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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】拡張リング付き流体コネクタ
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/088 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
F16L37/088
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537520
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 US2019067538
(87)【国際公開番号】W WO2021126215
(87)【国際公開日】2021-06-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519147290
【氏名又は名称】オエティカ エヌワイ インク
【氏名又は名称原語表記】Oetiker NY, Inc.
【住所又は居所原語表記】4437 Walden Avenue, Lancaster, New York, U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サウゼン,カーリ アン
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲン,クリスチャン ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】フレモント,ブラッドレイ シー.
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AA01
3J106AA04
3J106AA05
3J106AA06
3J106AB01
3J106BA02
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106BE01
3J106CA20
3J106EA03
3J106EB05
3J106EC01
3J106EC07
3J106ED14
3J106EF06
(57)【要約】
コネクタ本体40と、拡張リング22と、を備え、コネクタ本体40は、第1の貫通ボア34と、第1の貫通ボア54内に円周方向に配置された第1の溝50と、第1の溝内に配置されたシール62と、コネクタ本体40に配置され第1の貫通ボア内に延びるように構成された保持クリップ70と、を含み、拡張リング22は、第1の端部28と、第2の端部22と、半径方向外向表面と、第2の貫通ボア41と、含み、拡張リング22は、第1の貫通ボア34にスライド可能に係合している、流体コネクタ。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボア、保持クリップ、およびチューブ端形成部を有するコネクタ本体を含む流体コネクタ用の拡張リングであって、
第1の端部と、
第2の端部と、
半径方向外向表面と、
貫通ボアと、を備え、
前記拡張リングは、前記コネクタ本体とスライド可能に係合している、
拡張リング。
【請求項2】
前記半径方向外向表面は、溝を備える、
請求項1に記載の拡張リング。
【請求項3】
前記溝は、円錐台状面を備える、
請求項2に記載の拡張リング。
【請求項4】
前記溝は、前記保持クリップと係合して、前記保持クリップを少なくとも部分的に半径方向に拡張された状態に維持するように構成される、
請求項2に記載の拡張リング。
【請求項5】
非接続状態では、前記拡張リングは、前記保持クリップと軸方向に位置合わせされ、
接続状態では、前記チューブ端形成部は、前記拡張リングを第1軸方向に変位させ、前記拡張リングと前記チューブ端形成部の肩が前記コネクタ本体の前記ボアに固定される、
請求項2に記載の拡張リング。
【請求項6】
前記第2の端部が、表面を形成する凹部を含む、
請求項1に記載の拡張リング。
【請求項7】
前記表面は、前記チューブ端形成部の肩と係合するように構成される、
請求項6に記載の拡張リング。
【請求項8】
コネクタ本体と、
拡張リングと、を備え、
前記コネクタ本体は、
第1の貫通ボアと、
前記第1の貫通ボア内に円周方向に配置された第1の溝と、
前記第1の溝内に配置されたシールと、
前記コネクタ本体に配置され、前記第1の貫通ボア内に延びるように構成された保持クリップと、を含み、
前記拡張リングは、
第1の端部と、
第2の端部と、
半径方向外向表面と、
第2の貫通ボアと、を含み、
前記拡張リングは、前記第1の貫通ボアにスライド可能に係合している、
流体コネクタ。
【請求項9】
非接続状態では、前記拡張リングは、前記保持クリップと軸方向に位置合わせされ、前記半径方向外向表面は、前記拡張リングを少なくとも部分的に半径方向に拡張された状態に維持するように構成される、
請求項8に記載の流体コネクタ。
【請求項10】
前記半径方向外向表面は、第2の溝を備える、
請求項9に記載の流体コネクタ。
【請求項11】
前記第2の溝は、円錐台状面を備える、
請求項10に記載の流体コネクタ。
【請求項12】
接続状態において、チューブ端形成部は、第1の軸方向に前記拡張リングを変位させ、前記拡張リングおよび前記チューブ端形成部は、前記コネクタ本体の前記第1の貫通ボアに固定される、
請求項9に記載の流体コネクタ。
【請求項13】
接続状態において、前記第1の端部は、前記シールを前記第1の溝内に封入する、
請求項12に記載の流体コネクタ。
【請求項14】
前記コネクタ本体は、前記第1の溝内に前記シールを囲む突起をさらに備える、
請求項8に記載の流体コネクタ。
【請求項15】
前記第2の端部は、表面を形成する凹部を備える、
請求項8に記載の流体コネクタ。
【請求項16】
前記表面は、前記チューブ端形成部の肩と係合可能に構成される、
請求項15に記載の流体コネクタ。
【請求項17】
コネクタ本体であって、
第1の貫通ボアと、
前記第1の貫通ボア内に円周方向に配置された第1の溝と、
前記第1の溝内に配置されたシールと、
前記コネクタ本体に配置され、前記第1の貫通ボア内に延びるように構成された保持クリップと、を含むコネクタ本体と、
前記第1の貫通ボアにスライド可能に係合する拡張リングであって、
第1の端部と、
第2の端部と、
第2の溝を含む半径方向外向表面と、
第2の貫通ボアと、を含む拡張リングと、
前記コネクタ本体に接続可能に構成されたチューブ端形成部と、を備える、
流体コネクタ。
【請求項18】
非接続状態において、前記第2の溝は、前記保持クリップと係合し、前記保持クリップは、少なくとも部分的に半径方向に拡張された状態に維持される、
請求項17に記載の流体コネクタ。
【請求項19】
接続状態において、前記チューブ端形成部は、前記第1の貫通ボア内で第1の軸方向に前記拡張リングを変位させ、前記拡張リングおよび前記チューブ端形成部は、前記保持クリップを介して前記コネクタ本体に固定される、
請求項18に記載の流体コネクタ。
【請求項20】
前記接続状態において、前記第1の端部は、前記シールを前記第1の溝内に封入する、
請求項19に記載の流体コネクタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体コネクタ、より具体的には、組み立てに必要な力を低減する拡張リングを含む流体コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
流体コネクタは、多くの用途、特に自動車用途にとって不可欠な構成要素である。自動車システムは、ラジエーター、トランスミッション、エンジンなどのさまざまな構成要素で構成されているため、流体は各構成要素内だけでなく、構成要素間を移動できる必要がある。構成要素間を移動する流体の例は、トランスミッション流体の温度を下げるためにトランスミッションからトランスミッションオイルクーラーに移動するトランスミッション流体である。流体は主に、流体コネクタによって各構成要素に接続する柔軟なまたは硬いホースを介して構成要素間を移動する。そのような流体コネクタは、通常、チューブ端形成部がコネクタ本体に完全に挿入されたときにチューブ端形成部の隆起した肩の後ろにスナップするように適合された、コネクタ本体に搭載された保持クリップ、保持リングクリップ、またはスナップリングを含む。ただし、流体コネクタを組み立てるのに必要な力、特にチューブ端形成部をコネクタ本体に挿入するのに必要な力はかなり大きい。これは、チューブ端形成部の肩が保持クリップを通過するまで、チューブ端形成部が保持クリップを半径方向外側に押し出す必要があるためであり、通過した時点で、保持クリップは、半径方向内側にスナップして元の形状に戻る。
【0003】
したがって、チューブ端形成部がコネクタ本体に完全に挿入されるまで保持クリップを半径方向に拡張された位置に維持し、それによって流体コネクタを組み立てるのに必要な挿入力を低減する、拡張リングを含む流体コネクタが長い間必要とされてきた。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に示される態様によれば、ボア、保持クリップ、およびチューブ端形成部を有するコネクタ本体を含む流体コネクタ用の拡張リングが提供され、拡張リングは、第1の端部と、第2の端部と、半径方向外向表面と、貫通ボアと、を備え、拡張リングは、コネクタ本体とスライド可能に係合している。
【0005】
本明細書に示される態様によれば、コネクタ本体と、拡張リングと、を備える流体コネクタが提供され、コネクタ本体は、第1の貫通ボアと、第1の貫通ボア内に円周方向に配置された第1の溝と、第1の溝内に配置されたシールと、コネクタ本体に配置され、第1の貫通ボア内に延びるように構成された保持クリップと、を含み、拡張リングは、第1の端部と、第2の端部と、半径方向外向表面と、第2の貫通ボアと、を含み、拡張リングは、第1の貫通ボアにスライド可能に係合している。
【0006】
本明細書に示される態様によれば、コネクタ本体であって、第1の貫通ボアと、第1の貫通ボア内に円周方向に配置された第1の溝と、第1の溝内に配置されたシールと、コネクタ本体に配置され、第1の貫通ボア内に延びるように構成された保持クリップと、を含むコネクタ本体と、第1の貫通ボアにスライド可能に係合する拡張リングであって、第1の端部と、第2の端部と、第2の溝を含む半径方向外向表面と、第2の貫通ボアと、を含む拡張リングと、コネクタ本体に接続可能に構成されたチューブ端形成部と、を備える流体コネクタが提供される。
【0007】
本明細書に示される態様によれば、製造組立プロセス中にチューブ端形成部を迅速なコネクタ用途に組立てるのに必要な挿入力(労力)の量を低減する流体コネクタが提供される。本開示で開示される流体コネクタは、流体接続を迅速に接続するためのチューブの挿入力要件を低減し、すべての組立位置からの組立てを容易にする。流体コネクタは、統合された自己内蔵型のキャリア(ベゼル、拡張リングなど)を備えており、非常に低い挿入力でチューブ端形成部をコネクタ本体に接続できる。キャリアは、任意の適切な材料(例えば、金属、ポリマー、セラミックなど)であってもよい。迅速に接続するコネクタ本体は、任意の適切な材料(例えば、金属、ポリマー、セラミックなど)であってもよい。チューブ端形成部は、任意の適切な材料(例えば、金属、ポリマー、セラミックなど)であってもよい。
【0008】
本明細書に示される態様によれば、挿入力を低減する自己内蔵型アセンブリ解決を含む流体コネクタが提供される。キャリアは、迅速に接続するコネクタ本体の内部の保持クリップスロットの位置に配置される。次に、保持クリップがコネクタ本体に配置/取り付けられ、キャリアインターフェイスに係合する。これで、保持リングが拡張状態(非接続状態)に設定される。チューブ端形成部は、キャリアの内径に入り、キャリアを押し下げる(つまり、キャリアをコネクタ本体内にさらに軸方向に変位させる)。キャリアがコネクタ本体内で軸方向に変位すると、キャリアは底に達するか、ステップまたは半径方向内側に伸びる突起に当接する。キャリアは、Oリング押え用のキャビティの上半分を生成してもよい。いくつかの実施形態では、キャリアは、キャビティの底で底に達する。いくつかの実施形態では、Oリング押えは、チューブのシール面を保護するキャリアを使用せずにすでに生成されている。
【0009】
最終組立中に、チューブ端形成部は、保持クリップを拡張しているキャリアを内蔵するコネクタ本体の内径に挿入される。チューブ端形成部がキャリアとコネクタ本体の内径をスライドすると、保持クリップおよび保持クリップスロット(または溝)を通過してスライドしながら、キャリアがコネクタ本体のボアの内径のステップ、表面、または突起に向かって第1軸方向に変位する。ステップで底を打つ(突き当たる)と、キャリアは、ポケットを生成し、Oリング押えの上部として機能する。保持クリップは、チューブ端形成部の肩またはビードの上部にあり、コネクタ本体内にチューブ端形成部を保持する。キャリアをOリング押えの格納容器として使用すると、製造が容易になる。いくつかの実施形態では、キャリアは、コネクタ本体ボア内の半径方向内側に延びる突起で底を打ち、突起は、Oリング押えの上部として機能し、チューブシール面を保護する。
【0010】
本開示のこれらおよび他の目的、特徴、および利点は、図面および添付の特許請求の範囲を考慮して、本開示の以下の詳細な説明を検討することで容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
対応の参照符号が対応の部品を指す添付の概略図を参照して、様々な実施形態が例としてのみ開示される。
図1】流体コネクタの斜視図である。
図2図1に示される流体コネクタの分解図である。
図3図1の線3-3に概ね沿うコネクタ本体および拡張リングの断面図であり、拡張リングは非接続状態にある。
図4図1の線4-4に概ね沿う流体コネクタの断面図であり、拡張リングは接続状態にある。
図5】コネクタ本体および拡張リングの断面図であり、拡張リングは非接続状態にある。
図6】非接続状態での流体コネクタアセンブリの断面図である。
図7】接続状態での、図6に示される流体コネクタアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
初めに、異なる図面での同様の図面番号は同一または機能的に類似の構造要素を特定することを認識されたい。特許請求の範囲は、開示された態様に限定されないことを理解されたい。
【0013】
さらに、本開示は記載される特定の方法、材料、および変形に限定されず、そのため当然ながら変化しうることを理解されたい。ここで使用される用語は特定の態様を記述することのみを目的とし、特許請求の範囲を限定する意図がないことも理解されたい。
【0014】
他に定義されなければ、ここに使用される技術的および科学的な語すべては、この開示が関連する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。ここに記載されるものと類似または同等の方法、装置、または材料が実施形態例の実施または試験に使用されうることを理解されたい。
【0015】
「実質的に」の語は、「近く」、「非常に近く」、「約」、「およそ」、「だいたい」、「近似する」、「近い」、「本質的に」、「近隣に」、「近傍に」等のような語と同義語であって、このような語は明細書および特許請求の範囲に出現する際に互換的に使用されうることを認識されたい。「近接の」の語は、「近くに」、「近い」、「隣接の」、「近隣の」、「直近の」、「隣の」等のような語と同義語であって、このような語は明細書および特許請求の範囲に出現する際に互換的に使用されうることを認識されたい。「およそ」の語は、指定値の10パーセント以内の値を意味することが意図されている。
【0016】
本出願における「または」の使用は、特に明記しない限り、「非排他的」な取り合わせに関するものであることを理解されたい。例えば、「アイテムxはAまたはBである」という場合、これは次の(1)、(2)のいずれかを意味することが理解される。(1)アイテムxはAおよびBの一方または他方のみである。(2)アイテムxはAとBの両方である。言い換えれば、「または」という言葉は、「排他的なまたは」の取り合わせを定義するためには使用されない。例えば、「アイテムxはAまたはBである」という記載についての「排他的なまたは」の取り合わせは、xはAおよびBのいずれか1つのみであることが必要とされる。更に、ここで使用される「および/または」は、列挙された要素または条件の1つまたは複数が含まれるか、または発生する可能性があることを示すために使用される文法上の接続詞を意味することを意図している。例えば、第1の要素、第2の要素および/または第3の要素を備える装置は、以下の構造的取り合わせのいずれか1つとして解釈されることを意図する。すなわち、第1の要素を備える装置、第2の要素を備える装置、第3の要素を備える装置、第1の要素および第2の要素を備える装置、第1の要素および第3の要素を備える装置、第1の要素、第2の要素、および第3の要素を備える装置、または、第2の要素および第3の要素を備える装置。
【0017】
更に、本明細書で使用される場合、システムまたは要素と組み合わせた「の少なくとも1つを備える」及び「の少なくとも1つを備える」という表現は、システムまたは要素が、その表現の後に挙げられた要素の1つまたは複数を含むことを意味することを意図している。例えば、第1の要素、第2の要素および第3の要素の少なくとも1つの要素を備える装置、は、以下の構造的取り合わせのいずれか1つとして解釈されることを意図している。すなわち、第1の要素を備える装置、第2の要素を備える装置、第3の要素を備える装置、第1の要素および第2の要素を備える装置、第1の要素および第3の要素を備える装置、第1の要素、第2の要素および第3の要素を備える装置、または、第2の要素および第3の要素を備える装置。同様の解釈は、「の少なくとも1つで使用される」という表現が本明細書で使用されている場合にも意図されている。更に、本明細書で使用される場合、「および/または」は、列挙された要素または条件の1つまたは複数が含まれるかまたは発生する可能性があることを示すために使用される文法上の接続詞を意味することを意図している。例えば、第1の要素、第2の要素および/または第3の要素を備える装置、は、以下の構造的取り合わせのいずれか1つとして解釈されることを意図する。すなわち、第1の要素を備える装置、第2の要素を備える装置、第3の要素を備える装置、第1の要素および第2の要素を備える装置、第1の要素および第3の要素を備える装置、第1の要素、第2の要素、および第3の要素を備える装置、または、第2の要素および第3の要素を備える装置。
【0018】
ここで図に移ると、図1は、流体コネクタ10の斜視図である。図2は、流体コネクタ10の分解図である。流体コネクタ10は、概して、拡張リング20、コネクタ本体40、およびチューブ端形成部80を備える。以下の説明は、図1~4と照らし合わせて解釈されたい。
【0019】
コネクタ本体40は、端部42から端部44まで延びる貫通ボア41と、半径方向内向表面46と、半径方向内向表面48と、溝50と、半径方向外向表面52と、ヘッド58と、半径方向外向表面60と、を備える。コネクタ本体40は、流体で満たされる構成要素に接続されるように構成されている。例えば、コネクタ本体40は、半径方向外向表面60を介してトランスミッションに接続されてもよく、これは、雄ねじ切りを備えていてもよい。コネクタ本体40は、ヘッド58を介して(例えば、レンチを使用して)トランスミッションのねじ穴にねじ込まれてもよく、次に、トランスミッション流体で満たされる。いくつかの実施形態では、ヘッド58は六角形である。しかしながら、ヘッド58は、コネクタ本体40にトルクを加えるのに適した任意の形状を含んでいてもよいことを理解されたい。流体コネクタ10、特にコネクタ本体40が取り付けられ得る別の構成要素は、エンジンブロックである。流体コネクタ10は、流体接続が望まれる他の様々な構成要素、アセンブリ、およびサブアセンブリで使用してもよいことを認識されたい。シール62は、コネクタ本体40に配置されている。具体的には、シール62は、溝50に配置されている。いくつかの実施形態では、シール62は、Oリングである。本体40はさらに、表面47を形成する半径方向内側に延びる突起49を備える。表面47は、半径方向内向表面46と半径方向内向表面48との間に延び、それらに接続される。図3~4に示す実施形態では、突起49は、シールまたはOリング押えのためのキャビティ制限として機能する(つまり、シール62は、突起49によって溝50に格納される)。半径方向外向表面52は、半径方向外向の溝54をさらに備える。溝54は、その周りに円周方向に配置された開口56A~Cを備える。開口56A~Cは、溝54から貫通ボア41まで延びる。いくつかの実施形態では、コネクタ本体40は、金属である。いくつかの実施形態では、コネクタ本体40は、ポリマーである。いくつかの実施形態では、コネクタ本体40は、セラミックである。
【0020】
保持クリップ(または保持リングまたはスナップクリップ/リング)70は、本体40の溝54内に配置される。保持クリップ70は、概して、半径方向内側に延びる1つまたは複数の突起を含む保持リングである。図示される実施形態では、保持クリップ70は、突起72A~Cを備える。突起72A~Cは、溝54の開口56A~Cを通って半径方向内側に延びる。突起72A~Cは、ビードまたは肩87、具体的には表面88と係合して、チューブ端形成部80をコネクタ本体40内に固定するように構成される。保持クリップ70は、弾性変形して元の形状に戻ることができる材料(金属、ポリマーなど)である。
【0021】
チューブ端形成部80は、端部82、セクション83、ビードまたは肩87、セクション89、端部92、および貫通ボア94を備える。貫通ボア94は、チューブ端形成部80を通って、端部82から端部92まで延びる。セクション83は、端部82と肩87との間に配置され、半径方向外向表面84を備える。いくつかの実施形態では、半径方向外向表面84は、実質的に一定の直径を含む。いくつかの実施形態では、半径方向外向表面84は、円錐台状のテーパー近接端部82を備える(図4を参照)。肩87は、セクション83とセクション89との間に配置され、表面86と表面88とを備える。いくつかの実施形態では、表面86は、軸方向AD1に少なくとも部分的に向く軸方向表面であり、表面88は、軸方向AD2に少なくとも部分的に向く軸方向表面である。いくつかの実施形態では、表面86は、軸方向AD1において半径方向内側に肩87の半径方向外向表面から延びる円錐台状面である。例えば、表面86は、線形の円錐形であってもよく、軸方向AD2において直径が増加する。いくつかの実施形態では、表面86は、線形部分および円錐形または円錐台状の部分を備えていてもよい。セクション89は、肩87と端部92との間に配置され、半径方向外向表面90を備える。半径方向外向表面90は、実質的に一定の直径を含む。チューブ端形成部80は、具体的には端部82を先頭にしてコネクタ本体40に挿入されるように構成される。チューブ端形成部80、具体的には肩87は、直線ランプ(すなわち、一定の線形ランプ)または可変直径ランプ輪郭を利用してもよく、保持クリップ70が肩87にスナップするまでコネクタ本体40に挿入される。チューブ端形成部80は、ビード、半径方向外向きに延びる突起またはフランジ、またはランプ輪郭を備える任意の従来のチューブ端形成部であってもよく、これは、チューブ端形成部の外面上で半径方向外向きおよび軸方向に延び、コネクタ本体内のスナップリングまたはワイヤクリップを変位させてチューブ端形成部をコネクタ本体内に固定することを理解されたい。いくつかの実施形態では、チューブ端形成部80は、金属である。いくつかの実施形態では、チューブ端形成部80は、ポリマーである。いくつかの実施形態では、チューブ端形成部80は、セラミックである。
【0022】
拡張リング20は、保持クリップ70を拡張状態に維持可能に構成され、貫通ボア41、特に半径方向内向表面46とスライド可能に係合する。拡張リング20は、端部22、半径方向外向表面24、端部28、および貫通ボア34を備える。半径方向外向表面24は、半径方向外向の溝26を備える。いくつかの実施形態では、溝26は、表面27を備える。表面27は、形状が円錐台状であり、軸方向AD1において直径が増加してもよい。溝26内のそのような円錐台状面は、以下でより詳細に説明するように、保持クリップ70から拡張リング20の係合が解除されるのを補助する。端部28は、端部28から軸方向AD1に延び、それによって表面32を形成する凹部30をさらに備えていてもよい。いくつかの実施形態では、拡張リング20は、金属である。いくつかの実施形態では、拡張リング20は、ポリマーである。いくつかの実施形態では、拡張リング20は、セラミックである。
【0023】
図3は、コネクタ本体40および拡張リング20の断面図であり、図1の線3-3に概ね沿っており、拡張リング20は、非接続状態にある。図3において、チューブ端形成部80は、コネクタ本体40にまだ挿入されていない。図示されるように、拡張リング20は、コネクタ本体40の貫通ボア41に配置され、溝54および保持クリップ70と軸方向に位置合わせされる。拡張リング20は、半径方向内向表面46とスライド可能に係合する。突起72A~Cは、開口56A~Cを通って延び、保持クリップ70の溝26と係合する。保持クリップ70は、拡張リング20の溝26と係合すると、半径方向に拡張した状態に維持されることを認識されたい。したがって、チューブ端形成部80がコネクタ本体40に挿入されると、拡張リング20ありの流体コネクタ10の接続に必要な保持クリップ70の半径方向外向拡張(すなわち、半径方向変位)は、拡張リング20なしの流体コネクタ10の接続に必要な保持クリップ70の半径方向外向拡張(すなわち、半径方向変位)よりも小さい。言い換えれば、保持クリップ70の使用は、チューブ端形成部80をコネクタ本体40に挿入し流体コネクタ10を適切に固定するのに必要な力を低下させる。流体コネクタ10を適切に固定するために、チューブ端形成部80を、端部82を先頭にして、軸方向AD1に貫通ボア34に挿入する。肩87は、以下でより詳細に説明するように、端部28と係合し、拡張リング20を軸方向AD1に変位させる。
【0024】
図4は、図1の線4-4に概ね沿う流体コネクタ10の断面図であり、拡張リング20は接続状態にある。図示されているように、チューブ端形成部80は、端部82を先頭にして、軸方向AD1に貫通ボア34(および貫通ボア41)に挿入される。肩87は、拡張リング20の端部28に係合する。いくつかの実施形態では、肩87は、凹部30、具体的には表面32に係合する。力がチューブ端形成部80に軸方向AD1に加えられると、拡張リング20、および肩87は、保持クリップ70が半径方向内側にスナップしそれによって肩87および拡張リング20をコネクタ本体40内にロックするまで軸方向に変位する。図4に示す接続状態では、拡張リング20の端部22は、コネクタ本体40の表面47と係合および/または当接し、保持クリップ70、具体的には突起72A~Cは、肩87の表面88と係合し、当接する。この接続プロセス中、溝26の円錐台状形は、拡張リング20を保持クリップ70から外すために突起72A~Cが表面27に順番に「乗る」ことを可能にする。
【0025】
図5は、コネクタ本体140および拡張リング120の断面図であり、拡張リング120は、非接続状態にある。図6は、非接続状態にある流体コネクタアセンブリ110の断面図である。図7は、接続状態にある流体コネクタアセンブリ110の断面図である。流体コネクタ110は、概して、拡張リング120、コネクタ本体140、およびチューブ端形成部80を備える。以下の説明は、図5~7と照らし合わせて解釈されたい。
【0026】
コネクタ本体140は、端部142から端部144まで延びる貫通ボア141と、半径方向内向表面146と、半径方向内向表面148と、溝150と、半径方向外向表面152と、ヘッド158と、半径方向外向表面160と、を備える。コネクタ本体140は、流体で満たされる構成要素に接続されるように構成されている。例えば、コネクタ本体140は、半径方向外向表面160を介してトランスミッションに接続されてもよく、これは、雄ねじ切りを備えていてもよい。コネクタ本体140は、ヘッド158を介して(例えば、レンチを使用して)トランスミッションのねじ穴にねじ込まれてもよく、次に、トランスミッション流体で満たされる。いくつかの実施形態では、ヘッド158は、六角形である。しかしながら、ヘッド158は、コネクタ本体140にトルクを加えるのに適した任意の形状を備えていてもよいことを認識されたい。流体コネクタ101、特にコネクタ本体140が取り付けられ得る別の構成要素は、エンジンブロックである。流体コネクタ110は、流体接続が望まれる他の様々な構成要素、アセンブリ、およびサブアセンブリで使用してもよいことを認識されたい。シール162は、コネクタ本体140に配置されている。具体的には、シール162は、溝150に配置されている。いくつかの実施形態では、シール162は、Oリングである。本体140はさらに、表面147を備え、これは、半径方向内向表面146と溝158との間に延び、それらに接続される。図5~7に示す実施形態では、本体140自体は、シールまたはOリング押えのためのキャビティ制限を備えていない(すなわち、シール162は、溝50に配置されているが、軸方向AD2への移動が妨げられていない)。図示される実施形態では、拡張リング120は、以下でより詳細に説明するように、シールまたはOリング押えの軸方向の制限を提供する。半径方向外向表面152は、半径方向外向溝154をさらに備える。溝154は、その周りに円周方向に配置された開口156A~C(図示せず)を備える。開口156A~C(図示せず)は、溝154から貫通ボア141まで延びる。いくつかの実施形態では、コネクタ本体140は、金属である。いくつかの実施形態では、コネクタ本体140は、ポリマーである。いくつかの実施形態では、コネクタ本体140は、セラミックである。
【0027】
保持クリップ(または保持リングまたはスナップクリップ/リング)70は、本体140の溝154に配置される。突起72A~Cは、溝154の開口156A~Cを通って半径方向内側に延びる。突起72A~Cは、ビードまたは肩87、具体的には表面88と係合し、チューブ端形成部80をコネクタ本体140内に固定するように構成される。保持クリップ70は、弾性的に変形して元の形状に戻ることができる任意の材料(例えば、金属、ポリマーなど)であってもよい。
【0028】
拡張リング120は、保持クリップ70を拡張状態に維持可能に構成され、貫通ボア141、特に半径方向内向表面146とスライド可能に係合する。拡張リング120は、端部122、半径方向外向表面124、端部212、及び貫通ボア134を備える。半径方向外向表面124は、半径方向外向溝126を備える。端部128は、端部128から軸方向AD1に延在し、それによって表面132を形成する凹部130をさらに備えていてもよい。いくつかの実施形態では、拡張リング120は、金属である。いくつかの実施形態では、拡張リング120は、ポリマーである。いくつかの実施形態では、拡張リング120は、セラミックである。
【0029】
図5および図6において、チューブ端形成部80は、コネクタ本体140にまだ完全に挿入されていない。図示されるように、拡張リング120は、コネクタ本体140の貫通ボア141に配置され、溝154および保持クリップ70と軸方向に位置合わせされる。拡張リング120は、半径方向内向表面146とスライド可能に係合する。突起72A~Cは、開口156A~C(図示せず)を通って延び、保持クリップ70の溝126と係合する。保持クリップ70は、拡張リング120の溝126と係合したときの半径方向に拡張した状態に維持されることを認識されたい。したがって、チューブ端形成部80がコネクタ本体140に挿入されると、拡張リング120ありの流体コネクタ110の接続に必要な保持クリップ70の半径方向外向拡張(すなわち、半径方向変位)は、拡張リング120なしの流体コネクタ10の接続に必要な保持クリップ70の半径方向外向拡張(すなわち、半径方向変位)よりも小さい。言い換えれば、保持クリップ70の使用は、チューブ端形成部80をコネクタ本体140に挿入し流体コネクタ110を適切に固定するのに必要な力を低下させる。流体コネクタ110を適切に固定するために、チューブ端形成部80を、図6に示すように、端部82を先頭にして、軸方向AD1に貫通ボア134に挿入する。肩87は、以下でより詳細に説明するように、端部128と係合し、拡張リング120を軸方向AD1に変位させる。
【0030】
図7は、接続状態にある流体コネクタアセンブリ110の断面図である。図示されているように、チューブ端形成部80は、端部82を先頭にして、軸方向AD1の貫通ボア134(および貫通ボア141)に挿入される。肩87は、拡張リング120の端部128と係合する。いくつかの実施形態では、肩87は、凹部130、具体的には表面132と係合する。力がチューブ端形成部80に軸方向AD1に加えられると、拡張リング120、および肩87は、保持クリップ70が半径方向内側にスナップしそれによって肩87および拡張リング120をコネクタ本体140内にロックするまで軸方向に変位する。図7に示す接続状態では、拡張リング120の端部122は、コネクタ本体140の表面147と係合および/または当接し、保持クリップ70、具体的には突起72A~Cは、肩87の表面88と係合し、当接する。さらに、図示される実施形態では、流体コネクタアセンブリ110が接続状態にあるとき、拡張リング120の端部122は、シールまたはOリング押えのためのキャビティ制限を提供する(すなわち、シール162は、拡張リング120の端部122によって溝50に格納される)。
【0031】
上記の開示の様々な態様、ならびに他の特徴および機能、あるいはそれらの代替物は、望ましくは、他の多くの異なるシステムまたは用途に組み合わせることができることが認識されよう。その中の様々な現在予期しないまたは予期しない代替、変形、変更、または改善は、当業者によって今後行われることがあり、これらも以下の特許請求の範囲に含まれることも意図される。
【符号の説明】
【0032】
10 流体コネクタ
20 拡張リング
22 端部
24 半径方向外向表面
26 溝
27 表面
28 端部
30 凹部
32 表面
34 貫通ボア
40 コネクタ本体
41 貫通ボア
42 端部
44 端部
46 半径方向内向表面
47 表面
48 半径方向内向表面
49 突起
50 溝
52 半径方向外向表面
54 溝
56A 開口
56B 開口
56C 開口
58 ヘッド
60 半径方向外向表面
62 シール
70 保持クリップ
72A 突起
72B 突起
72C 突起
80 チューブ端形成部
82 端部
83 セクション
84 半径方向外向表面
86 表面
87 肩またはビード
88 表面
89 セクション
90 半径方向外向表面
92 端部
94 貫通ボア
110 流体コネクタ
120 拡張リング
122 端部
124 半径方向外向表面
126 溝
128 端部
130 凹部
132 表面
134 貫通ボア
140 コネクタ本体
141 貫通ボア
142 端部
144 端部
146 半径方向内向表面
147 表面
148 半径方向内向表面
150 溝
152 半径方向外向表面
154 溝
156A 開口(不図示)
156B 開口(不図示)
156C 開口(不図示)
158 ヘッド
160 半径方向外向表面
162 シール
AD1 軸方向
AD2 軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】