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  • 特表-Q203の薬学的経口投与形態 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】Q203の薬学的経口投与形態
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/437 20060101AFI20230215BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230215BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230215BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20230215BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230215BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230215BHJP
   A61P 31/06 20060101ALI20230215BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
A61K31/437
A61K9/14
A61K47/36
A61K47/42
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/22
A61K47/18
A61K47/20
A61K47/34
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/02
A61P31/06
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537481
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2020086772
(87)【国際公開番号】W WO2021122996
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/951,393
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516031255
【氏名又は名称】キュリエント カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100118371
【弁理士】
【氏名又は名称】▲駒▼谷 剛志
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ナム, キヤン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジェスン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン, チュンウォン
(72)【発明者】
【氏名】リ, セヨン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076BB01
4C076CC31
4C076DD27
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD49
4C076DD51
4C076DD55
4C076DD59
4C076EE16
4C076EE30
4C076EE36
4C076EE38
4C076EE45
4C076FF04
4C076FF05
4C076GG12
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA41
4C086MA52
4C086NA03
4C086NA12
4C086ZB35
(57)【要約】
本発明は、6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド、特に、そのジトシレート形態の新たな薬学的投与形態に関する。さらに別の局面において、本発明は、細菌感染症、好ましくは結核またはブルーリ潰瘍の処置における使用のための本発明に従う薬学的経口投与形態に関する。なおさらなる局面において、本発明はまた、細菌感染症、好ましくは結核またはブルーリ潰瘍の処置方法であって、ここで上記薬学的投与形態は、それを必要とする患者に投与される方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレートの薬学的経口投与形態であって、前記投与形態は、
a)6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、少なくとも1種の薬学的に受容可能な顆粒内賦形剤、および可溶化剤を含む顆粒;
b)前記顆粒を取り囲みかつ少なくとも1種の結合剤、少なくとも1種の滑沢剤および少なくとも1種の崩壊剤、ならびに必要に応じて充填剤を含むブレンド、
の混合物を含む、薬学的経口投与形態
【請求項2】
前記少なくとも1種の薬学的に受容可能な顆粒内賦形剤は、結合剤、充填剤および前記2つの組み合わせから選択される、請求項1に記載の薬学的経口投与形態。
【請求項3】
前記顆粒a)は、6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、結合剤、充填剤、および可溶化剤からなる、請求項1および2のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項4】
前記顆粒a)は、滑沢剤を含まず、かつ崩壊剤も超崩壊剤も含まない、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項5】
前記顆粒a)中の前記結合剤は、架橋デンプンでも、微結晶性セルロースでも、架橋セルロースでも、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)でも、架橋アルギン酸でも、ダイズポリサッカリドでもケイ酸カルシウムでもない、請求項2~4のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項6】
前記顆粒a)中の前記結合剤は、アカシアガム、トラガカントガム、ゼラチン、スクロース、デンプン、および非架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、好ましくは非架橋ポリビニルピロリドン(PVP)から選択される、請求項2~5のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項7】
前記顆粒a)中の前記結合剤は、約0.1重量%~5重量%、好ましくは約0.2重量%~3.5重量%、より好ましくは約0.3重量%~3重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在する、請求項6に記載の薬学的経口投与形態。
【請求項8】
前記顆粒a)中の前記充填剤は、マンニトール、デキストロース、デキストリン、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトールから選択され、好ましくはマンニトールである、請求項2~7のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項9】
前記顆粒a)中の前記充填剤は、約1.5重量%~25重量%、好ましくは約1.75重量%~22.5重量%、より好ましくは約1.9重量%~20重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在する、請求項8に記載の薬学的経口投与形態。
【請求項10】
前記顆粒a)中の前記可溶化剤は、D-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標))、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、グリシンなどのアミノ酸、ポリエチレングリコールから選択され、好ましくは D-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)である、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項11】
前記顆粒a)中の前記可溶化剤は、約0.5重量%~8重量%、好ましくは約0.6重量%~7.5重量%、より好ましくは約0.68重量%~6.8重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在する、請求項10に記載の薬学的経口投与形態。
【請求項12】
前記顆粒は、6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、非架橋ポリビニルピロリドン(PVP)である結合剤、マンニトールである充填剤、およびD-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)である可溶化剤を含む、好ましくはそれらからなる、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項13】
前記顆粒を取り囲む前記ブレンド(b)中の前記少なくとも1種の結合剤は、デンプン、微結晶性セルロース、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびこれらの組み合わせから選択され、好ましくは崩壊剤品質をも有する結合剤であり、およびより好ましくは微結晶性セルロースである、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項14】
前記顆粒を取り囲む前記ブレンド(b)中の前記少なくとも1種の結合剤は、約25重量%~50重量%、好ましくは約28重量%~45重量%、より好ましくは約30重量%~43重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在する、請求項13に記載の薬学的経口投与形態。
【請求項15】
前記顆粒を取り囲む前記ブレンド(b)中の前記少なくとも1種の滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、PEG6000、ステアリルステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素およびこれらの組み合わせから選択され、好ましくは前記顆粒を取り囲む前記ブレンド(b)中の前記少なくとも1種の滑沢剤は、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムの組み合わせである、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項16】
前記顆粒を取り囲む前記ブレンド(b)中の前記少なくとも1種の滑沢剤は、約1重量%~5重量%、好ましくは約0.5重量%~4重量%、より好ましくは約0.75重量%~3.5重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在し、ここで前記顆粒を取り囲む前記ブレンド(b)中の前記少なくとも1種の滑沢剤が、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムの組み合わせである場合、前記コロイド状二酸化ケイ素は、約0.5重量%~3.5重量%、好ましくは約1重量%~2.5重量%、より好ましくは約2重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在し、ここでこのような組み合わせにおいて、前記ステアリン酸マグネシウムは、約0.1重量%~2重量%、好ましくは約0.5重量%~1.5重量%、より好ましくは約0.8重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在する、請求項15に記載の薬学的経口投与形態。
【請求項17】
前記顆粒を取り囲む前記ブレンド(b)中の前記少なくとも1種の崩壊剤は、架橋デンプン、グリコール酸デンプン、例えば、グリコール酸デンプンナトリウム、微結晶性セルロース、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、架橋アルギン酸、クロスカルメロース、例えば、クロスカルメロースナトリウムまたはクロスカルメロースカルシウム、ダイズポリサッカリド、およびケイ酸カルシウムから選択される、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項18】
前記顆粒を取り囲む前記ブレンド(b)中の前記少なくとも1種の崩壊剤は、約5重量%~12重量%、好ましくは約7.5重量%~10重量%、より好ましくは約8重量%~8.5重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在する、請求項17に記載の薬学的経口投与形態。
【請求項19】
前記顆粒を取り囲む前記ブレンドは、充填剤を含み、前記充填剤は、好ましくは、前記顆粒中に含まれる充填剤と同じ充填剤である、請求項2~18のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項20】
前記顆粒を取り囲む前記ブレンド中の前記充填剤は、約25重量%~50重量%、好ましくは約27.5重量%~45重量%、より好ましくは約31重量%~43重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在する、請求項19に記載の薬学的経口投与形態。
【請求項21】
前記6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレートは、約1重量%~35重量%、好ましくは約2重量%~30重量%、より好ましくは約2.7重量%~27.5重量%の量で前記薬学的投与形態中に存在する、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項22】
a)前記投与形態の約23~30重量%の量の6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、前記投与形態の約15~25重量%の量のマンニトール、前記投与形態の約1~5重量%の量のポリビニルピロリドン、前記投与形態の約5~8重量%の量のD-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)を含む顆粒;ならびに
b)前記顆粒を取り囲みかつ前記投与形態の約30~34重量%の量の微結晶性セルロース、前記投与形態の約1~3重量%の量のコロイド状二酸化ケイ素、前記投与形態の約0.5~1.5重量%の量のステアリン酸マグネシウム、および前記投与形態の約7~10重量%の量のクロスカルメロースナトリウムを含む、ブレンド;または
c)前記投与形態の約12~15重量%の量の6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、前記投与形態の約8~12重量%の量のマンニトール、前記投与形態の1~2重量%の量のポリビニルピロリドン、前記投与形態の約2~5重量%の量のD-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート (ビタミンE-TPGS)を含む顆粒;ならびに
d)前記顆粒を取り囲みかつ前記投与形態の約30~33重量%の量の微結晶性セルロース、前記投与形態の約30~33重量%の量のマンニトール、前記投与形態の約0.5~1.5重量%の量のステアリン酸マグネシウム、および前記投与形態の約7~10重量%の量のクロスカルメロースナトリウムを含む、ブレンド;または
e)前記投与形態の約1~5重量%の量の6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、前記投与形態の約1~3重量%の量のマンニトール、前記投与形態の約0.1~0.5重量%の量のポリビニルピロリドン、前記投与形態の約0.5~0.8重量%の量のD-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)を含む顆粒;ならびに
f)前記顆粒を取り囲みかつ前記投与形態の約40~45重量%の量の微結晶性セルロース、前記投与形態の約40~45重量%の量のマンニトール、前記投与形態の約0.5~1.5重量%の量のステアリン酸マグネシウム、および前記投与形態の約7~10重量%の量のクロスカルメロースナトリウムを含む、ブレンド、
の混合物を含む、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【請求項23】
請求項1~22のいずれかに記載の薬学的経口投与形態を調製するための方法であって、ここで前記方法は、
i)6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレートおよび請求項1~22のいずれかに記載されるとおりの顆粒a)の構成要素を、適切な造粒プロセスによって造粒する工程であって;
前記適切な造粒プロセスは、好ましくは、流動層造粒、高剪断造粒、流動層乾燥、流動化噴霧乾燥、シングルポット造粒、水蒸気造粒、熱接着式造粒、空気圧乾式造粒、水分活性化乾式造粒、溶融造粒、凍結造粒、および発泡造粒から選択される、工程;
ii)前記工程iにおいて得られた顆粒と、請求項1~22のいずれかに規定されるとおりのブレンドの構成要素とをブレンドする工程;
iii)前記工程ii)において得られた混合物を、薬学的投与形態、好ましくは錠剤へと圧縮する工程;ならびに必要に応じて
iv)前記工程iii)において得られた投与形態をコーティングする工程、
を包含する、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法によって得られ得る薬学的経口投与形態。
【請求項25】
細菌感染症、好ましくは結核またはブルーリ潰瘍の処置における使用のための、請求項1~22または24のいずれかに記載の薬学的経口投与形態。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドの、特に、そのジトシレート形態の新たな薬学的投与形態に関する。
【背景技術】
【0002】
疾患としての結核は、毎年数百万人もの死亡を生じ続けている。化学療法の不適切な使用によって、増大しつつある薬物耐性症例数がもたらされてきた。この状況は、全ての現在公知の薬物に対する極めて抵抗性の株の出現に伴って悪化しているようである。現在の化学療法は、一般的な情報経路および重要なプロセス(例えばRNA重合およびタンパク質合成阻害)を中和するか、またはマイコバクテリア特異的細胞エンベロープ(cell envelop)合成に干渉するかのいずれかによって、Mycobacterium tuberculosisを直接標的化する化合物からなる。最も広く使用される専用の抗結核薬であるイソニアジド、エチオナミド、およびピリアジンアミド(pyriazin amide)は、先ず活性化を要求するプロドラッグである。それらは、数ヶ月のクールで患者に投与される。M.tuberculosisの多剤耐性株に感染した患者は、長期間にわたって併用療法を受けねばならないこともある。
WO 2011/113606は、化学的には6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドである化合物「Q203」を含め、種々の抗結核化合物および細菌感染症の処置におけるそれらの使用を記載する。Petheらによる刊行物(Nature Medicine, 19, 1157-1160 (2013)では、この化合物は、細菌のエネルギー代謝に干渉する(ATPの合成に必要とされる電子伝達系の必須構成要素であるシトクロムbc1活性を阻害する)ことによって、結核に対して活性であると報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2011/113606号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Petheら、Nature Medicine(2013)19、1157~1160
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記化合物は、結核および関連感染症の将来的な治療に対する有望性を示すが、その投与は、水性溶液中でのそのむしろ低い溶解度によって妨げられている。このことは、この化合物の適切な薬学的投与形態の製造を困難にもしている。これを適切な経口投与形態へと製剤化しようとする種々の試みは、成功してこなかった。
よって、経口消費に適切でありかつ上記薬物が摂取によって投与されることを可能にする薬学的投与形態を考案しかつ提供することは、当該分野で必要である。
【0006】
本発明は、これらおよび関連するニーズに対処する。
【0007】
第1の局面において、本発明は、6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレートの薬学的経口投与形態に関し、上記投与形態は、
a)6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、少なくとも1種の薬学的に受容可能な顆粒内賦形剤、および可溶化剤を含む顆粒;
b)上記顆粒を取り囲みかつ少なくとも1種の結合剤、少なくとも1種の滑沢剤および少なくとも1種の崩壊剤、および必要に応じて充填剤を含むブレンド、
の混合物を含む。
1つの実施形態において、上記少なくとも1種の薬学的に受容可能な顆粒内賦形剤は、結合剤、充填剤および上記2つの組み合わせから選択される。
【0008】
1つの実施形態において、上記顆粒(a)は、6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、結合剤、充填剤、および可溶化剤からなる。
【0009】
1つの実施形態において、上記顆粒a)は、滑沢剤を含まず、かつ崩壊剤も超崩壊剤(superdisintegrant)も含まない。
【0010】
1つの実施形態において、上記顆粒a)中の上記結合剤は、架橋デンプンでも、微結晶性セルロースでも、架橋セルロースでも、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)でも、架橋アルギン酸でも、ダイズポリサッカリドでもケイ酸カルシウムでもない。
【0011】
1つの実施形態において、上記顆粒a)中の上記結合剤は、アカシアガム、トラガカントガム、ゼラチン、スクロース、デンプン、および非架橋ポリビニルピロリドン(PVP)から選択され、好ましくは非架橋ポリビニルピロリドン(PVP)から選択される。
【0012】
1つの実施形態において、上記顆粒a)中の上記結合剤は、約0.1重量%~5重量%、好ましくは約0.2重量%~3.5重量%、より好ましくは約0.3重量%~3重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在する。1つの実施形態において、上記顆粒a)中の上記充填剤は、マンニトール、デキストロース、デキストリン、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトールから選択され、好ましくはマンニトールである。
【0013】
1つの実施形態において、上記顆粒a)中の上記充填剤は、約1.5重量%~25重量%、好ましくは約1.75重量%~22.5重量%、より好ましくは約1.9重量%~20重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在する。
【0014】
1つの実施形態において、上記顆粒a)中の上記可溶化剤は、D-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標))、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(cetyl triamethyl ammonium bromide)(CTAB)、アミノ酸(例えば、グリシン)、ポリエチレングリコールから選択され、好ましくは D-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)である。
【0015】
1つの実施形態において、上記顆粒a)中の上記可溶化剤は、約0.5重量%~8重量%、好ましくは約0.6重量%~7.5重量%、より好ましくは約0.68重量%~6.8重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在する。
【0016】
上記顆粒は、6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、非架橋ポリビニルピロリドン(PVP)である結合剤、マンニトールである充填剤、およびD-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)である可溶化剤を含むか、好ましくはそれらからなる前述の請求項のうちのいずれかに従う薬学的経口投与形態。
【0017】
1つの実施形態において、上記顆粒を取り囲む上記ブレンド(b)中の上記少なくとも1種の結合剤は、デンプン、微結晶性セルロース、ポビドン、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースおよびこれらの組み合わせから選択され、好ましくは崩壊剤品質をも有する結合剤であり、より好ましくは、微結晶性セルロースである。
【0018】
1つの実施形態において、上記顆粒を取り囲む上記ブレンド(b)中の上記少なくとも1種の結合剤は、約25重量%~50重量%、好ましくは約28重量%~45重量%、より好ましくは約30重量%~43重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在する。
【0019】
1つの実施形態において、上記顆粒を取り囲む上記ブレンド(b)中の上記少なくとも1種の滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、PEG6000、ステアリルステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素およびこれらの組み合わせから選択され、ここで好ましくは、上記顆粒を取り囲む上記ブレンド(b)中の上記少なくとも1種の滑沢剤は、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムの組み合わせである。
【0020】
1つの実施形態において、上記顆粒を取り囲む上記ブレンド(b)中の上記少なくとも1種の滑沢剤は、約1重量%~5重量%、好ましくは約0.5重量%~4重量%、より好ましくは約0.75重量%~3.5重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在し、ここで上記顆粒を取り囲む上記ブレンド(b)中の上記少なくとも1種の滑沢剤が、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムの組み合わせである場合、上記コロイド状二酸化ケイ素は、約0.5重量%~3.5重量%、好ましくは約1重量%~2.5重量%、より好ましくは約2重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在し、そしてこのような組み合わせにおいて、上記ステアリン酸マグネシウムは、約0.1重量%~2重量%、好ましくは約0.5重量%~1.5重量%、より好ましくは約0.8重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在する。
【0021】
1つの実施形態において、上記顆粒を取り囲む上記ブレンド(b)中の上記少なくとも1種の崩壊剤は、架橋デンプン、グリコール酸デンプン(例えば、グリコール酸デンプンナトリウム)、微結晶性セルロース、架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、架橋アルギン酸、クロスカルメロース(例えば、クロスカルメロースナトリウムまたはクロスカルメロースカルシウム)、ダイズポリサッカリド、およびケイ酸カルシウムから選択される。
【0022】
1つの実施形態において、上記顆粒を取り囲む上記ブレンド(b)中の上記少なくとも1種の崩壊剤は、約5重量%~12重量%、好ましくは約7.5重量%~10重量%、より好ましくは約8重量%~8.5重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在する。
【0023】
1つの実施形態において、上記顆粒を取り囲む上記ブレンドは、好ましくは、上記顆粒中に含まれる充填剤と同じ充填剤である充填剤を含む。
【0024】
1つの実施形態において、上記顆粒を取り囲む上記ブレンド中の上記充填剤は、約25重量%~50重量%、好ましくは約27.5重量%~45重量%、より好ましくは約31重量%~43重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在する。
【0025】
1つの実施形態において、上記6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレートは、約1重量%~35重量%、好ましくは約2重量%~30重量%、より好ましくは約2.7重量%~27.5重量%の量で上記薬学的投与形態中に存在する。
【0026】
1つの実施形態において、上記薬学的経口投与形態は、
a)上記投与形態の約23~30重量%の量の6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、上記投与形態の約15~25重量%の量のマンニトール、上記投与形態の約1~5重量%の量のポリビニルピロリドン、上記投与形態の約5~8重量%の量のD-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)を含む顆粒;ならびに
b)上記顆粒を取り囲みかつ上記投与形態の約30~34重量%の量の微結晶性セルロース、上記投与形態の約1~3重量%の量のコロイド状二酸化ケイ素、上記投与形態の約0.5~1.5重量%の量のステアリン酸マグネシウム、および上記投与形態の約7~10重量%の量のクロスカルメロースナトリウムを含む、ブレンド;または
c)上記投与形態の約12~15重量%の量の6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、上記投与形態の約8~12重量%の量のマンニトール、上記投与形態の1~2重量%の量のポリビニルピロリドン、上記投与形態の約2~5重量%の量のD-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)を含む顆粒;ならびに
d)上記顆粒を取り囲みかつ上記投与形態の約30~33重量%の量の微結晶性セルロース、上記投与形態の約30~33重量%の量のマンニトール、上記投与形態の約0.5~1.5重量%の量のステアリン酸マグネシウム、および上記投与形態の約7~10重量%の量のクロスカルメロースナトリウムを含む、ブレンド;または
e)上記投与形態の約1~5重量%の量の6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート、上記投与形態の約1~3重量%の量のマンニトール、上記投与形態の約0.1~0.5重量%の量のポリビニルピロリドン、上記投与形態の約0.5~0.8重量%の量のD-α-トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(ビタミンE-TPGS)を含む顆粒;ならびに
f)上記顆粒を取り囲みかつ上記投与形態の約40~45重量%の量の微結晶性セルロース、上記投与形態の約40~45重量%の量のマンニトール、上記投与形態の約0.5~1.5重量%の量のステアリン酸マグネシウム、および上記投与形態の約7~10重量%の量のクロスカルメロースナトリウムを含む、ブレンド、
の混合物を含む。
【0027】
さらなる局面において、本発明は、上記で定義されるとおりの薬学的経口投与形態を調製するための方法であって、ここで上記方法は、
i)6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレートおよび上記顆粒a)の構成要素(上記で定義されるとおり)を、適切な造粒プロセスによって造粒する工程であって;上記適切な造粒プロセスは、好ましくは、流動層造粒、高剪断造粒、流動層乾燥、流動化噴霧乾燥(fluidized spray drying)、シングルポット造粒(single pot granulation)、水蒸気造粒(steam granulation)、熱接着式造粒(thermal adhesion granulation)、空気圧乾式造粒(pneumatic dry granulation)、水分活性化乾式造粒(moisture activated dry granulation)、溶融造粒(melt granulation)、凍結造粒(freeze granulation)、および発泡造粒(foam granulation)から選択される、工程;
ii)工程iにおいて得られた顆粒と、上記ブレンドの構成要素(上記で定義されるとおり)とをブレンドする工程;
iii)工程iiにおいて得られた混合物を、薬学的投与形態、好ましくは錠剤へと圧縮する工程;ならびに必要に応じて
iv)工程iii)において得られた投与形態をコーティングする工程、
を包含する方法に関する。
【0028】
なおさらなる局面において、本発明は、上記で定義されるとおりの方法によって得られ得る薬学的経口投与形態に関する。
【0029】
さらに別の局面において、本発明は、細菌感染症、好ましくは結核またはブルーリ潰瘍の処置における使用のための本発明に従う薬学的経口投与形態に関する。
【0030】
なおさらなる局面において、本発明はまた、細菌感染症、好ましくは結核またはブルーリ潰瘍の処置方法であって、ここで上記薬学的投与形態は、それを必要とする患者に投与される方法に関する。
【0031】
本発明者らは驚くべきことに、6-クロロ-2-エチル-N-(4-(4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-1-イル)ベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドジトシレート(Q203)を薬学的経口投与形態へと製剤化することが可能であるということを見出した。この投与形態は、投与量の高い均質性を提供する堅固な製造プロセスによって生成され得る。さらに、本発明の実施形態に従う薬学的投与形態は、水性溶液中で高度に再現性のある崩壊および/または溶解を達成するように設計され得る。
【0032】
本発明はここで、以下の図面を参照することによってさらに記載される。以下の図面は、図示するために示されるのであって、本発明を限定するために示されるのではない。より具体的には、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、以降で示される種々の錠剤製剤のQ203溶解プロフィールの比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明はここで、以下の実施例を参照することによってさらに記載される。以下の実施例は、例証するために示されるのであって、本発明を限定するために示されるのではない。
【実施例
【0035】
実施例
活性成分としてQ203を含む例示的製剤を、製造した。種々の強度のサンプルの製造可能性を確認するために、低、中、および高濃度のQ203錠剤を生成し、以下の一般的手順のとおりに調製した:造粒、ブレンド、圧縮およびコーティング。
実施例1
製剤の組成
【表1】
【0036】
製剤調製のプロセス
1. Q203、Minntol、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素およびPVP K29/32を篩にかける。
2. #1の粉末を造粒機に添加し、混合する。
3. ビタミンE-TPGSを水の中に添加する。
4. 混合し、乾燥させる。
5. 排出し、顆粒を篩いにかける。
6. ブレンダーに顆粒、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを装填する。
7. 15分間より長くブレンドする。
8. 排出し、錠剤を圧縮する。
実施例2
製剤の組成
【表2】
【0037】
製剤調製のプロセス
1. Q203、Minntol、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素およびPVP K29/32を篩いにかける。
2. #1の粉末を造粒機に添加し、混合する。
3. ビタミンE-TPGSを水の中に添加する。
4. 混合し、乾燥させる。
5. 排出し、顆粒を篩いにかける。
6. ブレンダーに顆粒、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムを装填する。
7. 15分間より長くブレンドする。
8. 排出し、錠剤を圧縮する。
実施例3
製剤の組成
【表3】
【0038】
製剤調製のプロセス
1. Q203、MinntolおよびPVP K29/32を篩いにかける。
2. #1の粉末を造粒機に添加し、混合する。
3. ビタミンE-TPGSを水の中に添加する。
4. 混合し、乾燥させる。
5. 排出し、顆粒を篩いにかける。
6. ブレンダーに顆粒、微結晶性セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを装填する。
7. 15分間より長くブレンドする。
8. 排出し、錠剤を圧縮する。
実施例4
製剤の組成
【表4】
【0039】
製剤調製のプロセス
1. Q203、Minntol、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素およびPVP K29/32を篩いにかける。
2. #1の粉末を造粒機に添加し、混合する。
3. ビタミンE-TPGSを水の中に添加する。
4. 混合し、乾燥させる。
5. 排出し、顆粒を篩いにかける。
6. ブレンダーに顆粒、マンニトール、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを装填する。
7. 15分間より長くブレンドする。
8. 排出し、錠剤を圧縮する。
実施例5
Q203溶解プロフィールの比較
【0040】
75rpmにおいて900mLの0.1N HClでUSP Apparatus 2を利用する薬物放出試験を、37℃±0.5℃でのインビトロ放出を研究するために使用した。即時放出固体経口投与形態の溶解試験についでのガイドラインにおいて、ゆっくりと溶解するかまたは水溶性が乏しい薬物であるBCSクラス2製品に関して、85%溶解を確実にするために、製品の品質を特徴づけることを推奨した。実施例2、3および4に従って製造したQ203錠剤は、迅速に溶解することを示し;15分での完全な溶解(>90%)は、3種すべてのバッチに関して観察される。よってそれら製剤は、適切な製剤であり、高度に再現性のある崩壊および/または溶解を達成する。結果を以下の表および図1に示す(溶解>100%は、このような溶解が溶解試験において使用されるそれぞれのコントロール製剤の溶解より高いことを意味することが注記されるべきである)。
【表5】
図1
【国際調査報告】