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特表2023-507271制御された厚さを有する繊維補強セメントパネルを形成するための振動角度の付いたプレートおよび/または固定水平プレートを有する装置ならびにプロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】制御された厚さを有する繊維補強セメントパネルを形成するための振動角度の付いたプレートおよび/または固定水平プレートを有する装置ならびにプロセス
(51)【国際特許分類】
   B28B 1/52 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
B28B1/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534441
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 US2020066416
(87)【国際公開番号】W WO2021133730
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】62/952,660
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/116,416
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596172325
【氏名又は名称】ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グローザ、ピーター ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】ブラックバーン、デイヴィッド アール.
(72)【発明者】
【氏名】デュビー、アシシュ
(72)【発明者】
【氏名】スティヴェンダー、ユージーン スコット
(72)【発明者】
【氏名】バウアー、アンドリュー ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ライタニ、ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】マッカートニー、ニコラス
【テーマコード(参考)】
4G052
【Fターム(参考)】
4G052GA02
4G052GA11
4G052GB53
4G052GB74
4G052GC02
(57)【要約】
パネルを移送するための可動キャリアウェブ(14)、およびウェブ(14)上で形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルスラリーの厚さを制御するためのデバイス(93)を含む、生産ライン(10)およびプロセス。厚さ制御デバイス(93)は、角度の付いたプレート(95)の下流端部(202)を可動キャリアウェブ(14)上のスラリーと接触させるための角度の付いた剛性プレート(95)および角度の付いた剛性プレート(95)を装着するための装着スタンド(97)を含み得る。厚さ制御デバイス(93)は、水平プレート(201)の下面全体を可動キャリアウェブ(14)上で、スラリー上のフェーサ(444)と接触させるために、可動キャリア上で固定された高さで平坦な水平プレート(201)を含み得る。または、厚さ制御デバイス(93)は、角度の付いたプレート(93)を含み得、フェーサ(444)に接触する水平プレート(201)を含み得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維補強セメント系パネルの生産ラインであって、
可動キャリアウェブと、
前記可動キャリアウェブを支持するための支持フレームであって、前記パネルが、前記支持フレームに対して進行方向を有する前記可動キャリアウェブ上で移送される、支持フレームと、
前記可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための厚さ制御デバイスであって、前記厚さ制御デバイスが、
角度の付いた剛性プレートと、
前記可動キャリアウェブのための前記支持フレーム上に前記角度の付いた剛性プレートを装着するための装着フレームと、
前記角度の付いた剛性プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、前記繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で前記角度の付いた剛性プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
前記角度の付いた剛性プレートが、横方向上流後壁、前記横方向上流後壁の下端部から下流に延在する横方向下流底壁、開放側壁、および開放上部を有し、前記底壁下面が、平坦な水平プロファイルを有し、前記横方向上流後壁が、前記下流底壁と交わって、前記可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向に位置合わせされた屈曲遷移セクションを形成し、前記横方向上流後壁が、前記横方向下流底壁と交わって、60~120度の範囲内の角度(θ)を形成し、前記横方向上流後壁が、前記可動キャリアウェブから離れて上向きに前記屈曲遷移セクションから方向付けられ、前記横方向下流底壁が、前記可動キャリアウェブに向かって下向きに前記屈曲遷移セクションから方向付けられ、
前記角度の付いた剛性プレートの横方向上流後壁が、前記可動キャリアウェブの前記進行方向に対して横方向になるように、前記装着スタンドに装着される、厚さ制御デバイスと、
前記角度の付いた剛性プレートの横方向上流後壁に取り付けられた振動器と、を備え、
前記装着スタンドが、前記可動キャリアウェブ上で、前記横方向底壁の下流端部を0.1~2インチの高さに固定して位置付けるために、前記可動キャリアウェブ上で前記角度の付いたプレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ前記可動キャリアウェブに対する前記角度のついたプレートの装着部材角度「α」(アルファ)を5°~30°に固定的に、しかし調整可能に維持するためのものであり、
前記横方向底壁の前記下流端部が、前記スラリーおよび可動キャリアウェブの前記進行方向に対して横方向であり、
前記横方向底壁の前記下流端部が、前記可動ウェブにわたって横方向に延在し、
前記横方向底壁の前記下流端部が、前記可動キャリアウェブ上で搬送されるときに、前記繊維含有スラリーと接触することができる、繊維補強セメント系パネルの生産ライン。
【請求項2】
前記厚さ制御デバイスが、前記角度の付いた剛性プレートを備え、前記装着フレームが、前記可動キャリアウェブのための前記支持フレーム上に前記角度の付いた剛性プレートを装着するためのU形状装着スタンドを備え、前記装着スタンドが、対向する直立部材と、前記可動キャリアウェブに対して固定されているが調整可能な角度、および前記可動キャリアウェブ上方で固定されているが調整可能な高さで、それぞれの直立部材に装着された対向する端部を有する傾斜可能な横方向装着部材と、を有し、前記装着フレームがまた、前記横方向装着部材に取り付けられた上端部部分と、前記角度のついた剛性プレートの後壁に取り付けられた下端部部分と、を有する、コネクタプレートを有し、前記振動器(振動モータ)もまた、前記角度のついた剛性プレートの前記後壁に装着されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記U形状の装着フレームが、静止フレームの横材に固定して取り付けられた直立部材を有し、前記U形状の装着フレームがまた、前記直立部材に移動可能に取り付けられた前記傾斜可能な横方向装着部材を有し、前記傾斜可能な横方向装着部材が、角度調整のための穴を有するそれぞれの金属プレートに各々回転可能に装着された対向する端部を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記横方向装着部材の前記対向する端部の各々が、前記可動キャリアウェブに対して、前記角度の付いた剛性プレートの前記角度「α」(アルファ)を固定的に設定するために、角度調整のための前記傾斜可能な横方向装着部材の選択された穴と嵌合されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置を使用して作製された繊維補強セメント系パネル。
【請求項6】
繊維補強セメント系パネルの生産ラインであって、
可動キャリアウェブと、
前記可動キャリアウェブを支持するための支持フレームであって、前記パネルが、前記支持フレームに対して進行方向を有する前記可動キャリアウェブ上で移送される、支持フレームと、
前記可動キャリアウェブ上で繊維含有セメント系スラリー上に、ガラスマットなどのフェーサを適用するための手段であって、前記フェーサを適用するための前記手段が、前記可動キャリアウェブの形成面の幅にわたって設置される、手段と、
前記可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための水平厚さ制御デバイスであって、
前記水平厚さ制御デバイスが、
剛性水平上部形成プレートであって、前記剛性水平上部形成プレートが、平坦な底面、上流端部および下流端部を有する、剛性水平上部形成プレートと、
前記可動キャリアウェブのための前記支持フレーム上に水平配向で前記剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームであって、前記剛性水平上部形成プレートが、前記形成プレート装着フレームに装着されている、形成プレート装着フレームと、
前記剛性水平上部形成プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、前記繊維含有セメント系スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満の偏向で前記剛性水平上部形成プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
前記形成プレート装着フレームが、前記平坦な底面を0.1~2インチの高さに固定して位置付けるために、前記可動キャリアウェブ上で前記剛性水平上部形成プレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ前記可動キャリアウェブに対して平行に前記剛性水平上部形成プレートを維持するためのものである、水平厚さ制御デバイスと、を備え、
前記平坦な底面の前記上流端部が、前記可動ウェブの進行方向に対して、前記可動ウェブにわたって横方向に延在し、
前記平坦な底面の前記下流端部が、前記可動ウェブの進行方向に対して、前記可動ウェブにわたって横方向に延在し、
前記平坦な底面全体が、前記可動キャリアウェブ上で搬送されるときに、前記繊維含有スラリー上の前記フェーサに接触することができる、繊維補強セメント系パネルの生産ライン。
【請求項7】
請求項6に記載の生産ラインを使用して作製された繊維補強セメント系パネル。
【請求項8】
繊維補強セメント系パネルを作製するためのプロセスであって、
可動キャリアウェブ上でパネルのための繊維含有スラリーを移送することであって、前記可動キャリアウェブが、支持フレームによって支持され、前記パネルが、前記支持フレームに対して進行方向を有する前記可動キャリアウェブ上で移送される、移送することと、
前記可動キャリアウェブの形成面の幅にわたって、前記可動キャリアウェブ上の繊維含有セメント系スラリー上にフェーサを適用して、前記形成面を覆うことと、
前記可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための水平厚さ制御デバイスの下を、前記フェーサで覆われた形成面を通過させることであって、
前記厚さ制御デバイスが、
剛性水平上部形成プレートであって、前記剛性水平上部形成プレートが、平坦な底面、上流端部、および下流端部を有する、剛性水平上部形成プレートと、
前記可動キャリアウェブのための前記支持フレーム上に水平配向で前記剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームであって、前記剛性水平上部形成プレートが、前記形成プレート装着フレームに装着されている、形成プレート装着フレームと、
前記剛性水平上部形成プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、前記繊維含有セメント系スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満の偏向で前記剛性水平上部形成プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備える、通過させることと、
繊維含有セメント系スラリーを含む、前記フェーサで覆われた、形成されたが、まだ硬化していない繊維補強セメント系パネルを、前記剛性水平上部形成プレートの底面と接触させることによって、形成されたが、まだ硬化していない前記繊維補強セメント系パネルの厚さを制御することと、を含み、
前記装着フレームが、前記可動キャリアウェブ上で0.1~2インチの高さで、前記平坦な底面を固定的に位置付けるために、前記可動キャリアウェブ上に前記剛性水平上部形成プレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ前記プレートを前記可動キャリアウェブに対して平行に維持するためのものであり、
前記平坦な底面の前記上流端部が、前記可動ウェブの進行方向に対して、前記可動ウェブにわたって横方向に延在し、
前記平坦な底面の前記下流端部が、前記可動ウェブの進行方向に対して、前記可動ウェブにわたって横方向に延在する、プロセス。
【請求項9】
前記角度の付いたプレートが、前記形成されたパネルの幅全体にわたって配設され、前記振動する角度の付いたプレートは、前記プレートの機能的縁部が前記スラリーに0.05インチ以上の深さで、前記スラリーと接触したままであるように設置される、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
請求項8に記載のプロセスを使用して作製された繊維補強セメント系パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性スラリーを使用して構造用パネルを生産するための連続プロセスおよび関連する装置、より具体的には、繊維が曲げ強度を提供するために急硬スラリーと組み合わされる、繊維補強セメント系パネル(FRCパネル)の製造中、厚さの変化を低減させるために厚さを制御するための厚さ制御デバイスに関する。これらのFRCパネルはまた、本明細書では繊維補強コンクリートパネルまたは構造用セメントパネル(SCPパネル)とも称される。
【背景技術】
【0002】
繊維補強コンクリートパネル(FRCパネル)は、補強ガラス繊維およびセメント系スラリーの層を交互に重ねて置くことによって形成され得る。スラリーの薄層が、ラインに堆積する。次いで、ガラス繊維細断器が、スラリーの上部上に細断されたガラスの層を堆積させる。次いで、ダブルディスク埋め込みローラが、開示されるようにガラス繊維をスラリーに埋め込む。例えば、プロセスは、その後、製品が全平均厚さに達している、コンベヤベルト上に直列に位置する、4つのレイヤリングステーションを含み得る。次に、2つの振動するスクリードプレートが、パネルの上部をすくい取るが、層状の塊は、依然としていくらか流動性があり、上面に平滑化効果を提供する。例示的なプロセスは、Dubeyの米国特許第7,794,221号に開示されている。パネルが所望の厚さになるまで、このプロセスは、数回繰り返される。
【0003】
Dubeyらの米国特許第7,445,738号は、構造用セメント系パネルと呼ばれる、繊維補強コンクリートパネル(FRCパネル)を生産するための多層プロセスを開示し、(a.)移動するウェブを提供することと、(b.)(i)ウェブ上に個別の緩い繊維の第1の層を堆積させ、続いてウェブ上に硬化性スラリーの層を堆積させること、または(ii)ウェブ上に硬化性スラリーの層を堆積させること、のうちの1つと、(c.)スラリー上に個別の緩い繊維の第2の層を堆積させることと、(d.)スラリーに該個別の緩い繊維の第2の層を能動的に埋め込んで、スラリー全体に該繊維を分布させることと、(e.)硬化性繊維補強スラリーの所望の数の層が取得され、繊維がパネル全体にわたって分布されるまで、工程(ii)から(d.)を繰り返すことと、を含む。
【0004】
Dubeyらの米国特許第8,038,790号は、硫酸カルシウムアルファ半水化物、水硬性セメント、被覆膨張パーライト粒子充填剤、任意選択的な追加の充填剤、活性ポゾラン、および石灰の水性混合物を硬化することから生じる、連続相の1つ以上の層を用いる、構造用セメントパネルを開示する。この被覆パーライトは、1~500ミクロンの粒径、20~150ミクロンの中位径、および0.50g/cc未満の有効粒子密度(比重)を有する。このパネルは、繊維、例えば耐アルカリ性ガラス繊維によって強化される。
【0005】
DubeyらのUS2018/0036912は、高い補強繊維濃度を有するセメント系パネルのためのスラリーを生産するための単層プロセスを開示する。これらの繊維補強セメント系パネルは、パネル生産ライン上で、不織布繊維マットなどの表面補強ウェブ内に包まれた縁部を有して作製され、不織布繊維マットは、ポリプロピレンマットまたはガラス繊維マットであり得る。本プロセスは、第1の不織布繊維マットを、移動する継ぎ目のないベルトの表面上に、および第2の不織布繊維マットを硬化繊維スラリー混合物の上に適用する。
【0006】
高い補強繊維濃度を有するセメント系パネルのためのスラリーを生産するための単層プロセスの他の態様は、以下に開示される。
【0007】
Dubeyらの米国公開特許出願第2018/0036912A1号、表題「METHODS OF MAKING FIBER REINFORCED CONCRETE PANELS USING A CONTINUOUS PROCESS」、
Dubeyらの米国特許第10,272,399号、表題「A METHOD FOR PRODUCING FIBER REINFORCED CEMENTITIOUS SLURRY USING A MULTI-STAGE CONTINUOUS MIXER」(またUS2018/0036693 A1として公開)、
Dubeyらの米国公開特許出願第2018/0036911A1号、表題「CONTINUOUS MIXER AND METHOD OF MIXING REINFORCED FIBERS WITH CEMENTITIOUS MATERIALS」、
Dubeyらの米国公開特許出願第2018/0036909A1号、表題「HEADBOX AND FORMING STATION FOR FIBER REINFORCED CEMENTITIOUS PANEL PRODUCTION」。
【0008】
これらの構造用FRCパネルの製造プロセスは、形成ライン、および仕上げラインの2つの別個の生産ラインを含む。形成ライン上でのパネル形成中、パネル厚は、完成品よりも厚い。この余分な材料は、厚さの変動を含む、パネル全体が、完成したパネル上にかすれがないことを確実とするために、所望の最小の厚さを満たすように提供される。しかしながら、パネルがフィニッシュラインを通過するときに余分な材料が除去されて、パネル全体が厚さの変動のない所望の最小厚さになる。それゆえ、典型的には、繊維補強構造用セメントパネル(また繊維補強コンクリートパネルとしても知られる)の最終的な厚さおよび表面は、別個の研磨および仕上げプロセスの結果である。この実践は、いくつかの欠点を有する。形成プロセスによって課せられる制約に起因して、製品は、所望の製品厚さよりも厚い。正しいパネル厚を実現するには、パネルの仕上げライン上に研磨を追加する必要がある。形成された製品は、所望の最終製品寸法よりも大きい寸法(長さおよび幅)を有する。これは、パネルを最終寸法に切断するために、パネル仕上げライン上に追加の処理工程を必要とする。パネルの生産効率は、仕上げのための追加の時間および工程に起因して、低減する。
【0009】
プロセスにおける後の工程でパネルを所望の厚さまで研削し、研削された材料が無駄になるため、パネルをより薄く形成することが望ましい。しかしながら、より薄い平均に形成しようとすると、所望の厚さよりも薄い局所領域が存在することになり、これは販売することができない全パネルをもたらし、したがって現在、非常に厚く形成し、次いで所望の厚さに研削することがより経済的となっている。
【0010】
SuzukiらのUS6,702,966は、スラリーA’の表面を平滑化するための平滑な形成圧力プレート2b上に振動レベラ2aを有する厚さ制御装置4を開示する。平滑な形成圧力プレート2bは、傾斜可能であり、下向きに傾斜し、5~10度、好ましくは、7度の入射角を有するように設定される。2度未満の角度では、気泡の形成を引き起こす(列4、ll.36~58を参照)。
【0011】
ジョーンズのUS8,163,352(US2009/0043780)は、次のそれぞれの繊維上層を堆積させる前に、堆積されたスラリー層の上面を穏やかに平滑化するための、振動エッジャーバーとも呼ばれる、平滑化デバイスを有する生産ラインを開示する。
【0012】
StivenderのUS8,038,915(2010/0132870)は、形成された繊維パネルスラリーの進行方向を横切って配設された可撓性の湾曲した平滑化シートまたはシュラウドを開示し、可撓性シートは、パネルの高繊維補強表面層の表面を裂くこと、または別様に損傷を与えることなく、形成されたパネルの表面上に浮くように設計される。(要約を参照されたい)。
【0013】
しかしながら、繊維補強セメント系パネルの生産において、追加的な厚さ制御の必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、繊維補強セメント系パネルの形成中の厚さの変動を低減させるための厚さ制御デバイスおよび方法を提供する。研削、研磨、および/または縁部仕上げを最小限に抑えること、または排除することにより、原材料ならびに人件費および保守などの他の運用コストの大幅なコスト削減になるはずである。具体的なコスト削減項目には、低減された原材料使用量、少ない廃棄物処理、少ない摩耗および引き裂き、ならびに仕上げライン上の改善された生産速度が挙げられる。パネル硬化プロセス中の歪みの量における低減など、他の利点も存在し得、これにより廃棄物コストがさらに低減される。
【0015】
本発明は、ヘッドボックスを出るとき、および/もしくはスラリー形成ステーションの埋め込みデバイスを出るとき、ならびに/またはヘッドボックスおよび/もしくは埋め込みデバイスのさらに下流で、形成された繊維補強セメント系パネルの上面全体に均一な圧力を適用するための、調整可能であるが固定された位置を有する厚さ制御デバイスを特徴とする。厚さ制御デバイスは、FRCパネルに損傷を与えることなく、FRCパネルの表面を水平にし、かつ平滑化し、ならびにパネル厚を制御する。本開示で使用される際、および文脈に応じて、当業者は、「パネル」という用語が、まだ形成されていないか、または別個のパネルに切断されていないセメント系生産物である、パネル前駆体を含み得ることを理解するであろう。
【0016】
本発明は、繊維補強セメント系パネル(FRC)生産ラインを提供し、この繊維補強セメント系パネル(FRC)生産ラインは、
可動キャリアウェブと、
可動キャリアウェブを支持するための支持フレームであって、パネルが、支持フレームに対して進行方向を有する可動キャリアウェブ上で移送される、支持フレームと、
形成されたが、まだ硬化されていないか、または切断されていない繊維補強セメント系構造用パネルの厚さを制御するための厚さ制御デバイスであって、可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含み、
厚さ制御デバイスが、
角度の付いた剛性プレートと、
可動キャリアウェブ用支持フレーム上に角度の付いた剛性プレートを装着するための装着フレームと、
角度の付いた剛性プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で角度の付いた剛性プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
角度の付いた剛性プレートが、横方向上流後壁、横方向上流後壁の下端部から下流に延在する横方向下流底壁、開放側壁、および開放上部を有し、底壁下面が、平坦な水平プロファイルを有し、横方向上流後壁が、下流底壁と交わって、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向に位置合わせされた屈曲遷移セクションを形成し、横方向上流後壁が、横方向下流底壁と交わって、60~120度、好ましくは、70°~110°、最も好ましくは、80°~100°の範囲の角度を形成し、横方向上流後壁が、可動キャリアウェブから離れて上向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、横方向下流底壁が、可動キャリアウェブに向かって下向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、
角度の付いた剛性プレートの横方向上流後壁が、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向になるように装着スタンドに装着される、厚さ制御デバイスと、
角度の付いた剛性プレートの横方向上流後壁に取り付けられた振動器と、を備え、
装着スタンドが、可動キャリアウェブ上で、横方向底壁の下流端部を0.1~2インチ、好ましくは、0.2~1.1インチの高さに固定して位置付けるために、可動キャリアウェブ上で角度の付いたプレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ可動キャリアウェブに対する角度のついたプレートの角度を5°~30°、典型的には角度は10°~25°の範囲内にあり、固定的に、しかし調整可能に維持するためのものであり、
横方向底壁の下流端部が、スラリーおよび可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向であり、
横方向底壁の下流端部が、移動するウェブを横切って横方向に延在し、
横方向底壁の下流端部が、可動キャリアウェブ上で搬送されるときに、繊維含有セメント系スラリーと接触することができる。
【0017】
角度の付いた剛性プレートの下の平坦な剛性支持床は、キャリアウェブの下または上にあってもよい。キャリアウェブは、典型的には、継ぎ目のないベルトである。0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向は、水平可動キャリアウェブに対して垂直方向の偏向である。
【0018】
それゆえ、横方向底壁の下流端部は、移動するウェブ上のスラリーのための経路を横切って横方向に延在する。また、可動キャリアウェブに対する角度の付いたプレートの角度は、横方向底壁の下流端部を横方向底壁の上流端部よりも低く設置する。
【0019】
装着スタンドは、典型的には、キャリアウェブがヘッドボックスおよび/またはスラリー形成ステーションの埋め込みデバイスを出た後の位置で、進行するキャリアウェブのための支持体上またはその周囲に角度の付いた剛性プレートを装着する。角度の付いた剛性プレートの後壁(垂直脚部)および底壁(水平脚部)は、例えば、比較的短く、形成された繊維補強セメント系スラリーパネルと同じくらいの幅の軽量金属で作製される。角度の付いた剛性プレートの水平脚部は、概して、キャリアウェブ上のパネルの進行方向に対して横方向に配設される。振動器は、角度の付いた剛性プレートに振動を与えるために、後壁の上面上に装着されており、これが使用中に角度の付いた剛性プレートの表面を振動させる。
【0020】
角度の付いたプレートに関して、「剛性」という用語は、本発明によるスラリーと接触するときに屈曲または曲げに抵抗するのに十分な強度を有することを意味する。
【0021】
角度の付いた剛性プレートの横方向底壁(また水平脚部としても知られる)は、移動するウェブに対して、および下を移動するスラリーに対して、例えば、5°~30°、典型的には角度は10°~25°の範囲内にある、固定された小さい入口角度で硬化される。それゆえ、角度の付いた剛性プレートの下流端部部分の表面のみが、パネルを形成するためにスラリーの上面に接触する。これにより、角度の付いた剛性プレートがスラリー表面を水平にし、および平滑化するため、繊維含有スラリーとの安定し、制御された接触が可能になる。角度の付いた剛性プレートの高さ、および角度調整、および支持システムは、角度の付いた剛性プレートの高さおよび角度の付いた剛性プレートと繊維含有スラリーとの接触角度が固定されるが、この接触中に調整可能であるように構成される。
【0022】
角度の付いたプレートの形状は、L形状であってもよいが、完全なL形状である必要はなく、すなわち、横方向上流後壁と横方向下流底壁との間の角度「θ」は、必ずしも90°である必要はない可能性がある。後壁と底壁との間の角度は、固定されるが、鈍角から鋭角まで様々であり得る。例えば、2つの壁の間の角度は、60°~120°、好ましくは、70°~110°、および最も好ましくは、80°~100°の範囲であり得る。さらに、後壁と底壁との間の遷移幾何学形状は、鋭くなるか、または湾曲する可能性がある。横方向上流後壁および横方向下流底壁は、角度「θ」を形成する単一の部品、または、例えば角度「θ」を形成する溶接によって固定的に取り付けられた2つの部品であり得る。
【0023】
本発明はまた、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための連続プロセスを提供し、上で説明された繊維補強セメント系パネル生産ラインにおいて、
可動キャリアウェブを支持するための支持フレームに対して、進行方向を有する可動キャリアウェブ上でパネルを移送させる工程と、
スラリーおよび埋め込まれた細断繊維を含む、形成されたが、まだ硬化していない、繊維補強セメント系パネルを、厚さ制御デバイスの下流端部と接触させる工程と、を含み、
厚さ制御デバイスが、
角度の付いた剛性プレートと、
可動キャリアウェブのための支持フレーム上に角度の付いた剛性プレートを装着するための装着フレームと、
角度の付いた剛性プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で角度の付いた剛性プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
角度の付いた剛性プレートが、横方向上流後壁、横方向上流後壁の下端部から下流に延在する横方向下流底壁、開放側壁、および開放上部を有し、底壁下面が、平坦な水平プロファイルを有し、横方向上流後壁が、下流底壁と交わって、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向に位置合わせされた屈曲遷移セクションを形成し、横方向上流後壁が、横方向下流底壁と交わって、60~120度、好ましくは、70°~110°、最も好ましくは、80°~100°の範囲の角度を形成し、横方向上流後壁が、可動キャリアウェブから離れて上向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、横方向下流底壁が、可動キャリアウェブに向かって下向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、
角度の付いたプレートの横方向の上流後壁が、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向になるように装着スタンドに装着され、
振動器が、角度の付いたプレートの横方向上流後壁に取り付けられ、
装着スタンドが、可動キャリアウェブ上で、底壁の下流端部を0.1~2インチ、好ましくは、0.2~1.1インチの高さに固定して位置付けるために、可動キャリアウェブに対して角度の付いたプレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ可動キャリアウェブに対する角度のついたプレートの角度を30°未満、典型的には角度は5°~30°、好ましくは、10°~25°の範囲内にあり、固定的に、しかし調整可能に維持し、底壁の下流端部は、可動キャリアウェブ上で搬送される繊維含有スラリーと接触して、繊維含有スラリーの厚さを制御する。
【0024】
角度の付いた剛性プレートの下の平坦な剛性支持床は、キャリアウェブの下または上にあってもよい。キャリアウェブは、典型的には、継ぎ目のないベルトである。
【0025】
非常に意外なことに、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外縁が、形成されるパネルの上面の下に位置するとき、パネル幅にわたってより均一なパネル表面プロファイルが取得されることが見出されている。したがって、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外縁は、形成されるパネルの上面から約0.01インチ~0.25インチ下に位置する。
【0026】
典型的には、角度の付いた剛性プレートおよび装着フレームを含む、厚さ制御デバイスは、繊維補強セメント系パネル(FRCパネル)を生産するための多層プロセスまたは単層プロセスにおいて、用いられ得る。
【0027】
多層プロセスの第1のバージョンでは、プロセスは、移動するウェブ上に緩く分布した細断繊維またはセメント系スラリーの層の初期の堆積を行い、次いで、スラリー層上に繊維を堆積させる。埋め込みデバイスは、新しく堆積された繊維をスラリーに完全に混合し、その結果、繊維は、スラリー全体に分布されて、繊維含有セメント系スラリーを形成し、その後、スラリーの追加の層、次いで細断繊維が追加され、追加の埋め込みデバイスによるさらなる埋め込みが続く。このプロセスは、所望の際、パネルの各層に対して繰り返される。厚さ制御デバイスは、1つ以上の埋め込みデバイスの下流で用いられて、繊維含有セメント系スラリーの層に接触して、層の厚さを水平にし、および制御する。下流は、硬化したスラリーをFRCパネルに切断するための装置である。
【0028】
多層プロセスの第2のバージョンでは、プロセスの第1のバージョンは、埋め込みデバイスの後に既存の繊維含有セメント系スラリー上に緩い繊維の追加の層を堆積させ、続いてスラリーの層、次いで別の繊維の層を堆積させることによって修正される。次に、繊維/スラリー/繊維の組み合わせが、スラリー中の繊維の完全な混合のための埋め込みに供される。厚さ制御デバイスは、緩い繊維の追加の層が既存の繊維含有セメント系スラリー上に堆積される前に、1つ以上の埋め込みデバイスの下流で用いられる。それゆえ、厚さ制御デバイスは、既存の繊維含有セメント系スラリーの層と接触して、層の厚さを水平にし、および制御する。
【0029】
繊維補強コンクリート(FRC)パネルを作製するための単層プロセスでは、繊維含有スラリーは、パネル生産ラインのヘッドボックス(スラリー供給ステーション)の上流で混合される。次いで、この繊維含有セメント系スラリーは、スラリー供給装置(「ヘッドボックス」として知られる)に供給され、ヘッドボックスによって、可動キャリアウェブパネル生産ライン上に、厚さ0.125~2インチ、好ましくは、厚さ0.25~1インチ、典型的には厚さ0.40~0.75インチの層として均一に直接堆積されて、繊維補強セメントパネルを生産する。最大で繊維補強セメント系スラリーの単層を有するパネルを生産する、本発明の繊維スラリー混合物からセメント系パネルを生産するためのプロセスでは、好ましくは、移動表面が、毎分1~100フィート、より好ましくは、毎分5~50フィートの速度で移動する。当業者が理解するように、毎分100フィートを上回る他の速度もまた想定される。下流は、硬化したスラリーをFRCパネルに切断するための装置である。
【0030】
それゆえ、本発明の厚さ制御デバイスは、移動するウェブを支持するコンベア型フレームと、フレームと動作的に関係し、水、セメント系材料、および繊維を混合するための混合器システムを含む、最大で単層の繊維補強セメント系組成物を有するセメント系パネルを生産するための装置の一部として、ヘッドボックスの下流に用いられ、フレームと動作的に関係し、結果として得られた繊維スラリー混合物をヘッドボックスへ供給するために構成され、硬化性繊維含有セメント系スラリーを移動するウェブ上に堆積させるために構成され得る。
【0031】
特に、角度の付いた剛性プレートを備える、本発明の厚さ制御デバイスは、ヘッドボックスから補強繊維を含有するセメント系スラリーの均一な層を、進行するウェブ上に堆積させるための連続プロセスにおいて、ヘッドボックスの下流、好ましくは、ヘッドボックスのすぐ下流に適用することができ、
堅く装着されたヘッドボックスの内面上に補強繊維を含有するセメント系スラリーを堆積させることと、
補強繊維を含有するセメント系スラリーを、ヘッドボックスから連続層として進行するウェブ上に堆積させることであって、
ヘッドボックスから堆積した補強繊維を含有するセメント系スラリーは、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用するスランプ試験に従って測定した際、4~11インチのスランプを有し、結果として得られる補強繊維を含有するセメント系スラリーはまた、ブルックフィールド粘度計、20RPMの速度で動作するSpindle HA4アタッチメントを備えるModel DV-II+Proを使用して測定したときに、45000センチポアズ未満、好ましくは、30000センチポアズ未満、より好ましくは、15000センチポアズ未満、最も好ましくは、10000センチポアズ未満の粘度を有し、典型的には、結果として得られる繊維スラリー混合物は、少なくとも1500センチポアズの粘度を有する、堆積させることと、
補強繊維を含有するセメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化していない繊維補強セメント系パネルを、厚さ制御デバイスの下流端部と接触させることと、を含み、
厚さ制御デバイスが、
角度の付いた剛性プレートと、
可動キャリアウェブ用支持フレーム上に角度の付いた剛性プレートを装着するための装着フレームと、
角度の付いた剛性プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で角度の付いた剛性プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
角度の付いた剛性プレートが、横方向上流後壁、横方向上流後壁の下端部から下流に延在する横方向下流底壁、開放側壁、および開放上部を有し、底壁下面が、平坦な水平プロファイルを有し、横方向上流後壁が、下流底壁と交わって、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向に位置合わせされた屈曲遷移セクションを形成し、横方向上流後壁が、横方向下流底壁と交わって、60~120度、好ましくは、70°~110°、最も好ましくは、80°~100°の範囲の角度を形成し、横方向上流後壁が、可動キャリアウェブから離れて上向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、横方向下流底壁が、可動キャリアウェブに向かって下向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、
角度の付いたプレートの横方向上流後壁が、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向になるように装着スタンドに装着され、
振動器が、角度の付いたプレートの横方向上流後壁に取り付けられ、
装着スタンドが、可動キャリアウェブ上で、底壁の下流端部を0.1~2インチの高さに固定して位置付けるために、可動キャリアウェブに対して角度の付いたプレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ可動キャリアウェブに対する角度のついたプレートの角度を30°未満、典型的には角度は5°~30°、好ましくは、10°~25°の範囲内にあり、固定的に、しかし調整可能に維持し、底壁の下流端部は、可動キャリアウェブ上で搬送される繊維含有スラリーと接触して、繊維含有スラリーの厚さを制御する。
【0032】
本発明の別の態様では、本発明は、パネルを損傷することなくパネルの表面を水平にし、および平滑化し、ならびにパネル厚を制御するために、スラリー形成ステーションのヘッドボックスおよび/もしくは埋め込みデバイスを出る際、ならびに/またはヘッドボックスおよび/もしくは埋め込みデバイスのさらに下流で、形成された繊維補強セメント系パネルの上面全体に均一な圧力を適用するための、調整可能であるが固定された高さを有する水平に配向された上部形成プレートを備える、水平厚さ制御デバイスを備えるFRCパネル生産ラインを提供し得る。
【0033】
より具体的には、本発明は、形成面(ベルト/プレート)および剛性の水平上部形成プレートの幅にわたって設置されたガラスマットなどのフェーサを使用して、繊維補強セメント系パネルの形成中の厚さの変動を低減するFRCパネル生産ラインおよびFRCパネル生産のための方法を提供する。新規の発明では、ガラスマットなどのフェーサが、形成プロセス中に構造用パネルの片面または両面に適用される。次いで、水平に配向された、剛性の水平上部形成プレートは、FRCパネルのガラス繊維/セメント系材料のスラリーを所望の厚さに形成するために使用される。剛性水平上部形成プレート全体の位置は、剛性水平上部形成プレートの下面と、下の可動キャリアウェブとの間に固定の間隙を提供するために固定される。それゆえ、それは「浮遊プレート」ではない。その水平配向に起因して、上で説明した角度の付いた剛性プレート内のように下流端部だけでなく、剛性水平上部形成プレートの下面全体が、形成プレートの下を通過する繊維含有スラリーと接触する。このプロセスは、厚さの変動が少ない(例えば、+/0.1インチ、好ましくは、+/-0.05インチ)パネルを生産し、次いで、パネルが、例えば、0.72インチを下回る局所的なかすれのない、0.80インチの目標平均厚さに対して、低減された平均厚さで形成されることを可能にする。それゆえ、同じ完成品を作製しながら、より少ない原材料の使用が可能である。廃棄物処理コストの低減、ならびに機器の摩耗の低減、製造速度の増加などの項目から追加の削減が可能である。前述のように、本発明では、1つまたは2つのフェーサが使用され得る。さらに、1つまたは2つのフェーサは、一時的であり得、その結果、フェーサは、仕上げ動作の前もしくは最中に除去されるか、またはフェーサが、完成品上に残る可能性もある。
【0034】
上部形成プレートが、堅くかつ平坦であり、水平形成プレートの下を通過するフェーサおよび繊維含有セメント系スラリーが、下のキャリア上に圧力を及ぼすため、水平形成プレートの下のキャリアは、剛性キャリアウェブまたは剛性の平坦な底部形成プレートである必要がある。繊維含有セメント系スラリーが、可動キャリアウェブの下の薄い支持フレームに対して押圧する場合、厚さの結果は、悪くなるであろう。
【0035】
それゆえ、本発明は、繊維補強セメント系パネル生産ラインを提供し、この繊維補強セメント系パネル生産ラインは、
可動キャリアウェブと、
可動キャリアウェブを支持するための支持フレームであって、パネルが、支持フレームに対して進行方向を有する可動キャリアウェブ上で移送される、支持フレームと、
可動キャリアウェブ上で、繊維含有セメント系スラリー上に、ガラスマットなどのフェーサを適用するための手段であって、フェーサを適用するための手段は、可動キャリアウェブの形成面の幅にわたって設置される、手段と、
可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための水平厚さ制御デバイスであって、
厚さ制御デバイスが、
剛性水平上部形成プレートであって、剛性水平上部形成プレートが、平坦な底面、上流端部、および下流端部を有する、剛性水平上部形成プレートと、
可動キャリアウェブのための支持フレーム上に水平配向で剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームであって、剛性水平上部形成プレートが、形成プレート装着フレームに装着される、形成プレート装着フレームと、
剛性水平上部形成プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有セメント系スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で剛性水平上部形成プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備える、水平厚さ制御デバイスと、を備え、
形成プレート装着フレームが、可動キャリアウェブ上で0.1~2インチ、好ましくは、0.2~1.1インチの高さで、平坦な底面を固定的に位置付けるために、可動キャリアウェブ上に剛性水平上部形成プレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ剛性水平上部形成プレートを可動キャリアウェブに対して平行に維持するためのものであり、
平坦な底面の上流端部は、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面の下流端部は、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面全体は、可動キャリアウェブ上で搬送されるときに、繊維含有スラリー上のフェーサに接触することができる。
【0036】
剛性水平上部形成プレートの下の平坦な剛性支持床は、キャリアウェブの下または上にあってもよい。キャリアウェブは、典型的には、継ぎ目のないベルトである。
【0037】
本発明はまた、繊維補強セメント系パネルを作製するためのプロセスを提供し、
可動キャリアウェブ上で、パネルのための繊維含有スラリーを移送することであって、可動キャリアウェブは、支持フレームによって支持され、パネルは、支持フレームに対して進行方向を有する可動キャリアウェブ上で移送される、移送することと、
可動キャリアウェブの形成面の幅全体にわたって、可動キャリアウェブ上で、繊維含有セメント系スラリー上にガラスマットなどのフェーサを適用して、形成面を覆うことと、
可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための水平厚さ制御デバイスの下を、フェーサで覆われた形成面を通過させることであって、
厚さ制御デバイスが、
剛性水平上部形成プレート(例えば、水平形成プレート446)であって、剛性水平上部形成プレートが、平坦な底面、上流端部および下流端部を有する、剛性水平上部形成プレートと、
可動キャリアウェブのための支持フレーム上に水平配向で剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームであって、剛性水平上部形成プレートが、形成プレート装着フレームに装着される、形成プレート装着フレームと、
剛性水平上部形成プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有セメント系スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で剛性水平上部形成プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備える、通過させることと、
繊維含有セメント系スラリーを含む、フェーサで覆われた、形成されたが、まだ硬化していない繊維補強セメント系パネルを、剛性水平上部形成プレートの底面と接触させることによって、形成されたが、まだ硬化していない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御することと、を含み、
装着フレームは、可動キャリアウェブ上で0.1~2インチの高さで、平坦な底面を固定的に位置付けるために、可動キャリアウェブ上に剛性水平上部形成プレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ剛性水平上部形成プレートを可動キャリアウェブに対して平行に維持するためのものであり、
平坦な底面の上流端部は、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面の下流端部は、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面全体は、可動キャリアウェブ上で搬送されるとき、繊維含有スラリー上のフェーサに接触する。
【0038】
剛性水平上部形成プレートの下の平坦な剛性支持床は、キャリアウェブの下または上にあってもよい。キャリアウェブは、典型的には、継ぎ目のないベルトである。
【0039】
所望される場合、本発明は、上で説明された角度の付いたプレート、形成上面および水平形成プレートの幅にわたって設置されたガラスマットなどのフェーサの使用で、繊維補強セメント系パネルの形成中の厚さの変動を低減するFRCパネル生産ラインおよびFRCパネル生産のための方法を提供する。かかるFRCパネル生産ラインおよび方法は、繊維含有スラリーを上で説明された角度の付いたプレートと接触させ、次いで、形成プロセス中にガラスマットなどのフェーサをFRCパネルの上面に適用し、次いで剛性水平上部形成プレートの下にフェーサで覆われた繊維含有スラリーを走らせる。任意選択的に、生産ラインおよび方法はまた、形成プロセス中にヘッドボックスの上流の構造用パネルの下面に、ガラスマットなどのフェーサを適用してもよい。
【0040】
本発明はまた、この生産ラインを使用するためのプロセスを提供する。
【0041】
本発明はまた、パネルがパネルの一方または両方の平坦な表面上に布帛フェーサを有する実施形態を提供する。フェーサは、パネルに著しく平坦な表面プロファイルおよび均一な厚さを提供する。また、意外なことに、布帛フェーサが最終的な複合体の外部耐候性を向上させることが見出されている。布帛フェーサを有するFRCパネルの特徴的な機能には、とりわけ、
-優れた外部耐候性耐久性能
-美観および無塵表面の改善
-パネル表面上の印刷の読みやすさ/可視性の改善
-様々なアプリケーションおよび使用に対して2つの別個の使用可能な表面を提供する能力-一方のフェーサを有する表面、他方のフェーサのない表面、が挙げられ得る。例えば、フェーサのない表面は、様々なタイプの屋根用膜および発泡プラスチックの固着に最も好適である。フェーサのない表面はまた、内壁および天井用途など、単純なプレーンコンクリートの外観を有することが望ましい用途にも好適である。一方で、フェーサを有する表面は、セメント系ベースコートおよび他のコーティング材料に対して優れた固着が必要とされる用途に特に好適である。内壁および外壁、ならびに下張り床は、フェーサを有する少なくとも1つのパネル表面を有することが望ましい場合がある、一部の用途である。
-衝撃荷重による表面耐久性の改善
-優れた固着性表面
-異なる色および/またはパターンを有する布帛を利用することで製品を差別化する能力
-防水コーティング、空気および水バリアコーティング、建築用コーティングなどの付加価値機能性コーティングの適用に対する柔軟性の向上など。
【0042】
特に明記しない限り、この明細書におけるすべてのパーセンテージは、もしあれば、重量パーセントである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】角度の付いたプレートを有する多層FRCパネルを生産するための本発明のFRCパネル生産ラインの立面図である。
図1A図1のFRCパネル生産ラインのヘッドボックスに供給する混合器の概略図である。
図2】ウェブ上のスラリーと接触して使用される際の厚さ制御デバイスを示す。
図3】スラリーパネルを搬送するウェブの進行方向上の動作位置における厚さ制御デバイスの斜視図を示す。
図4】生産ライン上のスラリーに浸漬された角度の付いたプレートの下流端部を有する、角度の付いたプレートを示す。
図4A】生産ライン上のスラリーに浸漬された角度の付いたプレートの下流端部を有する、湾曲した角部を有する角度の付いたプレートを示す。
図5】ウェブライン上の上向きの位置における厚さ制御デバイスの別の斜視図を示す。
図6】本手順に従って生産された構造用セメント系パネルの断片的な垂直断面である。
図7】角度の付いたプレートを有する多層FRCパネルを生産するための本発明のFRCパネル生産ラインプレートの第2のバージョンの立面図である。
図8】本発明の角度の付いたプレートを有する単層FRCパネルを生産するためのFRCパネル生産ラインの第3のバージョンの立面図である。
図9】本発明のFRCパネル生産ラインの第4のバージョンの立面図であり、角度の付いたプレートがフェーサを適用し、固定形成プレートを用いるように修正された状態の図1の生産ラインである。
図9A】フェーサを適用し、固定形成プレートを用いるための図9のFRCパネル生産ラインの一部分の第1の拡大斜視図を示す。
図9B】フェーサを適用し、固定形成プレートを用いるための図9のFRCパネル生産ラインの一部分の第2の拡大斜視図を示す。
図9C図9のFRCパネル生産ラインの固定形成プレートのために、可動キャリアウェブ用支持フレーム上に水平配向で剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームを示す。
図9D】水平形成プレートの勾配付きの上流端部を示す。
図10】フェーサを適用し、固定形成プレートを用いるように修正された、本発明の角度の付いたプレートを有するFRCパネル生産ラインの第5のバージョンの立面図である。
図10A】フェーサを適用し、固定形成プレートを用い、FRCパネルを包むために上部フェーサの縁部の下で下部フェーサの縁部を折り曲げるように修正された、本発明の角度の付いたプレートを有するFRCパネル生産ラインの第6のバージョンの立面図である。
図10B図10Aの生産ラインによって作製されたFRCパネルの斜視図を示す。
図10C】繊維の1つの紡糸結合層および繊維の比較的不浸透性のメルトブロー層の積層複合構造を有する、ポリマー繊維のマットの側面断面図を示す。
図10D】フェーサによって覆われるパネルの縁部を示し、後フェーサおよび前フェーサの重なりを示す、フェーサ材料マット内に完全に包まれるFRCパネルの実施形態の上面斜視図を図示する。
図10E】スラリー漏れを防止するためにラインの両側、および形成プレートの前に側面ワイパが設置された状態の代表的な生産ラインの一部分の側面図を示す。ワイパの側面に取り付けられた任意選択的な振動器もまた示される。スラリーヘッドをアクティブに保ち、流体を維持するために、形成プレートのすぐ後ろの形成ラインの床プレートの下に設置された任意選択の振動器も、同様に示される。
図11】硬化時に4つに切断された一例の形成された試料パネルを概略的に示す。
図11A】本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスがある場合とない場合の機械直交方向で測定された試料において、異なる実験条件での形成パネルのインチ単位の標準偏差ならびにインチ単位の最大厚さおよび最小厚さの差を示す。対照#1および対照#2は、本明細書の一例について、本発明にはない実験条件である。
図11B】硬化時に8つに切断された一例の形成された試料パネルを概略的に示す。
図12】本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスを使用せずに、機械直交方向において形成されたセメント系パネルのインチ単位の断面厚さプロファイルを示す。
図13】本発明の角度の付いたプレート厚さ制御デバイスを使用して、機械直交方向において形成されたセメント系パネルのインチ単位の断面厚さプロファイルを示す。
図14】本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスがある場合およびない場合の機械直交方向で測定された試料において、異なる実験条件で、形成されたパネルの標準偏差ならびに最大厚さおよび最小厚さの差を示すために、機械直交方向にわたってインチ単位でパネル厚測定値に関する情報を有し、対照#1および対照#2は、本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスのない実験条件である。
図15】本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスがある場合およびない場合の本明細書の一例に関する表1の異なる実験条件で、形成されたパネルの標準偏差ならびに最大厚さおよび最小厚さの差を示すために、機械方向に沿ってインチ単位でパネル厚測定値に関する情報を有し、対照#1および対照#2は、本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスのない実験条件である。
図16】本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスを使用せずに、形成されたセメント系パネルの機械直交方向におけるインチ単位の断面厚さプロファイルを示す。
図17】固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、本明細書の対照試料の例#R3に関して、本発明の角度のついたプレートの厚さ制御デバイスを使用する、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図18】固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#R3に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図19】固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#R3に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図20】固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#R4に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図21】固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#R4に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図22】固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#R1に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図23】固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#R1に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図24】本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された試行試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#T1に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図25】本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された試行試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#T1に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図26】機械直交方向において測定された本明細書の実施例#T2に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図27】本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された試行試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#T2に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図28】本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された試行試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#T4に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図29】本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された試行試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#T4に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
図30】Northern Illinois,USAに位置付けられた外部耐候性曝露場における、ガラスマットフェーサを有するFRCパネルを示す。
図31A】9か月の外部耐候性曝露後のフェーサのないFRCパネルの近接図(前面)を示す。
図31B】9か月の外部耐候性曝露後のガラスマットフェーサを有するFRCパネルの近接図(前面)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
I.本発明用繊維セメント混合物
本発明は、セメント、水、および他のセメント添加剤を含有して生産された様々な繊維セメント混合物で機能する。
【0045】
本発明の方法および装置によって生産された繊維セメント混合物は、様々な硬化性セメント系スラリーに由来し得る水性スラリーである。例えば、かかる水性スラリーは、水硬性セメントに基づく組成物であり得る。ASTMは、「水硬性セメント」を、水との化学的相互作用によって硬化し、硬くなり、また、水中でそうなり得るセメントである、と定義している。好適な水硬性セメントの例は、ポルトランドセメント、アルミン酸カルシウムセメント(CAC)、スルホアルミン酸カルシウムセメント(CSA)、ジオポリマー、マグネシウムオキシクロライドセメント(ソーレルセメント)、およびリン酸マグネシウムセメントである。好ましいジオポリマーは、クラスCフライアッシュの化学活性化に基づく。
【0046】
硫酸カルシウム半水和物は、水との化学的相互作用によって硬化し、硬くなるが、本発明の文脈において、水硬性セメントの広範な定義内に含まれない。しかしながら、硫酸カルシウム半水和物は、本発明の方法および装置によって生産された繊維セメント混合物中に含まれてもよい。したがって、そのような水性スラリーはまた、石膏セメントまたは焼き石膏等の硫酸カルシウムセメントにも基づくことができる。石膏セメントは、主に、か焼石膏(硫酸カルシウム半水和物)である。この業界では、か焼石膏を石膏セメントと称することが慣例である。
【0047】
繊維セメント混合物は、シリカフューム等のポゾラン材料、シリコン金属の産生物である微粉化した非晶質シリカ、およびフェロシリコン合金製造品を含有することができる。これは、特徴的に、非常に高いシリカ含有量および低いアルミナ含有量を有する。軽石、パーライト、珪藻土、凝灰岩、火山土、メタカオリン、マイクロシリカ、および研削された粒状の高炉スラグを含む、様々な他の天然材料および人工材料が、ポゾラン特性を有すると言及されている。フライアッシュもまた、ポゾラン特性を有する。繊維セメント混合物は、セラミック微小球体および/またはポリマー微小球体および/または膨張パーライトなどの他の軽量充填剤を含み得る。
【0048】
しかしながら、本方法によって作製される繊維セメントスラリーの1つの使用は、ガラス繊維、特に耐アルカリ性ガラス繊維等の補強繊維を有する繊維補強コンクリート(FRC)を生産することである。このように、本発明において用いられるセメント系スラリーは、好ましくは、ポルトランドセメント、石膏、凝集体、水、促進剤、可塑剤、超可塑剤、発泡剤、充填剤、ならびに/または当技術分野でよく知られている、または参照により組み込まれている、以下に列挙される特許において説明される他の成分の量を変化させることからなる。上記の一部の除去または他の追加を含むこれらの成分の相対的な量は、最終製品の意図される使用に適するように変化し得る。
【0049】
減水混和添加剤が、任意選択的に、水硬性スラリーの流動性を改善するために、例えば、可塑剤、超可塑剤などの繊維セメント混合物に含めることができる。かかる添加剤は、分子を溶液中に分散させるため、分子が互いに対してより移動し易くなり、それによって、スラリー全体の流動性を向上させる。可塑剤は、一般に、製紙業界による副生産物であるリグノスルホン酸塩から製造される。超可塑剤は、概して、スルホン化ナフタレン縮合物もしくはスルホン化メラミンホルムアルデヒドから、またはポリカルボキシルエーテルに基づいて製造されている。減水添加剤は、湿潤最終繊維スラリー混合物の0重量%~5重量%、好ましくは0.5~5重量%の量で存在し得る。
【0050】
Tonyanらの米国特許第6,620,487号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、硫酸カルシウムアルファ半水化物、水硬性セメント、活性ポゾラン、および石灰の水性混合物の硬化によってもたらされる連続相のコアを用いる、補強された軽量の寸法安定性構造用セメントパネル(SCP)を開示する。連続相は、耐アルカリ性ガラス繊維によって強化され、セラミック微小球体またはセラミックおよびポリマー微小球体のブレンド物を含有しているか、または0.6/1~0.7/1の水と反応性粉体との重量比を有する水性混合物から形成されているか、またはこれらの組み合わせである。SCPパネルの少なくとも1つの外面は、釘打ち性を向上させるためにガラス繊維によって強化し、かつ十分なポリマー球体を含有するか、もしくはポリマー球体に類似する効果を提供する水と反応性粉体との比率によって作製される、またはこれらの組み合わせである、硬化した連続相を含み得る。
【0051】
現在のプロセスで使用される複合スラリーに関する様々な配合物はまた、参照により本明細書に組み込まれるTonyanらの米国特許第7,841,148号にも示される。典型的な配合物は、反応性粉体として、乾燥基準で、35~75重量%(典型的に45~65または55~65重量%)の硫酸カルシウムアルファ半水化物、20~55重量%(典型的に25~40重量%)のポルトランドセメント等の水硬性セメント、0.2~3.5重量%の石灰、および5~25重量%(典型的に10~15重量%)の活性ポゾランを含む。パネルの連続相は、耐アルカリ性ガラス繊維で均一に強化され、セラミックミクロスフェア、ガラスミクロスフェア、フライアッシュセノスフェア、およびパーライトからなる群から選択される20~50重量%の均一に分布した軽量充填剤粒子を含有するであろう。複合スラリーのための配合物の一例は、全乾燥成分に基づいて、42~68重量%の反応性粉体、23~43重量%のセラミック微小球体、0.2~1.0重量%のポリマー微小球体、および5~15重量%の耐アルカリ性ガラス繊維を含む。
【0052】
Dubeyらの米国特許第8,038,790号は、乾燥基準で、50~95重量%の反応性粉体と、軽量充填剤として内部で均一に分散される1~20重量%の被覆疎水性膨張パーライト粒子と、約1~500ミクロン(マイクロメートル)の範囲の直径、20~150ミクロン(マイクロメートル)の中位径、および約0.50g/cc未満の有効粒子密度(比重)を有する被覆疎水性パーライト粒子と、0~25重量%の中空セラミック微小球体と、補強のため均一に分布される3~16重量%の耐アルカリ性ガラス繊維と、を含む、セメント系組成物の水性混合物を含む複合スラリーに関する配合物の別の例を提供しており、反応性粉体は、25~75重量%の硫酸カルシウムアルファ半水和物、10~75重量%のポルトランドセメントを含む水硬性セメント、0~3.5重量%の石灰、および5~30重量%の活性ポゾランを含み、パネルは、立方フィート当たり50~100ポンドの密度を有する。
【0053】
所望の場合、本発明の単層および多層プロセスにおいて用いられる組成物は、0.20/1~0.90/1、好ましくは、0.25/1~0.70/1、または0.4/1~0.7/1の水対反応性粉体の重量比を有し得る。
【0054】
繊維は、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどのポリマー材料、炭素、黒鉛、アラミド、セラミック、鋼、ジュートまたはサイザルなどのセルロース系または天然繊維、またはこれらの組み合わせを含む、異なる補強繊維材料から作製された、別個の繊維または細断繊維であり得る。繊維の長さは、約2インチ以下、より好ましくは、1.5インチ以下である。
【0055】
単層プロセスに関して、繊維セメント混合物は、繊維セメント混合物の他の成分との組み合わせにおいて、所望のスランプ試験値および粘度を達成するために十分な水を含有する。
【0056】
角度の付いたプレートを用いる厚さ制御デバイスを有する生産ラインおよび方法
II.生産ラインの第1のバージョン
ここで図1を参照すると、FRCパネルの生産ラインが、図式的に示され、概して、10と指定される。生産ライン10は、複数の脚部13または他の支持体を有する支持フレームまたは形成テーブル12を含む。支持フレーム12上に含められるものは、滑らかで水を通さない表面を有する継ぎ目のないゴム様コンベアベルト等であるが、多孔質表面も想定される、移動キャリア14である。当技術分野でよく知られているように、支持フレーム12は、指定された脚部13または他の支持構造を含むことができる、少なくとも1つのテーブル様のセグメントから作製することができる。支持フレーム12はまた、フレームの遠位端部18における主駆動ロール16、およびフレームの近位端部22におけるアイドラロール20を含む。また、少なくとも1つのベルトトラッキングおよび/または張力調整デバイス24は、典型的には、ロール16、20に対するキャリア14の所望の張力および位置決めを維持するために提供される。可動キャリア14が近位端部22から遠位端部18まで、方向「T」に前進する際、FRCパネルが連続的に生産される。
【0057】
この生産ライン10では、硬化前にスラリーを支持するためのクラフト紙、剥離紙、またはプラスチックキャリアのキャリアウェブ26が提供され、ウェブ14上に置かれて、スラリーを保護し、および/またはスラリーを清潔に保つことができる。
【0058】
しかしながら、連続キャリアウェブ26ではなく、例えば、ポリマープラスチックのシートなど、比較的剛性材料の個々のシート(図示せず)が、キャリア14の上に設置され得ることもまた想定される。
【0059】
また、本ライン10によって生産されるFRCパネルは、直接キャリア14上で形成されることも想定される。この後者の状態においては、少なくとも1つのベルト洗いユニット28が提供される。キャリア14は、当技術分野で既知であるように、主駆動ロール16を駆動するモータ、プーリ、ベルトまたはチェーンの組み合わせによって支持フレーム12に沿って移動する。キャリア14の速度を、作製されている製品に合うように変動させ得ることが想定される。
【0060】
A.細断器
本発明では、構造用セメントパネル(SCPパネル)としても知られる、繊維補強コンクリート(FRC)パネルの生産は、キャリアウェブ26上のプラスチックキャリア上に約1インチのサイズの緩い、細断繊維30の層を堆積させることによって開始される。様々な繊維堆積および細断デバイスが、本ライン10によって想定される。例えば、典型的なシステムは、ガラス繊維コードのいくつかのスプール32を保持するラック31を用い、その各々から、繊維の長さまたは糸34が、細断器36とも称される、細断ステーションまたは装置に供給される。典型的には、多くのガラス繊維のストランドは、細断ステーションの各々で供給される。
【0061】
細断器36は、回転ブレード付きロール38を含み、そこからキャリア14の幅にわたって横方向に延在するブレード40が半径方向に突出し、アンビルロール42と近接して接触し、回転する関係で配設される。好ましくは、ブレード付きロール38およびアンビルロール42は、ブレード付きロール38の回転もまたアンビルロール42を回転させ、逆もまた想定されるように、比較的近接した関係で配設される。また、アンビルロール42は、好ましくは、ブレード40がコード34をセグメントに細断することに対して、弾力性のある支持材料で覆われる。ロール38上のブレード40の間隔は、細断繊維の長さを決定する。図1に見られるように、細断器36は、生産ライン10の長さの生産的な使用を最大化するために、近位端部22付近のキャリア14の上方に配設される。繊維ストランド34が細断される際、繊維はキャリアウェブ26上に緩く落下する。
【0062】
B.スラリー混合器
本生産ライン10は、スラリー調製および供給セクション2(図1A)を含む。スラリー調製および供給セクション2は、概して44と指定される、スラリー供給ステーションまたはスラリーフィーダまたはスラリーヘッドボックスと、湿式混合器47であるスラリーの供給源と、を含む。スラリー供給機44は、キャリアウェブ26上の細断繊維上にスラリー46を堆積させるために、湿式混合器47からスラリー46の供給を受容する。プロセスは、キャリア14上へのスラリーの初期の堆積で開始し得ることも想定される。
【0063】
いくつかの好適なスラリー混合器47の例は、セメントモルタル内で一般的に使用されるスラリー混合器であり、コンクリート産業もまた、本発明において用いられ得る。例えば、参照により組み込まれる、ICRI Guideline No.320.5R-2014、Technical Guidelines、Pictorial Atlas of Concrete Repair Equipment、International Concrete Repair Institute,May 2014が、セメント系スラリーを調製するために本発明において使用することができる。これらには、水平シャフト混合器、タンブルモルタル混合器、回転ドラム固定混合器、パンタイプ混合器、回転タブ回転パドル混合器、遊星パドル混合器、水平シャフト混合器とポンプの組み合わせ、および垂直シャフト混合器とポンプの組み合わせが挙げられる。水平シャフト混合器とポンプの組み合わせおよび垂直シャフト混合器とポンプの組み合わせは、連続混合器である。
【0064】
C.スラリー供給装置
ここで図1図1Aを参照すると、上述のように、概して、44と指定され、スラリー供給ステーション、スラリー供給機またはスラリーヘッドボックスとも称される、スラリー供給装置の実施形態は、湿式混合器47からスラリー46の供給を受容する。
【0065】
スラリー供給機44は、キャリア14の進行方向「T」に対して横方向に配設された、主計量ロール48を含む。コンパニオンロールまたはバックアップロール50は、計量ロール48に対して近接して、平行な、回転関係で配設される。スラリー46は、2つのロール48、50の間のニップ52内に堆積される。
【0066】
スラリー供給機44はまた、スラリー供給装置44の側壁54に装着されたゲート132を有して、計量ロール48の表面に隣接して装着され、間にニップ55を形成する。図1Aに見られるように、ゲート132は計量ロール48の上方にあり、その結果、ニップ55はゲート132とロール48の上部分との間にある。ロール48、50およびゲート132は、ニップ55がスラリー46の供給を保持するのに十分に近接した関係で配設され、同時に、ロール48、50は、互いに対して回転する。ゲート132は、振動器(図示せず)を備える。図1Aに見られるように、計量ロール48は、ニップ52からニップ55まで回転する。
【0067】
他のサイズが想定されるが、典型的には、計量ロール48は、コンパニオンロール50よりも大きい直径を有する。
【0068】
また、典型的には、ロール48、50のうちの一方は、平滑なステンレス鋼の外面を有し、他方、好ましくは、コンパニオンロール50は、その外面を覆う弾力性のある非粘着性材料を有する。
【0069】
特に、ゲート132は、振動ゲート支持シャフト/バー(図示せず)に装着されたブレード132Aと、任意選択的に、振動ゲート支持シャフト/バーに装着された補剛部材(図示せず)と、を備える。ゲートブレード132Aは、典型的には、16~12ゲージのステンレス板金から作製される。
【0070】
ゲート132は、補剛部材のブレードの反対側の側面上に装着された回転振動器(図示せず)によって振動される。補剛部材は、振動ゲート支持シャフトおよび振動ゲート132の裏側に取り付けられている。補剛部材が提供されていない場合、回転振動器は、次いで、ゲート支持シャフトまたはゲート132の他の好適な部分に取り付けられ得る。振動手段は、典型的には、空気圧式回転ボール振動器である。振動のレベルは、従来のエアレギュレータ(図示せず)で制御することができる。
【0071】
ゲート132は、支持システム(図示せず)によってヘッドボックス44の側壁54に装着されて、ブレードの位置を水平方向、同様に垂直方向にも調整されることを可能にし得る。支持システムは、ゲート支持シャフトの各端部に、それぞれ取り付けられ、かつスラリー供給装置の側壁54に取り付けられた調整可能な装着部内に着座した枢動ピンを含む。調整可能な装着部のバージョンは、U形状部材内に着座した枢動ヨークを有する。ねじは、U形状装着部の上方に延在する脚部を通過して、枢動ヨーク、および順にゲート132の位置の前方ならびに後方への調整を可能にする。また、ボルトが、枢動ヨーク、および順にゲート132の位置の上ならびに下の調整を可能にするために、U形状部材の穴を通して提供される。
【0072】
好ましくは、振動ゲート132は、枢動調整システム(図示せず)によって、ゲート132と計量ロール48との間の間隙「D」(図1A)を変化させるために枢動可能に調整され得る。
【0073】
振動ゲート132は、ゲート132上で、スラリー46の著しい蓄積を防止することに役立ち、計量ロール48上で堆積したスラリー46の厚さを制御する。
【0074】
典型的には、スラリー供給機44は、好ましくは、TEFLON(登録商標)材料または同様のものなどの非粘着性材料から作製されるか、または被覆される一対の比較的剛性の側壁54(1つが示される)を有する。側壁54は、ニップ52に注がれたスラリー46がスラリー供給機44の側面から出ることを防止する。好ましくは、支持フレーム12(図1)に固定されている側壁54は、スラリー46を保持するためにロール48、50の端部と近接した関係で配設される。しかしながら、側壁54は、ロールの回転を妨げるためにロールの端部に過度に近接しない。
【0075】
スラリー供給機44は、可動キャリアウェブ26上で、スラリー46の均一な層を堆積させる。好適な層の厚さは、約0.05インチ~0.35インチ(0.13~0.9cm)、例えば、約0.08インチ~0.3インチの範囲である。しかしながら、生産ライン10によって生産される構造用パネルにおいて4つの層が好ましく、および好適な構築パネルがおよそ0.75インチである場合、特に好ましいスラリー層の厚さは、0.15~0.25インチの範囲内にある。また一方、ターゲットパネルの形成厚が、約0.84インチの場合、標準の層の厚さは、典型的には、4つの形成ステーションの各々において、約0.21インチ近くである。
【0076】
それゆえ、振動ゲート132と主計量ロール48との間の相対距離「D」(図1A)は、堆積されるスラリー46の厚さを変化させるように調整され得る。ゲート132と計量ロール48との間のニップ距離「D」は、典型的には、約1/8~約3/8インチ(約0.318~約0.953cm)の距離で維持される。しかしながら、これは、スラリー46の粘度および厚さ、ならびにウェブ26上で堆積されるスラリーの所望の厚さに基づいて、調整することができる。
【0077】
スラリー46は、スラリー混合器またはリザーバ47の出口と流体連通している第1の端部60(図1A)を有するホース56または同様の導管を通して、スラリー供給機44に送達される。ホース56の第2の端部62は、当技術分野でよく知られているタイプの横方向に往復運動する、ケーブル駆動の流体動力ディスペンサ64(図1A)に接続される。それゆえ、ホース56から流れるスラリーは、スラリー供給機44のロール48、50および側壁54によって画定されるリザーバ57を満たすために、横方向に往復運動して供給機44に注がれる。計量ロール48の回転は、リザーバ57からスラリー46の層を引き出す。
【0078】
本供給機装置44の別の特徴は、主計量ロール48およびコンパニオンロール50が両方とも同じ方向に駆動され、それぞれの可動外面上で、スラリーが時期尚早に硬化する機会を最小限に抑えることである。流体動力、電気または他の好適なモータを含む、駆動システム(図示せず)は、ロールを同じ方向に駆動するために主計量ロール48またはコンパニオンロール50に接続され、これは、図1および図1Aで見るとき、時計回りである。当技術分野でよく知られているように、ロール48、50のうちのいずれか一方が駆動され得、他方のロールは、プーリ、ベルト、チェーンおよびスプロケット、ギアまたは他の既知の動力伝達技術を介して接続されて、正の、および共通の回転関係を維持し得る。
【0079】
スラリー供給機44は、主計量ロール48とキャリアウェブ26との間に位置付けられたドクターブレード134(図1A)を有して、スラリーの連続的なカーテンまたはシートが、キャリアウェブ26の約1.0~約1.5インチ(2.54~3.81cm)の距離内に均一方向付けられるように、比較的薄いスラリー46が完全に堆積されることを確実とする。ドクターブレード134は、スラリー46が、キャリアウェブ26上のガラス繊維繊維層を均一に覆い、かつニップ52および供給機リザーバ57に向かって戻るように進行しないことを確実とする。ドクターブレード134はまた、主計量ロール50が時期尚早にスラリー46を硬化させないように維持することに役立つ。
【0080】
ドクターブレード134は、スラリー供給機44の支持フレームまたは側壁54に取り付けられた、調整可能な枢動装着部に枢動可能に装着された、ドクターブレード張力アーム上に装着されたドクターブレード支持シャフト(図示せず)上に装着される。シャフトまたはバーは、計量ローラ48の上方のスラリー供給機44の側壁54に取り付けられる。ドクターブレード134は、第1の端部がシャフトまたはバーに取り付けられ、第2の端部がドクターブレード張力アームの自由端部に取り付けられた、張力ばねによってロール48に向かって付勢される。それゆえ、ドクターブレード134は、張力アームおよび張力ばねによって、計量ロール48の外面に隣接する位置に保持される。ドクターブレード134の位置は、スラリー供給機44の支持フレームまたは側壁54に取り付けられた、調整可能な枢動装着部を調整することによって調整することができる。
【0081】
ドクターブレード134は、計量ロール48の表面からスラリーを除去し、均一な層またはカーテンにおいてスラリー46を収集する役割を果たし、ウェブ上でガラス繊維層の上に約1.0~1.5インチ(92.54~3.81cm)のポイントに、ウェブの移動方向においてスラリー46を下向きに方向付けて、ガラス繊維層をスラリー46で均一に覆う。
【0082】
往復分配機構64、ゲート132、およびドクターブレード134は、Frankらの米国特許第7.754,052号、表題「PROCESS AND APPARATUS FOR FEEDING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER-REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」により詳細に説明され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。スラリー供給装置の他の実施形態は、当技術分野で知られているように使用され得る。かかる装置の1つは、Frankらの米国特許第8,770,139号、表題「APPARATUS FOR FEEDING CEMENTITIOUS SLURRY ONTO A MOVING WEB」において開示され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0083】
D.スラリー供給装置の下流での処理
再び図1を参照すると、FRCパネル生産ラインの他の動作構成要素が、簡単に説明されるが、それらはすべて、以下の文書でより詳細に説明され、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0084】
Dubeyらの米国特許第6,986,812号、表題「SLURRY FEED APPARATUS FOR FIBER-REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANEL PRODUCTION」、
Porterの米国特許第7,182,589号、表題「EMBEDMENT DEVICE FOR FIBER-ENHANCED SLURRY」、
Dubeyらの米国特許第7,445,738号、表題「MULTI-LAYER PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING HIGH STRENGTH FIBER-REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANELS」、
Frankらの米国特許第7,475,599号、表題「WET SLURRY THICKNESS GAUGE AND METHOD FOR USE OF SAME」、
Porterらの米国特許第7,513,768号、表題「EMBEDMENT ROLL DEVICE」、
Frankらの米国特許第7,513,963号、表題「METHOD FOR WET MIXING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER-REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」、
Georgeらの米国特許第7,524,386号、表題「METHOD FOR WET MIXING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER-REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」、および
Dubeyの米国特許第7,670,520号、表題「MULTI-LAYER PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING HIGH STRENGTH FIBER-REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANELS WITH ENHANCED FIBER CONTENT」。
【0085】
E.埋め込みデバイス
限定されるものではないが、振動器、シープスフートローラなどを含む、様々な埋め込みデバイスが想定される。しかしながら、図1は、埋め込みデバイス70が、フレーム12上のキャリアウェブ14の進行方向に対して横方向に装着された少なくとも1対のほぼ平行なシャフト76を含むことを示す。各シャフト76は、小径ディスク(図示せず)によってシャフト上で互いに軸方向に分離された、複数の比較的大径のディスク76を備える。
【0086】
SCPパネル(FRCパネル)の生産中、シャフト76およびディスク74は、シャフト76の長手方向軸を中心にともに回転する。当技術分野でよく知られているように、シャフト76の一方または両方が動力を供給され得、一方だけが動力を供給される場合、他方は、駆動されるシャフトに対して対応する方向および速度を維持するためにベルト、チェーン、ギアドライブまたは他の既知の動力伝達技術によって駆動され得る。隣接する、好ましくは、平行なシャフト76のそれぞれのディスク74は、以前に堆積した繊維68を埋め込む、「ニーディング」または「マッサージ」作用をスラリー内に作成するために、重なり合い、かつ互いに噛み合う。加えて、ディスク74の近接し、噛み合う回転関係は、ディスク上でのスラリー46の蓄積を防止し、事実上、スラリーの塊の時期尚早な硬化に起因する生産ラインのダウンタイムを著しく低減させる、「セルフクリーニング」作用を作成する。
【0087】
シャフト76上のディスク74の噛み合った関係は、小径スペーサディスク(図示せず)および比較的大径の主ディスク74の対向する周縁部の近接し、隣接する配置を含み、これはまた、セルフクリーニング作用を容易にする。ディスク74が互いに対して近接して(しかし好ましくは、同じ方向に)回転するので、スラリーの粒子が装置内に捕えられ、かつ時期尚早に硬化することは困難である。互いに横方向にオフセットされた、2組のディスク74を提供することにより、スラリー46は、複数の分裂作用に供され、「ニーディング」作用を作成し、繊維68をスラリー46内にさらに埋め込む。
【0088】
F.厚さの制御
繊維68が埋め込まれると、パネル92の第1の層77が完成する。典型的には、第1の層77の高さまたは厚さは、約0.05インチ~0.35インチ(0.13~0.9cm)のおよその範囲内にある。好ましくは、第1の層77の高さまたは厚さは、0.08~0.3インチのおよその範囲内にある。この範囲は、FRCパネル(SCPパネル)内の同様の層と組み合わせるとき、所望の強度および剛性を提供することが見出されている。ただし、FRCパネル(SCPパネル)の最終的な使用目的に応じて、他の厚さが想定される。
【0089】
次いで、第1の層77は、可動キャリアウェブ26上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネル層の第1の層77の厚さを制御するための本発明の厚さ制御デバイス93と接触する。厚さ制御デバイス93は、角度の付いた剛性プレート95と、可動キャリアウェブ26のための支持フレームまたは形成テーブル12上に角度の付いた剛性プレート95を装着するためのU形状装着スタンド97と、を備える。装着スタンド97は、対向する直立部材99(明瞭化のため1つだけ図1に示される)と、可動キャリアウェブ26に対して固定されているが調整可能な角度で、かつ可動ウェブ26の上方で固定されているが調整可能な高さで、それぞれの直立部材99に装着された、対向する端部を有する傾斜可能な横方向装着部材101を有する。装着フレーム97はまた、横方向装着部材101に取り付けられた上端部部分と、角度の付いた剛性プレート95の後壁に取り付けられた下端部部分と、を有するコネクタプレート103を有する。振動器(振動モータ)105もまた、角度の付いた剛性プレート95の後壁に装着される。
【0090】
図1は、形成テーブル12、継ぎ目のないベルト14、およびキャリアウェブ26、ならびに任意選択的な底部支持プレート46A、46Bを示す。生産ライン10は、繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で角度の付いた剛性プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成された、角度の付いた剛性プレートの下にある平坦な剛性支持床を提供する。
【0091】
平坦な剛性支持床は、剛性の水平上部形成プレート446の下を通過するフェーサで覆われた繊維含有スラリーの下向きの力に対抗するために提供され、例えば、以下のいずれかであり得る。
【0092】
十分に剛性である場合、形成テーブル12、
キャリアベルト14の下に提供された、剛性底部形成プレート46Aによってさらに支持された形成テーブル12、
キャリアウェブ26の下またはキャリアウェブ26の代わりにキャリアベルト14上で使用される剛性パネル、
継ぎ目のないベルト14が、十分に剛性であるローラによって支持され得るか、または
形成テーブル12内に破断部がある可能性があり、剛性下部形成プレート46Aが、上部形成プレート446の下の継ぎ目のないベルトの部分の真下の破断部に設置される。
【0093】
上述のように、連続キャリアウェブ26ではなく、例えば、ポリマープラスチックのシートなど、比較的剛性材料の個々のシート(図示せず)が、キャリア14上に設置され得ることもまた想定される。これらはまた、平坦で、剛性の支持床を提供することができる。
【0094】
図2図3図4および図5は、厚さ制御デバイス93の構造の詳細を示す。
【0095】
図2は、プレートに振動を与えるために振動器(振動モータ)105(図1を参照)を取り付けるための結合ユニット204を有する、典型的には金属製の、角度の付いた振動プレート95の概略図である。角度の付いた振動する金属プレート95は、後壁200、底壁201、および動作中に特定の深さ(「D1」、図4を参照)でセメント系スラリーに設置され、スラリーに振動を与える、機能的下流縁部202を有する、角度の付いた断面を有する。ねじ203は、結合ユニット204を角度の付いたプレート95の後壁200に取り付けるために提供される。角度の付いたプレート95は、典型的には、金属から作製される。
【0096】
図3は、繊維補強セメント系パネルのための生産ライン10上で、角度の付いた振動する金属プレート95および振動器(振動モータ)105(図1を参照)を設置するための厚さ制御デバイス93の典型的なU形状装着フレーム97の概略図である。U形状の装着フレーム97は、静止フレームクロスピース220に固定的に取り付けられた直立部材99を有する。U形状の装着フレーム97はまた、直立部材99に移動可能に取り付けられた傾斜可能な横方向装着部材101を有する。傾斜可能な横方向装着部材101は、角度調整のための穴を有するそれぞれの金属プレート206に、各々回転可能に装着された対向する端部を有する。
【0097】
スロットおよびボルトまたはねじを通して容易に接続することができる、典型的には4インチ×4インチのモジュール式の金属チャネルで作製された、典型的には矩形の、U形状の金属装着フレーム97が、図3に示される。個々の回転輪214およびハンドルを有する一対のねじジャッキ212が、形成面のいずれかの側面上に設置されて、形成面からの振動する金属プレートの高さを調整し、プレートを形成面に対して平行に水平化する。図3に示されるように、振動する金属プレート95の形成面との角度の調整のために、典型的には直径0.5インチの金属棒が、形成面に対して垂直な平面内の装着フレーム97の2つの側面上に装着された金属プレート206の穴によって特定の角度位置に係止される。それゆえ、傾斜可能な横方向装着部材101の対向する端部の各々は、プレート206の角度調整のために選択された穴と嵌合されて、傾斜可能な横方向装着部材101の角度を、可動キャリアウェブ26に対して、ならびに可動キャリアウェブ26上のスラリーに対して固定的に設定する。傾斜可能な横方向装着部材101の角度を調整および設定するとき、傾斜可能な横方向装着部材101の角度「α」(アルファ)に装着された傾斜可能な横方向装着部材101の角度の付いた振動する金属プレート95の角度も、同様に調整および設定される。図3はまた、振動モータを装着するための結合ユニット204上の場所205を示す。
【0098】
角度の調整を支援するために、傾斜可能な横方向装着部材101は、振動プレートを上下に持ち上げるためのハンドル208を備える。ハンドル208は、典型的にはパイプまたはロッドの形態の金属であり、典型的には矩形であり、断面が1インチ×1インチであるが、円形または他の断面形状であり得、図3に示されるように、形成平面における形成方向に対して垂直な軸における回転を可能にする中央フレームピースクロスピース101に取り付けられて、交換、洗浄またはプレートを製造ラインから持ち上げるための保守機構のために係合解除する。
【0099】
上で説明された装着機構97は、典型的には、幅にわたって、形成面(ベルト/プレート)から設定された固定の高さに振動プレートを保ち、その結果、プレートの機能的縁部は、0.05インチ以上の深さでスラリーの表面の内側に留まり、かつプレートは、材料の流入によってそれ自体の高さを調整しない。
【0100】
図4は、可動キャリアウェブ26の表面に対する角度の付いた剛性プレート95の底壁201の角度「α」(アルファ)を示す。図4は、可動キャリアウェブ26上に存在する場合、スラリー77の表面に対する角度の付いた剛性プレート95の底壁201の角度「β」(ベータ)を示す。この仕様の目的のために、角度「α」(アルファ)および角度「β」(ベータ)は等しい。図4はまた、角度の付いた剛性プレート95の底壁201の下流端部202が、可動キャリアウェブ26上のスラリー77の表面に浸漬される、深さ「D1」を示す。角度の付いたプレート角度「α」(アルファ)および角度「β」(ベータ)は、5°~30°であり、典型的には、角度「α」(アルファ)および角度「β」(ベータ)は、10°~25°の範囲内にある。
【0101】
金属プレート206は、直立部材99のチャネル210およびフレーム97の静止フレームクロスピース2209に沿って、直立部材99を垂直に上下に進行させる。金属プレート206が垂直に進行するとき、傾斜可能な横方向装着部材101は、プレート206とともに垂直に進行する。傾斜可能な横方向装着部材101の高さを上下させるために、U形状の装着フレーム97は、ねじジャッキ212およびねじジャッキ212を移動させるための回転輪214(1つが示される)を有する。傾斜可能な横方向装着部材101に装着されると、角度の付いた振動金属プレート95は、傾斜可能な横方向の装着部材101とともに垂直に移動する。
【0102】
図5は、形成面の幅全体にわたる、繊維補強セメント系パネルの形成中、厚さの変動を低減するための、固定され、振動する、軽量の金属プレートのセットアップを示す。図5は、結合ユニット204に取り付けられた振動器(振動モータ)105を示す。後端部結合ユニット204は、角度の付いた振動する金属プレート95の後壁に取り付けられる。図4は、結合ユニットの上部壁が、横方向装着部材101に取り付けられた上端部部分と、角度の付いた剛性プレート95の後壁に取り付けられた下端部部分と、を有するコネクタプレート103に取り付けられることを示す。エラストマーショックアブソーバ212Aは、コネクタプレート103の下端部と結合ユニット204の上壁との間にある。
【0103】
本発明の厚さ制御デバイス93は、形成中の処理工程を減少させるように、厚さの変動が低減されたセメント系パネルを生産するという問題を解決する。
【0104】
本発明の厚さ制御デバイス93は、形成面(ベルト/プレート)に対して平行な平面内で形成するスラリーに振動を与えて、厚さの変動を低減する様式で表面上に材料を均一に広げる機構を提供する。本発明は、補強のために繊維を含有するセメント系スラリーの表面またはセメント系スラリーへの接触によって振動を与えるための、形成面の幅にわたって固定された、振動する軽金属プレートの使用により、繊維補強セメント系パネルの形成中の厚さの変動を低減するための方法を提供する。
【0105】
G.角度の付いたプレート
本発明の角度の付いた振動プレート95は、典型的には、以下の特徴を有する。
【0106】
角度の付いたプレート95は、典型的には金属、好ましくは、マグネシウム合金から作製されるが、アルミニウム、チタン、鋼および他の金属合金もまた使用することができる。
【0107】
角度の付いたプレート95の断面は、概して、角度が付けられているが、スラリーと接触して平坦または湾曲した表面を提供し、構造的剛性を提供する他の断面もまた利用することができる。
【0108】
角度の付いたプレート95の形状は、L形状であり得るが、完全なL形状である必要はなく、すなわち、後壁と底壁との間の角度は、必ずしも常に90°である必要はない。2つの壁の間の角度は、鈍角から鋭角まで範囲にあり得る。例えば、2つの壁の間の角度は、60°~120°、好ましくは、70°~110°、および最も好ましくは、80°~100°の範囲であり得る。さらに、後壁と底壁との間の屈曲遷移セクションの遷移幾何学形状は、鋭くなるか、または湾曲する可能性がある。
【0109】
図4Aは、角度の付いた剛性プレート195を示し、曲率半径「r」に湾曲した後壁200と底壁201との間の遷移幾何学形状を有するように修正された、角度の付いた剛性プレート95のバージョンである。遷移屈曲セクションの曲率半径は、0.05インチ~2インチの範囲であり得る。他の点では、角度の付いた剛性プレート195および角度の付いた剛性プレート95は、同じである。
【0110】
屈曲遷移セクションを越えて、底壁の厚さは、均一であるか、または厚さが遷移セクションの端部から底壁の縁に向かって減少するように先細りになるかのいずれかであり得る。さらに、遷移セクションの端部を越えて、セメント系スラリーと接触している底壁の底面は、曲率のない二次元平面の形状である。遷移セクションの端部を越える底壁の上面は、二次元平面の形状であるか、または湾曲した表面が下脚部の縁に向かって徐々に先細りになるなど、いずれかの他の曲線の表面幾何学形状をとることができる。さらに、後壁および底壁アセンブリは、任意選択的に、交差筋交い要素を使用して、アセンブリの長さに沿って連続的または断続的のいずれかで、ともに固定することができる。アセンブリが連続的に固定されるとき、筋交い要素は、角度の付いた要素への単一の外部追加ピースであるか、または、代替的に、該角度の付いた要素に流延、押出、またはモノリシックに形成することができる。連続筋交い要素は、振動するアセンブリに所望の剛性を与えるために、異なる幾何学形状をとることができる。さらに、アセンブリの後壁は、平坦な二次元平面の形状であるか、または代替的に、材料の剛性を増加させるために三次元形状に形成されるか、もしくは屈曲される可能性がある。
【0111】
角度の付いたプレート95は、セメント系スラリーと接触する面と、振動モータが装着されるか、もしくは接続される、スラリー接触面に対して垂直またはある角度での別の面と、を有する。
【0112】
スラリーと接触する側面上の(機械の進行方向「T」における)振動する角度の付いたプレート95の長さは、典型的には、約2インチ~24インチである。スラリーと接触する側面上のプレートの好ましい長さは、約2インチ~12インチの範囲である。スラリーと接触する側面上のプレートのより好ましい長さは、約2インチ~6インチの範囲である。
【0113】
(機械の進行方向「T」を横切る方向における)振動する角度の付いたプレート95の幅は、約1フィート~8フィートの範囲であり得る。金属プレートの好ましい幅は、約2フィート~6フィート、または約2フィート~5フィート、または約3フィート~4フィートの範囲である。
【0114】
スラリーと接触する側面上の振動する角度の付いたプレート95の厚さは、典型的には、約1/16インチ~1/4インチである。振動する角度の付いたプレート95は、スラリー接触から離れた側面からスラリーと接触している縁部に向かって徐々に先細りになり得る。スラリーと接触する側面上のプレートの好ましい厚さは、約1/8インチであり、スラリー接触から離れた側面上の1/4インチの厚さから、スラリーと接触する縁部上の1/16インチまで徐々に先細りになる。
【0115】
振動する角度の付いたプレート95は、プレートの機能的縁部が、スラリーに0.05インチ以上の深さで、スラリーと接触したままであるように設置される。
【0116】
振動する角度の付いたプレート95は、金属プレートに近接して取り付けられたウェイトを有する振動モータ105によって振動され、その結果、モータからの振動およびプレートの振動は、同相のままである。回転するウェイトの好ましい距離は、金属プレートから、約0.50~8インチ、約1~7インチ、または約2~6インチの範囲である。
【0117】
偏心ウェイトの回転速度は、典型的には、約100rpm~約4000rpmである。振動モータは、回転軸に取り付けられた偏心ウェイトが、セメント系スラリーと接触する金属プレート面に対して平行な面内で回転するように使用するために装着される。
【0118】
振動モータ105は、典型的には、電気的に駆動されるが、空気圧式またはガス動力式の機械デバイスである可能性もある。振動は、典型的には、偏心ウェイトが取り付けられた回転シャフトの急速な円運動から生じる。ウェイトの偏心が、振動の振幅を調節し、1分当たりの回転数が、振動の周波数を調節し、ウェイトの大きさが、モータに必要な電力および振動の強さを調節する。
【0119】
角度の付いた剛性プレートアセンブリの後壁の上面に装着された振動器は、繊維補強セメント系パネルの形成面に対して平行な平面に振動を与える。繊維補強セメント系パネルの形成面に対して垂直な平面に与えられた振動は、最適な結果をもたらさないことが見出されている。
【0120】
さらに、角度の付いた剛性プレートアセンブリの振動の周波数、振幅、およびモードは、振動コントローラを使用して制御される。この振動コントローラは、電動式または空気圧式のいずれかであり得る。電気振動器を使用するとき、剛性プレートアセンブリの振動の範囲およびモードは、振動器アセンブリ内部の偏心回転ウェイトのRPMを変更することによって効果的に制御される。適用される振動のタイプおよび量は、繊維補強スラリーのレオロジー特性、およびパネルを形成するために用いられているスラリー層の厚さに基づいて、合わせられる。
【0121】
非常に意外なことに、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外縁が、形成されるパネルの上面の下に位置するとき、パネル幅にわたってより均一なパネル表面プロファイルが取得されることが見出されている。したがって、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外縁は、形成されるパネルの上面から約0.01インチ~0.25インチ下に位置する。例えば、所望のパネル厚が0.75インチである場合、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外縁は、パネルの底部流延面から約0.55インチ~0.74インチ、換言すると、パネルの流延面が進行する、移動ウェブから約0.55インチ~0.74インチに位置する。好ましくは、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外縁は、形成されるパネルの上面から約0.02インチ~0.15インチ下に位置する。より好ましくは、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外縁は、形成されるパネルの上面から約0.03インチ~0.10インチ下に位置する。剛性プレートアセンブリを目標のパネル厚より下に設定しても、形成されたパネルの実際の厚さを低減させる効果を有さないということは予想外の発見である。
【0122】
H.追加の層を適用する
所望の厚さの繊維補強コンクリート(FRC)パネル(構造用セメント系パネル)を構築するために、追加の層が、典型的には追加される。その目的のために、供給機44と実質的に同一である第2のスラリー供給機78が、可動キャリア14と動作的に関係して提供され、既存の層77上にスラリー46の追加の層80を堆積させるために配設される。
【0123】
次に、細断器36および66と実質的に同一である追加の細断器82が、フレーム12と動作的に関係して提供されて、ラック31と同様の方式で、フレーム12に対して構築および配設されたラック(図示せず)から提供された繊維68の第3の層を堆積させる。繊維68は、スラリー層80上に堆積され、第2の埋め込みデバイス86を使用して埋め込まれる。埋め込みデバイス70と同様の構造および配置で、第2の埋め込みデバイス86は、第1の層77を阻害しないように、可動キャリアウェブ14に対してわずかに高く装着される。このようにして、スラリーおよび埋め込まれた繊維の第2の層80が、作成される。
【0124】
ここで図1および図6を参照すると、硬化性スラリーおよび繊維の各連続層とともに、追加のスラリー供給機ステーション78、続いて繊維細断器82および埋め込みデバイス86が、生産ライン10上に提供される。好ましくは、4つの合計層77、80、88、90が、SCPパネル92を形成するために提供される。明瞭化のために、追加のスラリー供給機ステーション78を供給するための追加の混合器が使用され得るが、必須ではない。それらは図には示されていない。
【0125】
本発明の重要な特徴は、パネル92が、複数の層77、80、88、90を有し、これらが硬化すると、一体の繊維補強塊を形成することである。各層における繊維の存在および設置が、本明細書に開示および記載される特定の所望のパラメータによって制御および維持される場合、本プロセスによって生産されたパネル92を剥離することは事実上不可能である。
【0126】
I.形成および平滑化および切断
上で説明されるように繊維を埋め込んだ硬化性スラリーの4つの層を堆積させる。所望の場合、角度の付いたプレート95を有する別の厚さ制御デバイス93を、最後の埋め込みデバイス86の下流の平滑化デバイスとして提供することができる。
【0127】
パネル92の層が厚さ制御デバイス93によって平滑化された後、それらは硬化し始める。層が硬化されると、それぞれのパネル92は、典型的には、鋸またはウォータージェット切断機である、切断デバイス98によって互いに分離される。可動ブレードを含む、他の切断デバイスは、現在のパネル構成で好適に鋭い縁部を作成することができるという条件で、この操作に好適であるとみなされる。切断デバイス54は、示されていないパネルが所望の長さを有して生産されるように、生産ライン10およびフレーム12に対して配設される。キャリア14の速度が比較的遅いので、切断デバイスは、キャリア14の進行方向に対して垂直に切断するように装着され得る。より速い生産速度の場合、そのような切断デバイスは、ウェブの進行方向に対してある角度で生産ライン10に装着されることが知られている。切断時、分離されたパネルは、当技術分野でよく知られているような、さらなる取り扱い、包装、貯蔵、および/または出荷のために積層される。
【0128】
生産ライン10は、少なくとも4つの層77、80、88、および90を生産するために十分な繊維細断ステーション36、66、82、スラリー供給機ステーション44、78、および埋め込みデバイス70、86を含む(図6)。追加の層は、生産ライン10に関連して上で説明されたようにステーションの繰り返しによって作り出されてもよい。
【0129】
FRCパネル92の作成時に、パネルの下側102または下面は、形成デバイス94によって係合された後であっても、上部側面または上面96よりも平滑化され得る。いくつかの場合では、パネル92の用途によっては、平滑な面および比較的粗い面を有することが好ましい場合がある。しかしながら、他の用途では、両方の面96、102が平滑であるパネルを有することが望ましい場合がある。平滑なテクスチャは、スラリーが平滑なキャリア14またはキャリアウェブ26と接触することによって生成される。
【0130】
本発明の他の特徴は、得られるFRCパネル92が、繊維34、68がパネル全体に均一に分布するように構築されていることである。これは、繊維の使用が比較的少なく、より効率的である、比較的強いパネルの生産を可能にすることが見出されている。各層中、スラリーの体積に対する繊維の体積分率は、好ましくは、スラリー層77、80、88、90のおよそ1体積%~5体積%、好ましくは、1.5体積%~3体積%の範囲内で構成する。所望の場合、外層77、90は、内層80、88のいずれかまたは両方よりも高い体積分率を有し得る。
【0131】
複数の別個の繊維層を使用する本発明では、パネル繊維体積分率、Vは、例えば、1~5%の各スラリー層における繊維体積含有率のパーセンテージであることが所望される。別個のスラリー層の好ましい厚さ≦0.35インチ。別個のスラリー層のより好ましい厚さ≦0.30インチ。別個のスラリー層の最も好ましい厚さ≦0.25インチ。好ましい繊維ストランド直径≧30tex。最も好ましい繊維ストランド直径≧70tex。
【0132】
好適な層の厚さは、約0.05インチ~0.35インチ(0.13~0.9cm)の範囲である。例えば、公称3/4インチ(1.9cm)の厚さの構造用パネルを製造するために、本プロセスによって生産される好ましい構造用パネルにおいて、およそ0.25インチ(0.64cm)未満の特に好ましいスラリー層の厚さを有する4つの層が好ましい。
【0133】
所望の場合、各埋め込みロール48および/またはヘッドボックス78の後に角度の付いたプレート95を有する、別の厚さ制御デバイス93が存在する可能性がある。
【0134】
III.生産ラインの第2のバージョン
スラリー46全体に分布された緩い繊維の体積分率を組み込むことは、所望のパネル強度を取得するための重要な要因である。それゆえ、かかる繊維を組み込む際の改善された効率が、望ましい。図1図6に図示されるシステムは、一部の場合において、十分な繊維体積分率を有するFRCパネルを取得するために過剰な数のスラリー層を必要とすると考えられている。
【0135】
したがって、スラリー層当たり比較的大量の繊維を組み込む高性能の繊維補強FRCパネルを生産するために代替的なFRCパネル生産ラインまたはシステムが、図7に例解され、概して130と指定される。多くの場合、パネル当たり増加した繊維レベルがこのシステムを使用して取得される。図1図6のシステムは、初期の層の後に堆積されるスラリーの後続の各別個の層に繊維の単一の別個の層を堆積させることを開示しているが、生産ライン130は、各別個のスラリー層内に複数の別個の補強繊維層を構築して、所望のパネル厚を取得する方法を含む。最も好ましくは、開示されたシステムは、単一の動作で、少なくとも2つの別個の補強繊維の層を、スラリーの個々の別個の層に埋め込む。別個の補強繊維は、好適な繊維埋め込みデバイスを使用して、スラリーの別個の層に埋め込まれる。
【0136】
より具体的には、図7に見られるように、本システム130の繊維30、68の複数の層をスラリー46の各層に対して実装するために、追加の細断ステーション142が、埋め込みデバイス136と後続のスラリー供給機ボックス78との間に提供され、その結果、スラリー46の各層について、繊維30、68は、スラリーの堆積の前および後に堆積される。この改善により、スラリーへの著しく多い繊維の導入を可能にし、したがって、結果として得られるSCPパネルの強度が増加することが見出されている。好ましくは、3つの層のみが示されているが、SCPパネル92を形成するために、組み合わされたスラリーおよび繊維の合計4つの層が提供される。
【0137】
IV.ヘッドボックスから繊維含有スラリーを堆積させて、単層のスラリーからFRCパネルを作製する生産ラインの第3のバージョン
本発明の厚さ制御デバイスはまた、可動キャリアウェブ上でスラリーに繊維を加えるのではなく、繊維が、可動キャリアウェブの上流のスラリーと混合されて、繊維含有セメント系スラリーを形成する、繊維補強セメント系(FRC)パネルを作製するためのプロセスに適用することができる。次いで、この繊維含有セメント系スラリーが、ヘッドボックスに供給され、次いで、ヘッドボックスによって可動キャリアウェブ上に堆積される。
【0138】
A.パネル生産
図8は、例えば、繊維補強コンクリート(FRC)パネルを生産するためのセメント系パネルを生産する、概して310と指定された、生産ラインを概略的に示す。生産ライン310は、複数の脚部313または他の支持体を有する支持フレームまたは形成テーブル312を含む。支持フレーム312上に含められるものは、平滑で水を通さない表面を有する継ぎ目のないゴム様コンベアベルトなどであるが、ウェブなどの多孔質表面も想定される、可動キャリア314である。当技術分野でよく知られているように、支持フレーム312は、指定された脚部313または他の支持構造を含むことができる、少なくとも1つのテーブル様のセグメントから作製することができる。支持フレーム312はまた、フレームの遠位端部318における主駆動ロール316、およびフレームの近位端部322におけるアイドラロール320を含む。また、少なくとも1つのベルトトラッキングおよび/または張力調整デバイス324は、典型的には、ロール316、320に対するキャリア314の所望の張力および位置決めを維持するために提供される。このバージョンでは、可動キャリアが近位端部322から遠位端部318まで方向「T」に前進する際に、セメント系パネルが連続的に生産される。
【0139】
このバージョンでは、硬化前にスラリーを支持するためのクラフト紙、剥離紙、ポリマーフィルム、プラスチックキャリア、または不織布繊維のウェブ326が提供され、キャリアベルト314上に置かれて、スラリーを保護し、および/またはスラリーを清潔に保つことができる。しかしながら、連続ウェブ326ではなく、例えば、ポリマープラスチックのシートなど、比較的剛性材料の個々のシート(図示せず)が、キャリア314の上に設置され得ることもまた想定される。これらのキャリアフィルムまたはシートは、ラインの端で、生産されたパネルから取り除かれ得るか、またはそれらは、全体的な複合設計の一部としてのパネル内の恒久的な特徴として組み込まれ得る。これらのフィルムまたはシートが恒久的な特徴としてパネルに組み込まれるときには、向上した美しさ、強化された引張強度および曲げ強度、強化された耐衝撃性および耐爆風性、水および水蒸気の透過に対する耐性等の強化された環境耐久性、耐凍結融解性、耐塩化性、ならびに耐薬品性を含む、強化した属性を提供することができる。
【0140】
生産ライン310は、角度の付いたプレート95を有する厚さ制御デバイス93を用い、その詳細は上に記載されている。
【0141】
図8は、形成テーブル312、キャリアベルト314、およびキャリアウェブ326、ならびに任意選択的な底部支持プレート46Aを示す。生産ライン310は、繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で角度の付いた剛性プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成された、角度の付いた剛性プレートの下にある平坦な剛性支持床を提供する。
【0142】
平坦な剛性支持床は、剛性の水平上部形成プレート446の下を通過するフェーサで覆われた繊維含有スラリーの下向きの力に対抗するために提供され、例えば、以下のいずれかであり得る。
【0143】
十分に剛性である場合、形成テーブル312、
キャリアベルト314の下に提供された、剛性底部形成プレート46Aによってさらに支持された形成テーブル312、
キャリアウェブ326の下またはキャリアウェブ326の代わりにキャリアベルト314上で使用される剛性パネル、
継ぎ目のないベルト314が、十分に剛性であるローラによって支持され得るか、または
形成テーブル312内に破断部がある可能性があり、剛性下部形成プレート46Aが、上部形成プレート446の下の継ぎ目のないベルトの部分の真下の破断部に設置される。
【0144】
上述のように、連続キャリアウェブ326ではなく、例えば、ポリマープラスチックのシートなど、比較的剛性材料の個々のシート(図示せず)が、キャリア314上で設置され得ることもまた想定される。これらはまた、平坦で、剛性の支持床を提供することができる。
【0145】
このバージョンでは、ロービング、不織布繊維のウェブ、またはガラス繊維スクリムなどの補強スクリムのウェブなどの連続補強材344が、結果として得られるセメント系パネルを硬化および補強する前に、スラリー内に埋め込むために提供され得る。ロール342からの連続ロービング、不織布繊維のウェブ、および/または補強スクリム344が、ヘッドボックス340を通して供給されて、キャリア314上のスラリー上に置かれる。しかしながら、連続補強材344は、ヘッドボックス340の後に用いられるか、またはまったく用いられないこともまた想定される。
【0146】
連続スクリムまたはロービングは、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどのポリマー材料、炭素、黒鉛、アラミド、セラミック、鋼、ジュートまたはサイザルなどのセルロース系または天然繊維、またはこれらの組み合わせを含む、異なる補強繊維材料から作製され得る。ロービングは、連続強化モノフィラメントのアセンブリッジである。スクリムは、機械方向および横断方向に延びる連続繊維のウェブである。補強材はまた、別個の強化繊維で作られた不織ウェブとして提供されてもよい。所望される場合、底部連続補強材が、ヘッドボックス340の後ろに供給され、それを搬送/形成ベルトの上部の上に直接載せる。底部連続補強材は、ヘッドボックスの下を通過し、ヘッドボックス340内のスラリーは、連続補強材が前方に移動する際に、その上部の上に直接注入される。例えば、連続補強材は、ウェブ326の上方に連続補強材を置くためのウェブ326を提供することに加えて、ヘッドボックスの上流にウェブまたはロール(図示せず)によって提供することができる。
【0147】
また、本ライン10によって生産されるセメント系パネルは、直接キャリア314上で形成されることも想定される。この後者の状態においては、少なくとも1つのベルト洗いユニット328が提供される。キャリア314は、当技術分野で既知であるように、主駆動ロール316を駆動するモータ、プーリ、ベルトまたはチェーンの組み合わせによって支持フレーム312に沿って移動する。キャリア314の速度を、作製されている製品に合うように変動させることが想定される。
【0148】
本生産ライン310は、連続スラリー混合器302を含む。スラリー混合器は、シングルシャフト混合器またはデュアルシャフト混合器であり得る。乾燥粉体供給機304は、補強繊維を除いて、セメント系組成物の乾燥成分をスラリー混合器302に供給する。液体ポンプ306は、液体または水溶性添加剤とともに、水などの水性媒体を、スラリー混合器302に供給する。スラリー混合器302は、乾燥成分と水性媒体とを混合して、セメント系スラリー331を形成する。セメント系スラリー331は、スラリーを繊維スラリー混合器332にポンプ圧送する、第1のスラリーアキュムレータおよび容積式ポンプ330へ供給される。繊維供給機334は、繊維335を繊維スラリー混合器332に供給する。それゆえ、繊維スラリー混合器332において、繊維およびスラリーが混合されて、繊維スラリー混合物336を形成する。繊維スラリー混合物336は、繊維スラリー混合物336をヘッドボックス340にポンプ圧送する、第2のスラリーアキュムレータおよび容積式ポンプ338に供給される。
【0149】
ヘッドボックス340は、繊維スラリー混合物346を、剥離紙(存在する場合)のウェブ326、または存在する場合、可動キャリア314上で進行する、ロービングおよび/またはスクリムロール342によって提供される連続補強材344上に堆積させる。繊維スラリー混合物346を水平にすることを支援するために、形成振動プレート350が、ヘッドボックス340が繊維スラリー混合物346を堆積させる場所の下に、またはわずかに下流に提供され得る。
【0150】
ヘッドボックス340は、繊維スラリー混合物を、繊維補強セメントパネルを生産するためのパネル生産ラインの可動表面上で、厚さ0.125~2インチ、好ましくは厚さ0.25~1インチ、典型的には厚さ0.40~0.75インチの層として均一に、セメント系パネル生産ラインの可動表面上の層として堆積させる。繊維スラリー混合物は、20RPM速度で作動するSpindle HA4アタッチメントを備えるBrookfield Viscometer、Model DV-II+Proを使用して、測定したときに、45000センチポアズ未満、好ましくは、30000センチポアズ未満、より好ましくは、15000センチポアズ未満、および最も好ましくは10000センチポアズ未満の粘度を有する。典型的には、結果として生じる繊維スラリー混合物は、少なくとも1500センチポアズの粘度を有する。
【0151】
結果として生じる繊維スラリー混合物はまた、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用するスランプ試験に従って、スランプを有し、これは4~11インチである。繊維スラリー混合物は、典型的には、スラリー混合物の組成物が極めて高い粘度を有することに依存する、押出製造プロセスには好適ではない。本明細書で使用されるスランプ試験は、平滑なプラスチック表面上に1つの開放端部が載る状態で垂直に保持された、約5.08cm(2インチ)直径および約10.16cm(4インチ)長さの中空シリンダを利用する。円筒は、セメント質混合物を頂部まで充填し、続いて、上面を叩いて、余分なスラリー混合物を除去する。次いで、円筒を緩やかに縦方向に持ち上げて、スラリーが底部から出て、プラスチック表面に広がり、円形のパテを形成させる。次いで、パテの直径を測定し、材料のスランプとして記録する。本明細書で使用される場合、良好な流動挙動を有する組成物は、より大きいスランプ値をもたらす。
【0152】
ヘッドボックス340は、キャリアウェブ314の進行方向「T」に対して横方向に配設される。繊維スラリー混合物346は、ヘッドボックス340の空洞内に堆積され、可動キャリアウェブ326上への排出開口部を通って可動キャリアウェブ326(またはコンベヤベルト314)上に排出される。
【0153】
繊維補強セメントスラリーは、ホースおよびホース振動子システムを通してヘッドボックス340にポンプ圧送され得るか、または繊維スラリー混合器332から直接ヘッドボックス340に落とされてもよい。振動子システムは、いずれの場合においても、スラリーを撹拌するために使用される。ヘッドボックス340を使用して形成される生産物の厚さは、ヘッドボックス340内のスラリー流量、ヘッドボックス340内のスラリーヘッドの上昇量、および所与のライン速度に対するヘッドボックス排出開口部の間隙によって制御される。好ましくは、ライン速度は、毎分1~100フィート、より好ましくは、毎分5~50フィートである。当業者が理解するように、毎分100フィートを上回る他の速度もまた想定される。ヘッドボックス340のスラリーチャンバのサイズ(体積)は、ライン速度および生産されている生産物の厚さに基づいて調整される。好ましくは、スラリーは、毎分約0.10~25立方フィートの速度でヘッドボックス内に堆積される。
【0154】
ヘッドボックス340の排出開口部の間隙は、繊維スラリー混合物がヘッドボックス40から可動キャリアウェブ326上にそれを通って排出する、横方向開口部である。ヘッドボックスからの繊維スラリー混合物は、最終パネル355の所望の厚さおよび仕上げに近い1つの工程において、可動キャリアウェブ326の上へ堆積される。
【0155】
ヘッドボックス厚さ制御デバイス93の下流は、堆積された繊維含有スラリー346の厚さを制御するために提供される。それは、図1の多層プロセスおよび装置のためのヘッドボックス厚さ制御デバイス93について上で説明したような、同じ部品および動作を有する。
【0156】
ヘッドボックス厚さ制御デバイス93の角度の付いたプレート95によって提供される振動に加えて、形成を改善するために追加の振動を追加することができ、形成された生産物の曲げ強度を改善するために、スクリムおよびロービングなどの異なる形態の連続補強材が、追加されてもよい。例えば、振動ユニット350は、コンベアベルト314の下のヘッドボックス340を下回り位置付けられ得る。振動ユニット350は、典型的には、毎分500~3000サイクル、好ましくは、毎分1000~2000サイクルの速度で振動する。振動ユニット350は、典型的には、繊維セメントスラリーの堆積させたマットに直接力を方向付け、かつ他方向では相殺する、テーブル、ばね、および2つのモータの単一の質量システムである。このユニット350は、ヘッドボックス340の下に設置され、ヘッドボックス340を越えて約3~6インチ延在する。
【0157】
スラリー346は、可動キャリア326に沿って進行する際に硬化する。支持フレーム312の遠位端部318で、切断機354が、硬化したスラリーをFRCパネル355に切断する。次いで、FRCパネル(ボード)355を、荷降ろしおよび硬化ラック(図示せず)上に設置され、硬化させる。
【0158】
図8には示されていないが、生産ライン310は、縁部形成および漏れ防止デバイスを用いる。これらは、縁部ベルト、縁部レールである(単独または組み合わせて使用される)。
【0159】
繊維スラリー混合器332から排出される繊維スラリー混合物336は、繊維補強セメント(FRC)構築パネルまたはボード355を作製することに好適である。
【0160】
繊維スラリー混合器332から排出された繊維スラリー混合物が、高さ4インチ、直径2インチのパイプを使用するスランプ試験に従って測定した際、4~11インチ、好ましくは、6~10インチのスランプと、20RPM速度で作動するSpindle HA4アタッチメントを備えるBrookfield Viscometer、Model DV-II+Proを使用して測定したときに、45000センチポアズ未満、好ましくは、30000センチポアズ未満、より好ましくは、15000センチポアズ未満、および最も好ましくは10000センチポアズ未満の粘度と、を有する。典型的には、結果として生じる繊維スラリー混合物は、少なくとも1500センチポアズの粘度を有する。結果として生じる繊維スラリー混合物はまた、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用するスランプ試験に従って、4~11インチのスランプも有する。結果として生じる繊維スラリー混合物は、典型的には、スラリー混合物の組成物が極めて高い粘度を有することに依存する、押出製造プロセスには好適ではない。結果として生じる繊維スラリー混合物は、繊維スラリー混合物が水平繊維スラリー混合器から排出されることを可能にし、繊維補強セメントパネルを生産するためのパネル生産ラインの可動表面上で、厚さ0.25~2.00インチ、好ましくは、厚さ0.25~1インチ、より好ましくは、厚さ0.4~0.8インチ、典型的には厚さ0.5~0.75インチの層として均一にパネル生産ラインの可動表面上に連続層として堆積させることに好適である、稠度を有する、均一な繊維スラリー混合物である。
【0161】
このヘッドボックスを通して処理される好ましいレオロジー特性を有する好ましい繊維スラリー混合物は、高速ライン速度で稼働する連続形成ライン上でのパネル生産物のさらなる処理および形成を容易にする、稠度を有する有効なスラリーとして有益に利用することができる。
【0162】
単層プロセスのヘッドボックスで使用するために好ましい繊維スラリー混合物は、押出プロセスで使用されるセメント系混合物と区別する。かかる押出プロセスにおいて使用されたセメント系混合物は、高さ4インチおよび直径2インチのパイプを使用するスランプ試験に従って測定した際、2~3インチのスランプを有し、ならびに50000センチポアズ超、より典型的には、100000センチポアズ超、および最も典型的には、200000センチポアズ超の粘度を有する。押し出し混合物はまた、本発明の繊維-スラリー混合物中に存在する可塑剤および超可塑剤を含まない。上述のように、可塑剤は、一般に製紙工業からの副産物であるリグノスルホネートから製造される。超可塑剤は、概して、スルホン化ナフタレン縮合物もしくはスルホン化メラミンホルムアルデヒドから、またはポリカルボキシルエーテルに基づいて製造されている。
【0163】
B.単層プロセスのためのスラリー混合器
スラリー混合器302として、様々な連続混合器またはバッチ混合器のいずれもが用いられ得る。例えば、参照により組み込まれる、ICRI Guideline No.320.5R-2014、Technical Guidelines、Pictorial Atlas of Concrete Repair Equipment、International Concrete Repair Institute,May 2014が、セメント系スラリー303を調製するために本発明において使用することができる。これらには、水平シャフト混合器、タンブルモルタル混合器、回転ドラム固定混合器、パンタイプ混合器、回転タブ回転パドル混合器、遊星パドル混合器、水平シャフト混合器とポンプの組み合わせ、および垂直シャフト混合器とポンプの組み合わせが挙げられる。水平シャフト混合器とポンプの組み合わせおよび垂直シャフト混合器とポンプの組み合わせは、連続混合器である。
【0164】
連続スラリー混合器はまた、連続的な様式でスラリーを調整するために使用され得る。Iphofen,Germanyに本拠を置くPFT GMBH and Co. KGによって製造された市販の連続混合器が好適である。これらの連続混合器は、適用の点まで連続な様式でスラリーを混合し、ならびにポンプ圧送する機能を有する。これらの混合器は、高速で回転するケージ撹拌機を使用して、すべての固体乾燥材料が水を含む液体添加剤とともに配合される混合チャンバを有する。標準動作モードでは、配合されたセメント系スラリーは、連続的に混合チャンバを出て、進行性空洞ポンプ(ロータステータタイプのポンプ)によって適用の点まで前方にポンプ圧送される。本発明の好ましいPFT混合器モデルには、PFT Mixing Pump G4、PFT Mixing Pump G5、PFT MONOJET 2.13、PFT Mixing Pump T2E、PFT Mixing Pump MS1およびMS2が挙げられる。加えて、参照により組み込まれる、Georgeらの米国特許第7,513,963B2号に開示される連続スラリー混合器もまた、本発明において使用され得る。
【0165】
例えば、連続スラリー混合器302は、シングルシャフト混合器またはデュアルシャフト水平混合器であり得る。水平という用語は、混合器で使用されるとき、略水平を意味する。それゆえ、水平からプラスまたはマイナス20度の変動で配向された混合器が、依然として水平混合器とみなされ得る。
【0166】
C.単層プロセスのための水平繊維スラリー連続混合器
本発明の繊維スラリー連続混合器は、好ましくは、連続水平混合器である。この一例は、参照により本明細書に組み込まれる、Dubeyらの米国公開特許出願第2018/0036912号によって開示される。
【0167】
セメント系スラリーおよび繊維は、水平繊維スラリー混合器の混合チャンバ内で、約5~約240秒、好ましくは、10~180秒、より好ましくは、10~120秒、最も好ましくは、10~60秒の平均混合滞留時間にわたって混合され、一方で回転パドルは、繊維スラリー混合物にせん断力を適用し、中央回転シャフトは、混合中、30~450RPM、より好ましくは、40~300RPM、および最も好ましくは、50~250RPMで回転する。
【0168】
各水平シャフトは、混合器が動作中であるとき、シャフトの回転を実現するために、例えば、電気、燃料ガス、ガソリン、または他の炭化水素によって動力を供給される、駆動機構および駆動モータに外部接続される。典型的には、電気モータおよび駆動機構は、混合チャンバ内のシャフトを駆動することになる。
【0169】
D.連続混合器のための入口ポート
繊維スラリー混合器の原材料入口ポート(入口導管)のサイズ、場所、および配向は、原材料の繊維スラリー混合器への導入を容易にし、かつ混合器内でスラリー混合物がポートをブロックする可能性を最小限に抑えるように構成される。
【0170】
スラリー混合器からのセメント系スラリーは、好ましくは、スラリーホースを使用して繊維スラリー混合器に搬送され、スラリーホースを受け入れるための入口ポート設定を通して繊維スラリー混合器に導入される。
【0171】
繊維は、ねじ供給機または振動供給機などの様々な計量機器を使用して、重力測定的または容積測定的に繊維スラリー混合器へ導入することができる。繊維は、様々な搬送デバイスによって繊維供給機から繊維スラリー混合器まで搬送することができる。例えば、繊維は、スクリュー(オーガ)、空気搬送、単純な重力堆積を使用して移送することができる。別個の繊維または細断繊維は、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどのポリマー材料、炭素、黒鉛、アラミド、セラミック、鋼、ジュートまたはサイザルなどのセルロース系または天然繊維、またはこれらの組み合わせを含む、異なる補強繊維材料から作製され得る。繊維の長は、約2インチ以下、より好ましくは、1.5インチ以下である。
【0172】
E.単層プロセスのための形成および切断
上で説明されたように、繊維が埋め込まれた硬化性スラリーの層を配設すると、フレーム312は、ベルト314上を進行する硬化スラリー繊維混合物346の上面を成形するために提供された、形成デバイスを有し得る。
【0173】
所望の場合、追加の厚さ制御デバイス93(図示せず)が、図8に示される厚さ制御デバイス93の下流に提供され得る。
【0174】
1つ以上の厚さ制御デバイス93の後、スラリーの層は、硬化し始め、それぞれのパネル355は、典型的にはウォータージェット切断機またはフライングソーである、切断デバイス354によって互いに分離される。切断デバイス354は、パネルが所望の長さを有して生産されるように、ライン310およびフレーム312に対して配設される。キャリアウェブ14の速度が比較的遅いときに、切断デバイス354は、ウェブ314の進行方向に対して垂直に切断するように装着され得る。より速い生産速度の場合、そのような切断デバイスは、ウェブの進行方向に対してある角度で生産ライン310に装着されることが知られている。切断時、分離されたパネル355は、当技術分野でよく知られているような、さらなる取り扱い、包装、貯蔵、および/または出荷のために積層される。
【0175】
本発明の他の特徴は、結果として得られるセメント系パネル、例えば、繊維補強コンクリート(FRC)パネル55が、繊維335がパネル全体に均一に分布するように構築されることである。これは、繊維の使用が比較的少なく、より効率的である、比較的強いパネルの生産を可能にすることが見出されている。各層中、スラリーの体積に対する繊維の体積分率は、好ましくは、繊維スラリー混合物46のおよそ1体積%~5体積%、好ましくは、1.5体積%~3体積%の範囲内で構成する。
【0176】
本明細書の図において示される同様の番号の要素は、特に明記しない限り、同じであると想定される。
【0177】
水平固定形成プレート用いる厚さ制御デバイスを有する生産ラインおよび方法
V.多層FRCパネルを作製するために繊維およびスラリーの別個の層を堆積させる生産ラインの第4のバージョン
図9は、本発明のFRCパネル生産ライン410の第4のバージョンの立面図であり、これは、フェーサ444を適用し、かつ固定水平形成プレート446を用いるように修正された角度の付いたプレート95を有する、角度の付いたプレート平滑化デバイス93を備える、図1の生産ラインである。
【0178】
可動キャリアウェブの上方の固定水平形成プレート446の高さは、例えば、ジャックねじによって、または例えば、サーボ制御付き線形アクチュエータによって調整可能である。
【0179】
FRCパネル生産ライン410において、第1の層77は、可動キャリアウェブ26上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネル層の第1の層77の厚さを制御するための本発明の厚さ制御デバイス93と接触する。厚さ制御デバイス93は、角度の付いた剛性プレート95と、可動キャリアウェブ26のための支持フレームまたは形成テーブル12上に角度の付いた剛性プレート95を装着するためのU形状装着スタンド97と、を備える。
【0180】
次いで、厚さ制御デバイス93の下流で、ロール442からのフェーサシート444が、進行する繊維含有スラリーの表面77上に適用される。次いで、フェーサで覆われたスラリー層は、支持体448によって定位置に保持された、固定水平形成プレート446の下を通過する。
【0181】
それゆえ、本発明は、形成面および剛性の水平上部形成プレートの幅にわたって設置されたガラスマットなどのフェーサを使用して、繊維補強セメント系パネルの形成中の厚さの変動を低減する、FRCパネル生産ラインおよびFRCパネル生産のための方法を提供する。新規の発明では、ガラスマットなどのフェーサが、形成プロセス中に構造用パネルの片面または両面に適用される。次いで、水平に配向された、剛性の水平上部形成プレート446は、構造用パネルのガラス/セメントスラリーを所望の厚さに形成するために使用される。形成プレート446全体の位置は、形成プレートの下面とその下の可動キャリアウェブとの間に固定された間隙を提供するために固定される。それゆえ、それは「浮遊」プレートではない。その水平配向に起因して、形成プレート446の下部全体は、上で説明された角度の付いた剛性プレート95内のように下流端部だけでなく、形成プレートの下を通過する際に形成されるパネルの表面に接触する。このプロセスは、厚さの変動が少ないパネルを生産し、次いで、パネルが、0.72インチを下回る局所的なかすれのない、例えば、0.80インチの低減された平均厚さで形成されることを可能にする。最も好ましくは、トップフェーサ444と連動して使用されるときに、固定水平形成プレート446は、所望の厚さを有するパネルの形成を可能にし、その結果、パネル厚を目標のパネル厚まで下げるための表面研磨などの仕上げ動作の必要がない。それゆえ、同じ完成品を作製しながら、より少ない原材料の使用が可能である。廃棄物処理コストの低減、ならびに機器の摩耗の低減、製造速度の増加などの項目から追加の削減が可能である。前述のように、本発明では、1つまたは2つの面が使用され得る。さらに、1つ以上のフェーサは、一時的であり得、その結果、フェーサは、仕上げ動作の前もしくは最中に除去されるか、またはフェーサが、完成品上に残る可能性もある。
【0182】
固定水平形成プレート446は、固定水平形成プレート446の下面が上部フェーサ444に接触する高さに設置される。典型的には、動作中、固定水平形成プレート446は、固定水平形成プレート446の下面を、FRCパネルの目標の厚さよりも、高さが0.001~0.05インチ、例えば、0.01~0.03インチ低く、または高く位置付けるように設置される。例えば、0.75インチのFRCパネルの場合、固定水平形成プレート446の高さは、0.73インチまたは0.77インチに設定され得る。最も好ましくは、固定水平形成プレート446は、固定水平形成プレート446の下面を、目標のパネル厚と同じ高さで位置付けるように設置される。例えば、所望されるパネル厚が0.75インチの場合、固定水平形成プレートの高さは、0.75インチに設定される。
【0183】
図9に見られるように、本発明は、上で説明された角度の付いたプレート95、および形成面および固定水平形成プレート446の幅にわたって設置されたガラスマットなどのフェーサ444の使用で、繊維補強セメント系パネルの形成中の厚さの変動を低減する、FRCパネル生産ラインおよびFRCパネル生産のための方法を提供し得る。かかるFRCパネル生産ラインおよび方法は、繊維含有スラリーを上で説明した角度の付いたプレート95と接触させ、次いで、形成プロセス中にガラスマットなどのフェーサ444を構造用パネルの上面に適用し、次いで剛性水平上部形成プレート446の下にフェーサで覆われた繊維含有スラリーを走らせる。
【0184】
固定水平形成プレート446およびフェーサ444を使用するパネル形成プロセス中に目標のパネル厚を達成するために、スラリーのヘッドは、固定水平形成プレート446のすぐ後ろに連続的に維持される。このスラリーのヘッドは、固定水平形成プレート446に接近するFRCスラリーの連続的で実質的に平坦なリボンの上、および上方にある。固定水平形成プレート446の後ろにこの過剰なスラリーが存在することにより、固定水平形成プレート446を出るFRCスラリーが適切な体積および厚さを有することを確実とする。固定水平形成プレート446の後ろにスラリーヘッドがない場合、固定水平形成プレート446の後ろで発生するスラリー体積のいずれかの減少および/または変動は、目標のパネル厚よりも低い厚さを有するパネルの形成をもたらす可能性がある。固定水平形成プレート446の後ろの連続的なスラリーヘッドは、スラリーを形成ラインに供給する1つ以上のスラリーポンプの体積出力を調整することによって維持される。任意選択的に、固定水平形成プレート446のすぐ後ろにスラリーを直接供給する、別のスラリーポンプが提供される可能性がある。固定水平形成プレート446のすぐ後ろのスラリーヘッドの体積は、セメント系スラリーを供給する工業用ポンプで典型的に観察されるスラリーポンプ供給速度における、任意の通常変動に対抗するのに十分である。固定水平形成プレート446の後ろに必要なスラリーヘッドの実際の体積は、生産ライン速度、生産ライン上のスラリー供給装置44と固定水平形成プレート446との間の距離、および固定水平形成プレート446の後ろおよび周囲のスラリーの漏れおよびオーバーフローを制御するためのプロセスの能力を含む、いくつかの要因に依存する。好ましくは、スラリーヘッドのサイズおよび体積は、固定水平形成プレート446の後ろのパネル幅にわたって均一である。固定水平形成プレート446の後ろで機械方向に延在するスラリーヘッドの長さは、好ましくは、1インチ~30インチ、より好ましくは、2インチ~24インチ、および最も好ましくは、3インチ~18インチである。4インチ~12インチなどのより小さい長さのスラリーヘッドが好ましいのは、スラリーの剛化および硬化が、時期尚早に発生し、固定水平形成プレート446下を通過する際、繊維含有スラリーの均一な形成に問題を引き起こす可能性がある、スラリーヘッド内の静的ゾーンを最小限に抑えるためである。
【0185】
固定水平形成プレート446の後ろのスラリーヘッドの連続的な保守を容易にするために、最後のスラリー供給装置44と固定水平形成プレート446との間の距離は、最小限に抑えられるべきである。生産ライン上の最後のスラリー供給装置44と固定水平形成プレート446との間の距離は、好ましくは、100フィート未満、より好ましくは、50フィート未満、最も好ましくは、25フィート未満、例えば、10フィート未満である。
【0186】
しかしながら、水平形成プレート446が本発明の生産ラインおよび方法で用いられるとき、上で説明した角度の付いたプレート95の使用は任意選択的である。
【0187】
同様に、上で説明した角度の付いたプレート95が本発明の生産ラインおよび方法において用いられるとき、水平形成プレート446の使用は任意選択的である。
【0188】
生産ラインおよび方法は、任意選択的に、形成プロセス中にスラリーヘッドボックスの上流の構造用パネルの下面に、ガラスマットなどのフェーサを適用してもよい。
【0189】
本発明の好ましい実施形態では、「スラリー封じ込めデバイス」とも呼ばれるサイドワイパ500が、形成プレート446の各側面に設置される。ワイパ500は、当業者が理解するように、形成プレート装着フレーム377または生産ラインの他の構造用部品に取り付けられ得る。サイドワイパ500の目的は、形成されるパネルの縁部でスラリーを堰き止め、それにより、上部形成プレート446とガラスマットの上面との間に浸透する可能性があり、形成されたパネル内に望ましくない外観および/または厚さの変動を作成する、形成されるパネルの縁部を越える過剰なスラリーの流れを防止することである。ワイパ500はまた、スラリーが形成プレート446の側面の周囲に漏れるのを止めるように機能し、それにより、連続動作を妨げる可能性のある、硬化したスラリーの蓄積を防止する。振動器502は、ワイパ500の各々に取り付けられ得る。振動は、スラリーがワイパ500自体上で硬化することを防ぎ、また、形成プレート446の背後でのスラリーの時期尚早な硬化および/または固化を防止する。
【0190】
本発明の別の好ましい実施形態では、別の振動器504または一連の振動手段が、上部形成プレート446の直前、および/または下で、形成ラインの台プレートの下に装着される。この振動器502、504の1つの目的は、スラリーヘッドが形成プレートの後ろで動的に保たれ、スラリーが形成プレートの後ろにある間に硬化することを防止することである。
【0191】
それゆえ、本発明は、繊維補強セメント系パネル生産ラインを提供し、この繊維補強セメント系パネル生産ラインは、
可動キャリアウェブと、
可動キャリアウェブを支持するための支持フレームであって、パネルが、支持フレームに対して進行方向を有する可動キャリアウェブ上で移送される、支持フレームと、
可動キャリアウェブ上で、繊維含有セメント系スラリー上に、ガラスマットなどのフェーサを適用するための手段であって、フェーサを適用するための手段は、可動キャリアウェブの形成面の幅にわたって設置される、手段と、
可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための水平厚さ制御デバイスであって、
水平厚さ制御デバイスは、
剛性水平上部形成プレート(例えば、水平上部形成プレート446)であって、剛性水平上部形成プレートが、平坦な底面、上流端部および下流端部を有する、剛性水平上部形成プレートと、
可動キャリアウェブのための支持フレーム上に水平配向で剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームであって、剛性水平上部形成プレートが、形成プレート装着フレームに装着される、形成プレート装着フレームと、
剛性水平上部形成プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有セメント系スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で剛性水平上部形成プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備える、水平厚さ制御デバイスと、
可動キャリアウェブ上で0.1~2インチ、好ましくは、0.2~1.1インチ、より好ましくは、0.5~1.1インチの高さで、平坦な底面を固定的に位置付けるために、可動キャリアウェブ上に剛性水平上部形成プレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ剛性水平上部形成プレートを可動キャリアウェブに対して平行に維持するための形成プレート装着フレームと、を備え、
平坦な底面の上流端部は、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面の下流端部は、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面全体が、可動キャリアウェブ上で搬送されるときに、繊維含有スラリー上のフェーサに接触するように適合され、かつ構成される。
【0192】
それゆえ、本発明はまた、繊維補強セメント系パネルを作製するためのプロセスを提供する。
【0193】
可動キャリアウェブ上で、パネルのための繊維含有スラリーを移送することであって、可動キャリアウェブは、支持フレームによって支持され、パネルは、支持フレームに対して進行方向を有する可動キャリアウェブ上で移送される、移送することと、
可動キャリアウェブの形成面の幅全体にわたって、可動キャリアウェブ上で、繊維含有セメント系スラリー上にガラスマットなどのフェーサを適用して、形成面を覆うことと、
可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための水平厚さ制御デバイスの下を、フェーサで覆われた形成面を通過させることであって、
水平厚さ制御デバイスは、
剛性水平上部形成プレート(例えば、水平上部形成プレート446)であって、剛性水平上部形成プレートが、平坦な底面、上流端部および下流端部を有する、剛性水平上部形成プレートと、
可動キャリアウェブのための支持フレーム上に水平配向で剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームであって、剛性水平上部形成プレートが、形成プレート装着フレームに装着される、形成プレート装着フレームと、
剛性水平上部形成プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有セメント系スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で剛性水平上部形成プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備える、通過させることと、
繊維含有セメント系スラリーを含む、フェーサで覆われた、形成されたが、まだ硬化していない繊維補強セメント系パネルを、剛性水平上部形成プレートの底面と接触させることによって、形成されたが、まだ硬化していない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御することと、を含み、
装着フレームは、可動キャリアウェブ上で0.1~2インチの高さで、平坦な底面を固定的に位置付けるために、可動キャリアウェブ上に角度の付いたプレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ剛性水平上部形成プレートを可動キャリアウェブに対して平行に維持するためのものであり、
平坦な底面の上流端部は、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面の下流端部は、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面全体は、可動キャリアウェブ上で搬送されるとき、繊維含有スラリー上のフェーサに接触する。
【0194】
図9は、形成テーブル12、継ぎ目のないベルト14、およびキャリアウェブ26および任意選択的な底部支持プレート46A、46Bを示す。生産ライン410は、繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で剛性水平上部形成プレート446によって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成された、剛性水平上部形成プレート446の下にある平坦な剛性支持床を提供する。
【0195】
平坦な剛性支持床は、剛性の水平上部形成プレート446の下を通過するフェーサで覆われた繊維含有スラリーの下向きの力に対抗するために提供され、例えば、以下のいずれかであり得る。
【0196】
十分に剛性である場合、形成テーブル12、
キャリアベルト14の下に提供された、剛性底部形成プレート46Aによってさらに支持された形成テーブル12、
キャリアウェブ26の下またはキャリアウェブ26の代わりにキャリアベルト14上で使用される剛性パネル、
継ぎ目のないベルト14が、十分に剛性であるローラによって支持され得るか、または
形成テーブル12内に破断部がある可能性があり、剛性下部形成プレート46Aが、上部形成プレート446の下の継ぎ目のないベルトの部分の真下の破断部に設置される。
【0197】
図9Aは、フェーサ444を適用し、固定された水平上部形成プレート446を用いるための、図9のFRCパネル生産ライン410の一部分の第1の拡大斜視図を示す。明瞭化のために、装着フレームは示していない。
【0198】
図9Bは、フェーサを適用し、固定形成プレートを用いるための図9のFRCパネル生産ラインの一部分の第2の拡大斜視図を示す。明瞭化のために、装着フレームは示していない。
【0199】
図9Cは、図9のFRCパネル生産ライン410の可動キャリアウェブ26およびフェーサ444のために、支持フレーム12上に水平配向で剛性水平上部形成プレート446を装着するための形成プレートU形状装着フレーム377を示す。U形状の装着フレーム377は、クロスバー451、および脚部453、ならびにクロスバー451から下向きに延在するサーボ制御449を有するアクチュエータを備える支持体448を有する。サーボ制御449を有するアクチュエータは、水平形成プレート446が上面96上のフェーサ444に接触するように、可動キャリアウェブ26上に、水平配向で、剛性水平上部形成プレート446の高さ「H」を調整および制御するために提供される。
【0200】
水平形成プレート446の上流縁部446A(図9D)は、別様に発生する可能性のあるフェーサ444への損傷を回避するために、最初にフェーサ444と接触する場所で、好ましくは、斜角を付けられる。
【0201】
VI.ヘッドボックスから繊維含有スラリーを堆積させて、単層のスラリーからFRCパネルを作製する生産ラインの第5のバージョン
図10は、フェーサ444を適用し、固定形成プレート446および任意選択的に、底部支持プレート46Bを用いるように修正された、本発明の角度の付いたプレート95を有するFRCパネル生産ライン510の第5のバージョンの立面図である。これは、ロール442からフェーサ444を適用し、支持体448によって支持された固定形成プレート446を使用するように修正された図8の生産ライン310である。また、任意選択的に、底部支持プレート46A、46Bを用いることもできる。図10および本明細書の他の図において同様の番号が付けられた要素は、同じ要素であり、特に明記しない限り、同じように動作する。
【0202】
所望の場合、追加の固定形成プレート446(図示せず)が供給され、図10に示される固定形成プレート446の上流または下流のフェーサ444に適用され得る。
【0203】
繊維補強コンクリート(FRC)パネルを不織布繊維層で包む
本発明はまた、パネル生産ライン上で、不織布繊維マット、典型的にはポリプロピレンマットなどの不織布ポリマー繊維マット、またはガラス繊維マットなどの実質的に無機の不織布繊維マットで包まれたボードを作製することを包含する。無機不織布繊維マットは、任意選択的に、連続ウェブに対する取り扱い特性を付与し、物理的および化学的耐久性を向上させる様々なコーティング材料で被覆され得る。不織布繊維マットは、好ましくは、パネルの両方の主要な面に適用されるが、任意選択的に、パネルの主要な面のうちの一方にのみ適用され得る。
【0204】
図10Aは、本発明の繊維スラリー混合デバイスとともに使用するためのセメント系パネル生産ライン610を示す。これは、繊維スラリー混合物の下に不織布繊維マット444Aを適用し、かつ繊維スラリー混合物346の上方に不織布繊維マット444を適用して、生産されたボード355を包むように修正された図10の生産ライン510である。(しかしながら、この修正はまた、本発明の任意のバージョン、例えば、多層FRCパネルを作製するための本発明のバージョンを修正するために使用され得る)。図10Aでは、図10または本明細書の他の図からの同様の参照番号が、同様の様式で動作する同様の要素を表現するために用いられる。
【0205】
上で説明した角度の付いたプレート95および水平形成プレート446の両方が、セメント系パネル生産ライン610で用いられるように示される。また、任意選択的に、底部支持プレート46A、46Bを用いることもできる。水平形成プレート446を使用する、本発明のこの、ならびに他の生産ラインおよび方法では、上で説明した角度の付いたプレート95の使用は任意選択的である。
【0206】
同様に、上で説明した角度の付いたプレート95が本発明の生産ラインおよび方法において用いられるとき、水平形成プレート446の使用は任意選択的である。
【0207】
図10Aは、供給ローラ442Aからの不織布(好ましくは、ガラス繊維または多層ポリオレフィン)繊維444Aの第1の連続マットが、可動ベルト314の表面上へ、ローラ442Bの下を通過することを示している。次いで、繊維スラリー混合器で生産された繊維補強セメント系スラリー混合物346は、形成ヘッドボックス340を使用して不織布繊維444Aの第1のマット上に堆積される。パネル生産ライン610の可動表面上の不織布繊維444Aのマットは、ボード355のための硬化繊維スラリー混合物346の右側面および左側面から延在する。マット444Aは、任意選択的に、ヘッドボックス340の下を通過する前に、縁部444Bおよび444Cが直立位置に折りたたまれる状態で、後続の形成されたパネルの幅よりも広くなり得る。
【0208】
次いで、堆積された繊維含有スラリー346の表面は、堆積された繊維含有スラリー346を角度の付いたプレート95の下に通過させて、堆積された繊維含有スラリー346の表面を上で説明したように角度の付いたプレート95の下流端部と接触させることによって、平滑化される。
【0209】
マット444Aが、後続で形成されるパネルよりも幅が広い場合、任意選択的な折り畳みユニット230は、任意選択的に、ボード355のための硬化繊維スラリー混合物346の右側面および左側面の周囲を包むだけでなく、任意選択的に、直立部分を再び折り畳むために、マット444Aの直立縁部444B、444C(図10Bを参照)をさらに折り畳んで、マット444との重なり領域を提供する。それゆえ、マット444Aは、ボード355が完全に硬化しないときに、マット444Aの右縁部および左縁部444B、444C(図10B)を包むためにボード355の硬化繊維スラリー混合物346の周囲で包まれ、および任意選択的に、マット444との重なり領域を提供することができる。
【0210】
次いで、本発明は、不織布繊維材料の上部マット(ウェブ)444を供給ロール442から、次いで任意選択的な適用ロール442Cの下で繊維スラリー混合物の上面上に供給する。任意選択的に、接着剤が、上部マット(ウェブ)444および/またはそれらが重なるマット444Aの折り畳まれた縁部に適用されてもよい。次いで、不織布繊維マット444で覆われた繊維スラリー混合物346は、水平形成プレート446の下を通過して、パネル355の表面を平滑化する。
【0211】
それゆえ、本方法は、
パネル生産ラインの可動表面上に不織布繊維の第1のウェブ444Aを適用することであって、第1のウェブ444Aは、パネル生産ライン上の繊維スラリー混合物の浸透を防止するために十分に不浸透性であり、第1のウェブ444Aは、作製されているセメントボード355よりも幅が広く、第1のウェブ444Aの外側部分を直立に屈曲させることによって連続トラフを形成する、適用することと、
ヘッドボックス340からの繊維スラリー混合物346を、第1のウェブ444A上に連続的に堆積させ、かつ繊維スラリー混合物346を横方向に分配して、トラフを実質的に均一な深さまで充填することと、
繊維スラリー混合物346を、角度の付いたプレート95の下に通過させて、繊維スラリー混合物346の表面を平滑化するために、角度の付いたプレート95の下流端部に接触させることと、
次いで、折り畳みステーション230において、下部フェーサ444Aの縁部を折り畳んで、上部フェーサ444との重なり領域を提供することと、
パネル生産ライン610上の硬化繊維スラリー混合物346の上面に不織布繊維の第2のウェブ444を適用することと、
次いで、硬化繊維スラリー混合物346の上面上の不織布繊維の第2のウェブ444を、固定形成プレート446と接触させることと、
次いで、硬化パネル355を切断デバイス354で切断して、FRCパネル355を形成することと、を含み得る。
【0212】
折り畳みユニット230は、任意選択的に、固定上部形成プレート446の下流に位置付けられ得る。この場合、直立した縁部444Bおよび444Cは、上部形成プレート446の下を通過するのではなく、その代わりにその縁部に隣接し得る。次いで、折り畳みユニット230は、直立縁部444Bおよび444Cをさらに折り畳み、その結果、マット444上に位置付けられたマット444Aのこれらの部分との重なりが形成される。折り畳みユニット230は、任意の好適な折り畳みユニットであり得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、EnsmingerEnsmingerらのUS5221386は、硬化セメントパネルのむき出しの表面を、上面、底面、および長手方向の縁部面の下にある(換言すると、埋め込まれた)補強繊維の織メッシュで包むための装置を記載する。Ensmingerらの装置は、そのセメントおよび織メッシュを、ボード355のための硬化繊維スラリー混合物346および不織布繊維マット444、444A(埋め込まれていない)と置き換えることによって、折り畳みユニット230に適合させることができる。Ensmingerらの装置は、コンベヤベルト上に摺動可能に載り、コンベヤベルト上に作製されているセメントボードの経路を画定する一対のエッジャレールと、可動繊維スラリー混合物の進行方向に対して横方向のクロスバー上のコンベヤベルト上に装着された第1の対の曲がったへらを備える、底部メッシュの外側縁を折り畳み、かつ押圧するための手段を含む。
【0213】
それゆえ、折り畳みを達成するために、本発明は、繊維スラリー混合物346の上に装着された第1の対の曲がったへら(図示せず)を用いることができる。例えば、へらは、可動繊維スラリー混合物の進行方向に対して横方向のクロスバー(図示せず、しかしEnsmingerらのUS5221386に開示されている)上に装着することができる。繊維スラリー混合物346のトラフが、第1の対の曲がったへらに接近すると、第1のマット444Aの縁およびそれらが形成するトラフの壁が、へらに接触して、へらの下に押し込まれ、連続的に接近するマット444Aの折り畳みを開始する。
【0214】
好ましくは、マットは、セメント系コア内に実質的に埋め込まれない。好ましくは、各マットの厚さの約50%未満が、セメント系コアに埋め込まれ、より好ましくは、約30%未満が、セメント系コア内に埋め込まれ、さらに好ましくは、約15%未満、約5%未満が、セメント系コア内に埋め込まれる。
【0215】
この生産ライン210では、硬化前にスラリーを支持するための剥離紙、ポリマーフィルムまたはプラスチックキャリアの任意選択的なウェブ326が提供され、キャリア314上に置かれて、スラリーを保護し、および/またはスラリーを清潔に保つことができる。連続ウェブ326ではなく、例えば、ポリマープラスチックのシートなど、比較的剛性材料の個々のシート(図示せず)が、キャリア314上で設置され得ることもまた想定される。これらのキャリアフィルムまたはシートは、ラインの端部で、生産されたパネルから除去され得るか、またはそれらは、全体的な複合設計の一部としてのパネルの恒久的な特徴として組み込まれ得る。これらのフィルムまたはシートが恒久的な特徴としてパネルに組み込まれるときには、向上した美しさ、強化された引張強度および曲げ強度、強化された耐衝撃性および耐爆風性、水および水蒸気の透過に対する耐性等の強化された環境耐久性、耐凍結融解性、耐塩化性、ならびに耐薬品性を含む、強化した属性を提供することができる。
【0216】
不織布繊維マット444、444Aは、任意選択的に、連続ウェブ326と連動して使用されてもよい(例えば、連続ウェブ326は、不織布繊維マット444Aを透過した任意のスラリーが形成ベルトに到達することを防止する剥離紙であり得る)。パネルの恒久的な特徴としてウェブ326を用い、比較的不浸透性の不織布繊維マット444、444Aを用いるときに、ウェブ326は、接着剤で不織布繊維マット444、444Aに付着され得る(例えば、ウェブ326は、感圧性接着剤を備え得る)。しかしながら、ウェブ326または比較的剛性材料の個々のシート(図示せず)は、任意選択的であり、好ましくは、比較的不浸透性のマット444A、444が用いられるとき、図10A(古42)のこの生産ライン610では用いられない。または、好ましくは、連続ウェブ326は、比較的不浸透性の不織布繊維マットであり、その場合、比較的不浸透性の不織布繊維マット444Aは、用いられない。
【0217】
図10Bは、生産ライン610に従って作製された不織布繊維マットで包まれた、図10AのFRCパネル355の概略斜視図である。不織布繊維マット被覆は、硬化繊維スラリー混合物346のコア、前部マット444、およびパネル355の右側面および左側面をパネルの前面の周囲で包んだ右縁部および左縁部を有する後部マット444Aを含む。マット444および444Aは、好ましくは、同じ材料であるが、生産物の用途要件に応じて、任意選択的に、異なる材料で作製される可能性がある。いくつかの実施形態では、不織布繊維マットは、パネルの主要な面のうちの1つ上にのみ使用され得る。
【0218】
生産ライン610において、第1のフェーサ(マット)444Aの直立部分は、上部ウェブを適用する前に折り畳まれて、図10Bのようなパネルを作製する。
【0219】
代替的な方法(図示せず)では、折り畳みユニット230は、形成プレート446の上流から水平形成プレート446の下流に移動される。不織布繊維フェーサマット444で覆われた繊維スラリー混合物346は、水平形成プレート446の下を通過して、折り畳みユニット230の上流のパネルの表面を平滑化する。次いで、折り畳みユニット230は、下部フェーサ444Aの縁部を上部フェーサ444の縁部上に折り畳んで、FRCパネル355を包む。特に、右縁部および左縁部444B、444Cは、それらが上部フェーサ444と重なる場所で包まれ、任意選択的に、接着される。次いで、ボード355のために包まれた硬化繊維スラリー混合物346は、図8の生産ライン310について上で説明したように処理される。
【0220】
完全に埋め込まれていない不織布繊維マットのための材料および構造
例えば、図10Aのマット444、444Aなどの繊維スラリー混合物に完全に埋め込まれないように設計された本発明のこれらの不織布繊維マットは、任意の好適なタイプのポリマー繊維、ガラス繊維、またはこれらの組み合わせを含む。好ましくは、不織布繊維マット中の繊維の大部分は、ガラス繊維またはポリマー繊維である。好適な繊維の非限定的な例としては、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、セルロース繊維(例えば、木綿、レーヨンなど)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。さらに、マットの繊維は、疎水性であるかまたは親水性であり、コーティングされているか、またはコーティングされていない場合がある。
【0221】
これらの不織布繊維マットは、繊維スラリー混合物に対して透過性がないか、または繊維スラリー混合物に対して最大限でもわずかに透過性である。特に、不織布繊維マットは、本発明の繊維スラリー混合物が振動し、および/または生産ライン上でプレートを形成しているときでも、本発明の繊維スラリー混合物が浸透しないように十分な不浸透性を提供する。本発明の繊維スラリー混合物は、パネル生産ライン上で振動するか、または拡張するとき、せん断減粘性を受ける可能性がある。これにより、浸透を防止するための適切な不織布シートの選択が重要になる。マットが不織布ガラス繊維マットである場合、それらは、被覆不織布ガラス繊維マットであるため、繊維補強セメント系スラリー材料に完全には埋め込まれない。埋め込まれないマットを有する本発明の態様は、織ガラスマットを使用せず、これは織ガラスマットが、それを通るスラリーの浸透を防止するほど十分に堅くないためである。本発明は、埋め込みが所望されるとき、上部および/または下部のメッシュならびにスクリム、例えば、織ガラスマットを使用することを想定する。
【0222】
代替的な態様では、不織布繊維マットは、好ましくは、ポリオレフィン(好ましくは、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレン)から作製される。
【0223】
不織布繊維マットは、各々単層にすることができる。例えば、好ましい被覆ガラス繊維マットは、単層である。しかしながら、ポリマーマットは、好ましくは、2つ以上の層から作製される。例えば、図10Cは、繊維の1つの紡糸結合層および繊維の比較的不浸透性のメルトブロー層の積層複合構造を有する、ポリマー繊維のマットの側面断面図を示す。より好ましくは、マット444は、繊維の2つの紡糸結合層446A、446Cと、紡糸結合層の間に挟持された繊維のメルトブロー層446Bと、を有するポリオレフィンマットである。メルトブロー層は、本発明の繊維スラリー混合物が振動し、および/または生産ライン上でプレートを形成しているときでも、本発明の繊維スラリー混合物が浸透しないように十分な不浸透性を提供する。
【0224】
不織布ガラスマットに使用される繊維は、少なくとも0.25インチ以上の長さ、より好ましくは、少なくとも0.5インチまたは3/4インチの長さ、および最も好ましくは、少なくとも約1インチの長さであるべきであるが、異なる長さおよび/または繊維直径の繊維の混合物は、知られるように使用することができる。これらの繊維は、業界でよく知られるように、シラン含有サイズの組成物で被覆されることが好ましい。繊維状ウェブのための好ましい連続ガラス繊維は、E、C、Tタイプおよびホウケイ酸ナトリウムガラス、ならびにこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つの部材である。ガラス技術で知られているように、Cガラスは、典型的には、腐食環境における化学的安定性を向上させるソーダライムホウケイ酸塩組成物を有し、Tガラスは、多くの場合、マグネシウムアルミノケイ酸塩組成物を有し、かつフィラメント状で特に高い引張強度を有する。本発明のマットは、好ましくは、電気ガラスとしても知られ、典型的には、カルシウムアルミノボロシリケート組成物および2.0%の最大アルカリ含有量を有するEガラスから構成される。Eガラス繊維は、様々な物品を補強するために一般的に使用される。主要部分の細断繊維は、様々な長さを有することができるが、より一般的には、実質的に同様の長さである。Eガラス繊維は、許容可能なマットを生産するために十分な高強度および他の機械的特性を有し、かつ比較的低コストで広く入手可能である。最も好ましいのは、約11+/-1.5μmの平均繊維直径、約6~12mmの範囲の長さを有する、Eガラスである。
【0225】
不織布繊維マットは、概して、結合剤、溶剤処理、または熱によってともに結合された繊維を含む。結合剤は、マット業界で一般的に使用されている任意の結合剤であり得る。好適な結合剤は、限定されないが、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ステアリン酸メラミンホルムアルデヒド、ポリエステル、アクリル類、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルまたはアクリル、スチレンアクリルポリマー類により変性またはブレンドされた尿素ホルムアルデヒドまたはメラミンホルムアルデヒドおよびそれらの組み合わせを含む。典型的なポリマー繊維は、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、またはポリプロピレンのいずれかである。任意の好適な量の結合剤が、使用され得る。しかしながら、メルトブロー不織布繊維マットは、結合剤を必要としない。
【0226】
典型的には、繊維マットは、製造中の裏抜けを防止するために効果的な任意の好適な重量を有することができる。典型的には、ガラスマットの場合、坪量は、約88g/m以上(例えば、約88~147g/m)に相当する、約18lbs/1000ft以上(例えば、約18~30lbs/1000ft)である。一実施形態では、繊維マット、特にガラス繊維マットは、約98g/m以上(例えば、約98~127g/m以上)に相当する、約20lbs/1000ft以上(例えば、約20~26lbs/1000ft、または約23~26lbs/1000ft)の坪量を有する。
【0227】
典型的には、ポリマーマットの場合、坪量は、約39g/m以上(例えば、約39~147g/m)に相当する、約8lbs/1000ft以上(例えば、約8~30lbs/1000ft)であり、好ましくは、約73g/m以上(例えば、約73~98g/m以上)に相当する、約15lbs/1000ft以上(例えば、約15~20lbs/1000ft)の坪量である。
【0228】
マットは、好ましくは、各々が単層不織布ガラス繊維から作製される。代替的には、好ましくは、それらは各々、多層ラミネート構造を有する不織布ポリマー(好ましくはポリオレフィン)マットから作製される。図44は、3層46A、46B、46Cの好ましい多層構造を有する不織布ポリマーの前部マット44の概略図である。このポリマーマット44は、繊維の2つの紡糸結合層46A、46Cと、紡糸結合層46A、46Cの間に挟持された繊維のメルトブロー層46Bと、を有する。メルトブロー層は、本発明の繊維スラリー混合物が振動し、および/または生産ライン上でプレートを形成しているときでも、本発明の繊維スラリー混合物が浸透しないように十分な不浸透性を提供する。
【0229】
パネル表面に適用された不織布繊維マットは、完成産物に平滑な表面を提供し、製造中の繊維補強コンクリートパネルの積層にも役立つ。硬化中にパネルを別々にラックに積層する必要はなく、パネルが十分に硬化されている場合、包まれたパネルは、硬化中に互いに直接重ねることができる。繊維補強コンクリートパネルの縁部を不織布繊維マットに流延することは、縁部の形成および洗浄を容易にする。十分に不浸透性のマットで作製された背面、側面、および前面で流延されたパネルは、より良好な表面、より容易な洗浄、および簡素化されたボードの積層(製造中)という利点を有する。このプロセスはまた、表面仕上げをほとんどまたはまったく必要としないFRCパネルも生産する。不織布ガラスマットの使用は、不織布ポリマーマットよりも良好な固着という利点を有する。不織布ポリマーマットの使用は、不織布ガラスマットよりも良好な耐アルカリ性という利点を有する。
【実施例
【0230】
実施例1-プラント試行およびパイロットプラント試行からのデータ
生産試行1は、様々な振動設定および金属プレートと形成面との間の間隙でコントローラを有するタイプ1の電気振動モータを使用する。形成面での振動プレート装着角度=20度(およそ)。タイプ1振動器は、所望の振動特性を生産するためのDC電源および調整モータを指す。タイプ1振動器アセンブリは、リン酸鉄リチウムバッテリーパック(36Vおよび10アンペア時容量)、制御ボックス、振動強度を調整するスロットルアセンブリ、ならびにギアボックスおよび回転偏心ウェイトを有するDCモータを含む。表1は、実験条件を示す。
【0231】
振動プレートおよびモータを、前述のように装着フレームを使用して生産ライン上に設置した。形成面と振動プレートとの間の間隙は、ゲージブロックを使用して設定および測定され、振動設定は、試行条件毎にスロットルアセンブリで調整された。安定した製造条件が取得された後、所望の実験設定で振動プレートを係合した。振動プレート発明で生産された試料パネルに印を付け、硬化のために収集した。同様に、表1のような他の実験条件における試料もまた印をつけ、硬化のために収集した。通常の振動プレートは、実験条件毎に係合したままであるか、または係合解除され、それに従って試料パネルが収集された。硬化時、形成された試料パネルを、図11に概略的に見られるように、4つのピースA、B、CおよびDに切断し、ピースAは、ピースDの前に形成され、厚さが、ピースのすべての縁部にわたって1インチの間隔で測定された。図11は、インチ単位の寸法を示す。図11は、実験条件に関する試料パネルのためのカット図である。厚さの測定を、これらのピースの縁部に沿って行い、統合して、機械および機械直交方向における標準偏差を推定した。形成方向に沿って(より長い縁部上のパネルの長さに沿って)取得された厚さデータ測定値を使用して、機械方向の厚さの標準偏差を推定した。形成方向に垂直な方向に沿って(より短い縁部上のパネルの幅に沿って)取得された厚さデータ測定値を使用して、機械直交方向における厚さの標準偏差を推定した。同様に、各方向におけるパネルの最大厚さと最小厚さとの間の差を、推定した。
【表1】
【0232】
図11Aは、本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスがある場合とない場合の機械直交方向で測定された試料において、表1の異なる実験条件での形成パネルのインチ単位の標準偏差ならびにインチ単位の最大厚さおよび最小厚さの差を示す。対照#1および対照#2は、本発明の角度の付いたプレート厚さ制御デバイスのない実験条件である。
【0233】
図12は、本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスを使用せずに、機械直交方向における、図11から形成されたセメント系パネルのインチ単位の断面厚さプロファイルを示す。
【0234】
図13は、本発明の角度の付いたプレート厚さ制御デバイスを使用して、機械直交方向における、図11から形成されたセメント系パネルのインチ単位の断面厚さプロファイルを示す。
【0235】
実施例2-角度の付いたプレート厚さ制御デバイスを試験するプラント試行およびパイロットプラント試行からのデータ
生産試行2は、様々な振動設定および金属プレートと形成面との間の間隙でコントローラを有するタイプ2の電気振動モータを使用する。繊維含有スラリーの形成面での振動する角度を付けたプレート装着角度は、20度(およそ)であった。タイプ2振動器は、所望の振動特性を生産するためのAC電源および調整モータを指す。タイプ2振動器アセンブリは、振動強度を調整するための回転ノブ/ダイヤルを有するAC電源の電気制御ボックス(110~120Vおよび1.3アンペア)と、ギアボックスおよび回転偏心ウェイトを有するモータを含んだ。表2は、実験条件を示す。
【0236】
振動プレートおよびモータを、前述のように装着フレームを使用して生産ライン上に設置した。形成面と振動プレートとの間の間隙は、ゲージブロックを使用して設定および測定され、振動設定は、試行条件毎に電気制御ボックス上で、回転ノブ/ダイヤルで調整された。安定した製造条件が取得された後、所望の実験設定で振動プレートを係合した。振動プレート発明で生産された試料パネルに印を付け、硬化のために収集した。同様に、表2のような他の実験条件における試料もまた印をつけ、硬化のために収集した。通常の振動プレートは、実験条件毎に係合したままであるか、または係合解除され、それに従って試料パネルが収集された。硬化時、形成された試料パネルは、図11Bのように8つのピースA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、およびD2に切断され、ピースA1およびA2は、ピースD1およびD2の前に形成され、厚さは、ピースのすべての縁部にわたって1インチの間隔で測定された。図11Bは、実験条件に関する試料パネルのためのカット図である。厚さの測定を、これらのピースの縁部に沿って行い、統合して、機械および機械直交方向における標準偏差を推定した。形成方向に沿って(より長い縁部上のパネルの長さに沿って)取得された厚さデータ測定値を使用して、機械方向の厚さの標準偏差を推定した。形成方向に垂直な方向に沿って(より短い縁部上のパネルの幅に沿って)取得された厚さデータ測定値を使用して、機械直交方向における厚さの標準偏差を推定した。同様に、各方向におけるパネルの最大厚さと最小厚さとの間の差を、推定した。
【表2】
【0237】
図14は、本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスがある場合とない場合の機械直交方向で測定された試料において、表2の異なる実験条件での形成パネルのインチ単位の標準偏差ならびに最大厚さおよび最小厚さの差を示す。対照#1および対照#2は、本発明の角度の付いたプレート厚さ制御デバイスのない実験条件である。図15は、本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスがある場合とない場合の機械方向で測定された試料において、表2の異なる実験条件での形成パネルの標準偏差ならびにインチ単位の最大厚さおよび最小厚さの差を示す。対照#1および対照#2は、本発明の角度の付いたプレート厚さ制御デバイスのない実験条件である。図14は、機械直交方向(XMD)にわたるパネル厚測定に関する情報を有し、図15は、機械方向(MD)に沿ったパネル厚測定に関する情報を有する。目的は、XMDおよびMDの両方で変動の減少を明示することである。
【0238】
図11図17における単位はインチである。試験されたパネルは、4フィート×8フィートであった。それゆえ、機械直交方向における測定値は、48インチにわたり、機械方向における測定値は、96インチにわたった。
【0239】
図16(ボード#12機械直交方向)は、本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスを使用せずに形成されたセメント系パネルのインチ単位の断面厚さプロファイルを示す。
【0240】
図17(ボード#7機械直交方向)は、本発明の角度の付いたプレートの厚さ制御デバイスを使用して形成されたセメント系パネルのインチ単位の断面厚さプロファイルを示す。
【0241】
表3Aおよび表3Bは、本発明の角度の付いたプレート厚さ制御デバイスを使用して、および使用せずに形成されたセメント系パネルについて、インチ単位の形成厚さの変動の比較を提供する。
【表3】
【表4】
【0242】
実施例3-フェーサを適用し、固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを用いるときのデータ
次の表4は、FRC単層パネル生産ラインの可動キャリアウェブ上方の固定された高さでフェーサを適用し、水平形成プレートを用いるときの厚さデータをインチ単位で示す。データは、パイロットラインを使用するパイロット規模の生産に基づく。
【0243】
ボード組成物は、単層プロセスに関して上で説明したものと一致した。ボードを、石膏セメント結合剤組成物を使用して作製した。セメント系結合剤は、硫酸カルシウムアルファ半水和物、ポルトランドセメント、シリカフューム、および水和石灰を、それぞれ次の62:25:12:1の比率で添加した複合配合物を含んだ。軽量充填剤として、膨張パーライトを使用した。パーライト粒子は、粒子の吸水率を低減させるために、シリコン系疎水性化学コーティングで化学的に被覆した。パーライトとセメント系結合剤の重量比は、0.09であった。水および化学処理助剤を、十分な量で添加して、プロセスに必要とされた有効な稠度の水性混合物を取得した。パネル内の構造用補強材として耐アルカリ性ガラス繊維を使用した。
【0244】
パイロット規模の生産ラインは、図10に示されるように、セメント配合物、水、およびガラス繊維を混合するための機器、ならびに混合物をベルトコンベヤ上の形成領域に送達するための機器を備える。それゆえ、ボードのリボンが、コンベヤ上に形成される。本発明において記載されたように、フェーサおよび上部形成プレートが、形成されたボードの厚さを制御するために使用された。この実施例では、実験的な水平形成プレートを、剛化された合板で構成し、ジャックねじを使用して高さ調整を実現した。実験的な装着フレームを、押出アルミニウムで構成した。実験的な水平形成プレートアセンブリは工業的に堅牢ではなかったが、形成されたボードの厚さの結果は、通常の生産結果に対して驚くべき改善を示した。
【表5】
【0245】
実施例4-固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを試験するプラント試行からのデータ
データは、大規模な製造プラント内における試行から生成された。
【0246】
次の表5で、「R」で示された試料は、FRCパネルの生産ライン内で、固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを使用せずに通常の方法で作製された、対照試料である。「T」で始まる試料は、生産ライン内で、本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを使用して作製された試行試料である。各「R」または「T」試料は、4インチ×8インチのパネルである。
【0247】
ボード組成物は、単層プロセスに関して上で説明したものと一致した。ボードを、石膏セメント結合剤組成物を使用して作製した。セメント系結合剤は、硫酸カルシウムアルファ半水和物、ポルトランドセメント、シリカフューム、および水和石灰を、それぞれ次の62:25:12:1の比率で添加した複合配合物を含んだ。軽量充填剤として、膨張パーライトを使用した。パーライト粒子は、粒子の吸水率を低減させるために、シリコン系疎水性化学コーティングで化学的に被覆した。パーライトとセメント系結合剤の重量比は、0.09であった。水および化学処理助剤を、十分な量で添加して、プロセスに必要とされた有効な稠度の水性混合物を取得した。パネル内の構造用補強材として耐アルカリ性ガラス繊維を使用した。
【0248】
実施例3に記載された実験的形成プレートシステムは、図8と同様に、パイロットスケールラインから除去され、生産ライン上に設置された。再び、形成されたボードの厚さの結果は、通常の生産結果に対して驚くべき改善を示した。
【表6】
【0249】
標準偏差および範囲は、4フィート×8フィートのパネル当たりおよそ500データポイントからである。サンプリングパターンを、2フィート×2フィートのグリッド上に試料ラインをマークすることによって発展させ、個々の厚さの測定値を、グリッドラインに沿って1インチ毎に位置付けた。
【0250】
データはまた、多層FRCパネル生産プロセスにおいて、機械直交方向および機械方向で測定された断面プロファイルを示す図18図29によって図式的に示される。これらの図では、データポイントのためのマーキングがない上部および下部の実線は、各FRCパネルの実際の平均厚さから+/-0.03インチである。図18図29内のデータラインは、機械方向(8フィート)および機械直交方向(4フィート)における1インチ毎の個々の厚さの測定値である。それゆえ、図18図29では、Y軸は、インチ単位の厚さである。機械直交方向で測定された断面プロファイルに関する図では、X軸は、FRCパネルの4フィートの機械直交方向にわたる48インチのうちの各々である。機械方向で測定された断面プロファイルに関する図では、X軸は、FRCパネルの8フィートの機械方向にわたる96インチのうちの各々である。
【0251】
図18(#R3機械直交方向)は、固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#R3に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0252】
図19(#R3機械方向)は、固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#R3に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0253】
図20(#R4機械直交方向)は、固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#R4に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0254】
図21(#R4機械方向)は、固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#R4に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0255】
図22(#2R1機械直交方向)は、固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#2R1に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0256】
図23(#2R1機械方向)は、固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスのない、通常の方法でFRCパネル生産ラインにおいて作製された、対照試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#2R1に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0257】
図24(#T1機械直交方向)は、本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された、試行試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#T1に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0258】
図25(#T1機械方向)は、本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された、試行試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#T1に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0259】
図26(#T2機械直交方向)は、本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された、試行試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#T2に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0260】
図27(#T2機械方向)は、本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された、試行試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#T2に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0261】
図28(#T4機械直交方向)は、本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された、試行試料の機械直交方向において測定された本明細書の実施例#T4に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0262】
図29(#T4機械方向)は、本発明の固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを有する生産ラインにおいて作製された、試行試料の機械方向において測定された本明細書の実施例#T4に関して、形成されたセメント系パネルの断面プロファイルを示す。
【0263】
この実施例のデータは、厚さの変動を低減する上での本発明の固定水平形成プレートの有効性を示した。この実施例のデータは、事前に混合されたセメントスラリーおよびガラス繊維の1つの層だけで形成されたパネルに加えて、セメントスラリーおよびガラス繊維の複数の層で形成されたFRCパネルを作製するための厚さの変動に対する劇的な低減を有して生産されたFRCパネルのコンセプトを証明した。この低減は、形成されたパネルの平均厚さを低減しながら、パネルが仕様外であるとして拒否されることをもたらす、個々のかすれを回避することを可能にする。
【0264】
実施例5-フェーサ布帛および固定水平形成プレートを備える厚さ制御デバイスを用いることにより、パネル形成ライン上で目標のパネル厚を実現する
固定形成プレートを用いる生産試行を、大規模な製造プラントにおいて多層プロセス使用して実施した。ガラスマットフェーサを、固定形成プレートと連動して使用した。多層パネルを、4つの別個のスラリー層および7つの別個の繊維層を利用して作製した。目標のパネル厚は、0.77インチで、許容誤差は、+/-0.03インチであった。固定形成プレートは、実施例4において説明したものと同じであった。形成プレートを、形成プレートの底表面と形成面との間の間隙が約0.77インチになるように調整した。
【0265】
ボードを、石膏セメント結合剤組成物を使用して作製した。セメント系結合剤は、硫酸カルシウムアルファ半水和物、ポルトランドセメント、シリカフューム、および水和石灰を、それぞれ次の62:25:12:1の比率で添加した複合配合物を含んだ。軽量充填剤として、膨張パーライトを使用した。パーライト粒子は、粒子の吸水率を低減させるために、シリコン系疎水性化学コーティングで化学的に被覆した。パーライトとセメント系結合剤の重量比は、0.09であった。水および化学処理助剤を、十分な量で添加して、プロセスに必要とされた有効な稠度の水性混合物を取得した。パネル内の構造用補強材として耐アルカリ性ガラス繊維を使用した。
【0266】
48インチ×96インチのサイズの5つのパネルが、厚さ測定のために選択された。厚さ測定を、機械方向(すなわち、96インチの寸法に沿って)、同様に機械直交方向(すなわち、48インチの寸法にわたって)において行った。厚さ測定は、4インチの間隔で行った、すなわち、24回の測定を、機械方向で行い、12回の測定を、機械直交方向で行った。表6は、測定された平均厚さ、ならびに測定された標準偏差を示す。5枚のパネルの平均測定厚さは、機械方向で0.783インチ、ならびに機械直交方向で0.783インチであったことが観察することができる。また、測定されたパネル厚が、0.77+/-0.03インチの目標の厚さ仕様の範囲内であったことも観察することができる。
【表7】
【0267】
実施例6-ガラスマットフェーサを用いるパネルの耐候性と外部耐久性の向上
意外な事に、パネル表面上のフェーサ布帛材料の適用は、外部環境で耐候性に曝露されたとき、パネルの耐久性が著しく向上することに役立つことが見出されている。ガラスマットフェーサを備える実施例4からのパネルを、図30に示されるように、Illinois,USAに位置付けられた、外部耐候性曝露場で耐候性に曝露させた。パネル(24インチ×24インチサイズの標本)を、約9か月間曝露し、1つの冬季、1つの春季、1つの夏季を経た。夏季の終わりに、パネルの物理的特性および耐久性を評価するための観察が行われた。図31aは、9か月の外部曝露後のフェーサのないFRCパネルの写真を示す。図31bは、9か月の外部曝露後の上面上のみにガラスマットフェーサを有するFRCパネルの写真を示す。ガラスマットを有するパネルは、ガラスマットがベースパネルにしっかりと接着されており、非常に良好な状態であることが見出された。裏表面および切断縁部は、非常に良好な状態であり、材料の侵食または損傷の兆候は観察されなかった。この意外な物理的挙動は、長時間の外部の耐候性への曝露で、パネルの表面が侵食される(わずかなピッチングおよび表面の摩耗)ことが観察され得る、ガラスマットのないFRCパネルよりも比較的優れている。
【0268】
本発明の条項
以下の項は、本発明の態様を開示する。
【0269】
条項1.繊維補強セメント系パネルの生産ラインであって、
可動キャリアウェブと、
可動キャリアウェブを支持するための支持フレームであって、パネルが、支持フレームに対して進行方向を有する可動キャリアウェブ上で移送される、支持フレームと、
可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための厚さ制御デバイスであって、厚さ制御デバイスが、
角度の付いた剛性プレートと、
可動キャリアウェブ用支持フレーム上に角度の付いた剛性プレートを装着するための装着フレームと、
角度の付いた剛性プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で角度の付いた剛性プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
角度の付いた剛性プレートが、横方向上流後壁、横方向上流後壁の下端部から下流に延在する横方向下流底壁、開放側壁、および開放上部を有し、底壁下面が、平坦な水平プロファイルを有し、横方向上流後壁が、下流底壁と交わって、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向に位置合わせされた屈曲遷移セクションを形成し、横方向上流後壁が、横方向下流底壁と交わって、60~120度、好ましくは、70°~110°、最も好ましくは、80°~100°の範囲の角度(θ)を形成し、横方向上流後壁が、可動キャリアウェブから離れて上向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、横方向下流底壁が、可動キャリアウェブに向かって下向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、
角度の付いた剛性プレートの横方向上流後壁が、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向になるように装着スタンドに装着される、厚さ制御デバイスと、
角度の付いた剛性プレートの横方向上流後壁に取り付けられた振動器と、を備え、
装着スタンドが、可動キャリアウェブ上で、横方向底壁の下流端部を0.1~2インチ、好ましくは、0.2~1.1インチの高さに固定して位置付けるために、可動キャリアウェブ上で角度の付いたプレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ可動キャリアウェブに対する角度のついたプレートの装着部材角度「α」(アルファ)を5°~30°、典型的には角度は10°~25°の範囲内にあり、固定的に、しかし調整可能に維持するためのものであり、
横方向底壁の下流端部が、スラリーおよび可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向であり、
横方向底壁の下流端部が、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
横方向底壁の下流端部が、可動キャリアウェブ上で搬送されるときに、繊維含有スラリーと接触することができる、繊維補強セメント系パネルの生産ライン。
【0270】
条項2.厚さ制御デバイスが、角度の付いた剛性プレートを備え、装着フレームが、可動キャリアウェブのための支持フレーム上に角度の付いた剛性プレートを装着するためのU形状装着スタンドを備え、装着スタンドが、対向する直立部材と、可動キャリアウェブに対して固定されているが調整可能な角度、および可動キャリアウェブ上方の固定されているが調整可能な高さで、それぞれの直立部材に装着された対向する端部を有する傾斜可能な横方向装着部材と、を有し、装着フレームがまた、横方向装着部材に取り付けられた上端部部分と、角度のついた剛性プレートの後壁に取り付けられた下端部部分と、を有するコネクタプレートを有し、振動器(振動モータ)もまた、角度のついた剛性プレートの後壁に装着されている、条項1に記載の装置。
【0271】
条項3.U形状の装着フレームが、静止フレームの横材に固定して取り付けられた直立部材を有し、U形状の装着フレームがまた、直立部材に移動可能に取り付けられた傾斜可能な横方向装着部材を有し、傾斜可能な横方向装着部材が、角度調整のための穴を有するそれぞれの金属プレートに各々回転可能に装着された対向する端部を有する、条項2に記載の装置。
【0272】
条項4.横方向装着部材の対向する端部の各々が、可動キャリアウェブに対して角度の付いた剛性プレートの角度「α」(アルファ)を固定的に設定するために、角度調整のための傾斜可能な横方向装着部材の選択された穴と嵌合されている、条項3に記載の装置。
【0273】
条項5.角度の調整を支援するために、傾斜可能な横方向装着部材が、振動プレートを上下に持ち上げるためのハンドルを備える、条項4に記載の装置。
【0274】
条項6.スラリーと接触する側面上で機械の進行方向「T」における剛性の角度の付いたプレートの長さが、典型的には、約2インチ~24インチであり、機械の進行方向「T」に対して横方向における振動する角度のついたプレートの幅が、約1フィート~8フィートの範囲であり得、金属プレートの好ましい幅が、約2フィート~6フィート、または約2フィート~5フィート、または約3フィート~4フィートの範囲である、条項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【0275】
条項7.スラリーと接触するための側面上で、振動する角度の付いたプレート95の厚さが、典型的には、約1/16インチ~1/4インチであり、スラリーと接触する側面上で、プレートの好ましい厚さが、スラリーの接触から離れるように適合され、かつ構成される側面上の厚さ1/4インチからスラリーと接触するための縁部上の1/16インチまで徐々に先細りになる状態で、約1/8インチである、条項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【0276】
条項8.角度の付いたプレートおよび振動手段を繊維含有スラリーに埋め込む深さが、表面の厚さを制御するのに十分な力をパネルの表面に適用するためのものである、条項1~7のいずれかに記載の装置。
【0277】
条項9.支持フレームに対して可動キャリアウェブ上で移送されたスラリー上に細断繊維を堆積させるための手段と、
支持フレームに回転可能に固定された第1の一体的に形成された細長いシャフトに軸方向に固定された第1の複数の軸方向に離間したディスクと接触し、かつ支持フレームに回転可能に固定された第2の一体的に形成された細長いシャフトに軸方向に固定された第2の複数の軸方向に離間したディスクと接触するように、繊維補強コンクリートパネル生産ラインにおいて使用するための埋め込みデバイスに、堆積した繊維とともにスラリーを通過させることにより、形成されたがまだ硬化していない繊維補強コンクリートパネルを形成するために、可動キャリアウェブ上でスラリー内に繊維を埋め込むための手段と、をさらに備え、
該第1のシャフトが、該第2のシャフトに対して水平に位置合わせされるように配設され、そのため該ディスクが互いに噛み合い、側面から見たときに、該第1および第2の複数のディスクの周辺部が互いに重なり合う、条項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【0278】
条項10.セメント系スラリーと補強繊維を混合して、繊維含有スラリーを形成し、繊維含有スラリーをヘッドボックスに供給するための混合器と、
繊維含有スラリーの層を可動キャリアウェブ上に堆積させるためのヘッドボックスと、をさらに備え、
ヘッドボックスから堆積した繊維スラリー混合物が、高さ4インチ、および直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定した際、4~11インチのスランプを有し、結果としてもたらされた繊維スラリー混合物がまた、20RPM速度で作動するSpindle HA4アタッチメントを備えるBrookfield Viscometer、Model DV-II+Proを使用して測定したときに、45000センチポアズ未満の粘度を有する、条項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【0279】
条項11.請求項1に記載の繊維補強セメント系パネル生産ラインにおいて、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための連続プロセスであって、
可動キャリアウェブを支持するための支持フレームに対して、進行方向を有する可動キャリアウェブ上でパネルを移送させる工程と、
スラリーおよび埋め込まれた細断繊維を含む、形成されたが、まだ硬化していない、繊維補強セメント系パネルを、厚さ制御デバイスの下流端部と接触させる工程と、を含み、厚さ制御デバイスが、
角度の付いた剛性プレートと、
可動キャリアウェブ用支持フレーム上に角度の付いた剛性プレートを装着するための装着フレームと、
角度の付いた剛性プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で角度の付いた剛性プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
角度の付いた剛性プレートが、横方向上流後壁、横方向上流後壁の下端部から下流に延在する横方向下流底壁、開放側壁、および開放上部を有し、底壁下面が、平坦な水平プロファイルを有し、横方向上流後壁が、下流底壁と交わって、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向に位置合わせされた屈曲遷移セクションを形成し、横方向上流後壁が、横方向下流底壁と交わって、60~120度、好ましくは、70°~110°、最も好ましくは、80°~100°の範囲の角度を形成し、横方向上流後壁が、可動キャリアウェブから離れて上向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、横方向下流底壁が、可動キャリアウェブに向かって下向きに屈曲遷移セクションから方向付けられ、
角度の付いたプレートの横方向の上流後壁が、可動キャリアウェブの進行方向に対して横方向になるように装着スタンドに装着され、
振動器が、角度の付いたプレートの横方向上流後壁に取り付けられ、
装着スタンドが、可動キャリアウェブ上で、底壁の下流端部を0.1~2インチ、好ましくは、0.2~1.1インチの高さに固定して位置付けるために、可動キャリアウェブに対して角度の付いたプレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ可動キャリアウェブに対する角度のついたプレートの角度を30°未満、典型的には角度は5°~30°、好ましくは、10°~25°の範囲内にあり、固定的に、しかし調整可能に維持し、底壁の下流端部は、可動キャリアウェブ上で搬送される繊維含有スラリーと接触して、繊維含有スラリーの厚さを制御する、プロセス。
【0280】
条項12.角度の付いたプレートが、形成されたパネルの全幅にわたって配設される、条項11に記載のプロセス。
【0281】
条項13.振動する角度の付いたプレートは、プレートの機能的縁部が、スラリーに対して0.05インチ以上の深さで、スラリーと接触したままであるように設置される、条項11または12に記載のプロセス。
【0282】
条項14.振動する角度の付いたプレートが、金属プレートからある距離に取り付けられるウェイトを有する振動モータ105によって振動され、金属プレートにならぶ回転するウェイトの距離が、約0.50~8インチ、約1~7インチ、または約2~6インチであり、その結果、モータからの振動およびプレートの振動が同相のままである、条項11~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【0283】
条項15.偏心ウェイトの回転速度が、典型的には、約100rpm~約4000rpmであり、回転シャフトに取り付けられた偏心ウェイトがセメント系スラリーに接触する金属プレート面に対して平行な平面内で回転するような使用のために、振動モータが装着される、条項11~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【0284】
条項16.支持フレームに対して可動キャリアウェブ上で移送されたスラリー上に堆積した細断繊維をさらに含み、
支持フレームに回転可能に固定された第1の一体的に形成された細長いシャフトに軸方向に固定された第1の複数の軸方向に離間したディスクと接触し、かつ支持フレームに回転可能に固定された第2の一体的に形成された細長いシャフトに軸方向に固定された第2の複数の軸方向に離間したディスクと接触するように、繊維補強コンクリートパネル生産ラインにおいて使用するための埋め込みデバイスに、堆積した繊維とともにスラリーを通過させることにより、形成されたがまだ硬化していない繊維補強コンクリートパネルを形成するために、可動キャリアウェブ上でスラリー内に繊維を埋め込み、
該第1のシャフトが、該第2のシャフトに対して水平に位置合わせされるように配設され、そのため該ディスクが互いに噛み合い、側面から見たときに、該第1および第2の複数のディスクの周辺部が互いに重なり合う、条項11~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【0285】
条項17.繊維埋め込みステーションから排出されたパネルが、厚さ制御デバイスを通る、条項16に記載のプロセス。
【0286】
条項18.さらに、パネルが少なくとも2つの繊維埋め込みステーションを通過し、最も下流の繊維埋め込みステーションから排出されたパネルが、厚さ制御デバイスに供給される、条項16に記載のプロセス。
【0287】
条項19.セメント系スラリーと補強繊維を混合して、繊維含有スラリーを形成し、繊維含有スラリーをヘッドボックスに供給することと、
ヘッドボックスから可動キャリアウェブ上に繊維含有スラリーの層を堆積させることと、をさらに含み、
ヘッドボックスから堆積した繊維スラリー混合物が、高さ4インチ、および直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定した際、4~11インチのスランプを有し、結果としてもたらされた繊維スラリー混合物がまた、20RPM速度で作動するSpindle HA4アタッチメントを備えるBrookfield Viscometer、Model DV-II+Proを使用して測定したときに、45000センチポアズ未満の粘度を有する、条項11~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【0288】
条項20.ヘッドボックスから堆積した繊維スラリー混合物が、高さ4インチ、および直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定した際、4~11インチのスランプを有する、条項19に記載のプロセス。繊維スラリー混合物はまた、20RPM速度で作動するSpindle HA4アタッチメントを備えるBrookfield Viscometer、Model DV-II+Proを使用して、測定したときに、45000センチポアズ未満、好ましくは、30000センチポアズ未満、より好ましくは、15000センチポアズ未満、および最も好ましくは10000センチポアズ未満の粘度を有する。
【0289】
条項21.セメント系スラリーおよび繊維が、ヘッドボックスから排出され、パネル生産ラインの可動表面上に厚さ0.125~2インチの連続層として均一に堆積されて、繊維補強セメントパネルを生産し、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外側リップが、形成されるパネルの上面から約0.01インチ~0.25インチ下に位置する、条項20に記載のプロセス。
【0290】
条項22.乾燥セメント系粉体が、反応性粉体部分および任意選択的な軽量充填剤部分を含み、反応性部分が、乾燥ベースで、35~75重量%の硫酸カルシウムアルファ半水和物、20~55重量%の水硬性セメント、0.2~3.5重量%の石灰、および5~25重量%の活性ポゾランを含む、条項11~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【0291】
条項23.スラリーが、約0.20~約0.7:1の水対セメントの重量比を有する、条項11~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【0292】
条項24.乾燥セメント系粉体が、乾燥ベースで20~50重量%の軽量充填剤粒子を含み、軽量充填剤粒子が、セラミック微小球体、ガラス微小球体、フライアッシュセノスフェアおよびパーライトからなる群から選択される、条項11~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【0293】
条項25.可動キャリアウェブが、毎分1~100フィートの速度で移動する、条項11~24のいずれか一項に記載のプロセス。
【0294】
条項26.繊維補強セメント系パネルの生産ラインであって、
可動キャリアウェブと、
可動キャリアウェブを支持するための支持フレームであって、パネルが、支持フレームに対して進行方向を有する可動キャリアウェブ上で移送される、支持フレームと、
可動キャリアウェブ上で、繊維含有セメント系スラリー上に、ガラスマットなどのフェーサを適用するための手段であって、フェーサを適用するための手段が、可動キャリアウェブの形成面の幅にわたって設置される、手段と、
可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための水平厚さ制御デバイスであって、
水平厚さ制御デバイスが、
剛性水平上部形成プレート(例えば、水平形成プレート446)であって、剛性水平上部形成プレートが、平坦な底面、上流端部および下流端部を有する、剛性水平上部形成プレートと、
可動キャリアウェブのための支持フレーム上に水平配向で剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームであって、剛性水平上部形成プレートが、形成プレート装着フレームに装着される、形成プレート装着フレームと、
剛性水平上部形成プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有セメント系スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で剛性水平上部形成プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
形成プレート装着フレームが、可動キャリアウェブ上で0.1~2インチ、好ましくは、0.2~1.1インチの高さで、平坦な底面を固定的に位置付けるために、可動キャリアウェブ上に剛性水平上部形成プレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつ剛性水平上部形成プレートを可動キャリアウェブに対して平行に維持するためのものであり、
平坦な底面の上流端部が、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面の下流端部が、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面全体が、可動キャリアウェブ上で搬送されるときに、繊維含有スラリー上のフェーサに接触することができる、繊維補強セメント系パネルの生産ライン。
【0295】
条項27.支持フレームに対して可動キャリアウェブ上で移送されたスラリー上に細断繊維を堆積させるための手段と、
支持フレームに回転可能に固定された第1の一体的に形成された細長いシャフトに軸方向に固定された第1の複数の軸方向に離間したディスクと接触し、かつ支持フレームに回転可能に固定された第2の一体的に形成された細長いシャフトに軸方向に固定された第2の複数の軸方向に離間したディスクと接触するように、繊維補強コンクリートパネル生産ラインにおいて使用するための埋め込みデバイスに、堆積した繊維とともにスラリーを通過させることにより、形成されたがまだ硬化していない繊維補強コンクリートパネルを形成するために、可動キャリアウェブ上でスラリー内に繊維を埋め込むための手段と、をさらに備え、
該第1のシャフトが、該第2のシャフトに対して水平に位置合わせされるように配設され、そのため該ディスクが互いに噛み合い、側面から見たときに、該第1および第2の複数のディスクの周辺部が互いに重なり合う、条項26に記載の装置。
【0296】
条項28.セメント系スラリーと補強繊維を混合して、繊維含有スラリーを形成し、繊維含有スラリーをヘッドボックスに供給するための混合器と、
繊維含有スラリーの層を可動キャリアウェブ上に堆積させるためのヘッドボックスと、をさらに備え、
ヘッドボックスから堆積した繊維スラリー混合物が、高さ4インチ、および直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定した際、4~11インチのスランプを有し、結果としてもたらされた繊維スラリー混合物がまた、20RPM速度で作動するSpindle HA4アタッチメントを備えるBrookfield Viscometer、Model DV-II+Proを使用して測定したときに、45000センチポアズ未満の粘度を有する、条項26に記載の装置。
【0297】
条項29.水平形成プレートの上流端部が斜角になっている、条項26~28のいずれか一項に記載の装置。
【0298】
条項30.繊維補強セメント系パネルを作製するためのプロセスであって、
可動キャリアウェブ上で、パネルのための繊維含有スラリーを移送することであって、可動キャリアウェブが、支持フレームによって支持され、パネルが、支持フレームに対して進行方向を有する可動キャリアウェブ上で移送される、移送することと、
可動キャリアウェブの形成面の幅全体にわたって、可動キャリアウェブ上で、繊維含有セメント系スラリー上にガラスマットなどのフェーサを適用して、形成面を覆うことと、
可動キャリアウェブ上で、セメント系材料および埋め込まれた細断繊維を含む、繊維含有セメント系スラリーを含む、形成されたが、まだ硬化されていない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御するための水平厚さ制御デバイスの下を、フェーサで覆われた形成面を通過させることであって、
厚さ制御デバイスが、
剛性水平上部形成プレート(例えば、水平形成プレート446)であって、剛性水平上部形成プレートが、平坦な底面、上流端部および下流端部を有する、剛性水平上部形成プレートと、
可動キャリアウェブのための支持フレーム上に水平配向で剛性水平上部形成プレートを装着するための形成プレート装着フレームであって、剛性水平上部形成プレートが、形成プレート装着フレームに装着される、形成プレート装着フレームと、
剛性水平上部形成プレートの下にある平坦な剛性支持床であって、繊維含有セメント系スラリーを支持するように、かつ好ましくは、0.03インチ未満、好ましくは、0.01インチ未満、好ましくは、0.003インチ未満の偏向で剛性水平上部形成プレートによって付与される下向きの力に耐えるように、十分に適合および構成される、平坦な剛性支持床と、を備え、
繊維含有セメント系スラリーを含む、フェーサで覆われた、形成されたが、まだ硬化していない繊維補強セメント系パネルを、剛性水平上部形成プレートの底面と接触させることによって、形成されたが、まだ硬化していない繊維補強セメント系パネルの厚さを制御することと、を含み、
装着フレームが、可動キャリアウェブ上で0.1~2インチの高さで、平坦な底面を固定的に位置付けるために、可動キャリアウェブ上に剛性水平上部形成プレートの高さを固定的に、しかし調整可能に維持し、かつプレートを可動キャリアウェブに対して平行に維持するためのものであり、
平坦な底面の上流端部が、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面の下流端部が、可動ウェブの進行方向に対して、可動ウェブにわたって横方向に延在し、
平坦な底面全体が、可動キャリアウェブ上で搬送されるとき、繊維含有スラリー上のフェーサに接触する、プロセス。
【0299】
条項31.支持フレームに対して可動キャリアウェブ上で移送されたスラリー上に堆積した細断繊維をさらに含み、
支持フレームに回転可能に固定された第1の一体的に形成された細長いシャフトに軸方向に固定された第1の複数の軸方向に離間したディスクと接触し、かつ支持フレームに回転可能に固定された第2の一体的に形成された細長いシャフトに軸方向に固定された第2の複数の軸方向に離間したディスクと接触するように、繊維補強コンクリートパネル生産ラインにおいて使用するための埋め込みデバイスに、堆積した繊維とともにスラリーを通過させることにより、形成されたがまだ硬化していない繊維補強コンクリートパネルを形成するために、可動キャリアウェブ上でスラリー内に繊維を埋め込み、
該第1のシャフトが、該第2のシャフトに対して水平に位置合わせされるように配設され、そのため該ディスクが互いに噛み合い、側面から見たときに、該第1および第2の複数のディスクの周辺部が互いに重なり合う、条項30に記載のプロセス。
【0300】
条項32.セメント系スラリーと補強繊維を混合して繊維含有スラリーを形成し、繊維含有スラリーをヘッドボックスに供給することと、
ヘッドボックスから可動キャリアウェブ上に繊維含有スラリーの層を堆積させることと、をさらに含み、
ヘッドボックスから堆積した繊維スラリー混合物が、高さ4インチ、および直径2インチのパイプを使用したスランプ試験に従って測定した際、4~11インチのスランプを有し、結果としてもたらされた繊維スラリー混合物がまた、20RPM速度で作動するSpindle HA4アタッチメントを備えるBrookfield Viscometer、Model DV-II+Proを使用して測定したときに、45000センチポアズ未満の粘度を有する、条項30に記載のプロセス。
【0301】
条項33.セメント系スラリーおよび繊維が、ヘッドボックスから排出され、パネル生産ラインの可動表面上に厚さ0.125~2インチの連続層として均一に堆積されて、繊維補強セメントパネルを生産し、角度の付いた剛性プレートアセンブリの底壁の外側リップが、形成されるパネルの上面から約0.01インチ~0.25インチ下に位置する、条項32に記載のプロセス。
【0302】
条項34.可動キャリアウェブが、毎分1~100フィートの速度で移動する、条項30~33のいずれか一項に記載のプロセス。
【0303】
条項35.スラリーが、約0.20~約0.7:1の水対セメントの重量比を有する、条項30~34のいずれか一項に記載のプロセス。
【0304】
条項36.乾燥セメント系粉体が、反応性粉体部分および任意選択的な軽量充填剤部分を含み、反応性部分が、乾燥ベースで、35~75重量%の硫酸カルシウムアルファ半水和物、20~55重量%の水硬性セメント、0.2~3.5重量%の石灰、および5~25重量%の活性ポゾランを含む、条項30~35のいずれか一項に記載のプロセス。
【0305】
条項37.乾燥セメント系粉体が、乾燥ベースで20~50重量%の軽量充填剤粒子を含み、軽量充填剤粒子が、セラミック微小球体、ガラス微小球体、フライアッシュセノスフェアおよびパーライトからなる群から選択される、条項30~36のいずれか一項に記載のプロセス。
【0306】
条項38.固定水平形成プレートが、固定水平形成プレートの下面を、FRCパネルの目標の厚さの0.001~0.05インチ、好ましくは、0.01~0.03インチ未満の高さで位置付けるように設置される、条項30~33のいずれか一項に記載のプロセス。
【0307】
本床繊維補強セメント系構造用パネル生産の特定の実施形態が示され、かつ記載されているが、そのより広い態様において、および以下の特許請求の範囲に記載されているように、本発明から逸脱することなく、変更および修正を行うことができることを当業者は理解するであろう。
図1
図1A
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
【国際調査報告】