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特表2023-507553静脈血栓塞栓症を治療するための方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】静脈血栓塞栓症を治療するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20230216BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61B17/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530917
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 US2020065349
(87)【国際公開番号】W WO2021127004
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/950,058
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/064,273
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522151695
【氏名又は名称】インパラティブ、ケア、インク.
【氏名又は名称原語表記】IMPERATIVE CARE,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100155631
【弁理士】
【氏名又は名称】榎 保孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137497
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100207907
【弁理士】
【氏名又は名称】赤羽 桃子
(74)【代理人】
【識別番号】100217294
【弁理士】
【氏名又は名称】内山 尚和
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、バック
(72)【発明者】
【氏名】ジュリア、フォックス
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、ジェイコブズ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160EE21
4C160MM36
4C160NN15
4C267AA04
4C267AA05
4C267AA16
4C267AA28
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB07
4C267BB10
4C267BB12
4C267BB31
4C267BB33
4C267BB40
4C267BB62
4C267BB63
4C267CC09
4C267GG34
4C267HH04
4C267HH08
(57)【要約】
アクセスカテーテルは、内部を通して延びるカニューレ付きガイドレール、及び、このレールの、アクセスカテーテルの遠位端を超えて少なくとも約10cm延びる前記レールの前進セグメントとを有する。アクセスカテーテルとレールとは、前進セグメントの遠位端が標的血管部位へと到達するまで、ガイドワイヤ上を前進することができる。その後、アクセスカテーテルはレールに沿って標的血管部位へと前進することができ、レールがアクセスカテーテルを残して取り外されることで標的血管部位に対するアクセスを提供する。血栓除去カテーテルはアクセスカテーテルを通して延ばすことができ、血栓係合ツールは血栓除去カテーテルを通して前進させることができる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的血管部位にアクセスするためのシステムであって、
近位端と、遠位端と、近位端上に位置したアクセスカテーテルハブとを有する長尺のフレキシブルな管状のアクセスカテーテル、及び
近位端と、遠位端と、近位端上に位置したレールハブとを有する長尺のフレキシブルなレール
とを含んでなり、
前記レールの遠位前進セグメントが、前記アクセスカテーテルハブが前記レールハブに隣接しているときに、前記アクセスカテーテルの遠位端を超えて少なくとも10cm延びる、システム。
【請求項2】
前記アクセスカテーテルハブ上の係合構造をさらに含み、前記係合構造は前記レールハブ上の相補的な係合構造と着脱可能に係合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記レールの遠位前進セグメントは、前記カテーテルハブが前記レールハブに隣接しているときに、前記アクセスカテーテルの遠位端を超えて少なくとも約15cm延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記レールは遠位向きにフレキシブルさが増大する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記レールはガイドワイヤ内腔を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ガイドワイヤ内腔は約0.035”(インチ)(約0.889mm)を超えない直径を有するガイドワイヤを収容することができ、前記カテーテルは少なくとも約20フレンチであり、かつ、前記レールは前記アクセスカテーテルの内径より約0.025”(約0.635mm)より小さい外径を有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記アクセスカテーテルハブは止血弁を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記アクセスカテーテルハブは前記レールハブの凹所内へとスナップフィットするように構成された突起を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記レールの壁厚さは少なくとも約0.05インチ(約1.27mm)である、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記レールの壁厚さは少なくとも約0.10インチ(約2.54mm)である、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記アクセスカテーテルは少なくとも約8フレンチである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記アクセスカテーテルは少なくとも約20フレンチである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記アクセスカテーテルを通して延びるように構成された血栓除去カテーテルをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記血栓除去カテーテルを通して延びるように構成された血栓係合ツールをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記血栓係合ツールは螺旋状ネジ山付きの血栓係合先端を有する長尺フレキシブルボディを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ネジ山は前記長尺フレキシブルボディの周囲で約2回転~約10回転延びる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ネジ山は前記血栓除去カテーテルの隣接部分の内径の約60%を超えない最大直径を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
デュアル拡張器アクセスシステムであって、
近位端と、遠位端と、内部を通して軸線方向に延びる中央内腔とを有する長尺管状ボディを含む大径アクセスカテーテル、
前記中央内腔を通して軸線方向にスライド移動可能な小径カテーテル、
前記小径カテーテルと前記大径カテーテルとの間で前記中央内腔を通して延ばすことが可能な第1拡張器、及び
前記小径カテーテルを通して延ばすことが可能な第2拡張器
とを含んでなる、デュアル拡張器アクセスシステム。
【請求項19】
前記大径カテーテルは吸引カテーテルである、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記小径カテーテルは血餅把持カテーテルである、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記大径カテーテルと前記小径カテーテルとをインターロックするための近位カップリングをさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1拡張器はテーパー形状遠位端を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記大径アクセスカテーテルは少なくとも約14フレンチである、請求項12に記載のシステム。
【請求項24】
前記テーパー形状遠位端は前記小径カテーテルの前記遠位端を超えて配置可能である、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記血栓把持カテーテルは螺旋状ネジ山付きの遠位先端を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記小径カテーテルは画像化カテーテルを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1拡張器は近位向き引き込み及び取り外しのために自身に沿って分裂することが可能な分裂ラインを有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項28】
前記分裂ラインは壁の脆弱化部分を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記分裂ラインは軸線方向の切り込み線を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記大径アクセスカテーテルは前記中央内腔を規定する内面を含み、かつ、前記内面は前記中央内腔内へと引き込まれた物質の挙動に影響を及ぼすための少なくとも1つの表面不連続性を含む、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項の下で、2019年12月18日付けで出願された米国仮特許出願第62/950,058及び2020年8月11日付けで出願された米国仮特許出願第63/064,273の優先権を主張する。各米国仮特許出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
患者の血管内の血栓性障害及び閉塞は、深刻な医学的問題であり、多くの場合、患者の健康を回復するためにこれらの障害及び閉塞を除去するための介入が必要とされる。広範囲の血管用途に適用可能であるが、以下の背景では肺塞栓症を発症した患者の例を通してこの問題に焦点を当てる。
【0003】
静脈血栓塞栓症(VTE)は、世界的な危機である。深部静脈血栓症(DVT)及び肺塞栓症(PE)の症例は、世界的に年間1000万件超にわたって診断されており、米国では100万件超にわたって、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、スウェーデン、及び英国では、合わせて毎年700,000件超にわたって発生している。米国では、毎年、およそ60,000人~100,000人が、PEにより死亡している。DVT及びPEは同じ一連の疾患の一部であり、塞栓の95%超は下肢に由来する。PEが発生した場合、その重症度は、塞栓負荷と、右心室への影響、及び、基礎にある心肺の併存疾患に依存する。右心室(RV)の後負荷の増大と機能不全とを伴う肺動脈(PA)圧の急激な上昇により死亡する可能性がある。
【0004】
高リスクの肺塞栓症(PE)を発症した患者は、主として、全身的に送達される血栓溶解療法又はカテーテル誘導型血栓溶解療法によってより局所的に送達される血栓溶解療法により治療されていた。これらのアプローチは、複数のカテーテル検査室への訪問、長期の入院をもたらし、しばしば出血性合併症を引き起こす。PE治療への新しいアプローチには、血栓溶解剤を使用しない単回血栓除去治療が含まれる。これらの血栓除去治療には、吸引によって血栓を除去するためにカテーテルをPA内へと挿入することが含まれ、また吸引の前に二次的ツールで血栓を浸軟又は破壊してもよい。血栓除去は血栓溶解剤と比較して出血性合併症が少なく入院期間も短くなるが、広範囲の血栓タイプを捕捉する能力及び治療時に総失血量を低減させる能力を含む治療自体の課題を考慮すると改良すべき点が多く存在する。
【0005】
血栓除去カテーテルは大径静脈の導入器穿刺から導入される。フレキシブルなガイドワイヤを、導入器から静脈内へと通し、導入器を取り外す。フレキシブルなガイドワイヤは、フレキシブルなガイドカテーテルを、右心房から右心室内へと、さらに肺動脈内へと、前進させるためのレールを提供する。フレキシブルなガイドワイヤを取り外して、硬質ガイドワイヤへと交換する。次に、サポート拡張器付きの大径血栓除去カテーテルを、硬質ガイドワイヤ上にわたって、肺動脈へと前進させ、拡張器を取り外す。大径血栓除去カテーテルが、血管のより遠位部分の血栓に対して上手くアクセスし得ない場合には、又はそのような血栓を上手く吸引し得ない場合には、大径カテーテルを通して小径カテーテルを挿入してもよい。この手順は複数の付属デバイスを使用してそれらの交換を行うため、高価であり、高度なカテーテルスキルを必要とし、大量の出血をもたらし、さらに最適な患者転帰をもたらさないこともあり得る。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様によれば、中枢肺動脈などの遠隔部位へと大口径カテーテルを前進させるためのシステムが提供される。システムは、近位端と、遠位端と、近位端上に位置したカテーテルハブとを有する長尺のフレキシブルな管状カテーテル、及び、近位端と、遠位端と、近位端上に位置したレールハブとを有する長尺のフレキシブルなレールとを含んでなる。レールの遠位端は、カテーテルハブがレールハブに対して隣接しているときに、カテーテルの遠位端を超えて少なくとも約5cm、又は10cm、又は15cm、又はそれを超えて、延びている。
【0007】
システムはカテーテルハブ上に位置した係合構造をさらに含んでもよく、係合構造はレールハブ上の相補的な係合構造と着脱可能に係合するように構成されている。レールのフレキシブルさは遠位向きに増大してもよく、レールはガイドワイヤ内腔を含んでもよい。ガイドワイヤ内腔は約0.035”(インチ)(約0.889mm)を超えない直径を有するガイドワイヤを収容することができ、カテーテルは吸引カテーテルの内径と比較して少なくとも約0.025”(約0.635mm)だけ小さな外径を有している。カテーテルハブは止血弁を含んでもよい。
【0008】
本発明の別の態様によれば、カテーテルを標的血管部位へと前進させるための方法が提供される。方法は、内部を通して延びるガイドレールを有するカテーテルを提供する工程を含んでなり、カテーテルはカテーテル遠位端を有し、かつ、レールはレール遠位端を有する。レール遠位端がカテーテル遠位端から少なくとも約10cm遠位に位置した状態でレール遠位端を標的血管部位にまで前進させ、その後、カテーテルをガイドレールに沿って標的血管部位にまで前進させる。レールを前進させる工程は、レールをガイドワイヤ上にわたって前進させることによって行われてもよい。前進させる工程は、レール遠位端がカテーテル遠位端から少なくとも約15cm遠位に位置しているときに、行われてもよい。方法は、ガイドレールに沿ってカテーテルを前進させる工程を行う前に、ガイドレールからカテーテルのロックを解除する工程をさらに含んでもよい。
【0009】
レール遠位端を前進させる工程は、カテーテルの遠位端が大静脈内に留まっている間に、レール遠位端を、大静脈から、心臓の三尖弁及び肺動脈弁を通して、中枢肺動脈内へと、前進させることを含んでもよい。カテーテルを前進させる工程は、レールの遠位端を中枢肺動脈内へと配置した後に、ガイドレール上にわたって、カテーテルの遠位端を、大静脈から、心臓の三尖弁及び肺動脈弁を通して、中枢肺動脈内へと、前進させることを含んでもよい。
【0010】
本発明の更なる態様によれば、肺塞栓症を治療するために、肺動脈から血餅を除去するための方法が提供される。方法は、内部を通して延びるガイドレールを有する大口径カテーテルを提供する工程を含んでなり、大口径カテーテルは大口径カテーテル遠位端を有し、かつ、レールはレール遠位端を有する。レール遠位端が大口径カテーテル遠位端から少なくとも約15cm遠位に位置した状態で、大口径カテーテルの遠位端が大静脈内に留まっている間に、レール遠位端を大静脈から心臓の三尖弁及び肺動脈弁を通して中枢肺動脈内へと前進させる。その後、大口径カテーテル遠位端が少なくとも中枢肺動脈のところへと到達するまで、大口径カテーテルをレール上にわたって遠位向きに前進させる。その後、レールを大口径カテーテルから近位向きに取り外し、血餅の少なくとも一部を肺動脈から大口径カテーテル内へと引き込む。この引き込み工程は吸引を使用して行ってもよい。
【0011】
方法は、レールを近位向きに取り外す工程の後に、大口径カテーテルを通して血餅捕捉カテーテルを前進させる工程をさらに含んでもよく、血餅捕捉カテーテルを通して血餅係合ツールを前進させる工程をさらに含んでもよい。血餅係合ツールは血餅と係合するように手動で回転させてもよい。
【0012】
また、血管系から異物を除去するための方法が提供されるが、前記方法は、センシングカテーテルの遠位先端を標的異物に近接して配置する工程と、センシングカテーテルから信号を伝播させる工程と、戻り信号を受信する工程と、捕捉ゾーン内に異物が位置していることを戻り信号が示しているときに、異物の少なくとも一部を捕捉して除去する工程とを含んでなる。捕捉して除去する工程は、センシングカテーテルによって行われてもよい。方法は、戻り信号を受信する工程の後に、センシングカテーテルを取り外すこと、及び、捕捉して除去する工程を行うために血餅捕捉カテーテルを導入することをさらに含んでもよい。
【0013】
異物は深部静脈血栓症又は肺塞栓症などの静脈系に存在し得る血餅であってもよい。
【0014】
戻り信号は捕捉ゾーン内の組織の特徴付けを可能としてもよく、捕捉ゾーン内における血餅と血管壁との鑑別を可能としてもよい。信号を伝播させる工程は、超音波信号又は紫外~可視範囲などの電磁信号を伝播させることを含んでもよい。電磁信号は複数の波長を含んでもよい。
【0015】
信号を伝播させる工程は、センシングカテーテルを通して遠位先端を超えて可視光を伝播させることを含んでもよい。方法は、センシングカテーテルによって付帯されたセンサを使用して戻り信号を受信することをさらに含んでもよい。可視光の経路は遠位先端と標的異物との間において血液を通して形成されてもよい。遠位先端と標的異物との間の血液を通して可視光の経路を形成する工程は、血液を経路から追い出すために光学的に透明な媒体を注入することを含んでもよい。方法は、経路内の光学的透明媒体の少なくとも一部を一時的に閉じ込めるためのバリアを配置する工程をさらに含んでもよい。バリアはセンシングカテーテル又は吸引カテーテルから配置されてもよい。
【0016】
鑑別は、臨床医が戻り信号によって生成された画像を観察することによって行われてもよい。鑑別は、異物又は血管壁のいずれかを示す戻り信号を鑑別するように構成されたプロセッサによって行われてもよい。プロセッサは、異物と血管壁との鑑別に応答してインジケータを生成するようにさらに構成されてもよい。インジケータは、音声信号又は視覚信号を含んでもよい。センシングカテーテルは、アクセスカテーテルを通して、軸線方向に相互的に導入されてもよい。方法は、戻り信号の受信後に、アクセスカテーテルを通してセンシングカテーテルを近位向きに退避させる工程をさらに含んでもよく、アクセスカテーテルを通して血餅捕捉カテーテルを遠位向きに前進させる工程をさらに含んでもよく、これにより、血栓捕捉カテーテルを使用して異物の少なくとも一部を捕捉して除去する。
【0017】
本明細書で開示する任意の方法は、捕捉して除去する工程の前に、捕捉ゾーン内における血管壁の検出に応答して先端を横向きに偏向させる工程をさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の更なる態様によれば、デュアル拡張器アクセスシステムが提供されるが、前記デュアル拡張器アクセスシステムは、近位端と、遠位端と、内部を通して軸線方向に延びる中央内腔とを有する長尺管状ボディを有する大径アクセスカテーテルを含んでなる。小径カテーテルは、中央内腔を通して軸線方向にスライド移動可能とされている。第1拡張器は小径カテーテルと大径カテーテルとの間において中央内腔を通して延ばすことができ、第2拡張器は小径カテーテルを通して延ばすことができる。大径カテーテルは吸引カテーテルであってもよい。小径カテーテルは血餅把持カテーテルであってもよい。
【0019】
システムは、大径カテーテルと小径カテーテルとをインターロックするための近位カップリングをさらに含んでもよい。第1拡張器はテーパー形状遠位端を有してもよい。大径アクセスカテーテルは少なくとも約14フレンチであってもよい。テーパー形状遠位端は小径カテーテルの遠位端を超えて配置可能であってもよい。血餅把持カテーテルは螺旋状ネジ山付きの遠位先端を含んでもよい。小径カテーテルは画像化カテーテルを含んでもよい。
【0020】
第1拡張器は、近位向き引き込み及び取り外しのために自身に沿って分裂し得る分裂ラインを有してもよい。分裂ラインは、壁の脆弱化部分又は軸線方向の切り込み線を含んでもよい。
【0021】
大径アクセスカテーテルは中央内腔を規定する内面を含んでもよく、内面は中央内腔内へと引き込まれた物質の挙動に影響を及ぼすための少なくとも1つの表面不連続性を含む。表面不連続性は隆起を含んでもよい。軸線方向に延びるとともに周方向に間隔を空けて配置された複数の隆起が、カテーテルの少なくとも遠位ゾーンに沿って設けられてもよい。遠位ゾーンは遠位端から約1cm~約20cmの範囲内で近位向きに延びてもよく、不連続性はカテーテルの近位端までの全体にわたって延びてもよい。隆起は螺旋状の構成のものであってもよい。表面不連続性は、物質が中央管腔内を近位向きに移動することを許容しかつ物質が管腔内を遠位向きに移動することに抵抗するために、少なくとも1つの傾斜部分及びエッジを含んでもよい。近位向きにおいて径方向内向きに傾斜する複数の傾斜部分が存在してもよく、各傾斜部分は近位エッジで終端する。中央内腔は非円形の横断面構成を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A図1Aは、血栓塞栓症画像化カテーテルを示す概略的な側面図である。
図1B図1Bは、図1Aのカテーテルを示す遠位端面図である。
図1C図1Cは、吸引カテーテル内の内腔を通して延びる図1Aのカテーテルを示す。
図2A図2Aは、血栓塞栓症熱感知カテーテルを示す概略的な側面図である。
図2B図2Bは、図2Aのカテーテルを示す遠位端面図である。
図3A図3Aは、血栓塞栓症力検知カテーテルを示す概略的な側面図である。
図3B図3Bは、図3Aのカテーテルを示す遠位端面図である。
図4A図4Aは、血栓塞栓症超音波カテーテルを示す概略的な側面図である。
図4B図4Bは、図4Aのカテーテルを示す遠位端面図である。
図5A図5Aは、血栓塞栓症電磁スペクトル画像化カテーテルを示す概略的な側面図である。
図5B図5Bは、図5Aのカテーテルを示す遠位端面図である。
図5C図5Cは、図5Aのカテーテルの変形例を示す遠位端面図である。
図6図6は、血栓塞栓症可視化吸引システムにおける様々な構成要素を示す側面図である。
図7A図7Aは、内部ストップリングを有するカテーテルを示す側面図である。
図7B図7Bは、図7Aのカテーテルを通しての長手方向断面図及びストップリングを示す詳細図である。
図7C図7Cは、図7A及び図7Bのストップリングと係合するための相補的な制限部材を有する血栓係合ツールを示す側面図である。
図7D図7Dは、図7Cの血栓係合ツールの遠位部分を示す側面図である。
図7E図7Eは、図7Dの血栓係合ツールを通しての長手方向断面図である。
図7F図7Fは、図7Cの血栓係合ツールの遠位部分を示す斜視切欠図である。
図7G図7Gは、血栓係合ツールが付帯している遠位ストッパを通しての横断面図である。
図7H図7Hは、代替可能な遠位ストッパを通しての横断面図である。
図8図8A図8Cは、螺旋状ネジ山包絡線の近位テーパー形状及び遠位テーパー形状を示す、先端プロファイルを示す側面図及び断面図である。
図9図9は、周方向に変化する長径を有することでカテーテル内腔壁から径方向に非一様な分離を生成する螺旋状先端を示す端面図である。
図10図10は、ガイドワイヤ又は他のデバイス又は流体注入又は流体吸引のための内腔を有するカニューレ付き螺旋状先端部材を示す、端部の斜視図である。
図11図11は、オーバーザワイヤ構成の螺旋状先端構造を示す概略的な側面図である。
図12図12は、固定されたガイドワイヤ先端を有する螺旋状先端構造を示す概略的な側面図である。
図13図13は、大口径カテーテルを示す側面図である。
図14図14は、ガイドワイヤ上にわたってカテーテルを通して延びるカニューレ付きガイドレールを有する、図13のカテーテルの側面部分断面図である。
図15図15は、図16に示すようなデュアル拡張器システムを通しての横断面図である。
図16図16は、本発明によるデュアル拡張器システムの遠位部分を示す側断面図である。
図17図17は、状拡張器によって形成された遠位先端を有する、図16と同様の断面図である。
図18図18は、管状拡張器のシステムからの近位向き引き込み時に側壁を長手方向に分裂させ得るための分離ラインを有する部分を示す側面図である。
図19A図19Aは、カテーテル壁の内面上に軸線方向に延びる表面構造を有する、カテーテルの遠位ゾーンを通しての長手方向断面図である。
図19B図19Bは、カテーテル壁の内面上に、螺旋状表面構造を有する、図19Aと同様の長手方向断面図である。
図20図20は、様々な隆起構成及び溝構成を示す、図19Aのカテーテルを通しての横断面図である。
図21図21は、血栓の近位移動を容易とすること、及び、血栓の遠位移動を阻止するための、差動摩擦表面構造を有するカテーテル壁の内面を示す図である。
図22図22は、角度付きの遠位カテーテル先端を示す。
【発明の具体的説明】
【0023】
本発明によるデバイス及びシステムは、血管閉塞物に対してアクセスして回収することを可能とするカテーテルベースの技術を含む。システムのいくつかの実装では、閉塞物との係合を容易にするために、吸引カテーテルを通して前進させるための別個の推進器が設けられてもよい。システムの他の実装では、カテーテルの前方に位置した組織の存在、量、及び特性に関する情報を、臨床医に対して提供するセンサが設けられる。これにより、カテーテルの遠位先端に対して隣接しそれを超えた血栓捕捉ゾーン内の組織の識別など、例えば、カテーテルが血餅を向いているか又は血管壁を向いているかなど、貴重な診断情報を得ることができ、適切な治療計画の策定を支援する可能性がある。本明細書で使用されるように、血餅、血栓、塞栓、異物及び同種のものなどの用語は、特に説明しない限り、同義語とみなされる。
【0024】
例えば、肺動脈から肺塞栓を除去することを計画したときには、血栓を血管組織と区別し、1)血栓の存在及び位置と、2)血栓のサイズ及び形状と、3)血栓の形態及び組成とを確認することには価値があり得る。これらのすべては、本発明による単一の低プロファイルカテーテルを利用して行うことができる。さらに以下で詳細に記載する本発明のセンシングカテーテルは、限定されるものではないが、以下のモダリティ:視覚化を可能とするCMOS画像化(又はCCD)、熱感知、力感知、超音波画像化、赤外線画像化、分光トモグラフィ又は電気化学的センシングの1又は複数のセンサを含む。
【0025】
よって、センシングカテーテルは、以下のタイプ:標的閉塞物の位置、血栓対組織壁、サイズ及び形状、硬度/硬さなどの機械的特性、温度差又は形態/経年数の臨床データを提供することを可能とする。
【0026】
主に、標的組織特徴付け機能を有する肺動脈塞栓除去カテーテルの文脈において主に説明するが、本発明のカテーテルは、当該技術分野において理解されるように、深部静脈血栓症又は他の血管(例えば、神経血管、他の末梢血管、冠状動脈)、塞栓又は閉塞物の除去における使用に関して容易に適用することができる。本明細書において開示する任意のデバイスはまた、血餅把持及び回収機能、オーバーザワイヤ若しくは迅速交換ガイダンスのための部分長若しくは全長のガイドワイヤ内腔、恒久的な若しくは着脱可能なコラム強度増強マンドレル、薬剤、造影剤、灌流剤又は光学フィールドクリアランスの注入を可能にする、又は、カテーテルが付帯している膨張バルーンに対して膨張媒体を供給するなどの追加的な構造を組み込むように改変することもできる。
【0027】
本明細書において開示する任意のカテーテルは、偏向可能な又は予成形された、湾曲した又は角度付きの、遠位ステアリングゾーンを有してもよい。カテーテルの遠位先端を横方向に偏向させるために、少なくとも1つの、場合により2つ又は3つ以上のプルワイヤが、対応する1つ又は複数のプルワイヤ内腔を通して軸線方向に延びてもよい。単一のプルワイヤは、単一方向かつ平面における偏向を提供することができ、カテーテルの回転と協働して360度の操縦性を得ることができる。2つ又は3つ以上のプルワイヤは、典型的にはカテーテルボディの外周上に等間隔に配置されることで、カテーテルを回転させる必要なく、より大きな操縦性を可能とする。遠位先端の偏向された又は予成形された湾曲又は角度は、組織捕捉ゾーンを第1標的組織(例えば、健康な血管壁)から第2標的組織(例えば、血栓)へと方向転換させることができる。本発明のカテーテルは、本明細書の開示を考慮して当業者には容易に明らかであるように、意図された臨床用途及び所望の機能性に応じて上記の特徴点どうしの任意の組合せを含むことができる。
【0028】
加えて、本発明は、主に、肺動脈から閉塞性物質を除去するという文脈で説明されるが、第1標的組織を除去又は治療する又はカテーテルを異なる第2標的組織へと方向転換するという臨床的決定を支援するために標的組織を特徴付けることが望ましいと考えられる場所であれば、身体全体に使用するための適用可能性がある。例えば、本発明によるセンシングカテーテルシャフトは、動脈及び静脈の両方の冠状動脈、末梢血管及び神経血管系、消化管、尿道、尿管、卵管及び他の内腔及び潜在的な内腔全体にわたって使用するための寸法であってもよい。本発明によるセンシングカテーテルはまた、固形組織標的への診断的又は治療的なアクセス(例えば、乳房又は肝臓又は脳の生検又は組織切除)、表面特性評価のための脊椎などの骨へのアクセス及び他の用途など、低侵襲性の経皮組織アクセスを提供するために使用されてもよい。
【0029】
図1A及び図1Bを参照すると、センシングカテーテルは一般に、近位端12と遠位機能端14との間に延びる長尺のフレキシブルな管状ボディ10を含む。管状ボディの長さは、所望の用途に依存する。例えば、約120cm~約150cm又はそれを超えるカテーテルの長さは、大腿アクセス経皮経管冠状動脈用途での使用に典型的である。頭蓋内又は他の用途では、当該技術分野で理解されるように、血管アクセス部位に応じて異なるカテーテルシャフト長さが要求されてもよい。
【0030】
大腿静脈アクセス部位を介して肺塞栓症を治療することを意図した特定の実施形態では、カテーテル10は、一般に、一次治療カテーテルについては、約80cm~約110cmの範囲内の軸線方向長さを有し、一次カテーテルを通して前進することを意図した二次カテーテルについては、約130cm~約150cmの範囲内の軸線方向長さを有することになる。外径は、手順及び意図された臨床性能に応じて約8F~約32Fの範囲内であってもよい。
【0031】
カテーテル10の遠位端14は、血餅、血管壁又は他の標的組織を特徴付けるための少なくとも1つのセンサ16を備える。光学的な視覚化を意図した実施形態では、CMOS又はCCDチップなどの光学的センサは、カテーテルの遠位端に、又は近位のハンドピース若しくはモジュール内に、配置されてもよく、カテーテルの長さ全体にわたって軸線方向に延びる光ファイバ部材に対して光学的に結合されてもよい。LEDなどの光源もまた、カテーテルの遠位端に又はカテーテルの近位端に備えられ、カテーテルボディを通して延びる光ファイバライトガイドに対して光学的に結合される。
【0032】
カテーテル10は、追加的に、カテーテル10の遠位端14上のガイドワイヤポートと近位のガイドワイヤポートとの間に延びるガイドワイヤ内腔17を備えてもよい。近位のガイドワイヤポートは、迅速交換実装ではカテーテル10の側壁を通ってもよく、又はオーバーザワイヤ構成ではハブ27上に設けられてもよい。カテーテルの機能性に応じて、1つ又は2つ以上の追加的なポート又は電気コネクタが近位ハブ27上に設けられてもよい。
【0033】
カテーテルは、少なくとも1つの注入内腔18、図示の実施形態では2つの注入内腔を備え、近位ハブ27上の近位注入ポート22からカテーテルの遠位端14上の対応する出口ポートへと延びる。カテーテル10上の遠位ステアリングゾーンを横方向に偏向させるために、偏向機構が備えられてもよい。一実装では、プルワイヤ内腔19は、ハブ27によって付帯された近位の偏向制御部材(図示せず)から延び、偏向機構へと遠位向きに延びる。近位の制御部材は、カテーテルの長手方向軸線まわりに回転可能なリングなどの回転可能な制御部材、又は、回転可能なノブ、スライダスイッチ、あるいは、制御ワイヤを張力下に若しくは圧縮下に置くための他の適切な制御部材を含んでもよい。偏向機構は、カテーテル側壁の軸線方向長さが複数の横方向スロットを有する第1サイド上に設けられ、相対的に大きなカラム強度を有する対向スパイン側を残して、カテーテル10の遠位部分上に偏向ゾーンを形成してもよい。偏向ワイヤは、スロットの遠位側で側壁に対して取り付けられてもよい。偏向ワイヤを近位側へと引き込むと、管状ボディのスロット付きサイドが軸線方向に圧縮され、それによって軸線をスパイン側から離間させ管状ボディのスロット付きサイドへと向けて偏向させる。
【0034】
使用時には、可視範囲において光学的に透明な流体媒体(例えば、水又は生理食塩水)を供給源33から内腔18を通して注入し、カテーテルの前の可視化捕捉ゾーン21で血液を置換し、センサと標的組織との間に光学経路を形成する。フード20などの一時的なバリアは、血液と置き換わって視覚範囲内で光学的に不透明になる前に、光学経路内での光学的透過性媒体の滞留時間を長くするものであり望ましいものであり得る。
【0035】
図示の実施形態では、バリアは、血液流から観察領域を保護するために、自己拡張可能な円錐などの画像化フード20の形態である。バリアは、センシングカテーテルの遠位端によって付帯され、吸引カテーテルでもあり得る外側アクセスカテーテルなどの拘束部材から解放されたときに自己拡張してもよい。
【0036】
代替的には、図1Cを参照すると、画像化フード20又は他のバリアは、吸引カテーテル26によって付帯されてもよい。この実装では、センシングカテーテル10は、吸引カテーテル22内の内腔24を通して遠位向きに前進させてもよく、画像化フード20は、センサと標的組織との間の光学経路の確立を容易とするために、上記のように利用される。内腔24のIDは、画像化カテーテル10を所定位置に維持しつつ吸引内腔を提供するために、さらにガイドワイヤ28を収容するために、画像化カテーテル10のODよりも少なくとも約0.005”(約0.127mm)、いくつかの実装では少なくとも約0.010”(約0.254mm)、又は少なくとも0.015”(0.381mm)、又はそれを超えて、大きなものであってもよい。
【0037】
センシングカテーテル10が、吸引カテーテル26が所望部位に配置されたことを確認した後には、センシングカテーテル10を近位向きに引き込まれてもよく、中央内腔24を使用することにより、直接的に吸引することができる、あるいは、この中央内腔を通して血餅捕捉カテーテル(後述)を受領することができる。この時点で、画像化フード20は、吸引カテーテル内へと近位向きに血餅を前進させることを補助するという追加的なかつ明確な機能を実行することができる。
【0038】
画像化センサからの画像データは、1つ又は複数の導体によってカテーテルを通して近位向きにコネクタ30へと移送され、さらに、ケーブル32を介してプロセッサ25へと移送され、標的組織の特徴付けの視覚画像又は他の視覚指標及び/又は可聴指標へと変換される。画像は、ラップトップ、タブレット、壁掛けディスプレイ又はウェアラブルディスプレイなどの従来的なディスプレイ上に表示することができる。
【0039】
可視光領域における直接的な視覚化の代替として、様々な他の特徴付け様式が、標的組織を特徴付けするために使用されてもよい。例えば、図2A図2Bを参照すると、所与の環境において、異物及び健康な壁は、異なる表面温度を有する可能性がある。このような状況では、熱感知カテーテル34は、1つの又は2つ以上の遠位温度センサ36を備えてもよい。血管内温度センサは、例えば、「Intravascular temperature Monitoring System and Method」と題する米国特許第9,420,955号明細書に開示されており、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
代替的には、ヘモグロビン反射率測定及び場合により同時的な光学的コヒーレンストモグラフィー画像化機能をカテーテルに対して追加してもよく、これは、2011年3月31日付けで公開された、「Method and Apparatus for Simultaneous Hemoglobin Reflectivity Measurement and OCT Measurement、Thrombus Detection and Treatment、and OCT Flushing」と題する、Kempらに対する米国特許出願公開第2011/0077528号明細書に開示されており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ヘモグロビン反射率測定は、赤血球濃度が大きく相違する「赤い」血栓と「白い」血栓との間の鑑別を可能とする。
【0041】
代替的には、組織の化学組成を使用して、異物と非標的組織とを鑑別し得る信号を生成する、あるいは異なる組織タイプを特徴付ける信号を生成する、化学ベースのセンサが使用されてもよい。例えば、フィブリノーゲンを検出するために構成された赤血球膜(EM)で覆って形成された電気化学的インピーダンスバイオセンサ(EIB)を使用して、フィブリノーゲンを検出したことが報告されている。EIBを使用した測定では、EM上へのフィブリノーゲンの特異的(選択的)吸着が界面電荷移動抵抗値を明確に上昇させることを明らかとされてもよい。フィブリノーゲン検出のEIBの感知能力は、0.0001mg/mL~5mg/mLという広い線形範囲を示してもよく、検出限界は49ng/mL(144pM)である。
【0042】
好ましくは、センサは、一般に、比較的高レベルのヘモグロビン、又はフィブリノーゲン、又はプロトロンビン、又は血管壁組織内ではそれほど多くない他の凝血経路因子を検出する。
【0043】
血餅及び生来の血管壁はまた、圧縮性又は硬さなどの物理的特性において変化し得る。図3A図3Bを参照すると、これは、力感知カテーテル40の遠位端14によって付帯された1つ又は2つ以上の、力センサ、圧力センサ又は変位センサ28によって測定されてもよい。
【0044】
特定の実施形態では、第1信号で捕捉ゾーン内の組織を照会し、その後、標的組織を特徴付けるための比較のための、反射又は反発された信号を捕捉することが望ましい場合がある。例えば、図4A図4Bを参照すると、超音波カテーテル44は、捕捉ゾーン内の組織を照会するためにカテーテル44によって付帯され得る超音波送信機及び受信機チップ46を備えてもよい。
【0045】
標的組織の性質及び隣接した健康な組織の性質に応じて、電磁スペクトル内の任意の様々な他の信号が、カテーテル前方に位置した物質を識別して規定するためにカテーテルによって捕捉された反射信号と共にEMS画像化カテーテル50から伝播されてもよい。例えば、図5A図5Cを参照。
【0046】
EMS画像化カテーテル50は、EMS画像化信号を標的組織に対して送信するための1つ又は2つ以上の送信機52と、反射されたEMS信号を感知するための1つの又は2つ以上の受信機53とを含んでもよい。吸引が所望される場合には、吸引内腔54を備えてもよい。所望の機能性に応じて、1つ又は複数の動作チャネル又は送達チャネル56を備えてもよい。
【0047】
カテーテルボディ内の内腔、電気導体及び他の構造の数及び向きは、カテーテルの所望の機能性に応じて広く変化させることができる。例えば、図5Cは、図5Aのカテーテルに関する代替構成を示し、この構成では、ガイドワイヤ内腔17が、操縦可能な実装のプルワイヤ内腔19と一緒に備えられている。EMSセンサ又はセンサ/受信機アレイ58が、生理食塩水及び/又は薬物の送達及び/又は吸引などのために1つ又は2つの流体内腔18と一緒に備えられてもよい。
【0048】
捕捉ゾーン21内の物質を生来的な血管壁又は異物として特徴付けるために、本発明のカテーテル内に適合させ得る血管内センシングシステムは、例えば、2020年1月14日付けで発行され「System and method providing intracoronary laser speckle imaging for the detection of vulnerable plaque」と題する米国特許第10,534,129号明細書、2009年1月6日付けで発行され「Instrumented catheter with distance compensation to sense vulnerable plaque」と題する米国特許第7,473,230号明細書、及び、2008年11月11日付けで発行され「Detecting vulnerable plaque」と題する米国特許第7,450,241号明細書、に開示されており、これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
一般に、センシングカテーテル10の遠位端14は、少なくとも1つの信号送信面及び少なくとも1つの信号受信面を備えてもよい。送信面は、カテーテルの遠位端から、カテーテルの長手方向軸線に対して一般に遠位向きに信号を送信するように適合される。受信面は、信号の少なくとも、カテーテルの遠位端に対して全体的に近位向きに移動する成分を有する反射された戻り信号を受信するように適合される。一実施形態では、送信面は、光ファイバ又は光ファイバ束の遠位端、遠位光源、又は、光ファイバ若しくは光ファイバ束若しくは遠位光源の遠位端のところに配置されたレンズであってもよい透明ウィンドウを含む。同様に、受信面は、受信光ファイバ又は遠位センサの遠位端、受信光ファイバ又はセンサの遠位向きに配置されたレンズであってもよい透明ウィンドウを含んでもよい。一実施形態では、各々が固有の通信ラインを介して分光器と通信する2つの送信面と2つの受信面とを備えてもよい。
【0050】
センサからの電気信号は、患者の外部に留まる分光器又は感知された信号に適した他のデバイスに送信されてもよい。RGB及び他のUV、可視波長及びIR波長を測定するなどの分光計の構成及び使用は、とりわけパルスオキシメトリ技術において充分に理解されており、本明細書では詳細には開示しない。一般に、送信器/検出器は、複数の波長の光を送信可能であってもよく、この光は、送信面を超えて、センシングカテーテルの遠位端を超えた標的へと伝播する。透過光の一部は、標的で吸収され、他の透過光は反射して受信面で受信される。反射光は、その後、処理のために伝播される。血餅の光学的な吸収特性/反射特性を健常な血管壁と比較することで、標的組織のタイプを鑑別することができる。
【0051】
上記の任意のセンシングカテーテルは、本発明による画像案内型のPE又はDVT血栓除去システム及び手順において利用されてもよい。
【0052】
図6を参照すると、本発明による血栓塞栓に対してアクセスして回収するためのシステムは、一般に、大口径(例えば、24Fr)カテーテルなどのアクセスカテーテル60と、吸引又は排出カテーテル62と、別個のセンシングカテーテル64であってもよい任意選択的な画像化機能と、排出カテーテル62を通して延ばし得るように構成された血餅回収ツール66とを含んでなる。
【0053】
方法及びシステムの使用の一例について、以下に説明する。
【0054】
大腿静脈アクセス又は内頸静脈アクセスは、従来技術を使用して行われる。
【0055】
24Frカテーテルなどのアクセスカテーテル60を右心室を通して肺動脈内へと前進させる。
【0056】
近位肺動脈内の血栓除去のために、アクセスカテーテルに吸引を適用してもよい。それが失敗した場合には、血餅回収ツール66などの機械的促進デバイスをアクセスカテーテル60を通して前進させることで血餅除去を補助してもよい。それが失敗した場合には、排出カテーテル62を24Frアクセスカテーテル40を通して前進させ血栓へと前進させてもよい。
【0057】
所望であれば、画像化カテーテル64を排出カテーテル62を通して前進させることで血栓を識別して検証することができる。代替的には、画像化カテーテルと排出カテーテルとが一体化された場合は、画像化素子と排出内腔との両方を有する1つのカテーテルをこの段階で24Frアクセスカテーテル60を通して前進させるだけでよい。
【0058】
画像化カテーテル64を血餅回収カテーテル66へと交換する際には、吸引をオンにして、排出用収集漏斗20のところで血栓を所定位置に保持する。
【0059】
血栓係合ツール66を血栓との係合のために血栓内へと前進させてもよい。
【0060】
血栓係合ツール66、排出カテーテル62及び係合した血栓を、24Frカテーテル60を通して近位向きに引き込む。引き込みは、血栓の付着を維持するために任意選択的な吸引の下に行われてもよい。
【0061】
場合により、画像化カテーテル64を標的血栓除去を確認し、除去すべき追加的な血栓を識別するために再導入してもよい。
【0062】
吸引、交換、係合、抽出、再画像化を所望に応じて繰り返してもよい。
【0063】
吸引後、すべてのカテーテルを取り外してもよい。
【0064】
本発明の方法及びシステムにおいて有用なデバイスに関する追加的な詳細を以下で説明する。
【0065】
図7A及び図7Bを参照すると、本明細書で開示される任意の吸引カテーテルは、血栓係合ツール2401(図7C)の回転を可能としつつ血栓係合ツール2401の遠位向き軸線方向移動範囲を制限するため、血栓係合ツール2401上の相補的ストッパと協働するための軸線方向拘束部材が備えられてもよい。
【0066】
コアワイヤ及び螺旋状先端部材の遠位向き前進を制限する方法は、コアワイヤ又はトルク部材に対して取り付けられた制限部材が、上述したように内部ストップ部材に対してスライド接触することで、又は、螺旋状部材アセンブリを内部に含有するカテーテル近位端に対して取り付けられた任意の様々な付属品若しくはデバイス上に付帯されたストップ面に対してスライド接触することで行われてもよい。これは、Tuohey-Borst又は他の止血弁付属品を含む。
【0067】
図示の実装では、拘束部材は、側壁を通して径方向内向きに延びる又は管状ボディの内面から径方向内向きに延びる少なくとも1つの突起を含み、吸引内腔の内径を制限するように、そして、血栓係合ツールによって付帯された遠位面と係合するように構成されている。拘束部材は、1つの、又は2つの、又は3つの、又は4つの、又はそれ以上の、タブなどの突起を含んでもよく、又は、図示されるように、連続的な環状の近位向き拘束面を提供する環状リングを含んでもよい。図示された実装では、拘束部材は、カテーテル内の遠位位置に配置され、例えば、遠位端から約20cm以内に又は10cm以内に又はそれ未満の範囲内に配置される。これにより、カテーテルシャフトの湾曲から切り離されてカテーテルの遠位端に対しての遠位血栓係合ツール先端の正確な位置決めが可能となり、遠位先端がカテーテルの遠位端などのプリセット位置を超えて延びることが防止される。
【0068】
他の実装では、拘束部材は、近位ハブなどのようにカテーテルの近位端に配置されてもよく、又は、ハブの近位端上などのようにカテーテルの外部にさえ配置されてもよい。例えば、血栓係合ツール66は、図6に示されるように、ハンドル70を備えてもよい。ハンドル70は、片手の2本又は3本の指の間でその長手方向軸線まわりに回転させるように構成された軸線方向長尺ボディ72を含む。複数の軸線方向に延びる平坦部又は隆起部74などの表面摩擦増強構造が、ボディ72の外面上に備えられてもよい。遠位端76は、排出カテーテル62のハブ27上において近位面78に対して回転可能にスライドするように構成されてもよい。
【0069】
特定の臨床用途では、螺旋状先端が周囲のカテーテルの先端を超えて前進し得ることが望ましく、このため、軸線方向制限システムが省略されてもよく、又は、所望の軸線方向の向きを可能とするように構成されてもよい。例えば、カテーテルの遠位端を超えた螺旋状先端の遠位向き延出は、約5mmを超えないように、又は3mmを超えないように、又は1.5mmを超えないように、又は1.0mmを超えないように、又はそれ未満であるように、制限されてもよい。
【0070】
螺旋状先端の遠位向き前進に対する制限部材は、血管壁の損傷を防ぐために、遠位向き前進が排出カテーテルの遠位端に近接した第1位置に制限される第1構成を含んでもよい。ユーザが開始した調整時には、螺旋状先端は、検査及びクリーニングの目的でカテーテルの遠位端から第2位置へと前進してもよい。制限機構のこの調整は、システムが患者の血管系内にあるときに螺旋状先端部材の望ましくない程度の露出を防止するよう、第1位置への遠位向き移動を制限するために、クリーニング又は検査後にはロックアウトされてもよい。
【0071】
図示の実施形態では、制限部材は、近位ハブ付近又はカテーテルシャフトの近位端の近位ハブ上、又は遠位先端付近で、カテーテルの側壁2403上に取り付けられた又はカテーテルの側壁2403内に組み込まれた金属(例えば、ニチノール、ステンレス鋼、アルミニウム、等)からなる円形バンド又はリング又は突起2402であってもよい。制限部材2402は、カテーテルのID内へと延びる。さらに、制限部材2402は、透視法によって可視化するために放射線不透過性であってもよい。制限部材2402は、回転コアアセンブリ上の遠位ストッパ2414(図7C)などのストッパとのスライドインターフェースを提供するために、カテーテルの内径内へと延びる例えば環状の周方向ベアリング面などの近位向き面2405を付帯する。例えば、ストッパ2414は、回転を可能としつつ遠位向き前進を制限するために、さらに、カテーテルの遠位先端との所望の関係を超えた遠位先端変位を防止するために、カテーテルの制限部材2402とインターフェースする回転アセンブリ上の径方向外向きに延びる特徴物であってもよい。
【0072】
一実装では、カテーテル内腔内に固定する前の弛緩した形態では、リング2402は、軸線方向に延びるスリットを有するC字形状又は円筒形状であり、スプリットリングを形成する。リング2402は、リングを閉塞した円形状へと圧潰する固定部材を使用して圧縮され、カテーテル(例えば、0.071”(1.8034mm)カテーテル)の内部をスライド可能となる。リングが固定部材から解放されたときは、リングはカテーテルの内径が許容する最大直径へと径方向に拡張する。リングはその径方向力はカテーテルの内面と係合し、意図された用途のために印加された力の下で軸線方向の変位に抵抗する。別の実装では、リングは完全に閉塞された連続的な環状構造(典型的なマーカーバンドのようなもの)であり、その遠位端は径方向外向きにわずかに拡径しロックエッジを形成する。リングは遠位端からカテーテル内へと挿入される。ロックエッジを有する拡径部分は、近位側から軸線方向の力が印加されたときでもリングを所定位置に保持する。
【0073】
図7D及び図7Fを参照すると、回転可能なコアワイヤの遠位セグメント2407は、コアワイヤ2410を取り囲むトルクコイル2412を含む。図示のトルクコイル2412は、逆向きの巻線を有する内側コイル2415を同心的に取り囲む外側コイル2413を含む。
【0074】
代替的には、オーバーザワイヤ構成の実施形態(例えば、図11)では、中央ガイドワイヤ上へと全体的に挿入されそのまわりで回転されるように意図された金属ワイヤブレードが埋め込まれたポリマーチューブを含む、代替可能なトルク付与可能構造が利用されてもよい。追加的に、トルク部材の内腔の幾何形状は、真空ポンプを使用することによって長尺構造の遠位端の付近で吸引カテーテル(60)を通して真空が形成されるときに、流体又は空気流を最小化して、生物学的に典型的な圧力下で内腔からの血液流を実質的に除去するために、又は、真空圧力を著しく低減させる空気漏洩を実質的に除去するために、内腔の内径とガイドワイヤとの間のスペースを最小化してもよい。
【0075】
コイル2412は、図7D図7E、及び図7Fでは、一定の直径を有するものとして示されるが、これは、コアワイヤ2410がテーパー形状である結果、コイルとコアワイヤとの間に内部閉じ込め空間を残すものである。コイル及び対応するカテーテルの内壁との間における吸引管腔の面積が最適に最大化されるときは、コイル2412の直径はコアワイヤのテーパー形状に追従して遠位向きに小さくなるテーパー形状とすることができる。これは、テーパー形状マンドレルとして機能するコアワイヤ上にコイルを巻き付けることにより、又は、当該技術分野で公知の他の技術を使用することにより達成されてもよい。この実行では、コアワイヤの外径は遠位向きに小さくなるテーパー形状とされ、他方、吸引内腔の面積は遠位向きに大きくなるテーパー形状とされる。
【0076】
図7D及び図7Eにさらに示されるように、トルクコイル2412は近位端2430と遠位端2432との間にわたって延びている。近位端2430はコアワイヤ2410のテーパー形状部分に対して固定される。図7Eに示されるように、コアワイヤ2410は、テーパー形状部分及び全体にわたって実質的に一定の直径を有し得る遠位ゾーン2434との間に遠位移行部分436を有する近位ゾーンにおける大きな直径から遠位ゾーン2434における小さな直径へとテーパー形状である。内側コイル2415の内径は、コアワイヤ2410の近位端2430のところにおける外径と相補的である(ほぼ同じである)。コアワイヤ2410のテーパー形状部分は、遠位移行部分436から近位移行部分(図示せず)へと近位向きに延び、近位移行部分よりも近位ではコアワイヤ2410は一定の直径を有する。
【0077】
トルクコイル2412は、追加的に、半田接合部2438などの近位放射線不透過性マーカー及び/又はコネクタを備えてもよい。図示の実装では、近位コネクタ2438は、環状の銀色半田バンドの形態であり、内側コイル2415を取り囲み、外側コイル2413の近位端に対して当接する。
【0078】
トルクコイル2412の軸線方向長さは、約10mm~約50mmの範囲内であってもよく、いくつかの実施形態では、約20mm~約40mmの範囲内であってもよい。遠位移行部分2436は、遠位キャップ2420の近位端から約5mm~約20mmの範囲内に配置されてもよく、いくつかの実施形態では約8mm~約12mmの範囲内に配置されてもよい。
【0079】
図7E及び図7Fを参照すると、遠位ストッパ2414は、1つ、又は2つ、又は3つ、又はそれ以上のスポーク440を備えてもよく、スポーク440は外側コイル2413から径方向外向きに延び、場合により、トルクコイル2412によって付帯された環状ハブ442によって支持される。スポーク440は、送達カテーテル内腔の内径内にスライドフィットするように構成された周縁面443を有するスライダ441を支持してもよい。好ましくは、少なくとも3つ、又は4つ、又は5つ、又はそれ以上のスポーク440が、回転バランスを提供するために周方向において等距離に離間して備えられる。図示の実施形態では、3つのスポーク440がトルクコイル2412の周方向まわりにおいて約120°間隔で離間して備えられる。
【0080】
遠位ストッパ2414は、スライダ441上などで複数の遠位面446を付帯する。遠位面446は、径方向内向きに延びる環状フランジ又はリング2402上の近位向き面2405など、送達カテーテルの内径上のストッパの近位面に対してスライド可能に係合するように構成される。上述した図7B参照。これにより、遠位ストッパ2414が送達カテーテル内で回転し得るとともに、遠位面446が停止リング2402上の近位面2405に対してスライド可能に係合する時よりも遠くへと軸線方向遠位向きに移動しないように、ベアリング面との干渉フィットが形成される。
【0081】
図7Eを参照すると、トルクコイル2412の遠位端2432は、遠位キャップ2420を備える。遠位キャップ2420は、内側コイル2415の外面に接着され、かつ、外側コイル2413の遠位端に軸線方向において遠位向きに隣接する又はオーバーラップする、放射線不透過性マーカーバンドなどの環状バンドを含んでもよい。環状フランジ2417などの近位向きに延びる取付部材が、遠位キャップ2420に、図示の実施形態では外側コイル2413に結合するために、血栓係合ツール先端2416上に備えられてもよい。遠位キャップ2420はまた、コアワイヤ2410の遠位端に直接的に又は間接的に結合されてもよい。
【0082】
血栓係合ツール先端2416は、遠位端450と、複数の近位向きの及び/又は径方向向きの係合面などの血餅係合部材とを備える。図示の実装では、血餅係合部材は近位向きに直径が増大する螺旋状フランジ452を含む。フランジは、コアワイヤ2410の長手方向軸線の延長線まわりにおいて、少なくとも約1全回転分、一般的には、約5回転未満分、又は4回転未満分、又は3回転未満分にわたって延びてもよい。螺旋状フランジは、管状送達カテーテル内でスライド可能に回転するように構成された丸められた鈍いエッジ454を備えてもよい。追加的な先端構成は、図8及び図9に関連して後述する。
【0083】
先端2416の最大ODは、一般に、ストッパ2414がストップリングと係合したときに先端2416の軸線方向動作位置で測定した際に、内部を通して塞栓治療システム2401を前進させることを意図したカテーテル吸引内腔のIDよりも、少なくとも約0.005インチ(約0.127mm)、好ましくは少なくとも約0.01インチ(約0.254mm)、又は少なくとも0.015インチ(0.381mm)、又はそれを超えて小さい。例えば、約0.050インチ~0.056インチ(約1.27mm~1.4224mm)の範囲の最大ODを有する先端は、約0.068インチ~約0.073インチ(約1.7272mm~約1.8542mm)、一実施形態では約0.071インチ(約1.8034mm)の範囲内の遠位IDを有するカテーテル内に配置されることになる。先端が送達(吸引)カテーテルの内腔内において中心合わせされた状態で、先端はカテーテルの内壁からすべての方向において、少なくとも約0.005インチ(約0.127mm)、いくつかの実施形態では少なくとも約0.007インチ(約0.1778mm)又は0.010インチ(0.254mm)又はそれを超える距離の分だけ離間される。
【0084】
よって、先端の最大ODとカテーテル内腔のIDとの間の環状空間内に(中心合わせされている場合)、妨げられない流通経路が形成される。この環状の流通経路は、真空及び螺旋状先端と協働して回転及び真空下で閉塞物質を把持してカテーテル内へと引き込む。環状の流通経路は、先端とカテーテル壁との間で塞栓物質を剪断するように構成された先端の製造公差によって生じるいかなる流通経路よりも著しく大きい。
【0085】
先端における2つの隣接したネジ山どうしの間に螺旋状チャネルがそれぞれ規定される結果、追加的な吸引量が得られる。約0.050インチ~約0.056インチ(約1.27mm~約1.4224mm)の範囲の最大ODを有する先端の螺旋状チャネルの断面積は、一般に、少なくとも約0.0003平方インチ(約0.193548平方mm)、いくつかの実施形態では少なくとも約0.00035平方インチ又は少なくとも約0.000375平方インチとなる。したがって、螺旋状先端を横切る合計吸引流通経路は、先端を通しての螺旋状流通経路と先端のODとカテーテル内腔のIDとの間に規定される環状流通経路との合計である。
【0086】
ネジ山452上の丸められたエッジ454と、ネジ山452とカテーテル内壁との間の空間との組合せは、アセンブリが塞栓物質を係合し捕捉するが鋭いエッジとカテーテル内壁との間で剪断しないように構成されるように、隣接した螺旋状ネジ山どうしの間に形成された螺旋状チャネル並びに先端2416の外部の周囲の両方を吸引することを可能とする。取付スリーブ2417を含む先端2416の軸線方向長さは、一般に、約6mm未満、好ましくは所望の性能に応じて約4mm未満、又は約3mm未満であり、又は2.5mm未満であり、又はそれよりも小さい。
【0087】
ネジ山452のピッチは、所望の性能に応じて、一般に約25度~約80度の範囲内で変化してもよい。約40度~50度の範囲内のネジ山ピッチは硬質の血餅に対して最良に機能し得るものであり、他方、約50度~70度の範囲内のピッチは軟質の血餅に対して最良に機能し得る。いくつかの実装では、ピッチは、約40度~65度又は約40度~50度の範囲内となる。
【0088】
先端2416は、追加的に、先端に対しての血餅の付着を誘引及び/又は増強するための特徴点を備えてもよい。例えば、マイクロポーラス表面、マイクロ粒子表面、ナノポーラス表面、又はナノ粒子表面などのテクスチャが、先端の材料を処理することにより又はコーティングを適用することにより、先端上に備えてもよい。ポリマー又は薬剤などの血餅誘引部位のコーティングが、先端の表面に適用されてもよい。例えば、粗面化されたポリウレタン(Tecothane、Tecoflex)コーティングを、少なくともネジ山の表面に、場合により先端の全体に適用してもよい。ポリウレタンは、望ましくは、コーティング後に溶剤処理などによって粗面化されてもよく、またコーティング前に先端の表面を粗面化することにより、先端に対してのコーティングの密着性を増強してもよい。先端の全体は、コーティングだけでなく、上述した任意の材料又は他のポリマー材料からなる均質な構造体を含んでもよい。
【0089】
代替的には、コアワイヤ2410は、血栓を引き付けるために先端に供給される負電荷の伝播を可能とするために、絶縁コーティングを備えてもよい。2つの導体が、例えば同軸構成などで、ボディの長さ全体にわたって延びてもよく、又は、単一の導体と外部接地電極とを使用してもよい。エネルギパラメータ及び考察は、Orionに対する米国特許第10,028,782号明細書、及び、Taffらに対する米国特許出願公開第2018/0116717号明細書、に開示されており、これら各開示は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。更なる代替例として、先端2416をを極低温に冷却し、先端と血栓との間に小さな凍結付着を生成することができる。血管内カテーテルに関して小さな極低温先端を形成するための考察は、Bergerらに対する米国特許出願公開第2015/0112195号明細書、及び、Rybaらに対する米国特許出願公開第2018/0116704号明細書、に開示されており、これら各開示は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0090】
図7Gを参照すると、遠位ストッパ2414を通しての横断面が図示されており、ここで、スライダ441は、連続的な周方向ベアリング面442を有する連続的な周縁壁である。3つの支柱440が、間隔を空けて配置され、内部を通して軸線方向に延びる3つの流通通路443が規定される。支柱440の前方エッジに関する表面積の合計は、好ましくは、開放された流通通路443に関する表面積の合計に対する割合として最小化される。これにより、遠位面446(図7F参照)がカテーテルの内壁上の相補的ストップ面と係合し、先端2416がカテーテルとのプリセット関係を超えて遠位向きに前進することを阻止するように、軸線方向に適切な支持を提供しつつ、吸引のための最大面積を得ることができる。支柱の前方(遠位向き)表面積の合計は、流通通路443の面積の合計に対して、一般に、約45%未満、典型的には約30%未満、又は25%未満、又は20%未満である。
【0091】
約0.028インチ(約0.7112mm)のODを有するトルクコイル2412を有する実施形態では、ストッパ2414のODは約0.068インチ(約1.7272mm)である。支柱の壁厚さは、一般に、約0.015インチ(約0.381mm)未満、典型的には約0.010インチ(約0.254mm)未満、いくつかの実施形態では約0.008インチ(約0.2032mm)未満、又は0.005インチ(0.127mm)未満、又はそれよりも小さなものである。支柱440は、カテーテルストップリングを超えての遠位向き移動に抗してアセンブリを支持するのに充分なカテーテル軸線方向の長さを有し、ストッパ2414のODの少なくとも約50%であってもよい。約0.68インチ(約1.7272mm)のODを有するストッパ2414では、支柱2440は少なくとも約0.75mm又は0.95mmの軸線方向長さを有する。
【0092】
図7Hを参照すると、それぞれが独自の支柱440によって支持された3つの異なるスライダ441を有するストッパ2414が図示される。3つの周縁面に関する円周の合計は、図7Gのような連続的な周方向の周縁面442に関する全周に対して、好ましくは約75%を超えないものであり、いくつかの実装では約50%又は40%を超えないものである。これにより、流通経路443の横断面積がさらに増加する。約0.07インチ(約1.778mm)を超えないIDと、少なくとも約0.026インチ(約0.6604mm)又は0.028インチ(0.7112mm)又は0.030インチ(0.762mm)又はそれを超えるハブ443のODとを有するカテーテルでは、流通経路443の合計は、少なくとも約0.0015インチ(約0.0381mm)、好ましくは少なくとも約0.020インチ(約0.508mm)又は0.022インチ(0.5588mm)又はそれを超えるものである。支柱440及びスライダ441の前方エッジの面積は、好ましくは約0.003平方インチ未満、好ましくは約0.001平方インチ又は0.0008平方インチ又はそれ未満である。カテーテル軸線方向において、支柱440の長さは少なくとも約0.50mm又は0.75mmであり、一実施形態では支柱440及びスライダ441の長さは約1mmである。
【0093】
図8Aを参照すると、改変された遠位先端50は、遠位先端54から近位端56へと延び、コアワイヤ58によって支持されている螺旋状ネジ山52を含む。遠位先端50の軸線方向長さは、コアワイヤ58に沿って測定した際に、少なくとも約2mm又は5mm又は10mmであり、いくつかの実施形態では約30mm又は20mmを超えないものである。螺旋状ネジ山52は、少なくとも約1全回転又は2全回転又は4全回転又はそれを超える全回転で軸線まわりを巻回すが、いくつかの実施形態では、約10回転又は6回転を超えないものである。いくつかの実施形態では、先端のネジ山部分に沿った軸線方向長さは約1回転~約8回転の範囲内である。
【0094】
この実装における螺旋状ネジ山52は、その長さ全体にわたって一定のピッチを有してもよい。ピッチは、所望の性能に応じて、1インチ(25.4mm)あたり約10個~約20個のネジ山の範囲内であってもよく、又は、1インチ(25.4mm)あたり約5個~約10個のネジ山の範囲内であってもよい。代替的には、ネジ山は、カテーテル内腔内の血栓に関して係合、搬送、把持するように設計された複数のピッチを有してもよい。遠位のピッチは、近位のピッチより小さなものであってもよい。ピッチは、ネジ山の長さに沿って連続的に変化してもよく、又は、ネジ山の近位ゾーンにおける第1の一定のピッチからネジ山の遠位ゾーンにおける第2の異なるピッチへと段階的に変化してもよい。ネジ山52は、連続した単一の螺旋状フランジを含んでもよく、又は、コアワイヤの周囲の螺旋状に配置された複数の歯又は鋸歯を形成するための複数の不連続性を有してもよい。
【0095】
回転する遠位先端により描かれる側部高さプロファイル又は包絡線は、カテーテル内腔の全体的に円筒形のIDからその長さに沿って変化する直径を与え、したがってクリアランスを与える一端部上又は両端部上で、線形又は非線形のテーパー形状を有してもよい。包絡線の最大外径60(最大OD)は、ネジ山の大径によって規定され、テーパー形状は、螺旋状ネジ山部材がカテーテル内で回転される際に血栓係合及び/又は血栓クリアランスを改良するように最適化されてもよい。
【0096】
図8Aを参照すると、第1ゾーンにおける最大OD60は、カテーテル内腔内のスライドフィットの直径までであってもよく、一般的にカテーテル内腔IDより、少なくとも約0.015インチ(約0.381mm)、又は0.010インチ(0.254mm)小さいものであってもよい。いくつかの実装では、先端の最大ODは、血栓のためのより多くの空間を可能とするために、カテーテル内腔の内径よりも著しく小さなものであってもよいが、それでも血栓に対しての螺旋状ネジ山の係合を介した大きな把持力を形成し得る。一実装では、最大の螺旋状ネジ山直径は約0.110インチ(約2.794mm)であり、カテーテル内腔IDは約0.275インチ(約6.985mm)(24F)である(螺旋状ネジ山とカテーテル壁との間には0.165インチ(4.191mm)の隙間が存在する)。
【0097】
図示された実施形態では、螺旋状ネジ山ODの側面図プロファイルは、第2ゾーンで近位向きにテーパー形状であり、第3ゾーンで遠位向きにテーパー形状であり、そして、最大ODは遠位先端54と近位端56との間の軸線方向長さの中央30%又は20%又は10%で形成される。
【0098】
コア58(小径)からネジ山部材の最も外側の自由エッジ53(大径)までのネジ山の径方向深さは、上述したように大径を変化させることによって、並びに、小径を変化させることによって(コアの直径を変化させることによって)変化させることができる。コアは、その長さ全体にわたって一定の直径を有してもよく、又は、図8に見られるようにテーパー形状であってもよく、典型的には遠位向きにわずかにテーパー形状であってもよい。
【0099】
回転軸線に沿って見た場合の先端50のプロファイルは、円形であってもよく、又は、図9に見られるように回転軸線の周囲に非円形パターンを形成するように変更されてもよい。よって、端面図で見た先端は、大径62と小径64とを呈する。小径は、所望の性能に応じて、大径の約95%又は90%又は80%又は70%を超えないものであってもよい。
【0100】
特定の用途では、実質的に先端をバイパスした流通経路を残すために、先端の最大ODはカテーテルのIDの約35%又は約50%又は約60%を超えないものである。この実装では、中心合わせ構造を有していないことのために、先端は、通常は、吸引内腔の片側に向けて押し付けられる。先端とカテーテルの対向壁との間に血餅が詰まったときは、先端の手動で回転させることでウォームギアのようにして血餅に対して係合することができ、血餅を把持して(例えば、対向カテーテル側壁に対して血餅をピン止めすることにより)引き込むことができ、又は、詰まりを解放してカテーテル内への血餅の取り込みを補助することができる。
【0101】
遠位先端50の変形例が、図8B及び図8Cに図示される。図示された先端50は、位置54のところにおける非外傷性遠位先端と移行部分57との間にわたって延びる遠位前進セグメント55を含む。螺旋状ネジ山52は、移行部分57から螺旋状ネジ山52の近位端56へと近位向きに延びる。後方セグメント59が、ネジ山の近位端56と先端の近位端との間にわたって延びる。ネジ山は、近位向きに傾斜して、近位向きのアンダーカットと近位向きにおいて径方向外向きに傾斜した遠位面とを形成することができる。
【0102】
前進セグメント55の軸線方向長さは、少なくとも約1cm又は2cmであってもよく、いくつかの実装では約2cm~約4cmの範囲内である。長手方向軸線に沿った螺旋状ネジ山52の軸線方向長さは、典型的には約1cm~約5cmの範囲内であり、特定の実装ではおよそ2cm~3cmである。
【0103】
遠位先端54のところにおける前進セグメント55の外径は、一般に、約0.024インチ(約0.6096mm)未満又は約0.020インチ(約0.508mm)未満であり、一実装では約0.018インチ(約0.4572mm)である。前進セグメント55及び螺旋状ネジ山52の最大外径は、約0.020インチ~約0.050インチ(約0.508mm~約1.27mm)の範囲内であってもよく、一実装では約0.035インチ(約0.889mm)など、約0.040インチ(約1.016mm)未満である。先端50の前進セグメント、螺旋状ネジ山及び後方セグメントは、カテーテル技術において公知の任意の様々なポリマーを使用してコアワイヤ58上に成形されてもよい。
【0104】
図8Cを参照すると、第1放射線不透過性マーカー63は、前進セグメント55の直下のコアワイヤ58上に付帯されてもよい。第2放射線不透過性マーカー65は、後方セグメント59内のコアワイヤ58上に付帯されてもよい。各放射線不透過マーカーは、約0.002インチ(約0.0508mm)の直径を有する白金イリジウム合金ワイヤなどの放射線不透過性ワイヤからなるコイルを含んでもよく、コアワイヤ58の周囲に巻回され、コアワイヤ58に対して半田付けされ、約0.012インチ(約0.3048mm)などの約0.020インチ(約0.508mm)未満のコイル外径を有するROコイルを生成することができる。放射線不透過性マーカーはまた、コアワイヤ58と、成形された前進セグメント55と、後方セグメント59との間における軸線方向干渉フィットとして機能してもよく、先端50からのコアワイヤの引き抜きに抵抗することができる。
【0105】
一実装では、ネジ山52の最大ODは、前進セグメント55の最大ODを、少なくとも約15%又は25%又は30%又はそれよりも多く超えており、血餅が前進セグメント55と交差し、血餅をネジ山と係合させやすくする。ネジ山のピッチは、約0.75インチ~約0.30インチ(約19.05mm~約7.62mm)の範囲内、又は約0.10インチ~約0.20インチ(約2.54mm~約5.08mm)の範囲内、例えば約0.14インチ(約3.556mm)であってもよい。
【0106】
好ましくは、先端50の最大ODは、吸引カテーテルIDの約60%未満又は50%未満であり、カテーテルIDの約35%~約55%の範囲内であってもよい。特定の実装では、先端50の最大ODは、約0.068インチ~約0.073インチ(約1.7272mm~約1.8542mm)の範囲内のIDを有するカテーテル内で、約0.044インチ~約0.050インチ(約1.1176mm~約1.27mm)の範囲内であってもよい。
【0107】
先端50のこの構成の場合、コアワイヤ58の近位端上の遠位ストップは、遠位端54がカテーテルの遠位端を超えて、少なくともおよそ2cm~3cm、好ましくは4cm~8cm程度前進し得るように、先端50の遠位向き前進を可能とするように構成される。一実装では、遠位ストップは、近位端が吸引カテーテルの遠位端から遠位向き又は近位向きのいずれかで2cm以内又は1cm以内又は0.5cmより大きいように先端50の遠位向き前進を制限する。
【0108】
図10を参照すると、螺旋状先端部材は、ガイドワイヤ上を移動し得るオーバーザワイヤ構造の一部であってもよい。この構造により、ガイドワイヤを位置決めすることができ、螺旋状先端構造は、周囲のカテーテルと一緒に挿入することもでき、又は、ガイドワイヤ上の既に所定位置にある周囲のカテーテル内へと独立的に挿入することもできる。螺旋状先端構造は、ガイドワイヤの周囲で自由に回転させることができる。内腔66は、ガイドワイヤ又は他のデバイス又は流体をトルク部材の近位端から螺旋状先端部材の遠位先端を通して連通させるために使用してもよい。
【0109】
図11は、内部を通してガイドワイヤ70が延びる中央内腔を有するオーバーザワイヤ構成の螺旋状先端係合ワイヤ46の一実施形態を示す。本明細書で開示する他の螺旋状先端構造と同様に、これは、上述したように同軸的な周囲カテーテル内で動作することを意図する。本明細書の他の場所で説明する実装の場合と同様に、係合ワイヤ46は、近位ハブ又はハンドル70と、遠位先端50との間にわたってトルクを伝達するように構成された長尺フレキシブルボディを含む。ボディは、本明細書の他の場所で開示するようなトルクコイル構造を含んでもよく、典型的には隣接するコイルとは逆向きに巻回された2つ以上の同心コイルを有する。係合ワイヤ46は、場合により軸線方向に延びる長手方向安定化部材82を含む。好ましくは、トルクコイルは、収縮包装チューブなどのポリマージャケット内に封入される。
【0110】
螺旋状先端は、代替的には螺旋状先端の遠位端から延びる固定ガイドワイヤ72付き遠位前進セグメント(図12を参照されたい)を有してもよく、又は、非外傷性先端(図8B参照)を提供するためのポリマー製遠位延長部材を有してもよい。この固定ガイドワイヤ前進セグメントは、典型的には、組織を損傷することを避けるために、患者の解剖学的構造と相互作用したときは容易に曲げられる。固定ガイドワイヤ前進セグメントは、約1cm~約10cmであってもよいが、用途に応じてより短くてもより長くてもよい。
【0111】
本発明の別の態様によれば、大径カテーテル又は大径カテーテルシステムを、大きな末梢血管内への挿入から関心のある標的部位へと前進させて、容易にかつ安全にかつ効率的に追跡し得るように、カテーテル拡張器シースアセンブリが提供される。例えば大きな血管から塞栓又は血栓を除去する吸引又は他の機械的手段のためのような大径カテーテルは、約8F(0.105”(2.667mm))~約24F(0.315”(8.001mm))の範囲内の直径を有する。
【0112】
図6及び図13を参照すると、カテーテル60の一実装は、近位端52と、遠位端54と、中央内腔58を規定する側壁56とを有する長尺フレキシブル管状ボディ50を含む。図14を参照すると、長尺のフレキシブルなカニューレ付きレール又は拡張器61がガイドワイヤ70上に延び、ガイドワイヤ70と大径カテーテル60の中央内腔58の大きな内径との間の空間を占有し、送達時にカテーテル及び/又は非外傷性先端を支持するものとして示される。
【0113】
このカテーテルとカニューレ付きレールとガイドワイヤとからなるアセンブリは、カテーテルよりも容易に解剖学的課題を追跡することを意図する。この場合、カテーテルとレールとガイドワイヤとからなるアセンブリは、カテーテル送達システムの第1ステージとして機能し、大径カテーテル又は大径カテーテルシステムをこの第1ステージ上へと挿入して独立的にガイドワイヤを介して経皮的に血管(例えば、大腿静脈)内を前進させ、高度な技術を必要とすることなく、またカテーテルのキンクを引き起こすことなく、潜在的に曲がりくねった血管系を通して関心のある遠隔的な標的部位へと前進させることができる。
【0114】
カニューレ付きレール61は、約0.040”(約1.016mm)を超えない直径と、大径カテーテルの内径より約0.025”(約0.635mm)又は約0.010インチ”(約0.254mm)を下回らない程度に小さな外径とを有するガイドワイヤ内腔を有するソフトなフレキシブル円筒ボディを含んでもよい。よって、カニューレ付きレール61の壁厚さは、カテーテルの内径とガイドワイヤの外径との間の環状空間のサイズに応じて、大径カテーテルの半径より、典型的には少なくとも約0.010”(約0.254mm)だけ小さく、いくつかの実施態様では少なくとも約0.120”(約0.3048mm)だけ又はそれを超えて小さい。アクセスカテーテルのIDに応じて、レール61の壁厚さは、少なくとも約0.05インチ(約1.27mm)、少なくとも約0.075インチ(約1.905mm)、少なくとも約0.100インチ(約2.54mm)であってもよく、いくつかの実装では少なくとも約0.12インチ(約0.3048mm)であってもよい。レールの壁厚さは、ガイドワイヤ内腔の内径を超えてもよい。
【0115】
カニューレ付きレール61は、カテーテル60の遠位端54を超えて突出し得る長尺のテーパー形状付き遠位先端62を有してもよい。カニューレ付きレール61の厚い側壁は、1つ又は複数のフレキシブルポリマーを含んでもよく、拡張器の長さに沿った所望の押し込み可能性及び追跡性能に応じて、軸線方向に延びるワイヤ、金属製若しくはポリマー製の織込スリーブ又は編組スリーブ又は金属チューブなどの1つ又は複数の埋設型コラム強度増強特徴点を有してもよい。
【0116】
場合により、カテーテルの遠位端から延出することを意図しないレール又は拡張器の近位セグメントは、ガイドワイヤとは同軸ではない構造であってもよいが、カテーテル内でガイドワイヤと並行して延びる制御ワイヤであってもよく、制御ワイヤはレール構造の全長さをオーバーザワイヤ構成とすることなく、レール又は拡張器の遠位管状伸縮セグメントを引っ込めたり延ばしたりすることができる(迅速交換カテーテルに類似している)。これにより、ガイドワイヤ上を追跡する同軸セグメントが短くなるため、より短いガイドワイヤ上でのレール又は拡張器の取り外し又は挿入が可能となる。
【0117】
カテーテル60は、レール61を軸線方向に移動可能に内部に受領するためのポートを有する近位ハブ120を備えてもよい。ハブ120は、レール61の近位端のハブ126上に位置した第2相補的コネクタ124と着脱可能に係合するための第1コネクタ122などの係合構造を備えてもよい。第1コネクタ122は、ハブ126上において凹所132(例えば、環状隆起又は環状溝)などの相補的係合構造と着脱可能に係合するための、少なくとも1つの径方向に移動可能な突起130などの干渉構造を含んでもよい。レール61がカテーテル60内へと遠位向きに前進すると、突起130が凹所132内へとスナップフィットして、カテーテル60とレール61とを軸線方向にロックし、それらをユニットとして操作可能とする。
【0118】
拡張器は、大口径(例えば、24F)カテーテル60のハブ120内の止血弁を通して挿入され、拡張器ハブ126又はカテーテルハブ120上の保持クリップが他方のハブ上の相補的凹所内にスナップ係合するまでカテーテルを通して前進させる。この係合した構成では、24Fレール拡張器61のフレキシブルな遠位端は、24Fカテーテル60の遠位端54を超えて少なくとも約5cm又は10cm、いくつかの実施態様では少なくとも約15cm又は20cm延びることとなる。レール拡張器及び24Fカテーテルシステムは、その後、先に配置されたガイドワイヤ上を通してさらには導入器シース内へと遠位向きに前進駆動される。
【0119】
本発明による拡張器とカテーテルとの組合せは、拡張器の遠位ゾーンの柔軟性と、対応するカテーテルよりも拡張器の長さがより長いこととの両方に基づいて、従来技術によるシステムに対して区別される。典型的には、拡張器は、そのカテーテルに対して一致した一様な硬さ及び長さを有し、拡張器の短い非外傷性先端のみがカテーテルの遠位端を超えて延びる。本発明の拡張器は、支持性を有する近位端とフレキシブルな遠位端とを有し、拡張器の合計長さは、カテーテル60よりもはるかに長く、一例として、以下の手順を可能とする。
【0120】
使用時には、0.035”(0.889mm)ガイドワイヤなどのガイドワイヤ70を、従来技術を使用して、透視法によって選択された血管内へと前進させる。場合により上面上にカテーテル60が取り付けられたカニューレ付きレール61をガイドワイヤ70の近位端上に装填し、レールの遠位端が標的部位の位置に来るまでワイヤ上を遠位向きに前進させる。
【0121】
その後、24Fカテーテル60をレール61からロック解除し、レール61とガイドワイヤ70との組合せによって支持しつつ、レール61上を所望部位へと前進させる。レールのカバーされていない前進セクションが、心臓を通しての困難な屈曲部分を既に横断しているために、カテーテル61は、この時点では、レールの前進セクション上をスライドするだけで最終標的部位にまで容易に通過することができる。レールの支持的な近位ゾーンとフレキシブルな遠位前進セクションとは、例えば大静脈から心臓の三尖弁と肺動脈弁とを通して中枢肺動脈内へと入るPE治療において、組織を損傷する心配なく(非外傷性のフレキシブルな先端)、また拡張器を損傷する心配なく(フレキシブルで大きな壁厚さの「中実」拡張器構造に基づく、大きなキンク抵抗性)、最も困難な解剖学的構造を通しての送達の容易さを可能とする。
【0122】
カニューレ付きレール61は、又は、カニューレ61とガイドワイヤ70との組合せは、その後、近位向きに引き出されてもよく、大口径カテーテル60を本明細書の他の場所で開示する任意の吸引カテーテルなどの治療カテーテルを標的部位へと導くための位置に残し得る。
【0123】
図15を参照すると、大径(LD)カテーテル60は、いくつかの状況では、追加的な機能(例えば、血餅把持カテーテル62、画像化カテーテル10又は機械的血栓除去ツール66)を導入する目的で、及び/又は、小径(SD)カテーテルを解剖学的構造内においてより遠位位置へと伸縮させる目的で、その中央内腔を通してSDカテーテルを有してもよい。LDカテーテル60とSDカテーテルとを単一システムとして送達可能とするために、SDカテーテルは、支持のためのコア拡張器68を有してよく、SDカテーテルの外径とLDカテーテル60の内径との間の隙間は、第2の管状拡張器71によって維持又は支持されてもよい。管状拡張器71は、SDカテーテル41からLDカテーテル40への滑らかなテーパー形状移行のために、成形された遠位先端72を有してもよい。コア拡張器の遠位端34は、薄い厚さのSD拡張器の遠位テーパー形状と相補的なテーパー形状を備えてもよく(図16)、又は、コア拡張器の遠位端34は、LDカテーテルの遠位端のところで終端してもよい(図17)。
【0124】
SDカテーテル41の内部のコア拡張器68と、2つのカテーテルの間に位置した管状拡張器70は、単一(SD+LD)カテーテル+(コア+管状)拡張器システムを形成するためのインターロック機能を有してもよい。例えば、相補的なコネクタが、システム構成部材の近位端上に位置したハブ上に備えられてもよい。
【0125】
図17を参照すると、管状拡張器70の先端は、ガイドワイヤ内腔76に対してテーパー形状であるように構成されてもよく、よって、小径カテーテル41が所定位置にある場合は、小径カテーテル41を覆って小径カテーテル41を超えて遠位向きに延びる。管状拡張器70の先端は、1回又は複数回にわたって切り込まれた又は穿孔された長手方向に延びるスリット78を備え、先端を長手方向に分裂させ、LDカテーテルとSDカテーテルとの間の空間内へと引き込むことができ、小径カテーテル41の遠位端を完全に露出させることができる。図18参照。
【0126】
単一(SD+LD)カテーテル+(コア+管状)拡張器システムは、近位ハブにおいて予め組み立てられ、着脱可能にインターロックされてもよい。SDカテーテルが異なる直径のLDカテーテルと組み合わせて使用され得るように、一連の外径及び壁厚さを有する追加的な管状拡張器を備えてもよい。LDカテーテルは、同じ外径を有するが一連の異なる内径を有する管状拡張器を備えることにより異なるSDカテーテルと併用されてもよい。コア+管状拡張器は、単に近位向きに引っ張って両拡張器を単一システムとして引き出してもよく、又は、管状拡張器は、近位端にタブ又はハンドルを備え、引き出しときに長手方向軸線に沿って分割、剥離又は引き裂くように、スリット、切り込み、穿孔又は他の機構を設けて、管状拡張器をLDカテーテルとSDカテーテルとの間の隙間から近位向きにスライドさせる際にSDカテーテルから剥離させることができる(図18)。
【0127】
本明細書で開示される任意の血栓除去カテーテルは、内腔内へと引き込まれた血餅の挙動に影響を与えるために、中央内腔の内面上に表面構成を備えてもよい。一般に、約8F(0.105”(2.667mm))~約24F(0.315”(8.001mm))の範囲内の直径を有するカテーテルは、近位端と、遠位端と、中央内腔を規定する側壁とを有する長尺フレキシブル管状ボディを含む。アクセスカテーテル又は排出カテーテルはまた、上述したようにカテーテルの遠位端のところで血栓と係合する目的で、カテーテル内腔を通して延びる回転可能なコアワイヤ又は他の装置を含んでもよい。
【0128】
中央管腔90は、管状ボディ104の内面100によって規定され、この内面は、いくつかの実施形態では滑らかな円筒形状の表面である。しかしながら、図19A及び図19Bを参照すると、管状ボディ104の少なくとも遠位ゾーン102の内面100は、血栓を係合し、内面100に沿った血栓の無制限のスライドを制限する表面構成を備えてもよい。遠位ゾーン102は、所望の性能及び/又は製造技術に応じて、約0.5”(約12.7mm)~約12”(約304.8mm)の範囲内又はそれを超える軸線方向長さを有してもよい。
【0129】
例えば、図19Aを参照すると、血栓の近位向き取り込みを容易とするために、及び/又は、コアワイヤ又は他の血栓把持装置が内腔内で回転駆動されるときに、血栓を係合し内腔内での血栓の回転に抵抗するために、溝108によって分離された径方向内向きに延びる隆起106などの、少なくとも1つ又は5つ又は10個又はそれを超える数の軸線方向に延びる表面構造を備えてもよい。
【0130】
波形パターンはまた、血栓と管状ボディの内面との間の接触表面積を減少させることにより、血栓の近位向きの輸送を増大させ得る。周方向の間隔は、規則的であっても不規則的であってもよく、山及び谷のパターン、寸法及び分布は変更されてもよい。谷の横断面の例は、とりわけ図示された長方形、半円形又は三角形を含む。
【0131】
図19Bに示す一実装では、表面の不連続性、すなわち溝又は隆起は、遠位ゾーン102の長さに沿って一定ピッチ又は可変ピッチを有する周方向(例えば、螺旋状)構成で延びてもよい。螺旋状ガイドは、第2の向きへのコアワイヤ又は他の装置の回転に対抗するために、第1の向きに螺旋状であってもよく、又は、カテーテル内への血栓の近位向き取り込みを容易とするように、コアワイヤの回転と協力するために同じ向きで螺旋状であってもよい。溝又は隆起は、湾曲したプロファイルを有してもよく、又は、全体的に平坦若しくは円筒形の側壁を有する全体的に長方形のものであってもよい。
【0132】
別の実施形態では、管状ボディ104の遠位ゾーン102の内面100は、カテーテル内で近位向きに移動する血栓の摩擦を低減する3次元パターンであり、かつ、カテーテル内へと取り込まれた後にカテーテル内で遠位向きに移動する血栓に対して抵抗を生じさせる3次元パターンを有してもよい。このパターンは、管状ボディの全体又は遠位端において規則的であってもよく、又は不規則であってもよく、そして、カテーテル又は遠位部の長さに沿って、密度、パターン又は幾何形状が徐々にかつ漸次的に減少するものであってもよい。このパターンはまた、潤滑性コーティング又は潤滑性表面と組み合わせて提供されてもよい。
【0133】
3次元差動摩擦パターンは、カテーテルの内面上の突起110又は凹所の規則的パターン又は不規則的パターンによって規定されてもよく、各パターンは近位向きに径方向内向きに傾斜した露出面112を提供し、傾斜した各露出面112はドロップオフエッジ114などの近位向き係合表面内で近位向きに終端し、図21に示されるように軸線方向に湾曲し、ラチェットタイプ又は魚鱗タイプの構成を提供することができる。
【0134】
魚鱗は、遠位端で屈曲、ヒンジ移動又は回転してもよく、これは血栓の近位向き取り込みに影響を与えないが、血栓がカテーテル内へと取り込まれた後にカテーテル内で遠位向きに移動することに対しては追加的な抵抗を生じさせることとなる。
【0135】
代替可能な実施形態では、遠位ゾーンの内面上の差動摩擦表面構造は、比較的浅い凸又は凹の「ディンプル」であってもよく、又は、全体的に、三角形、楕円、長円弧、蛇行形状又は近位向きに径方向内向きに傾斜する複数の角度付きファイバである他の規則的な又は不規則な表面不連続性であってもよい。
【0136】
図22を参照すると、管状ボディの内腔116は、非円筒形であってもよく、代わりに、楕円形又は回転対称性を欠く他の幾何形状であって、内腔の1つ又は複数の長手方向変形により長軸よりも小さな短軸を含む。管状ボディの少なくとも内面におけるこれら長手方向変形は、管腔内の血栓又は塞栓物質に対する回転抵抗を増大させるための構造として機能する。これらの変形は、操縦可能な先端のプルワイヤのために、又は流体を供給するために、又は圧力を測定するために、又は真空若しくは他の機能を伝達するために、管状ボディの壁内にそれ自身の内腔を含んでもよい。
【0137】
管状ボディの遠位端118は、カテーテルの遠位面が、管状ボディの長手方向軸線を約30度~約60度の範囲内の角度で交差する端から端への割線を有する平面又は曲線上に存在するように角度付きであってもよい。角度付き先端の遠位面は、非平面であってもよく、1つ又は2つ又はそれ以上の変曲点又は曲線を含んでもよい。この角度付き先端は、カテーテルと血栓との間の係合に供されるより大きな表面積を提供することによって、カテーテルのナビゲーション及び血栓の取り込みを改良し得る。(例えば、Yangらに対する米国特許出願公開第2020/0001046(A1)号明細書における図31D及び関連する説明を参照、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。)
【0138】
管状ボディの遠位端の開口は、経管ナビゲーションのために、第1内径からより大径の第2内径へと拡張可能であってもよく、これにより、拡径した遠位開口を有する漏斗状の先端を提供し、管腔内への血栓の吸引を容易とする。完全に開口した漏斗の遠位開口の直径は、管状ボディの円筒形遠位端の直径を、少なくとも約5%又は10%又はそれを超えて大きなものである。(Yangらに対する米国特許第10,441,745号明細書における図4A図4I及び関連する説明を参照、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。)
【0139】
カテーテルの遠位端は、一定の外径を維持しつつ内径を増大させてテーパー形状の遠位壁を提供してもよく、又は、内径と外径とが共に増大することで円錐漏斗状の先端を提供してもよい。
【0140】
漏斗状先端は、吸引下においても構造的完全性を維持するのに充分な剛性と、サイズ、形状及び成熟度の範囲にわたって血栓を収容してカテーテル内腔内へと吸引し得るよう変形可能な充分なフレキシブルさとを有する材料から形成されてもよい。
【0141】
漏斗状先端は、血栓除去カテーテルから伸縮してもよい。長いフレキシブルなハイポチューブの端部に位置した中空円筒構造、又は、2つ以上の硬質ワイヤの端部に位置した中空円筒構造は、カテーテルを通して前進させてもよく、中空円筒構造が、遠位カテーテル先端及びその関連した周方向制限部材を超えて延出されたときに、その構造は円錐形漏斗形状内において拡張する。これらの特徴点に関する追加的な詳細は、上記においてその全体が参照により本明細書に援用された、Yangらに対する米国特許第10,441,745号明細書に見出され得る。
【0142】
血栓の抽出を増強するための内腔特徴点及び/又は遠位端特徴点を有する、血栓除去カテーテルは、肺動脈を含めた血管導管から、サイズ、形状及び成熟度に関して広範囲の血栓を、より容易かつより効率的に除去し得るものであり、治療時間の短縮と総失血量の低減とをもたらし得る。これは、血栓の近位向き移動を促進する一方で、血栓が遠位カテーテル内へと取り込まれた後にカテーテル内での遠位向きの移動に対する抵抗を生成することにより達成される。
【0143】
上記の発明及び改良は、性質として急性から成熟までの非常に広範囲の血栓の係合及び捕捉を可能とし、したがって、血流を阻害している可能性のある血管から血栓を抽出することを可能とする。追加的に、上述した構成は、螺旋状先端部材及び/又はカテーテル先端が血管壁に対して機械的に係合することに起因する血管組織損傷というリスクを低減することによって、安全性を向上させる。
【0144】
上記の説明において、異なる図面における同様の特徴点は、時にわずかに異なる用語で識別される。これは、存在しない相違点を意味することを意図したものではない。わずかに異なる特徴点は、異なる図面に図示されており、当業者は、本明細書で開示する任意の特徴点が、本明細書で開示する任意のカテーテル又は任意の他の構造と再び組み合わせされ得ることを理解するだろう。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21
図22
【国際調査報告】