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特表2023-507155ロボット気管支鏡検査ナビゲーションのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-21
(54)【発明の名称】ロボット気管支鏡検査ナビゲーションのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20230214BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230214BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20230214BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B1/00 655
A61B1/00 552
A61B1/00 632
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537082
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 US2020066067
(87)【国際公開番号】W WO2021127475
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/950,740
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/091,283
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522237117
【氏名又は名称】ノア メディカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ダンナ,カイル ロス
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ハング,キャロル ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ショーバー,マイケル ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】スラウィンスキー,ピョートル ロバート
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン,ヘンドリック
(72)【発明者】
【氏名】アブラハ,リヤ ケー.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA07
4C161CC06
4C161GG13
4C161HH55
4C161JJ09
4C161JJ11
4C161WW10
(57)【要約】
ロボット内視鏡装置を自動レジストレーションする方法が提供される。方法は、(a)場所センサを使用して収集された第1の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、ロボット内視鏡装置の向きと場所センサの向きとの間の第1の変換を生成することと、(b)第1の変換及び第2の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、ロボット内視鏡装置の座標系と解剖学的管腔網を表すモデルの座標系との間の第2の変換を生成することと、(c)第3の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、更新アルゴリズムを使用して第2の変換を更新することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット内視鏡装置をナビゲートする方法であって、
(a)場所センサを使用して収集された第1の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記ロボット内視鏡装置の向きと前記場所センサの向きとの間の第1の変換を生成することと、
(b)前記第1の変換及び第2の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記ロボット内視鏡装置の座標系と解剖学的管腔網を表すモデルの座標系との間の第2の変換を生成することと、
(c)第3の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、更新アルゴリズムを使用して前記第2の変換を更新することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記更新アルゴリズムは、高速間隔再計算動作及び低速間隔再計算動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高速間隔再計算動作は、(i)前記第3の組のセンサデータからサンプリングされたデータのサブセットを使用して、第1の組の関連性を計算することと、(ii)第1の組の関連性を第2の組の関連性と結合して、(b)において前記第2の変換を生成することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記結合された第1及び第2の組の関連性を使用して点群を計算することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記低速間隔再計算動作は最近傍アルゴリズムを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記低速間隔再計算動作は、前記第3の組のセンサデータのみを使用して前記第2の変換を更新することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記場所センサは電磁センサである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記解剖学的管腔網を表すモデルの前記座標系は、術前撮像システムを使用して生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ロボット内視鏡装置は使い捨てカテーテル組立体を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記場所センサは、前記ロボット内視鏡装置の先端部に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ロボット内視鏡装置をナビゲートするシステムであって、
前記ロボット内視鏡装置の先端部に配置される場所センサと、
前記場所センサ及び前記ロボット内視鏡装置と通信する1つ又は複数のプロセッサと、
を備え、前記1つ又は複数のプロセッサは、命令セットを実行して、前記システムに、
(a)前記場所センサを使用して収集された第1の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記ロボット内視鏡装置の向きと前記場所センサの向きとの間の第1の変換を生成することと、
(b)前記第1の変換及び第2の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記ロボット内視鏡装置の座標系と解剖学的管腔網を表すモデルの座標系との間の第2の変換を生成することと、
(c)第3の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、更新アルゴリズムを使用して前記第2の変換を更新することと、
を行わせるように構成される、システム。
【請求項12】
前記更新アルゴリズムは、高速間隔再計算動作及び低速間隔再計算動作を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記高速間隔再計算動作は、(i)前記第3の組のセンサデータからサンプリングされたデータのサブセットを使用して、第1の組の関連性を計算することと、(ii)第1の組の関連性を第2の組の関連性と結合して、(b)において前記第2の変換を生成することとを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記高速間隔再計算動作は、前記結合された第1及び第2の組の関連性を使用して点群を計算することを更に含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記低速間隔再計算動作は最近傍アルゴリズムを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記低速間隔再計算動作は、前記第3の組のセンサデータのみを使用して前記第2の変換を更新することを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記場所センサは電磁センサである、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記解剖学的管腔網を表すモデルの前記座標系は、術前撮像システムを使用して生成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記ロボット内視鏡装置は使い捨てカテーテル組立体を備える、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照
[0001] 本願は、2019年12月19日出願の米国仮特許出願第62/950,740号及び2020年10月13日出願の米国仮特許出願第63/091,283号の優先権を主張するものであり、これらの各仮特許出願は参照により本明細書に全体的に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
[0002] 肺がんの早期診断は極めて重要である。肺がんの5年生存率は約18%であり、次の3つの最も罹患率の高いがんよりも大幅に低い:乳がん(90%)、大腸がん(65%)、及び前立腺がん(99%)。2018年、合計で142,000人が肺がんによって死亡したと記録された。
【0003】
[0003] 一般に、典型的な肺がんの診断及び外科治療プロセスは、医療提供者によって使用される技法、臨床プロトコール、及び臨床現場に応じて劇的に変わり得る。一貫しないプロセスは、がんの診断を遅らせるとともに、患者及び医療システムに高いコストを課すおそれがある。
【0004】
[0004] 内視鏡(例えば気管支鏡検査)等のこれらの医療処置は、診断及び/又は治療目的で患者の管腔(例えば気道)内部にアクセスして可視化することを含み得る。処置中、診断及び/又は治療のために、例えば内視鏡等の可撓性管状器具を患者の体内に挿入し得、機器を内視鏡に通して識別された組織部位に到達させることができる。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
[0005] 内視鏡は、身体疾患(例えば早期肺がん診断及び治療)等の種々の症状の診断及び治療に膨大な用途を有する。内視鏡ナビゲーションシステムは、例えば適応調整確率を通してモデリングされる様々な検知モダリティ(例えばカメラ撮像データ、電磁(EM)位置データ、ロボット位置データ等)を使用し得る。ナビゲーション手法は、内視鏡の先端部の追跡を開始するために、内視鏡の先端部が気道に対してどこにあるかの初期推定に依存し得る。幾つかの内視鏡技法は、患者の生体構造の三次元(3D)モデル並びにEM場及び位置センサを使用したガイドナビゲーションを含み得る。処置に先立ち、3Dモデルの仮想空間、3Dモデルによって表される患者の生体構造の物理的空間、及びEM場間の精密なアラインメント(例えばレジストレーション)は未知であり得る。したがって、レジストレーションの生成に先立ち、患者の生体構造内の内視鏡の位置を3Dモデル内の対応する場所に精密にマッピングすることはできない。
【0006】
[0006] 気管支鏡検査のナビゲーションは、不正確なレジストレーションに起因して困難なことがある。特に、現在のレジストレーション手順は時間がかかるとともにぎこちなく、又は人間の入力によって影響される一貫しない結果を生み出すおそれがある。現在のレジストレーション手順は、推定初期レジストレーションを生成し、次いで処置中、初期レジストレーションを改良又は更新することを含み得る。例えば、現在のレジストレーション方法は、リアルタイムセンサデータからのサンプリングによってナビゲーションシステムへの変更を補償し得る。しかしながら、デバイスは長期動作中に駆動され、より多くの入力データがシステムによって収集されるにつれて、計算時間は劇的に長くなる。さらに、現在のレジストレーション手順は満足のいくオンライン更新能力を有さず、レジストレーション精度が損なわれることに繋がるおそれがある。例えば、現在のレジストレーション手順は局所変化に適応することができないことがあり、不正確なレジストレーションアルゴリズムに繋がるおそれがある。例えば、局所変化(例えば局所の小さな機械的変形に起因して)を正確には反映しない、サンプリングされたデータセットが通常、レジストレーションアルゴリズム(例えば変換)に大域的更新を行うのに使用される。別の例では、現在のレジストレーションアルゴリズムは、内視鏡が所定の経路に沿って移動しない場合、不良な変換精度を有し得る(例えば気道の中心線の切除等)。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 本明細書で認識されるのは、信頼性及び費用効率性を改善して外科処置又は診断動作を実行することができる侵襲性が最小のシステムへの必要性である。本明細書で認識されるもう一つの必要性は、レジストレーション時間を短縮しながらレジストレーション精度を上げることができる、改良されたレジストレーションアルゴリズムについてのものである。本開示は、標準化された早期肺がんの診断及び治療を低コストで可能にするシステム及び方法を提供する。本開示は、がんの早期ステージ診断及び治療のための手頃でより費用効率的な方法及びシステムを提供する。本発明の幾つかの実施形態では、ロボット気管支鏡検査の少なくとも一部分は使い捨てである。例えば、外科実行性能及び機能は保持しながら、カテーテル部は低コストで使い捨てであるように設計し得る。さらに、提供されるロボット気管支鏡検査システムには、追加コストを導入せずに、気管支、肺等の届くのが難しい組織にアクセスする能力が設計される。
【0008】
[0008] 適応ナビゲーションアルゴリズムは、3Dモデルの座標系(例えばモデルの生成に使用されるCTスキャナの座標系)とEM場(例えばEM場生成器)の座標系との間のレジストレーション又はマッピングをオンザフライ更新性能で識別することが可能であり得る。
【0009】
[0009] 一態様では、ロボット内視鏡装置をナビゲートする方法が提供される。本方法は、(a)場所センサを使用して収集された第1の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、ロボット内視鏡装置の向きと場所センサの向きとの間の第1の変換を生成することと、(b)第1の変換及び第2の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、ロボット内視鏡装置の座標系と解剖学的管腔網を表すモデルの座標系との間の第2の変換を生成することと、(c)第3の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、更新アルゴリズムを使用して第2の変換を更新することとを含む。
【0010】
[0010] 幾つかの実施形態では、更新アルゴリズムは、高速間隔再計算動作及び低速間隔再計算動作を含む。幾つかの場合、高速間隔再計算動作は、(i)第3の組のセンサデータからサンプリングされたデータのサブセットを使用して、第1の組の関連性を計算することと、(ii)第1の組の関連性を第2の組の関連性と結合して、(b)において第2の変換を生成することとを含む。例えば、本方法は、結合された第1及び第2の組の関連性を使用して点群を計算することを更に含む。幾つかの場合、低速間隔再計算動作は最近傍アルゴリズムを含む。幾つかの場合、低速間隔再計算動作は、第3の組のセンサデータのみを使用して第2の変換を更新することを含む。
【0011】
[0011] 幾つかの実施形態では、場所センサは電磁センサである。幾つかの実施形態では、解剖学的管腔網を表すモデルの座標系は、術前撮像システムを使用して生成される。
【0012】
[0012] 幾つかの実施形態では、ロボット内視鏡装置は使い捨てカテーテル組立体を備える。幾つかの実施形態では、場所センサは、ロボット内視鏡装置の先端部に配置される。
【0013】
[0013] 別の態様では、ロボット内視鏡装置をナビゲートするシステムが提供される。本システムは、ロボット内視鏡装置の先端部に配置される場所センサと、場所センサ及びロボット内視鏡装置と通信する1つ又は複数のプロセッサとを備え、1つ又は複数のプロセッサは、命令セットを実行して、システムに、(a)場所センサを使用して収集された第1の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、ロボット内視鏡装置の向きと場所センサの向きとの間の第1の変換を生成することと、(b)第1の変換及び第2の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、ロボット内視鏡装置の座標系と解剖学的管腔網を表すモデルの座標系との間の第2の変換を生成することと、(c)第3の組のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、更新アルゴリズムを使用して第2の変換を更新することとを行わせるように構成される。
【0014】
[0014] 幾つかの実施形態では、更新アルゴリズムは、高速間隔再計算動作及び低速間隔再計算動作を含む。幾つかの場合、高速間隔再計算動作は、(i)第3の組のセンサデータからサンプリングされたデータのサブセットを使用して、第1の組の関連性を計算することと、(ii)第1の組の関連性を第2の組の関連性と結合して、(b)において第2の変換を生成することとを含む。例えば、高速間隔再計算動作は、結合された第1及び第2の組の関連性を使用して点群を計算することを更に含む。幾つかの場合、低速間隔再計算動作は最近傍アルゴリズムを含む。幾つかの場合、低速間隔再計算動作は、第3の組のセンサデータのみを使用して第2の変換を更新することを含む。
【0015】
[0015] 幾つかの実施形態では、場所センサは電磁センサである。幾つかの実施形態では、解剖学的管腔網を表すモデルの座標系は、術前撮像システムを使用して生成される。幾つかの実施形態では、ロボット内視鏡装置は使い捨てカテーテル組立体を備える。
【0016】
[0016] 本開示の幾つかの態様によれば、ロボット内視鏡装置が提供される。本装置は、基端部及び先端部を備える使い捨て長尺状部材を含み得、木端部はロボットアームに脱着可能に取り付けられる。先端部は複数のプルワイヤを備え、プルワイヤは長尺状部材の壁と一体化される。長尺状部材は気管支鏡、カテーテルと呼ばれることもあり、これらは本明細書全体を通して同義で使用することができる。
【0017】
[0017] 本開示の別の態様では、改良されたレジストレーションアルゴリズム又はナビゲーション方法が提供される。本レジストレーションアルゴリズムは、最小のユーザ相互作用での自動レジストレーション及びオンラインレジストレーション更新を可能にし得、これらは有利なことに、レジストレーション精度を上げる。提供されるロボットシステム及び/又はレジストレーションアルゴリズムが、心臓、膀胱、及び肺組織等を含む種々のタイプの組織が関わる種々の最小侵襲外科処置で使用することができることに留意されたい。
【0018】
[0018] 本開示の追加の態様及び利点は、本開示の例示的な実施形態のみが図示され記載される以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになろう。認識されるように、本開示は他の異なる実施形態が可能であり、その幾つかの詳細は種々の明白な点において変更が可能であり、これらは全て本開示から逸脱しない。したがって、図面及び説明は限定ではなく例示として見なされるべきである。
【0019】
参照による援用
[0019] 本明細書において言及される全ての公報、特許、及び特許出願は、まるで個々の各公報、特許、又は特許出願が参照により援用されるのと特に個々に示されるのと同程度に、参照により援用される。参照により援用される公報及び特許又は特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する限り、本明細書が任意のそのような矛盾する試料に取って代わり、及び/又は優先されることが意図される。
【0020】
図面の簡単な説明
[0020] 本発明の新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載される。本発明の特徴及び利点のよりよい理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明及び添付図面(本明細書では「図(Figure)」及び「図(FIG.)」とも)を参照することによって得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】[0021]本明細書に記載のロボット気管支鏡システムによって可能になる標準化された肺がん診断のワークフロー例を示す。
図2A】[0022]本発明の幾つかの実施形態によるロボット気管支鏡システムの例を示す。
図2B】[0023]本発明の幾つかの実施形態によるロボット気管支鏡システム例の異なるビューを示す。
図3】[0024]蛍光透視(トモシンテシス)撮像システム例を示す。
図4】[0025]被験者の画像を撮影している間の異なる(回転)姿勢でのCアーム蛍光透視(トモシンテシス)撮像システムを示す。
図5】[0026]最適経路、カテーテルの先端部の場所、及び病変場所が重ねられた仮想気道を可視化するためのユーザインターフェース例を示す。
図6】[0027]ポータブルロボットコーンビームCT例を示す。
図7】[0028]本発明の幾つかの実施形態による自動レジストレーション方法例を模式的に示す。
図8】[0029]カスタマイズされた反復最近傍点(ICP)アルゴリズム例を示す。
図9】[0030]分類結果例を示す。
図10】[0031]専用データ構造がk-dツリー又は八分木データ構造であり得る、データ構造(空間データ構造)例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
[0032] 本発明の種々の実施形態を本明細書に図示し説明したが、そのような実施形態が例のみとして提供されることが当業者には明らかになろう。本発明から逸脱せずに当業者ならば多くの変形、変更、及び置換を思いつき得る。本明細書に記載される本発明の実施形態への種々の変更を採用し得ることを理解されたい。
【0023】
[0033] 例示的な実施形態は主に気管支鏡に関するが、これが限定を意図せず、本明細書に記載のデバイスが他の治療又は診断及び限定ではなく、食道、肝臓、胃、結腸、尿路を含む消化器系又は限定ではなく、気管支、肺等を含む呼吸器系等の患者の体の他の生体構造領域に使用し得ることを当業者ならば理解しよう。本明細書におけるレジストレーション方法/アルゴリズムは、デバイスのタイプ又は実行される動作に関係なく、医療デバイスの座標系を3Dモデル(例えば気道モデル又はCTスキャナによって生成される患者の座標系)の座標系とアラインメントするために使用することができる。
【0024】
[0034] 本明細書に開示される実施形態は、多くの方法の1つ又は複数で組み合わせられて、改善された診断及び治療を患者に提供し得る。開示される実施形態は、例えば肺の診断、手術及び他の組織及び臓器の既知の方法との組合せ等、既存の方法及び装置と組み合わせられて、改善された治療を提供することができる。本明細書に記載される構造及びステップの任意の1つ又は複数が、本明細書に記載される方法及び装置の1つ又は複数の追加の構造及びステップと組み合わせることができ、図面及びサポートテキストが実施形態による説明を提供することを理解されたい。
【0025】
[0035] 本明細書に記載の診断又は外科処置の治療計画及び定義は肺の診断又は手術に関して提示されるが、本明細書に記載される方法及び装置は、体の任意の組織並びに脳、心臓、肺、腸、目、皮膚、腎臓、肝臓、膵臓、胃、子宮、卵巣、睾丸、膀胱、耳、鼻、口、骨髄、脂肪組織、筋肉、腺組織、及び粘膜組織、脊柱組織及び神経組織、軟骨等の軟組織、歯、骨等の生体硬組織、並びに洞、尿管、結腸、食道、肺通路、血管、及び喉等の体腔及び身体通路等の体の任意の臓器及び脈管の治療に使用することができる。
【0026】
[0036] 「少なくとも」、「~超」、又は「以上」という用語が一連の2つ以上の数値中の最初の数値に先行する場合は常に、「少なくとも」、「~超」、又は「以上」という用語はその一連の数値中の各数値に適用される。例えば、1、2、又は3以上は、1以上、2以上、又は3以上と同等である。
【0027】
[0037] 「~を超えない」、「未満」、又は「以下」という用語が一連の2つ以上の数値中の最初の数値に先行する場合は常に、「~を超えない」、「未満」、又は「以下」という用語はその一連の数値中の各数値に適用される。例えば、3、2、又は1以下は、3以下、2以下、又は1以下と同等である。
【0028】
[0038] 本明細書で使用される場合、プロセッサは1つ又は複数のプロセッサ、例えば単一のプロセッサ又は例えば分散処理システムの複数のプロセッサを包含する。本明細書に記載されるコントローラ又はプロセッサは一般に、プロセスのステップを実施するための命令を記憶する有形媒体を含み、プロセッサは、例えば中央演算処理装置、プログラマブルアレイ論理、ゲートアレイ論理、又はフィールドプログラマブルゲートアレイの1つ又は複数を含み得る。幾つかの場合、1つ又は複数のプロセッサは、プログラマブルプロセッサ(例えば中央演算処理装置(CPU)又はマイクロコントローラ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ又は複数の高度RISCマシン(ARM)プロセッサであり得る。幾つかの場合、1つ又は複数のプロセッサは非一時的コンピュータ可読媒体に動作可能に結合し得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のステップを実行するために1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な論理、コード、及び/又はプログラム命令を記憶することができる。非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のメモリユニット(例えばリムーバブル媒体又はSDカード若しくはランダムアクセスメモリ(RAM)等の外付け記憶装置)を含むことができる。本明細書に開示される1つ又は複数の方法又は動作は、例えばASIC、専用コンピュータ、若しくは汎用コンピュータ等のハードウェア構成要素又はハードウェアとソフトウェアとの組合せで実施することができる。
【0029】
[0039] 本明細書で使用される場合、先端及び基端という用語は一般に、装置から参照される場所を指し、生体構造的参照の逆であることができる。例えば、気管支鏡又はカテーテルの先端場所は、患者の長尺状四肢の基端場所に対応し得、気管支鏡又はカテーテルの基端場所は患者の長尺状四肢の先端場所に対応し得る。
【0030】
[0040] 本明細書に記載のシステムは、カテーテル等の長尺部又は長尺状部材を含む。「長尺状部材」、「カテーテル」、「気管支鏡」という用語は、文脈により別段のことが示唆される場合を除き、本明細書全体を通して同義で使用される。長尺状部材は、管腔又は体腔内に直接配置することができる。幾つかの実施形態では、システムは、長尺状部材の移動及び/又は動作を駆動、サポート、位置決め、又は制御するために、ロボットマニピュレータ(例えばロボットアーム)等のサポート装置を更に含み得る。代替又は追加として、サポート装置は、ロボットシステムを含んでもよく又は含まなくてもよいハンドヘルドデバイス又は他の制御デバイスであってもよい。幾つかの実施形態では、システムは、被験者の体内の標的部位への長尺状部材のナビゲーションを支援及び/又は促進する、撮像システム等の周辺デバイス及びサブシステムを更に含み得る。そのようなナビゲーションは、本明細書において後述するレジストレーションプロセスを必要とし得る。
【0031】
[0041] 本開示の幾つかの実施形態では、外科動作又は診断を、改良された性能で及び低コストで実行するためのロボット気管支鏡システムが提供される。例えば、ロボット気管支鏡システムは、全体的に使い捨てであることができる操縦可能カテーテルを備え得る。これは有利なことに、高コスト又は操作が難しいが、それでも滅菌又は衛生化が有効ではないことがある滅菌の要件を下げ得る。さらに、気管支鏡の一問題は、気道を通してナビゲートしている間、肺の上葉に達することである。幾つかの場合、提供されるロボット気管支鏡システムには、小さな屈曲を有する気道を通して自律的又は半自律的にナビゲートする能力を設計し得る。自律又は半自律ナビゲーションは、本明細書において後述するレジストレーションプロセスを必要とし得る。代替的には、ロボット気管支鏡システムは、視覚ガイダンスを有する制御システムを通してオペレータによってナビゲートし得る。
【0032】
[0042] 典型的な肺がんの診断及び外科治療プロセスは、医療提供者によって使用される技法、臨床プロトコール、及び臨床現場に応じて劇的に変わり得る。一貫しないプロセスは、早期ステージでの肺がんの診断を遅らせ得、肺がんの診断及び治療を行う医療システム及び患者のコストを上げ得、且つ臨床及び処置の複雑化リスクを上げ得る。提供されるロボット気管支鏡システムは、標準化された早期肺がん診断及び治療を可能にし得る。図1は、本明細書に記載されるロボット気管支鏡システムによって可能になる標準化された肺がん診断の一例のワークフロー100を示す。
【0033】
[0043] 図1に示すように、術前撮像を実行して、病変を識別し得る。磁気共鳴(MR)、ポジトロン放射断層撮影(PET)、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、及び超音波等の任意の適した撮像モダリティを使用して、病変又は対象領域を識別し得る。例えば、肺がんの疑いがある患者は術前CTスキャンを施され得、疑いのある肺小結節をCT画像において識別し得る。術前撮像プロセスは、気管支鏡法に先立って実行することができる。
【0034】
[0044] 次に、CT画像を分析して、気管支鏡法時にロボット気管支鏡のナビゲーションをガイドするためにマップを生成し得る。例えば、病変又は対象領域(ROI)は、画像においてセグメント化し得る。肺が撮像中であるとき、ナビゲーション経路を計算するために、病変への通路又は経路を再構築画像において強調表示し得る。再構築画像は、標的組織又は標的部位へのロボット気管支鏡のナビゲーションをガイドし得る。幾つかの場合、ナビゲーション経路は3D画像データを使用して予め計画し得る。例えば、カテーテルは、ロボット気管支鏡システムのロボット制御下で標的部位に向けて進められ得る。カテーテルは、手動で、自律的に、又は半自律的に標的部位に向けて操縦又は進められ得る。一例では、カテーテルの移動は、挿入方向及び/又は操縦方向を自動的に制御し得るように画像ガイドし得る。
【0035】
[0045] 幾つかの場合、術前撮像での病変場所は、患者の移動又は体の相違に起因して正確ではないことがある。そのような場合、外科処置(例えば生検又は治療)に先立って病変場所を確認し得る。病変の正確な場所は、ロボット気管支鏡システムを用いて確認又は更新し得る。例えば、気管支鏡システムは、病変を位置特定するために、標的部位及び周囲エリアのin vivoリアルタイム撮像を提供する、蛍光透視等の撮像モダリティへのインターフェースを提供し得る。一例では、Cアーム又はOアーム蛍光透視撮像システムを使用して、病変の場所を確認又は更新するためのトモシンテシス画像を生成し得る。生検等の外科処置に先行して、生検器具、ブラシ、又は鉗子等の種々の外科器具をカテーテルの作業チャネルに挿入して、生検又は他の外科処置を手動又は自動で実行し得る。
【0036】
[0046] 次に、カテーテルの作業チャネルを通して挿入された器具により、病変又は任意の他の標的組織のサンプルを取得し得る。システムは、作業チャネルを通した器具の挿入中を含め、処置全体を通してカメラ可視化を維持できるようにする。幾つかの場合、組織サンプルは高速オンサイト評価によって現場で高速評価されて、組織サンプル採取の反復が必要か否かを判断し得、又は更なる行動を決定し得る。幾つかの場合、高速オンサイト評価プロセスは、続く外科的治療を決定するために組織サンプルに対して高速分析を提供することもできる。例えば、高速オンサイト評価プロセスの結果として組織サンプルが悪性であると判断された場合、ロボット気管支鏡の作業チャネルを通して手動又はロボット治療機器を挿入し、肺がんの気管支内治療を実行し得る。これにより、有利なことに、診断及び治療を1セッションで実行することができ、それにより、早期ステージの肺がんの対象を絞った、痛みがなく高速の治療を提供することができる。
【0037】
[0047] 図2A及び図2Bは、本発明の幾つかの実施形態による、例としてのロボット気管支鏡システム200、230を示す。図2Aに示すように、ロボット気管支鏡システム200は、操縦可能カテーテル組立体220と、操縦可能カテーテル組立体を支持又は担持するためのロボットサポートシステム210とを備え得る。操縦可能カテーテル組立体は気管支鏡であることができる。幾つかの実施形態では、操縦可能カテーテル組立体は1回使用ロボット気管支鏡であり得る。幾つかの実施形態では、ロボット気管支鏡システム200は、ロボットサポートシステムのアームに取り付けられる機器駆動機構213を備え得る。機器駆動機構は、ロボットシステムを含んでもよく、又は含まなくてもよい任意の適したコントローラデバイス(例えばハンドヘルドコントローラ)によって提供し得る。機器駆動機構は、機械的及び電気的インターフェースを操縦可能カテーテル組立体220に提供し得る。機械的インターフェースにより、操縦可能カテーテル組立体220を機器駆動機構から解放可能に結合することができる。例えば、操縦可能カテーテル組立体のハンドル部は、磁石、ばね負荷レベル等の高速設置/解放手段を介して機器駆動機構に取り付けることができる。幾つかの場合、操縦可能カテーテル組立体は、器具を使うことなく手動で機器駆動機構に結合又は機器駆動機構から解放し得る。
【0038】
[0048] 操縦可能カテーテル組立体220はハンドル部223を備え得、ハンドル部223は、画像データを処理、電力を提供し、又は他の外部デバイスと通信を確立するように構成された構成要素を含み得る。例えば、ハンドル部223は、操縦可能カテーテル組立体220と機器駆動機構213及び任意の他の外部システム又はデバイスとの間に電気通信を可能にする回路及び通信要素を含み得る。別の例では、ハンドル部223は、内視鏡の電子回路(例えばカメラ及びLED光)に給電するための電源等の回路要素を備え得る。幾つかの場合、ハンドル部は、電気的インターフェース(例えばプリント回路基板)を介して機器駆動機構213と電気通信し得、それにより、画像/ビデオデータ及び/又はセンサデータは、機器駆動機構の通信モジュールによって受信することができ、他の外部デバイス/システムに送信し得る。代替又は追加として、機器駆動機構213は機械的インターフェースのみを提供し得る。ハンドル部は、センサデータを送信し、及び/又は制御信号を受信するために、モジュール式無線通信デバイス又は任意の他のユーザデバイス(例えばポータブル/ハンドヘルドデバイス又はコントローラ)と電気通信し得る。ハンドル部についての詳細は本明細書において後述する。
【0039】
[0049] 操縦可能カテーテル組立体220は、ハンドル部に結合される可撓性長尺状部材211を備え得る。幾つかの実施形態では、可撓性長尺状部材は、シャフト、操縦可能先端部、及び操縦可能セクションを含み得る。操縦可能カテーテル組立体は1回使用ロボット気管支鏡であり得る。幾つかの場合、長尺状部材のみが使い捨てであり得る。幾つかの場合、長尺状部材の少なくとも一部分(例えばシャフト、操縦可能先端部等)が使い捨てであり得る。幾つかの場合、ハンドル部及び長尺状部材を含む操縦可能カテーテル組立体220の全体が使い捨てであることができる。可撓性長尺状部材及びハンドル部は、操縦可能カテーテル組立体の全体が低コストで使い捨て可能であるように設計される。可撓性長尺状部材及び操縦可能カテーテル組立体についての詳細は本明細書において後述する。
【0040】
[0050] 幾つかの実施形態では、提供される気管支鏡システムはユーザインターフェースを備えることもできる。例としてのシステム230に示すように、気管支鏡システムは治療インターフェースモジュール231(ユーザコンソール側)及び/又は治療制御モジュール233(患者及びロボット側)を含み得る。治療インターフェースモジュールは、外科処置中、オペレータ又はユーザが気管支鏡と相互作用できるようにし得る。幾つかの実施形態では、治療制御モジュール233はハンドヘルドコントローラであり得る。治療制御モジュールは、幾つかの場合、プロプライエタリユーザ入力デバイスと、既存のユーザデバイスに脱着可能に結合されて、ユーザ入力経験を改善する1つ又は複数のアドオン要素とを備え得る。例えば、物理的トラックボール又はローラが、置換するグラフィカル要素と同様の機能を物理的トラックボール又はローラに与えることにより、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)に表示される仮想グラフィカル要素(例えばタッチパッドに表示されるナビゲーション矢印)の少なくとも1つの機能を置換又は補足することができる。ユーザデバイスの例には、限定ではなく、モバイルデバイス、スマートフォン/セルフォン、タブレット、個人情報端末(PDA)、ラップトップ又はノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、メディアコンテンツプレーヤ等があり得る。ユーザインターフェースデバイス及びユーザコンソールについての詳細は本明細書において後述する。
【0041】
[0051] 図2Bは、気管支鏡システムの異なるビューを示す。ユーザコンソール231はロボットサポートシステム210に搭載し得る。代替又は追加として、ユーザコンソール又はユーザコンソールの一部分(例えば治療インターフェースモジュール)は、別個のモバイルカートに搭載し得る。
【0042】
ロボット腔内プラットフォーム
[0052] 一態様では、ロボット腔内プラットフォームが提供される。幾つかの場合、ロボット腔内プラットフォームは気管支鏡プラットフォームであり得る。プラットフォームは、図1に説明される方法と一貫した1つ又は複数の動作を実行するように構成し得る。図3図7は、本発明の幾つかの実施形態によるロボット腔内プラットフォーム及びその構成要素又はサブシステムの種々の例を示す。幾つかの実施形態では、プラットフォームは、ロボット気管支鏡システムと、本開示のロボット気管支鏡システムと組み合わせて使用することができる1つ又は複数のサブシステムとを備え得る。
【0043】
[0053] 幾つかの実施形態では、1つ又は複数のサブシステムは、標的部位(例えば病変を含む)のリアルタイム撮像を提供する蛍光透視(トモシンテシス)撮像システム等の撮像システムを含み得る。図3は蛍光透視(トモシンテシス)撮像システム300の一例を示す。例えば、蛍光透視(トモシンテシス)撮像システムは、図1に説明される外科処置の前又は間、正確な病変場所追跡又は確認を実行し得る。幾つかの場合、病変場所は、蛍光透視(トモシンテシス)撮像システム/ステーション(例えばCアーム)についての場所データ及び蛍光透視(トモシンテシス)撮像システムによって捕捉される画像データに基づいて追跡し得る。病変場所は、ロボット気管支鏡システムの座標系とレジストレーションし得る。蛍光透視(トモシンテシス)撮像システムの場所又は動きは、慣性測定ユニット(IMU)、1つ又は複数のジャイロスコープ、速度センサ、加速度計、磁力計、場所センサ(例えば全地球測位システム(GPS)センサ)、ビジョンセンサ(例えばカメラ等の可視光、赤外線光、又は紫外線光を検出可能な撮像デバイス)、近接又は測距センサ(例えば超音波センサ、ライダー、飛行時間又は深度カメラ)、高度センサ、姿勢センサ(例えばコンパス)、及び/又はフィールドセンサ(例えば磁力計、電磁センサ、無線センサ)等の任意の適した動き/場所センサ310を使用して測定し得る。蛍光(トモシンテシス)撮像ステーションの動き及び場所を追跡する1つ又は複数のセンサは、撮像ステーションに配置されてもよく、又は壁搭載カメラ320等の撮像ステーションからリモートに配置されてもよい。図4は、被験者の画像を撮影する間の異なる(回転)姿勢でのCアーム蛍光透視(トモシンテシス)撮像システムを示す。上述したように1つ又は複数のセンサによって種々の姿勢を捕捉し得る。
【0044】
[0054] 幾つかの実施形態では、病変の場所は、信号処理ユニット330を用いて蛍光透視(トモシンテシス)撮像システムによって捕捉された画像データにおいてセグメント化し得る。信号処理ユニットの1つ又は複数のプロセッサは、リアルタイム蛍光透視画像/ビデオに治療場所(例えば病変)を更に重ねるように構成し得る。例えば、処理ユニットは、治療場所又は標的部位の場所等の増補情報を含む増補層を生成するように構成し得る。幾つかの場合、増補層は、この標的部位への経路を示すグラフィカルマーカーを含むこともできる。増補層は、1つ又は複数のグラフィカル要素(例えばボックス、矢印等)を含む実質的に透明の画像層であり得る。増補層は、蛍光透視(トモシンテシス)撮像システムによって捕捉され及び/又は表示デバイスに表示された光学画像又はビデオストリームの光学ビューに重ね得る。増補層の透明性により、光学画像はグラフィカル要素が上に重ねられた状態でユーザによって見ることができる。幾つかの場合、セグメント化された病変画像及び病変に達するように長尺状部材をナビゲートするための最適経路の両方をリアルタイムトモシンテシス画像に重ね得る。これにより、オペレータ又はユーザは、病変の正確な場所及び気管支鏡移動の計画された経路を可視化することができる。幾つかの場合、本明細書に記載のシステムの動作に先立って提供されるセグメント化され再構築された画像(例えば他の箇所に記載されるCT画像)は、リアルタイム画像に重ね得る。
【0045】
[0055] 幾つかの実施形態では、プラットフォームの1つ又は複数のサブシステムはナビゲーション及び位置特定サブシステムを含み得る。ナビゲーション及び位置特定サブシステムは、術前画像(例えば術前CT画像又はトモシンテシス)に基づいて仮想気道モデルを構築するように構成し得る。ナビゲーション及び位置特定サブシステムは、3Dレンダリングされた気道モデルにおけるセグメント化された病変場所を識別するように構成し得、病変の場所に基づいて、ナビゲーション及び位置特定サブシステムは、外科処置(例えば生検)を実行するために推奨される病変への接近角度と共に主気管支から病変への最適経路を生成し得る。
【0046】
[0056] 標的部位に気管支鏡を駆動する前のレジストレーションステップにおいて、システムは気道のレンダリング仮想ビューを患者の気道にアラインメントし得る。画像レジストレーションは、単一のレジストレーションステップ又は単一のレジストレーションステップとレジストレーション情報へのリアルタイム感覚更新との組合せからなり得る。レジストレーションプロセスは、物体(例えば気道モデル、生体構造部位)を異なる座標系(例えばEMセンサ座標及び術前CT撮像に基づく患者の3Dモデル座標)間でアラインメントする変換を見つけることを含み得る。レジストレーションについての詳細は本明細書において後述する。
【0047】
[0057] レジストレーションされると、全ての気道は術前レンダリング気道にアラインメントし得る。ロボット気管支鏡が標的部位に向かって駆動される間、気道内部の気管支鏡の場所を追跡し表示し得る。幾つかの場合、気道に対する気管支鏡の場所は位置センサを使用して追跡し得る。センサ融合技法を使用して、位置センサの代わりに又は位置センサと組み合わせて他のタイプのセンサ(例えばカメラ)を使用することもできる。電磁(EM)センサ等の位置センサはカテーテルの先端部に組み込まれ得、EM場生成器は、術中、患者の胴体の隣に位置決めし得る。EM場生成器は、3D空間中のEMセンサ位置を特定し得、又は5D若しくは6D空間中のEMセンサ位置及び向きを特定し得る。これは、気管支鏡を標的部位に向けていつ駆動するかの視覚的ガイドをオペレータに提供し得る。
【0048】
[0058] リアルタイムEM追跡において、医療機器の1つ又は複数の場所及び向き(例えば内視鏡器具の先端部)に組み込まれた1つ又は複数のセンサコイルで構成されるEMセンサは、患者に近い場所に位置決めされた1つ又は複数の静的EM場生成器によって生じたEM場の変動を測定する。EMセンサによって検出された場所情報は、EMデータとして記憶される。EM場生成器(又は送信機)は、患者の近くに配置されて、組み込まれたセンサが検出し得る低強度磁場を生み出し得る。磁場は、EMセンサのセンサコイルに小さな電流を誘導し、これを分析して、EMセンサとEM場生成器との間の距離及び角度を特定し得る。これらの距離及び向きは、座標系における単一の場所を患者の生体構造の術前モデルにおける位置とアラインメントするレジストレーション変換を特定するために、患者の生体構造(例えば3Dモデル)に術中、レジストレーションし得る。
【0049】
[0059] 図5は、最適経路503、カテーテル501の先端部の場所、及び病変場所505が重ねられた仮想気道509を可視化するためのユーザインターフェース例を示す。この例では、カテーテルの先端部の場所は仮想気道モデル509に対してリアルタイムで表示され、それにより、視覚的ガイダンスを提供する。図5の例に示すように、ロボット気管支鏡駆動中、最適経路503は表示し得、仮想気道モデルに重ね得る。上述したように、仮想気道モデルはリアルタイム蛍光透視画像/ビデオ(及び撮像システムの場所データ)に基づいて構築し得る。幾つかの場合、リアルタイム蛍光透視画像/ビデオ507のビューはグラフィカルユーザインターフェースに表示することもできる。幾つかの場合、ユーザはまた、気管支鏡によってリアルタイムで捕捉されたカメラビュー又は画像/ビデオ511にアクセスすることが許され得る。
【0050】
[0060] 幾つかの実施形態では、プラットフォームの1つ又は複数のサブシステムは、手動又はロボット機器(例えば生検針、生検鉗子、生検ブラシ)及び/又は手動又はロボット治療機器(例えばRFアブレーション機器、極低温機器、マイクロ波機器等)等の1つ又は複数の治療サブシステムを備え得る。
【0051】
[0061] 従来のコーンビームCT機は、エミッタ及び受信機パネルをC形又はO形を有する同じ機械構造上に有し得る。エミッタと受信機パネルとの間の接続は、コーンビームCTのサイズを大きくさせ得る。この大きすぎる設計は、使用事例に制限を課し、かなり狭い手術室で大きなスペースをとる。
【0052】
[0062] 本明細書に記載されるのは、エミッタと受信機パネルとの間の機械的接続を切り離す設計である。図6はポータブルロボットコーンビームCTの一例を示す。エミッタ及び受信機パネルは、図6の例に示すように、2つの別個のロボットアームに別個に搭載することができる。使用中、2つのロボットは同じ座標系で移動することができる。制御アルゴリズムにより、2つのロボットが同期した動きで移動することを保証し得る。
【0053】
[0063] くわえて、患者のゲーティング運動、即ち呼吸のために、追加の外部センサ - 即ちIMU、EM、又は画像センサ - を追加して、患者の運動を追跡することができる。患者の位置変化は、IMU、EM、又は画像センサ等のセンサを使用して追跡することができる。感覚信号を使用して、2つのロボットアームに命令することができる。幾つかの場合、ロボットアームの一方又は両方は、患者の運動を追跡するように移動することができ、これは基本的に、追跡時、エミッタ及び受信機を対象領域(ROI)に関して患者の運動に対して静止させる。ROIは、システムによって自動的に又は医師によって手動で決定することができる標的部位又は標的場所を含み得る。追跡は、限定ではなく、外部カメラ及び患者の体上の1つ又は複数の追跡器等の他の機構を使用して行うこともできる。
【0054】
[0064] コーンビームCTが非限定的な例であることが当業者によって理解されるべきである。本明細書に記載の設計は、蛍光透視機、古典的なCT機、及びMRI機等の他の撮像モダリティに使用することもできる。
【0055】
自動レジストレーションアルゴリズム
[0065] 本開示は、レジストレーション時間を短縮しながらレジストレーション精度を上げることができる改良された自動レジストレーションアルゴリズムを提供する。提供される自動レジストレーションアルゴリズムは有利なことに、最小のユーザ相互作用を可能にし得、既存の方法から改善した変換又はレジストレーションを確立することが可能である。さらに、提供される自動レジストレーションアルゴリズムは、デバイスが被験者の体内で駆動されているとき、レジストレーション精度を上げる、リアルタイム状況に適応するようなアルゴリズムのオンザフライでの更新(例えばリアルタイムで検出されたレジストレーション誤差に基づくレジストレーションの自動更新)を可能にし得る。
【0056】
[0066] 幾つかの実施形態では、自動レジストレーションアルゴリズムは、3つのステージを含み得、又は3つのステージで実施することができる。図7は、本発明の幾つかの実施形態による一例としての自動レジストレーション方法700を模式的に示す。自動レジストレーション方法は、ユーザ入力なしでレジストレーション情報をリアルタイムで更新する1つ又は複数のアルゴリズムを含み得る。自動レジストレーションアルゴリズムは、最適なレジストレーション/変換行列を識別し、時間情報を利用することにより、レジストレーション精度を上げる1つ又は複数のアルゴリズムを含むこともできる。
【0057】
[0067] 上述したように、EM場内の場所を追跡するために、EMセンサは内視鏡の先端部に結合し得る。EM場はEM場生成器に対して静止し、管腔網の3Dモデルの座標系(例えばCT空間)はEM場の座標系にマッピングすることができる。図7に示すように、自動レジストレーション方法700は、初期データ収集フェーズ701であり得る第1のステージを含み得る。初期データ収集フェーズは、カテーテルの先端部を再構築し、初期並進変換を実行することを含み得る。
【0058】
[0068] 初期データ収集フェーズ701は、EMセンサの向きを先端部の向きにレジストレーションし得る。これは、ロボット内視鏡装置空間と場所センサ空間との間の関連付けを確立し得る。例えば、先端部に配置された電磁コイルを電磁追跡システムと併用して、生体構造系(例えば解剖学的管腔網)内に配置されている間、カテーテルの先端部の位置及び向きを検出し得る。幾つかの実施形態では、コイルは傾斜して、異なる軸に沿った電磁場への感度を提供し得、開示されるナビゲーションシステムに、最高自由度6を測定する能力を与える:位置自由度3及び角度自由度3。EM場生成器の向き/場所は未知であり得、初期データ収集フェーズは、収集されたセンサデータを使用してEMセンサ向き(例えばEM座標系のZ軸)を先端部向き(例えばカテーテル先端部Z軸)にレジストレーションし得る。
【0059】
[0069] 第1のフェーズ中、センサデータ(例えばEMセンサデータ)を収集して、磁場生成器のz軸をカテーテル先端部のz軸にレジストレーションし得る。これにより、事前に場所及び向きを知ることなく、磁場生成器を配置する際に柔軟性が可能になり得る。センサデータは、カテーテルが既知の方向に駆動されるときに収集されるストリームデータを含み得る。ストリームデータは、限定ではなく、EMセンサによって生成される時空点測定等の時系列データを含む多様なタイプのデータを含み得る。幾つかの場合、時系列データは、カテーテルが、患者の体内であってもよく、又は体内でなくてもよい既知の方向に駆動されているときに収集し得る。例えば、EMセンサデータ点は、先端部が気管支又は気管等の被験者内部に配置され、既知の方向に沿って移動するとき、収集し得る。幾つかの場合、カテーテル先端部のz軸及びEM向きは、組み立て又は製造中、較正し得る。幾つかの場合、カテーテル先端部のz軸は、カテーテル先端部を既知の方向に駆動するとき、ロボットデータから取得し得、又はCT撮像若しくは他のリアルタイム撮像技法を用いて取得し得る。カテーテル先端部とEM場との間の初期並進変換を取得し得る。そのような並進変換及び回転変換は、より多くの入力センサデータが収集されるにつれて、第1のフェーズ中、連続して改良且つ変更し得る。幾つかの場合、第1のフェーズにおける並進同時変換は、閾値が満たされるまで更新且つ改良し得る。閾値は、精度が満たされたことを示す精度閾値であり得る。代替又は追加として、更新は連続して実行し得(例えば誤差を各時間間隔で計算し得る)、トモシンテシスターゲティングが進行するとき、更新を停止し得る。
【0060】
[0070] 幾つかの場合、収集されたセンサデータは、CT空間(例えば組織)とEM空間(例えばカテーテル)との間の並進変換に関してレジストレーションを提供することもできる。例えば、EM場と患者モデル(例えば管腔網モデルの座標系)との間のレジストレーション変換を識別し得る。第2のフェーズにおけるこの並進変換は初期並進変換行列を含み得、初期並進変換行列は、本明細書において後述する最終フェーズにおいて後に改良し得る。
【0061】
[0071] レジストレーション方法の第2のフェーズ703は、EM空間とモデル(例えばCT)空間との間の関連付けを作成することを含み得る。第2のフェーズ中、EM空間とCT空間との間の初期変換行列は、第1のフェーズにおいて生成された並進情報及びリアルタイムセンサデータに少なくとも部分的に基づいて生成し得る。幾つかの場合、第2のフェーズで利用されるデータ点(例えばEMデータ)は、カテーテルが予め定義されたナビゲーション経路に沿って気管及び/又は子分岐内部をナビゲートしているとき、収集し得る。予め定義されたナビゲーション経路は、CT空間において定義し得る。本明細書の他の箇所に記載のように、EMデータは、向き、位置、及び誤差データについての情報を含み得る。CT空間又は生体構造モデルの座標系は、術前処置又は外科オペレーション中に生成し得る。そのようなセンサデータ点を使用して、空間における平面を確立し、EM空間及びCT空間においてそれぞれ移動した1組の方向距離(例えば向き及び長さの両方)に基づいて、EM空間とCT空間との間の1組の関連性を確立し得る。1組の関連性は、EMセンサによって生成される時空データ点等の時系列データに少なくとも部分的に基づいて生成し得る。
【0062】
[0072] 幾つかの場合、1組の関連性を処理して、最適変換行列を識別し得る。例えば、3D空間における確立されたCT曲線(例えばCT空間における点群)へのEM曲線(例えばEM空間における点群)の最良適合は、最適変換行列を識別するように決定し得る。例えば、提供される自動レジストレーション方法は、最近傍及び特異値分解と共に反復最近傍点(ICP)アルゴリズムの変更版を採用して、最適解に向かって計算を反復し得る。最適当てはめを識別するのに適した他のアルゴリズム又は変形を採用してもよいことに留意されたい。
【0063】
[0073] 図8は、2つのデータ点群(例えばEMドメイン点群及びCTドメイン点群)間の初期変換を生成するためのカスタマイズされた反復最近傍点(ICP)アルゴリズムの一例を示す。ICPは、現在の変換推定に基づいて1つの形状のあらゆる点の最近傍(NN)を決定することと、NNに基づいて推定を更新することとを交互に行う反復アルゴリズムである。関連性ソルバは、CT空間及びEM空間における2組のデータ点群(例えばCn、Xn)間の計算された組の関係性を受信し、実行されて、1組の関連性に最良に一致する変換を取得し得る。一例として、1組の関連性はk最近傍(k-NN)アルゴリズムを使用して計算し得る。最良適合変換は、誤差最小化ステップ中、特異値分解を使用して計算し得る。仮定(例えば近接仮定)は、変換並進及び回転を良好な初期値にソフトロックするように変更し得る。
【0064】
[0074] 分類結果例を図9に示す。提供される方法は更に、専用データ構造を利用することによってk-NNアルゴリズム性能を改善して計算を低減し得る。図10はデータ構造(空間データ構造)例を示す。専用データ構造はk-dツリー又は八分木データ構造であり得る。k-dツリー又は八分木データ構造は、サーチ空間の規則正しい分割及び高分岐係数に起因してNNSの効率的な実施を可能にすることができ、座標クエリは高速である。形状レジストレーション及び記憶効率に適した他のデータ構造を利用することもできる。
【0065】
[0075] 図8に戻って参照すると、誤差最小化動作は、特異値分解を使用して、最良適合変換を計算することを含み得る。例えば、特異値分解を1組の関連性に適用して、最良変換を計算し得る。特異値分解法を使用して、総最小二乗最小化問題への解を計算し得る。
【0066】
[0076] 上記アルゴリズムが他のアルゴリズムによって変更又は置換することができることに留意されたい。例えば、コヒーレント点ドリフトアルゴリズムを採用して、固定点場所ではなく確率に基づいて最良適合変換を識別し得る。アルゴリズムは、他の点群とアラインメントするまで、計算された特徴、通常はセントロイドが確率的最適化面をトラバースするように回転させながら、点群をスケールアップ(及び/又は確率的収束を使用して点群を変形)し得る。コヒーレント点ドリフトアルゴリズム又は他の確率ベースのアルゴリズムは、データセットへのノイズの影響を低減し得る。
【0067】
[0077] 図7に戻って参照すると、自動レジストレーションアルゴリズムの第3のフェーズ705は、第2のフェーズにおいて生成された初期レジストレーション/変換を更新することを含み得る。幾つかの実施形態では、更新方法は、初期変換への弱いリアルタイム更新及び強いリアルタイム更新を含み得る。弱いリアルタイム更新は高速間隔更新と呼ぶこともでき、強いリアルタイム更新は低速間隔更新と呼ぶこともでき、これらは本明細書全体を通して同義で使用される。更新は、ユーザ介入なしでリアルタイムデータを使用して実行し得る。幾つかの場合、更新は、大きな点群からの収集されたリアルタイムEMセンサデータを利用し得る。幾つかの場合、誤差計算及び誤差に基づいて更新が必要であるか否かの判断のために、大きな点群からのデータ点のサブセットを選択/サンプリングし得る。
【0068】
[0078] 幾つかの場合、更新方法は、初期変換への弱い及び強いリアルタイム更新を含み得る。例えば、更新方法は高速間隔改良ステップ及び低速間隔再計算ステップを含み得る。幾つかの場合、各更新後、誤差を再計算し得、誤差が低減する場合、変換行列を更新し得る。
【0069】
[0079] 高速間隔改良動作(例えば高速間隔更新)は、大きな点群(例えば第3のフェーズにおいて収集されたデータ点)からデータ点のサブセットをランダムにサンプリングすることを含み得る。次に、現在の変換及び最近傍アルゴリズムをサンプリングされた組に適用して、1組の関連性を作成し得る。1組の関連性は、第2のフェーズにおいて計算された1組の関連性と組み合わせて、最終点群を作成し得る。最終点群データは、第2のフェーズにおいて記載した変更されたICPアルゴリズムに供給されて、更新された変換を生成し、それにより、現在の変換を改良し得る。
【0070】
[0080] 低速間隔再計算動作は、初期変換情報又は第2のフェーズにおいて生成された1組の関連性を利用せずに最近傍アルゴリズムのみを使用しながら、上述したものと同様の更新動作を含み得る。例えば、1組の関連性は、最近傍アルゴリズムを第3のフェーズにおいて収集されたセンサデータに適用することによって計算し得、変換行列は、第2のフェーズからの情報なしで1組の関連性のみを使用して更新し得る。幾つかの場合、データのサブセットは大きなデータセットからランダムにサンプリングし得る。代替又は追加として、データのサブセットは距離に基づいて選択し得る。例えば、距離に基づく時間フィルタを使用して、時間経路に沿って均一に分布した点をサンプリングし、そのような点を更新計算に選択し得る。フィルタリングに使用される距離は、CTスキャン及び/又は患者の生体構造に基づき得る。
【0071】
[0081] そのような低速間隔再計算動作(即ち強い更新)は、次の極小に「ジャンプ」することになり得るため、より大きな時間/点間隔で実行し得る。幾つかの場合、低速再計算は一定間隔(例えば時間間隔、所定数のデータ点等)で実行し得る。幾つかの場合、低速再計算は、極小又は最小値に達したことを示す、更新誤差値が収束しはじめるとき、トリガーし得る。初期変換は弱い更新(即ち高速間隔再計算)及びICPアルゴリズムの反復によって常に改良されているため、「ジャンプ」は、所望のステップ又は正しい方向であることを保証することができる。弱い更新(例えば高速間隔改良)と強い更新を組合せるとともに、弱い更新を強い更新よりも頻繁に実行することで、有利なことに、「ジャンプ」が正確な方向であることを保証し得、その理由は、改良ステップは、最小値への距離を低減しながら、不正確な極小への距離を増大させるためである。
【0072】
[0082] 更新フェーズ(例えば高速間隔更新)でのデータ点のランダムサンプリングは、有利なことに、過剰適合を阻止することもできる。過剰適合は、ノイズの多いデータ及びシリンダデータを単一線に当てはめることに起因して生じ得る。ランダムサンプリングは、ある極小から別の極小にジャンプする代わりに一般解を見つけて改良する能力を提供し得、それにより、誤差面の平滑なトラバースを可能にし、レジストレーション精度及び安定性を改善する。データ点のランダムサンプリングはまた、初期関連性を推定関連性(高速間隔再計算において計算される)に間接的に加重し得る。高精度のデータが第2のフェーズにおいて計算され、複雑な構造及び周辺気道間の小さなギャップに起因して、この計算を最近傍計算よりも加重することが望ましい。更新ステップにおけるランダムデータサンプリングは、極小での行き詰まりを更に阻止し得、これはレジストレーションプロセス全体を中断させるおそれがある。主に、大域解が反復xで見つかった場合でも、反復x+1がデータを追加し、前の変換を極小にさせ得るため、極小への到達は不可避であり得る。ランダムサンプリングは、有利なことに、反復及び誤差計算を平滑化し得る。
【0073】
[0083] 幾つかの実施形態では、自動レジストレーションアルゴリズムは、前処理アルゴリズムを採用して、収集されたセンサデータを前処理して、性能を改善することもできる。幾つかの場合、ラマーダグラスプッカーアルゴリズムを使用して、2つの場所点間の時系列データの大きなデータセットを前処理し得る。アルゴリズムは、経路を単純化しながら、全体データセット形状を保持する点を再帰的に見つける。幾つかの場合、指数平滑化等のアルゴリズムを使用して、曲線の変動を小さく保ちながら、データセットからノイズを除去し得る。別の例では、アルファベータフィルタリング等のフィルタを利用して、ノイズをデータセットから除去し得る。幾つかの場合、距離に基づく時間フィルタを使用して、上述したようにデータのサブセットを選択し得る。
【0074】
[0084] 本発明の好ましい実施形態を本明細書に図示し記載したが、そのような実施形態が単なる例として提供されることが当業者には明らかになろう。ここで、本発明から逸脱せずに、当業者は多くの変形、変更、及び置換を思い付くであろう。本発明の実施に当たり、本明細書に記載された本発明の実施形態への種々の変更を採用し得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲及びその均等物内の方法及び構造がそれによって包含されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】