(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】ビルトイン冷蔵庫及びその取り付け装置、並びに、補助取り付け部品
(51)【国際特許分類】
F25D 23/10 20060101AFI20230215BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
F25D23/10
F25D23/00 303
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537067
(86)(22)【出願日】2020-09-01
(85)【翻訳文提出日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2020112852
(87)【国際公開番号】W WO2021135333
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】201911403737.7
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(71)【出願人】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】費 斌
(72)【発明者】
【氏名】王 常志
(72)【発明者】
【氏名】朱 小兵
(72)【発明者】
【氏名】夏 恩品
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
(57)【要約】
ビルトイン冷蔵庫の取り付け装置(100)は、冷蔵庫(10)の前後方向に沿って冷蔵庫(10)の底板に設置される固定フレーム(240)と、固定フレーム(240)に設置され、冷蔵庫(10)の前後方向と平行する溝(212)が底部に設けられ、取り付け空間が所在する地面に予め設けられたガイドレール部(512)と組み合わせられ、冷蔵庫(10)が前後方向に沿って移動するように規定する少なくとも一つのガイドブロックを含むことから、冷蔵庫(10)が所定の経路に沿って後方に移動して取り付け位置に到達することがすることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫をキャビネットの取り付け空間内に取り付けるためのビルトイン冷蔵庫の取り付け装置であって、
前記冷蔵庫の前後方向に沿って前記冷蔵庫の底板に設置される固定フレームと、
前記固定フレームに設置される少なくとも一つのガイドブロックと、を含み、
前記ガイドブロックは、前記冷蔵庫の前後方向に平行な溝が底部に設けられており、前記取り付け空間が所在する地面に予め設けられたガイドレール部と組み合わせられ、前記冷蔵庫が前後方向に沿って移動するように規定するよう配置される、
ことを特徴とするビルトイン冷蔵庫の取り付け装置。
【請求項2】
前記ガイドブロックは、複数あり、前記固定フレームに間隔を置いて設置されると共に、複数の前記ガイドブロックの溝が、前記冷蔵庫の前後方向に平行な同一直線上に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のビルトイン冷蔵庫の取り付け装置。
【請求項3】
複数の前記ガイドブロックは、前記固定フレームの後端に位置する第一ガイドブロックを含み、
前記第一ガイドブロックの後部には、前記溝の横方向の側壁が後方に広がるらっぱ口が形成されており、当該らっぱ口は、前記第一ガイドブロックが前記ガイドレール部に対して前記取り付け空間の外部の一方側から組み付けられる際に、前記冷蔵庫を前記ガイドレール部にガイドするように配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載のビルトイン冷蔵庫の取り付け装置。
【請求項4】
複数の前記ガイドブロック間の間隔に設置され、前記ガイドレール部の表面を摺動することにより、前記冷蔵庫が移動するときに摩擦抵抗力を低減するように配置される複数の滑車部品をさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のビルトイン冷蔵庫の取り付け装置。
【請求項5】
前記滑車部品は、複数の回転滑車と接続手段を含み、
前記複数の回転滑車は、前記溝の形成方向に沿って順に配列するように設置され、前記回転滑車の外周は、前記ガイドレール部の表面に適合する形状に形成されており、
前記接続手段は、各前記回転滑車における中心回転軸の両端と接続するための軸穴を有し、複数の前記回転滑車の中心回転軸が、前記接続手段に回転可能に接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載のビルトイン冷蔵庫の取り付け装置。
【請求項6】
前記接続手段は、二つあり、それぞれが前記複数の回転滑車における横方向の両側に位置し、
前記滑車部品は、
二つの前記接続手段間を貫通して設置される固定軸と、
ハウジングと、をさらに含み、
前記ハウジングは、前記固定軸の両端が固定されて接続され、前記回転滑車が収容されて配置され、前記ハウジングの底部に開口を設けることにより前記回転滑車が前記ガイドレール部の表面と接触可能なよう構成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載のビルトイン冷蔵庫の取り付け装置。
【請求項7】
前記冷蔵庫の底部に設置され、前記冷蔵庫の前方側底部車輪の前方側に位置し、高さを調整することにより前記冷蔵庫の高さを水平に調整するように配置される複数の高さ調整底脚をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のビルトイン冷蔵庫の取り付け装置。
【請求項8】
冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の底部に設置される請求項1~7の何れか一項に記載の取り付け装置と、を含む、
ことを特徴とするビルトイン冷蔵庫。
【請求項9】
冷蔵庫をキャビネットの取り付け空間内に取り付けるためのビルトイン冷蔵庫の補助取り付け部品であって、
少なくとも、前記取り付け空間が所在する地面の横方向の一方側に配置されると共に前記地面の前後方向に沿って設置され、前記冷蔵庫が前後方向に沿って前記取り付け空間を出入りできるようにするレール部品を含み、
前記レール部品は、
前記地面に平らに敷くように配置される底板部と、
前記底板部の表面から上方へ延出して形成され、請求項1~7の何れか一項に記載の取り付け装置のガイドブロックがその表面に沿って移動できるように配置されるガイドレール部と、を含む、
ことを特徴とするビルトイン冷蔵庫の補助取り付け部品。
【請求項10】
前記レール部品は、前記底板部の表面から上方へ延出して形成され、前記ガイドレール部と平行に間隔を置いて設置される位置制限部をさらに含み、
前記補助取り付け部品は、
前記レール部品と平行する延出方向に沿って前記地面に設置され、前記位置制限部と平行する位置決め片を有すると共に、前記ガイドレール部が前記位置決め片と前記位置制限部との間に位置しており、前記ガイドブロックが前記ガイドレール部から外れる場合に、前記位置制限部と共に、前記冷蔵庫による移動経路を補正するように配置される位置決め部と、
前記レール部品と前記位置決め部との間に位置し、前記冷蔵庫が取り付け位置に移動する場合、前記冷蔵庫の後部底部車輪を持ち上げるように配置されるスペーサーをさらに含む、
ことを特徴とする請求項9に記載のビルトイン冷蔵庫の補助取り付け部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫の分野に関し、特に、ビルトイン冷蔵庫及びその取り付け装置並びに補助取り付け部品に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルトイン冷蔵庫は、取り付けられる場合に、冷蔵庫本体を家庭用キャビネット内に事前に設けられた取り付け空間に嵌入することが必要となる。しかしながら、取り付け空間内の容積は、冷蔵庫本体の体積が概ねに同じであることから、取り付けられる際に、利用者が冷蔵庫本体の前方側に力をかけて冷蔵庫本体を取り付け空間に押し込む必要がある。また、冷蔵庫本体を移動する場合、不均一な力により冷蔵庫本体が斜めになり、湾曲して前進してしまうなどの問題が発生し易くなり、取り付けを行う過程全体が難しい。
【0003】
したがって、如何してビルトイン冷蔵庫を取り付ける困難さを軽減するかは、当業者にとって緊急に解決すべき技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の技術的課題の少なくともいずれかの態様を解決するためのビルトイン冷蔵庫及びその取り付け装置並びに補助取り付け部品を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の更なる目的は、ビルトイン冷蔵庫を取付方向に沿って取り付け空間に出入りさせることにより、ビルトイン冷蔵庫を取り付ける困難さを軽減することにある。
【0006】
本発明の更なる目的は、ビルトイン冷蔵庫を迅速に取り付けることを実現することにある。
【0007】
本発明の更なる目的は、ビルトイン冷蔵庫とキャビネットとの全体性を高めることにある。
【0008】
本発明の更なる目的は、ビルトイン冷蔵庫を取り付ける美観性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によると、冷蔵庫をキャビネットの取り付け空間内に取り付けるためのビルトイン冷蔵庫の取り付け装置であって、冷蔵庫の前後方向に沿って冷蔵庫の底板に設置される固定フレームと、固定フレームに設置され、冷蔵庫の前後方向に平行な溝が底部に設けられ、取り付け空間が所在する地面に設けられたガイドレール部と組み合わせられて、冷蔵庫が前後方向に沿って移動するように規定するよう配置される、少なくとも一つのガイドブロックと、を含む、ビルトイン冷蔵庫の取り付け装置を提供する。
【0010】
好ましくは、ガイドブロックは、複数あり、固定フレームに間隔を置いて設置されると共に、複数のガイドブロックの溝が冷蔵庫の前後方向に平行な同一直線上に位置する。
【0011】
好ましくは、複数のガイドブロックは、固定フレームの後端に位置する第一ガイドブロックを含み、第一ガイドブロックの後部には、溝の横方向の側壁が後方に広がるらっぱ口が形成されており、らっぱ口は、第一ガイドブロックがガイドレール部に対して取り付け空間の外部の一方側から組み付けられる際に、冷蔵庫をガイドレール部にガイドするように配置される。
【0012】
好ましくは、取り付け装置は、複数のガイドブロック間の間隔に設置され、ガイドレール部の表面を摺動することにより、冷蔵庫が移動するときに摩擦抵抗力を低減するように配置される複数の滑車部品をさらに含む。
【0013】
好ましくは、滑車部品は、複数の回転滑車と接続手段を含み、複数の回転滑車は、溝の形成方向に沿って順に配列するように設置され、回転滑車の外周はガイドレール部の表面に適合する形状に形成されており、接続手段は、各回転滑車における中心回転軸の両端と接続する軸穴を有し、複数の回転滑車の中心回転軸が、接続手段に回転可能に接続されるようにする。
【0014】
好ましくは、接続手段は、二つあり、それぞれが複数の回転滑車における横方向の両側に位置する。そして、滑車部品は、二つの接続手段間を貫通して設置される固定軸と、ハウジングと、をさらに含む。ハウジングは、固定軸の両端が固定されて接続され、回転滑車が収容されて配置され、ハウジングの底部に開口を設けることにより、回転滑車がガイドレール部の表面と接触することを可能にしている。
【0015】
好ましくは、取り付け装置は、冷蔵庫の底部に設置され、冷蔵庫の前方側底部車輪の前方側に位置し、高さを調整することにより冷蔵庫の高さを水平に調整するように配置される複数の高さ調整底脚をさらに含む。
【0016】
本発明の他の態様によると、冷蔵庫本体と、冷蔵庫本体の底部に設置される上記の何れかの一項に記載の取り付け装置を含む、ビルトイン冷蔵庫をさらに提供する。
【0017】
本発明のもう一つの態様によると、冷蔵庫をキャビネットの取り付け空間に取り付けるためのビルトイン冷蔵庫補助取り付け部品であって、少なくとも、取り付け空間が所在する地面の横方向の一方側に設置されるように配置されると共に、地面の前後方向に沿って設置され、冷蔵庫が前後方向に沿って取り付け空間を出入りできるようにするレール部品を含み、レール部品は、地面に平らに敷くにように配置される底板部と、底板部の表面から上へ延出して形成されるものであって、上記の何れか一項に記載の取り付け装置のガイドブロックがその表面に沿って移動できるように配置されるガイドレール部と、を含む、ビルトイン冷蔵庫補助取り付け部品を提供する。
【0018】
好ましくは、レール部品は、底板部の表面から上方へ延出して形成され、ガイドレール部と平行に間隔を置いて設置される位置制限部をさらに含み、補助取り付け部品は、レール部品と平行する延出方向に沿って地面に設置され、位置制限部と平行する位置決め片を有すると共に、ガイドレール部が位置決め片と位置制限部との間に位置しており、ガイドブロックがガイドレール部から外れる場合に、位置制限部と共に、冷蔵庫による移動経路を補正するように配置される位置決め部と、レール部品と位置決め部との間に位置しており、冷蔵庫が取り付け位置に移動する場合、冷蔵庫の後部底部車輪を持ち上げるように配置するスペーサーをさらに含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るビルトイン冷蔵庫及びその取り付け装置並びに補助取り付け部品は、ビルトイン冷蔵庫の取り付け装置がガイドブロックを含み、ガイドブロックは、冷蔵庫の前後方向と平行する溝が底部に設けられ、当該溝は、取り付け空間が所在する地面に予め設けられたガイドレール部と適合するように配置され、冷蔵庫が前後方向に沿って移動するように限定して、冷蔵庫が所定の経路に沿って後方に移動して取り付け位置に到達することができることから、操作が簡便であり、時間と労力が節約でき、冷蔵庫が移動する際に不均一な力により冷蔵庫本体が斜めになり、ひいては、湾曲して前進してしまうということを回避し、取り付け空間を出入りすることが難しいという問題を解決して、ビルトイン冷蔵庫を取り付ける困難さが軽減する。
【0020】
さらに、本発明に係るビルトイン冷蔵庫及びその取り付け装置並びに補助取り付け部品は、取り付け装置を用いて補助取り付け部品と互いに適合することから、ビルトイン冷蔵庫が所定の経路に沿って取り付け位置に移動でき、そして、冷蔵庫による移動に役立ち、取り付けを行う場合に冷蔵庫位置を繰り返して調節することを回避し、ビルトイン冷蔵庫を取り付ける効率が高まり、ビルトイン冷蔵庫を迅速に取り付けることが実現される。
【0021】
さらに、本発明に係るビルトイン冷蔵庫及びその取り付け装置並びに補助取り付け部品は、取り付け空間が所在する地面の補助取り付け部品の位置を調節することにより、冷蔵庫とキャビネットの側壁と後壁との間の隙間の大きさを調節することができ、冷蔵庫とキャビネットとを水平に維持し、ビルトイン冷蔵庫とキャビネットとの全体性を高めることができる。
【0022】
さらに、本発明に係るビルトイン冷蔵庫及びその取り付け装置並びに補助取り付け部品のうち、補助取り付け部品は、地面に予め組み立てられたスペーサーを含み、冷蔵庫が取り付け位置に移動するときに冷蔵庫の後部を持ち上げるように配置され、取り付け装置は、冷蔵庫底部に位置する複数の高さ調整底脚をさらに含み、高さを調整することにより冷蔵庫の高さを調整するように配置され、先にスペーサーにより冷蔵庫後部を持ち上げて、次に高さ調整底脚により冷蔵庫前部の高さを水平に調整することから、簡便性があり、効果が高く、冷蔵庫が取り付け位置まで到達すると迅速に冷蔵庫の先端と底部を同一の水平面に調整でき、ビルトイン冷蔵庫の美感性を高めることができる。
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。本発明の上記又は他の目的、利点や特性は、当業者にとって、より明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、図面を参照しながら、例示的、かつ非制限的に、本発明の幾つかの具体的な実施例を詳しく説明する。図面に示す同じ符号は、同じ又は類似の部品や部分を示す。当業者にとって理解可能なことは、これらの図面が必ずしも原寸に比例して描かれたものではないことである。
【
図1】本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫の組立図である。
【
図2】本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫の左側面図である。
【
図4】
図2に示すビルトイン冷蔵庫の底面図である。
【
図5】本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫の補助取り付け部品の模式図である。
【
図6】
図5に示すビルトイン冷蔵庫の補助取り付け部品におけるレール部品の模式図である。
【
図7】
図5に示すビルトイン冷蔵庫の補助取り付け部品における位置決め部の模式図である。
【
図8】本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫の取り付け装置の位置決め組み立て体とレール部品を組み合わせた模式図であり、ここで、位置決め組み立て体は固定フレーム、ガイドブロック及び滑車部品の総称である。
【
図9】
図8に示すビルトイン冷蔵庫の取り付け装置の位置決め組み立て体の分解図である。
【
図10】
図8に示すビルトイン冷蔵庫の取り付け装置の位置決め組み立て体の他の模式図である。
【
図11】
図10に示すビルトイン冷蔵庫の取り付け装置の位置決め組み立て体の第一ガイドブロックの模式図である。
【
図12】
図10に示すビルトイン冷蔵庫の取り付け装置の位置決め組み立て体の滑車部品の模式図である。
【
図13】
図12に示すビルトイン冷蔵庫の取り付け装置の位置決め組み立て体の滑車部品の分解図である。
【
図14】本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫の取り付け装置における嵌入条と接続部品の模式図である。
【
図15】
図14に示すビルトイン冷蔵庫の取り付け装置における嵌入条と接続部品の他の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫10の組立図であり、
図2は本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫10の左側面図であり、
図3は、
図2のA箇所の部分拡大図であり、
図4は、
図2に示すビルトイン冷蔵庫10の底面図である。
【0026】
ビルトイン冷蔵庫10(以下、「冷蔵庫」とも略称する)は、一般的に、冷蔵庫本体及び冷蔵庫本体の底部に設置される取り付け装置100を含む。この実施例では、冷蔵庫10は、底部に、底部車輪を予め組み付けてもよい。底部車輪は、二つの前輪600と二つの後輪700を含む四つ底部車輪であってもよい。そのうち、ビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100は、冷蔵庫10をキャビネット20に取り付けるためのものであり、冷蔵庫10の取り付け空間がキャビネット20に形成されている。キャビネット20の後壁、側壁、上壁及び取り付け空間が所在する地面は、共に、直方体状の取り付け空間を囲んでいる。冷蔵庫10の取り付け位置とは、取り付け空間の冷蔵庫10が配置される具体的な位置を意味する。
【0027】
取り付け空間内には、単一の冷蔵庫10を収容してもよいし、任意の数の組み立て式冷蔵庫10を収容してもよいが、具体的な設置手段を実際のニーズに合わせて設置可能である。この実施例では、取り付け空間内には、二つの冷蔵庫10を収容することができ、この二つの冷蔵庫10を取り付け空間の横方向の延出方向に沿って並列して設置することができる。
【0028】
図5は、本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫10の補助取り付け部品500の模式図である。
【0029】
ビルトイン冷蔵庫10は、補助取り付け部品500をさらに含んでもよい。ビルトイン冷蔵庫10の補助取り付け部品500は、冷蔵庫10をキャビネット20の取り付け空間内に取り付けるためのものである。
【0030】
補助取り付け部品500は、取り付け空間が所在する地面に予め組み付けられて配置され、冷蔵庫10による移動経路と取り付け位置を補助的に規定するためのものであり、また、冷蔵庫10の高さを補助的に調整するためのものである。補助取り付け部品500は、レール部品510、位置決め部520及びスペーサー530を含む。
【0031】
図6は、
図5に示すビルトイン冷蔵庫10の補助取り付け部品500のレール部品510の模式図である。
【0032】
レール部品510は、少なくとも、取り付け空間が所在する地面の横方向の一方側に設置されるように配置され、地面の前後延出方向に沿って設置されるように配置されることから、冷蔵庫10が取り付け空間を前後方向に出入りできるようにする。この実施例では、ビルトイン冷蔵庫10は二つあり、レール部品510は二つあり、それぞれ上記の地面の横方向の一方側に予め組み立てられ、それぞれ、一つの冷蔵庫10による移動経路と取り付け位置を規定するためのものである。好ましい幾つかの実施例では、ビルトイン冷蔵庫10は、一つあり、レール部品510は、一つあってもよいし、二つあってもよい。レール部品510は、螺合や接着の形態により地面に固定されてもよい。レール部品510は、底板部511、ガイドレール部512及び位置制限部513を含む。
【0033】
この実施例では、補助取り付け部品500について、「前方」、「後方」、「背面側」、「側面」や「先端」などの方位や位置の関係を示すための用語は、取り付け空間が所在する地面に位置する補助取り付け部品500を実際に使用する状態に対応している。取り付け装置100について、「前方」、「後方」、「背面側」、「側面」や「先端」などの方位や位置の関係を示すための用語は、取り付け位置に位置する冷蔵庫10を実際に使用する状態に対応している。
【0034】
底板部511は、地面に平らに敷くように配置される。レール部品510は、底板部511を地面に螺合又は接着することにより、レール部品510の全体を固定することを実現することができる。底板部511は、長方形の板形状であり、地面と平行する前後延出方向に沿って前方から後方に延出するものであってもよい。底板部511におけるキャビネット20の側壁と近い側は、キャビネット20の側壁と近接して設置されてもよい。底板部511におけるキャビネット20の後壁と近い側は、キャビネット20の後壁間と所定の距離だけ間隔をおいてもよい。当該所定の距離の大きさは、実際のニーズに合わせて設置し、冷蔵庫10の背板とキャビネット20の後壁との間に、一定の大きさの隙間を形成してもよい。
【0035】
ガイドレール部512は、底板部511の表面から上へ延出して形成され、以下に説明する取り付け装置100のガイドブロックが、その表面に沿って移動できるように配置される。つまり、ガイドレール部512には、ガイドブロックを移動させるレールが形成される。この実施例では、ガイドレール部512には、ガイドブロックと滑車部品220を移動させるレールが形成される。ガイドレール部512は、板状であり、底板部511と垂直であると共に地面の前後延出方向と平行に設置される。
【0036】
ガイドレール部512とキャビネット20の側壁とが平行となるように保持することにより、冷蔵庫10が前方から後方に取り付け位置に移動する過程において、常に冷蔵庫10がキャビネット20の側壁と平行となるように保持し、冷蔵庫10が取り付け位置に到達すると、冷蔵庫10とキャビネット側壁との間の隙間の大きさを繰り返して調整する必要性が無くなり、取り付けを行う効率が高まる。
【0037】
冷蔵庫10が移動する過程における抵抗力を小さくするためには、ガイドレール部512のガイドブロックの溝212と接触する部位を、円滑な円弧状曲面に形成してもよい。この場合、円弧状曲面とガイドブロックの溝212との組み合わせにより、冷蔵庫10が移動する過程で摩擦抵抗力を小さくすることができる。
【0038】
ガイドレール部512のキャビネット20の後壁と近い側にストッパーが設置されており、ストッパーは、冷蔵庫10が取り付け位置に到達すると、それ以上に後方に移動せず、そして、冷蔵庫10が停止して移動しないように阻むためのものである。冷蔵庫10が停止して移動しないと、所定の取り付け位置に到達する。ストッパーは、キャビネット20の後壁との間に、所定の距離だけ間隔を置いてもよい。当該所定の距離は、その大きさが実際のニーズに合わせて設置され、冷蔵庫10の背板とキャビネット20の後壁との間に一定の大きさの隙間を形成してもよい。
【0039】
本実施例に係る上記の補助取り付け部品500は、冷蔵庫10を取り付けるために所定の移動レールを提供し、冷蔵庫10が所定の経路に沿って直線運動を行うことにより取り付け位置まで移動するようにするためのものであり、また、冷蔵庫10が、利用者の定める取り付け位置に到達するためのものである。冷蔵庫10とキャビネット20との間には、隙間が有り、当該空隙の大きさは、補助取り付け部品500の位置を調節することにより調節され、冷蔵庫10を取り付ける柔軟性が高まる。
【0040】
位置制限部513は、底板部511の表面から上へ延出して形成され、ガイドレール部512と、間隔を置いて平行に設置される。位置制限部513は、ガイドレール部512よりも高い。また、位置制限部513は、さらに、キャビネット20の側壁と平行するように配置される。位置制限部513は、さらに、冷蔵庫10が移動する過程において、冷蔵庫10の側壁と取り付け装置100の固定フレーム240に隣接するように配置される。ガイドブロックがガイドレール部512から外れる場合、冷蔵庫10による移動経路を補正する。つまり、位置制限部513は、ガイドブロックがガイドレール部512から外れることを防ぐためのものであり、位置制限部513とガイドレール部512を組み付けることにより、ガイドブロックがキャビネット20の側壁と平行する方向に沿って前方から後方に移動するようにする。この実施例では、位置制限部513は、板状であり、底板部511と垂直であると共に地面の前後延出方向に設置される。底板部511には、位置制限部513が底板部511におけるキャビネット20の側壁と近い側に位置してもよいし、ガイドレール部512が底板部511における上記のキャビネット20の側壁から離れた側に位置してもよい。位置制限部513は、キャビネット20の側壁との間に、所定の距離だけ間隔を置いてもよい。当該所定の距離は、その大きさが実際のニーズに合わせて設置され、冷蔵庫10の側板とキャビネット20の側壁との間に一定の大きさの隙間を形成してもよい。
【0041】
冷蔵庫10が移動している過程では、ガイドブロックの溝212がガイドレール部512と噛み合い、ガイドブロックのキャビネット20の側壁に向かう面がさらに、位置制限部513と当接する。ガイドレール部512と位置制限部513が当接することにより、冷蔵庫10による移動経路を厳しく限定でき、冷蔵庫10が所定の経路に沿って所定の取り付け位置に到達することができる。また、取り付け位置に到達した冷蔵庫10は、キャビネット20の側壁及び後壁との間に一定の大きさの空隙を有することから、冷蔵庫10が取り付け位置に到達すると、冷蔵庫10の位置を繰り返して調節する必要が無くなり、操作が簡便であり、実現が容易で、時間と労力が節約でき、ビルトイン冷蔵庫10を取り付ける効率が高まる。
【0042】
図7は、
図5に示す補助取り付け部品500の位置決め部520の模式図である。
【0043】
位置決め部520は、レール部品510と平行する延出方向に沿って地面に設置され、位置制限部513と平行する位置決め片522を有し、ガイドレール部512が位置決め片522と位置制限部513との間に位置する。位置決め部520は、さらに、位置制限部513と組み合わせてガイド部がガイドレール部512から外れる場合、冷蔵庫10の移動経路を補正するように配置される。位置決め部520は、地面に平らに敷いた定位板521及び定位板521の表面から上へ延出して形成される位置決め片522を有する。位置決め片522は、キャビネット20の側壁と平行する。この実施例では、位置決め部520は、地面に予め組み付けられてもよい。上記の取り付け空間は、二つの冷蔵庫10を取り付けるためのものである。位置決め部520は、上記の二つのレール部品510の間に位置してもよい。例えば、位置決め部520は、上記の二つのレール部品510の中央位置に位置して、レール部品510と組み合わせ、二つの冷蔵庫10の移動経路を共に規定する。取り付け位置に位置する冷蔵庫10に対しては、レール部品510が冷蔵庫10の底部の横方向の一方端に位置しており、位置決め部520が冷蔵庫10の底部の横方向の他方端に位置する。定位板521は、長方形の板状であり、地面の横方向延出方向に沿って前方から後方に延出するように配置される。位置決め片522は、板状であり、定位板521と垂直である地面の前後延出方向と平行に設置されるように配置される。冷蔵庫10が移動している場合又は取り付け位置に到達した場合に、位置決め片522が一つの冷蔵庫10の側板に対向する面及び他の冷蔵庫10の側板に対向する他面を有することになる。
【0044】
位置決め片522とレール部品510の位置制限部513との間の距離は、実際のニーズに合わせて設置されてもよく、例えば、当該距離の大きさが冷蔵庫10の冷蔵庫本体の横方向のサイズに合わせて、位置決め片522とレール部品510とを適合することにより、冷蔵庫10の取り付け位置と移動経路を限定することができる。
【0045】
取り付け空間が所在する地面の補助取り付け部品500の位置を調節することにより、冷蔵庫10とキャビネット20の側壁及び後壁との間の隙間の大きさを調節することができ、冷蔵庫10とキャビネット20とが揃うように保持でき、ビルトイン冷蔵庫10とキャビネット20の全体性が高まる。
【0046】
スペーサー530は、レール部品510と位置決め部520との間に位置しており、冷蔵庫10が取り付け位置に移動したときに、冷蔵庫10の後部底部車輪(つまり、後輪700)を持ち上げて、冷蔵庫10が少々前方へ傾斜状となるよう配置される。つまり、冷蔵庫10が取り付け位置に移動したときに、スペーサー530により、冷蔵庫10の後部の高さが前部の高さよりも高くなる。このように設置すると、冷蔵庫10の前部の高さだけを調節することで、冷蔵庫10の高さを調整することができる。この実施例では、スペーサー530は複数あり、その数は冷蔵庫10の後輪700の数に合わせて設置されてもよい。例えば、本実施例に係る冷蔵庫10は、二つあり、後輪700は四つあり、スペーサー530は四つあり、それらは、上記の地面の後部に予め組み付けられ、二つの冷蔵庫10の四つの後輪700を持ち上げるものである。各スペーサー530は、後方に延出する方向に沿って高さが次第に高まる坂、及び、坂の頂部から水平方向に沿って後方に延出する平台を有し、平台が冷蔵庫10の後輪700を持ち上げるためのものである。スロープの傾斜の度合いと長さは、スペーサー530が冷蔵庫10の後輪700を持ち上げる高さを決めるものである。冷蔵庫10が移動している場合、後輪700が坂に沿って平台まで移動することから、冷蔵庫10の後輪700を持ち上げる困難さが軽減する。
【0047】
図8は、本発明の一実施例に係るビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100の位置決め組み立て体200とレール部品510とを組み立てた模式図であり、位置決め組み立て体200は、固定フレーム240、ガイドブロック及び滑車部品220の総称であり、
図9は、
図8に示すビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100の位置決め組み立て体200の分解図である。
【0048】
ビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100は、冷蔵庫10をキャビネット20の取り付け空間内に取り付けるためのものである。取り付け装置100は、一般的に、固定フレーム240と少なくとも一つのガイドブロックを含み、さらに、複数の滑車部品220と複数の高さ調整底脚300を含む。冷蔵庫10が独立式の冷蔵庫10として用いられる場合、底部車輪により自在に移動可能である。固定フレーム240、少なくとも一つのガイドブロック、複数の滑車部品220は、組み付けられて一体化されて位置決め組み立て体200を形成し、位置決め組み立て体200が形成されると、固定フレーム240、ガイドブロック及び複数の滑車部品220を一度で冷蔵庫10の底部に取り付けることが可能であり、冷蔵庫10を組み立てる効率が高まる。
【0049】
この実施例では、ビルトイン冷蔵庫10は、二つあり、位置決め組み立て体200は、二つあり、一つの位置決め組み立て体200が一つの冷蔵庫10に設置される。高さ調整底脚300は、四つあり、それぞれ二つの冷蔵庫10の前輪600の前方側に設置される。
【0050】
固定フレーム240は、冷蔵庫10の前後延出方向に沿って冷蔵庫10の底板に設置される。固定フレーム240は、冷蔵庫10の底板の横方向の周辺に隣接してもよい。固定フレーム240は、冷蔵庫10の底部と固定して接続するための第一接続板、及び、第一接続板の横方向の両端からそれぞれ下へ延出して形成される第二接続板を有し、固定フレーム240の横方向断面は逆U形状であり、固定フレーム240の内部に囲い空間が形成される。囲い空間は、以下に言及するガイドブロックと複数の滑車部品220を収容するためのものである。第二接続板は、二つあり、冷蔵庫10の底板と近い横方向の周辺に位置する1つの第二接続板と冷蔵庫10の側板が揃うように配置され、つまり、1つの第二接続板は冷蔵庫10の側板と同一の平面に位置する。固定フレーム240、前輪600及び後輪700は、それぞれ、冷蔵庫10の底板に設置される。前輪600が固定フレーム240の前方側に、後輪700が固定フレーム240の内側に、それぞれ位置する。内側とは、固定フレーム240に対して冷蔵庫10の底板における横方向の周辺から離れた位置を意味する。
【0051】
冷蔵庫10が移動する過程では、上記の位置制限部513が固定フレーム240の冷蔵庫10の底板における横方向の周辺側の第二接続板、及び、冷蔵庫10の一方の側板と当接してもよいし、位置決め片522が冷蔵庫10の他方の側板と当接してもよい。そして、冷蔵庫10が移動している場合、又は、冷蔵庫10が所定の取り付け位置に到達した場合に、冷蔵庫10の側板が常に、キャビネット20の側壁と平行するように保持する。位置制限部513、位置決め片522及び固定フレーム240は、冷蔵庫10が移動している過程で、直線運動を行うために構成の基礎を与えるものである。
【0052】
図10は、
図8に示すビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100の位置決め組み立て体200の他の模式図である。
【0053】
少なくとも一つのガイドブロックは、固定フレーム240に設置される。ガイドブロックは、冷蔵庫10の前後延出方向と平行する溝212が底部に設けられ、取り付け空間が所在する地面に予め組み付けられたガイドレール部512と組み合わせ、冷蔵庫10が前後方向に沿って移動するように規定するように配置される。ガイドブロックは、複数あり、固定フレーム240に沿って間隔を置いて設置されると共に、複数のガイドブロックの溝212が冷蔵庫10の前後延出方向と平行する同一直線上に位置する。
【0054】
ガイドレール部512は、その外形が溝212の外形に合わせて形成されており、冷蔵庫10が移動する場合、ガイドレール部512が溝212の内部に位置し、ガイドブロックがガイドレール部512を移動することにより、冷蔵庫10が直線状に後方に移動することを促進することができる。
【0055】
本実施例に係るビルトイン冷蔵庫10は、上記の取り付け装置100と補助取り付け部品500とを用いて冷蔵庫10が所定の経路に沿って直線状に後方に移動して取り付け位置に到達することができる。そして、操作が簡便であり、時間と労力が節約でき、冷蔵庫10が移動している過程で不均一な力により冷蔵庫本体が斜めになり、湾曲して前進して取り付け空間を出入りすることが難しいという問題を回避することができ、ビルトイン冷蔵庫10を取り付ける困難さが軽減する。
【0056】
取り付け装置100と補助取り付け部品500を用いることにより、ビルトイン冷蔵庫10が所定の経路に沿って取り付け位置に移動でき、さらに、冷蔵庫10の移動を一つのステップで完了することができる。そして、取り付けを行う過程で冷蔵庫10の位置を繰り返して調節する必要が回避され、ビルトイン冷蔵庫10を取り付ける効率が高まり、ビルトイン冷蔵庫10を迅速に取り付けることが実現される。
【0057】
図11は、
図10に示すビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100の位置決め組み立て体200の第一ガイドブロック210の模式図である。
【0058】
複数のガイドブロックは、固定フレーム240の後端に位置する第一ガイドブロック210を含む。第一ガイドブロック210は、溝212における横方向の側壁が後方に向かって広がるよう形成されたらっぱ口211を後部に含む。第一ガイドブロック210は、冷蔵庫10を取り付け空間の外部から一方側に向かって組み付ける際に、冷蔵庫10をガイドレール部512にガイドするように配置される。つまり、らっぱ口211は、溝212の横方向の両端に位置する二つの側壁の間隔が徐々に後方に向かって拡大することにより形成され、らっぱ状の接続口であり、らっぱ口211により、冷蔵庫10をガイドレール部512にガイドするためのものである。ここで、「徐々に拡大」は「徐々に収縮」の対義語である。らっぱ口211は溝212の横方向の側壁が後方に広がることにより形成されることは、らっぱ口211における横方向断面の開口の大きさが溝212の横方向断面の開口の大きさよりも大きいということを意味する。
【0059】
冷蔵庫10を取り付け空間の前方側に移動すると、ガイドブロックがガイドレール部512の前方側に位置する。らっぱ口211は、その開口が比較的大きいことから、ガイドレール部512がらっぱ口211に位置するように確保できれば、後方に冷蔵庫10を継続的に押すことで、ガイドレール部512が溝212に入り、視線を集中しなくても迅速にガイドブロックをガイドレール部512に押すことができる。
【0060】
ガイドレール部512は、その高さと外形を溝212の深さと外径に合わせることにより、ガイドブロックを溝212を用いてガイドレール部512に適合させることができ、そして、冷蔵庫10が移動する場合、ガイドブロックが常にガイドレール部512に位置することにより、冷蔵庫10が移動している過程で所定のレールから外れることを防ぎ、冷蔵庫10が所定の取り付け位置に到達すると位置を再度調整する必要性が無くなる。
【0061】
図12は、
図10に示すビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100の位置決め組み立て体200の滑車部品220の模式図であり、
図13は、
図12に示すビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100の位置決め組み立て体200の滑車部品220の分解図である。
【0062】
複数の滑車部品220は、複数のガイドブロック間の間隔に設置され、ガイドレール部512の表面に沿って摺動することにより、冷蔵庫10が移動するときに摩擦抵抗力を低減するように配置される。各滑車部品220は、複数の回転滑車221、接続手段222、固定軸223及びハウジング224を含む。
【0063】
複数の回転滑車221は、溝212の形成方向に沿って順に配列して設置される。回転滑車221は、ガイドレール部512の表面と適合する形状が外周に形成されている。回転滑車221は、その数は実際のニーズに合わせて設置されてもよく、例えば、二つ、三つ、四つ又は五つであってもよく、一つであってもよいが、二つが好ましい。この実施例では、ガイドレール部512の表面は、外側に突き出た(ガイドレール部512自体に対し)円弧状の曲面であり、回転滑車221の外周には、内側に凹状である(回転滑車221自体に対し)円弧状の曲面が形成されている。
【0064】
この実施例では、ガイドブロックは、三つあり、第一ガイドブロック210と第二ガイドブロック230を含み、そのうち、第二ガイドブロック230は、二つあり、それぞれ、固定フレーム240の中央部と前端に位置する。つまり、冷蔵庫10の前後延出方向に沿って、前方から後方に、固定フレーム240に対して、第二ガイドブロック230、滑車部品220、第二ガイドブロック230、滑車部品220、及び第一ガイドブロック210が順に設置される。
【0065】
回転滑車221は、中心回転軸を有し、回転滑車221は、中心回転軸を中心にして周方向に回転する。回転滑車221は、中心回転軸が貫通された二つの輪体部及び二つの輪体部間に位置する接続部をさらに含む。接続部は、外周が、二つの輪体部の縁部から対向方向に沿って内部側に向かって徐々に凹んで形成される。ガイドレール部512の上端の外形は、接続部の外形に合わせることにより、冷蔵庫10が移動している過程で、回転滑車221の接続部がガイドレール部512に位置するようにする。回転滑車221は、その輪体部が宙に浮くように設置されてもよいし、上記の底板部511に位置してもよい。
【0066】
冷蔵庫10は、推力により前方から後方に移動すると、回転滑車221が中心回転軸を中心に回転することになり、複数の回転滑車221が回転することにより、冷蔵庫10が移動する過程で摩擦抵抗力を小さくすることができる。
【0067】
接続手段222は、各回転滑車221の中心回転軸の両端に接続する軸穴を有し、複数の回転滑車221の中心回転軸が回転可能に接続手段222に接続されるようにする。この実施例では、接続手段222は、二つあり、それぞれ薄いシート状であり、間隔を置いて平行に設置され、それぞれ、複数の回転滑車221の横方向の両側に位置する。なお、一つの接続手段222は、複数の回転滑車221の同一の側に位置する中心回転軸の端部と接続されるものであり、各接続手段222の軸穴の数は、回転滑車221の数に対応して設置され、軸穴の位置は、複数の回転滑車221を配置する位置に合わせられる。軸穴の径は、中心回転軸の外径よりも少々大きい。この場合、回転滑車221は、中心回転軸が軸穴に詰まる現象により回転できないという問題を防ぐことができる。
【0068】
固定軸223は、二つの接続手段222間を貫通して設置される。つまり、固定軸223は、中心回転軸と平行に設置される。この実施例では、回転滑車221は、二つあり、固定軸223は、二つの回転滑車221間に位置して、接続手段222及びハウジング224(以下に詳しく説明)を固定して接続し、滑車部品220を形成し、ひいては、滑車部品220を固定フレーム240に固定して接続し、位置決め組み立て体200を組み立てる。接続手段222には、固定軸223と接続するための固定穴がさらに設置されてもよい。固定軸223は、回転不能であり、接続手段222に固定して接続される。
【0069】
ハウジング224は、固定軸223の両端が固定されて接続され、回転滑車221をハウジング224内に配置すると共に、ハウジング224の底部に開口が設けられ、回転滑車221がガイドレール部512の表面と接触することを可能にする。ハウジング224は、回転滑車221、接続手段222及び固定軸223をカバーし、滑車部品220を形成する。ハウジング224には、固定軸223と固定して接続されるための固定穴が設けられる。このため、接続手段222により、複数の回転滑車221を一体化して組み合わせ、固定軸223により、一体化して組み合わせられた接続手段222、複数の回転滑車221及びハウジング224を、さらに一体化して組み合わせられることから、複数の回転滑車221を組み立てるステップを単純化することができる。
【0070】
固定フレーム240は、第一ガイドブロック210、複数の滑車部品220及び第二ガイドブロック230の上部と側部をカバーするように配置されると共に、冷蔵庫10の底壁と接続され、位置決め組み立て体200を冷蔵庫10に固定するように配置される。第一接続板は、螺合接続の方式により冷蔵庫10の底部に固定される。ガイドブロックの側壁には、複数の係合爪が設置されており、第二接続板には、複数の係合溝が対応して設置され、係合爪と係合溝とを係合することにより、ガイドブロックと固定フレーム240を一体化して組み合わせる。ハウジング224には、ネジ穴が設置され、第一接続板には、ネジ穴が対応して設置され、螺合接続の方式により滑車部品220を固定フレーム240に固定して位置決め組み立て体200を形成する。好ましい幾つかの実施例では、滑車部品220は、リベット留めにより固定フレーム240に固定して接続されてもよい。
【0071】
複数の高さ調整底脚300は、冷蔵庫10の底部に設置され、冷蔵庫10の前方側底部車輪の前方側に設置される。高さ調整底脚300は、高さを調節することにより、冷蔵庫10の高さを調節するように配置される。この実施例では、各冷蔵庫10には、それぞれ、二つの高さ調整底脚300が配置されており、高さ調整底脚300は、取付工具によって高さを調整することにより異なる高さに設定でき、冷蔵庫10の前部が高くなり又は低くなるようにできる。つまり、冷蔵庫10の前部の高さを調節することにより、冷蔵庫10の前後が揃うように保持することができる。この実施例では、水準器により冷蔵庫10が所在する位置について面一の度合いを検測してもよい。
【0072】
この実施例では、先に、スペーサー530を用いて冷蔵庫10の後部を持ち上げ、次に、高さ調整底脚300を用いて冷蔵庫10の前部の高さを調節することから、操作が簡便であり、効率が高く、冷蔵庫10が取り付け位置に到達すると、冷蔵庫10の先端部と底部を同一の水平面に迅速に調節することができ、ビルトイン冷蔵庫10の美感性を高めることができる。
【0073】
図14は、本発明の一実施例によるビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100の嵌入条400と接続部品800の模式図であり、
図15は、
図14に示すビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100の嵌入条400と接続部品800の他の模式図であり、
図16は、
図15におけるB箇所の部分拡大図である。
【0074】
好ましい幾つかの実施例では、取り付け装置100は、二つの冷蔵庫10間に接続される嵌入条400、及び、各冷蔵庫10と嵌入条400を固定して接続するための接続部品800をさらに含む。
【0075】
取り付け空間に二つのビルトイン冷蔵庫10を取り付ける必要がある場合、嵌入条400により、二つの冷蔵庫10間の空隙を塞いで、美感性を高めることができる。接続シ部品800は、二つの冷蔵庫10が使用中の相対的な変位を防ぎ、取り付けの安定性を高めることができる。
【0076】
嵌入条400は、冷蔵庫10の前板と面一するように保持されると共に冷蔵庫10の前板と高さが同じである嵌合面410、及び、嵌合面410より嵌合面410と垂直である方向に沿って後方に延出する嵌合壁420を有する。嵌合面410は、二つの冷蔵庫10間の隙間を遮ることから、組み立て式冷蔵庫10に美感を保持させることができる。嵌合壁420は、二つあり、間隔を置いて平行に設置され、各嵌合壁420がそれぞれ冷蔵庫10の側板に近接して設置される。好ましい幾つかの実施例では、取り付け装置100は、少なくとも一つのマグネットをさらに含んでもよい。当該マグネットは、嵌合壁420と冷蔵庫10の側板とに位置し、冷蔵庫10の側板と嵌合壁420との接着力を高め、ひいては、組み立て式冷蔵庫10が使用される過程で位置の安定性を高め、冷蔵庫10が使用中の絶対的な変位又は相対的な変位を削減し又は回避することができる。
【0077】
好ましい幾つかの実施例では、上記の取り付け装置100と補助取り付け部品500を用いて、一つの冷蔵庫10又は複数の組み立て式冷蔵庫10を迅速に取り付けることも可能である。
【0078】
本実施例に係るビルトイン冷蔵庫10及びその取り付け装置100並びに補助取り付け部品500は、ビルトイン冷蔵庫10の取り付け装置100がガイドブロックを含み、ガイドブロックは、冷蔵庫10の前後延出方向と平行する溝212が底部に設けられ、当該溝212は、取り付け空間が所在する地面に予め組み付けられたガイドレール部512と組み合わせ、冷蔵庫10が前後方向に沿って移動するように規定するように配置される。そして、冷蔵庫10は、所定の経路に沿って後方に移動して取り付け位置に到達可能である。操作が簡便であり、時間と労力が節約でき、冷蔵庫10が移動する際に不均一な力により冷蔵庫本体が斜めになり、湾曲して前進し、取り付け空間を出入りすることが難しいという問題を回避し、ビルトイン冷蔵庫10を取り付ける困難さを軽減することができる。
【0079】
以上、本明細書において本発明の複数の例示的な実施例を詳しく挙げて説明したが、本発明に係る趣旨や範囲を逸脱しない限り、依然として本発明に開示されている内容に基づいて本発明の原理に合致する数多くの他の変形や補正を直接特定し又は導出することができることを当業者は理解するべきである。したがって、本発明の範囲は、これらの他の全ての変形や補正を含むと理解され、見なされるべきである。
【国際調査報告】