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特表2023-507560交通量データを生成するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】交通量データを生成するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20230216BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20230216BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230216BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20230216BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G01C21/34
G16Y10/40
G16Y40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534332
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2020087540
(87)【国際公開番号】W WO2021123453
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】1918833.3
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515295946
【氏名又は名称】トムトム トラフィック ベスローテン フエンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】TOMTOM TRAFFIC B.V.
【住所又は居所原語表記】De Ruijterkade 154, 1011 AC Amsterdam Netherlands
(71)【出願人】
【識別番号】515288214
【氏名又は名称】トムトム ナビゲーション ベスローテン フエンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】TomTom Navigation B.V.
【住所又は居所原語表記】De Ruijterkade 154, 1011 AC, Amsterdam, Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロネーシュ, ルシアン
(72)【発明者】
【氏名】ソネンバーグ, ショーレン, スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】ポルースキー, プルゼマイスロー
(72)【発明者】
【氏名】ムンド, ヘイコ
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129CC03
2F129CC07
2F129DD24
2F129DD26
2F129DD63
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE84
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF41
2F129FF57
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181CC18
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MC04
5H181MC13
5H181MC27
(57)【要約】
電子地図によってカバーされるエリア内のナビゲート可能なネットワーク内の交通量および/または交通密度を示す交通データを生成するための方法が提供され、前記電子地図は、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含む。前記方法は、一般に、所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータを取得することであって、デバイスの前記カウントは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、前記決定されたカウントデータおよびスケーリング係数を使用して前記所与の時間に関して前記セグメントについての推定交通量を示すデータを取得することとを含み、前記スケーリング係数は時間に依存する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア内のナビゲート可能なネットワークを表す電子地図の所与のセグメントについて所与の時間に関する交通量を推定する方法であって、前記電子地図は、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられているナビゲート可能な区間と、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な区間とを含み、前記所与のセグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていない前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、前記電子地図は複数の基準セグメントをさらに含み、各基準セグメントは、交通検出器に関連付けられている前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、各基準セグメントは前記所与の時間についてのそれぞれの基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられ、前記基準スケーリング係数は、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウント、及び、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントに基づくものであり、車両の前記測定されたカウントは、前記区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づくものであり、車両に関連付けられたデバイスの前記カウントは、前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、前記方法は、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能なネットワークの前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウント、及び、前記所与のセグメントに対する前記所与の時間についての推定されたスケーリング係数を示すデータを使用して、前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記交通量を推定することであって、前記セグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられている前記電子地図の1つ以上の基準セグメントのサブセットのそれぞれに関連付けられた前記基準スケーリング係数に基づくものであり、デバイスの前記カウントは、前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った時間に関する複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記推定された交通量を示すデータを生成することと、
を含む方法。
【請求項2】
各基準セグメントに関連付けられた前記所与の時間についての前記基準スケーリング係数は、前記交通検出器データに基づく前記所与の時間についての前記測定されたカウントと、前記位置データおよび関連するタイミングデータに基づく前記所与の時間についてのデバイスの前記カウントとの比に基づくものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各基準セグメントは、時間依存基準スケーリング係数プロファイルを示すデータに関連付けられており、前記基準スケーリング係数プロファイルは、時間に対する前記基準セグメントについての前記基準スケーリング係数の変化を示す、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準スケーリング係数プロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記所与の基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示すプローブプロファイルに少なくとも部分的に基づくものである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記所与の時間は、現在の時間であり、前記基準スケーリング係数は、ライブデータに少なくとも部分的に基づくものである、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記電子地図は、基準セグメントではない各セグメントについて、前記セグメントに関連付けられた1つ以上の基準セグメントの前記サブセットを示すデータをさらに含む、請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記所与のセグメントに関連付けられている前記基準セグメントのうちの1つ以上の前記サブセットを決定することと、任意選択で、前記電子地図内の前記関連付けられたセグメントを有する1つ以上の基準セグメントの前記決定されたサブセットを示すデータを格納することとをさらに含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントに関連付けられたプローブプロファイルと前記基準セグメントのうちのいくつかに関連付けられた基準プローブプロファイルとの比較に少なくとも部分的に基づいて決定され、前記プローブプロファイルは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記所与のセグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示し、前記基準プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントの前記プローブプロファイルに最も類似すると決定された基準プローブプロファイルを有する1つ以上の基準セグメントを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントの位置に対する基準セグメントの近接度に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項7乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントに対する基準セグメントの特性、例えば機能的道路クラス(FRC)、の類似度に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項7乃至10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記所与のセグメントの前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられたプローブプロファイルの、1つ以上の基準プローブプロファイルのセットのうちのそれぞれに対する類似度を示すデータを使用して推定され、各基準プローブプロファイルは、前記推定されたスケーリング係数を決定する際に基準スケーリング係数が使用される前記1つ以上の基準セグメントのそれぞれの1つに関連付けられ、前記プローブプロファイルは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記所与のセグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示し、前記基準プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す、請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、複数の前記基準スケーリング係数に基づくものであり、前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数に対する所与の基準スケーリング係数の寄与は、前記所与のセグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルに、前記基準スケーリング係数が関連付けられている前記基準セグメントに関連付けられた前記基準プローブプロファイルの前記類似度に少なくとも部分的に基づくものである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、複数の前記基準スケーリング係数に基づくものであり、前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与は、前記所与のセグメントに対する前記基準スケーリング係数に関連付けられた前記基準セグメントの近接度に少なくとも部分的に基づくものであり、任意選択で、前記所与のセグメントにより近い基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数に、より大きな重みが割り当てられる、請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記推定されたスケーリング係数は、複数の基準スケーリング係数の重み付けされた和に基づくものである、請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の基準スケーリング係数の前記重み付けされた和を取得する際に使用するための重み付け値のセットを示すデータは、線形回帰訓練モデルを使用して取得される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記線形回帰訓練モデルは、前記ナビゲート可能な区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される前記所与の時間に関する前記基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウントを示すデータを使用する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
交通量データが必要とされる前記所与のセグメントを示すデータと、関心時間を示すデータとを受信することと、前記所与の時間を特定するために前記関心時間を示す前記データを使用することとを含む、請求項1乃至17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記所与の時間は、現在の時間または将来の時間である、請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記所与の時間は、時間間隔であり、任意選択で、所与の曜日の時間間隔などの反復時間間隔である、請求項1乃至19の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記推定された交通量を示すデータを、それが関連する前記所与のセグメントを示すデータに関連付けることと、任意選択で、前記所与のセグメントについて前記取得された推定された交通量を示すデータを送信することと、および/または、前記所与のセグメントについて前記取得された推定された交通量を示すデータをユーザに対して表示することとをさらに含む、請求項1乃至20の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記推定された交通量および/または交通密度を後の表示のために記憶することをさらに含み、かつ/または、前記推定された交通量および/または交通密度をユーザに対して表示することを含む、請求項1乃至21の何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
エリア内のナビゲート可能なネットワークを表す電子地図の所与のセグメントについて所与の時間に関する交通量を推定するシステムであって、前記電子地図は、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられているナビゲート可能な区間と、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な区間とを含み、前記所与のセグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていない前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、前記電子地図は複数の基準セグメントをさらに含み、各基準セグメントは、交通検出器に関連付けられている前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、各基準セグメントは前記所与の時間についてのそれぞれの基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられ、前記基準スケーリング係数は、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウント、及び、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントに基づくものであり、車両の前記測定されたカウントは、前記区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づくものであり、車両に関連付けられたデバイスの前記カウントは、前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、前記システムは、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能なネットワークの前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウント、及び、前記所与のセグメントに対する前記所与の時間についての推定されたスケーリング係数を示すデータを使用して、前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記交通量を推定することであって、前記セグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられている前記電子地図の1つ以上の基準セグメントのサブセットのそれぞれに関連付けられた前記基準スケーリング係数に基づくものであり、デバイスの前記カウントは、前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った時間に関する複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記推定された交通量を示すデータを生成することと、
を行わせるように構成された1つ以上のプロセッサのセットを含むシステム。
【請求項24】
コンピューティングデバイスによって読み出された場合に、請求項1乃至22の何れか1項に記載の方法に従って前記コンピューティングデバイスを動作させる命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、任意選択で非一時的なコンピュータ可読媒体に格納される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲート可能なネットワーク内の交通量を示すデータを生成するための方法およびシステムに関する。ナビゲート可能なネットワークは、電子地図によってカバーされるエリア内にあり、電子地図は、ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含む。
【背景技術】
【0002】
交通量(交通「流」とも呼ばれる)は、指定された期間に、ナビゲート可能な要素、例えば道路の所与の断面を通過する車両の数の尺度(測定値)である。
【0003】
交通量は、道路ネットワークの道路要素に関連付けられた平均移動速度(または逆に移動時間)を決定するための重要なパラメータである。道路ネットワークの異なる道路要素に関連付けられた平均移動速度(または移動時間)は、道路ネットワークを通るルートを計画するときに考慮されてもよい。例えば、ナビゲート可能なネットワークの各道路要素は、電子地図の道路セグメントによって表すことができる。ナビゲート可能なネットワークを通る最も速いルートは、例えば適切なコスト関数を使用して、道路セグメントに関連付けられた平均速度(または移動時間)データを使用して計画されてもよい。同様に、移動データの平均速度は、ルートの正確な到着時間を決定する際に使用されてもよい。道路ネットワークの道路要素に関して取得され得る交通量データが正確であればあるほど、最も速いルートおよび/または推定到着時間を決定することができる精度は高くなる。
【0004】
ナビゲーションのコンテクストにおいて重要であることに加えて、交通量は一般に、道路ネットワーク内の交通の状態を特徴付けるための重要な量である。したがって、そのような交通データの知識を有することは、交通管理および制御の目的にとって非常に有益であり得る。例えば、交通速度と共に、交通量は、多くの交通管理および制御アプリケーションにとって重要なパラメータである。一般に、交通量データは、より完全な動作性能測定値を与えるために、様々なアプリケーションに使用されてもよい。例えば、交通量データは、(典型的には交通監視システムを備えていない)迂回経路に対する移動者情報の影響を監視することを含む、ネットワーク内で発生する主要なイベントまたは事象を監視するのに有用であるかもしれないネットワークを通るリアルタイムの流れへの洞察を提供することができる。別の例として、交通量データは、例えば交通信号パターンの較正(キャリブレーション)および検証のために、交通需要パターンを決定するために使用されてもよい。交通量データは、例えば交通計画モデルで使用するための道路容量を推定するために使用することもできる。さらに別の例として、交通量データを、交通渋滞によって引き起こされる遅延(またはコスト)を報告するデータと組み合わせることによって、輸送コストを推定することができる。
【0005】
従来、交通量は、道路ネットワーク内のあるロケーションの車両の数を、手動または自動のいずれかのカウント方法を用いて直接カウントすることによって測定されてきた。自動カウントは、道路ネットワーク内の所望のロケーションに様々なセンサを採用することによって実行することができる。例えば、自動カウントのために最も広く使用されている技法は、誘導性検知(例えば、誘導性ループセンサが道路ネットワークに埋め込まれている)に依存するが、道路の所与の断面を通過する車両を自動的にカウントするためにビデオまたはレーダセンサを使用することが知られている。これらの種類のセンサは、設置および維持に費用がかかる場合があり、その利用可能性は、ロケーションによって大きく異なる。したがって、そのような直接カウント方法は、正確なデータを提供することができるが、道路ネットワークのより広いカバレッジを提供するように容易にスケーリングすることはできない。
【0006】
図9は、道路セグメントを含む地図エリアを示す。高速道路は、より暗いグレーで示されている。図は、高速道路上の誘導性ループの位置(高速道路上の暗点500)も示す。高速道路でない道路セグメントは一般に、誘導性ループを有していない。これらの道路セグメントは、明るいグレーで示されるか、単一のグレーの線を使用して示される。これは、わずかな割合の道路セグメントだけが交通流検出器を備えることを示している。
【0007】
ナビゲーションアプリケーションによって使用される地図データは、典型的には測位システム、例えばGPSまたはGNSSシステムからのロケーションデータを使用して、ルート案内アルゴリズムによって使用されるように特別に設計される。例えば、道路は線、すなわち、ベクトル(例えば、始点、終点、道路の方向であり、道路全体が何百ものそのようなセグメントから構成され、各々が始点/終点方向パラメータによって一意に規定される)として記述することができる。地図は、このような道路ベクトル、各ベクトルに関連するデータ(速度制限、移動方向等)、加えて関心地点(POI)、加えて道路名、加えて駐車場境界や河川境界等のような他の地理的特徴のセットであり、これらは全てベクトルに関して規定される。すべての地図特徴(例えば、道路ベクトル、POIなど)は、通常、GPSシステムなどの測位システムの座標系に対応するか、または関連する座標系で定義され、測位システムを通して決定されたような位置が地図に示された関連する道路上に配置されることを可能にし、および目的地までの最適ルートが計画されることを可能にする。
【0008】
所与の道路ネットワーク内では、位置検出手段(例えば、GPSデバイス)を含むデバイスに、いくつかの車両が関連付けられている。このようなデバイスは、その位置、従って車両の位置を示す位置データを、時間に関して送信することができる。このようなデータは、「プローブデータ」、またはより具体的には「車両プローブデータ」と呼ぶことができる。このようなデータに一般的に使用される別の用語は、「フローティングカーデータ」である。各デバイス(または車両)は、「プローブ」と呼ばれることがある。
【0009】
したがって、車両に関連するデバイスによって送信されたプローブデータは、ネットワークを通る車両の移動のインディケーションを提供する。いくつかの実施形態では、プローブデータを送信する車両に関連するデバイスは、ナビゲーションアプリケーションを実行するデバイスであってもよい。このようなデバイスは、「ナビゲーションデバイス」と呼ばれることがある。このようなナビゲーションデバイスは、例えば、専用のナビゲーションデバイス、又は適切なナビゲーションアプリケーションが実行される任意のモバイルデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、又は時計のような着用可能なデバイス)を含むことができ、又は、一体型車載ナビゲーションシステムを使用して実施することができる。しかしながら、プローブデータは、車両に関連付けられ、位置決定機能を有する任意のデバイスから取得された位置データを含むことができる。例えば、デバイスは、WiFiアクセスポイント又はGSMデバイスのようなセルラ通信ネットワークから情報にアクセスして受信し、そのロケーションを決定するためにこの情報を使用するための手段を含むことができる。しかしながら、典型的には、デバイスは、特定の時点における受信機の位置を示す衛星信号を受信するための、GPS受信機のようなグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)受信機を含み、それは、好ましくは一定の間隔で更新された位置情報を受信する。そのようなデバイスは、ナビゲーションデバイス、測位機能を有するモバイル電気通信デバイス、測位機能を有するウェアラブルデバイス、位置センサ等を含み得る。例えば、ナビゲーションアプリケーションは、アプリケーションを実行するデバイスに、デバイスの少なくとも現在位置を周期的にサンプリングさせることができる。このような位置データのサンプルは、「プローブ」データサンプルと呼ばれることがある。プローブデータサンプルは、少なくともデバイスの位置を含み、その位置が関係する時間を示すデータを含むことができる。
【0010】
任意選択で、他のデータをプローブデータサンプルに含めることができる。例えば、プローブデータサンプルは、緯度座標値、経度座標値および時間値、ならびに、任意選択で、方位、移動速度、高度などのうちの1つ以上などの追加の情報を含むことができる。デバイスは、プローブサンプルデータをサーバに送信するように構成される。位置データのそのようなサンプル、すなわちプローブデータサンプルは、地理的エリア内のナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を移動する複数のデバイスからサーバによって収集され得る。ナビゲート可能な要素は、電子地図のセグメントによって表すことができる。デバイスは、ネットワークの要素を移動する車両に関連付けられてもよい。所与のデバイスから得られたプローブデータサンプルは、特定のデバイスが移動した経路を示す。
【0011】
プローブデータを使用して交通量を決定するための技法が提案されている。そのような技法は、交通量データがセンサの固定インフラストラクチャを使用する従来の技法に関連するコストおよび柔軟性の欠如なしに、関心のある任意のセグメントについて取得され得るという点で有利である。しかしながら、典型的には、プローブデータは、全車両フリートの一部からのみ収集される。普及レベル(ペネトレーションレベル)は、プローブデータが収集される車両の割合として定義することができる。普及レベルはまた、普及率、サンプル率、(機器)度、または(相対)百分率(度)と呼ばれてもよい。一貫性のために、用語「普及レベル」が本明細書で使用される。現在、データが収集される車両のパーセンテージ(すなわち、「普及レベル」)は、約10%のオーダーにすぎず、いくつかのエリアではさらに少ない。低普及率および潜在的に不均一なサンプリング率は、交通量が通常、プローブデータから直接的に決定されない(かつ決定できない)ことを意味する。
【0012】
電子地図は、ナビゲート可能なネットワーク(例えば、道路ネットワーク)のナビゲート可能な要素(例えば、道路要素)を表す複数のセグメントを含む。電子地図のセグメントに対する交通量は、プローブデータ(すなわち、関連する時間にセグメントを移動するプローブのカウント)によって示される時刻tにおける車両に関連付けられたデバイスによってセグメントsによって表された要素の移動のカウント、およびスケーリング係数を使用して推定されてもよい。
【0013】
したがって、
【数1】
(式1)
ここで、
Y(s,t)は、時間tにおける(有向)道路セグメントsの交通量である。
X(s,t)は、時間tにおけるデバイスの移動に関する取得された位置データ(すなわち、プローブカウント)に基づいて車両に関連付けられたデバイスによって電子地図のセグメントによって表されたナビゲート可能な要素の移動のカウントである。
kはスケーリング係数である。
【0014】
スケーリング係数は、普及レベルを表し、この例では普及レベルの逆数である。
【0015】
表記を簡単にするために、時間tは、集約時間間隔Δtの時間単位で表されてもよい。例えば、このようなシステムの1つでは、時間をΔtとして使用し、時間tは、1時間毎の時間インジケータである(tが1時間の精度を有する)。
【0016】
したがって、スケーリング係数kは、所与の時間(例えば、集約時間間隔)についてセグメントに関連付けられたプローブカウントを、所与の時間に関するセグメントの交通量に投影するために使用される。係数k(従って、普及レベルΘ)は、この投影を正確に実行するための機能に重要であることが分かるだろう。
【0017】
参照を容易にするために、交通量、測定された交通量または移動のカウントのような特性は、測定されてもプローブデータに従っても、本明細書では、ナビゲート可能な要素、例えば関係するナビゲート可能なネットワーク、例えば道路ネットワークの道路要素を表す電子地図のナビゲート可能なセグメント、例えば道路セグメントに関して言及されてもよい。明示的に述べられていない場合でも、そのような特性、例えば、交通量またはカウントなどは、セグメントによって表された現実世界におけるナビゲート可能な要素の対応する特性を示すことが理解されるのであろう。
【0018】
誘導性ループのような交通流検出器を使用して、ナビゲート可能な要素に沿った車両のカウントを直接測定することができる。時間tにおける所与のナビゲート可能なセグメントsについての測定された総交通量は、Y(s,t)として表現される。セグメントの総交通量Y(s,t)は、関連する時間に、例えば、関連する集約時間間隔において、セグメントによって表された道路要素に沿って通過する車両の測定されたカウントに対応して取得されてもよい。この感知された又は測定された交通量は、関連する時間におけるセグメントについてのプローブカウントから交通量を投影することを可能にするスケーリング係数kを推定するために使用され得る。換言すれば、車両の測定されたカウントは、グラウンドトゥルース(地上検証データ)として働き、このグラウンドトゥルースから、測定されたカウントを同じ時間tに関するサンプルプローブカウントX(s,t)と比較することによって、係数kを直接推定することができる。上述のように、表記を簡略化するために、時間tは、例えば1時間をΔtとして使用して、Δtの時間単位で表されてもよく、時間tは時間インジケータである(tは1時間の精度を有する)。
【0019】
一般的な技術は、普及レベルを示す一定のスケーリング係数、例えば、普及レベルの逆数である係数kを決定するために交通流検出器を使用することである。一定の係数kを使用することは一般に使用されるアプローチであるが、本出願人は、普及レベルが異なる時間および/または異なる道路セグメントの間で変化するので、これが誤差を導入するかもしれないことを認識した。
【0020】
この問題を説明するために、誘導性ループの2つのセットを用いて実験を行った。第1のセットの誘導性ループは、k=5.68(Θ=17.6%)であった。誘導性ループの第2のセットを解析するためにこの結果を使用すると、12.9%の平均相対予測誤差(MRE)が得られた。推定された実際の交通流kX(s,t)と、測定された交通流Y(s,t)との間の観測された誤差は、両方とも誘導性ループの第2のセットについて、図10に示される。
【0021】
図は、第2のセットについて観測されたプローブデータおよび誘導性ループデータを使用して決定された誤差分布を示す。誤差分布は、プローブデータから総交通量を得るために使用される係数を推定するためのより良い方法が必要であることを示している。
【0022】
TomTom Traffic B.V.の名称で「Methods and Systems for Generating Traffic Volume or Traffic Density Data」と題され、2019年年8月22日に公開された国際公開2019/158438号は、道路セグメント上で検出されたプローブの平均速度および道路セグメントパラメータを使用した、道路セグメントの交通量を推定する技法を記載している。
【0023】
プローブデータを使用して交通量を推定するための別の方法は、HERE Global B.V.の名称で「traffic Volume Estimation」と題され、2015年4月30日に公開された米国特許出願公開第2015/0120174号明細書に記載されている。しかしながら、米国特許出願公開第2015/0120174号明細書に記載された方法は、依然として様々な欠点を有している。
【0024】
したがって、本出願人は、プローブデータに基づいてナビゲート可能なネットワークに関して交通量データを提供するための改善された方法およびシステムの必要性が依然として存在することを認識した。
【発明の概要】
【0025】
本発明の第1の態様によれば、電子地図によってカバーされるエリア内のナビゲート可能なネットワーク内の交通量を示す交通データを生成する方法であって、前記電子地図は、ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記方法は、前記電子地図の1つ以上のセグメントについて、
所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータを取得することであって、デバイスの前記カウントは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記所与の時間に関して前記セグメントについての推定された交通量を示すデータを取得するために前記決定されたカウントデータおよびスケーリング係数を使用することであって、前記スケーリング係数は、時間依存スケーリング係数である、こととを含み、前記方法は、前記セグメントについての前記推定された交通量を取得する際に、前記所与の時間に関して前記スケーリング係数を使用することを含む、方法が提供される。
【0026】
したがって、本発明によれば、所与の時間に前記電子地図のセグメントによって表されたナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントが取得される。前記カウントは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータ(すなわち、車両プローブデータ)に基づくものであり、すなわちそれらを使用して取得される。前記カウントデータは、前記所与の時間に関する前記セグメントの推定された交通量を取得するためにスケーリング係数と共に使用される。前記推定された交通量は、前記所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素の推定された交通量を示す。
【0027】
前記方法は、関心セグメントと呼ぶことができる1つ以上のセグメントに関して実行することができる。(関心のある)セグメントに関する交通量および/またはスケーリング係数を決定することに関連して本明細書で説明されるステップのいずれかは、1つ以上の追加の関心セグメントに関連して実行されてもよい。
【0028】
本発明によれば、前記スケーリング係数は、時間依存スケーリング係数である。前記所与の時間に関する(すなわち、それに適用可能である)前記スケーリング係数は、前記推定された交通量を取得する際に使用される。従って、時間に関して一定であるスケーリング係数を使用するのではなく、必要な推定された交通量が関係する時間に関わらず同じ(値の)スケーリング係数が使用されるように、前記スケーリング係数(の値)は、考慮される時間に応じて変化するのであろう。
【0029】
前記スケーリング係数は、好ましくは、そのような係数が測定されるのではなく、推定された、すなわち計算されたスケーリング係数である。ただし、以下に説明するように、推定されたスケーリング係数を推定するプロセスは、測定されたデータを使用することを含んでもよい。
【0030】
前記スケーリング係数は、前記セグメントの交通量を推定する際に使用される。前記交通量は、指定された期間に道路の所与の断面を通過する車両の数の尺度(測定値)である。したがって、実施形態では、セグメントの交通量を推定するために、所与の時間(例えば、所与の時間間隔内)のプローブカウントの数(すなわち、「サンプル量」)が決定され、前記決定されたサンプル量は、そのセグメントの総交通量を推定するために適切なスケーリング係数を使用してスケーリングされる。前記スケーリング係数は、例えば、それに反比例する普及率を示す。
【0031】
(前記カウントデータおよびスケーリング係数、したがって推定された交通量が関係する)前記所与の時間は、好ましくは時間間隔である。前記時間間隔は、反復時間間隔、例えば、所与の曜日に関する所与の時間間隔とすることができる。好ましい実施形態では、前記所与の時間は、所与の曜日に関する時間間隔である。
【0032】
前記所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスの前記カウントは、前記所与の時間に、例えば所与の時間間隔で、前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたそのようなデバイスのカウントとすることができる。
【0033】
デバイスのカウントを決定するために、または、車両位置データ、すなわちプローブデータを使用して他の動作を実行するために、前記位置データは、時間間隔にわたって集約されなければならない。前記所与の時間が時間間隔である実施形態では、前記時間間隔は、例えば、前記ナビゲート可能な要素を移動するデバイスの前記カウントを取得するために、前記位置データの前記集約において使用された時間間隔であってもよい。前記時間間隔は、デバイスの前記カウントを取得する際に前記位置データが集約される集約時間間隔とすることができる。セグメントによって表されたナビゲート可能な要素を移動するデバイスのカウントを取得することは、典型的には、車両に関連付けられたデバイスの移動に関する位置データ、すなわち、時間ウィンドウまたは「集約間隔」にわたる前記要素に沿ったプローブデータを集約することを含むであろうことが理解されるのであろう。前記集約間隔内の前記要素を移動する任意のデバイスは、その集約間隔に関する前記カウントを取得する際にカウントされるだろう。前記集約時間間隔が曜日の間隔などの反復間隔である場合、異なる週での前記要素の移動に関するプローブデータであるが、週の同じ日の同じ時間間隔での要素の移動に関するプローブデータが、例えば火曜日の午後3時と午後4時との間の時間間隔に関してカウントされてもよい。
【0034】
前記時間間隔は、任意の所望のサイズであってもよい。通常、交通量は1時間あたりの車両(または複数車線道路の場合は1車線あたり1時間あたりの車両でも)で報告される。いくつかの実施形態では、前記間隔は、1時間間隔である。しかしながら、前記集約時間間隔の前記サイズは一般に、例えば用途に応じて、所望に応じて選択することができる。例えば、交通渋滞のような動的な交通現象の場合、比較的短い間隔で交通量を報告することが望ましい場合があり、前記サンプル量は、約1分から約1時間までの期間にわたって集約することができる。信号機の較正、または交通計画などの他の場合には、より長い間隔にわたって交通量を報告することが望ましい場合がある。
【0035】
前記時間間隔は、所定の時間間隔のセットうちの1つとすることができる。前記時間間隔は、好ましくは規則的な時間間隔である。例えば、前記時間間隔は、週の各曜日を所定の時間単位に分割することによって取得された所定の時間間隔のセットうちの1つであってもよい。時間の前記単位は、1時間単位、または、より多いまたはより少ない粒度が所望される場合、10分などのより少ない単位、または、20分などのより多い単位であってもよい。であり得る。各時間間隔は、時間インデックスによって特定され得る。
【0036】
(前記カウントデータおよびスケーリング係数が、したがって推定された交通量が関係する)前記所与の時間は、示された関心時間に基づいて取得され得る。前記方法は、推定された交通量データが必要とされる関心セグメントを示すデータを受信することと、前記所与の時間を特定するために前記関心時間を示すデータを使用することと、対象時間を示すデータを使用してすることとを含んでもよい。前記方法は、前記所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスの前記カウントを示す前記データを取得するために、推定された交通量データが必要とされる前記関心セグメントを示す前記データと、前記関心時間を示す前記データとを使用することを含んでもよい。前記所与の時間が時間間隔である好ましい実施形態では、前記関心時間を示す前記データを使用して、前記カウントデータを取得するための時間間隔を特定することができる。前記時間間隔は、前記関心時間を包含する時間間隔であってもよい。
【0037】
前記スケーリング係数は、前記スケーリング係数の前記適用可能な値が、考慮される時間に応じて、例えば、セグメントの前記推定された交通量が必要とされる前記時間に応じて、変化するという点で、時間に依存する。
【0038】
前記方法は前記セグメントの前記推定された交通量を取得する際に使用される前記所与の時間に関する前記スケーリング係数(の値)を取得することをさらに含んでもよい。前記方法は、スケーリング係数のセットから前記スケーリング係数を選択することを含んでもよく、各スケーリング係数は、異なる時間、例えば異なる時間間隔に関するものである。他の実施形態では、前記方法は、前記所与の時間に関して前記スケーリング係数を決定すること、すなわち導出することを含む。前記方法が前記スケーリング係数を決定するステップに及ぶか否かに関わらず、前記スケーリング係数は、好ましくは推定されたスケーリング係数である。
【0039】
スケーリング係数を取得することは単に、関心時間に適用可能な適当な値を検索することを含むように、スケーリング係数を導出し、その後の使用のために格納してもよいことが想定されるが、本発明は、例えば、電子地図のセグメントに関するプローブデータ及び測定された車両カウントデータのデータベースを使用して、スケーリング係数を容易に導出することを可能にする。したがって、有利には、スケーリング係数は、例えば、推定された交通量に対する要求に応答して、必要に応じて推定されてもよい。これは、最も直近のプローブおよび測定されたカウントデータが考慮されることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、前記スケーリング係数は、オンザフライで決定、すなわち導出される。
【0040】
前記方法が前記スケーリング係数を導出することを含むか否かに関わらず、使用される前記スケーリング係数は、前記推定された交通量が必要とされる前記所与の時間に適用可能である。好ましくは、前記所与の時間は、所与の時間間隔であり、(例えば、各曜日を所定の時間単位に分割することによって得られる)所定の時間間隔のセットのうちの1つである。前記スケーリング係数がスケーリング係数のセットの一部を形成する場合、スケーリング係数の前記セットは、スケーリング係数の所定のセットであってもよい。スケーリング係数の前記セットは、各所定の時間間隔に関するスケーリング係数を含み得る。処理を容易にするために、前記スケーリング係数が関係する前記所与の時間は、前記推定された交通量データが必要とされる(かつ前記カウントデータが関係する)前記所与の時間間隔と同じであることが好ましいことが理解されるだろう。しかしながら、これは、使用される前記スケーリング係数が前記所与の時間に関連する時間間隔、例えば、前記カウント(したがって交通量)が関係する所与の時間間隔を含む、またはそれに含まれる時間間隔に関するものであれば、必ずしもそうである必要はない。
【0041】
前記方法は、使用されるべき前記スケーリング係数を取得する際に前記関心時間を示す受信データを使用することを含むことができる(これは前記係数を導出すること、または、所定の係数のセットから前記係数を選択することを含むことができる)。
【0042】
その態様のいずれかにおける本発明の好ましい実施形態では、前記セグメントを移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントは、例えば時間間隔のような複数の異なる所与の時間に関して決定され、前記決定されたカウントデータおよびそれぞれのスケーリング係数は、前記複数の異なる所与の時間のそれぞれの1つに関する前記セグメントについての前記推定された交通量を取得するために使用され、異なるそれぞれのスケーリング係数は、各異なる所与の時間に関して使用される。
【0043】
車両に関連付けられたデバイスから取得された前記位置(すなわち、プローブ)データに基づいてデバイスの前記カウントを示す前記データを取得するステップは、単に、前記関連するセグメントおよび時間についてのデバイスの前記適用可能なカウントを検索することを含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、前記方法は、異なる時間、例えば時間間隔に関して前記電子地図のセグメントによって表された前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を移動するデバイスのカウントのデータベースから前記カウントデータを取得することを含む。前記時間間隔は、本発明の方法で使用される時間間隔に対応してもよく、または、前記適切なカウントデータは、前記データベース内の他の時間間隔に関するカウントデータから導出されてもよい(例えば、より小さい時間間隔についてのカウントデータを合計することによって)。他の実施形態では、前記方法は、前記カウントデータを決定するステップに及ぶ。
【0044】
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータを取得することと、前記所与の時間に関して前記セグメントを移動する車両に関連付けられたデバイスの前記カウントを決定するために前記位置データおよび関連するタイミングデータを使用することとを含む。これは、時間に関する前記位置データの適切なフィルタリングを使用して実行することができる。デバイスの前記カウントは、前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられたデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータのみを用いて、すなわち、プローブデータのみを用いて、また、例えば、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に関連付けられたセンサから取得された他の形式のデータを用いることなく、取得されてもよい。
【0045】
前記スケーリング係数は、前記セグメントの普及レベルを示す。例えば、前記スケーリング係数は、普及レベルと逆の関係にあってもよい。
【0046】
従って、本発明は、セグメントに対する前記スケーリング係数の最も適切な値が、考慮される時間に依存することを認識する。言い換えれば、前記セグメントについてのプローブデータに従った車両によるセグメントの移動のカウントに基づいて交通量をより正確に推定できるようにするためには、考慮されている前記時間を考慮に入れる必要がある。所与のセグメントについて、プローブカウントを、推定された交通量に最も正確に投影する前記スケーリング係数は、例えば、1日の部分の間および/または曜日間で異なり得る。
【0047】
本発明によれば、前記時間依存スケーリング係数は、任意の適当な方法で取得することができる。前記方法は、異なる時間に関するスケーリング係数のデータベースから、前記所与の時間に関する前記スケーリング係数を取得することを含むことができる。他の実施形態では、前記方法は、前記スケーリング係数(または、実施形態では、異なる時間に関するスケーリング係数のセット)を決定するステップに及ぶ。
【0048】
前記スケーリング係数は、時間に関して連続した値を形成する値を有する異なる時間に関して取得されたまたは取得可能なスケーリング係数のセットのうちの1つであってもよく、または、異なる時間(または時間間隔)に関してそれぞれ取得されたまたは取得可能な離散的なスケーリング係数のセットのうちの1つであってもよい。例えば、各々が異なる時間間隔に関する、離散的なスケーリング係数のセットを提供することができる。前記スケーリング係数は、時間に依存する関数を使用して取得されてもよい。前記関数は、時間に関する連続的な値、または時間に関する離散的な値のセットを形成する異なる時間についてのスケーリング係数を提供するように構成されてもよい。
【0049】
時間依存スケーリング係数を推定するために、様々な技術を使用することができる。前記技術は、異なる時間に関して、そのようなスケーリング係数のセットを提供するために使用され得る。
【0050】
前記スケーリング係数は、前記要素に関連付けられた少なくとも1つの交通検出器によって検出される前記所与の時間に関して前記電子地図のセグメントによって表された1つ以上のナビゲート可能な要素を移動する車両のカウントと、前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータを使用して決定される前記所与の時間に関してそのようなナビゲート可能な要素の各々を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントとを示すデータを使用して決定、すなわち導出することができる。したがって、両方のそのようなデータタイプが存在するセグメントのスケーリング係数は、少なくとも1つの交通検出器を使用して決定されるような、且つプローブデータに基づいて決定されるような時間(たとえば、集約時間間隔)についての前記セグメントによって表された前記要素を移動する車両のカウント間の関係に基づいて導出されてもよい。関心セグメントの前記スケーリング係数は、前記セグメント自体に関係するそのようなデータ、および/または1つ以上の基準セグメントに関係するそのようなデータに基づくことができる。簡単にするために、前記時間は、前記推定された交通量を取得するためのプローブデータに基づく前記カウントの前記判定において使用される同じ時間または時間間隔に対応し得るが、前記推定交通量が必要とされる、例えばその時間間隔に含まれるまたはその時間間隔を含む、前記所与の時間に、結果として生じるスケーリング係数が関連するのであれば、他の時間間隔が使用されてもよい。従って、単純な実施形態では、前記スケーリング係数は、前記所与の時間について、そのような両方の形式のデータが利用可能であるセグメントについてのプローブデータおよび測定されたカウントデータを用いて取得された、測定されたスケーリング係数であってもよい。これは、考慮される時間にかかわらず、一定のスケーリング係数が使用される従来技術の構成とは対照的である。しかしながら、好ましい実施形態では、前記スケーリング係数は、他のセグメントに関するプローブデータおよび測定されたカウントデータを使用して推定される。
【0051】
両方のタイプのデータが異なる時間について利用可能である少なくともいくつかのセグメントについてのプローブデータおよび交通検出器データに基づく交通カウントの比較に基づいて、関心セグメントについてのスケーリング係数が、異なる時間について導出される、様々な可能性が想定され得る。そのようなセグメントは、前記関心セグメントおよび/または1つ以上の基準セグメントのセットを含むことができる。本発明は、交通検出器データが利用できない関心セグメントについてスケーリング係数を得ることを可能にし、したがって、前記スケーリング係数を決定する際に使用される前記セグメントは、前記関心セグメントではなく、1つ以上の基準セグメントのセットを含むことができる。前記スケーリング係数は、推定されたスケーリング係数である。異なる(基準)セグメント間の集約のいくつかの形態が、考慮される各時間についての全体的なスケーリング係数値を得るために想定され得る。
【0052】
いくつかの好ましい実施形態では、前記(関心)セグメントの前記スケーリング係数は、推定されたスケーリング係数であり、前記(関心)セグメントに関連付けられたプローブプロファイルの、1つ以上の基準プローブプロファイルのうちのそれぞれの1つに対する類似度を示すデータを使用して推定され、各基準プローブプロファイルは、それぞれの基準セグメントに関連付けられている。本明細書で使用されるセグメントまたは基準セグメントに関するプローブプロファイルまたは基準プローブプロファイルは、前記セグメントまたは基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記セグメントまたは基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示すプロファイルを指す。
【0053】
前記スケーリング係数は、前記セグメントについての前記プローブプロファイルの、複数の基準プローブプロファイルのそれぞれに対する類似度を示すデータを使用して推定されてもよく、各々は、複数の基準セグメントのうちの異なる1つに関連付けられている。前記スケーリング係数は、前記セグメントについての前記プローブプロファイルの、前記基準プローブプロファイルに対する類似度を示す類似度パラメータのセットを使用して推定されてもよい。前記方法は、このような類似度パラメータのセットを決定するステップを含んでもよい。類似度パラメータの前記セットは、前記基準プローブプロファイルの各々に関する前記基準プローブプロファイルに対する、前記セグメントの前記プローブプロファイルの類似度を示す類似度パラメータを含むことができる。前記類似度パラメータは連続値であってもよいし、離散レベルを含んでもよい、所定の類似度のスケールを使用して表現されてもよい。
【0054】
前記方法は、前記プローブプロファイルの、基準プローブプロファイルに対する類似度を示す前記データ、例えば類似度パラメータ、を決定するためにカーネル関数を使用することを含み得る。前記カーネル関数は、負でないカーネル関数であってもよい。前記関数は、2つのベクトル引数を受け取り、所定の範囲で単一の実数を出力してもよい。前記所定の範囲は、所望の所定の類似度の範囲、例えば0~1に対応することができる。前記カーネル関数は、2つのプローブプロファイルの類似度を、実際の値の関数結果にマッピングする。前記カーネル関数は、放射基底関数であってもよい。前記数を、前記類似度パラメータとすることができる。したがって、実施形態では、前記類似度プロファイルは、カーネル関数を使用して取得される。
【0055】
好ましくは、前記または各基準セグメントは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられたナビゲート可能な要素を表すセグメントである。したがって、これらの実施形態では、各基準セグメントは、交通検出器データが(例えば、本明細書で説明される方法を実行するサーバに対して)利用可能であるセグメントである。そのようなデータは、所与の時間(すなわち、所与の時間間隔)で前記セグメントを移動する車両の測定されたカウントを決定することを可能にする。交通検出器は、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素上の車両の存在を検出することができる任意のデバイスまたはシステムとすることができる。
【0056】
セグメントの測定された交通データが利用可能である場合には、その時間に関して前記セグメントを移動する車両の前記測定されたカウントと、その時間に関して前記セグメントについてのプローブデータを用いて決定されたカウントとの比較に基づいて、所与の時間について前記スケーリング係数の正確な値を決定することができることが理解されるだろう。
【0057】
いくつかの実施形態では、前記スケーリング係数は、1つ以上の基準スケーリング係数のセットに基づいて推定され、各基準スケーリング係数は、前記所与の時間に関する1つ以上の基準セグメントのそれぞれの1つに関して、それに関連する前記少なくとも1つの交通検出器から取得されたデータに基づいて決定されたスケーリング係数である。
【0058】
前記基準スケーリング係数は、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データ及び関連するタイミングデータに基づいて、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントと、前記基準セグメントに関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、前記所与の時間に関して前記基準セグメントを移動する車両の測定されたカウントと、を使用して決定することができる。前記基準スケーリング係数は、車両の前記測定されたカウントを、前記複数のデバイスの移動に関する前記位置データを使用して(すなわち、車両プローブデータを使用して)決定された車両の前記カウントで割ることによって決定されてもよい。
【0059】
前記スケーリング係数を推定する際に使用される前記データが関係する前記所与の時間は、好ましくは、時間間隔、例えば、集約時間間隔である。前記所与の時間は、好ましくは、推定された交通量が必要とされる前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動するデバイスの前記カウントが取得されて、前記所与の時間に関する前記セグメントの前記推定された交通量を示すデータを取得するために使用される、所与の時間に対応する。しかしながら、前記スケーリング係数を推定する際に使用される前記所与の時間が、前記推定された交通量が必要とされる前記所与の時間に適用可能であるスケーリング係数となるのであれば、例えば、その所与の時間、例えば時間間隔に少なくとも略対応する、例えば、重複する又はその中に含まれるのであれば、これは必ずしもそうである必要はない。
【0060】
好ましくは、上述の技術のいずれかに従って記載されるように得られた類似度データは、前記セグメントのスケーリング係数を導出する際に、前記基準スケーリング係数データと共に使用される。
【0061】
関心セグメントの前記スケーリング係数は、関心セグメントの前記プローブプロファイルにより類似した基準プローブプロファイルを有する基準セグメントに関連付けられた前記基準スケーリング係数により類似している可能性が高いと仮定することができる。実施形態では、前記類似度データは、前記関心セグメントについて決定された前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与を決定するために使用される。言い換えれば、前記類似度データは、各基準スケーリング係数の前記寄与を重み付けするために使用されてもよい。前記方法は、前記関心セグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルにより類似した基準プローブプロファイルを有する基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数が、前記関心セグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルにより類似しない基準プローブプロファイルを有する基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数よりも、前記推定されたスケーリング係数に対して、より大きな寄与を提供するように実行されてもよい。前記関心セグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルに対する、基準セグメントに関連付けられた前記基準プローブプロファイルの類似度が大きいほど、前記関心セグメントの前記推定されたスケーリング係数に対する前記基準スケーリング係数の前記寄与が大きくなる。
【0062】
しかしながら、前記スケーリング係数を決定する前記方法が、セグメントに対するプローブプロファイルと1つ以上の基準プローブプロファイルとの類似度の考慮を含むかどうかにかかわらず、一般に、セグメントに対する前記スケーリング係数は、1つ以上の(好ましくは複数の)基準スケーリング係数のセットに基づくものであってもよく、各基準スケーリング係数は、基準セグメントに関連付けられた少なくとも1つの交通検出器から取得されたデータを使用して、前記所与の時間に関して1つ以上の基準セグメントのセットに関して決定されたスケーリング係数である。したがって、このような実施形態では、前記または各基準セグメントは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられたナビゲート可能な要素を表すセグメントである。1つ以上の基準セグメントの前記セットは、好ましくは、プローブプロファイル類似度データがそのようなデータを取得する実施形態において取得される基準セグメントの前記セットに対応する。各基準スケーリング係数は、前記推定されたスケーリング係数に対する寄与を提供することができる。
【0063】
基準スケーリング係数を使用する任意の実施形態において、前記基準スケーリング係数は、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントと、前記基準セグメントに関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、前記所与の時間に関して前記基準セグメントを移動する車両の測定されたカウントと、を使用して決定されてもよい。前記基準スケーリング係数は、車両の前記測定されたカウントを、前記複数のデバイスの移動に関する前記位置データを使用して(すなわち、車両プローブデータを使用して)決定された車両の前記カウントで割ることによって、決定されてもよい。
【0064】
好ましくは、(前記関心セグメントに対する)前記スケーリング係数は、複数のそのような基準スケーリング係数のセットに基づくものであり、その合計に基づいてもよい。
【0065】
いくつかの基準セグメントは、セグメントの正確なスケーリング係数を導出する際に、他のものよりも重要であり得ることが見出されている。類似度データを使用する実施形態では、これは、前記基準セグメントと、スケーリング係数が必要とされるセグメントとの間の類似度にかかわらず、そうであり得る。好ましくは、基準スケーリング係数を使用する任意の実施形態において、前記(関心)セグメントに対する前記スケーリング係数は、前記複数の基準スケーリング係数の加重和(重み付け和)に基づくものである。
【0066】
基準セグメントの前記セットのそれぞれの1つに関する重み付け値を含む、重み付け値の1つ以上のセットを導出することができ、各重み付け値は、セグメントに関するスケーリング係数を決定するときに前記基準セグメントに関連付けられた前記基準スケーリング係数に割り当てられるべき重みを示す。重み付け値の前記セットは、ベクトルによって定義することができる。前記セグメントに対する前記スケーリング係数は、そのような重み付け値のセット又は複数セットを使用して取得されてもよい。重み付け値の複数のセットは、セグメントについての全体の推定されたスケーリング係数に対する基準スケーリング係数の寄与に影響を及ぼす異なる要因に関して取得されてもよい。基準スケーリング係数の全体的な寄与は、異なる因子、例えば、問題のセグメントに対する類似度に関する重み付け値、および/または線形回帰訓練モデルを実施した結果に基づくものであってもよい。
【0067】
前記(関心)セグメントの前記推定されたスケーリング係数に対する所与の基準スケーリング係数の前記寄与は、前記基準スケーリング係数が関連付けられる前記基準セグメントに関連付けられた前記基準プローブプロファイルの、前記関心セグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルに対する前記類似度に少なくとも部分的に基づくものであってもよい。
【0068】
代替的に又は追加的に、例えば、(例えば、類似度データ及び基準セグメントデータに基づいて)スケーリング係数を推定する前記方法を実施するアルゴリズムを使用して得られた結果と、測定されたデータ、即ち、交通センサデータに基づいて、そのセグメントに関連付けられた前記スケーリング係数との比較に基づいて、異なる基準セグメントの相対的重要性、即ち、セグメントのスケーリング係数を決定する際にそれと関連付けられた前記基準スケーリング係数を探索することができ、測定されたデータ及びプローブデータの両方が前記セグメントに利用可能である。これにより、プローブプロファイルの類似度に起因しない関心セグメントの前記推定されたスケーリング係数を決定する際に、基準セグメントの相対的重要性に影響を及ぼす要因を捕捉することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、前記関心セグメントの前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与は、線形回帰訓練モデルを使用して少なくとも部分的に決定される。例えば、前記複数の基準スケーリング係数の加重和を得るのに使用するための重み付け値のセットが、線形回帰訓練モデルを使用して得られてもよい。前記モデルは、(各)基準セグメントについて、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両の測定されたカウントを示すデータを使用することができる。このようなデータは、基礎真理値データとして使用することができる。
【0070】
前記線形回帰訓練モデルを使用して、関心セグメントの前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与を決定するステップは、前記所与の時間に関して1つ以上の又は複数の前記基準セグメントの推定された基準スケーリング係数を決定することと、そのような基準セグメントごとに、前記測定された基準セグメントの前記推定された基準スケーリング係数を、前記基準セグメントに関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータを使用して取得された前記セグメントの前記基準スケーリング係数と比較することと、(例えば、重み付け値のセットの)寄与の任意の調整が必要であるかどうかを決定することとを含むことができる。前記方法は、結果として前記推定された基準スケーリング係数が、前記測定された基準スケーリング係数に、より密接に一致するようにするために、推定された基準スケーリング係数に対する前記基準スケーリング係数の前記寄与を調整すること(例えば、前記基準スケーリング係数に関して重み付け値のセットを調整すること)を含むことができる。前記推定された基準スケーリング係数を前記測定された基準スケーリング係数と比較し、任意の調整が必要であるかどうかを判定し、必要であれば、そのような調整を実行するステップは、反復的に実行されてもよい。前記方法は、そのような方法で前記線形回帰訓練モデルを使用して重み付け値のセットを取得することを含んでもよい。
【0071】
本明細書で説明される実施形態のいずれかに従った方法は、1つ以上のさらなる所与の時間に関して前記セグメントの推定された交通量を取得するために繰り返されてもよい。そのようなさらなる所与の時間ごとに、適用可能なスケーリング係数が、例えば、同じさらなる所与の時間に基づいて、前記さらなる所与の時間に関連して取得、例えば推定されてもよい。
【0072】
本発明は、前記所与の時間に関して前記セグメントに対する前記スケーリング係数を推定するステップに及び、且つ、所与の時間に関してセグメントに対するスケーリング係数を推定するために使用され得る関数を導出する方法に及ぶ。
【0073】
本発明のさらなる態様によれば、電子地図によってカバーされたエリア内のナビゲート可能なネットワーク内の交通量を示す交通データを生成するための方法であって、前記電子地図は、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含む、前記方法は、
推定された交通量データが必要とされるセグメントである関心セグメントを示すデータと関心時間を示すデータとを受信することと、
前記電子地図の複数の前記セグメントのセットの各々について、前記関心時間に基づいて選択された所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータを取得することであって、デバイスの前記カウントは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記電子地図のセグメントの前記セットの基準サブセットを特定することであって、セグメントの前記基準サブセットの各セグメントは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられる、ことと、
前記電子地図のセグメントの前記セットの前記基準サブセットの各々について、それに関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器から取得されたデータに基づいて、前記所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両の測定されたカウントを示すデータを取得することと、
セグメントの前記基準サブセットのうちの各々に関して基準スケーリング係数を取得することであって、各基準スケーリング係数は、前記セグメントに関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、前記所与の時間に関して前記セグメントを移動する車両の前記測定されたカウントと、前記セグメントに沿った前記複数のデバイスの移動に関する前記位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて前記所与の時間に関して前記セグメントを移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントとに基づいて、前記所与の時間に関して決定されたスケーリング係数である、ことと、
取得された前記又は各基準スケーリング係数に基づいて、前記所与の時間に対する前記関心セグメントについての推定されたスケーリング係数を決定することと、
前記セグメントについての前記推定された交通量を取得する際に、前記関心セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った時間に関する複数のデバイスの移動に関する前記位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて、前記所与の時間に関する前記推定されたスケーリング係数と、前記所与の時間に関する前記関心セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスの前記カウントを示す前記データとを使用することと、
を含む方法が提供される。
【0074】
このさらなる態様における本発明は、本発明の他の態様および実施形態に関連して説明された特徴のいずれかまたはすべてを含むことができる。
【0075】
前記方法は、前記交通量データおよび/またはスケーリング係数を推定する様々なステップに関連して上述した特徴のいずれかを含むことができる。
【0076】
前記関心時間は、前記推定された交通量が適用される時間である。
【0077】
プローブデータに基づく前記カウントデータが適用される前記所与の時間は、上述のような所与の時間間隔とすることができる。
【0078】
前記方法は、前記電子地図の複数の前記セグメントの前記セットの各々について、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータを取得することと、複数の前記セグメントの前記セットの各々について、前記関心時間に基づいて選択された前記所与の時間に関して前記セグメントを移動する車両に関連付けられたデバイスの前記カウントを決定するために前記位置データおよび関連するタイミングデータを使用することと、を含んでもよい。デバイスの前記カウントは、前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられたデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータのみを使用して、すなわち、プローブデータのみを使用して、他の形式のデータを使用することなく、取得されてもよい。
【0079】
他の実施形態では、プローブデータに基づく前記必要なカウントデータは、異なる時間、例えば時間間隔、に関するそのようなカウントデータのデータベースから取得されてもよい。
【0080】
交通検出器データに基づくセグメントの前記基準サブセットのセグメントによって表された要素の移動の前記取得されたカウントは、前記要素に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器から取得されたデータに完全に基づいていてもよい。セグメントについての測定されたデータに基づく移動の前記カウントを取得するステップは、そのようなカウントのデータベース(例えば、異なる時間についてのそのような測定されたカウントデータを含むデータベース)から前記カウントを取得することを含んでもよく、または、前記少なくとも1つの交通検出器からのデータに基づいて前記カウントを決定するステップに及んでもよい。
【0081】
セグメントの前記セットの前記基準サブセットは、好ましくは複数のセグメントを含み、考慮されているセグメントの前記セット内の少なくとも1つの交通検出器に関連付けられたすべてのセグメントを含んでもよい。
【0082】
前記基準スケーリング係数は、車両の前記測定されたカウントを、プローブデータを用いて決定された前記カウントで割ることによって取得することができる。
【0083】
各基準スケーリング係数は、前記推定されたスケーリング係数への寄与を提供することができる。
【0084】
前記方法は、基準セグメントの前記セット内の各セグメントについて、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられたデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す基準プローブプロファイルを取得することと、
前記関心セグメントについて、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられたデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて、時間に関する前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスの前記カウントの変化を示すプローブプロファイルを取得することと、をさらに含んでもよく、
前記所与の時間についての前記関心セグメントの前記推定されたスケーリング係数は、さらに、前記関心セグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルと、前記基準プローブプロファイルのうちの1つ以上のそれぞれとの類似度に依存する。
【0085】
したがって、前記方法は、取得された前記基準プローブプロファイルの1つ以上のうちの各々(および好ましくはそれぞれの)(すなわち、基準セグメントの前記セットの1つ以上又は各々に関する基準プローブプロファイル)に対する、前記関心セグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルの類似度を示すデータを使用して、前記所与の時間について前記関心セグメントの推定されたスケーリング係数を決定することを含んでもよい。
【0086】
前記プローブプロファイルおよび基準プロファイルは、それぞれプローブデータに基づくものである。前記方法は、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する取得された位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて、前記関心セグメントについての前記基準プローブプロファイルおよびプローブプロファイルを決定すること及んでもよい。そのようなプロファイルは、例えばデータベースから、異なる時間の既存のカウントデータを使用して取得されてもよく、または、そのようなカウントデータは、前記プローブデータを使用して取得されてもよい。
【0087】
前記方法は、前記関心セグメントについての前記プローブプロファイルを、複数の基準プローブプロファイル(例えば、考慮される各基準プロファイル)の各々と比較することと、前記関心セグメントについての前記プローブプロファイルの、前記基準プローブプロファイルに対する類似度を示す類似度パラメータを決定することとを含んでもよい。したがって、前記方法は、前記関心セグメントの前記プローブプロファイルの、各前記基準プローブプロファイルに対する類似度を示す類似度パラメータのセットを取得することを含んでもよい。前記関心セグメントの前記スケーリング係数は、類似度パラメータの前記セットを使用して推定されてもよい。
【0088】
前記類似度データは、例えば、前記関心セグメントについて決定された前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与を決定するために、前記関心セグメントについて前記推定されたスケーリング係数を導出する際に前記基準スケーリング係数データと共に使用されてもよい。
【0089】
前記方法は、取得された各基準スケーリング係数と、前記関心セグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルの、前記基準プロファイルの各々に対する類似度とに基づいて、前記関心セグメントについての前記推定されたスケーリング係数を決定することを含んでもよい。
【0090】
前記関心セグメントの前記推定されたスケーリング係数は、前記基準スケーリング係数の加重和に基づくことができる。いくつかの実施形態では、前記関心セグメントについての前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与は、線形回帰訓練モデルを使用して少なくとも部分的に決定される。前記複数の基準スケーリング係数の前記加重和を取得する際に使用するための重み付け値のセットは、線形回帰訓練モデルを使用して取得されてもよい。前記線形回帰訓練モデルは、各基準セグメントについて、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、前記所与の時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両の測定されたカウントを示すデータを使用してもよい。このようなデータは、基礎真理値データとして使用することができる。
【0091】
前記関心セグメントについての前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与を決定するステップは、上述の方法のいずれかで実行されてもよい。
【0092】
関心セグメントについての全体的な推定されたスケーリング係数に対する基準スケーリング係数の寄与(度)は、前記基準スケーリング係数が関連付けられる前記基準セグメントに関連付けられた前記基準プローブプロファイルの、前記関心セグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルに対する類似度に少なくとも部分的に基づいてもよい。前記推定されたスケーリング係数が決定される前記安心セグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な要素を表すセグメントであってもよい。したがって、前記関心セグメントは、基準セグメントの前記サブセットの一部を形成しなくてもよい。
【0093】
本発明のさらなる態様によれば、エリア内のナビゲート可能なネットワークを表す電子地図の所与のセグメントについて所与の時間に関する交通量を推定する方法であって、前記電子地図は、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられているナビゲート可能な区間と、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な区間とを含み、前記所与のセグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていない前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、前記電子地図は複数の基準セグメントをさらに含み、各基準セグメントは、交通検出器に関連付けられている前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、各基準セグメントは前記所与の時間についてのそれぞれの基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられ、前記基準スケーリング係数は、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウント、及び、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントに基づくものであり、車両の前記測定されたカウントは、前記区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づくものであり、車両に関連付けられたデバイスの前記カウントは、前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、前記方法は、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能なネットワークの前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウント、及び、前記所与のセグメントに対する前記所与の時間についての推定されたスケーリング係数を示すデータを使用して、前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記交通量を推定することであって、前記セグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられている前記電子地図の1つ以上の基準セグメントのサブセットのそれぞれに関連付けられた前記基準スケーリング係数に基づくものであり、デバイスの前記カウントは、前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った時間に関する複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記推定された交通量を示すデータを生成することと、
を含む方法が提供される。
【0094】
このさらなる態様における本発明は、本発明の他の態様および実施形態に関連して説明された特徴のいずれかまたはすべてを含むことができる。
【0095】
前記方法は、前記交通量データおよび/またはスケーリング係数を推定する様々なステップに関連して上述した特徴のいずれかを含むことができる。
【0096】
前記所与の時間は、前記推定された交通量が適用される時間である。
【0097】
より前の態様および実施形態におけるように、前記所与の時間は、現在の時間または将来の時間などの任意の適当な時間であってもよい。また、前記所与の時間は、過去の時間であってもよい。前記所与の時間は、示された関心時間に基づいて取得されてもよい。前記関心時間は、本発明のより前の態様および実施形態に関して説明した方法のいずれかで決定することができる。同様に、前記所与のセグメントは、上述の方法のいずれかで決定することができ、関心セグメントと呼ぶことができる。前記関心セグメントおよび/または関心時間を示すデータは、前述のように、任意の適当なソースから受信されてもよい。
【0098】
プローブデータに基づく前記カウントデータが適用される前記所与の時間は、上述のように所与の時間間隔とすることができる。前記所与の時間は、反復時間間隔であってもよい。例えば、前記所与の時間は、所与の曜日の時間間隔であってもよい。
【0099】
前記方法は、前記電子地図の1つ以上の所与のセグメントに関して実行することができる。その場合、記載のステップは、考慮される各所与のセグメントに関して実行されるだろう。
【0100】
本発明の前述の態様および実施形態に関連して述べたように、考慮される前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられているナビゲート可能な区間と、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な区間とを含む。ナビゲート可能な区間は、前記ナビゲート可能なネットワークの1つ以上のナビゲート可能な要素の少なくとも一部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記ナビゲート可能な区間は、前記ナビゲート可能なネットワークのそれぞれのナビゲート可能な要素に対応する。
【0101】
少なくとも1つの交通検出器に関連付けられたナビゲート可能な区間は、所与の時間に前記セグメントを移動する車両の測定されたカウントが、前記区間について利用可能であるようなものである。対照的に、そのような測定されたカウントデータは、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な区間について利用可能ではない。交通検出器は、前述のように定義することができる。
【0102】
前記所与のセグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていない前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントである。したがって、前記所与のセグメントは、測定されたカウントデータが利用可能ではないセグメントである。前記所与のセグメントは、測定されたカウントデータが利用可能ではない(すなわち、任意の交通検出器に関連付けられていない)ナビゲート可能な要素を表すことができる。前記または各所与のセグメントは、「非基準」セグメントであると考えることができる。
【0103】
ナビゲート可能な区間は、前記ナビゲート可能なネットワークの1つ以上のナビゲート可能な要素の少なくとも一部分を含む。
【0104】
前記基準セグメントは、先に定義した通りであってもよい。各基準セグメントは、測定されたカウントデータが利用可能であるナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表す。各基準セグメントは、測定されたカウントデータが利用可能である(すなわち、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられている)ナビゲート可能な要素を表すことができる。前記基準セグメントは、測定されたカウントデータが利用可能である前記区間を形成する前記ナビゲート可能なネットワークの1つ以上のナビゲート可能な要素の少なくとも一部分を表すことができる。ナビゲート可能な区間は、交通検出器(複数)がどこに位置していても、測定されたカウントデータが前記ナビゲート可能な区間について利用可能であるときに、前記交通検出器に関連付けられると考えられてもよい。したがって、前記基準セグメントによって表された前記区間の部分に適用可能な測定されたカウントデータが、例えば、前記区間に沿って移動する車両のカウントを決定するために任意の適当な位置に配置された1つ以上の交通検出器から取得されたデータに基づいて利用可能であるのであれば、前記基準セグメントによって表される前記区間の特定の部分は、それ自体が交通検出器を備えていなくてもよい。
【0105】
本発明のこれらのさらなる態様または実施形態では、実際に、本明細書で説明される態様または実施形態のいずれかに従って、前記所与のセグメントは、前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の絶対カウント(絶対数)を示すデータが利用可能ではないエリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであってもよいことが理解されるだろう。反対に、前記又は各基準セグメントは、前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の絶対カウント(絶対数)を示すデータが利用可能であるエリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントである。したがって、より広義には、「非基準」および「参照」セグメントは、絶対カウントデータが利用可能であり、利用可能でないセグメントであってもよい。そのような絶対カウントデータは、本明細書で説明されるように、前記区間に関連付けられた交通検出器から取得されたデータであってもよい。
【0106】
各基準セグメントは、前記所与の時間についてのそれぞれの基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられる。前記基準スケーリング係数は、前記所与の時間について前記基準セグメントによって表された区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウントと、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントとに基づくものである。車両の前記測定されたカウントは、前記区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づくものであり、車両に関連付けられたデバイスの前記カウントは、前記区間の少なくとも一部分に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである。上述のように、前記少なくとも1つの交通検出器は、前記基準セグメントによって表された前記区間の前記部分に適用可能である(且つ、前記基準セグメントによって表された前記区間の前記部分上に必ずしも位置しなくてもよい)、そのための測定されたカウントデータを提供するように、前記区間と任意の方法で関連付けられてもよい。
【0107】
したがって、前記基準スケーリング係数は、前記所与の時間(すなわち、前記少なくとも1つの交通検出器によって測定される)の前記セグメントに適用可能な前記測定されたカウントデータと、前記所与の時間についての前記セグメントに対する車両プローブデータに基づくカウントとに基づくものである。前記基準スケーリング係数は、前記所与の時間の前記セグメントについて前記測定されたカウントとプローブデータカウントとの比(割合)に基づくものであってもよい。前記基準スケーリング係数は、車両の前記測定されたカウントを、プローブデータを用いて決定された前記カウントで割ることによって取得されてもよい。
【0108】
前記基準セグメントは、任意の適当な方法で、前記所与の時間に対する基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられてもよい。各基準セグメントは、前記所与の時間に対する前記基準スケーリング係数が取得され得る時間依存基準スケーリング係数プロファイルを示すデータに関連付けられてもよい。前記基準スケーリング係数プロファイルは、時間に関する前記基準セグメントの前記基準スケーリング係数の変化を示す。前記所与の時間に対する前記基準スケーリング係数は、前記スケーリング係数プロファイルから取得されてもよい。基準スケーリング係数プロファイルは、前記基準セグメントについてのプローブプロファイルに少なくとも部分的に基づいてもよい。プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記所与の基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す。前記基準スケーリング係数プロファイルは、そのようなプローブプロファイルと、時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の前記測定されたカウントの変化を示すプロファイルとに基づくものであってもよい。
【0109】
前記基準スケーリング係数は、ライブデータおよび/または履歴データに基づくことができる。例えば、前記所与の時間が過去であるか、現在であるか、または将来であるかにかかわらず、プローブプロファイルの形式の履歴プローブデータが、前記基準スケーリング係数を取得する際に使用されてもよい。前記プローブプロファイルは、前記基準スケーリング係数を取得する際に使用されるデバイスの前記カウントを示す。使用される前記測定されたカウントデータはまた、ライブデータおよび/または履歴データに基づいてもよい。したがって、前記基準スケーリング係数を提供するために使用される前記プローブデータおよび測定されたカウントデータは、結果として生じる係数が現在の時間に適用可能であると考えられ得るのであれば、ライブデータ、履歴データ、またはそれらの任意の組合せに基づいてもよい。有利には、前記所与の時間が現在の時間である場合、前記基準スケーリング係数は、ライブデータ、例えば、ライブ測定カウントおよび/またはライブプローブデータに少なくとも部分的に基づくものである。これにより、より正確な係数が得られる可能性がある。ライブデータは、前記ナビゲート可能なネットワークにおける現在の状態を反映すると考えられ得るデータである。履歴データは、追加的に使用されてもよいし、されなくてもよい。
【0110】
前記所与の時間に関する前記所与のセグメントの前記交通量は、前記所与の時間に関する前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能なネットワークの前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウント、すなわち前記所与の時間についての前記セグメントの車両プローブデータ、と、前記所与の時間についての前記所与のセグメントの推定されたスケーリング係数とを使用して推定され、前記推定されたスケーリング係数は、前記基準スケーリング係数のうちの1つ以上に基づくものである。
【0111】
基準セグメントについてのプローブデータおよび測定されたデータに基づく前記カウントは、ライブデータおよび/または履歴データに基づくものであってもよい。例えば、前記所与の時間が過去であるか、現在であるか、または将来であるかにかかわらず、プローブプロファイルの形式の履歴プローブデータが使用されてもよい。ライブデータは、前記所与の時間が現在の時間である場合、履歴データに加えて、または履歴データの代替として使用されてもよい。プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記所与の基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す。
【0112】
前記基準セグメントのうちの1つ、2つ以上、またはすべてに関連付けられた前記基準スケーリング係数は、前記所与のセグメントについての前記交通量を決定する際に使用されてもよい。したがって、前記推定されたスケーリング係数は、前記複数の基準セグメントのうちのいくつかに関連付けられた複数の基準スケーリング係数のセットのサブセットに基づくものであってもよく、そのサブセットは、前記基準スケーリング係数のうちの単一の1つとすることができ、またはその複数を含むことができる。
【0113】
前記方法は、前記所与のセグメントに関連付けられた前記電子地図の前記複数の基準セグメントのうちの1つ以上のうちのサブセットを決定するステップをさらに含んでもよく、前記推定されたスケーリング係数は、前記基準セグメントのうちの1つ以上の前記セットの各々に関連付けられた基準スケーリング係数に基づくものである。前記ナビゲート可能なネットワークは、前記電子地図の基準セグメントを生じさせることができる様々な区間を含むだろう。これらの基準セグメントのうちのいくつかは、前記所与のセグメントについて前記推定されたスケーリング係数を決定するときに、他のものよりも関連性が高いことがある。したがって、これらの実施形態では、前記所与のセグメントの前記推定されたスケーリング係数を決定するときに、前記所与のセグメントに関連付けられると考えられ得る基準セグメントに関連付けられた前記基準スケーリング係数のみが考慮される。前記所与のセグメントに関連付けられた前記基準セグメントの前記サブセットは、交通検出器に関連付けられた前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークの区間を表す前記電子地図の基準セグメントの総数のサブセットを形成する単一の基準セグメントまたは複数の基準セグメントとすることができる。したがって、前記所与のセグメントは、単一の基準セグメント、または複数の基準セグメントに関連付けることができる。
【0114】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記電子地図内の前記所与のセグメントを示す前記データに関連付けられてもよい。したがって、前記基準セグメントと前記関心セグメントとの前記関連付けは、既知であってもよい。他の実施形態では、前記方法は、1つ以上の基準セグメントの前記サブセットを特定することに及んでもよい。
【0115】
前記方法が、前記所与のセグメントに関連付けられた1つ以上の基準セグメントの前記サブセットを特定するステップに及ぶか否かにかかわらず、1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、任意の適当な方法で選択され得る。
【0116】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントに関連付けられたプローブプロファイルの、前記基準セグメントのうちのいくつかに関連付けられた基準プローブプロファイルとの比較に基づいて決定されてもよく、前記プローブプロファイルは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記所与のセグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示しており、前記基準プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す。したがって、前記プローブプロファイルおよび基準プローブプロファイルは、週ごとのプローブプロファイルなどの時間依存プローブプロファイルである。
【0117】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントの前記プローブプロファイルに最も類似すると判定された基準プローブプロファイルを有する1つ以上の基準セグメントを含む(またはそれに対応する)ことができる。前記類似度は、任意の適当な方法で評価され得る。例えば、単一の最も類似した基準セグメントが特定されてもよい。あるいは、各基準プローブプロファイルは、それぞれの類似度値を割り当てられてもよく、前記基準プローブプロファイルは、類似度の順序でランク付けされてもよい。所定の数の最も類似したプローブプロファイルが選択されてもよく、または、所定の閾値を超える類似度を有する全ての基準プローブプロファイルが、1つ以上の基準セグメントの前記セットに含まれてもよい。
【0118】
代替的または追加的に、1つ以上の基準セグメントの前記サブセットの選択は、前記所与のセグメントに対する基準セグメントの近接度に少なくとも部分的に基づくものであってもよい。前記近接度は、時間的および/または空間的な近接度であってもよい。例えば、基準セグメントの前記サブセットは、移動時間又は距離に関して所定の数の最も近い基準セグメントを含むか、又はそれに対応することができる。あるいは、基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントの所定の移動時間または距離内のセグメントを含むか、またはそれに対応し得る。前記距離および/または移動時間は、前記セグメント間または前記道路ネットワークに沿った直線経路に基づいて測定されてもよい。
【0119】
代替的または追加的に、1つ以上の基準セグメントの前記サブセットの選択は、基準セグメントの特性の1つ以上の、前記所与のセグメントに対する類似度に少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、前記特性は、機能的道路クラスを含むことができる。任意の関連する特性を考慮に入れることができる。各基準セグメントには、前記所与のセグメントに対するその類似度を示す類似度値を割り当てることができる。例えば、基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントに最も類似していると考えられる基準セグメントのサブセット(例えば、所定の数の前記セグメント、または所与の閾値を超える類似度を有するセグメントなど)を含むか、またはそれに対応することができる。
【0120】
上記の測定値のいずれか1つまたはいくつかを使用して、前記所与のセグメントに関連すると予想され得る前記推定されたスケーリング係数を決定する際に使用するための基準セグメントの前記サブセットを取得しようと試みることができる。複数の因子が使用される場合、考慮される全ての基準を同時に満たす基準セグメントのサブセットを取得するために、任意の適当な技術が使用されてもよい。前記異なる基準のいくつかの重み付けが使用されてもよい。
【0121】
前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、それが基づく前記1つ以上の基準スケーリング係数を使用して、上述の方法のいずれかで決定することができる。
【0122】
前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられたプローブプロファイルの、1つ以上の基準プローブプロファイルのセットの各々に対する類似度を示すデータを使用して推定されてもよく、各基準プローブプロファイルは、その基準スケーリング係数が、前記推定されたスケーリング係数を決定する際に使用される前記1つ以上の基準セグメントのうちの各々に関連付けられる。前記プローブプロファイルは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示してもよく、前記基準プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられたデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示してもよい。
【0123】
複数の基準スケーリング係数が考慮される場合、前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数に対する所与の基準スケーリング係数の寄与は、前記基準スケーリング係数が関連付けられる前記基準セグメントに関連付けられた前記基準プローブプロファイルの、前記所与のセグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルに対する前記類似度に少なくとも部分的に基づくものであってもよい。
【0124】
代替的に又は追加的に、前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与は、前記基準スケーリング係数に関連付けられた前記基準セグメントの、前記所与のセグメントに対する近接度に少なくとも部分的に基づいてもよい。前記近接度は、時間的または空間的な近接度であってもよく、基準セグメントの前記サブセットを決定することに関連して上述したタイプのいずれかであってもよい。前記所与のセグメントにより近い基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数に、より大きな重みを割り当てることができる。所与の基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数の、前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数に対する寄与は、前記所与のセグメントからの前記所与の基準セグメントの距離が増加することにつれて、考慮される前記基準スケーリング係数の平均に対応する値に近づいてもよい。前記距離は、時間的または空間的な距離であってもよい。
【0125】
前記推定されたスケーリング係数は、複数の基準スケーリング係数の加重和に基づくことができる。
【0126】
前記複数の基準スケーリング係数の前記加重和を取得する際に使用するための重み付け値のセットを示すデータは、線形回帰訓練モデルを使用して取得されてもよい。前記線形回帰訓練モデルは、前記ナビゲート可能な区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、前記所与の時間に関する前記基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の前記測定されたカウントを示すデータを使用してもよい。
【0127】
従って、本発明のこれらのさらなる態様によれば、各基準セグメントに関連付けられた前記基準スケーリング係数は、前記交通検出器データに基づく前記所与の時間についての前記測定されたカウントと、前記位置データおよび関連するタイミングデータに基づく前記所与の時間についてのデバイスのカウントとの比(割合)に基づくものであってもよい。
【0128】
各基準セグメントは、時間依存性基準スケーリング係数プロファイルを示すデータに関連付けられてもよく、前記基準スケーリング係数プロファイルは、時間に関する前記基準セグメントについての前記基準スケーリング係数の変動を示す。
【0129】
前記基準スケーリング係数プロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記所与の基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示すプローブプロファイルに少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0130】
前記所与の時間は、現在の時間であってもよく、前記基準スケーリング係数は、ライブデータに少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0131】
前記方法は、前記所与のセグメントに関連付けられている前記基準セグメントのうちの1つ以上のサブセットを決定することをさらに含んでもよく、前記推定されたスケーリング係数は、前記基準セグメントのうちの1つ以上の前記サブセットのうちの各々に関連付けられた前記基準スケーリング係数に基づくものである。
【0132】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントに関連付けられたプローブプロファイルと、前記基準セグメントのうちのいくつかに関連付けられた基準プローブプロファイルとの比較に少なくとも部分的に基づいて決定されてもよく、前記プローブプロファイルは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記所与のセグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示し、前記基準プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す。
【0133】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントの前記プローブプロファイルに最も類似していると判定された基準プローブプロファイルを有する1つ以上の基準セグメントを含むことができる。
【0134】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットの前記選択は、前記所与のセグメントの位置に対する基準セグメントの近接度に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0135】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットの前記選択は、例えば、前記特性が機能的道路クラス(FRC)を含む、前記所与のセグメントに対する基準セグメントの前記特性の類似度に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0136】
前記所与のセグメントの前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられたプローブプロファイルの、1つ以上の基準プローブプロファイルのセットの各々に対する類似度を示すデータを使用して推定することができ、各基準プローブプロファイルは、前記推定されたスケーリング係数を決定する際に基準スケーリング係数が使用される前記1つ以上の基準セグメントのそれぞれ1つに関連付けられており、前記プローブプロファイルは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記所与のセグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示し、前記基準プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される、時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す。
【0137】
前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、複数の前記基準スケーリング係数に基づいてもよく、前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数への所与の基準スケーリング係数の寄与は、前記基準スケーリング係数が関連付けられる前記基準セグメントに関連付けられた前記基準プローブプロファイルの、前記所与のセグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルとの前記類似度に少なくとも部分的に基づいている。
【0138】
前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、複数の前記基準スケーリング係数に基づいてもよく、前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与は、前記基準スケーリング係数に関連付けられた前記基準セグメントの前記所与のセグメントに対する近接度に少なくとも部分的に基づいており、任意選択で、より大きな重みが、前記所与のセグメントにより近い基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数に割り当てられる。
【0139】
前記推定されたスケーリング係数は、複数の基準スケーリング係数の加重和(重み付け和)に基づくことができる。
【0140】
前記複数の基準スケーリング係数の前記加重和(重み付け和)を取得する際に使用するための重み付け値のセットを示すデータは、線形回帰訓練モデルを使用して取得されてもよい。
【0141】
前記線形回帰訓練モデルは、前記ナビゲート可能な区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、前記所与の時間に関する前記基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウントを示すデータを使用することができる。
【0142】
前記方法は、交通量データが必要とされる前記所与のセグメントを示すデータと、関心時間を示すデータとを受信することと、前記所与の時間を特定するために前記関心時間を示す前記データを使用することとをさらに含むことができる。
【0143】
前記所与の時間は、現在の時間であってもよいし、将来の時間であってもよい。
【0144】
前記所与の時間は、時間間隔であってもよく、任意選択で、所与の曜日の時間間隔などの反復時間間隔であってもよい。
【0145】
前記方法は、前記推定された交通量を示すデータを、それが関係する前記所与のセグメントを示すデータに関連付けることをさらに含んでもよく、任意選択で、前記所与のセグメントについて前記取得された推定された交通量を示すデータを送信することと、前記所与のセグメントについて前記取得された推定された交通量を示すデータをユーザに表示することとの少なくともいずれか一方をさらに含んでもよい。
【0146】
前記方法は、後の表示のために前記推定された交通量および/または交通密度を記憶すること、および/または、前記推定された交通量および/または交通密度をユーザに表示することをさらに含んでもよい。
【0147】
その態様または実施形態のいずれかによる方法は、1つ以上の追加の関心セグメントおよび/または1つ以上の追加の関心時間について繰り返されてもよい。したがって、前記方法は、前記追加の関心時間に基づいて選択された異なる所与の時間に関して決定された推定されたスケーリング係数を使用して、前記(同じ)関心セグメントに関する少なくとも1つのさらなる関心時間に関する推定交通量を決定することを含んでもよい。前記方法は、異なる所与の時間に関する前記スケーリング係数を推定することに及んでもよい。出願人はまた、セグメントの交通量のより正確な推定値を取得するために、前記スケーリング係数(の値)は、前記(関心)セグメントの位置に依存して変化すべきであることを認識している。好ましくは、(その態様または実施形態のいずれかにおける本発明に従って使用または推定される)前記スケーリング係数は、位置に依存し、使用される前記スケーリング係数(の値)は、考慮される前記セグメントの位置に適用可能である。前記スケーリング係数の前記値は、考慮される前記セグメントに特有であってもよく、または他の実施形態では、同じスケーリング係数が、2つ以上のセグメント、例えば、所与の地理的エリア内のセグメントに適用可能であってもよい。前記スケーリング係数は、再び、好ましくは推定されたスケーリング係数である。
【0148】
このような態様は、前記スケーリング係数が時間に依存するか否かにかかわらず、それ自体で有利であると考えられる。
【0149】
本発明のさらなる態様から、電子地図によってカバーされたエリア内のナビゲート可能なネットワーク内の交通量を示す交通データを生成するための方法であって、前記電子地図は、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記方法は、前記電子地図の1つ以上のセグメントについて、
所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータを取得することであって、デバイスの前記カウントは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記所与の時間に関して前記セグメントについての推定された交通量を示すデータを取得するために前記決定されたカウントデータおよびスケーリング係数を使用することであって、前記スケーリング係数は、位置依存スケーリング係数である、ことと、を含み、前記方法は、前記セグメントについての前記推定された交通量を取得する際に前記セグメントに関連付けられた位置に関する前記スケーリング係数を使用することを含む方法が提供される。
【0150】
この態様における本発明は相互に矛盾しない範囲で、本発明の以前の態様に関連して説明された特徴のいずれかまたはすべてを含むことができ、逆もまた同様である。
【0151】
前記推定された交通量は、所与の時間に関するものであり、これは、先の実施形態で説明したように、好ましくは時間間隔である。
【0152】
好ましくは、前記セグメントについての前記スケーリング係数は、推定されたスケーリング係数である。
【0153】
好ましくは、前記スケーリング係数は、追加的に時間に依存する。したがって、前記スケーリング係数は、先に説明した実施形態のように、前記所与の時間に関するものとすることができる。少なくとも実施形態では、上記の時間依存の実施形態が、位置依存の、すなわちセグメント依存の推定されたスケーリング係数も提供することが理解されるのであろう。
【0154】
位置に依存するスケーリング係数を推定する方法は、追加的に時間依存であるか否かにかかわらず、上記のタイミング依存の実施形態と同様に、基準スケーリング係数のセットを使用して実行されてもよい。しかしながら、これらのさらなる実施形態では、前記基準スケーリング係数は、前記推定された交通量を決定する際に使用される前記カウントデータが関係する前記所与の時間に関するものである必要はない。言い換えれば、それらは時間に依存する必要はない。
【0155】
実施形態では、前記スケーリング係数は、1つ以上の基準スケーリング係数のセットに基づくものであり、各基準スケーリング係数は、1つ以上の基準セグメントのセットのうちの1つに関して決定されたスケーリング係数であり、各基準セグメントは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられたナビゲート可能な要素を表すセグメントであり、前記基準セグメントについての前記基準スケーリング係数は、それに関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器から取得されたデータを使用して取得される。
【0156】
各基準スケーリング係数は、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データ及び関連するタイミングデータに基づいた、前記基準セグメントによって表されたナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントと、前記基準セグメントに関連付けられた1つ以上の交通検出器の前記セットによって測定されたデータに基づいて決定される、前記基準セグメントを移動する車両の測定されたカウントとを使用して決定することができる。それぞれのプローブおよび測定されたカウントは、好ましくは前記所与の時間に対応する任意の基準時間(すなわち、時間間隔)に関するものとすることができる。しかしながら、時間に依存しない実施形態では、前記基準時間は前記所与の時間とは異なる時間であってもよいことが理解されるのであろう。例えば、同じ基準時間は、異なる所与の時間に関して、関心セグメントについての推定されたスケーリング係数を決定するために使用される前記基準スケーリング係数を決定するために取得されてもよい。
【0157】
位置依存の実施形態はまた、前記(関心)セグメントのプローブプロファイルと、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられた1つ以上の、または好ましくは複数の基準セグメントの各々に関連付けられた基準プローブプロファイルとの類似度を考慮することを含んでもよいし、含まなくてもよい。類似度を考慮する実施形態は、例えば、類似度を評価するためにカーネル関数を使用して、上述のように実行されてもよい。この場合、前記類似度評価に関連して考慮される基準セグメントの前記セットは、位置に関連して考慮される基準セグメントに対応していてもよいし、対応していなくてもよい。
【0158】
先の実施形態のように、前記位置依存スケーリング係数は、複数の基準スケーリング係数からの寄与に基づいて推定されてもよい。例えば、前記推定されたスケーリング係数は、前記複数の基準スケーリング係数の加重和に基づくものであってもよい。
【0159】
前記(関心)セグメントについての全体的な推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与は、前記基準スケーリング係数に関連付けられた前記基準セグメントに関連付けられた位置と、考慮されている前記セグメントの位置との間の距離に基づくことができる。より大きな重みが、考慮される前記セグメントの前記位置により近い基準セグメントに関連付けられた参照スケーリング係数に割当てられてよい。所与の電子地図エリア内の所与の基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数の、前記セグメントについての前記推定されたスケーリング係数への前記寄与は、前記(関心)セグメントの位置からの前記所与の基準セグメントに関連付けられた位置の距離が増加するにつれて、前記所与の電子地図エリア内の基準セグメントに関連付けられた前記基準スケーリング係数の平均に対応する値に近づいてもよい。これは、減衰関数(decayfunction)を使用して達成されてもよい。前記減衰関数は、前記エリアに対する平均基準スケーリング係数寄与値まで減衰することがある。これらの実施形態において距離を評価する場合には、例えば、道路セグメントの始点、中央、終点などの基準点間で測定されたユークリッド距離、例えば最短距離又は最速距離などのルーティング距離、又は、道路クラスに依存する距離のような、任意の適切な基準距離を使用することができる。
【0160】
前記(関心)セグメントについての前記全体的な推定されたスケーリング係数への各基準スケーリング係数の寄与は、代替的に又は追加的に、前記基準セグメントに関連付けられた基準プローブプロファイルの、前記(関心)セグメントのそれに対する類似度に基づくことができる。
【0161】
前記(関心)セグメントについての前記全体的な推定されたスケーリング係数への各基準スケーリング係数の寄与は、代替的に又は追加的に、線形回帰訓練モデルを実行した結果に少なくとも部分的に基づいてもよい。これらの実施形態のいずれにおいても、前記スケーリング係数は時間に依存し得る。例えば、これは、上述のような線形回帰訓練モデルにおける適切な時間依存データを使用して実施されてもよい。
【0162】
前記モデルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両の測定されたカウントを示すデータを使用してもよい。
【0163】
その態様または実施形態のいずれかによる前記方法は、1つ以上の追加の関心セグメントおよび/または1つ以上の追加の関心時間について繰り返すことができる。したがって、前記方法は、前記追加の関心時間に基づいて選択された異なる所与の時間に関して決定されたスケーリング係数を使用して、前記(同じ)関心セグメントに関する少なくとも1つのさらなる関心時間についての推定された交通量を決定することを含んでもよい。前記方法は、前記異なる所与の時間に関する前記スケーリング係数を推定することに及んでもよい。
【0164】
その態様または実施形態のいずれかにおける本発明によれば、所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータが取得される前記電子地図の前記複数のセグメントのセット又は前記セットであって、デバイスの前記カウントが、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、前記複数のセグメントのセット又は前記セットは、所与の地図エリア内の前記電子地図の複数の前記セグメントのセットとすることができる。
【0165】
前記スケーリング係数がその態様または実施形態のいずれかにおける本発明に従って決定される前記セグメントは、好ましくは、前記セグメントによって表された前記要素を移動する交通を測定することによって取得された測定された交通データが、例えば、本明細書で説明される方法を実行するサーバにとって利用不可能であるセグメントである。前記セグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な要素を表すセグメントであってもよい。このようなセグメントは、従って、交通検出器に関連付けられた基準セグメントのセットを部分的に形成しない。
【0166】
本明細書でセグメントによって表された要素に関連付けられた交通検出器への参照は(または、セグメントに関連付けられた交通検出器への参照を容易にするために)、誘導性ループ、交通カメラ、赤外線、レーダ、光電センサ、または任意のタイプのセンサなど、前記ナビゲート可能なネットワークの固定インフラストラクチャの一部を形成する交通検出器を指す。固定インフラストラクチャの一部を形成するこのような交通検出器は、フローティング車両データまたはプローブデータとは別個であり、このデータでは、ナビゲート可能な要素の前記ネットワークを移動する車両自体がセンサとして使用される。
【0167】
前記決定されたプローブカウントデータおよびスケーリング係数を使用して、本発明の態様または実施形態のいずれかに従った前記セグメントの前記推定された交通量を取得するステップは、前記カウントに前記スケーリング係数を乗算することを含むことができる。これは、上記の式1に従う。
【0168】
本発明は、本発明の態様のいずれかによる方法のステップを実行するためのシステムに及ぶ。
【0169】
本発明のさらなる態様によれば、電子地図によってカバーされたエリア内のナビゲート可能なネットワーク内の交通量を示す交通データを生成するためのシステムであって、前記電子地図は、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記システムは、前記電子地図の1つ以上のセグメントについて、
所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータを取得することであって、デバイスの前記カウントは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、こと、及び、
前記所与の時間に関する前記セグメントについての推定された交通量を示すデータを取得するために前記決定されたカウントデータおよびスケーリング係数を使用すること、
というステップを含む方法を実行するための1つ以上のプロセッサのセットを含み、
前記スケーリング係数は、時間依存のスケーリング係数であり、前記方法は、前記セグメントについての前記推定された交通量を取得する際に、前記所与の時間に関する前記スケーリング係数を使用することを含む、システムが提供される。
【0170】
この態様における本発明は相互に矛盾しない範囲で、本発明の他の態様に関連して説明した特徴のいずれかまたはすべてを含むことができ、逆もまた同様である。したがって、本明細書で明示的に述べられていないとしても、本発明のシステムは、本明細書で説明される方法または発明のステップのいずれかを実行するための手段、または1つ以上のプロセッサのセット、または回路を備えることができる。
【0171】
本発明のさらなる態様によれば、電子地図によってカバーされたエリア内のナビゲート可能なネットワーク内の交通量を示す交通データを生成するためのシステムであって、前記電子地図は、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記システムは、
推定された交通量データが必要とされるセグメントである関心セグメントを示すデータと関心時間を示すデータとを受信することと、
前記電子地図の複数の前記セグメントのセットの各々について、前記関心時間に基づいて選択された所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータを取得することであって、デバイスの前記カウントは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記電子地図のセグメントの前記セットの基準サブセットを特定することであって、セグメントの前記基準サブセットの各セグメントは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられる、ことと、
前記電子地図のセグメントの前記セットの前記基準サブセットの各々について、前記所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両の測定されたカウントを示すデータを、それに関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器から取得されたデータに基づいて取得することと、
セグメントの前記基準サブセットの各々に関する基準スケーリング係数を取得することであって、各基準スケーリング係数は、前記セグメントに関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される、前記所与の時間に関して前記セグメントを移動する車両の前記測定されたカウントと、前記セグメントに沿った前記複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて前記所与の時間に関して前記セグメントを移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントとに基づいて、前記所与の時間に関して決定されたスケーリング係数である、ことと、
取得された前記基準スケーリング係数または各基準スケーリング係数に基づいて、前記所与の時間についての前記関心セグメントの推定されたスケーリング係数を決定することと、
前記セグメントについての前記推定された交通量を取得する際に前記関心セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った時間に関する複数のデバイスの移動に関する前記位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて、前記所与の時間に関する前記推定されたスケーリング係数と、前記所与の時間に関して前記関心セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスの前記カウントを示す前記データとを使用することと、
を含む方法を実行するための1つ以上のプロセッサのセットを備えるシステムが提供される。
【0172】
この態様における本発明は相互に矛盾しない範囲で、本発明の他の態様に関連して説明した特徴のいずれかまたはすべてを含むことができ、逆もまた同様である。したがって、本明細書で明示的に述べられていないとしても、本発明のシステムは、本明細書で説明される方法または発明のステップのいずれかを実行するための手段、または1つ以上のプロセッサのセット、または回路を備えることができる。
【0173】
本発明のさらに別の態様によれば、エリア内のナビゲート可能なネットワークを表す電子地図の所与のセグメントについての所与の時間に関する交通量を推定するシステムであって、前記電子地図は、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられているナビゲート可能な区間と、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な区間とを含み、前記所与のセグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていない前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、前記電子地図は複数の基準セグメントをさらに含み、各基準セグメントは、交通検出器に関連付けられている前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部を表すセグメントであり、各基準セグメントは、前記所与の時間についてのそれぞれの基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられており、前記スケーリング係数は、前記所与の時間に関する前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウントと、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントとに基づくものであり、車両の前記測定されたカウントは、前記区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づくものであり、車両に関連付けられたデバイスの前記カウントは、前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものであり、前記システムは、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能なネットワークの前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータと、前記所与のセグメントについての前記所与の時間に対する推定されたスケーリング係数とを使用して、前記所与の時間に関する前記所与のセグメントについての前記交通量を推定することであって、前記セグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられている前記電子地図の1つ以上の基準セグメントのサブセットの各々に関連付けられた前記基準スケーリング係数に基づくものであり、デバイスの前記カウントは、前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った時間に関する複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、こと、及び、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記推定された交通量を示すデータを生成すること、
というステップを含む方法を実行するための1つ以上のプロセッサのセットを備える、システムが提供される。
【0174】
この態様における本発明は相互に矛盾しない範囲で、本発明の他の態様に関連して説明した特徴のいずれかまたはすべてを含むことができ、逆もまた同様である。したがって、本明細書で明示的に述べられていないとしても、本発明のシステムは、本明細書で説明される方法または発明のステップのいずれかを実行するための手段、または1つ以上のプロセッサのセット、または回路を備えることができる。
【0175】
本発明のさらに別の態様によれば、電子地図によってカバーされたエリア内のナビゲート可能なネットワーク内の交通量を示す交通データを生成するためのシステムであって、前記電子地図は、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記システムは、前記電子地図の1つ以上のセグメントについて、
所与の時間に関して前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントを示すデータを取得することであって、デバイスの前記カウントは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な要素に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記所与の時間に関する前記セグメントの推定交通量を示すデータを取得するために、前記決定されたカウントデータおよびスケーリング係数を使用することと、
を含む方法を実行するための1つ以上のプロセッサのセットを含み、
前記スケーリング係数は、位置依存スケーリング係数であり、前記方法は、前記セグメントについての前記推定された交通量を取得する際に前記セグメントに関連付けられた位置に関する前記スケーリング係数を使用することを含む、
システムが提供される。
【0176】
この態様における本発明は相互に矛盾しない範囲で、本発明の他の態様に関連して説明した特徴のいずれかまたはすべてを含むことができ、逆もまた同様である。したがって、本明細書で明示的に述べられていないとしても、本発明のシステムは、本明細書で説明される方法または発明のステップのいずれかを実行するための手段、または1つ以上のプロセッサのセット、または回路を備えることができる。
【0177】
好ましい実施形態では、本発明のこれらのさらなる態様のいずれかのシステムは、1つ以上のサーバを備える。前記方法は、測定された交通データおよび車両プローブデータの適当なソース上で動作するサーバによって、例えば、適用可能な時間のデータを取得するためのフィルタリングによって実行されてもよい。しかしながら、アレンジが想定され、前記ステップは、1つ以上のサーバおよび/または任意のタイプの1つ以上のコンピューティングデバイス、例えばナビゲーションデバイスを含むことができる分散システムによって実施することができる。
【0178】
本明細書に記載された様々な機能は、任意の所望の適当な方法で実行することができる。例えば、本発明は一般に、所望に応じて、ハードウェアまたはソフトウェアで実施することができる。したがって、例えば、別段の指示がない限り、本明細書で説明される技術の様々な機能要素、ステージ、ユニット、および「手段」は、適切に専用のハードウェア要素(処理回路)および/または所望の方法で動作するようにプログラムすることができるプログラマブルハードウェア要素(処理回路)など、様々な機能などを実行するように動作可能な、適当な1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコントローラ、機能ユニット、回路、処理論理、マイクロプロセッサ構成などを備えることができる。
【0179】
前記方法の前記ステップのいずれかを実行するための手段(処理回路)は、そのようにするように構成された、例えばプログラムされた、1つ以上のプロセッサのセットを含んでもよい。所与のステップは、任意の他のステップと同じまたは異なるプロセッサのセットを使用して実行されてもよい。任意の所与のステップは、プロセッサのセットの組合せを使用して実行されてもよい。前記システムは、例えば、生成された交通量および/または交通密度データを記憶するための、コンピュータメモリなどのデータ記憶手段をさらに備えることができる。前記システムは、例えば、生成された交通量および/または交通密度データを表示するための、コンピュータディスプレイなどの表示手段をさらに備えることができる。
【0180】
本明細書で説明される前記方法は、コンピュータで実施される方法である。
【0181】
本発明の前記方法は、好ましい実施形態ではサーバによって実施される。従って、実施形態では、記載された様々なステップを実行するための手段(処理回路)を含むサーバを含み、本明細書に記載された前記方法のステップは、サーバによって実行される。
【0182】
前記ナビゲート可能なネットワークは、道路ネットワークを含むことができ、各ナビゲート可能な要素は、道路または道路の一部分を表す。例えば、ナビゲート可能な要素は、前記道路ネットワークの2つの隣接する交差点間の道路を表すことができ、または、ナビゲート可能な要素は、前記道路ネットワークの2つの隣接する交差点間の道路の一部分を表すことができる。しかしながら、理解されるように、前記ナビゲート可能なネットワークは、道路ネットワークに限定されず、例えば、徒歩経路、自転車経路、河川等のネットワークを含むことができる。本明細書で使用される「セグメント(区分)」という用語は、当技術分野で通常の意味をとることに留意されたい。電子地図のセグメントは、2つの点またはノードを接続するナビゲート可能なリンクである。本発明の実施形態は、特に道路セグメントを参照して説明されているが、本発明は、経路、河川、運河、自転車経路、牽引経路、鉄道線などのセグメントなどの他のナビゲート可能なセグメントにも適用可能であることを理解されたい。したがって、「道路セグメント」へのいかなる言及も、「ナビゲート可能なセグメント」への言及、または任意の特定のタイプ(単数または複数)のそのようなセグメントに置き換えることができる。
【0183】
前記ネットワークは、電子地図データによって表現される。前記電子地図データは、前記方法がサーバを使用して実施される実施形態では、前記サーバによって記憶されてもよく、または前記サーバによってアクセス可能であってもよい。最も単純な形態の電子地図(または時には知られているような数学的グラフ)は、事実上、道路交差点を最も一般的に表すノードを表すデータと、これらの交差点間の道路を表すノード間の線とを含むデータベースである。より詳細なデジタル地図では、線は、開始ノードと終了ノードとによって定義(規定)されるセグメントに分割されてもよい。これらのノードは、最小限の3つの線またはセグメントが交差する道路交差点を表すという点で「現実の」ものであってもよく、または、特に、道路の特定の区間についての形状情報、またはその道路の何らかの特性、例えば速度制限が変化する道路に沿った位置を識別(特定)する手段、を提供するために、現実のノードによって一方または両方の端部で定義されていないセグメントについてのアンカとして提供されるという点で「人工的である」ものであってもよい。事実上すべての現代のデジタル地図では、ノードとセグメントは、前記データベース内のデータによって再び表される様々な属性によってさらに定義(規定)される。例えば、各ノードは、典型的にはその実世界位置、例えば緯度及び経度を定義(規定)するための地理的座標を有する。ノードはまた、典型的には交差点において、1つの道路から別の道路へ移動することが可能であるかどうかを示す、それに関連付けられた操縦データを有し、一方、前記セグメントは、許容される最大速度、車線サイズ、車線の数、間に中央分離帯あるかどうかなどの関連する属性も有する。
【0184】
様々な態様および実施形態では、本発明は、前記電子地図データによって表される前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータを取得および/または使用するステップを含む。前記位置データは、時間に対する(時間に関する)前記ナビゲート可能な要素に沿った複数のデバイスの移動を示すデータを提供することができる。本発明に従って使用される前記位置データは、前記ナビゲート可能な要素または各ナビゲート可能な要素に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データである。前記方法は、前記ナビゲート可能なネットワーク内の複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータを取得することと、前記位置データをフィルタリングして、前記所与のナビゲート可能な要素または各所与のナビゲート可能な要素に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータを取得することとを含むことができる。前記ナビゲート可能な要素または各ナビゲート可能な要素に沿ったデバイスの移動に関する前記位置データを取得するステップは、前記ナビゲート可能なネットワークを示す前記電子地図データを参照することによって実行されてもよい。前記方法は、前記ナビゲート可能なネットワークを含む地理的領域内のデバイスの移動に関する位置データを、本発明に従って考慮されている少なくとも1つの前記または各ナビゲート可能な要素にマッチングさせるステップを含むことができる。
【0185】
いくつかの構成では、前記位置データを取得するステップは、前記データ、即ち、以前に受信されて記憶されている前記データにアクセスすることを含んでもよい。しかしながら、好ましくは、前記方法は、前記デバイスから前記位置データを受信することを含むことができる。前記データを取得するステップが前記デバイスから前記データを受信することを含む実施形態では、前記方法は、本発明の他のステップを実行することに進む前に、前記受信された位置データを記憶することと、任意選択で、前記データをフィルタリングすることとをさらに含むことができることが想定される。前記位置データを受信するステップは、前記方法の他の1つ以上のステップと同時に、または同じ場所で行われる必要はない。
【0186】
本発明に従って使用される前記位置データは、1つ以上の、好ましくは複数のデバイスから収集され、時間に対する前記デバイスの移動に関連する。したがって、前記デバイスはモバイルデバイスである。前記位置データの少なくともいくつかは、一時的データ、例えばタイムスタンプに関連付けられることが理解されるのであろう。しかしながら、本発明の目的のために、本発明に従ってナビゲート可能なセグメントに沿ったデバイスの移動に関する情報を提供するために使用されてもよいのであれば、全ての位置データが一時的データに関連付けられることは必ずしも必要ではない。しかしながら、好ましい実施形態では、すべての位置データは、一時的データ、例えばタイムスタンプに関連付けられる。タイミングデータは、各個々の位置データフィックス(fix)に直接関連するのではなく、デバイスによって取得された位置データ「フィックス」のセットを含む「トレース」に関連付けられてもよいことが理解されるのであろう。例えば、各位置データ「フィックス」は、トレースに関連付けられた時間に対するオフセットに関連付けることができる。
【0187】
前記位置データおよび関連するタイミングデータは、前記デバイスの移動に関するものであり、前記デバイスが取る経路の位置「トレース」を提供するために使用することができる。上述のように、前記データは、前記デバイス(複数可)から受信されてもよく、または最初に記憶されてもよい。前記デバイスは、本発明の目的のために、前記位置データおよび十分な関連するタイミングデータを提供することができる任意のモバイルデバイスであってもよい。前記デバイスは、位置決定機能を有する任意のデバイスであってもよい。例えば、前記デバイスは、WiFiアクセスポイント又はGSM装置のようなセルラ通信ネットワークから情報にアクセス及び受信し、そしてそのロケーションを決定するためにこの情報を使用する手段を含むことができる。しかし、好ましい実施形態では、前記デバイスは、特定の時点での受信機の位置を示す衛星信号を受信するための、GPS受信機のようなグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)受信機を含み、更新された位置情報を一定の間隔で受信することが好ましい。そのようなデバイスは、ナビゲーションデバイス、位置決め機能を有する移動電気通信デバイス、位置センサ等を含み得る。
【0188】
前記デバイスは車両に関連している。これらの実施形態では、デバイスの位置は前記車両の位置に対応する。車両に関連付けられたデバイスから取得される位置データへの言及は、車両から取得される位置データへの言及と置き換えることができ、1つ以上のデバイスの移動への言及は、明示的に述べられていなければ、車両の移動への言及と置き換えることができ、逆もまた同様である。前記デバイスは前記車両と一体化されてもよく、または携帯型ナビゲーション装置などの前記車両に関連付けられた別個のデバイスであってもよい。もちろん、前記位置データは、異なるデバイスの組み合わせ、または単一のタイプのデバイスから取得されてもよい。
【0189】
前記複数のデバイスから取得される前記位置データは、一般に「プローブデータ」として知られている。車両に関連付けられたデバイスから取得されるデータは、車両プローブデータ(または場合によってはフローティングカーデータ)と呼ばれてもよい。したがって、本明細書での「プローブデータ」への言及は、用語「位置データ」と交換可能であると理解されるべきであり、前記位置データは、本明細書では簡潔にするためにプローブデータと呼ばれることがある。
【0190】
前記サンプル量(ボリューム)は、前記選択された平均普及率とともに、前記領域内のセグメント(または好ましくは複数のセグメント)についての交通量(ボリューム)または交通密度のいずれか(または両方)を推定するために使用されてもよい。交通量および交通密度は両方とも、前記ネットワーク内の交通の状態を特徴付けるための重要なパラメータであり、様々な交通計画および制御アプリケーションに使用することができる。
【0191】
本発明は、本明細書に記載の方法に従って適当なスケーリング係数を取得することができるネットワーク内の任意のセグメントについて、交通量の推定を行うことを可能にする。すなわち、十分なプローブデータがある限り、スケーリング係数、したがって、従来の方法で一般的に可能であるよりも低いコストで、ネットワークの比較的広いエリアにわたって交通量を確実に推定することが可能である。例えば、好ましくは、スケーリング係数、したがって交通量は、領域全体にわたる交通量のピクチャが提供され得るように、領域内の複数(またはすべて)のセグメントについて決定され得る。したがって、本明細書で説明される前記方法は、前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す1つ以上のさらなるセグメントに対して繰り返され得る。例えば、前記方法は、交通検出器データが利用不可能であるセグメントのサブセットの各々、すなわち、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられていないセグメントのサブセットの各々に少なくとも関連して実行されてもよい。
【0192】
前記方法は、前記所与の時間間隔に関するセグメントの推定された交通量を示すデータを取得するステップを含む。前記方法は、出力のために前記推定された交通量を示すデータを生成することを含むことができる。前記方法は、前記推定された交通量を示すデータを、前記セグメントを示すデータに関連付けることを含むことができる。したがって、前記交通量データは、前記電子地図データと関連付けられてもよい。好ましい実施形態では、本発明は、前記交通量データを送信および/または格納および/またはユーザに表示することを含む。すなわち、前記交通量データは、ユーザへの出力として提供されてもよい。本明細書で説明される前記方法がサーバによって実行される場合、前記方法は、前記サーバが、前記セグメントの前記推定された交通量を示すデータを、ユーザおよび/または車両に関連付けられたデバイス、たとえばナビゲーションデバイスに送信することを含むことができる。上述したように、ナビゲーションデバイスとは、ナビゲーションアプリケーションを実行するデバイスをいう。
【0193】
本発明による方法は、ソフトウェアを少なくとも部分的に使用して実施することができることが理解されよう。したがって、さらなる態様およびさらなる実施形態から見た場合、本発明は、適当なデータ処理手段上で実行されたときに本明細書で説明される方法のいずれかまたはすべてを実行するように構成されたコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品に及ぶことが理解されよう。本発明はまた、そのようなソフトウェアを含むコンピュータソフトウェアキャリアにも及ぶ。そのようなソフトウェアキャリアは、物理的な(または非一時的である)記憶媒体であってもよく、あるいはワイヤを介した電気信号、光信号、または衛星などへの無線信号などの信号であってもよい。
【0194】
1つのアイテムを他のアイテムと比較することへのいかなる言及も、任意の方法でえいずれかのアイテムを他のアイテムと比較することを含むことができる。
【0195】
1つ以上のセグメントまたは要素に関する「それに関連付けられた」という語句は、データ記憶位置に対するいかなる特定の制限も必要とすると解釈されるべきではないことに留意されたい。この語句は、特徴が要素に識別可能に関連することのみを必要とする。したがって、関連付けは例えば、潜在的にリモートサーバに配置されたサイドファイルへの参照によって達成され得る。
【0196】
明示的に述べられていない場合、本発明は、その態様のいずれかにおいて、本発明の他の態様または実施形態に関して説明された特徴のいずれかまたはすべてを、それらが相互に排他的でない範囲で含むことができることが理解されるのであろう。特に、前記方法において、および前記システムまたは装置によって実行され得る動作の様々な実施形態が説明されてきたが、これらの動作のうちの任意の1つまたは複数またはすべてが、前記方法において、および前記システムまたは装置によって、任意の組合せで、所望に応じて、および必要に応じて実行され得ることが理解されるのであろう。
【0197】
これらの実施形態の利点は以下に述べられ、これらの実施形態の各々のさらなる詳細および特徴は添付の従属請求項および以下の詳細な説明の他の箇所において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0198】
ここで、添付の図面を参照して、単なる例として本発明の実施形態が説明される。
図1】ナビゲーションデバイスによって使用可能な全地球測位システム(GPS)の例示的な部分の概略説明である。
図2】ナビゲーションデバイスとサーバとの間の通信のための通信システムの概略図である。
図3図2のナビゲーションデバイス又は任意の他の適切なナビゲーションデバイスの電子構成要素の概略説明である。
図4】ナビゲーションデバイスの取り付け及び/又はドッキングの装置の概略図である。
図5図3のナビゲーションデバイスによって採用されるアーキテクチャスタックの概略表現である。
図6】ナビゲーションデバイスがとりうる様々な形状を示す。
図7】車両に関連してもよい様々なデバイスを示す。
図8】別の例示的ナビゲーションシステムを示す。
図9】所与の地図エリア内の交通流検出器を有する道路セグメントの個数を示す。
図10】一定のスケーリング係数を使用して、推定された交通流と測定された交通流との間で観測された誤差を示す。
図11】時間に依存するがロケーション(位置)に依存しないスケーリング係数を使用した場合に観測される誤差を示す。
図12】プローブデータの週ごとのパターンを示す例示的なプローブプロファイルを示す。
図13】(関心(着目)セグメントに関連し得る)プローブプロファイルと4つの(基準)プローブプロファイルとの間の類似度を示す。
図14】本明細書に記載される実施形態に従った、スケーリング係数のセットの生成を実施するための1つのシステムを示す機能図である。
図15図14のシステムを使用して時間依存スケーリング係数を取得するための1つの方法を示すフローチャートである。
図16】本発明のいくつかの好ましい実施形態に従って取得されたスケーリング係数を使用した場合に観測される誤差を示す。
図17】位置依存スケーリング係数を取得際に使用され得る減衰関数の一例を示す。
図18】位置依存スケーリング係数の値を示す地図エリアを示す。
【発明を実施するための形態】
【0199】
ここで、図1図5を参照して、本発明の文脈の理解を容易にするために使用されてもよいシステムが記載される。ここで、ポータブルナビゲーションデバイス(PND)を特に参照して実施形態が記載される。しかし、本発明の教示はPNDに限定されず、代わりに、経路計画及びナビゲーション機能を提供するために携帯可能な方法でナビゲーションソフトウェアを実行するように構成される任意のタイプの処理デバイスを含むが、これに限定されない、サーバにプローブデータサンプルを送信できるデバイスに汎用的に適用可能であることを覚えておくべきである。いくつかの例示的なこのようなデバイスが、図6及び7を参照して以下に記載される。したがって、本出願の文脈で、ナビゲーションデバイスは、当該デバイスがPNDとして実施されるかどうかにかかわらず、任意のタイプの経路計画及びナビゲーションデバイスを(限定なしに)含むことが意図され、自動車のような車両に一体化されたデバイス、又は実際には経路計画及びナビゲーションソフトウェアを実行するポータブルコンピューティングリソース、例えばポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、モバイル電話、又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)を含むことになる。本発明はまた、ナビゲーションソフトウェアを実行するように必ずしも構成されていなくてもよいが、プローブデータサンプルを送信し、本書に記載される他の機能を実施するように構成される、プローブデータサンプルを送信してもよいデバイスにも適用可能である。
【0200】
さらに、本発明の実施形態は、道路セグメントを参照して記載される。本発明は、道、河川、運河、自転車道、曳舟道、鉄道線路、又は同様のもののセグメントのような他のナビゲーション可能なセグメントにも適用可能であってもよいことを理解されたい。参照を容易にするために、これらは一般に道路セグメントと呼ばれる。
【0201】
経路計画が実行される場合、これは、ある地点から別の地点へナビゲーションする方法に関する命令をユーザが求めておらず、単に所与の位置のビューを提供されることを望む状況においても起こりうることが、以下から明らかになるだろう。このような状況で、ユーザによって選択された「目的地」位置は、ユーザがナビゲーションを開始したい対応する開始位置を有する必要はなく、その結果、本書で「目的地」位置又は実際には「目的地」ビューへの参照は、経路の生成が必須であること、「目的地」への移動が生じなければならないこと、又は実際に目的地の存在が対応する開始位置の指定を必要とすることを意味すると解釈されるべきではない。
【0202】
上記の条件を念頭に置いて、図1の全地球測位システム(GPS)等は、様々な目的に使用される。一般に、GPSは、無制限の数のユーザについての連続的な位置、速度、時刻、及びいくつかの例では方向情報を決定できる衛星無線ベースのナビゲーションシステムである。NAVSTARとして従来知られているGPSは、地球を極めて正確な軌道で周回する複数の衛星を組み込んでいる。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は、GPSデータとして、それらの位置を任意の数の受信ユニットに中継できる。しかし、GLOSNASS、欧州ガリレオ測位システム、COMPASS測位システム又はIRNSS(インド地域航法衛星システム)のような全地球測位システムが使用されうることが理解されるだろう。
【0203】
GPSシステムは、GPSデータを受信するために特別に装備されたデバイスがGPS衛星信号のための無線周波数の走査を開始する場合に実施される。GPS衛星から無線信号を受信すると、デバイスは、複数の異なる従来の方法の1つを介して、当該衛星の正確な位置を決定する。デバイスは、ほとんどの例で、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで(通常ではないが、他の三角測量技術を用いて2つの信号のみで位置が決定されうることに留意されたい)、信号を求めて走査を続ける。幾何学的三角測量を実施して、受信機は衛星に対する自身の2次元位置を決定するために3つの既知の位置を利用する。これは既知の方法で行われうる。加えて、第4の衛星信号を取得することにより、受信デバイスは、既知の方法で、同じ幾何学的演算によって、自身の3次元位置を算出できる。位置及び速度データは、無制限の数のユーザによって連続的にリアルタイムで更新されうる。
【0204】
図1に示されるように、GPSシステム100は、地球104の周りを周回する複数の衛星102を備える。GPS受信機106は、スペクトル拡散GPS衛星データ信号108としてGPSデータを複数の衛星102のうちの複数から受信する。スペクトラム拡散データ信号108は各衛星102から連続的に送信され、送信されるスペクトラム拡散データ信号108はそれぞれ、データストリームの起点となる特定の衛星102を識別する情報を含むデータストリームを含む。GPS受信機106は一般に、2次元位置を算出できるようにするために、少なくとも3つの衛星102からのスペクトル拡散データ信号108を必要とする。第4のスペクトル拡散データ信号の受信は、GPS受信機106が既知の技術を使用して、3次元位置を算出することを可能にする。
【0205】
図2を参照して、GPS受信機デバイス106を含むか又はそれに結合されたナビゲーションデバイス200(例えば、PND)は、必要に応じて、デジタル接続、例えば既知のBluetooth(登録商標)技術を介したデジタル接続を確立するために、モバイルデバイス(図示せず)、例えば、モバイル電話、PDA、及び/又はモバイル電話技術を有する任意のデバイスを介して、「モバイル」又は電気通信ネットワークのネットワークハードウェアとデータセッションを確立してもよい。その後、そのネットワークサービスプロバイダを通じて、モバイルデバイスはサーバ150とのネットワーク接続を(例えば、インターネットを通じて)確立できる。このように、「モバイル」ネットワーク接続は、(単体で及び/又は車両内で移動するためモバイルでありうるか、しばしばモバイルである)ナビゲーションデバイス200と、情報のための「リアルタイム」又は少なくとも非常に「最新の」ゲートウェイを提供するためのサーバ150との間で確立されうる。
【0206】
例えば、インターネットを使用して、(サービスプロバイダを介した)モバイルデバイスとサーバ150のような別のデバイスとの間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われうる。この点において、任意の数の適切なデータ通信プロトコル、例えば、TCP/IP層化プロトコルが採用されうる。さらに、モバイルデバイスは、CDMA2000、GSM(登録商標)、IEEE802.11a/b/c/g/nなどのような任意の数の通信標準を利用できる。
【0207】
したがって、例えばナビゲーションデバイス200内のモバイル電話又はモバイル電話技術を介して、データ接続を介して実現可能されうるインターネット接続が利用されてもよいことが分かる。
【0208】
図示されていないが、ナビゲーションデバイス200は、当然ながら、(例えば、アンテナを含むか、又はオプションとして、ナビゲーションデバイス200の内部アンテナを使用する)ナビゲーションデバイス200自体の中に自身のモバイル電話技術を含んでもよい。ナビゲーションデバイス200内のモバイル電話技術は内部構成要素を含むことができ、及び/又は、例えば、必要なモバイル電話技術及び/又はアンテナを備えた挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール(SIM)カード)を含んでもよい。このように、ナビゲーションデバイス200内のモバイル電話技術は同様に、例えば任意のモバイルデバイスと同様の方法で、インターネットを介して、ナビゲーションデバイス200とサーバ150との間のネットワーク接続を確立してもよい。
【0209】
電話設定について、Bluetooth対応ナビゲーションデバイスは、モバイル電話モデル、製造業者などの絶えず変化するスペクトルで正しく動作するように使用されてもよく、モデル/製造業者固有の設定は、例えばナビゲーションデバイス200に記憶されてもよい。この情報について記憶されたデータは更新されうる。
【0210】
図2において、ナビゲーションデバイス200は、複数の異なる装置のいずれかによって実施されうる汎用通信チャネル152を介してサーバ150と通信するものとして図示される。通信チャネル152は、総括的に、ナビゲーションデバイス200とサーバ150とを接続する伝搬媒体又は経路を表す。サーバ150とナビゲーションデバイス200とは、通信チャネル152を介した接続がサーバ150とナビゲーションデバイス200との間に確立された場合に通信できる(このような接続がモバイル装置を介したデータ接続、インターネットを介したパーソナルコンピュータを介した直接接続などでありうることに留意されたい)。
【0211】
通信チャネル152は、特定の通信技術に限定されない。さらに、通信チャネル152は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル152は、様々な技術を使用するいくつかの通信リンクを含んでもよい。例えば、通信チャネル152は、電気通信、光通信、及び/又は電磁通信などのための経路を提供するように適合されうる。このようなものとして、通信チャネル152は、電気回路、有線及び同軸ケーブルのような導電体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(RF)波、大気、自由空間などのうちの1つ又はそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。さらに、通信チャネル152は例えば、ルータ、リピータ、バッファ、送信機、及び受信機などの中間デバイスを含みうる。
【0212】
1つの例示的な構成で、通信チャネル152は、電話及びコンピュータネットワークを含む。さらに、通信チャネル152は、ワイヤレス通信、例えば、赤外線通信、マイクロ波周波数通信のような無線周波数通信などを収容することが可能であってもよい。さらに、通信チャネル152は、衛星通信に対応できる。
【0213】
通信チャネル152を通じて送信される通信信号は、所与の通信技術に必要又は所望されてもよい信号を含むが、これらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル移動体通信システム(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS)などのセルラ通信技術において使用されるように適合されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の両方が、通信チャネル152を介して送信されてもよい。これらの信号は、通信技術にとって望ましくてもよいように変調され、暗号化され、及び/又は圧縮された信号であってもよい。
【0214】
サーバ150は図示されていなくてもよい他の構成要素に加えて、メモリ156に動作可能に接続され、さらに、有線又は無線接続158を介して大容量データストレージデバイス160に動作可能に接続されたプロセッサ154を含む。大容量ストレージデバイス160はナビゲーションデータ及び地図情報の記憶装置を含み、やはり、サーバ150とは別個のデバイスであってもよいし、サーバ150に組み込まれてもよい。プロセッサ154は、通信チャネル152を介してナビゲーションデバイス200へ情報を送信する又はこれからの情報を受信するために、送信機162及び受信機164に動作可能にさらに接続される。送受信される信号は、データ、通信、及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機162及び受信機164は、ナビゲーションシステム200の通信設計に使用される通信要件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。さらに、送信機162及び受信機164の機能は、単一の送受信機に組み合わされてもよいことに留意されたい。
【0215】
上述のように、ナビゲーションデバイス200は、通信チャネル152を介して信号及び/又はデータを送受信するために送信機166及び受信機168を使用して、通信チャネル152を介してサーバ150と通信するように構成され得、これらのデバイスはサーバ150以外のデバイスと通信するためにさらに使用されてもよいことに留意されたい。さらに、送信機166及び受信機168はナビゲーションデバイス200のための通信設計において使用される通信要件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機166及び受信機168の機能は図2に関連して上述したように単一の送受信機に組み合わされてもよい。当然ながら、ナビゲーションデバイス200は、本書でさらに詳細に後述する他のハードウェア及び/又は機能部分を備える。
【0216】
サーバメモリ156に記憶されたソフトウェアはプロセッサ154に命令を提供し、サーバ150がナビゲーションデバイス200にサービスを提供することを可能にする。サーバ150によって提供される1つのサービスは、ナビゲーションデバイス200からの要求を処理することと、大容量データストレージ160からのナビゲーションデータをナビゲーションデバイス200に送信することとを含む。サーバ150によって提供されうる別のサービスは、所望のアプリケーションのための様々なアルゴリズムを使用してナビゲーションデータを処理することと、これらの演算の結果をナビゲーションデバイス200に送ることとを含む。
【0217】
サーバ150は、無線チャネルを介してナビゲーションデバイス200によってアクセス可能なデータの遠隔ソースを構成する。サーバ150は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)等に位置するネットワークサーバを含んでもよい。
【0218】
サーバ150はデスクトップ又はラップトップコンピュータのようなパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル152はパーソナルコンピュータとナビゲーションデバイス200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、サーバ150とナビゲーションデバイス200との間にインターネット接続を確立するために、ナビゲーションデバイス200とサーバ150との間にパーソナルコンピュータが接続されてもよい。
【0219】
ナビゲーションデバイス200は、自動的に、時々、又はユーザがナビゲーションデバイス200をサーバ150に接続する際に更新されてもよい情報、及び/又は例えば無線モバイル接続デバイス及びTCP/IP接続を介してサーバ150とナビゲーションデバイス200との間でより一定の又は頻繁な接続が行われる際に、より動的であってもよい情報を、情報ダウンロードを介してサーバ150から提供されてもよい。多くの動的演算について、サーバ150内のプロセッサ154は処理ニーズの大部分を処理するために使用してもよいが、ナビゲーションデバイス200のプロセッサ(図2には示されていない)はサーバ150への接続とはしばしば無関係に、より多くの処理及び演算を処理することもできる。
【0220】
図3を参照して、ナビゲーションデバイス200のブロック図は、ナビゲーションデバイスのすべての構成要素を含むものではなく、多くの例示的な構成要素を表すに過ぎないことに留意されたい。ナビゲーションデバイス200は、ハウジング(図示せず)内に配置される。ナビゲーションデバイス200は例えば、上述のプロセッサ202を含む処理回路を含み、プロセッサ202は入力デバイス204及び表示デバイス、例えば表示画面206に結合される。ここでは入力デバイス204を単数で参照するが、当業者は入力デバイス204がキーボードデバイス、音声入力デバイス、タッチパネル、及び/又は情報を入力するために利用される任意の他の既知の入力デバイスを含む、任意の数の入力デバイスを表すことを理解されたい。同様に、表示画面206は例えば、液晶ディスプレイ(LCD)のような任意のタイプの表示画面を含みうる。
【0221】
1つの構成では、入力デバイス204、タッチパネル、及び表示画面206の1つの態様は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力250(図4)を含む統合された入出力デバイスを提供するように統合され、(直接入力、メニュー選択などを介した)情報の入力と、タッチパネル画面を通じた情報の表示との両方を可能にし、その結果、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するために、又は複数の仮想又は「ソフト」ボタンのうちの1つをアクティブ化するために、表示画面206の一部分にタッチするだけでよい。この点において、プロセッサ202は、タッチスクリーンと連動して動作するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をサポートする。
【0222】
ナビゲーションデバイス200において、プロセッサ202は接続210を介して入力デバイス204に動作可能に接続され、入力情報を受信でき、個別の出力接続212を介して、表示画面206及び出力デバイス208のうちの少なくとも1つに動作可能に接続され、それに情報を出力する。ナビゲーションデバイス200は、出力デバイス208、例えば可聴出力デバイス(例えば、ラウドスピーカ)を含んでもよい。出力デバイス208がナビゲーションデバイス200のユーザのための可聴情報を生成できるため、入力デバイス204は入力音声コマンドを受信するためのマイクロフォン及びソフトウェアも含みうることを同様に理解されたい。さらに、ナビゲーションデバイス200は、任意の追加の入力デバイス204及び/又はオーディオ入力/出力デバイスのような任意の追加の出力デバイスを含むこともできる。
【0223】
プロセッサ202は接続216を介してメモリ214に動作的に接続され、さらに、接続220を介して入出力(I/O)ポート218との間で情報を受信/送信するように構成され、I/Oポート218は、ナビゲーションデバイス200の外部のI/Oデバイス222に接続可能である。外部I/Oデバイス222は、例えばイヤホンのような外部リスニングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。I/Oデバイス222への接続はさらに、ハンズフリー動作のための、及び/又は例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のための、及び/又は例えばモバイル電話への接続のための音声起動動作のためのカーステレオユニットのような任意の他の外部デバイスへの有線又は無線接続であってもよく、モバイル電話接続は例えば、ナビゲーションデバイス200とインターネット又は任意の他のネットワークとの間のデータ接続を確立するために、及び/又は例えばインターネット又は他の何らかのネットワークを介してサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0224】
ナビゲーションデバイス200のメモリ214は、(例えば、プログラムコードを記憶するための)不揮発性メモリの部分と、(例えば、プログラムコードが実行される際にデータを記憶するための)揮発性メモリの部分とを含む。ナビゲーションデバイスはまた、リムーバブルメモリカード(一般にカードと呼ばれる)をデバイス200に追加することを可能にするために、接続230を介してプロセッサ202と通信するポート228を備える。記載されている本実施形態では、SD(セキュアデジタル)カードを追加できるようにポートが構成されている。他の実施形態では、ポートは、他の形式のメモリ(コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)カード、メモリスティック、xDメモリカード、USB(ユニバーサルシリアルバス)(登録商標)フラッシュドライブ、MMC(マルチメディア)カード、スマートメディアカード、マイクロドライブなど)を接続可能にしてもよい。
【0225】
図3は、接続226を介したプロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の動作可能な接続をさらに説明し、アンテナ/受信機224は例えばGPSアンテナ/受信機でありえ、よって図1のGPS受信機106として機能する。参照符号224によって示されるアンテナ及び受信機は説明のために概略的に組み合わされているが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことを理解されたい。
【0226】
当然ながら、図3に示される電子部品は、従来の方法で1つ以上の電源(図示せず)によって給電されることが当業者には理解されるのであろう。このような電源は、内部バッテリ及び/又は低電圧DC電源又は任意の他の適切な構成のための入力を含んでもよい。当業者によって理解されるように、図3に示される構成要素の異なる構成が企図される。例えば、図3に示される構成要素は、有線及び/又は無線接続等を介して互いに通信してもよい。よって、本書に記載されるナビゲーションデバイス200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションデバイス200でありうる。
【0227】
さらに、図3のポータブル又はハンドヘルドナビゲーションデバイス200は例えば、自転車、オートバイ、自動車、又はボートのような乗り物に、既知の方法で接続又は「ドッキング」されうる。その後、このようなナビゲーションデバイス200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション用途のために、ドッキングされた位置から取り外し可能である。実際、他の実施形態では、デバイス200は、ユーザのナビゲーションを可能にするためにハンドヘルドであるように構成されてもよい。
【0228】
図4を参照して、ナビゲーションデバイス200は、一体化された入力及び表示デバイス206と、図2の他の構成要素(内部GPS受信機224、プロセッサ202、電源(図示せず)、メモリシステム214などを含むが、これらに限定されない)とを含むユニットであってもよい。
【0229】
ナビゲーションデバイス200はアーム252上に座してもよく、アーム252はそれ自体が吸引カップ254を用いて車両のダッシュボード、窓等に固定されてもよい。このアーム252は、ナビゲーションデバイス200がドッキングされうるドッキングステーションの一例である。ナビゲーションデバイス200は例えば、ナビゲーションデバイス200をアーム252にスナップ接続することによって、ドッキングステーションのアーム252にドッキングされるか、又は他の方法で接続されうる。その後、ナビゲーションデバイス200は、アーム252上で回動可能であってもよい。ナビゲーションデバイス200とドッキングステーションとの接続を解除するために、例えばナビゲーションデバイス200のボタン(図示せず)が押下されてもよい。ナビゲーションデバイス200をドッキングステーションに結合及び分離するための他の同様に適切な構成は、当業者には周知である。
【0230】
当然ながら、ナビゲーションデバイスは、説明されるようなPND型デバイスによって提供される必要はない。以下に説明されるように、広範囲の一般的なコンピューティングデバイスは、ナビゲーションクライアントを実行する場合に、ナビゲーションデバイス200を参照して記載される機能を提供してもよく、同じ方法でサーバと通信してもよい。
【0231】
図5を参照して、プロセッサ202とメモリ214は、ナビゲーションデバイス200の機能ハードウェア構成要素280とデバイスによって実行されるソフトウェアとの間のインタフェースとして機能するBIOS(基本入出力システム)282をサポートするように協調する。そして、プロセッサ202はメモリ214からオペレーティングシステム284をロードし、これは、(記載された経路計画及びナビゲーション機能の一部又は全部を実施する)アプリケーションソフトウェア286が実行可能な環境を提供する。アプリケーションソフトウェア286は、ビゲーションデバイスのコア機能、例えば地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及びそれに関連する他の任意の機能をサポートするグラフィカルユーザインタフェースを含む動作環境を提供する。この点において、アプリケーションソフトウェア286の一部は、ビュー生成モジュール288を含む。
【0232】
記載されている実施形態において、ナビゲーションデバイスのプロセッサ202は、アンテナ224によって受信されたGPSデータを受信し、本書に記載される方法に従ってトリガされた場合に、ナビゲーションデバイスの位置の記録を構築するために、そのGPSデータを、GPSデータが受信されたときのタイムスタンプとともにメモリ214内に記憶するようにプログラムされる。このように記憶された各データ記録はGPSフィックスと考えられてもよく、すなわち、ナビゲーションデバイスの位置のフィックスであり、緯度、経度、及びタイムスタンプを含む。このようなデータは、本書ではプローブデータサンプルと呼ばれる。
【0233】
さらに、プロセッサ202は、各プローブデータサンプル(すなわち、GPSデータ及びタイムスタンプ)をサーバ150にアップロードするように構成される。ナビゲーションデバイス200は、自身をサーバ150に接続する永続的、又は少なくとも一般的に存在する通信チャネル152を有してもよい。
【0234】
記載されている実施形態において、プローブデータサンプルは、1つ以上のトレースを提供し、各トレースは適用可能な期間内の、例えば所与の経路を横断している間の当該ナビゲーションデバイス200の移動を表す。サーバ150は、受信されたプローブデータサンプルを受信し、これらを処理のために大容量データストレージ160内にデバイスの所在の記録として記憶するように構成される。よって、時間が経過するにつれて、大容量データストレージ160は、プローブデータサンプルをアップロードしたナビゲーションデバイス200の所在の複数のレコードを蓄積する。サーバは、例えば、デバイス識別子値又はデータが関連する期間のような共通要素を、トレースを構成するプローブデータサンプルのそれぞれではなく、トレース全体に関連付けることによって、トレースを形成するプローブデータサンプルを再構築してもよい。共通要素をトレースレベルに移動させた後、トレース内の個々のプローブデータサンプルは、トレースが関係する期間内の位置値及び時間オフセット(例えば、期間の開始からの時間又はシーケンス番号)を少なくとも含んでもよい。
【0235】
上述のように、大容量データストレージ160は地図データも含む。このような地図データは、道路セグメントの位置、関心点、及び地図上で一般に見られる他のこのような情報に関する情報を提供する。
【0236】
上述のように、本書で使用される「ナビゲーションデバイス」という用語は、適切なナビゲーションクライアントを実行する任意の形態のデバイスを包含するものと理解されるべきであり、図4に説明されるような特定用途のPNDタイプのデバイスの使用に限定されるものではない。ナビゲーションクライアントは、コンピュータデバイス上で実行されるソフトウェアアプリケーションである。ナビゲーションデバイスは、広範囲のコンピューティングデバイスを使用して実施されてもよい。いくつかの例示的なこのようなデバイスが図6に示される。
【0237】
図6のデバイスはすべて、ユーザが所望の目的地にナビゲーションすることを支援するためのナビゲーション画面を含む。これらは、単一目的コンピューティングデバイス(左上)であるパーソナルナビゲーションデバイス(PND)、モバイル電話の形態の汎用コンピューティングデバイス(右上)、ラップトップ(左下)、及び車載統合コンピューティングデバイス(右下)を含む。当然ながら、これらは、ナビゲーションクライアントを実行するために使用されてもよい広範囲の一般的なコンピューティングデバイスのいくつかの例にすぎない。例えば、タブレット又は時計のようなウェアラブルデバイスが使用されてもよい。
【0238】
車両は、図7に示すように、運転者を支援する複数のコンピューティングデバイス及び複数のディスプレイを有してもよい。図7は、ハンドル300、ハンドル後方の第1表示エリア320、フロントウィンドウに投影されるヘッドアップディスプレイ330、センターディスプレイ340、及び複数のコントロール(ボタン、タッチスクリーン)350を有する自動車の内部を示す。さらに、自動車は、自動車コンピュータ環境へのモバイル端末の採用をサポートしてもよい。
【0239】
別の例示的なナビゲーションシステム400の機能図が図8に示される。システムは、図6及び図7を参照して例示されるような任意の適切なコンピューティングデバイス上で実行されるソフトウェアアプリケーションによって提供されてもよいナビゲーションクライアント402を含む。システム400はまた、地図サーバ404と、交通情報サーバ406と、車載制御システム408とを含む。これらの構成要素は、以下により詳細に記載される。ナビゲーションシステムが、地図サーバ404及び交通情報サーバ406と通信する複数のナビゲーションクライアント402を含むことが理解されよう。
【0240】
ナビゲーションクライアント402
ナビゲーションクライアントは、コンピューティングデバイス上で実行されるナビゲーションアプリケーションによって提供される。ナビゲーションクライアント402は、ほとんどのコンピューティングデバイスに共通として、ユーザ入力出力デバイス410、412を提供する。ナビゲーションクライアントはまた、地図データを取得し、クライアントを提供するナビゲーションアプリケーションが実行されるコンピューティングデバイスの不揮発性メモリに地図データを記憶する地図データコントローラ414を提供する。ナビゲーションアプリケーションが実行されるナビゲーションデバイスはまた、処理ユニット、メモリ、ディスプレイ、長期ストレージ(フラッシュメモリ)、ネットワーキングインタフェースのような従来のコンピューティングデバイス構成要素に加えて、位置センサ416を含む。このようなより従来的な構成要素は、ナビゲーション機能をサポートすることにより関連する構成要素を示す図8には示されていない。
【0241】
ナビゲーションクライアント400は、地理的エリアの電子地図を使用して動作する。地図情報はデバイス上にローカルに(例えば、不揮発性のソリッドステートメモリ内に)記憶されてもよく、又はナビゲーションサーバから読み出されてもよい。ナビゲーションクライアントは、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に関心のある地理的エリアの地図ビューを生成するために電子地図を使用する。通常、地理的エリアは、ナビゲーションクライアントソフトウェアアプリケーションを実行するコンピューティングデバイスの現在の場所を中心とする。
【0242】
現在位置は、衛星測位(GPS、GNSS、...)、WiFi(登録商標)(無線三角測量)、モバイル電話追跡、BlueToothビーコン、画像解析(その例は本出願人の国際特許出願第PCT/EP2016/068593号、国際特許出願第PCT/EP2016/068594号、国際特許出願第PCT/EP2016/068595号、及び国際特許出願第PCT/IB2016/001198号に記載されており、これらの全内容は参照によって本書に組み込まれる)、地図マッチング、デッドレコニング、及び他の位置検知技術などの広範囲の位置検知技術のいずれかを使用してもよい位置センサ416を使用して決定される。位置検知誤差の存在において、地図マッチングは、地図上の道路セグメントに最良にマッチするように測定位置を調整するために使用されてもよい。
【0243】
ナビゲーションクライアント402は、ユーザが現在位置から目的地位置までナビゲーションすることを支援してもよい。目的地は、目的地選択モジュール418を使用して入力されうる。ナビゲーションクライアントの経路決定モジュール420は、選択された目的地への経路を算出する。経路決定モジュール420はまた、推定移動時間又は推定到着時刻を決定するために、電子地図に加えて現在の交通情報を取得する。現在の交通情報は、電子地図の地理的エリアにおける道路網上の現在の状況を記載する。これは、現在の平均速度、現在の交通密度、現在の道路閉鎖などを含む。経路決定モジュール420は、好ましい経路だけでなく、エンドユーザが好ましい経路を選択することを可能にする代替経路を提示してもよい。
【0244】
ナビゲーションクライアントの案内モジュール422は、エンドユーザを選択された目的地に案内するために、選択された優先経路を使用する。これは、地図と目的地までの経路の一部とを示す表示を使用してもよい。案内は、ディスプレイ上の追加のグラフィカルインジケーションの形態をとってもよい。また、ほとんどのナビゲーションクライアントは、進路変更指示による音声案内をサポートする。
【0245】
アクティブなナビゲーションクライアントは位置プローブを生成し、交通情報を計算及び更新するためにこれらのプローブを使用して交通情報サーバにこれらを提供する。ナビゲーションクライアント402は、これらの機能を実施するために、位置プローブジェネレータ418及びプローブインタフェース420を含む。
【0246】
ナビゲーションクライアント402はまた、地図サーバ404及び交通情報サーバ424と通信するためのHTTPSクライアントを含む。
【0247】
地図サーバ404
地図サーバ404は、電子地図を作成しナビゲーション用の電子地図を使用するための大量の情報を記憶、管理、作成するためのインフラストラクチャである。地図サーバは、クラウドサーバシステムによって提供されてもよい。
【0248】
地図サーバ404は、適当な地図製作部432から地図データを受信する地図コンパイラ430を含む。地図制作部432は、地図データソース434から地図ソースデータを受信し、これを電子地図に含めるのに適した形式に変換する。例えば、地図コンパイラ430は、地図データを、電子地図のための個別の層及びタイルにソートしてもよい。地図サーバ404はさらに、地図データサービス436及び地図メタデータサービス436を含む。地図データサービス436と地図メタデータサービス436との組合せは、共に「クラウドサービス」と呼ばれてもよい。HTTPSクライアント424は、地図メタデータサービス436から地図メタデータを読み出してもよく、その後、必要に応じて、地図データサービス438から地図データを読み出すためにメタデータを使用してもよい。
【0249】
典型的なナビゲーションサーバは、広範囲の国(約200カ国)について、10~10キロメートルの道路網に関連する地図情報を管理する。地図情報は高品質である必要があるため、サーバインフラストラクチャは、1秒あたり平均して約1000回の更新となる更新レートで地図情報への更新を処理する。さらに、地図情報は、ナビゲーションクライアントのグローバルインフラストラクチャに配信される必要がある。配信は、配信される地図情報を生成するために、クラウドコンピューティングシステムに加えて、洗練されたコンテンツ配信ネットワークを必要とする。ナビゲーションサーバはまた、リアルタイム交通情報を集約、処理、及び配信する。
【0250】
交通情報サーバ406
交通情報サーバ406は、プローブデータソース442から取得されたデータを用いて交通情報をコンパイルする交通情報コンパイラ440を含む。プローブデータソース442はプローブデータサービス446からデータを受信し、これは、次に、ナビゲーションクライアントからプローブデータを受信するように構成される。交通情報コンパイラ440は交通情報を交通情報サービス444に提供し、このサービスは、交通情報を提供するためにHTTPSクライアント424と通信する。
【0251】
交通情報サーバ406は、道路及び交通情報をナビゲーションクライアント402に提供する。
【0252】
地図情報は、通常、履歴データに基づく静的交通情報を含む。交通密度、駐車スペース利用可能性、事故、道路閉鎖、更新された道路標識、及び関心点のようなより動的な交通情報について、交通情報サーバは、ナビゲーションクライアントから位置プローブデータを受信する。交通情報コンパイラは、現在の交通情報を生成するために、複数のナビゲーションクライアントから取得された現在位置プローブデータを使用する。
【0253】
位置(ロケーション)プローブデータ
通常の動作中、ナビゲーションクライアント402は、位置プローブデータを交通情報サーバ406に定期的に送信する。位置プローブデータは、ナビゲーションクライアントの最近又は現在の位置に関する情報を含む。位置プローブデータは、通常トレースと呼ばれるプローブデータ要素の集合に結合されてもよい。交通情報サーバ406は、現在の交通情報を推定するために、トレース又はプローブデータを使用する。この情報は、現在の平均速度及び現在の交通密度のような道路セグメントのためのパラメータを含む。交通情報サーバ406は、ナビゲーションクライアント402にリアルタイムの交通情報を提供し、より良い経路生成を可能にし、目的地までの推定移動時間を改善するために、位置プローブデータを処理する。
【0254】
位置プローブ(又は「プローブ」)という用語は、ナビゲーションクライアント、すなわちクライアントを実施するデバイスの位置を示す、少なくとも位置情報を含むデータサンプルを指す。典型的に、位置データが経度値及び緯度値(両方とも典型的に約10メートルの精度を有する)を含む。プローブデータサンプルは、時刻値のような他のデータを含んでもよい。時刻値は、位置データに関連する時刻を提供し、位置データが生成された時刻に対応するように、又はプローブデータサンプルの送信時刻に対応するように、測位システムから受信されてもよい。プローブデータサンプルは、(エンドユーザデバイス及びユーザに一意に関連する)デバイス識別子値を含んでもよい。
【0255】
トレースという用語は、同じデバイス、ユーザ、及び共通期間に関連する位置プローブの集合を表す。トレースデータは例えば、デバイス識別子値又はプローブデータが関連する期間のような共通要素を、トレースを構成するプローブのそれぞれに関連付けることによって、サーバにおいて再構築されうる。共通要素をトレースレベルに移動させた後、トレース内の個々のプローブは、期間内の位置値及び時間オフセット(例えば、期間の開始からの時間又はシーケンス番号)を少なくとも含む。
【0256】
本発明は、好ましい実施形態では少なくとも、ナビゲート可能なネットワーク内の交通量を示すデータを生成する方法を対象とする。このような交通データの正確な生成は、多くの交通管理および制御アプリケーションにとって重要である。したがって、本発明は、そのような交通データを生成するための改善された方法を提供する。特に、本発明は、プローブデータからそのような交通データを生成するための方法を提供する。ここで、交通量を推定することに関して、好ましい実施形態を説明する。そのような技法は、以下で説明するように、車両プローブおよび測定された交通カウントデータへのアクセスを有するサーバによって実行され得る。例えば、サーバは、図8を参照して説明したタイプのシステムで動作する交通サーバであってもよい。
【0257】
交通量(交通流とも呼ばれる)は、時間間隔Δt内に、ロケーションxにおける断面を通過する車両数ΔNとして定義される。すなわち、交通量Yは、一般に次式で与えられる。
【数3】
(式3)
【0258】
時間間隔Δtは一般に、アプリケーションに応じて、例えば、必要な時間分解能(および精度)に応じて、所望に設定または選択することができる。例えば、交通渋滞のような動的交通現象の文脈(コンテクスト)では、典型的な集約時間間隔Δtは、約1分~1時間の範囲が適当であり得る。しかしながら、交通信号の較正、交通計画などの他の用途では、ずっと長い時間間隔、例えば、数日、数週間、または数ヶ月も考慮する必要があり得る。
【0259】
道路ネットワーク上の全車両の一部のみがデータを報告しているので、交通量は、通常、プローブデータから直接測定することはできない。すなわち、プローブデータは、道路ネットワーク内の総交通の任意のサンプルのみを表す。プローブのパーセンテージは一般に増加しているが、現在、カバレッジ(または「普及レベル」)は、典型的には約10%(例えば、ドイツまたはオランダで)に過ぎず、いくつかのエリアではさらに少ない。
【0260】
したがって、本発明の実施形態は、フローティング車両のサンプルからのプローブデータを使用して交通量を推定することができる改善された方法を提供する。この概念の基礎となる基本的な考え方は、適切なスケーリング係数(普及レベルを逆に示す可能性がある)が与えられると、所与の時間間隔においてセグメントについて観測されたプローブカウントを投影または外挿して、その時間間隔におけるセグメントについての総交通量を与えることができるということである。
【0261】
本発明は、このようなスケーリング係数を推定するための改善された技術に関する。スケーリング係数は、時間に依存し、および/またはロケーション(位置)に依存する。上述した図9を参照して示されるように、現在の技術は、地図の全てのセグメントにわたって、また、考慮される全ての時間にわたって、一定であるスケーリング係数に依存する。しかしながら、図10が示すように、これは、かなりの誤差をもたらす可能性がある。
【0262】
次に、本発明のいくつかの実施形態を、交通情報サーバによって実施される方法を参照して説明する。
【0263】
交通情報サーバは、車両プローブデータと、電子地図のセグメントによって表される道路要素に関連付けられた交通検出器から取得される測定された交通データとを使用して、所与の時間間隔におけるセグメントのスケーリング係数の改善された推定値を提供する。このような測定された交通データは、簡単にするために、「誘導性ループデータ」と呼ばれるが、測定された交通データは、プローブデータではなく、道路要素に関連付けられた、すなわち、カメラなどの固定道路インフラストラクチャの一部を形成する、任意の他のタイプの交通検出器から取得されてもよいことが理解されるのであろう。
【0264】
交通情報サーバは、地図エリアA内の道路セグメントsのセットSの車両プローブデータを受信する。道路セグメントのセットSは、地図エリアAについてN個の道路セグメントsを含む第1のサブセットL={s|0≦i<N}を含むこの第1のセットの各道路セグメントsは、交通流検出器に関連付けられている。
【0265】
この地図エリアの残りの道路セグメントは、交通流検出器との関連性を有さないR個の道路セグメントsの第2サブセットM={s|0≦i<R}を形成する、したがって、L={s|0≦i<N}、M={s|0≦i<R}、S=L∨M、|S|=N+Rである。
【0266】
交通情報サーバは、道路セグメントsの交通検出器から、測定された交通流データY(s,t)を受信する。さらに、交通情報サーバは、道路セグメントs上を移動する車両に関連付けられたナビゲーションデバイスからプローブデータX(s,t)を受信する。ナビゲーションデバイスは、上述したようなナビゲーションアプリケーションを実行する任意のデバイスであってもよい。
【0267】
両方の交通流データソースが、時間依存とロケーション(道路セグメント)依存であるため、交通情報サーバは、時間tとロケーションsの関数でもあるスケーリング係数k(s,t)を決定する。スケーリング係数は、普及レベルを示す。
【数4】
(式4)
【0268】
k(s,t)係数は、セグメントに関連付けられた交通検出器によって取得された、受信された測定交通流データと、ナビゲーションデバイスから取得された、受信されたプローブデータとをリンクする。
【0269】
ただし、交通情報サーバは、道路セグメントsの第2のセットについての測定された交通流データを受信しない。代わりに、交通情報サーバは、道路セグメントs上を移動する車両に関連付けられたナビゲーションデバイスからプローブデータX(s,t)のみを受信する。
【0270】
式4において、時間tは、Δtの固定時間単位での時間を表す。これは、高分解能時間T(例えば、基準時間からマイクロ秒をカウントする)が、t=trunc(T/ΔT)でtに変換されてもよいことを意味する。したがって、tは、基準時間からの時間間隔Δtの個数をカウントする。1時間をΔtとして使用すると、時間tは、tが1時間の精度をもつ時間単位の時刻(時間)インジケータである。交通パターンは、同じ時間および平日で非常に類似しているので、一般的な単純化は、時間を、1週間で24×7時間をカバーする離散時間インデックスtに置き換えることである。時間インデックスtは、1週間にZ時間間隔ΔTをカウントする。公式t=tmodZは、モジュロ演算を使用して、時間tを、0,..,Z-1(0≦k<Z)の範囲の時間インデックスtにマッピングする。Δtが10分の場合、Zの値は、24*7*(60/10)=1008である。Δtが1時間(60分)の場合、Zは168(24×7)に等しい。
【0271】
必要なのは、測定された交通情報がない道路セグメントsに対するk(s,t)を決定するための方法である。
【0272】
単純な実施形態では、プローブデータおよび測定された誘導性ループデータに基づく交通カウントデータの比較を通して、誘導性ループに関連付けられているセグメントについて決定されたスケーリング係数の時間依存値を使用して、測定された交通情報が存在しないセグメントについての交通量を決定する際に使用するための時間依存スケーリング係数値を推論することができる。これは、すべてのセグメントにわたって一定のスケーリング係数を使用することと比較して、そのようなセグメントに対する交通量を決定することができる精度において、ある程度の改善を提供する。
【0273】
誘導性ループの2つのセットを用いた実験では、k(t)係数は、誘導性ループの第1のセットから算出した。これらのk(t)係数は、離散時間依存であるが、ロケーション(位置)に依存せず、すなわち、全ての道路セグメントに対して使用される。次に、誘導性ループの第2のセットの測定された交通データが、これらの誘導性ループについてのプローブデータおよびk(t)係数を使用して交通推定値と比較される。離散時間依存係数k(t)を使用すると、一定の係数kに対する12.9%の平均相対予測誤差(MRE)と比較して、MREは10.5%に減少した。
【0274】
図11は、誘導性ループの同じセットについての、一定の係数kおよび離散時間依存係数k(t)のの中央値(メジアン)相対誤差を示す。係数の粒度(精度)の増加は、従って、交通推定の精度を改善する。粒度の更なる改良は、理想的にはその交通流を推定するために道路セグメントのロケーションを考慮することを含む。したがって、スケーリング係数の推定は、位置、例えば、考慮されるセグメントの位置に依存することが望ましい。これを実施するためのいくつかの技法を以下に説明する。
【0275】
交通情報サーバは、交通検出器から、測定された交通データY(s,t)を、および、道路セグメントsについての車両に関連付けられたナビゲーションデバイスからプローブデータX(s,t)を受信する。
【0276】
交通情報は、受信した測定交通データY(s,t)を、受信したプローブデータX(s,t)で除算し、上式4のようにk(s,t)を求める。道路セグメントsのk(s,t)係数は、測定された交通データY(s,t)がない場合、プローブデータX(s,t)から道路セグメントsの交通流を推定するために後に使用されてもよい。
【0277】
交通情報サーバは、道路セグメントsを移動する車両に関連付けられたナビゲーションデバイスからプローブデータX(s,t)のみを受信する。本発明の目的は、交通流検出器とは関係がないものの、交通情報サーバがプローブデータX(s,t)を受信する、このような道路セグメントsのk(s,t)を決定することである。
【0278】
交通情報サーバは、プローブデータX(s,t)およびX(s,t)を使用して、本明細書で「プローブプロファイル」と呼ばれる交通パターンプロファイルP(s)を生成する。プローブプロファイルは、1週間にわたる時間に対するプローブカウント、すなわち、プローブデータによる車両のカウントの変化を記述する。このプロファイルは、毎週の反復時間間隔、例えば1時間間隔に関するプローブデータを集約することによって取得される。したがって、プローブプロファイルは、図12に示すように、プローブデータの週ごとのパターンを記述する。
【0279】
図12は、1日のおよび曜日ごとの時間間隔の個数をカウントする時間インデックスtの関数として、道路セグメントのプローブの個数を示している。プロファイルは、0≦k<ZであるプローブX(s,t)の数を示し、Zは、1週間における時間間隔の数である。交通情報サーバがすべての道路セグメントsおよびsのプローブデータを受信すると、これらすべての道路セグメントのプローブプロファイルP(s)を生成できる。
【数5】
(式5)
【0280】
式5は、プローブプロファイルにZ要素が存在することを示す。地図エリアについては、交通情報サーバがプローブデータを受信するN+M個の道路セグメントがある。プローブプロファイルの各要素についてのプローブカウントの個数は、プロファイルを構築する際に考慮される各異なる週の平均である。
【0281】
交通情報サーバは、道路セグメントについてのプローブプロファイルを使用して、プロファイル類似度を示すパラメータを決定する。類似度の値は、関心道路セグメントsと、交通検出器有するすべての道路セグメント{s|i=1...M}との間のリンクを確立する。交通検出器を有する道路セグメントは、「基準セグメント」と呼ぶことができる。言い換えれば、交通流検出器と関連付けられていない道路セグメントのプローブプロファイルは、交通検出器を有する道路セグメントsのプローブプロファイル(基準プローブプロファイル)の各々にマッチングされる。マッチングによりk(s,t)が推定される。
【0282】
プローブプロファイルP(s)とP(s)との間の類似度を見つけることは、2つのベクトル引数を受け取り、範囲(0...1]または0<K(a,b)≦1の単一の実数を出力する非負カーネル関数K(a,b)(係数k(s,t)関数と混同しないでください)を使用して実施される。1のカーネル関数の結果が生成されるのは、a=b(同一ベクトル)でなければ範囲(0...1]の値が返された場合のみである。K(P(s)、P(s)カーネル関数は、2つのプローブプロファイルP(s)とP(s)の類似度を、実数値関数の結果にマッピングする。プロファイルP(s)は、次元Z:P(s)=[X(s,t),X(s,t),・・・,X(s,t)を有するベクトルである。
【0283】
一例として、カーネル関数は、ラジアル基底関数、すなわち、
であってもよい。特に、カーネル関数はラジアル基底関数カーネル
である。
【0284】
プロファイル間の類似度、および類似度パラメータが決定され得る方法が、図13に示される。
【0285】
図13は、(関心セグメントに関連付けられ得る)左端のプローブプロファイルと右側の4つの(基準)プローブプロファイルとの間の類似度を示す。左側のプローブプロファイルは、日の終わり付近に(夕方の交通渋滞を示す)明確なピークを有する。類似度は、関心セグメントに関連付けられたプローブプロファイルと、各基準プロファイルとの間の類似度を示す類似度パラメータを取得するために使用される。これらの類似度パラメータは、最大範囲0...1から0.3...0.9の範囲にある。換言すれば、パラメータは正規化される。
【0286】
道路セグメントsについてのプローブプロファイルと、(交通流検出器に関連付けられた道路セグメントを表す)セットLからの基準プローブプロファイルとの間のプローブプロファイル類似度を用いて、道路セグメントsに対する係数k(s,t)を推定する。
【数6】
(式6)
【0287】
式6は、類似度測定値K(P(s)、P(s))と、重み付け係数αとを使用してk(s,t)係数(式3を参照)の加重寄与を示している。
【0288】
重み付け係数は、グラウンドトゥルースデータY(s,t)、すなわち道路セグメントsについての測定された交通データを用いて線形回帰モデルを訓練することから取得される。有利には、(限定ではなく例証によってであるが)、L2ペナルティ付きリッジ回帰モデルが回帰関数Q(α)のために使用される。
【数7】
(式7)
【0289】
式7において、定数Cは、相互検証によって見出される正則化項に関する。回帰モデルは、標準的な二次損失関数
を用いている。
【0290】
上記は、交通情報サーバがプローブデータX(s,t)を受信する地図エリア内の道路セグメントsに対して、交通量推定値Y(s,t;α)のセットを生成する事例を説明したものである。式4は、受信したプローブデータX(s,t)と、道路セグメントsの交通量推定値Y(s,t;α)とが、係数k(s,t)を通してリンクされることを記述している。
【0291】
式4および式6は、係数について以下の式をもたらす。
【数8】
(式8)
【0292】
式8と式6は、Y(s,t;α)=k(s,t;α)X(s,t)を用いてリンクされる。これは、αを決定するプロセスは、係数k(s,t;α)に関しても定式化できることを意味している。
【0293】
図14は、本明細書に記載される実施形態に従った、スケーリング係数のセットの生成を実施するための1つのシステムを示す機能図である。
【0294】
このようなシステムを使用して時間依存スケーリング係数を得るための方法の好ましい実施形態を、図15を参照して以下に説明する。
【0295】
図14は、プローブデータおよび交通情報サーバが受信する交通検出器データを示す。
【0296】
ステップ1において、交通情報サーバは、プローブデータを受信する地図エリアA内の道路セグメントsのセットSを選択する(図14の600)。これらは、関心のある所与の地図エリア内のセグメントであってもよい。ステップ3において、サーバは、(上記の説明と同様に)、交通検出器データも利用可能であるセットSから道路セグメントのサブセットLを特定(識別)し、プローブデータのみが利用可能である道路セグメントのサブセットMを特定する。サブセットL内のセグメントについてのプローブデータおよび交通検出器データは、図14において610および620とラベル付けされる。関連するプローブデータおよび交通検出器データは、それぞれのデータベースに格納されてもよい。
【0297】
ステップ5において、交通情報サーバは、(プローブプロファイルビルダモジュール630を使用して)セットS内の各道路セグメントについておよび(プローブプロファイルビルダモジュール640を使用して)セットL内の各道路セグメントについて、1週間の時間間隔の間、プローブデータを記述するプローブプロファイルを決定する。ステップ7において、交通サーバは、(プロファイル類似度比較モジュール650を使用して)、セットSからの道路セグメントについてのプローブプロファイルを、セットL内の全ての道路セグメントについてのプローブプロファイルと比較し、その結果を類似度パラメータモジュール(660)に格納する-ステップ9。
【0298】
ステップ11において、交通情報サーバの交通量推定モジュール670は、L内の道路セグメントの類似度パラメータと、α(値α)を有するN次元ベクトルとを使用して、L内の道路セグメントの交通量推定値を取得する。回帰解析モジュール680は、交通量推定値を、L内の全ての道路セグメントの観測された交通量データと比較し、重み付けベクトルαを更新する(重み付け値は、重み付け値モジュール690に格納されている)。最適な一致が見つかると、モジュール690からの最終重み付けベクトルおよびモジュール660からの類似度パラメータを使用して、受信したプローブカウントを推定交通量に変換する値をプローブプロファイル内の各時間間隔について記述する係数kのセットをS内の各道路セグメントについて生成する。
【0299】
この方法は、Sから任意の関心セグメントに関して実行することができるが、交通検出器データが利用可能ではない、すなわちサブセットMの一部を形成する任意のセグメントについての推定交通量を取得するのに特に有用である。サブセットLからの交通検出器データは、線形回帰モジュールにおける推定関数の精度を検証するために使用される。上記の式8に基づいて、交通検出器データが利用可能ではないサブセットMの一部を形成する関心のある時間間隔内の関心セグメントの推定スケーリング係数は、関心セグメントのプローブプロファイルと、交通検出器データが利用できるサブセットLのセグメントに対応する複数の基準セグメントのそれぞれ1つに関連付けられた基準プローブプロファイルとの類似度に基づくものであることが分かる。また、推定スケーリング係数は、プローブデータに従ったセグメントの移動のカウント、および、測定された交通カウントデータ、すなわち、所与の関心時間間隔におけるプローブカウント(式4)によって除算された測定カウント、に基づいて、基準セグメントの各々についての基準スケーリング係数に基づくものである。このような基準スケーリング係数の各々に与えられる重みは、線形回帰モデルを用いて決定され、サブセットL内のセグメントに関連付けられた測定交通検出器データを用いて訓練される。
【0300】
図16を参照すると、道路セグメントLのセットが、交通量推定を生成するための第1のサブセットと、推定関数の精度を検証するための第2のサブセットとの、2つのサブセットに分割される地図エリアを有する実験は、図16に示すような精度を有する。
【0301】
図は、これまでの結果(ベースライン1、2)と、プローブプロファイルマッチングと重み付けベクトル推定(近傍)を用いた推定手法のための分布を示している。量(ボリューム)推定値は、(それぞれのベースライン1(図1)およびベースライン2(図11)についての12.9%および10.5%のMREと比較して)5.78%の中央値(メジアン)相対予測誤差(MRE)を有する。
【0302】
上述したように、さらに精度を向上させるために、スケーリング係数もまた、位置に依存する、すなわち、セグメントの位置に依存することが望ましい。
【0303】
このような方法は、以下のようにして行うことができる。上記のように、以下の用語が使用される。
・Sは、地図エリアA内の道路セグメントsのセットである
・L={s|0≦i<N}は、交通情報が利用可能な地図エリアA内の道路セグメントsのセットである。各々の道路セグメントsは、交通流検出器に関連付けられる
・M={s|0≦i<R}は、交通流検出器との関連付けがない地図エリアA内の道路セグメントsのセットである。
・k(s,t)は、sのロケーション(位置)と時間インデックスtとに依存する推定された係数である。
【0304】
このさらなる実施形態では、違いは、推定されたスケーリング係数(関数)が、(そのようなデータが利用可能である基準セグメントに関して、測定された交通検出器データを使用して取得された)基準スケーリング係数を異なる方法で使用することである。
【数9】
(式9)
【0305】
上式において、式(8)のカーネル関数は、基準道路セグメントと、推定された係数が決定されている道路セグメントとの間の距離の関数として減少する基準(測定)スケーリング係数の寄与を表す減衰関数に置き換えられる。重み付け値αは、推定された係数を、地図エリアAの平均係数に調整する。
【0306】
従って、セグメントおよび基準セグメントのプローブプロファイル間の類似度を考慮するのではなく、交通検出器データを有するセグメントについて算出された基準スケーリング係数の重み付けを精緻化するために線形回帰訓練モデルを使用して、これらの実施形態において、関心セグメントについてのスケーリング係数は、基準セグメントについての基準スケーリング係数に基づくものであり、測定された交通データが存在するセグメントであり、基準セグメントと関心セグメントとの間の距離に応じて、基準スケーリング係数の異なるいくつかに重みが割り当てられる。
【0307】
このアプローチは、測定された基準スケーリング係数と、平均係数との間の差を、いくつかの近くの道路セグメントにわたって広げる。
【0308】
距離関数は、任意の適当な距離の測定値(尺度)、例えば、道路セグメントの(開始/終了/中央)地点間で測定されたユークリッド距離、これらの地点間の(最短、最速)ルーティング距離、または道路クラスに依存する距離に基づくことができる。距離関数は、平均係数寄与値に減衰する任意の関数とすることができる。
【0309】
この例では、関心セグメントについての取得されたスケーリング係数は、さらに時間に依存し、基準スケーリング係数、したがって、関心セグメントのスケーリング係数は、所与の時間間隔に関するものである。しかしながら、取得されたスケーリング係数は、代替的に、位置にのみ依存してもよいことが想定される。
【0310】
この実施形態は、例えば、セグメントのプローブプロファイル間の類似度をさらに考慮するために、または、測定された(基準)スケーリング係数データに基づく線形回帰モデルを使用するために、先の実施形態と組み合わせることができる。
【0311】
より詳細には、式9は、測定データと正規化値αとに基づいて、基準(測定)スケーリング係数k(s,t)からスケーリング係数k(s,t;α)を推定するための減衰関数D(s,s)を導入する。減衰関数は、基準スケーリング係数を任意の地図エリア(例えば、ある範囲内のロケーション)に広げることを目的としている。より長い距離では、減衰関数の結果は、(測定データに基づく)基準スケーリング係数の平均値に近づくはずである。
【0312】
減衰関数の例を図17に示す。
【0313】
図は、2つの基準セグメントsおよびsi+1の基準スケーリング係数と、これらの基準セグメントに関連付けられた地図位置とを示している。明確にするために、地図ロケーション(位置)は、例えば、2つの基準セグメント間の距離に基づいた、1次元地図として示される。また、図は、これらの地図ロケーション(位置)の係数k(s,t)が、すべての基準セグメントsに対して平均係数kav(または時間依存係数kav(t))を有することを示す。2つの基準位置については、道路セグメントsの係数k(s,t;α)を算出するために式8で使用される減衰関数の例も示している。図では、道路セグメントsは道路セグメントsとsi+1の両方に近いため、これらの基準セグメントからの基準係数が、減衰関数を使用して道路セグメントsに伝播される。
【0314】
式8の減衰関数は、道路セグメントについての推定スケーリング係数を取得するために基準スケーリング係数を結合する。基準道路セグメントから遠く離れたロケーション(位置)については、全ての基準スケーリング係数の寄与が、基準スケーリング係数の平均値kavに近づくはずである。
【0315】
式8で記述される伝播モデルには、伝搬をスケーリングするスケーリング値のベクトルが含まれている。たとえば、スケーリングは、地図エリアA内のすべての道路セグメントsにわたる平均値が、すべての基準道路セグメントsの平均スケーリング係数に近いことを保証するように、伝播を調整できる。
図の減衰関数は、単なる一例である。例えば、指数減衰、ステップ減衰、双曲線減衰、又は逆距離重み付け関数のような他の形態の減衰関数を使用することができる。減衰は、好ましくは比較的短い範囲にわたって起こるべきである。
【0316】
図18には、地図エリアに重ね合わせた2次元結果が示されている。
【0317】
このような実施形態は、図18を参照することにより、より詳細に示されている。図18は、道路セグメント(薄いグレー)および交通量検出器(黒いドット)を含む地図エリアを示す。地図はまた、地図エリアに対するk(s)関数を示す。これは、基準道路セグメント(すなわち、交通量検出器に関連付けられた道路セグメント)の測定されたk値を分布させた結果を示す。図は、地図エリアの「ヒートマップ」オーバーレイとしてのk(s)関数を示す。実際には、k(s)スケーリング係数は、地図エリア内の各道路セグメントに関連付けられたロケーション(位置)に基づいて決定される。例えば、ロケーション(位置)は、道路セグメントの始点、終点、又は中心点であってもよい。次いで、道路セグメントのそのロケーション(位置)に対するk(s)値が、その道路セグメント全体に関連付けられる。
【0318】
図18のヒートマップは、推定された係数k(s)を記述しており、それは減衰関数を用いて決定される。k(s)係数はまた、プローブプロファイル類似度方法を使用して取得されてもよい。これらのいずれの方法においても、推定された係数は、時間または時間インデックスtにも依存してもよく、それぞれ、推定された係数k(s,t)およびk(s,t)となる。推定された係数を(地図)ロケーションの関数として決定する方法は、通常、推定された係数への寄与をスケーリングするための重み付け値αを決定することを含む。
【0319】
本発明によれば、様々な実施形態において、測定されたカウントデータが利用可能であるセグメントである基準セグメントと、測定されたカウントデータが利用可能でない「非基準」セグメントとを含む電子地図データが提供されてもよい。各「基準セグメント」、すなわち、測定されたカウントデータが利用可能なセグメントは、所与の関心時間に対する基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられる。各基準セグメントは、時間に関する基準スケーリング係数の変化を表す基準スケーリング係数プロファイルに関連付けられてもよく、そこから、所与の時間に関するスケーリング係数が取得されてもよい。
【0320】
基準スケーリング係数は、適用可能な時間または複数の時間についての、測定された交通数と、セグメントに対するプローブカウントとの比に基づいてもよい。
【0321】
基準セグメントの基準スケーリング係数は、少なくとも一部がライブデータに基づくものであってもよい。例えば、これは、非基準セグメントに対する推定スケーリング係数が現在の時間に関して必要とされる場合に、特に適用可能であり得る。代替的または追加的に、基準スケーリング係数(またはスケーリング係数プロファイル)は、履歴データに基づくものであってもよく、例えば、履歴プローブプロファイルに基づくものであってもよい。これは、推定スケーリング係数が必要とされる関心時間が、過去または将来の時間である場合に適用可能であり得るが、現在の時間にも適用可能である。
【0322】
各非基準セグメントは、1つ以上の基準セグメントに関連付けられてもよい。これらの基準セグメントは、所与の非基準セグメントに関する交通量データを取得するのに関連すると判定された考慮されるエリア内の電子地図の基準セグメントのサブセットである。他の実施形態では、関連付けが地図データに存在せず、本方法は、所与のセグメントの関連する基準セグメント(複数可)を決定することに及んでもよい。
【0323】
所与の非基準セグメントに関連付けられた基準セグメントのサブセットは、所望に応じて決定され得る。例えば、関連する基準セグメントは、セグメントについての時間依存性の、例えば週毎のプローブプロファイルを、基準セグメントについての対応するプローブプロファイルと比較することによって決定されてもよい。基準セグメントのサブセットは、それらのプローブプロファイルと非基準セグメントのそれとの類似度に基づいて選択されてもよい。例えば、最も類似した基準セグメントが選択されてもよく、または、類似値が各基準セグメントに割り当てられてもよく、これらの基準セグメントは、所定の値を超える類似値を有するか、または、予め定義された個数の最も類似した基準セグメント等が選択される。
【0324】
サブセットに含めるための基準セグメントの選択は、代替的にまたは追加的に、交通量データが必要とされる非基準セグメントに対する基準セグメントの近接度(近接性)に基づいてもよい。近接度は、移動時間または空間距離に関して、基準セグメントと非基準セグメントとの間のナビゲート可能なネットワークを通る直線距離または距離などの空間的または時間的な近接度であってもよい。例えば、所定の距離または移動時間内の基準セグメント(複数可)のみ、または所定の数の最も近い基準セグメントのみが考慮されてもよい。
【0325】
代替的に又は追加的に、選択は、例えば、機能的道路クラスを考慮することによって、基準セグメントと非基準セグメントとの特性の類似度に基づいてもよい。
【0326】
これらの技法のいずれも、単独で、または任意の組合せで使用することができ、関心のある非基準セグメントに関連する1つ以上の基準セグメントのセットを識別することを可能にすることができる。これは、セグメントに関連し、より正確な非基準セグメントの推定スケーリング係数を取得するのを助けることができる。
【0327】
単一の基準セグメントまたは複数の基準セグメントであり得る基準セグメントのサブセットを特定(識別)するこのステップは、複数の基準スケーリング係数に基づいて推定スケーリング係数を決定する前述のステップの前に実行され得る。したがって、推定スケーリング係数の決定は、複数の基準スケーリング係数に基づくことができ、例えば、プローブプロファイルの類似度、および/または関連する基準セグメントと非基準セグメントとの近接度、および/または上述のような任意の他の基準に基づいて、複数の基準スケーリング係数からの寄与を重み付けすることを含むことができる。
【0328】
広い観点から、本発明は、(少なくとも所与の関心時間について)絶対車両カウントデータが存在しないセグメントについて、そのような絶対車両カウントデータが存在する1つ以上の基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数を使用して、交通量を決定することを可能にすることが理解されよう。
【0329】
当業者は、本明細書で説明されるような方法を実行するために提供される装置がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらのうちの2つ以上の任意の組合せを備え得ることを理解するのであろう。
【0330】
当業者は、GPSデータという用語がGPS全地球測位システムから導出された測位データを指すために使用されてきたことを理解するのであろう。他の測位データは、本明細書に記載の方法と同様の方法で処理することができる。したがって、用語GPSデータは、フレーズ測位データと置き換え可能であってもよい。
【0331】
本明細書に開示される特徴のすべて、および/またはそのように開示される任意の方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0332】
本明細書に開示された各特徴は特に断らない限り、同じ、均等な、または同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えることができる。したがって、特に断らない限り、開示される各特徴は、均等または同様の特徴の一般的なシリーズの一例にすぎない。
【0333】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書に開示された特徴の任意の新規なもの、または任意の新規な組み合わせ、またはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規なもの、または任意の新規な組み合わせに及ぶ。特許請求の範囲は、前述の実施形態のみを網羅するように解釈されるべきではなく、特許請求の範囲内にある任意の実施形態も網羅するように解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア内のナビゲート可能なネットワークを表す電子地図の所与のセグメントについて所与の時間に関する交通量を推定する方法であって、前記電子地図は、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられているナビゲート可能な区間と、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な区間とを含み、前記所与のセグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていない前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、前記電子地図は複数の基準セグメントをさらに含み、各基準セグメントは、交通検出器に関連付けられている前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、各基準セグメントは前記所与の時間についてのそれぞれの基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられ、前記基準スケーリング係数は、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウント、及び、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントに基づくものであり、車両の前記測定されたカウントは、前記区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づくものであり、車両に関連付けられたデバイスの前記カウントは、前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、前記方法は、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能なネットワークの前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウント、及び、前記所与のセグメントに対する前記所与の時間についての推定されたスケーリング係数を示すデータを使用して、前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記交通量を推定することであって、前記セグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられている前記電子地図の1つ以上の基準セグメントのサブセットのそれぞれに関連付けられた前記基準スケーリング係数に基づくものであり、デバイスの前記カウントは、前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った時間に関する複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記推定された交通量を示すデータを生成することと、
を含む方法。
【請求項2】
各基準セグメントに関連付けられた前記所与の時間についての前記基準スケーリング係数は、前記交通検出器データに基づく前記所与の時間についての前記測定されたカウントと、前記位置データおよび関連するタイミングデータに基づく前記所与の時間についてのデバイスの前記カウントとの比に基づくものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各基準セグメントは、時間依存基準スケーリング係数プロファイルを示すデータに関連付けられており、前記基準スケーリング係数プロファイルは、時間に対する前記基準セグメントについての前記基準スケーリング係数の変化を示す、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準スケーリング係数プロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記所与の基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示すプローブプロファイルに少なくとも部分的に基づくものである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記所与の時間は、現在の時間であり、前記基準スケーリング係数は、ライブデータに少なくとも部分的に基づくものである、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記電子地図は、基準セグメントではない各セグメントについて、前記セグメントに関連付けられた1つ以上の基準セグメントの前記サブセットを示すデータをさらに含む、請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記所与のセグメントに関連付けられている前記基準セグメントのうちの1つ以上の前記サブセットを決定することと、任意選択で、前記電子地図内の前記関連付けられたセグメントを有する1つ以上の基準セグメントの前記決定されたサブセットを示すデータを格納することとをさらに含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントに関連付けられたプローブプロファイルと前記基準セグメントのうちのいくつかに関連付けられた基準プローブプロファイルとの比較に少なくとも部分的に基づいて決定され、前記プローブプロファイルは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記所与のセグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示し、前記基準プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントの前記プローブプロファイルに最も類似すると決定された基準プローブプロファイルを有する1つ以上の基準セグメントを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントの位置に対する基準セグメントの近接度に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項7乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上の基準セグメントの前記サブセットは、前記所与のセグメントに対する基準セグメントの特性、例えば機能的道路クラス(FRC)、の類似度に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項7乃至10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記所与のセグメントの前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられたプローブプロファイルの、1つ以上の基準プローブプロファイルのセットのうちのそれぞれに対する類似度を示すデータを使用して推定され、各基準プローブプロファイルは、前記推定されたスケーリング係数を決定する際に基準スケーリング係数が使用される前記1つ以上の基準セグメントのそれぞれの1つに関連付けられ、前記プローブプロファイルは、前記セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記所与のセグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示し、前記基準プローブプロファイルは、前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った車両に関連付けられた複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づいて決定される時間に関する前記基準セグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントの変化を示す、請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、複数の前記基準スケーリング係数に基づくものであり、前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数に対する所与の基準スケーリング係数の寄与は、前記所与のセグメントに関連付けられた前記プローブプロファイルに、前記基準スケーリング係数が関連付けられている前記基準セグメントに関連付けられた前記基準プローブプロファイルの前記類似度に少なくとも部分的に基づくものである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記所与のセグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、複数の前記基準スケーリング係数に基づくものであり、前記推定されたスケーリング係数に対する各基準スケーリング係数の寄与は、前記所与のセグメントに対する前記基準スケーリング係数に関連付けられた前記基準セグメントの近接度に少なくとも部分的に基づくものであり、任意選択で、前記所与のセグメントにより近い基準セグメントに関連付けられた基準スケーリング係数に、より大きな重みが割り当てられる、請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記推定されたスケーリング係数は、複数の基準スケーリング係数の重み付けされた和に基づくものである、請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の基準スケーリング係数の前記重み付けされた和を取得する際に使用するための重み付け値のセットを示すデータは、線形回帰訓練モデルを使用して取得される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記線形回帰訓練モデルは、前記ナビゲート可能な区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づいて決定される前記所与の時間に関する前記基準セグメントによって表されたナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウントを示すデータを使用する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
交通量データが必要とされる前記所与のセグメントを示すデータと、関心時間を示すデータとを受信することと、前記所与の時間を特定するために前記関心時間を示す前記データを使用することとを含む、請求項1乃至17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記所与の時間は、現在の時間または将来の時間である、請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記所与の時間は、時間間隔であり、任意選択で、所与の曜日の時間間隔などの反復時間間隔である、請求項1乃至19の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記推定された交通量を示すデータを、それが関連する前記所与のセグメントを示すデータに関連付けることと、任意選択で、前記所与のセグメントについて前記取得された推定された交通量を示すデータを送信することと、および/または、前記所与のセグメントについて前記取得された推定された交通量を示すデータをユーザに対して表示することとをさらに含む、請求項1乃至20の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記推定された交通量および/または交通密度を後の表示のために記憶することをさらに含み、かつ/または、前記推定された交通量および/または交通密度をユーザに対して表示することを含む、請求項1乃至21の何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
エリア内のナビゲート可能なネットワークを表す電子地図の所与のセグメントについて所与の時間に関する交通量を推定するシステムであって、前記電子地図は、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な要素を表す複数のセグメントを含み、前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークは、少なくとも1つの交通検出器に関連付けられているナビゲート可能な区間と、任意の交通検出器に関連付けられていないナビゲート可能な区間とを含み、前記所与のセグメントは、任意の交通検出器に関連付けられていない前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、前記電子地図は複数の基準セグメントをさらに含み、各基準セグメントは、交通検出器に関連付けられている前記エリア内の前記ナビゲート可能なネットワークのナビゲート可能な区間の少なくとも一部分を表すセグメントであり、各基準セグメントは前記所与の時間についてのそれぞれの基準スケーリング係数を示すデータに関連付けられ、前記基準スケーリング係数は、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両の測定されたカウント、及び、前記所与の時間に関して前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウントに基づくものであり、車両の前記測定されたカウントは、前記区間に関連付けられた前記少なくとも1つの交通検出器によって測定されたデータに基づくものであり、車両に関連付けられたデバイスの前記カウントは、前記基準セグメントによって表された前記区間の前記少なくとも一部分に沿った複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、前記システムは、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能なネットワークの前記区間の前記少なくとも一部分を移動する車両に関連付けられたデバイスのカウント、及び、前記所与のセグメントに対する前記所与の時間についての推定されたスケーリング係数を示すデータを使用して、前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記交通量を推定することであって、前記セグメントについての前記推定されたスケーリング係数は、前記所与のセグメントに関連付けられている前記電子地図の1つ以上の基準セグメントのサブセットのそれぞれに関連付けられた前記基準スケーリング係数に基づくものであり、デバイスの前記カウントは、前記所与のセグメントによって表された前記ナビゲート可能な区間の前記少なくとも一部分に沿った時間に関する複数のデバイスの移動に関する位置データおよび関連するタイミングデータに基づくものである、ことと、
前記所与の時間に関して前記所与のセグメントについての前記推定された交通量を示すデータを生成することと、
を行わせるように構成された1つ以上のプロセッサのセットを含むシステム。
【請求項24】
コンピューティングデバイスによって読み出された場合に、請求項1乃至22の何れか1項に記載の方法に従って前記コンピューティングデバイスを動作させる命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、任意選択で非一時的なコンピュータ可読媒体に格納される、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】