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特表2023-507336ノード及び接続入力グラフを用いた土工フローベクトル生成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】ノード及び接続入力グラフを用いた土工フローベクトル生成
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
E02F9/26 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536835
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 US2020065107
(87)【国際公開番号】W WO2021126844
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】16/717,121
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506196063
【氏名又は名称】キャタピラー トリンブル コントロール テクノロジーズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】コルベット-デイヴィス,ジョセフ
(57)【要約】
建設機械の制御を支援するための土工フローベクトルを生成する技術が開示される。土工現場の設計標高マップを取得することができる。設計標高マップは、土工現場の複数の設計標高ポイントを含むことができる。土工現場の実際の標高マップを取得することができる。実際の標高マップは、土工現場の複数の実際の標高ポイントを含むことができる。設計標高マップ及び実際の標高マップに基づいて二重層入力グラフを形成することができる。二重層入力グラフは、複数の接続部を介して関連付けられる複数のノードを含むことができる。フローグラフは、二重層入力グラフを解くことによって生成され得る。フローグラフは、土工現場内での土砂の移動を示すフローベクトルのセットを含むことができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工現場で建設機械の制御を支援するための制御システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、土工現場の設計標高マップを取得するステップであって、前記設計標高マップが前記土工現場の複数の設計標高ポイントを含む、ステップと、
前記土工現場の実際の標高マップを取得するステップであって、前記実際の標高マップが、前記土工現場の複数の実際の標高ポイントを含む、ステップと、
前記設計標高マップおよび前記実際の標高マップに基づいて二重層入力グラフを形成するステップであって、前記二重層入力グラフが、複数の接続部を介して関連付けられる複数のノードを含み、前記複数のノードの各ノードが、前記設計標高マップと前記実際の標高マップとの間の標高差に基づいて計算される値と関連付けられ、前記複数の接続部の各接続部が、前記接続部に沿って前記土工現場内で土砂を移動させるためのコストと関連付けられる、ステップと、
前記二重層入力グラフを解くことによってフローグラフを生成するステップであって、前記フローグラフが、前記土工現場内の前記土砂の移動を示すフローベクトルのセットを含む、ステップと、
前記フローグラフに従って前記土工現場で前記建設機械の移動を引き起こすステップと、
を含む動作を前記1つ以上のプロセッサに実行させる命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体と、
を備える制御システム。
【請求項2】
前記動作は、
前記複数のノードのそれぞれのノードごとに、前記設計標高マップと前記実際の標高マップとの間の前記標高差に基づいて前記ノードと関連付けられる前記値を計算するステップ
を更に含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記動作は、
前記複数の接続部のそれぞれの接続部ごとに、前記接続部に沿って前記土工現場内で前記土砂を移動させるための前記接続部と関連付けられる前記コストを計算するステップ
を更に含む、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記複数のノードは、複数の設計標高ノードと複数の実際の標高ノードとを含み、前記複数の設計標高ノードのそれぞれは、前記複数の実際の標高ノードのうちの対応する1つと同じ場所に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記複数の接続部が複数のクロスマップ接続部を含み、前記複数のクロスマップ接続部のそれぞれは、前記複数の設計標高ノードのうちの1つと前記複数の実際の標高ノードのうちの1つとの間で延びる、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記複数の接続部が複数の同一マップ接続部を含み、前記複数の同一マップ接続部のそれぞれは、
前記複数の設計標高ノードのうちの1つと前記複数の設計標高ノードのうちの異なる1つとの間、または
前記複数の実際の標高ノードのうちの1つと前記複数の実際の標高ノードのうちの異なる1つとの間、
で延びる、請求項4に記載の制御システム。
【請求項7】
土工現場の設計標高マップを取得するステップであって、前記設計標高マップが前記土工現場の複数の設計標高ポイントを含む、ステップと、
前記土工現場の実際の標高マップを取得するステップであって、前記実際の標高マップが、前記土工現場の複数の実際の標高ポイントを含む、ステップと、
前記設計標高マップおよび前記実際の標高マップに基づいて二重層入力グラフを形成するステップであって、前記二重層入力グラフが、複数の接続部を介して関連付けられる複数のノードを含み、前記複数のノードの各ノードが、前記設計標高マップと前記実際の標高マップとの間の標高差に基づいて計算される値と関連付けられ、前記複数の接続部の各接続部が、前記接続部に沿って前記土工現場内で土砂を移動させるためのコストと関連付けられる、ステップと、
前記二重層入力グラフを解くことによってフローグラフを生成するステップであって、前記フローグラフが、前記土工現場内の前記土砂の移動を示すフローベクトルのセットを含む、ステップと、
を含むコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記複数のノードのそれぞれのノードごとに、前記設計標高マップと前記実際の標高マップとの間の前記標高差に基づいて前記ノードと関連付けられる前記値を計算するステップ
を更に含む、請求項7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記複数の接続部のそれぞれの接続部ごとに、前記接続部に沿って前記土工現場内で前記土砂を移動させるための前記接続部と関連付けられる前記コストを計算するステップ
を更に含む、請求項7または8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記複数のノードは、複数の設計標高ノードと複数の実際の標高ノードとを含み、前記複数の設計標高ノードのそれぞれは、前記複数の実際の標高ノードのうちの対応する1つと同じ場所に配置される、請求項7から9のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記複数の接続部が複数のクロスマップ接続部を含み、前記複数のクロスマップ接続部のそれぞれは、前記複数の設計標高ノードのうちの1つと前記複数の実際の標高ノードのうちの1つとの間で延びる、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記複数の接続部が複数の同一マップ接続部を含み、前記複数の同一マップ接続部のそれぞれは、
前記複数の設計標高ノードのうちの1つと前記複数の設計標高ノードのうちの異なる1つとの間、または
前記複数の実際の標高ノードのうちの1つと前記複数の実際の標高ノードのうちの異なる1つとの間、
で延びる、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記フローグラフは、前記複数の接続部のそれぞれに関して前記フローベクトルのセットのうちの1つのフローベクトルを含む二重層フローグラフである、請求項7から12のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
1つ以上のプロセッサによって実行されるときに請求項7から13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を前記1つ以上のプロセッサに実行させる命令を記憶する持続性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]この出願は、その内容全体があらゆる目的のために参照により本願に組み入れられる2019年12月17日に出願された「ノード及び接続入力グラフを用いた土工フローベクトル生成」と題する米国仮特許出願第16/717,121号に対する優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]現代の建設機械は、様々な建設プロジェクトを実行する効率を劇的に高めてきた。例えば、自動傾斜制御システムを使用する土工機械は、以前に手動で行なわれていたものよりも少ないパスを使用して少ない時間でプロジェクト領域を傾斜させることができる。他の例として、現代のアスファルト舗装業者及び他の道路製造業者は、かつて数週間及び数ヶ月にわたって行なわれていたものの代わりに、数時間及び数日の程度で古い道路の交換及び新しい道路の建設を可能にしている。また、建設作業員も、現在、建設プロセスの様々な態様の自動化に起因して、より少ない個人で構成される。建設機械の技術的進歩の多くは、機械の構成要素及び/又は機械を取り囲む環境の状態及び位置のリアルタイム監視を可能にする正確なセンサの利用可能性に部分的に起因する。
【0003】
[0003]多くの建設プロジェクトの場合、土工が総建設コストのかなりの部分を占める可能性がある(例えば、20%-30%)。このように、土砂の移動を記述する効率的な土工設計(多くの場合、切削及び充填が実行される位置並びにそれらの間の搬送経路の形態を成す)は、プロジェクトの全体的な性能にとって重要となり得る。例えば、効率的な土工設計は、切削及び/又は充填される土砂の総量を減らすことができ、それにより、掘削機、トラック、ローダ、及び、圧縮機などの高価な重機の使用量を減らすことができる。改良された土工設計の実現において幾らかの進歩が達成されてきたが、新たな方法及び他の技術が依然として必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の様々な実施形態の概要が例のリストとして以下で与えられる。以下で使用されるように、一連の例への任意の言及は、それらの例のそれぞれへの言及として選言的に理解されるべきである(例えば、「例1-4」は、「例1、2、3又は4」と理解されるべきである)。
【0005】
[0005]例1は、土工現場で建設機械の制御を支援するための制御システムであって、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、土工現場の設計標高マップを取得するステップであって、設計標高マップが土工現場の複数の設計標高ポイントを含む、ステップと、土工現場の実際の標高マップを取得するステップであって、実際の標高マップが、土工現場の複数の実際の標高ポイントを含む、ステップと、設計標高マップ及び実際の標高マップに基づいて二重層入力グラフを形成するステップであって、二重層入力グラフが、複数の接続部を介して関連付けられる複数のノードを含み、複数のノードの各ノードが、設計標高マップと実際の標高マップとの間の標高差に基づいて計算される値と関連付けられ、複数の接続部の各接続部が、接続部に沿って土工現場内で土砂を移動させるためのコストと関連付けられる、ステップと、二重層入力グラフを解くことによってフローグラフを生成するステップであって、フローグラフが、土工現場内の土砂の移動を示すフローベクトルのセットを含む、ステップと、フローグラフに従って土工現場で建設機械の移動を引き起こすステップと、を含む動作を1つ以上のプロセッサに実行させる命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体とを備える制御システムである。
【0006】
[0006]例2は、動作が、複数のノードのそれぞれのノードごとに、設計標高マップと実際の標高マップとの間の標高差に基づいてノードと関連付けられる値を計算するステップを更に含む、例1の制御システムである。
【0007】
[0007]例3は、動作が、複数の接続部のそれぞれの接続部ごとに、接続部に沿って土工現場内で土砂を移動させるための接続部と関連付けられるコストを計算するステップを更に含む、例1-2の制御システムである。
【0008】
[0008]例4は、複数のノードが、複数の設計標高ノードと複数の実際の標高ノードとを含み、複数の設計標高ノードのそれぞれが、複数の実際の標高ノードのうちの対応する1つと同じ場所に配置される、例1-3の制御システムである。
【0009】
[0009]例5は、複数の接続部が複数のクロスマップ接続部を含み、複数のクロスマップ接続部のそれぞれが、複数の設計標高ノードのうちの1つと複数の実際の標高ノードのうちの1つとの間で延びる、例4の制御システムである。
【0010】
[0010]例6は、複数の接続部が複数の同一マップ接続部を含み、複数の同一マップ接続部のそれぞれが、複数の設計標高ノードのうちの1つと複数の設計標高ノードのうちの異なる1つとの間又は複数の実際の標高ノードのうちの1つと複数の実際の標高ノードのうちの異なる1つとの間で延びる、例4の制御システムである。
【0011】
[0011]例7は、土工現場の設計標高マップを取得するステップであって、設計標高マップが土工現場の複数の設計標高ポイントを含む、ステップと、土工現場の実際の標高マップを取得するステップであって、実際の標高マップが、土工現場の複数の実際の標高ポイントを含む、ステップと、設計標高マップ及び実際の標高マップに基づいて二重層入力グラフを形成するステップであって、二重層入力グラフが、複数の接続部を介して関連付けられる複数のノードを含み、複数のノードの各ノードが、設計標高マップと実際の標高マップとの間の標高差に基づいて計算される値と関連付けられ、複数の接続部の各接続部が、接続部に沿って土工現場内で土砂を移動させるためのコストと関連付けられる、ステップと、二重層入力グラフを解くことによってフローグラフを生成するステップであって、フローグラフが、土工現場内の土砂の移動を示すフローベクトルのセットを含む、ステップと、を含むコンピュータ実装方法である。
【0012】
[0012]例8は、複数のノードのそれぞれのノードごとに、設計標高マップと実際の標高マップとの間の標高差に基づいてノードと関連付けられる値を計算するステップを更に含む、例7のコンピュータ実装方法である。
【0013】
[0013]例9は、複数の接続部のそれぞれの接続部ごとに、接続部に沿って土工現場内で土砂を移動させるための接続部と関連付けられるコストを計算するステップを更に含む、例7-8のコンピュータ実装方法である。
【0014】
[0014]例10は、複数のノードが、複数の設計標高ノードと複数の実際の標高ノードとを含み、複数の設計標高ノードのそれぞれが、複数の実際の標高ノードのうちの対応する1つと同じ場所に配置される、例7-9のコンピュータ実装方法である。
【0015】
[0015]例11は、複数の接続部が複数のクロスマップ接続部を含み、複数のクロスマップ接続部のそれぞれが、複数の設計標高ノードのうちの1つと複数の実際の標高ノードのうちの1つとの間で延びる、例10のコンピュータ実装方法である。
【0016】
[0016]例12は、複数の接続部が複数の同一マップ接続部を含み、複数の同一マップ接続部のそれぞれが、複数の設計標高ノードのうちの1つと複数の設計標高ノードのうちの異なる1つとの間又は複数の実際の標高ノードのうちの1つと複数の実際の標高ノードのうちの異なる1つとの間で延びる、例10のコンピュータ実装方法である。
【0017】
[0017]例13は、フローグラフが、複数の接続部のそれぞれに関してフローベクトルのセットのうちの1つのフローベクトルを含む二重層フローグラフである、例7-12のコンピュータ実装方法である。
【0018】
[0018]例14は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、土工現場の設計標高マップを取得するステップであって、設計標高マップが土工現場の複数の設計標高ポイントを含む、ステップと、土工現場の実際の標高マップを取得するステップであって、実際の標高マップが、土工現場の複数の実際の標高ポイントを含む、ステップと、設計標高マップ及び実際の標高マップに基づいて二重層入力グラフを形成するステップであって、二重層入力グラフが、複数の接続部を介して関連付けられる複数のノードを含み、複数のノードの各ノードが、設計標高マップと実際の標高マップとの間の標高差に基づいて計算される値と関連付けられ、複数の接続部の各接続部が、接続部に沿って土工現場内で土砂を移動させるためのコストと関連付けられる、ステップと、二重層入力グラフを解くことによってフローグラフを生成するステップであって、フローグラフが、土工現場内の土砂の移動を示すフローベクトルのセットを含む、ステップと、を含む動作を1つ以上のプロセッサに実行させる命令を記憶する持続性コンピュータ可読媒体である。
【0019】
[0019]例15は、複数のノードのそれぞれのノードごとに、設計標高マップと実際の標高マップとの間の標高差に基づいてノードと関連付けられる値を計算するステップを更に含む、例14の持続性コンピュータ可読媒体である。
【0020】
[0020]例16は、複数の接続部のそれぞれの接続部ごとに、接続部に沿って土工現場内で土砂を移動させるための接続部と関連付けられるコストを計算するステップを更に含む、例14-15の持続性コンピュータ可読媒体である。
【0021】
[0021]例17は、複数のノードが、複数の設計標高ノードと複数の実際の標高ノードとを含み、複数の設計標高ノードのそれぞれが、複数の実際の標高ノードのうちの対応する1つと同じ場所に配置される、例14-16の持続性コンピュータ可読媒体である。
【0022】
[0022]例18は、複数の接続部が複数のクロスマップ接続部を含み、複数のクロスマップ接続部のそれぞれが、複数の設計標高ノードのうちの1つと複数の実際の標高ノードのうちの1つとの間で延びる、例17の持続性コンピュータ可読媒体である。
【0023】
[0023]例19は、複数の接続部が複数の同一マップ接続部を含み、複数の同一マップ接続部のそれぞれが、複数の設計標高ノードのうちの1つと複数の設計標高ノードのうちの異なる1つとの間又は複数の実際の標高ノードのうちの1つと複数の実際の標高ノードのうちの異なる1つとの間で延びる、例17の持続性コンピュータ可読媒体である。
【0024】
[0024]例20は、フローグラフが、複数の接続部のそれぞれに関してフローベクトルのセットのうちの1つのフローベクトルを含む二重層フローグラフである、例14-19の持続性コンピュータ可読媒体である。
【0025】
[0025]本発明の更なる理解を与えるために含まれる添付の図面は、この明細書に組み込まれてこの明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示するとともに、詳細な説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。本発明の基本的な理解及び本発明を実施することができる様々な方法に必要であり得るよりも詳細に本発明の構造的細部を示すことは試みられない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】建設機械の制御を支援するために建設環境内に実装される機械制御システムを示す。
図2】複数のノードから形成される入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するための機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図3A】複数のノード及び複数の接続部から構成される単層入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するための機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図3B】複数のノード及び複数の接続部から構成される単層入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するための機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図3C】複数のノード及び複数の接続部から構成される単層入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するための機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図3D】複数のノード及び複数の接続部から構成される単層入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するための機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図3E】複数のノード及び複数の接続部から構成される単層入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するための機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図3F】複数のノード及び複数の接続部から構成される単層入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するための機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図4】複数のノードから構成される二重層入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するために機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図5】ノード間の接続部を形成することによって二重層入力グラフを形成するためのステップの例を示す。
図6】ノード間の接続部を形成することによって二重層入力グラフを形成するためのステップの例を示す。
図7図4図6に示されるステップによって形成される二重層入力グラフの一例を示す。
図8A】二重層入力グラフを形成するために機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図8B】二重層入力グラフを形成するために機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図8C】二重層入力グラフを形成するために機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図8D】二重層入力グラフを形成するために機械制御システムによって実行され得る様々なステップの例を示す。
図9図8A図8Dに示されるステップによって形成される二重層入力グラフを解くことによって生成され得る二重層フローグラフの一例を示す。
図10A】二重層フローグラフに基づいて生成された後に建設機械によって実施され得る土砂流ステップの一例を示す。
図10B】二重層フローグラフに基づいて生成された後に建設機械によって実施され得る土砂流ステップの一例を示す。
図11A図10Aに示される第1の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図11B図10Aに示される第1の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図11C図10Aに示される第1の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図11D図10Aに示される第1の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図11E図10Aに示される第1の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図12A図10Bに示される第2の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図12B図10Bに示される第2の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図12C図10Bに示される第2の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図12D図10Bに示される第2の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図12E図10Bに示される第2の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図12F図10Bに示される第2の手法に従って土砂流ステップを実行することによる土工現場の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
図13】二重層入力グラフを形成して使用するための方法を示す。
図14】簡略化されたコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0040]添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴が同じ数値参照ラベルを有する場合がある。更に、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に文字を付けることによって或いは参照ラベルの後にダッシュを付けた後に同様の構成要素及び/又は特徴を区別する第2の数値参照ラベルを付けることによって区別することができる。最初の数値参照ラベルのみが明細書中で使用される場合、記述は、添え字にかかわらず同じ最初の数値参照ラベルを有する同様の構成要素及び/又は特徴のうちのいずれか1つに適用できる。
【0028】
[0041]本開示の実施形態は、標高依存のフローグラフの生成を通じて土工プロジェクトを実行する際に建設機械の制御を支援するための改善された技術を提供する。生成されたフローグラフは、各フローベクトルと関連付けられるカットアンドフィル優先度と共にベクトル場を含むことができる。幾つかの実施形態では、コスト関数を組み込んだ標高ベースの入力グラフを使用してフローグラフが生成される。入力グラフは、現在の地面上の1つの層と設計面上の他の層との二重層にすることができる。各層は、切削/充填体積に等しい体積を伴う異なる切削/充填セルを表わす複数のノード(地面ノード及び設計面ノードの両方を伴う)を含むことができる。ノードは、同じタイプのノード間の複数の接続部(本明細書では同一マップ接続部と呼ばれる)並びに異なるタイプのノード間の複数の接続部(本明細書ではクロスマップ接続部と呼ばれる)を介して接続され得る。
【0029】
[0042]幾つかの実施において、各ノードは、16個の他のノード、すなわち、4つのデカルト隣接ノード、4つの対角隣接ノード、及び8つの「2ホップ」対角隣接ノード(既存の接続方向が繰り返されないように、現在のノードから最大2列又は行までのノード)に接続される。これらの接続部のそれぞれは、双方向であってもよく(2つの別個の接続部として扱われてもよい)、場合によってはコスト関数に従って異なる流れ方向に対して非対称のコストを伴う。コスト関数は、上り坂に行く移動にペナルティを課し(例えば、より高いコストを割り当てる)、下り坂に行く移動に報酬を与える(例えば、より低いコストを割り当てる)など、異なるタイプの移動に異なるペナルティを課すように操作され得る。同じ標高に沿う移動は、ペナルティを課されず、報酬も与えられない。
【0030】
[0043]場合によっては、コスト関数を組み込んだ入力グラフを解くことによってフローグラフを生成する(例えば、最小コストのフローアルゴリズムを使用する)と、幾つかの要因に基づいてフローベクトル優先度を決定することができる。例えば、最適な流れが設計面上にある場合、切削に優先度が与えられ得る。他の例として、最適な流れが現在の地面上以外の場所にある場合には、充填に優先度が与えられ得る。割り当て優先度は、幾つかの例では、調整可能なパラメータb≧1を使用することによって容易にすることができる。入力グラフ内の接続部が設計面ノード上で終了する場合(別の設計面ノード又は現在の地面ノードのいずれかに由来する)、コストは調整可能パラメータbで乗算される。幾つかの実施において、目標は、設計面上に殆ど流れがなくなるまでbを増加させることであり、残っている流れが最も優先度が高い。これは、設計面上を流れるコストが増加しても、最も効率的な経路が依然として設計面上にある可能性があるためである。したがって、現在の表面が最初にこれらの領域内で切削され又は設計面に充填され、次いでbを下げてより低い優先度フローを得ることができることが重要であり得る。
【0031】
[0044]本明細書に記載の技術は、自己完結型の切削/充填領域の特定を更に提供する。フローグラフ内のフローベクトルを調べることにより、流入又は流出の正味の流れがない領域を特定することができる。これらの領域の境界は、「部分線」に対応することができ、最適な土工プロセスのために材料が交差すべきではない場所に関する明確なガイダンスをオペレータに提供する。
【0032】
[0045]図1は、本開示の幾つかの実施形態に係る、建設機械150の制御を支援するための建設環境内に実装される機械制御システム100を示す。幾つかの実施形態において、建設機械150は、現在の地面が所望の設計面に変換されるように、大量の土砂が移動される(例えば、切削及び/又は充填される)ようになっている土工現場110で展開されてもよい。建設機械150は、本明細書では土工建設機械に対応するものとして一般的に説明されるが、本明細書に記載の様々な技術は、グレーダー、掘削機、ブルドーザ、バックホー、舗装機(例えば、コンクリート、アスファルト、スリップフォーム、振動など)、圧縮機、スクレーパ、ローダなどの多種多様な建設機械に適用可能である。幾つかの実施形態において、建設機械150は、車輪、車軸を有するトラクタと、しばしば一定速度で所望の経路に沿って駆動するべく建設機械150に動力及び牽引力を与えるガソリン、ディーゼル、電気、又は蒸気動力エンジンとを含むことができる。建設機械150のオペレータは、レバー、スイッチ、ボタン、ペダル、ステアリングホイール、タッチスクリーンなどの様々な入力デバイス152を使用して運転室内の機械を制御することができる。
【0033】
[0046]機械制御システム100の構成要素は、建設機械150が機械制御システム100を含むことができるように、建設機械150の構成要素に取り付けられ又は建設機械150の構成要素と一体化されてもよい。機械制御システム100の構成要素は、1つ以上の有線及び/又は無線接続を介して互いに通信可能に結合されてもよい。建設機械150の三次元(3D)追跡並びに土工現場110の標高の検出を可能にするために、機械制御システム100は、回転センサ、位置決めセンサ、スキャナ、カメラなどの様々なセンサ154を含んでもよい。
【0034】
[0047]幾つかの実施形態において、センサ154は、慣性測定ユニット(IMU)などの角度センサを含んでもよい。本明細書で使用される場合、角度センサは、角速度及び/又は角度位置を検出することができる任意の電子デバイスを指すことができる。したがって、本明細書に記載の角度センサは、IMUを含むことができる。幾つかの実施形態において、角度センサは、角速度を直接検出し、積分して角度位置を取得することができ、或いは、角度センサは、角度位置を直接測定し、角度位置の変化を決定(例えば、導関数を決定)して角速度を取得することができる。多くの場合、ヨー角(垂直軸に対する回転角)、ピッチ角(横軸に対する回転角)、及び/又は、ロール角(縦軸に対する回転角)を決定するために角度センサが使用される。
【0035】
[0048]幾つかの実施形態において、センサ154は、全土砂航法衛星システム(GNSS)受信機などの位置センサを含むことができる。本明細書で使用される場合、角度センサは、世界空間内の3D位置を検出することができる任意の電子デバイスを指すことができる。そのようなデバイスは、3D位置を検出するために第2の近くのデバイスと直接見通し線を確立することができるGNSS受信機又はトータルステーションデバイスなどの多くの3D測位ソリューションに対応することができる。幾つかの実施形態において、GNSS受信機は、中土砂軌道(MEO)又は静止土砂軌道(GEO)衛星からGNSS受信機に送信される無線信号を使用して、GNSS受信機の位置、速度、及び時間情報を決定することができる。現在運用されているGNSSの例としては、米国の全土砂測位システム(GPS)、ロシアの全土砂航法衛星システム(GLONASS)、中国の北斗衛星航法システム、欧州連合(EU)のガリレオ、及び衛星ベースの補強システム(SBAS)が挙げられる。
【0036】
[0049]機械制御システム100は、センサ154、入力デバイス152、及び外部コンピューティングシステム162からデータを受信し、アクチュエータ156のいずれかの動作位置を制御するためにアクチュエータ156に送信されるコマンドを生成し、ディスプレイ158に表示される視覚的命令又はインジケータを与える制御ボックス160を含むことができる。制御ボックス160は、1つ以上のプロセッサ及び関連するメモリを含むことができる。幾つかの実施形態において、制御ボックス160は、機械制御システム100及び建設機械150の外部に位置される中央コンピューティングシステム162に通信可能に結合されてもよい。中央コンピューティングシステム162は、勾配付けされるべき領域、所望の勾配などの勾配動作の詳細の命令を制御ボックス160に送信することができる。また、中央コンピューティングシステム162は、交通状況、気象状況、物質移送車両の位置及び状態などの警報及び他の一般情報を制御ボックス160に送信することもできる。
【0037】
[0050]幾つかの実施形態では、機械制御システム100がフローグラフ120を生成及び維持することができる。幾つかの実施形態において、フローグラフ120は、建設機械150によって移動されるべき土砂を示すフロー矢印を伴う土工現場110のトップダウン図として表わすことができる。フローグラフ120は、部分線によって分離された様々な自己完結型領域を含むことができる。自己完結型領域及び部分線は、建設機械150のオペレータに対して、例えば、一部の土砂が一方側に移動し且つ一部の土砂が他方側に移動する状態で、支配的な切削「隆起部」を分割する必要がある場所についてのガイダンスを与えることができる。各自己完結型領域内のフローベクトル(矢印で示される)は、領域内の切削セルの重心から充填セルの重心まで引き出されてもよい。
【0038】
[0051]図2は、複数のノード210から構成される入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するために機械制御システム100によって実行され得る様々なステップの例を示す。幾つかの実施形態では、土工現場110の実際の標高マップ202及び設計標高マップ204が機械制御システム100によって取得される。標高マップのそれぞれは、二次元(2D)領域上にわたって土工現場110に対応する標高ポイントを備えることができる。実際の標高マップ202は、土工現場110の実際の地面に対応することができ、1つ以上のセンサを使用して検出され得る。設計標高マップ204は、土工現場110の所望の地面に対応することができ、入力デバイス152を介して与えられ、外部コンピューティングシステム162から受信され、及び/又は、機械制御システム100内で生成され得る。
【0039】
[0052]幾つかの実施形態では、実際の標高マップ202と設計標高マップ204とを組み合わせて、組み合わせ標高マップ206を作成することができる。様々な実施形態において、組み合わせ標高マップ206は、実際の標高マップ202と設計標高マップ204との差として、実際の標高マップ202と設計標高マップ204との重ね合わせとして、又は、標高マップの他の何らかの組み合わせとして計算することができる。幾つかの実施形態において、ノード210は、組み合わせ標高マップ206に基づいて計算することができる。ノード210は、実際の標高マップ202及び設計標高マップ204と同じ2D領域に広がることができ、ノード210のそれぞれは、実際の標高マップ202内の標高ポイントと設計標高マップ204内の対応する標高ポイントとの間の差に基づいて計算され(例えば、差に等しく設定され)得る体積値と関連付けられてもよい。体積値のそれぞれは、土工現場110が設計標高マップ204に変換されるように、移動される(例えば、切削及び/又は充填される)べき土砂の量に対応することができる。
【0040】
[0053]図3A図3Fは、複数のノード210及び複数の接続部312から構成される単層入力グラフ314を形成することによってフローグラフを生成するための機械制御システム100によって実行され得る様々なステップの例を示す。図3Aは、接続部312を介して関連付けられるノード210によって形成され得る単層入力グラフ314の一例を示す。明確にするために、図3Aでは接続部312が隣り合うノード210間及び対角的に関連するノード210間でのみ示されるが、接続部312は、「ナイトの移動」によって関連するノード間の接続部を更に含む図示の接続パターンに従って近くのノード間に形成されてもよい。接続部312が間に形成されるノード210のそれぞれの対ごとに、一対の接続部を形成することができ、この場合、一方の接続部は第1のノードから第2のノードまで延在し、他方の接続部は第2のノードから第1のノードまで延在する。
【0041】
[0054]図3Bは、ノードのうちの1つ(左上のノード)に関して計算され得る単位コストの一例を示す。単位コストのそれぞれは、接続部に沿って土砂を移動させるためのコストに対応することができ、(1)開始ノード及び終了ノードの2D位置、(2)接続部に沿った設計標高マップ及び実際の標高マップの標高(例えば、開始ノード及び終了ノードの位置において)、並びに(3)特定の機械性能パラメータ及び土壌情報などの他の情報の関数として計算することができる。特定の図示された例において、各単位コストは、ノード間の標高変化を考慮せずに接続部の2D長さに基づいて計算される。
【0042】
[0055]図3Cは、単層入力グラフ314を解くことによって生成され得る単層フローグラフ320の一例を示す。幾つかの実施形態において、単層入力グラフ314は、単層入力グラフ314を最小コストフロー問題を定義するものとして扱うことによって解くことができる。問題の解決策は、総コスト(例えば、各接続部のフローの合計にその単位コストを乗じたもの)を最小にしながら各ノードで体積が満たされる(例えば、流出-流入はノードの体積値に等しい)ように各接続部に沿った最適な流れ(例えば、移動されるべき土砂の体積)を見つけることを目的とする。図3Cに示される解決策の例に関して、最適な流れが0の接続部は引き出されない。
【0043】
[0056]単層フローグラフ320は、接続部312に沿った土工現場110内の土砂の移動を示すフローベクトル322のベクトル場を含む。フローベクトル322のそれぞれは、対応する接続部と同様にノード210のうちの2つの間で延在する。幾つかの実施形態において、フローベクトル322のそれぞれは、所定のノードにおける平均最適土砂流れ方向及び大きさを与える。
【0044】
[0057]図3Dは、単層フローグラフ320の別の表示の一例を示す。幾つかの実施形態において、各ノードにおけるフローベクトル322は、所定のノードにおける出力接続部の流量重み付きベクトル和を実行することによって平均化することができる。例えば、複数のフローベクトルが所定のノードから外側に延びる場合、フローベクトルは、それらの大きさ/流量によって平均化及び重み付けされ得る。結果として生じるフローベクトル322は、それぞれのノードごとに土砂を押す最良の方向を建設機械150のオペレータに提供するために表示され得る。
【0045】
[0058]図3Eは、単層フローグラフ320に基づいて自己完結型領域324を特定する一例を示す。幾つかの実施形態において、自己完結型領域324は、自己完結型領域324のそれぞれが連続しており且つ他の自己完結型領域324と重なり合わないように、非ゼロフローベクトル322によって接続されたノードをグループ化することによって特定され得る。自己完結型領域324は、土砂が流入も流出もしない領域である。幾つかの実施形態において、自己完結型領域324間の境界は、「部分線」と呼ぶことができる。
【0046】
[0059]図3Fは、各自己完結型領域324内の全てのフローベクトル322の流量重み付きベクトル和を実行することによってフローベクトル322を平均化する一例を示す。例えば、複数のフローベクトルが所定の自己完結型領域内にある場合、フローベクトルは、それらの大きさ/流量によって平均化及び重み付けされ得る。結果として生じる平均化されたフローベクトルを表示して、それぞれの自己完結型領域ごとに土砂を押す最良の方向を建設機械150のオペレータに提供することができる。
【0047】
[0060]図4は、複数のノード410から構成される二重層入力グラフを形成することによってフローグラフを生成するために機械制御システム100によって実行され得る様々なステップの例を示す。幾つかの実施形態において、土工現場110の実際の標高マップ402及び設計標高マップ404は、機械制御システム100によって取得されるとともに、組み合わされて組み合わせ標高マップ406を作成し、組み合わせ標高マップは、実際の標高マップ402と設計標高マップ404との間の差として、実際の標高マップ402と設計標高マップ404との重ね合わせとして、又は、標高マップの他の何らかの組み合わせとして計算することができる。ノード410は、組み合わせ標高マップ406に基づいて計算され得るとともに、実際の標高マップ402及び設計標高マップ404と同じ2D領域にわたって分散され得る。
【0048】
[0061]図示の実施形態において、ノード410は、(実際の標高マップ402によって決定された標高を伴う)実際の標高ノード410Aと、(設計標高マップ404によって決定された標高を伴う)設計標高ノード410Bとに分割される。実際の標高ノード410Aのそれぞれは、設計標高ノード410Bのうちの1つと2Dで同じ場所に配置されてもよい。
【0049】
[0062]図5は、ノード410間に接続部412を形成することによって二重層入力グラフを形成するためのステップの一例を示す。図5の右上においては、同一マップ接続部412Aが設計標高ノード410B間に形成される。図5の中央右においては、同一マップ接続部412が実際の標高ノード410A間に形成される。図5の右下においては、クロスマップ接続部412Bが、図示のように2つの層にわたって実際の標高ノード410Aと設計標高ノード410Bとの間に形成される。
【0050】
[0063]図6は、ノード410間に接続部412を形成することによって二重層入力グラフを形成するためのステップの例を示す。図6の右上においては、同一マップ接続部412Aが設計標高ノード410B間に形成される。図6の中央右においては、同一マップ接続部412が実際の標高ノード410A間に形成される。図6の右下においては、クロスマップ接続部412Bが、図示のように2つの層にわたって実際の標高ノード410Aと設計標高ノード410Bとの間に形成される。
【0051】
[0064]図7は、図4図6に示されるステップによって形成される二重層入力グラフ714の一例を示す。例えば、二重層入力グラフ714は、ノード410(実際の標高ノード410A及び設計標高ノード410Bの両方を含む)及び接続部412(同一マップ接続部412A及びクロスマップ接続部412Bの両方を含む)を含むことができる。
【0052】
[0065]図7には示されないが、幾つかの実施形態において、二重層入力グラフ714は、ノード410のそれぞれが接続される「廃棄物/借入ノード」を含むことができる。廃棄物/借入ノードは、材料の現場外ソース又はシンクに相当してもよい。例えば、現場の総切削量及び充填量が等しくない場合、設計を構築するために材料を現場に運び込む又は現場から運び去る必要があり得る。現場ノードから廃棄物/借入ノードへの接続部は、一方向(材料の余剰又は不足の有無に応じた方向)であってもよく、等しいが任意の単位コストを有してもよい。
【0053】
[0066]この新たな入力グラフ(廃棄物/借入ノードを伴う二重層入力グラフ714)上で最小コストフロー問題が解決されると、結果として得られるフローグラフは、設計内のどこに材料を運び込む又は運び去るのに最適な場所があるかをユーザに示す。例えば、材料が不足している現場(例えば、充填体積>切削体積)では、この手法は、通常、追加の材料を導入するための最適な場所として最も深い充填領域を強調表示するが、場合によっては、最も浅い充填領域は、その最も近い切削領域から遠い場合に強調表示される。直感的に、強調表示された領域は、既存の材料で構築するための現場の最も高価な領域であるため、これらの領域に追加の材料を導入することは理にかなっている。
【0054】
[0067]図8A図8Dは、二重層入力グラフを形成するために機械制御システム100によって実行され得る様々なステップの例を示す。図8Aは、対応する標高がラベル付けされた実際の標高ノード810A及び設計標高ノード810Bを示す。同じ場所に位置するノードにおける標高差を計算することができる(各列の上部に示される)。例えば、図8Aの最左列では、標高差が-3(0と-3との差)して計算される。
【0055】
[0068]図8Bは、対応する体積値832がラベル付けされた実際の標高ノード810A及び設計標高ノード810Bを示す。体積値832は、それらの標高差を2で除算することによって、2つの同じ場所に位置するノードについて計算することができる。例えば、図8Bの最左列では、体積値が-1.5(-3を2で除算)として計算され得る。他の例として、図8Bの右端の列では、体積値が1(2を2で除算)として計算され得る。
【0056】
[0069]図8Cは、ノード810間に接続部812を形成することによって二重層入力グラフを形成するためのステップの例を示す。実際の標高ノード810A間の同一マップ接続部812Aが破線で示され、設計標高ノード810B間の同一マップ接続部812Aが実線で示され、クロスマップ接続部812Bが点線で示される。
【0057】
[0070]図8Dは、ノードのうちの1つ(第2の左端の設計標高ノード)から外向きに延びる接続部に関して計算され得る単位コスト842の例を示す。図示の実施形態において、各単位コストは、接続部の長さ並びにノード間の標高変化に基づいて計算される。例えば、設計標高ノードの左に延びる同一マップ接続部における単位コストは標高の変化がないため1に等しく、設計標高ノードの右に延びる同一マップ接続部の単位コストは標高の変化がないため1に等しく、設計標高ノードの左に延びるクロスマップ接続部の単位コストは標高の減少により0.5に等しく、設計標高ノードの右に延びるクロスマップ接続部の単位コストは標高の増加により3に等しい。
【0058】
[0071]図9は、図8A図8Dに示されるステップによって形成される二重層入力グラフを解くことによって生成され得る二重層フローグラフ920の一例を示す。二重層フローグラフ920は、接続部812に沿った土工現場110内の土砂の移動を示すフローベクトル922のベクトル場を含む。フローベクトル922のそれぞれは、対応する接続部と同様にノード810のうちの2つの間で延在する。ゼロに等しい二重層フローグラフ920のフローベクトルは、図9には描かれていない。
【0059】
[0072]図10A及び図10Bは、二重層フローグラフ920に基づいて生成された後に建設機械150によって実施され得るステップの例を示す。図10Aは、同じ場所に位置するノードから外側に延びるフローベクトル922が合計される第1の手法に従って生成されたステップを示す。例えば、二重層フローグラフ920の右端のノードから外側に延びる2つのフローベクトルが合計されてステップ1.1が生成される。
【0060】
[0073]図10Bは、設計標高ノードよりも高い標高を有する実際の標高ノードから外側に延びるフローベクトル922がそうでないフローベクトル922よりも高い優先度を与えられる第2の手法に従って生成されたステップを示す。例えば、図9を参照すると、フローベクトル922-1は、同じ場所にある設計標高ノードよりも高い標高を有する実際の標高ノードであるノード810A-1から外向きに延びるので、フローベクトル922-1は、フローベクトル922-2及び922-3の前に実行されるべきである。したがって、フローベクトル922-1は、ステップ2.1を生成するために使用される。ノード810A-1を除去することにより、フローベクトル922-3に関連付けられた2つの流れ単位は、ノード810A-1の体積値0.5によってもはやブロックされない。そうでなければ、これらの2つの流れユニットは、ノード810A-1上でより高価な経路をとらなければならない。幾つかの実施形態では、土砂流ステップは、図10Bに示すように異なる命令シーケンスに分割することができ、図10Bは、ステップ2.1を含む第1の命令シーケンスと、ステップ2.2~2.5を含む第2の命令シーケンスとを示す。
【0061】
[0074]図11A図11Eは、図10Aに示される第1の手法に従って土砂流ステップ1.1~1.4を実行することによる土工現場110の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
【0062】
[0075]図12A図12Fは、図10Bに示される第2の手法に従って土砂流ステップ2.1~2.5を実行することによる土工現場110の実際の標高マップから設計標高マップへの変換を示す。
【0063】
[0076]図13は、本開示の幾つかの実施形態に係る方法1300を示す。様々な実施形態において、方法1300は、二重層入力グラフを形成するための方法、フローグラフを生成するための方法、及び/又は、建設機械の制御を支援するための方法に対応することができる。方法1300の1つ以上のステップは、図示の実施形態とは異なる順序で実行されてもよく、及び/又は、方法1300の実行中に方法1300の1つ以上のステップが省略されてもよい。方法1300の1つ以上のステップは、建設機械150及び/又は機械制御システム100などの本明細書に記載の構成要素によって実行することができる。
【0064】
[0077]ステップ1302では、土工現場(例えば、土工現場110)の設計標高マップ(例えば、設計標高マップ204,404)を取得することができる。幾つかの実施形態では、設計標高マップが土工現場の複数の設計標高ポイントを含む。
【0065】
[0078]ステップ1304では、土工現場の実際の標高マップ(例えば、実際の標高マップ202,402)を取得することができる。幾つかの実施形態では、実際の標高マップが土工現場の複数の実際の標高ポイントを含む。
【0066】
[0079]ステップ1306では、設計標高マップ及び実際の標高マップに基づいて二重層入力グラフ(例えば、二重層入力グラフ714,914)が形成される。幾つかの実施形態において、二重層入力グラフは、複数の接続部(例えば、接続部312,412,812)を介して関連付けられる複数のノード(例えば、ノード210,410,810)を含む。幾つかの実施形態において、複数のノードの各ノードは、設計標高マップと実際の標高マップとの間の標高差に基づいて計算される値(例えば、体積値832)と関連付けられる。幾つかの実施形態において、複数の接続部の各接続部は、接続部に沿って土工現場内で土砂を移動させるためのコスト(例えば、単位コスト842)と関連付けられる。幾つかの実施形態では、ステップ1306がステップ1308及び1310の一方又は両方を含む。
【0067】
[0080]幾つかの実施形態において、複数のノードは、複数の設計標高ノード(例えば、設計標高ノード410B,810B)及び複数の実際の標高ノード(例えば、実際の標高ノード410A、810A)を含む。幾つかの実施形態において、複数の設計標高ノードの各設計標高ノードは、複数の実際の標高ノードの対応する実際の標高ノードと同じ場所(例えば、2Dにおいて)に配置される。
【0068】
[0081]幾つかの実施形態において、複数の接続部は、複数の同一マップ接続部(例えば、同一マップ接続部412A、812A)及び複数のクロスマップ接続部(例えば、クロスマップ接続部412B、812B)を含む。複数の同一マップ接続部の各同一マップ接続部は、(1)複数の設計標高ノードのうちの第1の設計標高ノードと複数の設計標高ノードのうちの第2の設計標高ノードとの間、又は、(2)複数の実際の標高ノードのうちの第1の実際の標高ノードと複数の実際の標高ノードのうちの第2の実際の標高ノードとの間のいずれかに及ぶことができる。
【0069】
[0082]ステップ1308において、複数のノードの各ノードと関連付けられた値は、設計標高マップと実際の標高マップとの間の標高差に基づいて計算される。幾つかの実施形態では、各ノードの標高が最初に計算される。複数の設計標高ノードのそれぞれについて、標高を設計標高マップに沿うポイントとして計算することができる。同様に、複数の実際の標高ノードのそれぞれについて、標高を実際の標高マップに沿うポイントとして計算することができる。標高が計算されると、同じ場所に位置する2つのノード(1つの設計標高ノード及び1つの実際の標高ノード)における標高間の差を計算することができる。2つの同じ場所に位置するノードに関連付けられた値は、図8Bを参照して説明したように、標高差に等しく設定されてもよく又は標高差を2で割った値に等しく設定されてもよい。
【0070】
[0083]ステップ1310において、接続部に沿って土工現場内で土砂を移動させるための複数の接続部の各接続部に関連するコストが計算される。幾つかの実施形態において、コストは、コストが少なくとも部分的に接続部が間で延びるノード間の距離の関数であるように、距離に依存する。幾つかの実施形態において、コストは、少なくとも部分的に接続が間で延びるノード間の標高差の関数であるように、標高に依存する。幾つかの実施形態では、図8Dを参照して説明したように、接続部の高さが増加するとコストが高くなり、接続部の高さが減少するとコストが低くなる。
【0071】
[0084]ステップ1312では、二重層入力グラフを解くことによってフローグラフ(例えば、フローグラフ120,320,920)が生成される。幾つかの実施形態において、フローグラフは、土工現場内の土砂の移動を示すフローベクトル(例えば、フローベクトル322,922)のセットを含む。幾つかの実施形態において、フローグラフは、複数のノードと、複数のノード間の土砂の移動を示すフローベクトルのセットとを含むことができる。例えば、フローベクトルのセットのそれぞれは、フローベクトルのセットのそれぞれが複数の接続部のうちの1つに沿った土砂の移動を示すように、複数の接続部のうちの1つに対応することができる。幾つかの実施形態において、フローグラフは、複数のそれぞれの接続部ごとにフローベクトルのセットのフローベクトルを含む二重層フローグラフである。オペレータのためにフローグラフが表示されるとき、0の値を有するいかなるフローベクトルも表示される必要はない。
【0072】
[0085]図14は、本開示の幾つかの実施形態に係る簡略化されたコンピュータシステム1400を示す。図14に示されるコンピュータシステム1400は、建設機械150又は機械制御システム100又は本明細書に記載の他の何らかのデバイスなどのデバイスに組み込むことができる。図14は、様々な実施形態によって提供される方法のステップの一部又は全てを実行することができるコンピュータシステム1400の一実施形態の概略図を提供する。図14は、そのいずれか又は全てが適切に利用され得る様々な構成要素の一般化された説明を与えることのみを意味することに留意されたい。したがって、図14は、個々のシステム要素がどのように比較的分離された又はより統合された方法で実装され得るかを広く示す。
【0073】
[0086]コンピュータシステム1400は、バス1405を介して電気的に結合することができる又は必要に応じて通信することができるハードウェア要素を備えるものとして示される。ハードウェア要素は、限定はしないが、デジタル信号処理チップ、グラフィックス加速プロセッサ、及び/又は、同様のものなどの1つ以上の汎用プロセッサ及び/又は1つ以上の専用プロセッサを含む1つ以上のプロセッサ1410、限定はしないが、マウス、キーボード、カメラ、及び/又は、同様のものを含むことができる1つ以上の入力デバイス1415、及び、限定はしないが、表示デバイス、プリンタ、及び/又は、同様のものを含むことができる1つ以上の出力デバイス1420を含んでもよい。
【0074】
[0087]コンピュータシステム1400は、限定はしないが、ローカル及び/又はネットワークアクセス可能ストレージを備えることができる、及び/又は、限定はしないが、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光記憶デバイス、ソリッドステート記憶デバイス、例えば、プログラム可能、フラッシュ更新可能、及び/又は、同様のランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び/又はリードオンリーメモリ(「ROM」)などを含むことができる、1つ以上の持続性記憶デバイス1425を更に含む及び/又はそれと通信することができる。そのような記憶デバイスは、限定はしないが、様々なファイルシステム、データベース構造などを含む任意の適切なデータストアを実装するように構成することができる。
【0075】
[0088]また、コンピュータシステム1400は、限定はしないが、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス、及び/又はBluetooth(商標)デバイス、802.11デバイス、WiFiデバイス、WiMaxデバイス、セルラー通信設備などのチップセットを含むことができる通信サブシステム1430を含むことができる。通信サブシステム1430は、一例を挙げると、後述するネットワークなどのネットワークと、他のコンピュータシステム、及び/又は本明細書に記載の任意の他のデバイスとデータを交換することを可能にするための、1つ以上の入力及び/又は出力通信インターフェースを含むことができる。所望の機能及び/又は他の実装上の懸念に応じて、ポータブル電子デバイス又は同様のデバイスは、通信サブシステム1430を介して画像及び/又は他の情報を通信することができる。他の実施形態では、ポータブル電子デバイス、例えば第1の電子デバイスは、コンピュータシステム1400、例えば入力デバイス装置1415としての電子デバイスに組み込まれてもよい。幾つかの実施形態において、コンピュータシステム1400は、前述したように、RAM又はROMデバイスを含むことができるワーキングメモリ1435を更に備える。
【0076】
[0089]また、コンピュータシステム1400は、オペレーティングシステム1440、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、及び/又は、1つ以上のアプリケーションプログラム1445などの他のコードを含む、ワーキングメモリ1435内に現在配置されているものとして示されているソフトウェア要素を含むこともでき、ソフトウェア要素は、様々な実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを含むことができ、及び/又は、本明細書で説明されるように、他の実施形態によって提供される方法を実施し、及び/又はシステムを構成するように設計することができる。単なる例として、前述した方法に関して説明した1つ以上の手順は、コンピュータ及び/又はコンピュータ内のプロセッサによって実行可能なコード及び/又は命令として実装することができ、一態様では、その場合、そのようなコード及び/又は命令は、記載された方法に従って1つ以上の動作を実行するように汎用コンピュータ又は他のデバイスを構成及び/又は適合させるために使用することができる。
【0077】
[0090]これらの命令及び/又はコードのセットは、前述の記憶デバイス1425などの持続性コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。場合によっては、記憶媒体は、コンピュータシステム1400などのコンピュータシステム内に組み込まれてもよい。他の実施形態において、記憶媒体は、コンピュータシステム、例えばコンパクトディスクなどのリムーバブルメディアとは別個であってもよく、及び/又はインストールパッケージで提供されてもよく、その結果、記憶媒体は、記憶された命令/コードを用いて汎用コンピュータをプログラム、構成、及び/又は適合させるために使用され得る。これらの命令は、コンピュータシステム1400によって実行可能な実行可能コードの形態をとることができ、及び/又はソース及び/又はインストール可能コードの形態をとることができ、例えば、様々な一般的に利用可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティなどのいずれかを使用して、コンピュータシステム1400上でコンパイル及び/又はインストールすると、実行可能コードの形態をとる。
【0078】
[0091]特定の要件に従って実質的な変形がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアが使用されてもよく、及び/又は特定の要素が、ハードウェア、又はアプレットなどのポータブルソフトウェアを含むソフトウェア、又はその両方で実装されてもよい。更に、ネットワーク入出力デバイスなどの他のコンピューティングデバイスへの接続を採用することができる。
【0079】
[0092]前述したように、一態様では、幾つかの実施形態は、コンピュータシステム1400などのコンピュータシステムを使用して、本技術の様々な実施形態による方法を実行することができる。一組の実施形態によれば、そのような方法の手順の一部又は全ては、プロセッサ1410が、ワーキングメモリ1435に含まれるオペレーティングシステム1440及び/又はアプリケーションプログラム1445などの他のコードに組み込まれ得る、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステム1400によって実行される。そのような命令は、記憶デバイス1425のうちの1つ以上などの別のコンピュータ可読媒体からワーキングメモリ1435に読み込まれてもよい。単なる例として、ワーキングメモリ1435に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ1410に、本明細書に記載の方法の1つ以上の手順を実行させることができる。これに加えて又は代えて、本明細書に記載の方法の一部は、専用ハードウェアを介して実行されてもよい。
【0080】
[0093]本明細書で使用される「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械を特定の方法で動作させるデータの提供に関与する任意の媒体を指す。コンピュータシステム1400を使用して実装される実施形態では、様々なコンピュータ可読媒体が、実行のためにプロセッサ1410に命令/コードを提供することに関与してもよく、及び/又はそのような命令/コードを格納及び/又は搬送するために使用されてもよい。多くの実施において、コンピュータ可読媒体は、物理的及び/又は有形の記憶媒体である。そのような媒体は、不揮発性媒体又は揮発性媒体の形態をとることができる。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス1425などの光学及び/又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、ワーキングメモリ1435などのダイナミックメモリを含むが、これに限定されない。
【0081】
[0094]物理的及び/又は有形のコンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、又はコンピュータが命令及び/又はコードを読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0082】
[0095]様々な形態のコンピュータ可読媒体は、実行のためにプロセッサ1410に1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを搬送することに関与することができる。単なる一例として、命令は、最初にリモートコンピュータの磁気ディスク及び/又は光ディスク上で搬送されてもよい。リモートコンピュータは、命令をその動的メモリにロードし、コンピュータシステム1400によって受信及び/又は実行される伝送媒体を介して信号として命令を送信することができる。
【0083】
[0096]通信サブシステム1430及び/又はその構成要素は一般に信号を受信し、バス1405は信号及び/又は信号によって搬送されるデータ、命令などをワーキングメモリ1435に搬送することができ、そこからプロセッサ1410は命令を取り出して実行する。ワーキングメモリ1435によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ1410による実行の前又は後のいずれかに持続性記憶デバイス1425に記憶されてもよい。
【0084】
[0097]前述の方法、システム、及びデバイスは例である。様々な構成は、必要に応じて様々な手順又は構成要素を省略、置換、又は追加することができる。例えば、代替的な構成では、方法は、記載された順序とは異なる順序で実行されてもよく、及び/又は様々な段階が追加、省略、及び/又は組み合わせられてもよい。また、特定の構成に関して説明した特徴は、様々な他の構成で組み合わせることができる。構成の異なる態様及び要素は、同様の態様で組み合わせることができる。また、技術は進化しており、したがって、要素の多くは例であり、本開示又は特許請求の範囲を限定するものではない。
【0085】
[0098]具体的な詳細は、実装形態を含む例示的な構成の完全な理解を与えるために説明で与えられる。しかしながら、これらの特定の詳細を伴うことなく構成を実施することができる。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技術は、構成を不明瞭にすることを避けるために、不必要な詳細を伴うことなく示される。この説明は、例示的な構成のみを提供し、特許請求の範囲、適用性、又は構成を限定しない。むしろ、構成の前述の説明は、記載された技術を実施するための可能な説明を当業者に提供する。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置に様々な変更を加えることができる。
【0086】
[0099]また、構成は、概略フローチャート又はブロック図として示されているプロセスとして説明することができる。それぞれが動作を順次プロセスとして説明することができるが、動作の多くは並行して又は同時に実行することができる。また、動作の順序を入れ替えてもよい。プロセスは、図に含まれていない追加のステップを有することができる。更に、方法の例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はそれらの任意の組み合わせによって実施されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードで実装される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、記憶媒体などの持続性コンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。プロセッサは、記載されたタスクを実行することができる。
【0087】
[0100]幾つかの形態例を説明してきたが、本発明の思想から逸脱することなく様々な変更、代わりの構成、及び、等価物が使用されてもよい。例えば、上記の要素は、より大きなシステムの構成要素であってもよく、その場合、他の規則が本技術の適用に優先してもよく或いはそうでなければ本技術の適用を修正してもよい。また、上記の要素が考慮される前、考慮される最中、又は、考慮された後に、幾つかのステップが行なわれてもよい。したがって、上記の説明は特許請求の範囲を拘束しない。
【0088】
[0101]本明細書中で及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形’’1つの(a)’’、’’1つの(an)’’、及び、’’その(the)’’は、文脈が別段に明確に指示しなければ、複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「ユーザ」への言及は、複数のそのようなユーザを含み、また、「プロセッサ」への言及は、1つ以上のプロセッサ及び当業者に知られているその均等物などへの言及を含む。
【0089】
[0102]また、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「包含する(contains)」、「包含している(containing)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及び、「含む(includes)」という用語は、この明細書及び以下の特許請求の範囲で使用される場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は、ステップの存在を特定することを意図しているが、1つ以上の他の特徴、整数、構成要素、ステップ、行為、又は、グループの存在又は付加を排除するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図13
図14
【国際調査報告】