IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーエフエス ファイテル,エルエルシーの特許一覧

特表2023-507373低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ
<>
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図1
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図2
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図3A
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図3B
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図4
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図5
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図6
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図7
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図8
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図9
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図10
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図11
  • 特表-低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/38 20060101AFI20230215BHJP
   G02B 6/255 20060101ALI20230215BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20230215BHJP
   G02B 6/032 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
G02B6/38
G02B6/255
G02B6/02 411
G02B6/032 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536931
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 US2020065392
(87)【国際公開番号】W WO2021127032
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/948,372
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509094034
【氏名又は名称】オーエフエス ファイテル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】コラード,マット
(72)【発明者】
【氏名】クレンプ,トリスタン
(72)【発明者】
【氏名】マンガン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー,ケルヴィン,ビー.
(72)【発明者】
【氏名】リアン,ユエ
(72)【発明者】
【氏名】サヴラン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】スタッフォード,トーマス
【テーマコード(参考)】
2H036
2H250
【Fターム(参考)】
2H036MA11
2H036PA01
2H036QA01
2H036QA23
2H036QA29
2H036QA43
2H250AC32
2H250AC33
2H250AC37
2H250AC53
2H250AE25
2H250AE26
2H250AE27
2H250AE28
2H250AE29
2H250AF04
2H250AH11
(57)【要約】
本明細書は、光ファイバ間の結合損失を低減するためのシステム、方法、および製造品が記載され、より具体的には、低レイテンシパッチコードのための不整合モードフィールド径(mfd)および光コネクタアセンブリを使用することによって、中空コア光ファイバ(HCF)および別のファイバ、例えばソリッドコア光ファイバ(SCF)の間の結合損失を低減する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバ間の結合損失を低減するように構成された製造品であって、
第1のモードフィールド径(MFD)を有する中空コアファイバ(HCF)と、
前記第1のMFDの90%以下である第2のMFDを有するソリッドコアファイバ(SCF)と、
前記HCFおよび前記SCFの間にスプライスされたブリッジファイバを含むスプライスオンコネクタ(SOC)アセンブリであって、前記ブリッジファイバは、前記第2のMFDよりも大きく前記第1のMFDよりも小さい第3のMFDを有するSOCアセンブリとを備える製造品。
【請求項2】
前記SOCは、反射率を低減するために前記HCFおよびSCFの間の角度付きスプライスを特徴とする請求項1に記載の製造品。
【請求項3】
前記角度付きスプライスは、中空コアファイバ(HCF)およびブリッジファイバの間の0°~15°の範囲内の角度を特徴とする請求項2に記載の製造品。
【請求項4】
前記ブリッジファイバは、50μm~1000μmの有効面積を特徴とする超大面積(ULA)ファイバであることを特徴とする請求項1に記載の製造品。
【請求項5】
前記SCFは、前記HCFのコア壁領域の直径の61%以下である基本MFDを有する請求項1に記載の製造品。
【請求項6】
前記ブリッジファイバおよび前記SCFの間の前記スプライスは、前記SOCのフェルール内に位置する請求項1に記載の製造品。
【請求項7】
複数の光ファイバ間の結合損失を低減するように構成された製造品であって、
第1のMFDを有するHCFと、
前記HCFにスプライスされた近位端および遠位端を有するSCFであって、前記SCFは前記近位端において第2のMFDを有し、前記遠位端において第3のMFDを有し、前記第2のMFDは、前記第3のMFDよりも大きく、前記第3のMFDは、前記第1のMFDの90%以下である製造品。
【請求項8】
前記SCFは、熱膨張コア(TEC)ファイバである請求項7に記載の製造品。
【請求項9】
前記SCFは、前記HCFにスプライスされた前記近位端における拡張可能クラッド端部および前記遠位端における固定クラッド端部を特徴とするスモールフォームファクタ(SFF)ファイバである請求項7に記載の製造品。
【請求項10】
前記SCFの前記近位端における前記スプライスは、反射率を減少させる角度付きスプライスを特徴とする請求項7に記載の製造品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年12月16日付の米国仮特許出願第62/948,372号の優先権を主張し、その出願は引用することにより本明細書の一部をなす。
本明細書では、光ファイバ間の結合損失を低減するための、より具体的には、モードフィールド径(MFD)不整合の使用を通して、中空コア光ファイバ(HCF)およびソリッドコアファイバ(SCF)等の別のファイバの間の結合損失を低減するためのシステム、方法、および製造品が説明される。低レイテンシパッチコードのための光コネクタアセンブリのための製造のシステム、方法、および製造品が、本明細書でさらに説明される。
【背景技術】
【0002】
中空コア光ファイバは、センシング、通信、より高出力の光パルス送出などにおけるブレークスルー性能改善を提供する強力な技術プラットフォームである。実際、そのレイテンシは真空中の光波の伝搬とほぼ等しいので、中空コア光ファイバは、データセンタ、高周波株式取引通信リンク、分散コンピューティング環境、高性能コンピューティングなどに対する魅力的な解決策を提供する。株式取引アプリケーションでは、例えば、中空コア光ファイバは、取引コンピュータ間のデータ伝送時間の減少を可能にし、取引プログラムがプログラムされた取引をより迅速に完了することを可能にすると考えられている。
【0003】
中空コアファイバは、ここでは、ソリッドでないコアを有する任意のファイバとして定義される。ソリッドでないコアは、真空であり得るか、または空気、水素、もしくはアルゴン等の希ガス等のガスで充填され得る中空コア等であり得る。本開示では、光バンドギャップクラッドを有する中空コアファイバが例示されるが、任意の中空コアファイバ(例えば、反共振リングHCF、ネステッド反共振ノードレスHCF、レボルバーHCF、結合チューブHCF、Kagome HCF等)間の結合損失は、本明細書で説明される方法によって低減することができる。典型的には、中空コアファイバは、標準的なソリッドコア光ファイバよりも大きいコア直径を有し、ファイバにおける損失の支配的な原因であるコアの縁部において空気/ガラス界面と重なる光の量を減少させる。
【0004】
光リンクにおいて、レイテンシは、信号の送信および受信の間の時間である。近年、例えば、データセンタ内での高周波取引及びエラーチェックをサポートするために、光ネットワークにおける低レイテンシの必要性が重要になっている。HCFは、極めて低いレイテンシを提供するだけでなく、温度安定性、低い非線形性および放射硬度も提供する。低レイテンシ、温度非依存性、低非線形性、放射硬度などの中空コアファイバの望ましい特性を利用する光学セットアップまたはシステムでは、HCFは、通常、標準的な市販のSCF、典型的にはソリッドコアシングルモードファイバ(SMF)用に設計された標準的な光学構成要素に1つまたはいくつかの点で結合される必要がある。したがって、これらの接続は、多くの場合、システムの可能な限り最良の性能にとって重要であるため、これらの接続またはスプライスの結合損失を最小限に抑えることが、当技術分野において依然として必要とされている。典型的には、結合損失には2つの主な原因があり、(1)空気/ガラス界面におけるフレネル後方反射、(2)HCFおよびSCFの間にあり得るモードフィールド/モード形状の不整合である。HCFの基本モードの横断プロファイルは、SMFの基本モードとは実質的に異なり得るので、これらのモード間の最小結合損失を達成するために両方のファイバにおける最良のMFD比が何であるかは不明である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、当技術分野における必要性に対処し、中空コア光ファイバを含む接続における結合またはスプライシング損失を低減することを対象とする。例えば、HCFおよびSMFの間の結合損失またはスプライシング損失は、HCFのMFDよりも著しく小さいMFDを有するSMFを選択することによって、一方向において最小化され得る。本発明の例示的な実施形態によれば、全体的な結合損失を最小限に抑えるために、SCFおよびHCFの間に第3のファイバの短いセクションを追加することが有利であり得る。この追加のファイバは、「ブリッジ」ファイバまたはモードフィールド適応ファイバ(MFAF)と呼ばれることがあり、その形状はその長さに沿って変化してもしなくてもよい。
【0006】
本明細書では、低レイテンシの「パッチコード」またはブリッジファイバを生成するために、HCFを終端するための新規な光コネクタアセンブリが提示される。SCFのMFDが小さすぎる場合、またはHCFのMFDが大きすぎて最小損失を達成できない場合、1つまたは複数のブリッジファイバが、損失を低減するためにSCFおよびHCFの間でスプライスまたはコネクタ接続され得る。ブリッジファイバの形状は、例えば、熱膨張コア(TEC)またはスモールフォームファクタ(SFF)ファイバを使用することによって、一定であってもよく、またはその長さに沿って変化してもよい。
【0007】
本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、複数の光ファイバ間の結合損失を低減するように構成された製造品が本明細書で説明され、製造品は、第1のモードの伝搬をサポートするHCFと、HCFに結合されたSCFとを含む。より具体的には、本明細書で説明する例示的な実施形態は、低レイテンシパッチコードのためのモードフィールド不整合および光コネクタアセンブリによってHCFおよびSCFの間の結合損失を低減することに関する。
【0008】
本発明の例示的な実施形態は、第1のMFDを有するHCFと、第1のMFDの90%以下である第2のMFDを有するSCFと、HCFおよびSCFの間にスプライスされたブリッジファイバを含むスプライスオンコネクタ(SOC)アセンブリとを含む、複数の光ファイバ間の結合損失を低減するように構成された製造品の形態をとることであって、ブリッジファイバは、第2のMFDよりも大きく第1のMFDよりも小さい第3のMFDを有する。
【0009】
本発明のさらなる例示的な実施形態は、第1のMFDを有するHCFと、HCFにスプライスされた近位端および遠位端を有するSCFであって、近位端に第2のMFDを、遠位端に第3のMFDをさらに有するSCFとを含む、複数の光ファイバ間の結合損失を低減するように構成された製造品の形態をとることであって、第2のMFDは第3のMFDよりも大きく、第3のMFDは第1のMFDの90%以下である。
【0010】
本発明のさらなる例示的な実施形態は、複数の光ファイバ間の結合損失を低減するように構成された方法の形態をとることであって、本方法は、第1のMFDを有するHCFをSCFファイバに結合するステップを含み、SCFは、HCFにスプライスされた近位端と遠位端とを有し、SCFは、近位端に第2のMFDを、遠位端に第3のMFDをさらに有し、第2のMFDは第3のMFDよりも大きく、第3のMFDは第1のMFDの90%以下である。
【0011】
本発明の他のさらなる実施形態および態様は、以下の議論の過程で、添付の図面を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、1つの大きな中心コアと2つの小さな外側シャントコアとを有するHCFを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による、6つの外側コア(シャント)を有する例示的な19セルHCFにおける基本モードを示す図である。
図3A図3Aは、様々なSMF MFDに対するスプライス損失へのモード不整合寄与に基づく図2の例示的なHCFのモード特性の波長依存性を示す図である。
図3B図3Bは、図2の例示的なHCFのMFDに基づく図2の例示的なHCFのモード特性の波長依存性を示す図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による、2つの例示的なHCFの最適MFD比対正規化コアサイズの関係を示す図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による、2つの例示的なHCFの最適SMF MFD対HCFコア直径の関係を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態による、スプライスオンコネクタ(SOC)を使用するHCF終端のための例示的なアセンブリの分解図である。
図7図7は、本発明の一実施形態によるSOCプラグアセンブリの拡大図である。
図8図8は、本発明の一実施形態によるSOCプラグアセンブリの分解図である。
図9図9は、本発明の一実施形態による、SOC設置後のSCF-超大面積ファイバ(ULA)-HCF構成を示す図である。
図10図10は、本発明の一実施形態による、フェルールの内側に配置されたSCF-ULAスプライスを有するSOC設置後のSCF-ULA-HCF構成を示す図である。
図11図11は、本発明の一実施形態によるSOC設置後のHCF-熱膨張コア(TEC)ファイバ構成を示す図である。
図12図12は、本発明の一実施形態によるSOC設置後のHCF-スモールフォームファクタファイバ(SFF)ファイバ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で詳細に説明されるように、本発明は、結合損失を最小限に抑えるために、中空コア光ファイバおよび他のファイバの間の様々なタイプの結合およびスプライスの特性を評価することに関する。例えば、「空気」コアに沿った光信号光の伝送は(中空コアファイバの様々な構成の場合のように)、レイテンシの約3分の1の低減に対応する、標準的なシリカコア光ファイバに関連する伝送速度よりも約50%大きい伝送速度を提供する。上述のように、この特徴は、低レイテンシ通信リンクに依存する高周波取引会社に特に適用される。低レイテンシはまた、数万のサーバを相互接続するために数キロメートルの光ケーブルが使用されるデータセンタ/スーパーコンピュータにおける用途を有する。上述のように、本発明の一実施形態は、HCFのMFDよりも著しく小さいMFDを有するSMFを選択することによって、HCFおよびSMFの間の結合損失またはスプライシング損失が最小化されることを可能にする。本開示では、MFDという用語は基本モードを指し得る。さらに、本発明のさらなる実施形態によれば、全体的な結合損失を最小限に抑えるために、SMFおよびHCFの間に、ここでは「ブリッジ」ファイバまたはモードフィールド適応ファイバ(MFAF)と呼ばれる第3のファイバの短いセクションを追加することが有利であり得る。
【0014】
HCFによって提供される低レイテンシ特性を完全に利用するために、過剰なファイバ長は、展開中の光路長を最小限にするために回避されるべきである。さらに、スプライス点における弛みループおよびコイルも回避されるべきである。したがって、ファイバは、HCFをSCFにスプライシングすることを含み得るフュージョンスプライシング法を使用して、最小限の規定された長さに展開され得る。しかしながら、これらのスプライシング法単独では、非常にロバストなアセンブリ(例えば、250μmの非緩衝ファイバまたは900μmの緩衝ファイバを融合スプライシングし、スプライスプロテクタ内に配置)をもたらさない場合がある。本明細書に記載される例示的な実施形態によれば、中空コアファイバのコネクタ化を介して、よりロバストなアセンブリを実現することができる。
【0015】
光ファイバの信頼できるコネクタ化を提供するための1つの技術は、ファイバがポリマー、ガラス、またはセラミックフェルールにエポキシ化され、その後、劈開および研磨されることを必要とする。この技術はSCFに使用することができるが、このプロセスは、ファイバを損傷させるか、エポキシおよび/またはデブリでファイバを充填することによって、ファイバの光バンドギャップ微細構造の伝送特性に悪影響を及ぼすため、この技術は一般にHCFには不適当である。したがって、信頼性のあるコネクタ化を実行するために、HCFは、SCFに融合スプライシングされる場合があり、次いで、従来の手順を使用して確実にコネクタ化され得る。しかしながら、レイテンシを最小限に抑えるために、例示的なコネクタは、HCFを含むケーブルが理想的な経路に配備されると現場で設置される。また、上述のように、HCFをSCFに直接(例えば、標準的なシングルモードソリッドコアファイバに)融合スプライシングすることは、主にMFD不整合に起因して、高い挿入損失をもたらし得る。したがって、改善された損失性能、スプライス保護、およびケーブルストレインリリーフを提供しながら、HCFを迅速に終端させるように特に構成された、事前研磨されたコネクタが利用され得る。
【0016】
対数(デシベル)スケールであって、HCFおよびSMFの間の合計結合またはスプライシング損失α(dB)は、以下の2つの項の合計である。
【数1】
【0017】
第1の項α(dB)Fresnelは、実質的に異なる有効屈折率のため、不可避のフレネル反射である。1550nmの波長では、典型的には、neffSMF=1.45およびneffHCF=1であってもよく、α(dB)Fresnel=0.15dBをもたらす。フレネル反射光がファイバに沿って後方に伝搬してシステムに望ましくないノイズを引き起こすことを回避するために、スプライスをファイバ断面に対して角度を付けることができる。第2の項α(dB)mode mismatch(図3A参照)は、HCFにおける(電気)場EHCFとSMFにおけるESMFとの横方向オーバーラップ積分によって近似される、2つのファイバにおける基本モードの不整合に起因し、対称半双線型形式の表記法を使用すると、以下のようになる。
【数2】
上記式の2つのベクトル場U、Vはデカルト座標系の方向x、y、zに方向における成分Ux、Uy、UzおよびVx、Vy、Vzをそれぞれ有し、ファイバ断面である横断領域にわたっている。
【0018】
本明細書で説明される実施形態は、HCFおよびSCFの異なるタイプおよびサイズの膨大な数の組み合わせに適用され得る。HCFおよびSCFの両方は、シングルモードファイバまたはマルチモードファイバであってもよく、それぞれが1つまたはいくつかのコア(例えば、シングルコアファイバまたはマルチコアファイバ)を有してもよい。マルチモードマルチコアHCFおよびシングルモードSCF、シングルコアマルチモードHCFおよびマルチモードSCFなどの任意の組み合わせが可能である。
【0019】
HCFの例として、図1は、約4.5μmのクラッド穴間隔および23μmのコア直径を有する19セル中心コア110を有する例示的なHCF100の断面を示す。中心コアの左右に、このHCFは、13.6μmの直径を有する、シャントコアと呼ばれることが多い2つのより小さい7セルの外側コア120を有する。これらの外側コア120は、ファイバの伝送特性を改善するために追加されてもよい。本発明の概念を同様に適用することができる代替的なHCFは、より小さい又はより大きい異なる数のシャントコアを有するか、又はシャントコアを全く有しない場合がある。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による、19セルコア110および6つの外側コア120(シャント)を有する例示的なHCFにおける基本モードを示すプロット200である。結合損失を最小限に抑えるために、SMFの基本モードは、HCFのコア壁領域との比較的小さい重なりを有し得る。プロット200の矢印は電場の局所方向を示し、陰影は光強度の平方根に比例する。図2で使用される例示的なHCFは19セルHCFであるが、本発明の代替的な実施形態は、この構造に限定されず、任意の数のセルおよび外側コアを使用するHCFに対する変更を可能にし、これには、外側コアを有さない場合、すなわちシングルコアHCFが含まれるが、これに限定されない。
【0021】
HCFの基本モードの電場(および磁場)の方向は、HCFのこのコア壁領域において強く位置依存性であることに留意することが重要である(図2参照)。対照的に、例示的なSMFは、典型的には、より均一に配向された電場(および磁場)を有する基本モードを有し得る。コア壁領域とのそのような低減された重なりは、SMFがHCFのMFDよりも小さいMFDを有する場合に達成される。
【0022】
しかし、SMFのMFDを小さくしすぎると、結合損失も増大する。例として、図3Aのグラフ300は、ガウスモード形状を有するSMFから図2のHCFへのモード不整合損失(スプライシングまたは結合損失からフレネル反射損失を引いた損失)を示す。1550nmの波長において、0.29dBの例示的な最小モード不整合損失は、約15μmのMFDを有するSMFを使用することによって達成され得る。これは、HCFのMFDのわずか約83%であり、1550nmで約18μmである(図3Bのグラフ350を参照)。対照的に、1550nmで18μmのMFDを有するSMFが選択された場合(図3Aの太線を参照)、モード不整合損失は約0.5dB、すなわち最適損失よりも0.21dB高い。本発明の一実施形態によれば、例示的なSMFのMFDは、例示的なHCFのMFDの85%以下であり得る。本発明の代替実施形態によれば、例示的なSMFのMFDは、例示的なHCFのMFDの90%以下であり得る。
【0023】
最適なSMF MFDがHCFのMFDよりも著しく小さいという事実は、広範囲のHCFコア直径および異なるHCF設計でさえも当てはまる。例えば、図4のグラフ400は、HCFの相対コアサイズdcore,relの関数としての最適MFD比(最適SMF MFDをHCFのMFDで割ったもの)を示し、これは、dcore,rel=dcore/(5*P)として定義され、絶対コア直径dcoreおよび微細構造のピッチPは、当業者に知られているように、ミクロ構造中のセルの平均直径である。2つのファイバ、HCF1およびHCF2は、例えば、空気充填率、dcore、製造日などのいくつかの特徴が異なる。それにもかかわらず、両方の場合において、最適なMFD比は常に約83%である。他のHCF設計および/またはSCF設計の場合、最適比(SCF MFDをHCF MFDで割ったもの)は83%から異なっていてもよく、例えば80%~85%、または70%~90%、または60%~95%、または50%~99%の値であってもよい。
【0024】
したがって、図4は、測定が困難であり得るHCFのモーダル特性、すなわちそのMFDに関してSMFの最適なMFDを正規化する。加えて、図5は、HCFのコア直径の測定がはるかに容易であることに関して正規化している。図5のグラフ500は、SMF MFDおよびHCFコア直径の間の関係を示す。これらのユニットにおいて、SMFの最適なMFDは、広範囲のHCFコア直径にわたって、HCF1およびHCF2の両方について、HCFのコア直径の約56%である。言い換えれば、SCFの最適なMFDは、HCFのコアの直径の半分よりもわずかに大きいだけであり得る。本発明の一実施形態によれば、例示的なSMFのMFDは、例示的なHCFのコア直径の58%以下であり得る。本発明の代替実施形態によれば、例示的なSMFのMFDは、例示的なHCFのコア直径の61%以下であり得る。他のHCF設計および/またはSCF設計の場合、最適比(SCF MFDをHCFコア直径で割ったもの)は、56%から異なってもよく、例えば、50%~60%、または40%~70%、または30%~80%、または20%~90%の値であり得る。
【0025】
HCFが、HCFセクションに沿った伝搬損失を低減するのに有利であり得る大きなコア、例えば、25μm以上の直径を有する場合、利用可能なSCFのMFDは、最適値未満であり得る。例えば、最適なMFDは、HCFのコア直径の56%であり得るが、利用可能な最大のSCFは、HCFのコア直径のわずか40%のMFDを有し得る。そのような場合、HCFおよびSCFの間に「ブリッジ」ファイバを追加することが有利であり得ることであって、ブリッジファイバのMFDは、利用可能なSCFのMFDよりも大きいが、最適なMFDよりも小さい。40%の利用可能な比率および56%の目標比率を有する前記例では、例えばHCFコア直径の48%の中間MFDを有するブリッジファイバは、ブリッジファイバを有さない場合と比較して全体的な結合損失を低下させ得る。
【0026】
HCFが、望ましくない高次モードの数を低減するために有利であり得る、小さいコア、例えば、20μm以下の直径を有する場合、利用可能なSCFのMFDは、最適よりも大きい場合がある。例えば、最適なMFDは、HCFのコア直径の56%であり得るが、利用可能な最小のSCFは、HCFのコア直径の72%のMFDを有し得る。そのような場合、HCFおよびSCFの間に「ブリッジ」ファイバを追加することも有利であり得ることであって、ブリッジファイバのMFDは、利用可能なSCFのMFDよりも小さいが、最適なMFDよりも大きい。70%の利用可能な比率および56%の目標比率を有する上記の例では、HCFコア直径の例えば63%の中間MFDを有するブリッジファイバは、ブリッジファイバを有さない場合と比較して全体的な結合損失を低下させ得る。
【0027】
上述のように、結合損失またはスプライシング損失をさらに低減するために、例示的なSMFおよび例示的なHCFの間に第3のファイバ(典型的には短いセクション)を使用することが有利であり得る。したがって、MFDの単一の変化は、MFDの2つのより小さい変化によって置き換えられ得る。より一般的には、1つまたは複数のファイバまたは導波路(典型的には短いセクション)をSMFおよびHCFの間で使用して、MFDのさらにより緩やかな変化を達成することができる。代替的な実施形態によれば、テーパは、その長さに沿ったMFDの連続的な変化とともに使用され得る。そのような長手方向に変化するMFDはまた、熱膨張コア(TEC)ファイバ、またはスモールフォームファクタ(SFF)ファイバへのスプライスを用いて達成され得る。
【0028】
モード不整合およびスプライシングまたは結合損失をさらに低減するために、様々なドーパントおよびドーピングプロファイル(例えば、屈折率を変化させる)が例示的なSMFの先端で使用されてもよく、および/またはガス、液体、もしくは固体が例示的なHCFのコアもしくはクラッドセルに含まれてもよい。さらに、本開示の代替実施形態によれば、しばしば反射率と呼ばれる望ましくない後方反射を低減するために、HCFおよびSCFの間に角度付きスプライスが存在し得る。一般に、角度付きスプライスは、反射光をファイバに沿って戻る方向以外の方向に向けることができる。また、反射率が著しく低下する場合がある。しかしながら、挿入損失は、角度付きスプライスを使用することによって減少するとは予想されない場合がある。いくつかの実施形態では、挿入損失は角度付きスプライスでさえ増加し得るが、リターン損失は減少する。
【0029】
例示的な角度付きスプライスは、限定はしないが、HCFおよびブリッジファイバの間、ブリッジファイバおよびSCFの間、HCFおよびTECファイバの間、HCFおよびSFFファイバの間など、HCFおよびSCFの間の任意の場所に位置し得る。さらに、例示的な角度付きスプライスは、0°~15°、好ましくは1°~8°または1°~4°の範囲内であり得ることに留意されたい。例えば、一実施形態によれば、8°のスプライス角は、反射光を少なくとも100dB減衰させることができる。ファイバを含む光学システムを損なわないリターン損失は、おそらく100dBを必要としないであろうが、20dBのみを必要としてもよく、その場合、角度付きスプライスは、より浅い角度(例えば、3°または4°)を特徴とし得る。角度スプライスを通して低い伝送損失を維持する難しさは、必要とされる角度とともに増加し得る。
【0030】
本発明のさらなる実施形態は、HCFの迅速かつ容易なフィールド終端を提供する新規な光コネクタアセンブリの設計に関する。これらの新しい光コネクタアセンブリは、低レイテンシパッチコードを生成するために使用され得る。最適な光学性能および設置速度のために、これらの新しいコネクタアセンブリは、融着スプライスオンコネクタ(SOC)として構成される。簡潔にするために、本明細書では、本発明はSC型コネクタとして提示されるが、他のコネクタ構成(例えば、LC、MU、FC、MPO(標準的な貫通孔MTフェルールまたはレンズ付きマルチファイバフェルールを有する)、および他のシンプレックスまたはマルチファイバ変形である)も実現可能であり、含まれることを理解されたい。図6は、SOCを使用するHCF終端のための例示的なアセンブリ600の分解図である。図6に示すようにSC型コネクタとして構成されるこれらの新しいコネクタアセンブリは、グリップ680、コネクタプラグアセンブリ670、スプライスプロテクタ660、ケーブル保持部材630、およびケーブル支持アセンブリ620からなる。アセンブリ600はまた、HCFケーブル610と、アラミドヤード640と、HCF650とを含む。
【0031】
図7は、例えばコネクタプラグアセンブリ670などのSOCプラグアセンブリ700の拡大図を示す。コネクタプラグアセンブリ700は、ノベルファイバスタブ710と、バッファチューブ720と、プラグハウジング730と、フェルール740とを含み得る。本明細書に記載される例示的な実施形態によれば、コネクタプラグアセンブリ700のノベルファイバスタブ710は、フェルール740において研磨され、遠位端において予め劈開され得る。従来の構成要素(例えば、ピグテール)とは対照的に例示的なSOCプラグアセンブリ700を使用する利点の1つは、SOCプラグ設計のロバスト性および汎用性である。例えば、SOCは、ケーブルのアラミドに取り付けられ、したがって改善された機械的強度を有するようにサイズ決定および設計され得る。
【0032】
図8は、例えばコネクタプラグアセンブリ670などのSOCプラグアセンブリ800の分解図を示す。例示的なコネクタプラグアセンブリ800は、プラグハウジング880と、フェルール870と、フェルールフランジ860と、バッファチューブ850と、ノベルファイバスタブ840と、スプリングプッシュ830と、スプリング820と、プラグハウジング880の後部にスナップ嵌めして他の構成要素をキャプチャするリテーナ810とを含むことができる。
【0033】
図9は、SOC設置後のSCF-超大面積ファイバ(ULA)-HCF構成900を示す。例示的な構成900は、HCF910と、スプライスジョイント920および940を有するULA930と、SCF950と、バッファチューブ960と、フェルールフランジ970と、フェルール980とを特徴とする。図9に描写されるSOCアセンブリは、研磨されたフェルール内のSCF950から成るファイバスタブと、バッファチューブ960から退出するSCF950の端部に「ブリッジ」ファイバとしてスプライスされる短い長さのULA930から成る、事前劈開遠位端とを用いて構成される。上述したように、ULAファイバ930は、MFD不整合による損失を最小化するために、そのMFDが所与のHCFに対する最適なSCF MFDよりも小さいが、現在のSCFのMFDよりも大きいように選択される。具体的には、HCF910を終端するときに低損失を保証するために、ULAファイバ930の有効面積は、50μm~1000μm、さらにより具体的には100μm~400μm、さらにより具体的には115μm~200μmであるべきである。コネクタがフィールド内のHCF910に融合スプライシングされると、ULA930は、HCF910およびSCF950の間の「ブリッジ」として機能する。
【0034】
例えば、25μmのコア直径を有するHCFの場合、SCFの最適なMFDは、約14μmであり得るが、利用可能なSCFは、わずか約10μmのMFDを有し得る。この場合、MFDが例えば12μmのULAを選択することができた。フィールドスプライスが行われると、スプライスは小さなスプライスプロテクタを用いて保護される。次いで、残りのコネクタ構成要素(例えば、ケーブル保持部材630、ケーブル支持アセンブリ620、およびグリップ680)を取り付けてアセンブリを完成させ、したがってスプライスジョイントをさらに保護することができる。
【0035】
図10は、SOC設置後のSCF-ULA-HCF構成1000を示し、SCF-ULAスプライス1070がフェルール1060内に配置されている。図10に描写されるように、SOCアセンブリは、研磨されたフェルール1060内に位置付けられる、ある長さのSCF1080と、フェルール1060内に位置付けられるSCF1080の端部にブリッジファイバとして(スプライスジョイント1070において)スプライスされる、ある長さのULAファイバ1030から成る、事前劈開遠位端ととともに構成される。この構成は、SCF1080の長さをULAファイバ1030の長さにフュージョンスプライシングし、エポキシをフェルール1060に注入し、スプライスジョイント1070がフェルール1060内に位置決めされるまで接合ファイバをフェルール1060に挿入することによって達成される。次に、エポキシを硬化させる。次いで、フェルール1060の端面から出るSCF1080は、劈開および研磨される。その後、ULAファイバ1030を劈開して、事前劈開ファイバスタブを形成する。ULAファイバ1030は、MFD不整合による損失を最小化するために、そのMFDが所与のHCF1010に対する最適なSCF MFDよりも小さいが、現在のSCF1080のMFDよりも大きいように選択される。具体的には、HCFをスプライスジョイント1020で終端するときに低損失を確保するために、ULAファイバ1030の有効面積は、50μm~1000μm、さらにより具体的には100μm~400μm、さらにより具体的には115μm~200μmであるべきである。コネクタがフィールド内のHCF1010にフュージョンスプライシングされると、ULAファイバ1030は、HCF1010およびSCF1080の間の「ブリッジ」として機能する。
【0036】
例えば、25μmのコア直径を有するHCFの場合、SCFの最適なMFDは、約14μmであり得るが、利用可能なSCFは、わずか約10μmのMFDを有し得る。この場合、MFDが例えば12μmのULAファイバを選択し得る。フィールドスプライスが行われると、スプライスは小さなスプライスプロテクタを用いて保護される。次いで、残りのコネクタ構成要素(例えば、ケーブル保持部材630、ケーブル支持アセンブリ620、およびグリップ680)を取り付けてアセンブリを完成させ、したがってスプライスジョイントをさらに保護することができる。この構成1000は、スプライスプロテクタ660内部のスプライシングポイントを2つから1つに減らし、アセンブリのロバスト性を高め、アセンブリプロセスを容易にする。さらに、例示的構成1000は、バッファチューブ1040と、フェルール1060と連通するフェルールフランジ1050とを含んでもよい。
【0037】
図11は、SOC設置後のHCF-熱膨張コア(TEC)ファイバ構成1100を示す。図11に示すように、SOCアセンブリは、ある長さの熱膨張コア(TEC)ファイバ1170からなるファイバスタブを用いて構成される。例示的なTECファイバ1170は、結合を改善するためにTECファイバ1170の一部分のMFDを増加させる拡張コア端部1130を特徴とし得る。例えば、TECファイバ1170は、TECファイバ1170の一部分(例えば、2.5mmの長さ)にわたってコアサイズを拡張するように、一端(1130)上で従来のSMFを加熱することによって生産されてもよい。したがって、この拡張コア端部1130は、TECファイバ1170が、ファイバ1170のシングルモードおよび光学特性を保持しながら、より大きいMFDを有する光を受光することを可能にする。熱膨張はTECファイバ1170の屈折率プロファイルを変化させ得るが、通常周波数は変化せず、したがって、拡張プロセスを通してシングルモード状態が維持される。
【0038】
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、TECファイバ1170の拡張コア端部1130は、スプライスジョイント1120においてHCF1110にスプライスされた事前劈開遠位端を形成する。TECファイバ1170の反対側の端部は、SOCの研磨されたフェルール1160内にある。この反対側の端部は、SOCが最終的に結合されるリンク内の対向コネクタ内の別のSCFのMFDに等しいかまたは近くなるように選択されたMFDを有する。TECファイバ1170は、損失を最小限に抑えるために、拡張コア端部におけるそのMFDが最適なSCFのMFDに等しいか又は近くなるように選択される。
【0039】
例えば、30μmのコア直径を有するHCFの場合、SCFの最適なMFDは約17μmであり得るが、利用可能なSCFは、わずか約10μmのMFDを有し得る。この場合、拡張コア端部において、例えば15μm~18μmのMFD、例えば最適なMFDに近いMFDを有するTECファイバを選択することができる。その拡張コア端部におけるTECのMFDが最適なMFD(例えば、最適な17μmの代わりに18μm)よりも大きい場合であっても、全体的な損失は、ブリッジファイバが存在しない場合よりも依然として低い可能性がある。より一般的には、12μm~20μmの範囲の公称MFD(拡張コア端部における)を有し、さらにより一般的には10μm~30μmの公称MFDを有し、さらにより一般的には5μm~50μmのMFDを有するTECファイバが、光学性能を最適化するために利用される。一実施形態によれば、例示的なTECファイバのコアは、TECファイバの近位端におけるMFDがTECファイバの遠位端におけるMFDよりも少なくとも40%大きくなるように拡張され得る。
【0040】
TECファイバ1170は、HCF1100からSCF1170への低損失送信を可能にする。フィールドスプライスが実行されると、スプライスは、小型スプライスプロテクタ660を使用して保護される。さらに、例示的構成1100は、バッファチューブ1140と、フェルール1160と連通するフェルールフランジ1150とを含んでもよい。次いで、残りのコネクタ構成要素(例えば、ケーブル保持部材630、ケーブル支持アセンブリ620、およびグリップ680)を取り付けてアセンブリを完成させ、したがってスプライスジョイントをさらに保護することができる。
【0041】
図12は、SOC設置後のHCF-スモールフォームファクタファイバ(SFF)ファイバ構成1200を示す。図12に描写されるように、SOCアセンブリは、研磨されたフェルール1260内のSFFファイバ1230および事前劈開遠位端から成るファイバスタブを伴って構成される。SFF1230の外径(OD)は、スプライスジョイント1220においてHCF1210にスプライスされるときに、ファイバクラッド直径の差が、図12に描写されるように、SFFファイバ1230のコアの拡張を引き起こすように選択される。例示的なSFFファイバ1230は、光ファイバシステムのSFFコネクタ内で利用されるいくつかの物理的にコンパクトなファイバ設計のいずれかを指すことができる。SFFファイバ1230を特徴とするそのようなSFFコネクタは、従来のコネクタよりも小さくてもよい(例えば、従来のコネクタの半分のサイズ)。
【0042】
例えば、80μmのODを有するSFFファイバを125μmのODを有するファイバにスプライシングすると、SFFファイバに著しいコア拡張が誘発され得る。70μm~100μm、またはより一般的には60μm~110μm、またはさらに一般的には50μm~120μmの範囲の公称クラッド直径を有するSFFファイバは、所望のスプライス後コア拡張を達成するために利用され得る。一実施形態によれば、例示的なSFFファイバのコアは、SFFファイバの近位端におけるMFDがSFFファイバの遠位端におけるMFDよりも少なくとも40%大きくなるように拡張され得る。
【0043】
新たに拡張されたコアを有する例示的なSFF1230は、HCF1210からSCF1230への低損失送信を可能にする。フィールドスプライスが実行されると、スプライスは、小型スプライスプロテクタ660を使用して保護される。さらに、例示的構成1200は、バッファチューブ1240と、フェルール1260と連通するフェルールフランジ1250とを含んでもよい。次いで、残りのコネクタ構成要素(例えば、ケーブル保持部材630、ケーブル支持アセンブリ620、およびグリップ680)を取り付けてアセンブリを完成させ、したがってスプライスジョイントをさらに保護することができる。
【0044】
本明細書に提示される構成は、前述のように、SC型コネクタを具現化するが、他のコネクタ構成(すなわち、LC、MU、FC、MPO(標準貫通孔MTフェルールまたはレンズ付きマルチファイバフェルールを伴う)、および他のシンプレックスまたはマルチファイバ変形例)が、実現可能であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく利用されてもよく、本発明は、そのような変形例を含む。また、本明細書に提示されるコネクタ構成は、アラミド糸強度部材を有するジャケット付きケーブルの終端に適しているが、本明細書に記載される例示的な実施形態はまた、バッファファイバ、リボン化ファイバ、ローラブルリボンなどの他のケーブル付きファイバ構成にも適用され得る。
【0045】
また、例えば、特にHCFのMFDとSCFのMFDが大きく異なる場合に、隣接するファイバ端のMFD間の最大差を低減するために、SCFおよびHCFの間に2つ以上のブリッジファイバを使用することも有利であり得る。
【0046】
本明細書全体にわたって説明される例示的な実施形態は、HCFに適用可能であるだけでなく、他のタイプの微細構造化ファイバ、並びにより一般的には、典型的なSMFの基本モードの横断形状とは異なる横断形状を有する基本モードを有するファイバにも適用され得る。特に、コモンSCFおよびそのような異なるファイバの間の結合損失は、異なるファイバのMFDよりも著しく小さいMFDを有するSCFを選択することによって最小限に抑えることができる。具体的には、異なるファイバの基本モードが、半径方向に(すなわち、通常はファイバの対称軸である光軸から離れて)単調に減少しない横方向強度プロファイルを有する場合、および/または、異なるファイバの基本モードの電場ベクトルの方向または位相の空間的変動が、光軸から遠く離れているよりも光軸付近であまり顕著でない場合、結合損失は最小化され得る。これらの場合、SCFの著しく小さいMFDは、その基本モードプロファイルがSCFの基本モードプロファイルと著しく異なる、ファイバの外側半径方向領域とのSCFの基本モードの重なりを低減する。
【0047】
本発明のさらなる態様は、例えば、HCFおよびSMF等の光ファイバ間の結合損失またはスプライシング損失を低減するための方法に関する。これらの例示的な方法は、例示的なHCFを、著しく小さいMFDを有する例示的なSMFに結合/スプライシングするステップと、HCFのMFDおよびSMFのMFDの間にあるMFDを有する第3のファイバを挿入することによって、HCFをSMFに結合/スプライシングするステップと、HCFをその端部でテーパになっているSMFに結合/スプライシングするステップと、HCFを、その端部で長手方向に変化するドーパントの濃度、その端部で長手方向に変化する屈折率等を有し得るSMFに結合/スプライシングするステップとを備える方法を含み得るが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書を通して、用語「SMF」は、ソリッドコアSMFを参照し得る。しかしながら、当業者は、SMFが、例えば、中空コアシングルモードファイバ等の異なるタイプのSMFを指してもよいことを理解するであろう。
【0049】
本開示は、その例示的な実施形態を参照して説明されている。本開示に開示される全ての例示的な実施形態及び条件付き説明は、本開示が属する技術分野の当業者によって本開示の原理及び概念の理解を助けることを意図して説明された。したがって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を変形して実施できることを理解できるであろう。種々の特徴を有する多数の実施形態が本明細書に説明されているが、本明細書に議論されない他の組み合わせにおけるそのような種々の特徴の組み合わせは、本開示の実施形態の範囲内であると想定される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】