(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】容器用のシーリングユニット
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20230215BHJP
【FI】
B67D1/04 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537887
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2020086874
(87)【国際公開番号】W WO2021123053
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521568579
【氏名又は名称】スマートシール エーエス
【氏名又は名称原語表記】SMARTSEAL AS
【住所又は居所原語表記】Kvitsoygata 10,4014 Stavanger,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イェルン・ヘリット・アントン・ゲビンク
(72)【発明者】
【氏名】ルネ・クリスティアン・クヌートセン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ミナガワ-ウェブスター
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB01
3E082BB03
3E082CC01
3E082DD05
3E082FF05
(57)【要約】
本開示は、例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器の壁の開口部をシールするためのシーリングユニット(8,8’,108)であって、-内側ハウジングの外面と外側ハウジングの内面との間に配置されたガス流路(38’)を規定する外側ハウジング及び内側ハウジング(20,40)を備えている、シーリングユニット(8,8’,108)に関する。内側ハウジング(20)は、ガス流路(38’)が閉じられるとともに、ガスが容器に流入すること又は容器から流出することが防止される第1軸方向位置と、ガス流路(38’)が開かれるとともに、ガスが全体として軸方向(PA1)に容器に流入すること又は容器から流出することが可能とされる第2軸方向位置との間で軸方向に移動可能であり、外側ハウジング(20)と内側ハウジング(40)との間に配置されるとともに、移動可能な内側ハウジング(20)を第1軸方向位置に移動させるように付勢するように構成された付勢要素をさらに備えている。移動可能な内側ハウジングの内側に液体流路(37’,37’’,37’’’)が規定され、液体流路内に液体シールユニット(65,65’)が配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器の壁の開口部をシールするためのシーリングユニット(8,8’,108)であって、
-前記容器の壁に固定的に取り付けられるように構成された外側ハウジング(20;20’,120)と、
-前記外側ハウジングの内側に配置されるとともに、前記外側ハウジングに対して軸方向に移動可能に構成された内側ハウジング(40,40’,140)と、
を備え、
前記外側及び内側ハウジングは、前記内側ハウジングの外面と前記外側ハウジングの内面との間に配置されたガス流路(38)を規定するように構成され、前記内側ハウジングは、前記ガス流路が閉じられるとともに、ガスが前記容器に流入すること又は前記容器から流出することが防止される第1軸方向位置と、前記ガス流路が開かれるとともに、ガスが全体として軸方向(P
A1)に容器に流入すること又は前記容器から流出することが可能とされる第2軸方向位置との間で軸方向に移動可能であり、前記外側ハウジング(20)と前記内側ハウジング(40)との間に配置されるとともに、前記移動可能な内側ハウジングを前記第1軸方向位置に移動させるように付勢するように構成された付勢要素をさらに備え、
前記移動可能な内側ハウジング内に液体流路(37’,37’’,37’’’)が規定され、前記液体流路内に液体シールユニット(65,65’,165)が配置され、前記液体シールユニット(65,65’,165)は、
-前記移動可能な内側ハウジング(40)に固定的に取り付けられているか又は一体的に形成されているとともに、管状ベース要素(71,71’,171)を含むベース(66,66’,166)と、
-前記管状ベース要素の内側で軸方向に移動可能に配置された管状弁要素(68,68’,168)を含む弁(67,67’,167)であって、前記管状弁要素は、前記液体流路(37)が閉じられるとともに、前記液体が前記容器に流入すること又は前記容器から流出することが防止される閉位置と、前記液体流路(37)が開かれるとともに、前記液体が全体として軸方向(P
A2)に前記容器に流入すること又は前記容器から流出することが可能とされる開位置との間で、前記管状ベース要素の内側で移動可能に構成されている、弁(67,67’,167)と、
を備える、
シーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項2】
前記付勢要素は、前記内側ハウジング(40)が第1外力の影響下で前記第1軸方向位置から前記第2軸方向位置に移動することを可能にする一方で、前記第1外力が減少又は除去されたときに、前記内側ハウジング(40,40’,140)を前記第2軸方向位置から前記第1軸方向位置に移動させるように構成されている、
請求項1に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項3】
前記移動可能な管状弁要素(68,68’,168)を前記閉位置に移動させるように付勢するように構成された更なる付勢要素を備える、
請求項1又は2に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項4】
前記更なる付勢要素は、好ましくは弾性材料でできており、前記移動可能な管状弁要素(68,168)が第2外力の影響下で前記閉位置から前記開位置に移動することを可能にする一方で、前記第2外力が減少又は除去されたときに、前記移動可能な管状弁要素(68,168)を前記開位置から前記閉位置に戻すように構成された、前記弁(67,167)のフレキシブル接続要素(76,76’,176)を備える、
請求項3に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項5】
前記外側ハウジング(20)及び内側ハウジング(40)の両方が、円筒形とされる、同心に配置される、及び共に伸縮管を形成する、の少なくとも1つである、
請求項1から4までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項6】
前記外側ハウジング(20)、前記内側ハウジング(40)及び液体シールユニット(65,65’)のうちの少なくとも1つがプラスチックでできている、
請求項1から5までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項7】
前記液体シールユニット(65,65’,165)の前記ベースは、少なくとも部分的に、前記液体シールユニット(65,65’)の他の部分よりも大きな屈曲性を有するプラスチック材料でできている、
請求項6に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項8】
前記外側ハウジング(20)に対する前記内側ハウジング(40,40’,140)の前記軸方向の動きとは独立して、前記内側ハウジング(40,40’,140)に対する前記液体シールユニット(65,65’,165)の前記弁の軸方向の動きを可能にするように構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項9】
前記外側及び内側ハウジングの間の前記ガス流路を規定する空間は全体として環状の形状を有し、及び/又は前記液体流路は全体として円筒形である、
請求項1から8までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項10】
前記弁(67’,167)は、前記内側ハウジング(40,140)の径方向フランジ(45,145)と前記外側ハウジング(20,120)の対応する径方向フランジ(81,207)との間にシールを形成するための、前記内側ハウジング(40,140)の前記径方向フランジ(45,145)上に延びるシーリング延長部(80,180)を含む弁接続要素(178)を備える、
請求項1から9までのいずれか1項に記載のシーリングユニット。
【請求項11】
前記液体シールユニットの前記弁は、例えば円錐台形状等の全体として先細り形状の部分(184)を有する弁接続要素(178)を備える、
請求項1から10までのいずれか1項に記載のシーリングユニット。
【請求項12】
前記外側ハウジング(120)の前記内面は、全体として軸方向に延びる少なくとも1つの長手方向の取付配向リブ(203)を有し、前記内側ハウジング(140)の外面は、前記内側ハウジング(140)が前記外側ハウジング(120)内にスライドされたときに、前記少なくとも1つの取付配向リブ(203)を収容するための少なくとも長手方向の窪み(200)を有する、
請求項1から11までのいずれか1項に記載のシーリングユニット。
【請求項13】
前記内側ハウジング(40,140)は、前記容器内の折りたたみ可能なバッグ(2)を取り付けるためのバッグ接続要素(60,160)を受け入れるように構成された管状端部(64,164)を備える、
請求項1から12までのいずれか1項に記載のシーリングユニット。
【請求項14】
シーリングユニット、好ましくは請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリングユニットに折りたたみ可能なバッグを接続するように構成されたバッグ接続要素(60,160)であって、前記バッグ接続要素(60,160)は、内側ハウジング(40,140)の管状端部(64,164)に挿入され得る管状上部(63,52)を備え、前記管状上部は、好ましくは、前記管状端部の内面への取り付けを可能にするように構成された取付要素を備え、及び/又は前記管状上部の外面は、好ましくは、前記シーリングユニット(8,8’,108)の前記内側ハウジング(40,140)の前記管状端部(64,164)の内面に設けられた径方向突起(62)に前記バッグ接続要素(60,160)がスナップフィットされることを可能にする、例えば複数の平行リング形状リブ等の径方向突起(61)を備える、バッグ接続要素(60,160)。
【請求項15】
前記バッグ接続要素(60,160)は、前記バッグ接続要素が前記管状端部に挿入されたとき、前記内側ハウジングの前記管状端部を受け入れるように構成された受入スペース(116)をそれぞれ規定する、1つ又は複数の支持要素(110)を備え、好ましくは、径方向に延び、及び/又は前記バッグ接続要素の管状上部(63,52)の円周に沿って均等に分布されている少なくとも3つの支持要素(110)を備えている、
請求項13又は14に記載のバッグ接続要素。
【請求項16】
前記受入スペースは、前記内側ハウジングの前記管状端部の厚さに対応する幅を有し、及び/又は前記バッグ接続要素は、前記折りたたみ可能なバッグ(2)を形成するポーチ(57)に接続された、例えば溶接された、径方向取付フランジ(51)を備えるプラスチックスパウト(50)である、
請求項14又は15に記載のバッグ接続要素。
【請求項17】
例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器に出入りするガスの流れ及び液体の流れを制御するための制御ユニット(30)であって、前記制御ユニット(30)は、請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)に取り外し可能な方法で結合されるように構成され、前記制御ユニット(30)は、シーリングユニット(8,8’,108)の対応する結合フィッティング(34)に制御ユニットハウジング(33)を取り外し可能に結合するための結合フィッティング(31)を備える制御ユニットハウジング(33)を任意選択で備える、制御ユニット(30)。
【請求項18】
前記制御ユニットハウジング(33)の内部には、駆動ガス及び液体の通過を可能にするための複数の流路が設けられており、及び/又は前記制御ユニットハウジング(33)は、比較的小さい直径の第1内管(35)と、前記第1内管(35)の周りに同心に配置されるとともにより大きな直径を有する第2外管(36)とを備え、前記内管(35)及び外管(36)は、前記制御ユニット(30)が前記シーリングユニット(8,8’,108)に取り付けられたとき、前記内側ハウジング(40)及び前記弁(67)に外部軸力を加えるために、互いに対して伸縮移動できる、
請求項17に記載の制御ユニット(30)。
【請求項19】
例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器を備えるアセンブリであって、前記容器は、請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)が取り付けられる開口部を有する壁を備え、前記容器(1)は、前記容器の内部に配置されたフレキシブルな材料でできた折りたたみ可能な薄壁の液体バッグ(2)を備え、前記折りたたみ可能なバッグ(2)は、好ましくは、飲料がその内部(15)に配置されることを可能にする一方で、前記容器(1)の前記壁と前記折りたたみ可能なバッグ(2)との間の空間(16)内に駆動ガスが配置され得るように構成されている、アセンブリ。
【請求項20】
前記容器及び/又は前記制御ユニットは鋼又はアルミニウムでできている、及び/又は前記容器は全体として円筒形である、請求項17から19までのいずれか1項に記載のアセンブリ又は制御ユニット。
【請求項21】
前記容器はビール樽である、請求項20に記載のアセンブリ。
【請求項22】
請求項1から13までのいずれか1項のシーリングユニット(8,8’,108)、又は請求項19から21までのいずれか1項に記載のアセンブリの使用。
【請求項23】
請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)を操作する方法であって、
-前記内側ハウジング(40)を前記第1軸方向位置から前記第2軸方向位置に移動させるように、前記内側ハウジング(40)に第1外部軸力を加えることと、
-前記ガス流路(38’)を通して前記容器(1)に、任意選択で前記容器の壁と前記容器内に配置された折りたたみ可能なバッグ(2)との間の空間(15)に、ガスを供給するか、又は前記ガス流路(38’)を通して前記容器からガスを除去することと、
-前記管状弁要素(68)を前記閉位置から前記開位置に移動させるように、前記管状弁要素(68)に第2外力を加えることと、
-前記液体流路(37’)を通して前記容器(1)に、任意選択で前記容器内に配置された折りたたみ可能なバッグ(2)の内部(15)に、液体を供給するか、又は前記液体流路(37’)を通して前記容器から液体を除去することと、
-前記内側ハウジング(40)及び前記管状弁要素(68)にかかる前記外力を低減又は除去して、前記内側ハウジング(40)及び前記管状弁要素(68)が、前記内側ハウジング(40)を前記第1位置に移動させ、前記管状弁要素(68)を前記閉位置に移動させることと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器の壁の開口部をシールするためのシーリングユニットに関する。本開示はまた、取り外し可能な方法でシーリングユニットに結合されるバッグ接続要素及び/又は制御ユニット、そのような制御ユニット及び/又はバッグ接続要素とシーリングユニットとを含むアセンブリ、並びにそのようなシーリングユニットを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、ある量のビール等の液体を一時的に貯蔵するように構成された液体容器用のシーリングユニットに関する。ビール容器等の液体容器は、加圧された液体を保持することに適したものにするために、高い内圧に耐えるように作られ得る。このような液体容器は、構造的に強い材料及び形状でできている。例えば、ビールを保持するための液体容器は、ステンレス鋼又はアルミニウムで作られたビール樽又はバレルの形をとることができる。ビール樽は、単一の開口部を一端に有することがある。シーリングユニットは、一般的に鋼でできており、容器の壁にしっかりと取り付けられている。容器の開口部側からその反対側に延びるシーリングユニットに、管状要素又はスピアが取り付けることがある。シーリングユニットは、樽がタップされるか又は樽が充填されているときにシーリングユニットに取り付けられ得る結合フィッティングによって開かれる自動閉鎖弁を有することがある。樽がタップされたときにビールを樽から追い出すために、又は樽が充填されているときにビールが入ることを可能にするために、ガス(通常は二酸化炭素)が容器を出入りすることを可能にする手段もあり得る。結合フィッティングは、樽からのビールの流れと樽へのガスの流れを制御する1つ又は2つの弁を有することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
容器用のシーリングユニットは、多数の異なる構成要素を含む複雑な構造を有する傾向にあり、通常、主に金属部品で作られている。これは、そのようなシーリングユニットを高価にし、重くし、及び/又はかさばらせる可能性がある。
【0004】
本開示の目的は、改良されたシーリングユニットを提供することである。
【0005】
更なる目的は、製造が容易であること、軽量であること、加圧容器内に広がる高圧に適すること、及び個々の構成要素の数が比較的少ないことの少なくとも1つである、シーリングユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的の少なくとも1つは、例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器の壁の開口部をシールするためのシーリングユニットであって、
-容器の壁に固定的に取り付けられるように構成された外側ハウジングと、
-外側ハウジングの内側に配置されるとともに、外側ハウジングに対して軸方向に移動可能に構成された内側ハウジングと、
を備え、
外側及び内側ハウジングは、内側ハウジングの外面と外側ハウジングの内面との間に配置されたガス流路を規定するように構成され、内側ハウジングは、ガス流路が閉じられるとともに、ガスが容器に流入すること又は容器から流出することが防止される第1軸方向位置と、ガス流路が開かれるとともに、ガスが全体として軸方向に容器に流入すること又は容器から流出することが可能とされる第2軸方向位置との間で軸方向に移動可能であり、外側ハウジングと内側ハウジングとの間に配置されるとともに、移動可能な内側ハウジングを第1軸方向位置に移動させるように付勢するように構成された付勢要素をさらに備え、
移動可能な内側ハウジング内に液体流路が規定され、液体流路内に液体シールユニットが配置され、液体シールユニットは、
-移動可能な内側ハウジングに固定的に取り付けられているか又は一体的に形成されているとともに、管状ベース要素を含むベースと、
-管状ベース要素の内側で軸方向に移動可能に配置された管状弁要素を含む弁であって、管状弁要素は、液体流路が閉じられるとともに、液体が容器に流入すること又は容器から流出することが防止される閉位置と、液体流路が開かれるとともに、液体が全体として軸方向に容器に流入すること又は容器から流出することが可能とされるできる開位置との間で、管状ベース要素の内側で軸方向に移動可能に構成されている、弁と、
を備える、
シーリングユニットにおいて少なくとも部分的に達成され得る。
【0007】
そのような弁及びベースを備えるシーリングユニットは、シーリングユニットを通る液体流路を(例えば、弁(の一部)の位置に応じて)開閉できるようにするだけでなく、シーリングユニットを通るガス流路も(例えば、外側ハウジングに対する内側ハウジングの位置に応じて)開閉できるように構成され得る。さらに、内側ハウジングに外力がない場合、又は付勢要素によって決定される閾値を外力が下回る場合、この付勢要素の影響下でガス流路が自動的に閉じられる。任意選択で(後述するように)、弁に外力がない場合、又はこの外力が更なる付勢要素によって決定される閾値を下回る場合、更なる付勢要素の影響下で液体流路が自動的に閉じられる。第1付勢要素は、ハウジングが開位置にあるときに内側及び外側ハウジングを閉位置に移動させるように付勢するように構成された、内側及び外側ハウジング間の例えば螺旋ばね等のばね要素であり得る。同様に、特定の実施形態では、更なる付勢要素は、弁を閉位置に戻すように構成された、弁の伸縮自在の(elastic)又は弾力のある(resilient)部分であり得る。
【0008】
一実施形態では、付勢要素は、内側ハウジングが第1外力の影響下で第1軸方向位置から第2軸方向位置に移動することを可能にする一方で、第1外力が減少又は除去されたとき、内側ハウジングを第2軸方向位置から第1軸方向位置に移動させるように構成される。
【0009】
一実施形態では、シーリングユニットは、移動可能な管状弁要素を閉位置に移動させるように付勢するように構成された更なる付勢要素を備える。更なる付勢要素は、移動可能な管状弁要素が第2外力の影響下で閉位置から開位置に移動することを可能にする一方で、第2外力が減少又は除去されたときに、移動可能な管状弁要素を開位置から閉位置に戻すように構成された、フレキシブル接続要素(フレキシブル接続要素は少なくとも部分的に弾性材料(伸縮自在な材料)でできている)を備える。
【0010】
一実施形態では、外側ハウジング及び内側ハウジングの両方が、円筒形とされる、同心に配置される、及び共に伸縮管を形成する、の少なくとも1つである。
【0011】
本開示の実施形態では、外側ハウジング、内側ハウジング及び液体シールユニットのうちの少なくとも1つはプラスチックでできている。
【0012】
一実施形態では、液体シールユニットのベースは、少なくとも部分的に、液体シールユニットの他の部分よりも大きな屈曲性を有するプラスチック材料で作られている。
【0013】
一実施形態では、シール装置は、外側ハウジングに対する内側ハウジングの軸方向の動きとは独立して、内側ハウジングに対する液体シールユニットの弁の軸方向の動きを可能にするように構成されている。
【0014】
一実施形態では、外側及び内側ハウジングの間のガス流路を規定する空間は全体として環状の形状を有し、及び/又は液体流路は全体として円筒形である。
【0015】
更なる実施形態では、弁は、内側ハウジングの径方向フランジと外側ハウジングの対応する径方向フランジとの間にシールを形成するための、内側ハウジングの径方向フランジ上に延びるシーリング延長部を含む弁接続要素を備える。従って、ベースと共に液体シールユニットを形成する弁は、シーリングユニットを通る液体流路を(弁(の一部)の位置に応じて)開閉できるだけでなく、シーリングユニットを通るガス流路も(外側ハウジングに対する内側ハウジングの位置に応じて)開閉できる。従って、液体シールユニットは、これらの実施形態において、ガスの流路も同様にシールすることができるので、液体の流路をシールする以上のことを行うことができるユニットである。
【0016】
容器は、その容器の内部に配置されたフレキシブルな材料でできた折りたたみ可能な薄壁の液体バッグを備えるタイプのものであり得る。一般に、そのような折りたたみ可能なバッグは、シーリングユニットに取り付けられ、シーリングユニットと流体接続して配置され得る。従って、折りたたみ可能なバッグの内部は、その中に液体を貯蔵するために使用できる一方で、同じシーリングユニットを通して、容器の壁と折りたたみ可能なバッグとの間の空間にガスが追加されるか又はその空間からガスが除去されることもできる。例えば、空間内の圧力を上げることによって(例えば、シーリングユニットを通ってガスが空間に入ることを可能にすることによって(ガスを空間に移動させることによって))、バッグ内の液体がシーリングユニットを通ってバッグから排出されるように付勢される。シーリングユニットと折りたたみ可能なバッグの内部との間に流体(液体及び/又は気体)接続を確立するために、シーリングユニットの内側ハウジングは、バッグ接続要素を受け入れるように構成された管状端部を備えていてよい。
【0017】
本開示の一態様によれば、本明細書で規定されるようなシーリングデバイス用のバッグ接続要素が提供される。バッグ接続要素は、折りたたみ可能なバッグに取り付けられるか又はその一部を形成することができるとともに、シーリングユニットへのバッグの適切な取り付けを可能にしながら、バッグの内部との内側ハウジングの内部との間の液体接続又は流路と、容器の壁と折りたたみ可能なバッグとの間の第1空間と、内側及び外側ハウジングの間の第2空間との間のガス接続又は流路とを、同時に可能にするように構成されている。
【0018】
さらに、バッグ接続要素は、折り畳み式バッグの片側にあるシーリングユニット/バッグ接続要素からバッグの反対側にある流入/流出開口への液体流路を提供する例えばダウンパイプ又はスピア等の管状要素の取り付けを可能にするように構成され得る。特に、比較的長い管状要素を取り付ける場合、管状要素と内側ハウジングの管状端部との正しい位置合わせを使用中に維持することが難しい場合がある。適切に位置合わせされた管状要素と内側ハウジングの管状端部とを維持するために、バッグ接続要素は、フィッティングの方法で内側ハウジングの管状端部に挿入されることができる管状上部を備えていてよい。好ましくは、管状上部は、管状端部の内面への取り付けを可能にするように構成された1つ又は複数の取付要素を備える。さらに、管状上部の外面は、内側ハウジングの管状端部の内面に設けられた径方向突起にバッグ接続要素がスナップフィットされることを可能にする、例えば複数の平行リング形状リブ等の径方向突起を備えていてよい。適切な位置合わせの可能性をさらに高めるために、バッグ接続要素は、バッグ接続要素が管状端部に挿入されたとき、内側ハウジングの管状端部を受け入れるように構成された受入スペースをそれぞれ規定する1つ又は複数の支持要素を備えていてよい。支持要素の数は変更されてよい。しかしながら、支持要素の数は好ましくは少なくとも3つであり、支持要素のそれぞれは、好ましくは、内側ハウジングの管状端部の中心線に対して径方向に延びる。これらの実施形態において、及び代替的又は追加的に管状上部の円周に沿って均等に支持要素が分布される実施形態において、バッグ接続要素及びおそらく管状要素(すなわちダウンパイプ)がシーリングデバイスに対して位置ずれするリスクが低減される。さらに、受入スペースは、内側ハウジングの管状端部の厚さに対応する幅を有していてよく、その結果、支持要素によって端部がしっかりと保持され得る。
【0019】
特に好ましい実施形態では、バッグ接続要素は、折りたたみ可能なバッグを形成するポーチに接続された径方向取付フランジを備える、例えばプラスチック材料でできているスパウト等のスパウトである。この場合、スパウトされたポーチが折りたたみ可能なバッグを形成してよい。
【0020】
別の態様によれば、例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器に出入りするガスの流れ及び液体の流れを制御するための制御ユニットが提供され、制御ユニットは、本明細書で規定されるようなシーリングユニットに取り外し可能な方法で結合されるように構成され、制御ユニットは、シーリングユニットの対応する結合フィッティングに制御ユニットハウジングを取り外し可能に結合するための結合フィッティングを備える制御ユニットハウジングを任意選択で備える。
【0021】
一実施形態では、制御ユニットハウジングの内部には、駆動ガス及び液体の通過を可能にするための複数の流路が設けられており、及び/又は制御ユニットハウジングは、比較的小さな直径の第1内管と、第1内管の周りに同心に配置されるとともにより大きな直径を有する第2外管とを備え、内管及び外管は、制御ユニットがシーリングユニットに取り付けられたときに、内側ハウジング及び弁に外部軸力を加えるために、互いに対して伸縮移動できる。
【0022】
別の態様によれば、例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器を含むアセンブリが提供され、容器は、本明細書で規定されるようなシーリングユニットが取り付けられる開口部を有する壁を備え、容器は、容器の内部に配置されたフレキシブルな材料でできた折りたたみ可能な薄壁の液体バッグを備え、折りたたみ可能なバッグは、好ましくは、飲料がその内部に配置されることを可能にする一方で、容器の壁と折りたたみ可能なバッグとの間の空間内に駆動ガスが配置され得るように構成されている。
【0023】
容器及び/又は制御ユニットは鋼又はアルミニウムでできていてよく、及び/又は容器は全体として円筒形であってよい。更なる実施形態では、容器はビール樽である。
【0024】
本開示はまた、本明細書で規定されるようなシーリングユニット及び/又はアセンブリの使用に関する。
【0025】
別の態様によれば、本明細書で規定されるようなシーリングユニットを操作する方法が提供され、この方法は、
-内側ハウジングを第1軸方向位置から第2軸方向位置に移動させるように、内側ハウジングに第1外部軸方向力を加えることと、
-ガス流路を通して容器に、任意選択で容器の壁と容器内に配置された折りたたみ可能なバッグとの間の空間に、ガスを供給するか、又はガス流路を通して容器からガスを除去することと、
-管状弁要素を閉位置から開位置に移動させるように、管状弁要素に第2外力を加えることと、
-液体流路を通して容器に、任意選択で容器内に配置された折りたたみ可能なバッグの内部に、液体を供給するか、又は液体流路を通して容器から液体を除去することと、
-内側ハウジング及び管状弁要素にかかる外力を低減又は除去して、内側ハウジング及び管状弁要素が、内側ハウジングを第1位置に移動させ、管状弁要素を閉位置に移動させることと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示は、特定の実施形態に関して及び特定の図を参照して説明されるが、本開示はそれに限定されない。説明されている図は概略的なものにすぎず、限定することを意図したものではない。図面では、いくつかの要素のサイズは、説明の目的で誇張されており縮尺どおりに描かれていない場合がある。寸法及び相対寸法は、必ずしも開示の実施に対する実際の縮小に対応するわけではない。
【0027】
【
図1】
図1は、飲料容器の概略断面図、シーリングユニットの第1実施形態、及び制御ユニットの実施形態を示す。
【
図2】
図2は、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、
図1の実施形態の部分的に切り取られた側面図を示している。
【
図3】
図3は、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、
図1の実施形態の部分的に切り取られた側面図を示している。
【
図4】
図4は、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、
図1の実施形態の部分的に切り取られた側面図を示している。
【
図5A】
図5Aは、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、
図1の実施形態の部分的に切り取られた側面図を示している。
【
図5B】
図5Bは、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、閉じられた液体シール及び閉じられたガスシールを備えた位置にある、制御ユニット及び容器の一部並びにシーリングユニットの第1実施形態の断面図を示している。
【
図6】
図6は、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、充填段階のそれぞれのステップを示す(部分的に切り取られた)側面図を示している。
【
図7A】
図7Aは、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、充填段階のそれぞれのステップを示す(部分的に切り取られた)側面図を示している。
【
図7B】
図7Bは、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、閉じられた液体シール及び開かれたガスシールを備えた位置にある、制御ユニット及び容器の一部並びにシーリングユニットの第1実施形態の断面図を示している。
【
図8】
図8は、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、充填段階のそれぞれのステップを示す(部分的に切り取られた)側面図を示している。
【
図9A】
図9Aは、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、充填段階のそれぞれのステップを示す(部分的に切り取られた)側面図を示している。
【
図9B】
図9Bは、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、開かれた液体シール及び開かれたガスシールを備えた位置にある、制御ユニット及び容器の一部並びにシーリングユニットの第1実施形態の断面図を示している。
【
図10】
図10は、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、充填段階のそれぞれのステップを示す(部分的に切り取られた)側面図を示している。
【
図11】
図11は、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、充填段階のそれぞれのステップを示す(部分的に切り取られた)側面図を示している。
【
図12】
図12は、(少なくとも)シーリングユニットの第1実施形態をさらに表したものであり、充填段階のそれぞれのステップを示す(部分的に切り取られた)側面図を示している。
【
図13A】
図13Aは、制御ユニット及び容器の一部並びにシーリングユニットの第2実施形態の断面を示し、ガスシール及び液体シールの両方が閉じられている。
【
図13B】
図13Bは、制御ユニット及び容器の一部並びにシーリングユニットの第2実施形態の断面を示し、ガスシールが開かれるとともに液体シールが閉じられている。
【
図13C】
図13Cは、制御ユニット及び容器の一部並びにシーリングユニットの第2実施形態の断面を示し、ガスシール及び液体シールの両方が開かれている。
【
図14B】
図14Bは、
図1~
図13Cの液体シーリングユニットと同様の液体シーリングユニットのより概略的な断面図であり、閉位置を示している。
【
図14C】
図14Cは、
図1~
図13Cの液体シーリングユニットと同様の液体シーリングユニットのより概略的な断面図であり、開位置を示している。
【
図15】
図15は、バッグ接続要素の実施形態がシールされている折りたたみ可能なバッグの一部の側面図である。
【
図16】
図16は、折りたたみ可能なバッグにシールされたバッグ接続要素の部分的に切り取られた詳細図である。
【
図17】
図17は、
図16のバッグ接続要素を使用してシーリングユニットに結合される管状要素の実施形態の側面図である。
【
図18】
図18は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、液体シールユニット165の図である。
【
図19】
図19は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、液体シールユニット165の図である。
【
図20】
図20は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、外側ハウジングの図である。
【
図21】
図21は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、外側ハウジングの図である。
【
図22】
図22は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、第3実施形態の内側ハウジングの図である。
【
図23】
図23は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、第3実施形態の内側ハウジングの図である。
【
図24】
図24は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、第3実施形態の内側ハウジングの図である。
【
図25】
図25は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、シーリングユニットの外側ハウジングの断面図である。
【
図25A】
図25Aは、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、
図25の拡大詳細を示している。
【
図26】
図26は、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示しており、組み立てられた状態のシーリングユニットの図である。
【
図27A】
図27Aは、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示している。
図27A~
図27Cは、操作の異なる段階におけるシーリングを示しており、それぞれ、液体シール及びガスシールの両方が閉じられている第1段階、液体シールがまだシールされているとともにガスシールが開き始める第2段階、並びに液体シール及びガスシールの両方が開かれている第3段階を示している。
【
図27B】
図27Bは、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示している。
図27A~
図27Cは、操作の異なる段階におけるシーリングを示しており、それぞれ、液体シール及びガスシールの両方が閉じられている第1段階、液体シールがまだシールされているとともにガスシールが開き始める第2段階、並びに液体シール及びガスシールの両方が開かれている第3段階を示している。
【
図27C】
図27Cは、シーリングユニット及び制御ユニットの第3実施形態を示している。
図27A~
図27Cは、操作の異なる段階におけるシーリングを示しており、それぞれ、液体シール及びガスシールの両方が閉じられている第1段階、液体シールがまだシールされているとともにガスシールが開き始める第2段階、並びに液体シール及びガスシールの両方が開かれている第3段階を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構造及びデバイスは完全に詳細には説明されていない。
【0029】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように起草されている場合があることにさらに留意されたい。そのため、この声明は、請求項の要素の列挙に関連して「単独」、「のみ」等の排他的な用語を使用する、又は「否定的」な限定を使用するための先行根拠として機能することを意図としている。
【0030】
以下の説明において、「容器」の概念に言及するとき、例えばビールのような加圧及び/又は炭酸化された液体等の内容物を保持するための任意のタイプのホルダーを考慮することができる。しかしながら、本明細書に説明されるシーリングユニットは、この特定のタイプの容器への適用に限定されない。実際、本明細書で規定されるシーリングユニットは、限定はされないが、液体壺(jar)、フラスコ、ボトル、カートン等のような任意の他のタイプの容器にも適用され得る。
【0031】
図1は、例えばビール又は他のアルコール性又は非アルコール性、炭酸性又は非炭酸性飲料のような飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための液体容器1の断面を示している。炭酸飲料は通常、溶液中の二酸化炭素を維持するために圧力をかけられ、飲料の気が抜けることを防ぐ。従って、液体容器1は、容器が加圧(典型的には1バール以上の過圧)されることを可能にするように構成され、これは、液体容器の壁が、容器内の比較的高い圧力に耐えるのに十分強いことを意味する。従って、通常、液体シリンダー1は円筒形であり、例えば鋼又はアルミニウム等の剛性材料でできている。
【0032】
図1の実施形態を参照すると、液体容器1の内部には、フレキシブルな材料でできた折りたたみ可能な薄壁(内側)の液体バッグ2が配置されている。折りたたみ可能な薄壁のバッグ2の内部15において、飲料を配置することができ、その一方で容器1の壁と折りたたみ可能なバッグ2との間の空間16において、ある量のガスを配置することができる。ガスは、加圧された二酸化炭素(CO
2)、窒素及び二酸化炭素の混合物、又は実際には、液体バッグ2内に収集された飲料を容器1から追い出す(駆動する)ことができる任意の適切なガス(混合物)であり得る。他の実施形態では、図示はされていないが、折りたたみ可能なバッグ2は存在せず、ガスは液体と同じ量に導入される。
【0033】
容器1の上壁3は、容器1を環境から封鎖するためにシーリングユニット8が取り付けら得る開口部4を備える。シーリングユニット8には、上壁3に設けられた雌ねじ又は内ねじと係合することができる雄ねじ又は外ねじ9が設けられていてよい。シーリングユニット8は、液体(すなわち飲料)及び駆動ガスが制御された方法で容器に入るか又は容器から出ることが可能なように構成されている。シーリングユニット8は、液体の流れ及びガスの流れのための別個のシールを備えていてよい。シーリングユニット8はさらに、容器が充填又はタップされたとき容器1への及び容器1からのガスの流れ及び液体の流れを制御することができる(例えばガス及び液体の流れのそれぞれの流量及び流れ方向の両方を制御する)制御ユニット30の結合を可能にするように構成されている。
【0034】
制御ユニット
図1は制御ユニット30の実施形態を示し、その一方で
図2~5Bは同じ制御ユニット30の下部のみを示す。制御ユニットの下部は、移動可能な容器インターフェース継手部分32(本明細書では樽インターフェース継手部分とも呼ぶ)を備える。制御ユニット30は、取り外し可能な方法でシーリングユニット8に結合されるように構成されている。この目的のために、制御ユニット30は、容器1に取り付けられたシーリングユニット8の対応する結合フィッティング34に制御ユニットハウジング33を取り外し可能に結合するための結合フィッティング31(例えばバヨネットタイプのカップリング)を備える制御ユニットハウジング33から構成されていてよい。例えばレバー10を操作することによって、インターフェース部分32の少なくとも一部が、シーリングユニット8の方向における軸方向又は反軸方向(P
A)に動かされ得るように、移動可能な方法で容器インターフェース継手部分32が制御ユニットハウジング33の内部に配置されている。
【0035】
制御ユニットハウジング33の内部には、駆動ガス及び液体(飲料)の通過を可能にするための複数の流路が設けられている。より具体的には、制御ユニットハウジング33は、比較的小さな直径の第1内管35と、第1内管35の周りに同心に配置されるとともにより大きな直径を有する第2外管36とを備えていてよい。第1内管35は液体用の流路37を提供する一方で、第2外管36はガス用の流路38を形成する。両方の管35,36は互いに固定されていてよく、一方の管の軸方向における動きは、他方の管のそれに沿う動きを引き起こす。他の実施形態では、内管及び外管は、軸方向(P
A)において互いに対して移動可能である。例えば、両方の管35,36は、軸方向(P
A、
図1)に互いに対して伸縮移動できるように配置されていてよい。制御ユニットハウジング30は、液体(飲料)の供給又は排出(それぞれ、充填段階において液体供給(図示せず)から、及び分配段階(排出又はタッピング段階とも呼ばれる)においてグラス又は同様の入れ物に向かう)のための折りたたみ可能なバッグ2の内部15と(少なくとも)内管35内の液体流路37を介して流体接続された液体入力/出力要素12と、ガス供給(図示せず)から空間への駆動ガスの供給のため、又は適切な液体の流れを可能にするための空間からのガスの排出のための、折りたたみ可能なバッグ2の外面と容器壁の内面との間の空間16に外管36と内管35との間の流路を介して流体接続されたガス入力/出力要素11と、外管36及び内管35の両方の軸方向の動きを制御するためのレバー10とをさらに有する。シーリングユニットは、後で説明するように、外管36及び内管35の軸方向の動きがガスシール及び流体シールの両方を操作することを可能にするように構成されている。
【0036】
制御ユニット30の内管35は、液体流路37の一部である。液体流路37は、液体が、充填段階において容器1内の折りたたみ可能なバッグ2に向かって流れるか、又は排出段階において容器の折りたたみ可能なバッグ2から流れ出ることを可能とするように、制御ユニット30(流路37
1、
図5B)を通り、シーリングユニット8(流路37
2-37
4)をすべて通るとともに、シーリングユニット8(流路37
5)に接続された管状要素(「スピア」又は「ダウンパイプ」)41を通って、折りたたみ可能なバッグ2の内部15に向かって延びる。液体流路37、より具体的には液体流路37の部分37
3には、液体シールが存在する。液体シールは、液体が液体流路37を通っていずれかの方向に流れることを可能にするために開状態に、又は液体が流路37を通って容器の内部に流入すること及び容器の内部から流出することを遮断するために閉状態に配置され得る。前述のように、内管35は、液体入力/出力要素12を通して液体供給(図示せず)に接続されていてよく、これにより、液体(例えばビール)が下向きに(すなわち図示の配置における下向きに、液体入力/出力要素12の下に容器が配置された状態で移動することが可能となる。他の構成では、液体は、もちろん、液体が上方に移動して排出されることを可能にするために、液体流路37を通って異なる方向)に又は液体タップに流れてよい。
【0037】
制御ユニット30の内管35の外側と外管36の内側との間の空間は、ガス流路38の第1部分38
1を形成する。ガス流路38は、制御ユニット30を通るだけでなくシーリングユニット8を通っても延び、ガスが容器1に流入するとともに容器1から流出すること(より具体的には容器の壁と折りたたみ可能なバッグ2との間の空間16に流入するとともに空間16から流出すること)を可能にするように構成されている。
図5Bを参照すると、ガスは、ガス供給(図示せず)、ガス入力/出力要素11、制御ユニット30のガス流路38の部分38
1及び38
2、及びシーリングユニット8のガス流路38の部分38
3~38
7から、容器の壁と折りたたみ可能なバッグ2との間の空間16に流れることができる。同様に、ガスは、シーリングユニット8内のガス流路38
7~38
3、制御ユニット30内のガス流路38
2~38
1及びガス入力/出力要素11を介して、ガス捕集装置(図示せず)に又は周囲に、空間16から反対方向に流れることができる。ガス流制御装置(図示せず)が、ガス供給及びガス捕集装置に接続されて、容器の内側及び外側の圧力のバランスを取り、ガスが所望の方向に流れることを可能にする。
【0038】
他の実施形態(図示せず)では、折りたたみ可能なバッグ2が省かれる。これらの実施形態では、液体を追い出す(駆動する)ための駆動ガス及び液体自体は、容器内で同じ体積に維持され得る(その結果、駆動ガス及び液体は、折りたたみ可能なバッグによって互いに分離されない)。シーリングユニット8は、これらの実施形態においても適用されてよい。
【0039】
シーリングユニット
シーリングユニット8の第1実施形態及び
図1の制御ユニット30の下端32を示す
図2~5Bを参照する。制御ユニット30は、結合フィッティング31,34を使用することによってシーリングユニット8に取り付けられるように示されている。示されている実施形態(
図5Bを参照)では、結合フィッティングはバヨネットタイプのカップリングであり、制御ユニット30のシーリングユニット8への迅速な結合及び分離を可能にする。しかしながら、他のタイプのカップリングが使用されてもよい。
【0040】
シーリングユニット8は、ハウジング20に設けられた雄ねじ9と上壁3の開口部4の周りの雌ねじとを用いて、容器の壁3に取り付けられる全体として円筒形の外側ハウジング20を備えていてよい。外側ハウジング20の内部には、内側ハウジング40が移動可能に配置されている。例えば、内側ハウジング40は、同様に全体として円筒形であってよく、外側ハウジング20に対して同心に配置されてよい。
図5Bを参照すると、外側ハウジング20に対する内側ハウジング40の軸方向の動きは、内側ハウジング40の外周面に設けられた径方向円周フランジ45と、外側ハウジング20の内周面に設けられた径方向円周フランジ46とによって制限されてよい。外側ハウジング20の径方向フランジ46は、ガス流路開口部47を備えているか又は同じものを提供するサイズとされ(例えば、フランジ46の径方向の外端と内側ハウジング部分40Aの外面との間のギャップによって形成される)、ガス流路開口部47は、内側ハウジング20のフランジ45が外側ハウジング20のフランジ46から離間されているときにガスの通過を可能にする一方で、内側ハウジング40のフランジ45が外側ハウジング20のフランジ46に当接されるときにガス流が遮断されるように配置される。気密シールを提供するために、内側ハウジング40の径方向フランジ45には、フレキシブルなOリング53が内部に配置される環状溝49が設けられていてよい。
【0041】
前述のように、外側ハウジング20は、容器2の上壁3の対応する雌ねじにシーリングユニット8をしっかりと取り付けるように構成された例えば雄ねじ9等の適切な取付要素を備える。
図1~
図12に示される実施形態のように、内側ハウジング40は、内側ハウジングの残りの部分に固定的に接続され、液体流路37内の液体が液体流路37
2からガス流路38
3,38
4に及びその逆に通過することを防ぐためにOリング43によってその残りの部分に対してシールされる内側ハウジング部分40aを備える。他の実施形態、例えば
図13A~
図13Cに示される実施形態では、内側ハウジング部分40aは、内側ハウジング40の残りの部分と一体的に形成される。
【0042】
移動可能な内側ハウジング40は、バッグ接続要素60を結合するように構成された管状端部64を(その下端に)さらに備える。折りたたみ可能なバッグ2は、このバッグ接続要素60に取り付けられる。折りたたみ可能なバッグ2は、バッグの内部15にガスが入ることができないように、容器の壁とバッグ2との間の空間16からバッグの内部15を完全な方法で、バッグ接続要素60に取り付けられ得る。次に、バッグ接続要素60には、容器内のバッグ2の底部に近い位置に到達するとともに液体のための流路375を提供する管状要素41(ダウンパイプ又はスピア)が設けられている。内側バッグ2及び管状要素41がシーリングユニット8の内側ハウジング40に固定的に取り付けられているので、それらは内側ハウジングの軸方向の動きに沿って動くであろう。
【0043】
図5Bに示される実施形態では、バッグ接続要素60は、内側ハウジング40の管状端部64に挿入されることができる管状上部63を備える。バッグ接続要素60の管状上部63の外面は、内側ハウジングへのバッグ接続要素の取り付けを可能にする1つ又は複数の取付要素を備えていてよい。そのような取付要素の例は、図に示される径方向突起61、例えば複数の平行リング形状リブであり、これにより、シーリングユニット8の内側ハウジング40の管状端部64の内面に設けられた径方向突起62にバッグ接続要素60をスナップフィットさせることができる。さらに、バッグ接続要素60から全体として上方に延びる1つ又は複数の支持要素110が設けられて、1つ又は複数の支持要素110とバッグ接続要素62の管状上部63との間にシーリングユニット8の管状端部64を支持してよい。支持要素110は、シーリングユニット8に関連するバッグ接続要素60(及びそこに取り付けられた管状要素又はダウンパイプ41)のねじれ運動を回避又は少なくとも低減し、それにより、シーリングユニットの内側ハウジングとの管状要素の適切な位置合わせを確実にする。
【0044】
図15~
図17には、バッグ接続要素160の異なる実施形態が示されている。この実施形態では、バッグ接続要素160は、スパウト50、例えば、射出成形されたプラスチックスパウトを備え、折りたたみ可能なバッグ2は、(スパウトされた)ポーチ57によって形成されている。スパウト50は、例えば溶接操作(溶接ライン56を参照)等によって、ポーチ57の内面に取り付けられた径方向取付フランジ51を有している。例えばポーチ材料の複数の層の間の取付フランジ51をシールすることによる等、ポーチ57にスパウト50を取り付けることができる多くの代替の方法がある。スパウト50は、ポーチ57の外側に延びる外部管状上部52を備えていてよく、シーリングユニット、例えばシーリングユニット8,8’及び108のいずれかにスパウト50及び接続されたポーチ57を取り付けることを可能にするように構成され得る。外部管状上部52を内側ハウジングの管状端部64に固定するために、外部管状上部52の外面に複数のリブ61が設けられる。スパウト50にはまた、ポーチ57の内部に延びる内部管状部分54が設けられていてよい。この内部管状部分54は、細長い管状要素41(ダウンパイプ)の取り付けを可能にするように構成される。
【0045】
図15及び
図17に示されるように、取付フランジ51は、外部管状上部52の中心線に対して径方向に延びるとともに、外部管状上部52の円周にわたって均等に分布されている複数(例えば5つ)の支持要素110を有する。支持要素110のそれぞれは、横たわっている支持要素部分114及び直立した支持要素部分115(取付フランジ51に対して横たわっている/直立している)を備え、その空間116は、内側ハウジング40の管状端部64の壁を受け入れることを可能とする。好ましくは、管状端部64は、支持要素110によって提供されるそれぞれの空間116にぴったりとフィットするサイズとされており(すなわち、空間116の幅(a)は、管状端部64の壁の厚さに本質的に等しい)、その結果、接続要素160が管状端部64に挿入されるとき、リブ61を使用して内側ハウジングに外部管状上部52が取り付けられるだけでなく、支持要素110の存在により接続要素160が管状端部64内に正しく配置されたままであろう。
【0046】
図1~
図12の実施形態を参照すると、シーリングユニット8の円筒形の外側ハウジング20の内側には、外側ハウジング20に対して移動可能であるように移動可能な内側ハウジング40が配置されている。より具体的には、内側ハウジング40は、軸方向、すなわち方向P
A1(
図5B)において、円筒形の外側ハウジング20の仮想軸に沿って上下に移動可能であるように外側ハウジング20の内側に配置されていてよい。シーリングユニット8は、付勢要素(本明細書ではばね要素とも呼ばれる)をさらに備え、付勢要素は、外側ハウジング20と内側ハウジング40との間に配置されているとともに、シーリングユニットを通るガスの通過が閉じられる(すなわち、封鎖される)位置に移動させるように移動可能な内側ハウジング40を付勢するように構成されている(
図5Bの配置においては、付勢要素は内側ハウジング40を上方向に付勢する傾向を有する)。本開示の実施形態では、付勢要素は、例えば(示されるように)内側ハウジング40を取り囲むように配置された螺旋ばね等のばね要素42から構成されている。ばね要素42は、例えば外側ハウジング20の径方向内側フランジ等のばね要素支持体112上に支持されたその端部111の1つを有する。本開示の実施形態では、ばね要素42の底部は、外側ハウジング20に取り付けられていてよい。反対側の端部(すなわち、図の配置における上端)では、ばね要素42は、内側ハウジング40の上端に形成された前述の円周フランジ45によって支持されている。
【0047】
ばね要素42は、
図5A及び
図5Bに示される第1位置に内側ハウジング40を付勢するように構成されていてよい。本明細書では、第1位置は、初期位置、上部位置又は完全に閉じられた位置とも呼ばれる。この位置では、内側ハウジング45のフランジ45は、外側ハウジング20の径方向内側フランジ46の1つ又は複数のガス開口部47をシールし、それにより流路38全体をシールし、ガスが容器1に出入りできないようにする。ばね要素42は、付勢力と反対の外力(例えば、
図1~
図12に示される実施形態における内側ハウジング40の内側ハウジング部分40aに対する制御ユニット30の外管36の下向きの押し込み作用、又は
図18~
図26に示される実施形態における(内)管135の下向きの押し込み力)によって、初期位置(例えば
図5A及び
図5Bに示される)から軸方向下向きに第2位置(例えば、
図7A及び
図7Bに示される、すなわち、ガスシールが開かれて、液体シールがまだ閉じられている位置)に、内側ハウジング40を移動させることを可能とし、それにより、流路38(すなわち、制御ユニット30の内側の流路38
1及び38
2、外側ハウジング20の上端と内側ハウジング40との間の流路38
3、開口部47を通る流路38
4、フランジ45,46間にちょうど形成された流路38
4a、ばね要素42と外側ハウジング20/内側ハウジング40との間の空間に沿った流路38
5、外側ハウジング20の下端の流路38
6、及び容器1内の空間16につながる流路38
7(
図8及び
図7Bの矢印G
2,G
3,G
4も参照))を通ってガスが流れることが可能となる。外力が停止されたとき、内側ハウジングは、付勢要素の上記の付勢力(例えば、ばね要素42のばね作用)によって、自動的に(すなわち、何らの外部介入なしに)第2位置から軸方向に(上向きに)その初期の第1位置に戻るように移動するように付勢され、その次に流路38
4aを再びシールし、それにより外側ハウジング20のフランジ46の開口部47をシールする。
【0048】
さらに、軸方向に移動可能な内側ハウジング40の内部には、液体シールユニット65が配置されている。この液体シールユニット65は、例えば、液体シールユニット65の上端(より具体的には、以下で説明する弁要素68の上端)における制御ユニット30の内管35の下向きの押し込み作用等の外力によって開かれる。ガスシールと同様に、液体シールユニット65は、この外力がない場合に自動的に閉じられる。より具体的には、液体シールユニット65は、例えば、以下で説明するフレキシブルな(例えば弾力のある又は伸縮自在の)接続要素76等の更なる付勢要素の付勢作用によって閉じられる。
【0049】
液体シールユニット65は、内側ハウジング40に固定的に接続され、管状ベース要素71を含むベース66を備える(
図5Bを参照)。液体シールユニット65は弁67をさらに含み、弁67は管状ベース要素71の内側で軸方向に移動可能(方向P
A2)となるように配置された管状弁要素68を含む。管状弁要素68は、複数の径方向開口部73を有し、複数の径方向開口部73は、制御ユニット30内の流路37
1、内側ハウジング40の上部内の流路37
2、及び管状ベース要素71/管状弁要素68内の流路37
3から、内側ハウジング40の下部内の流路37
4に向かい、そして最終的に折りたたみ可能なバッグ2の内部容積15と開かれた流体接続にある管状要素又はスピア41の内側に形成された流路37
5に到達する液体の通過を可能にする(
図9A,
図9Bに示されるように、液体シールユニット65が開位置にある場合にのみ)。閉位置(
図5A/
図5B,
図7A/
図7B)では、液体流路37
3は弁67によって封鎖されており、この液体流路37
3から液体流路37
4に又はその逆に液体(飲料)が移動することはできない。
【0050】
弁67は、軸方向に移動可能な管状弁要素68と、内側ハウジング40に固定的に弁67を取り付けるための弁接続要素74と、軸方向に移動可能な弁要素68に接続されるか又はその弁要素68とともに形成された軸方向に移動可能な管状弁部材75と、軸方向に移動可能な管状弁部材75と弁接続要素74との間のフレキシブル接続要素76(内側ハウジング40に対して静止している(移動可能でない))とを備える。フレキシブル接続要素76は、液体流路が閉じられるとともに、インナーバッグ(存在する場合)の内部が環境からシールされる(閉)位置(
図5A,
図5B,
図7A,
図7B)に、移動可能な管状弁要素68を移動させるように付勢するように構成された更なる付勢要素の例である。例えば、フレキシブル接続要素76は、外力の影響下で閉位置(
図5A,
図5B,
図7A,
図7B)から開位置(
図9A,
図9B)に移動可能な管状弁要素68が移動される一方で、そのような外力が加えられていないとき開位置から閉位置に移動可能な管状弁要素68が戻るように付勢することを可能とするように構成されている。
【0051】
その結果、
図1~
図12に示される実施形態では、内側ハウジング40は、ガス流路38を開閉するために外側ハウジング20に対して軸方向に移動可能であるように配置され、その一方で、弁67は、外側ハウジング20に対する内側ハウジング40の移動とは本質的に独立して、内側ハウジング40に対して軸方向に移動されて、バッグ2の内部15と液体入力/出力要素12との間の液体流路37を開閉し、容器へ及び容器から液体が流れることを可能にする(
図9A,
図9Bを参照)(液体の流れを示す矢印L1~L4も参照)。他の実施形態では、例えば或る要素(例えば、ガスシールを開く内側ハウジング40の移動と液体シールユニットの弁を連動させる、(内)管等)によって、液体シールユニット65の開閉がガスシールの開閉に応じて行われ得る。液体弁67に外力が加えられないとき、弁は、フレキシブル接続要素76の作用によって自動的に閉じられて、それにより液体流路37を封鎖するであろう。また、内側ハウジング40に外力が加えられないとき、内側及び外側ハウジングによって形成された「ガス弁」は、付勢要素42の作用によって自動的に閉じられて、それによってガス流路38を封鎖するであろう。
【0052】
図6~
図12は、容器の充填段階中のそれぞれの操作を示している。当業者であれば排出段階で操作が異なる順序で実行されるであろうことが明らかであろう。図は、最初に制御ユニット30がシーリングユニット8に取り付けられていることを示している。次に、レバー10が操作されて、外管36及び内管35をシーリングユニット8内に軸方向に移動させて、内側ハウジング40の上端(すなわち、内側ハウジング40の内側ハウジング部分40a上)及び液体シールユニット65上にそれぞれの軸方向外力を加える。内側ハウジングを第1軸方向位置から第2軸方向位置まで移動させるように、外管36によって内側ハウジング40に第1外部軸力が加えられる。次に、充填段階において、ガス流路38を通して容器内にガスが供給され得る。ガスは、容器の内部に直接供給されるか、又は容器の壁と容器の内部に配置された折りたたみ可能なバッグ2との間の空間15に供給され得る。排出段階では、代わりに、ガスは、ガス流路38を通して容器(内部の折りたたみ可能なバッグ)から除去される。次に、管状弁要素68を閉位置から開位置に動かすように、内管35によって管状弁要素68に第2外力が加えられる。次に、液体流路37を通して容器1に、又は折りたたみ可能なバッグ2が存在するときは折りたたみ可能なバッグ2の内部15に、(充填段階において)液体が供給され得る。代替的に、排出段階において、液体流路を通して容器から液体が除去されている場合がある。次に、制御ユニット30を操作することにより、内管35及び外管36を(反対の軸方向に)戻すことによって、外力が低減又は除去される。これにより、内側ハウジング40及び管状弁要素68がそれぞれの初期(閉)位置に自動的に戻される。
【0053】
ガスシール及び液体シールの開閉のタイミングは、内管及び外管の寸法、内管及び外管が互いに対して軸方向に移動可能であるか否か等に従うことが明らかである。例えば、内管及び外管が互いに固定されているか、ガスシール及び液体シールの両方が1つの同じ要素(例えば1つの(内)管)によって操作される場合、ガスシールの開閉と液体シールの開閉とのタイミング差が一定であり得る(例えば、両方のシールを開くとき、最初にガスシールが開かれた次に液体シールが開かれ、その一方で、両方のシールを閉じるとき、ガスが閉じられる前に最初に液体シールが閉じる場合もある。タイミング差がゼロの場合もあり、これは、ガスシール及び液体シールの両方が同期して開閉されることを意味する)。他の実施形態(例えば、ガスシールが液体シールとは独立して操作される実施形態)では、タイミング差が可変とされ得る。
【0054】
図13A~
図13C及び
図14は、シーリングユニット8’、制御ユニット30’の一部、及び折りたたみ可能なバッグ2を含む容器1の一部の第2実施形態を示している。
図13Aのシーリングユニット8’はそのガスシール及び液体シールが閉じられている状態で示されており、
図13Bではガスシールが開かれるとともに液体シールが閉じられており、その一方で
図13Cでは液体シール及びガスシールの両方が開かれている。シーリングユニット8’は、
図14においてより具体的に示されるように、シーリングユニット8’の液体シールユニット65が異なって具体化されることを除いて、前述のシーリングユニット8に対応する。液体シールユニット65’は、シーリングユニット8’の内側ハウジング40に異なる方法で取り付けられている。さらに、この実施形態では、内側ハウジング40の内側ハウジング部分40aが省略され、制御ユニット30’の内管及び外管35’,36’は、それぞれ、内側ハウジング40及び弁に直接接触することができる。最後に、
図2~
図12の実施形態において環状溝49内のフレキシブルなOリング53によって形成される内側及び外側ハウジングのフランジ間の気密シールが、ここでは液体シールユニット65’自体によって提供される。この意味で、液体シールユニット65’は、液体流路37をシールするだけでなく、ガス流路38を封鎖することを助けることができる。
【0055】
図13A~
図13C及び
図14に示されるように、第1実施形態の弁接続要素74及びフレキシブル接続要素76は、それぞれ、弁接続要素78及びフレキシブル接続要素79によって置き換えられている。フレキシブル接続要素79は、更なる付勢要素として機能するように(例えば十分にフレキシブルとなるように)構成されている:それは、例えば内管35等によって弁の上部に外力が加えられたとき、弁が閉状態から開状態に移動させられる(すなわち、示される配置において下向きに移動させられる)ことを可能にする一方で、それは、弁に外力がない場合、自動的に弁を開状態から閉状態に戻すであろう。
【0056】
弁接続要素78は、全体として円筒形であり、内側ハウジング40の径方向フランジ45上に延びるシーリング延長部80を有し、内側及び外側ハウジングが第1(初期)位置にあるとき、内側ハウジング40の径方向フランジ45と外側ハウジング20の径方向フランジ81との間の良好なシールを可能にする。この位置では、ガス流路は完全に封鎖されており、ガスが容器1に出入りすることはできない。
図13A~
図13C及び
図14に示すように、液体シーリングユニット65’のシーリング延長部80は、シーリングユニットの第1実施形態で使用されるOリング53と同様に、シール特性を改善するためにシーリング延長部80とともに形成された、1つ又は複数の選択的な一体化されたO形シールリング69(図では2つのリングが示されている)を有することができる。
【0057】
図14B及び14Cには、
図1~
図12の液体シーリングユニット65及び
図13A~
図13C,
図14の場合はシーリングユニット65’に対応する液体シーリングユニットの一部が示されている。
図14Bは閉位置にある液体シールユニット65,65’の一部を示し、
図14Cは開位置にある液体シールユニットを表している。弁67’の管状弁要素68は、ベース66の管状ベース要素71に同軸に配置されるとともに、静的な管状ベース要素71(すなわち、それ自体がガスシールを開閉するように移動可能である内側ハウジング40に対して静止している)に対して、(少なくとも)2つの異なる軸方向位置の間で、軸方向(図ではP
A2、上向き及び下向き)に移動可能である。管状弁要素68は、弁作動のために構成されている。より具体的には、管状弁要素68は、液体シールユニット65,65’を通る液体の液体流路37
3を開閉することができる弁ステムの形態の操縦体を構成する。管状弁要素68は、その上流端にシール部材90を備える。シール部材90は、端壁によって形成されてよい。管状弁要素68のこの端壁は閉じられているが、管状弁要素68の側面には、1つ又は複数の径方向開口部73が存在し、
図9A、
図9B、
図13C、及び
図14Cの開位置に弁があるとき、液体が容器1から液体シールユニット流路37
3を通って外側(又はその逆)に流れることを可能とする。
【0058】
図に示されるように、管状弁要素68は、上壁93を介して、移動可能な管状弁部材75によって形成される外側管状壁に接続されている。外側管状壁は、管状弁要素68よりも大きな直径を有する管を規定して、それらの間のギャップ94を規定する。さらに、フレキシブル接続要素76は、軸方向に対して斜め又は横方向に延びるフレキシブルな(弾力のある)壁で形成されている。弁接続要素74は、内側ハウジング40にしっかりと取り付けられている。フレキシブル接続要素76は、管状弁要素68,68’が、
図14Bに示される閉位置と
図14Cに示される開位置との間で内側ハウジング40に対して上下に移動可能であることを可能にする。液体流路373を開閉するために、弁は、シーリング体を備え、好ましくは、管状弁要素68に向かって内側に延びる伸縮自在なリング形状のシールカラー95によって形成されるシーリング体を備える。シーリング体95は、管状弁要素68のシール部材90に配置されている。シールカラー95は、本質的に伸縮自在な適切なプラスチック材料から形成され得る。上記のように、管状弁要素68には、いくつかの径方向開口部73も設けられている。これらの径方向開口部73は、シールカラー95のすぐ下流に配置されている。それによって、弁が開位置にあるとき、径方向壁開口部73及び管状弁要素68を通して液体の排出が行われるであろう。その内周に沿って、管状ベース要素71には、管状ベース要素71内に延びるリング形状のシールバルブ96が設けられている。シールバルブ96は、
図14Bに示すように、弁が閉位置にあるとき、前述のシールカラー95の受容をシールするように構成された貯蔵シールシート97を含む。
【0059】
さらに、管状ベース要素71には、管状ベース要素71内のいくつかのユーティリティシールシートの1つであるリング形状の端部シート98が設けられている。この例示的な実施形態では、端部シート98は、管状ベース要素71に形成された傾斜端部から構成される。端部シート98は、弁が閉位置にあるとき、シールカラー95の受容をシールするように構造化されている。従って、弁は、端部シート98から離れる、内側ハウジング40に対するシールカラー95の軸方向の移動の効能によって、流路37’’を開くように構造化されている。
【0060】
シールバルブ96はまた、下流に向けられたリング形状のストップシート99を含む。このストップシート99は、前述の径方向開口部73の下流及びシールバルブ96の下流に位置する領域において管状弁要素68の周りに形成された外部ストップカラー100との運動制限接触のために構造化される。
図14Cは、管状弁要素68の弁開放軸方向運動に続いて、ストップシート99と接触しているストップカラー100を示している。
【0061】
管状ベース要素71はまた、前述の端部シート98とシールバルブ96との間の長手方向部分に配置された内部及び円筒形のシール部分101を含む。シール部分101は、シールカラー95に対してスライドシールするように構造化され得る。その径方向に拡張された位置のとき、このシールカラー95は、内部の円筒形のシール部分101の直径よりわずかに大きい直径を有するように配置される。シールカラー95は、シール部分101に位置されるときに径方向にいくらか圧縮されるであろう。従って、シールシート97,98,101のすべては、その軸方向移動中にシールカラー95に対してシールするように構造化され得る。
【0062】
図26は、シーリングユニット108の更なる実施形態を示す。前述のシーリングユニット8,8’と同様に、シーリングユニット108は、外側ハウジング120、内側ハウジング140及び液体シールユニット165を備える。液体シールユニット165は
図18及び
図19においてさらに詳細に示され、外側ハウジング120は
図20、
図21及び
図25においてさらに詳細に示され、内側ハウジング140は
図22~
図24においてさらに詳細に示されている。最後に、シーリングユニット108の動作が
図27A~
図27Cにおいて説明されている。
【0063】
図20、
図21、
図25及び
図26を参照すると、外側ハウジング120は、全体として円筒形である。外側ハウジング120の上部、その外側には、上壁3に設けられた雌ねじ又は内ねじと係合することができる雄ねじ又は外ねじ109が設けられている。外側ハウジング120の上部の内側には、制御ユニット30,30’がシーリングユニット108に取り外し可能に結合されることを可能にするように、例えばバヨネットタイプのフィッティング等の結合フィッティング134が形成されてよい。下部には、ガスが外側ハウジング120に出入りすることを可能にするために、複数の径方向ガス開口部149が設けられている。
【0064】
内側ハウジング140も本質的に円筒形であるとともに、外側ハウジング120の内側で軸方向に移動され得るようなサイズである。内側ハウジング140の上部148(本明細書ではばね上部とも呼ばれる)が径方向フランジ145によって形成される一方で、内側ハウジング140のベースはばねベース147を備える。ばね上部148とばねベース147との間には、ばね要素142が設けられている。ばね要素142は、内側ハウジング140から上部で延びる径方向フランジ145に恒久的に接続されるか又はその径方向フランジ145と一体的に形成される。底部側では、ばね要素142は、例えば後に説明されるスナップフィット接続等によって内側ハウジング140に接続可能である。
【0065】
示される実施形態では、ばね要素142は、基本的に、内側ハウジング140を取り囲む螺旋ばね146である。螺旋ばね146は、プラスチック材料によって形成され得、二重螺旋の形状を有し得る。ばね要素142は、ばね上部148、従ってそれに接続されるか又はそれとともに形成された内側ハウジング140が、外側ハウジング120に対して、より具体的には、外側ハウジング120の内面でばね要素支持体に対して、軸方向に移動されるように配置される。
【0066】
外側ハウジング120のばね要素支持体は、
図5B、
図7B及び
図9Bのばね要素支持体111と同様の機能を有する。しかしながら、
図18~
図26に示される実施形態では、ばね要素支持体は、外側ハウジング120の底部側に配置されるとともに、ハウジング120の円周に沿って分布された複数の支持開口部113によって形成されている。支持開口部113は、ばねベース147の外周に沿って形成された(好ましくはフレキシブルであるように構成された)対応する数の径方向突起151を(好ましくはスナップフィットの方法で)受け入れるように構成されている。このようにして、ばね要素142の底部は、内側ハウジング140を外側ハウジング120に挿入するだけで、外側ハウジング140に容易に固定されることができ、フレキシブル突起151は最終的に支持開口部113に押し込まれて、内側ハウジング140が外側ハウジング120によって適切に支持されるようになるであろう。
【0067】
図21を参照すると、外側ハウジング120の内面には、全体として軸方向に延びる1つ又は複数の長手方向の取付配向リブ203が追加的に設けられていてよい。同様に、
図22を参照すると、内側ハウジング140又はばね要素142のばねベース147には、シーリングユニット108の組み立て段階において、内側ハウジング140が外側ハウジング120内にスライドされたときに、取付配向リブ203を収容するための1つ又は複数の長手方向の窪み200が設けられていてよい。窪み200は、内側ハウジング140が外側ハウジング120内に挿入されることができる1つの特定の配向のみを可能にすることができるように、1つ又は複数の取付配向リブ203の位置に対応する位置に配置される。
【0068】
図21を参照すると、複数の誘導リブ201が、外側ハウジング120の内面に、好ましくは径方向内側フランジ207(前述の径方向フランジ46と同様の機能を有する)の近くに、設けられている。誘導リブ201は、外側ハウジング120の内面の円周に沿って均等に分布されていてよく、その結果、内側ハウジング140の径方向フランジ145は、内側ハウジング140の径方向への望ましくない動きを回避する一方で、同時に内側ハウジング140を軸方向に自由に移動可能のままとする。
【0069】
図25Aは、外側ハウジング120及び内側ハウジング140の小さな部分(液体シールユニット165を有しない)の詳細図であり、外側ハウジング120の径方向フランジ207の底面と内側ハウジングのフランジ145の上面との間の空間を示している。この図はまた、外側ハウジング120の径方向フランジ207の底面に形成された2つの全体的にリング形状のリブ205を示している(このリブ205の数は、他の実施形態ではより少ないか(すなわち1つであるか)又はより多くてもよい)。リブ205は、シーリングユニット108のガスシール能力を改善するように構成されている(もちろん、例えば、
図26に示されるように、上部フランジ207と下部フランジ145との間に液体シールユニット165が延びるとき)。
【0070】
図26は、組み立てられた状態(すなわち、外側及び内側ハウジングの間に液体シールユニット165が配置されながら内側ハウジング140が外側ハウジング120内に挿入された状態)のシーリングユニット108を示している。
図18及び
図19を参照すると、この更なる(すなわち第3の)実施形態による液体シールユニット165は、大部分が前述の液体シールユニット65の第1実施形態に対応し、さらには液体シールユニット65’の第2実施形態に対応している。液体シールユニット65の第1実施形態と比較して、第1実施形態の弁接続要素74及びフレキシブル接続要素76は、第3実施形態において、弁接続要素178及びフレキシブル接続要素176によってそれぞれ置き換えられている。さらに、第1及び第2実施形態では、管状弁要素68に向かって内側に延びる伸縮自在なリング形状のシールカラー95が設けられた別個の管状ベース要素71によってベースが形成されているが、第3実施形態では、内側ハウジング140の適切に形成された部分によってベースが形成されている。言い換えると、管状ベース要素171は、内側ハウジング140の壁の一部である。内側ハウジング140内の液体流路は、液体シールユニット165のベースを形成する局所的に狭くなる形状を有している。内側ハウジング140の壁は管状ベース要素171を備え(
図26を参照)、管状ベース要素171は管状弁要素168に向かって内側に延びる伸縮自在なリング形状のシールカラー195を備えている。内側ハウジング140の壁と一体的に形成された管状ベース要素171は、前述の管状ベース要素71,71’と同じ機能を有している。第3実施形態では内側ハウジングの壁と一体的に管状ベース要素171が形成されるが、他の実施形態(図示せず)では、管状ベース要素はまた、内側ハウジング140の壁に取り付けられ得る別個の構成要素によって形成されてよい。重要なのは、管状ベース要素が、弁の軸方向に移動可能な管状弁要素のシートとして機能でき、これが第1軸方向位置にあるときに管状弁要素の液体開口部を塞ぎ、管状弁要素が第2位置にあるときに液体開口部を開いたままとすることができることである。
【0071】
残りの部分については、第3実施形態は、第1及び第2実施形態に対応し得る。
【0072】
フレキシブル接続要素176は、更なる付勢要素として機能するように(例えば十分にフレキシブルとなるように)構成され得る:それは、弁の上部に外力が加えられたとき、弁が閉状態から開状態に弁が移動される(すなわち、図示の配置において下向きに移動される)ことを可能にする一方で、それは、弁に外力がない場合、自動的に弁を開状態から閉状態に戻すであろう。
【0073】
第3実施形態の液体シールユニット165は、第2実施形態の液体シールユニット65’と同様の方法で、シーリングユニット108の内側ハウジング40に取り付けられ及び/又はその内側ハウジング40にとともに形成される。液体シールユニット165は、ベース166及び弁167を備える。この実施形態におけるベース166は、内側ハウジング140の壁の壁の局所的に狭くなる形状によって形成される(
図24及び
図26を参照)。液体シールユニット165の弁167は、全体として先細りの形状の(下向きの軸方向)、より具体的には円錐台の形状の、部分184を有する弁接続要素178を備える。接続要素178のこの部分184の機能は、
図27A~
図27Cのシーリングユニットの動作の説明から明らかになるであろう。
【0074】
弁接続要素178は、内側ハウジング140に弁を接続するように構成され、この目的のために、内側ハウジング140の径方向フランジ145上に延びるシーリング延長部180を有する。シーリング延長部180は、フレキシブルな材料でできているとともに、内側ハウジング140の径方向フランジ145に弁が固定される(好ましくは径方向フランジ145上にスナップされる)ことを可能とする一方で、それと同時に、少なくとも内側及び外側ハウジングが第1(初期)位置にあるとき(
図27Aを参照)、内側ハウジング140の径方向フランジ145と外側ハウジング20の径方向フランジ207との間に良好なシールを可能とするように(円周スカート181を有するように)形成されている。この位置では、ガス流路は完全に封鎖されており、ガスが容器1に出入りすることはない。弁のシーリング延長部180がフレキシブルな材料でできているので、例えば第2実施形態に存在するO形シールリング69(
図13A~
図13C及び
図14を参照)等の追加のシーリング手段を使用せずに良好なシール特性を実現できる。
【0075】
次に、ガスシール及び液体シールが作動される方法、すなわち、それぞれの閉位置から開位置に移動される方法について説明する。
図27Aは、制御ユニット130が挿入されたシーリングユニット165を示している。制御ユニット130は、大部分が制御ユニット30に対応しており、詳細な説明はここでは省略される。制御ユニット130は、管135(第1及び第2実施形態の内管35と同様)と、管135を取り囲むとともに、シーリングユニット108に向かう及びシーリングユニット108からのガス流路38
2を形成するリング形状の空間151を管135と外側要素136との間に残す外側要素136とを備える。図に見られるように、外側要素136は、第1及び第2実施形態の外管36と同様に、全体として管状の外側要素又は外管と見なされ得る。
【0076】
外側要素136の底部側には、外側要素136がシーリングユニット108内に挿入され、次に外側ハウジング120の径方向フランジ207上に適切に支持されることを可能にするように、リング形状の支持部材154が配置される。(内)管135は、外側要素136がシーリングユニット内に挿入されるとともに径方向フランジ207で支持されると、軸方向に移動可能(
図27A及び
図27Bの矢印を参照)となるように配置されている。管135は、広げられた部分156(壁の厚さがより大きくされている)を有している。広げられた部分156の底部側には、リング形状の端部要素150が形成されているか又は取り付けられている。
【0077】
図27Aに示された位置では、ガスシール及び液体シールの両方が閉じられている。ガスシールに関して、ばね要素によって内側ハウジング140が最も直立した位置とされ、その結果、内側ハウジング140のフランジ145が、フランジ145と外側ハウジング120の対応するフランジ207との間に挟まれたシーリング延長部180を押すので、ガス流路が遮断される。液体シールに関して、内側ハウジング140の最上部の位置において、弁の管状弁要素168部分の液体開口部173は、シーリング体によって、好ましくは管状弁要素168に向かって内側に延びる管状ベース要素171の伸縮自在なリング形状のシールカラー195によって形成されるシーリング体によって、閉じられる。
【0078】
図27Aの初期の第1位置から
図27Bに示される第2位置まで、管135が軸方向に下向きに動かされたとき、(更なる段階において液体シールが開かれる前であっても)管135と液体シールユニット165との間の接触領域の正しいシーリングを確実にするために、すなわち、液密又は気密シールを提供するように、リング形状の端部要素150の底部側が、弁接続要素178の円錐部分184を下向きに押し始める。初期位置から第2位置への移動中に、管135の拡げられた部分136の底部側にあるリング形状の端部要素150が接続要素178の円錐部分184に対しても押されるだけでなく、管135(の円筒壁)の底端が階段形状のフレキシブル部分176に接触して管状弁要素168を下向きに押し始め、その結果、弁の管状弁要素168が下向きに動き始めて、
図27Cに示される開位置に到達する。後者の位置では、内側ハウジング140の伸縮自在なリング形状のシールカラー195の存在によって以前に閉鎖されていた管状弁要素168の液体開口部173がそのとき露出される。このようにして、液体流路37は遮断されなくなり、その結果、液体がこれらの開口部173を通って自由に流れることができるようになる。
【0079】
管135の底端137と弁の階段形状のフレキシブル部分176との間の接触面の領域において、管135(のリング形状の端部要素150)と弁接続要素178の円錐部分184との間に形成されたシールのために、液体が液体流路を離れることができないことに留意されたい。同様に、ガスは、同じシールを通過するリスクなしに、ガス流路38内を流れることができる。
【0080】
本発明は、記載された特定の態様に限定されず、従って、変化し得ることが理解される。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるであろうことから、本明細書で使用される用語は特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解される。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器の壁の開口部をシールするためのシーリングユニット(8,8’,108)であって、
-前記容器の壁に固定的に取り付けられるように構成された外側ハウジング(20;20’,120)と、
-前記外側ハウジングの内側に配置されるとともに、前記外側ハウジングに対して軸方向に移動可能に構成された内側ハウジング(40,40’,140)と、
を備え、
前記外側及び内側ハウジングは、前記内側ハウジングの外面と前記外側ハウジングの内面との間に配置されたガス流路(38)を規定するように構成され、前記内側ハウジングは、前記ガス流路が閉じられるとともに、ガスが前記容器に流入すること又は前記容器から流出することが防止される第1軸方向位置と、前記ガス流路が開かれるとともに、ガスが全体として軸方向(P
A1)に容器に流入すること又は前記容器から流出することが可能とされる第2軸方向位置との間で軸方向に移動可能であり、前記外側ハウジング(20)と前記内側ハウジング(40)との間に配置されるとともに、前記移動可能な内側ハウジングを前記第1軸方向位置に移動させるように付勢するように構成された付勢要素をさらに備え、
前記移動可能な内側ハウジング内に液体流路(37’,37’’,37’’’)が規定され、前記液体流路内に液体シールユニット(65,65’,165)が配置され、前記液体シールユニット(65,65’,165)は、
-前記移動可能な内側ハウジング(40)に固定的に取り付けられているか又は一体的に形成されているとともに、管状ベース要素(71,71’,171)を含むベース(66,66’,166)と、
-前記管状ベース要素の内側で軸方向に移動可能に配置された管状弁要素(68,68’,168)を含む弁(67,67’,167)であって、前記管状弁要素は、前記液体流路(37)が閉じられるとともに、前記液体が前記容器に流入すること又は前記容器から流出することが防止される閉位置と、前記液体流路(37)が開かれるとともに、前記液体が全体として軸方向(P
A2)に前記容器に流入すること又は前記容器から流出することが可能とされる開位置との間で、前記管状ベース要素の内側で移動可能に構成されている、弁(67,67’,167)と、
を備える、
シーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項2】
前記付勢要素は、前記内側ハウジング(40)が第1外力の影響下で前記第1軸方向位置から前記第2軸方向位置に移動することを可能にする一方で、前記第1外力が減少又は除去されたときに、前記内側ハウジング(40,40’,140)を前記第2軸方向位置から前記第1軸方向位置に移動させるように構成されている、
請求項1に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項3】
前記移動可能な管状弁要素(68,68’,168)を前記閉位置に移動させるように付勢するように構成された更なる付勢要素を備える、
請求項1又は2に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項4】
前記更なる付勢要素は、好ましくは弾性材料でできており、前記移動可能な管状弁要素(68,168)が第2外力の影響下で前記閉位置から前記開位置に移動することを可能にする一方で、前記第2外力が減少又は除去されたときに、前記移動可能な管状弁要素(68,168)を前記開位置から前記閉位置に戻すように構成された、前記弁(67,167)のフレキシブル接続要素(76,76’,176)を備える、
請求項3に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項5】
前記外側ハウジング(20)及び内側ハウジング(40)の両方が、円筒形とされる、同心に配置される、及び共に伸縮管を形成する、の少なくとも1つである、
請求項1から4までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項6】
前記外側ハウジング(20)、前記内側ハウジング(40)及び液体シールユニット(65,65’)のうちの少なくとも1つがプラスチックでできている、
請求項1から5までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項7】
前記液体シールユニット(65,65’,165)の前記ベースは、少なくとも部分的に、前記液体シールユニット(65,65’)の他の部分よりも大きな屈曲性を有するプラスチック材料でできている、
請求項6に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項8】
前記外側ハウジング(20)に対する前記内側ハウジング(40,40’,140)の前記軸方向の動きとは独立して、前記内側ハウジング(40,40’,140)に対する前記液体シールユニット(65,65’,165)の前記弁の軸方向の動きを可能にするように構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項9】
前記外側及び内側ハウジングの間の前記ガス流路を規定する空間は全体として環状の形状を有し、及び/又は前記液体流路は全体として円筒形である、
請求項1から8までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)。
【請求項10】
前記弁(67’,167)は、前記内側ハウジング(40,140)の径方向フランジ(45,145)と前記外側ハウジング(20,120)の対応する径方向フランジ(81,207)との間にシールを形成するための、前記内側ハウジング(40,140)の前記径方向フランジ(45,145)上に延びるシーリング延長部(80,180)を含む弁接続要素(178)を備える、
請求項1から9までのいずれか1項に記載のシーリングユニット。
【請求項11】
前記液体シールユニットの前記弁は、例えば円錐台形状等の全体として先細り形状の部分(184)を有する弁接続要素(178)を備える、
請求項1から10までのいずれか1項に記載のシーリングユニット。
【請求項12】
前記外側ハウジング(120)の前記内面は、全体として軸方向に延びる少なくとも1つの長手方向の取付配向リブ(203)を有し、前記内側ハウジング(140)の外面は、前記内側ハウジング(140)が前記外側ハウジング(120)内にスライドされたときに、前記少なくとも1つの取付配向リブ(203)を収容するための少なくとも
1つの長手方向の窪み(200)を有する、
請求項1から11までのいずれか1項に記載のシーリングユニット。
【請求項13】
前記内側ハウジング(40,140)は、前記容器内の折りたたみ可能なバッグ(2)を取り付けるためのバッグ接続要素(60,160)を受け入れるように構成された管状端部(64,164)を備える、
請求項1から12までのいずれか1項に記載のシーリングユニット。
【請求項14】
シーリングユニット、好ましくは請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリングユニットに折りたたみ可能なバッグを接続するように構成されたバッグ接続要素(60,160)であって、前記バッグ接続要素(60,160)は、内側ハウジング(40,140)の管状端部(64,164)に挿入され得る管状上部(63,52)を備え、前記管状上部は、好ましくは、前記管状端部の内面への取り付けを可能にするように構成された取付要素を備え、及び/又は前記管状上部の外面は、好ましくは、前記シーリングユニット(8,8’,108)の前記内側ハウジング(40,140)の前記管状端部(64,164)の内面に設けられた径方向突起(62)に前記バッグ接続要素(60,160)がスナップフィットされることを可能にする、例えば複数の平行リング形状リブ等の径方向突起(61)を備える、バッグ接続要素(60,160)。
【請求項15】
前記バッグ接続要素(60,160)は、前記バッグ接続要素が前記管状端部に挿入されたとき、前記内側ハウジングの前記管状端部を受け入れるように構成された受入スペース(116)をそれぞれ規定する、1つ又は複数の支持要素(110)を備え、好ましくは、径方向に延び、及び/又は前記バッグ接続要素の管状上部(63,52)の円周に沿って均等に分布されている少なくとも3つの支持要素(110)を備えている、
請求項13又は14に記載のバッグ接続要素。
【請求項16】
前記受入スペースは、前記内側ハウジングの前記管状端部の厚さに対応する幅を有し、及び/又は前記バッグ接続要素は、前記折りたたみ可能なバッグ(2)を形成するポーチ(57)に接続された、例えば溶接された、径方向取付フランジ(51)を備えるプラスチックスパウト(50)である、
請求項14又は15に記載のバッグ接続要素。
【請求項17】
例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器に出入りするガスの流れ及び液体の流れを制御するための制御ユニット(30)であって、前記制御ユニット(30)は、請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)に取り外し可能な方法で結合されるように構成され、前記制御ユニット(30)は、シーリングユニット(8,8’,108)の対応する結合フィッティング(34)に制御ユニットハウジング(33)を取り外し可能に結合するための結合フィッティング(31)を備える制御ユニットハウジング(33)を任意選択で備える、制御ユニット(30)。
【請求項18】
前記制御ユニットハウジング(33)の内部には、駆動ガス及び液体の通過を可能にするための複数の流路が設けられており、及び/又は前記制御ユニットハウジング(33)は、比較的小さい直径の第1内管(35)と、前記第1内管(35)の周りに同心に配置されるとともにより大きな直径を有する第2外管(36)とを備え、前記内管(35)及び外管(36)は、前記制御ユニット(30)が前記シーリングユニット(8,8’,108)に取り付けられたとき、前記内側ハウジング(40)及び前記弁(67)に外部軸力を加えるために、互いに対して伸縮移動できる、
請求項17に記載の制御ユニット(30)。
【請求項19】
例えば飲料等の液体を貯蔵、輸送及び提供するための容器を備えるアセンブリであって、前記容器は、請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)が取り付けられる開口部を有する壁を備え、前記容器(1)は、前記容器の内部に配置されたフレキシブルな材料でできた折りたたみ可能な薄壁の液体バッグ(2)を備え、前記折りたたみ可能なバッグ(2)は、好ましくは、飲料がその内部(15)に配置されることを可能にする一方で、前記容器(1)の前記壁と前記折りたたみ可能なバッグ(2)との間の空間(16)内に駆動ガスが配置され得るように構成されている、アセンブリ。
【請求項20】
前記容器及び/又は前記制御ユニットは鋼又はアルミニウムでできている、及び/又は前記容器は全体として円筒形である、請求項17から19までのいずれか1項に記載のアセンブリ又は制御ユニット。
【請求項21】
前記容器はビール樽である、請求項20に記載のアセンブリ。
【請求項22】
請求項1から13までのいずれか1項
に記載のシーリングユニット(8,8’,108)、又は請求項19から21までのいずれか1項に記載のアセンブリの使用。
【請求項23】
請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリングユニット(8,8’,108)を操作する方法であって、
-前記内側ハウジング(40)を前記第1軸方向位置から前記第2軸方向位置に移動させるように、前記内側ハウジング(40)に第1外部軸力を加えることと、
-前記ガス流路(38’)を通して前記容器(1)に、任意選択で前記容器の壁と前記容器内に配置された折りたたみ可能なバッグ(2)との間の空間(15)に、ガスを供給するか、又は前記ガス流路(38’)を通して前記容器からガスを除去することと、
-前記管状弁要素(68)を前記閉位置から前記開位置に移動させるように、前記管状弁要素(68)に第2外力を加えることと、
-前記液体流路(37’)を通して前記容器(1)に、任意選択で前記容器内に配置された折りたたみ可能なバッグ(2)の内部(15)に、液体を供給するか、又は前記液体流路(37’)を通して前記容器から液体を除去することと、
-前記内側ハウジング(40)及び前記管状弁要素(68)にかかる前記外力を低減又は除去して、前記内側ハウジング(40)及び前記管状弁要素(68)が、前記内側ハウジング(40)を前記第1位置に移動させ、前記管状弁要素(68)を前記閉位置に移動させることと、
を備える、方法。
【国際調査報告】