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特表2023-507606腹膜透析液生成および送達のためのシステム、装置ならびに方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】腹膜透析液生成および送達のためのシステム、装置ならびに方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/28 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
A61M1/28 110
A61M1/28 105
A61M1/28 130
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537654
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 IB2020062117
(87)【国際公開番号】W WO2021124204
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2019/060984
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518271949
【氏名又は名称】リベルディーアイ,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】トソーリー,ヒゼキア
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA06
4C077DD01
4C077DD21
4C077DD23
4C077EE03
4C077EE04
4C077GG03
4C077GG14
4C077KK23
4C077KK25
(57)【要約】
実施形態は、患者の腹膜透析に使用するための新鮮な透析液を生成するように構成された、腹膜透析液生成および送達(PD)システムに関し、前記システムは、給水口と、前記給水口を介して水源に流体的に接続可能であり、または接続され、水源から受け取った水を処理して処理済み水を生成するように構成された水処理装置;濃縮物供給装置に含まれる濃縮物を前記処理済み水に添加して新鮮な透析液流体を生成するために、少なくとも1つの前記水処理装置と流体連通する、濃縮物供給装置;流路を介して患者の身体に新鮮な透析液流体を供給するための管腔を有するチューブ;および消毒剤を収容、および/または受け取るように動作可能なチューブ消毒剤供給装置を備え、前記チューブ消毒剤供給装置は、前記チューブの少なくとも一部を消毒するために前記チューブと流体接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の腹膜透析に使用される、新鮮な透析液を生成するための、腹膜透析液生成および送達(PD)システム:
前記システムは、
給水口、
前記給水口を介して水源に流体的に接続可能であり、または接続され、水源から受け取った水を処理して処理済み水を生成するように構成された水処理装置;
濃縮物供給装置に含まれる濃縮物を前記処理済み水に添加して新鮮な透析液流体を生成するために、少なくとも1つの前記水処理装置と流体連通する、濃縮物供給装置;
流路を介して患者の身体に新鮮な透析液流体を供給するための管腔を有するチューブ;および
消毒剤を収容、および/または受け取るように動作可能なチューブ消毒剤供給装置
を備え、
ここで、前記チューブ消毒剤供給装置は、前記チューブの少なくとも一部を消毒するために、前記チューブと流体接続される。
【請求項2】
前記チューブは、
前記患者の体内に配置するための近位端と、遠位端と、を有する患者カテーテル;
消毒剤供給チューブ;
新鮮な透析液供給チューブ;
透析液廃棄チューブ;および
前記新鮮な透析液供給チューブ部分と、前記透析液廃棄チューブとを前記患者カテーテルの前記遠位端に流体的に接続するためのチューブコネクタ
を備える、請求項1に記載のPDシステム。
【請求項3】
前記消毒剤供給チューブは、前記新鮮な透析液供給チューブの一部である、
請求項2に記載のPDシステム。
【請求項4】
前記チューブ消毒剤供給チューブは、前記新鮮な透析液供給チューブとは分離している、
請求項2または3に記載のPDシステム。
【請求項5】
前記チューブ消毒剤供給チューブおよび前記新鮮な透析液供給チューブは、並列に、前記チューブコネクタと流体的に連結される、
請求項3に記載のPDシステム。
【請求項6】
前記水処理装置は、以下のいずれか1つ以上を備える、先行する請求項のいずれか1項以上に記載のPDシステム:
水フィルター装置;
消毒水を生成するための水消毒装置;および
前処理済み水を生成するための水調整装置。
【請求項7】
前記チューブを介して前記PDシステムによって受け取られた水を、前記患者に新鮮な透析液を供給するために、前記水処理装置および前記濃縮物供給装置を通して、強制的に供給するためのエネルギーを水に消費するための供給ポンプ装置
をさらに備える、先行する請求項のいずれか1項以上に記載のPDシステム。
【請求項8】
前記チューブコネクタは、前記患者カテーテルを前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブと互いに動作可能に接続するためのマニホールドを備える、
請求項3~7のいずれか1項以上に記載のPDシステム。
【請求項9】
前記マニホールドは、選択的に流体的に、前記患者カテーテルを前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブのうち1つ以上と接続し、前記患者カテーテルを前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブのうち1つ以上から分離するよう構成されている、
請求項8に記載のPDシステム。
【請求項10】
前記マニホールドは、選択的に流体的に、前記患者カテーテルを、前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブのうち1つ以上と接続し、前記患者カテーテルを前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブのうち1つ以上から分離するためのマニホールドバルブおよびチューブを備えている、
請求項9に記載のPDシステム。
【請求項11】
前記チューブ消毒剤は、人体内での使用が承認されている、先行する請求項のいずれか1項以上に記載のPDシステム。
【請求項12】
前記チューブ消毒剤は、生体適合性であり、任意選択で生分解性である、先行する請求項のいずれか1項以上に記載のPDシステム。
【請求項13】
前記濃縮物は浸透剤を含む、先行する請求項のいずれか1項以上に記載のPDシステム。
【請求項14】
前記水処理装置および/または前記濃縮物供給装置をバイパスすることによって、バイパス流路が水源を前記チューブ消毒剤供給装置に流体的に接続する、
先行する請求項のいずれか1項以上に記載のPDシステム。
【請求項15】
使用済み透析液をリサイクルして、リサイクル給水を生成するように構成されたリサイクル装置をさらに備える、
先行する請求項のいずれか1項以上に記載のPDシステム。
【請求項16】
前記PDシステムの様々な機能を制御するための制御装置をさらに備える、
先行する請求項のいずれか1項以上に記載のPDシステム。
【請求項17】
新鮮な透析液を生成し、および/または患者に送達するために使用されるチューブの少なくとも一部を消毒するための消毒剤を用いて消毒段階を実施すること、
を含む、患者において腹膜透析を実施するための方法。
【請求項18】
腹膜透析液生成および送達(PD)システムは、前記チューブ消毒段階に備えて前記消毒剤を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記消毒剤は、前記消毒段階を開始する前に、患者の部位において前記PDシステムに供給される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記チューブ消毒段階は、新鮮な透析液送達段階を実行する前;
新鮮な透析液送達段階を実行した後であって、使用済み透析液排出および/または使用済み透析液リサイクル段階を実行する前;および/または前記使用済み透析液排出またはリサイクル段階を実行した後に行われる、
請求項17~19のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項21】
水源から水を受け取る前に;
前記水源から水を受け取った後、処理済み水を得るために前記水を処理する前に;
前記水を処理した後、前記新鮮な透析液を得るために前記処理済み水に濃縮物を添加する前に;
前記処理済み水に濃縮物を添加した後、患者の腹膜腔に前記新鮮な透析液を送達する前に;
前記腹膜腔内の限外ろ過が完了するのを可能にするための滞留時間の待機前、および/または待機中に;
前記滞留時間が経過した後、使用済み透析液を排出および/またはリサイクルする前;
および/または
使用済み透析液のドレインへの前記排出後、および/または前記使用済み透析液をリサイクルしてリサイクル給水を生成した後
に前記消毒段階が実行される、請求項17~19のいずれか1項以上に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明の態様は概して、例えば、腹膜透析を含む、透析システム、方法、および装置に関する。
【0002】
〔背景技術〕
腹膜透析および血液透析は長年使用されてきた。血液透析では腎臓患者の血液から毒素や過剰な水分を除去するために人工膜を用いるが、腹膜透析では患者の腹膜(また、腹腔)の天然腹膜を用いる。
【0003】
腹膜透析では、腹膜溶液(また、透析液または透析液流体)が腹壁を介して患者の腹膜腔内に注入される。透析液は、患者の血流から透析液への浸透および/または拡散によって、老廃物、毒素および過剰の水が腹膜を通過すること(限外ろ過としても知られる)を可能にする滞留期間の間、腹膜腔内に留まる。次いで、使用済み透析液は、患者から排出され、透析液、老廃物、毒素、および過剰な水と共に、患者から除去される。上記の説明は、この分野における関連技術の一般的な概説として提示され、それが含む情報のいずれかが本特許出願に対する先行技術を構成することを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0004】
〔図面の簡単な説明〕
図面は一般に、限定されるものではなく、一例として、本明細書で論じられる様々な実施形態を示す。説明を簡単かつ明確にするために、図に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。例えば、いくつかの要素の寸法は、説明を明確にするために、他の要素に対して誇張されていることがある。さらに、参照番号は、対応する、または類似する要素を示すために、図面の間で繰り返されてもよい。以前に提示された要素への言及は、それらが現れる図面または説明を必ずしもさらに引用することなく示される。図面を以下に列挙する。
【0005】
図1は、いくつかの実施形態による、腹膜透析液生成および送達システムの概略図である。
【0006】
図2A~Dは、いくつかの実施形態による、様々な水処理装置の構成の概略図である。
【0007】
図3は、いくつかの実施形態による、チューブ消毒段階の概略図である。
【0008】
図4は、いくつかの実施形態による、新鮮な透析液送達段階の概略図である。
【0009】
図5は、いくつかの実施形態による、使用済み透析液排出段階の概略図である。
【0010】
図6は、いくつかの実施形態による、使用済み透析液リサイクル段階の概略図である。
【0011】
図7は、いくつかの他の実施形態による、腹膜透析液生成および送達システムの概略図である。
【0012】
図8は、いくつかの他の実施形態による、チューブ消毒段階の概略図である。
【0013】
図9は、いくつかの他の実施形態による、新鮮な透析液送達段階の概略図である。
【0014】
図10は、いくつかの他の実施形態による、使用済み透析液排出段階の概略図である。
【0015】
図11は、いくつかの他の実施形態による、使用済み透析液リサイクル段階の概略図である。
【0016】
図12は、いくつかの代替実施形態による、腹膜透析液生成および送達システムの概略図である。
【0017】
図13は、いくつかの代替実施形態による、チューブ消毒段階の概略図である。
【0018】
図14は、いくつかの代替実施形態による、新鮮な透析液送達段階の概略図である。
【0019】
図15は、いくつかの代替実施形態による、使用済み透析液排出段階の概略図である。
【0020】
図16は、いくつかの代替実施形態による、使用済み透析液リサイクル段階の概略図である。
【0021】
図17は、いくつかの実施形態による、PDシステム制御装置の概略図である。
【0022】
図18A~Fは、消毒段階、新鮮な透析液送達段階、および使用済み透析液排出段階を実行するための様々な段階順序の方法フローチャートである。
【0023】
図19は、いくつかの実施形態による、新鮮な透析液生成および送達を実行するための方法のフローチャートであり、このフローチャートは、消毒段階が新鮮な透析液の生成および送達の間に行われ得る場合を例示する。
【0024】
〔詳細な説明〕
腹膜透析液生成および送達(PD)システム、ならびに腹膜透析サイクルにおいて患者によって使用される透析液を生成するための関連する装置および方法の以下の説明は、そのようなシステム、装置、および方法がこれらの実施例に限定されないことを理解しながら、特定の実施例に関して与えられる。
【0025】
PDシステムに関連する実施形態の態様は、人が持ち運び可能であり(また、移動可能であり)、使用し易く、家庭内および/または患者が(例えば、飛行機、電車によって)旅行している間など、様々な外来または外来患者の医療環境で使用可能であるPDシステムに関する。任意選択で、PDシステムは、複数の透析サイクル、2回以下の腹膜透析サイクル、または1回以下の腹膜透析サイクルに十分な量まで、透析液を生成するよう構成されてもよい。任意選択で、PDシステムは、カートリッジとして構成されてもよい。任意選択で、PDシステムは、1回の交換、バッチ、または腹膜透析サイクルに十分な新鮮な透析液を供給するように構成されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、PDシステムの新鮮な透析液生成能力は、例えば、1~3リットル、1~15リットルまたは6~15リットルであってもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、所定量の新鮮な透析液流体を生成するように動作可能であってもよい。例えば、キットは複数のPDシステムを含んでもよく、キットのそれぞれのPDシステムは、所定量の新鮮な透析液流体を生成するように動作可能である。
【0028】
いくつかの他の実施形態では、PDシステムは、例えば、患者の必要性に応じて、可変量の新鮮な透析液流体を供給するように動作可能であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、複数のサイクルを実行することができるサイクラーシステムが、患者の使用のためにすぐに利用可能でない間のタイムギャップを埋めるように構成されてもよい。
【0030】
任意選択で、PDシステムの少なくともいくつかの、または全ての構成要素は、1回使用(例えば、使い捨て)のために構成されてもよい。任意選択で、PDシステムの少なくともいくつかの、または全ての構成要素は、カートリッジとして構成されてもよい。任意選択で、PDシステムは、いくつかの、または全てのPDシステム構成要素を取り囲む(例えば、交換可能なカートリッジ構成の)筐体を備えてもよい。
【0031】
PDシステムの少なくともいくつかの、または全ての構成要素は、1回使用のために構成されてもよい。PDシステムの少なくともいくつかの、または全ての構成要素は、使い捨てであってもよい。任意選択で、通常の使用中に水と関与し得る、チューブ、またはPDシステムのその他の設備の表面は、高分子基材によって作られてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、PDシステムが完全に機械的に動作可能であるように、すなわち、バッテリなどの電力供給、および/または配電網への接続を必要とせずに構成されてもよい。任意選択で、PDシステムは、単独で機械的であるが、少なくとも部分的に自動的に動作可能であってもよい。任意選択で、PDシステムは、電力供給を必要とするか、または必要とせずに、半自動的に動作可能であってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書でより詳細に概説されるように、PDシステムは、システムの動作パラメータおよび関連制御の自動検知機能を可能にするために、例えばバッテリなどの電力供給を必要としてもよい。
【0034】
供給ポンプなどの水加圧装置は、患者に新鮮な透析液流体を供給するために、PDシステムを通して、水源から受け取った水を押し出すためにエネルギーを消費するよう使用されてもよい。任意選択で、供給ポンプは、PDシステムとは分離されていてもよく、複数のPDシステムに対して使用可能であってもよい。任意選択で、供給ポンプは、PDシステム内に備えられてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、患者の腹膜腔に入る水圧が患者供給圧力基準を満たすことを確実にするために、水圧調整装置を使用してもよい。任意選択で、患者供給圧力基準は、例えば、0.08バール(静的および動的水圧の組み合わせ)という上限、または閾値を定義することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、透析溶液(また、新鮮な透析液流体)の生成に適した処理済み水を供給するために、水処理装置によって受け取られた供給源給水を処理するよう構成された1つまたは複数の水処理装置を備えてもよい。水処理装置は、例えば、薬局方モノグラフによって必ずしもカバーされていない、例えば、住宅用水源、または他の任意の他の供給源給水などの飲料水源(また、人間が摂取することを意図した水)から水を受け取ることができる。本明細書で使用される「処理済み水」という語は、精製水、注射用水(WFI)(例えば、米国、または欧州薬局方によって定義される)、および/または飲料水よりも高品質の任意の水に関連する。
【0037】
いくつかの実施形態では、水処理装置は、透析液流体を生成するための添加剤を受け取るのに適した処理済み水を生成するように動作可能であってもよく、例えば、水フィルター、水消毒装置、および/または水調整装置を含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、水質を示す物理量または特性を検知し、検知された物理量および/または特性に応答して出力値を提供するように動作可能な水質センサを備えてもよい。任意選択で、新鮮な透析液および/または使用済み透析液の水質は、水質センサによって測定されてもよい。「使用済み透析液(used dialysate)」、「使用済み透析液流体(used dialysate fluid)」、「使用済み透析液流体(used dialysis fluid)」、「使用済み腹膜透析液(used peritoneal dialysate)」、および「流出物(effluent)」という表現は、本明細書では互換的に使用され得ることに留意されたい。
【0039】
任意選択で、検知された水質を示す物理量/特性に基づいて、PDシステムの動作状態を判定してもよい。例えば、検知された物理量に基づいて、例えば、現在使用されているPDシステムを廃棄し、それを未使用のPDシステムに置き換える必要があるかどうかを決定してもよい。
【0040】
実施形態の態様は、推奨または処方された治療計画(例えば、所定の新鮮な透析液量、ろ過計画、投薬計画、および/または同様のもの)に従って動作可能であり、使用可能である複数のPDシステム(PDカートリッジシステムも含む)を含むキットに関することができる。任意選択で、キットの複数のPDシステムのうち少なくとも2つは、異なる動作パラメータおよび/または構成を有してもよい。
【0041】
複数のPDシステムのうちのPDシステムは、患者の臨床状態に応じて選択することができる。任意選択で、キットを使用して、患者の(任意選択で変化する)臨床状態に従って同じ患者を治療することができる。
【0042】
任意選択で、患者によって現在使用されている(例えば、キットの)PDシステムは、同じ患者によって後で使用される(例えば、キットの)PDシステムの動作特性に関する推奨(例えば、推奨される処方)を示す出力を供給してもよい。任意選択で、PDの動作特徴は、例えば、薬剤、限外ろ過剤、溶質、新鮮な透析液の体積などに関係し得る。
【0043】
例えば、薬剤が混合されていない新鮮な透析液を生成し得る、現在使用されているPDシステムは、患者によるその後の使用のためのPDシステムが、例えば、抗生物質などの薬剤が混合された新鮮な透析液を生成しなければならない、という推奨を示す出力を供給してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、同じ、または複数の異なる患者によって使用された複数のPDシステムのそれぞれによって供給される出力に基づいて、所望の患者に対して、治療推奨/処方箋を提供してもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、検知装置は、必要とされる患者治療計画に関連する出力を提供するために、PDシステム(複数可)に採用されてもよい。検知装置は、水質センサ、感染レベルセンサ(例えば、濁度センサ)、流量センサ、透析液老廃物センサ(例えば、尿素レベル、クレアチニンレベルセンサ)、および/または同様のものを含んでよい。
【0046】
任意選択で、同じ検知装置を複数のPDシステムに採用してもよい。任意選択で、各PDシステムは、必要な患者治療計画を示す出力を提供するための検知装置を備えてもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、検知装置は、例えば、現在使用されているPDシステムの自己較正のための感染レベルセンサを備えていてもよい。自己較正は、例えば、2018年2月1日に出願された国際公開第2018142406号パンフレットに記載されているように、例えば、排出された透析液に基づいて実行されてもよく、この出願は、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0048】
水処理装置は、水処理装置の給水口を介して、給水供給源と、流体的に接続または接続可能であってもよい。処理済み水に達するための水の加工(processing)(また、処理(treating))は、例えば、水ろ過、水質調整、浄水(例えば、消毒)などを含んでもよい。
【0049】
分離出力は、十分な飲料水が水処理装置に供給されたかどうかを示すために、PDシステムによって提供されてもよい。十分な飲料水が供給された場合、PDシステムは、給水源から流体的に分離することができる。いくつかの実施形態では、PDシステムの給水源からの流体的な分離は、対応するセンサ(例えば、水位センサ)によって提供され得る分離出力信号に応答して、自動的に制御されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、PDシステムが対応する流路を介して、水処理装置から処理済み水を受け取るために、水処理装置と流体接続する濃縮物供給装置を備えてもよい。濃縮物供給装置は、処理済み水に濃縮物を添加して、処理済み水から新鮮な透析液流体を生成するように構成される。濃縮物供給装置内の処理済み水に添加される濃縮物は、例えば、腹膜透析を行うために必要な浸透圧勾配を生成するのに適している。実施形態において、濃縮物は、例えば、単糖(例えば、グルコース、デキストロース)、多糖類、ポリアミドおよび/またはポリペプチドなどの浸透剤を含むことができる。任意選択で、追加の薬剤(例えば、物質、成分および/または化合物)を、例えば、緩衝溶液(例えば、CHCH(OH)COO、乳酸としても知られる)などの水に添加して、水のpH値を所望の範囲内に維持することができ、および/または電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびリン酸塩)を添加することができる。
【0051】
任意選択で、PDシステムは、濃度などの検知されたパラメータに従って、薬剤を制御可能に、かつ適応的に供給するように動作可能であってもよい。
【0052】
任意選択で、PDシステムは、事前に設定された量の、所定の特性を有する新鮮な透析液を生成するように動作可能であってもよい。
【0053】
「流体連通している」、「流体的に連結されている」、「流体的に連結されている」との用語、ならびにそれらの文法的変形は、本明細書では交換可能に使用されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、内壁によって画定され、チューブの長手方向軸に沿って延伸する管腔を有するチューブをさらに備えてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、チューブ消毒剤供給装置をさらに備えてもよい。チューブ消毒剤供給装置は、消毒剤を含んでもよく、および/または、例えば、患者または医療専門家によって提供される、チューブ消毒剤を受け取るよう動作可能であってもよい。消毒剤は、消毒効果、殺菌効果、滅菌効果、および/または他の汚染除去の効果を、例えば、金属、および/またはポリマーベースの表面(例えば、チューブ表面)に有していてもよい。
【0056】
以下の議論をただ単純化するために、限定として解釈されることなく開示される実施例は、消毒の作用および消毒剤の使用に関連し得る。しかし、本明細書で使用される「消毒する」という用語は、「滅菌および/または殺菌する」ことも含んでよい。
【0057】
いくつかの実施例では、「消毒剤」という表現は、加熱水または蒸気などの消毒剤としての高温液体の使用を除外する。実施例に、高温の液体を使用することが出来る場合、配管および器具類は、熱に基づく消毒に耐えるような任意の適切な材料で作られる。
【0058】
いくつかの実施例では、デキストロースを浸透剤として使用することができる。しかしながら、いくつかの実施例では、デキストロースは、消毒剤として使用されることから除外され、デキストロースとは別の物質または化合物が消毒目的のために使用されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、腹膜透析液生成および送達システムは、消毒剤および/またはその消毒副産物を含む排出された流体を処理して、新鮮な透析液を得るように構成されてもよい。
【0060】
任意選択で、チューブ消毒剤は、チューブの内壁の少なくとも一部または全部を消毒することを可能にしてもよい。チューブ消毒剤は、例えば、粉末、液体、および/またはジェルの形状であってもよく、チューブ消毒剤供給装置の壁にコーティングされてもよい。任意選択で、チューブ消毒剤は、例えば、NOxおよび/またはオゾンなどの気体を含んでもよく、または気体であってもよい。いくつかの実施形態では、消毒剤は、PDシステムに含まれる消毒剤容器から放出されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、以下でより詳細に概説されるように、チューブは、チューブコネクタおよび患者カテーテルを備えてもよい。任意選択で、患者カテーテルをチューブコネクタに流体的に連結するために、互いに関わる要素および/または部品の表面は、消毒剤がこれらの要素および/または表面と関わるように設計されてもよい。例えば、消毒段階の間、コネクタ要素および/または患者カテーテルおよびチューブコネクタの表面は、これらの要素および/または表面の消毒を可能にするために、消毒剤にさらされるよう動作可能であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、2017年2月1日にo Liberdi Ltdの名前で出願された国際公開第2017/134657号パンフレットに開示されているように、消毒剤は供給され、または放出されてもよく、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0062】
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書で概説されるように、チューブは、例えば、様々なチューブ部分またはセクションを含んでもよい。
【0063】
新鮮な透析液流体は、新鮮な透析液供給流路を規定する新鮮な透析液供給チューブの管腔を介して、濃縮物供給装置から患者の腹腔に供給されてもよい。
【0064】
使用済み透析液流体は、例えば、重力を通して、使用済み透析液流路を規定する使用済み透析液廃棄チューブの管腔を介して、患者の腹腔から排出または廃棄することで、排出されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、自己充足型PDシステムとして機能するように構成されてもよい。例えば、PDシステムは、使用済み透析液リサイクル(例えば、回収)工程を採用することによって、および充分な軟化剤、濃縮物(例えば、浸透剤)、チューブ薬剤および/またはその他の薬剤をPDシステムに保存することによって、複数の新鮮な透析液生成サイクルを自己充足的に実行するように構成されてもよい。PDシステムは、新鮮な透析液生成サイクルの使用中に、PDシステムに保存された薬剤の消費が、新鮮な透析液の自己充足的な生成を複数回可能にするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、使用済み透析液は、例えば、少なくとも2、3、5、8、10、15、20または100回リサイクルして、リサイクル装置によって使用される薬剤および/または機器を交換またはリフレッシュしなければならなくなるまで、新鮮な透析液を生成することができる。
【0066】
いくつかの実施例では、使用済み透析液流体の少なくとも一部または全ては排出されないが、使用済み透析液流体の少なくとも一部、または全部、または実質的に全部を、リサイクル給水を生成するために、使用済み透析液流体から透析廃棄物を除去するように構成されたリサイクル装置に向けて送達する(例えば、ポンプ輸送する)ことによって、リサイクル段階に供されてもよい。リサイクルされた給水は、後の(例えば、オンデマンド)利用のために、例えば、新鮮な透析液生成のために、リサイクル装置中に保存されてもよい。
【0067】
リサイクル段階では、透析液老廃物は、使用済み透析液流体から、部分的に、全体的に、または実質的に全体的に除去されてもよい。カリウム、リン酸塩、およびその他の尿素毒素(例えば、尿素、クレアチニン、フィブリンおよび/またはその他の中重量分子)などの、患者の血液から排出される透析液老廃物は、リサイクル給水を生成するために、リサイクル装置によって液体から除去されてもよい。
【0068】
リサイクルされた給水は、さらなる処理のために再循環されてもよい。さらなる処理は、水質調整および/または緩衝剤および/または浸透剤の添加を含んでもよい。リサイクル装置の仕様は、少なくともある数の処理サイクルの間、PDシステムを完全に自己充足的な状態にしてもよい。例えば、PDシステムは、2~20の(例えば、腹膜)透析治療サイクルを自己充足的に行うように構成されてもよい。一実施例として、PDシステムは、例えば、少なくとも2~20の(例えば、腹膜)透析治療サイクルを自己充足的に実行するように構成されていてもよい。
【0069】
いくつかの実施例では、リサイクルされた給水は、例えば、1つまたは複数の装置によってさらに処理されてもよい。水処理装置の1つまたは複数の装置によってリサイクルされた給水の処理後、新鮮な透析液水を生成するために濃縮物が混合されてもよい。
【0070】
いくつかの他の実施例では、水処理装置の1つまたは複数の装置によるリサイクルされた給水の事前処理なしに、リサイクルされた給水に濃縮物を添加することによって、新鮮な透析液流体が生成されてもよい。
【0071】
排出量が供給される新鮮な透析液流体の量よりも多い場合、濃縮物をリサイクルされた給水に添加または供給(例えば、混合のために)することが必須であってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、廃棄チューブを介して腹膜腔から排出するために、使用済み透析液流体にエネルギーを付与するのに適した排出ポンプを備えてもよい。任意選択で、排出ポンプは、自動的に動作可能なポンプ、半自動的に動作可能なポンプおよび/または手動で動作可能なポンプであってもよい。例えば、排出ポンプは、一例として、膨張可能、および空気注入式のバッグエアまたはバッグウォーターポンプによって実施される、手で動作可能なエアポンプであってもよい。いくつかの実施形態では、ドレインは容器であってもよい。任意選択で、ドレインは、PDシステムの一部であってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、消毒剤は、チューブの内壁の少なくとも一部を消毒するために供給されてもよい。例えば、消毒剤は、消毒剤供給流路を消毒するために供給されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤は、例えば、患者カテーテルを消毒する目的で、患者の腹膜腔に送達されてもよい。任意選択で、患者カテーテルの一部は、使い捨てであってもよい。任意選択で、患者の腹膜腔に送達されるチューブ消毒剤の量は、例えば、センサによって制御されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤は、ドレインに直接送達されてもよい。いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤は、患者カテーテルを介して薬剤を腹膜腔に送達することによって、患者カテーテルを消毒するために使用されてもよい。次いで、消毒剤は、腹膜腔から排出されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤パージ、または排出段階を使用してもよい。このようなチューブ消毒剤パージ段階は、例えば、新鮮な透析液流体を生成し、患者の腹腔に送達される前に適用されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、新鮮な透析液供給チューブは、新鮮な透析液チューブの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、新鮮な透析液供給チューブは、新鮮な透析液チューブを構成してもよく、逆もまた同様である。
【0078】
チューブは、患者の体内に配置するための近位端と、患者の体外に配置される遠位端と、を有する患者カテーテルを備えてもよい。本明細書において使用される「近位」という用語は、「遠位」位置と比較して、患者により近い位置を指す。
【0079】
いくつかの実施形態では、新鮮な透析液供給チューブは、患者カテーテルを含んでもよく、または患者カテーテルを構成してもよい。患者カテーテルは、カテーテルポートと、患者の体外にあり、カテーテルポートと取り外し可能であり得る、外部カテーテル部分と、を備えてもよい。カテーテルポートは、患者の体外から患者の腹膜腔への通路を提供し、患者との長期間、または永久的な動作可能な連結のために構成されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、チューブは、新鮮な透析液供給チューブおよび使用済み透析液廃棄チューブを患者の患者カテーテルの遠位端に流体的に接続するためのチューブコネクタを備えてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、新鮮な透析液供給チューブ部分と、透析液廃棄チューブと、を患者カテーテルの遠位端に流体的に接続するためのチューブコネクタを備えてもよい。任意選択で、チューブコネクタは、新鮮な透析液供給チューブと、廃透析液廃棄チューブとを患者カテーテルの遠位端に並列構成で、流体連結するために使用されてもよい。例えば、新鮮な透析液供給チューブと、廃透析液廃棄チューブとは、並列して、患者カテーテルの遠位端と、流体連結されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、濃縮物供給装置は、濃縮物を水処理装置から受け取った処理済み水と混合して新鮮な透析液を生成するための混合キャビティ(例えば、混合チャンバ)として機能してもよく、かつ/または混合キャビティを備えてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、水処理装置、濃縮物供給装置、および/またはチューブ消毒剤供給装置は、PDシステムのチューブに組み込まれてもよい。例えば、水処理装置、濃縮物供給装置、および/またはチューブ消毒剤供給装置は、PDシステムのチューブに組み込まれてもよく、および/またはチューブ内に含まれてもよい。例えば、水処理装置、濃縮物供給装置、および/またはチューブ消毒剤供給装置は、異なる部分に沿って配置されてもよく、チューブによって埋め込まれてもよい。従って、水処理装置、濃縮物供給装置、および/またはチューブ消毒剤供給装置は、チューブに対して「インライン」に配置されてもよい。しかしながら、単に明確にするために、限定するように解釈されることなく、添付の図面は、様々な装置および器具を、チューブに含まれる、または埋め込まれるというよりも、チューブから「分離」しているものとして言及する。
【0084】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤供給装置は、チューブ消毒剤を、チューブを消毒する目的で、チューブ消毒剤、例えば、水、および/またはチューブ消毒剤を動作可能に分配するのに適した他の担体と混合するための混合キャビティ(例えば、混合チャンバ)として機能してもよく、かつ/または混合キャビティを備えてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、水処理装置は、水フィルター装置、水消毒装置、および/または、水調整装置を備える。水フィルター装置、水消毒装置、および/または水調整装置は、異なる部分に沿って配置され、PDシステムのチューブによって埋め込まれてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液の再循環およびリフレッシュがPDシステムで行われなくてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、新鮮な透析液流体を生成するために使用されるPDシステムの少なくともいくつか、または全ての構成要素は、既存の腹膜透析機器に新鮮な透析液を供給するために、(手動および/または自動的に動作可能である)腹膜透析機器またはサイクラーシステムへの(例えば、インラインでの)アドオンとして適用されてもよい。従って、PDシステムは、既存の腹膜透析機器を用いて、患者が連続サイクルアシスト腹膜透析(CCPD)の複数のサイクルを受けることを可能にする十分な量の新鮮な透析液を提供するように構成されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、2018年2月1日に出願された国際公開第2018142406(「WO2018142406」)記載されているように、腹膜透析装置によって使用するための新鮮な透析液を提供してもよく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、新鮮な透析液を腹膜透析サイクラーベースに提供してもよい。腹膜透析サイクラーベースは、WO2018142406に記載されるように、腹膜透析装置と動作可能に接続されてもよい。PDシステムによって生成された新鮮な透析液は、バッグに送達されてもよいし、または、PDシステムから腹膜透析装置に直接送達されてもよい。腹膜透析装置は、例えば、WO2018142406の14Aおよび14Bの図と共に記載されているように、サイクラーベースと接続されてもよい。
【0090】
以下の図面の説明では、PDシステムは、英数字参照「1000」によって示される。システムの異なる実施形態を区別するために、例えば、PDシステム1000A、PDシステム1000Bなどのように、数字の後に大文字のアルファベット文字が追加される。ただし、特にシステムを区別する必要がない場合には、単に、まとめてPDシステム1000と呼ぶ。
【0091】
ここで、図1について言及する。いくつかの実施形態では、新鮮な透析液を生成し、患者500に送達するためのPDシステム1000Aは、例えば、飲料水供給ライン(また、供給源給水ライン)1002を介して、水源600から飲料水を受け取るために水源600と連結する、および/または連結することができる水処理装置1100を備える。水処理装置1100は、受け取った飲料水を処理して、処理済み水を生成する。いくつかの実施体では、患者500および/または水源600が本明細書に開示されたPDシステムの一部とみなされなくてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、供給ポンプ装置1050は、患者に新鮮な透析液を供給するために、PDシステムを通して、水源から受け取った水を押し出すためにエネルギーを消費するよう使用されてもよい。いくつかの実施形態では、供給ポンプ装置1050は、透析システムのポンプとして実装されてもよく、ポンプは、2017年2月1日に出願された国際公開第2017/134657(「WO2017/134657」)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
任意選択で、排出ポンプ1060は、完全に自動的に動作可能なポンプ、半自動的に動作可能なポンプ、および/または手動で動作可能なポンプであってもよい。任意選択で、手動で動作可能な供給ポンプ装置1050は、例えば、膨張可能、および空気注入式のバッグエアまたはバッグウォーターポンプによって、実現される手動で動作可能なエアポンプであってもよい。任意選択で、排出は重力によって行われてもよい。
【0094】
供給ポンプ装置1050は、水源600の出口に配置されるように図示されているが、これは限定的な様式で解釈されるべきではない。従って、供給ポンプ装置1050は、PDシステム1000の他の位置に配置されてもよく、この位置は、患者に新鮮な透析液流体を供給するために、PDシステム1000を通して水を強制的に送るためのエネルギーを水に付与するのに適している。
【0095】
いくつかの実施形態では、例えば、飲料水を約100℃で、所定の期間(例えば、2分間)加熱することによって、水を浄化するために殺菌水加熱器を使用してもよい。例えば、電気温水器1070は、PDシステム内に存在する水を所望の浄化温度まで加熱するために使用されてもよい。一実施例では、給水源の出口で、水処理装置1100の上流に、電気温水器1070を使用することができる。
【0096】
いくつかの実施例では、同じおよび/または別の温水器を使用して、PDシステム内の水または新鮮な透析液流体の温度を、例えば、37±1℃の所定の温度範囲内に、制御可能に維持してもよい。例えば、例えば、新鮮な透析液流体の温度を維持するために、熱交換器(図示せず)が使用されてもよい。このような熱交換器は、例えば、PDシステム内の水および/または新鮮な透析液流体の流路のどこにでも沿って使用されてもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、PDシステムによって受け取られた水および/または新鮮な透析液流体は、PDシステムの流路と熱的に結合した加熱チャンバ(図示せず)を使用することによって加熱されてもよい。加熱チャンバは、流路内に存在する水を加熱するための発熱化学反応において熱を発生させるように使用可能な物質混合物を収容する。
【0098】
いくつかの実施形態では、PDシステム1000Aは、例えば、処理済み水供給チューブ(また、処理済み水流路)を介して、水処理装置から処理済み水を受け取るために、流体連通するように水処理装置1100と連結する、かつ/または連結可能な濃縮物供給装置1200をさらに備える。
【0099】
濃縮物供給装置1200は、腹膜透析を実施するために必要とされる浸透圧勾配を水中で生成するために、濃縮物を添加するように動作可能であってもよい。従って、濃縮物供給装置1200は、処理済み水を処理して、新鮮な透析液流体を生成することができる。濃縮物は、例えば、粉末、液体、および/またはゲルの形状であってもよい。
【0100】
任意選択で、水消毒剤は、例えば、NOxおよび/またはオゾンなどの気体を含んでもよく、または気体であってもよい。
【0101】
任意選択で、濃縮物供給装置1200は、PDシステム1000Aのチューブの一部を含むか、または、その一部として構成されてもよい。任意選択で、濃縮物供給装置1200は、濃縮物によってコーティングされ、新鮮な透析液流体を生成するために処理済み水と流体連通することが出来る表面部分を有する、容器(例えば、コンテナ、チャンバ、袋)および/またはチューブを備えてもよい。例えば、濃縮物供給装置1200の容器および/またはチューブの表面は、新鮮な透析液流体を生成するための処理済み水の流路内に延伸している内壁表面、チューブ表面および/またはフィン要素の外表面を含むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、PDシステム1000Aは、例えば、チューブ消毒剤供給装置1300から患者に向けて延伸するチューブ管腔の内側壁の少なくとも一部の消毒に適したチューブ消毒剤を収容および/または受け入れるように動作可能なチューブ消毒剤供給装置1300をさらに含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤供給装置1300は、WO2017/134657に記載されるように、滅菌流体ディスペンサによって実行されてもよい。
【0104】
任意選択で、消毒することができる管腔は、チューブ消毒剤供給装置1300からPDシステム1000Aのチューブコネクタ1500まで患者の腹膜腔510内に延伸するチューブ部分としてもよい。
【0105】
任意選択で、消毒することができる管腔は、チューブ消毒剤供給装置1300からチューブコネクタ1500まで、およびチューブコネクタの流体管腔まで延伸するチューブ部分であってもよい。
【0106】
任意選択で、消毒することができる管腔は、チューブ消毒剤供給装置1300からチューブコネクタ1500まで延伸するチューブ部分としてもよいし、さらにチューブコネクタからチューブコネクタ1500の流体管腔を含む患者の腹膜腔510内に延伸する付加的チューブ部分1012としてもよい。付加的チューブ部分はまた、「患者カテーテル」と呼ばれてもよい。患者カテーテル1012は、患者の体内に配置するための近位端と、コネクタ1500を患者の腹膜腔510との流体接続させるための、コネクタ1500と動作可能に連結可能な遠位端とを有する。任意選択で、近位端は、カテーテルポートの一部であってもよく、遠位端は、外部カテーテル部分の一部であってもよい。例えば、患者カテーテル1012は、2つの分離可能な部分、すなわち、カテーテルポートおよび外部カテーテル部分を有してもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、チューブコネクタ1500は、WO2017/134657に記載されている自動コネクタ装置として、またはWO2018142406に記載されている装置として実装されてもよい。
【0108】
任意選択で、チューブ消毒剤供給装置1300は、PDシステム1000Aの新鮮な透析液流体流、および/または付加的水流路部の少なくともいくつかの消毒のためにチューブ消毒剤を供給する(例えば、分配する)ように、動作可能であってもよい。
【0109】
任意選択で、チューブ消毒剤供給装置1300は、PDシステム1000Aのチューブの一部を含んでもよいし、またはその一部として実装されてもよい。任意選択で、チューブ消毒剤供給装置1300は、チューブ消毒剤を所望の流路セクション(例えば、チューブ部分またはセクション)に送達するために、チューブ消毒剤供給装置を通って流れる水と流体連通することができる、チューブ消毒剤によってコーティングされるか、またはそうでなければ、チューブ消毒剤が供給される表面部分を有する、容器(例えば、コンテナ、チャンバ、袋)および/またはチューブを備えてもよい。チューブ消毒剤供給装置1300の容器および/またはチューブの表面は、チューブ消毒剤供給装置を通って流れる水の流路内に延伸している内壁表面、チューブ表面および/またはフィン要素の外表面を含むことができる。従って、水は、チューブ消毒剤を所望のチューブ部分に供給する(例えば、分配する)ための担体として働いてもよい。チューブ消毒剤を所望の流路部分(例えば、チューブ部分)に供給する(例えば、分配する)ために、他の担体が使用されてもよい。
【0110】
図1で概略的に示される実施例では、濃縮物供給装置1200、チューブ消毒剤供給装置1300、およびチューブコネクタ1500は、互いに直列に流体的に連結されている。従って、いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤供給装置1300は、チューブ消毒剤と混合され得る新鮮な透析液流体を受け取ってもよい。いくつかの他の実施形態では、チューブ消毒剤供給装置1300は、新鮮な透析液流体と混合することなく、チューブ消毒剤を供給してもよい。
【0111】
PDシステム1000Aは、使用済み透析液を、透析液ドレインまたは廃棄チューブ(また、廃棄物流路)1010を介して、ドレイン700に排出することを可能にするようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態では、透析液廃棄チューブ1010は、患者カテーテル1012を介して、使用済み腹膜透析液をドレイン700に排出することを可能にするために、患者カテーテル1012と流体連通してもよい。任意選択で、透析液廃棄チューブ1010は、チューブコネクタ1500を介して患者カテーテル1012と流体連通してもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、PDシステム1000は、使用済み透析液流体を、腹膜腔510から廃棄チューブ1010を介してドレイン700に排出するために、使用済み透析液にエネルギーを付与するのに適した排出ポンプ1060を備えてもよい。任意選択で、排出ポンプ1060は、自動的に動作可能なポンプ、半自動的に動作可能なポンプおよび/または手動で動作可能なポンプであってもよい。任意選択で、排出ポンプ1060は、例えば、膨張可能、および空気注入式のバッグエアまたはバッグウォーターポンプによって実施される、手で動作可能なエアポンプであってもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、PDシステム1000は、使用済み透析液の少なくとも一部、または全部をリサイクルして、リサイクル給水を生成するように構成された使用済み透析液リサイクル装置1400を備えてもよい。従って、使用済み透析液を排出する代わりに、使用済み透析液の少なくとも一部または全部をリサイクル装置1400によってリサイクルしてもよい。
【0114】
リサイクル装置1400は、水処理装置1100および/または濃縮物供給装置1200による、さらなる処理に適した十分な品質の水を生成して、新鮮な透析液を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、使用済みの透析液水をリサイクルする工程は、PDシステム1000が患者500と分離されているときにのみ実行されてもよい。他のいくつかの実施例では、リサイクル工程は、PDシステム1000が患者500と動作可能に連結されている間に実行されてもよい。いくつかのさらなる実施例では、リサイクル工程は、PDシステム1000は、カテーテル1012を介して患者500と連結されている間に実行されてもよいが、腹膜腔510に新鮮な透析液を送達するためのPDシステム1000内の液体流路は中断される(例えば、遮断される)。
【0115】
使用済み透析液は、配管1016を介して、リサイクル装置1400に送達されてもよく、配管1018Aを介して、(例えば、軟化剤の添加のために)リサイクル装置1400から水処理装置1100に向けて送達されてもよく、または配管1018Bを介して(例えば、センサが、リサイクル水が軟化段階をスキップできるほど十分に軟水であると測定した場合)濃縮物供給装置1200に向けて送達されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプによって、重力によって、または使用済み透析液および/またはリサイクル水にエネルギーを積極的に消費することによって送達されてもよい。
【0116】
リサイクル装置1400は、外部電源を使用することなく、および/または比較的低電力のエネルギー源を利用して、使用済みの透析液を再使用するように構成されてもよい。例えば、リサイクル装置1400は、例えば、化学ベース(例えば、吸着剤ベース)、ろ過、遠心分離、凝集、好気性、嫌気性、結晶化、蒸留、溶媒抽出、酸化、沈殿、イオン交換、マイクロ-および/または限外ろ過、逆浸透、吸収、吸着、電気分解、電気透析および/またはその他水再生、および/または再生技術を使用することによって、使用済み透析液をリサイクルするように構成されてもよい。
【0117】
PDシステムが、腹膜透析処理サイクルを自己充足的に実行できる回数を考慮すると、使用済み透析液水をリサイクルすることにより、新鮮な原料供給水の消費を低減することができるか、水処理装置1100に新鮮な原料供給水を供給して、PDシステムが自己充足的に新鮮な透析液を生成するように構成された回数だけ、新鮮な透析液を生成することができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液は、少なくとも例えば、2、3、5、10、15、20または100回リサイクルされて、リサイクル給水を生成することができる。リサイクル給水は、リサイクル装置1400によって使用される薬剤および/または機器が交換、またはリフレッシュされなければならなくなるまで、新鮮な透析液を生成するように処理されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、例えば、リサイクル装置1400によって使用される薬剤の消費を低減するために、リサイクル装置1400を通過するリサイクルの回数ごとに、またはその後にのみ、一定量の新鮮な供給源給水がリサイクル透析液水に混合されてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、リサイクル段階は、使用済み透析液水および/またはリサイクル済の透析液水の1つまたは複数の特性を検知するように構成された、1つまたは複数のセンサによって自動的に制御されてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、リサイクル段階は、制御の自動化を伴わずに実行されてもよい。
【0122】
水処理装置1100は、水フィルター(例えば、砂)、水消毒装置、および水調整装置を備えてもよく、これらは、例えば、図2A~Cに概略的に示されるように、例えば、様々な構成で互いに流体連通していてもよい。
【0123】
リサイクル給水は、例えば、水の消毒、調整および/またはろ過の目的のために、水処理装置1100に再循環されて戻されてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、リサイクル装置1400によって生成されたリサイクル給水(ならびに供給源給水)は、水処理装置1100の水フィルター装置1120、水消毒装置1140、または水調整装置1160のうちの1つ以上に選択的に送達される。
【0125】
いくつかの実施形態では、PDシステムの少なくとも一部を消毒剤で消毒するために、リサイクル給水の一部は、配管1018Cを介して、チューブ消毒剤供給装置1300に供給されてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、PDシステム1000は、水処理装置1100によって使用される水処理段階の状態(例えば、開始/完了)を示す出力を提供するように動作可能であってもよい。
【0127】
図1の実施形態の説明は、図2~16に関して、本明細書で説明される全てのPDシステム構成に同様に適用可能であることに留意されたい。
【0128】
いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、水処理装置1100Aは、供給源給水供給ライン1002から飲料水を受け取るように動作可能な水フィルター装置(または、単に水フィルター)1102を備えてもよい。水フィルター装置1120は、飲料水中に存在し得る不純物濃度を低減するように動作可能であってもよく、例えば、ろ過器、スポンジ状材料、顆粒(例えば、砂)、樹脂、炭素(例えば、活性炭)セラミック材料、半透膜などのろ過媒体を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、PDシステム1000は、水特性値(例えば、パラメータ)を測定するために、PDシステム内の水流路に沿って、動作可能に連結された少なくとも1つのセンサを備えてもよい。このような水特性値は、例えば、水処理効率の指標を提供するための水中の不純物のレベルまたは濃度、水中の浸透圧剤のレベルまたは濃度、流量、水圧および/または水温を含んでもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、水処理装置1100Aは、水を消毒するのに適した水消毒装置1140をさらに備えてもよい。水消毒装置1140は、流路1101を介して、ろ過水を供給する水フィルター装置1120と下流で流体連通してもよい。例えば、水消毒装置1140は、例えば、ナトリウム、および/またはカルシウム、二酸化塩素、遊離塩素、クロラミン、オゾンなどの次亜塩素酸塩;溶質(例えば、ナトリウム、塩素、カルシウム)および/または酸などの水消毒剤を供給して、水中に存在する微生物を不活性化して消毒水を得るように機能する。
【0131】
任意選択で、水消毒装置1140は、1つ以上の水消毒剤を含んでもよく、消毒装置に入る水に水消毒剤が添加されるように構成されてもよい。例えば、水消毒装置1140は、水フィルター装置1120から水を受け取るための容器(例えば、コンテナ)および/またはチューブを備えてもよい。容器および/またはチューブの少なくともいくつかの表面は、これらの表面上を流れるろ過水に少なくともいくつかの水消毒剤が添加(例えば、混合)されるように、消毒剤によってコーティングされてもよい。容器および/チューブの表面は、内壁表面、チューブ表面および/またはろ過水の流路内に延伸するフィン要素の外表面を含んでもよい。
【0132】
水消毒剤は、例えば、粉末、液体、および/またはゲルの形状であってもよく、消毒容器の壁面にコーティングされてもよい。
【0133】
任意選択で、水消毒装置1140は、水を消毒するように構成された紫外線光源を備えてもよい。例えば、消毒のために水消毒装置1140のチューブを流れる水に照射するように、UV光源(例えば、1つ以上のLED紫外線ランプ)が配置されてもよい。水を消毒するために、追加の、また代替の放射エネルギー源が使用されてもよい。
【0134】
いくつかの実施例では、水中の水消毒剤の濃度を低減するのに十分なUV放射エネルギーによって水を照射するように構成されたUV光源が使用されてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、UV光源を使用して、水に含まれる水消毒剤を除去して、水消毒剤の濃度を所望のレベル未満に低減してもよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、水処理装置1100Aは、消毒装置の下流で、流路1102を介して水消毒装置1140と流体連通する水調整装置1160を備えてもよい。水調整装置1160は、水処理装置1100の出口で処理済み水を供給するように動作可能であってもよい。
【0137】
任意選択で、水調整装置1160は、化学的および/または非化学的軟化剤を含んでもよい。化学的軟化剤は、例えば、硬いイオンをNaイオンに交換するイオン交換樹脂の使用を含み得る。非化学的軟化剤は、水を電気的に誘発された解離工程(また、電気分解)に供して、所望の硬水レベルを得ることにより、水の硬度を低減させるように動作可能であり得る。
【0138】
任意選択で、水調整装置1160は、水消毒装置1140によって供給される水消毒剤を消毒水から除去するように動作可能であってもよい。例えば、水消毒剤を除去して、それらの濃度を所望のレベル未満に低減し、所望のpH要件(例えば、5.0~7.0)を得ることができる。消毒剤の除去は、例えば、機械的ろ過、化学反応(例えば、化学吸収)、および/または吸着を使用することによって達成してもよい。
【0139】
任意選択で、水調整装置1160は、水消毒剤の濃度を低減させるようにのみ動作可能であってもよいが、水の硬度を低減させるように動作可能ではない。従って、いくつかの実施形態では、PDシステムは、水硬度低減装置を含まなくてもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、新鮮な透析液流体の生成のために、水調整装置1160によって供給される水が、濃縮物供給装置1200によって受け取られるように、水調整装置1160は、濃縮物供給装置1200と流体的に連結されてもよい。
【0141】
次に、図2Bを参照する。水処理装置1100Bは、供給源給水供給ライン1002と流体的に連結され得る水消毒装置1140を備えてもよい。水フィルター装置1120は、流路1103を介して水消毒装置1140と下流において流体連通してもよく、水調整装置1160は、流路1104を介して水フィルター装置1120と下流において流体連通してもよい。水調整装置1160は、水処理装置1100Bの出口において処理済み水を供給するように動作可能であってもよい。
【0142】
次に、図2Cを参照する。水処理装置1100Cは、供給源給水供給ライン1002と流体的に連結され得る水消毒装置1140を備える。
【0143】
いくつかの実施形態では、統合された水フィルターと前処理機能とを有する装置1180は、流路1105を介して水消毒装置1140と下流において流体連通していてもよい。統合された水フィルターと、前処理装置1180とは、水処理装置1100Cの出口で処理済み水を供給するように動作可能であってもよい。
【0144】
次に、図2Dを参照する。水処理装置1100Dは、流路1002を介して供給源給水供給ライン1106と流体的に連結され得る水消毒装置1140を備える。
【0145】
水調整装置1160は、流路1106を介して水消毒装置1140と下流において流体連通してもよい。水フィルター装置1120は、流路1107を介して水調整装置1160と下流において流体連通してもよい。水フィルター装置は、水処理装置1100Dの出口で処理済み水を供給するように動作可能であってもよい。
【0146】
以下により、詳細に概説されるように、腹膜透析サイクルは、いくつかの実施形態において、チューブ消毒段階、使用済み透析液排出段階、および新鮮な透析液送達段階を含んでよい。段階の順番に関して、使用済み透析液排出段階は、新鮮な透析液送達段階に先行してもよい。あるいは、新鮮な透析液送達段階は、使用済み透析液排出段階に先行してもよい。いくつかの実施形態では、チューブ消毒段階は、新鮮な透析液送達段階の前、および使用済み透析液排出段階の後に適用されてもよい。
【0147】
任意選択で、チューブ消毒は、各新鮮な透析液流体送達段階の前に適用されてもよい。任意選択で、チューブ消毒は、新鮮な腹腔液流体送達、浸透/拡散段階(また、限外ろ過)、および使用済み透析液排出のうち2つ以上のサイクルの完了後にのみ適用されてもよい。
【0148】
上記の観点より、以下は有効な腹膜透析サイクルとみなすことができる:
最初のオプション:
I)使用済み透析液排出段階;
II)チューブ消毒段階;および
III)新鮮な透析液送達段階。
【0149】
第2のオプション:
I)チューブ消毒段階;
II)新鮮な透析液送達段階;および
III)使用済み透析液排出段階。
【0150】
第3のオプション:
I)新鮮な透析液送達段階;
II)使用済み透析液排出段階;および
III)チューブ消毒段階。
【0151】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液排出段階を適用する代わりに、または使用済み透析液排出段階を適用することに加えて、リサイクル段階を適用してもよい。
【0152】
従って、以下の添付の図面と併せて、本明細書に記載される透析段階は異なっていてもよく、限定的な様式で解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0153】
患者の血流から透析液への浸透および/または拡散のために、老廃物、毒素、および過剰の水が腹膜を通過することを可能にする浸透/拡散段階は、各新鮮な透析液送達段階の後に適用されると考えられる。単に明確にするために、浸透/拡散段階のメカニズムは、本明細書ではさらに詳細には説明しない。
【0154】
いくつかの実施形態では、図において、実線で示される流路は「アクティブ」とみなされ、破線で示される流路は、「アイドル」または「非アクティブ」とみなされ、円い点で示された流路は、「任意選択で使用中」とみなされる。しかしながら、上述した異なる「破線タイプ」の線は、決して限定的な方法で解釈されるべきではないことに留意されたい。従って、いくつかの図は、流路を「任意選択」としてみなす場合があるが、特定の実施形態では、「常に使用中」、「使用中ではない」とみなされる場合がある。「アクティブ」として示される流路は、いくつかの実施形態では、「非アクティブ」であり得るか、またはその逆であり得る。
【0155】
ここで、PDシステム1000Aで適用され得る、腹膜透析液サイクルを例示する図3~6を参照する。
【0156】
図3は、チューブ消毒剤が消毒剤供給装置1300からチューブコネクタ1500まで、任意選択で、チューブによって画定される流路1008を消毒するために供給される、チューブ消毒段階を模式的に例示する。いくつかの実施形態では、チューブ消毒段階は、また、チューブ消毒剤を患者カテーテル流路(また、患者カテーテル)1012の少なくとも一部に供給することを含んでもよい。例えば、チューブ消毒剤は、外部カテーテル部分に供給されてもよく、任意選択で、腹膜腔510に至る流路を消毒するためにカテーテルポートを通って供給されてもよい。
【0157】
図3に概略的に示されるように、流路1002、1004および1006は、いくつかの実施形態では「アクティブ」であってよく、いくつかの実施形態では「非アクティブ」であってよい。
【0158】
アクティブである場合、供給源給水は、流路1002、1004、および流路1006を通って、チューブ消毒剤を、チューブ消毒段階において濃縮物供給装置1200によって供給される水と混合するために、チューブ消毒剤供給装置1300に供給されてもよい。この工程は、新鮮な透析液流体に追加のチューブ超毒剤が添加されなくなるまで継続してもよい。これは、全てのチューブ消毒剤が使い果たされた場合であり得る。水処理装置1100によって、適用され得る能動的に制御可能な(例えば、電動)水処理工程、および/または濃縮物供給装置1200によって濃縮物を供給するための能動的に制御可能な工程は、チューブ消毒段階中にアクティブ(すなわち、水に濃縮物を供給する)または非アクティブ(すなわち、濃縮物を供給しないか、または無視できる量を供給する)のいずれかを維持するように選択的に制御されてもよい。従って、チューブ消毒段階において、濃縮物供給装置1200によって供給される水は、いくつかの実施形態では、新鮮な透析液流体として適格でなくてもよく、いくつかの実施形態では、新鮮な透析流体として適格であってもよい。その後、新鮮な透析液流体は、チューブ消毒剤と混合されてもよい。1つの実施例において、チューブ消毒剤と混合され得る新鮮な透析液流体は、依然として新鮮な透析液流体として適格であってよい。別の実施例では、チューブ消毒剤と混合され得る新鮮な透析液流体がもはや新鮮な透析液流体として適格ではない可能性がある。新鮮な透析液流体とチューブ消毒剤との混合物が依然として新鮮な透析液流体として適格であるかどうかは、例えば、使用されるチューブ消毒剤の種類および/または新鮮な透析液水中の消毒消チューブ剤の濃度に依存し得る。例えば、消濃度の値が110MEQ/L以下の場合は、毒剤‐水混合物を新鮮な透析液流体として使用してもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、供給源給水は、チューブ消毒のための供給源水‐消毒剤混合物の使用のために、チューブ消毒剤と混合するためのバイパス流路1014Aによって流路1002、1004および1006をバイパスしながら、チューブ消毒剤供給装置1300に供給されてもよい。任意選択で、消毒剤と混合された供給源給水は、新鮮な透析液流体として適格でなくてもよい。
【0160】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤および/または新鮮な透析液として適格でない水と混合されたチューブ消毒剤は、流路1008、コネクタ1500および廃棄物流路1010を介してドレイン700に供給されてもよい。
【0161】
別の実施形態では、チューブ消毒剤および/または新鮮な透析液流体として適格であっても適格でなくてもよい水がチューブ消毒剤と混合されたときに、外部カテーテル部分がカテーテルポートと流体連通していない場合、流路1008、コネクタ1500、および患者カテーテル1012の少なくとも一部(例えば、外部カテーテルおよび/またはカテーテルポート)に供給されてもよい。
【0162】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒剤と混合された場合であっても、新鮮な透析液流体として適格であり得る水は、流路1008、コネクタ1500、および患者カテーテル1012を通って、浸透/拡散段階での使用のために、およびその後の使用済み透析液排出段階のために、腹膜腔510に供されてもよい。この実施例では、チューブ消毒段階は、新鮮な透析液送達段階と同一であってもよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、新鮮な腹膜透析液流体として適格である水と混合されたチューブ消毒剤は、比較的短期間、腹膜腔510に供給されてもよく、チューブ消毒が完了したと考えられ得る場合、そこから排出されてもよい。
【0164】
図4をさらに参照する。いくつかの実施形態によれば、チューブ消毒段階の完了時に、新鮮な透析液送達段階を適用してもよい。新鮮な透析液送達段階の間、給水供給は水処理装置の出口で処理済み水を生成するために水処理装置1100に供給されてもよく、さらに新鮮な透析液流体を生成するために濃縮物供給装置1200を通って供給されてもよい。次いで、新鮮な透析液流体は、チューブ消毒剤供給装置1300およびコネクタ1500を介して、患者の腹膜腔510に強制的に送られる。本明細書で既に示されているように、新鮮な透析液送達段階では、チューブ消毒剤供給装置1300はアクティブであってもよいし、アクティブでなくてもよい。非アクティブである場合、チューブ消毒剤は新鮮な透析液流体と混合されなくてよく、または無視できる量のチューブ消毒剤が混合されてもよい。アクティブである場合、新鮮な透析液流体と混合されるか、または添加される量のチューブ消毒剤はチューブ消毒のためには十分であり、チューブ消毒剤および新鮮な透析液流体の混合物を患者の腹膜腔510に供給することを可能にし、浸透/拡散段階(また、限外ろ過段階)において滞留時間にわたって腹膜腔を保持し、腹膜を通る浸透および/または拡散を可能にし、その間に、新鮮な透析液流体が使用済み透析液流体と交換される。
【0165】
ここで、図5をさらに参照する。使用済み腹膜透析液は、患者カテーテル1012、コネクタ1500、および廃棄チューブ1010を介して、腹膜腔510からドレイン700に排出されてもよい。
【0166】
さらに図6を参照すると、使用済み透析液排出段階の代わりに、またはそれに加えて、使用済み透析液リサイクル段階を適用してもよい。
【0167】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液の全てがリサイクル装置1400によってリサイクルされてもよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液の一部が、例えば、一定量の老廃物を洗い流すために排出されてもよく、他の部分はリサイクル装置1400によってリサイクルされてもよい。
【0169】
リサイクル給水の少なくとも一部は、配管1018Aを介して、水処理装置1100(例えば、水を軟化させるために)に送達されてもよく、配管1018Bを介して濃縮物供給装置1200に送達されてもよく、および/または配管1018Cを介して、チューブ消毒剤供給装置1300(例えば、PD系の少なくとも一部を消毒するために)に送達されてもよい。
【0170】
使用済みの透析液の量は、例えば、制御可能なシャントバルブ(図示せず)を介して、使用済み透析液水の様々な特性を測定するセンサ(図示せず)によって供給されるセンサ出力に基づいて制御されてもよい。
【0171】
リサイクル給水の少なくとも一部は、配管1018Aを介して、水処理装置1100(例えば、水を軟化させるために)に送達されてもよく、配管1018Bを介して、濃縮物供給装置1200に送達されてもよく、および/または配管1018Cを介してチューブ消毒剤供給装置1300(例えば、PDシステムの少なくとも一部を消毒するために)に送達されてもよい。
【0172】
ここで、図7を参照する。いくつかの実施形態では、PDシステム1000Bにおいて、濃縮物供給装置1200およびチューブ消毒剤供給装置1300は、例えば、流路1005および1008を介して、コネクタ1500と並列連結構成で、かつその上流で流体接続されてもよい。
【0173】
水処理装置1100は、流路1007を介して給水源と流体接続するように、給水源600と連結されてもよい。さらに、水処理装置1100は、濃縮物供給装置1200およびチューブ消毒剤供給装置1300と、並列連結構成で流体接続されてもよい。水処理装置1100は、濃縮物供給装置1200およびチューブ消毒剤供給装置1300と、上流で連結されてもよい。
【0174】
いくつかの実施形態では、PDシステム1000Aと同様に、PDシステム1000Bは、水処理装置1100をバイパスすることによって、水源600をチューブ消毒剤供給装置1300に直接接続するバイパス流路1014Bを備えてもよい。
【0175】
図8をさらに参照する。いくつかの実施形態では、チューブ消毒段階は、チューブ消毒剤供給装置から所望のチューブ部分にチューブ消毒剤を供給することを含んでもよい。PDシステム1000Aと同様に、所望のチューブ部分は、流路1008の少なくとも一部、コネクタ1500に含まれるチューブの少なくとも一部、および/または患者カテーテル1012のチューブの少なくとも一部を含んでもよい。
【0176】
任意選択で、チューブ消毒剤は、薬剤、例えば、追加の水および/または他の組成物と混合することなく、消毒されるべきチューブ部分に供給されてもよい。
【0177】
任意選択で、給水供給はさらなる処理なしで、例えば、バイパス流路1014Bを介して、チューブ消毒剤と、それらを混合するためのチューブ消毒剤供給装置1300に供給されてもよい。次いで、給水と、チューブ消毒剤との混合物は、チューブ消毒のために所望のチューブ部分に供給されてもよい。
【0178】
任意選択で、給水供給は、処理済み水を生成する処理のために、流路1002を介して、水処理装置1100に供給されてもよい。次いで、処理済み水は、流路1007を介してチューブ消毒剤供給装置1300に供給され、チューブ消毒剤と混合されてもよい。次いで、処理済み水とチューブ消毒剤との混合物は、チューブ消毒のために所望のチューブ部分に供給されてもよい。
【0179】
任意選択で、新鮮な透析液流体が生成されてもよく、この新鮮な透析液は、チューブ消毒剤と混合し、そして所望のチューブ部分に送達するために、統合されたコネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301に送達されてもよい。
【0180】
任意選択で、チューブ消毒は、処理済み水を所望のチューブ部分に送達することを含んでもよい。
【0181】
さらに図9を参照すると、処理済み水を得るために、水処理装置1100に給水を供給することを含み得る、新鮮な透析液送達段階が適用されてもよい。次いで、処理済み水は、処理済み水流路1004を介して、濃縮物供給装置1200に供給され、腹膜腔510へ送達するための新鮮な透析液流体を生成してもよい。図9に示すように、並列連結構成により、処理済み水および/または給水をチューブ消毒剤供給装置1300に供給するための流路は、処理済み水を濃縮物供給装置1200に供給するために使用される流路とは分離している。従って、チューブ消毒剤を新鮮な透析液流体と混合する機会を低減、最小化、または排除してもよい。
【0182】
いくつかの実施形態では、新鮮な透析液を腹膜腔510に供給した後、使用済み透析液流体が腹膜腔510内の新鮮な透析液流体に取って代わる浸透/拡散段階を使用してもよい。
【0183】
さらに図10を参照する。使用済み透析液排出段階を使用して、使用済み透析液を腹膜腔510から排出してもよい。PDシステム1000Aに関して記載されたものと同様に、使用済み腹膜透析液は、患者カテーテル1012、コネクタ1500、および廃棄チューブ1010を介して、腹膜腔510からドレイン700に排出されてもよい。
【0184】
さらに図11を参照すると、使用済み透析液排出段階の代わりに、または、それに加えて使用済み透析液リサイクル段階が適用されてもよい。
【0185】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液の全ては、リサイクル装置1400によってリサイクルされてもよい。
【0186】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液の一部は、例えば、一定量の老廃物を洗い流すために排出されてもよく、別の部分は、リサイクル装置1400によってリサイクルされてもよい。
【0187】
リサイクル給水の少なくとも一部は、配管1018Aを介して、水処理装置1100(例えば、水を軟化させるために)に送達されてもよく、配管1018Bを介して、濃縮物供給装置1200に送達されてもよく、および/または配管1018Cを介して、チューブ消毒剤供給装置1300(例えば、PDシステムの少なくとも一部を消毒するために)に送達されてもよい。
【0188】
使用済み透析液の量は、例えば、制御可能なシャントバルブ(図示せず)を介して、使用済み透析液水の様々な特性を測定するセンサ(図示せず)によって供給されるセンサ出力に基づいて、制御されてもよい。
【0189】
ここで、さらに図12について参照する。いくつかの実施形態では、PDシステム1000Cでは、例えば、PDシステム1000Aおよび1000Bに関して本明細書で概説したものと同様のコネクタ(例えば、チューブマニホールド)として、ならびに、チューブ消毒剤供給装置としての両方の機能を果たすように構成することができる、統合されたコネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301が適用されてもよい。例えば、装置1301は、コネクタに送達される流体(例えば、給水、処理済み水、または新鮮な透析液流体)と接するコネクタチューブの表面に設けられるチューブ消毒剤を含み得るコネクタを実装するか、または備えてもよい。装置1301のそのような表面は、例えば、マニホールドおよびチューブ消毒剤供給装置1301内を流れる水と関与するように構成され得るフィン要素の内壁表面、チューブ表面および/または外表面を含んでもよい。
【0190】
ここで、図13を参照すると、チューブ消毒段階は、チューブ消毒剤供給装置から所望のチューブ部分にチューブ消毒剤を供給することを含んでもよい。PDシステム1000Aおよび1000Bと同様に、所望のチューブ部分は、チューブ消毒剤を、統合されたコネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301に含まれるチューブに、および患者カテーテル1012のチューブの少なくともいくつかに送達することを含んでもよい。
【0191】
任意選択で、チューブ消毒剤は、消毒剤を水および/または他の組成物と混合することなく、消毒されるべきチューブ部分に供給されてもよい。
【0192】
任意選択で、給水供給は、さらなる処理なしで、例えば、バイパス1014Cを介して、給水供給と、チューブ消毒剤とを混合するためのコネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301に供給されてもよい。次いで、給水と、チューブ消毒剤との混合物は、チューブ消毒のために所望のチューブ部分に供給されてもよい。
【0193】
任意選択で、給水供給は、処理済み水を生成する処理のために、流路1002を介して、水処理装置1100に供給されてもよい。次に、処理済み水は、チューブ消毒剤と混合されるために、流路1011を介して、チューブ消毒剤供給装置1300に供給されもよい。次いで、処理済み水と、チューブ消毒剤との混合物は、チューブ消毒のために、所望のチューブ部分に供給されてもよい。
【0194】
任意選択で、新鮮な透析液流体が生成されてもよく、この新鮮な透析液は、チューブ消毒剤と混合し、そして所望のチューブ部分に送達するためにコネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301に送達されてもよい。
【0195】
任意選択で、チューブ消毒は、処理済み水を所望のチューブ部分に送達することを含んでもよい。
【0196】
さらに図14を参照すると、処理済み水を得るために、水処理装置1100に給水を供給することを含み得る、新鮮な透析液送達段階が適用されてもよい。次いで、処理済み水は、処理済み水流路1004を介して、濃縮物供給装置1200に供給され、流路1009、統合されたコネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301、ならびに患者カテーテル1012を介して、腹膜腔510へ送達するための新鮮な透析液流体を生成してもよい。図13に示すように、並列連結構成により、処理済み水のおよび/または給水をコネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301に供給するための流路は、処理済み水を濃縮物供給装置1200に供給するために使用される流路とは分離していてもよく、コネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301に新鮮な透析液流体を供給するための流路とは異なっていてもよい。従って、チューブ消毒剤を新鮮な透析液流体と混合する機会を低減、最小化、または排除してもよい。
【0197】
いくつかの実施形態では、新鮮な透析液流体を腹膜腔510に供給した後、使用済み透析液流体が腹膜腔510内の新鮮な透析液に取って代わる浸透/拡散段階を使用してもよい。
【0198】
さらに図15を参照する。使用済み透析液排出段階を使用して、使用済み透析液を腹膜腔510から排出してもよい。PDシステム1000Aに関して記載されたものと同様に、使用済み腹膜透析液は、患者カテーテル1012、コネクタおよびチューブ消毒剤供給装置1301、なたびに廃棄チューブ1010を介して、腹膜腔510からドレイン700に排出されてもよい。
【0199】
図16をさらに参照すると、使用済み透析液排出段階の代わりに、またはそれに加えて、使用済み透析液リサイクル段階が適用されてもよい。
【0200】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液の全ては、リサイクル装置1400によってリサイクルされてもよい。
【0201】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液の一部が、例えば、一定量の老廃物を洗い流すために排出されてもよく、別の部分は、リサイクル装置1400によってリサイクルされてもよい。
【0202】
使用済み透析液の量は、例えば、制御可能なシャントバルブ(図示せず)を介して、使用済み透析液水の様々な特性を測定するセンサ(図示せず)によって供給されるセンサ出力に基づいて、制御されてもよい。
【0203】
さらに図17について参照する。いくつかの実施形態では、PDシステム制御装置1700は、プログラムコード命令1711および/またはデータ1712等のソフトウェアを記憶することができるメモリ1710と、PDシステム内を流れる液体(例えば、水、新鮮なおよび/または使用済み透析液)の物理量を検知するように構成され得るセンサ1720と、PDシステム動作パラメータとを備えてもよい。センサ120は、物理量の検知に応答して、電気信号を生成するように動作可能であってもよい。
【0204】
PDシステム制御装置1700は、メモリ1710に記憶するための信号を記述するデータを生成するために、センサによって生成された電気信号を処理するように動作可能なプロセッサ1730をさらに備えてもよい。プロセッサ1730は、例えば、本明細書に開示する方法を実施するためのエンジンをもたらすためのプログラムコード命令1711を実行することによって、メモリ1710に記憶されたデータ1712を処理するようにさらに構成されてもよい。データ1712は、例えば、信号を分析するために、および/または制御エンジン1740をもたらすために、PDシステム構成要素の動作を制御するために処理されてもよい。
【0205】
通信モジュール1750は、例えば、記憶装置1710に記憶されたデータの処理に関連する出力を供給供するために使用されてもよい。このような出力は、例えば、ユーザインターフェース1760に供給されてもよい。
【0206】
電力ユニット1770は、例えば、PDシステム制御ユニットの構成要素を含むPDシステムの様々な構成要素に電力を供給するために適用されてもよい。
【0207】
PDシステム制御装置1700の構成要素は、有線および/または無線通信リンクを介して、互いに通信可能に接続されてもよい。
【0208】
いくつかの実施形態では、PDシステムは、例えば、水温、流量、浸透圧剤供給量などのPDシステム動作パラメータの自己較正を実行するように動作可能であってもよい。
【0209】
いくつかの実施形態では、メモリ1710は、例えば、製品の種類、製品カタログ番号、化学物質含有量、製造日、製造ロット、製造場所、有効期限などを含むシステム情報を記憶してもよい。任意選択で、システム情報は、例えば、スマートフォンなどのコンピュータ化されたモバイル機器などのデバイスを介して、ユーザに供給されてもよい。
【0210】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される様々な段階および/または工程は、自動的に実行されてもよい。例えば、消毒段階は、PDシステム制御装置によって、自動的に開始されてもよい。
【0211】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される様々な段階および/または工程は、「受動的に」および/または半自動的に実行されてもよい。例えば、消毒段階は、水が消毒剤に接したときに生じてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される段階および/または工程は、PDシステム制御装置によって自動的に開始されてもよい。
【0212】
いくつかの実施形態では、PDシステム制御装置は、適用される段階を示す出力を供給してもよい。例えば、PDシステム制御装置は、透析液廃棄物に関連する特性を検知するように動作可能な感染センサを備えてもよい。検知された特性に応じて、PDシステム制御装置は、消毒段階および/または新鮮な透析液送達段階が適用されるべきであることを示す出力を供給してもよい。
【0213】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される様々な段階および/または工程が手動で開始されてもよい。
【0214】
ここで図18A~Fを参照する。図18Aに示すように、いくつかの実施形態によれば、腹膜透析を実施するための方法は、チューブ消毒段階(ブロック1802)を実施することと、新鮮な透析液送達段階(ブロック1804)を実行することと、次いで、使用済み透析液排出および/またはリサイクル段階(ブロック1806)を実行することとを含んでもよい。ブロック1802~1806に関して概説された段階の並びは、複数回繰り返されてもよい。
【0215】
図18Bに示すように、いくつかの実施形態によれば、腹膜透析を実行するための方法は、新鮮な透析液送達段階(ブロック1822)を実行することと、チューブ消毒段階(ブロック1824)を実行することと、次いで、使用済み透析液排出段階(ブロック1826)を実行することとを含んでもよい。ブロック1822~1826に関して概説された段階の並びは、複数回繰り返されてもよい。
【0216】
図18Cに示すように、いくつかの実施形態によれば、腹膜透析を実行するための方法は、新鮮な透析液送達段階(ブロック1832)を実行することと、次いで、使用済み透析液排出および/またはリサイクル段階(ブロック1834)を実行することと、次いで、チューブ消毒段階(ブロック1836)を実行することとを含んでもよい。ブロック1832~1836に関して概説した段階の並びは、複数回繰り返されてもよい。
【0217】
図18Dに示すように、いくつかの実施形態によれば、腹膜透析を実行するための方法は、チューブ消毒段階(ブロック1842)を実行することと、使用済み透析液排出および/またはリサイクル段階(ブロック1844)および/または新鮮な透析液送達段階(ブロック1846)を実行することとを含んでもよい。ブロック1842~1846に関して概説した段階の並びは、複数回繰り返されてもよい。
【0218】
図18Eに示すように、いくつかの実施形態によれば、腹膜透析を実行するための方法は、使用済み透析液排出および/またはリサイクル段階(ブロック1852)を実行することと、チューブ消毒段階(ブロック1854)を実行することと、新鮮な透析液排出段階(ブロック1856)を実行することとを含んでもよい。ブロック1852~1876に関して概説した段階の並びは、複数回繰り返されてもよい。
【0219】
図18Fに示すように、いくつかの実施形態によれば、腹膜透析を実行するための方法は、使用済み透析液排出段階(ブロック1862)を実行することと、新鮮な透析液送達段階(ブロック1864)を実行することと、チューブ消毒段階(ブロック1866)を実行することとを含んでもよい。ブロック1862~1866に関して概説した段階の並びは、複数回繰り返されてもよい。
【0220】
本明細書で概説される段階の順番の任意の適切な組み合わせが使用されてもよい。
【0221】
図19をさらに参照する。いくつかの実施形態によれば、消毒段階(ブロック1901)は、新鮮な透析液の生成および送達段階の様々な時点において行われればよい。
【0222】
例えば、水処理装置1100において、、チューブ消毒段階(ブロック1901A)は、水源から水を受け取る(ブロック1902)前であって、開始直後に(ブロック1900)行われてもよい。
【0223】
さらなる実施例では、チューブ消毒段階(ブロック1901B)は、水源から水を受け取った後であって(ブロック1902)、受け取った水を処理して処理済み水を得る前(ブロック1904)に行われてもよい。
【0224】
追加の実施例では、チューブ消毒段階(ブロック1901C)は、受け取った水を処理した後(ブロック1904)であるが、処理済み水に濃縮物を添加して新鮮な透析液を得る前(ブロック1906)に行われてもよい。
【0225】
さらなる実施例では、チューブ消毒段階(ブロック1901D)は、濃縮物を処理済み水に添加した後(ブロック1906)であるが、新鮮な透析液を患者の腹膜腔に送達する前(ブロック1908)に行われてもよい。
【0226】
別の実施例では、チューブ消毒段階(ブロック1901E)は、患者の腹膜腔への新鮮な透析液の送達の後であるが、腹膜腔内における限外ろ過の完了を可能にするために、滞留時間の開始時またはその間に行われてもよい。
【0227】
さらなる実施例では、チューブ消毒段階(ブロック1901F)は、滞留時間の経過前であるが、使用済み透析液排出(ブロック1912)の前に行われてもよい。
【0228】
任意選択で、チューブ消毒段階は、使用済み透析液排出後に行われてもよい(ブロック1922)。
【0229】
明らかに、チューブ消毒段階は、例えば、図19に関して概説されるように、1つ以上の段階の完了前に(ブロック1916)、例えば、腹膜透析サイクルのそれぞれの段階または時点で、複数回実行されてもよい。
【0230】
いくつかの実施形態では、排出する代わりに、使用済み透析液は、例えば、リサイクル装置1400によってリサイクルされてもよい。
【0231】
いくつかの実施形態では、使用済み透析液は、新鮮な透析液の生産のためのいくつかのリサイクル工程を実行した後に排出されてもよい。
【0232】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒は、リサイクル装置1400に向けて導く上流配管1016、リサイクル装置1400から水処理装置1100および/またはリサイクル装置1400自体の方向に延伸する配管1018の消毒を含んでもよい。
【0233】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒は、処理装置への水の供給と同時に行われてもよい。
【0234】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒は、処理装置による水の処理と同時に行われてもよい。
【0235】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒は、新鮮な透析液を得るために、処理済み水に濃縮物を添加させながら行われてもよい。
【0236】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒は、腹膜腔への新鮮な透析液の送達中に行われてもよい。
【0237】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒は、限外ろ過工程の滞留時間中に行われてもよい。
【0238】
いくつかの実施形態では、チューブ消毒は、使用済み透析液の排出中に行われてもよい。
【0239】
追加実施例:
実施例1は、患者の腹膜透析で使用するための新鮮な透析液を生成するための腹膜透析液生成および送達(PD)システムに関する。システムは、給水口;前記給水口を介して水源に流体的に接続可能、または接続され、水源から受け取った水を処理して処理済み水を生成するように構成された水処理装置;濃縮物供給装置に含まれる濃縮物を前記処理済み水に添加して新鮮な透析液流体を生成するために、少なくとも1つの前記水処理装置と流体連通する、濃縮物供給装置;流路を介して患者の身体に新鮮な透析液流体を供給するための管腔を有するチューブ;および消毒剤を収容、および/または受け取るように動作可能なチューブ消毒剤供給装置を備え、前記チューブ消毒剤供給装置は、前記チューブの少なくとも一部を消毒するために、前記チューブと流体接続される。
【0240】
実施例2は、実施例1の主題を含み、任意選択で、前記チューブは、前記患者の体内に配置するための近位端と、遠位端と、を有するカテーテル;消毒剤供給チューブ;新鮮な透析液供給チューブ;透析液廃棄チューブ;および前記新鮮な透析液供給チューブ部分と、前記透析液廃棄チューブとを前記患者カテーテルの前記遠位端に流体的に接続するためのチューブコネクタを備える。
【0241】
実施例3は、実施例2の主題を含み、任意選択で、前記消毒剤供給チューブは、前記新鮮な透析液供給チューブの一部である。
【0242】
実施例4は、実施例3の主題を含み、任意選択で、前記チューブ消毒剤供給チューブは、前記新鮮な透析液供給チューブとは分離している。
【0243】
実施例5は、実施例3の主題を含み、任意選択で、前記チューブ消毒剤供給チューブおよび前記新鮮な透析液供給チューブは、並列に、前記チューブコネクタと流体的に接続される。
【0244】
実施例6は、実施例1~5のいずれか1つまたは複数の主題を含み、任意選択で、前記水処理装置は、以下のいずれか1つ以上を備える:水フィルター装置;消毒水を生成するための水消毒装置;および前処理済み水を生成するための水調整装置。
【0245】
実施例7は、実施例1~6のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、前記チューブを介して前記PDシステムによって受け取られた水を、前記患者に新鮮な透析液を供給するために、前記水処理装置および前記濃縮物供給装置を通して、強制的に供給するためのエネルギーを水に消費するための供給ポンプ装置を含む。
【0246】
実施例8は、実施例1~7のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、前記チューブコネクタは、前記患者カテーテルを前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブと互いに動作可能に接続するためのマニホールドを含む。
【0247】
実施例9は、実施例1~8のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、前記マニホールドは、選択的に流体的に、前記患者カテーテルを前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブのうち1つ以上と接続し、前記患者カテーテルを前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブのうち1つ以上から分離するよう構成されている。
【0248】
実施例10は、実施例8または実施例9の主題を含み、任意選択で、前記マニホールドは、選択的に流体的に、前記患者カテーテルを、前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析廃棄チューブのうち1つ以上と接続し、前記患者カテーテルを前記消毒剤供給チューブ、前記新鮮な透析液供給チューブ、および前記廃透析液廃棄チューブのうち1つ以上から分離するためのマニホールドバルブおよびチューブを備えている。
【0249】
実施例11は、実施例1~10のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、前記チューブ消毒剤は、人体内での使用が承認されている。
【0250】
実施例12は、実施例1~11のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、チューブ消毒剤は、生体適合性であり、任意選択で生分解性である。
【0251】
実施例13は、実施例1~12のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、前記濃縮物は浸透剤を含む。
【0252】
実施例14は、実施例1~13のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、前記水処理装置および/または前記濃縮物供給装置をバイパスすることによって、バイパス流路が水源を前記チューブ消毒剤供給装置に流体的に接続する。
【0253】
実施例15は、実施例1~14のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、使用済み透析液をリサイクルして、リサイクル給水を生成するように構成されたリサイクル装置をさらに備える。
【0254】
実施例16は、患者において腹膜透析を実施するための方法であって、新鮮な透析液を生成し、および/または患者に送達するために使用されるチューブの少なくとも一部を消毒するための消毒剤を用いて消毒段階を実施することを含む方法に関する。
【0255】
実施例17は、実施例16の主題を含み、任意選択で、腹膜透析液生成および送達(PD)システムは、前記消毒段階に備えて前記消毒剤を含む。
【0256】
実施例18は、実施例17の主題を含み、任意選択で、前記消毒剤は、前記消毒段階を開始する前に、患者の部位(例えば、患者の部位のみ)において前記PDシステムに供給される。
【0257】
実施例19は、実施例16~18のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、消毒段階は、鮮な透析液送達段階を実行する前;新鮮な透析液送達段階を実行した後であって、使用済み透析液排出および/または使用済み透析液リサイクル段階を実行する前;および/または前記使用済み透析液排出段階を実行した後に実行される。
【0258】
実施例20は、実施例16~19のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、チューブ消毒段階は、水源から水を受け取る前に;前記水源から水を受け取った後、処理済み水を得るために前記水を処理する前に;前記水を処理した後、前記新鮮な透析液を得るために前記処理済み水に濃縮物を添加する前に;前記処理済み水に濃縮物を添加した後、患者の腹膜腔に前記新鮮な透析液を送達する前に;前記腹膜腔内の限外ろ過が完了するのを可能にするための滞留時間の待機前、および/または待機中に;前記滞留時間が経過した後、使用済み透析液を排出および/またはリサイクルする前;および/または使用済み透析液のドレインへの前記排出後、および/または前記使用済み透析液をリサイクルしてリサイクル給水を生成した後に実行される。
【0259】
実施例21は、実施例16~20のいずれか1つ以上の主題を含み、任意選択で、チューブ消毒段階は、水源から水を受け取る前に;前記水源から水を受け取った後、処理済み水を得るために前記水を処理する前に、水を処理した後、処理済み水を得るために前記水を処理する前に;前記水を処理した後、新鮮な透析液を得るために前記処理済み水に濃縮物を添加する前に;前記処理済み水に濃縮物を添加した後、患者の腹膜腔に前記新鮮な透析液を送達する前に;前記腹膜腔内の限外ろ過が完了するのを可能にするための滞留時間の待機前、および/または待機中に;前記滞留時間が経過した後、使用済み透析液を排出する前に;および/または使用済み透析液のドレインへの排出後に実行される。
【0260】
本明細書で使用される「共に」、「同時に」、「リアルタイムで」、「一定」という表現は、それぞれ「実質的に共に」、「実質的に同時に」、「実質的にリアルタイムで」、および「実質的に一定」という表現の意味を包含し得ることに留意されたい。
【0261】
本明細書で例示された任意のデジタルコンピュータシステム、モジュール、および/またはエンジンは、本明細書で開示された方法を実施するように構成またはプログラムすることができ、システム、モジュール、および/またはエンジンがそのような方法を実施するように構成される限り、それは、本開示の範囲および思想の範囲内である。システム、モジュール、および/またはエンジンが本明細書で開示される方法を実装するプログラムソフトウェアからのコンピュータ読み取り可能、かつ実行可能な命令に従って、特定の機能を実行するようにプログラムされると、それは、実質的に、本明細書で開示される方法の実施形態に特有のコンピュータになる。本明細書で開示される方法および/またはプロセスは、例えば、非一過性の有形のコンピュータ可読および/または非一過性の有形の機械可読の記憶装置を含む、情報キャリアで明確に具現化され得るコンピュータプログラム製品として実装されてもよい。コンピュータプログラム製品は、本明細書で開示される方法および/またはプロセスを実行するためのソフトウェアコード部分を備える、デジタルコンピュータの内部メモリに直接ロード可能であってもよい。
【0262】
加えて、または代替として、本明細書で開示される方法および/またはプロセスは、コンピュータ可読信号媒体によって、無形に具現化され得るコンピュータプログラムとして実装され得る。コンピュータ可読信号媒体は、実施例として、基底帯域において、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝搬データ信号を含むことができる。そのような伝播信号は電磁、光学、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、それらに限定されない、任意の様々な形態をとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、非一過性のコンピュータまたは機械可読記憶装置ではなく、本明細書で説明する装置、システム、プラットフォーム、方法、動作、および/またはプロセスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝搬、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体とすることができる。
【0263】
用語「非一過性のコンピュータ可読記憶装置」および「非一過性の機械可読記憶装置」は、配布媒体、中間記憶媒体、コンピュータの実行メモリ、ならびに本明細書で開示される方法の実施形態を実装するコンピュータプログラムによる後の読み取りのために記憶可能なその他の媒体またはデバイスを包含する。コンピュータプログラム製品は、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトの複数のコンピュータ上で実行されるように配備されることも、複数のサイトに分散して1つ以上の通信ネットワークによって相互接続されることもできる。
【0264】
これらのコンピュータ読み取り可能および実行可能命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他プログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実装するための手段を作成するようにマシンを生成することができる。これらのコンピュータ可読および実行可能プログラム命令は、またコンピュータ、プログラム可能データ処理装置、および/またはその他のデバイスに、特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよく、その結果、その中に格納された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作の態様を実行する命令を含む製造品を備える。
【0265】
コンピュータ読み取り可能および実行可能命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたはブロックで指定された機能/動作を実装するように、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータに実装されたプロセスを進行させることができる。
【0266】
この議論では、特に言及しない限り、本発明の実施形態の特徴の状態、または関連特性を修飾する「実質的に」および「約」などの形容詞は、その状態、または特性が意図される適用のための実施形態の作用に受け入れられる許容範囲内で定義されるということを意味すると理解されるべきである。
【0267】
本方法は、これらの図または対応する説明に限定されないことに留意することが重要である。例えば、この方法には、図に記載されているものと比較して、付加的な、あるいはさらに少ないプロセスや動作を含んでいてもよい。加えて、本方法の実施形態は、本明細書に示され、説明されるような時系列順に必ずしも限定されない。
【0268】
例えば、「処理」、「演算」、「計算」、「決定」、「確立」、「分析」、「検査」、「推定」、「導出」、「選択」、「推論」などのために、コンピュータのレジスタ、および/またはメモリ内の物理的(例えば、電子)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタおよび/またはメモリ内の物理的量として同様に表される他のデータに操作および/または変換する、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、または他の電子コンピューティングデバイスの(1つまたは複数の)動作および/またはプロセスを実行するための命令を記憶することができる他の情報記憶媒体を指すことができる。「決定する」という用語は、適用可能な場合、「発見的に決定する」ことを指してもよい。
【0269】
なお、実施形態が「閾値を超える」の条件を参照する場合、これは、「閾値と等しい、または閾値を超える」の条件を参照する実施形態を除外するものと解釈されるべきではない。同様に、実施形態が「閾値未満」の条件を参照する場合、これは、条件「閾値と等しい、または閾値未満」の条件を参照する実施形態を除外するものと解釈されるべきではない。特定のパラメータの値が閾値を超えている場合に、状態が満たされていると解釈される必要があることは明らかである。その場合、指定されたパラメータの値が指定された閾値以下であれば、同じ状態が満たされていないと見なされる。逆に、指定されたパラメータが閾値以上の場合に、状態が満たされていると解釈される場合、指定されたパラメータの値が指定されたパラメータの値が指定された閾値未満(かつ下回る)である場合、同じ状態が満たされていないと見なされる。
【0270】
特許請求の範囲、または明細書が単数形である「a」または「an」の要素および/または特徴を指す場合、そのような参照は、その要素のうち1つのみが存在すると解釈されるべきではないことを理解されるべきである。従って、例えば「要素」または「少なくとも1つの要素」への言及は、「1つまたは複数の要素」も包含し得る。
【0271】
単数形で使用される用語には、複数形も含まれるものとする。ただし、明示的に別段の規定がある場合、または文脈上、他の意味に解釈される場合はこの限りではない。
【0272】
本出願の説明および特許請求の範囲では、「備える」、「含む」および「有する」のそれぞれ、ならびにそれらの活用形は、動詞の目的語が必ずしも構成要素、要素または主語、または動詞の主語の完全なリストではないことを示すように使用される。
【0273】
特に明記しない限り、選択のための選択肢のリストの最後の2つの要素間の表現である「および/または」の使用は、列挙された選択肢のうちの1つ以上の選択が適切であり、行われてもよく、「以下のうち少なくとも1つ」、「以下のうちいずれか1つ」または「以下のうちの1つ以上」の表現は、続いて選択肢のリストと互いに変換可能に使用されてもよいことを示す。
【0274】
本発明の特定の特徴が理解される。特定の特徴は、明確にするために、別箇の実施形態、または実施例の文脈で説明され、単一の実施形態の組み合わせで提供されてもよい。逆に、本発明の様々な特徴について、様々な特徴は、完結にするために、単一の実施形態、実施例、および/または選択肢の文脈で説明され、別々に、または任意の適切な組み合わせで、または任意の他の説明された実施形態、実施例、または選択肢で適切なものとして提供されてもよい。様々な実施形態、実施例、および/または任意の実施の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態、実施例、および/または任意の実施がこれらの要素なしでは動作不能でないでない限り、これらの実施形態の本質的な特徴とみなされるべきではない。
【0275】
図面に示された要素の個数は、限定として解釈されるべきではなく、手段のためだけのものである。
【0276】
本明細書で使用されるように、マシン(例えば、プロセッサ)がタスク(例えば、所定の電磁界パターンの適用を生じさせるように構成される)を実行するように「構成される」または「動作可能」であると説明される場合、少なくともいくつかの実施形態では、マシンが特定のタスクを実行することを可能にする構成要素、部分または態様(例えば、ソフトウェア)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、マシンが動作中にこのタスクを実行してもよい。同様に、タスクが(例えば、複数の電磁場パターンを対象に適用するために)目標結果を確立「するために」実行されると説明される場合、少なくともいくつかの実施形態では、タスクを実行することは目標結果を達成することであり得る。
【0277】
本出願全体を通して、様々な実施形態は、範囲のある構成で提示され、かつ/または幅範囲のある構成に関連してもよい。範囲のある構成での記述は、単に利便性および簡潔さのためであり、実施形態の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。従って、範囲の説明は、その範囲内の全ての可能な部分範囲ならびに個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、例えば、1、2、3、4、5および6などの、その範囲内の個々の数字を具体的に開示したものとみなすべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0278】
適用可能な場合、数値範囲が本明細書に示されるときはいつでも、それは、示された範囲内の任意の引用された数字(分数または整数)を含むことを意味する。
【0279】
第1に示す数、および第2に示す数、「の間の範囲(ranging/ranges)」という語句と、第1に示す数「からの」第2に示す数「までの範囲(ranging/ranges)」という語句は、本明細書では互換的に使用され、第1および第2の示された数、ならびにそれらの間の全ての少数および整数を含むことを意味する。
【0280】
別段の規定がない限り、大きさ、または数値に関する用語「約」および/または「近い」は、それぞれの大きさまたは値の-10%~+10%の包括的な範囲内にあることを示し得る。
【0281】
本発明を、限られた数の実施形態に関して説明したが、これらは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、いくつかの実施形態の例示として解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0282】
図1】いくつかの実施形態による、腹膜透析液生成および送達システムの概略図である。
図2図2A~Dは、いくつかの実施形態による、様々な水処理装置の構成の概略図である。
図3】いくつかの実施形態による、チューブ消毒段階の概略図である。
図4】いくつかの実施形態による、新鮮な透析液送達段階の概略図である。
図5】いくつかの実施形態による、使用済み透析液排出段階の概略図である。
図6】いくつかの実施形態による、使用済み透析液リサイクル段階の概略図である。
図7】いくつかの他の実施形態による、腹膜透析液生成および送達システムの概略図である。
図8】いくつかの他の実施形態による、チューブ消毒段階の概略図である。
図9】いくつかの他の実施形態による、新鮮な透析液送達段階の概略図である。
図10】いくつかの他の実施形態による、使用済み透析液排出段階の概略図である。
図11】いくつかの他の実施形態による、使用済み透析液リサイクル段階の概略図である。
図12】いくつかの代替実施形態による、腹膜透析液生成および送達システムの概略図である。
図13】いくつかの代替実施形態による、チューブ消毒段階の概略図である。
図14】いくつかの代替実施形態による、新鮮な透析液送達段階の概略図である。
図15】いくつかの代替実施形態による、使用済み透析液排出段階の概略図である。
図16】いくつかの代替実施形態による、使用済み透析液リサイクル段階の概略図である。
図17】いくつかの実施形態による、PDシステム制御装置の概略図である。
図18図18A~Fは、消毒段階、新鮮な透析液送達段階、および使用済み透析液排出段階を実行するための様々な段階順序の方法フローチャートである。
図19】いくつかの実施形態による、新鮮な透析液生成および送達を実行するための方法のフローチャートであり、このフローチャートは、消毒段階が新鮮な透析液の生成および送達の間に行われ得る場合を例示する。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図19
【国際調査報告】