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特表2023-507508シグマ-1受容体リガンド及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(54)【発明の名称】シグマ-1受容体リガンド及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20230215BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230215BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230215BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230215BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230215BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230215BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230215BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230215BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20230215BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230215BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20230215BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20230215BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20230215BHJP
【FI】
C07D401/04
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/14
A61P21/00
A61P25/00
A61P25/18
A61P25/24
C07D403/04 CSP
C07D401/14
A61K31/501
A61K31/5377
A61K31/506
C07D401/06
C07D405/14
A61K31/4545
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538109
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2020086996
(87)【国際公開番号】W WO2021123145
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】19306705.5
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509228260
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・ドゥ・ストラスブール
(71)【出願人】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(71)【出願人】
【識別番号】507241492
【氏名又は名称】アンスティトゥート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシャルシュ・メディカル・(インセルム)
(71)【出願人】
【識別番号】515011944
【氏名又は名称】ウニヴェルシテ・ドゥ・モンペリエ
(71)【出願人】
【識別番号】518027472
【氏名又は名称】エコール プラティーク デ オート エチュード
【氏名又は名称原語表記】ECOLE PRATIQUE des HAUTES ETUDES
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ジャック・ブルギニオン
(72)【発明者】
【氏名】マルティヌ・シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・ブリカール
(72)【発明者】
【氏名】タンギー・モーリス
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB02
4C063BB03
4C063CC12
4C063CC25
4C063CC28
4C063CC29
4C063CC34
4C063CC54
4C063CC78
4C063DD10
4C063DD15
4C063DD19
4C063DD28
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC21
4C086BC41
4C086BC42
4C086BC50
4C086BC73
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA12
4C086ZA18
4C086ZA94
(57)【要約】
本発明は、医療分野に関する。より具体的には、本発明は、シグマ-1受容体アゴニストである化合物、並びに、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症及び多発性硬化症等の認知又は神経変性障害を含む中枢神経系障害の処置のためのそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I)を有する化合物:
【化1】
[式中、
R1及びR2は、独立して、
・ H、
・ アリール(C1~C6)アルキル基、
・ アリール基、
・ シクロアルキル基、
・ 複素環式基、又は
・ SR(Rは、アルキル、アリール又はアラルキルである)
を表し、
ここで、R1及びR2の一方はHであり、R1及びR2の他方はHとは異なり、
X及びYは、それぞれ、
・ CH及びN、又は
・ N及びCR4、又は
・ CH及びCR4
のいずれかであり、
ここで、R4は、H又は(C1~C4)アルキルを表し、
nは、0、1又は2であり、mは、0又は1であり、m'は、0又は1であり、
R3は、
・ H、(C1~C6)アルキル、(C2~C6)アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ及びアリール(C1~C6)アルキルからなる群から選択される基であって、
前記基は、(C1~C6)アルキル、OH、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ、-C(O)R、-CHOHR、C(O)2R、C(O)NRR'、-CONHOR、-CONHSO2R、-NRR'、-N(R)C(O)R'、-N(R)NR'R''、-N(R)C(O)2R'、-N(R)C(O)NR'R''、-N(R)S(O)2R'、-SR、-S(O)R、-S(O)2R、-S(O)NRR'、及び-S(O)2NRR'(R、R'及びR''は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)の間で選択される少なくとも1つの基によって場合により置換されており、又は
・ OH、-C(O)R、-CHOHR、C(O)2R、C(O)NRR'、-CONHOR、-CONHSO2R、-NRR'、-N(R)C(O)R'、-N(R)NR'R''、-N(R)C(O)2R'、-N(R)C(O)NR'R''、-N(R)S(O)2R'、-SR、-S(O)R、-S(O)2R、-S(O)NRR'及び-S(O)2NRR'(R、R'及びR''は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)からなる群から選択される基
を表し、
R5は、H又はOHを表し、
R6のそれぞれは、独立して、H又は(C1~C6)アルキル基を表す]
その異性体、溶媒和物又は任意の薬学的塩。
【請求項2】
R1が、
・ アリール(C1~C6)アルキル基、
・ アリール基、
・ シクロアルキル基、
・ 複素環式基、又は
・ SR(Rは、アルキル、アリール又はアラルキルである)
を表し、
R2が、Hである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が、
・ アリール(C1~C6)アルキル基、
・ アリール基、又は
・ 複素環式基
を表し、
好ましくは、R1が、アリール基を表し、
R2が、Hを表す、
請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
X及びYが、それぞれN及びCR4であり、ここで、R4が、H又は(C1~C4)アルキル、好ましくはH又はメチル、より好ましくはHである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R5及び各R6が、Hである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
下記の特色:
nが、1である、且つ/又は
mが、0である、且つ/又は
m'が、1である、且つ/又は
R1が、アリール基を表す、且つ/又は
R2が、Hである、且つ/又は
R3が、
・ H、アリール(例えばフェニル)、(C1~C6)アルキル(例えばエチル)、(C2~C6)アルケニル(例えばイソブテニル)、シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ヘテロシクロアルキル(例えばテトラヒドロピラニル)、ヘテロアリール(例えばピリジル、イミダゾリル)、(C1~C6)アルコキシ(例えばメトキシ)、アリール(C1~C6)アルキル(例えばベンジル)から選択される基であって、
前記基は、1つ又は2つの(C1~C6)アルキル、OH、ハロゲン(例えばフッ素、塩素)、アリール(例えばフェニル)、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ、-C(O)2R、-N(R)C(O)R'(R及びR'は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール(ハロゲン(好ましくはフッ素)によって場合により置換されているフェニル等)、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)によって場合により置換されており、又は
・-CHOHR、-C(O)R、-C(O)2R(Rは、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)からなる群から選択される基
を表す、且つ/又は
R5が、Hである、且つ/又は
各R6が、Hである
の少なくとも1つが満たされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記アリール基が、少なくとも1つの置換基によって場合により置換されているフェニル基であり、前記少なくとも1つの置換基が、
・ ハロゲン、好ましくはフッ素又は塩素、
・ 少なくとも1個のハロゲン、好ましくはフッ素によって場合により置換されているアルキル、好ましくは-CF3
・ -OH、及び
・ -OR(Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、好ましくはアルキル、より好ましくはメチルである)
から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-[1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-4-イル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[1-(シクロペンチルメチル)ピペリジン-4-イル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルアゼパン-4-イル)-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-6-メチル-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-[(1-ベンジルピペリジン-3-イル)メチル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-プロピルピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(シクロヘキシルメチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-{[1-(1H-イミダゾール-5-イルメチル)ピペリジン-4-イル]メチル}-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(4-ヒドロキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-メトキシ-1-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
N-(2-{4-[(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}エチル)アセトアミド塩酸塩;
2-((1-(2-(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジル-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(4-メトキシフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-[4-(クロロフェニル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(2-クロロフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェネチルピリダジン-3(2H)-オン、2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(2-フェニルエチル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(ピペリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-モルホリノピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(4-フェニルピペラジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩;
1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-3-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン塩酸塩;
3-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン;及び
1-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-3-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン塩酸塩
からなる群の中で選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェネチルピリダジン-3(2H)-オン;
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジル-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;及び
2-((1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩
からなる群の中で選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
薬としての使用のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される補助物とを含む、医薬組成物。
【請求項12】
シグマ-1受容体によって変調される障害の処置における使用のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物又は医薬組成物。
【請求項13】
前記障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症等の神経変性疾患;病理学的老化、虚血性健忘、統合失調症関連認知欠損及びうつ病等の認知及び記憶改変;自閉症関連障害及び精神遅滞関連障害等の発達性認知障害;並びにMAM機能不全に関連する遺伝性疾患からなる群から選択される、請求項12に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療分野に関する。より具体的には、本発明は、シグマ-1受容体アゴニストである化合物、並びに、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症及び多発性硬化症等の認知又は神経変性障害を含む中枢神経系障害の処置のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
2つのシグマ受容体サブタイプが、それらの薬理学的プロフィールに基づいて同定されている。
【0003】
シグマ-1受容体は、体中に見られ、中枢神経系、ニューロン、星状膠細胞、乏突起膠細胞及びミクログリアにおいて広く発現される、膜結合タンパク質である。シグマ-1受容体は、223アミノ酸を含む単一のポリペプチド膜貫通タンパク質である。単一の25kDポリペプチド及びシャペロンタンパク質として、これは、ミトコンドリア関連小胞体(ER)膜及び原形質膜において高度に発現される。その同定されたパートナータンパク質の中に、グルコース関連タンパク質78/結合免疫グロブリンタンパク質(BiP)及びイノシトール-1,4,5三リン酸(IP3)受容体がある。シグマ-1受容体は、例えば(+)-ペンタゾシン及び(+)-SKF-10,047等のベンゾモルファンの右旋性の異性体を含む多様なクラスの薬理化合物によって、結合し、活性化/不活性化される、リガンド作動性シャペロンタンパク質である。神経(活性)ステロイド、ニューロペプチド、コリン又は微量アミン等のシグマ-1受容体と相互作用する、ある特定の内因性リガンドが同定されてきたが、高親和性内因性シグマ-1受容体リガンドの存在は依然として不明である。アゴニストによるシグマ-1受容体の活性化は、幾つかの細胞の結果を有するが、主として、ER膜上のIP3受容体と相互作用することにより、ER及びミトコンドリアの間のカルシウム交換の増幅を、並びにBiP又はIRE-1等のERストレスセンサーと相互作用することにより、ERストレス経路の誘導をもたらす。
【0004】
シグマ-1受容体アゴニストは、幾つかの動物モデルにおいて抗うつ効果を有するとして報告されている。例えば、選択的σ1受容体アゴニスト(+)-ペンタゾシン、(+)-SKF-10,047、イグメシン、OPC14523、DTG又はSA4503は、恐怖条件付けストレス試験におけるすくみ行動若しくは強制水泳試験における不動時間を低減させるか、又は尾懸垂試験において活性である(Matsunoら、Eur J Pharmacol 312:267~71、1996; Tottoriら、Neuropharmacology 2001 41:976~88; Uraniら、J Pharmacol Exp Ther 298:1269~79、2001)。
【0005】
シグマ-1受容体アゴニストは、細胞生存において役割を果たすことも報告されている(Wangら、Exp Cell Res 312:1439~46、2006; Hayashi及びSu、Cell 131:596~610、2007; Jiangら、Invest Ophthalmol Vis Sci 47:5576~82、2006)。シグマ-1受容体リガンドは、神経保護的であることが報告されている。シグマ-1受容体リガンドオピプラモールは、スナネズミにおいて虚血から保護されるとして報告された。加えて、BMY-14802、カラミフェン及びハロペリドールを含む他のシグマリガンドは、インビボモデルにおいて、保護効果と一致する特性を呈した(Pontecorvoら、Brain Res Bull 26:461~5、1991)。幾つかのシグマリガンドは、海馬スライス標本からの虚血誘発性グルタミン酸放出をインビトロで阻害することが報告された(Lobnerら、Neurosci Lett 1 17:169~74、1990)。シグマ-1受容体アゴニスト(+)-ペンタゾシンは、網膜細胞をストレスから保護しうることも報告されている(Dunら、Invest Ophthalmol Vis Sci 48:4785~94、2007; Smithら、Invest Ophthalmol Vis Sci 49:4154~61、2008)。
【0006】
特に留意すべきことは、虚血脳/局所的虚血由来等の神経損傷を処置する際における低いシグマ-2受容体親和性を持つシグマ-1受容体アゴニストの有用性である。シグマ-1受容体アゴニストは、神経伝達物質機能異常(例えば、アセチルコリン)とともに示される等の認知機能障害、並びに加齢関連認知機能障害及び不安関連機能障害(子孫の学習欠損をもたらす妊娠ストレスを含む)を改善する際において有用であるとも考えられる。
【0007】
シグマ-1受容体のアゴニストは、有効な抗健忘化合物である。これは、げっ歯類における学習及び記憶機能障害の若干数の薬理学的及び病理学的モデルにおいて実証されている。特に、シグマ-1受容体アゴニストは、スコポラミン誘発性学習欠損、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)遮断のモデルに対してインビボで日常的に検証されている。例えば、シグマ-1受容体アゴニストLS-1-137(Malikら、Br J Pharmacol 172:2519~31、2015)、シグマ-1ポジティブモジュレーターE1R(Zvejnieceら、Br J Pharmacol 171:761~71、2014)若しくはOZP002(Mauriceら、Pharmacol Res 144:315~30、2019)又は混合mAChR/σ1アゴニストANAVEX1-41若しくはANAVEX2-73(ブラルカメシン)、2つのジフェニル-3-フランメタンアミン誘導体(Espallerguesら、Br J Pharmacol 152:267~79、2017; Villardら、Neuropsychopharmacology 34:1552~66、2009)は、スコポラミン誘発性学習機能障害に対する抗健忘薬として最近特徴付けられた。認知における症候性薬物としてのシグマ-1受容体アゴニストの効能は、コリン作動性健忘モデル(例えば、スコポラミン、メカミラミン、p-クロロアンフェタミン、前脳病変)においてだけでなく、学習欠損のグルタミン酸作動性モデルにおいても記述されてきた。非競合的NMDA受容体アンタゴニストジゾシルピン(MK-081)によって誘発された学習機能障害を使用して、CA3海馬領域における錐体ニューロンのNMDA誘発性発火の細胞外記録を使用してインビトロ又はインビボで示唆される、NMDA神経伝達においてシグマ-1受容体によって発揮される正の変調が行動の結果を有することが実証されている。ジゾシルピン誘発性学習機能障害を緩和する際におけるシグマ-1受容体アゴニストの効能は、特に、低グルタミン酸症(hypoglutamatergy)モデルが統合失調症の陰性症状を模倣するために高度に妥当であるとみなされてきたことから、統合失調症関連認知欠損を処置する際におけるこれらの薬物の潜在的な有用性も指摘するものである(Meltzerら、Int J Neuropsychopharmacol 16:2181~94、2013)。興味深いことに、スコポラミン及びジゾシルピンモデルの両方において試験したシグマ-1受容体リガンドは、インビボで同様の活性用量範囲を示した。したがって、シグマ-1受容体の活性化は、辺縁及び皮質構造における記憶過程に関与する2つの神経伝達システム、すなわちコリン作動性及び特にグルタミン酸作動性システムの活性を、同様に変調すると思われた。シグマ-1受容体アゴニストは、海馬におけるNMDA誘発性発火を非常に低用量で増強する。(+)-SKF-10,047(アラゾシンとしても公知である)、PRE084及び(+)-ペンタゾシンは、ラット海馬において、NMDA受容体のNR2A及びNR2Bサブユニット並びにPSD95(SAP-90としても公知である)の発現を増大させた。シグマ-1受容体アゴニスト処置は、NR2サブユニットとシグマ-1受容体との間の相互作用の増大をもたらし、細胞表面へのNMDA受容体の輸送を促進する。シグマ-1受容体は、小伝導性Ca2+活性化K+電流(SKチャネル)の調節を通してNMDA受容体と相互作用する。行動レベルでは、2か月齢の若齢雄シグマ-1 KOマウスは、オープンフィールド、受動的回避及び高架式十字迷路を含む手順における不安の兆候、並びに強制水泳試験におけるストレスへの応答の増強を示した。したがって、雄の動物では、σ1受容体切除は、ストレス及び不安応答を増大させたが、記憶応答は不変であった。しかしながら、雌シグマ-1 KOマウスは、自発的交替及び水迷路学習パラダイムにおいて記憶改変を示し、この表現型は、年齢とともに増大した。注目すべきことに、2及び14か月齢両方の雌シグマ-1 KOマウスは、17β-エストラジオールの血漿中レベルの減少を示し、ホルモンの補充処置は、若齢及び老齢マウスにおける記憶欠損を逆転させた(Chevallierら、J Psychopharmacol 25:960~75、2011)。これは、シグマ-1受容体切除がステロイド性トーヌス(steroidal tonus)時に発達への影響を有することを示唆する。
【0008】
したがって、シグマ-1受容体アゴニストは、病理学的老化及び神経変性疾患に関連する認知改変のげっ歯類モデルにおける有望な症候性薬物である。第一に、イグメシン及びPRE-084は、低mg/kg用量範囲で、老化促進マウスSAMP/8において学習能力を改善した(Mauriceら、Brain Res 733:219~30、1996)。第二に、これらの化合物は、アルツハイマー病(AD)の薬理学的モデルにおいてアミロイド毒性によって誘発された記憶欠損も緩和した。(+)-ペンタゾシン、PRE-084、クタメシン、ジメモルファン、ANAVEX1-41、ブラルカメシン、OZP002及びシグマ-1受容体結合神経刺激性ステロイドは、AD病理学に密接に関連する神経毒性を生成するオリゴマー化されたAβ25-35ペプチドの直接脳室内注射を受けたマウスにおいて、学習欠損を減衰させた(Meunierら、Br J Pharmacol. 149: 998~1012、2006; Villardら、J Psychopharmacol 25: 1101~17、2011; Mauriceら、Pharmacol Res 144:315~30、2019)。すべてのシグマ-1受容体アゴニスト又はポジティブモジュレーターは、短期及び長期記憶が関与する空間的又は非空間的タスクにおけるAβ25-35誘発性学習機能障害を緩和した。これらの効果は、BD1047、ハロペリドール、BMY-14,802及びプロゲステロン、すべての推定上のシグマ-1受容体アンタゴニストによって遮断された。注目すべきことに、それらがシグマ-1受容体アゴニスト効果を遮断したのに対し、アンタゴニスト単独では、これらのモデルにおいて行動を(正にも負にも)改変させなかった。故に、シグマ-1受容体アゴニストは、参照薬ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンと同様の又はそれらよりも低い活性用量でAD症状を処置するための有望な作用物質である(Meunierら、Br J Pharmacol 149: 998~1012、2006)。
【0009】
最後に、混合ムスカリン性及びシグマ-1薬であるブラルカメシンは、ADにおいて第2相臨床試験を成功裏に完了した。該薬物は、最も高い薬物バイオアベイラビリティを示す患者における3年間の処置後、患者においてADAS-ADLスコアを安定させ、MMSEスコア減少を限定した(Hampleら、CTAD Abstracts、2018)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2010133528
【特許文献2】WO2010131147
【特許文献3】WO2009013335
【特許文献4】WO2003070239
【特許文献5】WO2013096744
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Matsunoら、Eur J Pharmacol 312:267~71、1996
【非特許文献2】Tottoriら、Neuropharmacology 2001 41:976~88
【非特許文献3】Uraniら、J Pharmacol Exp Ther 298:1269~79、2001
【非特許文献4】Wangら、Exp Cell Res 312:1439~46、2006
【非特許文献5】Hayashi及びSu、Cell 131:596~610、2007
【非特許文献6】Jiangら、Invest Ophthalmol Vis Sci 47:5576~82、2006
【非特許文献7】Pontecorvoら、Brain Res Bull 26:461~5、1991
【非特許文献8】Lobnerら、Neurosci Lett 1 17:169~74、1990
【非特許文献9】Dunら、Invest Ophthalmol Vis Sci 48:4785~94、2007
【非特許文献10】Smithら、Invest Ophthalmol Vis Sci 49:4154~61、2008
【非特許文献11】Malikら、Br J Pharmacol 172:2519~31、2015
【非特許文献12】Zvejnieceら、Br J Pharmacol 171:761~71、2014
【非特許文献13】Mauriceら、Pharmacol Res 144:315~30、2019
【非特許文献14】Espallerguesら、Br J Pharmacol 152:267~79、2017
【非特許文献15】Villardら、Neuropsychopharmacology 34:1552~66、2009
【非特許文献16】Meltzerら、Int J Neuropsychopharmacol 16:2181~94、2013
【非特許文献17】Chevallierら、J Psychopharmacol 25:960~75、2011
【非特許文献18】Mauriceら、Brain Res 733:219~30、1996
【非特許文献19】Meunierら、Br J Pharmacol. 149: 998~1012、2006
【非特許文献20】Villardら、J Psychopharmacol 25: 1101~17、2011
【非特許文献21】Meunierら、Br J Pharmacol 149: 998~1012、2006
【非特許文献22】Hampleら、CTAD Abstracts、2018
【非特許文献23】Stereochemistry of Carbon Compounds、E. L. Eliel著(Mcgraw Hill、1962)
【非特許文献24】Tables of Resolving Agents、S. H. Wilen著
【非特許文献25】Lippincott Williams & Wilkins、2000
【非特許文献26】Encyclopedia of Pharmaceutical Technology編、J. Swarbrick及びJ. C. Boylan、1988~1999、Marcel Dekker、New York
【非特許文献27】Becknell, N.C.ら、Bioorg. Med. Chem.、2012、20(12)、3880~3886
【非特許文献28】Tetrahedron、2004、60(52)、12177~12189
【非特許文献29】ACS Medicinal Chemistry Letters、2016、7(4)、397~402
【非特許文献30】Chin. J. Org. Chem.、2014、34、722~728
【非特許文献31】Pest Manag Sci.、2006、62、522~530
【非特許文献32】ACS Medicinal Chemistry letters, 4 (11)、1064~1068、2013
【非特許文献33】Ganapathyら(J Pharmacol Exp Ther 28:251~60、1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
故に、現今では、精神医学的病理学に関連する認知障害、アルツハイマー、ハンチントン及びパーキンソン病等の神経変性疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)又は多発性硬化症、並びにMAM(ミトコンドリア関連膜)機能不全に関連する遺伝性疾患の処置のための、新たなシグマ-1受容体アゴニストの開発の強い必要性がある。本発明は、これ及び他の必要性を満たそうと試みるものである。本発明に従う化合物は、シグマ-1受容体に対する親和性を有することが分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この点において、本発明は、下記の式(I)を有する化合物:
【0014】
【化1】
【0015】
[式中、
R1及びR2は、独立して、
・ H、
・ アリール(C1~C6)アルキル基、
・ アリール基、
・ シクロアルキル基、
・ 複素環式基、又は
・ SR(Rは、アルキル、アリール又はアラルキルである)
を表し、
ここで、R1及びR2の一方はHであり、R1及びR2の他方はHとは異なり、
X及びYは、それぞれ、
・ CH及びN、又は
・ N及びCR4、又は
・ CH及びCR4
のいずれかであり、
ここで、R4は、H又は(C1~C4)アルキルを表し、
nは、0、1又は2であり、mは、0又は1であり、m'は、0又は1であり、
R3は、
・ H、(C1~C6)アルキル、(C2~C6)アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ及びアリール(C1~C6)アルキルからなる群から選択される基であって、
(C1~C6)アルキル、OH、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ、-C(O)R、-CHOHR、C(O)2R、C(O)NRR'、-CONHOR、-CONHSO2R、-NRR'、-N(R)C(O)R'、-N(R)NR'R''、-N(R)C(O)2R'、-N(R)C(O)NR'R''、-N(R)S(O)2R'、-SR、-S(O)R、-S(O)2R、-S(O)NRR'、及び-S(O)2NRR'(R、R'及びR''は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)の間で選択される少なくとも1つの基によって場合により置換されている前記基、又は
・ OH、-C(O)R、-CHOHR、C(O)2R、C(O)NRR'、-CONHOR、-CONHSO2R、-NRR'、-N(R)C(O)R'、-N(R)NR'R''、-N(R)C(O)2R'、-N(R)C(O)NR'R''、-N(R)S(O)2R'、-SR、-S(O)R、-S(O)2R、-S(O)NRR'及びS(O)2NRR'(R、R'及びR''は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)からなる群から選択される基
を表し、
R5は、H又はOHを表し、
R6のそれぞれは、独立して、H又は(C1~C6)アルキル基を表す]
その異性体、溶媒和物又は任意の薬学的塩に関する。
【0016】
本発明は、薬としての使用のための、上記で定義した通りの化合物にも関する。
【0017】
本発明は更に、上記で定義した通りの化合物と、薬学的に許容される補助物(support)とを含む、医薬組成物に関する。
【0018】
本発明の別の目的は、認知又は神経変性障害を含むシグマ-1受容体によって変調される障害の処置における使用のための、上記で定義した通りの化合物又は医薬組成物である。特定の実施形態では、前記障害は、(1)アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症等の神経変性疾患、(2)病理学的老化、虚血性健忘、統合失調症関連認知欠損及びうつ病等の認知及び記憶改変、(3)自閉症関連障害及び精神遅滞関連障害等の発達性認知障害、並びに(4)MAM機能不全に関連する遺伝性疾患からなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義
本発明によれば、以下の用語は、下記の意味を有する:
例えばC1~C3、C1~C6又はC2~C6等の接頭辞とともに本明細書において言及される用語は、C1~C2、C1~C5又はC2~C5等のより低い数の炭素原子とともに使用することもできる。例えば、用語C1~C3が使用される場合、対応する炭化水素鎖が、1から3個までの炭素原子、とりわけ1、2又は3個の炭素原子を含みうることを意味する。例えば、用語C1~C6が使用される場合、対応する炭化水素鎖が、1から6個までの炭素原子、とりわけ1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含みうることを意味する。例えば、用語C2~C6が使用される場合、対応する炭化水素鎖が、2から6個までの炭素原子、とりわけ2、3、4、5又は6個の炭素原子を含みうることを意味する。
【0020】
用語「アルキル」は、飽和直鎖又は分枝鎖状脂肪族基を指す。用語「(C1~C3)アルキル」は、より具体的には、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルを意味する。用語「(C1~C6)アルキル」は、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル又はヘキシルを意味する。好ましい実施形態では、「アルキル」は、メチル、エチル又はプロピル、より好ましくは、メチル又はエチルである。アルキル基は、過ハロゲン化アルキル(例えば-CF3)等のハロゲン化アルキル基を含む。
【0021】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、不飽和直鎖又は分枝鎖状脂肪族基を指す。用語「(C2~C6)アルケニル」は、より具体的には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、プレニル又はヘキセニルを意味する。好ましい実施形態では、「アルケニル」は、イソブテニルである。「イソブテニル」は、2-メチルプロパ-1-エン-1-イル基を指す。
【0022】
用語「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、-O-(エーテル)結合によって分子と結合している、上記で定義した通りのアルキル基に対応する。(C1~C3)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ及びイソプロピルオキシを含む。(C1~C6)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert-ブチルオキシ、ペンチルオキシ及びヘキシルオキシを含む。好ましい実施形態では、「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、メトキシである。
【0023】
用語「シクロアルキル」は、3から20個の間の炭素原子を有する、飽和又は不飽和(好ましくは少なくとも1つの二重炭素-炭素結合)単、二又は三環式アルキル基((C3~C20)シクロアルキルとも称される)に対応する。これは、縮合、架橋又はスピロ接続されているシクロアルキル基も含む。用語「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。用語「シクロアルキル」は、ビシクロ[2,2,1]ヘプタニル、ビシクロ[2,2,2]オクタニル又はアダマンチル等の5~10員架橋カルボシクリル、好ましくはビシクロ[2,2,2]オクタニルを指すこともできる。好ましい実施形態では、「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0024】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、窒素、酸素又は硫黄原子等の少なくとも1個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を更に含む、上記で定義した通りの飽和又は不飽和(好ましくは少なくとも1つの二重炭素-炭素結合)シクロアルキル基に対応する。これは、縮合、架橋又はスピロ接続されているヘテロシクロアルキル基も含む。代表的なヘテロシクロアルキル基は、3-ジオキソラン、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、アゼパニル、1,4-ジオキサニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、ピロリジニル、キノリジニル、オキソゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、テトラヒドロフラニル、及びテトラヒドロチオフェニルを含むがこれらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルキル」は、7-オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタニル等の5~10員架橋ヘテロシクリルを指すこともできる。好ましい実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、アゼパニル、ピペリジニル、ピロリジニル又はテトラヒドロピラニルである。
【0025】
用語「アリール」は、6から14個までの炭素原子を有する、単又は二環式芳香族炭化水素((C6~C14)アリールとも称される)に対応する。例えば、用語「アリール」は、フェニル又はナフチルを含む。好ましい実施形態では、アリールは、フェニルである。
【0026】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書において使用される場合、5から14個の間の原子を含み、窒素(N)、酸素(O)若しくは硫黄(S)原子等の1個若しくは複数のヘテロ原子、又はヘテロ原子基を含む、芳香族単又は多環式基に対応する。そのような単及び多環式ヘテロアリール基の例は、ピリジニル、チアゾリル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、トリアジニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、フェノキサンチニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、s-トリアジニル、オキサゾリル、又はチオフラニルであってよい。好ましい実施形態では、ヘテロアリールは、ピリジル又はイミダゾリルである。
【0027】
用語「複素環」又は「複素環式基」は、酸素(O)、窒素(N)又は硫黄原子(S)等の1個又は複数のヘテロ原子を含有し、1つ又は複数のオキソ基を場合により含む、飽和又は不飽和、脂環式又は芳香族の単又は多環式炭化水素に対応する。複素環は、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及び他の複素環式誘導体、例を挙げると、イソインドリニル、インドリニル、クロマニル、イソクロマニル、フタリジル、ピロリジノニル、イミダゾリジノニル、クロメニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キサンテニル、ベンゾオキサゾリニル、イサチニル(isatinyl)又はジヒドロピリジルを含むがこれらに限定されない。好ましくは、複素環は、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル、より好ましくは、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニル、ピロリル、イミダゾリル又はチオフェニルである。
【0028】
用語「窒素含有複素環」又は「窒素含有複素環式基」は、少なくとも1個の窒素原子を含有する、上記で定義した通りの複素環を指す。窒素含有複素環の例は、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニル、ピロリル又はイミダゾリル、好ましくはピペリジニルを含むがこれらに限定されない。
【0029】
用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、本明細書において使用される場合、少なくとも1つの上記で定義した通りのアリール基によって置換されている、上記で定義した通りのアルキルに対応する。より具体的には、「アリール(C1~C6)アルキル」は、少なくとも1つの上記で定義した通りのアリール基によって置換されている、上記で定義した通りの(C1~C6)アルキルを指す。アリールアルキルの例は、ベンジル又はフェニルエチル(フェネチルとも称される)であってよい。
【0030】
用語「アルキルシクロアルキル」は、本明細書において使用される場合、少なくとも1つの上記で定義した通りのアルキル基によって置換されている、上記で定義した通りのシクロアルキルに対応する。より具体的には、「(C1~C6)アルキルシクロアルキル」は、少なくとも1つの上記で定義した通りの(C1~C6)アルキル基によって置換されている、上記で定義した通りのシクロアルキルを指す。
【0031】
用語「アルキルヘテロシクロアルキル」は、本明細書において使用される場合、少なくとも1つの上記で定義した通りのアルキル基によって置換されている、上記で定義した通りのヘテロシクロアルキルに対応する。より具体的には、「(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1つの上記で定義した通りの(C1~C6)アルキル基によって置換されている、上記で定義した通りのヘテロシクロアルキルを指す。
【0032】
用語「アルキルアリール」は、本明細書において使用される場合、少なくとも1つの上記で定義した通りのアルキル基によって置換されている、上記で定義した通りのアリールに対応する。より具体的には、「(C1~C6)アルキルアリール」は、少なくとも1つの上記で定義した通りの(C1~C6)アルキル基によって置換されている、上記で定義した通りのアリールを指す。
【0033】
用語「アルキルヘテロアリール」は、本明細書において使用される場合、少なくとも1つの上記で定義した通りのアルキル基によって置換されている、上記で定義した通りのヘテロアリールに対応する。より具体的には、「(C1~C6)アルキルヘテロアリール」は、少なくとも1つの上記で定義した通りの(C1~C6)アルキル基によって置換されている、上記で定義した通りのヘテロアリールを指す。
【0034】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子、好ましくは、フッ素、塩素又は臭素、より好ましくは、塩素又はフッ素に対応する。
【0035】
表現「少なくとも~によって置換されている」は、基が、リストの1つ又は幾つかの基によって置換されていることを意味する。
【0036】
アルキル又はシクロアルキル鎖等の炭化水素鎖上での2つ以上の置換基による置換は、同じ炭素上及び/又は異なる炭素上で起こりうることが理解される。例えば、2つの所与の基「A」及び「B」によって置換されているエチル鎖の構造は、式(II)又は(III)の構造:
【0037】
【化2】
【0038】
を含むがこれらに限定されない。
【0039】
別段の定めがない限り、上記で定義した通りのアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、非置換であっても少なくとも1つの置換基によって置換されていてもよく、前記少なくとも1つの置換基は、ハロゲン、好ましくはフッ素及び塩素、CN、NO2、SO3H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R、-C(O)2R、-OH、-OR、-CHOHR、-C(O)NRR'、-CONHOR、-CONHSO2R、-NRR'、-N(R)C(O)R'、-N(R)NR'R''、-N(R)C(O)2R'、-N(R)C(O)NR'R''、-N(R)S(O)2R'、-SR、-S(O)R、-S(O2)R、-S(O)NRR'、-S(O)2NRR'からなる群から選択され;R、R'及びR''は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである。
【0040】
本明細書において使用される場合、用語「処置」、「処置する」又は「処置すること」は、疾患の療法、予防、防御及び遅滞等、患者の健康状態を向上させることが意図されているあらゆる行為を指す。ある特定の実施形態では、そのような用語は、疾患又はそれに関連する症状の、寛解又は根絶を指す。他の実施形態では、この用語は、そのような疾患を持つ対象への1つ又は複数の治療剤の投与により生じる疾患の広がり又は悪化を最小化することを指す。
【0041】
本明細書において使用される場合、用語「対象」、「個体」又は「患者」は、交換可能であり、動物、好ましくは哺乳動物、更に一層好ましくは、成人、小児、新生児及び出生前段階のヒトを含むヒトを指す。しかしながら、用語「対象」は、非ヒト動物、特に、数ある中でも、イヌ、ネコ、ウマ、雌ウシ、ブタ、ヒツジ及び非ヒト霊長類等の哺乳動物を指すこともできる。
【0042】
用語「分量」、「量」及び「用量」は、本明細書において交換可能に使用され、分子の絶対的定量を指すことができる。
【0043】
本明細書において使用される場合、用語「活性原料」、「活性成分」及び「活性医薬品成分」は、同等であり、治療効果を有する医薬組成物の成分を指す。
【0044】
本明細書において使用される場合、用語「治療効果」は、活性成分又は本発明に従う医薬組成物によって誘発される、神経変性又は認知疾患等の疾患の出現を予防する又は遅延させること、或いは疾患を治癒させる又はその影響を減衰させることができる効果を指す。
【0045】
本明細書において使用される場合、用語「有効量」は、疾患の有害作用を予防する、除去する又は低減させる、活性成分の又は医薬組成物の分量を指す。投与される分量は、処置される対象、疾患の性質等に従って、当業者によって適応されうることが明白である。特に、投与の用量及びレジメンは、処置される疾患の性質、段階及び重症度の、並びに処置される対象の体重、年齢及び全般的健康の、並びに医師の判断の、関数でありうる。
【0046】
本明細書において使用される場合、用語「添加剤又は薬学的に許容される担体」は、医薬組成物中に存在する活性成分を除くあらゆる成分を指す。その添加は、特定の一貫性又は他の物理的若しくは味覚特性を最終生成物に付与することを狙いとしてよい。添加剤又は薬学的に許容される担体は、活性成分と、いかなる相互作用も、特に化学的相互作用のないものでなくてはならない。
【0047】
化合物
本発明の目的は、とりわけ、σ1受容体によって変調される障害(認知又は神経変性障害等)の処置における使用のための、化合物又は薬学的に許容されるその塩であって、以下に示す通りの式(I)を有する前記化合物
【0048】
【化3】
【0049】
(R1及びR2は、独立して、
・ H、
・ アリール(C1~C6)アルキル基、
・ アリール基、
・ シクロアルキル基、
・ 複素環式基、好ましくは窒素含有複素環式基、又は
・ SR(Rは、アルキル、アリール又はアラルキル基である)
を表し、
ここで、R1及びR2の一方はHであり、R1及びR2の他方はHとは異なり、
X及びYは、それぞれ、
・ CH及びN、又は
・ N及びCR4、又は
・ CH及びCR4
のいずれかであり、
ここで、R4は、H又は(C1~C4)アルキルを表し、
nは、0、1又は2であり、mは、0又は1であり、m'は、0又は1であり、
R3は、
・ H、(C1~C6)アルキル、(C2~C6)アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ及びアリール(C1~C6)アルキルからなる群から選択される基であって、
(C1~C6)アルキル、OH、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ、-C(O)R、-CHOHR、C(O)2R、C(O)NRR'、-CONHOR、-CONHSO2R、-NRR'、-N(R)C(O)R'、-N(R)NR'R''、-N(R)C(O)2R'、-N(R)C(O)NR'R''、-N(R)S(O)2R'、-SR、-S(O)R、-S(O)2R、-S(O)NRR'、及び-S(O)2NRR'(R、R'及びR''は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)の間で選択される1つ又は複数の基によって場合により置換されている前記基、又は
・ OH、-C(O)R、-CHOHR、C(O)2R、C(O)NRR'、-CONHOR、-CONHSO2R、-NRR'、-N(R)C(O)R'、-N(R)NR'R''、-N(R)C(O)2R'、-N(R)C(O)NR'R''、-N(R)S(O)2R'、-SR、-S(O)R、-S(O)2R、-S(O)NRR'及び-S(O)2NRR'(R、R'及びR''は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)からなる群から選択される基
を表し、
R5は、H又はOHを表し、
R6のそれぞれは、独立して、H又は(C1~C6)アルキル基を表す)
その異性体、溶媒和物又は任意の薬学的塩を提供することである。
【0050】
特定の実施形態では、本発明の化合物は、R1及びR2が、独立して、
・ H、
・ アリール(C1~C6)アルキル基、
・ アリール基、
・ シクロアルキル基、
・ 複素環式基、好ましくは窒素含有複素環式基、又は
・ SR(Rは、アルキル、アリール又はアラルキル基である)
を表し、
ここで、R1及びR2の一方がHであり、R1及びR2の他方がHとは異なり、
前記基が、少なくとも1個の-OH、ハロゲン、(C1~C6)アルキル又は(C1~C6)アルキルオキシによって場合により置換されている、
式(I)のものである。
【0051】
特定の実施形態では、本発明の化合物は、R1が、
・ アリール(C1~C6)アルキル基、
・ アリール基、
・ シクロアルキル基、
・ 複素環式基、好ましくは窒素含有複素環式基、又は
・ SR(Rは、アルキル、アリール又はアラルキルである)
を表し、
R2が、Hである、
式(I)のものである。
【0052】
別の特定の実施形態では、本発明の化合物は、R1及びR2が、独立して、
・ H、
・ ベンジル又はフェネチル等のアリール(C1~C6)アルキル基、
・ フェニル等のアリール基、又は
・ 複素環式基、好ましくは、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニル、ピロリル又はイミダゾリル等の窒素含有複素環式基
を表し、
ここで、R1及びR2の一方がHであり、R1及びR2の他方がHとは異なり、
前記基が、少なくとも1個の-OH、ハロゲン、(C1~C6)アルキル又は(C1~C6)アルキルオキシ基によって場合により置換されている、
式(I)のものである。
【0053】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、R1が、
・ ベンジル又はフェネチル等のアリール(C1~C6)アルキル基、好ましくはフェネチル、
・ フェニル等のアリール基、又は
・ 複素環式基、好ましくはピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニル、ピロリル又はイミダゾリル等の窒素含有複素環式基
を表し、
R2が、Hを表す、
式(I)のものである。
【0054】
より好ましい実施形態では、本発明の化合物は、R1が、
・ ベンジル又はフェネチル等のアリール(C1~C6)アルキル基、好ましくはフェネチル、又は
・ フェニル等のアリール基
を表し、
R2が、Hを表す、
式(I)のものである。
【0055】
特定の実施形態によれば、R1又はR2が窒素含有複素環を表す場合、前記基は、好ましくは、前記窒素含有複素環の窒素原子によって分子の残りに結合している。
【0056】
好ましくは、R1は、フェニル等のアリールである。
【0057】
好ましくは、R2は、Hである。
【0058】
より特定の実施形態では、R2は、Hであり、R1は、ハロゲン、好ましくはフッ素若しくは塩素、1個若しくは複数のハロゲン原子によって置換されているアルキル基(CF3等)を含むアルキル、シクロアルキル、-OH、又は上記で定義した通りのメトキシ等の(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1つ又は複数の基によって場合により置換されている、フェニルである。
【0059】
別の特定の実施形態では、R1は、Hを表し、
R2は、
・ フェニル等のアリール、
・ ベンジル又はフェネチル等のアリール(C1~C6)アルキル基、又は
・ 複素環式基、好ましくはピペリジニル等の窒素含有複素環式基
を表し、
好ましくは、R2は、フェニル等のアリールを表す。
【0060】
別の特定の実施形態では、R1又はR2がフェニル等のアリールを表す場合、前記アリールは、非置換であってもよいし、
・ ハロゲン、好ましくはフッ素又は塩素、
・ 少なくとも1個のハロゲン、好ましくはフッ素によって場合により置換されているアルキル、より好ましくは、アルキル基は-CF3である、
・ -OH、及び
・ -OR(Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、好ましくはアルキル、より好ましくはメチル又はCF3である)
から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されていてもよい。
【0061】
特定の実施形態では、R3は、
・ H、
・ メチル又はエチル等の(C1~C6)アルキル基、
・ イソブテニル等の(C2~C6)アルケニル基、
・ シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘキセニル等のシクロアルキル基、
・ フェニル等のアリール基、
・ テトラヒドロピラニル等のヘテロシクロアルキル基、
・ ピリジル又はイミダゾリル等のヘテロアリール基
であって、
少なくとも1つの(C1~C6)アルキル、OH、ハロゲン(例えばフッ素、塩素)、アリール(例えばフェニル)、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ、-C(O)2R、-N(R)C(O)R'(R及びR'は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール(ハロゲン(好ましくはフッ素)によって場合により置換されているフェニル等)、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)によって場合により置換されている前記基;好ましくは、少なくとも1個のOH、ハロゲン(例えば塩素)、アルコキシ(例えばメトキシ)、-N(R)C(O)R'(R及びR'は、H又は(C1~C6)アルキル(例えばメチル)である)によって場合により置換されている前記基、又は
・ -CHOHR、-C(O)R、-C(O)2R(Rは、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールであり、Rは、好ましくは、ハロゲン(例えばフッ素)によって場合により置換されているアリール(例えばフェニル)である)から選択される基
を表す。
【0062】
別の特定の実施形態では、R3は、
- フェニル等のアリール、
- テトラヒドロピラニル等のヘテロシクロアルキル、及び
- OHによって場合により置換されているメチル等の(C1~C6)アルキル
からなる群から選択される。
【0063】
好ましい実施形態では、R3は、
・ シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、
・ ピリジル、イミダゾリル、
・ フェニルであって、塩素若しくはフッ素等のハロゲンによって又はOHによって場合により置換されている前記フェニル、
・ ベンジル、
・ テトラヒドロピラニル、
・ -C(O)2R基(Rは、(C1~C6)アルキル、好ましくはメチルである)、
・ -CHOHR基(Rは、フッ素によって場合により置換されているアリール、好ましくはフェニルである)、
・ -C(O)R基(Rは、フッ素によって場合により置換されているアリール、好ましくはフェニルである)、
・ 1又は2つの置換基によって場合により置換されており、各置換基が、
・ フェニル、
・ OH、
・ メトキシ、
・ -NHC(O)R'基(R'は、(C1~C6)アルキル、好ましくはメチルである)、
からなる群から独立して選択される、メチル、
・ エチル、及び
・ イソブテニル
からなる群から選択される。
【0064】
より好ましい実施形態では、R3は、フェニルである。
【0065】
特定の実施形態では、X及びYは、それぞれ、
・ CH及びN、又は
・ N及びCR4(R4は、H又は(C1~C4)アルキル、好ましくはHである)
のいずれかである。
【0066】
好ましい実施形態では、X及びYは、それぞれN及びCR4であり、ここで、R4は、H又は(C1~C4)アルキルであり、好ましくは、R4は、H又はメチルであり、より好ましくは、R4は、Hである。
【0067】
好ましい実施形態では、R5は、Hである。
【0068】
特定の実施形態では、(各)R6は、独立して、H又はメチルである。
【0069】
次のことが理解される:
- nが0である場合、R6は存在せず、
- nが1である場合、1つのR6が存在し、式(I)の化合物は、下記の構造:
【0070】
【化4】
【0071】
[式中、R1、R2、R3、R5、X、Y、m及びm'は、上記で定義した通りであり、R6は、H又は(C1~C6)アルキル基である]
によって表され、
- nが2である場合、2つのR6が存在し、式(I)の化合物は、下記の構造:
【0072】
【化5】
【0073】
[式中、R1、R2、R3、R5、X、Y、m及びm'は、上記で定義した通りであり、各R6は、独立して、H又は(C1~C6)アルキル基である]
によって表される。
【0074】
好ましい実施形態では、R6は、Hである(nが2である場合、各R6)。
【0075】
好ましい実施形態では、R5及び(各)R6は、Hである。
【0076】
特定の実施形態では、mは、0である。
【0077】
別の特定の実施形態では、m'は、1である。
【0078】
別の特定の実施形態では、mは、0であり、m'は、1である。
【0079】
好ましくは、nは、0又は1であり、より好ましくは、nは、1である。
【0080】
特定の実施形態では、本発明の化合物は、下記の特色:
nが、1である、且つ/又は
mが、0である、且つ/又は
m'が、1である、且つ/又は
R1が、アリール基を表す、且つ/又は
R2が、Hである、且つ/又は
R3が、
・ H、アリール(例えばフェニル)、(C1~C6)アルキル(例えばメチル、エチル)、(C2~C6)アルケニル(例えばイソブテニル)、シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ヘテロシクロアルキル(例えばテトラヒドロピラニル)、ヘテロアリール(例えばピリジル、イミダゾリル)、(C1~C6)アルコキシ(例えばメトキシ)、アリール(C1~C6)アルキル(例えばベンジル)から選択される基であって、
1つ又は2つの(C1~C6)アルキル、OH、ハロゲン(例えばフッ素、塩素)、アリール(例えばフェニル)、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、(C1~C6)アルコキシ、-C(O)2R、-N(R)C(O)R'(R及びR'は、独立して、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール(ハロゲン(好ましくはフッ素)によって場合により置換されているフェニル等)、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)によって場合により置換されている前記基、又は
・ -CHOHR、-C(O)R、-C(O)2R(Rは、H、(C1~C6)アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C1~C6)アルキルシクロアルキル、(C1~C6)アルキルアリール、(C1~C6)アルキルヘテロシクロアルキル又は(C1~C6)アルキルヘテロアリールである)からなる群から選択される基
を表す、且つ/又は
R5が、Hである、且つ/又は
各R6が、Hである
の少なくとも1つ、好ましくはすべてが満たされる、式(I)の化合物である。
【0081】
特定の実施形態では、
R1は、
・ フェネチル等のアリール(C1~C6)アルキル基、
・ ハロゲン(例えば塩素)によって場合により置換されているフェニル等のアリール基、
・ ピペリジニル等の複素環式基(好ましくは窒素含有複素環式基)
からなる群から選択され、
R2は、Hであり、
R3は、
- フェニル等のアリール、
- テトラヒドロピラニル等のヘテロシクロアルキル、及び
- OHによって場合により置換されているメチル等の(C1~C6)アルキル
からなる群から選択され、
R5は、H又はOH、好ましくはHであり、
R6は、H、又はメチル等の(C1~C6)アルキル、好ましくはHであり、
X及びYは、それぞれ、
・ CH及びN、又は
・ N及びCR4(R4は、H又は(C1~C4)アルキル、好ましくはHである)、
・ 好ましくは、N及びCH
のいずれかであり、
nは、0又は1、好ましくは1であり、
mは、0であり、m'は、1である。
【0082】
特定の実施形態では、アリール基は、少なくとも1つの置換基によって場合により置換されているフェニル基であり、前記少なくとも1つの置換基は、
・ ハロゲン、好ましくはフッ素又は塩素、
・ 少なくとも1個のハロゲン、好ましくはフッ素によって場合により置換されているアルキル、好ましくは-CF3
・ -OH、及び
-OR(Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール、好ましくはアルキル、より好ましくはメチルである)
から選択される。
【0083】
より特定の実施形態では、
⇒ R1及びR2は、独立して、
・ H、
・ ベンジル、フェネチル、
・ フッ素、塩素、ヒドロキシ、メトキシ又は-CF3によって場合により置換されているフェニル基、
・ ピペリジニル基、
を表し、
ここで、R1及びR2の一方はHであり、R1及びR2の他方はHとは異なり、
⇒ X及びYは、それぞれ、CH及びN、又はN及びCH、又はCH及びCHのいずれかであり、
⇒ nは、0、1又は2であり、
⇒ mは、0又は1であり、m'は、0又は1であり、
⇒ R3は、
・ H
・ シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、
・ ピリジル、イミダゾリル、
・ フェニルであって、塩素等のハロゲンによって又はOHによって場合により置換されている前記フェニル、
・ ベンジル、
・ テトラヒドロピラニル、
・ -C(O)2R基(Rは、(C1~C6)アルキル、好ましくはメチルである)、
・ -CHOHR基(Rは、フッ素によって場合により置換されているアリール、好ましくはフェニルである)、
・ -C(O)R基(Rは、フッ素によって場合により置換されているアリール、好ましくはフェニルである)、
・ 1又は2つの置換基によって場合により置換されており、各置換基が、
・ フェニル、
・ OH、
・ メトキシ、
・ -NHC(O)R基(Rは、(C1~C6)アルキル、好ましくはメチルである)、
からなる群から独立して選択される、メチル、
・ エチル、又は
・ イソブテニル
を表す。
【0084】
本明細書において使用される場合、「本発明の化合物」は、上述の化合物、又はその薬学的に許容される塩、任意の異性体若しくは溶媒和形態を意味する。
【0085】
用語「異性体」は、本明細書において同定されたものと同一の分子式を有するが、性質又はそれらの原子の結合配列又は空間におけるそれらの原子の配置が異なる、化合物を指す。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と指定される。互いの鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオ異性体」と指定され、互いを重ね合わせても一致しない鏡像である立体異性体は、「鏡像異性体」又は「光学異性体」と指定される。「立体異性体」は、ラセミ体、鏡像異性体及びジアステレオ異性体を指す。
【0086】
当業者ならば、立体中心が本発明の化合物中に存在することを認識するであろう。本発明の化合物の任意のキラル中心は、(R)、(S)又はラセミ体であることができる。したがって、本発明は、式(I)の化合物のすべての考えられる立体異性体及び幾何異性体を含み、ラセミ化合物だけでなく、光学活性異性体も含む。好ましい実施形態によれば、本発明の化合物は、式(II)のものである。式(I)の化合物が単一の鏡像異性体として所望される場合、それは、最終生成物の分割によって又は異性的に純粋な出発材料若しくは任意の好適な中間体のいずれかからの立体特異的合成によってのいずれかで取得されうる。最終生成物、中間体又は出発材料の分割は、当技術分野において公知である任意の好適な方法によって行われうる。例えば、Stereochemistry of Carbon Compounds、E. L. Eliel著(Mcgraw Hill、1962)及びTables of Resolving Agents、S. H. Wilen著を参照されたい。
【0087】
有機化学分野の専門家ならば、多くの有機化合物は、それらを中で反応させる又はそれらを沈殿若しくは結晶化させる溶媒と、錯体を形成しうることが分かるであろう。これらの錯体は、「溶媒和物」として公知である。例えば、水との錯体は、「水和物」として公知である。式(I)又は(II)の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。
【0088】
多くの有機化合物は、1つを超える結晶形態で存在しうることも、有機化学分野の専門家には分かるであろう。例えば、結晶形態は、溶媒和物ごとに変動しうる。故に、本発明の化合物のすべての結晶形態又は薬学的に許容されるその溶媒和物は、本発明の範囲内である。
【0089】
本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」又は「薬学的塩」という用語は、薬学的に許容される無機又は有機酸又は塩基から形成された従来の塩及び第四級アンモニウム塩を含む。好適な酸塩のより具体的な例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ギ酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、パルモイック酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヨウ化水素酸、リンゴ酸、ステアリン酸、タンニン酸等を含む。好適な塩基性塩のより具体的な例は、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン及びプロカイン塩を含む。
【0090】
例えば、好ましい塩形態は、塩酸塩を含む。
【0091】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-[1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-4-イル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[1-(シクロペンチルメチル)ピペリジン-4-イル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルアゼパン-4-イル)-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-6-メチル-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-[(1-ベンジルピペリジン-3-イル)メチル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-プロピルピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(シクロヘキシルメチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-{[1-(1H-イミダゾール-5-イルメチル)ピペリジン-4-イル]メチル}-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(4-ヒドロキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-メトキシ-1-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
N-(2-{4-[(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}エチル)アセトアミド塩酸塩;
2-((1-(2-(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジル-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(4-メトキシフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-[4-(クロロフェニル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(2-クロロフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェネチルピリダジン-3(2H)-オン、
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(2-フェニルエチル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(ピペリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-モルホリノピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(4-フェニルピペラジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩;
1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-3-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン塩酸塩;
3-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン;及び
1-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-3-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン塩酸塩
からなる群の中で選択される。
【0092】
好ましくは、前記化合物は、
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェネチルピリダジン-3(2H)-オン;
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩;
2-((1-ベンジル-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
4-フェニル-2-((1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;
2-(1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩;及び
2-((1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩
からなる群の中で選択される。
【0093】
本発明の化合物は、幾つかの方法、特に実施例において例証される通りの方法によって調製されうる。出発生成物は、商用生成物、又は公知の合成に従って商用若しくは当業者に公知の化合物から調製された生成物である。
【0094】
化合物の治療的使用
本発明は、本発明に従う化合物を含む、医薬又は獣医用組成物に関する。好ましくは、医薬組成物は更に、薬学的に又は獣医学的に許容される担体(又は「補助物」)又は添加剤を含む。本発明は更に、対象における疾患を処置するための方法であって、治療有効量の本発明に従う化合物が、それを必要とする前記対象に投与される方法に関する。本発明は、本発明の従う化合物の、薬としての使用に関する。本発明は、薬の製造のための、本発明に従う化合物の使用にも関する。
【0095】
加えて、本発明は、対象におけるシグマ-1受容体によって変調される障害(例えば認知又は神経変性障害)を処置するための方法であって、治療有効量の本発明に従う化合物が、シグマ-1受容体によって変調される障害(例えば認知又は神経変性障害)に罹患している前記対象に投与される、方法に関する。
【0096】
本発明は、シグマ-1受容体によって変調される障害(例えば認知又は神経変性障害)の処置用の薬の製造のための、本発明に従う化合物の使用にも関する。本発明は、シグマ-1受容体によって変調される障害(例えば認知障害)の処置における使用のための、本発明に従う化合物に関する。
【0097】
本発明の特定の実施形態では、シグマ-1受容体によって変調される前記障害は、(1)アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症を含むがこれらに限定されない神経変性疾患、(2)病理学的老化、虚血性健忘、統合失調症関連認知欠損、うつ病を含むがこれらに限定されない認知及び記憶改変、(3)自閉症関連障害、精神遅滞関連障害を含むがこれらに限定されない発達性認知障害、並びに(4)MAM機能不全に関連する遺伝性疾患からなる群から選択される。
【0098】
医薬組成物
本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物にも関する。組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体(又は「補助物」)又は添加剤を更に含む。
【0099】
本発明は、疾患の処置における使用のための、本発明の医薬組成物にも関わる。本発明は、対象における疾患を処置するための薬の製造のための、本発明に従う医薬組成物の使用にも関する。本発明は更に、対象における疾患を処置するための方法であって、治療有効量の本発明に従う医薬組成物が、前記疾患に罹患している前記対象に投与される、方法に関する。
【0100】
好ましくは、疾患は、シグマ-1受容体によって変調される障害である。より好ましくは、疾患は、(1)アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症を含むがこれらに限定されない神経変性疾患、(2)病理学的老化、虚血性健忘、統合失調症関連認知欠損、うつ病を含むがこれらに限定されない認知及び記憶改変、(3)自閉症関連障害、精神遅滞関連障害を含むがこれらに限定されない発達性認知障害、並びに(4)MAM機能不全に関連する遺伝性疾患からなる群から選択される。
【0101】
対象、レジメン及び投与
本発明に従う対象は、動物、好ましくは哺乳動物、更に一層好ましくはヒトである。しかしながら、用語「対象」は、処置を必要とする、非ヒト動物、特に、数ある中でも、イヌ、ネコ、ウマ、雌ウシ、ブタ、ヒツジ、ロバ、ウサギ、フェレット、スナネズミ、ハムスター、チンチラ、ラット、マウス、モルモット及び非ヒト霊長類等の哺乳動物を指すこともできる。
【0102】
本発明に従うヒト対象は、出生前段階のヒト、新生児、小児、乳児、青年又は成人、特に、少なくとも40歳の成人、好ましくは少なくとも50歳の成人であってよい。
【0103】
好ましい実施形態では、対象は、ある疾患と診断された。好ましくは、対象は、シグマ-1受容体によって変調される疾患と診断された。
【0104】
これらの疾患の診断方法は、当業者に周知である。
【0105】
本発明に従う化合物又は本発明に従う医薬組成物は、任意の従来の投与ルートによって投与されうる。特に、本発明の化合物又は医薬組成物は、局所、経腸、経口、非経口、鼻腔内、静脈内、動脈内、筋肉内、腫瘍内、皮下又は眼内投与等によって投与されうる。
【0106】
特に、本発明に従う化合物又は本発明に従う医薬組成物は、局所、経腸、経口、非経口、鼻腔内、静脈内、動脈内、筋肉内、皮下又は眼内投与等のために製剤化されうる。
【0107】
好ましくは、本発明に従う化合物又は本発明に従う医薬組成物は、経腸又は非経口投与ルートによって投与される。非経口的に投与される場合、本発明に従う化合物又は本発明に従う医薬組成物は、好ましくは、静脈内投与ルートによって投与される。経腸的に投与される場合、本発明に従う化合物又は本発明に従う医薬組成物は、好ましくは、経口投与ルートによって投与される。
【0108】
分子を含む医薬組成物は、当業者に公知である標準的な医薬実務(Lippincott Williams & Wilkins、2000並びにEncyclopedia of Pharmaceutical Technology編、J. Swarbrick及びJ. C. Boylan、1988~1999、Marcel Dekker、New York)に従って製剤化される。
【0109】
経口投与では、組成物は、従来の経口剤形、例を挙げると、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、並びにシロップ剤、エリキシル剤及び濃縮液滴等の液体調製物に製剤化されうる。例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等を含む、非毒性固体担体又は賦形剤が使用されうる。圧縮錠では、粉末化材料に粘着性の品質を付与する作用物質である結合剤も必要である。例えば、デンプン、ゼラチン、ラクトース又はデキストロース等の糖、及び天然又は合成ガムが、結合剤として使用されうる。錠剤においては、錠剤の破壊を容易にするために、崩壊剤も必要である。崩壊剤は、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン、ガム及び架橋ポリマーを含む。その上、錠剤においては、製造プロセスにおける錠剤材料の表面への接着を防止するため及び製造中の粉末材料の流動特徴を改善するために、滑沢剤及び流動促進剤も含まれる。コロイド状二酸化ケイ素が流動促進剤として最も一般的に使用され、タルク又はステアリン酸等の化合物が滑沢剤として最も一般的に使用される。
【0110】
経皮投与では、組成物は、軟膏剤、クリーム剤又はゲル剤形態に製剤化されてよく、透過を容易にするために、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミド等の適切な浸透剤又は洗剤が使用されうる。
【0111】
経粘膜投与では、鼻腔用スプレー剤、経直腸又は腟坐剤が使用されうる。活性化合物は、当技術分野において公知の方法によって、公知の坐剤基剤のいずれかに組み込まれうる。そのような基剤の例は、ココアバター、ポリエチレングリコール(カーボワックス)、モノステアリン酸ポリエチレンソルビタン、融点又は溶解速度を修正するための他の適合性材料とこれらの混合物を含む。
【0112】
本発明に従う医薬組成物は、活性薬物を、実質的に投与直後に又は投与後任意の所定の時間若しくは期間で放出するように製剤化されうる。
【0113】
好ましくは、本発明に従う化合物又は本発明に従う医薬組成物による処置は、疾患の診断後、1年以内に、好ましくは6、5、4、3、2又は1か月以内に開始する。
【0114】
本発明に従う化合物又は本発明に従う医薬組成物は、単回用量として又は好ましくは複数回用量で投与されうる。
【0115】
好ましくは、処置は、定期的に、好ましくは毎日から毎月の間、より好ましくは毎日から2週間ごとの間、より好ましくは毎日から毎週の間で施され、更に一層好ましくは、処置は、毎日施される。特定の実施形態では、処置は、1日に2又は3回等、1日に数回施される。
【0116】
本発明に従う化合物又は本発明に従う医薬組成物による処置の持続時間は、好ましくは1週間の間、より好ましくは1週間から1又は複数年の間に含まれる。代替として、処置は、疾患が持続する限り、続いてよい。
【0117】
投与される本発明に従う化合物の又は本発明に従う医薬組成物の量は、当業者によって周知である標準的な手順によって決定されなくてはならない。治療有効量が患者に投与されるように、適切な投薬量を決定するためには、患者の生理学的データ(例えば年齢、サイズ及び体重)及び投与ルートを考慮に入れなくてはならない。
【0118】
好ましい実施形態では、本発明に従う化合物の又は本発明に従う医薬組成物の各投与についての総化合物用量は、0.00001から1gの間、好ましくは0.01から10mgの間に含まれる。
【0119】
医薬組成物の形態、本発明に従う化合物の又は本発明に従う医薬組成物の投与ルート及び投与の用量は、疾患の種類及び重症度、並びに患者、特にその年齢、体重、性別及び全身的な身体状態に従って、当業者により調整されうる。
【0120】
本発明を下記の実施例においても更に詳細に記述するが、添付の請求項によって定義される通りの本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【実施例
【0121】
下記の合成方法及びスキームは、本発明の化合物を調製することができる一般的手順を例証するものである。出発材料は、商業的供給源から入手したか、又は当業者に周知の方法を使用して調製した。例えば、本発明の化合物は、実施例の項において詳細に記述されている合成ルートに従って又はそれと同様に調製されうる。特に、一般式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、下記のスキームにおいて記述される方法に従って合成することができ、式中、Xは、ハロゲンを表し、Rは、一般式(I)の対応する位置における任意の基を表す。下記のスキームにおけるR基の番号付けは一般式(I)における基の指定と異なるが、これらのスキームは式(I)の化合物の調製を説明するものであり、故に、これらのR基は、一般式(I)における結合の同じ位置に対応する基に従って定義されることが理解されよう。中間体及び最終生成物の精製は、下記のパラメーターでDionex社アルティメット300を使用する順相又は逆相クロマトグラフィーを介して行った:0.5mL/分の流速、カラム温度:30℃、溶媒系:A(MeOH)及びB(H2O中0.05%のTFA)、t=0分から1分:50から60%のB、次いで、t=1分からt=10分:60から100%のB及びt=10分からt=15分:100%のB。
【0122】
A.本発明に従う化合物の調製
一般的な合成方法及びピリダジン-3(2H)-オンに由来する例
式(I)の化合物の調製は、従来の方法を使用し、種々の合成ルートに沿って行われうる(スキーム1を参照)。市販の又は先に記述した一般式Aの4又は5-ハロゲノピリダジノン1、2から出発し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、アリールボロン酸との鈴木-宮浦クロスカップリング反応は、対応する4又は5アリールピリダジノン誘導体(中間体B)をもたらした。2-ブタノン又はDMF等の不活性溶媒中、一般式Cの適切なtert-ブチル4-メチルスルホニルオキシピペリジン-1-カルボキシレート(又はアゼパン-1-カルボキシレート)誘導体による中間体BのN-アルキル化により、中間体Dを生じさせた。使用される塩基は、水素化ナトリウム又はアルカリ重炭酸ナトリウムであることができる。保護BOC基の脱保護、及びNaBH3CNの存在下、適切なアルデヒドによるその後の還元的アミノ化により、本発明の実施例を得た(実施例A.1、A.2及びA.5を参照)。適切なハロゲノアルキル誘導体による脱保護されたピペリジン中間体の直接アルキル化は、スキーム1において例証される通り、当技術分野において周知の方法によって実施されうる(実施例A.3)。アルキル化は、ブロモメチルケトン誘導体を用いて実施することもでき、得られたケトンを、水素化ホウ素ナトリウムによる処置によって最後に第二級アルコールに変換した(実施例A.4)。すべての最終化合物は、対応する塩基から標準的な方法によって調製された、塩酸塩として単離された。
1 X = 4-Cl、Chin. E.、Li. J.、Lui. A. S.-T.; Talamas, F. X.、WO2010133528; X =4-Br、Aciro. C.ら、WO2010131147
2 X= 5-Cl、Lizos. D.、Weiler. S.、Stiefl. N. J.、WO2009013335; X= 5-I、Becknell, N.C.ら、Bioorg. Med. Chem.、2012、20(12)、3880~3886。
【0123】
スキーム1:2置換-N-置換-ピペリジン-4-イル-4又は(5)-フェニルピリダジン-3(2H)-オンの調製のための一般的な合成方法。
【0124】
【化6】
【0125】
条件:a)K2CO3、Pd(PPh3)4、Ar-PhB(OH)2、トルエン、EtOH、H2O、120℃、16時間;b)n=0、K2CO3、2-ブタノン、85℃、24時間;c)n=1、NaH、DMF、110℃、18時間;d)TFA、DCM、25℃、45分;e)R3-CHO、NaBH3CN;DIEA、MeOH、25℃、18時間。f)K2CO3、DMF又はMeCN、80℃、18時間。g)MeOH、NaBH4、25℃、6.5時間。
【0126】
(実施例A.1)
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物1)。
工程1:tert-ブチル4-(メタンスルホニルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート、中間体C(m'=m=0、n=0)。
室温のDCM(35mL)中のtert-ブチル4-ヒドロキシ-1-ピペリジンカルボキシレート(1.28g、5.1mmol)及びEt3N(1.43mL、10.22mmol)の撹拌溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.44mL、5.62mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温で4時間にわたって撹拌し、0.1N HCl水溶液、H2O及びブラインで順次に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、真空で濃縮して、tert-ブチル4-(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレートを薄橙色固体、収量(1.4g)として産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 4.85 - 4.93 (m, 1 H), 3.66 - 3.75 (m, 2 H), 3.25 - 3.35 (m, 2 H), 3.04 (s, 3 H), 1.92 - 2.01 (m, 2 H), 1.77 - 1.86 (m, 2 H), 1.46 (s, 9 H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 154.7, 80.1, 67.8, 40.5, 34.3, 28.5.
【0127】
工程2:tert-ブチル4-(6-オキソ-5-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートD(m'=m=0、n=0)
50mlのフラスコ(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200mg、1.16mmol、1.0当量、調製については実施例A.2を参照)、N-Boc-4-(2-((メチルスルホニル)オキシ)エチル)ピペリジン(487mg、1.74mmol、1.5当量)及びK2CO3(241.6mg、1.74mmol、1.5当量)を投入した。2-ブタノン(10mL)を添加し、混合物を85℃で48時間にわたって加熱した(HPLCモニタリング:完全変換)。混合物をH2O(150mL)でクエンチし、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残留物を、EtOAc/ヘプタン:1:2を溶離液として使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色固体(260mg、63%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.85 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.76 (m, 2H), 7.42 (m, 3H), 7.24 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 5.15 (m, 1H), 4.26 (bs, 2H), 2.88 (m, 2H), 2.00-1.86 (m, 4H), 1.46 (s, 9H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 160.0, 154.9, 139.6, 136.4, 134.3, 129.7, 128.9, 129.6, 127.3, 79.8, 55.7, 43.4, 30.5, 28.7.
【0128】
工程3:4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩
DCM(5mL)中のtert-ブチル4-(6-オキソ-5-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(260mg、0.73mmol、1当量)の氷冷溶液に、TFA(2mL)を添加し、得られた混合物を1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。化合物を更に精製することなく還元的アミノ化工程において使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) : δ 8.82 (bs, 1H), 8.48 (bs, 1H), 8.08 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 7.82 (m, 2H), 7.59 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 7.47 (m, 3H), 5.20 (m, 1H), 3.43 (d, 2H, J = 12.1 Hz), 3.16 (q, 2H, J = 11.2 Hz), 2.15-1.99 (m, 4H). 13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6) : δ 158.7, 137.9, 137.0, 133.9, 129.3, 128.6, 128.2, 128.0, 51.9, 42.6, 27.0.
【0129】
工程4:2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(化合物1)。
4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3(2H)-オントリフルオロ酢酸塩(94mg、0.368mmol)をMeOH(5mL)に溶解した。ベンズアルデヒド(58.6mg、56μL、1.5当量)、続いて、NaBH3CN(46.3mg、0.74mmol、2当量)を添加した。得られた混合物を25℃で48時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、DCM:MeOH(99:1)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン1を無色油状物(94mg、74%)として産出した。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.85 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 7.78-7.75 (m, 2H), 7.45-7.39 (m, 3H), 7.37-7.30 (m, 4H), 7.25 (m, 1H), 7.23 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 5.04 (m, 1H), 3.55 (s, 2H), 3.02 (m, 2H), 2.23-2.08 (m, 4H), 1.89-1.86 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 160.1, 139.3, 138.9, 136.2, 134.5, 129.6, 129.2, 128.9, 128.5, 128.4, 127.2, 127.1, 63.1, 56.1, 53.1, 30.7.
LC/MS (M+H) = 346.
【0130】
*2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物2)
実施例A.1において記述したものと同じ手順を使用し、5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン3(250mg、1.45mmol、1当量)及びN-Boc-4-(2-((メチルスルホニル)オキシ)エチル)ピペリジン(279.4mg、1.5当量)から出発して、EtOAc/Hept 1/1を用いるシリカゲル上での精製後、tert-ブチル4-(6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートが63%収率で取得された。1H NMR (200 MHz, CDCl3) : δ 8.10 (d, 1H, J= 2.3 Hz), 7.60-7.51 (m, 5H), 7.06 (d, 1H, J= 2.3 Hz), 5.15 (m, 1H), 3.91-3.79 (m, 2H), 3.36-3.23 (m, 2H), 2.17-2.05 (m, 2H), 1.89-1.49 (m, 2H), 1.49 (s, 9H).
【0131】
トリフルオロ酢酸等の好適な酸によるtert-ブトキシカルボニル基の脱保護及びベンズアルデヒドによる還元的アミノ化後、表題化合物が無色油状物として88%収率で取得された。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) : δ 10.60 (bs, 1H), 8.46 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.85-7.83 (m, 2H), 7.63-7.60 (m, 2H), 7.54-7.51 (m, 3H), 7.49-7.47 (m, 3H), 7.24 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 5.07 (m, 1H), 4.31 (d, 2H, J = 5.2 Hz), 3.47-3.44 (m, 2H), 3.25-3.17 (m, 2H), 2.35-2.26 (m, 2H), 2.03-2.00 (m, 2H). 13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6) : δ 159.1, 142.2, 135.9, 133.1, 131.4, 130.3, 129.7, 129.5, 129.2, 128.8, 127.2, 123.4, 59.0, 51.4, 50.4, 27.0.
LC/MS (M+H) = 346.
3 Tetrahedron、2004、60(52)、12177~12189.
【0132】
*4-フェニル-2-[1-(2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物3)。
実施例A.1において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(50mg、0.13mmol、1当量)及びフェニルアセトアルデヒド(24.4mg、23.7μl、0.203mmol、1.5当量)から出発して、表題化合物が白色固体(40mg、75%)として取得された。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.80 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 7.72-7.70 (m, 2H), 7.39-7.33 (m, 3H), 7.24-7.11 (m, 6H), 4.97 (m, 1H), 3.09 (d, 2H, J= 11.0 Hz), 2.79-2.75 (m, 2H), 2.60-2.56 (m, 2H), 2.22-2.04 (m, 4H), 1.88-1.85 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 160.2, 140.6, 139.3, 136.2, 134.5, 129.6, 129.0, 128.9, 128.6, 128.5, 127.3, 126.2, 60.6, 56.1, 53.1, 34.1, 30.6. LC/MS (M+H) = 360.
【0133】
*2-[1-(シクロプロピルメチル)ピペリジン-4-イル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物4)。
実施例A.1において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(50mg、0.13mmol、1当量)及びシクロプロピルカルボキサルデヒド(14.23mg、15.17μl、0.203mmol、1.5当量)から出発して、表題化合物が無色油状物(30mg、64%)として取得された。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.83 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 7.75-7.73 (m, 2H), 7.39-7.35 (m, 3H), 7.21 (d, 1H, J= 4.1 Hz), 4.98 (m, 1H), 3.19 (m, 2H), 2.28 (d, 2H, J= 6.4 Hz), 2.20-2.08 (m, 4H), 1.89-1.87 (m, 2H), 0.87 (七重線, 1H, J= 6.4 Hz), 0.52-0.48 (m, 2H), 0.11-0.08 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 160.1, 139.2, 136.2, 134.4, 129.5, 128.9, 128.5, 127.2, 63.7, 56.0, 30.4, 8.7, 4.1.
LC/MS (M+H) = 310.
【0134】
*2-[1-(シクロペンチルメチル)ピペリジン-4-イル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物5)。
実施例A.1において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(50mg、0.13mmol、1当量)及びシクロペンタンカルバルデヒド(20.5mg、22.4μl、0.203mmol、1.5当量)から出発して、表題化合物が無色油状物(38mg、75%)として取得された。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.84 (d,1H, J = 4.1 Hz), 7.75-7.73 (m, 2H), 7.40-7.35 (m, 3H), 7.22 (d, 1H, J= 4.1 Hz), 4.99 (m, 1H), 3.05 (m, 2H), 2.30 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 2.17-2.01 (m, 4H), 1.87-1.84 (m, 2H), 1.78-1.74 (m, 2H), 1.62-1.29 (m, 5H), 1.22-1.16 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 160.1, 139.3, 136.2, 134.4, 129.5, 128.9, 128.5, 127.2, 64.5, 56.1, 53.3, 37.7, 31.7, 30.4, 25.4.
LC/MS (M+H) = 338.
【0135】
*2-(1-ベンジルアゼパン-4-イル)-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物6)、(m'=m=1、n=0)。
実施例A.1において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(45mg、0.26mmol、1当量)及びtert-ブチル4-(メタンスルホニルオキシ)アゼパン-1-カルボキシレート4(92.01mg、0.31mmol、1.2当量)から出発して、tert-ブチル4-(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)アゼパン-1-カルボキシレートが49%収率で取得された。TFAを活用するtert-ブトキシカルボニル基の脱保護後、得られたトリフルオロ酢酸塩を、ベンズアルデヒドの存在下、NaBH3CNを使用する還元的アミノ化に供して、表題化合物を白色固体(28.2mg、64%収率)として産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.70 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.66-7.59 (m, 2H), 7.32-7.25 (m, 3H), 7.24-7.20 (m, 2H), 7.19-7.14 (m, 2H), 7.11-7.05 (m, 2H), 5.27-5.16 (m, 1H), 3.51 (s, 2H), 2.76-2.64 (m, 1H), 2.59-2.52 (m, 3H), 2.06-1.95 (m, 2H), 1.93-1.85 (m, 2H), 1.80-1.69 (m, 1H), 1.67-1.64 (m, 1H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 159.5, 139.7, 139.2, 136.0, 134.3, 129.3, 128.8, 128.3, 128.2, 126.9, 126.8, 62.8, 58.2, 55.7, 52.0, 33.7, 32.6, 25.6.
LC/MS (M+H) = 360.
4 ACS Medicinal Chemistry Letters、2016、7(4)、397~402.
【0136】
(実施例A.2)
2-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物10)の調製
工程1:Tert-ブチル4-[((メチルスルホニル)オキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(中間体C、n=1、m=0、m'=1)
DCM(75mL)中のtert-ブチル4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(5g、23.2mmol、1当量)及びNEt3(3.52g、4.86mL、34.85mmol 1.5当量)の氷冷溶液に、塩化メシル(3.99g、2.70mL、34.84mmol、1.2当量)を滴下添加し、得られた溶液を出発材料の完全変換まで室温で撹拌した。反応変換をTLC及びHPLCによってモニターし、通常3時間以内に完了した。揮発物を真空下で蒸発させ、粗製物をEtOAc(100mL)に溶解した。有機相を、1N K2CO3(60mL)、水(60mL)、ブライン(60mL)で1回洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた油状物を、氷冷Et2O(15mL)及びペンタン(10mL)の混合物に溶かし、2~3分間にわたって音波処理した。得られた固体をブフナー漏斗上での吸引濾過によって収集し、氷冷ペンタン(2×5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物をオフホワイトの固体(4.16g、61%)として得た。濾液をおよそ半分の体積まで蒸発させて、更なる材料(2.0g、全収率:90%)を収集した。1H NMR (400MHZ, CDCl3) : δ ppm 4.16-4.12 (m, 2H), 4.06 (d, 2H, J = 6.4 Hz), 3.00 (s, 3H), 2.67 (t, 2H, J = 11.6 Hz), 1.92-1.88 (m , 1H), 1.73 (d, 2H, J = 11.6 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.26-1.15 (m, 2H). 13C NMR (101 MHZ, CDCl3) : δ ppm 154.8, 79.7, 73.5, 37.5, 36.1, 28.6, 28.4.
【0137】
工程2:4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(中間体B)
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、フェニルボロン酸(2.05g、16.85mmol、1.1当量)、4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(2.0g、15.32mmol、1.0当量)、炭酸ナトリウム(4.88g、45.9mmol、3当量)を投入した。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(885mg、5mol%)、続いて、トルエン(38mL)、EtOH(8mL)及びH2O(8mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで120℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常16時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。粗材料を、ヘプタン中50から70%のEtOAcの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフにかけて、表題化合物を黄色固体(2.34g、13.6mmol、89%)として得た。融点:217~220℃。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) : δ ppm 13.20 (bs, 1H), 7.94 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.86 (m, 2H), 7.58 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.51-7.42 (m, 3H). 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ ppm 160.9, 138.7, 137.8,134.2, 129.8, 129.2, 128.9, 128.7
【0138】
工程3:tert-ブチル4-((6-オキソ-5-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
反応は、アルゴン雰囲気下、無水条件で実施した。乾燥DMF(26.1mL)中の4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(450mg、2.61mmol、1当量)の氷冷溶液に、水素化ナトリウム(209.1mg、5.23mmol、2当量)を小分けにして添加し、混合物を0℃で30分間にわたって撹拌した。次いで、tert-ブチル4-[(メタンスルホニルオキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(920.1mg、3.14mmol、1.2当量)を小分けにして添加し、混合物を110℃で終夜加熱した(HPLCモニタリング:完全変換)。混合物をH2O(150mL)でクエンチし、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残留物を、ヘプタン中10から50%のEtOAcの勾配を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色固体(835.6mg、2.26mmol、87%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.84-7.78 (m, 3H), 7.45-7.43 (m, 3H), 7.29 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.15-4.13 (m, 4H), 2.69 (t, 2 H, J = 12.4 Hz), 2.21-2.19 (m, 1H), 1.65 (d, 2H, J = 12.4 Hz), 1.45 (s, 9H), 1.32-1.24 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.3, 154.8, 139.8, 136.1, 133.9, 129.6, 128.7, 128.4, 127,4, 79.3, 60.5, 57.7, 35.4, 29.7, 28.4
【0139】
工程4:2-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(化合物10)
0℃のDCM(5mL)中のtert-ブチル-4-[(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(110mg、0.3mmol、1当量)の溶液に、TFA(0.45mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷エーテルで研和し、上清を除去し、蒸発後の粗製物をMeOH(5mL)に直接溶解した。4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(150mg、0.30mmol、1当量)及びフェニルアセトアルデヒド(43.5mg、42.3μl、0.36mmol、1.2当量)、続いて、DIEA(156mg、1.20mmol、0.20ml)及びNaBH3CN(37.9mg、0.6mmol、2当量)を添加した。得られた混合物を室温で48時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、DCM:MeOH(98:2)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-((1-フェネチルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オンを無色粘性ゴム状物(79.2mg、64%)として産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.84-7.77 (m, 3H), 7.48-7.40 (m, 3H), 7.30-7.26 (m, 3H), 7.21-7.16 (m, 3H), 4.17 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 3.01(d, 2H, J = 12.8 Hz), 2.81(m, 2H), 2.59 (m, 2H), 2.07-2.01 (m, 3H), 1.72 (d, 2H, J = 12.8 Hz), 1.49 (q, 2H, J = 12.8 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.4, 140.5, 139.9, 136.1, 134.1, 129.7, 128.9, 128.8, 128.5, 127.5, 126.1, 60.9, 58.0, 53.4, 35.3, 33.8, 30.0.
【0140】
塩酸塩の形成
60mgの上記の化合物を最低限のメタノールに溶解し、溶液を過剰のEt2O中2N HClで処理した。15分間にわたって撹拌した後、得られた混合物を真空下で濃縮し、Et2Oと2回共蒸発させ、次いで、氷冷ペンタンで研和した。上清を除去し、残留物を真空下で乾燥させて、(79.2mgの表題化合物を白色固体として)産出した。LC/MS (M+H) = 374.
【0141】
*2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-6-メチル-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(化合物7)。
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、6-メチル-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン5(30mg、0.161mmol、1当量)及びtert-ブチル4-[(メチルスルホニル)オキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(53.62mg、1.2当量)から出発して、シリカゲルAcOEt/Hept 1/3上での精製後、tert-ブチル4-[(3-メチル-6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレートが82%収率で取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.77-7.72 (m, 2H), 7.42-7.35 (m, 3H), 7.16 (s, 1H), 4.12-3.99 (m, 4H), 2.82 (t, 2H, J = 11.6 Hz), 2.33 (s, 3H), 2.20-2.08 (m, 1H), 1.61 (d, 2H, J = 12.3 Hz), 1.41 (s, 9H), 1.25 (qd, 2H, J = 12.4 Hz, J = 5.2 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 159.6, 154.9, 144.3, 139.6, 134.2, 129.7, 129.6, 128.9, 128.5, 79.5, 57.5, 44.0, 43.83, 35.6, 29.9, 28.6, 21.2.
【0142】
TFAによるtert-ブチルオキシカルボニル基の脱保護、続いて、実施例A.2について記述された通りのベンズアルデヒド及びNaBH3CNを使用する還元的アミノ化により、表題化合物を無色油状物(33.4mg、62%)としてもたらした。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, MeOD) : δ 7.76-7.71 (m, 2H), 7.47-7.39 (m, 4H), 7.48-7.45 (m, 3H), 7.34-7.31 (m, 4H), 7.30-7.20 (m, 1H), 4.08 (d, 2H, J= 7.2 Hz), 3.57 (s, 2H), 3.31 (qt, 1H, J = 1.7 Hz), 2.94 (dt, 2H, J= 11.8, J = 3.4 Hz), 2.36 (s, 3H), 2.09 ( td, 2H, J = 11.5 Hz, J = 2.0 Hz), 2.04-1.94 (m, 1H), 1.66 (d, 2H, J= 12.3 Hz), 1.43 (qd, J = 12.6 Hz, J = 4.0 Hz, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 161.0, 1435, 138.7, 135.6, 134.2, 130.4, 129.6, 129.3, 128.3, 127.1, 127.0, 124.8, 63.5, 57.1, 53.4, 35.5, 30.1.
LC/MS (M+H) = 374.22
5a Chin. J. Org. Chem.、2014、34、722~728; 5b Pest Manag Sci.、2006、62、522~530.
【0143】
*2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物8)。
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(25mg、0.145mmol、1当量)及びtert-ブチル4-[(メチルスルホニル)オキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(51.12mg、1.2当量)から出発して、シリカゲルAcOEt/Hept 1/3上での精製後、tert-ブチル4-(6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートが72%収率で取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 8.01 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 7.55-7.53 (m, 2H), 7.46-7.44 (m, 3H), 7.01 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 4.06-4.04 (m, 4H), 2.66 (t, 2H, J = 11.7 Hz), 2.13 (m, 1H), 1.62-1.59 (m, 2H), 1.41 (s, 9H), 1.26-1.23 (m, 2H).
【0144】
TFAによるtert-ブチルオキシカルボニル基の脱保護、続いて、実施例A.2について記述された通りのベンズアルデヒド及びNaBH3CNを使用する還元的アミノ化により、表題化合物を無色油状物(16mg、39%)としてもたらした。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 7.99 (d, 1H, J= 2.2 Hz), 7.55-7.53 (m, 2H), 7.48-7.45 (m, 3H), 7.31-7.21 (m, 5H), 7.03 (d, 1H, J= 2.2 Hz), 4.09 (d, 2H, J= 7.0 Hz), 3.47 (s, 2H), 2.87 (t, 2H, J= 11.7 Hz), 2.03-1.92 (m, 3H), 1.63 (d, 2H, J= 12.8 Hz), 1.48-1.38 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ 161.0, 1435, 138.7, 135.6, 134.2, 130.4, 129.6, 129.3, 128.3, 127.1, 127.0, 124.8, 63.5, 57.1, 53.4, 35.5, 30.1.
LC/MS (M+H) = 360.
【0145】
*2-[(1-ベンジルピペリジン-3-イル)メチル]-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物9)
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(45mg、0.26mmol、1当量)及びtert-ブチル3-[(メタンスルホニルオキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(92.01mg、0.31mmol、1.2当量)から出発して、tert-ブチル3-[(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレートが無色油状物(63.3mg、66%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.70-7.50 (m, 3H), 7.32-7.21 (m, 3H), 7.11 (d, 1H, 4.0Hz), 4.13-3.83 (m, 2H), 3.73 (d, 2H, J = 13.3 Hz), 2.67 (t, 1H, J = 12.7 Hz), 2.67-2.48 (m, 1H), 2.10-1.97 (m, 1H), 1.71-1.47 (m, 2H), 1.35-1.27 (m, 1H), 1.25 (s, 9H), 1.14-1.02 (m, 1H) 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.2, 154.7, 139.7, 136.1, 133.9, 129.5, 128.7, 128.4, 127.4, 79.3, 55.08, 42.1, 35.5, 28.4, 28.1, 24.4
【0146】
TFAの助力を受けるtert-ブチルオキシカルボニル基の脱保護、続いて、実施例A.2について記述された通りのベンズアルデヒド及びNaBH3CNを使用する還元的アミノ化により、表題化合物を白色固体(29.7mg、47%)としてもたらした。Tr (HPLC) = 7.06分.1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.78-7.70 (m, 3H), 7.45-7.36 (m, 3H), 7.30- 7.15 (m, 6H), 4.19 (dd, 1H, J = 12.9 Hz, 7.2 Hz), 4.07 (dd, 1H, J = 12.9 Hz, J = 7.2 Hz), 3.50 (d, 1H, J = 12.9 Hz), 3.39 (d, 1H, J = 12.9 Hz), 2.66 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 2.31 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 2.36-2.25 (m, 1H), 2.05-1.92 (m, 2H), 1.67 (d, 2H, J = 10.2 Hz) , 1.58-1.45 (m, 1H), 1.18-1.08 (m, 1H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.2, 139.6, 138.7 135.9, 134.1, 129.5, 129.0, 128.7, 128.3, 128.1, 127.3, 126.8, 63.5, 57.9, 55.7, 53.9, 35.9, 28.3, 24.6.
LC/MS (M+H) = 360.
【0147】
*4-フェニル-2-((1-プロピルピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物11)
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(178.6mg、0.39mmol、1当量)及びプロパナール(27.3mg、34.2μl、0.46mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物が白色固体(115.8mg、85%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.83-7.76 (m, 3H), 7.46-7.39 (m, 3H), 7.27 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.15 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 2.96 (d, 2H, J = 11.6 Hz), 2.31 (t, 2H, J = 8.0 Hz), 2.09-2.01 (m, 1H), 1.96 (t, 2H, J = 11.6Hz), 1.72-1.66 (m, 2H), 1.57-1.42 (m, 4H), 0.88 (t, 3H, J = 7.6Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.3, 139.7, 136.0, 134.0, 129.5, 128.7, 128.4, 127.4, 60.8, 57.8, 53.1, 35.1, 29.7, 18.9, 11.7. LC/MS (M+H) = 312.
【0148】
*2-((1-(4-クロロベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物12)
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(150mg、0.30mmol、1当量)及び4-クロロベンズアルデヒド(50.9mg、0.36mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物が淡黄色固体(36.7mg、28%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.82-7.76 (m, 3H), 7.46-7.39 (m, 3H), 7.28-7.21 (m, 5H), 4.15 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 3.44 (s, 2H), 2.84 (d, 2H, J = 11.2 Hz), 2.09-2.01 (m, 1H), 1.96 (t, 2H, J = 11.2 Hz), 1.65 (d, 2H J= 12.8 Hz), 1.50-1.37 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.4, 139.8, 137.2, 136.1, 134.1, 132.7, 130.5, 129.7, 128.8, 128.5, 128.4, 127.4, 62.6, 58.0, 53.3, 35.2, 30.0.
LC/MS (M+H) = 394.
【0149】
*2-((1-(シクロヘキシルメチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物13)
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(178.6mg、0.39mmol、1当量)及びシクロヘキサンカルボキサルデヒド(52.9mg、0.36mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物が60%収率で取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.82-7.76 (m, 3H), 7.46-7.38 (m, 3H), 7.26 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.13 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 2.83 (d, 2H, J = 10.8 Hz), 2.08 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 2.03-2.00 (m, 1H), 1.86 (t, 2H, J = 11.6 Hz), 1.78-1.60 (m, 7H), 1.50-1.38 (m, 3H), 1.25-1.11 (m, 3H), 0.91-0.77 (m, 2H).13CNMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.4, 139.8, 136.0, 134.2, 129.6, 128.8, 126.5, 127.4, 66.1, 58.1, 54.0, 35.4, 32.2, 30.0, 26.9, 26.3. LC/MS (M+H) = 366.
【0150】
*4-フェニル-2-((1-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物14)
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(150mg、0.30mmol、1当量)及び4-ピリジン-カルボキサルデヒド(38.8mg、34.1μl、0.36mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物がベージュ色の固体(11.4mg、10%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.55-8.49 (m, 2H), 7.83-7.77 (m, 3H), 7.46-7.40 (m, 3H), 7.30-7.23 (m, 3H). 4.16 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 3.47 (s, 2H), 2.83 (d, 2H, J = 11.2 Hz). 2.00 (t, 2H, J = 11.6 Hz), 1.91-1.76 (m, 1H), 1.66 (d, 2H, J = 12.0 Hz), 1.51-1.45 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 154.9, 149.8, 148.2, 139.8, 136.1, 134.1, 129.7, 128.9, 128.5, 127.5, 123.9. 62.1, 57.9, 53.5, 35.1, 30.0.
LC/MS (M+H) = 362
【0151】
*4-フェニル-2-((1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン二塩酸塩(化合物15)
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(178.6mg、0.30mmol、1当量)及びオキサン-4-カルバルデヒド(53.7mg、48.8μl、0.47mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物が76%収率(118.7mg)で取得された。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) : δ ppm10.1 (s, 広幅, 1H), 8.00 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.86-7.80 (m, 2H), 7.60 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.49-7.42 (m, 3H), 4.06 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 3.83 (d, 2H, J = 10.8 Hz), 3.48-3.43 (m, 4H), 3.28 (t, 2H, J = 11.6 Hz), 2.89-2.84 (m, 4H), 2.22-2.11 (m, 1H), 2.09-2.00 (m, 1H), 1.82-1.70 (m, 4H), 1.23-1.19 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) : δ ppm 158.8, 137.4, 136.2, 133.3, 128.8, 128.0, 127.7, 127.6, 65.7, 60.9, 55.2, 51.4, 32.2, 30.1, 29.0, 25.7.
LC/MS (M+H) = 368.
【0152】
*2-{[1-(1H-イミダゾール-5-イルメチル)ピペリジン-4-イル]メチル}-4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン二塩酸塩(化合物16)。
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(250mg、0.59mmol、1当量)及び4-1H-イミダゾール-5-カルバルデヒド(67.7mg、0.70mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物が白色固体(20.9mg、8%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.65 (d, 1H, J = 4.1Hz), 7.63-7.58 (m, 2H), 7.37 (s, 1H), 7.31-7.23 (m, 3H), 7.11 (d, 1H , J = 4.1Hz), 6.71 (s, 1H), 3.98 (d, 2H, J = 6.9 Hz), 3.34 (s, 2H), 2.74 (dt, 2H, J = 11.7 Hz, J = 3.7 Hz), 1.83 (dt, 2H, J = 11.7 Hz, J = 1.7 Hz), 1.57 (d, 2H, J =12.9 Hz), 1.25 (dq, 2H, J = 12.0, J = 3.2Hz), 1.12-1.07 (m, 1H). 13 C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.3, 139.7, 136.1, 135.1133.9, 129.6, 128.7, 128.4, 127.5, 57.7, 54.1, 53.0, 35.1, 29.8.
LC/MS (M+H) = 350.
【0153】
*4-フェニル-2-((1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)メチル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物17)。
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(125mg、0.32mmol、1当量)及びオキサン-3-カルバルデヒド(55.8mg、0.49mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物が58%収率(69mg)で取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.81 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.80-7.77 (m, 2H), 7.46-7.40 (m, 3H), 7.28 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 4.13 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.93 (ddd, 1H, J =10.6 Hz, J = 5.3 Hz, J = 2.6 Hz), 3.85 (dt, 1H, J = 12.5 Hz, J = 4.1 Hz), 3.40-3.33 (m, 1H), 3.08 (dd, 1H, J = 8.4 Hz, J = 12.2 Hz), 2.92-2.85 (m, 1H), 2.82-2.74 (m, 1H), 2.15-1.95 (m, 3H), 1.94-1.77 (m, 4H), 1.671.55 (m, 4H), 1.48-1.34 (m, 2H), 1.20-1.11 (m, 1H). 13CNMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.3, 139.7, 135.9, 134.0, 129.5, 128.7, 128.4, 127.3, 72.5, 68.6, 61.4, 58.0, 54.2, 53.5, 35.2, 33.6, 2930.0, 29.9, 28.6, 25.6.
LC/MS (M+H) = 368.
【0154】
*2-((1-(4-ヒドロキシベンジル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物18)。
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(131mg、0.34mmol、1当量)及びpara-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(62.6mg、0.51mmol、1.5当量)から出発して、表題化合物が51%収率(66mg)で取得された。1H NMR (400MHz, CDCl3) : δ ppm 7.80 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.79-7.75 (m, 2H), 7.46-7.38 (m, 3H), 7.27 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.08 (d, 2H, J = 8.6 Hz), 6.64 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 4.14 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.46 (s, 2H), 2.97 (dt, 2H, J =11.5 Hz, J = 5.1 Hz), 2.12-1.97 (m, 3H), 1.72-1.63 (m, 2H), 1.5(qd, 2H, J = 11.5Hz, J = 5.1 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.3, 155.8, 155.7, 139.7, 136.0, 133.9, 130.9, 129.6, 128.7, 128.4, 127.5, 115.4, 62.4, 57.8, 52.7, 34.8, 29.2.
LC/MS (M+H) = 376.
【0155】
(実施例A.3)
2-((1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物19)。
0℃のDCM(1.5mL)中のtert-ブチル-4-[(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.27mmol、1当量)の溶液に、TFA(0.41mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷エーテルで研和し、上清を除去し、蒸発後の粗製物をDMF(1.0mL)に直接溶解した。1-ブロモ-2-メトキシエタン(44.8mg、30.7μL、1.2当量)、続いて、K2CO3(148.5mg、1.07mmol、4当量)を添加した。得られた混合物を18時間にわたって還流した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、EtOAc/MeOH/NH4OH 95/5/0.5を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、Et2O中2M HClによる塩化後、表題化合物をオフホワイトの固体(67%)として産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.80 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.79- 775 (m, 2H), 7.45-7.39 (m, 3H), 7.26 (d, 1H, J= 4.0 Hz), 4.13 (d, 2H, J= 6.8 Hz), 3.47 (t, 2H, J = 5.6 Hz), 3.33 (s, 3H), 2.97-2.91 (m, 2H), 2.54 (t, 2H, J = 5.6 Hz), 2.07-1.95 (m, 3H), 1.68-1.65 (m, 2H), 1.53-1.43 (m, 2H).
LC/MS (M+H) = 328.
【0156】
*2-((1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物20)。
実施例A.3において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(178.6mg、0.39mmol、1当量)及び2-クロロエタノール(37.8mg、31.5μl、0.47mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物が79%収率で取得された。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) : δ 10.30 (bs, 1H), 8.01 (d, 1H, J= 4.3 Hz), 7.84-7.82 (m, 2H), 7.60 (d, 1H, J= 4.3 Hz), 7.47-7.44 (m, 3H), 5.33 (t, 1H, J= 5.0 Hz), 4.05 (d, 2H, J= 6.9 Hz), 3.76 (q, 2H, J= 5.0 Hz), 3.29-3.23 (m, 2H), 3.07 (q, 2H, J= 5.0 Hz), 2.97-2.88 (m, 2H), 2.19-2.12 (m, 1H), 1.76-1.65 (m, 4H). 13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6) : δ 159.4, 138.0, 136.9, 133.9, 129.4, 128.7, 128.3, 128.2, 58.3, 55.8, 55.1, 51.8, 32.8, 26.5. LC/MS (M+H) = 314.
【0157】
*2-((1-(2-メトキシ-1-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物21)
実施例A.3において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(160mg、0.42mmol、1当量)及び1-ブロモ-2-メトキシエチル)ベンゼン5(107.7mg、0.50mmol、1.2当量)から出発して、表題化合物が28%収率で取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.81-7.74 (m, 3H), 7.47-7.37 (m, 3H), 7.33-7.21 (m, 6H), 3.813.71 (m, 1H), 3.67-3.62 (m, 1H), 3.59-3.52 (m, 1H), 3.30 (s, 3H), 3.09-2.99 (m, 1H), 2.85-2.74 (m, 1H), 2.12-2.05 (m, 1H)1.98-1.87 (m, 2H), 1.72-1.33 (m, 4H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.2, 139.7, 135.9, 134.0, 129.5, 128.7, 128.4, 128.3, 128.0, 127.3, 74.1, 69.2, 58.7, 57.9, 51.1, 50.3, 35.7, 30.0.
LC/MS (M+H) = 314.
5 Neuss J.C.、Orchard M. G.; Scopes、D. I. C.、WO2003070239
【0158】
*N-(2-{4-[(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}エチル)アセトアミド塩酸塩(化合物22)。
実施例A.3において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(60mg、0.16mmol、1当量)及びN-(2-クロロエチル)アセトアミド(19mg、0.16mmol、1.0当量)から出発して、表題化合物が34%収率(19mg)で取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.79 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.77-7.74 (m, 2H), 7.42-7.39 (m, 3H), 7.26 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 6.44 (bs, 1H) , 4.13 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.34 (dd, 2H, J = 10.6 Hz, J = 5.9 Hz), 2.95 (d, 2H, J = 11.4 Hz), 2.53 (t, 2H, J = 5.8 Hz), 2.09 (m, 3H), 1.95 (s, 3H), 1.7 (d, 2H, J = 11.8 Hz), 1.52-1.44 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 170.4, 160.3, 139.7, 136.2, 133.8, 129.6, 128.7, 128.4, 127.5, 57.4, 56.7, 53.0, 35.8, 34.7, 29.9, 23.2.
LC/MS (M+H) = 355.
【0159】
(実施例A.4)
2-((1-(2-(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物23)。
工程1:2-((1-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物24)。
MeCN(6.3mL)中の4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(350mg、0.82mmol、1当量)の溶液に、2-クロロ-4'-フルオロアセトフェノン(170mg、0.99mmol、1.2当量)、続いて、K2CO3(454.2mg、3.29mmol、4当量)を添加した。得られた混合物を17時間にわたって還流した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、MeOH/H2O+0.05%TFAを使用する逆相クロマトグラフィーによって精製した。得られた生成物をEtOAcに溶かし、NaHCO3の飽和溶液で洗浄した。蒸発後、得られた油状物(170mg)を最低限のメタノールに溶解し、溶液を過剰のEt2O中2N HClで処理した。15分間にわたって撹拌した後、得られた混合物を真空下で濃縮し、Et2Oと2回共蒸発させ、次いで、氷冷ペンタンで研和した。上清を除去し、残留物を真空下で乾燥させて、表題化合物を53%収率で産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.89 (dd, 2H, J = 8.9 Hz, J = 5.3 Hz), 7.84 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.75-7.69 (m, 2H), 7.46-7.36 (m, 3H), 7.30 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.13 (t, 2H, J = 8.5 Hz), 4.62 (s, 2H), 4.32-4.15 (m, 2H), 3.79-3.65 (m, 2H), 3.23-3.06 (m, 2H), 2.45-2.30 (m, 1H), 2.01-1.87 (m, 4H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 195.4, 167.0, 164.5, 160.3, 139.7, 136.0, 133.9, 132.5, 131.1, 130.9, 129.5, 128.7, 128.4, 127.4, 115.6, 115.4, 65.1, 57.8, 53.6, 34.7, 29.7. 19F NMR (376 MHz, CDCl3) : δ ppm -104.9.
LC/MS (M+H) = 406.
【0160】
工程2:2-((1-(2-(4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物23)。
MeOH(3mL)中の2-((1-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(112mg、0.28mmol、1当量)の溶液に、NaBH4(21.1mg、0.55mmol、2当量)を添加し、得られた混合物を6.5時間にわたって撹拌した。次いで、H2O(0.8mL)を添加し、揮発物を蒸発させた。粗製物を、MeOH/H2O+0.05%TFAを使用する逆相クロマトグラフィーによって精製した。得られた生成物をEtOAcに溶かし、NaHCO3の飽和溶液で洗浄した。蒸発後、得られた油状物を最低限のメタノールに溶解し、溶液を過剰のEt2O中2N HClで処理した。15分間にわたって撹拌した後、得られた混合物を真空下で濃縮し、Et2Oと2回共蒸発させ、次いで、氷冷ペンタンで研和した。上清を除去し、残留物を真空下で乾燥させて、表題化合物を白色固体(36mg、32%)として産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.66 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.63 (dd, J = 7.2 Hz, J = 2.3 Hz), 4.51 (dd, 1H, J = 10.8 Hz, J = 3.2 Hz), 4.0 (d, 2H, J = 7.1 Hz), 2.97 (d, 1H, J = 12.0 Hz), 2.64 (d, 1H , J = 11.6 Hz), 2.30 (dd, 1H, J = 12.3 Hz, J = 3.6 Hz), 2.23 (d, 1H, J = 10.6 Hz), 2.14 (dt 1H, J = 11.3 Hz, J = 2.8 Hz), 1.99-1.81(m, 2H), 1.61-1.48 (m, 2H), 1.39-1.23 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 163.4, 160.9, 160.3, 139.7, 138.0, 137.9, 136.0, 133.9, 129.6, 128.7, 128.4, 128.3, 127.5, 127.4, 127.3, 115.2, 115.0, 67.9, 66.3, 57.8, 54.8, 51.6, 34.9, 30.1, 29.8
. 19F NMR (376 MHz, CDCl3) : δ ppm -115.5.
LC/MS (M+H) = 408
【0161】
*2-((1-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)ピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物25)。
実施例A.4において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2-(ピペリジン-4-イルメチル)ピリダジン-3(2H)-オン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩及び2-クロロ-1-フェニルエタン-1-オンから出発して、NaBH4によるカルボニル基の還元工程後、表題化合物が35%収率で単離された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.73 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.72-7.68 (m, 2H), 7.39-7.31 (m, 3H), 7.29-7.12 (m, 6H), 4.69 (dd, 1H, J = 10.9 Hz, J = 3.5 Hz), 4.08 (d, 2H, J = 8.2 Hz), 3.02 (d, 1H, J = 11.7 Hz), 2.72 (d, 1H, J = 11.3 Hz), 2.41 (dd, 1H, J = 12.4 Hz, J = 4.5 Hz), 2.35 (q, 1H, J = 11.9 Hz), 2.21 (dt, 1H, J = 11.7 Hz, J = 2.8 Hz), 2.06-1.89 (m, 2H), 1.68-1.57 (m, 2H), 1.47-1.30 (m, 2H). 13CNMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.3, 142.3, 139.7, 136.0, 133.9, 129.6, 128.7, 128.4, 128.3, 127.4, 127.3, 125.8, 68.8, 66.4, 57.8, 54.8, 51.6, 35.0, 30.2, 29.9.
LC/MS (M+H) = 390.
【0162】
(実施例A.5)
2-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物26)。
工程1:tert-ブチル4-(2-((クロロスルホニル)オキシ)エチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
窒素下、室温で、塩化メシル(0.52mL、2当量)を、無水DCM(20mL)中のtert-ブチル4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(840mg、3.7mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(1.0mL、2当量)の溶液に滴下添加した。溶液を4時間にわたって撹拌し、20mLの1M HClでクエンチした。水性相をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで、真空下で濃縮した。残留油状物をヘプタン(40mL)から結晶化して、表題化合物(1.05g、93%)を生じさせた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 4.30 (t, 2H, J =6.4 Hz), 3.04 (s, 3H), 2.71 (t, 2H, J = 12.5 Hz), 1.75-1.60 (m, 7H), 1.47 (s, 9H), 1.21-1.15 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 154.8, 79.4, 77.4, 67.4, 37.5, 35.6, 32.4, 31.7, 28.5.
【0163】
工程2:tert-ブチル4-(2-(6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)エチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
50mlのフラスコ(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200mg、1.16mmol、1.0当量)、tert-ブチル4-(2-((クロロスルホニル)オキシ)エチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(357.2mg、1.16mmol、1.0当量)及びK2CO3(160.6mg、1.16mmol、1.0当量)を投入した。2-ブタノン(10mL)を添加し、混合物を85℃で16時間にわたって加熱した(HPLCモニタリング:完全変換)。混合物をH2O(150mL)でクエンチし、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残留物を、EtOAc/ヘプタン:1:2を溶離液として使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色固体(357mg、80%)として得た。1H NMR (200 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.87 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 7.83-7.80 (m, 2H), 7.49-7.46 (m, 3H), 7.32 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 4.32 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 4.15-4.08 (m, 2H), 2.73 (td, 2H, J =13.0 Hz, 2.4 Hz), 1.88-1.75 (m, 4H), 1.52-1.49 (m, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.32-1.17 (m, 2H).
【0164】
工程3:2-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(化合物26)。
0℃のDCM(5mL)中のtert-ブチル4-(2-(6-オキソ-5-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)エチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(357mg、0.93mmol、1当量)の溶液に、TFA(2mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。粗製物をNaHCO3飽和水溶液(10mL)でクエンチし、EtOAcで2回(2×8mL)抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、4-フェニル-2-(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ピリダジン-3(2H)-オンを粘性油状物(252mg、96%)として取得した。化合物を更に精製することなく還元的アミノ化工程において使用した。1H NMR (200 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.86 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 7.84-7.80 (m, 2H), 7.50-7.43 (m, 3H), 7.32 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 4.32 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 3.53 (s, 1H), 3.22-3.14 (m, 2H), 2.67 (td, 2H, J =13.0 Hz, 2.4 Hz), 1.99-1.79 (m, 4H), 1.52-1.49 (m, 1H), 1.41-1.26 (m, 2H).
【0165】
4-フェニル-2-(2-(ピペリジン-4-イル)エチル)ピリダジン-3(2H)-オン(118mg、0.41mmol)をMeOH(5mL)に溶解した。ベンズアルデヒド(66.2mg、63.2μL、1.5当量)、続いて、NaBH3CN(52.3mg、0.83mmol、2当量)及びAcOHを添加した。得られた混合物を室温で48時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、DCM:MeOH(95:5)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オンを無色油状物(112mg、72%)として産出した。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) : δ ppm 10.06 (bs, 1H), 8.00 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.84-7.81 (m, 2H), 7.59 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.57-7.54 (m, 2H), 7.47-7.37 (m, 6H), 4.24 (d, 2H, J = 5.2 Hz), 4.18 (t, 2H, J = 7.1 Hz), 3.32-3.30 (m, 2H), 2.87 (q, 2H, J = 10.6 Hz), 1.94-1.86 (m, 3H), 1.69 (q, 2H, J = 6.6 Hz), 1.53-1.43 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) : δ ppm 159.1, 137.9, 136.9, 133.9, 131.4, 129.7, 129.5, 129.3, 128.7, 128.6, 128.3, 128.2, 59.1, 51.4, 48.8, 33.9, 30.6, 28.5.
LC/MS (M+H) = 374.
【0166】
*2-(2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物27)。
実施例A.3において記述したものと同じ手順を使用し、5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(100mg、0.58mmol)及びN-Boc-4-(2-((メチルスルホニル)オキシ)エチル)ピペリジン(178.5mg、0.58mmol、1当量)から出発して、EtOAc/ヘプタン 1/2を溶離液として使用するシリカゲル上での精製後、tert-ブチル4-(2-(6-オキソ-5-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)エチル)ピペリジン-1-カルボキシレートが取得された(206mg、93%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.01 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.54-7.52 (m, 2H), 7.46-7.45 (m, 3H), 7.00 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 4.20 (t, 2H, J = 7.3 Hz), 4.04 (bs, 2H), 2.64 (t, 2H, J =13.0 Hz), 1.78-1.70 (m, 4H), 1.47-1.41 (m, 1H), 1.41 (s, 9H), 1.18-1.11 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.6, 155.0, 143.6, 135.8, 134.1, 130.4, 129.5, 127.0, 124.7, 79.4, 49.3, 35.1, 33.7, 32.1, 28.7, 28.6.
【0167】
TFAによるtert-ブトキシカルボニル基の脱保護、続いて、ベンズアルデヒド及びNaBH3CNを用いる還元的アミノ化反応は、表題化合物を75%収率でもたらした。塩酸塩は白色粉末を生み出す。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.00 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 7.54-7.52 (m, 2H), 7.46-7.45 (m, 3H), 7.27-7.26 (m, 4H), 7.22-7.19 (m, 1H), 7.00 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 4.19 (t, 2H, J = 7.5 Hz), 3.45 (s, 2H), 2.84 (d, 2H, J =10.8 Hz), 1.91 (t, 2H, J =10.8 Hz), 1.77-1.70 (m, 4H), 1.34-1.28 (m, 3H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.7, 143.5, 138.7, 135.8, 134.2, 130.4, 129.6, 129.4, 128.3, 127.1, 127.0, 124.8, 63.7, 53.9, 49.6, 35.2, 33.6, 32.4.
LC/MS (M+H) = 374.
【0168】
ピペリジンの置換
本発明は、ピペリジンのC-4炭素上に小さい置換基R'(フルオロ、メチル又はヒドロキシル)又はR''(C1~C5-アルキル、C3~C7シクロアルキル)を担持する、一般式(I)の化合物の調製のためのプロセスも提供する。例証的な一般的な合成方法を、スキーム2において例証される通り、本発明の具体的な化合物の例示的な合成の記述によって以下に明記する。
【0169】
【化7】
【0170】
条件:a)n=0、K2CO3、2-ブタノン、85℃、24時間;b)n=1、NaH、DMF、110℃、18時間;c)TFA、DCM、25℃、45分;d)R3CHO、NaBH3CN;DIEA、MeOH、25℃、18時間又はR3-CH2Br、K2CO3、DMF若しくはMeCN、80℃、18時間。
【0171】
(実施例A.6)
2-(1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)エチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物28)。
実施例A.2において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200mg、1.16mmol、1.0当量)及びtert-ブチル4-(1-((メチルスルホニル)オキシ)エチル)ピペリジン-1-カルボキシレート6(357.1mg、1.16mmol、1.0当量)から出発して、tert-ブチル4-(1-(6-オキソ-5-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)エチル)ピペリジン-1-カルボキシレートがオフホワイトの固体(145mg、33%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.87 (d, 1H, J = 4.0Hz), 7.79-7.75 (m, 2H), 7.49-7.38 (m, 3H), 7.24(d 1H, J= 4.0 Hz), 5.15-5.06 (m, 1H), 4.23-3.91 (m, 2H), 2.80-2.53 (m, 2H), 2.04-1.92 (m, 1H), 1.85-1.61(m, 2H), 1.42 (s, 9H), 1.39 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 1.36-1.16 (m, 2H).
【0172】
TFAの助力を受けるBOCの脱保護後、得られたトリフルオロ酢酸塩を、NaBH3CNを使用するベンズアルデヒドによる還元的アミノ化に供して、表題化合物(44mg、35%)を産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.86 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.80-7.75 (m, 2H), 7.47-7.39 (m, 3H), 7.32-7.20 (m, 6H), 5.17-5.08 (m, 1H), 3.74 (t, 2H , J = 6.1 Hz), 3.46 (s, 2H), 2.93 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 2.82 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 1.99 (t, 1H, J = 11.3 Hz), 1.91-1.75 (m, 2H), 1.52-1.31 (m, 2H), 1.38 (d, 3H, J = 6.8 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.4, 139.4, 138.5, 136.1, 134.4, 129.5, 129.2, 128.8, 128.4, 128.2, 127.0, 126.9, 68.1, 63.2, 57.8, 53.5, 40.5, 28.04, 25.7, 17.1.
LC/MS (M+H) = 374.
6 ACS Medicinal Chemistry letters, 4 (11)、1064~1068、2013.
【0173】
*2-((1-ベンジル-4-ヒドロキシピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物29)。
実施例A.6において記述したものと同じ手順を使用し、4-フェニル-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200mg、1.16mmol、1.0当量)及び新たに調製したtert-ブチル4-ヒドロキシ-4-((トシルオキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(tert-ブチル4-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレートから1.0当量)7から出発して、tert-ブチル4-ヒドロキシ-4-((6-オキソ-5-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレートが75%収率で取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.87 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.77-7.73 (m, 2H), 7.46-7.42 (m, 3H), 7.33-7.29 (m, 5H), 4.37 (s, 2H), 3.75-3.72 (m, 3H), 3.63-3.58 (m, 2H), 2.72-2.69 (m, 2H), 2.55 (t, 2H, J = 11.0 Hz), 1.81-1.77 (m, 2H), 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 162.2, 140.4, 136.9, 133.5, 129.8, 129.4, 128.7, 128.5, 128.4, 128.1, 127.4 , 70.4, 67.7, 62.7, 48.9, 35.4.
LC/MS (M+H) = 376
7 Hartman G.D.、Flores, O. A.、WO2013096744
【0174】
代替として、i)ピリダジノン環の4若しくは5位における種々のアリールの導入(方法a)又はii)ピペリジン部分の官能基化(方法b)のためのより収束的な方法を可能にするシーケンスで、鈴木-宮浦クロスカップリング反応を後で実施することができる。先に記述した同じ条件を使用して、一般式Cの適切なtert-ブチル4-メチルスルホニルオキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート誘導体を用いるクロロピリダジノン誘導体AのN-アルキル化により、中間体Eを生じさせた。当技術分野において周知の方法によって実施された好適な試薬を用いるEの誘導体化工程は、中間体Fをもたらし、これが最後に鈴木-宮浦反応に関与して、本発明の実施例を得た(実施例A.9)。鈴木宮浦反応を実施して、スキーム3において例証される通り、中間体Eから、先に記述した中間体Dをもたらすこともできる(実施例A.7~8)。
【0175】
【化8】
【0176】
条件:a)K2CO3、2-ブタノン、85℃、24時間;b)NaH、DMF、110℃、18時間;c)TFA、DCM、25℃、45分;d)R3CHO、NaBH3CN;DIEA、MeOH、25℃、18時間、又はR3-CH2Br、K2CO3、DMF若しくはMeCN、80℃、18時間。e)K2CO3、Pd(PPh3)4、PhB(OH)2、トルエン、EtOH、H2O、120℃、16時間。
【0177】
(実施例A.7)
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(4-メトキシフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物30)。
工程1:tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル))ピペリジン-1-カルボキシレート
反応は、アルゴン雰囲気下で実施した。ブタノン(7.0mL)中の4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(100mg、0.77mmol、1.0当量)の溶液に、tert-ブチル4-(メタンスルホニルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(321.0mg、1.15mmol、1.5当量)及びK2CO3を添加した。得られた混合物を85℃で終夜加熱した(HPLCモニタリング:完全変換)。混合物をH2O(150mL)でクエンチし、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残留物を、ヘプタン中0%から50%のEtOAcの勾配を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(180mg、0.57mmol、75%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.71 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 5.21-5.00 (m, 1H), 4.40-4.20 (m, 2H,), 1.90-1.80 (m, 4H), 1.47 (s, 9H).
【0178】
工程2:tert-ブチル4-(5-(4-メトキシフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、4-メトキシフェニルボロン酸(125.9mg、0.83mmol、1.3当量)、tert-ブチル4-(5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(200mg、0.64mmol、1.0当量)、炭酸ナトリウム(135.1mg、1.27mmol、2当量)を投入した。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(74.4mg、10mol%)、続いて、DME(3.34mL)及びH2O(1.1mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで100℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常16時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗材料を、ヘプタン中0から40%のEtOAcの勾配を使用してフラッシュクロマトグラフにかけて、表題化合物を白色固体(193mg、0.5mmol、79%)として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) : δ ppm 7.84 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.81 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.21 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 6.96 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 5.18 (m, 1H), 4.28-4.21 (m, 2H), 2.95-2.90 (m, 2H), 2.05-1.90 (m, 4H), 1.44 (s, 9H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.9, 160.1, 154.8, 138.8, 136.4, 130.3, 126,6, 125.9, 113.979.6, 56.5, 43.3, 30.4, 28.6.
【0179】
工程3:2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(4-メトキシフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物30)。
0℃のDCM(2mL)中のtert-ブチル4-(5-(4-メトキシフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(180mg、0.467mmol、1当量)の溶液に、TFA(2.0mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷エーテルで研和し、上清を除去し、蒸発後の粗製物をMeOH(4mL)に直接溶解した。ベンズアルデヒド(74.3mg、70.8μL、1.5当量)、続いて、NaBH3CN(61.8mg、0.9mmol、2当量)及びAcOH(2.7μl)を添加した。得られた混合物を室温で16時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、DCM:MeOH(98:2)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、Et2O中2N HClによる塩化後に、2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(4-メトキシフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩を白色固体として産出した(78mg、41%)。Tr (HPLC) = 7.35分.1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.76 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.73(d, 2H, J = 9.0 Hz), 7.36 (d, 2H, J = 6.4 Hz), 7.34(m, 2H), 7.14 (d, 1H, J= 4.2 Hz), 7.24 (t, 2H, J = 7.9 Hz), 7.19-7.15 (m, 1H), 6.88 (d, 2H, J = 9.2 Hz), 5.02-4.93 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.54 (s, 2H), 3.04-3.02 (m, 2H), 2.18 (qd, J = 11.5 Hz, J = 1.5 Hz), 2.12 (qd, J = 11.9 Hz, J= 3.6 Hz), 1.89-1.86 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3, DEPT 135) : δ ppm 136.1, 130.2, 129.1, 128.2, 127.0, 125.8, 113.8, 62.8, 55.7, 55.4, 52.8, 30.4.
LC/MS (M+H) = 376.
【0180】
*2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物31)。
実施例A.7において記述したものと同じ手順を使用し、tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル))ピペリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.32mmol、1当量)及び4-トリフルオロメチルフェニルボロン酸(78.7mg、0.41mmol、1.3当量)から出発して、tert-ブチル4-{6-オキソ-5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル}ピペリジン-1-カルボキシレートが白色固体(65mg、48%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.05-7.98 (m, 3H), 7.71 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.31 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 5.22-5.13 (m, 1H), 4.30-4.26 (m, 2H), 2.96-2.88 (m, 2H), 2.02-1.90 (m, 4H), 1.49 (s, 9H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 159.6, 154.8, 138.1, 137.7,136.2, 129.2, 127.9, 125.5, 125.4, 79.9, 55.9, 43.1, 30.5, 28.6. 19F NMR (376 MHz, CDCl3) : δ ppm - 62.84.
【0181】
TFAによるtert-ブチルオキシカルボニル基の脱保護後、粗製物(74mg、0.229mmol、1当量)を、ベンズアルデヒド(36.45mg、34.7μL、0.34mmol、1.5当量)、NaBH3CN(30.3mg、0.46mmol、2当量)及びDIEA(4当量)の助力を受ける還元的アミノ化に供して、塩化後、表題化合物を白色固体(30mg、29%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.95 7.85 (m, 3H), 7.69 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.40 -7.26 (m, 6H), 5.08-5.00 (m, 1H), 3.57 (s, 2H), 3.10-3.02 (m, 2H), 2.28-3.02 (m, 4H), 1.92-1.87 (m, 2H). 13C NMR-DEPT-135 (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 135.9, 129.2, 128.4, 127.8, 127.2, 125.4, 125.4, 62.9, 56.2, 52.9, 30.5. 19F NMR (376MHz, CDCl3) ; δ ppm - 62.86.
LC/MS (M+H) = 414.
【0182】
*2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-[4-(クロロフェニル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物32)。
実施例A.6において記述したものと同じ手順を使用し、tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル))ピペリジン-1-カルボキシレート(200mg、0.64mmol、1当量)及び4-クロロフェニルボロン酸(99.7mg、0.63mmol、1.0当量)から出発して、tert-ブチル4-{6-オキソ-5-[4-クロロフェニル]-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル}ピペリジン-1-カルボキシレートが黄色固体(195mg、78%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.87 (d, 1H, J = 4.0 Hz) 7.76 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.42 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.26 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 5.22-5.13 (m, 1H), 4.40-4.20 (m, 2H), 2.98-2.91 (m, 2H), 2.02-1.90 (m, 4H), 1.49 (s, 9H).
【0183】
TFAによるtert-ブチルオキシカルボニル基の脱保護後、粗製物(150mg、0.229mmol、1当量)を、ベンズアルデヒド(79.6mg、75.8μL、0.75mmol、1.5当量)及びNaBH3CN(66.1mg、1mmol、2当量)の助力を受ける還元的アミノ化に供して、2N HClによる塩化後、表題化合物を白色固体(32mg、15%)として産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.87 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.75 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.40 (d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.37-7.23 (m, 6H), 5.05-4.99 (m, 1H), 3.57 (s, 2H), 3.05-3.00 (m, 2H), 2.28-2.10 (m, 4H), 1.90-1.88 (m, 2H). 13C NMR-DEPT-135 (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 159.8, 138.7, 137.9, 136.0, 135.6, 132.7, 130.2, 129.2, 128.7, 128.3, 127.1, 127.0, 62.9, 56.1, 52.9, 30.5.
LC/MS (M+H) = 380.
【0184】
(実施例A.8)
2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(2-クロロフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物33)。
工程1:tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
反応は、アルゴン雰囲気下、無水条件で実施した。乾燥DMF(8.42mL)中の4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(110mg、0.84mmol、1当量)の氷冷溶液に、水素化ナトリウム(67.41mg、1.68mmol、2当量)を小分けにして添加し、混合物を0℃で30分間にわたって撹拌した。次いで、tert-ブチル4-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(296.7mg、1.01mmol、1.2当量)を小分けにして添加し、混合物を110℃で終夜加熱した(HPLCモニタリング:完全変換)。混合物をH2O(150mL)でクエンチし、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残留物を、ヘプタン中10から50%のEtOAcの勾配を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物3を白色固体(164mg、0.50mmol、60%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.66 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.35 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 4.11-4.08 (m, 4H), 2.66 (t, 2H, J = 12.4 Hz), 2.16-2.11 (m, 1H), 1.59 (d, 1H, J = 12.4 Hz), 1.44 (s, 9H), 1.29-1.19 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 157.9, 154.7, 137.2, 134.8, 129.0, 79.4, 58.1, 43.4, 35.3, 29.6, 28.4.純度(100%), tR (HPLC) : 3.71分.
【0185】
工程2:tert-ブチル4-{[5-(2-クロロフェニル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボキシレート
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、2-クロロフェニルボロン酸(78.7mg、0.50mmol、1.1当量)、tert-ブチル4-[(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(150mg、0.46mmol、1.0当量)、炭酸ナトリウム(145.5mg、1.37mmol、3当量)を投入した。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(26.4mg、5mol%)、続いて、トルエン(1.74mL)、並びにH2O(0.35mL)及びEtOH(0.35mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで120℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常17時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗材料を、ヘプタン中0から40%のEtOAcの勾配を使用してフラッシュクロマトグラフにかけて、表題化合物を黄色油状物(138mg、0.34mmol、75%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.83(d, 1H, J= 4.0 Hz), 7.48 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.99-7.26 (m, 3H), 7.23 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.20-4.00 (m, 4H), 2.69 (m, 2H), 2.20-2.16 (m, 1H), 1.66-1.60 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.32-1.20 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.1, 154.8, 139.3, 135.5, 133.1, 133.0, 130.9, 130.2, 129.9, 126.7, 79.37, 60.4, 57.6, 35.5, 29.7, 28.4.
【0186】
工程3:2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(2-クロロフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物33)。
0℃のDCM(0.8mL)中のtert-ブチル4-{[5-(2-クロロフェニル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボキシレート(123mg、0.30mmol、1当量)の溶液に、TFA(0.8mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。粗反応物を水に溶解し、水酸化アンモニウムをpH=10になるまで添加した。残留物をEtOAcで(2回)抽出し、Na2SO4で乾燥させた。蒸発後、粗製物をMeOH(4mL)に直接溶解した。ベンズアルデヒド(36.5mg、34.7μL、1.2当量)、続いて、NaBH3CN(35.9mg、0.57mmol、2当量)を添加した。得られた混合物を室温で19時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、DCM:MeOH(98:2)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、Et2O中2N HClによる塩化後、22-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(2-クロロフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩を白色固体として産出した(62.1mg、50%)。Tr (HPLC) = 7.30分.1H NMR (400 MHz, CDCl3 ) : δ ppm 7.79 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.50-7.17 (m, 10H), 4.10 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.46 (s, 2H), 2.84 (t, 2H, J = 11.8 Hz), 2.05-1.90 (m, 3H), 1.65-1.60 (m, 2H), 1.47-1.35 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 159.6, 139.2, 138.4, 135.3, 133.2, 133.0, 131.0, 130.3, 130.1 129.9, 129.1, 128.1, 126.9, 126.7, 63.3, 57.8, 53.2, 35.3, 29.8 .
LC/MS (M+H) = 394.
【0187】
*2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物34)
実施例A.8において記述したものと同じ手順を使用し、tert-ブチル4-[(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(150mg、0.46mmol、1当量)及び4-ヒドロキシフェニルボロン酸(88.36mg、1.4当量)から出発して、tert-ブチル4-{[5-(4-ヒドロキシフェニル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボキシレートが77%収率(135mg)で取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.81 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.67 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 7.45-7.30 (bs, 1H), 7.25 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 6.86 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 4.15 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 4.13-4.07 (m, 3H), 2.70 (t, 2H, J = 12.8 Hz), 2.26-2.15 (m, 1H), 1.65 (d, 2H, J = 12.8 Hz). 1.46 (s, 9H), 1.37-1.23 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.7, 157.9, 154.9, 139.7, 136.6, 130.3, 126.3, 125.4, 115.7, 79.7, 57.7, 43.6, 35.4, 29.7, 28.5.
【0188】
TFAによるtert-ブチルオキシカルボニル基の脱保護後、粗製のトリフルオロ酢酸塩(140mg、0.35mmol、1当量)を、ベンズアルデヒド(55.8mg、53.1μL、0.52mmol、1.5当量)、NaBH3CN(44.1mg、0.7mmol、2当量)及びDIEA(181.2mg、1.40mmol、4当量)の助力を受ける還元的アミノ化に供して、2N HClによる塩化後、表題化合物を54%収率(71mg)で産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.74 (d, 1H, J= 4.0 Hz), 7.60 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 7.28-7.22 (m, 5H), 7.16 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 6.74 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 4.11 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 3.51 (s, 2H), 2.90 (dt, J = 12.0 Hz, J = 5.2 Hz), 2.01 (td, 3H, J = 11.6 Hz, J = 2.0 Hz), 1.68-1.59 (m, 2H), 1.50 (qd, 2H, J = 12.0 Hz, J = 4.0 Hz). ). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.7, 157.9, 139.5, 137.2, 136.4, 130.3, 129.5, 128.2, 127.3, 126.2, 125.4, 115.7, 16.1, 57.7, 53.1, 35.1, 29.4.
LC/MS (M+H) = 376.
【0189】
(実施例A.9)
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物35)。
工程1:tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
反応は、アルゴン雰囲気下、無水条件で実施した。乾燥DMF(8.42mL)中の4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(110mg、0.84mmol、1.0当量)の氷冷溶液に、水素化ナトリウム(67.41mg、1.68mmol、2.0当量)を小分けにして添加し、混合物を0℃で30分間にわたって撹拌した。次いで、tert-ブチル4-[(メチルスルホニル)オキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(296.7mg、1.01mmol、1.2当量)を小分けにして添加し、混合物を110℃で終夜加熱した(HPLCモニタリング:完全変換)。混合物をH2O(150mL)でクエンチし、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残留物を、ヘプタン中10%から50%のEtOAcの勾配を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を白色固体(164mg、0.50mmol、60%)として得た。1H NMR (400 MHZ, CDCl3) : δ ppm 7.66 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.35 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 4.11-4.08 (m, 4H), 2.66 (t, 2H, J = 12.4 Hz), 2.16-2.11 (m, 1H), 1.59 (d, 1H J = 12.4Hz), 1.44 (s, 9H), 1.29-1.19 (m, 2H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 157.9, 154.7, 137.2, 134.8, 129.0, 79.4, 58.1, 43.4, 35.3, 29.6, 28.4.純度(100%), tr (HPLC) : 3.71分.
【0190】
工程2:2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロピリダジン-3(2H)-オン
0℃のDCM(15mL)中のtert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1g、3.05mmol、1当量)の溶液に、TFA(4.7mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間30分にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷エーテルで研和し、上清を除去し、蒸発後の粗製物をMeOH(4mL)に直接溶解した。ベンズアルデヒド(388mg、370μL、1.2当量)、続いて、NaBH3CN(61.8mg、0.9mmol、2当量)及びDIEA(2.0mL、4当量)を添加した。得られた混合物を室温で16時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、EtOAc中5%から7%のMeOH(98:2)の勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロピリダジン-3(2H)-オンを黄色粘性ゴム状物(516mg、53%)として産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.64 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.30-7.22 (m, 5H), 4.10 (d, 2H), 3.5 (s, 2H), 2.90-2.87 (m, 2H), 2.00-1.95 (m, 3H), 1.64-1.56 (m, 2H), 1.49-1.37 (m, 2H). 13C NMR (101 MHZ, CDCl3) : δ ppm 157.9, 138.0, 137,1, 134.7, 129.2, 129.0, 128.2, 127.1, 63.2, 60.4, 58.3, 53.1, 35.0, 29.6.
【0191】
工程3:2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物35)。
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、4-フルオロフェニルボロン酸(48.4mg、0.32mmol、1.1当量)、2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロピリダジン-3(2H)-オン(100mg、0.31mmol、1.0当量)、炭酸ナトリウム(100mg、0.94mmol、3当量)を投入した。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18.2mg、5mol%)、続いて、トルエン(1.0mL)、EtOH(0.2mL)及びH2O(0.2mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで120℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常16時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗材料を、DCM:MeOH(98:2)を溶離液として使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、Et2O中2N HClによる塩化後、表題化合物を橙色粘性ゴム状物(23.9mg、18%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.80-7.73 (m, 2H), 7.30-7.25 (m, 4 H), 7.23-7.17 (m, 3H), 7.09 (t, 2H, J = 8.6 Hz), 4.11 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.48 (s, 2H), 2.85 (d, 2H, J = 11.5 Hz), 1.97-1.89 (m, 2H), 1.61 (d, 2H, J= 12.7 Hz), 1.42 (dq, 2H, J = 11.8 Hz, J = 5.5 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 164.8, 160.3, 138.7, 136.6, 136.0, 130.9, 130.8, 129.3, 128.3, 127.2, 127.0, 115.7, 115.4, 63.4, 58.5, 53.3, 35.3, 30.0.
LC/MS (M+H) = 378
【0192】
代替方法では、一般構造Eの表題中間体から出発して、薗頭クロスカップリング反応が実施されうる(スキーム4を参照)。一般構造Fの得られたアルキン誘導体(式中、R7は、フェニル等のアリール基である)を、Pd/Cを触媒として使用して水素化した。tert-ブチルオキシカルボニル基の脱保護、続いて、得られたピペリジン誘導体のアルキル化又は還元的アミノ化により、本発明の実施例を得た。アルキルボロン酸の助力を受ける鈴木-宮浦クロスカップリング反応は、ピリダジノン部分の4又は5位にアルキル又はアラルキル基を導入するための代替手法となりうる。使用した一般的条件をスキーム4において描写する。
【0193】
【化9】
【0194】
条件:a)Pd(PPh3)2Cl2、CuI、Et3N、MeCN、80℃、24時間;b)H2、Pd/C、MeOH、18時間;c)TFA、DCM、45分、25℃;d)R3CHO、DIEA、NaBH3CN、MeOH、25℃、18時間;e)R3-CH2Br、K2CO3、DMF又はMeCN、80℃、18時間。f)R7-(CH2)2B(OH)2(1.5当量)、K2CO3(3当量)、Pd(PPh3)4(5mol%)、1,4-ジオキサン、100℃、16時間。
【0195】
(実施例A.10)
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェネチルピリダジン-3(2H)-オン(化合物36)。
工程1:tert-ブチル4-((6-オキソ-5-(フェニルエチニル)ピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、エチニルベンゼン(40.5mg、43μL、0.40mmol、1.3当量)、tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.30mmol、1.0当量)、Et3N(277.8mg、2.75mmol、9当量)を投入した。次いで、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(6.42mg、3mol%)及びCuI(2.9mg、5mol%)、続いて、MeCN(1.5mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで80℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常24時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗材料を、ヘプタン中20から50%のEtOAcの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を薄褐色粘性ゴム状物(85mg、71%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.73 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.60-7.56 (m, 2H), 7.40-7.32 (m, 4H), 4.17-3.92 (m, 4H), 2.75-2.60 (m, 2H), 2.19-2.14 (m, 1H), 1.66-1.54 (m,2H), 1.30-1.19 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 159.7, 154.9, 135.6, 132.3,132.0, 129.7, 128.5, 125.7, 125.6, 122.0, 100.8, 83.3, 79.5, 58.1, 57.940.3, 35.4, 29.7, 28.6
【0196】
工程2:tert-ブチル4-((6-オキソ-5-フェネチルピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Pd/C10%(4.75mg、0.05当量)及びMeOH(1.5mL)を、マグネチックスターラーを備えた反応器(2mL容量)に入れた。tert-ブチル4-((6-オキソ-5-(フェニルエチニル)ピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(85mg、0.22mmol、1当量)を添加し、最初にアルゴンで、次いで、水素で4回、大気圧でフラッシュすることによって、マイクロ反応器をパージした。得られた混合物を室温で終夜磁気的に撹拌した。セライトに通す濾過によって触媒粒子を溶液から除去し、揮発物を蒸発させて、表題化合物を淡黄色粘性ゴム状物(83mg、97%)として得た。粗生成物を更に精製することなく直接使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.60 (d, 1H, 4 Hz), 7.31-7.22 (m, 2H), 7.21-7.16 (m, 3H), 6.86 (d, 1H , 4Hz), 4.19-4.00 (m, 4H), 2.95-2.90 (m, 4H), 2.76-2.62 (m, 1H), 1.65-1.57 (m, 2H), 1.34-1.24 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 161.5, 154.9, 143.1, 140.8, 135.6, 128.6, 128.5, 127.8, 126.3, 79.5, 57.2, 35.5, 33.5, 32.2, 29.8, 28.6.
【0197】
工程3:2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェネチルピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物36)。
0℃のDCM(1mL)中のtert-ブチル4-((6-オキソ-5-フェネチルピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(83mg、0.21mmol、1当量)の溶液に、TFA(0.32mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷エーテルで研和し、上清を除去し、蒸発後の粗製物をMeOH(1mL)に直接溶解した。ベンズアルデヒド(26.6mg、25μL、1.2当量)、続いて、NaBH3CN(26.2mg、0.42mmol、2当量)及びDIEA(145μL、4当量)を添加した。得られた混合物を室温で16時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、EtOAc中0%から2%のMeOHの勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、塩化後、2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-フェネチルピリダジン-3(2H)-オンを無色泡状物として産出した(36.5mg、41%)。Tr (HPLC) = 8.11分;1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.59 (d, 1H, J= 4.0 Hz), 7.32-7.21 (m, 7H), 7.20-7.14 (m, 3H), 6.85(d, 1H, J= 4.0 Hz), 4.08 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.51, (s, 2H), 2.93-2.87 (m, 6H), 2.05-1.91 (m, 3H), 1.59-1.46 (m, 2H), 1.48-1.44 (m, 2H). ). 13C NMR (101 MHZ, CDCl3) : δ ppm 161.5, 143.0, 140.9, 138.3, 135.7, 129.3, 128.6, 128.5, 128.3, 127.8, 127.1, 126.3, 63.4, 57.4, 53.3, 35.3, 33.5, 32.3, 29.9.
LC/MS (M+H) = 388.
【0198】
(実施例A.11)
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(2-フェニルエチル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物37)。
工程1:tert-ブチル4-[6-オキソ-5-(2-フェニルエチル)-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、tert-ブチル4-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(200mg、0.64mmol、1.0当量)、(2-フェニルエチル)ボロン酸(143.4mg、0.96mmol、1.5当量)、K2CO3(264.3mg、1.91mmol、3当量)を投入した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(37.2mg、5mol%)、続いて、ジオキサン(2.2mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで100℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常16時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗材料を、ヘプタン中0%から100%EtOAcの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフにかけて、表題化合物を無色油状物(66mg、27%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.67 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.32-7.25 (m, 2H), 7.22-7.17 (m, 3H), 6.88 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 5.16-5.05 (m, 1H), 4.38-4.15 (m, 2H), 2.97- 2.88 (m, 6H), 1.96-1.84 (m, 4H), 1.82 (s, 9H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 161.0, 154.8, 142.6, 141.0, 136.0, 128.6, 127.4, 126.3, 79.8, 55.1, 33.5, 32.4, 30.4, 28.6.
【0199】
工程2:2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(2-フェニルエチル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物37)。
0℃のDCM(1mL)中のtert-ブチル4-[6-オキソ-5-(2-フェニルエチル)-1,6-ジヒドロピリダジン-1-イル]ピペリジン-1-カルボキシレート(88mg、0.23mmol、1当量)の溶液に、TFA(0.32mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷エーテルで研和し、上清を除去し、蒸発後の粗製物をMeOH(1mL)に直接溶解した。ベンズアルデヒド(36.6mg、35μL、1.5当量)、続いて、NaBH3CN(30.4mg、0.46mmol、2当量)及びAcOH(1~2滴)を添加した。得られた混合物を室温で16時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、DCM中0%から5%のiPrOHの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、MeOH中HCl 2Nによる塩化後、表題化合物を白色固体として産出した(52mg、55%)。Tr (HPLC) = 8.03分.1H NMR (遊離塩基, 400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.67(d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.36-7.19 (m, 10H), 6.86 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 5.02-4.95 (m, 1H), 3.55 (s, 2H), 3.03-3.00 (d, 2H, J = 12.0 Hz), 2.96-2.86 (m, 4H), 2.18-2.10 (m, 4H), 2.05-1.83 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 161.1, 142.4, 141.1, 138.8, 135.8, 129.1, 128.6, 128.3, 127.3, 127.1, 126.3, 63.0, 55.5, 53.0, 33.5, 32.4, 30.6.
LC/MS (M+H) = 388
【0200】
代替方法では、先に記述した中間体E又はFから出発して、Pd2(dba)3及びRuPhosの助力を受けるバックワルド-ハートウィッグクロスカップリング反応が実施されうる。いずれのルートも、スキーム5において概説される通り、本発明の実施例を提供した。
【0201】
【化10】
【0202】
式中、-NR8R9は、上記で定義した通りの窒素含有複素環を形成する。
【0203】
条件:a)トリス((1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン)ジパラジウム(5mol%)、RuPhos(20mol%)、Cs2CO3、ジオキサン、100℃~120℃、16時間;b)TFA、DCM、45分、25℃;c)R3CHO、DIEA、NaBH3CN、MeOH、25℃、18時間。
【0204】
(実施例A.12)
2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(ピペリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物38)。
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(50mg、0.16mmol、1.0当量)、ピペリジン(28.0mg、0.33mmol、2.0当量)、Cs2CO3(135.4mg、0.41mmol、2.5当量)を投入した。次いで、トリス((1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン)ジパラジウム(7.7mg、5mol%)及びRuPhos(15.3mg、20mol%)、続いて、ジオキサン(1.5mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで100℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常16時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗材料を、EtOAc中1%から5%MeOHの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、Et2O中2M HClによる塩化後、表題化合物を薄黄色固体として得た(44mg、69%)。Tr (HPLC) = 7.38分.1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) : δ ppm 7.69 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.32-7.24 (m, 5H), 6.41 (d, 1H, J = 4.8 Hz). 4.80-4.7 (m, 1H), 3.49 (s, 2H), 3.37-3.28 (m, 4H), 2.95-2.88 (m, 2H), 2.15-1.99 (m, 2H), 1.90-1.88 (m, 2H), 1.69-1.62 (m, 2H), 1.58-1.49 (m, 6H). 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) : δ ppm 158.0, 148.2, 139.0, 137.1, 129.1, 128.3, 127.0, 107.8, 63.0, 60.5, 55.5, 53.1, 49.2, 30.4, 25.6, 24.6, 21.2.
LC/MS (M+H) = 353.
【0205】
*2-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-4-(ピペリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン塩酸塩(化合物39)。
実施例A.12において記述したものと同じ手順を使用し、2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-クロロピリダジン-3(2H)-オン(60mg、0.16mmol、1当量)及びピペリジン(27.2mg、0.32mmol、2当量)から出発して、EtOAc中1%から5%MeOHの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによる精製及び塩化後、表題化合物が白色固体(38%)として取得された。Tr (HPLC) = 7.41分.1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.50 (d, 1H, J= 4.4 Hz), 7.25-7.15 (m, 5H), 6.18 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 3.98(d, 1H, J = 7.2 Hz), 3.43 (s, 2H), 3.35-3.32 (m, 4H), 2.81 (d, 2H, J = 12.0 Hz), 2.02- 1. 2.03-1.85 (m, 4H), 1.70-1.52 (m, 4H), 1.45-1.38 (m, 4H), 1.38-1.34 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 158.1, 148.5, 138.6, 136.8, 129.1, 128.1, 126.8, 107.7, 63.3, 57.6, 53.3, 49.1, 35.1, 30.0, 25.5, 24.4. LC/MS (M+H) = 367.
【0206】
(実施例A.13)
2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-モルホリノピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物40)。
工程1:tert-ブチル4-((5-モルホリノ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.30mmol、1.0当量)、モルホリン(53.1mg、0.61mmol、53μl、2.0当量)、Cs2CO3(298.2mg、0.91mmol、3.0当量)を投入した。次いで、トリス((1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン)ジパラジウム(14.0mg、5mol%)及びRuPhos(28.5mg、20mol%)、続いて、ジオキサン(1.5mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで120℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常16時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗材料を、DCM/MeOH 98/2を溶離液として使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を黄色粘性ゴム状物(86.9mg、75%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.59 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 6.24 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 4.14-3.96 (m, 4H), 3.87-3.82 (m, 4H), 3.44-3.37 (m, 4H), 2.73-2.59 (m, 2H), 2.19-2.07 (m, 1H), 1.60-1.54 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.31-1.18 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) : δ ppm 158.0, 154.9, 147.9, 136.9, 108.2, 79.4, 66.5, 57.3, 53.6, 48.2, 35.5, 29.8, 28.6.
【0207】
工程2:2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-モルホリノピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物40)。
0℃のDCM(1.5mL)中のtert-ブチル4-((5-モルホリノ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(86mg、0.21mmol、1当量)の溶液に、TFA(0.35mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷エーテルで研和し、上清を除去し、蒸発後の粗製物をMeOH(4mL)に直接溶解した。ベンズアルデヒド(36.3mg、34.5μL、1.5当量)、続いて、NaBH3CN(28.6mg、0.46mmol、2当量)及びDIEA(117.8mg、158μl、4当量)を添加した。得られた混合物を室温で48時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、EtOAc/MeOH(97:3)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、Et2O中2N HClによる塩化後、2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-モルホリノピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩を淡黄色固体として産出した(63.8mg、63%)。Tr (HPLC、ショートカラム) = 2.42分.1H NMR (400MHz, CDCl3) : δ ppm 7.58 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 7.33-7.21 (m, 5H), 6.23 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 4.03 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.89-3.81 (m, 4H), 3.52 (s, 2H), 3.44-3.37 (m, 4H), 2.93-2.85 (m, 2H), 2.05-1.95 (m, 3H), 1.67-1.57 (m, 2H), 1.52-1.38 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 157.9, 147.8, 137.8, 136.8, 129.4, 128.3, 127,3 108.2, 66.5, 63.2, 57.5, 53.2, 48.2, 35.1, 29.8; LC/MS (M+H) = 369.
【0208】
*2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(4-フェニルピペラジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物41)
工程1:tert-ブチル4-((6-オキソ-5-(4-フェニルピペラジン-1-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート
実施例A.13において記述したものと同じ手順を使用し、tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.30mmol、1当量)及び1-フェニルピペラジン(99.0mg、93μl、0.6mmol、1.5当量)から出発して、表題化合物が黄色粘性ゴム状物(78.6mg、57%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.61 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 7.29 (t, J = 2H, J = 6.4 Hz), 6.96 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 6.90 (t, 1H, J = 6.0 Hz), 6.31 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.10-4.04 (m, 2H), 3.62-3.58 (m, 4H), 3.56-3.32 (m, 4H), 2.72-2-61 (m, 2H), 2.19-2.13 (m, 1H), 1.62-1.58 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.32-1.21 (m, 3H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 158.0, 154.9, 151.1, 147.9, 137.0, 129.3, 120.5, 116.6, 108.5, 79.4, 57.4, 53.6, 49.1, 47.8, 35.5, 29.8, 28.6
【0209】
工程2:2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(4-フェニルピペラジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物41)。
tert-ブチル4-((6-オキソ-5-(4-フェニルピペラジン-1-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(87mg、0.17mmol、1当量)から出発して、順次のBoc脱保護、続いて、実施例A.13において記述された通りのベンズアルデヒド(27.48mg、26.2μl、0.25mmol、1.5当量)を使用する還元的アミノ化は、HCl 2Nによる塩化後、表題生成物を白色固体(68mg、71%)としてもたらした。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.0 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.32-7.24 (m, 7H), 6.96 (d, 2H, J = 8.0 Hz). 6.90 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 6.30 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 4.06 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 3.61-3.58 (m, 4H), 3.53 (s, 2H), 3.35-3.57 (m, 4H), 2.93-2.88 (m, 2H), 2.04-1.97 (m, 3H), 1.66-1.63 (m, 2H), 1.51-1.40 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 158.0, 151.2, 147.8, 137.8, 136.8, 129.4, 129.3, 128.3, 127.3, 120.4, 116.5, 108.5, 63.2, 57.6, 53.2, 49.1, 47.8, 35.1, 29.8. LC/MS (M+H) = 444.
【0210】
*2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-4-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物42)。
工程1:tert-ブチル4-((5-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)-ピペリジン-1-カルボキシレート
実施例A.13において記述したものと同じ手順を使用し、tert-ブチル4-((5-クロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.30mmol、1当量)及び1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(81.2mg、76.6μl、0.6mmol、1.5当量)から出発して、表題化合物が黄色粘性ゴム状物(97mg、75%)として取得された。1H NMR (500 MHz, CDCl3) : δ ppm 7. 57(d, 1H, J = 5.0 Hz), 7.20-7.11(m, 4H), 6.27 (d, 1H, J = 5.0 Hz), 4.59 (s, 2H), 4.10-4.03 ( (m, 4H), 3.90 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 3.01 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.71-2.61 (m, 2H), 2.18-2.13 (m, 1H), 1.65-1.57 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.40-1.21 (m, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) : δ ppm 158.0, 154.9, 146.9, 137.3, 134.7, 133.3, 128.9, 126.8, 126.5, 126.3, 106.5, 79.4, 57.4, 50.4, 45.7, 35.5, 29.8, 29.7, 28.8.
【0211】
工程2 2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(4-フェニルピペラジン-1-イル)ピリダジン-3(2H)-オン塩酸塩(化合物42)。
tert-ブチル4-((5-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(97mg、0.23mmol、1当量)から出発して、順次のBoc脱保護、続いて、実施例A.13において記述された通りのベンズアルデヒド(34.0mg、32.4μl、0.32mmol、1.5当量)を使用する還元的アミノ化は、HCl 2Nによる塩化後、表題生成物を黄色固体(69mg、66%)としてもたらした。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 7.56 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 7.32-7.10 (m, 9H), 6.25 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 4.58 (s, 2H), 4.05 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 3.90(t, 2H, J = 6.0 Hz), 3.52 (s, 2H), 3.00 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.92-2.86 (m, 2H), 2.89 (dt, 2H, J = 8.0 Hz, J =3.2 Hz), 2.04-1.96 (m, 2H), 1.68-1.60 (m, 2H), 1.45 (dq, 2H, J = 12.0 Hz, J = 4.0 Hz). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) : δ ppm 158.0, 147.0, 137.1, 134.7, 133.4, 129.3, 128.9, 128.3, 127.2, 126.8, 126.5, 126.3, 106.6, 63.3, 57.6, 53.3, 50.4, 45.7, 35.1, 29.9, 28.9. LC/MS (M+H) = 415.
【0212】
一般的な方法並びにピリドン及びピリミドンに由来する例。
代替として、ピリダジノン環を、下記のスキーム6において描写されるのと同様の4ステップシーケンスで、一般構造Hのピリドン又はピリミドン環によって置きかえることができる。
【0213】
【化11】
【0214】
条件:a)n=0、K2CO3、2-ブタノン、85℃、24時間;b)NaH、DMF、110℃、18時間;c)K2CO3、Pd(PPh3)4、Ar-PhB(OH)2、トルエン、EtOH、H2O、120℃、16時間;d)TFA、DCM、25℃、45分;e)NaBH3CN;DIEA、MeOH、25℃、18時間又はR3-CH2Br、K2CO3、DMF若しくはMeCN、80℃、18時間。
【0215】
(実施例A.14)
3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩(化合物43)。
工程1:tert-ブチル4-(6-オキソ-5-フェニルピリミジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、5-ブロモピリミジン-4-オール臭化水素酸塩(345mg、1.35mmol、1.0当量)、tert-ブチル4-(メタンスルホニルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(564.9mg、2.02mmol、1.5当量)及びK2CO3(462.5mg、3.36mmol、2.5当量)を投入した。2-ブタノン(12.3mL)を添加し、混合物を110℃で24時間にわたって加熱した(HPLCモニタリング:完全変換)。混合物をH2O(150mL)でクエンチし、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。得られた残留物を、ヘプタン中0%から50%のEtOAcの勾配を使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートを黄色油状物(191mg、純度約70%)として得た。化合物を更に精製することなく使用した。
【0216】
マイクロ波バイアル(オーブン乾燥したアルゴン下のもの)に、tert-ブチル4-(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(191mg、0.53mmol、1.0当量)、フェニルボロン酸(102.6mg、0.80mmol、1.5当量)、Na2CO3(113mg、1.06mmol、2.0当量)を投入した。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(62.3mg、5mol%、0.1当量)、続いて、DME(2.8mL)及び水(0.85mL)を添加した。バイアルに正しく蓋をし、混合容器を排気し、アルゴンを再充填し(プロセスを3回繰り返した)、出発材料の完全変換まで100℃で加熱した。反応変換をHPLCによってモニターし、通常16時間以内に完了した。室温に冷却した後、反応混合物を蒸発乾固させた。粗製物をEtOAc(30mL)及びH2O(50mL)に通して分配した。水性相をEtOAc(20mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗材料を、ヘプタン中0%から40%のEtOAcの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル4-(6-オキソ-5-フェニルピリミジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(108mg、86%の純度)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.72 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.60-7.50 (m, 2H), 7.46-7.42 (m, 3H), 5.49-5.44 (m, 1H), 3.60-3.52 (m, 2H), 3.44-3.39 (m, 2H), 2.00-1.95 (m, 2H), 1.86-1.82 (m, 2H), 1.46 (s, 9H).
【0217】
工程2:3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩(化合物43)
0℃のDCM(1.3mL)中のtert-ブチル4-(6-オキソ-5-フェニルピリミジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(108mg、0.30mmol、1当量)の溶液に、TFA(1.3mL)を添加し、得られた混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。TFAのヘプタンとの共沸除去により、粗反応物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷エーテルで研和し、上清を除去し、蒸発後の粗製物をMeOH(2.6mL)に直接溶解した。ベンズアルデヒド(48.4mg、46.1μL、1.5当量)、続いて、NaBH3CN(40.22mg、0.6mmol、2当量)及びAcOH(1.7μl)を添加した。得られた混合物を室温で16時間にわたって撹拌した。揮発物を蒸発させ、粗製物をEtOAc(25mL)に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、DCM/iPrOH(92/8)を溶離液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、Et2O中2N HClによる塩化後、3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン塩酸塩を白色固体として産出した(41mg、35%)。融点144℃、Tr (HPLC) = 7.14分.1H NMR (400 MHz, CDCl3, 遊離塩基) : δ ppm 8.72 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 7.60-7.55 (m, 2H), 7.48-7.40 (m, 3H), 7.35-7.26 (m, 5H), 5.36-5.32 (m, 1H), 3.54 (s, 2H), 2.75-2.60 (m, 2H), 2.45-2.30 (m, 2H), 2.10- 2.04 (m, 2H), 1.95-1.85 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 165.3, 157, 0, 156.3, 138.3, 133.2, 129.2, 129.1, 128.5, 128.3, 127.2, 122.5, 72.1, 63.1, 50.5, 30.7.
LC/MS (M+H) = 346.
【0218】
*1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-3-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン塩酸塩(化合物44)
実施例A.14において記述したものと同じ手順で、3-ブロモピリジン-2-オール(300mg、1.27mmol、1当量)から出発して、2N HCLによる塩化後、表題化合物が白色固体(45mg、11%全体的収率)として取得された。融点=152℃、Tr (HPLC) = 7.21分1H NMR (400 MHz, CDCl3, 遊離塩基) : δ ppm 7.67 (d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.46-7.26 (m, 10H), 6.31 (t, 1H, J = 6.8 Hz), 5.07-5.01 (m, 1H), 3.57 (s, 2H), 3.06 (d, 2H, J = 11.6 Hz), 2.24(t, 2H, J = 11.6 Hz), 1.97-1.85 (m, 4H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 161.3, 138.2, 137.3, 137.0, 132.5, 131.6, 129.3, 128.8, 128.4, 128.1, 127.7, 127.3, 62.9, 53.1, 52.9, 31.7.
LC/MS (M+H) = 345.
【0219】
*3-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-5-フェニルピリミジン-4(3H)-オン(化合物45)。
実施例A.14において記述したものと同じ手順で、5-ブロモピリミジン-4-オール臭化水素酸塩(200mg、0.78mmol、1当量)及びtert-ブチル4-[(メタンスルホニルオキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(298.1mg、1.01mmol、1.3当量)から出発して、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(Hept/EtOAc)後、tert-ブチル4-[(5-ブロモ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレートが黄色油状物(51.7mg、18%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.63 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 4.29 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 4.21-4.04 (m, 2H), 2.78-2.71 (m, 2H), 2.04-2.00 (m, 1H), 1.80 (d, 2H, J = 12.8 Hz), 1.40 (s, 9H), 1.31-1.25 (m, 2H).
【0220】
tert-ブチル4-[(5-ブロモ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(73mg、0.19mmol、1当量)から出発して、フェニルボロン酸(26.3mg、0.21mmol、1.1当量)の助力を受ける鈴木宮浦クロスカップリング反応により、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(Hept/EtOAc)後、tert-ブチル4-[(6-オキソ-5-フェニル-1,6-ジヒドロピリミジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレートが黄色油状物(32.7mg、45%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.72 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.54-7.47 (m, 2H), 7.45-7.39 (m, 3H), 4.29 (d, 2H, J = 6.4 Hz), 4.13-4.07 (m, 2H), 2.73-2.69 (m, 2H), 1.99-1.96 (m, 1H), 1.75-1.71 (m, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.26-1.23 (m, 2H). 13C NMR (101 MHZ, CDCl3) : δ ppm 157.0, 156.2, 154.8, 128.9, 128.5, 128.3, 79.4, 70.9, 35.6, 28.8, 28.5, 28.4.
【0221】
TFAの助力を受けるBOC基の脱保護後、粗製物を、ベンズアルデヒドの助力を受ける還元的アミノ化反応に供して、2N HClによる塩化後、表題化合物をもたらした(薄黄色固体、18.6mg、54%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.65 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.47-7.45 (m, 2H), 7.40-7.30 (m, 3H), 7.28-.7.21 (m, 5H), 4.23 (d, 1H, J = 6.7 Hz), 3.56 (s, 2H), 2.95 (d, 2H, J = 11.3 Hz), 2.12-2.00 (m, 2H), 1.86-1.78 (m, 1H), 1.72 (d, 2H, J = 13.5Hz), 1.42 (q, 2H, J = 12.5 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 165.5, 156.9, 156.1, 133.0, 129.6, 128.9, 128.5, 128.4, 128.3, 127.6, 122.3, 70.9, 62.8, 52.8, 34.9, 28.3.
LC/MS (M+H) = 360.
【0222】
*1-[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル]-3-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-2-オン塩酸塩(化合物46)。
実施例A.14において記述したものと同じ手順で、3-ブロモピリジン-2-オール(180mg、1.035mmol、1当量)及びtert-ブチル4-[(メタンスルホニルオキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(364.2mg、1.24mmol、1.2当量)から出発して、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(Hept/EtOAc)後、tert-ブチル4-[(3-ブロモ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレートが白色固体(133.5mg、35%)として取得された。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.07 (d, 1H, J = 4.3 Hz), 7.8 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 6.76 (t, 1H, J = 6.2 Hz), 4.21 (d, 2H J = 6.8 Hz), 4.19-4.09 (m, 2H), 2.75 (t, 2H, J = 12.7 Hz), 2.09-1.95 (m, 1H), 1.83 (d, 2H, J = 13.3 Hz) 1.47 (s, 9H), 1.3 (dq, 2H, J = 12.7 Hz, J = 3.8 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 159.8, 154.9, 154.4, 141.6, 117.8, 107.3, 79.3, 71.0, 35.8, 28.8, 28.5.
【0223】
tert-ブチル4-[(3-ブロモ-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレート(123mg、0.33mmol、1当量)から出発して、フェニルボロン酸(44.4mg、0.36mmol、1.1当量)の助力を受ける鈴木宮浦クロスカップリング反応により、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(Hept/EtOAc)後、tert-ブチル4-[(2-オキソ-3-フェニル-1,2-ジヒドロピリジン-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシレートが黄色油状物(100mg、82%)として取得された。1H NMR (40 0MHz, CDCl3) : δ ppm 7.97 (dd, 1H, J = 4.1 Hz, J = 1.3 Hz), 7.46 (dd, J = 7.6 Hz, J = 1.3 Hz), 7.42-7.35 (m, 2H), 7.30-7.23 (m, 2H), 7.22-7.16 (m, 1H), 6.81(dt, 1H, J = 6.3 Hz, J = 1.3 Hz), 4.05 (d, 2H, J = 6.2 Hz), 4.02-3.88 (m, 2H), 2.55 (t, 2H, J = 12.7 Hz), 1.85-1.64 (m, 1H), 1.58 (d, 2H, J = 13.2 Hz), 1.31 (s, 9H), 1.15-1.00 (m, 2H). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.6, 154.8, 145.7, 138.7, 136.8, 129.1, 128.1, 127.4, 124.7, 117.1, 79.3, 70.3, 35.9, 29.0, 28.5.
【0224】
TFAの助力を受けるBOC基の脱保護後、粗製物を、ベンズアルデヒドの助力を受ける還元的アミノ化反応に供して、2N HClによる塩化後、表題化合物46をもたらした(薄黄色固体、44.4mg、55%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ ppm 8.08 (dd, 1H, J = 4.4 Hz, J = 1.3 Hz), 7.57 (dd, 1H, J = 7.2 Hz, J = 1.3 Hz), 7.53-7.47 (m, 2H), 7.40-7.33 (m, 2H), 7.32-7.25 (m, 5H), 7.22-7.15 (m, 1H), 6.91 (dt, 1H, J = 6.9 Hz, J = 1.3 Hz), 4.15 (d, 2H, J = 6.7 Hz), 3.45( s, 2H), 2.85 (d, 2H, J = 11.5 Hz), 1.92 (t, 2H, J = 12.1 Hz), 1.80-1.62 (m, 3H), 1.34 (q, 2H, J = 12.4 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) : δ ppm 160.7, 145.7, 138.6, 136.8, 129.2, 128.1, 127.4, 126.9, 124.6, 116.9, 70.7, 63.4, 53.4, 35.6, 29.2.
LC/MS (M+H) = 359.
【0225】
B.インビトロ薬理学:シグマ-1受容体との結合アッセイ
シグマ-1受容体結合アッセイは、Ganapathyら(J Pharmacol Exp Ther 28:251~60、1999)に従って実施した。シグマ-1受容体結合アッセイは、Jurkat細胞膜(チューブ当たり10~20mgのタンパク質)を、[3H](+)-ペンタゾシン、選択的シグマ-1放射性トレーサー(15nM)及びある範囲の濃度の試験化合物とともに、5mMのトリス/HCl緩衝液(pH=7.4)中、37℃で2時間にわたってインキュベートすることによって行った。[3H](+)-ペンタゾシン結合の阻害アッセイは、主として、潜在的なシグマ-1受容体リガンドの阻害定数(Ki)を決定するために使用される。これらのアッセイは、単一濃度の[3H](+)-ペンタゾシンをそのKD付近の濃度で、及び漸増濃度の非放射性リガンドを用いて実施される。
【0226】
【表1】
【0227】
シグマ-1受容体結合アッセイの結果をTable 2(表2)に示す。
【0228】
【表2A】
【0229】
【表2B】
【国際調査報告】