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▶ エドリン・フーズ・ピーティワイ・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/04 20060101AFI20230215BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
B05B11/04 L
B65D83/00 M
B05B11/04 E
B05B11/04 B
B05B11/04 Q
B05B11/04 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537623
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 AU2020051376
(87)【国際公開番号】W WO2021119736
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】2019904760
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522241413
【氏名又は名称】エドリン・フーズ・ピーティワイ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205693
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 協一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207620
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 なつき
(72)【発明者】
【氏名】ジャクリーン・サベージ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ウィークス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ドネリー
(72)【発明者】
【氏名】アイーダ・ゴルネシン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・シェリー
(72)【発明者】
【氏名】ブリタニー・プジョル
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014KA02
(57)【要約】
本発明は、たとえば、その内容物を供給するために押しつぶされるように適合される種類のディスペンサに関する。ディスペンサは、供給される内容物を含有する可撓性容器と係合するように適合された少なくとも1つの容器係合要素であって、可撓性容器の内容物を受け入れて、供給開口を通して供給するように構成された供給開口を含む、少なくとも1つの容器係合要素と、少なくとも1つの容器係合要素と動作可能に関連付けられ、少なくとも1つの容器係合要素の供給開口を受け入れるように構成された開口を含むベースとを備え、少なくとも1つの容器係合要素は、可撓性容器の少なくとも一部を所定の位置に維持するように構成され、可撓性容器の内容物は、可撓性容器に圧力が加えられているときに供給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される内容物を含有する可撓性容器と係合するように適合された少なくとも1つの容器係合要素であって、前記可撓性容器の前記内容物を受け入れて、供給開口を通して供給するように構成された前記供給開口を含む、前記少なくとも1つの容器係合要素と、
前記少なくとも1つの容器係合要素と動作可能に関連付けられ、前記少なくとも1つの容器係合要素の前記供給開口を受け入れるように構成された開口を含むベースと
を備え、
前記少なくとも1つの容器係合要素が、前記可撓性容器の少なくとも一部を所定の位置に維持するように構成され、前記可撓性容器の前記内容物が、前記可撓性容器に圧力が加えられているときに供給される、
ディスペンサ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの容器係合要素を取り外し可能に受け入れるための内部空間を画定する弾性変形可能なディスペンサ本体をさらに備える、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記ベースが、前記少なくとも1つの容器係合要素に接続されるように構成される、請求項1又は2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記ベースが、前記ディスペンサ本体に接続されるように構成される、請求項2又は3に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記ディスペンサ本体を押しつぶしたときに閉じるように構成された一方向弁をさらに備え、それによって、前記内部空間内の空気が前記一方向弁を介して出ることを防ぐ、請求項2~4のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記ディスペンサ本体を押しつぶすことにより、前記内部空間内の空気圧が上昇し、空気圧の上昇が前記可撓性容器に前記圧力を加え、それによって、その内容物を供給し、前記可撓性容器が、前記少なくとも1つの容器係合要素の少なくとも一部又は前記少なくとも1つの容器係合要素によって画定される空洞に、少なくとも部分的に折り重なる又は崩れる、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの容器係合要素が、前記可撓性容器内に少なくとも部分的に取り外し可能に受入れ可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの容器係合要素が前記可撓性容器内に少なくとも部分的に置かれると、前記少なくとも1つの容器係合要素が、壁を所定の位置に維持するために、少なくとも前記可撓性容器の前記壁と係合するように構成される、請求項7に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記供給開口が、前記可撓性容器の前記内容物をそれを通して供給することができるように構成され、空気が前記ディスペンサの外部環境から前記可撓性容器に入ることを防ぐようにさらに構成された一方向弁を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの容器係合要素のまわりに配設されるシールをさらに備え、前記ベースが前記ディスペンサ本体に接続されたとき、前記ディスペンサ本体が前記シールと係合するように構成され、それによって、前記内部空間を気密封止又は略気密封止する、請求項4、又は請求項4に従属する限りにおいて請求項5~9のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記ディスペンサが、前記ベースを介して面上に置かれるように構成され、それにより、前記可撓性容器が略反転された向きになり、前記供給開口及び前記可撓性容器の開口が前記面に略面する、請求項1~10のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項12】
第1の容器係合要素と、第2の容器係合要素とを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記第1の容器係合要素が、前記第2の容器係合要素に対して移動可能である、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記第1の容器係合要素及び前記第2の容器係合要素が、前記可撓性容器の少なくとも一部を前記所定の位置に維持するために、前記可撓性容器と係合するとき、略対向して配置されるように構成される、請求項12又は13に記載のディスペンサ。
【請求項15】
前記第1の容器係合要素が、第1の部分係合位置と第2の完全係合位置との間で、前記第2の容器係合要素に対して移動可能であり、前記第1の部分係合位置において、前記第1及び第2の容器係合要素のうちの少なくとも1つが、前記可撓性容器の中に受け入れられたときに、前記可撓性容器の前記壁と少なくとも部分的に係合するように構成され、前記第2の完全係合位置において、前記第1及び第2の容器係合要素が、前記可撓性容器の中に受け入れられたときに、協働して、前記可撓性容器の前記壁の略対向する部分と係合するように構成される、請求項8に従属する、請求項13又は14に記載のディスペンサ。
【請求項16】
前記第2の完全係合位置において、前記第1及び第2の容器係合要素が、前記可撓性容器の中に受け入れられたときに、協働して、前記可撓性容器の前記壁の大部分と係合するように構成される、請求項15に記載のディスペンサ。
【請求項17】
前記第1の容器係合要素が、前記第2の容器係合要素の中に少なくとも部分的に受入れ可能であり、前記第2の容器係合要素に取り外し可能に接続可能である、請求項12~16のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項18】
前記第1の容器係合要素が前記供給開口を含む、請求項12~17のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項19】
前記ディスペンサ本体が、テーパ部又は溝部を含み、前記テーパ部又は溝部が、前記可撓性容器が前記少なくとも1つの容器係合要素に対して移動することを防ぐ又はその可能性を減少させるために、前記可撓性容器及び前記少なくとも1つの容器係合要素と係合するように適合される、請求項2、又は請求項2に従属する限りにおいて請求項3~18のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項20】
互いに移動可能である第1の容器係合要素及び第2の容器係合要素を備え、前記第1及び第2の容器係合要素が、供給される内容物を含有する可撓性容器と係合するように適合され、前記第1及び第2の容器係合要素が、前記可撓性容器の少なくとも一部を所定の位置に維持するために、前記可撓性容器と係合するときに、略対向して配置されるように構成され、前記可撓性容器の前記内容物が、前記可撓性容器に圧力が加えられているときに供給される、ディスペンサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押しつぶして、それによって、その内容物を供給するように適合されたディスペンサに関する。本発明は、ケチャップ、ソース、マスタード、マヨネーズ、サラダドレッシングなどの調味料を含有する、押しつぶすことができるボトルに対する特定の用途を有するが、そのような用途に限定されない。
【背景技術】
【0002】
ケチャップ、マスタードなどの調味料を供給するための押しつぶすことができるボトルは、一般に、よく知られている。容易に使用可能且つ理解可能である1つの一般的なデザインは、略尖った供給開口又は先端からキャップを取り外すことと、ボトルを逆さまにすることと、次いで、ボトルを押しつぶしてその内容物を供給することとを含む。そのような押しつぶすことができるボトルの使用と関連付けられる主な問題の1つは無駄である。特に、ボトルの最後の残りの内容物を搾り出すことは一般に難しい。この問題に対処するため、1つのアプローチは、略逆さまの向きで使用及び保管可能である押しつぶすことができるボトルの設計であり、供給開口は、保管時にボトルが載るボトルの下端に位置する。このように、ボトルの内容物は、ボトルを最初に逆さまにすることなく供給されてもよい。このデザインでは、供給開口は、主として、漏れ耐性のある弁を含む。
【0003】
商業的用途に関しては、容器の頂部開口から延在するプランジャ型弁を有する大きな調味料容器が、押しつぶすことができる手で持てるサイズのボトルよりも一般に使用されている。しかしながら、この形態の供給容器は、特定の欠点を有する。たとえば、これらの調味料容器は通常、他のより大きな容器から移動させることによって補充される。このプロセスは、漏出の危険性を増加させ、さらに、調味料を環境に曝し、それは、製品寿命の減少、したがって、潜在的な無駄をもたらすことがある。
【0004】
代替的なアプローチは、米国特許第9,522,405号明細書で開示されている。そのアプローチでは、供給される内容物を含有する略可撓性の容器は、使用のためにディスペンサに挿入されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、これまでのデザインの1つ又は複数の問題に対処することができる代替的なディスペンサデザインを提案する。
【0006】
本明細書におけるいかなる先行技術への言及も、この先行技術が任意の法域における共通の一般的な知識の一部を形成すること、又は、この先行技術が当業者によって他の先行技術と組み合わされると合理的に期待される可能性があることを承認又は提案するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本発明は、供給される内容物を含有する可撓性容器と係合するように適合された少なくとも1つの容器係合要素であって、可撓性容器の内容物を受け入れて、供給開口を通して供給するように構成された供給開口を含む、少なくとも1つの容器係合要素と、少なくとも1つの容器係合要素と動作可能に関連付けられ、少なくとも1つの容器係合要素の供給開口を受け入れるように構成された開口を含むベースとを備え、少なくとも1つの容器係合要素が、可撓性容器の少なくとも一部を所定の位置に維持するように構成され、可撓性容器の内容物が、可撓性容器に圧力が加えられているときに供給される、ディスペンサを提供する。
【0008】
少なくとも1つの容器係合要素は、可撓性容器の少なくとも一部を所定の位置で維持するために、ある位置に移動可能であってもよい。
【0009】
1つの実施形態において、圧力は、可撓性容器を押しつぶすことによって、可撓性容器に直接加えられてもよい。代替的な実施形態において、少なくとも1つの容器係合要素は、ディスペンサ本体内に取り外し可能に受け入れられてもよい。ディスペンサ本体は好ましくは、少なくとも1つの容器係合要素を受け入れるための内部空間を画定する。本実施形態において、圧力は、ディスペンサ本体を押しつぶすことによって、可撓性容器に間接的に加えられてもよく、ディスペンサ本体を押しつぶすことによって、内部空間内の空気圧が上昇し、空気圧の上昇は可撓性容器に圧力を加え、それによって、その内容物を供給する。
【0010】
ディスペンサ本体は好ましくは、非対称的な形態であり、その第1の端部における略円形の断面と、その第2の端部における略楕円形の断面とを有する。好ましくは、ディスペンサ本体の第2の端部の断面は、ディスペンサ本体の第1の端部の断面がある平面に対して角度をつけられた平面内にある。第1の端部は好ましくは供給本体の下端部であり、第2の端部は好ましくは供給本体の上端部である。上記の特徴の1つ又は複数をディスペンサ本体に提供することにより、ディスペンサ本体の全体的な人間工学的形態が強化される。
【0011】
ディスペンサ本体は好ましくは、一方向空気弁を含む。一方向空気弁は、ディスペンサ本体を押しつぶしたときに閉じるように構成され、それによって、内部空間内の空気が一方向弁を介して出ることを防ぐ。特に、ディスペンサ本体が押しつぶされるとき、内部空間の容積は減少し、内部空間内の空気圧の対応する上昇を引き起こす。空気圧の上昇により、一方向空気弁は閉じられる。空気圧の上昇はさらに、可撓性容器を変形させ、それによって、可撓性容器の内容物を、少なくとも1つの容器係合要素の供給開口を介して供給する。その内容物が供給されると、可撓性容器内に部分真空が形成されてもよい。可撓性容器内の部分真空と連結された内部空間内の空気圧の上昇により、可撓性容器は、少なくとも1つの容器係合要素の少なくとも一部又は少なくとも1つの容器係合要素によって画定される空洞に、少なくとも部分的に折り重なる又は崩れる。これにより、可撓性容器の内容物の略すべてが使用中に供給されることが保証される。
【0012】
一方向空気弁は好ましくは、ディスペンサ本体の上端部に、又は、上端部に向けて設けられる。一方向空気弁は傘型弁であってもよい。好ましくは、一方向空気弁はダックビル型弁である。しかしながら、一方向弁は、当業者が好適であると考える任意の他の一方向弁であってもよい。
【0013】
ディスペンサ本体を押しつぶす圧力が解放されると、一方向空気弁は開き、ディスペンサ本体に空気を引き込むことができ、それによって、内部空間内の空気圧が均一になる。
【0014】
少なくとも1つの容器係合要素はまた、好ましくは、可撓性容器内に取り外し可能に受入れ可能である。可撓性容器は好ましくは、閉端部と、閉端部の反対側の開放可能端部とを含む。可撓性容器がその開放可能端部を開くと、少なくとも1つの容器係合要素は、その中に取り外し可能に受入れ可能である。可撓性容器内に受け入れられると、少なくとも1つの容器係合要素は、壁を所定の位置に維持するために、少なくとも可撓性容器の壁と係合する。好ましくは、壁は可撓性容器の内壁である。所定の位置は、実質的に、可撓性容器の開位置に対応する。少なくとも1つの容器係合要素は好ましくは、シールも含む。少なくとも1つの容器係合要素が可撓性容器内に受け入れられると、シールは、可撓性容器の少なくとも一部に接触してもよい。好ましくは、少なくとも1つの容器係合要素のシールは、可撓性容器に接触しない。シールは、少なくとも1つの容器係合要素のフランジ上に置かれてもよい。シールは好ましくは、少なくとも1つの容器係合要素とディスペンサ本体との間に、流体(たとえば、気密)シールを提供する。好ましくは、ベースと、ディスペンサ本体と、少なくとも1つの容器係合要素と間の係合は、流体シールをつくるために、シールに圧縮荷重を与え、ディスペンサが組み立てられたときに、シールが動作可能に保持されることを保証する。シールは、Oリングシールなどの別個の取り外し可能な要素であってもよく、又は、少なくとも1つの容器係合要素の外面上に成形されてもよい。シールは、ゴム又はシリコーンを備えてもよい。シールは、円形、長方形、U字形、L字形などの、任意の好適な断面プロファイル形状とすることができる。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの容器係合要素は、可撓性容器の長さに少なくとも部分的に沿って延在する。好ましくは、少なくとも1つの容器係合要素は、可撓性容器の長さの約30%~50%の範囲で延在する。可撓性容器は好ましくは、変形可能、折りたたみ可能、折り曲げ可能、そして反転可能である。可撓性容器は好ましくは、ポーチ、又はバッグ、又はライナの形態である。可撓性容器は好ましくは、薄膜状材料を備える。可撓性容器は、使用後、廃棄されてもよい。1つの実施形態において、可撓性容器は、約100mmの幅及び約300mmの長さを有し、引き裂き可能なノッチは、その長さに沿って約220mmのその外壁に位置する。可撓性容器は、容器の内容物が幅約90mm及び長さ約300mmである空洞内に置かれるような、その側縁に沿った5mm以下の継ぎ目も含んでもよい。底縁部も、5mm以下の長さの継ぎ目を含んでもよいが、好ましくは、底縁部は、薄膜状材料の折り曲げ線と関連付けられ、したがって、追加の継ぎ目を必要としない。結局、可撓性容器は、変形可能、折りたたみ可能、折り曲げ可能、反転可能にできないほど剛性にすべきではない。
【0016】
上記のように、少なくとも1つの容器係合要素は、供給開口を含む。供給開口は、可撓性容器の内容物を受け入れ、それによって、開口を通して内容物を供給するように構成される。供給開口は閉鎖可能であってもよい。供給開口は好ましくは、弁を含む。弁は好ましくは、可撓性容器の内容物をそれを通して供給することができるが、空気が外部環境から可撓性容器に入ることを防ぐ一方向弁である。したがって、有利なことには、一方向弁は、可撓性容器の内容物を保持し、可撓性容器の内容物の傷みを防ぐように働く。一方向弁は、ダックビル型弁であってもよく、又は、当業者が好適であると考える任意の他の一方向弁であってもよい。弁は、可変サイズ及び形状であってもよく、且つ/又は、異なる流量などの異なる流れ特性を提供する別の弁と交換可能であってもよい。弁は、少なくとも1つの容器係合要素と一体的に形成されてもよく、又は、少なくとも1つの容器係合要素に固定される、たとえば、容器係合要素上にオーバーモールドされる別個の構成要素として提供されてもよい。
【0017】
上記のように、ディスペンサは、少なくとも1つの容器係合要素と動作可能に関連付けられるベースも含む。ベースは好ましくは、ベースをディスペンサ本体に固定するために、ディスペンサ本体に接続可能である(たとえば、回転可能に接続可能である)。さらにまた、ベースは好ましくは、ベースを少なくとも1つの容器係合要素に固定するために、少なくとも1つの容器係合要素に接続可能である(たとえば、回転可能に接続可能である)。ベースは開口を含む。開口は、少なくとも1つの容器係合要素の供給開口を受け入れるように構成される。
【0018】
ディスペンサを組み立てる好ましい方法において、少なくとも1つの容器係合要素は、最初に、ベースに固定される。少なくとも1つの容器係合要素は、次いで、可撓性容器の開放端に挿入される。最後に、組み合わされたベース、容器係合要素、及び可撓性容器は、ディスペンサ本体の内部空間に挿入される。次いで、ベースは、ディスペンサ本体に固定される。好ましくは、ベースがディスペンサ本体に固定されるとき、可撓性容器の少なくとも一部は、少なくとも1つの容器係合要素とディスペンサ本体との間に固定される。さらにまた、ディスペンサ本体は好ましくは、シールと係合し、それにより、内部空間は封止又は略封止される。好ましくは、可撓性容器は、ディスペンサの組立て中又は組立て後に、ベースに接触しない。
【0019】
ディスペンサ本体は、テーパ部又は溝部を含んでもよく、テーパ部又は溝部は、可撓性容器が少なくとも1つの容器係合要素に対して移動することを防ぐ又はその可能性を減少させるために、可撓性容器及び少なくとも1つの容器係合要素と係合するように適合される。ディスペンサ本体を押しつぶすことが、少なくとも1つの容器係合要素との係合からの可撓性容器の移動をもたらす可能性があるので、これは特に有利である。したがって、テーパ部又は溝部は、この移動を防ぐために、可撓性容器及び少なくとも1つの容器係合要素上へ十分な保持力を与えることができる。
【0020】
テーパ部又は溝部は、そこから半径方向に延在する1つ又は複数の突起を含んでもよい。各突起の内側は、ディスペンサ本体内のチャネルを少なくとも部分的に画定してもよい。チャネルは、ディスペンサ本体がベースと組み立てられているとき、ディスペンサ本体の内部空間から離れる空気のための通路を提供するように構成される。有利なことには、チャネルは、空気がディスペンサ本体の内部空間から離れることができ、組立て中の、可撓性容器上への偶発的な加圧を防ぐことができることを保証する。そうしなければ、そのような圧力は、組立て中に、可撓性容器からの内容物の早すぎる供給をもたらす可能性がある。好ましくは、複数の突起が、テーパ部又は溝部の周囲に等距離を隔てて配置され、それによって、ディスペンサ本体内の複数のチャネルになる。
【0021】
組み立てられると、ディスペンサは、ベースを介して面上に置かれてもよく、それにより、可撓性容器は略反転された向きになり、少なくとも1つの容器係合要素の供給開口はその面に略面する。この位置において、少なくとも1つの容器係合要素は好ましくは、ディスペンサ本体の内側側壁に略隣接して、ディスペンサ本体内で略上向きにベースから延在し、ディスペンサ本体の長さに沿って、少なくとも部分的に延在する。少なくとも1つの容器係合要素は、少なくともディスペンサ本体の長さの下部30%~50%に沿って延在してもよい。少なくとも1つの容器係合要素は実質的に剛性であり、ディスペンサ本体は、少なくとも1つの容器係合要素を含むディスペンサ本体の部分に沿って比較的押しつぶすことができない。
【0022】
組み立てられて、使用準備ができると、可撓性容器の内容物は、上記のように、ディスペンサ本体が押しつぶされたときに供給される。有利なことには、供給される内容物は可撓性容器内に置かれるので内容物は、ディスペンサ本体に接触しない。さらに、供給中、供給開口は少なくとも1つの容器係合要素に位置するので、可撓性容器の内容物はディスペンサ本体に接触しない。この配置は、ディスペンサ本体の定期的な洗浄及び清掃の必要性をなくす。
【0023】
少なくとも1つの容器係合要素は好ましくは、少なくともその一方の端部で略円形の断面を有し、その反対側の端部で略半円形の断面を有する。少なくとも1つの容器係合要素は好ましくは、全体的な形態が略管状である。
【0024】
好ましい実施形態において、ディスペンサは、第1の容器係合要素と、第2の容器係合要素とを備える。第1の容器係合要素は好ましくは、第2の容器係合要素の中に少なくとも部分的に受入れ可能であり、好ましくは、第2の容器係合要素に取り外し可能に接続可能である。別の実施形態において、第1及び第2の容器係合要素は、好適なヒンジで接続されてもよい。組み合わせると、第1及び第2の容器係合要素は、可撓性容器の内壁の大部分と係合し、それによって、所定の位置に内壁を維持するように構成される。この配置は、可撓性容器の内容物が供給されるとき、それ自体の中での可撓性容器の反転を促進することによって、可撓性容器の内容物のほぼすべてが供給されることを保証する。よって、内容物は、可撓性容器の壁の畳み目、折り目、又はひだの中に位置することができない。
【0025】
好ましい実施形態において、第1及び第2の容器係合要素は、形態が略類似しており、その下端部において略円形の断面を有し、その反対側の上端部において略半円形の断面を有する。第1及び第2の容器係合要素はまた、好ましくは、全体的な形態が略管状である。第1の容器係合要素は好ましくは、第1の容器係合要素を第2の容器係合要素内に少なくとも部分的に受入れ可能であることを可能とするように、第2の容器係合要素と比較すると全周がより小さい。第2の容器係合要素は好ましくは、その下端部が略開いており、それによって、それを通して第1の容器係合要素を受け入れる。第1の容器係合要素は好ましくは、その下端部に供給開口を含む。代替的な実施形態において、第1及び第2の容器係合要素は、その上端部及び下端部において、略半円形の断面を有する。そのような実施形態において、第1及び第2の容器係合要素は好ましくは、略同じ弧長を有する。
【0026】
ある実施形態において、第1の容器係合要素及び第2の容器係合要素は、可撓性容器の少なくとも一部を所定の位置に維持するために、可撓性容器と係合するとき、略対向して配置されるように構成される。
【0027】
第1の容器係合要素は好ましくは、第1の部分係合位置と第2の完全係合位置との間で、第2の容器係合要素に対して移動可能である。好ましくは、第1の容器係合要素は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。第1の部分係合位置において、第1及び第2の容器係合要素のうちの少なくとも1つは、可撓性容器の中に受け入れられたときに、可撓性容器の少なくとも壁、好ましくは、内壁と少なくとも部分的に係合するように構成される。第2の完全係合位置において、第1及び第2の容器係合要素は、可撓性容器の中に受け入れられたときに、協働して、可撓性容器の壁の略対向する部分と係合するように構成される。好ましくは、第2の完全係合位置において、第1及び第2の容器係合要素は、可撓性容器の中に受け入れられたときに、協働して、可撓性容器の内壁の大部分と係合するように構成される。好ましくは、第1の位置において、第1及び第2の容器係合要素のうちの少なくとも1つは、可撓性容器の中に受け入れられたときに、可撓性容器の内壁の約50%と係合する。好ましくは、第2の位置において、第1及び第2の容器係合要素は、可撓性容器の中に受け入れられたときに、協働して、可撓性容器の内壁の約100%と係合する。
【0028】
第1の部分係合位置において、第1及び第2の容器係合要素のそれぞれの上端部は好ましくは、互いに略隣接して配置される。第2の完全係合位置において、第1の容器係合要素は、第1の位置から第2の容器係合要素に対して約180°回転し、それにより、第1及び第2の容器係合要素の上端部は、略対向して配置される。この位置において、第1及び第2の容器係合要素の上端部の内面は、略向かい合う。
【0029】
可撓性容器の内容物は好ましくは、実質的に液体又はコロイドの形態であり、概して比較的流動可能であるが、本発明は、供給される内容物の形態に制限されない。たとえば、内容物は、固体粒状物質であってもよく、それは、本明細書に開示されるディスペンサで容易に供給可能であろう。
【0030】
第2の態様において、本発明は、互いに移動可能な第1の容器係合要素及び第2の容器係合要素を備え、第1及び第2の容器係合要素が、供給される内容物を含有する可撓性容器と係合するように適合され、第1及び第2の容器係合要素が、可撓性容器の少なくとも一部を所定の位置に維持するために、可撓性容器と係合するときに、略対向して配置されるように構成され、可撓性容器の内容物が、可撓性容器に圧力が加えられているときに供給される、ディスペンサを提供する。
【0031】
ディスペンサのさまざまな独立した特徴が上で概説されたことが理解されるが、個々の特徴の任意の組合せが本発明のディスペンサに組み込まれてもよいことが考えられる。
【0032】
本明細書で使用される場合、文脈で別段必要とされる場合を除き、用語「備える(comprise)」及びその用語の変形形態、たとえば、「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、及び「構成される(comprised)」は、さらなる付加物、構成要素、整数、又はステップを除外することを意図しない。
【0033】
本発明のさらなる態様及び上記のパラグラフに記載された態様のさらなる実施形態は、例として与えられ、添付の図面に関連する、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態によるディスペンサの分解図である。
図2】組み立てられた構成で示された図1のディスペンサの側面図である。
図3A図1のディスペンサの第1及び第2の容器係合要素の側面図である。
図3B図3Aに示される第1及び第2の容器係合要素の斜視図であり、図1のディスペンサのベースをさらに示す。
図3C図3Bと類似している。
図3D図3Cに示される構成要素の側面図であり、可撓性容器の中に置かれている第1及び第2の容器係合要素をさらに示す。
図3E図3Dと類似しており、ディスペンサ本体に挿入されている第1及び第2の容器係合要素並びに可撓性容器をさらに示す。
図4図2のディスペンサの下端部の側面切欠図である。
図5図2のディスペンサの側面切欠図である。
図6図5と類似しているが、可撓性容器が折りたたまれた状態である。
図7A】容器係合要素が可撓性容器の中に受け入れられたときに可撓性容器と部分的に係合するように構成された第1の部分係合位置における、第1及び第2の容器係合要素の斜視図である。
図7B】容器係合要素が可撓性容器の中に受け入れられたときに可撓性容器の大部分と係合するように構成された第2の完全係合位置における、第1及び第2の容器係合要素の斜視図である。
図8】第1及び第2の容器係合要素並びにベースの斜視図である。
図9図1のディスペンサの上端部の斜視断面図である。
図10A】長方形断面プロファイルのシールを有する、第2の完全係合位置における、第1及び第2の容器係合要素の斜視図である。
図10B】L字形断面プロファイルのシールを有する、第2の完全係合位置における、第1及び第2の容器係合要素の斜視図である。
図10C】細長いL字形断面プロファイルのシールを有する、第2の完全係合位置における、第1及び第2の容器係合要素の斜視図である。
図11】その上端部にダックビル型弁を有する本発明の別の実施形態のディスペンサの斜視図である。
図12図11のディスペンサの上端部の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1を参照すると、本発明の実施形態によるディスペンサ10の分解図が示されている。ディスペンサ10は、ケチャップ、ソース、マスタード、マヨネーズ、サラダドレッシングなどの調味料を供給するように適合された押しつぶすことができるボトルの形態であるが、本発明は、そのような用途に限定されない。
【0036】
ディスペンサ10は、ディスペンサ本体12と、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16のそれぞれと、ベース18とを含む。第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、ディスペンサ本体12によって画定される内部空間内に、取り外し可能に受入れ可能である。以下で説明されるように、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、内部空間内に取り外し可能に受け入れられる可撓性容器40(図3D)と係合するように適合される。可撓性容器40は、ソース、マスタードなどの供給される内容物を含有する。
【0037】
可撓性容器40は、使用後、すなわち、その内容物の略すべて又はすべてが供給された後、破棄されることが意図される。以下に記載されるように、可撓性容器40は、ディスペンサ本体12を押しつぶしたときに変形可能且つ折りたたみ可能であり、それによって、可撓性容器40の内容物の供給を支援する。図3Dを参照すると、可撓性容器40は、ポーチ、又はバッグ、又はライナの形態であってもよく、通常、閉端部60と、反対側の開放可能端部62とを含む。開放可能端部62は、開放可能端部62の一部を取り除くことでユーザを支援し、それによって、可撓性容器40を開けるために、穿孔、窪みなどを含んでもよい。開けられると、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16を可撓性容器40に挿入してもよい。図を通して示されているように、可撓性容器40は、全体的な形態が細長く、少なくともその開放可能端部62の近くで略円形の断面を含む。可撓性容器40は、たとえば、図5に示されるように(可撓性容器40が輪郭破線で示されている)、ディスペンサ本体12の中に取り外し可能に受入れ可能であるように寸法決めされる。
【0038】
第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、可撓性容器40の少なくとも一部を所定の位置に維持するように構成される。特に、可撓性容器40の中に受け入れられると、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、少なくとも可撓性容器40の内壁64と係合し、内壁を所定の位置に維持する。所定の位置は、可撓性容器40の実質的に開いている位置、好ましくは、可撓性容器の内容物の一部が位置する又は捕捉されることがある畳み目、折り目、又はひだが内壁にない位置に対応する。有利なことには、これは、可撓性容器40の内容物の略すべて又はすべてが使用中に供給されることを保証する。
【0039】
図1を参照すると、ディスペンサ本体12は、全体的な形態が略管状であり、部分的に閉じた上端部20と、反対側の開いた下端部22と、その間に位置する側壁24とを含むことが分かる。内部空間は、側壁24と閉じた端部20と開いた端部22との間で、ディスペンサ本体12内に画定される。
【0040】
側壁24は、上端部20で略楕円形の断面であり、下端部22で略円形の断面を有するように移行する。図11に最もよく示されているように、ディスペンサ本体12の上端20の略楕円形の断面は、ディスペンサ本体12の下端部22の略円形の断面がある平面に対して角度をつけられた平面内にある。このように、ディスペンサ本体12の全体的な人間工学的形態は、上端部20の近くでユーザによって押しつぶされるときにより大きい力を提供することによって強化される。側壁24は、下端部22の方に、円周が減少した部分、すなわち、溝部29を含む。溝部29は、溝部29の円周に等距離を隔てて配置される複数の突起27を含む。各突起27の内側は、ディスペンサ本体12内に少なくとも部分的にチャネル(図示せず)画定する。溝部29及び突起27の重要性は、後でより詳細に論じられる。側壁24は弾性変形可能であり、側壁24が比較的内向きに押しつぶされて、側壁24への押しつぶし圧力が解放されるとその元の形状に戻ることができる。ディスペンサ本体12は、高密度ポリエチレン(HDPE)又は低密度ポリエチレン(LDPE)などの材料からつくられてもよい。しかしながら、当業者は、さまざまな代替的な略可撓性の材料がディスペンサ本体12を形成するために好適であることを認めるであろう。さらにまた、当業者は、ディスペンサ本体12の形状及び大きさが単なる例示であり、さまざまな代替的な形状及び大きさを本発明で使用することができることを認めるであろう。
【0041】
示される実施形態において、ディスペンサ本体12は、下端部22に隣接するその外面上にねじ山26を含む。ねじ山26は、ベース18の内面に位置する対応するねじ山28(図3B)と係合するように構成され、それにより、ベース18は、ディスペンサ本体12に回転可能に接続可能であり、それによって、ベース18をディスペンサ本体12に固定する。特に図2及び8に示されるように、ベース18は、略円形の断面であり、その下端部に、ベース18の長手方向軸と略平行に延在する3つの略台形の延長部分30を含み、それは、面に接触するように構成されて、容器10を面上に置くことを可能にする。3つの略台形の延長部分30は、安定性を提供するために、ベース18の円周に等距離を隔てて配置される。ベース18は、ディスペンサ本体12と比較して、比較的剛性の高い材料を備える。1つの実施形態において、ベース18は、ポリプロピレン(PP)からつくられてもよいが、当業者は、さまざまな代替的な略剛性の材料がベース18を形成するために好適であることを認めるであろう。
【0042】
特に図3A及び3Bを参照すると、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16のそれぞれが、その下端部17で略円形の断面を有し、その反対側の上端部19で略半円形の断面を有するように移行することが分かる(特に図3Bを参照)。第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16はまた、全体的な形態が略管状である。これらの図に示されるように、第1の容器係合要素14は、第2の容器係合要素16に取り外し可能に接続可能であるように、第2の容器係合要素16の中に部分的に受入れ可能である。特に、第1の容器係合要素14は、第2の容器係合要素16と比較して全周がわずかに小さく、それにより、第2の容器係合要素16は、図3Aに示されるように、第1の容器係合要素14上で摺動可能である(この図の矢印は、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16の相対摺動方向を示す)。
【0043】
第2の容器係合要素16の面が第1の容器係合要素14の下端部17から半径方向外向きに突出する移動止め32(図7A)に接触するまで、第2の容器係合要素16は、第1の容器係合要素14上で摺動可能である。第1の容器係合要素14の円周は第2の容器係合要素16の円周より小さいが、それにもかかわらず、円周は類似しており、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、図3Bに示される位置で、互いに摩擦嵌合してもよい。ベース18と同様に、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、ディスペンサ本体12と比較すると、比較的剛性の高い材料を備える。たとえば、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、ポリプロピレン(PP)からつくられてもよいが、当業者は、さまざまな代替的な略剛性の材料がこれらの要素を形成するために好適であることを認めるであろう。
【0044】
理解されるように、第2の容器係合要素16は、その中に少なくとも部分的に第1の容器係合要素14を摺動可能に受け入れることを可能とするために、その下端部17が開いている。しかしながら、第1の容器係合要素14は、その略円形の下面36の中心に位置する略円形の供給開口34(特に図7A、7B、及び8を参照)以外は略閉じられた下端部を含むという点で、第2の容器係合要素16と異なる。下面36は、ボウル形の部分である。
【0045】
供給開口34は、可撓性容器40の内容物を受け入れて、それを通して供給するように構成される一方向弁80を含むが、弁80を介して可撓性容器40に空気が入ることを防ぐ。たとえば図7Aに示されるように、弁80は、可撓性容器40の内容物が供給される開口82を含む。開口82は、(図7Aに示される)閉位置に付勢され、その内容物を供給するために可撓性容器40に圧力が加えられたときに、選択的に開けられる。
【0046】
一方向弁80は、ダックビル弁、又は、当業者によって好適であると考えられる任意の他の弁の形態であってもよい。有利なことには、弁80は、異なる流量などの異なる流れ特性を提供することができる別の弁(図示せず)と交換可能である。好ましくは、弁の形態は、流体の粘度など、供給される内容物の特性に応じて選択される。
【0047】
図8に示されるように、ベース18は、供給開口34より比較的大きいその下端面に略円形の開口50を含み、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16が以下に記載されるようにベース18に連結されるとき、弁80を通して供給される内容物は、ベース18に接触しない。弁80が、可撓性容器40の内容物がディスペンサ10から供給される開口を形成することは認識されるべきである。換言すれば、内容物が供給される前に通過する他の開口は、ディスペンサ本体12又はベース18に存在しない。
【0048】
ここで図7A及び7Bを参照すると、第1の容器係合要素14は、第1の部分係合位置(図7A)と第2の完全係合位置(図7B)との間で、第2の容器係合要素16に対して回転可能であることが分かる。第1の部分係合位置において、第2の容器係合要素16は、可撓性容器40の中に受け入れられたときに、可撓性容器40の内壁64と部分的に係合するように構成される。特に、第2の容器係合要素16は、可撓性容器40の中に受け入れられたときに、可撓性容器40の内壁64の約50%と係合する。第2の完全係合位置において、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、(たとえば、図3Eに示されているように)可撓性容器40の中に受け入れられたときに、可撓性容器40の内壁64の大部分と係合するように構成される。特に、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、完全係合位置において可撓性容器の中に受け入れられたときに、協働して、可撓性容器の内壁の下部分の円周の約100%と係合する。したがって、有利なことには、第2の完全係合位置において、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、所定の位置において、可撓性容器の内壁64と係合して、それを維持し、それによって、以下で説明されるように、可撓性容器40の内容物の略すべて又はすべてが使用中に供給されることを保証する。
【0049】
図7A及び7Bに示されるように、第1の容器係合要素14の下面36は、供給開口34及び弁80の両側に配設され、第1の容器係合要素14の長手方向軸に略平行な方向に下面36から突出する一対の略台形のタブ38を含む。タブ38の各々は、長手方向軸を中心に、第1の部分係合位置(図7A)から第2の完全係合位置(図7B)まで、第2の容器係合要素16に対して第1の容器係合要素14を回転させるためにつかむことができる。第2の位置は、第1の位置からの約180°である。図8に示されるように、ベース18の開口50は、つかめるように、タブ38が貫通するだけ十分に大きい。
【0050】
第2の容器係合要素16は、その下端部17に配設され、略半径方向外向きに突出して、第2の容器係合要素16のより下の円周の一部に沿って延在する一対の対向する横フランジ42(図7A)を含む。フランジ42のそれぞれは、移動止め32によって係合される部分44を含み、それにより、フランジ42は、第2の容器係合要素16に対して第1の容器係合要素14の回転制限を画定する。特に、図7A及び7Bに示されるように、第1の容器係合要素14は、長手方向軸を中心に、第2の容器係合要素16に対して約180°回転し、それによって、第1の部分係合位置(図7A)と第2の完全係合位置(図7B)との間で、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16を選択的に移動させてもよい。
【0051】
ここで、容器10を組み立てる方法は、図を参照することにより説明される。最初に図3Aを参照すると、上記のように、最初に、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、第2の容器係合要素16の中に第1の容器係合要素14を、矢印の方向に相対的に摺動することによって、互いに取り外し可能に接続される。次に、図3Bを参照すると、第2の(すなわち、外側)容器係合要素16上の横フランジ42(図7A)がベース18のスロット(図示せず)内に係合するまで、ベース18を組み合わされた要素14、16に対して相対的に回転させることによって、ベース18は組み合わされた第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16に固定される。ここで、組み合わされた容器係合要素14、16は、図3Cに示されるように、ベース18に取り外し可能に固定される。
【0052】
次に、図3Dを参照すると、組み合わされたベース18及び容器係合要素14、16は、それらの上端部19を介して、可撓性容器40の開放端62に挿入される。特に、可撓性容器40の壁64の下縁部65が容器係合要素16の下端部17の近くの第2の容器係合要素16の外壁と周方向に接触するまで、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は可撓性容器40に挿入される。これは、可撓性容器40と第2の係合要素16との間に比較的密な嵌合をもたらす。図4に示されるように、Oリングシール66も設けられることに留意されたい。Oリングシール66は、第2の容器係合要素16の下端部17の近くの円周フランジ52上に、第2の容器係合要素16を中心とした周方向に配設される。
【0053】
いくつかの実施形態において、可撓性容器40がOリングシール66に接触することは、性能の観点から望ましくない。よって、可撓性容器40への第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16の挿入は、Oリングシール66まで届かないようにしなければならない(しかし、第2の容器係合要素16の外壁による、可撓性容器40の壁64の下縁部65との周方向の十分な接触を保証しなければならない。Oリングシール66は円形断面プロファイルを有することに留意されたい。しかしながら、シール66は、任意の他の好適な断面プロファイルを有することができる。いくつかの例が図10A~Cに提供されている。図10Aのシール66は長方形プロファイルを有し、図10Bのシール66はL字形プロファイルを有し、図10Cのシール66は細長いL字形プロファイルを有する。図10Cのシール66を利用する実施形態において、そのようなシールは、可撓性容器40内に延在して、その壁64と係合するように構成されてもよい。そのような場合、シール66は、可撓性容器40と第2の係合要素16との間に封止を提供する。シール66は、別個の取り外し可能な構成要素として設けることができる、又は、(たとえば、オーバーモールディングによって)第2の容器係合要素16に恒久的に取り付けることができる。
【0054】
次に、第1の容器係合要素14は、要素14、16が第1の部分係合位置(図3D及び7A)から第2の完全係合位置(図3E及び7B)まで移動するように、第2の容器係合要素16に対して回転する。上で説明されたように、第1の容器係合要素14の閉じた下端部から延在する少なくとも1つのタブ38を把持して引っ張ることによって、第1の容器係合要素14は、第2の容器係合要素16に対して回転する。図3Eに示される位置において、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、可撓性容器40の内壁の下部分の円周の大部分と係合し、それによって、その所定の開位置に、可撓性容器を維持する。
【0055】
最後に、図3Eを参照すると、組み合わされたベース18、容器係合要素14、16、及び可撓性容器40は、ディスペンサ本体12の内部空間に挿入される。次いで、ベース18は、ディスペンサ本体12上に位置する雄ねじ26がベース18の中に位置する雌ねじ28と螺合するようにディスペンサ本体12に対してベース18を相対的に回転させることによって、ディスペンサ本体12に固定される。図4に示されるように、ディスペンサ本体12に対するベース18の連続的な回転は、ディスペンサ本体12、ベース18、及び容器係合要素16によるOリングシール66の係合をもたらし、それによって、Oリング66に圧縮荷重を一緒に与え、ディスペンサ本体12の内部空間の流体シールをつくる。Oリング66のこの圧縮は、Oリング66がディスペンサ10内に動作可能に保持されることも保証する。有利なことには、この位置において、可撓性容器40の壁64の下縁部65(図4に示されない)と、第2の係合要素16の接触する外壁とが、溝部29によって係合される。溝部29によるこの係合は、可撓性容器40と第2の容器係合要素16の外壁との間の係合が維持されることを保証するものであり、並びに、供給本体12が押しつぶされている間、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16が供給本体12の形状を維持することを保証する。溝部29がない場合、可撓性容器40が上に摺動し、場合によっては第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16との係合から外れる可能性がある、経時的なリスクが存在する。さらに、(ディスペンサ本体12の内部の突起27の内側によって画定される)チャネルは、ディスペンサ本体12がベース18で組み立てられているとき、たとえば、可撓性容器40がディスペンサ本体12に受け入れられているとき、且つ/又は、ベース18及びディスペンサ本体12が回転可能に係合されているとき、ディスペンサ本体12の内部空間から離れる空気のための通路を提供するように構成される。チャネルは、空気がディスペンサ本体12の内部空間から離れることができ、組立て中の可撓性容器40上への偶発的な加圧を防ぐことができることを保証する。そうしなければ、そのような圧力は、組立て中に、可撓性容器40からの内容物の早すぎる供給をもたらす可能性がある。これは、可撓性容器40が所定の位置のままであること、並びに、可撓性容器40の内容物が第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16とディスペンサ本体12との間のOリングシール66を超えて漏れないことを保証する。
【0056】
組み立てられると、ディスペンサ10は、ベース18を介して面上に置くことができ、延長部分30は、たとえば図2及び5に全般的に示されているように、弁80を汚染しないように面より上に供給開口34を位置付ける。図5に示される位置において、(輪郭破線で示される)可撓性容器40は、略反転された向きであり、供給開口34及び弁80はその面に略面する。さらに、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、ディスペンサ本体12の内側側壁に略隣接するように、ディスペンサ本体12の中で略上向きにベース18から延在する。第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、実質的に剛性であり、ディスペンサ本体12は、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16を含むディスペンサ本体12の部分に沿って比較的押しつぶすことができない。
【0057】
第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、可撓性容器40の全長の約30%~50%の範囲内で、可撓性容器40の中で延在する。有利なことには、可撓性容器40の中でのこの範囲の延在は、使用中、可撓性容器40の内容物が供給されたときに、可撓性容器40の長さの50%以上が比較的変形可能、折りたたみ可能、そして最終的に反転可能であることを可能にする。第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、可撓性容器40の内容物が供給されるとき、それ自体の中での可撓性容器40のこの反転を促進し、それによって、内容物が可撓性容器40の壁の畳み目、折り目、又はひだの中に位置することをかなり防ぐ。特に、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16のこの範囲の延在は、可撓性容器40の閉端部60が、(図6に全般的に示されるように)第1の容器係合要素14の下面36の近くの第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16によって画定されるボウル形空洞に下降することを可能にする。さらに、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16の延在の範囲は、可撓性容器40の閉端部60が円周フランジ52の位置より下に延在することを可能にし、それによって、容器係合要素14、16が第2の完全係合位置にあるとき、可撓性容器40の内容物のすべて又は略すべてが使用中に供給されることを保証する。
【0058】
第2の完全係合位置にあるとき(図3E、5、及び6)、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、協働して、可撓性容器40の内壁64の大部分と係合し、それによって、内壁64を所定の開位置に維持することが理解されるであろう。特に、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16の少なくとも一部の形状は、可撓性容器40の内壁64の形状に略一致する。有利なことには、この配置は、可撓性容器40内での要素14、16の上記範囲の延在とともに、可撓性容器40の内容物のほぼすべて又はすべてが使用中に供給されることを保証する。さらに、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16は、容器40の内容物の一部が位置する又は捕捉されることがある可撓性容器40の壁64の畳み目、折り目、又はひだの形成をかなり防ぐ。
【0059】
上で説明されたように、組み立てられて、使用する準備ができているとき、可撓性容器40の内容物は、ディスペンサ本体12を押しつぶしたときに供給される。有利なことには、供給される内容物が可撓性容器40の中に位置するので、内容物は、ディスペンサ本体12に接触しない。さらに、供給中、供給開口34は第1の容器係合要素14に位置するので、可撓性容器40の内容物は、ディスペンサ本体12に接触しない。この配置は、ディスペンサ本体12の定期的な洗浄及び清掃の必要性をなくす。さらに、上で説明されたように、ベース18の開口50は、(図8に示されるように)供給開口34より比較的大きく、それにより、可撓性容器40の内容物は、使用中、ベース18にも接触しない。有利なことには、この配置は、ベース18の定期的な洗浄及び清掃の必要性もなくす。
【0060】
可撓性容器40の内容物が供給された後、ディスペンサ10は、ディスペンサ本体12に対してベース18を相対的に回転させて、ディスペンサ本体12からベース18を簡単に分離することで分解することができる。その後、可撓性容器40は、通常、組み合わされたベース18及び容器係合要素14、16から可撓性容器40を引き離すことによって、取り外すことができる。次いで、可撓性容器40は破棄してもよい。次いで、新しい可撓性容器を開封してもよく、組み合わされたベース18及び容器係合要素14、16をその中に挿入してもよい。任意選択的に、容器係合要素14、16は、新しい可撓性容器に挿入する前に、洗浄してもよい。次いで、組み合わされたベース18、容器係合要素14、16、及び新しい可撓性容器は、使用のために、上記のように、ディスペンサ本体12に挿入されてもよい。
【0061】
ディスペンサ10は、一方向空気弁70も含む(たとえば図1及び9を参照)。一方向空気弁70は、ディスペンサ本体12の上端部20において、ディスペンサ本体12の上面72に位置する。一方向空気弁70は傘型弁の形態である、しかしながら、他の好適な弁が使用されてもよい。特定の状況の下では、一方向空気弁70は、空気が上面72に位置する複数の略円形の空気入口穴74(図9)を介してディスペンサ本体12の内部空間を出ることを防ぐように構成される。
【0062】
図9に示されるように、一方向弁70は、ディスペンサ本体12の内部空間内に位置し、上面72に移動可能に吊り下げられる略円形のディスク76を備える。ディスペンサ本体12が比較的内向きに押しつぶされると、内部空間の容積は減少し、内部空間内の空気圧の対応する上昇を引き起こす。この空気圧の上昇は、円形ディスク76を略上向きに押し、それによって、空気入口穴74を閉じる。空気入口穴74が閉じられると、内部空間の中の空気が、空気入口穴74を介してディスペンサ本体12を出ることが、大幅に防がれる(ディスペンサ本体12の下端部の近くに位置するシール66も、空気がそこを通ってディスペンサ本体12を出ることをかなり防ぐ)。
【0063】
したがって、一方向空気弁70は、ディスペンサ本体12を押しつぶしたときに閉じるように構成される。内部空間内の空気圧の上昇は、可撓性容器40に圧力を加え、それによって、その内容物を供給する。特に、空気圧の上昇は、可撓性容器40の変形を引き起こし、それによって、可撓性容器40の内容物の供給開口34を介した供給を強制する。可撓性容器40の内容物が供給されるので、可撓性容器40の中に部分真空が形成される。ディスペンサ本体12の内部空間の中の空気圧の上昇は、可撓性容器40の中の部分真空とともに、可撓性容器40を、図6に全般的に示されるように、第1の容器係合要素14及び第2の容器係合要素16の少なくとも一部に少なくとも部分的に折り重ならせる又は崩れさせる(この図では、可撓性容器40の内容物のほぼすべてが供給されている)。ディスペンサ本体12への押しつぶし圧力が解放されると、一方向空気弁70の円形ディスク76は、その通常の位置へ下がることが可能となり、それによって、空気入口穴74を介してディスペンサ本体12に空気を引き入れることが可能となり、それによって、可撓性容器40が崩壊したまま、内部空間内の空気圧は均一になる。供給開口34の一方向弁80は、可撓性容器40への空気の戻りを防ぐ。
【0064】
有利なことには、可撓性容器40の折り重なり及び崩壊は、可撓性容器40の内容物の略すべて又はすべてが究極的に供給されることを保証し、それによって、無駄を限定的なものとする。理解されるように、従来の押しつぶすことが可能なボトルデザインでは、ボトルの利用可能な内容物が供給された後、押しつぶすことができるボトルの内容物の一部が、押しつぶすことができるボトルの少なくとも内壁上に位置することが一般的であり、それによって、調味料の無駄がもたらされる。
【0065】
さらにまた、上記のように、本開示のディスペンサ10は、ディスペンサ本体12及びベース18の定期的な洗浄の必要性をなくす。それによって、ディスペンサ10は、従来のスクイーズボトルデザインと比較して、比較的環境にやさしく、持続可能である。さらに、供給される内容物が使い捨ての可撓性容器40の中に置かれるので、ディスペンサ10は、要望通り可撓性容器を簡単に交換することによって、容易に再使用可能である。
【0066】
ここで、本発明の別の実施形態によるディスペンサ10’を提供する図11及び12を参照すると、ディスペンサ10’が(弁80と同様の)ダックビル型弁の形態の一方向空気弁70’を含むことを除いて、ディスペンサ10’はディスペンサ10と略同じである。ダックビル弁70’は、ディスペンサ本体12’の上端部20’において、ディスペンサ本体12’の上面72’に位置する。一方向弁80と同様、ダックビル弁70’は、空気がディスペンサ本体12’の内部空間を出ることを防ぐように構成される。ディスペンサ本体12’が比較的内向きに押しつぶされると、内部空間の容積は減少し、内部空間内の空気圧の対応する上昇を引き起こす。ダックビル弁70’は閉じられ、したがって、内部空間の中の空気が、ディスペンサ本体12’を出ることは、大幅に防がれる。ディスペンサ本体12’への押しつぶし圧力が解放されると、内部空間の圧力に対してより高い外部圧力(大気圧)が、開口74’を介してディスペンサ本体12’に空気を引き入れることを可能にするのに十分なだけダックビル弁70’を開き、それによって、可撓性容器が崩壊したまま、内部空間内の空気圧は均一になる。供給開口の一方向弁は、可撓性容器への空気の戻りを防ぐ。
【0067】
ダックビル弁70’の使用は、傘型弁70の使用に勝る利点を有する。たとえば、傘型弁70は、円形ディスク76が空気入口穴74を十分に閉じるために、ディスペンサ本体12の上面72(すなわち、シール面)が平坦であることを必要とする。たとえば、ブロー成形プロセスでディスペンサ本体12を製造するとき、これを実現することは難しい可能性がある。逆に、ダックビル弁70’の使用は、ダックビル弁のシーリング機能が自己完結型であるので、そのような正確に製造された構成要素を必要としない。
【0068】
この明細書で開示及び定義される本発明は、言及された又はテキスト又は図面から明白な個々の特徴のうちの2つ以上のすべての代替的な組合せに及ぶことが理解されよう。これらの異なる組合せのすべては、本発明のさまざまな代替的な態様を構成する。

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
【国際調査報告】