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特表2023-507441パルスパージダイヤフラム弁および関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】パルスパージダイヤフラム弁および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 7/14 20060101AFI20230215BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
F16K7/14 B
G01N1/00 101Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537619
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 CA2020051732
(87)【国際公開番号】W WO2021119816
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/949,733
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522241398
【氏名又は名称】メカニック アナリティク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガマシュ、イブ
(72)【発明者】
【氏名】ラモンターニュ、アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】クリシェ、アンドレ
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AD22
2G052AD42
2G052CA35
2G052FC07
2G052FC11
2G052GA27
2G052JA03
(57)【要約】
ガス分析用途用のダイヤフラム弁が提供される。弁は、貫通して延在する複数のプロセス導管を備えた弁キャップと、弁キャップと係合可能であり、凹部を備えた本体インターフェースを有する弁本体と、弁キャップと弁本体との間に配置され、内部で流体を循環させるためのプロセス溝を有するダイヤフラムであって、プロセス溝は凹部と係合する、ダイヤフラムと、弁本体内に設けられたプランジャ・アセンブリであって、プランジャ・アセンブリは、プランジャがダイヤフラムと係合する閉位置と、プランジャがダイヤフラムから離間している開位置との間で移動可能である、複数のプランジャを含む、プランジャ・アセンブリと、作動ガスの注入を可能にするためのガス入口を含む作動アセンブリであって、作動アセンブリは、ダイヤフラムと本体インターフェースとの間に位置する領域をパージするためのパージシステムを含み、それにより作動ガスが領域をパージするために使用される、作動アセンブリとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス分析用途用のダイヤフラム弁であって、
貫通して延在する複数のプロセス導管を備えた弁キャップであって、前記弁キャップは、キャップ・インターフェースを有し、前記プロセス導管の各々は、前記キャップ・インターフェース上に開口するプロセス・ポートを含む、前記弁キャップと、
前記弁キャップと係合可能である弁本体であって、前記キャップ・インターフェースに面するように適合され、凹部を備えた本体インターフェースを有し、前記弁本体は、貫通して延在する複数のプランジャ通路を含み、それにより、前記プランジャ通路は、前記凹部上に開口する、前記弁本体と、
前記弁キャップと前記弁本体との間に配置され、内部で流体を循環させるためのプロセス溝を有するダイヤフラムであって、前記プロセス溝は、前記弁本体の前記凹部と係合するような形状および大きさに作られている、前記ダイヤフラムと、
前記弁本体内に設けられたプランジャ・アセンブリであって、前記プランジャ・アセンブリは、前記プランジャ通路の対応する1つ内に摺動可能に嵌合された複数のプランジャを含み、各々のプランジャは、前記プランジャが前記ダイヤフラムと係合し、2つのプロセス・ポート間の前記プロセス溝に沿った流体循環を遮断する閉位置と、前記プランジャが前記ダイヤフラムから離間しており、これにより、流体が前記プロセス溝に沿って循環できる開位置との間で移動可能である、前記プランジャ・アセンブリと、
前記プランジャを前記開位置と前記閉位置との間で移動させるための作動ガスの注入を可能にするために、前記弁本体を貫通して延在するガス入口を含む作動アセンブリであって、前記作動アセンブリは、前記ダイヤフラムと前記本体インターフェースとの間に位置するパージ領域をパージするためのパージシステムをさらに含み、前記作動ガスが前記パージ領域をパージするために使用される、前記作動アセンブリと
を含む、ダイヤフラム弁。
【請求項2】
前記ダイヤフラム弁は、前記弁本体に接続された、前記弁本体と共に内部チャンバを画定する底部キャップを含み、
前記プランジャ・アセンブリは、第1のプランジャセットに動作可能に係合する上部ピストンと、第2のプランジャセットに係合する下部ピストンとを含み、前記上部ピストンおよび前記下部ピストンは、前記内部チャンバ内に提供され、それにより、前記内部チャンバは、前記プランジャ通路を介して前記パージ領域と流体連通している、請求項1に記載のダイヤフラム弁。
【請求項3】
前記第1のプランジャセットは常時開プランジャであり、前記第2のプランジャセットは常時閉プランジャである、請求項2に記載のダイヤフラム弁。
【請求項4】
前記内部チャンバは、前記上部ピストンと前記複数のプランジャ通路との間に位置する上部領域と、前記下部ピストンと前記底部キャップとの間に位置する下部領域と、前記上部ピストンと前記下部ピストンとの間に位置する中間領域とを含み、
前記ガス入口は、前記上部ピストンと前記下部ピストンのうちの少なくとも一方を作動させるために作動ガスが前記中間領域に注入されることを可能にするように配置されている、請求項2または3に記載のダイヤフラム弁。
【請求項5】
前記パージシステムは、前記中間領域と前記上部領域との間に流体連通を確立するように適合された制御されたフロー・チャネルを含む、請求項4に記載のダイヤフラム弁。
【請求項6】
前記制御されたフロー・チャネルは、前記中間領域内に圧力を構築するために、通過する流体の流れを制限するように構成された第1の流量制限器を含む、請求項5に記載のダイヤフラム弁。
【請求項7】
前記第1の流量制限器は、第1のクラッキング圧力を有し、前記中間領域内の圧力が前記第1のクラッキング圧力を超えるときに流体が通過して流れることを可能にするように構成される、第1の逆止弁である、請求項6に記載のダイヤフラム弁。
【請求項8】
前記制御されたフロー・チャネルは、前記第1の逆止弁の出口と流体連通する通路を有するフロー・リミッタをさらに含み、前記通路は、前記中間領域から前記上部領域への前記作動ガスの流量を制限するような形状および大きさに作られている、請求項7に記載のダイヤフラム弁。
【請求項9】
前記上部ピストンは凹部を含み、前記フロー・リミッタは、前記上部ピストンの前記凹部に係合するように適合された取り外し可能なインサートを含み、前記通路は、前記取り外し可能なインサートを貫通して延在する、請求項8に記載のダイヤフラム弁。
【請求項10】
前記通路は、前記中間領域と前記上部領域との間で約0.5cm/分~2cm/分の間の流量となるような形状および大きさに作られている、請求項8または9に記載のダイヤフラム弁。
【請求項11】
前記作動アセンブリは、前記内部チャンバと前記周囲環境との間の流体連通を確立するように配置されたガス出口をさらに含む、請求項8~10のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
【請求項12】
前記ガス出口は、ガスが前記内部チャンバを出るのを少なくとも部分的に防止するように適合され、それによって前記プランジャ通路を介して前記作動ガスを前記パージ領域に送る、出口流量制限器を含む、請求項11に記載のダイヤフラム弁。
【請求項13】
前記ガス出口は、前記上部領域と連通し、前記出口流量制限器は、出口逆止弁を含み、前記出口逆止弁は、前記上部領域内の圧力が前記出口クラッキング圧力を超えたときに、通過する流体の流れを許容するように構成された出口クラッキング圧力を有する、請求項12に記載のダイヤフラム弁。
【請求項14】
前記出口クラッキング圧力は、前記ダイヤフラム弁の周囲環境の大気圧よりも大きい、請求項13に記載のダイヤフラム弁。
【請求項15】
前記出口逆止弁は、前記出口弁が閉じる閉鎖圧力を有し、前記パージ領域内の圧力は、前記出口クラッキング圧力と前記閉鎖圧力との間で振動する、請求項13または14に記載のダイヤフラム弁。
【請求項16】
前記プランジャは外面を有し、各々のプランジャは、その上端と下端との間のそれぞれの外面に沿って延在する1つまたは複数の溝を含み、前記内部チャンバの前記上部領域と前記パージ領域との間の流体連通を促進する、請求項4~15のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
【請求項17】
前記溝は、らせん状である、および/または鉛直方向に向けられている、請求項16に記載のダイヤフラム弁。
【請求項18】
前記プランジャは、前記ダイヤフラムに係合するように適合されたプランジャ・ヘッドと、前記上部ピストンおよび前記下部ピストンのうちの1つによって係合されるように適合されたプランジャ基体と、前記プランジャ・ヘッドと前記プランジャ基体との間に延在するプランジャ本体とを含み、1つまたは複数のプランジャの前記プランジャ・ヘッド、前記プランジャ基体、および前記プランジャ本体は、互いに独立しており、それぞれのプランジャ通路内に積み重ねられている、請求項2~17のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
【請求項19】
前記プランジャ・ヘッドおよびプランジャ基体は、略高剛性であり、前記プランジャ本体は、圧縮性材料、エラストマー材料、またはそれらの組み合わせで作製される、請求項18に記載のダイヤフラム弁。
【請求項20】
前記プランジャ本体は、前記プランジャ・ヘッドと前記プランジャ基体との間に延在する少なくとも2つの隣接する部分を含み、各々の部分は、異なる圧縮性を有する、請求項18または19に記載のダイヤフラム弁。
【請求項21】
前記プランジャ本体は、前記プランジャの中心長手方向軸線から外れている、請求項18~20のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
【請求項22】
各々のプランジャの前記プランジャ基体は、前記上部ピストンおよび前記下部ピストンの対応する1つに完全に着座している、請求項18~21のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
【請求項23】
各々プランジャの前記プランジャ基体は、前記上部ピストンおよび前記下部ピストンの対応する1つに固定的に接続されている、請求項18~22のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
【請求項24】
前記上部ピストンは、中央開口部と複数の上部凹部および複数の上部突起とを含み、前記第1のプランジャセットは、前記上部突起に着座するように適合されている、請求項2~23のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
【請求項25】
前記下部ピストンは、前記上部ピストンの前記中央開口部を貫通して延在するように適合されたピストンヘッドを含み、前記下部ピストンは、複数の下部凹部および複数の下部突起を含み、前記第2のプランジャセットは、前記下部突起上に着座するように適合されている、請求項24に記載のダイヤフラム弁。
【請求項26】
前記中央開口部およびピストンヘッドは、相補的に成形されている、請求項25に記載のダイヤフラム弁。
【請求項27】
前記上部突起は、前記下部凹部に係合するように成形および構成され、前記下部突起は、前記上部凹部に係合するように成形および構成される、請求項25または26に記載の前記ダイヤフラム弁。
【請求項28】
前記作動アセンブリは、前記下部ピストンに選択的に力を印加して前記第2のプランジャセットを前記閉位置に移動させるように構成された起動システムをさらに含む、請求項2~27のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
【請求項29】
前記底部キャップは、前記作動ねじの位置を示すために前記作動ねじと動作可能に係合する保管機構を含む、請求項28に記載のダイヤフラム弁。
【請求項30】
前記作動ねじは、前記作動ねじのヘッドの外周部の周りに分散されたノッチを含み、前記保管機構は、前記作動ねじの前記ノッチと係合可能な止めねじを含む、請求項29に記載のダイヤフラム弁。
【請求項31】
ダイヤフラムとダイヤフラム弁の弁本体との間の領域をパージする方法であって、
ガス入口を介して前記ダイヤフラム弁に作動ガスを注入するステップと、
前記パージ領域に到達させるために前記作動ガスをパージ回路に沿って送るステップと、
前記パージ領域を加圧するステップと、
前記パージ領域をパージするためにガス出口を介して前記作動ガスを放出するステップとを含む、方法。
【請求項32】
前記ガス入口は、前記ダイヤフラム弁内に設けられた内部チャンバと連通し、前記ダイヤフラム弁に作動ガスを注入するステップは、第1の逆止弁を開き、前記作動ガスを前記内部チャンバから前記パージ領域へ流すために、内部チャンバを加圧するステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記作動ガスを前記パージ回路に沿って送るステップは、前記ガス出口を介して前記弁を出る前に、前記作動ガスを強制的に前記内部チャンバから前記パージ領域に流して、前記パージ領域の加圧を可能にするために、前記ガス出口を閉塞するステップを含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記パージ回路は、完全に前記ダイヤフラム弁内に画定される、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記ダイヤフラム弁は、請求項1~30の構成のいずれか1つを含む、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
ガス分析用途用のダイヤフラム弁であって、
貫通して延在する複数のプロセス導管を備えた弁キャップであって、前記弁キャップは、キャップ・インターフェースを有し、前記プロセス導管の各々は、前記キャップ・インターフェース上に開口するプロセス・ポートを含む、弁キャップと、
前記弁キャップと係合可能である弁本体であって、前記キャップ・インターフェースに面するように適合され、凹部を備えた、本体インターフェースを有し、前記弁本体は、貫通して延在する複数のプランジャ通路を含み、それにより、前記プランジャ通路は、前記凹部上に開口する、弁本体と、
前記弁キャップと前記弁本体との間に配置され、内部で流体を循環させるためのプロセス溝を有するダイヤフラムであって、前記プロセス溝は、前記弁本体の前記凹部と係合するような形状および大きさに作られている、ダイヤフラムと、
前記弁本体内に設置されるように適合されたプランジャ・アセンブリであって、前記プランジャ・アセンブリは、前記プランジャ通路の対応する1つ内に摺動可能に嵌合された複数のプランジャを含み、各々のプランジャは、前記ダイヤフラムに選択的に係合して前記プロセス溝に沿った流体循環を制御するように適合される、プランジャ・アセンブリと、
前記プランジャ・アセンブリを作動させ、前記プランジャを変位させるために、前記弁本体内に前記作動ガスの注入を可能にするように構成された起動システムを含む作動アセンブリとを含み、
前記ダイヤフラムと前記本体インターフェースは、間にパージ領域を画定し、前記作動アセンブリは、前記パージ領域をパージして、そこから不純物を除去するために、前記作動ガスを前記パージ領域に送るように構成されたパージシステムを含む、ダイヤフラム弁。
【請求項37】
ガス分析用途用のダイヤフラム弁であって、
貫通して延在する複数のプロセス導管を備えた弁キャップであって、前記弁キャップは、キャップ・インターフェースを有し、前記プロセス導管の各々は、前記キャップ・インターフェース上に開口するプロセス・ポートを含む、前記弁キャップと、
前記弁キャップと係合可能である弁本体であって、前記キャップ・インターフェースに面するように適合され、凹部を備えた、本体インターフェースを有し、前記弁本体は、貫通して延在する複数のプランジャ通路を含み、それにより、前記プランジャ通路は、前記凹部上に開口する、前記弁本体と、
前記弁キャップと前記弁本体との間に配置され、内部で流体を循環させるためのプロセス溝を有するダイヤフラムであって、前記プロセス溝は、前記弁本体の前記凹部と係合するような形状および大きさに作られている、前記ダイヤフラムと、
前記弁本体内に設置されるように適合されたプランジャ・アセンブリであって、前記プランジャ・アセンブリは、前記プランジャ通路の対応する1つ内に摺動可能に嵌合された複数のプランジャを含み、各々のプランジャは、前記ダイヤフラムに選択的に係合して前記プロセス溝に沿った流体循環を制御するように適合される、前記プランジャ・アセンブリと、
前記プランジャ・アセンブリに動作可能に接続可能であり、ガス分析用途用に前記ダイヤフラム弁を操作できる係合位置と係合解除位置との間で動作可能な作動ねじを含む作動システムを含む作動アセンブリと、
前記作動ねじが前記係合位置にあることを示すための前記作動ねじの第1の部分と係合可能な止めねじと、前記作動ねじが前記係合解除位置にあることを示すための前記作動ねじの第2の部分とを含む保管機構とを含む、ダイヤフラム弁。
【請求項38】
請求項1~30の構成のいずれか1つをさらに含む、請求項37に記載のダイヤフラム弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、広く言えば弁に関連するシステムおよび方法に関するものであり、より具体的には、ガス分析および/またはガスクロマトグラフィー用途に使用されるようなダイヤフラムシール弁用のパージシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイヤフラム弁では、プランジャを、通常柔らかい/変形可能な材料でできているダイヤフラムに押し付けるか、またはダイヤフラムから引っ込めることによって、ポート間の連通が遮断または許容される。ダイヤフラム弁は、弁の選択された領域にパージガスを注入して、そこから不純物をパージするように構成されたパージシステムを備えることができる。パージするのに特に重要な領域は、ダイヤフラムの下方の領域である。ダイヤフラムにある程度の多孔性があるとすると、ガス分子/原子がそこから漏れて弁を汚染する可能性がある。
【0003】
既存のパージシステムは、通常、所望の領域に到達し、弁を効果的にパージするために、パージ入口、出口、管、継手、および/または導管を必要とする。弁を操作するためのこの追加のハードウェアは、弁を製造するための人件費、様々な構成要素に必要なキャビネット空間を増加させ、最終的に弁の価格を上昇させる可能性がある。さらに、弁内の清浄な環境を確保するために、パージガスの定期的/継続的な流れが弁に注入されるため、弁の運用コストも増加する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に照らして、より単純で効果的なパージシステムを備えた改良された弁が必要である。また、製造がより簡単で、連続パージシステムの操作の難しさに関連する欠点を克服できる弁も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、ガス分析用途用のダイヤフラム弁が提供される。弁は、貫通して延在する複数のプロセス導管を備えた弁キャップであって、弁キャップは、キャップ・インターフェースを有し、プロセス導管の各々は、キャップ・インターフェース上に開口するプロセス・ポートを含む、弁キャップを含む。弁はまた、弁キャップと係合可能である弁本体であって、キャップ・インターフェースに面するように適合され、凹部を備えた、本体インターフェースを有し、弁本体は、貫通して延在する複数のプランジャ通路を含み、それにより、プランジャ通路は、凹部上に開口する、弁本体を含む。ダイヤフラムは、弁キャップと弁本体との間に配置され、内部で流体を循環可能にするためのプロセス溝を有し、プロセス溝は、弁本体の凹部と係合するような形状および大きさに作られている。弁はさらに、弁本体内に設けられたプランジャ・アセンブリであって、プランジャ・アセンブリは、プランジャ通路の対応する1つ内に摺動可能に嵌合された複数のプランジャを含み、各々のプランジャは、プランジャがダイヤフラムと係合し、2つのプロセス・ポート間のプロセス溝に沿った流体循環を遮断する閉位置と、プランジャがダイヤフラムから離間しており、これにより、流体がプロセス溝に沿って循環できる開位置との間で移動可能である、プランジャ・アセンブリを含む。弁はまた、プランジャを開位置と閉位置との間で移動させるための作動ガスの注入を可能にするために、弁本体を貫通して延在するガス入口を含む作動アセンブリであって、作動アセンブリは、ダイヤフラムと本体インターフェースとの間に位置するパージ領域をパージするためのパージシステムをさらに含み、作動ガスがパージ領域をパージするために使用される、作動アセンブリを含む。
【0006】
可能な一実施形態によれば、弁はまた、弁本体に接続され、弁本体と共に内部チャンバを画定する、底部キャップを含み、プランジャ・アセンブリは、第1のプランジャセットに動作可能に係合する上部ピストンと、第2のプランジャセットに係合する下部ピストンとを含み、上部ピストンおよび下部ピストンは、内部チャンバ内に提供され、それにより、内部チャンバは、プランジャ通路を介してパージ領域と流体連通している。
【0007】
可能な一実施形態によれば、第1のプランジャセットは常時開プランジャであり、第2のプランジャセットは常時閉プランジャである。
【0008】
可能な一実施形態によれば、内部チャンバは、上部ピストンと複数のプランジャ通路との間に位置する上部領域と、下部ピストンと底部キャップとの間に位置する下部領域と、上部ピストンと下部ピストンとの間に位置する中間領域とを含み、ガス入口は、上部ピストンと下部ピストンのうちの少なくとも一方を作動させるために作動ガスが中間領域に注入されることを可能にするように配置されている。
【0009】
可能な一実施形態によれば、パージシステムは、中間領域と上部領域との間に流体連通を確立するように適合された制御されたフロー・チャネルを含む。
【0010】
可能な一実施形態によれば、制御されたフロー・チャネルは、中間領域内に圧力を構築するために通過する流体の流れを制限するように適合された第1の流量制限器(フローリストリクタ)を含む。
【0011】
可能な一実施形態によれば、第1の流量制限器は、第1のクラッキング圧力を有し、中間領域内の圧力が第1のクラッキング圧力を超えるときに流体が通過して流れることを可能にするように構成される、第1の逆止弁である。
【0012】
可能な一実施形態によれば、制御されたフロー・チャネルは、第1の逆止弁の出口と流体連通する通路を有するフロー・リミッタをさらに含み、通路は、中間領域から上部領域への作動ガスの流量を制限するような形状および大きさに作られている。
【0013】
可能な一実施形態によれば、上部ピストンは凹部を含み、フロー・リミッタは、上部ピストンの凹部に係合するように適合された取り外し可能なインサートを含み、通路は、取り外し可能なインサートを貫通して延在する。
【0014】
可能な一実施形態によれば、通路は、中間領域と上部領域との間で約0.5cm/分~2cm/分の間の流量を画定するような形状および大きさに作られている。
【0015】
可能な一実施形態によれば、作動アセンブリは、内部チャンバと周囲環境との間の流体連通を確立するように配置されたガス出口をさらに含む。
【0016】
可能な一実施形態によれば、ガス出口は、ガスが内部チャンバを出るのを少なくとも部分的に防止するように適合され、それによってプランジャ通路を介して作動ガスをパージ領域に送る、出口流量制限器を含む。
【0017】
可能な一実施形態によれば、ガス出口は、上部領域と連通し、出口流量制限器は、出口逆止弁を含み、出口逆止弁は、上部領域内の圧力が出口クラッキング圧力を超えたときに、通過する流体の流れを許容するように構成された出口クラッキング圧力を有する。
【0018】
可能な一実施形態によれば、出口クラッキング圧力は、ダイヤフラム弁の周囲環境の大気圧よりも大きい。
【0019】
可能な一実施形態によれば、出口逆止弁は、出口弁が閉じる閉鎖圧力を有し、パージ領域内の圧力は、出口クラッキング圧力と閉鎖圧力との間で振動する。
【0020】
可能な一実施形態によれば、プランジャは外面を有し、各々のプランジャは、その上端と下端との間のそれぞれの外面に沿って延在する1つまたは複数の溝を含み、内部チャンバの上部領域とパージ領域との間の流体連通を促進する。
【0021】
可能な一実施形態によれば、溝は、らせん状である、および/または鉛直方向に向けられている。
【0022】
可能な一実施形態によれば、プランジャは、ダイヤフラムに係合するように適合されたプランジャ・ヘッドと、上部ピストンおよび下部ピストンのうちの1つによって係合されるように適合されたプランジャ基体と、プランジャ・ヘッドとプランジャ基体との間に延在するプランジャ本体とを含み、1つまたは複数のプランジャのプランジャ・ヘッド、プランジャ基体、およびプランジャ本体は、互いに独立しており、それぞれのプランジャ通路内に積み重ねられている。
【0023】
可能な一実施形態によれば、プランジャ・ヘッドおよびプランジャ基体は、略高剛性であり、プランジャ本体は、圧縮性材料、エラストマー材料、またはそれらの組み合わせで作製される。
【0024】
可能な一実施形態によれば、プランジャ本体は、プランジャ・ヘッドとプランジャ基体との間に延在する少なくとも2つの隣接する部分を含み、各々の部分は、異なる圧縮性を有する。
【0025】
可能な一実施形態によれば、プランジャ本体は、プランジャの中心長手方向軸線から外れている(オフセットされている)。
【0026】
可能な一実施形態によれば、各々のプランジャのプランジャ基体は、上部ピストンおよび下部ピストンの対応する1つに完全に着座している。
【0027】
可能な一実施形態によれば、各々プランジャのプランジャ基体は、上部ピストンおよび下部ピストンの対応する1つに固定的に接続されている。
【0028】
可能な一実施形態によれば、上部ピストンは、中央開口部と複数の上部凹部および複数の上部突起とを含み、第1のプランジャセットは、上部突起に着座するように適合されている。
【0029】
可能な一実施形態によれば、下部ピストンは、上部ピストンの中央開口部を貫通して延在するように適合されたピストンヘッドを含み、下部ピストンは、複数の下部凹部および下部突起を含み、第2のプランジャセットは、下部突起上に着座するように適合されている。
【0030】
可能な一実施形態によれば、中央開口部およびピストンヘッドは、相補的に成形されている。
【0031】
可能な一実施形態によれば、上部突起は、下部凹部に係合するように成形および構成され、下部突起は、上部凹部に係合するように成形および構成される。
【0032】
可能な一実施形態によれば、作動アセンブリは、下部ピストンに選択的に力を印加して第2のプランジャセットを閉位置に移動させるように構成された起動システムをさらに含む。
【0033】
可能な一実施形態によれば、作動システムは、下部ピストンに力を印加するように適合された作動ねじを含み、底部キャップは、作動ねじの位置を示すために作動ねじと動作可能に係合する保管機構を含む。
【0034】
可能な一実施形態によれば、作動ねじは、作動ねじのヘッドの外周部の周りに分散されたノッチを含み、保管機構は、作動ねじのノッチと係合可能な止めねじを含む。
【0035】
別の一態様によれば、ダイヤフラムとダイヤフラム弁の弁本体との間の領域をパージする方法が提供される。この方法は、ガス入口を介してダイヤフラム弁に作動ガスを注入するステップと、パージ領域に到達させるために作動ガスをパージ回路に沿って送るステップと、パージ領域を加圧するステップと、パージ領域をパージするためにガス出口を介して作動ガスを放出するステップとを含む。
【0036】
可能な一実施形態によれば、ガス入口は、ダイヤフラム弁内に設けられた内部チャンバと連通し、ダイヤフラム弁に作動ガスを注入するステップは、第1の逆止弁を開き、作動ガスを内部チャンバからパージ領域へ流すために、内部チャンバを加圧するステップを含む。
【0037】
可能な一実施形態によれば、作動ガスをパージ回路に沿って送るステップは、ガス出口を介して弁を出る前に、作動ガスを強制的に内部チャンバからパージ領域に流して、パージ領域の加圧を可能にするために、ガス出口を閉塞するステップを含む。
【0038】
可能な一実施形態によれば、パージ回路は、完全にダイヤフラム弁内に画定される。
【0039】
別の一態様によれば、ガス分析用途用のダイヤフラム弁が提供される。弁は、貫通して延在する複数のプロセス導管を備えた弁キャップであって、弁キャップは、キャップ・インターフェースを有し、プロセス導管の各々は、キャップ・インターフェース上に開口するプロセス・ポートを含む、弁キャップと、弁キャップと係合可能である弁本体であって、キャップ・インターフェースに面するように適合され、凹部を備えた、本体インターフェースを有し、弁本体は、貫通して延在する複数のプランジャ通路を含み、それにより、プランジャ通路は、凹部上に開口する、弁本体と、弁キャップと弁本体との間に配置され、内部で流体を循環させるためのプロセス溝を有するダイヤフラムであって、プロセス溝は、弁本体の凹部と係合するような形状および大きさに作られている、ダイヤフラムと、弁本体内に設置されるように適合されたプランジャ・アセンブリであって、プランジャ・アセンブリは、プランジャ通路の対応する1つ内に摺動可能に嵌合された複数のプランジャを含み、各々のプランジャは、ダイヤフラムに選択的に係合してプロセス溝に沿った流体循環を制御するように適合される、プランジャ・アセンブリと、プランジャ・アセンブリを作動させ、プランジャを変位させるために、弁本体内に作動ガスの注入を可能にするように構成された起動システムを含む作動アセンブリとを含み、ダイヤフラムと本体インターフェースは、間にパージ領域を画定し、作動アセンブリは、パージ領域をパージして、そこから不純物を除去するために、作動ガスをパージ領域に送るように構成されたパージシステムを含む。
【0040】
さらに別の一態様によれば、ガス分析用途用のダイヤフラム弁が提供される。弁は、貫通して延在する複数のプロセス導管を備えた弁キャップであって、弁キャップは、キャップ・インターフェースを有し、プロセス導管の各々は、キャップ・インターフェース上に開口するプロセス・ポートを含む、弁キャップと、弁キャップと係合可能である弁本体であって、キャップ・インターフェースに面するように適合され、凹部を備えた、本体インターフェースを有し、弁本体は、貫通して延在する複数のプランジャ通路を含み、それにより、プランジャ通路は、凹部上に開口する、弁本体と、弁キャップと弁本体との間に配置され、内部で流体を循環させるためのプロセス溝を有するダイヤフラムであって、プロセス溝は、弁本体の凹部と係合するような形状および大きさに作られている、ダイヤフラムと、弁本体内に設置されるように適合されたプランジャ・アセンブリであって、プランジャ・アセンブリは、プランジャ通路の対応する1つ内に摺動可能に嵌合された複数のプランジャを含み、各々のプランジャは、ダイヤフラムに選択的に係合してプロセス溝に沿った流体循環を制御するように適合される、プランジャ・アセンブリと、プランジャ・アセンブリに動作可能に接続可能であり、ガス分析用途用にダイヤフラム弁を操作できる係合位置と係合解除位置との間で動作可能な作動ねじを含む作動システムを含む作動アセンブリと、作動ねじが係合位置にあることを示すための作動ねじの第1の部分と係合可能な止めねじと、作動ねじが係合解除位置にあることを示すための作動ねじの第2の部分とを含む保管機構とを含む。
【0041】
本発明の利点の他の構成は、添付の図面を参照して、その例示的実装形態を読むことでよりよく理解されるであろう。本明細書に記載のダイヤフラム弁の実施形態は例示のみを意図するものであり、一実施形態の構成はその特定の実施形態に限定されるものとして理解されるべきではなく、本明細書に記載の構成要素の組み合わせおよび変形が可能であり、使用することができることにも留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】可能な一実施形態に係る、ダイヤフラムで密閉された弁の上面斜視図である。
図2】一実施形態に係る、弁内に設けられた一対のピストンを示す、図1の弁の断面図である。
図3】一実施形態に係る、弁の様々な構成要素を示す、図1の弁の上面図および分解図である。
図4】一実施形態に係る、弁本体内に画定された内部チャンバを示す、図1の弁の底面斜視分解図である。
図5】一実施形態に係る、弁キャップの表面で開いているプロセス・ポートを示す、図4に示される弁キャップの拡大図である。
図6】一実施形態に係る、弁本体の表面に画定された凹部およびダイヤフラム上に画定されたプロセス溝を示している、図3に示される弁本体およびダイヤフラムの拡大図である。
図7】一実施形態に係る、プランジャ通路内に延在するプランジャおよび弁内のパージ回路を示す、図1の弁の断面図である。
図7A】一実施形態に係る、プランジャ通路内に延在するプランジャおよび弁内のパージ回路を示す、図1の弁の断面図である。
図8】一実施形態に係る、プランジャ・アセンブリの一部の斜視図である。
図9】一実施形態に係る、少なくとも部分的に相補的に成形されている上部ピストンおよび下部ピストンを示す、図8に示されるプランジャ・アセンブリの一部の分解図である。
図10】一実施形態に係る、フロー・リミッタを示す、図9に示される上部ピストンの分解図である。
図11a】一実施形態に係る、下部ピストンに接続可能な三角形のプッシュプレートを示す、プランジャ・アセンブリの代替の一実施形態の分解上面斜視図である。
図11b】一実施形態に係る、下部ピストンのピストンヘッドを受け入れるための円形中央開口部を有する上部ピストンを示す、図11aに示されるプランジャ・アセンブリの代替実施形態の分解底面斜視図である。
図12図11aに示されるピストン上に着座された複数のプランジャの斜視図である。
図13】一実施形態に係る、円形の中央開口部内で係合可能な円形のピストンヘッドを示す、プランジャ・アセンブリの代替の一実施形態の分解図である。
図14図13に示されるピストン上に着座された複数のプランジャの斜視図である。
図15】プランジャの様々な実施形態である。
図16】プランジャの様々な実施形態である。
図17】プランジャの様々な実施形態である。
図18】プランジャの様々な実施形態である。
図19】プランジャの様々な実施形態である。
図20】プランジャの様々な実施形態である。
図21】一実施形態に係る保管機構を示す、弁の底部キャップの底面平面図である。
図22】一実施形態に係る、弁の圧縮ねじと係合する止めねじを示す、図21に示される保管機構の側面斜視図である。
図23A】一実施形態に係る、弁が作動されたときおよび作動されていないときの入口に近接する圧力の変化を示すグラフである。
図23B】一実施形態に係る、弁の区画または領域内の圧力の変化を示すグラフである。
図23C】パルスパージシステムの主要な構成要素を示す概略図である。
図23D】一実施形態に係る、弁の区画または領域内の不純物の濃度の変化を示すグラフである。
図24】可能な実施形態に係る、外側パージ領域との流体連通を確立するための第2の経路を示す、弁の代替の実施形態の断面図である。
図25】可能な実施形態に係る、外側パージ領域との流体連通を確立するための第2の経路を示す、弁の代替の実施形態の断面図である。
図26】一実施形態に係る、本体インターフェース上で開いているガス出口を示す、図25に示される弁本体の上面斜視図である。
【0043】
本発明は例示的な実施形態と併せて説明されるが、本発明の範囲をそのような実施形態に限定することを意図するものではないことが理解される。それどころか、本出願で定義されているようなすべての代替形態、修正形態、および均等物を網羅することを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、弁、より具体的には、ダイヤフラムシール弁、およびその関連する操作方法に関するものである。ダイヤフラムシール弁は、本明細書では単に「弁」と呼ばれる。弁には多くの改良点が含まれ、その各々を弁に、互いに独立して、または組み合わせて実装できる。例えば、弁は、弁のダイヤフラムの周りに位置する1つまたは複数の領域を効果的にパージするように構成された改良されたパージシステムを含むことができる。パージシステムは、弁の1つまたは複数の領域をパージするための繰り返しパルスのサイクルを作り出すように構成できる。可能な実施形態では、弁は、ダイヤフラムの周りの領域をパージすることを促進するように構成されたプランジャを含むことができる。他の実施形態では、弁は、一度オフにされた弁の保管を促進するための保管機構を含むことができる。本発明は、弁の可能な実施形態の説明により、よりよく理解されるであろう。以下に説明する弁の異なる実施形態は、ダイヤフラムシール弁のものであるが、他のタイプの弁も可能であることが理解される。
【0045】
図1図26を広く参照すると、ダイヤフラムシール弁10の可能な実施形態が示されている。弁10は、弁キャップ100と、弁キャップ100と係合可能な弁本体200と、弁キャップ100と弁本体200との間に配置されたダイヤフラム300と、弁本体200内に設けられたプランジャ・アセンブリ400と、プランジャ・アセンブリ400の移動を可能にするように適合された作動アセンブリ500と、弁キャップ100の反対側の弁本体200に接続された底部キャップ600とを含む。とりわけ、シーリング要素(例えば、Oリングなど)とともに、様々な固定具および締結具(例えば、ねじ、釘、ボルト、ナット、ワッシャ、ばねなど)などの他の構成要素が、弁10内および/または弁10と共に提供できることが理解される。様々な実施形態に関連して説明されるように、弁10の構成要素のいくつか(例えば、とりわけ、弁キャップ100、弁本体200、および底部キャップ600など)の形状は、略円筒形である。
【0046】
図示の実施形態では、弁本体200および底部キャップ600は、作動ガスを受け入れるための内部チャンバ210を形成する。以下に説明するように、弁本体200は、少なくとも部分的に中空にすることができ、底部キャップ600は、弁本体200と協働して中空セクションを閉鎖し、それによって内部チャンバ210を画定するように構成される。したがって、弁10は空気圧で作動され、プランジャ・アセンブリ400を変位させるために作動ガスを内部チャンバ210に提供するために内部チャンバ210と連通するガス入口502を含むことが理解される。図示の実施形態では、弁は、「常時閉」(または上昇)プランジャおよび「常時開」(または下降)プランジャを備えている。プランジャの「通常の」位置は、作動ガスが注入されていない場合に対応する。「通常」または「デフォルト」状態のプランジャの位置は、皿ばねアセンブリ540およびウェーブスプリング546によって決定される。作動ガスが弁の入口502に注入されると、ピストン420、430は離間され、それにより、常時閉プランジャが開(または下降)位置に向かって移動し、常時開プランジャが閉(または上昇)位置に向かって移動する。しかしながら、プランジャ・アセンブリ400を作動させるための他の方法が可能であることが理解される。
【0047】
より具体的に図1図5を参照すると、弁キャップ100は、弁キャップ100の厚さを貫通して延在し、それぞれプロセス・ポート104で終端を迎える複数のプロセス導管102を有する。弁キャップ100は、弁本体200(およびダイヤフラム300)に面するように適合され、その上でプロセス・ポート104が開くキャップ・インターフェース106をさらに含む。弁10の用途に応じて、弁キャップ100は、任意の適切な構成で配置された任意の適切な数のプロセス導管102を備えることができることが理解される。例えば、この実施形態では、弁キャップ100は、プロセス・ポート104がキャップ・インターフェース106上に対応して円形に配置されるように、円形に配置された6個のプロセス導管102を含む。他の実施形態では、弁キャップ100は、4個、8個、10個、12個、または任意の他の適切な数のプロセス・ポート102を備え得る。
【0048】
この実施形態では、弁本体200は、弁10が組み立てられるときに、ダイヤフラム300が弁キャップ100と弁本体200との間、例えば、キャップ・インターフェース106と本体インターフェース202との間に配置することができるように、弁キャップ100に面するように適合された本体インターフェース202を有する。より具体的には、ダイヤフラム300は、弁キャップ100と弁本体200との間に設置されたときに、キャップ・インターフェース106に接触するように適合された上面302などの第1の表面と、本体インターフェース202に接触するように適合された底面304などの第2の表面とを有する。
【0049】
図6および図7に見られるように、そして前の図を引き続き参照すると、弁本体200は、凹部204がキャップ・インターフェース106に面するように、本体インターフェース202の表面に画定された凹部204を含む。凹部204は、例示的に円形であり、本体インターフェース202に対して略同心である(例えば、本体インターフェース202の中心は、凹部204の中心点に対応する)。弁キャップ100のプロセス・ポート104は、好ましくは、弁10が組み立てられるとき(すなわち、弁キャップ100と弁本体200が共に接続されるとき)、凹部204と一直線になるように(すなわち、凹部204内に開放するように)配置される。いくつかの実施形態では、弁キャップ100および弁本体200は、中央締結具207および一対のだぼピン205を使用して互いに接続することができるが、他の構成および/または接続ツールが可能であり、使用できることが理解される。いくつかの実施形態では、中央締結具207は、少なくとも弁キャップ100と中央締結具207との間の隙間を介した空気の侵入を防ぐために、締結具のヘッドに近接するOリングなどのシーリング要素、またはねじセクションに沿って提供されるシーラントを備えることができる。
【0050】
さらに図6および図7を参照すると、弁本体200は、少なくとも部分的に貫通して延在する複数のプランジャ通路206をさらに含み、第1の端部は、凹部204に沿ったそれぞれの位置で開放し、第1の端部の反対側の第2の端部は、内部チャンバ210上のそれぞれの対応する開放する。プランジャ・アセンブリ400に関連して以下でさらに説明するように、プランジャ通路206は、それぞれ、プランジャ402を受容し、プロセス・ポート104のうちの2つの間の凹部204で開放するような形状と大きさに作られている。
【0051】
本実施形態では、ダイヤフラム300は、弁本体200の凹部204と整列し、係合するような形状および大きさに作られたプロセス溝306を含む。したがって、凹部204と同様に、プロセス溝306は、弁キャップ100のプロセス・ポート104、および弁本体200のプランジャ通路206と整列するように適合されている。プロセス溝306は、キャップ・インターフェース106と協働して、流体がプロセス・ポート104のうちの少なくとも2つの間を循環することを可能にするように構成されたチャネルを形成するように適合されていることを理解すべきである。より具体的には、ダイヤフラム300は、キャップ・インターフェース106の表面がプロセス溝306を覆い、チャネルを形成するように、キャップ・インターフェース106と係合する。この実施形態では、流体は、プロセス導管102のうちの1つを介してプロセス溝306に注入することができ、流体はその後、形成されたチャネルに沿って流れ、例えば、プロセス導管102のうちの第2のもののプロセス・ポート104に到達することができる。
【0052】
図7に見られるように、プランジャ・アセンブリ400は、例示的に、弁本体200内、より具体的には内部チャンバ210内に収容されるように適合されている。プランジャ・アセンブリ400は、プランジャ通路206のうちの対応するものの中に摺動可能に嵌合された複数のプランジャ402を含み、プランジャ402は、少なくとも2つの位置の間で移動可能である。この実施形態では、各々のプランジャ402は、プランジャ402がダイヤフラム300のプロセス溝306と係合して少なくとも2つの隣接するプロセス・ポート104間の流体の流れを防止する閉位置と、プランジャ402がダイヤフラム300から離間し、それにより、流体がプロセス溝306に沿って流れることを可能にする開位置との間で移動可能である。プランジャ402が対応するプランジャ通路206内に詰まるリスクを低減するために、プランジャ通路206は、好ましくは、プランジャ402の最も広い構成要素の直径よりわずかに大きい直径を有する。プランジャ402の特定の構造および構成要素は、以下でさらに説明される。
【0053】
いくつかの実施形態では、前に説明したように、プランジャ402は、一般に「常時閉」および「常時開」プランジャと呼ばれる2つのタイプとすることができる。以下でさらに説明するように、所与のタイプの各々のプランジャ402は、その同じタイプの他のプランジャと共に一緒に作動される。言い換えれば、所与のタイプのプランジャ402は、すべて閉位置にあるか、またはすべて開位置にあるかのいずれかである。本実施形態では、常時閉プランジャは閉位置に向かって付勢されているのに対して、常時開プランジャは開位置に向かって付勢されている。常時開プランジャは第1のプランジャセット402を形成し、一方、常時閉プランジャは第2のプランジャセット402を形成することが理解される。図示の実施形態では、プランジャ・アセンブリ400はまた、プランジャ402をそれぞれのプランジャ通路206内で上下に動かすためにプランジャ402と動作可能に係合する一対のピストン420、430を含む。より具体的には、プランジャ・アセンブリ400は、第1のプランジャセット(すなわち、常時開プランジャ)と動作可能に係合する上部ピストン420などの第1のピストンと、第2のプランジャセット(すなわち、常時閉プランジャ)と動作可能に係合する下部ピストン430などの第2のピストンとを含む。
【0054】
大まかに説明すると、そして図7図10を参照すると、プランジャ・アセンブリ400のピストン420、430は、略円形であり、ダイヤフラム300に平行である。本実施形態では、上部ピストン420は、例示的に、中央開口部424を含み、下部ピストン430は、上部ピストン420の中央開口部424を貫通して延在するような形状および大きさに作られたピストンヘッド434を含む。中央開口部424およびピストンヘッド434は、ピストンが互いに接触すること、および/またはそれらの動きを妨げることを防ぎながら、ピストンを互いに対して動かすことを可能にするように補完的に成形され得ることが理解される。そのような一実施形態では、上部および下部ピストンは、3D印刷技術を使用して製造され、それらの組み立てを可能にすることができる。
【0055】
さらに、ピストンのうちの各々は、プランジャ402が載ることができるそれぞれのプッシュプレート422、432を含むことができ、それにより、各々のピストン420、430は、作動アセンブリ500の動作時にそれぞれのプッシュプレート422、432を押すおよび/または引く。この実施形態では、上部プッシュプレート422は、上部ピストン420の一部として一体的に形成されるが、他の構成が可能であることが理解される。いくつかの実施形態では、下部プッシュプレート432はまた、下部ピストン430の一部として一体的に形成され、他の実施形態では、例えば図11に見られるように、下部プッシュプレート432は別個の構成要素である。あるいはまた、下部プッシュプレート432は、例えば、図9および図13に示されるように、下部ピストン430の一部として一体的に形成され、略円形の形状を有することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、ピストン(すなわち、上部ピストン420および下部ピストン430)および/またはそれらの対応するプッシュプレート422、432は、好ましくは、それらの対応するプランジャセット402のみに係合するような(すなわち、他のプランジャセットの動きに接触または妨害することない)形状および大きさに作られる。さらに、ピストン420、430は、プランジャ402が対応するピストン上に完全に着座するか、またはその上に部分的に着座するように構成することができる。言い換えれば、ピストンは、(図7図8、および図12に見られるように)プランジャ402の断面全体、または(図14および図25に見られるように)ピストンがプランジャ402の下端の約半分の周りに接触するその一部を押すように適合させることができる。プランジャ402の下端全体を押すことにより、プランジャ402をプランジャ通路206内で比較的真っ直ぐに維持することができ、したがって、プランジャが閉位置にあるときにダイヤフラム300に略均一なシーリング力を提供するのに対して、下端の一部に対してのみ押すことにより、プランジャ402をプランジャ通路206内でわずかに傾けることができ、したがって、ダイヤフラム300に不均一なシーリング力を提供することを理解すべきである。
【0057】
プランジャ・アセンブリ400の様々な例示的な実施形態が、添付の図に示され、次に説明される。図8図10に見られる実施形態では、上部ピストン420は、中央開口部424の周りに配置された複数の上部凹部426および上部突起428を有し、下部ピストン430は、ピストンヘッド434の周りに配置された下部凹部436および下部突起438を有する。各々のピストンの凹部および突起は、好ましくは、ピストンが組み立てられるときに、上部突起428が下部凹部436内に位置し、下部突起438が上部凹部426内に位置するように相補的に成形される。図示の実施形態では、プランジャ402は、ピストンの突起によって係合されるように適合され、それによって、この実施形態では、突起428、438は、プランジャ402の全直径に係合するように成形および構成される。より具体的には、上部突起428は、第1のプランジャセットと係合するように適合され、下部突起438は、第2のプランジャセットと係合するように適合される。
【0058】
図11および図12を参照すると、ピストンヘッド434は、例示的に円形の形状を有するが、任意の適切な形状を有することができることが理解される。図示の実施形態では、下部ピストン430は、ピストンヘッド434に取り外し可能に接続され、上部ピストン420の中央開口部424に対して相補的に成形されている下部プッシュプレート432を含む。この実施形態では、下部プッシュプレート432は、略三角形の形状を有し、それにより、下部プッシュプレート432の各々のコーナーは、(図12に最もよく見られるように)第2のプランジャセット402のうちの1つのプランジャと係合する。この場合、上部プッシュプレート422は、上部ピストン420の上面であり、第1のプランジャセットのうちのプランジャ402と直接係合するように適合されている。図12に見られるように、下部プッシュプレート432の形状および大きさは、各々のプランジャセット402が対応するプッシュプレート422、432上に完全に着座することを可能にする。
【0059】
ここで、図13および図14を参照すると、プランジャ・アセンブリ400のさらに別の一実施形態が示されている。この実施形態では、上部プッシュプレート422および下部プッシュプレート432は、それぞれ、上部凹部426および下部凹部436を備えている。各々のプッシュプレートの凹部の数は、各々のプランジャセットのうちのプランジャ402の数に対応することができる。例えば、この実施形態では、各々のプランジャセット402は、3つのプランジャを含むため、各々のプッシュプレートは、3つの凹部を含む。凹部は、プッシュプレートがプッシュプレートのうちの他のものによって係合されるプランジャ402に接触することなくピストンを作動させる(すなわち、上下に移動する)ことができるような形状およびサイズに作られる。図14に見られるように、各々のプッシュプレート422、432は、対応するプランジャセット402の下端の約半分に接触するように構成され、プランジャの残りの半分は、ピストンとそれらの構成要素の両方の間で接触が回避されるように凹部426、436のうちの1つに係合する。
【0060】
プッシュプレート422、432および対応するプランジャ402は、図示の実施形態では独立した/別個の構成要素として形成されるが、他の実施形態では、プランジャおよびプッシュプレートは他の構成を有することができ、例えば、単一の構成要素として形成することができることが理解される。あるいはまた、プランジャは、例えば、ねじまたは他の締結具を使用して、プッシュプレートに固定的に接続することができる。
【0061】
ここで、図7に加えて図15図20を参照すると、いくつかの実施形態では、プランジャ402は、プランジャ基体406の下端でピストンのうちの1つと係合可能なプランジャ基体406を含む。プランジャ402は、プランジャ402が閉位置にあるときに、下方からダイヤフラム300(すなわち、プロセス溝)と係合するように適合されたプランジャ・ヘッド408と、プランジャ基体406とプランジャ・ヘッド408との間に延在するプランジャ本体410とをさらに含む。プランジャ402の構成要素は、略高剛性の材料から作製することができるが、以下でさらに説明するように、他の材料も可能である。
【0062】
図20に見られるように、プランジャ402の構成要素は、互いに独立しており(すなわち、別個の構成要素であり)、プランジャ通路206内に積み重ねることができるが、図15に見られるように、「単一ユニット」プランジャ402もまた使用可能である。これらの実施形態では、プランジャ基体406およびプランジャ・ヘッド408は、略同じ形状、サイズ、および/または構成を有する。より具体的には、プランジャ基体406およびプランジャ・ヘッド408は、略円筒形であり、弁本体200とプランジャ402との間の干渉/接触を回避するために、プランジャ通路206の直径よりわずかに小さい直径を有する。
【0063】
例えば、ピストン、プッシュプレート、プランジャなどのプランジャ・アセンブリ400の様々な構成要素で製造上の欠陥が発生する可能性があり、これは、それぞれのプランジャ通路206内の1つまたは複数のプランジャ402の長さの差またはずれを引き起こす可能性があり、その結果、ダイヤフラム300に不均一なシーリング力が印加されることが知られている。したがって、プランジャ402、弁本体200、ダイヤフラム300の損傷を回避するため、および/または弁10の正常な動作を確実にするために、調整が必要となる可能性がある。
【0064】
いくつかの実施形態では、プランジャ本体410は、ダイヤフラム300に対してプランジャ・ヘッド408を調整するように成形および構成することができる。より具体的には、プランジャ本体410は、プランジャ・ヘッド408がダイヤフラム300に略均一なシーリング力を印加するように、プランジャ・ヘッド408をダイヤフラム300に対して略横方向に配置する(すなわち、そのプランジャ通路内で軸方向に位置合わせされる)ように構成することができる。例えば、プランジャ本体410は、皿ばね座金のスタック、またはダイヤフラム300と係合した時にプランジャ・ヘッド408の位置合わせを調整するように適合された圧縮性を有する圧縮性および/またはエラストマー材料(ばねまたはクッションなど)からなり得る。より具体的には、(プランジャが不均一な長さで製造されているために)プランジャ・ヘッド408が必要以上にダイヤフラムに高い圧力を印加し得た場合に、余分な圧縮力はエラストマー材料によって吸収されるであろう。したがって、圧縮可能なプランジャ本体要素は、プランジャまたは他の弁の構成要素の形状の欠陥(平面性、平行性など)、ダイヤフラムの局所的な厚さのばらつきなどを補償することができる。プランジャのこの構成により、プランジャ基体の断面積全体にわたって力を印加することができる。。ここで、圧縮可能な中央セクション410は円筒形であるが、中空、円錐形、砂時計形など、任意の形状にすることができる。
【0065】
図16に見られるように、プランジャ本体410はまた、略円筒形であり、プランジャ基体406およびプランジャ・ヘッド408の直径と同様の直径を有することができる。図18の実施形態では、プランジャ本体410は、プランジャ基体406とプランジャ・ヘッド408との間に延在する少なくとも2つの圧縮可能な本体部分412を含み、それにより、各々の本体部分412は、それぞれの圧縮性を有する。圧縮可能な本体部分412は、例えば、ピストンがプランジャ基体406の直径の一部(例えば、半分)のみに係合する場合など、ピストンのうちの1つによってプランジャ基体406に印加される不均一な力のバランスをとるのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、ピストンは、ダイヤフラムに印加されるシーリング力がプランジャ・ヘッド408の断面全体にわたって不均一になり得るように、プランジャ基体406の半分を押す。したがって、2つ以上の圧縮可能な本体部分412を有するプランジャ本体410は、不均一なシーリング力を補正または補償するように適合させることができる。
【0066】
図15および図17のものなどの他の実施形態では、プランジャ本体410は、プランジャ基体406および/またはプランジャ・ヘッド408よりも小さい直径を有することができ、さらに、プランジャ・ヘッド408を調整するために(例えば、不均一な力がプランジャ基体406に印加される場合)、プランジャ402の中心長手方向軸線に対して外れさせることができる(図17)。外れさせられたプランジャ本体410が略一貫した方法でプランジャ・ヘッド408を調整するために、プランジャ402の半径方向位置は略同じままでなければならないことを理解すべきである。言い換えれば、プランジャ本体410をダイヤフラム300上のプランジャ・ヘッド408によって印加される力を調整するための適切な半径方向位置に維持するために、プランジャ通路206内のプランジャ402の回転を阻止する必要がある。例えば、プランジャ通路206およびプランジャの構成要素の形状は、プランジャ402の鉛直方向の動きを妨げることなくプランジャ402の回転が阻止されるように、非円形とすることができる。それぞれのプランジャ通路206内でのプランジャ402の回転運動を阻止するための他の適切な方法が可能であり、使用することができることが理解される。
【0067】
プランジャ本体410のさらに別の一実施形態では、図19および図20に示されるように、プランジャ本体410は、ピストンおよび/またはプランジャ基体406によって印加される不均一な力が、プランジャ本体410の球形設計によって調整できるように、球形を有することができる。本明細書に記載のプランジャ402の各々の実施形態の構成は、本明細書で簡単に例示され、当業者にも明らかであるように、プランジャが意図される特定の用途、および/または所望の最終結果に応じて、修正、簡略化、変更、省略、および/または交換できることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、球形プランジャ本体410は、プランジャ基体406および/またはプランジャ・ヘッド408の直径と略一致する直径を有することができる。したがって、閉位置にあるときにプランジャ402に印加される圧縮力は、(圧縮性材料のために)プランジャ本体410を外側に膨張させ、プランジャ通路の壁に接触させることができる。その結果、プランジャ本体410の変形は、より大きな直径のために減少/制限され、したがって、その圧縮率が増加する。プランジャ本体410の寿命もまた、変形が減少し、したがってプランジャ402の構成要素への応力が減少するために増加することができる。
【0068】
図2図4に戻って参照すると、作動アセンブリ500は、弁10の動作を可能にするように構成された起動システム538を含むことができる。より具体的には、起動システム538は、作動ガスを注入してプランジャ・アセンブリ400を作動させることができる係合構成と、作動ガスの注入がプランジャ・アセンブリ400を作動させない係合解除構成との間で動作させることができる。この実施形態では、起動システム538は、下部ピストン430と協働する皿ばね座金542のスタックを含む皿ばねアセンブリ540を含む。また、起動システム538は、皿ばね座金542のスタックに荷重/力を印加する、したがって、下部ピストン430に荷重を印加するように構成された圧縮ねじ544を含むことができる。したがって、下部ピストン430は、(例えば、圧縮ねじ544が締められるとき)起動システム538を介して上向きに付勢されるので、常時閉プランジャ402は、閉位置に向かって付勢される。起動システム538は、例えば、下部ピストン430を上向きに付勢することなどによって、弁10の動作を可能にするための、標準的なばねまたはポリマーブッシングなどの他の付勢手段を含むことができることが理解される。この実施形態では、上部ピストン420は、適切な手段によって下向きに(例えば、下部ピストン430に向かって)付勢される。図示の実施形態では、ウェーブスプリング546は、上部ピストン420の上方の弁本体200内に設けられ、それに下向きの力を印加するように適合されている。したがって、常時開プランジャ402は、開位置に向かって効果的に付勢される。
【0069】
長期間保管すると、既知の弁の常時閉プランジャは、ダイヤフラムを継続的に押している。時間の経過とともに、クリーピング現象によってダイヤフラムのプロセス溝の形状が変化し、溝の高さが減少し、その結果、流れの制限が増加する可能性がある。その押し付け力を低減または除去することにより、この現象および悪影響を軽減/防止することができる。言い換えれば、起動システム538を係合解除構成に動かすことによって、圧縮ねじ544が緩められ、下部ピストン(および対応するプランジャ)がダイヤフラムから離れるように動くことができる。
【0070】
ここで図21および図22を参照すると、弁10は、圧縮ねじ544と動作可能に係合し、圧縮ねじ544の位置を示すように構成された保管機構610を備えることができる。したがって、弁10の状態(例えば、動作中、待機中、保管中など)の決定は、圧縮ねじ544の位置に基づいた保管機構610の構成によって促進され得る。この実施形態では、保管機構610は、圧縮ねじ544と係合するように底部キャップ600を貫通して延在する止めねじ612を含む。さらに、圧縮ねじ544は、圧縮ねじが所定の位置にあるときに止めねじ612が内部を延在することができるノッチまたはへこみ545を備えることができる。止めねじ612は、圧縮ねじ544を所望の位置に配置するのを助けることができ、弁10の状態の決定を促進することができる。
【0071】
説明した実施形態は例示的なものであり、他の機構、装置、構成要素、および/または方法を使用して、弁の状態を決定することができ、使用することができることが理解される。例えば、止めねじ612または他の同様のガイドを使用して、ユーザーが底部キャップ600に対する圧縮ねじ544の回転/角度位置に応じて、弁が「保管」構成か「使用中」構成かを判断できるようにするために、案内用のへこみ、溝、またはマークを代わりに使用することができる。図21に示す例では、スプリングプランジャ610が底部キャップに設けられており、予圧ねじを押している。スプリングプランジャボールが凹部を横切って移動するときの手触りを得るために、凹部545が予圧ねじ544に形成されている。凹部545は、十分な予圧の圧力解放を可能にするように配置されている(通常、1/4~1/2回転の間)。弁を使用/設置する準備ができたら、弁の動作予圧を取り戻すために、エンドユーザーは予圧ねじを完全にねじ込めばよい。
【0072】
図示の実施形態では、作動アセンブリ500は、両方のプランジャセット402をそれらの開位置と閉位置との間で作動させるように動作可能である。上述のように、弁10は空気圧で作動され、それによって作動ガスが弁本体200内に注入されて、上部ピストン420と下部ピストン430との間の距離を制御する。図2に示すように、2つのピストンは、作動していないとき、皿ばねアセンブリ540とウェーブスプリング546によって互いに向かって押されているため、2つのピストンは接触している。作動機構500は、好ましくは、ガス入口502を介して上部ピストン420と下部ピストン430との間に作動ガスを供給するための空気圧アクチュエータを含む。弁が作動すると、ガスは上部ピストン420を上向きに押し、したがって常時開プランジャを閉位置に向かって摺動させ、次に下部ピストン430を下向きに押し、したがって下部プッシュプレートおよび/または常時閉プランジャ402を下向きに開位置に向かって移動可能とすることによって両方のピストンの付勢をつり合わせる。作動ガスがもはや注入されなくなると、皿ばねアセンブリ540およびウェーブスプリング546の付勢効果は、ピストン420、430をそれらの元の位置(すなわち、作動前)に戻すことを理解すべきである。
【0073】
図2および図7に見られるように、上部ピストン420および下部ピストン430は、弁本体200および底部キャップ600によって形成された内部チャンバ210内に配置されている。この実施形態では、内部チャンバ210は、概して上部ピストン420とプランジャ通路206との間に位置する上部領域212、下部ピストン430と底部キャップ600との間に位置する底部領域214、および上部ピストン420と下部ピストン430との間に位置する中間領域216を含む。上述のように、作動ガスは、ピストンを作動させるために、上部ピストン420と下部ピストン430との間に(すなわち、中間領域216に)注入される。ガス入口502は、例示的に、中間領域216と流体連通しており、作動ガスをそこに注入することを可能にする。図示の実施形態では、ガス入口502は、作動ガスの注入を促進するために中間領域216と略一致するように配置されるが、他の構成が可能であり、ガス入口502を他の適切な場所に配置できることが理解される。さらに、内部チャンバ210は、作動ガスが所望の領域(複数可)から逃げるのを防ぐように構成されたシーリング要素211を備えることができる。この実施形態では、一対のOリングが、ピストン420、430と内部チャンバ210の壁との間に配置されるため、内部チャンバ210に注入される作動ガスは、ピストン間に強いられる。
【0074】
ここで図6図7、および図10を参照すると、作動アセンブリ500は、ダイヤフラム304の底面と本体インターフェース202との間に位置する領域512(以下、「パージ領域」512と呼ぶ)を効果的にパージするように構成されたパージシステム510をさらに含む。いくつかの実施形態では、図6に見られるように、パージ領域512は、弁本体200の凹部204に沿ってダイヤフラム300の下方に(すなわち、ダイヤフラム300のプロセス溝302の下方に)位置する領域に対応する内側パージ領域512aと、凹部204と弁本体200の内壁との間の領域に対応する外側パージ領域512bとを含む。この実施形態では、パージシステム510は、弁10の構成要素内に一体的に形成され、ガス/流体をパージ領域512に送るように適合された1つまたは複数のチャネルを含む内側パージ回路514を含む。以下でさらに説明するように、図示の実施形態では、パージ回路は、ガス入口502を介して注入された作動ガスがチャネルに沿って流れてパージ領域512に到達し、次に弁10の内部を出て、効果的にパージ領域512をパージすることを可能にする。言い換えれば、パージシステム510は、注入された作動ガスの少なくとも一部がパージガスとして作用して、ダイヤフラム300の下方の領域(すなわち、パージ領域512)を効果的にパージすることを可能にする。
【0075】
いくつかの実施形態では、パージ回路514のチャネルは、作動ガスを内側パージ領域512aおよび/または外側パージ領域512bに送るおよび/または強いるための1つまたは複数の経路を画定することができる。図7の実施形態では、パージ回路514は、中間領域216(すなわち、作動ガスが最初に注入される場所)と上部領域212との間の流体連通を確立するように構成された第1の制御されたフロー・チャネル516を含む。制御されたフロー・チャネル516は、例示的に、上部ピストン420を貫通して延在して、中間領域216および上部領域212を効果的に接続するが、例えば、ある領域から別の領域にガスを送るための1つまたは複数の外部導管を提供するなど、他の構成が可能であることが理解される。
【0076】
作動ガスが上部領域212に入ると、ガスは、弁10を出る前に内側パージ領域512aに送られ、領域512aを効果的にパージすることができる。図7Aに見られるように、パージ回路514は第1の経路を含み、それに沿って作動ガスが流れて内側パージ領域をパージすることができる。この実施形態では、第1の経路は、A)作動ガスを中間領域216に注入することと、B)制御されたフロー・チャネル516を通って流れる作動ガスと、C)上部領域212に流入する作動ガスと、D)内側パージ領域512aに流入する作動ガスと、D)弁10を出る作動ガスとを含む。
【0077】
本実施形態では、上部領域212は、弁本体200を貫通して延在するプランジャ通路206を介してパージ領域512と流体連通している。プランジャ通路206は、中に挿入されたプランジャ402よりもわずかに大きくすることができ、それによって隙間を形成し、それを通して流体(例えば、作動ガス)が通って流れて、パージ領域512に到達することができる。プランジャ通路206を通って流れるガスは、プランジャ通路206が凹部204上で開放するので、概して、内側パージ領域512aへの流入に制限されることが理解される。いくつかの実施形態では、図15図18に見られるように、プランジャ402は、その外面に沿って延在する溝404を備えて、上部領域212とパージ領域512との間の流体連通を促進することができる。溝404は、らせん形状および/または鉛直方向に向けることができるが、他の構成が可能であることが理解される。例えば、プランジャ402は、流体がパージ領域512に到達することを可能にするために(外面の周りではなく)プランジャ402の構造を貫通して延在するチャネル(図示せず)を備えることができる。
【0078】
図7に戻って参照すると、制御されたフロー・チャネル516は、上記のように、ピストン420、430を作動させるために作動ガスが中間領域216に蓄積することを可能にするために、制御されたフロー・チャネル516を通る流体の流れを少なくとも部分的に防止するように適合された第1の流量制限器518を備えることができる。例示的な一実施形態では、第1の流量制限器518は、中間領域216内の所定の圧力に達するまで、通過する流体の流れを遮断するように構成された第1の逆止弁519を含む。第1の逆止弁519は、第1の逆止弁519が開いて、制御されたフロー・チャネル516を通って上部領域212に流体が流れることを可能にする圧力に対応する第1のクラッキング圧力を有する。クラッキング圧力は通常、逆止弁が動作する最小上流圧力に対応し、psi、psig、kPa、MPaなどの単位で提供され得る。
【0079】
図示の実施形態では、弁10は、作動ガスが弁10を出るのを可能にするためのガス出口504を含む。いくつかの実施形態では、ガス出口504は、内部チャンバ210と周囲環境との間の流体連通を確立するように配置される。したがって、弁10内の圧力は、ガスの一部がガス出口504を介して弁を出るのを可能にすることによって制御および/または調整することができる。本実施形態では、ガス出口504は、内部チャンバ210の上部領域212と周囲環境との間の流体連通を具体的に確立する。したがって、上部領域212内に位置する作動ガスは、(プランジャ通路206を介して)パージ領域512に向かって、および/または出口504に向かって流れることができる。
【0080】
本実施形態では、パージシステム510は、ガスが出口504を通って流れるのを少なくとも部分的に防止し、したがって、ガスをプランジャ通路206に押し上げてパージ領域512に入れるように適合された出口流量制限器520を含む。出口流量制限器520は、上部領域212内の圧力が出口クラッキング圧力以上であるときに流体がそこを通って流れることを可能にするように設定された出口クラッキング圧力を有する逆止弁521とすることができる。上部領域212の圧力は、内側パージ領域512aの圧力と略同じであるため、内側パージ領域512a内の圧力もまた、出口逆止弁521を開放できる前に出口クラッキング圧力に到達する必要があることを理解すべきである。流体(例えば、作動ガス)が出口504を介して排出される前にパージ領域512に送られることができるように、出口クラッキング圧力は、好ましくは第1のクラッキング圧力よりも高いことが好ましいことも理解される。いくつかの実施形態では、出口クラッキング圧力は、弁10の通常の使用中に上部領域212および内側パージ領域512aを前記大気圧より上に維持するために、周囲環境の大気圧より上に設定される。
【0081】
いくつかの実施形態では、中間領域216と上部領域212との間のガスの流れを制御することができる。例えば、図7および図10に見られるように、制御されたフロー・チャネル516は、通って流れるガスの流量を制限するように成形および構成されたフロー・リミッタ522を含むことができる。フロー・リミッタ522は、直径が減少し、第1の流量制限器518(例えば、第1の逆止弁519)の出口と連通して、上部領域212に流入するガスの流量を所定の流量に制限する通路524を単に含むことができる。フロー・リミッタ522は、有利には、パージ領域512をパージするために入口502を通して注入される作動ガスの量を減少させながら、弁10を作動させることを可能にする。フロー・リミッタ522の通路524は、例えば、真っ直ぐな通路、らせん状の通路、曲がりくねった通路など、任意の適切な形状および大きさを有することができる。
【0082】
図10に示されるものなどの他の実施形態では、フロー・リミッタ522は、第1の逆止弁519の出口に近接する上部ピストン420に設けられたインサートスロット526に係合可能な取り外し可能なインサート525を含むことができる。この実施形態では、通路524は、取り外し可能なインサート525を貫通して画定され、これによりインサート525をインサートスロット526に配置することによって、通路524を第1の逆止弁519の出口に接続して、流体の流量を制限する。複数の取り外し可能なインサート525は、異なるサイズおよび/または形状の通路524を備えることができ、それにより、インサート525の選択に基づいて流量を選択的に調整することができる。いくつかの実施形態では、フロー・リミッタ522を通る流体の流量は、約0.5cm/分~約2cm/分の間まで減少させることができる。代替的に、または追加的に、単一の取り外し可能なインサート525に、異なる直径を有する複数の通路524を設けることができ、それにより、インサート525がインサートスロット526に係合する方向(すなわち、半径方向位置)を変更すると、逆止弁519を上部領域212に接続する通路524が効果的に変更される。
【0083】
図23A図23Cに示されるように、そして図2および図7を参照すると、第1の逆止弁519および/または出口逆止弁521はさらに、逆止弁が閉じるそれぞれの閉鎖圧力(すなわち、第1の閉鎖圧力および出口閉鎖圧力)を有する。より具体的には、上部領域212および内側パージ領域512a内の圧力が出口クラッキング圧力に達すると、出口逆止弁521が開き、ガスが出口504を介して弁を出ることを可能にし、それと共に内側パージ領域512aから破片および他の不純物を効果的に引く。ガスが弁を出ると、内側パージ領域512aがパージされ、圧力が低下する。それが出口閉鎖圧力に達すると、出口逆止弁521はそれに応じて閉鎖し、ガスが再び内側パージ領域512aに送られることを可能にする。圧力は、出口クラッキング圧力に達するまで上部領域212および内側パージ領域512a内に蓄積し、このサイクルが繰り返される。
【0084】
既存のパージされるガスクロマトグラフィー(GC)ダイヤフラム弁は、一般的に、キャリアガス供給源に接続されたフローオリフィスを介して供給される連続パージフローを必要とする。これは余分なキャリアガスを消費し、キャピラリカラムを使用する場合、パージフローはキャリアフローと同じオーダーになる。したがって、このタイプの構成は、主にヘリウムを使用する場合、キャリアガスの点で不便で高価である。
【0085】
上記のパージシステムの目的は、ダイヤフラムの下に不活性ゾーンを設定して、ダイヤフラムを通過する大気の透過を回避することである。これは、パージされないダイヤフラム弁の実際の問題である。ダイヤフラムを通過する大気の透過があると、分析結果に干渉するキャリアガスの汚染をもたらす。パージはまた、ダイヤフラムの下に有害な不純物が蓄積するのを減らし、潜在的に排除することができる。提案された弁と方法では、動的パージ、つまり連続フローに依存する代わりに、「静的」パージプロセスが使用される。提案された方法は、キャリアガスを使用して目標容積(すなわち、パージ領域)内に圧力を構築し、それを大気圧のすぐ上の値まで低下させ、空気を目標容積、すなわちダイヤフラムの下の空間内へ希釈することに依存している。図23Dの例示的な実施形態に見られるように、数サイクル後、ダイヤフラムの下に空気はなくなる。
【0086】
図7図10に加えて引き続き図23A図23Cを参照すると、キャリア/作動ガス供給源の入口を制御する弁(通常は3方向ソレノイド弁)を作動させると、キャリアガスは、第1の逆止弁519(CV1)を通って、およびフローオリフィス524(R1)を通って流れ、容積内への実際の流れを制限し、それをゆっくりと加圧する。その領域内の圧力が第2の逆止弁533(CV2)のクラッキング圧力、例えば約1PSIGに達すると、逆止弁533(CV2)が開放される。開放されると、第2の逆止弁を通る流れは、オリフィス524を通る流れよりも多くなる。これは、第2の逆止弁の断面よりもはるかに小さいオリフィスの大きさ(例えば、0.0005インチ(0.0127mm)の範囲内)を選択することによって実現される。その結果、圧力はパージ領域内へと減少し、第2の逆止弁が閉じる。いくつかの実施形態では、ガスがオリフィス(R1)に到達する前にガスを効果的に濾過してオリフィスを閉塞する/詰まらせるのを防ぐために、第1の逆止弁(CV1)に接続されたフィルターまたは濾過システム(図示せず)を提供することが有用となり得る。例えば、制限フィルターなど、オリフィス(R1)の代わりに、他の任意の制限を加えるもの(複数可)を使用できることが理解される。
【0087】
図23Bに示すように、第1と第2の逆止弁の開放および閉鎖圧力間には差があり、弁のヒステリシスが生じる。圧力循環は、作動ガス/キャリアガス供給弁が遮断されるまで続く。この段階では、容積/パージ領域内で流れが停止するが、第2の逆止弁が閉じて容積を大気から隔離するため、容積はさらに閉鎖圧力とクラッキング圧力の間のある値に加圧される。数回の圧力サイクルの後、希釈効果により、すべての空気がパージ容積からほぼ完全に排除される。したがって、作動ガスの消費は、作動ガスの入口/ソレノイド弁が開いている場合にのみ発生する。通常、作動圧力とオリフィス524の大きさによって駆動される、約1SCCM(標準立方センチメートル/分)の流量目標は、過剰なガスの使用を効果的に制限しながら、適切なパージを保証するのに十分である。
【0088】
図23C、ならびに図2図7、および図10を参照すると、弁SV1は、弁を作動させるために使用される。SV1が作動すると、キャリア/作動ガスがピストン間の容積を加圧し、ピストンを離す。上部ピストンプレートには、図23CでCV1およびR1として識別される、第1の逆止弁519とフローオリフィス524が組み込まれている。図7に示すように、第2の逆止弁533、つまりCV2が、弁の側壁に嵌合している。あるいはまた、第2の逆止弁533(CV2)は、弁上部ピストンで画定された容積ベントに接続された管の端部に設置することができる。
【0089】
引き続き図23Aおよび図23Bを参照すると、図は、内側パージ領域512a内の圧力が出口クラッキング圧力と出口閉鎖圧力の間で振動し(図23B)、パージ領域が効果的にパージされるパルスパージサイクルを作り出すことを示している。いくつかの実施形態では、出口クラッキング圧力は、パージ領域512内の圧力が周囲環境の圧力以上に上昇するように、約0.5psig~約1.5psigの間とすることができるが、他の圧力が可能であることが理解される。単位「psig」は、ポンド/平方インチゲージを指し、通常は供給タンクまたはチャンバと外気との間の圧力差を示すことを理解すべきある。さらに、出口閉鎖圧力は、本明細書に記載されるようなパルスパージサイクルを可能にする任意の適切な圧力とすることができる。
【0090】
パージシステムは、パージを実行するためのガス入口を通して注入された作動ガスを使用するので、弁の通常の使用中にパルスパージサイクルが実行される。作動ガスが注入される圧力は、圧縮ねじを介して下部ピストンに印加される負荷に依存する可能性があり、例えば、作動ガスは、約50psig~約70psigの間の圧力で注入することができるが、弁が対象とする特定の用途、および/または所望の最終結果に応じて、他の圧力を使用できることが理解される。例えば、そして図23Aに示されるように、作動ガスは、弁10を効果的に作動させるのに十分な圧力を提供するために、入口502を介して注入される。この実施形態では、入口に近接する圧力は、弁10が作動されている(すなわち、オンにされている)間、略一定のままであり、弁がオフにされると、約ゼロに降下して戻る。弁が調整されると、図23Bに示されるように、パージ領域内の圧力が出口クラッキング圧力と出口閉鎖圧力との間で変動しなくなり、したがって容積が出口クラッキング圧力と出口閉鎖圧力との間のある圧力に分離されることに注意されたい。パルスパージサイクルはまた、弁10を通って流れる連続的なパージ流の必要性が排除されるので、弁の通常の使用中に使用されるガスの量を減らすことができる。
【0091】
つまり、弁が作動するたびに、ダイヤフラムと上部ピストンとの間に画定された容積が、CV2のクラッキング圧力と閉鎖圧力との間で循環する。この循環は、SV1が閉鎖するまで繰り返される。その瞬間、弁は作動せず、次の作動まで弁を通る流れはない。パージガスは、プランジャの周りを流れることにより、ダイヤフラムの下の空間に到達することができる。
【0092】
前に説明したように、静的パージ循環は弁が作動しているときにのみ発生するため、キャリア/作動ガスは弁の作動中にのみパージガス供給源として使用される。システムは作動ガスをパージガスとして使用するため、追加の入口パージポートは必要ない。この方法のもう1つの利点は、ダイヤフラムの下の容積/領域が常に大気圧を超えており、弁内へ戻る大気の拡散が減少するのを助長し、試料からパージ領域への不純物の透過が大幅に減少する。
【0093】
両方の逆止弁を弁の外側に取り付けることができることに留意すべきである。しかしながら、追加の管と継手が必要になるため、完全に統合された設計によるコンパクトな利点は大幅に減少する。このトレードオフは、例えば、リサイクル目的または適切な廃棄物処理のためにパージガスを回収することが望まれる場合に必要になることがある。したがって、いくつかの実施形態では、出口504は、弁を出るガスを(例えば、ガスのリサイクルまたは廃棄のために)別の構成要素/装置に送るために管をそれに接続するように適合させることができる。他の実施形態では、逆止弁を弁10の外側に配置することは、濾過されていないおよび/または汚れた作動ガスを使用する場合に有用である可能性があるのに対して、弁10は、逆止弁(または他の装置)を弁に接続するために使用される追加の管を介して濾過システム(図示せず)に接続することができる。弁10は、その構造内(すなわち、完全に統合されている)、その構造の外側(すなわち、余分の管および継手に接続されている)、またはそれらの組み合わせのいずれかで、任意の適切な数の逆止弁(または他の同様の装置および/または制限装置)を備えることができることにも留意すべきである。
【0094】
図23A図23B図23C図2図7、および図10だけでなく、図8および図15もさらに参照すると、プランジャとそれに対応するプランジャ通路との間の間隔/ギャップは、非常に小さい可能性があるため、作動ラインとダイヤフラムの下に位置するパージ領域との間の流れまたは空気の交換を制限することができる。この制限により、パージプロセスが遅くなり、提案されたパージシステムの有効性が限定される可能性がある。プランジャと通路の側壁との間のこのような狭い公差の影響を限定するために、図15に最もよく示されるように、プランジャの外面に渦巻き状/らせん状の溝を形成できる。溝404は、プランジャのベース部分とヘッド部分との間で常に流体交換が行われることを保証し、パルスパージ法が効果的であることを可能にする。
【0095】
ここで、図2図7図10、および図23A図23Cに加えて、図23Dを参照すると、パルスパージ法は、弁10の特定の領域または区画に存在する不純物(例えば、環境からの破片、以前の測定からの残留ガスなど)の除去または少なくとも量の削減に役立つ可能性がある。図23Dに見られるように、不純物の濃度は、パルスパージサイクルの後続の各々のパルスによって実質的に指数関数的に減少する。例示的な一実施形態では、パージされる容積は実質的に0.5mLに等しく、出口504を通るガスの流れは約1mL/分に維持される。したがって、パージされる容積は30秒ごとに完全にリフレッシュ/パージされる。30秒ごとに約50%の流体の希釈(つまり、各30秒後に空気の量が実質的に半分になる)を想定すると、弁10を約5分間作動させると、パージされる容積が約10回リフレッシュされ、空気の量、したがって不純物の濃度を、(図23Dに示すように)約0.1%未満に低下させる。弁をさらに5分間作動させると、パージされる容積内の空気の量を約1PPM未満に低下させることができるため、パージされる容積内にこれ以上空気がないと推定できることが理解される。しかしながら、弁10の様々な構成要素の所望の結果および設定(例えば、出口504を通る流体の流れ、パージされる領域の容積など)に応じて、他の構成が可能であることが理解される。
【0096】
ここで図24図26を参照すると、パージ回路514は、代替的に、または追加的に、入口502を通して注入される作動ガスがパージ領域512に到達することを可能にする第2の経路を画定するチャネルを含むことができる。例えば、第2の経路は、作動ガスを入口502から外側パージ領域512bに送るように構成することができるのに対して、第1の経路は、上記のように、作動ガスを内側パージ領域512aに送るように構成することができる。したがって、パージ回路514は、作動ガスが(第1の経路を介して)内側パージ領域512aおよび(第2の経路を介して)外側パージ領域512bに到達することを可能にすることができるため、ダイヤフラム300の下方の領域のほとんどが、(例えば、凹部204の両側で)弁10の使用中にパージされる。
【0097】
図24に見られるように、パージ回路514は、内部チャンバ210の上部領域212と外側パージ領域512bとの間の流体連通を確立するために、弁本体200の一部を通って延在する1つまたは複数の外側チャネル528を含むことができる。この実施形態では、外側チャネル528は、略直線状(例えば、鉛直)であり、障害物がないが、他の構成が可能であることが理解される。例えば、外側チャネル528は、外側パージ領域512bに入るガスの流量を減らすために、曲がりくねった構成を有することができる。さらに、図示の実施形態では、パージ回路514は、弁本体200内で互いに略反対側に配置された2つの外側チャネル528を含む。しかしながら、パージ回路514は、例えば、単一の外側チャネルまたは2つより多い外側チャネルなどの他の適切な数の外側チャネル528を含むことができることが理解される。
【0098】
したがって、外側パージ領域512bは、前述したのと略同じパルスパージサイクルを受けることができることを理解すべきである。実際、内側パージ領域512aおよび外側パージ領域512bの両方は、出口504に接続する上部領域212と流体連通している。したがって、この実施形態では、内側パージ領域512a内の圧力は、外側パージ領域512b内の圧力と略同じように変化するが、他の構成も可能である。
【0099】
他の実施形態では、そして図25に示されるように、外側チャネル528は、内部チャンバ210に接続されることなく、ガス入口502と直接流体連通することができる。この実施形態では、パージ回路514は、ガス入口502と内部チャンバ210との間に延在する第1のチャネル515aと、その第1の端部で第1のチャネル515aから延在し、反対側の端部で外側パージ領域512bに開口する、第2のチャネル515bとを含む。したがって、ガス入口502を介して注入された作動ガスは、第1のチャネル515aを介して内部チャンバ210に流れ込み、第2のチャネル515bを介してパージ領域512に向かって流れることができる。この場合、第2のチャネル515bは外側チャネル528のうちの1つであり、パージ回路514は例示的に単一の外側チャネル528を含むことを理解すべきである。しかしながら、他の構成が可能であることが理解される。
【0100】
図示の実施形態では、外側チャネル528は、それを通過する流体の流れを少なくとも部分的に防ぐように適合された第2の流量制限器532を含み、したがって、第2の制御されたフロー・チャネル530を画定することができる。より具体的には、第2の制御されたフロー・チャネル530は、ガス入口502と外側パージ領域512bとの間の流体連通を確立するように構成することができる。第2の流量制限器532は、ピストンを作動させるために作動ガスを第1のチャネル515aに沿って内部チャンバ210に押し込むために、第2の制御されたフロー・チャネル530を通過する流体の流れを防ぐことができる。
【0101】
例示的な一実施形態では、第2の流量制限器532は、第2の逆止弁533の上流の所定の圧力に達するまで、それを通過する流体の流れを遮断するように構成された第2の逆止弁533を含む。第2の逆止弁533は、第2の逆止弁533が開いて第2の制御されたフロー・チャネル530を通過してパージ領域512(すなわち、外側パージ領域512b)に流体が流入することを可能にする圧力に対応する第2のクラッキング圧力を有する。中間領域216、第1のチャネル515a、および第2のチャネル515bは、圧力がこれらの部分の各々で略同じとなるように、互いに流体連通していることを理解すべきである。したがって、中間領域216の圧力が第2のクラッキング圧力に達すると、第2の逆止弁533が効果的に開き、流体の流れが外側パージ領域512bに到達することを可能にすることを理解すべきである。
【0102】
さらに、パージ回路514は、パージ領域512a、512bの様々な部分を互いに連結するように成形および構成された内側通路をさらに含むことができ、したがって、これらの領域内のガスのより均一な分配を可能にする、および/またはパージ領域のより効率的なパージを可能にする。例えば、図25に見られるように、パージ回路514は、外側パージ領域512bと中央締結具207に近接するパージ領域512の領域との間(例えば、弁本体の凹部と中央締結具の207との間)の流体連通を確立するように配置されたプランジャパージチャネル534を含むことができる。より効率的なパージサイクルを可能にするために、作動ガスが様々な領域および/または部分に出入りして流れることを可能にするために、代替のまたは追加のチャネル/通路を弁10の構造内に提供できることが理解される。
【0103】
図25および図26を参照すると、ガス出口504は、外側パージ領域512b内の弁本体200内に画定された出口開口部505を介して、外側パージ領域512bと流体連通している。ガス出口504は、前述のように、出口流量制限器520を備えて、外側パージ領域512b内の圧力が、弁10を出る前に出口クラッキング圧力に確実に到達するようにすることができる。ガス出口504は、所定のパージ流(すなわち、パージ領域を出る作動ガスの流れ)が弁10を出ることができるような形状および大きさに作られたオリフィスを有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガス出口504は、約1sccmのガスのパージ流が弁を出ることができるような形状および大きさに作られるが、他の構成も可能である。この場合も、この実施形態では、外側パージ領域512bは、内側パージ領域512aに関連して前述したものと同様のパルスパージサイクルを受けることが理解される。
【0104】
ここで理解できるように、本明細書に記載の弁の実施形態は、作動ガスを使用して、そしてパルスサイクルを介して、ダイヤフラムと弁本体との間に位置する領域のパージを可能にする。言い換えれば、パージシステムを使用して、ダイヤフラムの下の領域(すなわち、パージされる領域)に制御された雰囲気/環境を作り出すことができ、これは通常、キャリアガスで満たされている。パージ領域がキャリアガスで満たされている場合、ダイヤフラムに沿ったプロセスフローとパージ領域との間の透過交換は、ダイヤフラムの一方の側から他方の側に移動するキャリアガス分子からなることを理解すべきである。したがって、プロセスの性質が変化すると(例えば、プロセスフローに沿って流れる流体が変化すると)、新しい分子は(透過を介して)ダイヤフラムを通過しようとする。これらの分子は、パージシステムによって捕捉される、および/またはパージ領域の容積で希釈される。有利なことに、これらの分子が本質的に危険である場合、それらは制御された安全な方法でその後処分することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、パージシステムの各々のサイクル(すなわち、各々のパルス)は、所定の順序に従って、または必要性に基づいて、同じ領域を繰り返し効果的にパージするか、または様々な領域をパージするように適合させることができる。さらに、記載された弁のパージ回路は、弁内で完全に画定されることが有利であり、すなわち、パージ回路は、弁の統合部品であり、完全に中に含まれるため、外部管および/または作動ガスの入口/出口に加えて特定のパージガス入口/出口の必要性を排除する。上記のパルスパージサイクルは、他の用途に適用することができ、弁10の作動ガス以外の流体を使用して可能にすることができることに留意すべきである。
【0106】
記載された実施形態のうちの1つを使用してダイヤフラムの周り(例えば、下)に位置するパージ領域をパージするための対応する方法は、a)ガス入口を介して弁に作動ガスを注入するステップと、b)パージ領域に到達させるために作動ガスをパージ回路に沿って送るステップと、c)パージ領域を加圧するステップと、d)ガス出口を介して弁内から作動ガスを放出し、弁を効果的にパージするステップとを含むことができる。この方法は、パージ領域を加圧することに加えて、またはその代わりに、パージ領域を真空に接続することを含むことができることにも留意すべきである。
【0107】
さらに、弁およびその対応する部品の実施形態は、本明細書で説明および図示されるような特定の幾何学的構成からなるが、これらの構成要素および幾何学的形状のすべてが必須であるとは限らず、したがってそれらの限定的な意味で解釈されるべきではない。本明細書で簡単に説明されるように、そして当業者によって本明細書から容易に推測され得るように、他の適切な構成要素およびそれらの間の連携、ならびに他の適切な幾何学的構成が、弁に使用することができることも当業者には明らかであることが理解されるべきである。さらに、例えば、「上部」、「底部」、「上方」、「下方」、「左」、「右」などの位置の説明は、特に明記しない限り、図の文脈で解釈されるべきであり、限定と見なされるべきではないことが理解される。
【0108】
さらに、本説明の文脈において、すべての細長い物体は、例えばプランジャの長手方向軸、または例えばパージ回路の通路の中心線などの、暗黙の「長手方向軸」または「中心線」を有すると見なされ、「接続された」および「接続可能な」、または「取り付けられた」と「取り付け可能な」などの表現は、本発明が結果として生じる完全に組み立てられた完全に動作する弁および/または関連するプランジャ・アセンブリおよび/または作動アセンブリを組み立てるための様々な構成要素を含むという点で交換可能とすることができると見なされる。
【0109】
さらに、本発明の構成要素および/または本明細書に記載の方法(複数可)のステップは、本明細書で簡単に例示され、当業者にも明らかであるように、本発明が目的とする特定の用途および所望の最終結果に応じて、本発明の範囲から逸脱することなく、修正、簡略化、変更、省略、および/または交換することができる。
【0110】
本明細書では、いくつかの代替の実施形態および実施例が説明および図示されている。上記の本発明の実施形態は、例示のみを意図している。当業者は、個々の実施形態の構成、および構成要素の可能な組み合わせおよび変形例を理解するであろう。当業者は、実施形態のいずれかが、本明細書に開示される他の実施形態と任意の組み合わせで提供できることをさらに理解するであろう。本発明は、他の特定の用途または構成で具体化され得ることが理解される。したがって、本実施例および実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は、本明細書で与えられる詳細に限定されるべきではない。したがって、特定の実施形態が図示および説明されてきたが、本発明から大きく逸脱することなく、多くの修正が思い浮かぶ。
【0111】
本開示では、一実施形態は、ダイヤフラム弁の一実施例または実装形態である。「1つの実施形態」、「一実施形態」、または「いくつかの実施形態」の様々な出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。様々な構成が単一の実施形態の文脈で説明され得るが、構成はまた、別個にまたは任意の適切な組み合わせで提供することができる。逆に、ダイヤフラム弁は、明確にするために別個の実施形態の文脈で本明細書に記載され得るが、それは単一の実施形態で実装することもできる。本明細書における「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「1つの実施形態」、または「他の実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の構成、構造、または特性が少なくともいくつかの実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態に含まれるわけではないことを意味する。
【0112】
図面の同様の構成には、同様の符号が与えられていることも理解すべきである。図面の明確さを維持するために、いくつかの符号は、前の図ですでに識別されている場合は省略されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図7A
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図23D
図24
図25
図26
【国際調査報告】