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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】治療ゾーン鑑定器
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20230216BHJP
【FI】
G16H50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537719
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 US2020065321
(87)【国際公開番号】W WO2021126985
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/950,029
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ディー・パテク
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
行動および/または治療パラメータに戦略的変更を加えることによって対処することができる特定のタイプの血糖機能障害がある治療ゾーンを特定するためのシステムおよび方法を提供する。本明細書に記載のシステムおよび方法は、大規模な過去データセットを評価して、以下の、最も容易に対処可能である血糖機能障害を伴う治療ゾーン(複数可)を特定すること、過去の投与量の調整または将来の投薬戦略のパラメータのいずれかに関して、複数の異なる治療的調整の血糖への影響を定量化して、可能な限り最高の改善を決定すること、および/または、患者の投薬戦略を特定して、患者の好ましい行動投薬戦略に適合した治療の推奨を提供すること、を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
血糖リスクプロファイル化器を使用して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することと、
治療ゾーン鑑定器を使用して、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することと、
ゾーン重要性定量化器を使用して、前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することと、
前記重要性値に基づいて、情報を出力することと、を含む、方法。
【請求項2】
グルコースデータを受信することをさらに含み、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、前記グルコースデータを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グルコースデータが、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記グルコースデータが、少なくとも1週間の期間を含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、前記選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することが、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンが、患者のBGデータが、前記患者のインスリン基礎レートもしくは用量またはボーラス戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
パラメータの調整またはインスリン治療のタイミングを介して、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定することをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することが、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、リスクの大きさを評価することを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記重要性値が、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記情報を出力することが、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記情報を出力することが、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記情報を出力することが、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に前記情報を出力することを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記情報を出力することが、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
システムであって、
少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出するように構成された血糖リスクプロファイル化器と、
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定するように構成された治療ゾーン鑑定器と、
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定するように構成されたゾーン重要性定量化器と、
前記重要性値に基づいて情報を出力するように構成された治療ゾーンレポート生成器と、を備える、システム。
【請求項24】
前記血糖リスクプロファイル化器が、グルコースデータを受信するようにさらに構成されており、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、前記グルコースデータを使用する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記グルコースデータが、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記グルコースデータが、少なくとも1週間の期間を含む、請求項24または25に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する、請求項23~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む、請求項23~27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、前記選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している、請求項23~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す、請求項23~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することが、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む、請求項23~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンが、患者のBGデータが、前記患者のインスリン基礎レートもしくは用量またはボーラス戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である、請求項23~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む、請求項23~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記治療ゾーン鑑定器が、パラメータの調整またはインスリン治療のタイミングを介して、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定するようにさらに構成されている、請求項23~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することが、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく、請求項23~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む、請求項23~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、リスクの大きさを評価することを含む、請求項23~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む、請求項23~37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記重要性値が、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である、請求項23~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく、請求項23~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記情報を出力することが、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む、請求項23~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記情報を出力することが、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む、請求項23~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記情報を出力することが、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に前記情報を出力することを含む、請求項23~42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記情報を出力することが、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む、請求項23~43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することと、
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することと、
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することと、
前記重要性値に基づいて情報を出力することと、をシステムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える、システム。
【請求項46】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、グルコースデータを受信することを前記システムに行わせる命令をさらに含み、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、前記グルコースデータを使用する、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記グルコースデータが、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記グルコースデータが、少なくとも1週間の期間を含む、請求項46または47に記載のシステム。
【請求項49】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する、請求項45~48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む、請求項45~49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、前記選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している、請求項45~50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルが、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す、請求項45~51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することが、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む、請求項45~52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンが、患者のBGデータが、前記患者のインスリン基礎レートもしくは用量またはボーラス戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である、請求項45~53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む、請求項45~54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、パラメータの調整またはインスリン治療のタイミングを介して、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定することを前記システムに行わせる命令をさらに含む、請求項45~55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することが、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく、請求項45~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む、請求項45~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、リスクの大きさを評価することを含む、請求項45~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記少なくとも1つの治療的相関ゾーンの前記重要性値を決定することが、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む、請求項45~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記重要性値が、前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である、請求項45~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
前記少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく、請求項45~61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記情報を出力することが、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む、請求項45~62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記情報を出力することが、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む、請求項45~63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
前記情報を出力することが、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に前記情報を出力することを含む、請求項45~64のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項66】
前記情報を出力することが、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む、請求項45~64のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項67】
方法であって、
グルコースおよびインスリンデータを受信することと、
前記グルコースおよびインスリンのデータを使用して、治療改善の機会を特定することと、
インスリン治療に対する候補の変更を決定することと、
前記候補の変更に基づいて、治療リスクの改善を鑑定することと、
前記候補の変更の改善を定量化することと、
前記改善に基づいて、前記候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することと、を含む、方法。
【請求項68】
前記グルコースおよびインスリンのデータが、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記治療改善の機会を特定することが、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む、請求項67または68に記載の方法。
【請求項70】
前記パラメータ設定が、炭水化物比である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
インスリン治療に対する前記候補の変更が、ボーラス治療または基礎治療に対する増加もしくは減少率(%)を含む、請求項67~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
インスリン治療に対する前記候補の変更が、ボーラス治療または基礎治療に関連するインスリン送達パラメータに対する変更を含む、請求項67~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記候補の変更が、炭水化物比、補正係数、基礎レート、またはプロファイルに関するものである、請求項67~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記候補の変更が、基礎用量感度を含む、請求項67~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記候補の変更が、治療ゾーンにおける基礎用量またはボーラス用量に対する変化率(%)を含む、請求項67~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記候補の変更の前記改善を定量化することが、リスクプロファイル値を比較することを含む、請求項67~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記改善に基づいて、前記候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することが、最適化されたリスクプロファイルを提供する前記候補の変更を出力することを含む、請求項67~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することが、ユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに出力された、候補の変更または最適化されたリスクのうちの少なくとも1つを示すグラフの形態で出力を提供することを含む、請求項67~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記接続されたデバイスが、ボーラス計算機を備える、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記出力が、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される、請求項67~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記出力が、どの治療ゾーンまたはグループが最適化されているかを特定する、請求項67~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
システムであって、
患者の照合されたグルコースおよびインスリンデータを評価して、前記患者の糖尿病管理ルーチンにおける治療最適化の領域を特定し、治療改善を生成するように構成された治療改善特定器と、
ある治療への変更を提案し、前記変更の影響を鑑定し、前記変更に関連する改善を定量化するように構成された相対インスリン最適化器と、
出力を提供する相対インスリン最適化器レポート生成器と、を備える、システム。
【請求項83】
前記相対インスリン最適化器が、
インスリン治療への前記変更を提案するように構成された変更提案器と、
過去のグルコース値のリスクプロファイルへの影響を推定することにより、候補治療の変更の影響を鑑定するように構成された影響鑑定器と、
候補治療の変更の改善を定量化するように構成された改善定量化器と、を備える、請求項82に記載のシステム。
【請求項84】
前記変更提案器は、時間ウィンドウ内の基礎またはボーラスのうちの少なくとも1つに対するパーセントごとの変化として前記変更を提案するようにさらに構成されている、請求項82または83に記載のシステム。
【請求項85】
前記改善定量化器が、血糖転帰の測定基準の改善または変化率(%)に基づいて、候補治療の変更の前記改善を定量化するように構成されている、請求項83または84に記載のシステム。
【請求項86】
前記相対インスリン最適化器レポート生成器が、候補治療の変更をユーザに出力するように構成されている、請求項82~85のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項87】
前記ユーザが、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの1つである、請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
前記治療改善特定器が、最適化される治療または時刻のユーザ選択を含む、請求項82~87のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項89】
前記ユーザが、患者または臨床医である、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
前記治療改善が、アルゴリズムによって特定される、請求項82~89のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項91】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
グルコースおよびインスリンデータを受信することと、
前記グルコースおよびインスリンのデータを使用して、治療改善の機会を特定することと、
インスリン治療に対する候補の変更を決定することと、
前記候補の変更に基づいて、治療リスクの改善を鑑定することと、
前記候補の変更の改善を定量化することと、
前記改善に基づいて、前記候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することと、をシステムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える、システム。
【請求項92】
前記グルコースおよびインスリンのデータが、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される、請求項91に記載のシステム。
【請求項93】
前記治療改善の機会を特定することが、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む、請求項91または92に記載のシステム。
【請求項94】
前記パラメータ設定が、炭水化物比である、請求項93に記載のシステム。
【請求項95】
インスリン治療に対する前記候補の変更が、ボーラス治療または基礎治療に対する増加もしくは減少率(%)を含む、請求項91~94のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項96】
インスリン治療に対する前記候補の変更が、ボーラス治療または基礎治療に関連するインスリン送達パラメータに対する変更を含む、請求項91~95のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項97】
前記候補の変更が、炭水化物比、補正係数、基礎レート、またはプロファイルに関するものである、請求項91~96のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項98】
前記候補の変更が、基礎用量感度を含む、請求項91~97のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項99】
前記候補の変更が、治療ゾーンにおける基礎用量またはボーラス用量に対する変化率(%)を含む、請求項91~98のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項100】
前記候補の変更の前記改善を定量化することが、リスクプロファイル値を比較することを含む、請求項91~99のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項101】
前記改善に基づいて、前記候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することが、最適化されたリスクプロファイルを提供する前記候補の変更を出力することを含む、請求項91~100のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項102】
前記候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することが、ユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに出力された、候補の変更または最適化されたリスクのうちの少なくとも1つを示すグラフの形態で出力を提供することを含む、請求項91~101のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項103】
前記接続されたデバイスが、ボーラス計算機を備える、請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記出力が、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される、請求項91~103のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項105】
前記出力が、どの治療ゾーンまたはゾーングループが最適化されているかを特定する、請求項91~104のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項106】
方法であって、
患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つのデータを受信することと、
グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの前記少なくとも1つのデータを使用して、治療改善の機会を特定することと、
患者のインスリン投与戦略を特定することと、
患者のコンプライアンスのための前記インスリン投与戦略のスコアを付与することと、
前記インスリン投与戦略の最適化を実行することと、
最適化されたインスリン戦略パラメータを含む出力をユーザに提供することと、を含む、方法。
【請求項107】
前記他の糖尿病関連データが、食事情報、食事の特定、食事のタイミング、食事のサイズ、炭水化物の推定値、組成情報、または運動情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの前記少なくとも1つのデータが、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される、請求項106または107に記載の方法。
【請求項109】
前記治療改善の機会を特定することが、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む、請求項106~108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記パラメータ設定が、炭水化物比である、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記インスリン投与戦略が、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの前記少なくとも1つのデータから決定されるように、実際に前記患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を含む、請求項106~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記インスリン投与戦略の最適化を実行することにより、前記患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかが判定され、前記特定されたインスリン戦略の前記パラメータに対する変化率(%)の影響が分析される、請求項106~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記ユーザが、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである、請求項106~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記出力が、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される、請求項106~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記出力を提供することが、前記最適化されたインスリン戦略パラメータをユーザインターフェースまたは接続されたデバイスに示すグラフの形態で出力を提供することを含む、請求項106~114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記接続されたデバイスが、ボーラス計算機を備える、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
システムであって、
患者の照合されたグルコースおよびインスリンデータを評価して、前記患者の糖尿病管理ルーチンにおける治療最適化の領域を特定し、治療改善を生成するように構成された治療改善特定器と、
前記患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかを判定し、前記特定されたインスリン戦略のパラメータに対する変化率(%)の影響を分析するように構成されたインスリン戦略最適化器と、
出力を提供する治療特定器最適化器レポート生成器と、を備える、システム。
【請求項118】
前記インスリン戦略最適化器が、
前記照合されたグルコースおよびインスリンデータから決定されるように、実際に前記患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を特定するように構成されたインスリン戦略特定器と、
前記特定されたインスリン戦略に対する前記患者のコンプライアンスを定量化するように構成されたコンプライアンススコア付与器と、
前記特定されたインスリン戦略の最適化を実行するように構成された、特定された行動内のインスリン戦略最適化器と、を備える、請求項117に記載のシステム。
【請求項119】
前記糖尿病のデータが、インスリンデータおよび食事データを含む、請求項117または118に記載のシステム。
【請求項120】
前記インスリン戦略特定器が、投薬のパターンを特定し、それに基づいて前記患者の前記特定されたインスリン戦略を特徴付けるように構成されている、請求項118または119に記載のシステム。
【請求項121】
前記インスリン戦略が、前記患者が糖尿病管理に適用する行動方法論であり、インスリンポンプの使用のタイプ、毎日の複数回の注射、または2型治療のうちの少なくとも1つを含む、請求項118~120のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項122】
前記コンプライアンススコア付与器が、前記特定されたインスリン戦略に対する前記患者のコンプライアンスの程度について計算されたスコアを生成するように構成されている、請求項118~121のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項123】
特定された行動内の前記インスリン戦略最適化器が、選択された治療ゾーンまたはゾーングループの戦略のパラメータに対する変化率(%)を反復的に提案するように構成されている、請求項118~122のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項124】
前記出力が、最適化されたインスリン戦略パラメータを含む、請求項117~123のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項125】
前記治療特定器最適化器レポート生成器が、候補治療の変更をユーザに出力するように構成されている、請求項117~124のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項126】
前記ユーザが、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである、請求項125に記載のシステム。
【請求項127】
前記出力が、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される、請求項117~126のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項128】
システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを受信することと、
グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの前記少なくとも1つのデータを使用して、治療改善の機会を特定することと、
前記患者のインスリン投与戦略を特定することと、
患者のコンプライアンスのための前記インスリン投与戦略のスコアを付与することと、
前記インスリン投与戦略の最適化を実行することと、
最適化されたインスリン戦略パラメータを含む出力をユーザに提供することと、を前記システムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える、システム。
【請求項129】
前記他の糖尿病関連データが、食事情報、食事の特定、食事のタイミング、食事のサイズ、炭水化物の推定値、組成情報、または運動情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項128に記載のシステム。
【請求項130】
グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの前記少なくとも1つのデータが、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される、請求項128または129に記載のシステム。
【請求項131】
前記治療改善の機会を特定することが、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む、請求項128~130のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項132】
前記パラメータ設定が、炭水化物比である、請求項131に記載のシステム。
【請求項133】
前記インスリン投与戦略が、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの前記少なくとも1つのデータから決定されるように、実際に前記患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を含む、請求項128~132のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項134】
前記インスリン投与戦略の最適化を実行することにより、前記患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかが判定され、前記特定されたインスリン戦略の前記パラメータに対する変化率(%)の影響が分析される、請求項128~133のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項135】
前記ユーザが、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである、請求項128~134のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項136】
前記出力が、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される、請求項128~135のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項137】
前記出力を提供することが、前記最適化されたインスリン戦略パラメータをユーザインターフェースまたは接続されたデバイスに示すグラフの形態で出力を提供することを含む、請求項128~136のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項138】
前記接続されたデバイスが、ボーラス計算機を備える、請求項137に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照による組み込み
この出願は、2019年12月18日に出願された「THERAPEUTIC ZONE ASSESSOR」と題された米国仮特許出願第62/950,029号の優先権の利益を主張し、その内容は参照によりその全体がここに組み込まれ、それはここに明示的に本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0002】
CGM(連続グルコースモニタリング、continuous glucose monitoring)および接続されたデバイスの採用の増加に伴い、グルコースの時系列データの可用性および信頼性が近年向上している。
【0003】
大規模な過去データセットで複数のパターンを特定するには、少なくとも部分的にはそれらのパターンの症状が重複しているため、人間の評価では対処することができないレベルの複雑さが必要である。パターン分析ツールを使用しても、医師は、データのレビューに基づいて、糖尿病治療のどの側面がそれぞれの固有の患者の状況に最も容易に対処可能であるかを確実に判定することはできない。
【0004】
糖尿病管理には多くの変数および要因が関係しているため、パターンを特定して推奨事項を作成するための現在の慣行には、例えば、データの信頼性、糖尿病リスクの特定の側面の治療的対処可能性、影響の改善、患者の好ましい糖尿病管理戦略、および関連するリスクおよび治療の統合などの事項を考慮した信頼性および使いやすさが欠けている。
【0005】
多くの場合、臨床医は、14日間などの一定期間にわたる患者のCGMトレースと、対応するインスリン送達パターンとをレビューするか、特定の時間内に強いパターンの領域を視覚的に強調する試みにおいて、14日間のデータのそれぞれを24時間のタイムラインに重ねられたプロットなどのより統合された形式でデータをレビューする。
【0006】
しかしながら、データの視覚化では、効果的な治療の最適化に必要な重要な要因、リスク、および潜在的な転帰の多くを簡単に強調することはできない。さらに、データの信頼性は、目視検査では不明または不明確である。
【0007】
これらおよび他の考慮事項に関して、本開示の様々な態様および実施形態が提示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
行動および/または治療パラメータに戦略的変更を加えることによって対処することができる特定のタイプの血糖機能障害がある治療ゾーンを特定するためのシステムおよび方法を提供する。
【0009】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、大規模な過去データセットを評価して、以下の、最も容易に対処可能である血糖機能障害を伴う治療ゾーン(複数可)を特定すること、過去の投与量の調整または将来の投薬戦略のパラメータのいずれかに関して、複数の異なる治療的調整の血糖への影響を定量化して、可能な限り最高の改善を決定すること、および/または、患者の投薬戦略を特定して、患者の好ましい行動投薬戦略に適合した治療の推奨を提供すること、を行う。
【0010】
一実装態様では、方法は、血糖リスクプロファイル化器を使用して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することと、治療ゾーン鑑定器を使用して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することと、ゾーン重要性定量化器を使用して、少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することと、重要性値に基づいて、情報を出力することと、を含む。
【0011】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。この方法は、グルコースデータを受信することをさらに含み、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、グルコースデータを使用する。グルコースデータは、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータは、少なくとも1週間の期間を含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンは、患者のBGデータが、患者のインスリン基礎(basal)レートまたは用量またはボーラス(bolus)戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である。少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む。
【0012】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。この方法はさらに、パラメータの調整またはインスリン治療のタイミングを介して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、リスクの大きさを評価することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む。重要性値は、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく。情報を出力することは、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む。情報を出力することは、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む。情報を出力することは、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に情報を出力することを含む。情報を出力することは、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む。
【0013】
一実装態様では、システムは、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出するように構成された血糖リスクプロファイル化器と、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定するように構成された治療ゾーン鑑定器と、少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定するように構成されたゾーン重要性定量化器と、重要性値に基づいて情報を出力するように構成された治療ゾーンレポート生成器と、を備える。
【0014】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。血糖リスクプロファイル化器は、グルコースデータを受信するようにさらに構成されており、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、グルコースデータを使用する。グルコースデータは、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータは、少なくとも1週間の期間を含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンは、患者のBGデータが、患者のインスリン基礎レートもしくは用量またはボーラス戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である。少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む。
【0015】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。治療ゾーン鑑定器はさらに、パラメータまたはインスリン治療のタイミングの調整を介して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定するように構成されている。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、リスクの大きさを評価することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む。重要性値は、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく。情報を出力することは、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む。情報を出力することは、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む。情報を出力することは、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に情報を出力することを含む。情報を出力することは、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む。
【0016】
一実装態様では、システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することと、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することと、少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することと、重要性値に基づいて情報を出力することと、をシステムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0017】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。システムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、グルコースデータを受信することをシステムに行わせる命令をさらに含み、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、グルコースデータを使用する。グルコースデータは、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータは、少なくとも1週間の期間を含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンは、患者のBGデータが、患者のインスリン基礎レートもしくは用量またはボーラス戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である。少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む。
【0018】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。システムはさらに、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、パラメータの調整またはインスリン治療のタイミングを介して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定することをシステムに行わせる命令を含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、リスクの大きさを評価することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む。重要性値は、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく。情報を出力することは、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む。情報を出力することは、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む。情報を出力することは、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に情報を出力することを含む。情報を出力することは、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む。
【0019】
一実装態様では、方法は、グルコースおよびインスリンデータを受信することと、グルコースおよびインスリンのデータを使用して、治療改善の機会を特定することと、インスリン治療に対する候補の変更を決定することと、候補の変更に基づいて、治療リスクの改善を鑑定することと、候補の変更の改善を定量化することと、改善に基づいて、候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することと、を含む。
【0020】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。グルコースおよびインスリンのデータは、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される。治療改善の機会を特定することは、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む。パラメータ設定は、炭水化物比である。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラス治療または基礎治療に対する増加もしくは減少率(%)を含む。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラス治療または基礎治療に関連するインスリン送達パラメータに対する変更を含む。候補の変更は、炭水化物比、補正係数、基礎レート、またはプロファイルの観点からのものである。候補の変更は、基礎用量の感度を含む。候補の変更は、治療ゾーンでの基礎用量またはボーラス用量の変化率(%)を含む。候補の変更の改善を定量化することは、リスクプロファイル値を比較することを含む。改善に基づいて、候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することは、最適化されたリスクプロファイルを提供する候補の変更を出力することを含む。候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することは、ユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに出力された、候補の変更または最適化されたリスクのうちの少なくとも1つを示すグラフの形態で出力を提供することを含む。接続されたデバイスは、ボーラス計算機を備える。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。出力は、どの治療ゾーンまたはゾーングループが最適化されているかを特定する。
【0021】
一実装態様では、システムは、患者の照合されたグルコースおよびインスリンデータを評価して、患者の糖尿病管理ルーチンにおける治療最適化の領域を特定し、治療改善を生成するように構成された治療改善特定器と、ある治療に対する変更を提案し、変更の影響を鑑定し、変更に関連する改善を定量化するように構成された相対インスリン最適化器と、出力を提供する相対インスリン最適化器レポート生成器と、を備える。
【0022】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。相対インスリン最適化器は、インスリン治療に対する変更を提案するように構成された変更提案器と、過去のグルコース値のリスクプロファイルへの影響を推定することにより、候補治療の変更の影響を鑑定するように構成された影響鑑定器と、候補治療の変更の改善を定量化するように構成された改善定量化器と、を備える。変更提案器は、時間ウィンドウ内の基礎またはボーラスのうちの少なくとも1つに対するパーセントごとの変化として変更を提案するようにさらに構成されている。改善定量化器は、血糖転帰の測定基準の改善または変化率(%)に基づいて、候補治療の変更の改善を定量化するように構成されている。相対インスリン最適化器レポート生成器は、候補治療の変更をユーザに出力するように構成されている。ユーザは、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの1つである。治療改善特定器は、最適化される治療または時刻のユーザ選択を含む。ユーザは、患者または臨床医である。治療改善は、アルゴリズムによって特定される。
【0023】
一実装態様では、システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、グルコースおよびインスリンデータを受信することと、グルコースおよびインスリンのデータを使用して、治療改善の機会を特定することと、インスリン治療に対する候補の変更を決定することと、候補の変更に基づいて、治療リスクの改善を鑑定することと、候補の変更の改善を定量化することと、改善に基づいて、候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することと、をシステムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0024】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。グルコースおよびインスリンのデータは、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される。治療改善の機会を特定することは、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む。パラメータ設定は、炭水化物比である。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラス治療または基礎治療に対する増加もしくは減少率(%)を含む。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラス治療または基礎治療に関連するインスリン送達パラメータに対する変更を含む。候補の変更は、炭水化物比、補正係数、基礎レート、またはプロファイルの観点からのものである。候補の変更は、基礎用量の感度を含む。候補の変更は、治療ゾーンでの基礎用量またはボーラス用量に対する変化率(%)を含む。候補の変更の改善を定量化することは、リスクプロファイル値を比較することを含む。改善に基づいて、候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することは、最適化されたリスクプロファイルを提供する候補の変更を出力することを含む。候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することは、ユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに出力された、候補の変更または最適化されたリスクのうちの少なくとも1つを示すグラフの形態で出力を提供することを含む。接続されたデバイスは、ボーラス計算機を備える。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。出力は、どの治療ゾーンまたはゾーングループが最適化されているかを特定する。
【0025】
一実装態様では、方法は、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを受信することと、グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを使用して、治療改善の機会を特定することと、患者のインスリン投与戦略を特定することと、患者のコンプライアンスのためのインスリン投与戦略のスコアを付与することと、インスリン投与戦略の最適化を実行することと、最適化されたインスリン戦略パラメータを含む出力をユーザに提供することと、を含む。
【0026】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。他の糖尿病関連データは、食事情報、食事の特定、食事のタイミング、食事のサイズ、炭水化物の推定値、組成情報、または運動情報のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つは、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される。治療改善の機会を特定することは、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む。パラメータ設定は、炭水化物比である。インスリン投与戦略は、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つから決定されるように、実際に患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を含む。インスリン投与戦略の最適化を実行することにより、患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかが判定され、特定されたインスリン戦略のパラメータに対する変化率(%)の影響が分析される。ユーザは、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。出力を提供することは、最適化されたインスリン戦略パラメータをユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに示すグラフの形態で出力を提供することを含む。接続されたデバイスは、ボーラス計算機を備える。
【0027】
一実装態様では、システムは、患者の照合されたグルコースおよびインスリンデータを評価して、患者の糖尿病管理ルーチンにおける治療最適化の領域を特定し、治療改善を生成するように構成された治療改善特定器と、患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかを判定し、特定されたインスリン戦略のパラメータに対する変化率(%)の影響を分析するように構成されたインスリン戦略最適化器と、出力を提供する治療特定器最適化器レポート生成器と、を備える。
【0028】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。インスリン戦略最適化器は、照合されたグルコースおよびインスリンデータから決定されるように、実際に患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を特定するように構成されたインスリン戦略特定器と、特定されたインスリン戦略に対する患者のコンプライアンスを定量化するように構成されたコンプライアンススコア付与器と、特定されたインスリン戦略の最適化を実行するように構成された、特定された行動内のインスリン戦略最適化器と、を備える。糖尿病データは、インスリンデータおよび食事データを含む。インスリン戦略特定器は、投薬のパターンを特定し、それに基づいて患者の特定されたインスリン戦略を特徴付けるように構成されている。インスリン戦略は、患者が糖尿病管理に適用する行動方法論であり、インスリンポンプの使用のタイプ、毎日の複数回の注射、または2型治療のうちの少なくとも1つを含む。コンプライアンススコア付与器は、特定されたインスリン戦略に対する患者のコンプライアンスの程度について計算されたスコアを生成するように構成されている。特定された行動内のインスリン戦略最適化器は、選択された治療ゾーンまたはゾーングループの戦略のパラメータに対する変化率(%)を反復的に提案するように構成されている。出力は、最適化されたインスリン戦略パラメータを含む。治療特定器最適化器レポート生成器は、候補治療の変更をユーザに出力するように構成されている。ユーザは、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。
【0029】
一実装態様では、システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを受信することと、グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを使用して、治療改善の機会を特定することと、患者のインスリン投与戦略を特定することと、患者のコンプライアンスのためのインスリン投与戦略のスコアを付与することと、インスリン投与戦略の最適化を実行することと、最適化されたインスリン戦略パラメータを含む出力をユーザに提供することと、をシステムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0030】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。他の糖尿病関連データは、食事情報、食事の特定、食事のタイミング、食事のサイズ、炭水化物の推定値、組成情報、または運動情報のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つは、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される。治療改善の機会を特定することは、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む。パラメータ設定は、炭水化物比である。インスリン投与戦略は、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つから決定されるように、実際に患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を含む。インスリン投与戦略の最適化を実行することにより、患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかが判定され、特定されたインスリン戦略のパラメータに対する変化率(%)の影響が分析される。ユーザは、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。出力を提供することは、最適化されたインスリン戦略パラメータをユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに示すグラフの形態で出力を提供することを含む。接続されたデバイスは、ボーラス計算機を備える。
【0031】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の一部を簡略化して紹介するために提供される。本概要は、請求された主題の主要な特徴または必須の特徴を識別することを意図したものではなく、また請求された主題の範囲を限定するために使用することを意図したものでもない。
【0032】
前述の概要、ならびに例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、より良好に理解される。実施形態を説明する目的で、実施形態の例示的な構成が図面に示されているが、実施形態は、開示された特定の方法および手段に限定されない。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態の高レベル機能ブロック図である。
図2】治療ゾーン特定器の実装態様のシステム図である。
図3】血糖転帰を改善する可能性のある治療ゾーンを特定する方法のフロー図である。
図4】1型糖尿病の1人の患者からの24時間の時間ウィンドウに重ねられた複数日のCGMデータの一例を示す図である。
図5】血糖リスク定量化器に基づく単一症状別リスクプロファイルの一例を示す図である。
図6】単一症状別リスクプロファイルから導出された特定された治療ゾーンの一例を示すグラフである。
図7】相対インスリン最適化器の実装態様のシステム図である。
図8】患者の候補インスリン治療の変更を選択し、鑑定し、影響を与える方法のフロー図である。
図9A】ある期間にわたる患者のグルコースおよびインスリンデータをそれぞれ示すグラフである。
図9B】ある期間にわたる患者のグルコースおよびインスリンデータをそれぞれ示すグラフである。
図10】24時間ごとに重ねられたCGMデータの視覚化を示すプロットである。
図11図9A図9B、および図10に示されるデータについて、時刻の関数としてのCGMおよびインスリンデータの信頼性を示すグラフである。
図12】いくつかの実施形態における、ある時間ウィンドウにわたる患者のリスクプロファイルを示すチャートである。
図13A】それぞれ、時刻の関数としての実行可能なリスクと実行不可能なリスクを示すチャートである。
図13B】それぞれ、時刻の関数としての実行可能なリスクと実行不可能なリスクを示すチャートである。
図14】本発明の一実施形態について、図12図13A、および図13Bを参照して説明されたリスクプロファイルから決定された血糖リスクプロファイルおよび対応する治療ゾーンを示すチャートである。
図15】インスリン戦略最適化器の実装態様のシステム図である。
図16】患者のインスリン戦略を特定、スコア付与、および最適化する方法のフロー図である。
図17】患者の10日間のCGMデータを示すチャートである。
図18図17に示す10日間のCGMデータの分析から出力されたリスクプロファイル関数を示すチャートである。
図19】過去データからのリスクプロファイルとリプレイシミュレーションからのリスクプロファイルとの比較を示すチャートである。
図20】リプレイからのリスクプロファイルを示す。
図21】2つの高血糖症リスクプロファイルを示すチャートである。
図22】対応する2つの高血糖治療ゾーンを示すチャートである。
図23】最適化されたボーラスおよび基礎パラメータを示すチャートである。
図24】例示的なリスクプロファイルを示すチャートを示す。
図25】例示的なリスクプロファイルを示すチャートを示す。
図26】例示的な実施形態および態様を実施し得る例示的なコンピューティング環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
特許請求された主題は、図面を参照して説明され、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指すために使用される。以下の説明では、説明のために、請求された主題の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても、特許請求された主題を実践することができることは明らかであり得る。他の例では、特許請求された主題の説明を容易にするために、構造およびデバイスをブロック図の形態で示している。
【0035】
図1は、本発明の実施形態の高レベル機能ブロック図100である。プロセッサ130は、インスリンデバイス110およびグルコースモニタ120と通信する。インスリンデバイス110およびグルコースモニタ120は、患者140と通信して、インスリンを患者140に送達し、患者140のグルコースレベルをそれぞれ監視する。プロセッサ130は、本明細書でさらに説明される計算ならびに他の動作および機能を実行するように構成されている。インスリンデバイス110およびグルコースモニタ120は、別個のデバイスとして、または単一のデバイスとして、単一のデバイス内で、または複数のデバイスにわたって実装され得る。プロセッサ130は、インスリンデバイス110、グルコースモニタ120に局所的に、またはスタンドアロンデバイスとして(またはインスリンデバイス110、グルコースモニタ120、またはスタンドアロンデバイスのうちの2つ以上の任意の組み合わせで)実装することができる。プロセッサ130またはシステムの一部分は、サーバまたはクラウドベースのシステム内などの遠隔地に位置させることができる。
【0036】
インスリンデバイス110などのインスリンデバイスの例には、インスリン注射器、外部ポンプ、およびインスリンを患者に、典型的には皮下組織に送達するパッチポンプが含まれる。インスリンデバイス110はまた、インスリン吸入器、インスリンジェット式注射器、静脈内注入ポンプ、および埋め込み型インスリンポンプなどの異なる手段によってインスリンを送達するデバイスを含む。いくつかの実施形態では、患者は、例えば、長時間作用型のインスリンを注射器で注入し、食事の前に吸入型のインスリンを使用するなど、2つ以上のインスリン送達デバイスを組み合わせて使用するであろう。他の実施形態では、これらのデバイスは、グルカゴン、プラムリンチド、またはグルコース様ペプチド-1(GLP-1)などのグルコースレベルを制御するのを助ける他の薬物を送達することができる。
【0037】
グルコースモニタ120などのグルコースモニタの例には、一定の間隔、例えば、1、5、または10分などでグルコース値を記録する持続的グルコースモニタが含まれる。これらの持続的グルコースモニタは、例えば、経皮的に挿入される、完全に埋め込まれる、または非侵襲的に組織を測定する電気化学的または光学的センサを使用することができる。グルコースモニタ120などのグルコースモニタの例には、静脈内血中グルコースモニタ、微小灌流サンプリング、または定期的なフィンガスティックなど、グルコースを測定するために定期的に血液または他の流体を吸引するデバイスも含まれる。いくつかの実施形態では、グルコース読み取り値は、ほぼリアルタイムで提供される。他の実施形態では、グルコースモニタによって判定されたグルコース読み取り値は、後続の取得のためにグルコースモニタ自体に保存することができる。
【0038】
インスリンデバイス110、グルコースモニタ120、およびプロセッサ130は、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、およびタブレットなどの様々なコンピューティングデバイスを使用して実装することができる。他のタイプのコンピューティングデバイスがサポートされてもよい。好適なコンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイス2600およびクラウドベースのアプリケーションとして、図26に示されている。
【0039】
インスリンデバイス110、グルコースモニタ120、およびプロセッサ130は、ネットワークを介して通信し得る。ネットワークは、公衆交換電話網(PSTN)、携帯電話ネットワーク、およびパケット交換ネットワーク(例えば、インターネット)を含む様々なネットワークタイプであり得る。図1には、1つのインスリンデバイス110、1つのグルコースモニタ120、および1つのプロセッサ130のみが示されているが、サポートされ得るインスリンデバイス、グルコースモニタ、およびプロセッサの数に制限はない。活動モニタ150および/またはスマートフォン160を使用して、患者140から、またはそれに関連する食事および/または活動データを収集し、食事および/または活動データをプロセッサ130に提供し得る。
【0040】
プロセッサ130は、オペレーティングシステムおよび1つ以上のアプリケーションを実行し得る。オペレーティングシステムは、どのアプリケーションがインスリンデバイス110および/またはグルコースモニタ120によって実行されるかを制御し、ならびにアプリケーションがインスリンデバイス110および/またはグルコースモニタ120の1つ以上のセンサ、サービス、もしくは他のリソースとどのように相互作用するかを制御し得る。
【0041】
プロセッサ130は、インスリンデバイス110およびグルコースモニタ120から、ならびにいくつかの実装態様では患者140からデータを受信し、本明細書でさらに説明する計算、動作、および/または機能のうちの1つ以上を実行するように構成および/または使用され得る。
【0042】
図2は、治療ゾーン特定器210の実装態様のシステム図であり、これは、本明細書で説明される治療ゾーン特定システムのための一般的なフレームワークを提供する。示されているように、システムは、血糖データ205を使用し、これは、ヒトなどの宿主に関連する任意の糖尿病データであり得、実装態様に応じて、CGMのみのデータ、BG(血糖)データ、または他のグルコースもしくは糖尿病関連データを含み得る。
【0043】
治療ゾーン特定器210は、患者のBGデータが、患者の投薬量/戦略が改善を必要とすること、例えば、患者のインスリン基礎レート/用量および/もしくはボーラス戦略は、体系的に最適ではないこと、または患者を糖尿病性合併症のリスクにさらすこと、を示唆する24時間の間隔を特定する。一実装態様では、治療ゾーン特定器210は、グルコースモニタ120からのデータなどの血糖データ(例えば、インスリンデータではない)のみを使用する。
【0044】
血糖リスクプロファイル化器220は、リスクをパターンとして定量化することにより、複数日にわたる平均で低血糖症、高血糖症、またはその両方(変動リスク)の経験を定量化する。
【0045】
治療ゾーン鑑定器230は、リスクプロファイルを評価し、リスクプロファイルの1つ以上の相関する特徴に関連する血糖転帰の体系的な改善のために用量を調整することができる1つ以上の時間ウィンドウを鑑定する。多くの場合、時刻は考慮すべき重要な因子である。
【0046】
ゾーン重要性定量化器240は、治療ゾーンの相対的重要性を定量化する。
【0047】
レポート生成器250は、治療的相関ゾーンの定量化された重要性に基づいて、数値、英数字、および/またはグラフの情報で出力260を提供する。
【0048】
図3は、血糖転帰を改善する可能性のある治療ゾーンを特定する方法300のフロー図である。血糖転帰を改善する可能性のある治療ゾーンを特定する方法300は、大規模な過去データセットを評価して、最も容易に対処可能である血糖機能障害を有する治療ゾーンを特定することを含む。
【0049】
310において、グルコースデータを受信する(例えば、いくつかの実装態様では、グルコースモニタ120、患者140、活動モニタ150、および/またはスマートフォン160から)。これらのデータは典型的には、例えば、CGM読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値(血糖計)、遡及的に較正または修正されたCGM読み取り値など、を含むグルコースレベルの読み取り値を含む。グルコースデータは通常、少なくとも1週間の選択された期間を含むが、データセットが大きいほど長期的なパターンが得られる。グルコースデータは、時刻の関数(例えば、1日24時間以内)としてのCGMの遡及的分析を提供する。図4は、1型糖尿病を有する1人の患者からの24時間の時間ウィンドウに重ねられた複数日のCGMデータの一例を示す図400である。
【0050】
320において、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルを導出する。より具体的には、310において受信したグルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述した、単一症状の血糖機能障害のプロファイルを鑑定する。リスクプロファイルは、既知の血糖リスク定量化器、例えば、発明者Stephen D. Patekによる、「Method, system and computer readable medium for assessing actionable glycemic risk」と題されたUS2018/0020988(その内容は参照によりその全体がここに組み込まれる)に記載されているものなど、を使用して導出され得る。血糖リスク定量化器は、例えば、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、プロファイルの変動性(平均および標準偏差)などを評価し得、これらはすべて、ゾーンを特定するという点で有意義である。血糖リスク定量化器は、低血糖指数(LBGI)および高血糖指数(HBGI)など、リスクにスコアまたは値を付加するものがすべて含まれる。血糖リスク定量化器は、過去のデータにおける低血糖症、高血糖症、および/またはその両方の経験を定量化し得る。いくつかの実装態様では、この方法は、同じ時刻または隣接する時刻に、履歴記録の異なる日の時刻における高血糖症および低血糖症の両方の経験に対応する複数のタイプのリスクに対処する。
【0051】
いくつかの実施形態では、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルは、選択した期間のCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、1つ以上の単一症状別信号の分析に基づいて、選択された期間にわたる単一症状(例えば、低血糖症または高血糖症)の事前定義された重大度および頻度を特徴とする、繰り返し時間ウィンドウ(24時間ごとに同じ期間に繰り返される)を示す。
【0052】
いくつかの実施形態では、一日の時間は、低血糖症、高血糖症、および/またはその両方の一貫したパターンで特定される。
【0053】
いくつかの実施形態では、単一症状別リスクプロファイルは、a)高血糖症から分離された低血糖症、またはb)低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す。単一症状が低血糖症である例示的な実施形態では、定量化器は、閾値を下回るリスク指標値および閾値を超える期間、例えば、30分間で70mg/dl以下の平均グルコースを評価し得る。単一症状が高血糖症である例示的な実施形態では、定量化器は、閾値を超えるリスク指標値および閾値を超える期間、例えば、2時間で180mg/dl以上の平均グルコースを評価し得る。
【0054】
他の単一症状別リスクプロファイルは、例えば、閾値よりも大きいA1c、食事療法および運動を含む健康データの組み合わせ、ならびに当技術分野で知られている技術を使用して測定され得る認知症状を用いて定義および評価することができる。
【0055】
好ましくは、単一症状別信号は、混合した血糖機能障害を回避するために、24時間以内の単一の期間内に決定される。ただし、他の時間区分、例えば、平日と週末、が評価され得る。一般に、単一症状別信号は、特定の期間中に、事前定義された重大度または頻度の異なるタイプの単一症状別信号が同時に存在しない信号である。例えば、単一低血糖症リスクプロファイルでは、値/期間の閾値を超える高血糖症が同時に発生しない場合がある。図5は、図4に示される患者のグルコースデータから導出された血糖リスク定量化器によって提供されるリスク定量化520に基づく単一症状別リスクプロファイル510の一例を示す図500である。リスクプロファイル510は、リスク定量化520によって示されるリスクの大きさに基づいて特定される。
【0056】
330において、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルに関連する1つ以上の治療的相関ゾーンが鑑定される(例えば、決定される)。言い換えれば、治療ゾーンは、リスクプロファイルから特定される。
【0057】
一般的に、インスリン治療の文脈では、治療ゾーンは、患者のBGデータが患者のインスリン基礎レート/用量および/またはボーラス戦略が体系的に最適ではないことを示唆する(例えば、示す)24時間の間隔である。グルカゴン、2型薬物、あるいは食物などの他の治療に関連する他の状況もまた、当業者によって理解され得るように、それに応じて鑑定される治療ゾーンを有し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、治療ゾーンが特定され、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の間隔と見なされるリスクプロファイルに関連付けられる。場合によっては、特定された治療ゾーンは、1つの症状の存在に関連し、例えば、低血糖症のリスク(または逆に高血糖症のリスク)がある1日の孤立した期間である。そのような場合、治療ゾーンは、根本的な原因となる行動/治療の変更が、例えば、1日の間隔(治療ゾーン)でインスリンを体系的に減らして、対応する低血糖症リスクプロファイルを軽減する(または逆に、治療ゾーンでインスリンを体系的に増加させることによって、対応する高血糖症リスクプロファイルを軽減する)ことによって、血糖を緩和するために行うことができる時間ウィンドウとして、関連する血糖リスクプロファイル(例えば、この血糖リスクプロファイルの周りの拡大、この血糖リスクプロファイルからの分離、この血糖リスクプロファイルとの隣接、および/または、この血糖リスクプロファイルと重複したもの)とは異なって、時間ウィンドウとして、特定することができる。
【0059】
他の場合には、治療ゾーン鑑定器230は、複数の治療的に相関する単一症状リスクプロファイルを2つ以上の治療ゾーンに関連付けることができる。例えば、患者のリスクプロファイルは、(1)1日の特定の間隔での高血糖症のリスク(すなわち、高血糖症リスクプロファイル)を、別の後続の間隔での低血糖症リスクの期間(すなわち、後続の相関する低血糖症リスクプロファイル)、または対処不可能なリスクの期間(すなわち、過去データが高血糖症および低血糖症の両方への曝露を示す後続の相関間隔)で示し得、対応する特定された治療ゾーン(または複数のゾーン)は、複数の相関するリスクプロファイルが、(例えば、最初の高血糖症の原因にさらに効果的に対処し、それによって後の時間間隔で低血糖症を促進することができる状況を回避することによって)インスリン治療のパラメータまたはタイミングを調整することで軽減できる1日の期間(複数可)を表すことになる。このような場合、関連する複数のリスクプロファイルは真隣にあるか、血糖リスクを表さない期間(1日の間隔)で区切ることができる。このように、隣接するゾーンまたは後続のゾーンは、それらの依存性のために組み合わせることができ、単一の治療ゾーンでの治療的調整を介して対処し得る。例えば、低血糖症のパターンの後に高血糖症が一貫して続く場合、リスクプロファイルは、おそらく過剰矯正のために治療的に関連しており、いくつかの実施形態では、シングルトン(singleton)と呼ばれることもある単一の治療ゾーンへの患者の矯正係数の調整によって対処する。従来技術は、1つ以上の包括的な治療ゾーン内の治療的調整を通じて対処される複数の相関する血糖リスクの可能性を考慮していない。対照的に、本明細書に記載のシステムおよび方法は、リスクを治療ゾーンと組み合わせることによって治療的意味を抽出する。
【0060】
図6は、図4に示される患者のCGMデータのグルコースデータから導出された、図5の単一症状別リスクプロファイルから導出された特定された治療ゾーンの一例を示すグラフ600である。
【0061】
いくつかの実施形態では、治療ゾーンを決定するためのリスクプロファイルの鑑定は、単なる閾値だけではなく、例えば、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、プロファイルの変動性(平均および標準偏差)などとすることができ、これらはすべて、ゾーンを特定するという点で有意義である。
【0062】
いくつかの実施形態では、治療ゾーンは、どの候補の行動および/または治療の変更が、後続の別の症状の増加なしに、単一症状の血糖リスクを低下させると予測されるかに基づいて鑑定される。言い換えれば、治療ゾーンは、隣接する時間ウィンドウの症状に悪影響を与えるリスクなしに治療的に対処され得るゾーンと見なし得る。場合によっては、治療ゾーンは、最小の非症候性、混合症候性、または異なる単一症候性の信号によって特徴付けられ得る。
【0063】
すべての場合において、特定された各治療ゾーンは、関連するリスクプロファイルの時間ウィンドウの一部と重複し、場合によってはそれを含む1日の間隔である。1つ以上の治療ゾーンは、隣接するリスクプロファイルの治療上の根本原因を表し、リスクプロファイルの直前に隣接し、潜在的にリスクプロファイルと重複する時間ウィンドウを調べることによって鑑定され得る。まとめると、特定された治療ゾーンは、本明細書でより詳細に説明されるように、血糖リスクプロファイルの対処可能な部分を軽減することができる時間ウィンドウ(すなわち、1日の間隔)を定義する。
【0064】
340において、治療的相関ゾーンの重要性を定量化する。いくつかの実装態様では、重要性値を、治療的相関ゾーンについて決定する。したがって、1つ以上の治療的相関ゾーンの重要性は、ゾーン重要性定量化器によって定量化される。ゾーン重要性定量化器は、どのゾーンがより治療的に重要または対処可能であるかを優先する。いくつかの実施形態では、定量化器は、リスクの大きさを評価し、時刻および/またはあるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルとの近さをさらに考慮し得る(例えば、場合によっては、2つの異なるリスクプロファイルが、分離されたインシデントではなく、したがって一方が他方に影響を与えるため、互いに関連しているためである)。定量化器は、320からのリスクプロファイルの数学的関数、例えば、血糖リスクプロファイルのピーク値であって、1つの例示的な実施形態におけるその治療ゾーンの重要性に等しくなることができる、ピーク値を使用し得る。
【0065】
定量化器は、グルコースデータのみが利用可能である実施形態における血糖リスクから導出し得る。ただし、インスリン、食事、運動などの追加データが利用可能な場合、定量化器は、その評価においてこれらのデータを考慮してもよい。いくつかの実施形態では、問題を解決する選択に基づいて、治療ゾーンに優先順位を割り当てることができる。例えば、ボーラス問題と基礎問題、またはその逆の重要性は、システムまたはユーザによって割り当てられ得る。いくつかの実施形態では、ゾーンの重要性は、現在の基礎ボーラスインスリン比などの他の要因によって通知され、例えば、50%の基礎はすでに高すぎる。インスリンデータが利用可能であり、および/またはインスリン戦略が本明細書の他の場所でより詳細に説明されるように決定されるいくつかの実施形態では、インスリン戦略を使用して、治療的相関ゾーンに優先順位を付け得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、定量化器は、本明細書の別の場所でより詳細に説明される(例えば、リプレイ分析を使用して)、治療に対する候補の変更に基づいて、1つ以上のゾーンのそれぞれのリスクを低減させる機会を鑑定し、ゾーン重要性定量化器は、別のゾーンと比較して、あるゾーンのリスクプロファイルを減らす機会に基づいて、治療ゾーンに優先準位を付ける。
【0067】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、本明細書に記載のデータ処理ステップの1つ以上を決定する前に、データの信頼性の分析を決定および適用し得る。例えば、血糖リスクプロファイル化器によって導出されたリスクプロファイルは、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく。言い換えれば、信頼性を、リスクプロファイルの目的関数に入れる。信頼性分析およびアプリケーションの例は、2020年11月12日に出願された、発明者Stephen D.Patekによる、「Joint state estimation prediction that evaluates differences in predicted vs.corresponding received data」と題された、米国出願第17/096785号に記載されており、その内容は参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0068】
350において、治療的相関ゾーンの定量化された重要性に基づいて数値、英数字、および/またはグラフの情報を出力する。したがって、治療ゾーンレポート生成器は、治療的相関ゾーンの定量化された重要性に基づいて、数値、英数字、および/またはグラフの情報を出力する。一実施形態では、相関ゾーンの視覚化は、単にレポートに出力される。他の実施形態では、特定された繰り返し時間ウィンドウ内の単一症状を減らすための治療時間のゾーンに対する行動的および/または治療的変更が特定され、出力される。
【0069】
一例では、高血糖症リスクプロファイルが昼日中に発生する場合、例えば、リスクプロファイル値が正午の時間ゾーンから高血糖症リスク閾値を上回り、かつその周囲に低血糖症がない場合、正午~午後4時の時間ウィンドウの直前(および取り得る重複)の治療ゾーンを鑑定することができる。この場合、時刻を任意選択的な入力とすることもでき、考えられる根本原因は、ルックアップテーブル、決定木などを使用して分析し得、高血糖症リスクの2つの理由、1)不十分なランチタイムのボーラスの摂取(例えば、ボーラスパラメータがオフになっている場合があり、患者が炭水化物摂取量を過小評価している場合があり、または患者がまったくボーラスを行っていない場合があるなど)、または2)不十分な基礎、を示唆する。この例で考えられる2つの根本原因を考えると、レポートには、1)または2)に対処するための2つの考えられる治療上の問題が記載されてもよい。
【0070】
低血糖症リスクが特定され、関連する治療ゾーンが毎日正午までに鑑定される別の例を考えてみる。出力され得る3つの考えられる根本的な原因、1)朝の過度に積極的な基礎、2)過剰にボーラスを摂取する、および/または3)遅すぎるボーラスの摂取(炭水化物の占有が遅すぎる)がある。
【0071】
一貫した低血糖症の後に高血糖症が続く例では、単一治療ゾーンが、ゾーンの原因/結果の関連とともに出力され得る。レポート生成器は、調整を行うことができる時刻を、例えば、高血糖症とそれに続く低血糖症にマークし得、ある時刻での基礎の変更を推奨し、または別の時刻に影響を受けるボーラスパラメータを変更する。推奨事項は、ユーザの好み/設定、定量化器、または本書の他の場所でより詳細に説明されているような他の洞察(例えば、候補の変更または患者のインスリン戦略の相対的な改善)に基づいて優先順位を付けることができる。シングルトンゾーンが治療的に接続された低血糖ゾーンおよび高血糖ゾーンを表す組み合わせシナリオでは、血糖リスクプロファイルへの影響を考慮して複数の組み合わせを分析し得る。
【0072】
出力は、ユーザインターフェースタイプのレポートの形式としてもよく、接続されたインスリンポンプまたはインスリンペンに送信され得、またはボーラス計算機に供給され得る。例えば、食事のボーラスの炭水化物比の変更が特定された(かつおそらくユーザによって確認/検証された)時刻に関連する治療ゾーンでは、ボーラス計算機は新しい炭水化物比で自動的にプログラムされ得る。他の推奨事項は、より行動的な性質のものであり得、例えば、より早い時間(例えば、食事の前)にボーラスの摂取を推奨する。
【0073】
レポート生成器は、リスクプロファイル、治療的相関ゾーン、および/または目視検査におけるそれらの相対的な重要性のグラフ表示を生成および出力してもよい。追加的または代替的に、自然言語生成器またはテキスト生成器を使用して、リスクプロファイル、治療的相関ゾーン、および/またはそれらの相対的な重要性を伝達し得る。
【0074】
図7は、相対インスリン最適化器710の実装態様のシステム図であり、これは、本明細書で説明されるシステムおよび方法におけるインスリン最適化のための一般的なフレームワークを提供する。
【0075】
血糖およびインスリンデータが受信され(例えば、いくつかの実装態様では、グルコースモニタ120、患者140、活動モニタ150、および/またはスマートフォン160から)、それらの調達に応じて、必要に応じて、照合されたグルコースおよびインスリンデータ705に照合される。
【0076】
治療改善特定器707は、照合されたグルコースおよびインスリンデータ705を評価して、患者の糖尿病管理ルーチンにおける治療最適化のための領域を特定する。いくつかの実施形態では、特定器707は、臨床医または患者からのユーザ選択を含み得る(例えば、ユーザは、最適化する特定の治療または時刻を特定する)。ユーザは、特定の食事時間(例えば、昼食)、特定の時刻(例えば、朝起きたとき)、特定の設定(例えば、炭水化物比)などを選択し得る。インスリン治療に影響を与える任意のパラメータまたは行動を選択し得る。いくつかの実施形態では、治療改善709は、図2に関して説明された治療ゾーン特定器210などのアルゴリズムによって特定されるが、当業者によって理解され得るように、改善すべき領域を特定するための他のアルゴリズムも可能である。
【0077】
特定された治療改善709に基づいて、相対インスリン最適化器710は、治療に対する候補の変更を提案し、それらの変更の影響を鑑定し、それらの変更に関連する改善を定量化する。
【0078】
変更提案器720は、特定の時間ウィンドウ内の基礎および/またはボーラスへのパーセントごとの変化(例えば、ゾーンまたはゾーングループ)などのインスリン治療に対する候補の変更を提案する。
【0079】
影響鑑定器730は、過去のグルコース値のリスクプロファイルへの影響を推定することにより、候補治療の変更の影響を鑑定する。
【0080】
改善定量化器740は、例えば、血糖転帰の測定基準の改善/変化率(%)に基づいて、候補治療の変更の改善を定量化する。
【0081】
相対インスリン最適化器レポート生成器750は、候補治療の変更をユーザ(臨床医、患者、または接続されたデバイス/システム)に出力するなどの出力760を提供する。
【0082】
図8は、患者の候補インスリン治療の変更を選択し、鑑定し、影響を与える方法800のフロー図である。この方法は、患者および/または接続されたデバイスから受信したグルコースおよびインスリンデータを受信し、インスリン治療に対する候補の変更に関連する定量化された改善に基づいて、改善されたインスリン治療のための最適化アルゴリズムを実行する。一例では、グルコースおよびインスリン送達データを使用して、リプレイ予測機能を使用して、特定された治療ゾーンにおける基礎および/またはボーラスインスリンに対する変化率(%)の影響が分析される。
【0083】
810において、グルコースおよびインスリンデータを、患者および/または接続されたシステム/デバイスから受信する(例えば、いくつかの実装態様では、グルコースモニタ120、患者140、活動モニタ150、および/またはスマートフォン160から)。図9Aおよび図9Bは、約54日間にわたる患者のグルコースおよびインスリンデータをそれぞれ示すグラフ900、950である。図10は、24時間ごとに重ねられたすべてのCGMデータの視覚化を示すプロット1000である。図11は、すぐ上のグラフに示されるデータについて、時刻の関数としてのCGMおよびインスリンデータの信頼性を示すグラフ1100である。
【0084】
820において、治療改善の機会を、本明細書の他の場所でより詳細に説明されているように特定する。いくつかの実施形態では、治療改善機会の特定は、臨床医または患者からのユーザ選択を含み得る(例えば、ユーザが、最適化する特定の治療または時刻を特定する)。ユーザは、特定の食事時間(例えば、昼食)、特定の時刻(例えば、朝起きたとき)、特定の設定(例えば、炭水化物比)などを選択し得る。インスリン治療に影響を与える任意のパラメータまたは行動を選択し得る。いくつかの実施形態では、改善は、本明細書の他の場所でより詳細に説明される治療ゾーン特定器などのアルゴリズムによって特定されるが、当業者によって理解され得るように、改善すべき領域を特定するための他のアルゴリズムも可能である。
【0085】
図12は、いくつかの実施形態における、ある時間ウィンドウにわたる患者のリスクプロファイルを示すチャート1200である。ゼロ線より上の領域1210は、高血糖症を表し、ゼロ線より下の領域1220は、時刻の関数としての低血糖症を表す。
【0086】
図13Aおよび図13Bは、時刻の関数として、それぞれ、実行可能なリスクおよび実行不可能なリスクを示すチャート1300、1350である。約13時間(昼食直後の午後1時頃)には、実行可能な高血糖症リスクのピークが存在するが、同時に対処不可能なリスクのレベルは低くなっている。
【0087】
図14は、本発明の実施形態について、図12図13A、および図13Bを参照して説明されたリスクプロファイルから決定された血糖リスクプロファイルおよび対応する治療ゾーンを示すチャート1400である。線1410は、リスクプロファイルを表し、線1420は、対応する治療ゾーンを表す。この例では、正午~午後2時が、実行可能な高血糖症リスクを示しており、午前10時~正午が、インスリン治療に変更するための候補ウィンドウとなることを示す。
【0088】
830において、治療ゾーンの間に、インスリン治療に対する候補の変更を提案する(例えば、決定する)。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラスまたは基礎治療に対する増加もしくは減少率(%)を含み得、および/またはボーラスまたは基礎治療に関連するインスリン送達パラメータに対する変更を含み得る。
【0089】
治療ゾーンが特定されると、治療に対する候補の変更は、例えば、炭水化物比、補正係数、基礎レート、および/またはそのプロファイルの観点から直接提案することができる。当業者は、糖尿病の転帰に影響を与える糖尿病管理で使用される任意のパラメータが変更の候補となり得ることを理解し得る。パラメータは、1型または2型の単一または複数の毎日の注射治療、インスリンペン治療、インスリンポンプ治療、人工膵臓治療、ベータ細胞治療、および/またはその任意の態様についての、インスリンポンプ、ボーラス計算機、またはインスリン治療に関連する任意の値に固有であり得る。
【0090】
いくつかの実装態様では、基礎用量の感度(基礎用量および/または基礎レートの変化率(%))が、候補の変更である。いくつかの実施形態では、候補の変更には、治療ゾーンでの基礎用量またはボーラス用量への変化率(%)を含み得る。複合の変更および/または組み合わせの変更、例えば、2因子感度(例えば、基礎とボーラスの差別化された推奨)も提案され得る。時刻はまた、いくつかの実施形態における基礎レートについて提案され得る因子である。
【0091】
840において、候補の変更に基づく全体的な治療リスクの改善を鑑定する(例えば、決定する)。いくつかの実施形態では、2020年11月12日に出願された、発明者Stephen D. Patekによる、「Joint state estimation prediction that evaluates differences in predicted vs.corresponding received data」と題された、米国出願第17/096785号に記載されているような(その内容は参照によりその全体がここに組み込まれる)、リプレイ予測機能が、治療ゾーンでの候補の変更が過去のグルコースに及ぼす影響を推定するために実行され、リスクプロファイル化機能が実行されて、候補の変更に基づいて新しいリスクプロファイルを決定する。例えば、過去のボーラスおよび/または基礎レートの変化率(%)(5%、10%など)が治療ゾーンの間にリプレイされ、結果として生じるリスクプロファイルが再鑑定される。
【0092】
850において、候補の変更の相対的な改善を定量化し得る。一実施形態では、リスクプロファイル値を比較して、改善を定量化する。
【0093】
860において、最も最適化されたリスクプロファイルを提供したインスリン治療に対する候補の変更を出力する。出力は、臨床医のレポートまたは接続されたボーラス計算機などの、ユーザインターフェースまたは接続されたデバイスに出力された、候補の変更および/または最適化されたリスクを示すグラフの形式であり得る。追加的または代替的に、出力は、候補の変更と最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供され得る。出力は、どの治療ゾーンまたはゾーングループが最適化されているかを特定し得、いくつかの実施形態では、テキスト生成器を使用して結果を伝達し得る。
【0094】
1型糖尿病に関連する糖尿病データが本明細書で示され、説明されているが、システムおよび方法は、基礎滴定の加速度など、本明細書において2型糖尿病に適用可能であり、(薬のタイプ、薬の投与量、および/または注射の時間の観点から)多かれ少なかれ積極的な2型注射のリスクを特定および鑑定し得る。
【0095】
図15は、インスリン戦略最適化器1510の実装態様のシステム図であり、これは、本明細書で説明されるシステムおよび方法におけるインスリン最適化のための一般的なフレームワークを提供する。
【0096】
血糖およびインスリンデータが受信され(例えば、いくつかの実装態様では、グルコースモニタ120、患者140、活動モニタ150、および/またはスマートフォン160から)、それらの調達に応じて、必要に応じて、照合されたグルコースおよびインスリンデータ1505に照合される。
【0097】
治療改善特定器1507は、照合されたグルコースおよびインスリンデータ1505を評価して、患者の糖尿病管理ルーチンにおける治療最適化のための領域を特定する。いくつかの実施形態では、特定器1507は、臨床医または患者からのユーザ選択であり得る(例えば、ユーザが、最適化する特定の治療または時刻を特定する)。ユーザは、例えば、特定の食事時間(例えば、昼食)、特定の時刻(例えば、朝起きたとき)、特定の設定(例えば、炭水化物比)などを選択し得る。インスリン治療に影響を与える任意のパラメータまたは行動を選択し得る。いくつかの実施形態では、治療改善1509は、図2に関して説明された治療ゾーン特定器210などのアルゴリズムによって特定されるが、当業者によって理解され得るように、改善すべき領域を特定するための他のアルゴリズムも可能である。
【0098】
グルコース、インスリン、および他のデータの記録を使用して、インスリン戦略最適化器1510は、(1)患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかを判定し(例えば、炭水化物数に基づいた食事前のボーラスを伴う「機能的インスリン治療」)、(2)特定されたインスリン戦略のパラメータ(例えば、炭水化物比、補正係数、基礎レート/用量など)への変化率(%)の影響を分析する。患者のインスリン戦略について仮定する、および/または患者の行動インスリン戦略の変更を必要とする、従来のインスリン最適化器とは対照的に、本明細書に記載のシステムおよび方法は、多数の異なる戦略から患者の現在のインスリン投与戦略を特定して、インスリン治療の最適化を、実際の実世界の戦略と一致する、患者が選択した行動インスリン戦略に適応させる。患者がインスリン療法(すなわち、戦略)についてどのように考えるかに焦点を当てた最適化により、よりカスタマイズされたユーザの推奨が可能になり、コンプライアンスおよび改善が向上する。
【0099】
図16は、患者のインスリン戦略を特定、スコア付与、および最適化する方法1600のフロー図である。この方法は、患者および/または接続されたデバイスから、グルコース、インスリン、および食事または運動データなどの他の糖尿病関連データを受信する。患者のデータから、行動パターンを特定して、患者が糖尿病をどのように管理することを好むかを判定することができる。患者のインスリン投与戦略の知識があれば、本明細書でより詳細に説明するように、戦略別パラメータの量および/またはタイミングの変更を評価し、推奨することができる。
【0100】
1610において、グルコース、インスリン、および/または他の糖尿病関連データを受信する(例えば、いくつかの実装態様では、グルコースモニタ120、患者140、活動モニタ150、および/またはスマートフォン160から)。他の糖尿病関連データとしては、例えば、食事の特定および/またはタイミング、食事の一般的または特定のサイジング、炭水化物推定値、組成情報などの食事情報が挙げられ得る。追加的または代替的に、運動情報は、例えば、運動のタイプ、持続時間、強度、心拍数、消費カロリーなどを含むように提供され得る。糖尿病関連のデータは、接続されたデバイスから取得され得る、および/または自己報告され得る。データは、当業者によって理解されるように、グルコースおよびインスリンデータと照合され得る。
【0101】
1620において、治療的改善の機会を、本明細書でより詳細に説明されるように特定する。いくつかの実施形態では、治療改善機会の特定は、臨床医または患者からのユーザ選択を含み得る(例えば、ユーザが、最適化する特定の治療または時刻を特定する)。ユーザは、特定の食事時間(例えば、昼食)、特定の時刻(例えば、朝起きたとき)、特定の設定(例えば、炭水化物比)などを選択し得る。インスリン治療に影響を与える任意のパラメータまたは行動を選択し得る。いくつかの実施形態では、改善は、治療ゾーン特定器210などのアルゴリズムによって特定されるが、当業者によって理解され得るように、改善すべき領域を特定するための他のアルゴリズムも可能である。
【0102】
1630において、患者のインスリン投与戦略を特定する。インスリン戦略特定器1520は、糖尿病データ(インスリンデータおよび食事データ)から決定されるように、実際に患者によって実施されている糖尿病管理/インスリン戦略を特定する。戦略特定器1520は、患者に対する一連の質問または患者によって行われる選択を含み得る。いくつかの実施形態では、特定器1520は、投薬のパターンを特定し、それに基づいて患者のインスリン戦略を特徴付ける。特定器1520は、リプレイ予測機能(例えば、2020年11月12日に出願された、発明者Stephen D.Patekによる、「Joint state estimation prediction that evaluates differences in predicted vs.corresponding received data」と題された、米国出願第17/096785号に記載され、その内容は参照によりその全体がここに組み込まれるもの)など、および状況に応じて患者の過去のインスリン決定を再現することを試みる投薬に関連する他のデータとともに、使用し得る。
【0103】
「インスリン戦略」とは、当業者によって理解され得るように、インスリンポンプの使用のタイプ、毎日の複数回の注射、2型治療など、患者が糖尿病管理に適用する行動方法を意味する。
【0104】
一例として、システムおよび方法は、患者をポンプ使用者として特定し、さらに、開ループ(基礎および/またはボーラス/タイミングを評価する)、半閉ループ、および閉ループ(例えば、人工膵臓アルゴリズムタイプAと人工膵臓アルゴリズムタイプBにさらに分割され得る)から選択されるポンプの使用のタイプを特定し得る。他のインスリンポンプ戦略は、タイミングおよび量の両方の観点からのプログラム可能な基礎およびボーラス設定、ならびに特定のプログラムまたはプロバイダによって推奨される併用基礎ボーラス治療を含む、当業者によって理解されるものとして特定され得る。
【0105】
別の例として、システムおよび方法は、患者がボーラス摂取するかどうか、およびボーラス摂取する場合、どの行動戦略が彼らの通常のボーラスパターンに関連するかを特定する。一部の患者が使用する1つのボーラスパターンには、固定時刻のボーラス摂取戦略(すなわち、特定の時刻にボーラス摂取する)、食事時間のボーラス摂取、炭水化物計数ボーラス摂取器(例えば、患者がほとんどの食事で定期的に異なる炭水化物量を入力する)、非炭水化物計数ボーラス摂取器(例えば、患者が(S/M/L)を推定する)、食事前のボーラス摂取(最初に投薬し、次に食物を滴定する)、マイクロボーラス摂取器によるボーラス摂取(例えば、1日平均x回超のボーラス摂取(ここで、xは、5、6、7、またはそれ以上より大きい))など、当業者によって理解されるようなものが含まれる。
【0106】
他の例には、スライディングスケールボーラス摂取が含まれ、システムおよび方法は、患者が特定の範囲を超えるBGに応答してボーラス摂取するかどうかを特定する。インスリン管理のための他の根本原理は、当業者によって理解され得るように考慮され得る。
【0107】
1640において、戦略は、その戦略への患者のコンプライアンスについて任意選択的にスコア付与される。インスリン戦略スコア付与器(コンプライアンススコア付与器)1530は、特定されたインスリン戦略に対する患者のコンプライアンス、すなわち、特定されたインスリン戦略を患者がどの程度厳密に順守しているかを定量化する。スコアは、患者の戦略へのコンプライアンスの程度に基づいて計算され、これは、次のステップに進むかどうか、またはどのように進むかを決定するためのゲートキーパーとして使用され得る。例えば、コンプライアンススコアが所与の閾値レベルを超える場合、次のステップを処理し、そうでなければ、追加の分析、患者の質問、または異なるアルゴリズム(例えば、図8)へのフィードバックを実行してもよい。
【0108】
1650において、特定された戦略のために最適化を実行する。言い換えれば、最適化は、行動の修正を必要とせずに、患者の好ましい糖尿病管理レジームの範囲によって制限される。理論に縛られることを望まないが、患者の行動によって通知されるインスリン治療を最適化することにより、より効率的かつ効果的な治療の最適化が達成され得る。
【0109】
一般に、インスリン戦略適応器(識別された行動1540内のインスリン戦略最適化器)は、選択されたインスリン戦略に基づいて、および/またはインスリン戦略に関連するスコアに基づいて、インスリン最適化/推奨を適応させる。いくつかの実施形態では、最適化は、選択した治療ゾーンまたはゾーングループの戦略のパラメータに対する変化率(%)を反復的に提案し、その後、特定の改善が達成されるまで、および/または反復的な変更による改善が定量化において見られなくなるまで、フィードバックループ方式で改善が定量化され得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、最適化は、リプレイ予測機能(例えば、2020年11月12日に出願された、発明者Stephen D.Patekによる、「Joint state estimation prediction that evaluates differences in predicted vs.corresponding received data」と題された、米国出願第17/096785号に記載されており、その内容は参照によりその全体がここに組み込まれるもの)を使用して、過去のBGへの影響を推定し得る。これらの実施形態では、リスクプロファイル化機能は、各反復的な最適化で再実行され、特定の基準が満たされるまで、BG転帰測定基準の改善/変化率(%)が鑑定され得る。
【0111】
1660において、最適化されたインスリン戦略パラメータを、例えば、治療特定器最適化器レポート生成器1550を介して、ユーザインターフェースまたは接続されたデバイスに出力する。一実装態様では、治療特定器最適化器レポート生成器1550は、候補治療の変更をユーザ(臨床医、患者、または接続されたデバイス/システム)に出力することなどの出力1560を提供する。出力1560は、最適化されたインスリン戦略パラメータを示すグラフの形態であり得る。いくつかの実装態様では、1つ以上のパラメータが、臨床医レポートまたは接続されたボーラス計算機などのユーザインターフェースまたは接続されたデバイスに出力され得る。追加的または代替的に、出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供され得る。出力は、どの時間ウィンドウが最適化されているかを特定し得、いくつかの実施形態では、テキスト生成器を使用して結果を伝達し得る。
【0112】
ここで、インスリン戦略最適化器1510の例を、1型糖尿病の患者からの1つのデータセットについて説明する。この例では、過去のCGMデータを分析して、夜間の高血糖症を対処可能なリスクプロファイルとして特定した。図17は、患者の10日間のCGMデータを示すチャート1700である。午前中の低血糖症および1日の有意なリバウンドを伴う1つの外れ値日があるが(線1710で示されている)、夜間の低血糖症の体系的なパターンをトレースの大部分において見ることができる(線1720で示されている)。これは、リプレイ器が構築され、治療ゾーンが特定され、戦略的調整が行われ(例えば、戦略的パラメータの変化率(%)(またはパラメータのスイープ))、最適な血糖転帰を見つけるためにリプレイされる組み合わせの例である。
【0113】
図18は、図17を示す10日間のCGMデータの分析から出力されたリスクプロファイル関数を示すチャート1800である。リスクプロファイルの出力は、高血糖症リスクが高まっていることを示す一晩の高血糖症への一貫した曝露を確認する(x軸の上の影付きの領域1810)。日中の低血糖症へのある程度の曝露が、低血糖症リスクとして示されている(x軸の下の影付きの領域1820)。したがって、治療改善の機会は、上記の高血糖症リスクプロファイルから、特にリスクプロファイル値が2を超える期間、約1800時間~約2400時間の間の夜間の高血糖症として特定される。夜間の高血糖症に隣接する同時低血糖症がないため、このリスクは対処可能である。
【0114】
同時インスリンデータ(基礎およびボーラスデータによって提供される)および食事データ(承認された炭水化物データによって提供される)の分析により、患者は、承認された炭水化物の時にボーラス摂取する機能的インスリン治療(基礎ボーラス治療)を使用していると特定される。データから、ボーラス計算機にプログラムされた一般的な基礎処方および現在の補正係数および炭水化物比を含む名目上のパラメータを特定することができる。
【0115】
この例では、インスリン戦略最適化器は、リプレイシミュレーション(例えば、2020年11月12日に出願された、発明者Stephen D.Patekによる、「Joint state estimation prediction that evaluates differences in predicted vs.corresponding received data」と題された、米国出願第17/096785号に記載されており、その内容は参照によりその全体がここに組み込まれるもの)を利用する。リプレイは、データ収集中に患者が過去に承認した炭水化物をシミュレートする。ボーラスは、炭水化物が承認されたときにのみシミュレートされる。過去のボーラスの時点ではボーラスがシミュレートされないため、リプレイシミュレーションと過去データの不一致が予想される。シミュレートされた用量は、一般的なシミュレートされたBG、IOB(搭載されているインスリン)、および承認されている炭水化物、および炭水化物比と補正係数の現在の処方に従って厳密に計算される。これは、コンプライアンス機能的インスリン治療と呼ばれることがある。
【0116】
図19は、過去データからのリスクプロファイルとリプレイシミュレーションからのリスクプロファイルとの比較を示すチャート1900、1950である。したがって、この例では、患者が(1)炭水化物の告知に従って正確に食事をし、(2)食事時にのみボーラス摂取する場合にのみ、シミュレートされたCGMトレースと過去のCGMとの間に密接な一致が見られると予想される。この例では、過去のボーラスが遅れる可能性があり、搭載されている炭水化物およびインスリンの推定が不正確になる可能性がある。患者のコンプライアンスは、機能インスリン治療のコンプライアンスを決定するために、ここで任意選択的にスコア付与され得る。
【0117】
次に、リプレイシミュレーションが、ここでは基礎インスリン投与量を減らして使用して、多数の候補パラメータ設定に対してシミュレートされたCGMトレースで実行される。低血糖症リスクおよび高血糖症リスクへの患者の(リプレイされた)曝露を最小限に抑えるために最も効果的なパラメータは、将来の参照用に保存される。リスクプロファイルおよび治療ゾーンが再実行される。図20は、リプレイからのリスクプロファイル2000を示している。
【0118】
一例として、図21は、2つの高血糖症リスクプロファイル2120を示すチャート2100である。名目上の場合と同様に、基礎が高いほど高血糖範囲のBGでの時間が短くなるため、ゾーンは小さくなる。別の例として、図22は、2つの対応する高血糖治療ゾーン2220を示すチャート2200である。
【0119】
炭水化物比および補正係数をさらに最適化することができる。リプレイシミュレーションは、ここでは増加された基礎インスリン投与量を使用して、多数の候補パラメータ設定に対して実行される。低血糖症リスクおよび高血糖症リスクへの患者の(リプレイされた)曝露を最小限に抑えるために最も効果的なパラメータは、将来の参照用に保存される。
【0120】
様々な最適化が実行されて定量化された後、パラメータの最適な組み合わせが選択される。図23は、最適化されたボーラスおよび基礎パラメータを示すチャート2300である。
【0121】
図24および25は、例示的なリスクプロファイル2400、2500、2550を示すチャートを示している。リスクプロファイルは、最適化されたパラメータを適用することにより、患者が血糖リスクを大幅に低減させることができ、したがって、本明細書で詳しく説明するように、最適化されたパラメータの推奨事項を出力することができることを示している。
【0122】
別の例では、患者が固定の時刻のボーラス摂取のインスリン戦略を好む場合、システムおよび方法は、CGM、およびインスリンの量および時間を受信し得、治療の機会を時間ウィンドウ(例えば、時間x~時間y)の午後の低血糖症として特定し得る。インスリン戦略は、ボーラス摂取の通常の時刻パターンで特定されたパターンに基づいて、固定の時刻のボーラス摂取として特定される。インスリン戦略スコア付与器は、85%の特定の時刻との相関関係を特定する。インスリン戦略の適応は、インスリンのボーラス摂取の時間と量の変化率(%)を反復的に実行し、昼食時のボーラス摂取を30分早くすることを推奨し、および/または通常の正午のボーラスで10%多くのインスリンを使用する。患者への報告によると、タイミングの30分のシフトおよび/または正午の固定ボーラスの10%の増加は、低血糖症の20%の減少をもたらし、両方の組み合わせは、低血糖症の25%の減少をもたらす。
【0123】
さらに別の例では、炭水化物を計数せずに食事時間のボーラス摂取を好む患者は、3つの典型的なボーラス量に基づく代わりに、小、中、大(S/M/L)の食事推定を使用する可能性がある。この例では、データ入力には、CGM、インスリンの量および時間、および食事時間が含まれる。治療の機会は、ユーザインターフェースから「ボーラス検査」を要求する患者によって特定される。特定されたインスリン戦略は、S/M/L食事推定を示す3つの典型的な用量での食事時間のボーラス摂取戦略である。インスリン戦略スコア付与器は、S/M/L推定のための典型的な炭水化物推定器との相関関係を示す。インスリン戦略の適応は、中程度のボーラスを10%増加させる、および/または大きなボーラスを10%減少させることを推奨する。出力は、中型のボーラスが10%増加し、大きなボーラスが10%減少すると、低血糖症および高血糖症の減少をもたらし、両方の組み合わせによって、低血糖症では特定の割合の減少をもたらし(x%、ここで、xは決定、計算、または推定された数)であり、高血糖症では特定の割合の減少(x%)をもたらすことを患者に報告する。
【0124】
図26は、例示的な実施形態および態様が実装されることができる例示的なコンピューティング環境を示している。コンピューティングデバイス環境は、好適なコンピューティング環境の一例に過ぎず、使用範囲または機能に関する制限を提唱することを意図したものではない。
【0125】
他の多くの汎用または特殊目的のコンピューティングデバイスの環境または構成を、使用することができる。使用に好適な可能性のある周知のコンピューティングデバイス、環境、および/または構成の例としては、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、ネットワークパーソナルコンピュータ(PC)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、組み込みシステム、上記システムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
コンピュータによって実行されるプログラムモジュールなどの、コンピュータ実行可能命令を使用することができる。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれる。通信ネットワークまたは他のデータ伝送媒体を通してリンクされた、リモート処理デバイスでタスクを実行する、分散コンピューティング環境を使用することができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールおよび他のデータは、メモリ記憶デバイスを含むローカルおよびリモートの両方のコンピュータ記憶媒体に位置させることができる。
【0127】
図26を参照すると、本明細書に記載の態様を実装するための例示的なシステムは、コンピューティングデバイス2600などのコンピューティングデバイスを含む。その最も基本的な構成では、コンピューティングデバイス2600は、典型的に、少なくとも1つの処理ユニット2602およびメモリ2604を含む。コンピューティングデバイスの正確な構成およびタイプに応じて、メモリ2604は、揮発性(ランダムアクセスメモリ(RAM)など)、不揮発性(リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリなど)、またはこの2つの何らかの組み合わせであってもよい。この最も基本的な構成は、図26に破線2606によって示されている。
【0128】
コンピューティングデバイス2600は、追加の特徴/機能を有し得る。例えば、コンピューティングデバイス2600は、磁気または光ディスクまたはテープを含むがこれらに限定されない追加の記憶装置(取り外し可能および/または取り外し不可能)を含み得る。そのような追加の記憶装置は、取り外し可能な記憶装置2608および取り外し不可能な記憶装置2610によって図26に示されている。
【0129】
コンピューティングデバイス2600は、典型的に、様々なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、デバイス2600によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であり得、揮発性および不揮発性媒体の両方、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。
【0130】
コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、ならびに取り外し可能および取り外し不可能な媒体が含まれる。メモリ2604、取り外し可能な記憶装置2608、および取り外し不可能な記憶装置2610はすべて、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、電気的消去可能プログラム読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングデバイス2600によってアクセスすることができる任意の他の媒体が含まれるが、これらに限定されない。そのようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイス2600の一部であり得る。
【0131】
コンピューティングデバイス2600は、デバイスが他のデバイスと通信することを許容する通信接続2612を含み得る。コンピューティングデバイス2600はまた、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなどの入力デバイス2614を有し得る。ディスプレイ、スピーカ、プリンタなどの出力デバイス2616もまた、含まれ得る。これらのデバイスはすべて、当技術分野で周知であり、ここで詳細に説明する必要はない。
【0132】
一実装態様では、方法は、血糖リスクプロファイル化器を使用して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することと、治療ゾーン鑑定器を使用して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することと、ゾーン重要性定量化器を使用して、少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することと、重要性値に基づいて、情報を出力することと、を含む。
【0133】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。この方法は、グルコースデータを受信することをさらに含み、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、グルコースデータを使用する。グルコースデータは、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータは、少なくとも1週間の期間を含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンは、患者のBGデータが、患者のインスリン基礎レートもしくは用量またはボーラス戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である。少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む。
【0134】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。この方法はさらに、パラメータの調整またはインスリン治療のタイミングを介して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、リスクの大きさを評価することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む。重要性値は、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく。情報を出力することは、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む。情報を出力することは、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む。情報を出力することは、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に情報を出力することを含む。情報を出力することは、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む。
【0135】
一実装態様では、システムは、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出するように構成された血糖リスクプロファイル化器と、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定するように構成された治療ゾーン鑑定器と、少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定するように構成されたゾーン重要性定量化器と、重要性値に基づいて情報を出力するように構成された治療ゾーンレポート生成器と、を備える。
【0136】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。血糖リスクプロファイル化器は、グルコースデータを受信するようにさらに構成されており、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、グルコースデータを使用する。グルコースデータは、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータは、少なくとも1週間の期間を含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンは、患者のBGデータが、患者のインスリン基礎レートもしくは用量またはボーラス戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である。少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む。
【0137】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。治療ゾーン鑑定器はさらに、パラメータまたはインスリン治療のタイミングの調整を介して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定するように構成されている。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、リスクの大きさを評価することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む。重要性値は、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく。情報を出力することは、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む。情報を出力することは、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む。情報を出力することは、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に情報を出力することを含む。情報を出力することは、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む。
【0138】
一実装態様では、システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することと、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルに関連する少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することと、少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することと、重要性値に基づいて情報を出力することと、をシステムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0139】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。システムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、グルコースデータを受信することをシステムに行わせる命令をさらに含み、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することが、グルコースデータを使用する。グルコースデータは、CGM(連続グルコースモニタリング)読み取り値、CGM値に割り当てられた信頼性読み取り値、自己監視血糖読み取り値、または遡及的に較正もしくは修正されたCGM読み取り値のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータは、少なくとも1週間の期間を含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、グルコースデータを使用する時刻の関数として低血糖症リスクまたは高血糖症リスクのいずれかを記述する。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、急勾配(曲線の一次および二次導関数)、頻度、重大度、曲率、24時間にわたるプロファイルの平均値、またはプロファイルの変動性(平均および標準偏差)のうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、選択された期間にわたるCGM信号に基づく血糖機能障害を示し、選択された期間にわたる低血糖症または高血糖症の事前定義された重大度および頻度によって特徴付けられる繰り返し時間ウィンドウを示している。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルは、高血糖症から分離された低血糖症、または低血糖症から分離された高血糖症のうちの少なくとも1つを表す。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルから少なくとも1つの治療的相関ゾーンを特定することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンは、患者のBGデータが、患者のインスリン基礎レートもしくは用量またはボーラス戦略のうちの少なくとも1つが体系的に最適でないことを示す24時間の間隔である。少なくとも1つの治療的相関ゾーンが特定され、少なくとも1つのリスクプロファイルに関連付けられ、1つ以上の単一症状別リスクプロファイルが潜在的な血糖機能障害を示す1日の少なくとも1つの間隔を含む。
【0140】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。システムはさらに、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、パラメータの調整またはインスリン治療のタイミングを介して、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを軽減することができる期間を特定することをシステムに行わせる命令を含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンを決定することは、候補の行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つが、後続の別の症状の増加なしに単一症状の血糖リスクを低下させると予測されることに基づく。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、より治療的に重要であるゾーンまたは対処可能なゾーンに優先順位を付けることを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、リスクの大きさを評価することを含む。少なくとも1つの治療的相関ゾーンの重要性値を決定することは、あるリスクプロファイルの別のリスクプロファイルへの時刻または近接の少なくとも1つを考慮することを含む。重要性値は、少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルのピーク値である。少なくとも1つの単一症状別リスクプロファイルを導出することは、特定の信頼性レベルを超えるデータに基づく。情報を出力することは、数値、英数字、またはグラフの情報のうちの少なくとも1つを出力することを含む。情報を出力することは、時間ウィンドウ内の単一症状を減少させるために、行動の変更または治療の変更のうちの少なくとも1つを治療時間ゾーンに出力することを含む。情報を出力することは、接続されたインスリンポンプもしくはインスリンペン、またはボーラス計算機に情報を出力することを含む。情報を出力することは、リスクプロファイルまたは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つのグラフ表示、またはリスクプロファイルもしくは治療的相関ゾーンのうちの少なくとも1つの相対的な重要性を出力することを含む。
【0141】
一実装態様では、方法は、グルコースおよびインスリンデータを受信することと、グルコースおよびインスリンのデータを使用して、治療改善の機会を特定することと、インスリン治療に対する候補の変更を決定することと、候補の変更に基づいて、治療リスクの改善を鑑定することと、候補の変更の改善を定量化することと、改善に基づいて、候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することと、を含む。
【0142】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。グルコースおよびインスリンのデータは、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される。治療改善の機会を特定することは、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む。パラメータ設定は、炭水化物比である。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラス治療または基礎治療に対する増加もしくは減少率(%)を含む。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラス治療または基礎治療に関連するインスリン送達パラメータに対する変更を含む。候補の変更は、炭水化物比、補正係数、基礎レート、またはプロファイルの観点からのものである。候補の変更は、基礎用量の感度を含む。候補の変更は、治療ゾーンでの基礎用量またはボーラス用量の変化率(%)を含む。候補の変更の改善を定量化することは、リスクプロファイル値を比較することを含む。改善に基づいて、候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することは、最適化されたリスクプロファイルを提供する候補の変更を出力することを含む。候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することは、ユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに出力された、候補の変更または最適化されたリスクのうちの少なくとも1つを示すグラフの形態で出力を提供することを含む。接続されたデバイスは、ボーラス計算機を備える。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。出力は、どの治療ゾーンまたはゾーングループが最適化されているかを特定する。
【0143】
一実装態様では、システムは、患者の照合されたグルコースおよびインスリンデータを評価して、患者の糖尿病管理ルーチンにおける治療最適化の領域を特定し、治療改善を生成するように構成された治療改善特定器と、ある治療に対する変更を提案し、変更の影響を鑑定し、変更に関連する改善を定量化するように構成された相対インスリン最適化器と、出力を提供する相対インスリン最適化器レポート生成器と、を備える。
【0144】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。相対インスリン最適化器は、インスリン治療に対する変更を提案するように構成された変更提案器と、過去のグルコース値のリスクプロファイルへの影響を推定することにより、候補治療の変更の影響を鑑定するように構成された影響鑑定器と、候補治療の変更の改善を定量化するように構成された改善定量化器と、を備える。変更提案器はさらに、時間ウィンドウ内の基礎またはボーラスのうちの少なくとも1つに対するパーセントごとの変化として変更を提案するように構成されている。改善定量化器は、血糖転帰の測定基準の改善または変化率(%)に基づいて、候補治療の変更の改善を定量化するように構成されている。相対インスリン最適化器レポート生成器は、候補治療の変更をユーザに出力するように構成されている。ユーザは、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの1つである。治療改善特定器は、最適化される治療または時刻のユーザ選択を含む。ユーザは、患者または臨床医である。治療改善は、アルゴリズムによって特定される。
【0145】
一実装態様では、システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、グルコースおよびインスリンデータを受信することと、グルコースおよびインスリンのデータを使用して、治療改善の機会を特定することと、インスリン治療に対する候補の変更を決定することと、候補の変更に基づいて、治療リスクの改善を鑑定することと、候補の変更の改善を定量化することと、改善に基づいて、候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することと、をシステムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0146】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。グルコースおよびインスリンのデータは、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される。治療改善の機会を特定することは、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む。パラメータ設定は、炭水化物比である。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラス治療または基礎治療に対する増加もしくは減少率(%)を含む。インスリン治療に対する候補の変更は、ボーラス治療または基礎治療に関連するインスリン送達パラメータに対する変更を含む。候補の変更は、炭水化物比、補正係数、基礎レート、またはプロファイルの観点からのものである。候補の変更は、基礎用量の感度を含む。候補の変更は、治療ゾーンでの基礎用量またはボーラス用量の変化率(%)を含む。候補の変更の改善を定量化することは、リスクプロファイル値を比較することを含む。改善に基づいて、候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することは、最適化されたリスクプロファイルを提供する候補の変更を出力することを含む。候補の変更のうちの少なくとも1つを出力することは、ユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに出力された、候補の変更または最適化されたリスクのうちの少なくとも1つを示すグラフの形態で出力を提供することを含む。接続されたデバイスは、ボーラス計算機を備える。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。出力は、どの治療ゾーンまたはゾーングループが最適化されているかを特定する。
【0147】
一実装態様では、方法は、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを受信することと、グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを使用して、治療改善の機会を特定することと、患者のインスリン投与戦略を特定することと、患者のコンプライアンスのためのインスリン投与戦略のスコアを付与することと、インスリン投与戦略の最適化を実行することと、最適化されたインスリン戦略パラメータを含む出力をユーザに提供することと、を含む。
【0148】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。他の糖尿病関連データは、食事情報、食事の特定、食事のタイミング、食事のサイズ、炭水化物の推定値、組成情報、または運動情報のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つは、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される。治療改善の機会を特定することは、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む。パラメータ設定は、炭水化物比である。インスリン投与戦略は、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つから決定されるように、実際に患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を含む。インスリン投与戦略の最適化を実行することにより、患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかが判定され、特定されたインスリン戦略のパラメータに対する変化率(%)の影響が分析される。ユーザは、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。出力を提供することは、最適化されたインスリン戦略パラメータをユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに示すグラフの形態で出力を提供することを含む。接続されたデバイスは、ボーラス計算機を備える。
【0149】
一実装態様では、システムは、患者の照合されたグルコースおよびインスリンデータを評価して、患者の糖尿病管理ルーチンにおける治療最適化の領域を特定し、治療改善を生成するように構成された治療改善特定器と、患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかを判定し、特定されたインスリン戦略のパラメータに対する変化率(%)の影響を分析するように構成されたインスリン戦略最適化器と、出力を提供する治療特定器最適化器レポート生成器と、を備える。
【0150】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。インスリン戦略最適化器は、照合されたグルコースおよびインスリンデータから決定されるように実際に患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を特定するように構成されたインスリン戦略特定器と、特定されたインスリン戦略に対する患者のコンプライアンスを定量化するように構成されたコンプライアンススコア付与器と、特定されたインスリン戦略の最適化を実行するように構成された、特定された行動内のインスリン戦略最適化器と、を備える。糖尿病データは、インスリンデータおよび食事データを含む。インスリン戦略特定器は、投薬のパターンを特定し、それに基づいて患者の特定されたインスリン戦略を特徴付けるように構成されている。インスリン戦略は、患者が糖尿病管理に適用する行動方法論であり、インスリンポンプの使用のタイプ、毎日の複数回の注射、または2型治療のうちの少なくとも1つを含む。コンプライアンススコア付与器は、特定されたインスリン戦略に対する患者のコンプライアンスの程度について計算されたスコアを生成するように構成されている。特定された行動内のインスリン戦略最適化器は、選択された治療ゾーンまたはゾーングループの戦略のパラメータに対する変化率(%)を反復的に提案するように構成されている。出力は、最適化されたインスリン戦略パラメータを含む。治療特定器最適化器レポート生成器は、候補治療の変更をユーザに出力するように構成されている。ユーザは、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。
【0151】
一実装態様では、システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを受信することと、グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つを使用して、治療改善の機会を特定することと、患者のインスリン投与戦略を特定することと、患者のコンプライアンスのためのインスリン投与戦略のスコアを付与することと、インスリン投与戦略の最適化を実行することと、最適化されたインスリン戦略パラメータを含む出力をユーザに提供することと、をシステムに行わせる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0152】
実装態様は、次の特徴のうちの一部またはすべてを含み得る。他の糖尿病関連データは、食事情報、食事の特定、食事のタイミング、食事のサイズ、炭水化物の推定値、組成情報、または運動情報のうちの少なくとも1つを含む。グルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つは、患者または接続されたシステムもしくはデバイスのうちの少なくとも1つから受信される。治療改善の機会を特定することは、食事時間、時刻、またはパラメータ設定のうちの少なくとも1つのユーザ選択を受信することを含む。パラメータ設定は、炭水化物比である。インスリン投与戦略は、患者のグルコースデータ、インスリンデータ、または他の糖尿病関連データのうちの少なくとも1つから決定されるように、実際に患者によって実施されている糖尿病管理またはインスリン戦略を含む。インスリン投与戦略の最適化を実行することにより、患者が既知のインスリン戦略を順守しているかどうかが判定され、特定されたインスリン戦略のパラメータに対する変化率(%)の影響が分析される。ユーザは、臨床医、患者、または接続されたデバイスもしくはシステムのうちの少なくとも1つである。出力は、候補の変更および最適化されたリスク転帰を記述するために自然言語プロセッサによって提供される。出力を提供することは、最適化されたインスリン戦略パラメータをユーザインターフェースもしくは接続されたデバイスに示すグラフの形態で出力を提供することを含む。接続されたデバイスは、ボーラス計算機を備える。
【0153】
本明細書で説明される様々な技術は、ハードウェアコンポーネントまたはソフトウェアコンポーネントに関連して、または適切な場合には、両方の組み合わせで実装され得ることが理解されるべきである。使用されることができるハードウェアコンポーネントの実例となるタイプには、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)などを含む。現在開示されている主題の方法および装置、またはその特定の態様もしくは部分は、フロッピーディスク、CD-ROM、ハードドライブ、またはプログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされて実行されると、機械は現在開示されている主題を実践するための装置になる、任意の他の機械可読記憶媒体などの有形的表現媒体に具体化されたプログラムコード(すなわち、命令)の形態を採り得る。
【0154】
例示的な実装態様では、1つ以上のスタンドアロンコンピュータシステムのコンテキストで現在開示されている主題の態様を利用することに言及している場合があるが、主題はそのように限定されるものではなく、むしろ、ネットワークまたは分散コンピューティング環境などの任意のコンピューティング環境に関連して実装され得る。なおさらに、現在開示されている主題の態様は、複数の処理チップまたはデバイス内で、またはそれらにわたって実装され得、記憶装置は、同様に複数のデバイスにわたって実装され得る。このようなデバイスとしては、例えば、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ、およびハンドヘルドデバイスが挙げられ得る。
【0155】
構造的特徴および/または方法論的行為に特化した言葉で主題を説明してきたが、添付の請求項で定義される主題は、必ずしも上述の特定の特徴または行為に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴および行為は、請求項を実装する例示的な形態として開示されている。
【符号の説明】
【0156】
100 本発明の実施形態の高レベル機能ブロック図
110 インスリンデバイス
120 グルコースモニタ
130 プロセッサ
140 患者
150 活動モニタ
160 スマートフォン
205 血糖データ
210 治療ゾーン特定器
220 血糖リスクプロファイル化器
230 治療ゾーン鑑定器
240 ゾーン重要性定量化器
250 治療ゾーンレポート生成器
260 出力
300 血糖転帰を改善する可能性のある治療ゾーンを特定する方法
400 1型糖尿病を有する1人の患者からの24時間の時間ウィンドウに重ねられた複数日のCGMデータの一例
500 血糖リスク定量化器に基づく単一症状別リスクプロファイルの一例
510 リスクプロファイル
520 リスク定量化
600 特定された治療ゾーンの一例
705 相関グルコースおよびインスリンデータ
707 治療改善特定器
709 治療改善
710 相対インスリン最適化器
720 変更提案器
730 影響鑑定器
740 改善定量化器
750 相対インスリン最適化器レポート生成器
760 出力
800 患者の候補インスリン治療の変更を選択し、鑑定し、影響を与える方法
900 ある期間にわたる患者のグルコースおよびインスリンデータ
950 ある期間にわたる患者のグルコースおよびインスリンデータ
1000 24時間ごとに重ねられたすべてのCGMデータの視覚化を示すプロット
1100 時刻の関数としてのCGMおよびインスリンデータの信頼性を示すグラフ
1200 ある時間ウィンドウにわたる患者のリスクプロファイルを示すチャート
1210 ゼロ線より上の領域
1220 ゼロ線より下の領域
1300 実行可能なリスクおよび実行不可能なリスク
1350 実行可能なリスクおよび実行不可能なリスク
1400 血糖リスクプロファイルおよび対応する治療ゾーン
1410 リスクプロファイル
1420 対応する治療ゾーン
1505 相関グルコースおよびインスリンデータ
1507 治療改善特定器
1509 治療改善
1510 インスリン戦略最適化器
1520 インスリン戦略(行動)特定器
1530 コンプライアンススコア付与器
1540 特定された行動内のインスリン戦略最適化器
1550 治療特定器最適化器レポート生成器
1560 出力
1600 患者のインスリン戦略を特定、スコア付与、および最適化する方法
1700 患者の10日間のCGMデータ
1710 午前中の低血糖症および1日の有意なリバウンドを伴う1つの外れ値日
1720 夜間の低血糖症の体系的なパターン
1800 10日間のCGMデータの分析から出力されたリスクプロファイル関数
1810 高血糖症リスクが高まっていることを示す一晩の高血糖症への一貫した曝露
1820 日中の低血糖症へのある程度の曝露
1900 過去データからのリスクプロファイルとリプレイシミュレーションからのリスクプロファイルとの比較
1950 過去データからのリスクプロファイルとリプレイシミュレーションからのリスクプロファイルとの比較
2000 リプレイからのリスクプロファイル
2100 2つの高血糖症リスクプロファイルを示すチャート
2120 2つの高血糖症リスクプロファイル
2200 2つの対応する高血糖治療ゾーンを示すチャート
2220 2つの対応する高血糖治療ゾーン
2300 最適化されたボーラスおよび基礎パラメータ
2400 例示的なリスクプロファイル
2500 例示的なリスクプロファイル
2550 例示的なリスクプロファイル
2600 コンピューティングデバイス
2602 処理装置
2604 メモリ
2606 本実施例の最も基本的な構成
2608 取り外し可能な記憶装置
2610 取り外し不可能な記憶装置
2612 通信接続
2614 入力デバイス
2616 出力デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【国際調査報告】