(Aba1)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式III);
X-(Aba1)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-Y (式IV);
X-(Abal)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式V)
X-(Aba1)-(Lb2)-(Aba2)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-(Lc3)-(Abd3)-Y (式VI);
X-(Aba1)-(Lb3)-(Aba2)-(Lb2)-(Aba3)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-Y (式VII);
X-(Aba1)-(Lb3)-(Aba2)-(Lb2)-(Aba3)-(Lb1)-(DD)-(Lc1)-(Abd1)-(Lc2)-(Abd2)-(Lc3)-(Abd3)-Y (式VIII)。
X、Y及びDDは、式Ia、式Ib又は式Icにおいて定義される通りであり;
Aba1、Aba2、Aba3、Abd1、Abd2、Abd3は、各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含み;
Lb1は、1つ若しくは複数のリンカー及び/又は抗体若しくはその抗原結合性断片のヒンジ領域を含み;且つ
Lb2、Lb3、Lc1、Lc2、及びLc3は、各々独立して、1つ又は複数のリンカーを含む。
【0374】
本開示のポリペプチドは、単鎖又は本明細書に開示されるタンパク質複合体の部分のいずれかとして機能的に活性の抗原結合性ドメインを含む。
【0375】
例えば、ポリペプチドの抗原結合性ドメインは、その標的に結合してよく、生物学的に活性であってよい。
【0376】
一部の実施形態では、抗原結合性ドメインの生物学的活性は、限定なく例えば、標的のその天然の受容体又はリガンドへの結合を遮断することを含む。代替的に、抗原結合性ドメインの生物学的活性は、標的を隔離するその能力を含む。更に、抗原結合性ドメインの生物学的活性は、シグナル伝達を誘導するその能力を含む。
【0377】
1つより多くの抗原結合性ドメインを含むポリペプチドは、多価であるとして特徴付けられる。
【0378】
本開示のポリペプチドは、そのN若しくはC末端又は両方の末端における追加のアミノ酸配列(本明細書に開示される式中のそれぞれX及びYにより定義される)を含んでよい。
【0379】
一部の実施形態では、N末端におけるアミノ酸配列(Xにより定義される)はシグナルペプチドを含んでよく、その例示的な実施形態は配列番号51に提供される。
【0380】
一部の実施形態では、N末端におけるアミノ酸配列(Xにより定義される)又はC末端におけるアミノ酸配列(Yにより定義される)は、独立して、リンカー、サイトカイン、ケモカイン、タグ(例えば、Hisタグ(例えば配列番号52))、マスキングドメイン、ファージコートタンパク質、抗原結合性ドメイン又はこれらの組合せを含んでよい。
【0381】
抗原結合性ドメイン(Ab)
本開示のポリペプチドは、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を各々独立して含む1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含む。
【0382】
本開示のポリペプチドの特異性は、そのため、それらの抗原結合性ドメインにより付与されてよい。
【0383】
一部の実施形態では、所与のポリペプチド鎖の全ての抗原結合性ドメインは、異なるモジュールと単鎖として組み合わせられた場合にそれらの標的に結合する能力を有する。
【0384】
本開示のポリペプチドは、(ヒト若しくは動物起源の)天然抗体又は合成抗体に由来する抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0385】
一部の実施形態では、天然抗体の抗原結合性ドメインは、単鎖を形成するように操作される。
【0386】
一部の実施形態では、抗原結合性ドメインは、IgG、例えばIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4から得られてよい。特定の実施形態では、抗原結合性ドメインはヒトIgG重鎖に由来する。
【0387】
一部の実施形態では、抗原結合性ドメインは、重鎖のみの抗体(HCAb)から得られてよい。
【0388】
抗原結合性ドメインの例示的な実施形態としては、限定なく例えば、単一ドメイン抗体(sdAb)、重鎖可変領域(VH又はVHH)、軽鎖可変領域(VL又はVLL)、単鎖可変断片(scFv)、VNAR断片、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0389】
特定の実施形態では、本開示のポリペプチドは、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2c若しくはIgG3又はこれらの組合せの、ヒト若しくはマウス若しくはラット、若しくはマウス若しくはラットVHHがラクダ化されているトランスジェニックマウス若しくはラットに由来する抗原結合性ドメインVHH、ヒトVHH、ラクダ化されているヒトVHHを含んでよい。抗体は、その重鎖、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2c若しくはIgG3若しくはこれらの組合せ、又は上記のVHHの組合せのいずれかにおいて機能的なCH1ドメインを欠いたマウス若しくはラット又はトランスジェニックマウス若しくはラットを、目的の抗原で免疫化することにより得られてよい。
【0390】
特定の実施形態では、本開示のポリペプチドは、ラクダ科動物抗体の抗原結合性ドメイン、例えばIgG2又はIgG3のVHHを含んでよい。ラクダ科動物抗体は、ヒトコブラクダ、ラクダ、ラマ又はアルパカを目的の抗原で免疫化することにより得られてよい。
【0391】
一部の実施形態では、ラクダ科動物抗体は、いわゆる旧世界ラクダ科動物、例えばフタコブラクダ(Camelus bactrianus)、ヒトコブラクダ(Camelus dromedarius)又は新世界ラクダ科動物、例えばアルパカ(Lama pacos)、ラマ(Lama glama)及びビクーニャ(Lama vicugna)を起源としてよい。
【0392】
別の特定の実施形態では、本開示のポリペプチドは、軟骨魚の抗原結合性ドメイン、例えばIgNARのVNAR断片を含んでよい。VNAR断片はサメ抗体を起源としてよい。
【0393】
所望の場合、非ヒト抗体の抗原結合性ドメインはヒト化されてよい。例えば、非ヒトVH、VHH又はHCAbのフレームワーク領域は、それらをよりヒト様とするように改変されてよい。ラクダ科動物抗体のヒト化は、例えば、Vincke C.ら(J. Biol Chem. 2009、284(5):3273~3284頁)において議論されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。ヒト化されたラクダ科動物抗体は、例えば、ユニバーサルヒト化ナノボディスキャフォールド(例えば、Vincke C.らにおいて開示されるh-NbBcII10FGLA)へのCDRグラフトにより得られてよい。VNAR抗体は、Kovalenko OVら(J Biol Chem. 2013、288:17408~17419頁)(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)において議論されるように非CDR残基をヒト生殖系列Vκ1配列DPK9の残基に変換することによりヒト化されうる。本開示のポリペプチドは、したがって、ヒト化された抗原結合性ドメインを包含する。
【0394】
更に別の特定の実施形態では、抗原結合性ドメインは、ヒトVH(改変されたもの又はそうでないもの)を含んでよい。ヒトVHは、例えば、合成ヒトVHライブラリーから得られてよい。改変されたヒトVHとしては、一部のアミノ酸残基が、それらをよりラクダ様とするために改変されているもの(即ち、ラクダ化によるもの)が挙げられる。
【0395】
本開示の一部の態様では、ポリペプチドは、全てが同じ標的及び同じエピトープに結合する抗原結合性ドメインから構成されてよい。そのようなポリペプチドは、単一特異的であるとして特徴付けられてよい。
【0396】
単一特異性ポリペプチドの例示的な実施形態としては、同一のCDR及びフレームワーク領域を有する抗原結合性ドメインを含むポリペプチドが挙げられる。単一特異性ポリペプチドの別の例示的な実施形態としては、同一のCDR及び異なるフレームワーク領域を有する抗原結合性ドメインを含むポリペプチドが挙げられる。単一特異性ポリペプチドの更なる例示的な実施形態としては、同じエピトープ又は抗原に結合する能力に影響することなくそれらのCDRのうちの1つ又は複数のアミノ酸配列において異なる(例えば、1つ又は複数のCDR中の保存的置換)抗原結合性ドメインを含むポリペプチドが挙げられる。
【0397】
本開示の他の態様では、ポリペプチドの抗原結合性ドメインは、同じ抗原の異なるエピトープ又は異なる抗原に結合してよい。そのようなポリペプチドは、多特異的であるとして特徴付けられてよく、例えば、二特異性ポリペプチド、三特異性ポリペプチド、四特異性ポリペプチド、五特異性ポリペプチド、六特異性ポリペプチド、二パラトープ性ポリペプチド、及び多パラトープ性ポリペプチド等を包含する。
【0398】
多特異性ポリペプチドの例示的な実施形態としては、異なる結合特異性に繋がるそれらのCDRのうちの1つ又は複数のアミノ酸配列において異なる少なくとも2つの抗原結合性ドメインを含むポリペプチドが挙げられる。
【0399】
ポリペプチドは、より特には、それが2つの異なるエピトープ又は抗原に結合する場合に二特異的であるとして特徴付けられてよい。ポリペプチドは、それが3つの異なるエピトープ又は抗原に結合する場合に三特異的であるとして特徴付けられてよい。ポリペプチドは、それが4つの異なるエピトープ又は抗原に結合する場合に四特異的であるとして特徴付けられてよい。ポリペプチドは、それが5つの異なるエピトープ又は抗原に結合する場合に五特異的であるとして特徴付けられてよい。ポリペプチドは、それが6つの異なるエピトープ又は抗原に結合する場合に六特異的であるとして特徴付けられてよい。
【0400】
同じ標的上の2つのオーバーラップしないエピトープに結合する2つの抗原結合性ドメインを含むポリペプチドは、二パラトープ性であるとして特徴付けられる。同じ標的上の3、4又はより多くのエピトープに結合する抗原結合性ドメインを含むポリペプチドは、多パラトープ性であるとして特徴付けられる。
【0401】
所与のポリペプチドの抗原結合性ドメインは、意図される用途、例えば検出、診断及び/又は治療用途に基づいて選択される。特定のポリペプチドの抗原結合性ドメインの各々は、相加的又は相乗的効果を生成するように選択されてよい。
【0402】
一部の実施形態では、抗原結合性ドメインは、疾患又は状態に関与するタンパク質に特異的に結合する能力について選択されてよい。
【0403】
例えば、本開示のポリペプチドは、腫瘍細胞又は腫瘍細胞環境により発現される抗原に特異的に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン(即ち、腫瘍特異的抗原結合性ドメイン)を含んでよい。
【0404】
本開示のポリペプチドは、そのため、CD36、DRD1、DRD2、DRD3、DRD4、DRD5、PD-L1、TROP2、CD 147、MCT1、IL1RAP、AMIGO2、PTK7、MCT2、MCT4、NHE1、H+/K+-ATPアーゼ、LAP、HLA-I A2、CD73、CD98、CEA、CEACAM5/6、ICAM-1、MCSP、フィブロネクチン、ベータ1インテグリン、テトラスパニン8、CD164、CD59、CD63、CD44、CD166、cWF、TNF、IL-17A、IL17-F、IL-6R、BCMA、TNF、RANKL、ADAMTS5、VEGF、Ang2、CX3CR1、CXCR4、CXCR7、CXCL12、TfR1(CD71)、CXCR2、VEGFR2、CD19、IGFR1、EpCAM、EGFR、DLL3、CGRP、CD79b、CD28、CCR5、ErbB3、ErbB2、TGFβ1、TGFβ2、TGFβ3、TGFβR1、TGFβR2、IDO1、IDO2、TLR-4、TLR-7、TLR-8、TLR-9等に特異的に結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0405】
一部の実施形態では、抗原結合性ドメインは受容体に特異的に結合してよい。
【0406】
一部の実施形態では、抗原結合性ドメインは、Gタンパク質連結型受容体、限定なく例えば、ドーパミン受容体等に特異的に結合してよい。
【0407】
一部の例示的な実施形態では、ドーパミン受容体はドーパミン受容体D1(DRD1)であってよい。
【0408】
一部の例示的な実施形態では、ドーパミン受容体はドーパミン受容体D2(DRD2)であってよい。
【0409】
一部の例示的な実施形態では、ドーパミン受容体はドーパミン受容体D3(DRD3)であってよい。
【0410】
一部の例示的な実施形態では、ドーパミン受容体はドーパミン受容体D4(DRD4)であってよい。
【0411】
一部の例示的な実施形態では、ドーパミン受容体は或いはドーパミン受容体D5(DRD5)であってよい。
【0412】
本開示の他の態様及び実施形態では、ポリペプチドは、免疫調節因子に特異的に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0413】
例えば、ポリペプチドは、免疫チェックポイントタンパク質、サイトカイン、ケモカイン又は免疫受容体若しくは補助受容体等に結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメイン(例えば、免疫特異的抗原結合性ドメイン)を含んでよい。
【0414】
本開示のポリペプチドは、そのため、CD3、CD16、PD1、PDL-1、CTLA-4、CD8、LAG-3、OX40、CD27、CD122/IL2RB、TLR8/CD288、TIM-3、ICOS/CD278、NKG2A、A2AR、B7-H3、GITR/TNFRSF18、4-IBB/CD137、KIR2DL1、KIR3DL2、SIRPα、CD47、VISTA、CD40、CD112、CD96、TOGOT、BTLA、TIGIT、LAG-3、CD4等に特異的に結合する1つ又は複数の抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0415】
例示的な実施形態では、本開示のポリペプチドは、少なくとも1つの腫瘍特異的抗原結合性ドメイン及び少なくとも1つの免疫特異的抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0416】
いくつかの単一ドメイン抗体が文献において記載されている。本開示のポリペプチドは、そのため、そのような単一ドメイン抗体のCDR、全体配列を含む抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0417】
そのような単一ドメイン抗体の例示的な実施形態としては、限定なく、CXCR2(米国特許第9328174(B2)号明細書(2016)、米国特許第9688763(B2)号明細書(2017))、CXCR4(米国特許第9212226(B2)号明細書(2015))、CXCR7(米国特許第9212226(B2)号明細書(2015)、米国特許第8937164(B2)号明細書(2015)、米国特許第9758584(B2)号明細書(2017)、米国特許第999639(B2)号明細書(2018))、C-MET(米国特許第8703135(B2)号明細書(2014)、米国特許第9346884(B2)号明細書(2016)、米国特許第9683045(B2)号明細書(2017))、KRAS(米国特許第9663570(B2)号明細書(2017))、TNF-アルファ(米国特許第9546211(B2)号明細書(2017)、米国特許第8703131(B2)号明細書(2014)、米国特許第9067991(B2)号明細書(2015)、米国特許第9371381(B2)号明細書(2016)、米国特許第9745372(B2)号明細書(2017))、血清アルブミン(米国特許第8217140(B2)号明細書(2012)、米国特許第8188223(B2)号明細書(2012)、米国特許第9573992(B2)号明細書(2017))、フォンウィルブランド因子(米国特許第7807162(B2)号明細書(2010)、米国特許第8372398(B2)号明細書(2013)、米国特許第9028816(B2)号明細書(2015)、米国特許第10112989(B2)号明細書(2018))、RANK-L(米国特許第8623361(B2)号明細書(2014)、米国特許第9475877(B2)号明細書(2016)、米国特許第9505840(B2)号明細書(2016)、米国特許第9534055(B2)号明細書(2017))、IL-6R(米国特許第8629244(B2)号明細書(2014)、米国特許第8748581(B2)号明細書(2014)、米国特許第8962805(B2)号明細書(2015)、米国特許第9181350(B2)号明細書(2015)、米国特許第9273150(B2)号明細書(2016)、米国特許第9605072(B2)号明細書(2017)、米国特許第9611326(B2)号明細書(2017)、米国特許第9617341(B2)号明細書(2017)、米国特許第10118967(B2)号明細書(2018))、OX40L(米国特許第8962807(B2)号明細書(2015)、米国特許第9834611(B2)号明細書(2017))、HER2(米国特許第8975382(B2)号明細書(2015)、米国特許第9969805(B2)号明細書(2018))、HER3(米国特許第9932403(B2)号明細書(2018))、IL-17A及びIL-17F(米国特許第10017568(B2)号明細書(2018))、EGFR(米国特許第9243065(B2)号明細書(2016))、STAT3(米国特許第9695234(B2)号明細書(2017))、アミロイドベータ(米国特許第9211330(B2)号明細書(2015))、シュードモナス(Pseudomonas)(米国特許第10072098(B2)号明細書(2018))、P2X7受容体(米国特許第9908935(B2)号明細書(2018))、肝細胞増殖因子(米国特許第9670275(B2)号明細書(2017)、米国特許第10100110(B2)号明細書(2018))、Notch経路メンバー(米国特許第8557965(B2)号明細書(2013))、アンジオポエチン/Tie(米国特許第8858940(B2)号明細書(2014)、米国特許第9382333(B2)号明細書(2016)、米国特許第9822175(B2)号明細書(2017))、ケモカイン(米国特許第8906680(B2)号明細書(2014))、G連結型タンパク質受容体(米国特許第9512236(B2)号明細書(2016)、スカベンジャー受容体(米国特許第9034325(B2)号明細書(2015))、細胞内抗原(米国特許第9850321(B2)号明細書(2017))、メタロプロテイナーゼ(米国特許第9156914(B2)号明細書(2015))等を標的化するものが挙げられる。
【0418】
そのような単一ドメイン抗体の特有の例示的な実施形態としては、カプラシズマブ(vWFに対するVHH)、オゾラリズマブ(TNFに対するVHH)、ALX/0761/M1095(IL-17A、IL-17Fに対して二特異性のVHH)、ボバリリズマブ(IL-6Rに対するVHH)、LCAR-B38M(BCMAに対するVHH)、V565(TNFに対するVHH)、ALX-1141/M6495(ADAMTS5に対するVHH)、BI 836880(VEGF、Ang2に対して二特異性のVHH)、BI 655088(CX3CR1に対するVHH)、AD-214(CXCR4に対するi-body)、TXB4(TfR1に対するVNAR)、ALX-0141(RANK-Lに対するVHH)等の部分であるものが挙げられる。
【0419】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、二量体化ドメインのN末端において1つ又は複数の腫瘍特異的抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0420】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、二量体化ドメインのC末端において1つ又は複数の腫瘍特異的抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0421】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、二量体化ドメインのN末端及びC末端の両方において1つ又は複数の腫瘍特異的抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0422】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、二量体化ドメインのN末端において1つ又は複数の免疫特異的抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0423】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、二量体化ドメインのC末端において1つ又は複数の免疫特異的抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0424】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、二量体化ドメインのN末端及びC末端の両方において1つ又は複数の免疫特異的抗原結合性ドメインを含んでよい。
【0425】
例示的且つ非限定的な実施形態では、ポリペプチドは、二量体化ドメインのC末端において2つの免疫特異的抗原結合性ドメインを含んでよい。一部の実施形態では、二量体化ドメインのC末端部分に直ちに隣接する免疫特異的抗原結合性ドメインは、切断不可能なリンカーを介して連結されてよい。
【0426】
二量体化ドメイン(DD)及びタンパク質複合体
本開示のポリペプチドは二量体化ドメインを含む。そのため、2つのポリペプチド(ポリペプチド鎖)は集合してタンパク質複合体を形成してよい。タンパク質複合体の例示的な実施形態としてはホモ二量体及びヘテロ二量体が挙げられる。
【0427】
二量体化ドメインは、限定なく例えば、例えば重鎖免疫グロブリンのFc、CH2及び/又はCH3ドメインを含めて、免疫グロブリンの定常領域を含んでよい。
【0428】
本開示のある特定の実施形態及び態様では、二量体化ドメインは、天然IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4定常領域又はそれらの対応するCH2及び/若しくはCH3ドメインの配列と同一の配列を有してよい。
【0429】
天然ヒト抗体の配列と同一の配列を有する二量体化ドメインが本開示に特に包含される。二量体化ドメインの例示的な実施形態としては、例えば天然ヒト重鎖のCH2-CH3ドメインが挙げられる。
【0430】
細胞中又は溶液中で発現される場合、天然抗体のCH2-CH3ドメインを有するポリペプチドは、二量体を形成する傾向を有する。タンパク質複合体の2つのポリペプチド鎖が同じアミノ酸配列から構成される場合、タンパク質複合体はホモ二量体を形成する。しかしながら、天然抗体のCH2-CH3ドメインを有するが異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドの共発現は、ホモ二量体及びヘテロ二量体の混合物を結果としてもたらす。混合物中に存在する異なるタンパク質複合体は、当該技術分野において公知の方法により分離されてよく、これには、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーが含まれる。
【0431】
本開示の例示的なヘテロ二量体としては、したがって、天然抗体のCH2-CH3ドメインを有し、且つ異なる配列又は構成を有する2つのポリペプチド鎖により形成されるものが挙げられる。
【0432】
しかしながら、本開示はまた、突然変異型二量体化ドメインを含むポリペプチドに関する。
【0433】
そのようなポリペプチドは、そのため、例えば、天然抗体の配列と比較して1つ又は複数の突然変異を有する、突然変異型二量体化ドメインを含んでよい。突然変異型二量体化ドメインの例示的な実施形態としては、天然のCH2ドメイン及び突然変異型CH3ドメインを有するものが挙げられる。
【0434】
一部の実施形態では、Fc領域は、グリコシル化を予防し、その半減期を延長させ、受容体結合又はエフェクター機能をモジュレートするように改変されてよい。例示的な突然変異は、Saunders K.O.(Front. Immunol. 10:1296頁、2019;その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)において議論されており、例えばアスパラギン297(例えば、N297)の突然変異が挙げられる。
【0435】
二量体化ドメインの例示的な実施形態は、配列番号16及び配列番号17において提供される。配列番号16及び配列番号17の両方において、アミノ酸残基1~110は天然のCH2に対応し、アミノ酸残基111~217は天然のCH3に対応する。配列番号16及び配列番号17のアミノ酸残基番号1はEUナンバリングシステムによる231位に対応する。配列番号16及び配列番号17のアミノ酸残基番号111はEUナンバリングシステムによる341位の位置に対応する。
【0436】
二量体化ドメインの更なる例示的な実施形態は配列番号25及び配列番号26に提供される。二量体化ドメインの追加の例示的な実施形態は配列番号48及び配列番号50において提供される。二量体化ドメインの更に追加の例示的な実施形態は配列番号47及び配列番号49において提供される。二量体化ドメインの更なる例示的な実施形態はTable 5(表6)において提供される。配列番号53~91に示される突然変異型Fcドメインを含む二量体化ドメインは本開示に包含される。配列番号92~95に示される突然変異型CH3ドメインを含む二量体化ドメインは特に想定される。
【0437】
より特には、一部の実施形態では、配列番号92に示される突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドは、配列番号93に示される突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0438】
より特には、他の実施形態では、配列番号94に示される突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドは、配列番号95に示される突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0439】
一部の実施形態では、配列番号55に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドは、配列番号56に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0440】
一部の実施形態では、配列番号61に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドは、配列番号62に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0441】
一部の実施形態では、配列番号67に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドは、配列番号68に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0442】
一部の実施形態では、配列番号71に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドは、配列番号72に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0443】
一部の実施形態では、配列番号77に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドは、配列番号90に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0444】
一部の実施形態では、配列番号80に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドは、配列番号90に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0445】
一部の実施形態では、配列番号82に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドは、配列番号90に示される突然変異型Fcドメインを含むポリペプチドとヘテロ二量体を形成してよい。
【0446】
一部の実施形態では、ポリペプチドは、例えば、天然又は野生型配列と比較して1~30、1~20、1~15、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3個のアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインを有してよい。
【0447】
例示的な実施形態では、突然変異型二量体化ドメインは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸置換を含んでよい。アミノ酸置換は、表A(表1)に概説されるように保存的又は非保存的であってよい。
【0448】
例示的な実施形態では、ポリペプチドは、天然IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4定常領域又はCH2及び/若しくはCH3ドメインの配列と80%~99%同一の配列を有する突然変異型二量体化ドメインを有してよい。本開示に包含されるポリペプチドとしては、天然IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4定常領域又はCH2及び/若しくはCH3ドメインの配列と85%~99%同一の、90%~99%同一の、95%~99%同一の突然変異型二量体化ドメインを含むものが挙げられる。
【0449】
一部の実施形態では、本開示のポリペプチドは、ヘテロ二量体形成を有利にするアミノ酸置換を含む突然変異型二量体化ドメインを含んでよい。本開示のヘテロ二量体は、したがって、そのような突然変異を含むポリペプチドにより形成されてよい。
【0450】
一部の実施形態では、突然変異型二量体化ドメインは、(EUナンバリングシステムにしたがって)356位、357位、370位、399位及び/又は439位におけるアミノ酸置換を含んでよい。
【0451】
例示的な実施形態では、所与のヘテロ二量体の1つのポリペプチド鎖は、(EUナンバリングシステムにしたがって)例えば、357位、399位及び439位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3を含んでよい一方、ヘテロ二量体の他のポリペプチド鎖は、例えば、356位、370位及び399位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3を含んでよい。
【0452】
例示的な実施形態では、所与のヘテロ二量体の1つのポリペプチド鎖は、(EUナンバリングシステムにしたがって)例えば、357位、399位及び439位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3を含んでよい一方、ヘテロ二量体の他のポリペプチド鎖は、例えば、356位、370位及び399位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型CH3を含んでよい。所与のヘテロ二量体の1つ又は両方のポリペプチド鎖は、任意選択で349、350、351、352、354、355、394及び/又は395から選択される位置における突然変異を更に含んでよい。所与のヘテロ二量体の1つのポリペプチド鎖は、そのため、本明細書に開示されるアミノ酸配列を有する第1の二量体化ドメイン(DD1)を含んでよく、所与のヘテロ二量体の他のポリペプチド鎖は、そのため、本明細書に開示されるアミノ酸配列を有する第2の二量体化ドメイン(DD2)を含んでよい。
【0453】
特定の態様及び実施形態では、本開示のポリペプチドは、N末端からC末端への様式において式Ic:
X-[(Aba)-(Lb)]m-(DD)-[(Lc)-(Abd)]n-Y
に示される構成を有するアミノ酸配列を含んでよく、
mは、0、1又は1より大きい整数であってよく;
nは、0、1又は1より大きい整数であってよく、但しm及びnは同時に0ではなく;
Aba、Abdは各々独立して、抗体の1つ又は複数の相補性決定領域(CDR)を含む抗原結合性ドメインを含んでよく;
X又はYは独立して存在しても存在しなくてもよく、且つアミノ酸配列を含んでよく;
Lb、Lcは各々独立して1つ又は複数のリンカーを含んでよく;且つ
DDは、a)EUナンバリングにしたがってD399、D/E356及び/若しくはK370に対応する位置における1つ若しくは複数の突然変異を含むCH3ドメイン又はb)EUナンバリングにしたがってD399、E357及び/若しくはK439に対応する位置における1つ若しくは複数の突然変異を含むCH3ドメインを含む二量体化ドメインを含んでよい。
【0454】
一部の実施形態では、356位におけるアミノ酸は中性アミノ酸により置き換えられてよい。一部の実施形態では、370位におけるアミノ酸は正に荷電したアミノ酸により置き換えられてよい。一部の実施形態では、399位におけるアミノ酸は中性アミノ酸により置き換えられてよい。一部の実施形態では、357位におけるアミノ酸は中性アミノ酸により置き換えられてよい。一部の実施形態では、439位におけるアミノ酸は負に荷電したアミノ酸により置き換えられてよい。
【0455】
例えば、ヘテロ二量体形成を有利にするために、ポリペプチド鎖のうちの1つは、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)を中性アミノ酸に、b)370位におけるリジン(K)を正に荷電したアミノ酸に、及びc)399位におけるアスパラギン酸(D)を中性アミノ酸に置き換えることにより突然変異されてよく、他のポリペプチド鎖は、a)357位におけるグルタミン酸(E)を中性アミノ酸に、b)399位におけるアスパラギン酸(D)を中性アミノ酸に、及びc)439位におけるリジン(K)を負に荷電したアミノ酸に置き換えることにより突然変異されてよい。
【0456】
本開示のポリペプチドの例示的な実施形態は、356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよいCH3ドメインを含む突然変異型二量体化ドメインを含んでよい。
【0457】
本開示のポリペプチドの別の例示的な実施形態は、357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよいCH3ドメインを含む突然変異型二量体化ドメインを含んでよい。
【0458】
ヘテロ二量体は、356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更され、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更され、且つ399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されたCH3ドメインを含むポリペプチド鎖(鎖A)、及び357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更され、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更され、且つ439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されたCH3ドメインを含むポリペプチド鎖(鎖B)を共発現させることにより作製されうる。
【0459】
鎖Aの鎖Bに対する比に依存して、2つのそのようなポリペプチドの共発現でホモ二量体を形成させることも可能である。
【0460】
ポリペプチド鎖Aのポリペプチド鎖Bとの共発現は、したがって、鎖A及び鎖Bのヘテロ二量体、鎖Aのホモ二量体、鎖Bのホモ二量体並びにこれらの混合物を結果としてもたらしうる。鎖A及び/又は鎖Bの残留単量体が存在することも可能である。単量体、ヘテロ二量体及びホモ二量体の各々は抗原結合性ドメインを含有するので、混合物の各成分は何らかの活性レベルを有しうる。
【0461】
したがって、本明細書に開示されるCH3突然変異を含む単量体、ヘテロ二量体及びホモ二量体の他に、そのような単量体、ヘテロ二量体及び/又はホモ二量体の混合物は本開示に包含される。
【0462】
他の実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチド鎖及びタンパク質複合体は、ヘテロ二量体形成を有利にするための当該技術分野において公知の突然変異を含む突然変異型二量体化ドメインを含んでよい。
【0463】
例えば、本開示のポリペプチド及びタンパク質複合体は、式Ia、式Ib、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII又は式VIIIに示される構成及びヘテロ二量体形成を有利にするための当該技術分野において公知の突然変異を含んでよい。
【0464】
そのような突然変異の例示的な実施形態は、例えば、Ha, J-Hら(Front Immunol、2016;7:394頁)又はGodar Mら(Expert Opinion on Therapeutic patents、2018;28(3):251~276頁)に開示されており、これらの全内容は参照により組み込まれ、例えば、ノブ-イントゥー-ホール(第1のCH3ドメインの突然変異T366Y及び第2のCH3ドメインの突然変異Y407T、第1のCH3ドメインの突然変異T366W及び第2のCH3ドメインの突然変異T366S、L368A、Y407V、又は第1のCH3ドメインの突然変異S354C、T366W及び第2のCH3ドメインの突然変異Y349C、T366S、L368A、Y407V)、DD/KK突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異K409D、K392D、第2のCH3ドメインの突然変異D399K、E356K)、非対称再操作技術(第1のCH3ドメインの突然変異E356K、E357K、D399K及び第2のCH3ドメインの突然変異K439E、K370E、K409D)、BiMAb突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異K249E、K288E、第2のCH3ドメインの突然変異E236K、D278K)、XmAb突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異S364H、F405A、第2のCH3ドメインの突然変異Y349T、T394F)、DuoBody突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異F405L、第2のCH3ドメインの突然変異K409R)、Azymetric突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異T350V、L351Y、S400E、F405A、Y407V、第2のCH3ドメインの突然変異T350V、T366L、N390R、K392M、T394W)、Biclonics突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異T366K(+L351K)、第2のCH3ドメインの突然変異L351D又はY349、L368若しくはY349+R355におけるE若しくはD)、ZW1突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異T350V、L351Y、F405A、Y407V、第2のCH3ドメインの突然変異T350V、T366L、K392L、T394W)、7.8.60突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異K360D、D399M、Y407A、第2のCH3ドメインの突然変異E345R、Q347R、T366V、K409V)、EW-RVT突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異K360E、K409W及び第2のCH3ドメインの突然変異Q347R、D399V、F405T)、EW-RVTs-s突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異K360E、K409W、Y349C及び第2のCH3ドメインの突然変異Q347R、D399V、F405T、S354C)、SEED突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異 IgG1 CH3上のIgA由来45残基及び第2のCH3ドメインの突然変異 IgA CH3上のIgG1由来57残基)、A107突然変異(第1のCH3ドメインの突然変異K370E、K409W、第2のCH3ドメインの突然変異E357N、D399V、F405T)等が挙げられる。
【0465】
本開示のタンパク質複合体は、同じ構成(同じ若しくは異なるアミノ酸配列を有する)を有する又は異なる構成を有する2つのポリペプチド鎖の集合により形成されてよく、同じ又は異なる構成は、式Ia、式Ib、式Ic、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII及び/又は式VIIIに示される構成から選択されてよい。
【0466】
一部の実施形態では、タンパク質複合体の両方のポリペプチド鎖は、式IIに示される構成(同じ又は異なるアミノ酸配列を有する)を有してよい。
【0467】
一部の実施形態では、タンパク質複合体の両方のポリペプチド鎖は、式IIIに示される構成(同じ又は異なるアミノ酸配列を有する)を有してよい。
【0468】
一部の実施形態では、ポリペプチド鎖のうちの1つは、式IIに示される構成を有してよく、他方は、式IIIに示される構成を有してよい。
【0469】
一部の実施形態では、ポリペプチド鎖のうちの1つは、式IIに示される構成を有してよく、他方は、式IVに示される構成を有する。
【0470】
一部の実施形態では、ポリペプチド鎖のうちの1つは、式IIIに示される構成を有してよく、他方は、式IVに示される構成を有する。
【0471】
一部の実施形態では、ポリペプチド鎖のうちの1つは、式IVに示される構成を有してよく、他方は、式IVに示される構成を有する。
【0472】
多価ポリペプチド鎖から構成されるタンパク質複合体は、本明細書において多価タンパク質複合体と称される。
【0473】
2つの多特異性ポリペプチド鎖から構成されるタンパク質複合体は、本明細書において多特異性タンパク質複合体と称される。
【0474】
「多特異性タンパク質複合体」という用語は、「二特異性タンパク質複合体」、「三特異性タンパク質複合体」、「四特異性タンパク質複合体」、「五特異性タンパク質複合体」、及び「六特異性タンパク質複合体」等を包含する。
【0475】
二特異性タンパク質複合体の例示的な実施形態としては、異なる腫瘍特異的抗原結合性ドメインを各鎖が含む2つのポリペプチドを有し、2つのポリペプチドの他の抗原結合性ドメインが同一であるか、又は同じ抗原若しくはエピトープに結合するものが挙げられる。
【0476】
他の種類の二量体
本明細書に開示される突然変異型二量体化ドメインは、他の種類のポリペプチド鎖の二量体化のために使用されてよい。
【0477】
一部の実施形態では、本明細書に開示される突然変異型二量体化ドメイン又はCH3ドメインは、結合性ドメインに融合されるか、又は抗体重鎖若しくはFc領域内に導入されて二特異性IgG又はIgG様分子を生成し得る。そのような二特異性分子の例示的な実施形態としては、二特異性抗体、単鎖Fv-CH3(scFv-CH3)融合物、タンデム-scFv-CH3(TaFv-CH3)融合物、ダイアボディ-CH3(Db-CH3)融合物、タンデムDb-CH3(TaDb-CH3)融合物、単鎖Db-CH3融合物(scDb-CH3)、Fab-CH3融合物、単鎖Fab-CH3融合物、Fab-scFv-CH3融合物、二重親和性再標的化(DART)-CH3融合物、Fab-DART-CH3融合物、単鎖Fv-Fc(scFv-Fc)融合物、タンデム-scFv-Fc(TaFv-Fc)融合物、ダイアボディ-Fc(Db-Fc)融合物、タンデムDb-Fc(TaDb-Fc)融合物、単鎖Db-Fc融合物(scDb-Fc)、Fab-Fc融合物、単鎖Fab-Fc融合物、Fab-scFv-Fc融合物、二重親和性再標的化(DART)-Fc融合物、Fab-DART-Fc融合物等が挙げられる。
【0478】
他の実施形態では、本明細書に開示される突然変異型二量体化ドメインは、可溶性デコイ受容体トラップに導入されてよい。
【0479】
本開示は、そのため、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)の中性アミノ酸への置換、370位におけるリジン(K)の正に荷電したアミノ酸への置換及び399位におけるアスパラギン酸(D)の中性アミノ酸への置換を含むFc領域、CH3又はCH2/CH3ドメインを含む第1のポリペプチド鎖並びにb)357位におけるグルタミン酸(E)の中性アミノ酸への置換、399位におけるアスパラギン酸(D)の中性アミノ酸への置換及び439位におけるリジン(K)の負に荷電したアミノ酸への置換を含むFc領域、CH3又はCH2/CH3ドメインを含む第2のポリペプチド鎖を含むタンパク質複合体に関する。
【0480】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよいCH3ドメインを含んでよく、且つ第2のポリペプチド鎖は、357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよいCH3ドメインを含んでよい。
【0481】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖及び/又は第2のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって349、350、351、352、354、355、394及び/又は395に対応する位置における更なる突然変異を含むCH3ドメインを含んでよい。
【0482】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、D/E356Q、K370E、Y349K及びS354Kを含むCH3ドメインを含んでよく、且つ第2のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399Q、E357Q、K439E、Y349D及びS354Dを含むCH3ドメインを含んでよい。
【0483】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びL351Wを含むCH3ドメインを含んでよく、且つ第2のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含んでよい。
【0484】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びS354Mを含むCH3ドメインを含んでよく、且つ第2のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Yを含むCH3ドメインを含んでよい。
【0485】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Iを含むCH3ドメインを含んでよく、且つ第2のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Iを含むCH3ドメインを含んでよい。
【0486】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びT350Vを含むCH3ドメインを含んでよく、且つ第2のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びT350Vを含むCH3ドメインを含んでよい。
【0487】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Rを含むCH3ドメインを含んでよく、且つ第2のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含んでよい。
【0488】
一部の実施形態では、第1のポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、D/E356Q、K370E及びP352Eを含むCH3ドメインを含んでよく、且つ第2の二量体化ポリペプチド鎖は、EUナンバリングにしたがって突然変異D399N、E357Q、K439E及びL351Rを含むCH3ドメインを含んでよい。
【0489】
本明細書に開示される鎖A及び鎖BのCH3ドメインを各々含む第1及び第2のポリペプチド鎖の組合せもまた想定される。
【0490】
第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド鎖は抗体重鎖であってよい。
【0491】
本開示は、そのため、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよいCH3ドメインを含む第1の重鎖、b)357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよいCH3ドメインを含む第2の重鎖、及びc)軽鎖を含む抗体又はその抗原結合性断片に特に関する。
【0492】
一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がグルタミン(Q)に変更されてよく、349位におけるチロシン(Y)がリジン(K)に変更されてよく、且つ354位におけるセリン(S)がリジン(K)に変更されてよいCH3ドメインを含む第1の重鎖、b)357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がグルタミン(Q)に変更されてよく、439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、349位におけるチロシン(Y)がアスパラギン酸(D)に変更されてよく、且つ354位におけるセリン(S)がアスパラギン酸(D)に変更されてよいCH3ドメインを含む第2の重鎖、及びc)軽鎖を含んでよい。
【0493】
一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ351位におけるロイシン(L)がトリプトファン(W)に変更されてよいCH3ドメインを含む第1の重鎖、b)357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ351位におけるロイシン(L)がアルギニン(R)に変更されてよいCH3ドメインを含む第2の重鎖、及びc)軽鎖を含んでよい。
【0494】
一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ354位におけるセリン(S)がメチオニン(M)に変更されてよいCH3ドメインを含む第1の重鎖、b)357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ351位におけるロイシン(L)がチロシン(Y)に変更されてよいCH3ドメインを含む第2の重鎖、及びc)軽鎖を含んでよい。
【0495】
一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ350位におけるスレオニン(T)がイソロイシン(I)に変更されてよいCH3ドメインを含む第1の重鎖、b)357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ350位におけるスレオニン(T)がイソロイシン(I)に変更されてよいCH3ドメインを含む第2の重鎖、及びc)軽鎖を含んでよい。
【0496】
一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ350位におけるスレオニン(T)がバリン(V)に変更されてよいCH3ドメインを含む第1の重鎖、b)357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ350位におけるスレオニン(T)がバリン(V)に変更されてよいCH3ドメインを含む第2の重鎖、及びc)軽鎖を含んでよい。
【0497】
一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ352位におけるプロリン(P)がアルギニン(R)に変更されてよいCH3ドメインを含む第1の重鎖、b)357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ351位におけるロイシン(L)がアルギニン(R)に変更されてよいCH3ドメインを含む第2の重鎖、及びc)軽鎖を含んでよい。
【0498】
一部の実施形態では、抗体又はその抗原結合性断片は、a)356位におけるアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、370位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、且つ352位におけるプロリン(P)がグルタミン酸(E)に変更されてよいCH3ドメインを含む第1の重鎖、b)357位におけるグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更されてよく、399位におけるアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更されてよく、439位におけるリジン(K)がグルタミン酸(E)に変更されてよく、且つ351位におけるロイシン(L)がアルギニン(R)に変更されてよいCH3ドメインを含む第2の重鎖、及びc)軽鎖を含んでよい。
【0499】
そのような抗体又はその抗原結合性断片としては、二特異性抗体又はその二特異性抗原結合性断片が挙げられる。
【0500】
リンカー(L)
本明細書に開示されるポリペプチド鎖の異なるモジュールは、リンカーを介して互いに会合してよい。
【0501】
一部の実施形態では、ポリペプチド鎖の1つ又は複数のモジュールを接合するために使用されるリンカーは、切断可能なリンカーではない。
【0502】
例示的な実施形態では、二量体化ドメインのC末端に直ちに隣接して位置するリンカー(Lc)は、切断可能なリンカーを含まない。
【0503】
別の例示的な実施形態では、2つの抗原結合性ドメインの間に位置するリンカーのうちの少なくとも1つは、切断可能なリンカーを含まない。
【0504】
他の実施形態では、ポリペプチド鎖の1つ又は複数のモジュールを接合するために使用されるリンカーは、切断不可能なリンカーを含んでよい。
【0505】
例示的な実施形態では、二量体化ドメインのC末端に直ちに隣接して位置するリンカーは、切断不可能なリンカーである。
【0506】
別の例示的な実施形態では、2つの抗原結合性ドメインの間に位置するリンカーのうちの少なくとも1つは、切断不可能なリンカーである。
【0507】
更なる例示的な実施形態では、二量体化ドメインのC末端に直ちに隣接して位置するリンカー及び二量体化ドメインのC末端に位置する第1の2つの抗原結合性ドメインを接合するリンカーは、切断不可能なリンカーである。
【0508】
一部の実施形態では、二量体化ドメインのN末端に直ちに隣接するリンカーは、好ましくは、抗体のヒンジ領域を含んでよい。
【0509】
一部の実施形態では、ポリペプチド鎖の全てのモジュールは、切断不可能なリンカーを介して連結される。
【0510】
切断不可能なリンカーの例示的な実施形態としては、タンパク質発現の間又は製造過程の間に実質的にインタクトなままであるものが挙げられる。本明細書において使用される場合、「実質的にインタクトな」は、リンカー切断が、所与の溶液又は組成物の全ポリペプチド含有量のうちの20%又はそれ未満、15%又はそれ未満、10%又はそれ未満、7.5%又はそれ未満、5%又はそれ未満、4%又はそれ未満、3%又はそれ未満、2%又はそれ未満、1%又はそれ未満において起こることを意味する。
【0511】
切断不可能なリンカーの他の例示的な実施形態としてはまた、ヒト又は動物の血液又は血清中に存在する1つ又は複数のプロテアーゼのための特異的な切断部位を含まないリンカーが挙げられる。
【0512】
切断不可能なリンカーの追加の例示的な実施形態としては更に、個体におけるポリペプチド又はタンパク質複合体の投与において投与後に少なくとも1、2、3、4、5、6、12、24、48時間又はより長きにわたり完全性を保持するリンカーが挙げられる。
【0513】
更なる例示的な実施形態では、リンカーは、切断不可能なリンカー及び切断可能なリンカーの両方を含む。
【0514】
一部の実施形態では、リンカーは切断可能でない。
【0515】
一部の事例では、切断可能なリンカーは、本開示のポリペプチドに取り付けられた薬物(例えば、細胞分裂抑制分子、細胞傷害性分子、化学療法剤等)又は標識のin vivo放出のために使用されてよい。
【0516】
切断可能なリンカーの例示的な実施形態は、例えば、米国特許出願公開第2019/0010242号明細書に提供されており、プロテアーゼ、通常は細胞外プロテアーゼ、例えば腫瘍又は活性化された免疫エフェクター細胞により産生されるプロテアーゼによる切断に対して感受性のリンカーが挙げられ、ADAMS、ADAMTS、例えばADAMS; ADAMS; ADAM10; ADAM12; ADAM15; ADAM17/TACE; ADAMDEC1; ADAMTS1; ADAMTS4; ADAMTS5;アスパラギン酸プロテアーゼ、例えば、BACE又はレニン;アスパラギン酸カテプシン、例えば、カテプシンD又はカテプシンE;カスパーゼ、例えば、カスパーゼ1、カスパーゼ2、カスパーゼ3、カスパーゼ4、カスパーゼ5、カスパーゼ6、カスパーゼ7、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ10、又はカスパーゼ14;システインカテプシン、例えば、カテプシンB、カテプシンC、カテプシンK、カテプシンL、カテプシンS、カテプシンV/L2、カテプシンX/Z/P;システインプロテイナーゼ、例えば、クルジパイン;レグマイン;オツバイン-2; KLK、例えば、KLK4、KLK5、KLK6、KLK7、KLK8、KLK10、KLK11、KLK13、又はKLK14;メタロプロテイナーゼ、例えば、メプリン;ネプリライシン; PSMA; BMP-1; MMP、例えば、MMPl、MMP2、MMP3、MMP7、MMP8、MMP9、MMP10、MMP11、MMP12、MMP13、MMP14、MMP15、MMP16、MMP17、MMP19、MMP20、MMP23、MMP24、MMP26、又はMMP27、セリンプロテアーゼ、例えば、活性化プロテインC、カテプシンA、カテプシンG、キマーゼ、凝固因子プロテアーゼ(例えば、FVIIa、FIXa、FXa、FXIa、FXIIa)、エラスターゼ、グランザイムB、グアニジノベンゾアターゼ、HtrAl、ヒト好中球エラスターゼ、ラクトフェリン、マラプシン、NS3/4A、PACE4、プラスミン、PSA、tPA、トロンビン、トリプターゼ、uPA; II型膜貫通セリンプロテアーゼ(TTSP)、例えば、DESC1、DPP-4、FAP、ヘプシン、マトリプターゼ-2、マトリプターゼ、TMPRSS2、TMPRSS3、又はTMPRSS4;及びこれらの任意の組合せから選択されるプロテアーゼによる特異的な切断のための部位を有するものが挙げられる。一部の実施形態では、本開示のポリペプチドは、Lcに対応する位置においてそのようなリンカーを含まない。
【0517】
リンカーの例示的な実施形態としては、柔軟性リンカー、剛性リンカー、らせん状リンカー及びこれらの組合せが挙げられる。リンカーは、例えば、Chen Xら(Adv Drug Deliv Rev. 2013;65(10):1357~1369頁)において議論されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0518】
一部の実施形態では、抗体ヒンジ領域又はその部分は、モジュールを二量体化ドメインに連結するために使用されてよく、本明細書においてリンカーとして考えられる。ヒンジ領域は、(ヒト若しくは動物起源の)天然抗体又は合成抗体に由来してよい。ヒンジ領域は、例えば、IgG、例えばIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4から得られうる。ヒンジ領域の例示的な実施形態は、配列番号1、配列番号35、配列番号39及び配列番号43において提供される。
【0519】
一部の事例では、ヒンジ領域は、天然IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4ヒンジ領域の配列と80%~99%同一の配列を有してよい。突然変異型ヒンジの例示的且つ非限定的な実施形態としては、S228がP(EUナンバリング)で置き換えられたIgG4のヒンジ領域が挙げられる(Angal, S.ら、Mol Immunol 30、105~108頁、1993)。突然変異型ヒンジの他の例示的な実施形態は、配列番号32~34、36~38、40~42及び44~46において提供される。
【0520】
柔軟性リンカーは、通常、小さい極性アミノ酸、例えばスレオニン又はセリン及びグリシンから構成される。柔軟性リンカーの例示的且つ非限定的な実施形態としては、GSリンカー(グリシン/セリンリピート)、例えば、(GGGS)n(GGGGS)m、(GS)n、(G4S)n、(GGS)n、(GGGS)n、(GGGGS)n、(GGSG)n、(GGGSS)n等が挙げられ、n及びmは、整数、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はより大きいもの、例えば15、20若しくは25であってよい。
【0521】
柔軟性リンカーの特有の例示的且つ非限定的な実施形態としては、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6又は配列番号7に示されるアミノ酸配列を含む又はからなるものが挙げられる。
【0522】
配列番号7は、式(GGGGS)n(nは、1~10から選択される整数である)又は代替的に式GGGGSX1(X1は存在しないか、若しくは存在する場合、配列番号7のアミノ酸残基1~5の1~9個のリピートである)により表されるものであってよいことが理解されるべきである。
【0523】
本開示の剛性リンカーは、通常、プロリンリッチ配列(XP)nから構成され、Xは任意のアミノ酸、好ましくはAla、Lys又はGluを示し、nは整数、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等である(Chen Xら、2013)。
【0524】
剛性リンカーの特有の例示的且つ非限定的な実施形態としては、配列番号8、配列番号9、配列番号10又は配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む又はからなるものが挙げられる。
【0525】
配列番号11は、式(X(PAPAP))nKAにより表されてよく、nは1~10から選択される整数であり、Xは存在するか若しくは存在せず、存在する場合、Aであり、又は代替的に、配列番号11は、式(XPAPAP)X2KAにより表されてよく、Xは存在しても存在しなくてもよく、存在する場合、Aであり、且つX2は存在しないか、若しくは存在する場合、配列番号11のアミノ酸残基1~6の1~9個のリピートであることが理解されるべきである。
【0526】
らせん状リンカーは剛性であるとして特徴付けられることがあるが、本明細書において別個のリンカーファミリーに分離される。らせん状リンカーの例示的な実施形態は、Chen Xら、2013において議論されており、例えば、正荷電及び負荷電のアミノ酸残基により隣接されるアラニン残基のリピートを含む。
【0527】
らせん状リンカーの特有の例示的且つ非限定的な実施形態としては、配列番号12、配列番号13、配列番号14及び配列番号15に示されるアミノ酸配列を含む又はからなるものが挙げられる。
【0528】
配列番号15は式X(EAAAK)nX2により表されてよく、nは、1~10、より好ましくは2~5から選択される整数であり、X及びX2は独立して存在するか又は存在せず、存在する場合、好ましくはAであることが理解されるべきである。代替的に、配列番号15は、式X(EAAAK)X3X2により表されてよく、X及びX2は独立して存在するか又は存在せず、存在する場合、好ましくはAであり; X3は存在しないか、又は存在する場合、配列番号15のアミノ酸残基2~6の1~9個のリピートである。
【0529】
例示的な実施形態では、二量体化ドメインのC末端に直ちに隣接するリンカー(Table 1~4(表2~5)においてリンカー2として又は式II~VIIIにおいてLc1として同定される)は、柔軟性リンカー、剛性リンカー又はらせん状リンカーのいずれかを含んでよい。この位置を占有するように特に選択されてよいリンカーとしては、限定なく例えば、配列番号3~12、配列番号14又は配列番号15(ここで、nは1である)に示されるアミノ酸配列を含む又はからなるリンカーが挙げられる。
【0530】
例示的な実施形態では、二量体化ドメインのC末端に位置する第1の2つの抗原結合性ドメインを接合するリンカー(Table 1~4(表2~5)においてリンカー3又は式II~VIIIにおいてLc2として同定される)は、柔軟性リンカー、剛性リンカー又はらせん状リンカーのいずれかを含んでよい。この位置を占有するように特に選択されてよいリンカーとしては、限定なく例えば、配列番号3~13又は配列番号15(ここで、nは1である)に示されるアミノ酸配列を含む又はからなるリンカーが挙げられる。
【0531】
本開示はまた、配列番号3~15のうちのいずれかのN末端又はC末端の1つ又は両方において1~10個のアミノ酸(並びに1及び10以内に含まれる任意の範囲又は値、例えば1~5等)の付加を有するリンカーを提供する。これらの追加のアミノ酸残基は各々独立して任意のアミノ酸残基から選択されてよい。これらの追加のアミノ酸残基は、好ましくは、切断不可能な配列を形成する。
【0532】
本開示はまた、配列番号3~15のうちのいずれかのN末端又はC末端の1つ又は両方における1、2、3、4又は5個のアミノ酸(並びに1及び5以内に含まれる任意の値)の欠失を有するリンカーを提供する。
【0533】
好適なリンカーは、例えば、約3~約50、約3~約40、約3~約30、約3~約25、約3~約20、約3~約15、約3~約10個のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含んでよい。
【0534】
例示的な実施形態では、各リンカーの長さは、独立して、約5~約50個のアミノ酸残基の範囲内であってよく、これには、例えば、約5~約40個のアミノ酸残基、約10~約40個のアミノ酸残基、約20~約40個のアミノ酸残基、約20~約35個のアミノ酸残基、約25~約30個のアミノ酸残基並びにそのような範囲に含まれる及び該範囲を含む任意の部分的範囲が含まれる。
【0535】
一部の実施形態では、配列番号7、配列番号11又は配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むリンカーは、好ましくは1~10、より好ましくは2、3、4又は5を含めて2~5の「n」値を有してよい。
【0536】
バリアント
本明細書に開示される配列のバリアントもまた本開示に包含される。
【0537】
本開示に包含されるバリアントとしては、1つ若しくは複数の位置における1つ若しくは複数のアミノ酸残基の挿入、1つ若しくは複数の位置における1つ若しくは複数のアミノ酸残基の欠失又は1つ若しくは複数の位置における1つ若しくは複数のアミノ酸残基の置換(保存的若しくは非保存的置換)を含んでよいものが挙げられる。
【0538】
例えば、天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて群に分けられる。保存的置換は、下記に列記される群(群1~6)の1つからのアミノ酸を同じ群の別のアミノ酸に交換することにより為されてよい。非保存的置換は、これらの群のうちの1つのメンバーを別の群のメンバーに交換することを伴う。
(群1)疎水性:ノルロイシン、メチオニン(Met)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)
(群2)中性親水性:システイン(Cys)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、
(群3)酸性:アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)
(群4)塩基性:ヒスチジン(His)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)
(群5)鎖配向に影響を及ぼす残基:グリシン(Gly)、プロリン(Pro);及び
(群6)芳香族:トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、フェニルアラニン(Phe)。
【0539】
保存的置換の他の例示的な実施形態は、「好ましい置換」の見出しの下に表A(表1)において示される。そのような置換が望ましくない特性を結果としてもたらす場合、表A(表1)において「例示的な置換」と命名される、又はアミノ酸クラスに関して更に以下に記載されるようなより実質的な変更が導入され、生成物がスクリーニングされてよい。
【0540】
ある特定のアミノ酸は、他のアミノ酸と比較してより低く正に荷電しており、中性であり、負に荷電しており、又は低減された電荷を有することを当業者は認識する。アミノ酸は、アミノ酸の等電点により指し示されるように正味電荷に基づいてカテゴライズされうる。等電点は、アミノ酸分子の平均正味電荷が0となるpHである。pH>pIである場合、アミノ酸は正味の負電荷を有し、pH<pIである場合、アミノ酸は正味の正電荷を有する。一部の実施形態では、抗体について測定されるpI値は、約3~9(例えば3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、及び9)並びに間にある任意の値である。一部の実施形態では、抗体について測定されるpI値は、約4~7の間(例えば4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0)、及び間にある任意の値である。アミノ酸の例示的な等電点は下記の表A(表1)に示される。一般に、正の電気的に荷電した側鎖を有するアミノ酸としては、例えば、アルギニン(R)、ヒスチジン(H)、及びリジン(K)が挙げられる。負の電気的に荷電した側鎖を有するアミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸(D)及びグルタミン酸(E)が挙げられる。極性の特性を有するアミノ酸としては、例えば、セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、及びシステイン(C)、チロシン(Y)及びトリプトファン(W)が挙げられる。非極性アミノ酸としては、例えば、アラニン(A)、バリン(V)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)及びプロリン(P)が挙げられる。
【0541】
一部の実施形態では、抗体の等電点は、アミノ酸置換を介して改変される。例えば米国特許出願公開第20110076275号明細書を参照。一部の実施形態では、抗体を構成するポリペプチドの等電点の改変は、抗体の半減期における変化を結果としてもたらす。
【0542】
【表1A】
【0543】
一般に、可変鎖の間の類似性及び同一性の程度は、本明細書においてBlast2配列プログラム(Tatiana A. Tatusova、Thomas L. Madden (1999)、「Blast2 sequences - a new tool for comparing protein and nucleotide sequences」、FEMS Microbiol Lett. 174:247~250頁)を使用し、デフォルトの設定、即ち、blastpプログラム、BLOSUM62マトリックス(オープンギャップ11及びエクステンションギャップペナルティ1;gapxドロップオフ50、期待値10.0、ワードサイズ3)及びアクティベートされたフィルターを使用して決定される。
【0544】
同一性パーセントは、したがって、元々のペプチドとの比較において同一の、同じ又は類似した位置を占有しうるアミノ酸の指標となる。
【0545】
類似性パーセントは、同一のアミノ酸及び同じ又は類似した位置における元々のペプチドとの比較において保存的アミノ酸置換で置き換えられたアミノ酸の指標となる。
【0546】
本開示のバリアントは、したがって、元々の配列若しくは参照配列又は元々の配列の部分と少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一の配列を含んでよい。
【0547】
一部の実施形態では、バリアントは、本明細書に開示される配列と少なくとも80%の配列同一性を有してよい。他の実施形態では、バリアントは、本明細書に開示される配列と少なくとも85%の配列同一性を有してよい。更なる実施形態では、バリアントは、本明細書に開示される配列と少なくとも90%の配列同一性を有してよい。更なる実施形態では、バリアントは、本明細書に開示される配列と少なくとも95%の配列同一性を有してよい。他の実施形態では、バリアントは、本明細書に開示される配列と少なくとも99%の配列同一性を有してよい。
【0548】
バリアントの例示的な実施形態としては、天然抗体に由来するが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はより多くのアミノ酸差異を含むヒンジ、Fc、CH3、CH2/CH3領域を含むポリペプチド又はタンパク質複合体が挙げられる。
【0549】
一部の実施形態では、本開示のポリペプチドは、そのため、天然抗体のヒンジ領域に対して少なくとも80%同一の、少なくとも85%同一の、少なくとも90%同一の、少なくとも95%同一の、少なくとも99%同一のヒンジ領域を含んでよい。
【0550】
一部の実施形態では、本開示のポリペプチドは、そのため、天然抗体のFcに対して少なくとも80%同一のFc部分を含んでよい。
【0551】
一部の実施形態では、本開示のポリペプチドは、そのため、天然抗体のCH2ドメインに対して少なくとも80%同一の、少なくとも85%同一の、少なくとも90%同一の、少なくとも95%同一の、少なくとも99%同一のCH2ドメインを含んでよい。
【0552】
一部の実施形態では、本開示のポリペプチドは、そのため、天然抗体のCH3ドメインに対して少なくとも80%同一の、少なくとも85%同一の、少なくとも90%同一の、少なくとも95%同一の、少なくとも99%同一のCH3ドメインを含んでよい。
【0553】
一部の実施形態では、本開示のポリペプチドは、そのため、天然抗体のCH2/CH3ドメインに対して少なくとも80%同一の、少なくとも85%同一の、少なくとも90%同一の、少なくとも95%同一の、少なくとも99%同一のCH2/CH3ドメインを含んでよい。
【0554】
核酸、ベクター、キット、細胞及びポリペプチドを作製する方法
本開示の核酸分子は一本鎖又は二本鎖であってよい。本明細書に開示される核酸分子は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾デオキシリボヌクレオチド又は修飾リボヌクレオチドを含んでよい。本開示の核酸分子は例えばDNAを含んでよい。
【0555】
1つ又は複数のモジュール又はポリペプチド鎖全体をコードするDNAセグメント及びベクターが特に提供される。
【0556】
DNAセグメント及び/又はベクターは、別々のバイアル中で提供され、キットとして販売されてよい。
【0557】
モジュールの方向付けられた集合を可能とする配列を含むDNAセグメントのセット及び該DNAセグメント又はポリペプチド鎖全体を組み込んだクローニングベクターが特に想定される。
【0558】
DNAセグメント及びベクターは、本明細書に開示されるポリペプチド又はタンパク質複合体を発現する能力を有するDNA構築物を集合させるためのキットの部分として提供されてよい。
【0559】
キットは、本明細書に開示されるように(EUナンバリングシステムにしたがって)356位、357位、370位、399位及び/又は439位におけるアミノ酸置換を有する突然変異型二量体化ドメインを含むポリペプチド鎖をユーザーが生成することを可能とする1つ又は複数のDNAセグメント又はベクターを少なくとも含んでよい。
【0560】
遺伝コードの本来的な縮重に起因して、同じ、実質的に同じ又は機能的に同等のアミノ酸配列をコードするDNA配列が製造され、使用されうる。本開示のヌクレオチド配列は、遺伝子産物のクローニング、プロセシング、及び/又は発現の改変が挙げられるがこれらに限定されない様々な目的のためにヌクレオチド配列を変更するために当該技術分野において一般に公知の方法を使用して操作されてよい。遺伝子断片及び合成オリゴヌクレオチドのランダム断片化及びPCRリアセンブリーによるDNAシャッフリングを使用してヌクレオチド配列を操作することができる。例えば、オリゴヌクレオチド媒介性部位特異的突然変異誘発を使用して、新たな制限部位を作出する、グリコシル化パターンを変更する、コドン選好性を変化させる、及びスプライスバリアントを産生する等の突然変異を導入することができる。本明細書に記載のポリペプチド鎖をコードするコドン最適化された核酸は本開示に包含される。
【0561】
本明細書に開示されるポリペプチド及びタンパク質複合体は、組換えDNA法又はin vitro転写/翻訳によるものを含めて、当業者にとって慣用の様々な方法により作製されてよい。
【0562】
一般に、本明細書に記載のポリペプチド鎖は、発現ベクター、即ち、特定の宿主中での挿入されたコーディング配列の転写及び翻訳制御のためのエレメントを含有するベクターに挿入された核酸配列から発現される。これらのエレメントは、調節配列、例えばエンハンサー、構成的及び誘導性プロモーター、並びに5'及び3'非翻訳領域を含んでよい。
【0563】
当業者に公知の様々な発現ベクター/宿主細胞システムを使用して、本明細書に記載のポリペプチド鎖を発現させることができる。タンパク質複合体が別個のポリペプチド鎖から構成される場合、そのようなポリペプチド鎖の各々は、別々の発現ベクター又は独特の発現ベクターにより提供されてよい。本開示によれば、タンパク質複合体の2つの鎖は、単一のベクター又は別々のベクター(ベクターセット)によりコードされてよい。
【0564】
ポリペプチドは多くの場合に哺乳動物細胞中で発現される。組換えタンパク質の長期製造のために、安定発現システムが使用されてよく、該システムでは、DNAセグメントが、選択マーカーの使用により宿主細胞ゲノムに組み込まれ、又はエピソーム形態において維持される。宿主細胞種は、挿入された配列の発現をモジュレートする能力又は発現されたポリペプチドを所望の様式においてプロセシングする能力について選択されてよい。特有の細胞機構及び翻訳後活性のための特徴的な機構を有する異なる宿主細胞(例えば、CHO、HeLa、MDCK、HEK293、及びW138)がAmerican Type Culture Collection(ATCC)から市販されており、発現されたポリペプチドの正確な修飾及びプロセシングを確実にするように選択されてよい。
【0565】
他の種類の発現システムが使用されうる。これらとしては、例えば、微生物、例えば組換えバクテリオファージ、プラスミド、若しくはコスミドDNA発現ベクターを用いて形質転換された細菌;酵母発現ベクターを用いて形質転換された酵母;バキュロウイルスベクターを感染させた昆虫細胞システム;ウイルス若しくは細菌発現ベクターを用いて形質転換された植物細胞システム;又は動物細胞システムが挙げられる。
【0566】
本開示は、したがって、本明細書に記載のポリペプチド鎖の少なくとも1つをコードするベクター、核酸、ベクターのセット又は核酸のセットを用いて形質転換又はトランスフェクトされた単離された細胞に関する。本開示は、したがってまた、本明細書に開示されるポリペプチド又はタンパク質複合体を発現する能力を有する単離された細胞に関する。
【0567】
本開示はまた、タンパク質複合体を作製する方法に関する。方法は、本明細書に開示されるポリペプチド鎖の1つ又は複数をコードするベクター又はベクターのセットを細胞(例えば、哺乳動物細胞)に提供すること及び発現させることを含んでよい。
【0568】
一部の実施形態では、細胞により産生されるポリペプチド及び/又はタンパク質複合体の力価は0.1g/L又はより高くてよい。一部の事例では、細胞により産生されるポリペプチド及び/又はタンパク質複合体の力価は0.5g/L又はより高くてよい。一部の事例では、細胞により産生されるポリペプチド及び/又はタンパク質複合体の力価は1g/L又はより高くてよい。一部の事例では、細胞により産生されるポリペプチド及び/又はタンパク質複合体の力価は2g/L又はより高くてよい。一部の事例では、細胞により産生されるポリペプチド及び/又はタンパク質複合体の力価は3g/L又はより高くてよい。一部の事例では、細胞により産生されるポリペプチド及び/又はタンパク質複合体の力価は4g/L又はより高くてよい。通常、ホモ二量体は、本明細書に開示されるポリペプチド鎖の1つをコードする核酸配列を含むベクターを用いる細胞のトランスフェクションにより作製される。収集された上清は、ホモ二量体又は単量体及び/若しくはホモ二量体の混合物を含有しうる。
【0569】
一般に、ヘテロ二量体は、2つの別個のポリペプチド鎖をコードする核酸配列を各々含む少なくとも2種類のベクター(ベクターセット)を用いる細胞の共トランスフェクションにより作製される。鎖Aの鎖Bに対する適切な比は、一般に、各個々のプラスミドから得られるタンパク質発現のレベルに依存し、例えば約1:10~約10:1で変動しうる。約1:1のDNA比が、本明細書に開示される構築物の一部のために特に好ましい。
【0570】
ヘテロ二量体はまた、両方のポリペプチド鎖をコードする単一のベクターを用いて細胞へのトランスフェクトを行うことにより作製されうる。収集された上清は、ヘテロ二量体又は単量体、ヘテロ二量体及び/若しくはホモ二量体の混合物を含有しうる。
【0571】
本開示のポリペプチドを作製する方法は、単量体、ホモ二量体及びヘテロ二量体を、これらを含む混合物から分離又は単離する工程を更に含んでよい。ホモ二量体又はヘテロ二量体は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーにより又はタグの補助を用いて又は当業者に公知の他の方法により精製及び単離されてよい。
【0572】
方法はまた、タンパク質複合体を不純物から単離及び/又は精製する工程を含んでよい。
【0573】
本開示の方法は、したがって、ホモ二量体、ヘテロ二量体又は単量体、ヘテロ二量体及び/若しくはホモ二量体の混合物を含む組成物を結果としてもたらす。
【0574】
一部の例示的な実施形態では、組成物は主にホモ二量体を含んでよい。例示的な実施形態では、組成物は、少なくとも約80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも99%又は100%の割合のホモ二量体を含んでよい。
【0575】
他の例示的な実施形態では、組成物は主にヘテロ二量体を含んでよい。例示的な実施形態では、組成物は、少なくとも約80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも99%又は100%の割合のヘテロ二量体を含んでよい。
【0576】
コンジュゲート
本開示のポリペプチド、ポリペプチド鎖又はタンパク質複合体は、例えば、治療用部分(治療目的のため)若しくは検出可能な部分(即ち、検出若しくは診断目的のため)若しくは延長された半減期を可能とするタンパク質とコンジュゲートされてよく、又はナノ粒子に取り付けられる。一部の事例では、治療用又は検出可能な部分は、ポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基に連結されてよい。
【0577】
例示的な実施形態では、本開示のポリペプチド、ポリペプチド鎖又はタンパク質複合体は、治療用部分、限定なく例えば、化学療法剤、サイトカイン、細胞傷害剤、及び抗がん薬物(例えば、小分子)等とコンジュゲートされる。
【0578】
治療用部分は、限定なく例えば、イットリウム-90、スカンジウム-47、レニウム-186、ヨウ素-131、ヨウ素-125、及び当業者により認識される多くのその他のもの(例えば、ルテチウム(例えば、Lu177)、ビスマス(例えば、Bi213)、銅(例えば、Cu67))、5-フルオロウラシル、アドリアマイシン、イリノテカン、タキサン類、シュードモナスエンドトキシン、リシン、アウリスタチン類(例えば、モノメチルアウリスタチンE、モノメチルアウリスタチンF)、メイタンシノイド類(例えば、メルタンシン)及び他の毒素を含んでよい。
【0579】
別の例示的な実施形態では、本開示のポリペプチド又はタンパク質複合体は、限定なく例えば、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的及び/又は他の物理的手段により検出可能な部分を含めて、検出可能な部分とコンジュゲートされる。検出可能な部分は、当該技術分野において周知の方法を使用してポリペプチド又はタンパク質複合体に直接的及び/又は間接的のいずれかで(例えば連結、限定なく例えばDOTA若しくはNHS連結を介して)カップリングされてよい。要求される感度、コンジュゲーションの容易性、安定性の要求及び利用可能な設備に依存する選択と共に、多様な検出可能な部分が使用されてよい。好適な検出可能な部分としては、蛍光標識、放射性標識(例えば、限定なく、125I、In111、Tc99、I131及びPETスキャナー用の陽電子放出同位体等が挙げられる)、核磁気共鳴活性標識、発光標識、化学発光標識、発色団標識、酵素標識(限定なく例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等)、量子ドット並びに/又はナノ粒子が挙げられるがこれらに限定されない。検出可能な部分は、検出可能なシグナルを惹起及び/又は生成し、それにより検出可能な部分からのシグナルが検出されることを可能としてよい。
【0580】
医薬組成物
本開示のポリペプチド又はタンパク質複合体を含む医薬組成物もまた本開示に包含される。医薬組成物はまた、薬学的に許容される担体を含んでよい。
【0581】
一部の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に開示されるようなコンジュゲートされたポリペプチド又はコンジュゲートされたタンパク質複合体を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、治療用部分とコンジュゲートされたポリペプチド又はタンパク質複合体を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、検出可能な標識とコンジュゲートされたポリペプチド又はタンパク質複合体を含む。
【0582】
活性成分に加えて、医薬組成物は、水、PBS、塩溶液、ゼラチン、油、アルコール、並びに薬学的に使用されうる調製物への活性化合物の加工を促す他の賦形剤及び助剤を含む薬学的に許容される担体を含有してよい。他の事例では、そのような調製物は、滅菌されてよい。
【0583】
本明細書において使用される場合、「医薬組成物」は、薬学的に許容される希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバント及び/又は担体を伴う治療有効量の剤を意味する。「治療有効量」は、本明細書において使用される場合、所与の条件及び投与レジメンについて治療効果を提供する量を指す。そのような組成物は、液体又は凍結乾燥若しくは別法で乾燥された製剤であり、様々な緩衝液成分(例えば、Tris-HCl、アセテート、ホスフェート)、pH及びイオン強度の希釈剤、添加剤、例えば、表面への吸収を妨げるためのアルブミン又はゼラチン、界面活性剤(例えば、Tween 20、Tween 80、Pluronic F68、胆汁酸塩)、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、バルキング物質又は張度修飾剤(例えば、ラクトース、マンニトール)、タンパク質へのポリマー、例えばポリエチレングリコールの共有結合的取付け、金属イオンとの錯体形成、又はポリマー化合物、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ハイドロゲル等の粒子状調製物中若しくは上への、若しくはリポソーム、マイクロエマルション、ミセル、ユニラメラ若しくはマルチラメラ小胞、赤血球ゴースト、若しくはスフェロプラスト上への材料の組込みを含む。そのような組成物は、物理的状態、溶解度、安定性、in vivo放出の速度、及びin vivoクリアランスの速度に影響を及ぼす。制御又は持続放出組成物としては、親油性デポー(例えば、脂肪酸、ワックス、油)中の製剤が挙げられる。ポリマー(例えば、ポロキサマー又はポロキサミン)でコーティングされた粒子状組成物もまた本開示に包含される。本開示の組成物の他の実施形態は、非経口、経肺、経鼻、経口、経膣、直腸経路を含めて、様々な投与の経路のための粒子状保護コーティング、プロテアーゼ阻害剤又は透過増強剤を組み込んでいる。1つの実施形態では、医薬組成物は、非経口的に、がん周囲に、経粘膜的に、経皮的に、筋肉内に、静脈内に、皮内に、皮下に、腹腔内に、脳室内に、頭蓋内に及び腫瘍内に投与される。
【0584】
更に、本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される担体」又は「薬学的担体」は当該技術分野において公知であり、0.01~0.1M若しくは0.05Mのリン酸緩衝液又は0.8%の食塩水を含むがこれらに限定されない。追加的に、そのような薬学的に許容される担体は、水性又は非水性の溶液、懸濁液、及びエマルションであってよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油、及び注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。水性担体としては、水、アルコール/水性溶液、エマルション又は懸濁液が挙げられ、これには食塩水及び緩衝化媒体が含まれる。非経口媒体としては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸リンゲル液又は固定油が挙げられる。静脈内媒体としては、流体及び栄養補充液、並びに電解質補充液、例えばリンゲルデキストロースに基づくもの等が挙げられる。防腐剤及び他の添加剤もまた存在することができ、これは例えば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガス等である。
【0585】
任意の化合物のために、治療有効用量は、細胞培養アッセイ又は動物モデル、例えばマウス、ラット、ウサギ、イヌ、若しくはブタのいずれかにおいて最初に概算されてよい。動物モデルはまた、濃度範囲及び投与の経路を決定するために使用されてよい。そのような情報は次に、ヒトにおける投与のための有用な用量及び経路を決定するために使用されてよい。これらの技術は当業者に周知であり、治療有効用量は、症状又は状態を軽快させる活性成分の量を指す。治療有効性及び毒性は、標準的な薬学的手順により細胞培養において又は実験動物を用いて、例えばED50(集団の50%において治療的に有効な用量)及びLD50(集団の50%に対して致死的な用量)の統計を算出及び対比することにより決定されてよい。上記の任意の医薬組成物は、療法を必要とする任意の対象に適用されてよく、これには哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、及び特にヒトが含まれるがこれらに限定されない。
【0586】
本明細書に記載の医薬組成物は、任意の数の経路により投与されてよく、これには、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、外用、舌下、又は直腸手段が含まれるがこれらに限定されない。
【0587】
使用方法
本開示のポリペプチド、ポリペプチド鎖及びタンパク質複合体は障害又は疾患の処置のために使用されてよい。
【0588】
一部の実施形態では、ポリペプチド及びタンパク質複合体は、標的細胞、循環タンパク質又は組織に治療及び/又は診断を標的化するために使用されてよい。
【0589】
一部の実施形態では、ポリペプチド及びタンパク質複合体は、治療用部分とコンジュゲートされ、治療方法のために使用されてよい。
【0590】
一部の実施形態では、ポリペプチド及びタンパク質複合体は、検出可能な部分とコンジュゲートされ、検出又は診断方法のために使用されてよい。
【0591】
一部の実施形態では、本開示のポリペプチド、ポリペプチド鎖及びタンパク質複合体は、in vivoで腫瘍を標的化するために使用されてよい。
【0592】
一部の実施形態では、ポリペプチド、ポリペプチド鎖及びタンパク質複合体は、in vivoで腫瘍退縮を促進するため及び/又は腫瘍体積を低減させるために使用される。
【0593】
本開示のポリペプチド、ポリペプチド鎖及びタンパク質複合体は、そのため、がん処置のために使用されてよい。
【0594】
本開示の方法は、本明細書に開示されるポリペプチド、タンパク質複合体若しくは混合物又はポリペプチド、タンパク質複合体若しくは混合物を含む医薬組成物を、必要とする個体に投与する工程を含んでよい。
【0595】
一部の実施形態では、ポリペプチド、ポリペプチド鎖及びタンパク質複合体は、化学療法剤と組み合わせて投与される。
【0596】
本開示によれば、必要とする個体はヒトであってよい。更に本開示によれば、必要とする個体は動物であってよい。
【0597】
一部の実施形態では、ネオ抗原の発現と共に引き起こされる又はそれと関連付けられる障害又は疾患の処置が特に想定される。
【0598】
一部の実施形態では、抗原の過剰発現と共に引き起こされる又はそれと関連付けられる障害又は疾患の処置が特に想定される。
【0599】
一部の実施形態では、障害又は疾患はがんであってよい。
【0600】
他の実施形態では、障害又は疾患は感染症であってよい。
【0601】
他の実施形態では、障害又は疾患は免疫調節異常であってよい。
【0602】
他の実施形態では、障害又は疾患は代謝調節異常であってよい。
【0603】
本開示のポリペプチド及びタンパク質複合体は、検出目的のために使用されてよい。
【0604】
特定の標的の検出は、標的を含有する又は含有することが疑われる試料を、そのような標的用の抗原結合性ドメインを含むポリペプチド又はタンパク質複合体と接触させ、検出装置を使用して結合陽性又は陰性と関連付けられるシグナルを定量化することによりin vitroで行われてよい。
【0605】
試料は哺乳動物(例えば、ヒト)を起源としてよい。試料は、哺乳動物又は細胞培養上清から得られた組織試料であってよい。
【0606】
一部の実施形態では、試料は、哺乳動物から得られた血清試料、血漿試料、血液試料、精液又は腹水液であってよい。
【0607】
特定の標的の検出は、そのような標的用の抗原結合性ドメインを含むポリペプチド又はタンパク質複合体を個体に投与し、検出装置を使用して結合陽性又は陰性と関連付けられるシグナルを定量化することによりin vivoで行われてよい。
【0608】
試料中又は個体中に標的の存在が検出されたら、薬物(例えば、本明細書に開示される抗体、小分子、ポリペプチド又はタンパク質複合体)が個体に投与されてよい。
【0609】
本開示において記載及び提供される実施形態に加えて、以下の非限定的な実施形態が特に想定される。
【実施例
【0610】
(実施例1)
ポリペプチド産生の方法
VHHの選択
重鎖のみの抗体は、例えば、ラクダ類若しくはトランスジェニック動物の免疫により、又はそのような抗体の合成ライブラリーから産生される。抗原結合ドメインの配列を、例えば、VHH-ヒンジ-FC融合体として、又はファージディスプレイにより選択及び発現させ、in vitro及び/又はin vivoでのそれらの生物学的活性について試験した。抗原結合ドメインを、本開示で概説した異なるフォーマットに基づく単一のポリペプチド鎖に集合させ、ホモ二量体及びヘテロ二量体を含む、ポリペプチド鎖又はタンパク質複合体を、細胞で産生され、in vitro及び/又はin vivoでのそれらの全体的な生物学的活性又は異なるモジュールの生物学的活性について試験した。
【0611】
遺伝子合成及び構築物の集合
遺伝子又は遺伝子断片(DNAモジュール)に相当するDNAのセグメントは、GeneArt(登録商標)システム(Thermo Fisher Scientific社)を使用して合成した。DNAモジュールはtypeII S制限酵素BsaIの認識部位を有するように設計され、BsaIによって消化されると、独特のオーバーハングを生成する。これらのオーバーハングの配列は、DNA構築物におけるモジュールの位置を指示する。
【0612】
異なるDNAモジュールは、typeIIs制限クローニングを使用して集合された。所望であれば、ほとんどの5’DNAモジュールをコードするプラスミドは、シグナルペプチドをコードする配列も含有し得る。更に、ペプチドタグをコードする配列は、1つ又はそれ以上のDNAモジュールに付加され得る。各DNAモジュールは、通常独特のプラスミドから提供され、設計の柔軟性を可能にする。図1は、本明細書に開示されるポリペプチドで使用される様々なモジュールの例示的な実施形態を提供する。
【0613】
Table1(表2)、Table2(表3)、Table3(表4)及びTable4(表5)のポリペプチドは、それぞれ独特のプラスミドによってコードされる4~7個のDNAモジュールの集合から生じる。
【0614】
Golden gate反応は、NEB(登録商標) Golden Gate Assembly Mix(NEB1600)を用いて実施した。最終構築物は、BsaI制限部位を欠損しているベクターへと事前にクローニングされた100ngの各モジュール及び100ngのベクタープラスミドpNE-B340を使用するライゲーションによって集合させた。ライゲーション反応は、37℃で5分、及び16℃で5分の30サイクル、次いで5分間55℃での1回インキュベーションで、thermocyclerを使用して同じチューブ内で行った。正しい最終産物を含有しないバックグラウンドコロニーを減らすため、BsaI-HFv2(NEBR3733L)制限酵素を使用して、ライゲーション/消化産物でさらなる消化を実施した。
【0615】
全ての制限酵素消化は、New England Biolabs(NEB)社からの酵素を使用し、製造業者の推奨プロトコールを使用して実施した。
【0616】
大腸菌(E.coli)の形質転換
ライゲーション反応混合物を使用して、製造業者の説明書に従い、大腸菌(NEB(登録商標) 5-alpha Competent E.coli, High Efficiency)を形質転換した。簡潔に言うと、50μlの大腸菌コンピテント細胞をライゲーション/消化混合物に添加し、氷上で5分間インキュベートした。細胞は、42℃で30秒間、ヒートショックによって処置した。細胞は、350μlのSOCの添加によって回収し、20分震盪しながら37℃でインキュベートした。形質転換反応の10パーセントを、アンピシリン(100μg/ml)を含有するLBプレートにプレートした。
【0617】
コロニーのスクリーニング
コロニーは、正確に集合したDNA構築物の存在についてスクリーニングした。簡潔に言うと、5から12個のコロニーをピックし、アンピシリンを含む2mlのLBへの接種に使用した。培養は、震盪しながら37℃で終夜増殖させた。プラスミドは、製造業者の説明書に従ってQiagenミニプレップキットを使用して抽出した。プラスミドは、50μlの溶出緩衝液(10mM Tris)によって溶出した。プラスミドは、HindIII及びEcoRIによる制限消化によって定量及び解析した。
【0618】
ExpiCHO又はExpi293細胞におけるポリペプチドのトランスフェクション及び発現
タンパク質二量体(例えばホモ二量体又はヘテロ二量体)は、ExpiCHO(商標)Expression System (Thermo Fisher社、カタログ番号A29133)又はExpi293(商標) Expression System (Thermo Fisher社、カタログ番号A14635)を使用して、DNA構築物から2.5mL又は400mL培養容積中で発現させた。図2は、本明細書に開示されるタンパク質二量体の例示的な構造を示す。
【0619】
簡潔に言うと、新しく解凍したCHO細胞は、トランスフェクションの前に2回又はそれ以上継代して、培養中で回復させた。次いで、細胞は、4×106~6×106個の細胞/mLに達するまで3~4日毎に継代し、その時点で、それらは、37℃に温めたExpiCHO(商標)Expression Medium中で2×105~3×105個の細胞/mLに希釈した。トランスフェクションの前日、細胞は、3×106~4×106個の細胞/mLに希釈し、トランスフェクションの日に、細胞は、6×106個の細胞/mLに更に希釈した。1μgのDNA/mLの培養容積は、cold OptiPRO(商標)培地(2.5mLの培養容積につき100μL; 400mLの培養容積につき16mL)によって希釈した。ExpiFectamine(商標) CHO Reagent(2.5mLの培養容積につき8μL;400mLの培養容積につき1280μL)を、DNAを含有する培地に添加し、室温で1~5分間、ExpiFectamine(商標)/DNA複合体とインキュベートした。次いで、DNA複合体を回旋しながら培養に移した(6×106個の細胞/mL)。細胞は、震盪(INFORS HT振盪機、125rpm)しながら8%CO2及び湿度80%下で、37℃でインキュベートした。トランスフェクションの開始後18~22時間で、ExpiCHO(商標)フィード(2.5mLの培養容積につき0.6mL;400mLの培養容積につき96mL)及びExpiCHO(商標)エンハンサー(2.5mLの培養容積につき15μL;400mLの培養容積につき2.4mL)を細胞に添加した。細胞を、125rpm(25mm orbit)で震盪しながら、8%CO2及び湿度80%下、37℃に設定したINFORS HTインキュベーターに戻した。トランスフェクションの8日後、30分間、4000×gでの遠心分離によって上清を清澄化した。上清は、Nalgene(商標) Rapid-Flow(商標) Sterile Disposable Filter Unitsの1000mLフィルターユニット(Thermo Science社、カタログ番号567-0020)を使用してフィルター滅菌し、後の解析のために4℃で保存又は凍結した。
【0620】
新しく解凍したHEK293細胞は、トランスフェクションの前に2回又はそれ以上継代して、培養中で回復させた。次いで、細胞は、3×106~5×106個の細胞/mLに達するまで3~4日毎に継代し、その時点で、それらは、37℃に温めたExpi293(商標)Expression Medium中で3×105~5×105個の細胞/mLに希釈した。トランスフェクションの前日、細胞は、2.5×106~3×106個の細胞/mLに希釈し、トランスフェクションの日に、細胞は、3×106個の生細胞/mLに更に希釈した。1μgのDNA/mLの培養容積は、OptiMEM(商標) I低血清培地によって希釈し、2.5mLの培養容積につき150μL及び400mLの培養容積につき24mLの最終容積を得た。ExpiFectamine(商標) 293 Reagent(2.5mLの培養容積につき8μL;400mLの培養容積につき1.3mL)を、Opti-MEM(商標) I低血清培地(2.5mLの培養容積につき140μL;400mLの培養容積につき22.5mL)に添加し、室温で5分間インキュベートした。希釈したExpiFectamine(商標)を希釈したDNAに添加し、室温で15分間インキュベートした。ExpiFectamine(商標)/DNA溶液を、回旋しながら一滴ずつ(3×106個の細胞/ml)培養に移した。細胞は、終夜震盪(INFORS HT振盪機、125rpm)しながら8%CO2及び湿度80%下で、37℃でインキュベートした。トランスフェクションの開始後18~22時間で、ExpiFectamine(商標)293 Transfection Enhancer 1(2.5mLの培養容積につき15μL;400mLの培養容積につき2.4mL)及びExpiFectamine(商標)293 Transfection Enhancer 2(2.5mLの培養容積につき50μL;400mLの培養容積につき24mL)を細胞に添加した。細胞を、125rpm(25mm orbit)で震盪しながら、8%CO2及び湿度80%下、37℃に設定したINFORS HTインキュベーターに戻した。トランスフェクションの5日後、30分間、4000×gでの遠心分離によって上清を清澄化した。上清は、Nalgene(商標)Rapid-Flow(商標) Sterile Disposable Filter Unitsの1000mLフィルターユニット(Thermo Science社、カタログ番号567-0020)を使用してフィルター滅菌し、後の解析のために4℃で保存又は凍結した。
【0621】
精製
タンパク質は、上清の容積に応じて、重力カラムを備えた3mL MabSelect(商標)SuRe(商標)樹脂(GE Healthcare社、カタログ番号17-5438-02)又はAKTA PURE(GE Healthcare社、Piscataway、NJ)を備えた40mL MabSelect(商標)SuRe(商標)樹脂を使用して精製する。樹脂は、終夜0.5NaOHとインキュベートし、注入前にTrisベース緩衝液pH7.4(50mM Tris-HCl、150mM NaCl、pH7.4)で平衡化した。上清を、重力カラム又は5ml/分で40mLカラムにアプライした。樹脂カラムは、流速10mL/分で、Trisベース緩衝液pH7.4の3CV(カラム容積)により洗浄した。タンパク質は、10mL/分で、0.1Mクエン酸pH3の3CVにより溶出した。クロマトグラム(280nmでの吸光度)の視覚的なアウトプットからのタンパク質によって同定した画分を共にプールした。プールした画分は、1M Tris-HCl pH9によって中和され、PBS 10× pH7.2(15mMリン酸二水素カリウム、1552mM塩化ナトリウム、27mM二塩基性リン酸ナトリウム、ThermoFisher社、カタログ番号70013073)から調製したPBS(リン酸緩衝生理食塩水)pH6緩衝液へと移す前に、pH約5~6を達成した。
【0622】
緩衝液交換は、重力カラムから精製したタンパク質は試料濃縮器により、又はAKTA PUREから精製したタンパク質は透析によるか若しくは脱塩カラムにより行った。重力カラムから精製したタンパク質は試料濃縮器VivaSpin2によって濃縮し、4℃での3500~4000×gの遠心分離による50kDa MWCO(GE Healthcare社、カタログ番号28932257)は、次いで、PBS pH6によって4倍に達するまで希釈し、試料が200倍に達するまで繰り返した。透析は、7kDa分画分子量透析チューブ(ThermoFisher社,カタログ番号68799)を使用して、4℃で終夜、4LのPBS pH6中で行った。一方、脱塩カラムは、終夜0.5 NaOHとインキュベートし、PBS pH6で平衡化した。15mLの容積の中和タンパク質試料は、0.5mL/分で、HiPrep26/10脱塩カラム(GE Healthcare社、カタログ番号17-5087-02)にロードし、次いでタンパク質は、2CVのPBS pH6によって溶出した。ロードするステップ及び溶出ステップは、アフィニティーカラムの溶出から中和タンパク質試料がなくなるまで繰り返した。クロマトグラム(280nmでの吸光度)の視覚的なアウトプットからのタンパク質によって同定された画分を共にプールした。
【0623】
試料は、Nalgene(商標)Rapid-Flow(商標)Sterile Disposable Filter Unitsの150mLフィルターユニット(Thermo Scientific社、カタログ番号565-0010)を使用してフィルター滅菌した。最終タンパク質試料を、Pierce(商標)ビシンコニン酸Protein Assayキット(ThermoFisher社、カタログ番号23227)によって定量し、Endosafe(登録商標) LAL Reagentカートリッジ(Charles River社、カタログ番号PTS2005)によってエンドトキシンレベルについて試験した。最終タンパク質試料は、還元又は非還元条件下のSDS-PAGEゲルで解析した(SDS PAGE及びウェスタンブロッティングの節を参照)。
【0624】
SDS PAGE及びウェスタンブロッティング
試料は、NuPAGE(商標)Sample Reducing Agent(TermoFisher社 カタログ番号NP0004)を含むか又は緩衝液を還元する剤(agent reducing buffer)を含まないNuPAGE(商標)LDS Sample Buffer(ThermoFisher社 カタログ番号NP0007)で加熱することによって、還元又は非還元条件下のSDS-PAGE解析のために調製した。試料は、10分間70℃で加熱することによって変性させた。試料(16μL)を、3~8% Tris-酢酸ミニゲル(1.5mm、15ウェル)のBSA標準の横にロードした。電気泳動は、125ボルトでおよそ1時間、X-Cell SureLock(商標)ミニゲル装置を使用して実施した。ゲルは、GelCode(商標)染色試薬(Thermo Fisher社、カタログ番号24594)を使用して染色した。
【0625】
ウェスタンブロット解析のため、タンパク質は、製造業者の説明書に従って、iBlot(商標)システム(Thermo Fisher社、カタログ番号IB301031)を使用してニトロセルロースメンブレンへと移した。
【0626】
Hisエピトープタグの検出は、Anti-Penta His-HRP抗体によって行った。簡潔に言うと、メンブレンは、震盪しながら室温で1時間、Qiagenブロッキング緩衝液(Qiagen社、1018862)20ml中でのインキュベーション、次いで震盪しながら室温で1時間、Starting Blocking(商標) T20(PBS) Blocking(Thermo Fisher社、カタログ番号37528)20ml中でのインキュベーションによりブロックした。メンブレンは、1×TBS Tween(商標)-20によって10分間、3回洗浄した。メンブレンは、震盪しながら室温で1時間、事前にブロッキング緩衝液で1:2000に希釈したAnti-Penta His-HRP(Qiagen社、カタログ番号1014992)とインキュベートした。メンブレンは、1×TBS Tween(商標)-20で10分間、3回洗浄した。シグナルは、製造業者の説明書に従って、Super Signal(商標) West Pico PLUS(ThermoFisher社、カタログ番号34080)を使用して可視化した。画像は、Azure Biosystem画像化システムを使用して記録した。
【0627】
(実施例2)
ポリペプチド及びポリペプチド二量体の合成及び産生
単一ドメイン抗体は、ラクダ又はラマの免疫によって生成されたか、又はin vitro合成によって得られた。
【0628】
VHHの抗原結合ドメインを含む様々なDNAモジュールを含有するDNA構築物が生成され、ポリペプチドが発現され、本明細書に記載の方法を使用してポリペプチド又はタンパク質二量体を単離及び解析した。
【0629】
Table1(表2)、Table2(表3)、Table3(表4)及びTable4(表5)は、様々なモジュールの集合によって生成されたポリペプチドの例示的な実施形態を提供する。
【0630】
Table1(表2)及びTable2(表3)のポリペプチドは、トランスフェクト細胞でのポリペプチドの二量体化を可能にする天然の二量体化ドメイン(野生型CH2-CH3)を含有する。Table1(表2)及びTable2(表3)のポリペプチド鎖は、したがって、自然に2つの同一のアームを含むホモ二量体を形成する。
【0631】
Table3(表4)及びTable4(表5)のポリペプチドは、ヘテロ二量体の形成を有利にする突然変異型二量体化ドメイン(野生型CH2及び突然変異型CH3)を含有する。より特には、Table3(表4)及びTable4(表5)のポリペプチドは、単独で発現される場合ホモ二量体を形成するか、又は相補鎖と発現される場合ヘテロ二量体を形成する可能性を有する。ヘテロ二量体は、特に、Table3(表4)又はTable4(表5)に列挙した鎖(鎖A及び鎖B)のセットのトランスフェクションによって作製された。
【0632】
一部の実験では、出願者は、抗CD3(α-CD3:配列番号20)、抗PD1(α-PD1;配列番号21)、抗ニワトリ卵白リゾチーム(α-HEWL:配列番号22)、抗4HEM(α-4HEM:配列番号23)、又は抗PDL1(α-PDL1:配列番号24)のものを含むいずれかの原理証明(POP)抗原結合ドメインを使用した。他の実験では、出願者は、腫瘍抗原に対して上昇したVHHから得られた抗原結合ドメインを使用した。
【0633】
本明細書で実証されるように、抗原結合ドメインの配列は、所望の特異性及び結合価に基づいて選択され、ポリペプチド鎖内のそれらの位置は多様であり得る。例えば、各抗原結合ドメインは、異なる配列及び/又は特異性を有する別のものによって並び替えられるか又は交換され得る。更に、さらなる抗原結合ドメイン及びリンカーは、多価タンパク質のN又はC末端の1つ又は両方に付加され、伸長され得る。
【0634】
本明細書で使用されるコード名α-DRD2.1、α-DRD2.2、α-DRD2.3及びα-DRD2.4、α-DRD1.1、α-DRD1.2、α-DRD1.3及びα-DRD1.4又はα-CD36.1、α-CD36.2、α-CD36.3及びα-CD36.4は、異なるセットの相補性決定領域を有するVHHを表す。
【0635】
原理証明ホモ二量体は、コード名KB015、KB016、KB017、KB018、KB019、KB020、KB021、KB022、KB023、KB024、KB025、KB026、KB027、KB028、KB029、KB030、KB031、KB032、KB033、KB034、KB035、KB036、KB037、KB038、KB039、KB040、KB041、KB042によって同定されるポリペプチドを発現する、及びTable1(表2)に示したアミノ酸配列を含むプラスミドを細胞にトランスフェクトすることによって生成した。
【0636】
【表2A】
【0637】
【表2B】
【0638】
【表2C】
【0639】
【表2D】
【0640】
【表2E】
【0641】
例示的な、腫瘍特異的ポリペプチドは、Table1(表2)のポリペプチド(例えばKB015又はKB016)のVHH1部分を、ドーパミン受容体2(DRD2)、ドーパミン受容体1(DRD1)又はCD36に対して生成されたVHHの抗原結合ドメインを置き換えることにより、及び/又はFc部分を、IgG4の相当するCH2-CH3ドメインと置き換えることにより生成された。一部の実験では、IgG4の天然のCH2-CH3二量体化ドメインは機能するようであり、IgG1の天然のCH2-CH3ドメインも同様である。
【0642】
腫瘍特異的ホモ二量体は、Table2(表3)に示したアミノ酸配列を含む、コード名KB001、KB003、KB004、KB005、KB006、KB007、KB008、KB009、KB010、KB011、KB012、KB013、KB014によって同定されるポリペプチドを発現するプラスミドを細胞にトランスフェクトすることによって生成された。
【0643】
【表3A】
【0644】
【表3B】
【0645】
【表3C】
【0646】
【表3D】
【0647】
図3図5に示したSDS-PAGE解析から分かるように、ポリペプチドKB001、KB003、KB004、KB005(図3)、KB007、KB008、KB009、KB010(図4)、KB012、KB013及びKB011(図5)は、哺乳動物細胞での発現が成功し、予測される分子量を有する。
【0648】
更に、図6A図6B図6D及び図6Eの結果は、KB001、KB003、KB004、KB005、KB008、KB009及びKB007から作製されたタンパク質二量体は、方法の節に記載された精製方法によって精製され得ることを示す。
【0649】
(実施例3)
In vitro試験
In vitro細胞障害性
本開示のポリペプチド及びタンパク質二量体の細胞障害性は、in vitro実験で評価した。
【0650】
簡潔に言うと、腫瘍細胞は、細胞培養培地中に再懸濁し、5×106個の細胞/mlを産生した。細胞は、CellTrace(商標)Violet溶液によって標識し、次いで37℃で10分間インキュベートした。CellTrace(商標)Violet標識腫瘍細胞は、1:10の比でPBMCと混合した。細胞は、指定した濃度でタンパク質二量体により又は対照により処置した。細胞は、死細胞を染色する7-アミノ-アクチノマイシンD(7-ADD)溶液と、氷上にて10分間4℃でインキュベートした。生細胞の数は、フローサイトメトリーによって決定され、CellTrace(商標) Violetで標識した細胞の総数に対する7-ADDによって染色した細胞のパーセンテージを比較した。結果は、死細胞のパーセンテージとして示す。
【0651】
Jurkat細胞でのFACS結合アッセイ
Jurkatヒト腫瘍細胞系へのタンパク質二量体の結合は、フローサイトメトリーによって評価した。簡潔に言うと、Jurkat細胞は、終夜、抗CD3抗体(OKT3)によって前刺激された。非特異的結合は、4℃で10分間、ブロッキング緩衝液中で細胞をインキュベートすることによってブロックした。タンパク質二量体を含有する溶液を細胞に添加し、4℃で20分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞は、FACS染色緩衝液によって3回洗浄した。ポリペプチドのFc領域を標的化する蛍光標的抗体を添加し、細胞を暗所で20分間氷上にてインキュベートした。細胞は、再びFACS緩衝液によって3回洗浄し、100μlのFACS染色緩衝液中で再懸濁し、BD FACSCanto(商標)IIフローサートメーター(BD Bioscience社)を使用して解析した。
【0652】
ELISA結合アッセイ
タンパク質二量体の結合は、プロテオリポソームELISAによって決定した。簡潔に言うと、標的タンパク質又はペプチド又は空のリポソームを含有するプロテオリポソームを96ウェルプレートにコートした。プレートは蓋をして、4℃で終夜置いた。次の日、プレートをPBSで1回洗浄し、室温で1時間、ブロッキング緩衝液でブロックした。タンパク質二量体を、指定した濃度で試験し、ブロッキング緩衝液で希釈し、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、ウェルをPBSで3回洗浄した。ウェルは、ブロッキング緩衝液中で1:5000に希釈した抗IgG1-HRPと、室温で1時間インキュベートし、次いでPBSで3回洗浄した。シグナルは、SuperSignal(商標)ELISA Pico Chemiluminescent Substrateによって発生させた。プレートは、SpectraMax(商標)i3x Multi-Mode Microplate Reader(Molecular Devices社)でリードした。
【0653】
in vitro生存能アッセイ
細胞の生存能を低下させるタンパク質二量体の能力を、製造業者の説明書に従ってCellTiter-Fluor(商標) Cell Viability Assay(Promega社)を使用してin vitroで評価し、陰性対照及びビヒクル処置(PBS)対照のものと比較した。
【0654】
POPポリペプチド及びタンパク質二量体の結果
POPポリペプチド及びホモ二量体によって実行した実験の例示的な結果は、図7から図12に示す。
【0655】
結合アッセイ
ポリペプチドKB017(陰性対照)、KB019(CD3及びPD1を標的化する)、又はKB015(PDL1、CD3、及びPD1を標的化する)から作製されたホモ二量体のJurkatヒト腫瘍細胞系への結合は、上記のようにフローサイトメトリーによって評価した。
【0656】
この実験の結果は、図7に示し、抗PD1、抗CD3及び抗PDL1 VHHを含有するホモ二量体が、抗PD1、抗CD3 VHHのみを有する多価タンパク質二量体よりも著しく高い結合を有することを示す。
【0657】
In vitro細胞障害性
上記の細胞障害性アッセイを使用して、ポリペプチドKB019又はKB015から作製されたホモ二量体の抗腫瘍効果を、腫瘍細胞系OCI-AML3で評価した。
【0658】
実験の第1のセットでは、OCI-AML3細胞は、0nM、0.0667nM、0.667nM、及び6.67nMの最終濃度で、KB017ポリペプチド(陰性対照)から作製されたホモ二量体又はKB019ポリペプチド(CD3及びPD1を標的化する、図8A及び図8B)から作製されたホモ二量体のいずれかによって処置した。インキュベーション後、細胞を染色し、死細胞のパーセンテージを生細胞のものと比較した。
【0659】
この実験の結果は、図8Cに示し、KB019ポリペプチドから作製されたホモ二量体が、OCI-AML3細胞を効率的に標的化及び死滅させることを示す。したがって、VHH標的化CD3及びPD1はin vitroで分子に機能活性を与える。
【0660】
実験の第2のセットでは、三特異性KB015ポリペプチド(PDL1、CD3及びPD1を標的化する:図8B)から作製されたホモ二量体の抗腫瘍効果を、KB019ポリペプチド(図8A)から作製されたホモ二量体のものと比較した。簡潔に言うと、OCI-AML3細胞は、0nM、0.0667nM、0.667nM及び6.67nMの最終濃度のKB017、KB019又はKB015ポリペプチドから作製されたホモ二量体によって処置した。インキュベーション後、細胞を染色し、死細胞のパーセンテージを生細胞のものと比較した。
【0661】
この実験の結果は、図8C及び図8Dに示し、KB017ポリペプチドから作製されたホモ二量体が、OCI-AML3細胞を効率的に標的化及び死滅させ、VHH標的化PDL1の添加はin vitroで多価タンパク質二量体の機能活性を増強することを示す。
【0662】
実験の第3のセットでは、KB015ポリペプチドから作製されたホモ二量体の抗腫瘍効果を、同じVHHを異なる位置に含有するKB016ポリペプチドから作製されたホモ二量体のものと比較した。簡潔に言うと、OCI-AML3細胞は、各二量体又は0nM、0.007nM、0.07nM、0.7nM及び7nMの最終濃度のKB018ポリペプチド(陰性対照)から作製されたホモ二量体によって48時間処置した。インキュベーション後、細胞を染色し、死細胞のパーセンテージを生細胞のものと比較した。
【0663】
この実験の結果は、図9Aに示し、抗PD-1及び抗CD3 VHHの位置の変更が、タンパク質二量体の細胞障害性に影響しないことを示す。
【0664】
別の実験では、四特異性ポリペプチドが生成及び試験された。これらの例示的な四特異性ポリペプチドは、二量体化ドメインのN末端に2つのVHHドメイン及び二量体化ドメインのC末端に2つのVHHドメインを含む。
【0665】
簡潔に言うと、四特異性ポリペプチドは、4つの機能的に活性なドメイン(CD36、PDL1、CD3及びPD1を標的化する:KB078)、3つの機能的に活性なドメイン(PDL1、CD3、及びPD1を標的化する:KB075)又は2つの機能的に活性なドメイン(CD3及びPD1を標的化する:KB076)又は機能的に活性なドメインを持たない陰性対照タンパク質(KB077)のいずれかによって構築した。これらの分子を、3つの機能的に活性なドメイン(PDL1、CD3、及びPD1を標的化する)又は2つの機能的に活性なドメイン(CD3及びPD1を標的化する)又は機能的に活性なドメインを持たない陰性対照タンパク質のいずれかを含有する三特異性ポリペプチドのセットと比較した。
【0666】
簡潔に言うと、標的OCI-AML3腫瘍細胞は、Cell Trace Violetによって予め標識し、次いで、0nM、0.0667nM、0.335nM、0.667nM、及び1.334nMの最終濃度の四特異性ポリペプチド、三特異性ポリペプチドの存在下でヒトPBMCエフェクター細胞によって処置した。インキュベーション後、死細胞を7-ADDによって染色し、細胞障害性を、生OCI-AML3細胞のパーセンテージと比較した死細胞のパーセンテージとして算出した。
【0667】
この実験の結果は、図9Bに示し、四特異性ポリペプチドから作製された二量体がOCI-AML3細胞を効率的に標的化及び死滅させることを示す。
【0668】
別の実験では、KB015ポリペプチドから作製されたホモ二量体の抗腫瘍効果を、1つのみの活性VHH(KB020、KB021又はKB022)を含有するか、又は3つの相当する単一ドメイン抗体-Fcタンパク質;KB045(抗PDL1 VHH-Fc)、KB046(抗CD3 VHH-Fc)、KB033(抗PD1 VHH-Fc)の組合せを有するポリペプチドから作製されたホモ二量体のものと比較した。簡潔に言うと、THP-1細胞は、ホモ二量体によって、又は3つのVHH-Fcタンパク質の組合せによって、又は0nM、0.007nM、0.07nM、0.7nM、及び7nMの最終濃度のKB023ポリペプチドから作製された陰性対照ホモ二量体によって処置した。インキュベーション後、細胞は染色し、死細胞のパーセンテージを生細胞のものと比較した。
【0669】
図10に示す結果は、KB015ポリペプチドから作製されたホモ二量体が、PD-L1、CD3又はPD-1に対する1つのみのVHHを含有する分子よりも細胞障害性が大きいことを示す。
【0670】
リンカーの解析
リンカーの配列及びポリペプチド中の位置の効果を調べた。
【0671】
簡潔に言うと、様々なリンカー配列と共に同じVHHを含有する三価のポリペプチドを、組換えタンパク質PD-1へのそれらの結合について試験した。抗PD-1 VHH Fcタンパク質である構築物KB033は、陽性対照として使用した。組換えタンパク質PD-1は、終夜、1μg/mlで96ウェルプレートにコートした。プレートは、1%BSAによるブロッキングの前に3回洗浄した。異なる希釈のポリペプチドをプレートに添加し、室温で1時間インキュベートした。3回洗浄後、二次抗体抗ヒトIgG1-HRPを0.2μg/mlで添加した。1時間後、super signal ELISA Pico化学発光基質を検出のために添加した。
【0672】
実験の第1のセットでは、FcのC末端部分の真隣のリンカーは、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13及び配列番号14に記載のリンカー配列の中から選択した(図11A)。
【0673】
実験の第2のセットでは、2つのC末端VHHの間のリンカーは、配列番号3、配列番号4、配列番号6、配列番号7(n=1)、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号13及び配列番号14(図12A)に記載のリンカー配列の中から選択した。
【0674】
これらの実験の結果は図11B及び11C並びに図12B及び12Cに示し、抗PD-1 VHHのその標的への結合がタンパク質二量体のリンカー型及び長さによって影響されることを示す。この文脈では、剛性リンカー及び可動性リンカーは、陽性対照のものと類似の親和性で結合するようである。FcのC末端部分の真隣の位置の、配列番号13に記載の配列を有するらせん状リンカーの存在は、タンパク質二量体の結合に大きな影響を有する。配列番号14に記載の配列を有するらせん状リンカー、及び比較的程度は低いが2つのC末端VHH間の配列番号13に記載の配列を有するリンカーの存在は、タンパク質二量体の結合にも有害な影響を有する。この文脈では、剛性リンカーは、二量体化ドメインのC末端のVHH及び二量体化ドメインのC末端に位置する2つのVHH間を接続するのに好ましいようである。
腫瘍特異的ポリペプチド及びタンパク質二量体の結果
【0675】
腫瘍特異的ポリペプチド及び関連タンパク質二量体によって行った実験の例示的な結果は、図13図20に示す。
【0676】
結合アッセイ
異なる抗DRD2 VHH部分を含有するポリペプチドから作製されたホモ二量体の結合は、本明細書に記載されるProteoliposome ELISAによって決定した。DRD2タンパク質又は空のリポソームを含有するプロテオリポソームを、標的として使用し、KB001、KB003、KB004、KB005又はKB017(陰性対照)ポリペプチドから作製されたホモ二量体を、1μMの濃度で試験した。
【0677】
図13Aに示す結果は、KB001、KB003、KB004及びKB005ポリペプチドから作製されたホモ二量体が、DRD2に選択的に結合することを示す。
【0678】
類似の実験を、異なる抗DRD1 VHH部分を含有するポリペプチド(KB035、KB008、KB009)から作製されたホモ二量体によって実行した。この実験の結果は、図13Bに示し、KB008及びKB009ポリペプチドから作製された少なくともホモ二量体がDRD1に選択的に結合することを示す。
【0679】
抗CD36 VHH部分を含有するホモ二量体によって実行したELISA実験は、KB014ポリペプチドから作製された少なくともホモ二量体が組換えヒトCD36に効率的に結合することを示す(データは示さない)。
【0680】
ホモ二量体のそれらの標的への結合の変化性は、腫瘍特異的VHHのそれらのエピトープへの結合親和性又は結合活性の変化によるようである。
【0681】
In vitroでの細胞生存能及び細胞障害性
DRD2標的化部分を含有するポリペプチドから作製されたホモ二量体を、製造業者の説明書に従って、CellTiter-Fluor(商標) Cell Viability Assay(Promega)を使用してin vitroでNCI-H510A又はNCI-H69の生存能を減少させるそれらの能力について試験した。簡潔に言うと、KB001、KB003、KB004及びKB005ポリペプチド(1,000ng/mlの濃度)から作製されたホモ二量体とインキュベートしたNCI-H510A又はNCI-H69細胞の生存能を、KB018ポリペプチドから作製された陰性対照ホモ二量体、又はPBSビヒクル対照と比較した。
【0682】
結果は、図14A及び図14Bに示し、DRD2特異的ホモ二量体がNCI-H510A(図14A)及びNCI-H69(図14B)肺がん細胞系の生存能を減少させることを示す。
【0683】
類似の実験を実行し、異なるDRD1標的化部分を含有するポリペプチド(KB035及びKB008)から作製されたホモ二量体によるNCI-H510A細胞の生存能を決定した。この実験の結果は、図14Cに示し、KB007及びKB008ポリペプチドから作製されたホモ二量体がNCI-H510A肺がん細胞の生存能を効率的に減少させることを示す。
【0684】
CD36標的化部分を含有するポリペプチドから作製されたホモ二量体を、上記のように、腫瘍細胞系OCI-AML3を使用してin vitro細胞障害性について試験した。細胞は、0nM、0.0667nM、0.667nM、及び6.67nMの濃度のKB017、KB019、KB012、又はKB013ポリペプチドから作製されたホモ二量体によって処置した。細胞は、7AAD染色溶液と共に、氷上にて、4℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を染色し、死細胞のパーセンテージを生細胞のものと比較した。
【0685】
図15Aに示した結果は、VHH標的化がん特異的抗原CD36の添加が、ホモ二量体の機能的細胞障害活性を増強することを示す。
【0686】
KB014及びKB011ポリペプチドから作製されたホモ二量体によって実行した別々の実験は、これらの構築物がOCI-AML細胞障害性も効率的に誘導することを示す(図15B)。
【0687】
(実施例4)
In vivo試験
確立した腫瘍モデル
6~8週齢の40匹の雌のNOGマウス(Taconics社)は、200万個のヒトOCI-AML3白血病腫瘍細胞を皮下に注射し、100μLのヒトPBMCを腹腔内に注射した。腫瘍が100~200mm3に達すると、さらなるPBMCを注射した。処置は、PBMC注射の2~4日後に開始した。マウスは、同じ平均腫瘍サイズのそれぞれ10匹の動物の4つの処置群に分けた。処置は、3週間の間、週あたり2回、およそ30mg/kgの多価タンパク質二量体の抗体投与又はビヒクル(PBS)対照から成る。
【0688】
腫瘍防止モデル
6~8週齢の40匹の雌のNOGマウス(Taconics社)は、700万個のヒトPBMCと混合した200万個のヒトOCI-AML3白血病腫瘍細胞(1:1)を皮下に注射した。マウスは、それぞれ10匹の動物の4つの処置群に分けた。処置は、3週間の間、週あたり2回、およそ30mg/kgの多価タンパク質二量体の抗体投与又はビヒクル(PBS)対照から成る。
ポリペプチド及びタンパク質二量体の結果
【0689】
実験の第1のセットでは、KB019又はKB015ポリペプチドから作製されたホモ二量体の抗腫瘍効果を、ヒトOCI-AML3白血病腫瘍細胞を使用するin vivo腫瘍モデルでの防止と比較した。簡潔に言うと、6~8週齢の雌のNOGマウス(Taconics社)は、700万個のヒトPBMCと混合した200万個のOCI-AML3腫瘍細胞を皮下に注射した。マウスは、それぞれ10匹の動物からなる処置群に分けた。処置は、腫瘍サイズを測定し、腫瘍体積を算出する3週間の間、週あたり2回の、28mg/kgのホモ二量体(KB017、KB019、KB015ポリペプチドから作製された)の投与又はビヒクル(PBS)対照から成る。
【0690】
図16Aに示す結果は、CD3及びPD1を標的化するVHHがKB019ポリペプチドから作製されたホモ二量体にin vivo機能活性を与え、PDL1に対する腫瘍標的化単一ドメイン抗体の添加が分子の機能活性を増強することを示す(KB015ポリペプチドから作製されたホモ二量体の結果参照)。類似の結果は、別の免疫欠損マウスモデルでも得られた(NCGマウス(Charles River社)を使用。データは示さない。)。
【0691】
腫瘍特異的ポリペプチド及びタンパク質二量体の結果
KB011ポリペプチドから作製されたホモ二量体の抗腫瘍効果は、KB017ポリペプチドから作製されたホモ二量体に関して、及び同じ抗CD36 VHHを含有するがsdAb形態の構築物、VHH-Fc(KB058)に関して、ヒトOCI-AML3白血病腫瘍細胞を使用する予防in vivo腫瘍モデルにて比較した。簡潔に言うと、4~6週齢の雌のNOGマウス(Taconics社)は、700万個のヒトPBMCと混合した200万個のOCI-AML3腫瘍細胞を皮下に注射した。マウスは、それぞれ10匹の動物からなる処置群に分けた。処置は、3週間の間、週あたり2回の、28mg/kgのホモ二量体(KB011、KB015、KB058ポリペプチドから作製された)の投与又はビヒクル(PBS)対照から成り、その後、腫瘍サイズを測定し、腫瘍体積を算出した。
【0692】
図16Bに示される結果は、KB011ポリペプチドから作製されたホモ二量体が、VHH-Fc相対物(KB058)よりもin vivoでより有効であることを示す。ホモ二量体の有効性は、NCG(Charles River社)免疫欠損マウスモデルでも実証された(データは示さない)。
【0693】
CB-17 Fox Chase SCIDマウスの腫瘍モデル
DPBSの腫瘍細胞(NCI-H510Aについては800万個の細胞/マウス)を、マウスの右側へと皮下注射(s.c.)した。細胞接種1日後、各細胞系を接種したマウスを2つの実験群(10又は5匹のマウス/群)に無作為に分け、各群のマウスは、全部で8週間、週に2回、陰性対照又はKB120のいずれかの16mg/kg i.p.を受けた。腫瘍体積は、ノギスを使用して測定し、マウスは、週に1又は2回計量した。腫瘍体積は、式:1/2(長さ×幅2)を使用して算出した。腫瘍増殖阻害(TGI)のパーセンテージの算出のため、KB120処置群をそのそれぞれの陰性対照と比較した。TGIは、以下:
【数1】
によって算出した。TV day zは、指定した試験日(day z)の個々の動物の腫瘍体積を表し、TV day xは病期分類日(day x)の個々の動物の腫瘍体積を表す。DRD2三特異性タンパク質複合体KB073(DRD2、PD1及びCD3に特異的)を、がん異種移植片モデルで試験した。NCGマウスに、ヒトPBMCと共にNCI-H82細胞を接種し、NCI-H82は1:5の比で共移植した(図19)。
【0694】
統計検定は、スチューデントのt検定(両側検定)によって実施した。
【0695】
図17に示される結果は、抗DRD2 VHHがsdAb(C末端のFcへと続くヒトヒンジのN末端に融合した抗DRD2抗原結合ドメイン)として機能的であることを示す。KB120構築物は、NCI-H510Aモデル並びに他のモデルの陰性対照と比較して腫瘍体積を減少させた。
【0696】
DRD2、PD1及び/又はCD3に特異性を有するVHHを含むポリペプチド鎖の集合によって形成されたポリペプチド複合体を、本明細書に概説したように、in vitro及びin vivoでの活性について試験した。図19の結果は、例示的なDRD2三特異性タンパク質複合体が、NCI-H82 SLCLヒトPBMC共移植モデルにおいて抗腫瘍効果を有することを示す。タンパク質複合体の抗腫瘍効果は、シスプラチンのような化学療法と組み合わせて投与される場合も増加される(データは示さない)。
【0697】
PD-1/PD-L1遮断バイオアッセイ
実験の第1のセットでは、組換えヒトPD-1に抗PD-1 VHHを含むタンパク質複合体の結合をELISAによって評価した。
【0698】
簡潔に言うと、組換えタンパク質を96ウェルプレートにコートした。プレートは蓋をして、4℃で終夜置いた。次の日、プレートをPBSで1回洗浄し、室温で1時間、ブロッキング緩衝液でブロックした。抗体を、指定した濃度で試験し、ブロッキング緩衝液で希釈し、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。プレートは、1:5000に希釈した抗ヒト-Fc-HRPと、室温で1時間インキュベートし、次いでPBS-T洗浄緩衝液で3回洗浄した。シグナルは、SuperSignal(商標)ELISA Pico Chemiluminescent Substrateによって発生させた。プレートは、SpectraMax(商標)i3x Multi-Mode Microplate Reader(Molecular Devices社)でリードした。
【0699】
この実験の結果は、抗PD-1 VHHを含むKB072タンパク質複合体が、陽性対照と同じくらいの効率で組換えヒトPD-1に結合することを示す(図18A)。
【0700】
抗PD-1 VHHを含むタンパク質複合体の遮断活性を、発光NFAT-REレポーターシステム内のPD-1/PD-L1遮断アッセイを使用して評価し、陽性対照と比較した(図18B)。簡潔に言うと、PD-L1 aAPC/CHO-K1(標的)細胞を解凍し、推奨密度で96ウェルプレートに播種し、終夜プレートに接着させた。翌日、タンパク質複合体をアッセイ緩衝液(10%低IgG FBSを含むHam’s F12培地)中で350nMに希釈し、8回の2.5×段階希釈を行った。96ウェルプレートからの培地はデカントし、40μlの希釈したポリペプチド又はタンパク質複合体及び40μlのJurkat(エフェクター)細胞をプレートに添加した。プレートは、37℃で6時間インキュベートした。Bio-Gloルシフェラーゼアッセイ緩衝液及び基質を合わせ、80μlの溶液を各ウェルに移した。プレートは室温で5分間インキュベートし、発光はプレートリーダーを使用して測定した。
【0701】
この実験の結果は、KB072タンパク質複合体の結合が、陽性対照と類似の活性を示すことを示す(図18B)。抗PD-1 VHHは、「Fcリンカー」成分と「リンカーVHH」成分の間に位置する場合でさえも、機能的なままである。抗-PD-1モジュールは、したがって、FcのC末端に位置する場合でさえも機能的である。PD-1を発現する細胞へのタンパク質複合体の結合は、FACSアッセイによっても観察された(データは示さない)。抗PD-1 VHHを含むタンパク質複合体は、PBMC媒介細胞障害性も増加させる(データは示さない)。
【0702】
腫瘍組織における放射線標識タンパク質複合体の蓄積が、ヒト小細胞肺がんのDRD2陽性NCI-H69及びNCI-H82異種移植片モデルで観察された(データは示さない)。
【0703】
(実施例5)
ヘテロ二量体
ヘテロ二量体設計
ヘテロ二量体を生成するため、出願者は、静電相互作用を除去するか又は反発電荷を導入するため、Fc部分のCH3ドメインに多くの突然変異を導入した。
【0704】
簡潔に言うと、356、370及び399位(EUナンバリングシステムに従って)に突然変異を含有するDNA構築物を生成した。これらの構築物の一部では(鎖A)、356位のグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更され、370位のリシン(K)がグルタミン酸(E)に変更され、399位のアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更された。これらの構築物は、その機能に必ずしも必要ではないタンパク質の検出を助けるHisタグを含有する。357、399及び439位(EUナンバリングシステムに従って)に突然変異を含有する他のDNA構築物(鎖B)を生成した。より特には、これらの構築物の一部では、357位のグルタミン酸(E)がグルタミン(Q)に変更され、399位のアスパラギン酸(D)がアスパラギン(N)に変更され、439位のリシン(K)がグルタミン酸(E)に改変された。
【0705】
鎖A又は鎖B突然変異を含むポリペプチドは、他の鎖の非存在下で細胞において発現される場合、ホモ二量体へと集合し得る。
【0706】
【表4】
【0707】
【表5A】
【0708】
【表5B】
【0709】
CH3突然変異が分子の細胞障害性に影響するか試験するため、357位、399位及び439位に突然変異を含有するKB015ポリペプチドのバリアント(すなわち、KB047ポリペプチド)を作製し、細胞にトランスフェクトし、したがって生成したタンパク質二量体を、上記のようにin vitroアッセイでそれらの細胞障害性について試験した。
【0710】
簡潔に言うと、標的OCI-AML3腫瘍細胞を、Cell Trace Violetによって予め標識し、次いで、KB015又はKB047ポリペプチドから作製されたタンパク質二量体の存在下で、ヒトPBMCエフェクター細胞(エフェクター対標的比 5:1)によって、又は0nM、0.007nM、0.07nM、0.7nM、及び7nMの最終濃度でKB018又はKB048ポリペプチドから作製された陰性対照二量体によって処置した。インキュベーション後、死細胞を、7-ADDによって染色し、細胞障害性は死細胞のパーセンテージとして算出し、標的OCI-AML3腫瘍細胞の数と比較した。
【0711】
この実験の結果は、図20Bに示し、KB047ポリペプチドから作製された二量体の細胞障害性効果はKB015ポリペプチドから作製された二量体のものと類似していることを示す。そのため、これらの突然変異は、分子の細胞障害性に負に影響しないようである。
【0712】
ヘテロ二量体の形成
3つの抗4HEM VHH及び突然変異D399N、K439E、E357Q(EUナンバリングシステムに従って)を含有するFc領域を含むDNA構築物を生成した(KB049ポリペプチド)。
【0713】
2つの抗4HEM VHHを含有する別のDNA構築物及び突然変位D399N、K370E及びE356Q(EUナンバリングシステムに従って)を含有するFc領域も生成した(KB050ポリペプチド)。
【0714】
ポリペプチドは、上記のようにExpiCHO(商標) Expression System (Thermo Fisher社、カタログ番号A29133)を使用して発現させた。
【0715】
簡潔に言うと、細胞に軽鎖(KB049ポリペプチド)、重鎖(KB050ポリペプチド)をコードするいずれかのプラスミドをトランスフェクトするか、又は両プラスミド(図21BにKB057として同定)を、1:1、3:1、及び1:3の比でコトランスフェクトした。トランスフェクションの8日後、上清を清澄化し、フィルター滅菌して、後の解析のために4℃で保存又は凍結した。ヘテロ二量体の産生は、ウェスタンブロットによって解析し、Penta.His抗体を使用して検出した。
【0716】
重鎖KB050ポリペプチドのみの発現は、重ホモ二量体の形成をもたらすが、軽鎖KB049のみの発現は、軽ホモ二量体のみの産生をもたらした。この実験の結果は図21に示し(非還元条件)、ヘテロ二量体が効率的に形成され、DNA比が1:1である場合に最適なヘテロ二量体形成が生じることを示す。重鎖と軽鎖の両方の共発現(KB057)は、ヘテロ二量体産生の成功をもたらした(図21)。
【0717】
類似の実験を行い、VHHドメインの変更の効果を調べ、DNA比1:1でKB051、KB052、KB053又はDNA比1:2でKB054の鎖Aと鎖Bの共発現によって代替えの抗原結合ドメインを有するいくつかのバリアントを試験した(図22A)。これらの実験の結果は図22に示し、ヘテロ二量体が様々なVHHドメインを有するタンパク質をコードするこれらの構築物から効率的に形成され得ることを示す。(図22B-非還元条件、図22C-還元条件)。
【0718】
さらなる突然変異型CH3ドメインを生成し、変異体ポリペプチドを、ヘテロ二量体へと集合するそれらの能力について試験した。例示的なポリペプチド鎖はTable5(表6)に示す。
【0719】
【表6A】
【0720】
【表6B】
【0721】
【表6C】
【0722】
以下のTable5(表6)から選択される鎖A及び鎖B対を発現するベクターは、異なる比で共発現され、ヘテロ二量体の形成は上記のように評価した。ホモ二量体形成を嫌う及び/又はヘテロ二量体形成を好む突然変異を、多価及び/又は多特異性タンパク質複合体を生成するために選択する。
【0723】
ベクターの以下の対を特に試験した。
- 配列番号53に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号54に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号55に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号56に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号57に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号58に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号59に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号60に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号61に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号62に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号63に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号64に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号65に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号66に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号67に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号68に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号69に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号70に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号73に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号85に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号73に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号86に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号73に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号87に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号74に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号88に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号75に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号88に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号76に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号88に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号77に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号88に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号77に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号89に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号77に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号90に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号78に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号88に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号79に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号88に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号80に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号90に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号81に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号88に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号81に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号89に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号82に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号90に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号83に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号88に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号84に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号90に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号74に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号19に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号55に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号19に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
- 配列番号55に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターは、配列番号90に記載の突然変異型CH3ドメインを含むポリペプチドを発現するベクターとコトランスフェクトした。
【0724】
これらの実験の結果は、ヘテロ二量体が、配列番号19及び配列番号20に記載の、配列番号92及び配列番号93に記載の、配列番号94及び配列番号95に記載の、配列番号96及び配列番号97に記載の、配列番号98及び配列番号99に記載の、配列番号100及び配列番号101に記載の、配列番号102及び配列番号95に記載の、又は配列番号103及び配列番号95に記載の突然変異型CH3ドメインを含むものから選択される鎖A及び鎖B対の共発現時に主に形成されることを示す。
【0725】
これらの実験の結果は、ポリペプチド対が配列番号92及び配列番号93に記載の突然変異型CH3ドメイン又は配列番号94及び配列番号95に記載の突然変異型CH3ドメインを含む場合、ヘテロ二量体形成の傾向の増加も示す。
【0726】
本明細書に記載される実施形態及び実施例は例示であり、請求項の範囲を制限することを意味しない。代替え物、改変物及び均等物を含む前述の実施形態のバリエーションが、請求項によって包含されることを本発明者らは意図する。本出願の引用リストは、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0727】
(参考文献)
【0728】
配列番号1(ヒトIgG1ヒンジ)
EPKSCDKTHTCPPCP
配列番号2(リンカー-HL1)
EPKIPQPQPKPQPQPQPGGSGSAEAAAKAPKAP
配列番号3(可動性リンカー-FL2)
GGGGSGGGGS
配列番号4(可動性リンカー-FL18)
GGGGSGGGGSGGGGS
配列番号5(可動性リンカー-FL4)
GGGGS GGGGSGGGGS GGGGS GGGGS
配列番号6(可動性リンカー-FL5)
GGGGS GGGGSGGGGS GGGGS GGGGS GGGGS
配列番号7(可動性リンカー)
(GGGGS)n 式中nは1~10から選択される整数である
配列番号8(剛性リンカー-RL5)
PAPAPKA
配列番号9(剛性リンカー-RL7)
APAPAPAPAPKA
配列番号10(剛性リンカー-RL12)
APAPAPAPAP APAPAPAPAPKA
配列番号11(剛性リンカー)
(X(PAPAP))nKA 式中nは1~10から選択される整数であり、Xは存在するか又は存在せず、Aである。
配列番号12(らせん状リンカー-RL1)
AEAAAKEAAAKA
配列番号13(らせん状リンカー-RL2)
AEAAAKEAAAKEAAAKA
配列番号14(らせん状リンカー-RL4)
AEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKA
配列番号15(らせん状リンカー)
X(EAAAK)nY 式中nは1から10、より好ましくは2~5から選択される整数であり、X及びYは独立して存在するか又は存在せず、好ましくはAである。
配列番号16 ヒトIgG1定常領域
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号17 代替えヒトIgG1定常領域
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLY SKLT VDK SRW QQGNVF S C S VMHEALHNH YT QK SL SL SPGK
配列番号18 突然変異型ヒトIgG1定常領域(鎖A-突然変異D399N;K370E;E356Q)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号19 突然変異型ヒトIgG1定常領域(鎖B-突然変異D399N;K439E;E357Q)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号20 抗CD3 VHH
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGDIYKSFDMGWYRQAPGKQRDLVAVIGSRGNNR GRTN Y AD S VKGRF TI SRDGT GNT VYLLMNKLRPEDT AI Y Y CNT APL V AGRPW GRGTL V TVSS
配列番号21 抗PD1 VHH
XVQLVESGGGLVQAGKSLRLSCAASGSIFSIHAMGWFRQAPGKEREFVAAITWSGGITY
YEDSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAIYYCAADRAESSWYDYWGQGTQVT
vss
式中XはE又はQである。
配列番号22 抗HEWL VHH
XVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGSTDSIEYMTWFRQAPGKAREGVAALYTHTGNT
YYTDSVKGRFTISQDKAKNMAYLRMDSVKSEDTAIYTCGATRKYVPVRFALDQSSYDY
WGQGTQVTVSS
式中XはE又はQである。
配列番号23 抗4HEM VHH
XVQLVESGGGLVQAGGSLRLSCAASESTFSNYAMGWFRQAPGPEREFVATISQTGSHTY
YRNSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNNMKPEDTAVYYCAAGDNYYYTRTYEYDYWGQ
GTQVTVSS
式中XはE又はQである。
配列番号24 抗PDL1 VHH
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTLDYYAKCWFRQAPGKEREWVSCISSSDGSTY
YADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYFCAARHGGPLTVEYFFDYWGQG
TQVTVSS
配列番号25 (CH2/CH3 IgG4-3)
APEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQFNSTYRVV S VLTVLHQDWLNGKEYKCKV SNKGLPS SIEKTISKAKGQPREPQ V YTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYS KLTVDKSRWQEGNVF SC S VMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号26 (Fc領域IgG4-1)
APEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQFNSTYRVV S VLTVLHQDWLNGKEYKCKV SNKGLPS SIEKTISKAKGQPREPQ V YTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYS RLT VDK SRW QEGNVF S C S VMHE ALHNH YT QK SL SL SLGK
配列番号27 天然ヒトCH3
GQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
配列番号28 代替え天然ヒトCH3
GQPREPQ V YTLPP SRDELTKN Q VSLT CL VKGF YP SDI A VEWE SN GQPENNYKTTPP VLD SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
配列番号29 天然ヒトCH2
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNK ALP APIEKTISK AK
配列番号30 突然変異型CH3ドメイン(鎖A-突然変異D399N;K370E;E356Q)
GQPREPQVYTLPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLN SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
配列番号31 突然変異型CH3ドメイン(鎖B-突然変異D399N;K439E;E357Q)
GQPREPQ V YTLPP SREQMTKN Q VSLT CL VKGF YP SDI A VEWE SN GQPENNYKTTPP VLN SDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号32 ヒトIgG1ヒンジバリアント
EPK S SDKTHT CPPCP
配列番号33 ヒトIgG1ヒンジバリアント
EPK S SDKTHT SPP SP
配列番号34 ヒトIgG1ヒンジバリアント
DKTHTCPPC
配列番号35 ヒトIgG2ヒンジ
ERKCCVECPPCP
配列番号36 ヒトIgG2ヒンジバリアント
ERKSSVECPPCP
配列番号37 ヒトIgG2ヒンジバリアント
ERKSSVESPPCP
配列番号38 ヒトIgG2ヒンジバリアント
ERKSSVESPPSP
配列番号39 ヒトIgG3ヒンジ
ELKTPLGDTTHTCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCP
配列番号40 ヒトIgG3ヒンジバリアント
EPKSSDTPPPCPRCP
配列番号41 ヒトIgG3ヒンジバリアント
EPKSSDTPPPSPRCP
配列番号42 ヒトIgG3ヒンジバリアント
EPKSSDTPPPSPRSP
配列番号43 ヒトIgG4ヒンジ
ESKY GPPCPSCP
配列番号44 ヒトIgG4ヒンジバリアント
ESKY GPPCPPCP
配列番号45 ヒトIgG4ヒンジバリアント
E SKY GPP SP S CP
配列番号46 ヒトIgG4ヒンジバリアント
E SKY GPP SP S SP
配列番号47 ヒトIgG1 Fc領域バリアント
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNK ALP APIEKTISK AKGQPREPQ VYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLY SKLT VDK SRW QQGNVF S C S VMHEALHNH YT QK SL SL SPG
配列番号48 ヒトIgG2 Fc領域
APPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQFNSTFRVV S VLTVVHQDWLNGKEYKCKV SNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQ V YTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDISVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYS KLTVDK SRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYTQKSL SL SPGK
配列番号49 ヒトIgG2バリアント
APPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTK PREEQFNSTFRVV S VLTVVHQDWLNGKEYKCKV SNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQ VY TLPP SREEMTKNQ V SLT CLVKGF YP SDI AVEWESN GQPENNYKTTPPMLD SDGSFFLY SK LT VDK SRW Q Q GN VF S C S VMHEALHNH YT QKSLSLSP GK
配列番号50 ヒトIgG3 Fc領域
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFKWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN STFRVV S VLTVLHQDWLNGKEYKCKV SNKALPAPIEKTISKTKGQPREPQ V YTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESSGQPENNYNTTPPMLDSDGSFFLYS KLTVDKSRWQQGNIFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
配列番号51 シグナルペプチド
MEW S WVFLFFL S VTT GVHS
配列番号52 エピトープタグ
HHHHHH
配列番号53 突然変異型Fc(KB081 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLQSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号54 突然変異型Fc(KB082 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLQSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号55 突然変異型Fc(KB083 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VKTLPPKRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLQSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号56 突然変異型Fc(KB084 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VDTLPPDREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLQSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号57 突然変異型Fc(KB085 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTYPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号58 突然変異型Fc(KB086 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPKREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL
YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号59 突然変異型Fc(KB087 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTHPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号60 突然変異型Fc(KB088 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPWREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号61 突然変異型Fc(KB089 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPMRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号62 突然変異型Fc(KB090 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYT YPPSREQMTKN Q V SLT CL VKGF YP SDI AVEWESN GQPENNYKTTPP VLN SDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号63 突然変異型Fc(KB091 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ V YTLPP SKQEMTKN Q VSLT CL VEGFYP SDI AVEWESN GQPENNYKTTPP VLN SD GSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号64 突然変異型Fc(KB092 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VRTLPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号65 突然変異型Fc(KB093 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPKRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号66 突然変異型Fc(CKB094 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYLLPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号67 突然変異型Fc(KB095 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYILPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFLY SKLT VDK SRW QQGNVF S C S VMHE ALHNH YT QK SL SL SPGK
配列番号68 突然変異型Fc(KB096 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYILPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFLY SKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号69 突然変異型Fc(KB097 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYLLPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL
YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号70 突然変異型Fc(KB098 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ V YTLPP S WEQMTKN Q VSLT CL VKGF YP SDI A VEWE SN GQPENNYKTTPP VLN SDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号71 突然変異型Fc(KB099 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYVLPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号72 突然変異型Fc(KB100 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYVLPPSREQMTKN Q V SLT CL VKGF YP SDI AVEWESN GQPENNYKTTPP VLN SDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号73 突然変異型Fc(KB101 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTNPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号74 突然変異型Fc(KB102 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLYPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号75 突然変異型Fc(KB103 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLVPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号76 突然変異型Fc(KB104 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ
V YTLTP SRQEMTKN Q VSLT CL VEGF YP SDI A VEWESN GQPENNYKTTPP VLN SD GSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号77 突然変異型Fc(KB105 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLRPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号78 突然変異型Fc(KB106 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ
V YTLLP SRQEMTKN Q VSLT CL VEGF YP SDI A VEWESN GQPENNYKTTPP VLN SD GSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号79 突然変異型Fc(KB107 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLGPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号80 突然変異型Fc(KB108 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ
V YTLEP SRQEMTKN Q VSLT CL VEGF YP SDI A VEWESN GQPENNYKTTPP VLN SD GSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号81 突然変異型Fc(KB109 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLCPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号82 突然変異型Fc(KB110 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTWPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号83 突然変異型Fc(KB111 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTTPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号84 突然変異型Fc(KB112 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTAPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号85 突然変異型Fc(KB113 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTIPVLNSDGSFFLY SKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号86 突然変異型Fc(KB114 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQ YN ST YRV V S VLT VLHQDWLN GKEYKCK V SNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTGPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号87 突然変異型Fc(KB115 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTEPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号88 突然変異型Fc(KB116 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLKPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号89 突然変異型Fc(KB117 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ VYTLDPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNSDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号90 突然変異型Fc(KB118 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ V YTRPP SREQMTKN Q VSLT CL VKGF YP SDI A VEWE SN GQPENN YKTTPP VLN SDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号91 突然変異型Fc(KB119 Fc)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKT KPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALP APIEKTISKAKGQPREPQ
VYTDPPSREQMTKN Q V SLT CL VKGF YP SDI AVEWESN GQPENNYKTTPP VLN SDGSFFL YSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号92 KB083鎖Aの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399Q;K370E;E356Q,Y349K,S354K)
GQPREPQVKTLPPKRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLQ SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
配列番号93 KB084鎖Bの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399Q;K439E;E357Q,Y349D,S354D)
GQPREPQVDTLPPDREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLQ
SDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号94 KB110鎖Aの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K370E;E356Q,L351W)
GQPREPQVYTWPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLN SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
配列番号95 KB118鎖Bの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K439E;E357Q,L351R)
GQPREPQ VYTRPP SREQMTKN Q V SLT CL VKGF YP SDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLN SDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号96 KB089鎖Aの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K370E;E356Q,S354M)
GQPREPQVYTLPPMRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLN SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
配列番号97 KB090鎖Bの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K439E;E357Q,L351Y)
GQPREPQVYTYPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLN
SDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号98 KB095鎖Aの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K370E;E356Q,T350I)
GQPREPQVYILPPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLNS DGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号99 KB096鎖Bの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K439E;E357Q,T350I)
GQPREPQ V YILPP SREQMTKN Q VSLT CL VKGF YP SDI A VEWE SN GQPENNYKTTPP VLN SDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号100 KB099鎖Aの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K370E;E356Q,T350V)
GQPREPQ VYVLPP SRQEMTKN Q V SLTCL VEGF YP SDI A VEWE SN GQPENNYKTTPP VLN SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
配列番号101 KB100鎖Bの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K439E;E357Q,T350V)
GQPREPQVYVLPPSREQMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLN
SDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQESLSLSPGK
配列番号102 KB105鎖Aの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K370E;E356Q,P352R)
GQPREPQ VYTLRP SRQEMTKN Q V SLTCL VEGF YP SDI A VEWE SN GQPENNYKTTPP VLN SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
配列番号103 KB108鎖Aの突然変異型CH3ドメイン(突然変異D399N;K370E;E356Q,P352E)
GQPREPQVYTLEPSRQEMTKNQVSLTCLVEGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLN SDGSFFL Y SKLTVDKSRWQQGNVF SC S VMHEALHNHYT QKSL SL SPGK
図1
図2
図3A)】
図3B)】
図3C)】
図4A)】
図4B)】
図5A)】
図5B)】
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【配列表】
2023507033000001.app
【国際調査報告】