(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-21
(54)【発明の名称】電気またはハイブリッド車両のバッテリパック用の補強フレーム、補強されたバッテリパック、およびそのバッテリパックを組み立てるための方法
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20230214BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20230214BHJP
B60L 50/64 20190101ALI20230214BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B62D25/20 C
B62D25/20 H
B60L50/64
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537506
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 IB2020061635
(87)【国際公開番号】W WO2021124012
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2019/061006
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タンドン,ガガン
(72)【発明者】
【氏名】ザムマレン,ロバート
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA31
3D203AA33
3D203BB04
3D203BB12
3D203BB16
3D203BB24
3D203CA23
3D203CA25
3D203CA26
3D203DB05
3D235AA02
3D235BB03
3D235BB36
3D235CC14
3D235DD32
3D235DD35
3D235FF09
3D235FF12
3D235HH22
3D235HH25
3D235HH26
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF05
5H125FF24
(57)【要約】
本発明は、電気またはハイブリッド車両(37)のバッテリパック(2)用の補強フレーム(1)であって、前記バッテリパックが、シールド要素に位置して固定される複数のバッテリセルを備え、前記補強フレームが、少なくとも:- バッテリパックと車両の車体との両方に固定されるように提供される補強フレーム締結部分(3)と、- 少なくともバッテリセルを取り囲むように提供される補強フレーム中空部分(4)とを備える、補強フレーム(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気またはハイブリッド車両(37)に取り付けられた、前記車両(37)のバッテリパック(2)用の補強フレーム(1)であって、前記バッテリパック(2)が、複数のバッテリセル(29)を備え、前記補強フレーム(1)が、少なくとも、
バッテリパック(2)と車両の車体との両方に固定されるように提供される補強フレーム締結部分(3)と、
少なくともバッテリセル(29)を取り囲むように提供される補強フレーム中空部分(4)、
どちらも締結セクション(5、6)および補強セクション(7、8)を有する内側部品(10)および外側部品(11)を備え、締結セクション(5、6)が、補強フレーム締結部分(3)を形成するために互いに固定され、補強セクション(7、8)が、補強フレーム中空部分(4)を画定し、
内側部品(10)と外側部品(11)とがそれぞれ、プレス硬化鋼のレーザ溶接ブランクから作製され、前記レーザ溶接ブランクがそれぞれ、いくつかのサブブランクを備える、
補強フレーム(1)。
【請求項2】
内側部品(10)および外側部品(11)の補強セクション(7、8)がどちらも略L字形であり、補強フレーム中空部分(4)のY軸に対して対称的な位置に配置されて、略正方形または長方形の補強フレーム中空部分(4)を形成する、請求項1に記載の補強フレーム(1)。
【請求項3】
補強フレーム中空部分(4)から延びる被覆部分(9)を備え、前記被覆部分(9)が、バッテリパック(2)の上部カバー(19)に固定されるように提供される、請求項1または2に記載の補強フレーム(1)。
【請求項4】
内側部品(10)と外側部品(11)とがどちらも、対象の補強セクション(7、8)から延びる被覆部分(12、13)を有し、前記被覆部分(12、13)が、被覆部分(9)を形成するために互いに固定される、請求項3に記載の補強フレーム(1)。
【請求項5】
前記補強フレーム(1)の任意の所与の断面に関して、内側部品(10)の最小引張強度のシート厚さによる積が、外側部品(11)の最小引張強度のシート厚さによる積以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の補強フレーム(1)。
【請求項6】
略正方形または長方形の形状を有し、面取りされた隅部を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の補強フレーム(1)。
【請求項7】
補強フレーム中空部分(4)の内側に位置し、前記補強フレーム中空部分(4)に固定された少なくとも1つの長手方向補強部材(14)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の補強フレーム(1)。
【請求項8】
長手方向補強部材(14)が、オメガ形状の断面を有する、請求項7に記載の補強フレーム(1)。
【請求項9】
電気またはハイブリッド車両(37)用の補強されたバッテリパック(2)であって、複数のバッテリセル(29)を備え、請求項1から8のいずれか一項に記載の補強フレーム(1)をさらに備える、補強されたバッテリパック(2)。
【請求項10】
電気またはハイブリッド車両(37)の車体に、少なくとも締結部分(3)で取り付けられる、請求項9に記載の補強されたバッテリパック(2)。
【請求項11】
バッテリパック(2)への侵入を回避するために提供される少なくともシールド要素(15)をさらに備え、前記シールド要素(15)が、補強されたバッテリパック(2)の締結部分(3)に取り付けられる、請求項9または10に記載の補強されたバッテリパック(2)。
【請求項12】
補強フレーム(1)の被覆部分(9)に取り付けることによって補強フレーム(1)に固定される少なくとも上部カバー(19)をさらに備える、請求項9から11のいずれか一項に記載の補強されたバッテリパック(2)。
【請求項13】
電気またはハイブリッド車両(37)の車体(30、31)に取り付けられる請求項9から12のいずれか一項に記載の補強されたバッテリパック(2)を組み立てるためのプロセスであって、前記車体(30、31)が、長手方向軸(X)に沿って延び、床(28)と、少なくとも1対の後側部材(25)および1対の前側部材(26)であって、前記対(25、26)が、互いに反対側にあり、後方および前方の衝撃を吸収するように提供される、少なくとも1対の後側部材(25)および1対の前側部材(26)と、床(28)に固定され、横方向衝撃を吸収するように提供される互いに反対側の2つのサイドシル(27)とを備え、プロセスが、少なくとも、
バッテリセル(29)を提供するステップ、
内側部品(10)および外側部品(11)を提供するステップ、
バッテリセル(29)の周りに内側部品(10)を配設するステップ、
車両(37)の前部に向けて位置する外側部品(10)の隅部が前側部材(26)の後端部に隣接し、車両の後部に向けて位置する外側部品(10)の隅部が後側部材(25)の前端部に隣接するように、外側部品(11)の締結セクション(6)を1対のサイドシル(27)に取り付けるステップ、
ハイブリッド車両または電気自動車両(37)の車体に取り付けられる締結部分(3)と、バッテリセル(29)を取り囲む中空部分(4)とを有する補強フレーム(1)を形成するために、内側部品(10)の締結セクション(5)を外側部品(11)の締結セクション(6)に取り付けるステップ
を含む、プロセス。
【請求項14】
電気またはハイブリッド車両(37)の車体(30、31)に取り付けられる請求項9から12のいずれか一項に記載の補強されたバッテリパック(2)を組み立てるためのプロセスであって、前記車体(30、31)が、長手方向軸(X)に沿って延び、床(28)と、少なくとも1対の後側部材(25)および1対の前側部材(26)であって、前記対(25、26)が、互いに反対側にあり、後方および前方の衝撃を吸収するように提供される、少なくとも1対の後側部材(25)および1対の前側部材(26)と、床(28)に固定され、横方向衝撃を吸収するように提供される互いに反対側の2つのサイドシル(27)とを備え、プロセスが、少なくとも、
バッテリセル(29)を提供するステップ、
内側部品(10)および外側部品(11)を提供するステップ、
締結部分(3)および中空部分(4)を有する補強フレーム(1)を形成するために、内側部品(10)および外側部品(11)の締結セクション(5、6)を互いに取り付けるステップ、
バッテリセル(29)の周りに補強フレーム(1)を配設するステップ、
車両(37)の前部に向かって位置する補強フレーム(1)の隅部が前側部材(26)の後端部に隣接し、車両の後部に向かって位置する補強フレーム(1)の隅部が後側部材(25)の前端部に隣接するように、締結部分(3)を1対のサイドシル(27)に取り付けるステップ
を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車産業における保護および補強要素に関し、より詳細には、電気またはハイブリッド車両のバッテリパックの保護に関する。
【背景技術】
【0002】
電気またはハイブリッド車両は、少なくとも1つの重くてかさばるバッテリパックを搭載しなければならない。このバッテリパックは複数のバッテリセルから構成され、自動車事故の際に生じ得る物理的侵入と、対象の車両への組立て中にバッテリパックが移動される間の機械的衝撃との両方に対して非常に良く保護される必要がある。
【0003】
米国特許出願第13/940,735号から、プレート底部と、底部の周縁部から上向きに曲げられた壁とを備えるトレイまたはタブに挿入された複数のセルを備えるバッテリパックを設計することが知られている。壁は、より良いセル保護のために、内側フレームおよび外側フレームで補強される。しかし、トレイの逃げ角が使用不能区域(lost zone)を形成し、この区域は、バッテリセルをトレイに挿入するときの空間の最適化において問題となる。
【0004】
さらに、先行技術のバッテリパック構造は、衝突管理の面から車両の全体的な性能を改良するためには使用されていない。先行技術のバッテリパック構造は、バッテリセルを収納および保護するためにのみ設計され、車両にさらなる改良をもたらすことを考慮していない。
【0005】
独国特許出願公開第102016115037(A1)号から、3次元部品に形成された後に一体に溶接される4つの異なる要素を使用して内側および外側フレーム構造を形成することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102016115037号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の狙いは、バッテリパックのバッテリセル構成を最適化し、車両衝突管理の全体的な改良に寄与しながら、前記バッテリパックのバッテリセルを効率的に保護するための方法を提供することによって、先行技術の欠点を改善することである。
【0008】
以下の図面および説明からわかるように、本発明は、製品設計の柔軟性の面で、また組立て順序の柔軟性の面でさらなる利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的で、本発明の第1の主題は、電気またはハイブリッド車両のバッテリパック用の補強フレームであって、前記バッテリパックが、シールド要素に位置して固定された複数のバッテリセルを備え、前記補強フレームが、少なくとも:
- バッテリパックと車両の車体との両方に固定されるように提供される補強フレーム締結部分と、
- 少なくともバッテリセルを取り囲むように提供される補強フレーム中空部分と
を備える、補強フレームからなる。
【0010】
本発明による補強フレームは、個別にまたは組み合わせて考慮される、以下に列挙する任意選択の特徴を有することもある:
- 補強フレームが、どちらも締結セクションおよび補強セクションを有する内側部品および外側部品を備え、締結セクションが、補強フレーム締結部分を形成するために互いに固定され、補強セクションが、補強フレーム中空部分を画定する。
- 内側部品および外側部品の補強セクションがどちらもL字形であり、補強フレーム中空部分のY軸に対して対称に配置されて、正方形または長方形の補強フレーム中空部分を形成する。
- 補強フレームが、補強フレーム中空部分から延びる被覆フレームを備え、前記被覆フレームが、バッテリセルの上部カバーに固定されるように提供される。
- 内側部品と外側部品とがどちらも、対象の補強セクションから延びる被覆部分を有し、前記被覆部分が、被覆フレームを形成するために互いに固定される。
- 内側部品および外側部品が、プレス硬化鋼から作製される。
- 内側部品および外側部品が、レーザ溶接ブランクから作製される。
- 補強フレームの任意の所与の断面に関して、内側部品の最小引張強度のシート厚さによる積が、外側部品の最小引張強度のシート厚さによる積以上である。
- 補強フレームが、略正方形または長方形の形状を有し、面取りされた隅部を有する。
- 補強フレームが、補強フレーム中空部分の内側に位置し、前記補強フレーム中空部分に固定された少なくとも長手方向補強部材を備える。
- 長手方向補強部材が、オメガ形状の断面を有する。
【0011】
本発明の第2の目的は、複数のバッテリセルおよび補強フレームを備える電気またはハイブリッド車両用の補強されたバッテリパックであって、個別にまたは組み合わせて考慮される、以下に列挙する任意選択の特徴をさらに備える、補強されたバッテリパックからなる:
- バッテリパックへの侵入を回避するために提供されるシールド要素と呼ばれる下側保護要素、
- バッテリセルを冷却するために提供される、シールド要素に位置する冷却手段、
- 冷却手段に位置し、複数のハウジング部材を形成する複数のハウジングクロスメンバを備えるメッシュであって、各バッテリセルが、対象のハウジング部材に収容される、メッシュ、
- シールド要素に固定される補強フレーム締結部分と、少なくともバッテリセルを取り囲む補強フレーム中空部分とを有する上述した補強フレーム、および
- 補強フレームに固定される上部カバー。
【0012】
本発明による補強されたバッテリパックは、個別にまたは組み合わせて考慮される、以下に列挙する任意選択の特徴を有することもある:
- 被覆部材が、補強フレームの上部カバーフレームに固定される。
- 補強されたバッテリパックが、シールド要素と冷却手段との間に位置する規則的間隔の侵入防止クロスメンバを備える。
- シールド要素が、1300MPaよりも大きい引張強度を有する鋼から作製される。
【0013】
本発明の第3の目的は、本発明による補強されたバッテリパックを組み立て、それを電気またはハイブリッド車両の車体に取り付けるためのプロセスであって、前記車体が、床と、少なくとも1対の後側部材および1対の前側部材であって、前記対が、互いに反対側にあり、後方および前方の衝撃を吸収するように提供される、少なくとも1対の後側部材および1対の前側部材と、床に固定され、横方向衝撃を吸収するように提供される互いに反対側の2つのサイドシルとを備え、プロセスが、少なくとも:
- バッテリセルを提供するステップ、
- 内側部品および外側部品を提供するステップ、
- バッテリセルの周りに内側部品を配設するステップ、
- 車両の前部に向けて位置する外側部品の隅部が前側部材の後端部に隣接し、車両の後部に向けて位置する外側部品の隅部が後側部材の前端部に隣接するように、外側部品の締結セクションを1対のサイドシルに取り付けるステップ、
- ハイブリッドまたは電気自動車両の車体に取り付けられる締結部分と、バッテリセルを取り囲む中空部分とを有する補強フレームを形成するために、内側部品の締結セクションを外側部品の締結セクションに取り付けるステップ
を含む、プロセスからなる。
【0014】
本発明の第4の目的は、本発明による補強されたバッテリパックを組み立て、それを電気またはハイブリッド車両の車体に取り付けるためのプロセスであって、前記車体が、床と、少なくとも1対の後側部材および1対の前側部材であって、前記対が、互いに反対側にあり、後方および前方の衝撃を吸収するように提供される、少なくとも1対の後側部材および1対の前側部材と、床に固定され、横方向衝撃を吸収するように提供される互いに反対側の2つのサイドシルとを備え、プロセスが、少なくとも:
- バッテリセルを提供するステップ、
- 内側部品および外側部品を提供するステップ、
- 締結部分および中空部分を有する補強フレームを形成するために、内側部品および外側部品の締結セクションを互いに取り付けるステップ、
- バッテリセルの周りに補強フレームを配設するステップ、
- 車両の前部に向かって位置する補強フレームの隅部が前側部材の後端部に隣接し、車両の後部に向かって位置する補強フレームの隅部が後側部材の前端部に隣接するように、締結部分を1対のサイドシルに取り付けるステップ
を含む、プロセスからなる。
【0015】
本発明の他の特徴および利点を、以下の説明でより詳細に述べる。
【0016】
本発明は、以下の記述を読むことによってより良く理解される。以下の記述は、単に説明の目的で提供され、限定としてはなんら意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による補強されたバッテリパックを備える車両の車体の斜視図である。
【
図2】補強フレーム内側を含む補強されたバッテリパックの一部の斜視図である。
【
図7】本発明の補強されたバッテリパックの特定の実施形態の一部の分解図である。
【
図8】本発明の補強されたバッテリパックの特定の実施形態を組み立てるプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で使用するとき、「下側」、「上側」、「上方」、「下方」、「最低」、「最高」、「上部」、「底部」、「左」、「右」という用語は、補強フレーム、バッテリパック、および車両が地面に垂直に位置するときの、それらの様々な部分の位置および向きを表す。さらに、「前側」、「前方」、「後側」、「後部」、「後方」という用語は、車両の通常の走行方向に従って定義される。「実質的に垂直」という用語は、90°±15°の角度を定義し、「実質的に平行」という用語は、0°±15°の角度を定義する。
【0019】
本発明の第1の目的は補強フレーム1であり、
図1から6に基づいて以下に述べる。
【0020】
この補強フレーム1は、ハイブリッドまたは電気自動車両37のバッテリパックのバッテリセル29を機械的衝撃および物理的侵入から保護するように設計される。したがって、補強フレーム1は、
図1に示されるように、バッテリパックと車両37の車体30、31との両方に固定されるように提供される。バッテリセル29を保護すると共に、補強フレーム1は、能動的な衝突エネルギー管理も提供する。
【0021】
バッテリパックは、電気およびハイブリッド車両のよく知られている構成要素であり、実質的に複数のセル29を備える。
【0022】
特定の実施形態では、バッテリセル29は、シールド要素15に位置する。このシールド要素15は、例えば、0.15重量%から0.5重量%の間の炭素を含む完全マルテンサイト鋼から作製される。このマルテンサイト鋼は、1800MPaを超える引張強度を有し、シールド要素15を、底部からの物理的侵入に対して特に高い耐性を有するものにする。
【0023】
本発明の補強フレーム1は鋼から作製され、バッテリパックを車両37の車体30、31に固定するために提供される補強フレーム締結部分3と、補強フレーム締結部分3に固定され、少なくともバッテリセル29を取り囲むように提供される補強フレーム中空部分4とを備える。
【0024】
本発明によれば、補強フレーム1は、互いに固定された2つのリング状の要素10、11から作製される。これら2つの要素は、補強フレーム1の内側部品10および外側部品11とも呼ばれる。内側部品10は、少なくともバッテリセル29を取り囲むように提供され、外側部品11は、車両37の車体30、31の一部と接触するように提供される。
【0025】
図3に示されるように、補強フレームは、長手方向軸Xに沿って延びる略長方形状を有し、2つの長手方向セクション33、34、2つの横方向セクション31、32、および4つの隅部24を有する。
【0026】
補強フレーム1の各部品10、11は、鋼ブランクをスタンピングすることによって製造される。特定の実施形態では、スタンピング操作は、スタンピングツールにおいてブランクが加熱され、続いて急冷されるホットスタンピング操作である。したがって、衝撃時に非常に優れた耐性を有するように非常に高い機械的特性を保証しながら、部品に必要な複雑な形状を得ることができる。
【0027】
特定の実施形態では、補強フレーム1の各部品10、11は、いくつかのサブブランクを備えるテーラー溶接ブランクをスタンピングすることによって製造される。前記サブブランクは、部品の機械的性能および重量を最適化するために、異なる厚さおよび/または異なる組成を有することができる。衝撃時に適切な保護を提供するためにより高い機械的耐性が必要とされるエリアでは、より厚いおよび/またはより高い耐性を有する鋼種が使用される。他方、機械的耐性をより低くすることができるエリアでは、部品の重量を低減するために、より薄くすることができる。このようなテーラー溶接ブランク設計の一例を
図2、3、5、および6に示し、ここでは溶接線35が明らかになっている。この実施形態では、内側部品10と外側部品11とはどちらも、2つのブランクを形成するために突合せレーザ溶接を使用して一体に接合された以下の6つのサブブランクまたは部品からなる:各長手方向部材33、34のための1つの部片、2つの隅部24および1つの横方向部材32のための1つの部片、ならびに残りの隅部24および残りの横方向部材31のための3つの部片。そのようなレーザ溶接ブランクの概念は非常に柔軟性があり、バッテリパックに課せられる安全性、規制、および最適化された重量要件を満たすように複数の変形形態を可能にする。この例では、6つのサブブランクを有するレーザ溶接ブランクを提示した。しかし、設計すべき特定のバッテリパックのエンジニアリングおよびコストの制約を考慮に入れて、必要な数のブランクを選択することができる。
【0028】
特定の実施形態では、内側部品10および外側部品11を製造するために使用されるレーザ溶接ブランクは、車両37の側面に平行に位置する補強フレーム1の部分、および補強フレーム1の隅部に対応する部分でより厚い。実際、例えば車両37の側面へのポール衝撃など車両37への横方向衝撃の場合、車両37の側面に平行に位置する補強フレーム1の部分は、非常に高い局所的な負荷を受けることになり、したがって補強する必要がある。また、前方または後方の衝突時、衝撃により生じる負荷は、以下に詳述するように、隅部分を介して補強フレーム1の残りの部分に伝達されることになる。したがって、隅部分も補強される必要がある。
【0029】
内側部品10と外側部品11とは一体に組み立てられる。内側部品10と外側部品11とはどちらも、補強フレーム1の補強フレーム締結部分3を形成するために、
図8に示される固定手段21で互いに固定される締結セクション5、6を有する。好ましくは、2つの締結セクション5、6は接触する。さらに、内側部品10と外側部品11とはどちらも、補強フレーム1の補強フレーム中空部分4を形成する補強セクション7、8を有する。
【0030】
好ましい一例として、内側部品10および外側部品11の締結セクション5、6は一体にボルト止めされる。
【0031】
次に、
図4に示されているように本発明にしたがって、各補強セクションの幾何形状の一例を述べる。
【0032】
内側部品10および外側部品11の補強セクション7、8はどちらも略L字形であり、補強フレーム中空部分4の軸Yに対して対称的な位置に配設される。より具体的には、
図4を見ると、内側部品10の補強セクション7はL字形であり、外側部品11の補強セクション8は逆L字形である。補強セクション7および8は実質的にL字形に沿って延びるが、車両37の周囲環境要素によって誘発されるパッケージング制約を考慮に入れるために、切欠きなど、完全なL字形に対してなんらかの変形を導入することが可能であることに留意されたい。内側部品10と外側部品11とが補強フレーム中空部分4を画定するという前提の下で、前記内側部品10と外側部品11とがわずかに異なる形状を有して、完全には対称的な位置に配設されないこともあることにも留意されたい。
【0033】
したがって、補強フレーム中空部分4は、略正方形または長方形の断面を有する。したがって、補強フレーム中空部分4は、以下の4つの主壁を有する:内側部品10の締結セクション5が延びる底壁40、反対側の上壁42、バッテリセル29に面する内壁41、および外側部品11の締結セクション6が突出する反対側の外壁43。さらに、補強フレーム1は、略正方形または長方形の形状を有する。
【0034】
したがって、底壁40は、底壁40から延びる内側部品10の締結セクション5に平行に続き、外壁43は、外側部品11の締結セクション6に対して実質的に垂直である。
【0035】
車両への衝撃時、補強フレーム1は、内側部品10の侵入防止挙動によりバッテリセル29を保護しながら、補強フレーム1の外側部品11の変形によって衝撃エネルギーの一部を吸収するように設計される。補強フレーム1は車両の中央に位置するので、前方の衝撃、後方の衝撃、または横方向の衝撃時の衝突管理に能動的な役割を果たすことが期待される。外側部品11は、衝突時にいくらかの量の変形に耐えることができるように設計され、内側部品10は、衝撃時にバッテリセル29が侵入から完全に保護される「立入禁止(no-go)」区域を画定する。
【0036】
外側部品11によるエネルギー吸収と内側部品10による侵入防止というこの2つの概念を適用するための1つの方法は、任意の所与の断面に関して、内側部品10の最小引張強度のシート厚さによる積が、外側部品11の最小引張強度のシート厚さによる積以上であるように部品を提供することである。
【0037】
一例として、内側フレーム10と外側フレーム11とはどちらも、1300MPaよりも大きい引張強度を有するプレスハードニング鋼から作製される。この鋼の組成は、例えば重量パーセントで以下のように表される:
【0038】
【0039】
本実施形態では、内側部品の厚さは、例えば1.2から1.6mmの間である。
【0040】
別の実施形態では、内側部品10と外側部品11とはどちらも、1800MPaよりも大きい引張強度を有するより硬い鋼を用いて作製することができる。この鋼の組成は、例えば重量パーセントで以下のように表される:
【0041】
【0042】
本実施形態では、内側部品10および外側部品11の厚さは、例えば1から1.4mmの間であり、前の実施形態で述べた、より低い強度の鋼を用いて作製された部品と同じ機械的耐性を維持しながら、より低い重量を有することができる。
【0043】
鋼合金のこれら2つの例は高い剛性を有し、したがって補強フレーム1の内側部品10は、変形に対して、またはバッテリセル29を通る物理的侵入に対して優れた保護を提供する。
【0044】
本発明によれば、外側部品11は、内側部品10の材料以上の延性を有する材料から作製される。一例として、外側部品11は、約1000MPaの引張強度を有する鋼を用いて作製することができる。この鋼の組成は、例えば重量パーセントで以下のように表される:
【0045】
【0046】
外側部品11の延性は内側部品10の延性よりも大きいので、機械的衝撃により外側部品11が変形することがある。この場合に生じる変形は、機械的エネルギーの吸収をもたらし、内側部品の壁40、41によって吸収される残りのエネルギーを減少させる。その結果、内側部品10の変形または劣化のリスクが大幅に低減される。
【0047】
優先的には、補強フレームの隅部24、より具体的には補強フレーム1の外側部品10の隅部は、
図6に示されるように面取りされる。これにより、隅部24の薄肉化が低減され、補強フレーム1の耐性が改良され、長手方向部材33、34および横方向部材31、32を通るエネルギー伝達が改良される。
【0048】
図4に示される特定の実施形態によれば、補強フレーム1は、補強フレーム中空部分4から突出する被覆部分9を備える。この被覆部分9により、バッテリパックの上部を封止してバッテリセル29を保護するために提供される上部プレート19(
図8)を、補強フレーム1の被覆部分9に固定することができる。
【0049】
前記被覆部分9を形成するために、内側部品10と外側部品11とはどちらも、対象の補強セクション7、8から延びる被覆セクション12、13を有する。2つの被覆セクション12、13は互いに固定されて、被覆部分9を形成する。優先的には、2つの被覆セクション12、13は接触する。
【0050】
最後に、補強フレーム1を強化するために、複数の補強部材14(
図7)を中空体4の内側に挿入することができ、好ましくは、各長手方向および横方向部材31-34ごとに1つの補強部材14を挿入し、必要であれば隅部にも挿入することができる。各補強部材14は、良好なエネルギー吸収と良好な固定との両方を提供するために、好ましくはオメガ形状を有する。補強部材14は、好ましくは、補強フレーム中空部分4の内壁41に固定される。
【0051】
本発明の第2の目的は、バッテリセル29を取り囲む上述した補強フレーム1を備える補強されたバッテリパック2である。
【0052】
補強されたバッテリパック2の特定の実施形態の一部が、
図2の斜視図および
図7の分解図として示される。バッテリセル29は、
図2には示されているが、
図7には示されていないことにも留意されたい。
【0053】
補強されたバッテリパック2は、補強フレーム1およびバッテリセル29、ならびに以下に列挙する他の要素を備え、それらの要素は、任意選択で、単独でまたは任意の可能な組合せで補強されたバッテリパック2の構成に含めることができる。以下の列挙は、包括的であることも、本発明の範囲を限定することもなんら意図されておらず、本発明の可能な適用例を説明するための例として与えられていることに留意されたい:
・ 上述したシールド要素15。
・ シールド要素15に位置し、バッテリセル29を冷却するために提供される冷却手段16。一例として、冷却手段26は、互いに固定されたクラッディング要素と呼ばれる2つの熱伝導要素と、2つのクラッディング要素160、161の間に挿入された冷却システム(図示せず)とを備える。
・ シールド要素15に固定され、前記シールド要素15と冷却手段16との間に位置する規則的間隔の侵入防止クロスメンバ20。
・ 冷却手段16に位置する複数のハウジングクロスメンバ23を備えるメッシュ17。ハウジングクロスメンバ23は、複数の規則的に配置されたハウジング部材18を形成する。
・ 好ましくは、横方向ハウジングクロスメンバ23は、侵入防止クロスメンバ20と位置合わせされ、したがって、車両37の底部から侵入が生じた場合、前記侵入防止クロスメンバ20と横方向ハウジングクロスメンバ23とが協働して、最適な抵抗を提供する。
・ 複数のバッテリセル29(
図2、9、および10)。各バッテリセル29は、対象のハウジング部材18に収容され、冷却手段16と接触する。
【0054】
本発明によれば、バッテリパックは、本発明の補強フレーム1で補強されて、補強されたバッテリパック2を形成する。補強フレーム1の補強フレーム締結部分3は、例えばシールド要素15に固定される。補強フレーム中空部分4は、バッテリセル29、メッシュ17、および冷却手段16を取り囲む。
図2および7には、補強フレームの内側部品10のみが示されている。
【0055】
最後に、補強バッテリバック2は、任意選択で、補強フレーム1に固定される上部カバー19(
図8)とも呼ばれる上部プレートを備える。例えば、上部プレート19は、補強フレーム1の被覆フレーム9にボルト止めされる。有利には、上部プレート19を被覆フレーム9にボルト止めすることにより、バッテリセル29または他の要素のメンテナンスが必要な場合に上部プレート19を取り外すことが可能である。
【0056】
次に、特定の実施形態に従って、
図8に示される補強されたバッテリパック2を組み立てるためのプロセスを述べる。
【0057】
第1のステップで、侵入防止クロスメンバ20をシールド要素15に固定することによって第1のアセンブリが提供される。
【0058】
第2のステップで、以下のサブステップに従って第2のアセンブリが提供される:
- 冷却手段16を形成するために、クラッディング要素160、161および冷却システムを組み立てるサブステップ、
- 冷却手段16にメッシュ17を固定するサブステップ、
- メッシュ17のハウジング18内にバッテリセル29を提供するサブステップ、
- 冷却手段16、メッシュ17、およびバッテリセル29の周りに補強フレーム1を配設するサブステップ。
【0059】
第3のステップで、補強フレーム1の補強フレーム締結部分3が、固定手段21を用いてシールド要素15にボルト止めされる。優先的には、補強フレーム1の内側部品10および外側部品11とシールド要素15とが、同じステップで、前記固定手段21を使用して一体にボルト止めされる。
【0060】
特定の実施形態では、固定手段21は、RB&Wによって市販されているSPAC(R)ナットなどのセルフピアスアンドクリンチナット(Self Pierce and Clinch nut)である。
【0061】
第4の最後のステップで、上部プレート19が補強フレーム1に固定される。有利には、上部プレート19は、補強フレーム1の被覆フレーム9にボルト止めされる。
【0062】
ここで、補強されたバッテリパック2は、物理的衝撃および物理的侵入から保護され、補強されたバッテリパック2のさらなる組立てプロセス中に安全に移動させることができる。
【0063】
本発明の別の方法によれば、補強されたバッテリパック2は、車両37の車体30、31に組み立てることができる。
【0064】
第1のステップで、補強フレーム1の長手方向軸Xが車両の長手方向軸X’と平行になるように、補強されたバッテリパック2が車両37の車体30、31に配設される。配設されると、補強フレーム1の隅部24は、それぞれ後側部材25の末端部および前側部材26の末端部と接触する。
【0065】
第2の最後のステップで、補強されたバッテリパック2の補強フレーム1が、車両37の車体30、31のサイドシル27に固定される。
【0066】
この構成により、車両37に対する長手方向衝撃のエネルギーは、対応する部材25、26を通して伝達され、隅部24を介し、補強フレーム1の長手方向および横方向部材31-34を通して伝達され、補強されたバッテリパック2の変形または劣化を回避する。同様に、車両37の車体のサイドシル27に対する横方向衝撃は、補強フレーム1の長手方向部材33、34を介して伝達される。
【0067】
本発明の補強フレーム1は、任意の電気またはハイブリッド車両のバッテリパックを保護するために非常に興味深い。
【0068】
上述した実施形態は完全に非限定的であり、本発明の範囲から逸脱することなくそれらの実施形態に修正を施すことができる。例として、内側部品と外側部品とはどちらも、Usibor(R)1500またはUsibor(R)2000など、同じ高張力鋼を用いて製造することができる。最後に、補強されたバッテリパック2は、補強フレーム1の内側部品10のみを備えることができ、補強フレーム1の外側部品11は、車両37の車体30、31に固定される。この場合、車両への補強されたバッテリパック2の組立ては、内側部品10の締結セクション5を外側部品11の締結セクション6にボルト止めすることによって実施される。
【0069】
本発明の第3および第4の目的は、車両37に取り付けられた補強されたバッテリパック2の組立てプロセスである。
【0070】
「ボディインホワイト」とも呼ばれる車両37の車体は、以下のような様々な技法の1つまたは組合せを使用して互いに接合された車体の構成要素を表す:溶接、リベット留め、クリンチ、ボンディング、レーザろう付け。
【0071】
図1、9、および10によれば、車両37の車体30、31は、長手方向軸X’に関して延び、床28、少なくとも1対の後側部材25、および1対の前側部材26を備える。前側部材26は車両37の前部にあり、後側部材25は車両の後部に向けて位置する。したがって、2対の部材25、26は、互いに反対側にあり、前方および後方からの衝撃を吸収するように提供される。さらに、車両37の車体30、31は、床28に固定されて互いに反対側に配設された2つのサイドシル27を備える。これらのサイドシル27は、横方向衝撃を吸収するために提供される。
【0072】
上述した補強フレーム1は、以下の2つの主要な組立て可能性に従って、いくつかの異なる方法で車両アーキテクチャ全体に統合することができる:
- 第1の可能性によれば、外側部品11が車体30、31に取り付けられ、内側部品10がバッテリセル29の周りに配設される。次いで、バッテリパック2を車両に固定するために、内側部品10が外側部品11に取り付けられる。
- 第2の可能性によれば、まず、内側部品10と外側部品11とが一体に締結されて補強フレーム1が形成され、次いでバッテリセル29の周りに配設される。次いで、このようにして組み立てられたバッテリパック2が、補強フレーム1をボディインホワイトに取り付けることによってボディインホワイトに取り付けられる。この第2の構成では、補強フレーム1全体がバッテリパック2に属していると考えることができる。
【0073】
第1の可能性を見ると、組立てシーケンスは以下のステップを含む:
- バッテリセル29を提供するステップ。
- 内側部品10および外側部品11を提供するステップ。
- 内側部品10をバッテリセル29の周りに配設するステップ。例えば、バッテリセル29はシールド要素15に位置し、内側部品10の締結部分5はシールド要素15に締結される。
- 車両37の前部に向かって位置する外側部品10の隅部が前側部材26の後端部に隣接し、車両の後部に向かって位置する外側部品10の隅部が後側部材25の前端部に隣接するように、外側部品11の締結セクション6を1対のサイドシル27に取り付けるステップ。
- ハイブリッド車両または電気自動車両37の車体に取り付けられる締結部分3と、バッテリセル29を取り囲む中空部分4とを有する補強フレーム1を形成するために、内側部品10の締結セクション5を外側部品11の締結セクション6に取り付けるステップ。
【0074】
第2の可能性を見ると、組立てシーケンスは以下のステップを含む:
- バッテリセル29を提供するステップ。
- 内側部品10および外側部品11を提供するステップ。
- 締結部分3および中空部分4を有する補強フレーム1を形成するために、内側部品10および外側部品11の締結セクション5および6を互いに取り付けるステップ。
- バッテリセル29の周りに補強フレーム1を配設するステップ。例えば、バッテリセル29はシールド要素15に位置し、内側部品10の締結部分5はシールド要素15に締結される。
- 車両37の前部に向かって位置する補強フレーム1の隅部が前側部材26の後端部に隣接し、車両の後部に向かって位置する補強フレーム1の隅部が後側部材25の前端部に隣接するように、締結部分3を1対のサイドシル27に取り付けるステップ。
【0075】
車両内での補強フレーム1のこの構成により、車両37に対する前方または後方の衝突のエネルギーは、対応する部材25、26を通して伝達され、隅部24を介し、補強フレーム1の長手方向および横方向部材31-34を通して伝達され、補強フレーム1の内側部品10の変形を回避する。さらに、補強フレーム1は、前方または後方の衝突時に衝撃エネルギーを偏向および分散するのに役立つ。実際、補強フレーム1は、その高い強度および中央位置ならびに車両アーキテクチャにより、衝撃力が取る経路を示す
図9および10の矢印36によって表されるように、衝撃によって伝達される負荷の経路に配置される。後方または前方の衝突時、負荷はまず、それぞれ部材25または26を通して車両構造に伝達される。次いで、負荷は、車両構造の残りの部分、特に補強フレーム1によって受け取られる。負荷は、損傷を受けやすいバッテリセル29が位置する車両37の中央経路から、補強フレーム1を通って車両37の側面に偏向される。
【国際調査報告】