(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-21
(54)【発明の名称】ゴムタイヤ付き一軸ボギー台車
(51)【国際特許分類】
B60G 9/04 20060101AFI20230214BHJP
【FI】
B60G9/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538182
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2020101761
(87)【国際公開番号】W WO2021135158
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】202010002548.5
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243635
【氏名又は名称】中車株洲電力機車有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC ZHUZHOU LOCOMOTIVE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Tianxin high-tech park,Shifeng District,Zhuzhou,Hunan 412001,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 文涛
(72)【発明者】
【氏名】沈 龍江
(72)【発明者】
【氏名】劉 余龍
(72)【発明者】
【氏名】彭 愛林
(72)【発明者】
【氏名】党 春梅
(72)【発明者】
【氏名】劉 国云
(72)【発明者】
【氏名】孔 媛媛
(72)【発明者】
【氏名】周 立秋
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲シュー▼枚
(72)【発明者】
【氏名】譚 云
(72)【発明者】
【氏名】周 新鵬
(72)【発明者】
【氏名】謝 加輝
(72)【発明者】
【氏名】高 彬
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301BA20
3D301CA25
3D301CA31
3D301CA47
3D301DA14
3D301DA33
3D301DA54
3D301DB19
3D301DB21
3D301DB22
(57)【要約】
ゴムタイヤ付き一軸ボギー台車であって、案内フレーム(1)及びサスペンション(2)を備え、サスペンション(2)は少なくとも4つの弾性部材を介して案内フレーム(1)の上方に設けられ、案内フレーム(1)に案内輪(11)が固設されるフレームワークと、両端にゴムタイヤ(25)が設けられ、サスペンション(2)と案内フレーム(1)との間に位置する車軸装置(12)と、車軸装置(12)を案内フレーム(1)に固定するための車軸固定装置(13)と、を備え、車軸固定装置(13)とサスペンション(2)との間に牽引ロッド(10)が接続され、サスペンション(2)には前記車軸装置(12)に動力を供給するための駆動装置がさらに設けられる。軽量化設計の実現に役立ち、且つ車両の快適性を向上させ、ボギー台車構造を簡略化させ、メンテナンス性を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムタイヤ付き一軸ボギー台車であって、
案内フレーム(1)及びサスペンション(2)を備え、前記サスペンション(2)は少なくとも4つの弾性部材を介して前記案内フレーム(1)の上方に設けられ、前記案内フレーム(1)に案内輪(11)が固設されるフレームワークと、
両端にゴムタイヤ(25)が設けられ、前記サスペンション(2)と前記案内フレーム(1)との間に位置する車軸装置(12)と、
前記車軸装置(12)を前記案内フレーム(1)に固定するための車軸固定装置(13)と、を備え、
前記車軸固定装置(13)と前記サスペンション(2)との間に牽引ロッド(10)が接続され、前記サスペンション(2)には駆動装置がさらに設けられ、前記駆動装置は前記車軸装置(12)に動力を供給することを特徴とするゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項2】
前記弾性部材は空気ばね(3)であり、前記案内フレーム(1)は、口字状に形成された2本の案内フレーム側梁(1.1)と2本の案内フレーム端梁(1.2)を備え、前記案内フレーム(1)の4つの角部のいずれにも空気ばね取付座(4)が設けられ、前記案内フレーム側梁(1.1)の中央部の上面に車軸取付座(1.4)を有し、前記サスペンション(2)は、2本のサスペンション側梁(2.1)と2本のサスペンション端梁(2.2)を備え、前記サスペンション(2)の4つの角部のいずれにも空気ばね取付座(4)が設けられ、前記案内フレーム(1)と前記サスペンション(2)は前記空気ばね(3)を介して接続されることを特徴とする請求項1に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項3】
一方のサスペンション端梁(2.2)には前記駆動装置を取り付けるためのモータ取付座(9)が設けられ、他方のサスペンション端梁(2.2)には前記牽引ロッド(10)を接続するための牽引ロッドベース(8)が設けられ、
好ましくは、前記サスペンション側梁(2.1)の中央部に回転支持機構(19)が固設されることを特徴とする請求項2に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項4】
前記車軸固定装置(13)は、上固定フレーム(13.1)、下固定フレーム(13.2)及び締結ボルト(13.3)を備え、前記上固定フレーム(13.1)は前記車軸装置(12)の上方に位置し、前記下固定フレーム(13.2)は前記案内フレーム(1)の下方に位置し、前記締結ボルト(13.3)は前記上固定フレーム(13.1)と下固定フレーム(13.2)を締結して接続し、前記上固定フレーム(13.1)に牽引ロッドベース(8)が設けられることを特徴とする請求項3に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項5】
前記案内フレーム側梁(1.1)の下面には前記下固定フレーム(13.2)に対応する凹凸位置決め構造(16)が設けられ、前記案内フレーム側梁(1.1)の上面には前記車軸装置(12)に対応する凹凸位置決め構造(16)が設けられ、前記上固定フレーム(13.1)の下面には前記車軸装置(12)に対応する凹凸位置決め構造(16)が設けられることを特徴とする請求項4に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項6】
前記牽引ロッド(10)は縦方向牽引ロッド(10.1)及びV字形牽引ロッド(10.2)を備え、前記縦方向牽引ロッド(10.1)は前記サスペンション(2)のサスペンション側梁(2.1)と平行であり、その一端は前記上固定フレームの牽引ロッドベース(8)に接続され、他端は前記サスペンション(2)の牽引ロッドベース(8)に接続され、前記V字形牽引ロッド(10.2)は前記ボギー台車の縦方向中心線に対して対称な一対の斜め牽引ロッドを備え、前記斜め牽引ロッドと前記縦方向牽引ロッド(10.1)は一定の夾角をなし、前記斜め牽引ロッドの一端は前記上固定フレームの牽引ロッドベース(8)に接続され、他端は前記サスペンション(2)の牽引ロッドベース(8)に接続されることを特徴とする請求項4又は5に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項7】
前記案内フレーム(1)の4つの角部は、前記空気ばね取付座(4)が設けられるオーバーハング梁(1.3)であり、前記サスペンション(2)の4つの角部は、下端に前記空気ばね取付座(4)が設けられる下方に延びるサスペンションオーバーハング梁(2.4)であることを特徴とする請求項2に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項8】
垂直方向ダンパー(17)をさらに備え、垂直方向ダンパー(17)の下端は前記案内フレーム(1)に接続され、上端は前記サスペンション(2)に接続され、
好ましくは、前記垂直方向ダンパー(17)は鉛直方向と一定の夾角をなすことを特徴とする請求項1に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項9】
前記案内輪(11)は一対であり、且つ前記ボギー台車の縦方向中心線に対して対称であり、前記案内輪(11)の回転軸線は鉛直方向であることを特徴とする請求項1に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【請求項10】
前記駆動装置はモータ(14)であり、前記モータ(14)は取付板(21)を介して前記モータ取付座(9)に取り付けられ、前記取付板(21)は第1締結具を介して前記モータ(14)に固着され、前記取付板(21)は第2締結具を介して前記モータ取付座(9)に固定され、前記第2締結具に弾性ゴムパッド(24)が套設されることを特徴とする請求項3に記載のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライトレールトランジット用のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車に関し、軌道交通用のボギー台車の全体構造の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
軌道交通の技術分野において、ゴムタイヤ式軌道システムは従来の軌道交通分野の鋼輪レールではなく道路交通用のタイヤ技術を採用することにより、ノイズが低く、振動が小さく、乗り心地性が高い等の利点を有するとともに、比較的高い粘着力を有し、車両の登坂能力が強く、最大勾配が10%に達し、車両は小曲線半径を通過する能力が高く、複雑な地形に適応することができる。中国の広州、北京や天津などの都市では、程度が異なるが、全て採用されている。従来のゴムタイヤ式車両ボギー台車は板ばね載置方式を採用し、重量が重く、剛性が大きいので、乗り心地性を持続的に向上させることができず、従来のゴムタイヤ式車両の牽引ロッドは車軸に取付座を溶接する必要があり、溶接は車軸内部の歯車伝動装置の性能に影響を与え、且つ車軸自体のサイズが大きいため、構造のコンパクト化に不利である。また、転覆防止機能を備えていないため、車両の走行速度をそれ以上上げることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記説明から分かるように、ゴムタイヤ式車両の更なる快適性及び軽量化を図ると共に、車軸とスラストロッドとの間の接続が溶接方式を採用することを回避し、車両の転覆を防止することは、当業者が早急に解決しなければならない技術的課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一軸ゴムタイヤ式車両の更なる快適性及び軽量化を図るために、本発明の具体的な技術的解決手段は、以下のとおりである。
案内フレーム及びサスペンションを備え、前記サスペンションは少なくとも4つの弾性部材を介して前記案内フレームの上方に設けられ、前記案内フレームに案内輪が固設されるフレームワークと、
両端にゴムタイヤが設けられ、前記サスペンションと前記案内フレームとの間に位置する車軸装置と、
前記車軸装置を前記案内フレームに固定するための車軸固定装置と、を備え、
前記車軸固定装置と前記サスペンションとの間に牽引ロッドが接続され、前記サスペンションには前記車軸装置に動力を供給するための駆動装置がさらに設けられることを特徴とするゴムタイヤ付き一軸ボギー台車を提供する。
【0005】
上記技術的解決手段を採用することで、板ばねの構造が複雑で、剛性が大きいなどの問題を解決し、軽量化設計を実現し、且つ車両の快適性を向上させることに有利である。従来の車軸装置において牽引ロッドを取り付けるために採用される溶接方式の代わりに、車軸固定装置によって車軸装置と案内フレームが接続され、且つ牽引ロッドの両端はそれぞれサスペンションと車軸固定装置に接続されることによって、車軸装置内部の歯車伝動装置に影響を与えることを回避し、構造を簡略化し、メンテナンス性を向上させるという効果を得ることができる。また、案内輪を設けることにより、車両の耐転覆能力を向上させる。
【0006】
さらに、前記弾性部材は空気ばねであり、前記案内フレームは口字状に形成された2本の案内フレーム側梁と2本の案内フレーム端梁を備え、前記案内フレームの4つの角部のいずれにも空気ばね取付座が設けられ、前記案内フレーム側梁の中央部の上面に車軸取付座を有し、前記サスペンションは2本のサスペンション側梁と2本のサスペンション端梁を備え、前記サスペンションの4つの角部のいずれにも空気ばね取付座が設けられ、前記案内フレームと前記サスペンションは前記空気ばねを介して接続される。
【0007】
さらに、一方のサスペンション端梁には前記駆動装置を取り付けるためのモータ取付座が設けられ、他方のサスペンション端梁には前記牽引ロッドを接続するための牽引ロッドベースが設けられる。
【0008】
さらに、前記車軸固定装置は、上固定フレーム、下固定フレーム及び締結ボルトを備え、前記上固定フレームは前記車軸装置の上方に位置し、前記下固定フレームは前記案内フレームの下方に位置し、前記締結ボルトは前記上固定フレームと下固定フレームを締結して接続し、前記上固定フレームに牽引ロッドベースが設けられる。
【0009】
さらに、前記案内フレーム側梁の下面には前記下固定フレームに対応する凹凸位置決め構造が設けられ、前記案内フレーム側梁の上面には前記車軸装置に対応する凹凸位置決め構造が設けられ、前記上固定フレームの下面には前記車軸装置に対応する凹凸位置決め構造が設けられる。
【0010】
さらに、前記牽引ロッドは縦方向牽引ロッド及びV字形牽引ロッドを備え、前記縦方向牽引ロッドは前記サスペンションのサスペンション側梁と平行であり、その一端は前記上固定フレームの牽引ロッドベースに接続され、他端は前記サスペンションの牽引ロッドベースに接続され、前記V字形牽引ロッドは前記ボギー台車の縦方向中心線に対して対称な一対の斜め牽引ロッドを備え、前記斜め牽引ロッドと前記縦方向牽引ロッドは一定の夾角をなし、前記斜め牽引ロッドの一端は前記上固定フレームの牽引ロッドベースに接続され、他端は前記サスペンションの牽引ロッドベースに接続される。
【0011】
さらに、前記案内フレームの4つの角部は、前記空気ばね取付座が設けられるオーバーハング梁であり、前記サスペンションの4つの角部は、下端に前記空気ばね取付座が設けられる下方に延びるサスペンションオーバーハング梁である。
【0012】
さらに、垂直方向ダンパーをさらに備え、前記垂直方向ダンパーの下端は前記案内フレームに接続され、上端は前記サスペンションに接続され、好ましくは、前記垂直方向ダンパーは鉛直方向と一定の夾角をなす。
【0013】
さらに、前記サスペンション側梁の中央部に回転支持機構が固設される。
【0014】
さらに、前記案内輪は一対であり、且つ前記ボギー台車の縦方向中心線に対して対称であり、前記案内輪の回転軸線は鉛直方向である。
【0015】
さらに、前記駆動装置はモータであり、前記モータは取付板を介して前記モータ取付座に取り付けられ、前記取付板は第1締結具を介して前記モータに固着され、前記取付板は第2締結具を介して前記モータ取付座に固定され、前記第2締結具に弾性ゴムパッドが套設される。
【0016】
本発明のライトレールトランジットのゴムタイヤ付き一軸ボギー台車は以下の有益な効果を有する。
回転支持機構を採用することで、小曲線箇所にある車体とサスペンションとの間の大回転角の技術的難題を解決することができる。
車両に設計される中央案内システムは、車両が案内レールに沿って運行することを保証し、アンチロールの作用を兼ね備え、案内輪は案内レールの下部で作動することで、車両の転覆を防止する。
モータは弾性サスペンションの形態を採用しており、モータと車軸の接続は自在継手を用いて縦方向において行われることで、案内フレームとサスペンションとの間の大きな動的変位に適合することができる。
車軸固定装置によって車軸装置と案内フレームが接続され、牽引ロッドは車軸固定装置に接続されることにより、車軸のサイズが牽引ロッドの取り付け空間を制限するという問題を解決し、構造を簡略化し、メンテナンス性を向上させる。
二重サスペンション方式は、4つの空気ばねと鉛直方向ダンパーとを組み合わせる方式であり、空気ばねに高さ調整装置が設けられ、車両のフロアの高さが調整しやすくなる。
縦方向牽引ロッドとV字形牽引ロッドは車軸装置とサスペンションとの間に配置され、牽引力と制動力を伝達することができ、また、車両の牽引や制動によるうなずき運動を克服し、V字形牽引ロッドと縦方向牽引ロッドは一定の夾角をなすことで、横方向荷重を伝達することもできる。
単一輪軸の技術を採用することで、構造がシンプルで確実であり、コストが低く、メンテナンス性に優れ、ゴムタイヤを採用することで、運行騒音を低減することができ、且つ車両の登坂能力が強く、起動や制動の時の加速度が速く、制動距離が短く、且つ車輪交換効率が高く、プロセスがシンプルである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車の模式的な斜視図である。
【
図2】本発明のゴムタイヤ付き一軸ボギー台車の模式的な斜視図(一部の断面を有する)である。
【
図8】フレームワークの平面図(牽引ロッドが示されている)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下は図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0019】
図1~11に示すように、ゴムタイヤ付き一軸ボギー台車は、
案内フレーム1及びサスペンション2を備え、前記サスペンション2は少なくとも4つの空気ばね(弾性部材の一例)を介して案内フレーム1の上方に設けられ、案内フレーム1に案内輪11が固設されるフレームワークと、
両端にゴムタイヤ13が設けられ、サスペンション2と案内フレーム1との間に位置する車軸装置12と、
車軸装置12を案内フレーム1に固定するための車軸固定装置13と、を備え、
車軸固定装置13とサスペンション2との間に牽引ロッド10が接続され、サスペンション2には車軸装置12に動力を供給するためのモータ14(駆動装置の一例)がさらに設けられ、モータは縦方向に配置され、自在継手(図示せず)を介してモータのトルクを伝達する。
【0020】
車軸装置12の各端に2つのゴムタイヤ25を有し、2つのゴムタイヤ25の中間に剛性構造の非常輪26が設けられ、ゴムタイヤ25にパンク等の非常事態が発生する場合、非常輪26は車両のボギー台車を支持する役割を果たす。
【0021】
図4~6に示すように、案内フレーム1は、口字状に形成された2本の案内フレーム側梁1.1と2本の案内フレーム端梁1.2を備え、案内フレームの4つの角部は、空気ばね取付座4が設けられる略水平のオーバーハング梁1.3であり、案内フレーム側梁1.1と案内フレーム端梁1.2はいずれも箱型梁構造であり、オーバーハング梁1.3は、独立した箱型梁構造であってもよく、案内フレーム側梁1.1又は案内フレーム端梁1.2の一部であってもよく、案内フレーム側梁1.1と案内フレーム端梁1.2は溶接により相互に接続され、案内フレーム側梁1.1の中央部は上向きに突起し、突起した中央部の上面は車軸取付座1.4を有し、車軸取付座1.4は車軸装置12を取り付けて固定するために用いられ、案内フレーム端梁1.2には案内輪11を取り付けるための案内輪取付座6がさらに設けられ、案内輪11の設置は車両を案内して車両の転覆を防止することに有利である。案内輪取付座6は案内フレーム端梁1.2の上下カバーを基礎としてバットシーム溶接によって上下カバーに接続され、これにより、案内輪取付座6の構造強度を保証する。
【0022】
図5に示すように、サスペンション2は、2本のサスペンション側梁2.1、2本の中間横梁2.3及び2本のサスペンション側梁2.2を備え、サスペンション2全体は「目」字型を呈し、サスペンションの4つの角部には下方に延びるサスペンションオーバーハング梁2.4があり、サスペンションオーバーハング梁2.4の下端に空気ばね取付座4が設けられ、2本の中間横梁2.3はサスペンション端梁2.2に平行であり、サスペンション側梁2.1の中央部に回転支持取付座7が設けられ、サスペンションの中間横梁2.3は軽量化に有利な工字状梁構造とされる。
【0023】
サスペンション2の1本のサスペンション端梁2.2のうち下方にぶら下がっている部分に牽引ロッドベース8が設けられ、牽引ロッド10の一端はサスペンションの牽引ロッドベース8に接続され、他端は車軸固定装置13に接続される。サスペンション2の他方のサスペンション端梁2.2には、モータ14を吊り下げて取り付けるためのモータ取付座9が設けられている。
【0024】
案内フレーム1とサスペンション2は4つの空気ばね3を介して接続され、サスペンション2は空気ばね3を介して案内フレーム1の直上に取り付けられ、空気ばね3を介して鉛直方向の力を伝達する。
【0025】
図1、
図7に示すように、車軸固定装置13は、上固定フレーム13.1、下固定フレーム13.2及び締結ボルト13.3を備え、上固定フレーム13.1は車軸装置12の上方に位置し、下固定フレーム13.2は案内フレーム1の下方に位置し、締結ボルト15は上固定フレーム13.1と下固定フレーム13.2を締結して接続し、上固定フレーム13.1に牽引ロッドベース8が設けられる。
【0026】
図2、
図3、
図7に示すように、好ましくは、案内フレーム側梁の下面には前記下固定フレームに対応する凹凸位置決め構造(図示せず)が設けられ、案内フレーム側梁1.1の上面には前記車軸装置に対応する凹凸位置決め構造16が設けられ、上固定フレーム13.1の下面には車軸装置12に対応する凹凸位置決め構造16が設けられる。このように、車軸装置12が車軸固定装置13を介して案内フレーム側梁1.1に固定される場合、車軸装置12と案内フレーム側梁1.1との締結程度を向上させ、隙間を減少させ、不要な振動や騒音を回避することに有利である。
【0027】
図8~9に示すように、牽引ロッド10は縦方向牽引ロッド10.1及びV字形牽引ロッド10.2を備え、縦方向牽引ロッド10.1はサスペンション2のサスペンション側梁2.1に平行であり、その一端は上固定フレーム13.1の牽引ロッドベース8に接続され、他端はサスペンション2の牽引ロッドベース8に接続され、V字形牽引ロッド10.2はボギー台車の縦方向中心線(ボギー台車縦方向中心線はサスペンション側梁の延在方向と略平行である)に対して対称な一対の斜め牽引ロッドを備え、斜め牽引ロッドと縦方向牽引ロッド10.1は一定の夾角をなし、斜め牽引ロッドの一端は前記上固定フレームの牽引ロッドベースに接続され、他端は前記サスペンションの牽引ロッドベースに接続される。縦方向牽引ロッドとV字形牽引ロッドは、車軸固定装置とサスペンションの間に配置され、牽引力と制動力を伝達することができ、また、車両の牽引や制動によるうなずき運動を克服し、V字形牽引ロッドは牽引方向と一定の夾角をなすことで、横方向荷重を伝達することもできる。
【0028】
図10に示すように、ゴムタイヤ付き一軸ボギー台車は垂直方向ダンパー17をさらに備え、垂直方向ダンパー17の下端は案内フレーム1に接続され、上端はサスペンション2に接続され、好ましくは、垂直方向ダンパー17は鉛直方向と一定の夾角をなし、傾斜するように配置されることによって、垂直方向ダンパーが一定の横方向制振作用を発揮することに有利である。空気ばね3と垂直方向ダンパー17は共同で二重サスペンション装置を構成する。サスペンション2の上方に2つの縦方向ダンパー18が配置され、縦方向ダンパー18の一端はサスペンションに接続され、他端は車体に接続され、縦方向ダンパー18は車体とサスペンション2の相対回転角による衝撃を吸収することができ、車両の曲線通過時の快適性を向上させる。空気ばね3には高さ調整装置(図示せず)が配置されている。高さ調整装置は、空気ばね3の高さを制御することで、車両(車体)のフロアを水平に保つように調整するためのものである。
【0029】
図1に示すように、サスペンション側梁2.1の中央部に回転支持機構19が固設される。回転支持機構19は、サスペンション2と車体(図示せず)との間に位置しており、車両が小曲線半径経路を円滑に通過することを可能とする。回転支持機構19はスラスト軸受と類似し、中間のボールユニット及びボールユニットを被覆する上カバーリング、下カバーリングを備える。
【0030】
図1~2に示すように、案内輪11は一対であり、1つの案内フレーム端梁1.2の案内輪取付座6に取り付けられ、ボギー台車の縦方向中心線に対して対称であり、案内輪11の回転軸線は鉛直方向である。案内レール20の横断面はT字形を呈し、一対の案内輪11は案内レール20の鉛直部分に挟持され、案内レール20の水平部分は転覆防止の役割を果たすことができる。
【0031】
図1、
図11に示すように、駆動装置はモータ14であり、モータ14は取付板21を介してモータ取付座9に取り付けられ、取付板21は第1ボルト22(第1締結具の一例)を介してモータ14に固着され、取付板21は第2ボルト23(第2締結具の一例)を介してモータ取付座9に固定され、第2ボルト23に弾性ゴムパッド24が套設される。このような取付方式を採用することによって、モータの弾性サスペンションを実現することができ、メンテナンスの利便性を向上させる。
【0032】
以上、図面を参照して本発明の実施例を説明したが、矛盾しない限り、本発明の実施例及び実施例の特徴は互いに組み合わせることができる。本発明は上記具体的な実施形態に限定されるものではなく、上記具体的な実施形態は限定的ではなく単に例示的なものであり、当業者は本発明の示唆の下で本発明の趣旨及び特許請求の範囲から逸脱せずにさらに多くの形態を実現することができ、これらはいずれも本発明の特許範囲に属する。
【符号の説明】
【0033】
1 案内フレーム
1.1 案内フレーム側梁
1.2 案内フレーム端梁
1.3 オーバーハング梁
1.4 車軸取付座
2 サスペンション
2.1 サスペンション側梁
2.2 サスペンション端梁
2.3 中間横梁
2.4 サスペンションオーバーハング梁
3 空気ばね
4 空気ばね取付座
6 案内輪取付座
7 回転支持取付座
8 牽引ロッドベース
9 モータ取付座
10 牽引ロッド
10.1 縦方向牽引ロッド
10.2 V字形牽引ロッド
11 案内輪
12 車軸装置
13 車軸固定装置
13.1 上固定フレーム
13.2 下固定フレーム
13.3 締結ボルト
14 モータ
16 凹凸位置決め構造
17 垂直方向ダンパー
18 縦方向ダンパー
19 回転支持機構
20 案内レール
21 取付板
22 第1ボルト
23 第2ボルト
24 弾性ゴムパッド
25 ゴムタイヤ
26 非常輪
【国際調査報告】