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特表2023-507239照明システムにおける適応的な電力駆動のためのシステム及び方法
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  • 特表-照明システムにおける適応的な電力駆動のためのシステム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-21
(54)【発明の名称】照明システムにおける適応的な電力駆動のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/34 20200101AFI20230214BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20230214BHJP
   H05B 45/48 20200101ALI20230214BHJP
   H05B 45/46 20200101ALI20230214BHJP
   H05B 47/14 20200101ALI20230214BHJP
【FI】
H05B45/34
H05B45/345
H05B45/48
H05B45/46
H05B47/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552170
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 US2021020036
(87)【国際公開番号】W WO2021174090
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】16/803,650
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519047200
【氏名又は名称】ゼブラ テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Zebra Technologies Corporation
【住所又は居所原語表記】3 Overlook Point, Lincolnshire, Illinois 60069, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】スロウィク ジョセフ エス
(72)【発明者】
【氏名】クリツペラ クリストファー ピー
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA08
3K273BA24
3K273BA32
3K273CA02
3K273DA08
3K273EA07
3K273EA17
3K273EA24
3K273EA25
3K273EA35
3K273EA36
3K273FA06
3K273FA07
3K273FA12
3K273FA13
3K273FA14
3K273FA28
3K273FA29
3K273FA41
3K273GA14
3K273GA18
3K273GA22
3K273GA27
3K273GA28
3K273GA29
3K273HA13
(57)【要約】
照明システムにおける適応的な電力駆動のためのシステム及び方法が、本明細書に開示される。例示的な方法は、(1)1または複数のプロセッサによって、メモリ内のデータを分析して、1または複数のLEDの構成を決定する工程と、(2)1または複数のプロセッサによって、1または複数の照明サイクルの間に前記1または複数のLEDを作動させるための照明制御指令を取得する工程と、(3)1または複数のプロセッサによって、前記照明制御指令に従って、照明ユニットの1または複数のスイッチを制御する工程と、(4)1または複数のプロセッサによって、前記照明制御指令に従って、前記1または複数のLEDを作動させるための電流要求を決定する工程と、(5)1または複数のプロセッサによって、LEDドライバの電流制御設定値を前記電流要求に設定する工程と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像アセンブリ用の照明システムの電力駆動装置であって、
1または複数の発光ダイオード(LED)と、当該LEDを示すデータを記憶するメモリと、を含む照明ユニットを受容するように適合された照明ポートと、
LEDドライバと、
前記照明ポート及び前記LEDドライバに動作可能に接続された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記LEDドライバは、
前記照明ポートに動作可能に接続された電流出力ポートと、
電圧入力に動作可能に接続された電圧入力ポートと、
電流制御設定値を受信するように構成された入力ポートと、
を有しており、
前記LEDドライバは、前記電流出力ポートで供給される電流が前記電流制御設定値となるように、前記電圧入力ポートにおける電圧を前記電流出力ポートにおける出力電圧に昇圧するように構成されており、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記メモリ内の前記データを分析して、前記1または複数のLEDの構成を決定し、
1または複数の照明サイクルの間に前記1または複数のLEDを作動させるための照明制御指令を取得し、
前記照明制御指令に従って、前記照明ユニットの1または複数のスイッチを制御し、
前記照明制御指令に従って、前記1または複数のLEDを作動させるための電流要求を決定し、
前記LEDドライバの前記電流制御設定値を前記電流要求に設定する
ように構成されている
ことを特徴とする電力駆動装置。
【請求項2】
前記照明ユニットは、2以上のLEDバンクを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、前記1または複数のスイッチを制御するために、1つのLEDバンクへの電流の流れを防止するスイッチを制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項3】
前記照明ユニットは、複数のLED群のストリングを含み、
前記LED群は、1または複数のLEDを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、前記1または複数のスイッチを制御するために、1または複数のLEDを含む1つのLED群への電流の流れをバイパスするスイッチを制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記1または複数のスイッチを制御するために、前記1または複数のスイッチのそれぞれのセットに動作可能に接続された1または複数の汎用入力/出力(GPIO)ポートを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項5】
前記1または複数のスイッチは、トランジスタである
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項6】
前記照明ユニットの前記メモリに記憶されたデータは、カテゴリー電圧、カテゴリー電流、カテゴリー温度、LEDの数、LEDの色、LEDの位置、LED群のアレンジメント、または、LEDビニング、のうちの1または複数を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項7】
前記1または複数のLEDに並列に接続されたアクティブ放電回路
を更に備え、
前記アクティブ放電回路は、前記照明ポートにおける前記電圧を放電するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項8】
前記アクティブ放電回路は、前記少なくとも1つのプロセッサに動作可能に接続された入力ポートを有し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記アクティブ放電回路がアクティブである時を制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の電力駆動装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記照明制御指令を分析して、後続の照明パルスが現在の照明パルスよりも小さい順方向電圧を要求することを判定し、
現在の照明パルスを実行した後で、前記アクティブ放電回路の前記入力ポートに信号を送信することによって、前記アクティブ放電回路をアクティブ化する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の電力駆動装置。
【請求項10】
前記電圧入力は、コンデンサによって供給される電圧である
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項11】
前記コンデンサを充電するために用いられる電圧を最小化するように構成された電圧制御器
を更に備えたことを特徴とする請求項10に記載の電力駆動装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、オペレータが前記照明制御指令を設計することを可能にする照明設計アプリケーションを実行するオペレータ装置に動作可能に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記照明設計アプリケーションによる表示のために、前記照明設計アプリケーションに前記1または複数のLEDの前記構成を提供する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項12に記載の電力駆動装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記照明ユニットの前記メモリから、前記照明ユニットの最大電流定格を取得し、
前記照明設計アプリケーションに前記最大電流定格を提供する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項12に記載の電力駆動装置。
【請求項15】
前記照明制御指令を取得するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記照明設計アプリケーションから、前記照明制御指令を受信する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項12に記載の電力駆動装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、
前記照明ユニットの前記メモリから、前記照明ユニットの最大電流定格を取得し、
前記電流要求が前記最大電流定格を超えることを判定し、
前記電流制御設定値を前記最大電流定格に設定し、
前記電流要求と前記最大電流定格との間の差に基づいて、前記照明サイクルのパルス持続時間を増大させる
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電力駆動装置。
【請求項17】
撮像アセンブリ用の照明システムの適応電力駆動の方法であって、
前記照明システムは、
1または複数の発光ダイオード(LED)と、当該LEDを示すデータを記憶するメモリと、を含む照明ユニットを受容するように適合された照明ポートと、
LEDドライバであって、当該LEDドライバによって供給される電流が電流制御設定値となるように、入力電圧を出力電圧レベルに昇圧するように構成されたLEDドライバと、
を含み、
当該方法は、
1または複数のプロセッサによって、前記メモリ内の前記データを分析して、前記1または複数のLEDの構成を決定する工程と、
前記1または複数のプロセッサによって、1または複数の照明サイクルの間に前記1または複数のLEDを作動させるための照明制御指令を取得する工程と、
前記1または複数のプロセッサによって、前記照明制御指令に従って、前記照明ユニットの1または複数のスイッチを制御する工程と、
前記1または複数のプロセッサによって、前記照明制御指令に従って、前記1または複数のLEDを作動させるための電流要求を決定する工程と、
前記1または複数のプロセッサによって、前記LEDドライバの前記電流制御設定値を前記電流要求に設定する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記照明ユニットは、2以上のLEDバンクを含み、
前記1または複数のスイッチを制御する前記工程は、前記1または複数のプロセッサによって、1つのLEDバンクへの電流の流れを防止するスイッチを制御する工程を含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記照明ユニットは、複数のLED群のストリングを含み、
前記LED群は、1または複数のLEDを含み、
前記1または複数のスイッチを制御する前記工程は、前記1または複数のプロセッサによって、1または複数のLEDを含む1つのLED群への電流の流れをバイパスするスイッチを制御する工程を含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記1または複数のスイッチを制御する前記工程は、前記1または複数のプロセッサによって、前記1または複数のスイッチのそれぞれのセットに動作可能に接続された1または複数の汎用入力/出力(GPIO)ポートを介して制御信号を送信する工程を含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記1または複数のプロセッサによって、前記照明制御指令を分析して、後続の照明パルスが現在の照明パルスよりも小さい順方向電圧を要求することを判定する工程と、
現在の照明パルスを実行した後で、前記照明ポートにおける前記電圧を放電するように構成されたアクティブ放電回路をアクティブ化する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記1または複数のプロセッサによって、前記LEDドライバに電力を供給するコンデンサに接続された電圧制御器を制御して、前記コンデンサを充電するために用いられる電圧を最小化する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記1または複数のプロセッサによって、前記1または複数のLEDの前記構成ないし最大電流定格の少なくとも一方を、オペレータ装置上で実行される照明設計アプリケーションに提供する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記照明制御指令を取得する前記工程は、オペレータ装置から前記照明制御指令を受信する工程を含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記1または複数のプロセッサによって、前記照明ユニットの最大電流定格を取得する工程と、
前記1または複数のプロセッサによって、前記電流要求が前記最大電流定格を超えることを判定する工程と、
前記1または複数のプロセッサによって、前記電流制御設定値を前記最大電流定格に設定する工程と、
前記1または複数のプロセッサによって、前記電流要求と前記最大電流定格との間の差に基づいて、前記照明サイクルのパルス持続時間を増大させる工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの照明システムは、発光ダイオード(LED)のような照明要素に電力を供給するためのエネルギーを蓄積するために、コンデンサに依存している。しかし、コンデンサは、動作寿命が制限されている。照明システムの動作特性は、コンデンサの寿命の長さに影響を与える。従って、適応的なエネルギー蓄積のためのシステム及び方法を使用することによって照明システムのコンデンサの動作寿命を改善するというニーズがある。
【0002】
別の面では、伝統的な照明電力システムは、固定された(一定の)照明電圧を提供するように構成されている。この点について、照明システムがほとんどのシナリオ(計画、展開)で動作することを保証するために、伝統的な照明電力システムは、最悪の場合のシナリオに対して十分な電圧を提供するように構成されている。従って、照明システムがより少ない電力を要求する場合には、余剰な電圧が熱として放散される。従って、適応的な電力駆動のためのシステム及び方法を実装することによって、照明システムにおいて熱として放散される電力を低減するというニーズもある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、本発明は、撮像アセンブリ用の照明システムの電力駆動装置である。当該電力駆動装置は、(i)1または複数の発光ダイオード(LED)と、当該LEDを示すデータを記憶するメモリと、を含む照明ユニットを受容するように適合された照明ポートと、(ii)LEDドライバであって、(a)前記照明ポートに動作可能に接続された電流出力ポートと、(b)電圧入力に動作可能に接続された電圧入力ポートと、(c)電流制御設定値を受信するように構成された入力ポートと、を有するLEDドライバと、(iii)前記照明ポート及び前記LEDドライバに動作可能に接続された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、前記LEDドライバは、前記電流出力ポートで供給される電流が前記電流制御設定値となるように、前記電圧入力ポートにおける電圧を前記電流出力ポートにおける出力電圧に昇圧するように構成されており、前記少なくとも1つのプロセッサは、(1)前記メモリ内の前記データを分析して、前記1または複数のLEDの構成を決定し、(2)1または複数の照明サイクルの間に前記1または複数のLEDを作動させるための照明制御指令を取得し、(3)前記照明制御指令に従って、前記照明ユニットの1または複数のスイッチを制御し、(4)前記照明制御指令に従って、前記1または複数のLEDを作動させるための電流要求を決定し、(5)前記LEDドライバの前記電流制御設定値を前記電流要求に設定する、ように構成されている。
【0004】
別の一実施形態では、本発明は、撮像アセンブリ用の照明システムの適応的な電力駆動の方法である。当該照明システムは、(i)1または複数の発光ダイオード(LED)と、当該LEDを示すデータを記憶するメモリと、を含む照明ユニットを受容するように適合された照明ポートと、(ii)LEDドライバであって、当該LEDドライバによって供給される電流が電流制御設定値となるように、入力電圧を出力電圧レベルに昇圧するように構成されたLEDドライバと、を含む。当該方法は、(1)1または複数のプロセッサによって、前記メモリ内の前記データを分析して、前記1または複数のLEDの構成を決定する工程と、(2)1または複数のプロセッサによって、1または複数の照明サイクルの間に前記1または複数のLEDを作動させるための照明制御指令を取得する工程と、(3)1または複数のプロセッサによって、前記照明制御指令に従って、前記照明ユニットの1または複数のスイッチを制御する工程と、(4)1または複数のプロセッサによって、前記照明制御指令に従って、前記1または複数のLEDを作動させるための電流要求を決定する工程と、(5)1または複数のプロセッサによって、前記LEDドライバの前記電流制御設定値を前記電流要求に設定する工程と、を備える。
【0005】
添付の図面は、以下の詳細な説明と共に、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成し、特許請求される発明を含む概念の実施形態を更に説明するのに役立ち、また、それら実施形態の様々な原理及び利点を説明するのに役立つ。添付図面において、同様の参照符号は、別個の図面を通して同一または機能的に類似の要素を指している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本明細書に開示された適応的なエネルギー蓄積技術を実装する例示的な照明システムを示す。
【0007】
図2A図2Aは、アクティブ放電回路を含む例示的な照明システムを示している。
【0008】
図2B図2Bは、例示的なアクティブ放電回路を示している。
【0009】
図3図3は、照明設計アプリケーションのための例示的なユーザインタフェースを示している。
【0010】
図4図4及び図5は、本明細書に記載された適応的なエネルギー蓄積技術を実装する例示的なフローチャートを示している。
図5図4及び図5は、本明細書に記載された適応的なエネルギー蓄積技術を実装する例示的なフローチャートを示している。
【0011】
図6図6は、本明細書に記載された適応的なエネルギー蓄積技術を実装する例示的なフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
当業者は、図面内の要素は簡潔及び明瞭に示されていて、必ずしも一定縮尺で描かれていない、ということを理解するであろう。例えば、図面内の幾つかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解を改善することを助けるべく、他の要素と比較して誇張されている可能性がある。
【0013】
装置及び方法の構成要素は、適切な場合、図面内で従来の符号によって示されており、当該図面は、詳細に関する開示を不明瞭にしないように、本発明の実施形態を理解することに関連する特定の詳細のみを示しており、当該詳細に関する開示は、本明細書の記載の利益を受ける当業者にとって容易に明らかである。
【0014】
コンデンサは、当該コンデンサが実装される動作環境に基づく制限された動作寿命を有する。この点について、動作温度とコンデンサ電圧との両方が、コンデンサの寿命に影響を与える。すなわち、温度がより高くなって、コンデンサ電圧がより高くなると、コンデンサの寿命はより短くなる。本明細書に記載される技術の第1セットにおいては、コンデンサ電圧が、コンデンサが充電される電圧を最小化するように適応的に制御される。本明細書に記載される技術の第2セットにおいては、コンデンサ温度が、熱として放散される電力量を低減させることによって低下される。開示される技術の一方または両方を実装することによって、コンデンサの寿命が延長され、それによって照明システムの動作寿命が増大される。
【0015】
図1は、本明細書に開示された適応的なエネルギー蓄積技術を実装する例示的な照明システム100を示している。図1では、照明ユニット用の電流供給経路が、より太い線で図示されており、制御接続線が、より細い線で図示されている。照明システム100は、工業的な環境内に実装され得る。例えば、照明システム100は、部品上に配置されたバーコードを検出するために、及び/または、部品上の欠陥を検出するために、アセンブリライン内に実施され得る。図示のように、照明システム100の3つの主要な構成要素、すなわち、画像データを捕捉するように構成された撮像ユニット140と、画像データの捕捉を容易化するために照明光を提供する照明ユニット130と、照明ユニット130に電力を提供するように構成された電力駆動装置110と、が存在する。
【0016】
撮像ユニット140について説明を開始すると、撮像ユニット140は、カメラまたは広角カメラを含み得て、画像データを捕捉するための任意の既知の撮像素子を含み得る。例えば、撮像ユニット140は、レンズ系を通過する光の反射を検出するように構成されたイメージセンサ142のアレイを含み得る。幾つかの実施形態では、撮像ユニット140は、イメージセンサ142によって感知される前及び/または後に反射光をフィルタリングするように構成された1または複数のフィルタを含む。
【0017】
照明ユニット130に説明を転じると、照明ユニット130は、1または複数のLED132と、メモリ134と、を含む。図示の実施形態では、照明ユニット130は、2つの群に分離されたLED132(132a~132h)の4つのバンクを含む。当該バンクの各々は、当該バンク内のそれぞれのLED132に電流が流れることを制御可能に防止するために、それに関連付けられたスイッチを含み得る。例えば、バンク1に関連付けられたスイッチは、電流がLED群132a、132bに流れることを阻止し得る。同様に、LED群の各々は、LEDバンク内に流れる電流をして、LED群(132a~132h)を制御可能にバイパスさせる、ためのスイッチと関連付けられ得る。スイッチは、リレーのような物理的スイッチである必要はなく、代わりに、トランジスタを介して実装される電気的スイッチであってもよい、ということが理解されるべきである。
【0018】
照明ユニット130のメモリは、LED132に関する様々な情報を記憶するように構成され得る。例えば、メモリ134は、LED132のカテゴリ電圧、LED132のカテゴリ電流、LED132のカテゴリ温度、LED132の数、LED132のLED色、LED132のLEDビニング、LED群のアレンジメント(例えば、バンク及び群のナンバリングに関するLED132の論理的位置決め)、物理的配置(例えば、照明ユニット130上のLED132の物理的位置)、照明ユニット130のモデル番号、及び/または、照明ユニット130及び/またはLED132に関する他の情報、を含む。
【0019】
図示の例では、照明ユニット130は、照明ポート119を介して電力駆動装置110に接続されている。図1は、異なる地点で生じるLED132への電流供給とメモリ134への論理的接続とを図示しているが、幾つかの実施形態では、両方の接続が単一のコネクタ(例えば、パラレルポートコネクタ)内に含まれ得る。幾つかの実施形態では、照明ユニット130を形成する複数のバンクは、別個の照明基板であってもよい、ということが理解されるべきである。本実施形態の幾つかの実装形態では、照明ポート119は、各照明基板に関連付けられたコネクタを受容するように構成され得る。他の実装形態では、各照明基板は、照明基板を相互に積層及び/またはデイジーチェーンするための2つのコネクタを含む。これらの実装形態では、照明ポート119は、最も近い照明基板からコネクタを受容するように構成され得て、次いで、それが、次に最も近い照明基板からコネクタ受容する。
【0020】
電力駆動装置110に説明を転じると、電力駆動装置110は、照明システム100の動作を適応的に制御するように構成されたプロセッサ120を含む。当該プロセッサ120は、マイクロプロセッサ及び/または他のタイプの論理回路であり得る。例えば、プロセッサ120は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)であり得る。従って、プロセッサ120は、例えば、本明細書に付随する図面のフローチャートによって表され得るように、本明細書に記載された例示的な方法の動作を実装するための指令を実行可能であり得る。機械可読命令が、プロセッサ120のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ)内に記憶され得て、例えば、本開示のフローチャートによって表される動作及び/または照明ユニット130及び/または撮像ユニット140の動作、に対応する。
【0021】
例えば、プロセッサ120は、照明ユニット130のスイッチの動作を制御するように構成され得る。この点に関して、LEDバンクのスイッチの制御、及び、LED群のスイッチの制御は、プロセッサ120の汎用入力/出力(GPIO)ポートに接続されたそれぞれの制御ライン上に多重化され得る。従って、プロセッサ120は、それぞれのGPIOポートを介して制御指令を送信することによって、照明ユニット130の複数のスイッチに対する制御状態を設定することが可能である。
【0022】
例示的な電力駆動装置110は、また、電力入力ポート111の入力電圧を電圧出力ポート113に供給されるプログラム可能な出力電圧に昇圧(ブースト)するように構成された電圧制御器112を含む。幾つかの実施形態では、電圧制御器112は、DC-DC昇降圧電圧変換器である。従って、電圧制御器112は、1または複数の入力ポート114を含み、当該入力ポート114を介して、プロセッサ120が電圧制御器112の動作を制御する。例えば、入力ポート114の1つが、出力電圧制御であり得て、それを介して、プロセッサ120が電圧出力ポート113に供給される出力電圧を設定する。以下に説明されるように、プロセッサ120は、照明サイクルの間の照明ユニット130のLED132の動作のための電力要求を満たす充電レベルにまで蓄積コンデンサ115を再充電するのに必要とされる最小コンデンサ電圧を決定し得る。従って、プロセッサ120は、この決定された最小コンデンサ電圧レベルに出力電圧を設定するように構成され得る。
【0023】
別の例として、入力ポート114の1つが、電流制限ポートに対応し得て、それを介して、プロセッサ120が電圧制御器112に流れる最大電流を設定する。この点に関して、電力入力ポート111に接続される電源105が、最大電流定格と関連付けられ得る。例えば、電源105がユニバーサルシリアルバス(USB)電源である場合、実装されるUSBバージョンに応じて、最大電流は、500mA、900mA、1.5A、または、3A、であり得る。
【0024】
蓄積コンデンサ115は、照明ユニット130によって実行される照明サイクル及び/またはそのパルスに電力供給するための電荷を蓄積するように構成されている。図1は、単一のコンデンサとして蓄積コンデンサ115を図示しているが、蓄積コンデンサ115は、互いに直列及び/または並列に接続されたコンデンサのバンクであり得る。例示的な照明ユニット130は、(LEDドライバ122を介して)コンデンサ115から電力を引き出すように構成されている。例示的な蓄積コンデンサ115は、電源105から引き出されて昇圧された電圧が当該蓄積コンデンサ115を再充電するために使用されるように、電圧制御器112の出力ポート113に接続されている。この点に関して、プロセッサ120によって決定される最小コンデンサ電圧は、後続の照明サイクル及び/またはそのパルスに電力供給するのに十分な電圧レベルにまで蓄積コンデンサ115を再充電するための最小電圧レベルに対応し得る。従って、蓄積コンデンサ115は、照明ユニット130の動作のために要求される最小電圧(のみ)に曝されて、それによって、蓄積コンデンサ115の寿命が延びる。
【0025】
例示的なLEDドライバ122は、電圧入力ポート123に接続された蓄積コンデンサ115から電力を引き出し、電流出力ポート125で電流設定点値を供給する電圧レベルにまでコンデンサ電圧を昇圧するように構成されている。この点に関して、LEDドライバ122は、入力ポート124を含み得て、それを介して、プロセッサ120がLEDドライバ122の電流設定点値を設定し得る。図示のように、電流出力ポート125は、照明ユニット130に電力を供給するように照明ポート119に接続される。
【0026】
図示の例では、電流出力ポート125における出力電流を検出するために、LEDドライバ122は、既知の抵抗を有するセンス抵抗器128に接続され得る。この点に関して、LEDドライバ122は、センス抵抗器128の両側に動作可能に接続されたポートを含み得る。これにより、LEDドライバ122は、センス抵抗器128の既知の抵抗に対する比較のために当該センス抵抗器128を横切る電圧降下を判定することが可能である。次に、LEDドライバ122は、プロセッサ120によってプログラムされた電流設定点に出力電流が到達するまで、電流出力ポート125に供給される電圧を上昇させ得る。
【0027】
動作中、LED132の電圧降下は、異なる照明ニーズに起因して変化する、ということが理解されるべきである。従って、LEDの適切な動作のための電圧ブースト要求も同様に変化する。照明アセンブリのための伝統的な電力駆動装置は、一定の電圧を供給するので、伝統的な電力駆動装置は、より低い電圧が必要とされる時でも、常により悪いケースの電圧レベルを提供し、熱放散を引き起こす。代わりに、本明細書に記載される適応的な電力駆動技術は、電流要求に基づいてLED132に供給される電力を制御する。これにより、LEDドライバ122は、LEDの実際の動作に基づいて(照明ポート119を介して)LEDに供給される電圧を適応的に調整する。従って、熱として散逸する余剰な電力が少ない。
【0028】
プロセッサ120はまた、蓄積コンデンサ115の温度を感知するように構成された温度センサ116に接続されている。感知された温度に基づいて、プロセッサ120は、決定された最小コンデンサ電圧を調整し得る。この点に関して、コンデンサ温度が上昇する場合、プロセッサ120は、コンデンサの寿命の変化を相殺するために、最小コンデンサ電圧を低減させ得る。幾つかのシナリオでは、低減された最小コンデンサ電圧は、後続の照明サイクル及び/またはパルスのために蓄積コンデンサ115を再充電するには不十分であり得る。従って、プロセッサ120は、照明ユニット130及び/または撮像ユニット140の動作を調整し得て、蓄積コンデンサ115が再充電するための追加の時間を提供し得る。例えば、プロセッサ120は、より遅いフレームレートを作動させるように、より低い電流で作動するように、及び/または、より短いパルス持続時間で作動するように、照明ユニット130及び/または撮像ユニット140を制御し得る。同様に、プロセッサ120は、照明ユニット130の追加的なLED132をバイパスするように、照明サイクル及び/またはパルスを調整し得る。これらの調整の結果として、照明サイクル及び/またはパルスは、より低い電圧を要求し、それによって、電圧制御器112がより低い最小コンデンサ電圧で蓄積コンデンサ115を十分に再充電することを可能にする。
【0029】
プロセッサ120はまた、オペレータ装置150との間でデータを交換するための入力/出力(I/O)ポートを含み得る。この点に関して、オペレータ装置150は、照明システム100を含む産業環境の動作を制御し得る。例えば、オペレータ装置150は、ワークステーションコンピュータ、ラップトップ、携帯電話、または、産業環境及び/または照明システム100の動作を制御することを許可された任意の他のコンピューティングデバイス、であり得る。従って、オペレータ装置150は、照明システム100によって実行される照明サイクルをオペレータが設計することを可能にする照明設計アプリケーションを含み得る。例えば、照明システム100が製品の生産ラインの一部である場合、照明サイクルは、像ユニット140の前方を通過する製品の様々な特徴を検出するための様々な照明条件を提供するように、照明ユニット130を構成し得る。オペレータ装置150は、当該照明設計を、I/Oポートを介してプロセッサ120内にダウンロードされる照明制御指令のセットに変換し得る。これに応じて、プロセッサ120は、照明制御指令に従って、照明ユニット130(及び/または、その様々なスイッチ)を構成し得る。
【0030】
更に、プロセッサ120は、I/Oポートを介してオペレータ装置150にデータを送信し得る。例えば、照明ユニット130のメモリ134は、LED132の物理的及び/または論理的位置(配置)に関する情報を含み得る。従って、照明設計アプリケーションは、改善された設計制御及び/またはシミュレーションのために、LED132のレイアウトを示すインタフェースを提示し得る。別の例として、メモリ134は、照明ユニット130のモデル番号を含み得る。これに応じて、照明設計アプリケーションは、LEDの位置(配置)を決定(判定)するために、照明ユニットデータベース(図示せず)に問い合わせることができる。別の例として、プロセッサ120は、メモリ134からLED132のための最大電流定格を取得し得て、オペレータ装置150に提供し得る。従って、照明設計アプリケーションは、最大電流定格に従うことを保証するために、プロセッサ120にそれらをダウンロードする前に、制御指令をシミュレーションするように構成され得る。
【0031】
ここで、図2A及び図2Bを参照すると、照明システム100の変形例である例示的な照明システム200が図示されている。特に、例示的な照明システム200は、アクティブ放電回路2601を含む電力駆動装置210を含む。電力駆動装置210はまた、コンデンサ215と、LEDドライバ222と、プロセッサ220と、を含み、それらは、それぞれ、図1の、蓄積コンデンサ115、LEDドライバ122、及び、プロセッサ120、であり得る。
【0032】
アクティブ放電回路260は、LED電圧(VLED)をコンデンサ電圧(VCAP)に放電させて、照明ユニット130の安全な動作を保証するように構成され得る。この点に関して、プロセッサ220は、LED132の異なる構成(形態)を伴う連続的な照明パルスを実行するべく、照明ユニット130を制御するように構成され得る。この場合において、LED132を駆動するために要求される電圧が連続する照明パルスの間で減少していく場合、最初のより高い照明電圧は、次のより低い照明パルスに必要な電圧レベルを下回るように十分に放電されない可能性がある。例えば、次のより低い照明パルスは、より少ないLED132を起動し得て、及び/または、より少ない電力を要求する色(例えば、赤色vs白色の照明)でLEDを作動させ得る。この時の余剰電圧は、より低い照明パルスを実行する時、LED132を損傷し得る。この余剰電圧を積極的に放電することにより、アクティブ放電回路262は、照明ユニット130の安全な動作を保証する。
【0033】
図示のように、アクティブ放電回路260は、プロセッサ220がアクティブ放電回路260をアクティブ化(活性化)することを可能にする入力ポート262を含む。例えば、制御信号を入力ポート262に送信することによって、プロセッサ220は、LEDドライバ222によって供給される電流をして(図1の照明ポート119のような照明ポートを介して)照明ユニット130の代わりにアクティブ放電回路260に流させるように、スイッチ(図示せず)を閉じる。この間、コンデンサ215は再充電している。従って、プロセッサ220は、そこに記憶された照明制御指令を分析し、連続する照明パルスのために要求される電圧が減少する時を検出して、これに応じて入力ポート262を介して放電回路260を制御する、というように構成され得る。
【0034】
図2Bは、図2Aの電力駆動装置210内に実装され得る例示的なアクティブ放電回路260を示している。プロセッサ260が高電圧信号を入力ポート262に送信すると、nFETトランジスタ261(QN)がアクティブ化(活性化)され、放電電流をグラウンドに接続する。これに応じて、抵抗器264(R1)及び268(R2)が、分圧器として作用する。ここで、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)266(「Qlimit」)のベース電圧は、BJT266のコレクタ電圧よりも大きい。結果として、pFET263(QP)がアクティブ化(活性化)され、電流が抵抗器267を介して導通され(「Rlimit」)、これによって、BJT266のベースにおいてVLED電圧レベルから電圧降下が生じる。この電圧降下が、BJT266のエミッタ-ベース閾値に達すると、BJT266がアクティブになって、pFET263のゲート電圧を増大させ、それによって、pFET263をオーミック領域で作動させる。pFET263がオーミック領域で作動するとき、アクティブ放電回路260は、電流制限抵抗器267とBJT266のベース-エミッタ電圧閾値との間の関係に基づく定電流レベルで作動する。例示的なアクティブ放電回路260は、VLEDの放電中にpFETトランジスタ263のゲート-ソース電圧を安全な電圧レベルに制限するためのツェナーダイオード265(Z1)を含む。
【0035】
図3を参照して、(図1のオペレータ装置150のような)オペレータ装置350上で実行される照明設計アプリケーション用の例示的なユーザインタフェース300が図示されている。当該オペレータ装置は、プロセッサ320(図1のプロセッサ120、図2Aのプロセッサ220、及び/または、他の同様に構成された論理回路)のI/Oポートに接続され得る。前述のように、照明設計アプリケーションは、オペレータが(図1乃至図2Bの照明ユニット130のような)照明ユニットによって実行される照明サイクルを示す照明制御指令のセットを設計することを可能にするように構成され得る。
【0036】
照明設計アプリケーションは、ユーザインタフェース300にデータ投入する情報のために、プロセッサ320をポーリングするように構成され得る。例えば、照明設計アプリケーションは、プロセッサ320からLEDレイアウトを取得して、その視覚表示310を提示するように構成され得る。幾つかの実施形態では、LEDレイアウト310の表示は、対象物に対するLEDの位置を示すこともできる。LEDレイアウト310内の個々のLEDを表す表示は、対応するLED構成パネルを提示するよう選択可能であり得る。
【0037】
図示のように、LED構成パネルは、選択されたLEDを記述する静的情報322と、プログラマブル情報324と、を含み得る。照明設計アプリケーションは、プロセッサ320から表示情報を取得し得る。従って、オペレータは、インタフェース要素334を選択し、それぞれのプログラマブルフィールドの値を入力することによって、プログラマブル情報324を修正し得る。オペレータがパルス数フィールドを修正する場合、ユーザインタフェース310は、新しいパルスに対応する新しい情報を取得し得る、ということが理解されるべきである。従って、オペレータは、ユーザインタフェース300を介して、任意の数のパルスを含む照明サイクルを設計することが可能である。
【0038】
オペレータが照明サイクルの設計を終了すると、オペレータはユーザ要素332と対話し得て、設計された照明サイクルに対応する照明制御指令のセットをプロセッサ320にプログラムし得る。制御指令のセットを受信した後、プロセッサ320は、これに応じて、照明ユニットの1または複数のスイッチを制御し得て、及び/または、LEDをプログラムし得る。幾つかの実施形態では、照明制御指令のセットをプロセッサ320にダウンロードする前に、照明設計アプリケーションは、照明サイクルのシミュレーションを実行して、最大電流のようなLEDの動作限界に対するコンプライアンス(適合)を判定する。従って、シミュレーションされた照明サイクルが動作限界内で実行されない場合、照明設計アプリケーションは、オペレータに警告を提示し得る。当該警告は、動作限界に適合しない特定のLEDを表示し得て、これに応じて、照明サイクルをどのように調整するべきかの指示を提供し得る。
【0039】
ここで、図4を参照して、本明細書に記載された適応的なエネルギー蓄積技術を実装するための例示的なフローチャート400が図示されている。当該フローチャートは、(図1図2A及び図3のプロセッサ120、220、320、並びに/または、他の同様に構成された論理回路のような)照明システムのプロセッサによって、及び/または、他の同様に構成された論理回路によって、実行され得る。
【0040】
ブロック404において、プロセッサは、電力供給される。より詳細には、プロセッサは、(例えば図1の電源105のような)電源に、当該電源に関連付けられたスイッチを閉じること等によって、接続され得る。
【0041】
ブロック408において、プロセッサは、電源タイプを検出する。例えば、プロセッサは、電源によって供給される直流電圧レベルを判定し得る。別の例として、プロセッサは、電源に関連付けられたメモリから、当該電源に関する情報を取得する。この点に関して、当該メモリは、当該電源の最大電流定格の指標を含み得る。幾つかの実施形態では、電源は、5VのUSB電源である。
【0042】
ブロック412において、プロセッサは、電源に関連付けられた電流制限を強制するように、(図1の電圧制御器112のような)電圧制御器を構成する。より具体的には、プロセッサは、電流制限器に関連付けられた入力ポートを介して、電圧制御器に制御信号を送信し得る。これに応答して、電圧制御器は、電源から引き出される電流が電流制限を超えないことを保証する。
【0043】
ブロック416において、プロセッサは、(図1及び図2Aのコンデンサ120、220のような)蓄積コンデンサのための最大コンデンサ電圧を出力するように、電圧制御器を構成する。最大コンデンサ電圧は、蓄積コンデンサの既知の特性に基づいて決定され得る。例えば、蓄積コンデンサの最大電圧定格は、蓄積コンデンサに関連付けられたメモリ内に記憶され得る。コンデンサをその最大電圧で作動させると、当該コンデンサの寿命を大幅に短縮させ得る、ということが理解されるべきである。従って、幾つかの実施形態では、「最大」コンデンサ電圧は、実際には、真の最大コンデンサ電圧のパーセンテージ(例えば、60%、70%、75%)である。前述のように、コンデンサの寿命はまた、コンデンサ温度に基づく。従って、前記パーセンテージは、コンデンサ温度に基づいて変化し得る。すなわち、コンデンサ温度が高温であればある程、真の最大コンデンサ電圧に対する「最大」コンデンサ電圧のパーセンテージは、より低くなる。「最大」コンデンサ電圧を決定した後、プロセッサは、電圧制御器の入力ポートに制御信号を送信し得て、電圧制御器をして、信号化された「最大」コンデンサ電圧のレベルを設定点値として使用して電力供給電圧を昇圧させ得る。
【0044】
ブロック420において、プロセッサは、電圧制御器の出力を起動する。より具体的には、プロセッサは、電圧制御器の入力ポートに制御信号を送信し、電圧制御器をして、電源からの入力電圧を信号化された設定点電圧(すなわち、決定された「最大」コンデンサ電圧)へと昇圧開始させる。
【0045】
ブロック424において、プロセッサは、(図1及び図2Aの照明ユニット130のような)照明ユニットの(図1及び図2AのLED132のような)1または複数のLEDに関するデータを、当該照明ユニットの(図1のメモリ134のような)メモリから取得する。この点に関して、プロセッサは、設計された照明サイクルを実行するために、照明制御指令のセットによってプログラムされ得る。従って、プロセッサは、照明サイクル中にLEDに電力供給するために期待(予想)される電圧要求を決定するべく、1または複数の較正パルスを含む較正照明サイクルを実行するように構成され得る。これに応じて、プロセッサは、照明サイクル中にアクティブであるLEDのデータ特性を取得(識別)し得る。取得されたデータに基づいて、プロセッサは、較正パルスのための電流要求及びパルス持続時間を決定し得る。
【0046】
ブロック428において、プロセッサは、決定された電流要求(すなわち、試験電流)を提供するように、(図1及び図2AのLEDドライバ122、222のような)LEDドライバを構成する。この点に関して、プロセッサは、LEDドライバの入力ポートに制御信号を送信し得て、LEDドライバを制御し得て、決定された電流要求を電流出力設定点として使用し得る。
【0047】
ブロック432において、プロセッサは、取得されたデータに基づく特性を有するパルスを提供するように、LEDドライバを構成する。すなわち、プロセッサは、識別された較正パルスの持続時間と、プログラムされた照明サイクルの特性に基づくパルスレートと、を有するパルスを提供するように、LEDドライバを構成し得る。これに応じて、プロセッサは、1または複数の入力ポートを介してLEDドライバを信号処理することによって、当該パルス持続時間及び当該パルスレートを構成し得る。
【0048】
ブロック436において、プロセッサは、LEDバンクを起動する。特には、プロセッサは、照明サイクルに従って、LEDを構成する。この点に関して、プロセッサは、LEDバンク、及び/または、LEDバンク内のLED群、に関連付けられたスイッチを制御するために、1または複数のGPIOポートに制御指令のセットを出力し得る。例えば、プロセッサは、LEDバンク及び/またはLED群の(複数の)スイッチの制御状態を信号処理するための多重化技術を実装するGPIOポートを介して、制御信号を送信し得る。更に、照明ユニットは、色プログラム可能なLEDを含み得て、プロセッサは、LEDのLED色をも設定し得るように構成され得る。照明ユニットのスイッチとLED色とを設定した後で、プロセッサは、照明ユニットをLEDドライバに接続するためのスイッチを閉じることができる。
【0049】
ブロック440において、プロセッサは、LEDドライバを起動する。特には、プロセッサは、入力ポートを介してLEDドライバに制御信号を送信し、照明サイクル(較正サイクル)に従って照明ユニットへの電流供給を開始する。この時点で、照明ユニットは、電力の引き出しを開始する。
【0050】
ブロック444において、プロセッサは、照明ユニットが較正サイクルに従って作動される時に、実際のLED電圧を決定する。LEDドライバは、較正パルスの実行中、電流設定点で構成されているので、当該LEDドライバは、電流出力を設定点に維持するべく、供給電圧を調整するであろう。較正サイクル中に照明ユニットに供給される最大電圧を測定することによって、プロセッサは、LEDに電力供給するために要求される実際の電圧を決定することが可能である。
【0051】
ブロック448において、プロセッサは、LEDに電力供給するための実際の電圧要求を供給するために要求される最小コンデンサ電圧を決定する。特には、測定された実際の電圧要求及び電流設定点に基づいて、プロセッサは、当該照明ユニットを介して当該較正サイクルを実行するための電力要求を決定し得る。この電力要求に基づいて、プロセッサは、当該較正サイクルの電力要求を満たすのに十分なエネルギーを蓄積するようにパルス間で蓄積コンデンサを再充電するのに必要とされる最小コンデンサ電圧を決定する。この決定は、既知のコンデンサ特性及び較正サイクルのパルスレートに基づき得る。
【0052】
ブロック452において、プロセッサは、最小コンデンサ電圧が「最大」コンデンサ電圧より大きいか否かを判定する。最小コンデンサ電圧が「最大」コンデンサ電圧より小さい場合、当該照明サイクルに従って照明ユニットを作動させることは安全である。このシナリオでは、フローチャート400は、「いいえ」の分岐がブロック456に続く。最小コンデンサ電圧が「最大」コンデンサ電圧より大きい場合、フローチャート400は、「はい」の分岐がブロック460に続く。
【0053】
ブロック456(「いいえ」の分岐に続く)において、プロセッサは、電圧制御器を、最小コンデンサ電圧を出力するように設定する。より具体的には、プロセッサは、電圧制御器の入力ポートに制御信号を送信して、「最大」コンデンサ値から最小コンデンサ値へと出力電圧設定値を低減させる。
【0054】
ブロック460(「はい」の分岐に続く)において、プロセッサは、照明サイクルを実行するための電圧要求を低減させるべく、1または複数のアクションを実行する。例えば、プロセッサは、コンデンサが再充電する時間をより長くするためにフレームレートを低減させるように、照明ユニット及び/または撮像ユニット(図1の撮像ユニット140のような)を構成し得る。別の例として、プロセッサは、照明サイクルがより低い電力要求を有するように、LED電流及び/またはパルス持続時間を低減させ得る。更に別の例として、プロセッサは、LEDバンク及び/またはLED群に関連付けられたスイッチの制御状態を変更し得て、(例えば、電流がLEDバンク内に流れることを防止することによって、あるいは、あるLED群をバイパスすることによって)照明サイクル中にアクティブなLEDの数を低減し得る。
【0055】
ブロック470において、プロセッサは、通常の動作に従って照明ユニットを制御する。すなわち、プロセッサは、プログラムされた照明サイクルを繰り返し実行する。
【0056】
ブロック474において、プロセッサは、再較正基準が満たされたか否かを判定する。例えば、コンデンサ温度が動作中に増大した場合、「最大」コンデンサ電圧は、ブロック416で最初に決定されたよりも減少し得る。従って、1つの再較正基準は、閾値を超える温度の上昇であり得る。別の例として、再較正基準は、照明システムの使用の指標(例えば、経過時間、あるいは、照明サイクルの数及び/またはそのパルスの数)を含み得る。更に別の例として、再較正基準は、パルス特性の変化(例えば、パルス持続時間、パルス電流)、または、照明ユニット構成の変化(例えば、LEDバンクの数の変化を検出すること、及び/または、その動作可能なLEDの数の変化を検出すること)を含み得る。再較正基準が満たされた場合、フローチャート400は、「はい」の分岐がブロック416に続いて、新しい較正サイクルを実行する。さもなくは、フローチャート400は、「いいえ」の分岐がブロック470に続いて、通常の動作を再開する。
【0057】
ここで、図5を参照して、本明細書に記載された適応的なエネルギー蓄積技術を実装するための例示的なフローチャート500が図示されている。当該フローチャート500は、(図1図2A及び図3のプロセッサ120、220、320、並びに/または、他の同様に構成された論理回路のような)照明システムのプロセッサによって、及び/または、他の同様に構成された論理回路によって、実行され得る。
【0058】
ブロック502において、プロセッサは、(図1及び図2Aの照明ユニット130のような)照明ユニットの(図1のメモリ134のような)メモリに記憶されたデータを取得する。例えば、照明ユニットのメモリに記憶されたデータは、カテゴリ電圧、カテゴリ電流、カテゴリ温度、LEDの数、LED色、LEDビニング、または、LED群のアレンジメント、のうちの1または複数を含む。
【0059】
ブロック504において、プロセッサは、(図1の温度センサ116のような)温度センサから温度値を取得する。例えば、プロセッサは、照明システムの初期構成中、照明システムを較正している間、及び/または、ある照明サイクルを実行した後に、当該値を取得するために温度センサをサンプリングするように構成され得る。
【0060】
ブロック506において、プロセッサは、取得されたデータ及び温度値を分析して、照明サイクルに従って(図1及び図2AのLED132のような)照明ユニットのLEDを作動させるための最小コンデンサ電圧を決定する。この分析は、図4のフローチャート400のブロック416~448に関して記述された動作を実行する工程を含み得る。例えば、プロセッサは、温度値を分析し得て、最大許容コンデンサ電圧を決定し得る。プロセッサは、次いで、当該最大許容コンデンサ電圧を(図1及び図2Aのコンデンサ120、220のような)コンデンサに印加して、照明サイクルのための較正パルスを実行し、LEDドライバ出力で感知される電圧に基づいて最小コンデンサ電圧を決定するように、(図1の電圧制御器112のような)電圧制御器を構成し得る。コンデンサは、並列配置または直列配置の少なくとも一方の、コンデンサのバンクであり得る。幾つかの実施形態では、電圧制御器は、プログラマブルなDC-DC昇降圧電圧変換器である。
【0061】
これらの実施形態では、最大許容コンデンサ電圧を印加するように電圧制御器を構成することに加えて、プロセッサはまた、電圧制御器が当該電圧制御器へ入力電圧を提供する電源の電流定格を超えることができない、というように電圧制御器を制御し得る。幾つかの実施形態では、電源は、USB電源である。
【0062】
ブロック508において、プロセッサは、電圧制御器の入力電圧を決定された最小コンデンサ電圧に変換するように、電圧制御器を制御する。ここで、電圧制御器は、決定された最小コンデンサ電圧をコンデンサに印加するように構成されている。照明システムは、照明サイクル中の1または複数のLEDの動作に基づいてコンデンサ電圧を適応的に昇圧するように構成された(例えば、図1及び図2AのLEDドライバ122、222のような)LEDドライバを含み得る。決定された最小コンデンサ電圧を使用して照明サイクルを実行する間、プロセッサは、再較正基準が満たされることを判定し得て、当該照明サイクルのための再較正パルスを実行し得て、LEDドライバ出力で感知される電圧に基づいてLEDを作動させるための更新された最小コンデンサ電圧を決定し得る。次いで、プロセッサは、更新された最小コンデンサ電圧を供給するように、電圧制御器を再構成し得る。結果として、コンデンサは、より低い電圧レベルで再充電され、それによってコンデンサの寿命が延びる。
【0063】
幾つかの実施形態では、決定された最小コンデンサ電圧を適用する前に、プロセッサは、最小コンデンサ電圧が当該コンデンサの最大動作電圧を超えることを判定する。これに応じて、プロセッサは、より遅いフレームレート、より低い電流、または、より低いパルス持続時間、のうちの少なくとも1つを作動させるように照明ユニットを制御し得る。付加的または代替的に、プロセッサは、1または複数のLEDのうちの少なくとも1つのLEDをバイパスするように照明ユニットを制御し得る。
【0064】
図6は、本明細書に記載された適応的な電力駆動技術を実装する例示的なフローチャート600を示している。当該フローチャート600は、(図1図2A及び図3のプロセッサ120、220、320、並びに/または、他の同様に構成された論理回路のような)照明システムのプロセッサによって、及び/または、他の同様に構成された論理回路によって、実行され得る。フローチャート600に関して説明される適応的な電力駆動技術は、フローチャート400及び/または500に関して説明された適応的なエネルギー蓄積技術を実装する照明システムにおいて実装され得るが、当該適応的な電力駆動技術は、他の電源と共に実装されてもよい。例えば、フローチャート600は、蓄積コンデンサの代わりにバッテリー内に電力を蓄積する照明システムにおいて実装されてもよい。
【0065】
ブロック602において、プロセッサは、(図1及び図2Aの照明ユニット130のような)照明ユニットの(図1のメモリ134のような)メモリ内のデータを分析する。例えば、当該データは、論理的な位置(バンクの番号、及び、群の番号)を示し得て、それに従って、前記1または複数のLEDへの電流が制御され得る。
【0066】
ブロック604において、プロセッサは、1または複数の照明サイクル中に1または複数のLEDを作動させるための照明制御指令を取得する。幾つかの実施形態では、プロセッサは、当該プロセッサのI/Oポートに動作可能に接続された(図1及び図3のオペレータ装置150、350のような)オペレータ装置から照明制御指令を受信する。この点に関して、オペレータ装置は、オペレータが照明サイクルを設計することを可能にする照明設計アプリケーションを実行するように構成され得る。付加的または代替的に、プロセッサは、照明ユニットのメモリ内に記憶されたデータに基づく照明制御指令を取得し得る。幾つかの実施形態では、照明ユニットは、プロセッサによって取得される照明制御指令のセットを記憶し得る。他の実施形態では、プロセッサは、LED特性を示すデータを分析し得て、照明制御指令のセットを生成し得る。一例では、プロセッサは、所定のパルス持続時間の間、全てのLEDを照明する照明制御指令のデフォルトのセットを生成する。別の例では、プロセッサは、1または複数セットのアプリケーション固有の照明制御指令(例えば、バーコード走査、ダイレクトパーツマーキング(DPM)コード走査、等)を記憶する。この例では、プロセッサは、LED特性を示すデータに基づいて、アプリケーション固有の照明制御指令を適応させ得る。
【0067】
幾つかの実施形態では、プロセッサは、メモリから取得されたデータをオペレータ装置に提供する。例えば、プロセッサは、1または複数のLEDの構成ないし最大電流定格の少なくとも一方を、オペレータ装置上で実行される照明設計アプリケーションに提供し得る。
【0068】
ブロック606において、プロセッサは、照明制御指令に従って、照明ユニットの1または複数のスイッチを制御する。例えば、照明ユニットが2以上のLEDバンクを含む場合、プロセッサは、LEDの1つのバンク内に流れる電流を防止するスイッチを制御し得る。別の例として、複数のLEDがLED群にセグメント化される場合、プロセッサは、1または複数のLEDのセットへの電流の流れをバイパスするスイッチを制御し得る。幾つかの実施形態では、プロセッサは、1または複数のスイッチのそれぞれのセットに動作可能に接続された1または複数の汎用の入力/出力(GPIO)ポートを介して、制御信号を送信する(例えば、1つのセットが、照明バンクへの電流の流れを制御し、別のセットが、LED群への電流の流れを制御する)。スイッチは、物理的スイッチ(例えば、リレー)である必要がないことが、理解されるべきである。この点に関して、スイッチは、トランジスタであり得る。
【0069】
ブロック608において、プロセッサは、照明制御指令に従って1または複数のLEDを作動させるための電流要求を決定する。この点に関して、プロセッサは、照明制御指令と取得されたLEDデータとを比較し得て、当該照明指令に従ってLEDを作動させるための期待(予想)電力要求を決定し得る。
【0070】
ブロック610において、プロセッサは、(図1及び図2AのLEDドライバ122、222のような)LEDドライバの電流制御設定点を前記電流要求に設定する。プロセッサが照明サイクルを実行する時、LEDの電圧降下が変化する。LEDドライバを電流設定点に制御することにより、当該電圧変化が自動的に考慮され、LED電圧降下の事前知識の必要性が除去される。結果として、照明に供給される電力が実際の電力需要に適合し、熱として放散されるエネルギーの量が減少され、幾つかの実施形態では、蓄積コンデンサの寿命が延びる。
【0071】
幾つかの実施形態では、照明サイクルを実行する前に、プロセッサは、照明ユニットの最大電流定格を取得し、電流制御設定点を当該最大電流定格と比較する。電流要求が最大電流定格を超えているとプロセッサが判定する場合、当該プロセッサは、代わりに、電流制御設定点を最大電流定格に設定し得て、電流要求と最大電流定格との間の差に基づいて照明サイクルのパルス持続時間を増大させ得る。この点に関して、プロセッサは、同じ量の電力がより低い最大電流定格レベルで引き出されるように、パルス持続時間を調整するように構成され得る。
【0072】
前述の説明は、添付の図面のブロック図を参照する。当該ブロック図によって表される実施例の代替的な実装は、1または複数の追加的または代替的な要素、プロセス及び/または装置を含む。追加的または代替的に、図中の1または複数の例示的なブロックは、組み合わされ得るし、分割され得るし、再配置され得るし、あるいは、省略され得る。図中のブロックで表されるコンポーネント(構成要素)は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、並びに/または、ハードウェア、ソフトウェア及び/若しくはファームウェアの任意の組み合わせ、によって実装される。幾つかの例では、ブロックによって表されるコンポーネントの少なくとも1つが、論理回路によって実装される。本明細書で使用される場合、「論理回路」という用語は、(例えば、所定の構成(コンフィグレーション)に従う動作を介して、及び/または、記憶された機械可読命令の実行を介して)1または複数の機械を制御するように及び/または1または複数の機械の動作を実行するように構成される少なくとも1つのハードウェアコンポーネント、を含む物理デバイスとして明示的に定義される。論理回路の例は、1または複数のプロセッサ、1または複数のコプロセッサ、1または複数のマイクロプロセッサ、1または複数のコントローラ、1または複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1または複数のアプリケーション固有の集積回路(ASIC)、1または複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1または複数のマイクロコントローラユニット(MCU)、1または複数のハードウェアアクセラレータ、1または複数の特殊用途(専用)コンピュータチップ、及び、1または複数のシステムオンチップ(SoC)装置、を含む。ASICまたはFPGA等の幾つかの例示的な論理回路は、動作(例えば、本明細書に記載され、存在する場合には本開示のフローチャートによって表される、1または複数の動作)を実行するために特別に構成されたハードウェアである。幾つかの例示的な論理回路は、動作(例えば、本明細書に記載され、存在する場合には本開示のフローチャートによって表される、1または複数の動作)を実行するために機械可読命令を実行するハードウェアである。幾つかの例示的な論理回路は、特別に構成されたハードウェアと、機械可読命令を実行するハードウェアと、の組み合わせを含む。前述の説明は、本明細書で説明される様々な動作、及び、それらの動作の流れを説明するために本明細書に添付され得るフローチャート、に言及している。そのようなフローチャートは、いずれも、本明細書に開示される例示的な方法を表している。幾つかの例では、フローチャートによって表される方法は、ブロック図によって表される装置を実装する。本明細書に開示される例示的な方法の代替的な実装は、追加的または代替的な動作を含み得る。更に、本明細書に開示される方法の代替的な実装の動作は、組み合わされ得るし、分割され得るし、再配置され得るし、あるいは、省略され得る。幾つかの例では、本明細書で説明される動作は、1または複数の論理回路(例えば、プロセッサ)によって実行されるために、媒体(例えば、有形の機械可読媒体)に記憶された機械可読命令(例えば、ソフトウェア及び/またはファームウェア)によって実装される。幾つかの例では、本明細書で説明される動作は、1または複数の特別に設計された論理回路(例えば、ASIC)の1または複数の構成(コンフィグレーション)によって実施される。幾つかの例では、本明細書で説明される動作は、1または複数の論理回路によって実行されるために、特別に設計された1または複数の論理回路と、媒体(例えば、有形の機械可読媒体)に記憶された機械可読命令と、の組み合わせによって実装される。
【0073】
本明細書で使用される場合、「有形の機械可読媒体」、「非一時的な機械可読媒体」、及び「機械可読記憶装置」という用語の各々は、任意の好適な期間だけ(例えば、恒久的、長期間(例えば、機械可読命令に関連するプログラムが実行されている間)、及び/または、短期間(例えば、機械可読命令がキャッシュされている間、及び/または、バッファリングプロセス中))機械可読命令(例えば、ソフトウェア及び/またはファームウェアの形態のプログラムコード)が記憶される記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ(のディスク)、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、等)として明示的に定義される。更に、本明細書で使用される場合、「有形の機械可読媒体」、「非一時的な機械可読媒体」及び「機械可読記憶装置」という用語の各々は、伝播信号(の態様)を除外するものとして明示的に定義される。すなわち、特許請求の範囲で使用される場合、「有形の機械可読媒体」、「非一時的な機械可読媒体」及び「機械可読記憶装置」という用語はいずれも、伝搬信号によって実装されるものとは、読まれ得ない。
【0074】
前述の明細書には、特定の実施形態が記載されている。しかしながら、当業者は、特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更がなされ得る、ということを理解する。従って、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で理解されるべきであり、そのような全ての修正が、本教示の範囲内に含まれることが意図されている。更に、説明された実施形態/実施例/実装は、相互に排他的であると解釈されるべきではなく、その代わりに、そのような組み合わせが何らかの方法で許容される場合、潜在的に組み合わせ可能であると理解されるべきである。換言すれば、前述の実施形態/実施例/実装のいずれかに開示された任意の特徴が、他の前述の実施形態/実施例/実装のいずれかに含まれてもよい。
【0075】
利益、利点、問題の解決策、及び、何らかの利益、利点ないし解決策を生じさせ得るかまたはより顕著にし得る任意の要素は、特許請求の範囲の請求項のいずれかまたは全てにおいての、重要な、必要な、または本質的な機能または要素として解釈されるべきではない。特許請求される発明は、本出願の係属中になされる補正、及び、発行される請求項の全ての均等物を含んで、添付される請求項によってのみ定義される。
【0076】
更に、当該文書において、第1及び第2、上及び下、等のような関連語は、1つの実体または動作を他の実体または動作から区別するためにのみ用いられている可能性があり、必ずしもそのような実体または動作間の実際のそのような関係または順序を要求したり含意したりしていない可能性がある。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、あるいは、それらの他のあらゆる変形語は、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。要素の列挙(リスト)を、備える、有する、含む、または、含有する、というプロセス、方法、物品、または、装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素や、そのようなプロセス、方法、物品、または、装置に固有の他の要素を含み得る。「を備える(comprises ...a)」、「を有する(has ...)」、「を含む(includes ...a)」、「を含有する(contains ...a)」の後に続く要素は、更なる制約条件が無ければ、当該要素を、備える、有する、含む、または、含有する、というプロセス、方法、物品、または、装置、における付加的な同一要素の存在を排除しない。用語「a」及び「an」は、明示的に他の言及が無い限り、1または複数として定義される。用語「実質的に」、「本質的に」、「およそ」、「約」、あるいは、それらの他のあらゆる変形語は、当業者に理解されるように、近い状態であるものとして定義され、1つの非限定的な実施形態において、当該用語は、10%以内、別の実施形態においては5%以内、別の実施形態においては1%以内、及び、別の実施形態において0.5%以内、として定義される。本明細書で用いられる用語「結合された」は、接続されたものとして定義されるが、必ずしも直接的でなくてもよく、また、必ずしも機械的でなくてもよい。ある方式で「構成された」デバイスまたは構造は、少なくとも当該方式で構成されるが、挙げられていない方式で構成されてもよい。
【0077】
本開示の要約は、読者が当該技術的開示の性質を素早く確認することを許容するために提供される。それは、特許請求の範囲の請求項の範囲または意味を解釈または制限するために用いられないという理解と共に提示される。また、前述の詳細な説明において、当該開示を円滑にする目的で、様々な実施形態において様々な特徴がまとめてグループ化されていることが認められ得る。この開示方法は、特許請求される実施形態が、各請求項で明示的に記載されている特徴よりも多くの特徴を必要とする、という意図を反映するものとして解釈されるべきでない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少なく存在する。以下の特許請求の範囲は、ここで詳細な説明に組み入れられ、各請求項は、別個に特許請求される主題として、それ自身独立している。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】