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特表2023-507035複数のアトマイザーを含むエアロゾル発生器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】複数のアトマイザーを含むエアロゾル発生器
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/05 20200101AFI20230213BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20230213BHJP
【FI】
A24F40/05
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538380
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2020082667
(87)【国際公開番号】W WO2021129986
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】19219432.2
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】ディットマン レアンデル
(72)【発明者】
【氏名】エメット ロバート
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA12
4B162AB01
4B162AB14
4B162AC18
4B162AC27
4B162AC34
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(300)用のエアロゾル発生器(200)、および、エアロゾル発生器(200)であって、複数の表面音響波アトマイザー(202、203)と供給要素(205)とを含むエアロゾル発生装置(200)、を含む、エアロゾル発生装置(300)。各表面音響波アトマイザー(202、203)は、活性表面(208、213)を含む基体(206、211)と、基体(206、211)の活性表面(208、213)上に表面音響波を生成するための、基体(206、211)の活性表面(208、213)上に位置付けられた少なくとも一つの変換器(207、212)とを含む。噴霧領域(204)は、複数の表面音響波アトマイザー(202、203)の基体(206、211)の間に画定される。供給要素(205)は、噴霧領域(204)に液体エアロゾル形成基体を供給するように配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生器であって、前記エアロゾル発生器が、
複数の表面音響波アトマイザーであって、各表面音響波アトマイザーが、
活性表面を含む基体、および
前記基体の前記活性表面上に表面音響波を生成するための、前記基体の前記活性表面上に位置する少なくとも一つの変換器と、を含む、複数の表面音響波アトマイザーと、
前記複数の表面音響波アトマイザーの前記基体の間に画定される噴霧領域と、および
前記噴霧領域に液体エアロゾル形成基体を供給するように配置された供給要素と、を含む、エアロゾル発生器。
【請求項2】
前記複数の表面音響波アトマイザーの前記基体が互いに当接して、前記基体によって囲まれた開口部を画定し、前記開口部が前記噴霧領域を形成する、請求項1に記載のエアロゾル発生器。
【請求項3】
前記少なくとも一つの変換器の各々が、前記開口部に向かう方向に表面音響波を生成するように配置される、請求項2に記載のエアロゾル発生器。
【請求項4】
前記基体の各々が平面形状を有する、請求項2または3に記載のエアロゾル発生器。
【請求項5】
前記複数の表面音響波アトマイザーの前記基体が、共通の平面に配置される、請求項4に記載のエアロゾル発生器。
【請求項6】
前記複数の表面音響波アトマイザーの前記基体が、互いに非同一の平面配置で位置付けられる、請求項4に記載のエアロゾル発生器。
【請求項7】
前記複数の表面音響波アトマイザーの前記基体が、多面体形状を形成するように配置される、請求項4に記載のエアロゾル発生器。
【請求項8】
前記複数の表面音響波アトマイザーが、少なくとも三つの表面音響波アトマイザーを含む、請求項2~7のいずれかに記載のエアロゾル発生器。
【請求項9】
前記基体の各々が、二等辺台形角柱形状を有する、請求項8に記載のエアロゾル発生器。
【請求項10】
前記基体の前記活性表面の各々が、二等辺台形形状を有し、各前記二等辺台形形状の最も短い端が、前記開口部を共に画定する、請求項9に記載のエアロゾル発生器。
【請求項11】
各前記基体の端部が前記開口部を部分的に画定し、各端部が正方形の輪郭、丸い輪郭、三角形の輪郭、または傾斜した輪郭を有する、請求項2~10のいずれかに記載のエアロゾル発生器。
【請求項12】
前記供給要素が、前記噴霧領域内に延在する細長い芯を含む、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生器。
【請求項13】
前記基体の各々が、前記活性表面と反対側の不活性表面を含み、前記供給要素が、前記基体のうちの少なくとも一つの前記不活性表面に形成された溝を含み、前記溝が、前記噴霧領域と流体連通する端部を有する、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生器。
【請求項14】
前記複数の表面音響波アトマイザーが、第一の基体を含む第一の表面音響波アトマイザーと第二の基体を含む第二の表面音響波アトマイザーとを含み、前記第一の基体が、前記第一の基体および前記第二の基体の前記不活性表面が互いに接触するように前記第二の基体を覆い、前記供給要素が、前記第一の基体の前記不活性表面に形成された第一の溝と前記第二の基体の前記不活性表面に形成された第二の溝とを含み、前記第一の溝および前記第二の溝が、互いに重なり合い前記噴霧領域と流体連通するチャネルを形成する、請求項13に記載のエアロゾル発生器。
【請求項15】
エアロゾル発生装置であって、
請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生器と、
各表面音響波アトマイザーの前記少なくとも一つの変換器を制御するための制御装置と、
電源と、および
液体エアロゾル形成基体を受容するための液体貯蔵部分であって、前記供給要素が前記液体貯蔵部分から前記噴霧領域に液体エアロゾル形成基体を供給するように配置される、液体貯蔵部分と、を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項16】
装置ハウジングをさらに備え、前記エアロゾル発生器が前記装置ハウジング内に位置付けられ、前記装置ハウジングが、前記噴霧領域の上流に位置付けられた少なくとも一つの空気入口と、前記噴霧領域の下流に位置付けられた少なくとも一つの空気出口とを画定する、請求項15に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記エアロゾル発生器が、前記装置ハウジング内に配設され、前記平面基体のうちの少なくとも一つと前記装置ハウジングの一部との間に延在する気流経路を画定する、請求項6または7に従属する場合の、請求項16に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生器に関し、エアロゾル発生器は、各々、複数の表面音響波アトマイザーおよび供給要素を含む。本開示はまた、エアロゾル発生器を備えるエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生システムは、当技術分野で公知である。典型的には、このようなエアロゾル発生システムでは、エアロゾルは、エアロゾル発生装置のエアロゾル発生器からエアロゾル形成基体へのエネルギーの伝達によって生成される。例えば、公知のエアロゾル発生装置は、液体エアロゾル形成基体を加熱および気化するように配置されたヒーターを含む。
【0003】
効率性および柔軟性のためにコンパクトで最適化されたエアロゾル発生装置のエアロゾル発生器を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第一の態様によれば、エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生器が提供され、エアロゾル発生器は、複数の表面音響波アトマイザーおよび供給要素を含む。各表面音響波アトマイザーは、活性表面を含む基体と、基体の活性表面上に表面音響波を生成するために基体の活性表面上に位置する少なくとも一つの変換器とを含む。噴霧領域は、複数の表面音響波アトマイザーの基体の間に画定される。供給要素は、液体エアロゾル形成基体を噴霧領域に供給するように配置されている。
【0005】
用語「表面音響波」は、本明細書では、レイリー波、ラム波、およびラブ波を含むために使用される。
【0006】
有利には、表面音響波アトマイザーを使用して液体エアロゾル形成基体を噴霧することは、電気ヒーターなどの他の公知のエアロゾル発生器と比較して、噴霧プロセスの改善された制御を提供する。言い換えれば、本開示によるエアロゾル発生器の表面音響波アトマイザーは、信頼できる一定量の霧化液体エアロゾル形成基体を提供する。
【0007】
有利なことに、液体エアロゾル形成基体を噴霧するために表面音響波アトマイザーによって必要とされる電力は、電気ヒーターなどの公知のエアロゾル発生器を使用して同量の液体エアロゾル形成基体を噴霧するために必要な電力よりも少ない。
【0008】
有利には、複数の表面音響波アトマイザーを提供することによって、液体エアロゾル形成基体の噴霧化の制御が改善され得る。有利には、単一の噴霧領域に向けられた複数の表面音響波アトマイザーを提供することは、表面音響波が送達される噴霧領域の面積を増大させ得る。言い換えれば、単一の噴霧領域に向けられた複数の表面音響波アトマイザーを提供することによって、液体エアロゾル形成基体が噴霧領域内で噴霧される面積を増大させ得る。
【0009】
複数の表面音響波アトマイザーは、表面音響波を、異なる方向から噴霧領域に向けることを可能にする。複数の表面音響波アトマイザーは、第一の方向に表面音響波を生成するように構成された第一の表面音響波アトマイザー、および第二の方向に表面音響波を生成するように構成された第二の表面音響波アトマイザーを備えてもよく、第二の方向は第一の方向とは異なる。特に、異なる方向から、単一の噴霧領域に表面音響波を向けるように構成された複数の表面音響波アトマイザーを提供することによって、表面音響波が送達される噴霧領域の面積を増大させ得る。有利なことに、異なる方向から、単一の噴霧領域に向けられた複数の表面音響波アトマイザーを提供することは、表面音響波を受け取らない噴霧領域の領域に液体エアロゾル形成基体が供給されるのを防ぐのに役立つ場合がある。
【0010】
一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーは、異なる特性を有する表面音響波を、噴霧領域に向けることを可能にし得る。これにより、単一の液体供給を有する単一のエアロゾル発生器が、異なる特性を有する液体エアロゾル形成基体からエアロゾルを生成するように最適化され得る。
【0011】
噴霧領域は、複数の表面音響波アトマイザーの各々に対して共通の噴霧領域であり、複数の表面音響波アトマイザーの基体の間に画定される。複数の表面音響波アトマイザーの各々は、表面音響波が噴霧領域の方向に向くように配置される。
【0012】
有利なことに、共通の噴霧領域を提供することは、複数の表面音響波アトマイザーの各々のサイズ、およびエアロゾル発生器の全体サイズを低減または最小化し得る。有利なことに、共通の噴霧領域を提供することは、エアロゾル発生器を含むエアロゾル発生装置の設計および製造を単純化し得る。例えば、共通の噴霧領域を提供することは、エアロゾル発生装置を通る単純な気流路を容易にし得る。
【0013】
エアロゾル発生器は、複数の表面音響波アトマイザーを含む。エアロゾル発生器は、任意の適切な数の表面音響波アトマイザーを含んでもよい。例えば、エアロゾル発生器は、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、または九つの表面音響波アトマイザーを含んでもよい。複数の表面音響波アトマイザーは、少なくとも二つの表面音響波アトマイザーを含み得る。複数の表面音響波アトマイザーは、少なくとも三つの表面音響波アトマイザーを含み得る。複数の表面音響波アトマイザーは、二つの表面音響波アトマイザーから構成されてもよい。複数の表面音響波アトマイザーは、三つの表面音響波アトマイザーから構成されてもよい。
【0014】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生器は、偶数の表面音響波アトマイザーを含む。エアロゾル発生器が偶数の表面音響波アトマイザーを含む場合、表面音響波アトマイザーは、対向する表面音響波アトマイザーの対で提供されてもよい。対向する表面音響波アトマイザーの対は、噴霧領域に向かって第一の方向に表面音響波を向けるように配置された第一の表面音響波アトマイザー、および噴霧領域に向かって第二の方向に表面音響波を向けるように配置された第二の表面音響波アトマイザーを備えてもよく、第二の方向は第一の方向に対して平行でかつ対向する。
【0015】
表面音響波アトマイザーの以下の好ましい特徴および任意の特徴は、本開示の表面音響波アトマイザーに適用されうる。
【0016】
複数の表面音響波アトマイザーの各々は、活性表面を含む基体と、基体の活性表面上に表面音響波を生成するために基体の活性表面上に位置する少なくとも一つの変換器とを含む。
【0017】
基体は、基体材料から形成される。基体は、圧電材料であってもよい。基体は、結晶性材料を含んでもよい。基体材料は、単結晶材料を含み得る。基体材料は、多結晶材料を含み得る。基体材料は、石英、セラミック、チタン酸バリウム(BaTiO3)、およびニオブ酸リチウム(LiNbO3)のうちの少なくとも一つを含み得る。セラミックは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含んでもよい。セラミックは、Ni、Bi、La、Nd、またはNbイオンなどのドーピング材料を含んでもよい。基体材料は偏光されてもよい。基体材料は、偏光されなくてもよい。基体材料は、偏光および非偏光材料の両方を含み得る。
【0018】
一部の実施形態では、基体材料は、非結晶性ベース材料を含み得る。非結晶性ベース材料は、圧電材料が堆積され得る任意の材料を含み得る。非結晶性ベース材料は、高分子材料を含み得る。非結晶性ベース材料は、可撓性フィルムなどの可撓性または屈曲可能な材料を含み得る。可撓性または屈曲可能な非結晶性ベース材料は、プラスチック材料などの任意の適切な材料から形成されうる。圧電材料のナノ結晶またはマイクロ結晶は、非結晶性ベース材料上に堆積されるか、またはそうでなければ固定され得る。圧電材料のナノ結晶またはマイクロ結晶は、圧電特性を呈する任意の材料を含み得る。例えば、圧電材料は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、窒化アルミニウム(AIN)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、およびニオブ酸リチウム(LiNbO3)のうちの一つ以上を含み得る。例えば、非結晶性ベース材料は、酸化亜鉛(ZnO)のナノ結晶またはマイクロ結晶を含み得る。一部の実施形態では、圧電材料の可撓性フィルムは、非結晶性ベース材料に堆積され得る。一部の実施形態では、単結晶性圧電材料の可撓性フィルムは、非結晶性ベース材料に堆積され得る。例えば、圧電材料は、フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含んでもよい。基体材料は、非結晶性ベース材料の可撓性フィルムと、非結晶性ベース材料に堆積されたフッ化ポリビニリデン(PVDF)の可撓性フィルムとを含み得る。フッ化ポリビニリデン(PVDF)の可撓性フィルムは、単結晶であってもよい。
【0019】
有利には、基体材料に非結晶性ベース材料、特に可撓性または曲げ可能な非結晶性ベース材料を提供することにより、基体が湾曲したまたは折曲げられた形状で形成され得る。
【0020】
基体は、表面処理を含んでもよい。表面処理は、基体の活性表面に適用されてもよい。表面処理は、コーティングを含んでもよい。コーティングは、疎水性材料を含んでもよい。コーティングは、親水性材料を含んでもよい。コーティングは、疎油性材料を含んでもよい。コーティングは、親油性材料を含んでもよい。
【0021】
一部の好ましい実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの各々は、同じ基体材料を含み得る。一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つは、複数の表面音響波アトマイザーの別の一つとは異なる基体材料を含む。
【0022】
基体は任意の適切な形状を有しうる。一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つは、複数の音響波アトマイザーの別の一つとは異なる形状を有する基体を含む。一部の好ましい実施形態では、基体の各々は、同じ形状を有する。
【0023】
基体は、平面形状を有してもよい。言い換えれば、基体は概して一つの平面に延在してもよい。一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つは、平面形状を有する基体を含む。一部の好ましい実施形態では、基体の各々は平面形状を有する。
【0024】
基体は、非平面形状を有してもよい。言い換えれば、基体は、異なる平面に延在するセクションを有してもよい。一部の実施形態では、基体は湾曲した形状を有してもよい。一部の実施形態では、基体は、第一の平面に延在する第一のセクション、および第二の平面に延在する第二のセクションを有してもよく、第二の平面は、第一の平面と平行ではない。
【0025】
一部の実施形態では、表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つは、平面形状を有する基体を含み、表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つは、非平面形状を有する基体を含む。一部の実施形態では、表面音響波アトマイザーの各々は、平面形状を有する基体を含む。一部の実施形態では、表面音響波アトマイザーの各々は、非平面形状を有する基体を含む。
【0026】
基体は、円筒形状または多面体形状を有してもよい。基体は、円筒形状、楕円形の円筒形状、立方体形状、角柱形状、三角角柱形状、台形角柱形状、または二等辺台形角柱形状を有し得る。一部の好ましい実施形態では、基体の各々は、二等辺台形プリズムの形状を有する。
【0027】
基体は、その上で表面音響波が生成される活性表面を含む。活性表面は、平面であってもよい。活性表面は、非平面表面であってもよい。一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面のすべては、平面の活性表面である。一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面のすべては、非平面の活性表面である。一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面の一部は、平面の活性表面であり、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面の一部は、非平面状の活性表面である。
【0028】
活性表面は、任意の適切な形状を有してもよい。活性表面は、円形形状、楕円形状、または任意の適切な多角形の形状を有してもよい。活性表面は、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、または台形形状を有してもよい。一部の好ましい実施形態では、活性表面は、二等辺台形の形状を有する。
【0029】
一部の好ましい実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの各基体の活性表面は、同じ形状を有する。一部の実施形態では、表面音響波アトマイザーの少なくとも一つは、他の表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つの基体の活性表面の形状とは異なる形状を有する活性表面を有する基体を含む。
【0030】
基体が結晶性材料を含む場合、基体の活性表面は、結晶性材料の格子面によって画定されてもよい。
【0031】
複数の表面音響波アトマイザーの基体は、任意の適切な配置で配置されてもよい。
【0032】
一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの基体は、離間していてもよい。言い換えれば、隙間または空間が、隣接する表面音響波アトマイザーの間に提供されてもよい。
【0033】
好ましくは、複数の表面音響波アトマイザーの基体は互いに隣接している。言い換えれば、好ましくは、複数の表面音響波アトマイザーの基体は、互いに接触している。複数の表面音響波アトマイザーは、互いに直接接触してもよい。複数の表面音響波アトマイザーは、互いに間接的に接触してもよい。複数の表面音響波アトマイザーの基体が互いに隣接する場合、基体は互いに接続されてもよい。例えば、基体は一緒に固定されてもよい。基体は、接着剤によって一緒に固定されてもよい。隣接する基体が接着剤によって一緒に固定される場合、隣接する基体は、基体間の接着剤の層を介して間接的に互いに接触する。
【0034】
基体は、開口部を画定するように配置されてもよい。好ましくは、複数の表面音響波アトマイザーの基体は、基体によって囲まれた開口部を画定するために互いに隣接する。基体によって囲まれた開口部は、噴霧領域にあることが好ましい。一部の実施形態では、基体によって囲まれた開口部は、噴霧領域を形成し得る。
【0035】
各々の基体が平面状の活性表面を有する一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面は、共通の平面に位置付けられる。有利には、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面を共通の平面に位置付けることは、エアロゾル発生器の製造を単純化し得る。
【0036】
基体の各々が平面状の活性表面を有する一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面は、互いに対して非同一平面配置で位置付けられる。有利には、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面を互いに非同一平面関係に位置付けることにより、エアロゾル発生器をコンパクトにすることができる。有利には、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面を互いに非同一平面関係に位置付けることにより、液体供給を収容する、または気流通路を提供するために、基体間に空間またはボリュームを提供しうる。有利には、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面を互いに非同一平面関係に位置付けることにより、活性表面上の気流を制御することが可能となり得る。
【0037】
各々の基体が平面状の活性表面を有するいくつかの好ましい実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの基体は、多面体形状を形成するように配置される。有利には、複数の表面音響波アトマイザーの基体を多面体形状に配設することで、エアロゾル発生器をコンパクトにすることができる。
【0038】
複数の表面音響波アトマイザーの基体が互いに隣接して基体によって囲まれた開口部を画定する一部の好ましい実施形態では、開口部は噴霧領域を形成する基体によって囲まれ、複数の表面音響波アトマイザーが少なくとも三つの表面音響波アトマイザーを含む。複数の表面音響波アトマイザーが少なくとも三つの表面音響波アトマイザーを含む一部の好ましい実施形態では、基体の各々は、二等辺台形角柱形状を有してもよい。
【0039】
複数の表面音響波アトマイザーが少なくとも三つの表面音響波アトマイザーを備え、かつ各基体が二等辺台形角柱形状を有する、一部の特に好ましい実施形態では、活性表面は、二等辺台形形状を有してもよく、各々の平面の二等辺台形形状の最も短い端は共に開口部を画定してもよい。これらの特に好ましい実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの基体の活性表面は、複数の表面音響波アトマイザーが先端を切り取られたピラミッド形状を形成するように、非同一平面配置で配置されてもよい。複数の表面音響波アトマイザーが先端を切り取られたピラミッド形状を形成する場合、噴霧領域は、先端が切り取られたピラミッドの狭い端部に位置付けられうる。複数の表面音響波アトマイザーが、先端を切り取られたピラミッド形状を形成し、基体が開口部を形成するように配置される場合、開口部は、先端が切り取られたピラミッドの狭い端部に位置付けられうる。
【0040】
有利なには、複数の表面音響波アトマイザーの基体を実質的に先端が切り取られたピラミッド形状に配列することは、エアロゾル発生器をコンパクトにすることを可能にし得る。
【0041】
一部の実施形態では、基体は、可撓性のあるまたは屈曲可能な材料を含み得る。これらの実施形態では、基体は、曲がった、または湾曲した形状に形成されうる。基体が曲がったまたは湾曲した形状に形成される場合、複数の表面音響波アトマイザーは、円筒または円錐の形態で配置されうる。
【0042】
複数の表面音響波アトマイザーの基体が互いに隣接して、基体によって囲まれた開口部を画定する実施形態では、噴霧領域を形成する基体によって囲まれた開口部は、各々の基体の端部が開口部を部分的に画定し得る。各端部は、任意の適切な輪郭を有してもよい。例えば、各端部は、正方形の輪郭、丸い輪郭、三角形の輪郭、または傾斜した輪郭のうちの一つを有してもよい。有利には、各端部に丸い、三角形、または傾斜した輪郭を提供することは、液体エアロゾル形成基体の噴霧領域への送達を促進し得る。
【0043】
好ましくは、少なくとも一つの変換器の各々は、噴霧領域に向かう方向に表面音響波を生成するように配置される。基体が開口部を画定するように配置される場合、好ましくは、少なくとも一つの変換器の各々は、開口部に向かう方向に表面音響波を生成するように配置される。
【0044】
少なくとも一つの変換器は、複数の電極を含む交差指形変換器を備えてもよい。少なくとも一つの変換器は、差しはさまれた配列の電極を含む交差指形変換器を備えてもよい。好ましくは、複数の電極は相互に実質的に平行であることが好ましい。好ましくは、交差指形変換器は、第一の電極配列と、第一の電極配列と差しはさまれた第二の電極配列とを備える。第一の電極配列は、第二の電極配列と実質的に平行であることが好ましい。
【0045】
変換器は、実質的に直線状の波面を有する表面音響波を生成するように構成されうる。変換器が複数の電極を含む交差指形変換器である実施形態では、各電極は実質的に直線状であってもよい。
【0046】
変換器は、湾曲波面を有する表面音響波を生成するように構成されうる。変換器が複数の電極を含む交差指形変換器である実施形態では、各電極は湾曲していてもよい。変換器は、凸波面を有する表面音響波を生成するように構成されうる。好ましくは、変換器は、凹波面を有する表面音響波を生成するように構成されてもよい。有利なことに、凹面波面は、集束効果を提供しうる。言い換えれば、凹波面は、生成された表面音響波を、変換器よりも小さい噴霧領域に向かって集束させうる。有利には、生成された表面音響波を集束させることは、エネルギーが噴霧領域において液体エアロゾル形成基体に送達される速度を増加させ得る。
【0047】
交差指形変換器の差しはさまれた電極の配列は、一方向に延在する対称軸を含む対称形状を有してもよい。
【0048】
基体が結晶性材料を備え、基体の活性表面が結晶性材料の格子面によって画定され得る場合、差しはさまれた電極の配列の対称軸の方向は、格子面の格子ベクトルと整列され得る。有利には、差しはさまれた電極の配列の対称軸の方向を、基体の格子面の格子ベクトルと整列させることは、所望の形状を有する音響波面の生成を促進し得る。所望の形状は、対称形状であってもよい。
【0049】
少なくとも一つの変換器は、単方向変換器または双方向変換器であってもよい。一部の好ましい実施形態では、少なくとも一つの変換器は単相単方向変換器である。
【0050】
少なくとも一つの変換器は、単一の変換器であってもよい。少なくとも一つの変換器は、複数の変換器であってもよい。表面音響波アトマイザーが複数の変換器を備える実施形態では、好ましくは、各変換器は、変換器によって生成される表面音響波が噴霧領域に向かって移動するように、基体の活性表面上に配置される。
【0051】
各表面音響波アトマイザーは、任意の適切な数の変換器を含んでもよい。例えば、表面音響波アトマイザーは、一つ、二つ、三つ、または四つの変換器を含んでもよい。好ましくは、各表面音響波アトマイザーは、同じ数の変換器を含む。表面音響波アトマイザーは、異なる数の変換器を含んでもよい。
【0052】
表面音響波アトマイザーが複数の変換器を含む場合、好ましくは、複数の変換器の各々は同一である。しかしながら、一部の実施形態では、複数の変換器を含む表面音響波アトマイザーは、異なる変換器を含み得る。
【0053】
表面音響波アトマイザーが複数の変換器を備える実施形態では、各変換器は、インピーダンス整合構成要素を含んでもよい。インピーダンス整合構成要素を提供することは、変換器の負荷インピーダンスが互いに著しく異なる場合に有利であり得る。インピーダンス整合構成要素を提供することは、変換器の負荷インピーダンスが、変換器に提供される駆動信号を生成する制御装置のソースインピーダンスに対して著しく異なる場合に有利であり得る。
【0054】
表面音響波アトマイザーが複数の変換器を備える実施形態では、変換器は直列に接続されてもよい。表面音響波アトマイザーが複数の変換器を備える実施形態では、変換器は並列に接続されてもよい。
【0055】
噴霧領域は、複数の表面音響波アトマイザーの基体の間に画定される。複数の表面音響波アトマイザーの各々は、表面音響波が噴霧領域の方向に向くように配置される。基体が開口部を画定するように配置される場合、開口部は、噴霧領域内に配置されてもよい。一部の実施形態では、開口部は、噴霧領域を画定しうる。好ましくは、少なくとも一つの変換器の各々は、開口部に向かう方向に表面音響波を生成するように配置される。
【0056】
エアロゾル発生器は供給要素を備えてもよい。供給要素は、液体エアロゾル形成基体を噴霧領域に供給するように配置されている。基体が開口部を画定するように配置される場合、供給要素は開口部に配置されてもよい。
【0057】
供給要素は、液体エアロゾル形成基体を噴霧領域に供給することができる任意の適切なタイプの供給要素を含み得る。
【0058】
供給要素は、細長いチャネルまたは細長い芯のうちの少なくとも一つを含み得る。一部の好ましい実施形態では、供給要素は、噴霧領域内に延在する細長い芯を含む。
【0059】
供給要素は、複数の表面音響波アトマイザーの少なくとも一つの基体を少なくとも部分的に通って延在するチャネルを含み得る。チャネルは、複数の表面音響波アトマイザーの少なくとも一つの基体の不活性表面上の入口と、噴霧領域の出口との間に延在してもよい。これらの実施形態では、基体の活性表面は、不活性表面に向かう方向に、噴霧領域においてまたはその周りで湾曲、傾斜、または角度を持っていてもよい。有利には、活性表面を、噴霧領域においてまたはその周りで、不活性表面に向かって湾曲または角度付けすることは、表面音響波の出口への送達を促進しうる。
【0060】
一部の好ましい実施形態では、基体の各々は、活性表面と反対側の不活性表面を含む。これらの実施形態では、供給要素は、少なくとも一つの基体の不活性表面内に形成された溝を備えてもよく、溝は、噴霧領域と流体連通する端部を有する。
【0061】
一部の特に好ましい実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーは、第一の基体を含む第一の表面音響波アトマイザーと、第二の基体を含む第二の表面音響波アトマイザーとを含む。これらの好ましい実施形態では、第一の基体チャネルは噴霧領域と流体連通する。これらの特に好ましい実施形態では、第一および第二の溝は、相補的な形状を有してもよい。
【0062】
供給要素は、噴霧領域への液体エアロゾル形成基体の流れを制御するように配置された流れ制御要素を含み得る。供給要素がチャネルを備える実施形態では、好ましくは、第一の流れ制御要素は、チャネルの入口を通るエアロゾル形成基体の流れを制御するように配置される。
【0063】
流れ制御要素は、少なくとも一つの不活性要素を含んでもよい。少なくとも一つの不活性要素は、細長い管および細長い芯のうちの少なくとも一つを含み得る。
【0064】
流れ制御要素は、少なくとも一つの活性要素を含んでもよい。少なくとも一つの活性要素は、マイクロポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプ、および電気浸透ポンプのうちの少なくとも一つを含み得る。
【0065】
好ましくは、制御装置は、流れ制御要素に流れ信号を提供して、液体エアロゾル形成基体の共通噴霧領域への流れを可能にするように構成される。制御装置は、第一の液体エアロゾル形成基体の流れを無効化するために、制御要素に停止信号を提供するように構成されてもよい。
【0066】
エアロゾル発生器は、制御装置を備えてもよい。好ましくは、制御装置は、基体の活性表面上に表面音響波を生成するために、複数の表面音響波アトマイザーのそれぞれの少なくとも一つの変換器に駆動信号を提供するように構成される。複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に駆動信号を提供するために、制御装置は、駆動信号を生成するように構成された信号発生器と、信号発生器によって生成される駆動信号を増幅するように構成されたアンプとを備えてもよく、その結果、増幅された駆動信号が少なくとも一つの変換器に供給され得る。
【0067】
表面音響波アトマイザーが直列に接続された複数の変換器を備え、制御装置がアンプおよび信号発生器を備える実施形態では、信号発生器によって生成される駆動信号は、アンプによって増幅され、直列に接続された複数の変換器の各々に供給されてもよい。
【0068】
表面音響波アトマイザーが並列に接続された複数の変換器を備え、制御装置がアンプおよび信号発生器を備える実施形態では、信号発生器によって生成される駆動信号は、アンプによって増幅され、並列に接続された複数の変換器の各々に供給されてもよい。
【0069】
制御装置は、複数の表面音響波アトマイザーのそれぞれの少なくとも一つの変換器に同じ駆動信号を提供するように構成されうる。制御装置は、異なる駆動信号を、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に提供するように構成されうる。有利には、複数の表面音響波アトマイザーのそれぞれの少なくとも一つの変換器に異なる駆動信号を提供することによって、エアロゾル発生器が、発生器によって生成されたエアロゾルの特性を変化させることが可能になり、エアロゾル発生器が、異なる液体エアロゾル形成基体を蒸発させるために最適化されることが可能になりうる。
【0070】
制御装置が、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に同じ駆動信号を提供するように構成される場合、スプリッターは、制御装置と複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器との間に配置されて、駆動信号を複数のチャネルに分割し、各チャネルが少なくとも一つの変換器のうちの一つのみに接続されてもよい。スプリッターの使用は、複数のチャネルの各々に対するスプリッターの出力が、各チャネルの負荷特性から独立しているという点で有益であり得る。これは、少なくとも一つの変換器のうちの一つが機能不全であったとしても、残りの変換器への駆動信号の提供を、同じ条件下で維持できるという点で有利であり得る。
【0071】
制御装置が信号発生器およびアンプを備える場合、スプリッターは、アンプと複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器との間に配置されてもよい。これにより、制御装置が同一の駆動信号を提供する実施形態においても、増幅された信号が少なくとも一つの変換器の各々に提供されることを可能にし得る。
【0072】
制御装置は、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に同時に駆動信号を提供するように構成されうる。有利には、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に駆動信号を同時に提供することで、噴霧領域における液体エアロゾル形成基体の最適化された噴霧を提供し、制御装置の容易なプログラミングを可能にしうる。
【0073】
制御装置は、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に駆動信号を連続して提供するように構成されうる。言い換えれば、制御装置は、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に、次々と駆動信号を提供するように構成されうる。有利には、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に駆動信号を連続して提供することにより、エアロゾル発生器が経時的に発生装置によって生成されるエアロゾルの特性を変化させることを可能にし得る。
【0074】
制御装置が、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に駆動信号を連続して提供するように構成されるとき、制御装置は、駆動信号が提供される少なくとも一つの変換器の変換器を選択するように構成されたスイッチを備えてもよい。制御装置は、信号源を備えてもよい。信号源は、駆動信号の周波数を決定するように構成されてもよい。信号源は、スイッチの位置に応じて駆動信号の周波数を決定しうる。換言すれば、駆動信号の周波数は、駆動信号が提供される変換器の特性に適合され得る。
【0075】
スイッチは、1ミリ秒未満でその位置を変えるように構成されうる。これにより、短い時間間隔内でも少なくとも一つの変換器の連続的な動作が可能になり、所与の期間にわたり、より特有な性質を有するエアロゾルの生成を可能にし得る。
【0076】
制御装置は、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器にそれぞれ駆動信号を提供するように構成されうる。言い換えれば、制御装置は、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に駆動信号を選択的に提供するように構成されうる。有利には、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に駆動信号を提供することによって、エアロゾル発生器を異なる液体エアロゾル形成基体と使用することが可能になり、各表面音響波アトマイザーは、異なる液体エアロゾル形成基体を気化するように最適化される。
【0077】
一部の実施形態では、エアロゾル発生器は、複数の制御装置を含む。一部の実施形態では、各表面音響波アトマイザーは、少なくとも一つの変換器に駆動信号を提供するように構成された制御装置を含む。
【0078】
エアロゾル発生器が複数の制御装置を備える実施形態では、各制御装置は、少なくとも一つの変換器のうちの一つにのみ駆動信号を提供するように構成されてもよい。この構成は、少なくとも一つの変換器の各々が互いに異なるエアロゾル発生器に有用であり得る。
【0079】
表面音響波アトマイザーが、直列または並列に接続された複数の変換器などの、複数の変換器を備える実施形態では、変換器は、特性周波数を有する共鳴システムを画定するように配置されてもよい。共鳴システムは、少なくとも一つの変換器の各々の共鳴周波数と実質的に等しい共鳴周波数を画定するように配置されてもよい。後者の実施形態では、制御装置は、少なくとも一つの変換器の一つの共鳴周波数と実質的に等しい周波数を有する駆動信号を提供するように構成されてもよい。駆動信号がこのような周波数を有する場合、駆動信号は、その共鳴周波数が駆動信号の周波数と実質的に一致する変換器にのみ、駆動信号が主に伝達されることが見出された。こうした構成は、スイッチなどの専用構成要素を必要とせずに、少なくとも一つの変換器の連続的な起動を可能にしうる。換言すれば、少なくとも一つの変換器の一つは、駆動信号に対して適切な周波数を選択することによって選択的に起動されうる。
【0080】
エアロゾル発生器が流れ制御要素を備え、エアロゾル発生器が少なくとも一つの制御装置を備える態様において、好ましくは、制御装置が流れ制御要素に流れ信号を提供して、液体エアロゾル形成基体の噴霧領域への流れを可能にするように構成される。好ましくは、制御装置は、液体エアロゾル形成基体の流れを無効化するために、制御要素に停止信号を提供するように構成される。好ましくは、制御装置は、制御装置が流れ信号を流れ制御要素に供給する時のみ、一つ以上の表面音響波アトマイザーの少なくとも一つの変換器に駆動信号を提供するように構成される。
【0081】
複数の表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つは、少なくとも一つの反射体を含み得る。一部の実施形態では、複数の表面音響波アトマイザーの各々は、少なくとも一つの反射体を含み得る。好ましくは、少なくとも一つの反射体は、基体の活性表面上に位置する。好ましくは、少なくとも一つの反射体は、少なくとも一つの変換器によって生成される表面音響波を反射するように配置される。好ましくは、少なくとも一つの反射体は、噴霧領域に向かって変換器によって生成される表面音響波を反射するように配置される。有利なことに、噴霧領域に向かって表面音響波を反射するように配置された反射体は、表面音響波アトマイザーの効率を増大または最大化しうる。
【0082】
少なくとも一つの反射体は、一つ以上の電極を備えてもよい。
【0083】
少なくとも一つの反射体は、基体の活性表面上に位置する金属の一つ以上の部分を含み得る。金属の各部分は、線形形状を有してもよい。金属の各部分は、湾曲した形状を有してもよい。少なくとも一つの反射体は、複数の金属の部分を含み得る。複数の金属の部分は、基体の活性表面にパターンで配置されてもよい。金属の各部分は、少なくとも一つの反射体を形成する金属の隣接する部分に実質的に平行であることが好ましい。
【0084】
基体の一部分は、少なくとも一つの反射体の少なくとも一部を形成しうる。基体は、少なくとも一つの突出部を画定してもよく、少なくとも一つの突出部は、少なくとも一つの反射体の少なくとも一部を形成する。基体は、少なくとも一つの凹部を画定してもよく、少なくとも一つの凹部は、少なくとも一つの反射体の少なくとも一部を形成する。
【0085】
噴霧領域は、少なくとも一つの変換器と少なくとも一つの反射体との間に位置付けられてもよい。
【0086】
少なくとも一つの反射体は、単一の反射体であってもよい。少なくとも一つの反射体は、複数の反射体であってもよい。
【0087】
複数の表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つが複数の変換器を備える実施形態では、少なくとも一つの反射体は、複数の反射体であってもよい。各変換器は、噴霧領域が変換器と対応する反射体との間に位置付けられるように、一つの反射体の反対側に位置付けられてもよい。
【0088】
複数の表面音響波アトマイザーのうちの少なくとも一つは、少なくとも一つの吸収体を含み得る。少なくとも一つの吸収体は、表面音響波アトマイザーの基体の活性表面上に位置付けられることが好ましい。好ましくは、少なくとも一つの吸収体は、少なくとも一つの変換器によって生成される表面音響波を吸収するように配置される。基体の一部分は、少なくとも一つの吸収体の少なくとも一部を形成してもよい。基体は、少なくとも一つの突出部を画定してもよく、少なくとも一つの突出部は、少なくとも一つの吸収体の少なくとも一部を形成する。基体は、少なくとも一つの凹部を画定してもよく、少なくとも一つの凹部は、少なくとも一つの吸収体の少なくとも一部を形成する。
【0089】
少なくとも一つの吸収体は、低密度、およびポリジメチルシロキサン(PDMS)などの高粘度のうちの一つ以上を有する材料を含み得る。有利なことに、一つ以上の低密度かつ高粘度を有する材料を吸収体に提供することは、比較的高い吸音係数を吸収体に供給し得る。好ましくは、吸収体は、そこでの音速が比較的低い材料を含む。吸収体は、多孔性材料を含んでもよい。一部の好ましい実施形態では、吸収体は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。
【0090】
基体の一部分は、少なくとも一つの吸収体の少なくとも一部を形成してもよい。基体は、少なくとも一つの突出部を画定してもよく、少なくとも一つの突出部は、少なくとも一つの吸収体の少なくとも一部を形成する。基体は、少なくとも一つの凹部を画定してもよく、少なくとも一つの凹部は、少なくとも一つの吸収体の少なくとも一部を形成する。
【0091】
本開示によると、本開示によるエアロゾル発生器を含むエアロゾル発生装置がさらに提供される。エアロゾル発生装置は、各表面音響波アトマイザーの少なくとも一つの変換器を制御するための制御装置を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、液体エアロゾル形成基体を受容するための液体貯蔵部分を備え得る。液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分から噴霧領域に供給するようにエアロゾル発生器の供給要素が配置され得る。
【0092】
少なくとも一つの液体貯蔵部分は、再使用可能であってもよい。言い換えれば、少なくとも一つの液体貯蔵部分は、少なくとも一つの液体貯蔵部分に液体エアロゾル形成基体を補充するために、ユーザーによって補充可能であってもよい。少なくとも一つの液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分に挿入するための充填口を備えてもよい。少なくとも一つの液体貯蔵部分は、充填口と少なくとも一つの液体貯蔵部分との間に充填弁を備えてもよい。有利なことに、充填弁は、液体エアロゾル形成基体が、充填口を通って少なくとも一つの液体貯蔵部分内に流れることを可能にし得る。有利なことに、充填弁は、液体エアロゾル形成基体が、少なくとも一つの液体貯蔵部分から充填口を通って流れ出ることを防止しうる。
【0093】
少なくとも一つの液体貯蔵部分は、交換可能であってもよい。少なくとも一つの液体貯蔵部分は、エアロゾル発生装置から取り外し可能であってもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジを備えてもよく、カートリッジは、エアロゾル発生装置から取り外し可能であり、カートリッジは少なくとも一つの液体貯蔵部分を備える。
【0094】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの液体貯蔵部分内に収容される液体エアロゾル形成基体を含み得る。
【0095】
液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチンを含有する液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0096】
液体エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に、高密度かつ安定したエアロゾルの形成を容易にする、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)であってもよい。液体エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0097】
液体エアロゾル形成基体は水を含んでもよい。
【0098】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体はグリセリンを含んでもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールを含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.1パーセント~約10パーセントのニコチン濃度を有してもよい。
【0099】
供給要素の入口が複数の入口を備える実施形態では、少なくとも一つの液体貯蔵部分は、第一の液体貯蔵部分および第二の液体貯蔵部分を含み得る。第一の液体貯蔵部分は、第一の液体エアロゾル形成基体を受容するためのものであり、第一の液体貯蔵部分は、複数の入口の第一の入口と流体連通している。第二の液体貯蔵部分は、第二の液体エアロゾル形成基体を受容するためのものであり、第二の液体貯蔵部分は、複数の入口の第二の入口と流体連通している。
【0100】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの液体貯蔵部分から供給要素のチャネルへの液体エアロゾル形成基体の流量を制御するように配置された流れ制御要素を備えてもよい。
【0101】
流れ制御要素は、少なくとも一つの不活性要素を含んでもよい。少なくとも一つの不活性要素は、細長い管および細長い芯のうちの少なくとも一つを含み得る。少なくとも一つの不活性要素は、細長い管を備えてもよい。少なくとも一つの不活性要素は、細長い芯を含み得る。
【0102】
流れ制御要素は、少なくとも一つの活性要素を含んでもよい。少なくとも一つの活性要素は、ポンプを備えてもよい。少なくとも一つの活性要素は、マイクロポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプ、および電気浸透ポンプのうちの少なくとも一つを含み得る。好ましくは、制御装置は、少なくとも一つの活性要素に制御信号を提供して、少なくとも一つの液体貯蔵部分から供給要素のチャネルへの液体エアロゾル形成基体の流量を制御するように配置される。
【0103】
制御装置は、電源およびエアロゾル発生器に接続される電気回路を含み得る。制御装置は、電源および複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に接続された電気回路を備えてもよい。エアロゾル発生器が少なくとも一つの制御装置を備える場合、エアロゾル発生装置の制御装置は、エアロゾル発生器の少なくとも一つの制御装置に接続されてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備え得る。マイクロプロセッサは、プログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積チップ(ASIC)もしくは制御を提供することができる他の電子回路であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、電源からエアロゾル発生器への電力供給を調節するよう構成されうる。電気回路は、電源から複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器への電力供給を調節するように構成されうる。制御装置は、エアロゾル発生装置の起動後に、エアロゾル発生器に連続的に電力を供給するように構成されうる。制御装置は、エアロゾル発生器に断続的に電力を供給するように構成されうる。制御装置は、エアロゾル発生器に吸煙毎に電力を供給するように構成されうる。
【0104】
好ましくは、制御装置および電源は、エアロゾル発生器に交流電圧を提供するように構成される。好ましくは、制御装置および電源は、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器に交流電圧を提供するように構成される。好ましくは、交流電圧は無線周波数交流電圧である。好ましくは、交流電圧は、少なくとも約20メガヘルツの周波数を有する。好ましくは、交流電圧は、約20メガヘルツ~約100メガヘルツ、より好ましくは約20メガヘルツ~約80メガヘルツの周波数を有する。有利なことに、これらの範囲内の交流電圧は、所望の速度のエアロゾル生成および所望の液滴サイズのうちの少なくとも一つを提供しうる。
【0105】
電源は任意の適切なタイプの電源であってもよい。電源は直流電源であってもよい。一部の好ましい実施形態では、電源は、再充電可能なリチウムイオン電池などの電池である。電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、装置の一回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の装置の使用回数、または不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。一実施形態において、電源は、約2.5ボルト~約4.5ボルトの範囲の直流供給電圧、および約1アンペア~約10アンペアの範囲の直流供給電流(約2.5ワット~約45ワットの範囲の直流電源に対応する)を有する直流電源である。
【0106】
エアロゾル発生装置は有利には、DC/ACインバータを備えてもよく、これはクラスC、クラスDまたはクラスEの電力増幅器を含み得る。DC/ACインバータは、電源とエアロゾル発生器との間に配置されてもよい。DC/ACインバータは、電源と、複数の表面音響波アトマイザーの各々の少なくとも一つの変換器との間に配置されてもよい。
【0107】
エアロゾル発生装置は、電源とDC/ACインバータとの間にDC/DCコンバータをさらに備えてもよい。
【0108】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生器の噴霧領域またはその周りに配置された温度センサを含んでもよい。エアロゾル発生装置の制御装置は、温度センサによって感知される噴霧領域の温度に基づいて、エアロゾル発生器に供給される電力を制御するように構成されうる。
【0109】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生器の噴霧領域またはその周辺に液体検出センサを備えてもよい。エアロゾル発生装置の制御装置は、液体検出センサによって噴霧領域で液体が検出された場合に、エアロゾル発生器に電力を供給するように構成され得る。
【0110】
例えば、エアロゾル発生装置は、気流センサや圧力センサなどの吸煙検出器を含み得る。吸煙検出器は、エアロゾル発生装置の気流経路内に配設されてもよい。エアロゾル発生装置の制御装置は、装置上の吸煙が吸煙検出器によって検出されると、エアロゾル発生器に電力を供給するように構成されうる。
【0111】
エアロゾル発生装置は、装置ハウジングを備えてもよい。装置ハウジングは、細長くてもよい。装置ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。好適な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に好適な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0112】
装置ハウジングは、空気入口を画定し得る。空気入口は、周囲空気が装置ハウジング内に入ることを可能にするように構成されてもよい。空気入口は、エアロゾル発生器の噴霧領域と流体連通してもよい。装置は、任意の数の空気入口を含んでもよい。装置は、複数の空気入口を含んでもよい。
【0113】
装置ハウジングは、空気出口を含んでもよい。空気出口は、ユーザーへの送達のために、空気が装置ハウジングから出ることを可能にするように構成されてもよい。空気出口は、エアロゾル発生器の噴霧領域と流体連通してもよい。エアロゾル発生装置は、マウスピースを備えてもよい。マウスピースは、空気出口を含み得る。装置は、任意の適切な数の空気出口を含み得る。装置は、複数の空気出口を含んでもよい。
【0114】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、装置ハウジングを備えてもよく、エアロゾル発生器は、装置ハウジング内に配置される。これらの好ましい実施形態の一部では、装置ハウジングは、噴霧領域の上流に位置する少なくとも一つの空気入口、および噴霧領域の下流に位置する少なくとも一つの空気出口を画定する。
【0115】
有利には、噴霧領域の上流に位置する空気入口と、噴霧領域の下流に位置する少なくとも一つの空気出口とを提供することは、空気入口と空気出口との間の気流が、噴霧領域を通り過ぎることを確実にしてもよく、これは、噴霧領域においてエアロゾル発生器によって生成され、空気入口と空気出口との間の気流に拘束される蒸気をもたらしうる。
【0116】
エアロゾル発生器は、複数の基体の少なくとも一つと装置ハウジングの一部分との間に延在する気流経路を画定するように、装置ハウジング内に配置されてもよい。エアロゾル発生器は、複数の基体の各々と装置ハウジングの一部との間に延在する気流経路を画定するように、装置ハウジング内に配置されてもよい。
【0117】
有利には、基体と装置ハウジングの一部分との間の気流経路を画定することは、気流経路を通した気流の制御を容易にし、気流経路の寸法を厳密に制御することを可能にする。
【0118】
エアロゾル発生器は、取り付け手段によって支持体に取り付けられてもよい。取り付け手段は、機械的取り付けを含んでもよい。機械的取り付けは、機械締め具を含んでもよい。機械締め具は、エアロゾル発生器がスナップ嵌合され得る支持体のくぼみを備えてもよい。機械的取り付けは、ばね締付を含んでもよい。ばね締付は、平坦なばねを含んでもよく、また、ポゴピンを含んでもよい。取り付け手段は、接着剤テープまたは接着剤などの接着材料を含み得る。
【0119】
支持体は電源を備えうる。支持体は、制御装置を備えてもよい。支持体は、スプリッターを備えてもよい。支持体は、プリント回路基体(PCB)であってもよい。PCBは、制御装置を備えてもよい。PCBは、スプリッターを備えてもよい。
【0120】
制御装置が、電源とエアロゾル発生器を接続するための電気回路を備え、制御装置が支持体内に含まれる場合、支持体の電気回路とエアロゾル発生器との間にワイヤボンディング電気接続が提供されてもよい。特に、支持体がPCBである場合、PCBの制御回路とエアロゾル発生器との間にワイヤボンディング電気接続が提供されてもよい。ワイヤボンディング電気接続の提供は、結果として生じる電気接続が安定し得るという点で有利でありうる。ワイヤボンディング電気接続は、例えば、はんだ付け、ねじ留めまたは締付によって、電気回路に直接接続されてもよい。
【0121】
制御装置が電源とエアロゾル発生器を接続するための電気回路を備える場合、制御装置は支持体に含まれ、エアロゾル発生器はばね締付によって支持体に取り付けられ、ばね締付は支持体の電気回路とエアロゾル発生器との間の電気接続を提供するように構成されうる。ばね締付による電気接続の提供は、支持体およびエアロゾル発生器が互いに容易に分離するために有用であり得る。
【0122】
支持体は、エアロゾル発生装置内に提供されてもよい。特に、支持体は、装置ハウジング内に提供されてもよい。装置ハウジングは、支持体とエアロゾル発生器との間に電気的接続を提供するように構成された導電片を備えてもよい。特に、支持体がPCBである実施形態では、PCBは、装置ハウジングの導電片と電気的に接触して配置されるように構成された接点ピンを備えてもよい。同様に、エアロゾル発生器は、装置ハウジングの導電片と電気的に接触して配置されるように構成された接触ピンを備えてもよい。PCBは、エアロゾル発生器の接点ピンと電気的に接触して配置されるように構成された接点ピンを備えてもよい。PCBが、エアロゾル発生器の接触ピンと電気的に接触して配置されるように構成された接触ピンを備える実施形態では、PCBとエアロゾル発生器との間の電気的接続は、装置ハウジング内の中間導電片を必要とせずに確立され得る。これにより、支持体およびエアロゾル発生器の組み立ておよび交換が容易となり得る。
【0123】
制御装置が、電源とエアロゾル発生器を接続する電気回路を備えるPCBである場合、PCBの接点ピンが制御回路に提供されてもよい。エアロゾル発生器の接触ピンは、少なくとも一つの変換器で提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0124】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【0125】
図1図1は、本開示の第一の実施形態によるエアロゾル発生器の上面図を示す。
図2図2は、線1-1に沿った図1のエアロゾル発生器の断面図を示す。
図3図3は、図1のエアロゾル発生器のチャネルの斜視図を示す。
図4図4は、本開示の第二の実施形態によるエアロゾル発生器の上面図を示す。
図5図5は、図4のエアロゾル発生器のチャネルの斜視図を示す。
図6図6は、図4および5のエアロゾル発生器を備えるエアロゾル発生装置の断面図を示す。
図7図7は、本開示の第三の実施形態によるエアロゾル発生器の斜視図を示す。
図8図8は、図7のエアロゾル発生器を備えるエアロゾル発生装置の一部についての断面図を示す。
図9図9は、本開示の四の実施形態によるエアロゾル発生器の側面図を示す。図9bは、図9aのエアロゾル発生器の表面音響波アトマイザーの上面図を示す。図9cは、図9aのエアロゾル発生器の表面音響波アトマイザーの背面図を示す。
図10図10aは、本開示の第五の実施形態によるエアロゾル発生器の上面図を示す。図10bは、図10aのエアロゾル発生器の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0126】
図1、2および3は、本開示の第一の実施形態によるエアロゾル発生器100を示す。エアロゾル発生器100は、第一の表面音響波アトマイザー102および第二の音響波アトマイザー103の形態で、複数の表面音響波アトマイザーを含む。エアロゾル発生器100は、噴霧領域104と、噴霧領域104に液体エアロゾル形成基体を供給するための供給要素105とをさらに含む。
【0127】
第一の表面音響波アトマイザー102は、圧電材料のシートを含む基体106と、基体106の活性表面108上に配置された変換器107とを含む。第一の表面音響波アトマイザー102の変換器107は、第一の電極配列109と第一の電極配列109と差しはさまれた第二の電極配列110を含む。第一および第二の電極配列109、110は、直線状であり、互いに平行である。使用中、第一の表面音響波アトマイザー102の変換器107は、基体106の活性表面108上に表面音響波を生成する。第一および第二の電極配列109、110の直線形状は、噴霧領域104に向けられた直線波面を有する表面音響波をもたらす。
【0128】
第二の表面音響波アトマイザー103は、圧電材料のシートを含む基体111と、基体111の活性表面113上に配置された変換器112とを含む。第二の表面音響波アトマイザー103の変換器112は、第一の電極配列114および第一の電極配列114と差しはさまれた第二の電極配列115を備える。第一および第二の電極配列114、115は、直線状であり、互いに平行である。使用中、第二の表面音響波アトマイザー103の変換器112は、基体111の活性表面113上に表面音響波を生成する。第一および第二の電極配列114、115の直線形状は、噴霧領域104に向けられた直線波面を有する表面音響波をもたらす。
【0129】
第一および第二の表面音響波アトマイザー102、103の基体106、111は、一方の端部で互いに隣接して配置され、接着剤(図示せず)で一緒に固定される。基体106、111が互いに隣接する場合、基体106、111は、活性表面108、113内に開口部を画定し、これは噴霧領域104を形成する。この実施形態では、各基体106、111は平面形状を有し、基体106、111は、図2に示すように共通平面に配置される。第一および第二の表面音響波アトマイザー102、103は実質的に同一であり、そして対向する方向に配向され、第一の音響波アトマイザー102は、噴霧領域104に向かって第一の方向に活性表面108上で表面音響波を生成し、第二の表面音響波アトマイザー103は、噴霧領域に向かって第二の方向に活性表面113上で表面音響波を生成し、第二の方向は第二の方向と平行かつ対向する。
【0130】
供給要素105は、第一および第二の表面音響波アトマイザー102、103間に位置する基体106、111の間に配置され、供給要素105は、基体106、111を通って延在するチャネル116を備える。チャネル116の入口117は、第一の表面音響波アトマイザー102の基体106の不活性表面118と、第二の表面音響波アトマイザー103の基体111の不活性表面119との間に形成される。チャネル116の出口120は、第一の表面音響波アトマイザー102の活性表面108と第二の表面音響波アトマイザー103の活性表面113との間に形成される。この実施形態では、出口120は、第一の方向および第二の方向に平行な軸を有する、正方形形状を有する。チャネル116は、入口117と出口120との間に延在する。出口120は、噴霧領域104内に位置付けられる。使用中に、液体エアロゾル形成基体がチャネル116を通して噴霧領域104に供給され、第一および第二の変換器107、112によって生成される表面音響波によって霧化される。
【0131】
図2および図3に示すように、チャネル116は、入口117から出口120へと方向を変える断面積を有する。特に、チャネル116は、チャネル116の断面積が入口117から出口120への方向に増加するように、湾曲したくさび形状を有する。入口117でのチャネル116のより小さな断面積は、チャネル116への液体エアロゾル形成基体の流量の制御を容易にする。出口120でのチャネル116のより大きな断面積は、噴霧領域104での液体エアロゾル形成基体のより大きな表面積を提供し、液体エアロゾル形成基体の霧化を促進する。活性表面108、113とチャネル116との間に湾曲した遷移が提供され、表面音響波から噴霧領域104内の液体エアロゾル形成基体へのエネルギーの移動を容易にする。
【0132】
図4および5は、本開示の第二の実施形態によるエアロゾル発生器200を示す。エアロゾル発生器200は、第一の表面音響波アトマイザー202および第二の音響波アトマイザー203の形態で、複数の表面音響波アトマイザーを備える。エアロゾル発生器200は、噴霧領域204と、液体エアロゾル形成基体を噴霧領域204に供給するための供給要素205とをさらに含む。
【0133】
第一の表面音響波アトマイザー202は、圧電材料のシートを含む基体206と、基体206の活性表面208上に配置された変換器207とを含む。第一の表面音響波アトマイザー202の変換器207は、第一の電極配列209と第一の電極配列209と差しはさまれた第二の電極配列210とを含む。電極209、210の第一および第二の電極配列は、湾曲し、互いに平行である。使用中、変換器207は、基体206の活性表面208上に表面音響波を生成する。第一および第二の電極配列209、210の湾曲した形状は、噴霧領域204に向かって集束された凹波面を有する表面音響波をもたらす。
【0134】
第二の表面音響波アトマイザー203は、圧電材料のシートを含む基体211と、基体211の活性表面213上に配置された変換器212とを含む。第二の表面音響波アトマイザー203の変換器212は、第一の電極配列214および第一の電極配列214と差しはさまれた第二の電極配列215を備える。第一および第二の電極配列214、215は、湾曲し、互いに平行である。使用中、変換器212は、基体211の活性表面213上に表面音響波を生成する。第一および第二の電極配列214、215の湾曲した形状は、噴霧領域204に向かって集束された凹波面を有する表面音響波をもたらす。
【0135】
第一および第二の表面音響波アトマイザー202、203の基体206、211は、一方の端部で互いに隣接するように配置され、接着剤(図示せず)で一緒に固定される。基体206、211が互いに隣接する場合、基体206、211は、活性表面208、213に開口部を画定し、これは、噴霧領域204を形成する。この実施形態では、基体206、211の各々は平面形状を有し、基体206、211は共通平面に配置される。第一および第二の表面音響波アトマイザー202、203は実質的に同一で、かつ対向する方向に配向され、第一の音響波アトマイザー202は、噴霧領域204に向かって第一の方向に活性表面208に表面音響波を生成し、第二の表面音響波アトマイザー203は、噴霧領域に向かって第二の方向に活性表面213上に表面音響波を生成し、第二の方向は第一の方向と反対である。
【0136】
供給要素205は、第一および第二の表面音響波アトマイザー202、203の基体206、211の間に配置され、供給要素205は基体206、211を通って延在するチャネル216を備える。チャネル216の入口217は、第一の表面音響波アトマイザー202の基体206の不活性表面218と、第二の表面音響波アトマイザー203の基体211の不活性表面219との間に形成される。チャネル216の出口220は、第一の表面音響波アトマイザー202の活性表面208と第二の表面音響波アトマイザー203の活性表面213との間に形成される。この実施形態では、出口220は、変換器207、212によって生成される表面音響波の凹波面の焦点である中心を有する円形形状を有する。チャネル216は、入口217と出口220との間に延在する。出口220は、噴霧領域204内に位置付けられる。使用中に、液体エアロゾル形成基体が、チャネル216を通して噴霧領域204に供給され、第一および第二の変換器207、212によって生成される表面音響波によって、それはアトマイズされる。
【0137】
図5に示すように、チャネル216は、入口217から出口220の方向に変化する断面積を有する。特に、チャネル216は、チャネル216の断面積が入口217から出口220への方向に増加するように、湾曲した漏斗の形状を有する。活性表面208、213とチャネル216との間にも湾曲した遷移が提供される。
【0138】
図6は、エアロゾル発生器200を備えるエアロゾル発生装置300の断面図を示す。エアロゾル発生装置300はまた、液体エアロゾル形成基体304と、マイクロポンプを含む流れ制御要素306とを含む、液体貯蔵部分302を含む。マイクロポンプは、液体エアロゾル形成基体304を液体貯蔵部分302からエアロゾル発生器200の入口217に供給するように配置される。
【0139】
エアロゾル発生装置300はまた、再充電可能電池および制御装置310を備える電源308を備える。制御装置310は、流れ制御要素306に制御信号を提供して、液体貯蔵部分302からエアロゾル発生器200の入口320への液体エアロゾル形成基体304の流量を制御するように構成される。制御装置310はまた、第一および第二の変換器207、212を駆動するために、電源308からエアロゾル発生器200に電流を供給するように構成される。
【0140】
エアロゾル発生装置300はまた、エアロゾル発生器200、液体貯蔵部分302、流れ制御要素306、電源308、および制御装置310が含まれるハウジング312を備える。ハウジング312は、空気入口314、マウスピース316、および空気出口318を画定する。使用中、ユーザーはマウスピース316を吸い、空気入口314から空気出口318へとハウジング312を通して、空気を引き出す。エアロゾル発生器200によって生成されるエアロゾルは、ユーザーへの送達のためにハウジング312を通る気流に同伴される。
【0141】
図7および図8は、本開示による第三の実施形態によるエアロゾル発生器400を示す。エアロゾル発生器400は、第一の表面音響波アトマイザー402および第二の音響波アトマイザー403の形態で、複数の表面音響波アトマイザーを備える。エアロゾル発生器400は、噴霧領域404に液体エアロゾル形成基体を供給するための供給要素405および噴霧領域404をさらに含む。
【0142】
第一の表面音響波アトマイザー402は、圧電材料のシートを含む基体406と、基体406の活性表面408上に配置された変換器407とを含む。第二の表面音響波アトマイザー403は、圧電材料のシートを含む基体411と、基体411の活性表面413上に配置された変換器412とを含む。第一および第二の変換器407、412のそれぞれは、図1、2および3にて第一および第二の変換器107、112に関して記載される、差しはさまれた電極の第一および第二の配列を備える。第一および第二の変換器407、412のそれぞれの第一および第二の電極配列は、直線状であり、互いに平行である。使用中、第一の表面音響波アトマイザー402の変換器407は、基体406の活性表面408上に表面音響波を生成する。使用中、第二の表面音響波アトマイザー403の変換器412は、基体411の活性表面413上に表面音響波を生成する。第一および第二の変換器407、412の電極配列の直線形状は、噴霧領域404に向けられた直線波面を有する表面音響波をもたらす。
【0143】
第一および第二の表面音響波アトマイザー402、403の基体406、411は、一方の端で互いに隣接するように配置され、接着剤(図示せず)でそれらの隣接端で一緒に固定される。基体406、411が互いに隣接する場合、基体406、411は活性表面408、413に開口部420を画定し、これは噴霧領域404を形成する。この実施形態では、基体406、411の各々は、実質的に立方体形状を有し、基体406、411は、基体406、411が当接する場所で交差する異なる非平行平面に配置される。このように、基体606、411は、概して三角形またはV字形状の構成で配置される。
【0144】
この実施形態では、供給要素405は、基体406、411の間の空間に配置され、一方の端で基体406、411の間の開口部420から反対側の端で液体貯蔵器422まで延在する、細長い芯416である。液体貯蔵器422はまた、基体406、411の間の空間にも配置される。液体貯蔵器422は、細長い芯416によって噴霧領域404に供給される液体エアロゾル形成基体を含有する。
【0145】
エアロゾル発生装置500に配置されたエアロゾル発生器400を図8に示す。エアロゾル発生装置500は、空気入口514を画定する中空の実質的に円筒形のハウジング512、および空気出口518を有するマウスピース516を含む。エアロゾル発生器400は、ハウジング512内に、空気入口514とマウスピース516との間に配置され、その結果、空気入口514は、噴霧領域404の上流に位置し、空気出口518は、噴霧領域404の下流に位置する。
【0146】
使用中、ユーザーはマウスピース516を吸い、空気入口514から空気出口518へ、ハウジング512を通して空気を引き出す。エアロゾル発生器300によって生成されるエアロゾルは、ユーザーへの送達のためにハウジング512を通る気流に同伴される。
【0147】
空気入口514と空気出口518との間の気流は、図8の点線の矢印によって示されている。エアロゾル発生器は、気流経路が、第一および第二の表面音響波アトマイザー402、403の活性表面406、411、およびハウジング512の内部表面の間に画定されるように位置付けられる。活性表面406、411の非同一平面配置は、エアロゾル発生器400およびハウジング512が相補的な形状を有することを可能にし、次に、エアロゾル発生装置500の製造中に、エアロゾル発生器400とハウジング512との間の気流経路のサイズおよび形状を容易に制御することを可能にする。気流経路のサイズおよび形状の制御は、エアロゾル発生装置500の製造中に装置を通して引き込み抵抗が制御されることを確実にする。
【0148】
図9a、9b、9cは、本開示の第四の実施形態によるエアロゾル発生器600を示す。エアロゾル発生器600は、第一の表面音響波アトマイザー602および第二の音響波アトマイザー603の形態で、複数の表面音響波アトマイザーを備える。エアロゾル発生器600は、噴霧領域604と、液体エアロゾル形成基体を噴霧領域604に供給するための供給要素605とをさらに含む。
【0149】
第一の表面音響波アトマイザー602は、圧電材料のシートを含む基体606と、基体606の活性表面608上に配置された変換器607とを含む。第二の表面音響波アトマイザー603は、圧電材料のシートを含む基体611と、基体611の活性表面613上に配置された変換器612とを含む。第一および第二の変換器607、612のそれぞれは、図1、2および3にて第一および第二の変換器107、112に関して記載される、差しはさまれた電極の第一および第二の配列を備える。第一および第二の変換器607および612のそれぞれの電極の第一および第二の配列は、直線状であり、互いに平行である。使用中、第一の表面音響波アトマイザー602の変換器607は、基体606の活性表面608上に表面音響波を生成する。使用中、第二の表面音響波アトマイザー603の変換器612は、基体611の活性表面613上に表面音響波を生成する。第一のおよび第二の変換器607、612の電極配列の直線形状は、噴霧領域604に向けられた直線波面を有する表面音響波をもたらす。
【0150】
この実施形態では、第一および第二の表面音響波アトマイザー602、603の各々は、実質的に同一の基体606、611を含む。したがって、第一の表面音響波アトマイザー602の基体のみが本明細書に記載され、図9bおよび9cに示される。
【0151】
第一の表面音響波アトマイザー602の基体606は、概して平面の活性表面608を有する概して長方形の輪郭を有する。変換器607は、活性表面607の一方の端に向かって配置され、噴霧領域604は活性表面607の反対側の端に配置される。
【0152】
基体606はまた、活性表面606に対向する不活性表面618を備える。不活性表面618は、噴霧領域604を有する端部の開口部620から、不活性表面618の反対側の端部に形成される空洞622に、不活性表面618の長さに中央に沿って延在する溝621を備える。溝621は、エアロゾル発生器の供給要素チャネル616の半分を形成し、供給要素チャネル616の残りの半分は、第二の表面音響波アトマイザー603の基体613の不活性表面にある対応する溝によって形成される。空洞622は、エアロゾル発生器の液体貯蔵器の半分を形成し、液体貯蔵器の残りの半分は、第二の表面音響波アトマイザー603の基体613の不活性表面にある対応する空洞によって形成される。
【0153】
第一の音響波アトマイザー602の基体606の活性表面608の端部は、噴霧領域604で、開口部620に向かって先細りの丸い輪郭を有する。活性表面608の端部もまた、不活性表面618に向かって湾曲または丸みを帯びている。開口部620および不活性表面618に向かう基体606のこの丸い輪郭は、変換器607から噴霧領域604への表面音響波の送達を促進する。
【0154】
第一の表面音響波アトマイザー602および第二の表面音響波アトマイザー603が使用のために配置されるとき、第一の表面音響波アトマイザー602の基体606は、基体606、611の不活性表面が互いに接触するように、第二の表面音響波アトマイザー603の基体611を覆っている。第一の表面音響波アトマイザー602の基体606の不活性表面618の溝621は、第二の表面音響波アトマイザー603の基体611の不活性表面の対応する溝を覆い、チャネル616を形成する。第一の表面音響波アトマイザー602の基体606の不活性表面618の空洞622は、第二の表面音響波アトマイザー603の基体611の不活性表面内の対応する空洞を覆って、液体貯蔵器を形成する。液体貯蔵器は、液体エアロゾル形成基体の供給を保持するように構成される。チャネル616は、噴霧領域604で液体貯蔵器を開口部620に流体接続する。したがって、チャネル616は、供給要素を形成する。有利には、表面音響波アトマイザーのこうした構成は、製造が簡単なコンパクトなエアロゾル発生器を提供する。
【0155】
図10aおよび10bは、本開示の第五の実施形態によるエアロゾル発生器700を示す。エアロゾル発生器700は、六つの表面音響波アトマイザー702の形態で、複数の表面音響波アトマイザーを含む。エアロゾル発生器700は、噴霧領域704と、液体エアロゾル形成基体を噴霧領域704に供給するための供給要素705とをさらに含む。
【0156】
表面音響波アトマイザー702の各々は同一であり、したがって、アトマイザーのうちの一つのみが記述される。
【0157】
表面音響波アトマイザー702は、圧電材料のシートを含む基体と、基体の活性表面上に配置された変換器707とを含む。変換器707は、図1図2および図3にて第一および第二の変換器107、112に関して記載されるように、第一および第二の差しはさまれた電極の配列を備える。変換器707の第一および第二の電極配列は、直線であり、互いに平行である。使用中、変換器707は、基体の活性表面上に表面音響波を生成する。変換器707の電極配列の直線形状は、噴霧領域704に向けられた直線波面を有する表面音響波をもたらす。
【0158】
各々の表面音響波アトマイザー702の基体は、概して二等辺台形角柱形状を有し、活性表面は二等辺台形形状を有する。基体は、基体の長端が一緒に隣接する、概して先端が切断された六角形のピラミッド内に配置される。この実施形態では、隣接する基体の長端は、接着剤(図示せず)で一緒に固定される。各々の基体の最も短い端は、共に開口部720を画定する。この実施形態では、供給要素705は、細長い芯の形態であり、細長い芯の一端は、開口部720および噴霧領域704に液体エアロゾル形成基体を送達するために、開口部720を通って延在する。有利には、このような基体の構成および配置は、エアロゾル発生装置内での製造および配置が比較的簡単でコンパクトなエアロゾル発生器の構成を提供する。
【0159】
上述の実施形態は本開示の例示的実施形態であり、本開示による特徴の他の配置および構成が予想されると理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
【国際調査報告】