(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】接触液浸リソグラフィのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532769
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 US2020063726
(87)【国際公開番号】W WO2021133542
(87)【国際公開日】2021-07-01
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】シ,ホンチン
(72)【発明者】
【氏名】タン,イエ-ジウン
(72)【発明者】
【氏名】ダンフィ,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンソーリ,シーザー
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA04
2H197AA12
2H197BA04
2H197BA17
2H197CA03
2H197CD17
2H197CD41
2H197HA03
2H197HA08
(57)【要約】
本出願は、接触液浸リソグラフィ露光ユニットおよび接触液浸リソグラフィ露光ユニットの使用方法に関する。例示的な接触露光ユニットは、流体材料を収容するように構成された容器と、容器内に配置された基板と、を含む。基板は、第1の表面および第2の表面を有し、基板は、少なくとも第1の表面上にフォトレジスト材料を含む。接触露光ユニットは、容器内に配置されたフォトマスクを含む。フォトマスクは、流体材料を含む間隙を介してフォトレジスト材料に光学的に連結される。接触露光ユニットはまた、フォトマスクとフォトレジスト材料との間の間隙を制御可能に調整するために、基板の第2の表面に所望の力を加えるために制御可能に膨張されるように構成された膨張可能なバルーンを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光ユニットであって、
流体材料を収容するように構成された容器と、
前記容器内に配置された基板であって、前記基板は、第1の表面および第2の表面を有し、前記基板は、少なくとも前記第1の表面上にフォトレジスト材料を含む、基板と、
前記容器内に配置されたフォトマスクであって、前記フォトマスクは、前記流体材料を含む間隙を介して前記フォトレジスト材料に光学的に連結される、フォトマスクと、
前記フォトマスクと前記フォトレジスト材料との間の前記間隙を制御可能に調整するために、前記基板の前記第2の表面に所望の力を加えるために制御可能に膨張されるように構成された膨張可能なバルーンと、を備える、露光ユニット。
【請求項2】
前記膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させるように構成された膨張装置をさらに備える、請求項1に記載の露光ユニット。
【請求項3】
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラをさらに備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、動作を実行するために前記メモリに格納されたプログラム命令を実行し、前記動作は、
前記フォトマスクと前記フォトレジスト材料との間の所望の間隙を達成するために、膨張可能なバルーンを膨張させるように前記膨張装置を制御することを含む、請求項2に記載の露光ユニット。
【請求項4】
照明光を生成するように構成された光源をさらに備え、前記光源は、前記容器に光学的に連結され、前記光源はコリメートされた紫外線(UV)ランプである、請求項1に記載の露光ユニット。
【請求項5】
前記容器は、光学的に透明な開口部を備え、前記照明光は、前記光学的に透明な開口部を介して前記フォトレジスト材料を照明する、請求項4に記載の露光ユニット。
【請求項6】
前記光源からの前記照明光を方向付けて、前記フォトレジスト材料を所望の角度で照明し、かつ前記フォトレジスト材料における少なくとも角度付けられた構造を露光するように構成された光学部品をさらに備え、前記光学部品は、前記フォトレジスト材料を前記所望の角度で照明するために、前記照明光の少なくとも一部を反射するように配設された少なくとも1つの鏡を備える、請求項4に記載の露光ユニット。
【請求項7】
前記所望の角度は、前記基板の表面に対して実質的に45度である、請求項6に記載の露光ユニット。
【請求項8】
前記光源と前記基板との間に配置されたアパーチャマスクをさらに備え、前記アパーチャマスクは、1つ以上の開口部を備え、各開口部は、前記フォトレジスト材料におけるそれぞれの所望の構造に対応する、請求項6に記載の露光ユニット。
【請求項9】
前記それぞれの所望の構造は、角度付けられた構造および垂直構造のうちの1つである、請求項8に記載の露光ユニット。
【請求項10】
前記照明光の第1の部分は、前記角度付けられた構造に対応する第1の開口部を通過することによって、前記少なくとも1つの鏡に向かって方向付けられる、請求項9に記載の露光ユニット。
【請求項11】
前記照明光の第2の部分は、前記フォトレジスト材料における所望の垂直構造に対応する第2の開口部を通過することによって前記基板に向かって方向付けられ、前記照明光の前記第2の部分は、前記フォトレジスト材料における前記所望の垂直構造を露光させるために実質的に法線の角度で前記フォトレジスト材料を照明する、請求項10に記載の露光ユニット。
【請求項12】
前記流体材料は、水、グリコール、およびグリセロールのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の露光ユニット。
【請求項13】
露光ユニットであって、
流体材料を収容するように構成された容器と、
前記容器内に配置されたフォトマスクと、
前記容器内に配置された少なくとも1つのマスク洗浄装置と、を備え、前記少なくとも1つのマスク洗浄装置は、前記フォトマスクの少なくとも1つの表面を洗浄するように構成される、露光ユニット。
【請求項14】
前記少なくとも1つのマスク洗浄装置は、少なくとも1つの流体ジェットを備える、請求項13に記載の露光ユニット。
【請求項15】
前記少なくとも1つのマスク洗浄装置は、少なくとも1つのワイパ装置を備える、請求項13に記載の露光ユニット。
【請求項16】
少なくとも1つのマスク洗浄装置の位置を制御可能に調整するように構成された一次元または二次元アクチュエータと、
粒子または気泡検出装置と、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、をさらに備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、動作を実行するために前記メモリに格納されたプログラム命令を実行し、前記動作は、
前記粒子または気泡検出装置から、前記フォトマスク上に存在する粒子または気泡に関する情報を受信することと、
前記受信された情報に基づいて前記一次元または二次元アクチュエータを制御することと、を含む、請求項13に記載の露光ユニット。
【請求項17】
フォトリソグラフィ方法であって、
フォトマスクと、基板の第1の表面上に配置されたフォトレジスト材料との間の間隙を制御するために膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることを含み、前記間隙は、流体材料を含み、前記膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることは、前記基板の第2の表面に所望の力を加えることを含む、フォトリソグラフィ方法。
【請求項18】
複数の真空吸着カップを介して前記基板の前記第2の表面に膨張アセンブリを取り付けることをさらに含み、前記膨張アセンブリは、
膨張可能なバルーンと、
制御弁と、
膨張装置と、を備え、前記膨張装置は、前記制御弁を介して前記膨張可能なバルーンに連結される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることは、前記バルーンの膨張する流体の圧力、膨張する流体の流量、または加えられる力の持続時間のうちの少なくとも1つを制御することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
Stefanの接着方程式に従って前記加えられる力の持続時間を判定することをさらに含み、前記膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることは、前記判定された加えられる力の持続時間中に前記膨張可能なバルーンを膨張させることを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月23日に出願された米国特許出願第16/724,925号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ライトガイドおよび他の光学装置などの様々な光学部品の製造は、斜め接触液浸リソグラフィを使用して実行され得る。このようなシナリオでは、フォトレジストにおいて鋭い角/縁を実現することは、導波路構造の高い光透過効率を実現するために有益である。しかしながら、鋭い角/縁を実現するために、基板/フォトレジストは通常、フォトマスクの非常に近くに配置される。しかしながら、フォトレジストをマスクに付着させることを回避するために、基板はマスクと直接接触していない。例えば、フォトレジストがマスクに付着すると、プロセスが失敗し得る。したがって、基板/フォトレジストとフォトマスクとの間の間隙を制御可能に調整する方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
例示的な実施形態は、接触液浸リソグラフィ露光を実行するための装置、システム、および方法に関する。
【0004】
第1の態様では、露光ユニットが提供される。露光ユニットは、流体材料を収容するように構成された容器と、容器内に配置された基板と、を含む。基板は、第1の表面および第2の表面を有する。基板は、少なくとも第1の表面上にフォトレジスト材料を含む。露光ユニットはまた、容器内に配置されたフォトマスクを含む。フォトマスクは、流体材料を含む間隙を介してフォトレジスト材料に光学的に連結される。露光ユニットはまた、フォトマスクとフォトレジスト材料との間の間隙を制御可能に調整するために、基板の第2の表面に所望の力を加えるために制御可能に膨張されるように構成された膨張可能なバルーンを含む。
【0005】
第2の態様では、露光ユニットが提供される。露光ユニットは、流体材料を収容するように構成された容器と、容器内に配置されたフォトマスクと、を含む。露光ユニットは、容器内に配置された少なくとも1つのマスク洗浄装置を含む。少なくとも1つのマスク洗浄装置は、フォトマスクの少なくとも1つの表面を洗浄するように構成される。
【0006】
第3の態様では、方法が提供される。本方法は、フォトマスクと、基板の第1の表面上に配置されたフォトレジスト材料との間の間隙を制御するために、膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることを含む。間隙は、流体材料を含む。膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることは、基板の第2の表面に所望の力を加えることを含む。
【0007】
他の態様、実施形態、および実装態様は、添付図面を適宜参照して、以下の詳細な説明を読み取ることによって、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】例示的な実施形態による、接触液浸リソグラフィ露光ユニットを例証する。
【
図2】例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニットを含むリソグラフィシステムを例証する。
【
図3A】例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニットを含むシナリオを例証する。
【
図3B】例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニットを含むシナリオを例証する。
【
図3C】例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニットを含むシナリオを例証する。
【
図3D】例示的な実施形態による、
図1の接触液浸露光ユニットに関連する押圧時間に対するフィルムの厚さを例証する。
【
図4】例示的な実施形態による、接触液浸リソグラフィ露光ユニットを例証する。
【
図5A】例示的な実施形態による、
図4の接触露光ユニットの一部を例証する。
【
図5B】例示的な実施形態による、
図4の接触露光ユニットの一部を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示的な方法、装置、およびシステムが本明細書において説明される。「例」および「例示的」という語は、本明細書においては、「例、事例、または例証としての役割を果たす」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書において「例」または「例示的」であるとして説明されるいずれの実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書において提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。
【0010】
このように、本明細書において説明される例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書において概略説明され、図に例証される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配設する、置き換える、組み合わせる、分離する、および設計することができ、これらの構成のすべてが本明細書において想到される。
【0011】
さらに、文脈が異なることを示唆していない限り、これらの図の各々に例証されている特徴は、互いに組み合わせて使用され得る。このように、図は一般に、例証されるすべての特徴が実施形態ごとに必要である訳ではないという理解の下に、1つ以上の概略実施形態の構成態様として考えられるべきである。
【0012】
I.概要
本明細書に記載されるように、基板とフォトマスクとの間の流体材料の非常に薄い間隙を維持するためのシステムおよび方法が開示される。選択可能な力または望ましい力を基板に加えるために、調整可能な機構が使用される。一例では、基板の裏側に沿って押圧して、基板とフォトマスクとの間の間隙を制御可能に調整するために、膨張可能なバルーンが利用され得る。このようなシナリオでは、押圧力および時間を制御することによって間隙が調整され得る。膨張可能なバルーンを使用することによって、例えば、各領域要素に対してほぼ一定の力など、均一な圧力が実現され得る。これは、間隙を均一にする、または均一に維持するのを助け得る。代替的または追加的な機構は、発泡体またはばねの配列を含み得る。
【0013】
さらに、接触液浸リソグラフィの用途において、流体材料の清浄性は、高品質のリソグラフィを達成するための重要な要素である。例えば、流体材料内の小さな粒子(~0.1um)でさえ、フォトマスクのパターンの縁にゆっくりと蓄積し得る。これらの小さな粒子は、光学ライトガイドの側壁を劣化させ得、光学ライトガイドの側壁を粗くし、ライトガイドの効率の低下をもたらす。このような粒子は、環境(周囲空気)、操作者、機器、および/または基板/フォトレジストに由来し得る。
【0014】
清浄性を達成するための可能な解決策として、流体材料中の粒子を除去するために、多段階粒子濾過に加えて、掃引流体ジェットおよび/または掃引ワイパまたは他の機械的洗浄方法が使用され得る。また、リソグラフィの光路から気泡を除去するために、フォトマスク表面全体にゆっくりとした流体の流れが提供され得る。
【0015】
II.例示的な液浸露光ユニット
図1は、例示的な実施形態による、接触液浸リソグラフィ露光ユニット100を例証する。接触露光ユニット100は、流体材料112を収容するように構成された容器110を含む。いくつかの実施形態では、流体材料112は、水(例えば、脱イオン水)、グリコール、またはグリセロールのうちの少なくとも1つを含み得る。追加的または代替的に、流体材料112は、2つ以上の異なる材料(例えば、水およびグリセロール)の混合物を含み得る。本明細書に記載の接触液浸リソグラフィプロセスにおいて他の多くの流体材料が利用され得、ならびにそのようなすべての変形が本開示の範囲内で企図され、かつ可能であることが理解されるであろう。
【0016】
接触露光ユニット100はまた、容器110内に配置された基板120を含む。基板は、第1の表面122および第2の表面124を有する。基板120は、フォトレジスト材料126を含み、フォトレジスト材料126は、基板120の少なくとも第1の表面122を形成し得る。例えば、基板120は、第1の表面122を形成するようにフォトレジスト材料126で被覆されたウェーハ/基板本体127を含み得る。ウェーハ/基板本体127の裏面は、第2の表面124を形成し得る。ウェーハ/基板本体127は、完全なウェーハ基板(例えば、6インチのウェーハ)またはウェーハ基板の一部(例えば、1cm×1cmの試料)を含み得る。そのようなシナリオでは、ウェーハ/基板本体127は、シリコン、ガリウムヒ素、または別の半導体材料から形成され得る。他の例では、ウェーハ/基板本体127は、ガラスなどの別のタイプの固体材料であり得る。
【0017】
そのようなシナリオでは、基板120は、接触液浸リソグラフィプロセスを可能にするために、流体材料112(例えば、水)に浸漬され得る。したがって、流体材料112を清潔に保ち、かつ環境からの、または露光プロセスによって生成された粒子またはほこりがないようにすることは有益である。
【0018】
接触露光ユニット100は、容器110内に配置されたフォトマスク130をさらに含む。フォトマスク130は、流体材料112を含む間隙128を介してフォトレジスト材料126に光学的に連結される。いくつかの実施形態では、所望の構造(例えば、角度付けられたフォトレジスト構造)を達成するために、ウェーハ(例えば、基板120)とフォトマスク130との間に均一で非常に狭い流体間隙を維持することが望ましい場合がある。本明細書に記載される「接触液浸リソグラフィ」という用語は、現像されたフォトレジストにおいて角度付けられた構造を形成するために、様々な(また潜在的に急な)入射角の(液体に浸される)フォトレジストの照明に関し、かつ/または特に関連する。
【0019】
いくつかの実施形態では、フォトリソグラフィプロセスは、露光中の基板120とフォトマスク130との間の異なる間隙によって影響され得る。一例として、基板120とフォトマスク130との間の間隙が約20ミクロンよりも大きい場合、フォトレジスト材料126上のフォトマスク130の投影画像は焦点が合っていない可能性がある。したがって、現像されたフォトレジストは、ぼやけた照明光のために、丸みを帯びた角および他の理想的ではないものを含み得る。フォトレジスト構造が光学用途(例えば、導波路)に使用される用途の場合、導波路の丸めまたは面取りは、装置の光透過効率を低下させ得る。
【0020】
対照的に、基板120とフォトマスク130との間の流体間隙が露光中に約10ミクロン未満である場合、現像されたフォトレジスト構造は、より明確な縁の特徴を備えてより鋭くなり得る。
【0021】
基板120とフォトマスク130との間の直接接触は、粘着、傷、および/または破損につながり得るため、基板120とフォトマスク130との間の適切な狭い間隙を達成することは困難であり得る。また、所望の間隙を物理的に維持するために薄いスペーサまたはシムを利用することは困難であり得る。例えば、スペーサまたはシムは、フォトレジストがスペーサまたはシムに付着するのを防ぐために、フォトレジストのない領域にある必要がある。さらに、厚さ約10ミクロンのシム素材を取り扱うことは困難であり得る。
【0022】
したがって、記載された接触露光ユニット100は、選択可能な力または望ましい力を基板に加えるために制御可能である調整可能な機構を追加的に含む。例えば、機構は、基板120の第2の表面124に所望の力を加えるために制御可能に膨張されるように構成された膨張可能なバルーン140を含み得る。膨張可能なバルーンは、基板に単純でありながら細かく制御可能であり、かつ均一な圧力を提供することができる。代替的または追加的な機構は、発泡体またはばねの配列を含み得る。したがって、本明細書に記載の実施形態は、フォトマスク130と基板120の第1の表面122との間の間隙128を制御可能に調整するように構成され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、膨張可能なバルーン140は、基板120の第2の表面124にわたってほぼ均一な力(各領域要素にわたってほぼ一定の力)を提供するように成形および/または膨張され得る。したがって、膨張可能なバルーン140は、フォトレジスト材料126とフォトマスク130との間に均一な間隙を提供するのを助け得る。膨張可能なバルーン140は、ネオプレンまたは別のタイプの膨張可能で柔軟な材料(例えば、ラテックス、ゴムなど)から形成され得る。いくつかの実施形態では、膨張可能なバルーン140は、非反射性材料および/または光吸収性材料から作製され得る。例えば、膨張可能なバルーン140は、UV露光光波長と同じ波長のUV光を吸収する材料から作製され得る、またはUV露光光波長と同じ波長のUV光を吸収する材料で被覆され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、接触露光ユニット100は、膨張可能なバルーン140を制御可能に膨張させるように構成された膨張装置160を追加的に含み得る。例示的な実施形態では、膨張装置160は、制御弁164を介して、液体または気体(例えば、空気)を含み得る流体を膨張可能なバルーン140に提供し得る。いくつかの例では、制御弁164は、1つ以上のマスフローコントローラ(MFC)または他のタイプの調整可能な流れ弁を含み得る。本明細書の実施形態は、間隙128を調整するために基板120に力を提供するものとして膨張装置160を説明するが、基板120の第2の表面124に力を提供するように構成された他の制御可能な力の要素が可能であり、かつ企図されることが理解されるであろう。例えば、そのような制御可能な力の要素は、発泡体、圧電材料、油圧要素、またはばねの配列を含み得る。
【0025】
追加的または代替的に、接触露光ユニット100は、少なくとも1つのプロセッサ152およびメモリ154を有するコントローラ150を含み得る。そのようなシナリオでは、少なくとも1つのプロセッサ152は、特定の動作を行うために、メモリ154内に格納されたプログラム命令を実行するように構成され得る。
【0026】
動作は、フォトマスク130とフォトレジスト材料126との間に所望の間隙を達成するために、膨張可能なバルーン140を膨張させるように膨張装置160を制御することを含み得る。いくつかの実施形態では、フォトマスク130とフォトレジスト材料126との間の間隙128は、1つ以上のセンサ170から受信した情報に基づいて監視および/または調整され得る。センサ170は、レーザー干渉計、カメラ、深度計、または別のタイプの距離測定センサを含み得る。このようにして、センサ170は、フォトマスク130とフォトレジスト材料126との間の実際の距離(例えば、間隙128)を示す情報をコントローラ150に提供するように構成され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、接触露光ユニット100は、照明光を生成するように構成された光源180を追加的に含み得る。そのようなシナリオでは、光源180は、容器110に光学的に連結される。光源180は、例えば、コリメートされた紫外線(UV)ランプであり得る。フォトリソグラフィ方法に好適な他のタイプの光源が可能であり、かつ企図されることが理解されるであろう。
【0028】
例示的な実施形態では、容器110は、光学的に透明な開口部114を含み得る。そのようなシナリオでは、照明光は、光学的に透明な開口部114を介してフォトレジスト材料126を照明する。
図1は、システム100のいくつかの要素が容器110の内側にあることを例証するが、他の実施形態では、そのような要素は、容器110の外側にあり得、逆もまた同様であることが理解されるであろう。
【0029】
様々な実施形態では、接触露光ユニット100はまた、フォトレジスト材料126を所望の角度で照明するように光源180からの照明光を方向付けるように、かつフォトレジスト材料126における少なくとも角度付けられた構造を露光するように構成された光学部品182を含み得る。そのようなシナリオでは、光学部品182は、フォトレジスト材料126を所望の角度で照明するために、照明光の少なくとも一部を反射するように配設された少なくとも1つの鏡を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、所望の角度は、基板の表面に対して実質的に45度であり得る。他の所望の角度(例えば、基板120の第1の表面122に対して15~80度の角度)が可能であり、かつ企図されることが理解されるであろう。
【0031】
様々な実施形態では、接触露光ユニット100は、光源180と基板120との間に配置されたアパーチャマスク184を含み得る。アパーチャマスク184は、1つ以上の開口部を含む。アパーチャマスク184の各開口部は、フォトレジスト材料126におけるそれぞれの所望の構造に対応し得る。いくつかの例示的な実施形態では、それぞれの所望の構造は、角度付けられた構造または垂直の構造のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0032】
図2は、例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニット100を含むリソグラフィシステム200を例証する。いくつかの実施形態では、リソグラフィシステム200は、流体供給および洗浄ユニット210を含む。流体供給および洗浄ユニット210は、1つ以上のフィルタ212を含み得る。一例として、フィルタ212は、0.2ミクロンのフィルタ(20インチの長さ)、0.1ミクロンのフィルタ(20インチの長さ)、および0.04ミクロンのフィルタ(10インチの長さ)を含み得る。しかしながら、他のタイプの粒子フィルタが可能であり、かつ企図される。
【0033】
流体供給および洗浄ユニット210はまた、1つ以上の流体ポンプ214を含み得る。追加的または代替的に、流体供給および洗浄ユニット210は、脱気装置216を含み得る。脱気装置216は、真空ポンプ、ダイヤフラム/膜ポンプ、または流体材料112からガスを除去するように構成された別のタイプのポンプを含み得る。流体供給および洗浄ユニット210は、流体供給ホース202および流体戻りホース204を介して、接触露光ユニット100に連結され得る。
【0034】
リソグラフィシステム200は、ウェーハ乾燥ユニット220をさらに含み得る。ウェーハ乾燥ユニット220は、基板120から水分を除去するように構成することができる。例えば、ウェーハ乾燥ユニット220は、基板120を加熱してその表面上の流体を蒸発させるように構成された加熱要素を含み得る。追加的または代替的に、ウェーハ乾燥ユニット220は、遠心力および/または空気流によって流体を除去するように、基板120を高回転で回転させるように構成され得る。
【0035】
追加的または代替的に、リソグラフィシステム200は、ウェーハカセット積載およびウェーハ位置合わせユニット230を含み得る。
【0036】
図3Aは、例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニット100を含むシナリオ300を例証する。シナリオ300は、膨張アセンブリ162を含み、膨張アセンブリ162は、膨張可能なバルーン140を備えた装置に取り付けられた1つ以上の真空吸着カップ304(例えば、4つの吸着カップ)に連結された基板120を含み得る。
【0037】
膨張可能なバルーン140は、ガスポート142を介して動作可能に膨張され得る。インフレーションアセンブリ162は、支持アーム306を介して容器110に取り付けられ得、支持アーム306は、インフレーションアセンブリ162の構造的支持、および/または流体材料112に基板120を積載する/流体材料112から基板120を取り外す方法を追加的に提供し得る。
【0038】
基板120の第1の表面122は、ウェーハ/基板本体127上に塗布されたフォトレジスト材料126を含み得る。第1の表面122とフォトマスク130との間の距離は、間隙128として示される。いくつかの実施形態では、所望の間隙310は、所望のリソグラフィ条件を提供し得る。一例として、フォトマスク130に対して所望の間隙310を有する基板120を配設することは、フォトレジスト材料126に鋭い、角度付けられた構造を形成するという利点を提供し得る。いくつかの実施形態では、所望の間隙310は、5~10ミクロンの間、10~15ミクロンの間、または0~50ミクロンの間であり得る。他の所望の間隙が可能であり、かつ企図されることが理解されるであろう。
【0039】
初期動作として、膨張アセンブリ162は、ばね負荷された真空吸着カップを用いて基板120上に押圧され得る。いくつかの実施形態では、ばねは非常に弱い。そのようなシナリオでは、真空吸着カップはウェーハをあまり強く押し付けず、フォトマスク130または基板120の表面を傷つけにくく、またはそうでなければ損傷しにくい。
【0040】
図3Aに例証されるように、シナリオ300の間、膨張可能なバルーン140は収縮状態にあり得る。
【0041】
図3Bは、例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニット100を含むシナリオ320を例証する。
図3Bに例証されるように、膨張可能なバルーン140は、ガスポート142を介して膨張装置160によって膨張され得る。膨張可能なバルーン140を膨張させるために利用されるガスは、空気であり得る。しかしながら、窒素、アルゴンなどの他のガスが可能であり、かつ企図される。フォトマスク130に対する基板120の力および押圧速度を調整および/または維持するために、ガス圧力およびガス流量が監視され得、かつ制御され得る。
【0042】
例示的な実施形態では、5Nの力が使用され得る。しかしながら、様々な異なる押圧力(例えば、1~20N)が可能であり、かつ想定される。いくつかの実施形態では、力は、重量または他のタイプの較正手段によって較正され得る。
【0043】
押圧力および時間を制御することによって、Stefanの接着方程式で予測されるように、間隙が制御され得る。Stefanの接着方程式は、押圧時間Tおよび押圧力Fの関数として、膜厚h
0を予測する。
【数1】
【0044】
例として、水で満たされた間隙および10Nの加えられる力の場合、Stefanの接着方程式は、10ミクロンの間隙を達成するのに約10秒かかると予測する。追加的または代替的に、5Nの押圧力で、30秒の押圧持続時間は10ミクロンの間隙をもたらし得る。代替として、2Nなどのより低い力が利用され得る。しかしながら、低い押圧力は、同じ間隙を実現するためにより長い押圧時間を必要とし得る。さらに別の例として、10Nの固定された押圧力で、100秒の押圧持続時間は、約5ミクロンの間隙を提供し得る。
【0045】
本明細書では例証されないが、押圧力は、ロードセルまたは別の力測定方法によって測定され得ることが理解されよう。
【0046】
図3Cは、例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニット100を含むシナリオ330を例証する。シナリオ330に例証されるように、間隙128が所望の間隙310に実質的に等しくなるように調整されると、膨張可能なバルーン140は、部分的に収縮され得る。そのようなシナリオでは、間隙128は、押す力または引っ張る力がないために実質的に維持され得る。
【0047】
さらに、膨張可能なバルーン140は、基板120の第2の表面124から引き離されるとき、第2の表面の気泡は、フォトレジストおよび/または散乱する特徴に戻る潜在的なUV光反射源を回避して消散し得る。
【0048】
基板120がフォトマスク130に対して適切に位置付けられると、光源180は、フォトマスク130および基板120を照明光で照明するように制御され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、照明光の第1の部分334は、角度付けられた構造に対応する第1の開口部335を通過することによって、光学部品182に向かって方向付けられ得る。
【0050】
追加的または代替的に、照明光の第2の部分332は、フォトレジスト材料126の所望の垂直構造に対応する第2の開口部333を通過することによって、基板120に向かって方向付けられ得る。そのようなシナリオでは、照明光の第2の部分は、フォトレジスト材料126における所望の垂直構造を露光させるために、フォトレジスト材料126を実質的に法線の角度で照明する。
【0051】
図3Dは、例示的な実施形態による、
図1の接触露光ユニット100を使用する、押圧時間に対するフィルムの厚さのグラフ340を例証する。グラフ340は、所与の押圧力に対する時間の関数として2つの固体間の膜厚を予測するStefanの接着方程式に基づき得る。シナリオ300のグラフは、10Nの押圧力に対する、時間に対するフィルムの厚さを例証するが、Stefanの接着方程式は、本開示の文脈内で利用され得る一群の曲線を提供し得ることが理解されるであろう。例えば、所望の間隙および所与の押圧力に対して、Stefanの接着方程式は、基板とフォトマスクとの間の所望の間隙を達成するための押圧持続時間を提供し得る。即ち、本明細書に記載されるように、所望の間隙を達成するために、押圧持続時間の間、基板はフォトマスクに対して(水の層が2つの表面を分離して)押圧され得る。
【0052】
図4は、例示的な実施形態による、接触液浸リソグラフィ露光ユニット400を例証する。接触露光ユニット400の少なくともいくつかの要素は、接触露光ユニット100の要素と同様であり得る。例えば、接触露光ユニット400は、流体材料112を収容するように構成された容器110を含む。接触露光ユニット400は、容器110内に配置されたフォトマスク130を追加的に含む。
【0053】
また、接触露光ユニット400はまた、容器110内に配置された少なくとも1つのマスク洗浄装置410を含む。少なくとも1つのマスク洗浄装置410は、フォトマスク130の少なくとも1つの表面を洗浄するように構成される。いくつかの実施形態では、マスク洗浄装置410は、フォトマスク130上のパターン132を洗浄するように構成され得る。様々な例において、マスク洗浄装置410は、フォトマスク130の両側を洗浄するように構成され得る。さらに別の例では、基板120の片面または両面を洗浄するために、マスク洗浄装置410が利用され得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態は、容器110の内側に配置されたマスク洗浄装置410を含むが、マスク洗浄装置410は、容器110の外側に位置し得ることが理解されるであろう。例えば、マスク洗浄装置410は、各露光の間またはn回の露光後にマスクを洗浄するように構成されたロボットを表し得る。そのような場合、ロボット/マスク洗浄装置410は、容器110内に配置される必要はない。
【0054】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのマスク洗浄装置410は、少なくとも1つの流体ジェット412を含み得る。いくつかの実施形態では、流体ジェット412は、破片(例えば、粒子および/または塵)のフォトマスク130表面を洗浄するのに十分な流体掃引力を生成するように構成されたノズルを含み得る。いくつかの例では、流体ジェット412がフォトマスク130の表面を洗浄すると、システムは、フォトマスク130上の気泡の存在を最小限に抑えるために、減少した流体流量を含み得る「低速掃引」モードに移行し得る。
【0055】
追加的または代替的に、少なくとも1つのマスク洗浄装置410は、少なくとも1つのワイパ装置414を含み得る。
【0056】
いくつかの例では、接触露光ユニット400は、少なくとも1つのマスク洗浄装置の、洗浄される表面(例えば、フォトマスク130または基板120)に対する位置を制御可能に調整するように構成された1次元または2次元アクチュエータ416を含み得る。
【0057】
様々な実施形態において、接触露光ユニット400は、粒子または気泡検出装置418を含み得る。
【0058】
接触露光ユニット100と同様に、接触露光ユニット400は、少なくとも1つのプロセッサ152およびメモリ154を有するコントローラ150を含み得る。少なくとも1つのプロセッサ152は、特定の動作を行うために、メモリ154内に格納されたプログラム命令を実行する。一例として、動作は、粒子または気泡検出装置418から、フォトマスク130上に存在する粒子または気泡に関する情報を受信することを含み得る。そのようなシナリオでは、動作は、受信された情報に基づいて一次元または二次元アクチュエータ416を制御することを含み得る。
【0059】
図5Aは、例示的な実施形態による、
図4の接触露光ユニットの一部500を例証する。接触露光ユニット400の部分500は、容器110およびフォトマスク130を含む。
図5Aに例証されるように、接触露光ユニット400の部分500は、1次元または2次元アクチュエータ416に連結されたワイパ装置414を含み得る。そのようなシナリオでは、ワイパ装置414は、フォトマスク130の表面をきれいにするために、拭き取り経路514に沿って移動され得る。追加的または代替的に、ワイパ装置414は、回転式歯ブラシまたはペイントローラーと同様に、回転式ワイパとして作動するように構成することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、ワイパ装置414は、アクチュエータ(例えば、1次元または2次元アクチュエータ416)に接続され得るピンおよびバー配設516を含み得る。いくつかの実施形態では、ピンおよびバー配設516は、フォトマスク130に対してワイパ装置414を水平にし、かつ、また押圧力を制御するために構成された1つ以上のばねを含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、水などの流体は、流体入口515を介して提供され得る。いくつかの例では、流体は、流体入口515を介して、0~100ポンド/平方インチ(PSI)の間の圧力で提供され得る。そのようなシナリオでは、流体は、ワイパ装置414上のオープンセル発泡体材料を飽和させ得、これは、ほこりおよび他のタイプの破片を除去するのに有益であり得る。
【0062】
また、
図5Aは、複数の流体ジェット(例えば、流体ジェット412a、412b、および412c)を例証する。流体ジェット412a、412b、および412cは、1次元または2次元のアクチュエータ416または別のアクチュエータに連結され得る。したがって、流体ジェットの流れは、フォトマスク130から破片およびほこりを除去するように、フォトマスク130に対して(例えば、流体ジェット経路512に沿って)移動され得る。
【0063】
図5Bは、例示的な実施形態による、
図4の接触露光ユニット400の一部520を例証する。部分520は、ワイパ装置414の断面図を含む。
図5Bに例証されるように、ワイパ装置414は、少なくとも部分的に中空であり得るワイパ本体526を含み得る。流体入口515は、(例えば、流体ポンプから)水または別の流体を受容し得る。流体は、ワイパ本体526を通ってスポンジワイパ522を通るように強制され得る。スポンジワイパ522は、スポンジタイプの材料(例えば、ポリ酢酸ビニル(PVA)またはエチレン酢酸ビニル(EVA))を含み得る。しかしながら、他のタイプの材料(例えば、オープンセル発泡体)が可能であり、かつ企図される。
図5Bに例証されるように、スポンジワイパ522は、1つ以上のクリップ524を介してワイパ本体526に取り外し可能に固定され得る。
【0064】
ワイパ装置414は、1軸または多軸(X、Y、およびZ)アクチュエータおよび/または移動ステージに連結され得ることが理解されよう。そのようなシナリオでは、アクチュエータまたはステージは、フォトマスクに対してワイパ装置414を移動させるように構成され得る。
【0065】
III.例示的な方法
図6は、例示的な実施形態による方法600を例証する。方法600は、製造方法の1つのブロックを例証するが、より多くのブロックまたはステップが含まれ得ることが理解されるであろう。そのようなシナリオでは、様々なブロックまたはステップのうちの少なくともいくつかは、本明細書において提示される順序とは異なる順序で実行され得る。さらに、ブロックまたはステップは、追加、除外、入れ替え、および/または反復され得る。方法600のブロックまたはステップの一部または全部は、
図1および4を参照して例証および説明されるように、接触/液浸露光ユニット100または400によって実行され得る。
【0066】
ブロック602は、フォトマスク(例えば、フォトマスク130)と、基板(例えば、基板120)の第1の表面(例えば、第1の表面122)に沿って塗布されたフォトレジスト材料(例えば、フォトレジスト材料126)との間の間隙(例えば、間隙128)を制御するために、膨張可能なバルーン(例えば、膨張可能なバルーン140)を制御可能に膨張させることを含む。間隙は、流体材料(例えば、流体材料112)を含む。そのようなシナリオでは、膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることは、基板の第2の表面(例えば、第2の表面124)に所望の力を加えることを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、方法600は、複数の真空吸着カップ(例えば、真空吸着カップ304)を介して、膨張アセンブリ(例えば、膨張アセンブリ162)を基板の第2の表面に取り付けることを含み得る。そのようなシナリオでは、膨張アセンブリは、膨張可能なバルーンおよび制御弁(例えば、制御弁164)を含む。
【0068】
膨張アセンブリは、膨張装置(例えば、膨張装置160)を追加的に含み得る。そのようなシナリオでは、膨張装置は、制御弁を介して膨張可能なバルーンに連結され得る。
【0069】
様々な実施形態において、膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることは、膨張可能バルーンの膨張する流体(例えば、気体および/または液体)の圧力、膨張する流体の流量、または加えられる力の持続時間のうちの少なくとも1つを制御することを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、方法600は、Stefanの接着方程式に従って加えられた力の持続時間を判定することを追加的に含み得る。そのようなシナリオでは、膨張可能なバルーンを制御可能に膨張させることは、判定された加えられた力の持続時間中に膨張可能なバルーンを膨張させることを含み得る。
【0071】
図7は、例示的な実施形態による方法700を例証する。
図7は、例示的な実施形態による方法700を例証する。方法700は、1つ以上の例示的な実施形態による、製造方法の様々なブロックまたはステップを含む。様々なステップのうちの少なくともいくつかは、本明細書において提示される順序とは異なる順序で実行され得ることが理解されよう。さらに、ステップは、追加、除外、入れ替え、および/または反復され得る。
図1および4を参照して例証および説明されるように、ブロックまたはステップのいくつかまたはすべては、接触/液浸露光ユニット100または400によって実行され得る。
【0072】
ブロック702は、フォトマスク(例えば、フォトマスク130)の表面に対して、ワイパ装置(例えば、ワイパ装置414)または流体ジェット(例えば、412)のうちの少なくとも1つの位置を調整することを含む。
【0073】
ブロック704は、フォトマスクの表面を物理的に洗浄するために、流体(例えば、水)をワイパ装置または流体ジェットの少なくとも1つに流すことを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、方法700は、フォトマスクをワイパ装置で物理的および/または流体的に拭くことによってフォトマスクを洗浄するように、フォトマスクに対してワイパ装置を連続的に動かすことを含み得る。
【0075】
各図に示した特定の配設は、限定的なものと見なされるべきではない。他の実施形態が、所与の図に示される各要素をより多く、またはより少なく含み得ることを理解されたい。さらに、例証される要素のうちのいくつかは、組み合わされ、または省略され得る。またさらに、例証的な実施形態は、各図に例証されていない要素を含み得る。
【0076】
情報の処理を表すステップまたはブロックは、本明細書において説明される方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成することができる回路に対応することができる。代替的または追加的に、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連データを含む)の一部に対応することができる。プログラムコードは、特定の論理機能または論理動作を方法または技術において実装するための、プロセッサにより実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他のストレージ媒体を含むストレージ装置などの任意のタイプのコンピュータ可読媒体上に格納することができる。
【0077】
コンピュータ可読媒体はまた、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)などの、データを短い期間の間格納するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体はまた、プログラムコードおよび/またはデータを長期間にわたって格納する非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。このように、コンピュータ可読媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような二次的なまたは長期永続的なストレージを含むことができる。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性のストレージシステムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読ストレージ媒体、または有形のストレージ装置と見なすことができる。
【0078】
様々な例および実施形態が開示されてきたが、他の例および実施形態は、当業者であれば明かであろう。様々な開示された例および実施形態は、例証の目的のためであり、限定することを意図するものではなく、その真の範囲は、以下の特許請求の範囲により示される。
【国際調査報告】