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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】強度を高めた難燃性布地
(51)【国際特許分類】
   D03D 15/47 20210101AFI20230215BHJP
   D03D 15/283 20210101ALI20230215BHJP
   D03D 15/513 20210101ALI20230215BHJP
   D03D 15/44 20210101ALI20230215BHJP
   D03D 15/225 20210101ALI20230215BHJP
   D02G 3/36 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
D03D15/47
D03D15/283
D03D15/513
D03D15/44
D03D15/225
D02G3/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536932
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 US2020066038
(87)【国際公開番号】W WO2021127454
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/950,193
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505451040
【氏名又は名称】サザンミルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Southern Mills,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ピッカリング、 キース エドワード
(72)【発明者】
【氏名】モリソン、 クリストファー ロイ
【テーマコード(参考)】
4L036
4L048
【Fターム(参考)】
4L036MA04
4L036MA06
4L036MA33
4L036MA35
4L036MA39
4L036PA31
4L036RA24
4L036UA07
4L036UA25
4L048AA13
4L048AA24
4L048AA25
4L048AA34
4L048AA53
4L048AB01
4L048AB05
4L048AB11
4L048AB18
4L048AB19
4L048AC14
4L048BA01
4L048CA06
4L048CA15
4L048DA01
(57)【要約】
実施形態は、複数の紡績本体糸と、布地の経糸方向または緯糸方向の少なくとも1つにおいて紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びるリップストップとで形成される難燃性布地に関する。いくつかの実施形態において、リップストップは、少なくとも2本の相対的に強靭な糸を含み、相対的に強靭な糸は、コアおよびシースを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経糸方向および緯糸方向を有する難燃性布地であって、
(a)複数の紡績本体糸であって、各紡績本体糸は、本体糸繊維ブレンドで形成され、かつ、前記布地の前記経糸方向および前記緯糸方向の両方に備えられる、複数の紡績本体糸と、
(b)前記布地の前記経糸方向または前記緯糸方向の少なくとも一方において、前記紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップであって、各リップストップは、少なくとも2本の相対的に強靭な糸を含み、各相対的に強靭な糸は、コアおよびシースを含み、前記コアは、100%アラミド紡績糸を含み、前記シースは、シース繊維ブレンドを含む、複数のリップストップと
を含む、難燃性布地。
【請求項2】
前記コアが、100%パラ-アラミド紡績糸を含む、請求項1に記載の難燃性布地。
【請求項3】
前記シース繊維ブレンドが、FRレーヨン繊維、アラミド繊維、およびナイロン繊維を含む、請求項1に記載の難燃性布地。
【請求項4】
前記シース繊維ブレンドが、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含む、請求項3に記載の難燃性布地。
【請求項5】
前記アラミド繊維が、パラ-アラミド繊維である、請求項3に記載の難燃性布地。
【請求項6】
前記本体糸繊維ブレンドと前記シース繊維ブレンドとが同一である、請求項1に記載の難燃性布地。
【請求項7】
前記本体糸繊維ブレンドおよびシース繊維ブレンドが、それぞれ、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含む、請求項1に記載の難燃性布地。
【請求項8】
前記本体糸繊維ブレンドと前記シース繊維ブレンドとが同一である、請求項7に記載の難燃性布地。
【請求項9】
前記経糸方向または前記緯糸方向の前記少なくとも一方において、隣り合うリップストップ間に、5~25本の紡績本体糸が存在する、請求項1に記載の難燃性布地。
【請求項10】
前記経糸方向または前記緯糸方向の前記少なくとも一方において、隣り合うリップストップ間に、10~20本の本体糸が存在する、請求項9に記載の難燃性布地。
【請求項11】
前記布地の前記経糸方向および前記緯糸方向の両方において、前記複数のリップストップが、前記紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる、請求項1に記載の難燃性布地。
【請求項12】
平方ヤード当たり5~7オンスの間(両端の値を含む)の重量を含む、請求項1に記載の難燃性布地。
【請求項13】
フィラメント糸を含まない、請求項1に記載の難燃性布地。
【請求項14】
経糸方向および緯糸方向を有する難燃性布地であって、
(a)複数の紡績本体糸であって、各紡績本体糸は、本体糸繊維ブレンドで形成され、かつ、前記布地の前記経糸方向および前記緯糸方向の両方に備えられ、前記本体糸繊維ブレンドは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含む、複数の紡績本体糸と、
(b)前記布地の前記経糸方向または前記緯糸方向の少なくとも一方において、前記紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップであって、各リップストップは、少なくとも2本の相対的に強靭な糸を含み、各相対的に強靭な糸は、コアおよびシースを含み、前記コアは、100%アラミド紡績糸を含み、前記シースは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含むシース繊維ブレンドを含む、複数のリップストップと
を含み、
前記経糸方向または前記緯糸方向の前記少なくとも一方において、隣り合うリップストップ間に、5~25本の本体糸が存在する、
難燃性布地。
【請求項15】
前記コアが、100%パラ-アラミド紡績糸を含む、請求項14に記載の難燃性布地。
【請求項16】
前記本体糸繊維ブレンドおよび前記シース繊維ブレンド中の前記15~40%のアラミド繊維が、15~40%のパラ-アラミド繊維を含む、請求項14に記載の難燃性布地。
【請求項17】
前記本体糸繊維ブレンドと前記シース繊維ブレンドとが同一である、請求項14に記載の難燃性布地。
【請求項18】
前記布地の前記経糸方向および前記緯糸方向の両方において、前記複数のリップストップが、前記紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる、請求項14に記載の難燃性布地。
【請求項19】
平方ヤード当たり5~7オンスの間(両端の値を含む)の重量を含む、請求項14に記載の難燃性布地。
【請求項20】
経糸方向および緯糸方向を有する難燃性布地であって、
(a)複数の紡績本体糸であって、各紡績本体糸は、本体糸繊維ブレンドで形成され、かつ、前記布地の前記経糸方向および前記緯糸方向の両方に備えられ、前記本体糸繊維ブレンドは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のパラ-アラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含む、複数の紡績本体糸と、
(b)前記布地の前記経糸方向および前記緯糸方向の両方において、前記紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップであって、前記複数のリップストップの少なくともいくつかは、2本の相対的に強靭な糸からなり、各相対的に強靭な糸は、コアおよびシースを含み、前記コアは、100%パラ-アラミド紡績糸を含み、前記シースは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のパラ-アラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含むシース繊維ブレンドを含む、複数のリップストップと
を含み、
前記本体糸繊維ブレンドと前記シース繊維ブレンドとは実質的に同一であり;
前記布地の前記経糸方向および前記緯糸方向において、隣り合うリップストップ間に、10~20本の本体糸が存在し、
前記布地は、平方ヤード当たり5~7オンスの間(両端の値を含む)の重量を含む、
難燃性布地。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年12月19日に出願された米国仮出願No.62/950,193の利益を主張するものであり、その仮出願の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本発明の実施形態は、複数の紡績本体糸(spun body yarn)と、布地(fabric)の経糸(warp)方向または緯糸(fill)方向の少なくとも一方において紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる(extend)リップストップとで形成される難燃性(flame resistant)布地に関する。いくつかの実施形態において、リップストップは、少なくとも2本の相対的に強靭な(tough)糸を含み、その相対的に強靭な糸は、コア(core)およびシース(sheath)を含む。
【背景技術】
【0003】
防護衣類(garment)は、着用者が遭遇し得る危険な環境条件から、着用者を防護するように設計される。このような衣類には、消防士およびその他の救助隊員、工業および電気作業者、並びに軍人によって着用されるように設計されたものが含まれる。
【0004】
軍事用途やその他の用途のために、高強力(high tenacity)、難燃性の布地が開発されている。このような布地の例は、その全体がこの参照により本明細書に組み入れられる米国特許第RE42,309号に開示されている。今日、市販されている1つの特定の布地(Defender(登録商標)M Ripstopという商品名で販売されている)は、難燃性レーヨン、パラ-アラミドおよびナイロン繊維(具体的には65%難燃性レーヨン/25%パラ-アラミド/10%ナイロン)のブレンドを有する紡績本体糸を用いて形成された平織(plain weave)布地である。軍事用途の布地のデザインにおいて特別な関心をもたれているのは、引張(tensile)(すなわち破断(breaking))強度(strength)および引裂き強度(tear strength)によって定義される布地の耐久性である。これらの織物布地の強度を高めるために、リップストップ(rip stop)糸が織物布地に加えられている。例えば、Defender(登録商標)M Ripstop布地は、2本の本体糸(body yarns)によって形成されるリップストップを含む。より具体的には、2本の本体糸を1本として、経糸方向および緯糸方向に所定間隔で織り込む。このようにして、布地は、全体的に同じ糸で形成されるが、布地に強度を与えるように構成される。
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、布地中の高濃度のレーヨン繊維は、布地の強度に悪影響を及ぼす可能性がある。より具体的には、レーヨン繊維は水および湿気にさらされると弱くなる。したがって、リップストップ機能を果たす本体糸は、そのような露出後に布地に強度を与えにくくなる。したがって、難燃性および費用対効果を維持しつつ、水および湿気に曝露した後にその強度特性をより良好に保持することができる布地が必要とされている。
【0006】
本特許において使用される「発明」、「本発明」および「この発明」(”invention”、”the invention”、”this invention”、”the present invention”)という用語は、本特許および下記の特許請求の範囲の主題のすべてを広く表すことを意図する。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載される主題を限定したり、または下記の特許請求の範囲の意味または範囲を限定したりするものとは理解されるべきではない。本特許によりカバーされる発明の実施形態は、この概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって定義される。この概要は、本発明の様々な態様の上位レベルの概説であり、下記の詳細な説明のセクションでさらに説明される概念のいくつかを紹介するものである。この概要は、特許請求の範囲の主題の鍵となる又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、単独で用いられて特許請求の範囲の主題の範囲を決定することも意図していない。主題は、この特許の明細書全体、全ての図面及び各請求項を参照することによって理解されるべきである。
【0007】
いくつかの実施形態において、難燃性布地は、経糸方向及び緯糸方向を有する。難燃性
布地は、複数の紡績本体糸を含み、各紡績本体糸は、本体糸繊維ブレンドで形成され、かつ、布地の経糸方向および緯糸方向の両方に備えられる。布地はまた、布地の経糸方向または緯糸方向の少なくとも一方において、紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップを含むことができる。いくつかの実施形態において、各リップストップは、少なくとも2本の相対的に強靭な(tough)糸を含み、各相対的に強靭な糸は、コアおよびシースを含む。いくつかの実施形態において、コアは、100%アラミド紡績糸を含み、シースは、シース繊維ブレンドを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、難燃性布地は、経糸方向及び緯糸方向を有する。難燃性布地は、複数の紡績本体糸を含み、各紡績本体糸は、本体糸繊維ブレンドで形成され、かつ、布地の経糸方向および緯糸方向の両方に備えられ、いくつかの実施形態では、本体糸繊維ブレンドは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含む。布地はまた、布地の経糸方向または緯糸方向の少なくとも一方において、紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップを含むことができる。いくつかの実施形態において、各リップストップは、コアおよびシースで形成された少なくとも2本の相対的に強靭な糸を含む。いくつかの実施形態において、コアは、100%アラミド紡績糸を含み、シースは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含むシース繊維ブレンドを含む。いくつかの実施形態において、経糸方向または緯糸方向の少なくとも一方において、隣り合うリップストップ間に、5~25本の本体糸が存在する。
【0009】
いくつかの実施形態において、難燃性布地は、経糸方向及び緯糸方向を有し、布地の経糸方向及び緯糸方向の両方に備えられた複数の紡績本体糸を含む。いくつかの実施形態において、紡績本体糸は、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のパラ-アラミド繊維、及び5~20%のナイロン繊維を含む本体糸繊維ブレンドで形成される。布地はまた、布地の経糸方向および緯糸方向の両方において、紡積本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップを含むことができる。いくつかの実施形態において、複数のリップストップの少なくともいくつかは、コアおよびシースを含む2本の相対的に強靭な糸で形成される。いくつかの実施形態において、コアは、100%パラ-アラミド紡績糸を含み、シースは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のパラ-アラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含むシース繊維ブレンドを含む。いくつかの実施形態において、本体糸繊維ブレンドとシース繊維ブレンドとは実質的に同一(identical)であり、布地の経糸方向および緯糸方向において、隣り合うリップストップ間に10~20本の本体糸が存在し、布地は、平方ヤード当たり5~7オンスの間(両端の値を含む(inclusive))の重量を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
法的要件を満たす具体性をもって、本発明の実施形態の主題をここに説明するが、この説明は特許請求の範囲を限定することを必ずしも意図しているわけではない。特許請求の範囲の主題は、他の態様でも具現化され得、異なる要素又は工程を含み得、既存の又は将来的な他の技術とともに使用され得る。この説明は、個々の工程の順序又は要素の配置が明示的に記述されている場合を除き、種々の工程又は要素の間の特定の順序又は配置を暗示するものとして解釈されるべきではない。
【0011】
布地の本体(body)を形成する複数の難燃性本体糸と、布地に強度を付与するのを助けるために布地本体内の別個の位置(discrete positions)に備えられた複数の相対的に強靭な糸とを備えて形成される難燃性布地が開示される。本発明の実施形態は、リップストップ本体糸を、別の、水および湿気に曝されたときに劣化または弱化しにくく(less apt to)、従って、そのような暴露後に必要な強度を与え続けることができる糸に置き換える。
【0012】
本明細書に開示される布地の実施形態は、GL-PD-07-12,Rev.9(Purchase Description: Cloth, Flame Resistant、2016、参照により本明細書に組み入れられる)およびMIL-PRF-32635: Cloth, Flame Resistant(2019、参照により本明細書に組み入れられる)に準拠した難燃性であり、上記の両方とも、ASTM D6413-Standard Test Method for Flame Resistance of Textiles(Vertical Test)(2015年版、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載された試験方法に従って測定された場合、4インチ(または、それ未満)の炭化長(char length)および2秒(または、それ未満)の残炎時間(afterflame)を有するという熱防護要件への適合を含む、かなりの数の異なる性能試験に合格することを要求する。
【0013】
炭化長及び残炎時間を試験するために、布地試験片を、12秒間、炎の上に垂直に吊り下げる。布地は2秒以内に自己消火しなければならない(すなわち、残炎時間が2秒以下でなければならない。)。布地が自己消火した後、所定量の重りが布地に取り付けられ、布地は、その重りが布地から吊り下げられるように、持ち上げられる。布地は、通常、布地の炭化部分に沿って裂ける。裂ける長さ(つまり、炭化長)は、試験が、布地の機械(machine)/経糸(warp)方向および機械幅(cross-machine)/緯糸(weft)方向の両方において行われた場合、4インチ以下でなければならない。通常、布地サンプルは、それが洗われる前(このため、布地が、仕上げ工程からの残留化学物質-多くの場合、可燃性の-をまだ含んでいるとき)、および、特定の回数の洗濯後の両方で、適合性について試験される。
【0014】
本体糸は、難燃性材料で構成された紡績糸を含む。いくつかの実施形態において、本体糸は、本質的FRステープル繊維、又は難燃性となるように処理されたステープル繊維を用いて形成される。本発明の本体糸を形成するのに有用な例示的なFRおよび非FR材料としては、アラミド(パラ-アラミドおよびメタ-アラミドを含む);ポリベンズイミダゾール(「PBI」);ポリベンゾオキサゾール(「PBO」);モダクリル;ポリ{2,6-ジイミダゾ[4,5-b:40;50-e]-ピリジニレン-1,4(2,5-ジヒドロキシ)フェニレン}(「PIPD」);超高分子量(「UHMW」)ポリエチレン;UHMWポリプロピレン;ポリビニルアルコール;ポリアクリロニトリル;液晶ポリマー;ガラス;ナイロン;炭素;絹;ポリアミド;ポリエステル;および天然および合成セルロース(例えば、綿、レーヨン、アセテート、トリアセテート、およびリヨセル繊維、ならびにそれらの難燃性対応物であるFR綿、FRレーヨン、FRアセテート、FRトリアセテート、およびFRリヨセル)、TANLON(商標)繊維(Shanghai Tanlon Fiber Companyから入手可能)、ウール、メラミン(Basofil Fibersから入手可能なBASOFIL(商標)など)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、予め酸化された(pre-oxidized)アクリル、KERMEL(商標)などのポリアミド-イミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド繊維、ポリクラール、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリオレフィン、ポリアクリレート、およびこれらの任意の組み合わせまたはブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
パラ-アラミド材料の例としては、KEVLAR(商標)(DuPontから入手可能)、TECHNORA(商標)(Arnheim, NetherlandsのTeijin Twaron BVから入手可能)、およびTWARON(Teijin Twaron BVから入手可能)が挙げられる。メタ-アラミド材料の例としては、NOMEX(商標)(DuPontから入手可能)、CONEX(商標)(Teijinから入手可能)、およびKermel(Kermelから入手可能)が挙げられる。適切なモダクリル材料の一例は、日本の大阪の株式会社カネカから入手可能なPROTEX(商標)である。PIPD材料の例として、M5(デュポン)が挙げられる。UHMWポリエチレン材料の例としては、ポリマー材料としてVECTRAWM(クラレから入手可能)が挙げられる。適切なレーヨン材料の例は、Lenzing Fibers Corporationから入手可能なLenzingによるViscose(商標)およびModal(商標)である。FRレーヨン材料の一例は、同じくLenzing Fibers Corporationから入手可能なLenzing FR(商標)である。リヨセル材料の例としては、TENCEL G 100(商標)およびTENCEL A100(商標)が挙げられ、いずれもLenzing Fibers Corporationから入手可能である。
【0016】
いくつかの実施形態において、本体糸は、少なくともレーヨン、アラミド及びナイロン繊維のブレンド、例えば、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維(例えば、パラ-アラミド繊維等)及び5~20%のナイロン繊維等、である。いくつかの実施形態において、本体糸は、Defender(登録商標)M Ripstop布地の本体糸と同じブレンド(具体的には、65%のFRレーヨン/25%のパラ-アラミド/10%のナイロン)を有する。他の実施形態において、本体糸は、70%のFRレーヨン、20%のパラ-アラミド及び10%のナイロンのブレンドを有する。他の繊維を体糸に含めることができる。本体糸の各1本の糸(each end)は、単一の本体糸で形成されてもよく、または複数の本体糸が、撚り合わされて(plied)もよく、または他の方法で組み合わされて(combined)、1本の糸(an end)を形成してもよい。
【0017】
本体糸に加えて、相対的に強靭な糸が、布地内の別個のリップストップ位置に備えられる。当技術分野で知られているように、「強靱性(toughness)」は、物質(material)(この場合は糸)の破断(breakage)に対する抵抗能力に関係する特性である。本明細書では、用語「相対的に強靭な(relatively tough)」は、布地の残りの糸(すなわち、本体糸)よりも高い強靭性を有する糸を記述するために使用される。
【0018】
相対的に強靭な糸は、紡績糸、フィラメント糸、牽切(stretch broken)糸、及びコアスパン(corespun)糸を含むがこれらに限定されない任意のタイプの糸であり得る。いくつかの実施形態において、相対的に強靭な糸は、フィラメント糸を含まない(devoid of)。相対的に強靭な糸に有用な材料には、限定されるものではないが、本体糸に使用するために上記で特定したものと同じ繊維が含まれる。相対的に強靭な糸は、布地全体が難燃性であり、かつ/または、難燃性布地の適用可能なまたは所望の基準(例えば、GL-PD-07-12,Rev.9)を満たす限り、FR/非FR材料の任意の組み合わせを含むことができる。相対的に強靭な糸の各1本の糸(each end)は、単一の糸で形成されてもよく、または複数の糸が組み合わされ(combine)、結合され(couple)、または被覆(cover)されて(すなわち、撚り合わされ(plied)、プライツイスト(ply twist)、包み込み(wrapped)、芯鞘(coresheath)、カバースパン(coverspun)など)、1本の糸(an end)を形成してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、相対的に強靭な糸は、必要な強度を布地に付与するためにアラミド(パラ-アラミドなど)含有量を含む。例えば、一実施形態では、相対的に強靭な糸は、100%アラミド(例えば、パラ-アラミド)紡績糸を含む。100%アラミド紡績糸は、単独で相対的に強靭な糸を形成することができるが、他の実施形態では、別の糸と撚り合わせて相対的に強靭な糸を形成する。例えば、一実施形態では、100%アラミド紡績糸が本体糸と撚り合わされて、相対的に強靭な糸を形成する。
【0020】
さらに別の実施形態では、相対的に強靭な糸は、上記で開示されたものなどの難燃性のステープル繊維のブレンドを有する紡績糸である。より具体的な実施形態では、相対的に強靭な糸は、アラミド繊維およびFRレーヨン繊維のブレンド(例えば、50/50ブレンド)で形成された紡績糸である。
【0021】
さらに別の実施形態では、相対的に強靭な糸は、コア糸を有し、コア糸に対して個々のステープル繊維が紡績されて(spun)、コア糸を取り囲む繊維シースを形成している、コアスパン糸である。一例として、ステープル繊維を、dref紡績(spin)手順またはエアジェット紡績(air jet spinning)プロセスを用いてコア糸の周りに紡績することができる。コア糸およびステープル繊維は、上述した種々の材料の1つ以上であり得る。一実施形態において、コア糸は、100%アラミド(例えば、パラ-アラミド)紡績糸である。繊維シースは、本体糸と同じ繊維ブレンドで形成されてもよい。別の実施形態では、繊維シースは、FRレーヨンおよびナイロンのブレンド(例えば、90/10ブレンド)などの、異なる繊維ブレンドで形成される。
【0022】
本明細書に記載される難燃性布地は、任意の組み合わせまたは配向で、本体糸および相対的に強靭な糸を含むことができる。例えば、本発明のいくつかの例において、布地は、経糸方向および緯糸方向を含む織物布地(woven fabric)であってよい。本体糸は、典型的には、経糸方向と緯糸方向の両方に備えられる。しかしながら、相対的に強靭な糸は、経糸方向のみ、緯糸方向のみ、または、布地内に格子パターンを形成するように、経糸方向と緯糸方向の両方に含まれてもよい。任意の所望の織り(weave)(例えば、平織(plain)、綾織(twill))または編み(knit)(例えば、シングル、ダブル、プレーン、インターロック)パターンを使用することができる。
【0023】
相対的に強靭な糸は、布地内で、本体糸に対して任意の所望の比率で配置してよい。布地内の、1つのリップストップ(a ripstop)に使用される相対的に強靭な糸の数、およびリップストップの頻度は、布地の所望の強度特性に依存してもよく、布地の経糸方向および/または緯糸方向内、および/又は経糸方向および/または緯糸方向間で、同じ、または異なっていてよい。1本よりも多い任意の数の相対的に強靭な糸を各リップストップに使用してよく、各リップストップ内の相対的に強靭な糸の数は布地全体で同じである必要はない。単に一例として、2本の相対的に強靭な糸、3本の相対的に強靭な糸、4本の相対的に強靭な糸等を1つのリップストップに使用してよい。リップストップは、40本の本体糸、35本の本体糸、30本の本体糸、25本の本体糸、20本の本体糸、15本の本体糸、10本の本体糸、5本の本体糸、4本の本体糸、3本の本体糸、2本の本体糸、および1本の本体糸ごとに、経糸方向および緯糸方向のいずれかまたは両方に備えられてよい。リップストップが備えられる頻度は、(1)布地の方向内、および/または、(2)布地の異なる方向で、同じ、または異なってよい。いくつかの実施形態において、少なくとも2本の相対的に強靭な糸であって、4本未満の相対的に強靭な糸が、1つのリップストップを形成し、5~30本の間(両端の値を含む)の本体糸、5~25本の間(両端の値を含む)の本体糸;5~20本の間(両端の値を含む)の本体糸;5~15本の間(両端の値を含む)の本体糸;5~10本の間(両端の値を含む)の本体糸;10~30本の間(両端の値を含む)の本体糸;10~25本の間(両端の値を含む)の本体糸;10~20本以下の間(両端の値を含む)の本体糸;10~15本の間(両端の値を含む)の本体糸が、布地の一方向または両方向において、隣り合うリップストップ間に備えられている。
【0024】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された布地は、平方ヤード当たり2~12オンス(ounces per square yard)(「osy」)の間(両端の値を含む);3~10osyの間(両端の値を含む);3~9osyの間(両端の値を含む);3~8.5osyの間(両端の値を含む);4~8osyの間(両端の値を含む);4~7.5osyの間(両端の値を含む);4~7osyの間(両端の値を含む);5~7osyの間(両端の値を含む);5.5~7osyの間(両端の値を含む);または6~7osyの間(両端の値を含む)の重量を有する。いくつかの実施形態において、布地の重量は、6~7osy(両端の値を含む)、および/または7osy以下、および/または6.5osy以下である。
【0025】
本発明の特定の非限定的な実施形態は、以下の通りである。
【0026】
本発明の(inventive)布地1(「IF1」):(1)70%FRレーヨン/20%パラ-アラミド/10%ナイロンの繊維ブレンドを有する紡績本体糸、および、(2)単一の30綿番手(cotton count)(英式(English))100%パラ-アラミド紡績コア糸(spun core yarn)、および70%FRレーヨン/20%パラ-アラミド/10%ナイロンの繊維シースを有するコアスパン糸である相対的に強靭な糸、を用いて形成された6.5osyの織物布地。本体糸および相対的に強靭な糸は、本体糸と相対的に強靭な糸との比が、経糸で19:2、緯糸で10:2となるように、経糸方向および緯糸方向の両方に備えられた。これは、経糸方向を横切る繰り返しパターンにおいて(in a repeating pattern across the warp direction)、2本の相対的に強靭な糸の1つのリップストップに19本の本体糸が続き、緯糸方向を横切る繰り返しパターンにおいて(in a repeating pattern across the fill direction)、2本の相対的に強靭な糸の1つのリップストップに10本の本体糸が続くことを意味する。経糸密度および緯糸密度はそれぞれ、経糸69本(ends)/インチ、および緯糸59本(picks)/インチであった。
【0027】
本発明の布地2(「IF2」):(1)70%FRレーヨン/20%パラ-アラミド/10%ナイロンの繊維ブレンドを有する紡績本体糸、および、(2)単一の30綿番手(英式)100%パラ-アラミド紡績コア糸および90%FRレーヨン/10%ナイロンの繊維シースを有するコアスパン糸である相対的に強靭な糸、を用いて形成された6.5osyの織物布地。本体糸および相対的に強靭な糸は、本体糸と相対的に強靭な糸との比が、経糸で19:2、緯糸で10:2となるように、(本発明布地1に関して上述したように)、経糸方向および緯糸方向の両方に備えられた。経糸密度および緯糸密度はそれぞれ、経糸69本(ends)/インチ、および緯糸59本(picks)/インチであった。
【0028】
本発明の布地3(「IF3」):(1)65%FRレーヨン/25%パラ-アラミド/10%ナイロンの繊維ブレンドを有する紡績本体糸、および、(2)単一の30綿番手(英式)100%パラ-アラミド紡績コア糸、および65%FRレーヨン/25%パラ-アラミド/10%ナイロンの繊維シースを有するコアスパン糸である相対的に強靭な糸、を用いて形成された6.5osyの織物布地。経糸方向には本体糸のみが備えられた。緯糸方向に、本体糸および相対的に強靭な糸の両方が、緯糸方向の本体糸と相対的に強靭な糸との比が10:2となるように備えられた。これは、緯糸方向を横切る繰り返しパターンにおいて、2本の相対的に強靭な糸のリップストップ1つに10本の本体糸が続くことを意味する。経糸密度および緯糸密度はそれぞれ、経糸69本(ends)/インチ、および緯糸59本(picks)/インチであった。
【0029】
本発明の布地1~3の引張強度および引裂き強度を、GL-PD-07-12,Rev.9に準拠して試験し、上記のDefender(登録商標)M Ripstop布地と比較した。引張強度は、荷重を加えたときに布を破断させるために必要な力であり、ASTM D5034-09:Standard Test Method for Breaking Strength and Elongation of Textile Fabrics (Grab Test)(2013年版、この参照により本明細書に組み入れられる)に従って測定される。この方法によれば、試験片を引張機のクランプの中心に取り付け、試験片が破断するまで力を加える。試験片の破断力および伸びの値を、機械スケール、ダイヤル、自記録チャート、または試験機に接続されたコンピュータから取得する。結果は重量ポンド(pounds force)(lbf)で報告される。
【0030】
引裂き強さは、引裂きが開始された後に、その引裂きが布地内を伝播するために必要な力の量の尺度である。布地の引裂き強度は、ASTM D1424-09(Standard Test Method for Tearing Strength of Fabrics by Falling-Pendulum (Elmendorf-Type) Apparatus(2013年版)、参照により本明細書に組み入れられる)に準拠して測定し、結果は重量ポンド(lbf)で報告される。
【0031】
ASTM D1424-09に従って、特定サイズの布地サンプルに特定サイズのスリットが切り込まれる。布地サンプルを支持するために、布地サンプルのスリットの各側にクランプを配置する。荷重をかけた振り子が放たれて、振り下ろされ、布地サンプルに力が加えられる。布地内の既存の裂け目を伝播するために必要な力の量が測定され、その力の量が、布地の引裂き強度を表す。
【0032】
試験結果を表1に示す。
【表1】
【0033】
表1で証明されているように、本発明の布地1~3の引張強度および引裂き強度はすべてGL-PD-07-12 Rev.9のタイプIII要件に適合しており、湿潤時および乾燥時の両方でDefender(登録商標)M Ripstop対照布地のそれらを上回っていた。
【0034】
本明細書に開示された布地の実施形態は、それ自体で、または他の布地と組み合わせて、種々の防護衣類の構造に使用することができ、軍事用途での使用に限定されない。
【0035】

本明細書に記載される概念に従った種々の例示的なタイプの追加の説明を提供する、「例(Examples)」として明示的に列挙された少なくともいくつかを含む、例示的な実施形態のコレクションが以下に提供される。これらの例は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意図したものではない。また、本発明は、これらの例示的例に限定されるものではなく、発行された特許請求の範囲およびその均等物の範囲内の全ての可能な修正および変形を包含するものである。
【0036】
例1.経糸方向および緯糸方向を有する難燃性布地であって、複数の紡績本体糸であって、各紡績本体糸は、本体糸繊維ブレンドで形成され、かつ、布地の経糸方向および緯糸方向の両方に備えられる、複数の紡績本体糸と、布地の経糸方向または緯糸方向の少なくとも一方において、紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップであって、各リップストップは、少なくとも2本の相対的に強靭な糸を含み、各相対的に強靭な糸は、コアおよびシースを含み、コアは、100%アラミド紡績糸を含み、シースは、シース繊維ブレンドを含む、複数のリップストップとを含む、難燃性布地。
【0037】
例2.コアが、100%パラ-アラミド紡績糸を含む、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0038】
例3.シース繊維ブレンドが、FRレーヨン繊維、アラミド繊維、およびナイロン繊維を含む、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0039】
例4.シース繊維ブレンドが、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%ナイロン繊維を含む、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0040】
例5.アラミド繊維が、パラ-アラミド繊維である、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0041】
例6.本体糸繊維ブレンドとシース繊維ブレンドとが同一である、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0042】
例7.本体糸繊維ブレンドおよびシース繊維ブレンドが、それぞれ、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含む、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0043】
例8.本体糸繊維ブレンドとシース繊維ブレンドとが同一である、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0044】
例9.経糸方向または緯糸方向の少なくとも一方において、隣り合うリップストップ間に、5~25本の紡績本体糸が存在する、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0045】
例10.経糸方向または緯糸方向の少なくとも一方において、隣り合うリップストップ間に10~20本の本体糸が存在する、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0046】
例11.布地の経糸方向および緯糸方向の両方において、複数のリップストップが、紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる、先行または後続のまたは例の組み合わせのいずれかの例難燃性布地。
【0047】
例12.平方ヤード当たり5~7オンスの間(両端の値を含む)の重量を含む、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0048】
例13.フィラメント糸を含まない、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0049】
例14.経糸方向および緯糸方向を有する難燃性布地であって、複数の紡績本体糸であって、各紡績本体糸は、本体糸繊維ブレンドで形成され、かつ、布地の経糸方向および緯糸方向の両方に備えられ、本体糸繊維ブレンドは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含む、紡績本体糸と、布地の経糸方向又は緯糸方向の少なくとも一方において、紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップであって、各リップストップは、少なくとも2本の相対的に強靭な糸を含み、各相対的に強靭な糸は、コアおよびシースを含み、コアは、100%アラミド紡績糸を含み、シースは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のアラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含むシース繊維ブレンドを含む、複数のリップストップとを含み、経糸方向または緯糸方向の少なくとも一方において、隣り合うリップストップ間に、5~25本の本体糸が存在する、難燃性布地。
【0050】
例15.コアが、100%パラ-アラミド紡績糸を含む、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0051】
例16.本体糸繊維ブレンドおよびシース繊維ブレンド中の15~40%のアラミド繊維が、15~40%のパラ-アラミド繊維を含む、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0052】
例17.本体糸繊維ブレンドとシース繊維ブレンドとが同一である、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0053】
例18.布地の経糸方向および緯糸方向の両方において、複数のリップストップが、紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0054】
例19.平方ヤード当たり5~7オンスの間(両端の値を含む)の重量を含む、先行または後続の例または例の組み合わせのいずれかの難燃性布地。
【0055】
例20.経糸方向および緯糸方向を有する難燃性布地であって、複数の紡績本体糸であって、各紡績本体糸は、本体糸繊維ブレンドで形成され、かつ、布地の経糸方向および緯糸方向の両方に備えられ、本体糸繊維ブレンドは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のパラ-アラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含む、複数の紡績本体糸と、布地の経糸方向および緯糸方向の両方において、紡績本体糸の少なくともいくつかの間に延びる複数のリップストップであって、複数のリップストップの少なくともいくつかは、2本の相対的に強靭な糸からなり、各相対的に強靭な糸は、コアおよびシースを含み、コアは、100%パラ-アラミド紡績糸を含み、シースは、50~80%のFRレーヨン繊維、15~40%のパラ-アラミド繊維、および5~20%のナイロン繊維を含むシース繊維ブレンドを含む、複数のリップストップとを含み、本体糸繊維ブレンドとシース繊維ブレンドとは実質的に同一であり、布地の経糸方向および緯糸方向において、隣り合うリップストップ間に10~20本の本体糸が存在し、布地は、平方ヤード当たり5~7オンスの間(両端の値を含む)の重量を含む、難燃性布地。
【0056】
上述の構成要素の異なる配置、さらには、示されていない、又は記載されていない構成要素および工程が、可能である。同様に、いくつかの特徴およびサブコンビネーション(subcombination)は有用であり、他の特徴およびサブコンビネーションを参照することなく、用いられ得る。本発明の実施形態は、限定するためでなく例示のために説明されており、代わりとなる実施形態が本特許の読者に明らかになるであろう。したがって、本発明は、上記で記載された、または図に示された実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の実施形態および変形が可能である。
【国際調査報告】