IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライカム・ドライブライン・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータの特許一覧

<>
  • 特表-二輪車両用油圧式ブレーキ分配器 図1
  • 特表-二輪車両用油圧式ブレーキ分配器 図2
  • 特表-二輪車両用油圧式ブレーキ分配器 図3
  • 特表-二輪車両用油圧式ブレーキ分配器 図4
  • 特表-二輪車両用油圧式ブレーキ分配器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】二輪車両用油圧式ブレーキ分配器
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/26 20060101AFI20230216BHJP
   B62L 3/08 20060101ALI20230216BHJP
   B60T 11/12 20060101ALI20230216BHJP
   F16J 15/3236 20160101ALI20230216BHJP
   F16J 15/3204 20160101ALI20230216BHJP
【FI】
B60T8/26 K
B62L3/08
B60T11/12
F16J15/3236
F16J15/3204 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538164
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2020062295
(87)【国際公開番号】W WO2021124310
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】102019000025105
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522243484
【氏名又は名称】ライカム・ドライブライン・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】RAICAM DRIVELINE S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ボナルド,サンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャッカルディ,マッテオ
【テーマコード(参考)】
3D047
3J006
【Fターム(参考)】
3D047AA01
3D047BB45
3D047BB48
3D047DD03
3D047GG01
3D047GG06
3D047KK03
3J006AB01
3J006AE22
3J006AE49
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】二輪車両用油圧式ブレーキ分配器であって、軸方向に移動自在で相互に伸縮自在に結合された2つの可動ピストンバルブ要素(30、40)を収容する内部キャビティ(12)を形成する外側本体(11)を備える。2つのピストンバルブ要素のうちの一方(30)は、内部スルーチャネル(31)を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車両用油圧式ブレーキ分配器(10)であって、
前記車両の第1ブレーキ制御に油圧で接続可能な少なくとも1つの第1インレット(14)と、
前記車両の第2ブレーキ制御に油圧で接続可能な少なくとも1つの第2インレット(15)と、
前記車両のフロントブレーキに油圧で接続可能な少なくとも1つの第1アウトレット(18)と、
前記車両のリアブレーキに油圧で接続可能な少なくとも1つの第2アウトレット(19)と、
軸方向に延び、2つの対向する軸方向端を画定する内部キャビティ(12)と、
を形成する外側本体(11)と、
伸縮自在かつ摺動自在に相互に接続され、前記内部キャビティ(12)内で軸方向に移動自在な第1可動ピストンバルブ要素および第2可動ピストンバルブ要素(30、40)であって、
軸方向に延びる内部スルーチャネル(31)と、その一端の円筒形シート(34)であって、前記内部チャネル(31)と連通し、前記第2ピストンバルブ要素(40)に向かって開口した円筒形シート(34)とを有する前記第1ピストンバルブ要素(30)、及び、
前記第1ピストンバルブ要素(30)の前記円筒形シート(34)に摺動自在に密封して係合する端部(41)を有し、この前記円筒形シート(34)とともに軸方向に拡張可能な油圧チャンバ(44)を画定する前記第2ピストンバルブ要素(40)と、
前記第1ピストンバルブ要素(30)を前記第2ピストンバルブ要素(40)に向かって、かつ前記内部キャビティ(12)の第1軸方向端から離れるように軸方向に付勢する第1弾性要素(50)、及び、前記第2ピストンバルブ要素(40)を前記第1ピストンバルブ要素(40)に向かって、かつ前記内部キャビティ(12)の第2軸方向端から離れるように軸方向に付勢する第2弾性要素(51)と、
前記第1ピストンバルブ要素(30)に取り付けられ、前記内部キャビティ(12)の第1円筒形セクション(12a)に対して摺動接触して係合する、軸方向に間隔を置いた第1の対のシーリングガスケット(36、37)と、
前記第2ピストンバルブ要素(40)に取り付けられ、前記内部キャビティ(12)の第2円筒形セクション(12b)に対して摺動接触で係合する、軸方向に間隔を置いた第2の対のシーリングガスケット(43、45)と、
前記内部キャビティ(12)内に画定された、2つの非連通油圧チャンバ(48、49)であって、
前記第1インレット(14)および前記第1アウトレット(18)と連通し、前記内部キャビティ(12)の前記第1セクション(12a)および前記第1ピストンバルブ要素(30)によって区画され、前記内部チャネル(31)を通じて軸方向に拡張可能な油圧チャンバ(44)と連通する第1油圧チャンバ(48)、及び、
前記第2インレット(15)および前記第2アウトレット(19)と連通し、前記内部キャビティ(12)の前記第2セクション(12b)および前記第2ピストンバルブ要素(40)によって区画される、第2油圧チャンバ(49)と、
を備える、二輪車両用の油圧式ブレーキ分配器(10)。
【請求項2】
前記内部キャビティ(12)の前記第1円筒形セクション(12a)は、前記内部キャビティの前記第2円筒形セクション(12b)よりも大径である、請求項1に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項3】
前記内部キャビティ(12)が、前記第1円筒形セクション(12a)および前記第2円筒形セクション(12b)の間に径方向のショルダ(12c)を含んでいる、請求項2に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項4】
前記大径の円筒形キャビティセクション(12a)が、プラグ(13)によって閉じられた前記本体(11)の端開口(23)を形成する、請求項1、2または3に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項5】
前記第1ピストンバルブ要素(30)上の前記第1の対のシーリングガスケット(36、37)は、
前記第2ピストンバルブ要素(40)に面する前記第1ピストンバルブ要素(30)の端に隣接して取り付けられた第1シールガスケット(36)と、
前記内部キャビティ(12)の第1軸方向端に向かって前記第1シーリングガスケット(36)から軸方向に間隔をあけられ、前記内部キャビティ(12)の前記第1軸方向端に向かって径方向外側へ広がる柔軟な円錐形リップ(39)を有する第2シーリングガスケット(37)と、
を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項6】
前記第1シールガスケット(36)は、Oリングシールガスケットである、請求項5に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項7】
前記第1ピストンバルブ要素(30)は、
前記円筒形シート(34)を提供する円筒形カップの形をした大径部分(32)と、
前記内部チャネル(31)が形成されるシャンク部分(33)と、
を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項8】
前記第2ピストンバルブ要素(40)上の前記第2の対のシールガスケット(43、45)は、
前記第1ピストンバルブ要素(30)に近い第1シーリングガスケット(43)と)、
前記内部キャビティ(12)の前記第2軸方向端に向かって前記第1シーリングガスケット(43)から軸方向に間隔をあけられ、前記内部キャビティ(12)の前記第2軸方向端に向かって径方向外側で広がる柔軟な円錐形リップ(47)を有する第2シーリングガスケット(45)と、
を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項9】
前記第1シールガスケット(43)は、Oリングシールガスケットである、請求項8に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項10】
前記分配器の動作を選択的に遮断するためのロック機構を備え、
前記機構は、
横方向に調整可能なロック要素(60)を含み、
前記ピストンバルブ要素(30、40)から径方向に間隔をあけて配置された非係合位置と、前記ピストンバルブ要素(30、40)の一方(40)の径方向凹部(61)内の径方向係合位置と、を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項11】
前記径方向凹部(61)は、環状溝として形成されている、請求項10に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項12】
シールガスケット(42)は、前記第1ピストンバルブ要素(30)における前記円筒形シート(34)に摺動可能に係合するために、前記第2ピストンバルブ要素(40)の端部(41)に取り付けられている、請求項1~11のいずれか1項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項13】
前記径方向凹部(61)は、
ブレーキ液が到達しない乾燥領域で、前記第2ピストンバルブ要素(40)上に配置され、
前記第1ピストンバルブ要素(30)の前記シーリングガスケット(36、37)、及び、前記円筒形シート(34)の前記シーリングガスケット(42)のうちの一方と、
反対側の前記第2ピストンバルブ要素(40)の前記シーリングガスケット(43、45)と、
の間に配置されている、請求項10、11若しくは12に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自転車、オートバイ、スクーターなど、複合ブレーキの利点を受けることができる二輪車両用の油圧式ブレーキ分配器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車両用のブレーキシステムとして、前輪と後輪とに同時にブレーキ力(制動力)を配分できるコンバインド(またはインテグラル)ブレーキが知られている。コンバインドブレーキシステムでは、フロントブレーキとリアブレーキとの動作を2つの分離したコントロールに割り当てる代わりに、1つのコントロールでフロントブレーキとリアブレーキとを同時に作動させる。
【0003】
特許公報CN102582759Bには、ブレーキ液のための2つのインレットと2つのアウトレットからなる外側本体を有する油圧式ブレーキ分配器からなるコンバインドブレーキシステム(又はインテグラルブレーキシステム)が開示されている。2つのインレットのそれぞれは、関連するブレーキ制御と作動式に関連しており、2つの出口はそれぞれ、前輪のブレーキと後輪のブレーキに流体連通して接続されている。アクチュエータ本体の内部には円筒形のキャビティが形成されており、このキャビティはアウトレットとインレットとに連通している。円筒形キャビティの内壁に作用するシーリングガスケットを備えたシングルピストンバルブ要素が、円筒形キャビティ内で軸方向に移動自在である。2つのブレーキ制御のうち第1ブレーキ制御を作動させると、バルブ要素が動き、その結果、フロントブレーキとリアブレーキとの両方に同時にブレーキ液が流れる。第2ブレーキ制御の作動により、ブレーキ液はフロントまたはリアのどちらか一方のブレーキにのみ流れる。
【0004】
特許文献CN102745293Aには、ブレーキ液のための2つのアウトレットと2つのインレットと連通する円筒形のキャビティを形成する外側本体を有する油圧式ブレーキ分配器を備えるコンバインドブレーキシステムが開示されている。円筒形のキャビティ内には、キャビティ内で軸方向に整列して、かつ軸方向に移動自在な2つの独立したバルブ要素が、軸方向に移動自在に取り付けられている。バルブ要素は、円筒形キャビティの内壁に作用するシーリングガスケットを備えている。2つのブレーキ制御のうち第1ブレーキ制御を作動させると、2つのピストンバルブ要素の間の中間位置に配置されたインレットからブレーキ液が円筒形キャビティに流れ込む。第1ブレーキ制御の作動により、両方のピストンバルブが移動し、その結果、フロントブレーキとリアブレーキの両方に向けて同時にブレーキ液が流れる。第2ブレーキ制御の作動により、ブレーキ液はフロントまたはリアのどちらか一方のブレーキにのみ流れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、どちらのブレーキ制御が作動しても、二輪車両の前輪と後輪の両方に同時にコンバインドブレーキをかけることができる油圧式分配器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下においてよりよく理解される、前述の目的及び利点、かつ他の目的および利点は、本発明の一態様によれば、請求項1において定義される特徴を有する油圧式ブレーキ分配器によって達成される。分配器の好ましい実施形態は、従属請求項に定義される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
次に、本発明による油圧式ブレーキ分配器の好ましい、しかし非限定的ないくつかの実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1図1は、3つの異なる動作位置にあるブレーキ分配器の概略縦断面図である。
図2図2は、3つの異なる動作位置にあるブレーキ分配器の概略縦断面図である。
図3図3は、3つの異なる動作位置にあるブレーキ分配器の概略縦断面図である。
図4図4は、図1~3と直交する断面に沿って見た、分配器の代替実施形態の概略軸方向断面図であり、ロック解除状態を示している。
図5図5は、図1~3と直交する断面に沿って見た、分配器の代替実施形態の概略軸方向断面図で、ロック状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1図3を最初に参照すると、参照符号11は、全体として、二輪車両の複合ブレーキシステムのための油圧式分配器10の外側本体を示す。本体11は、中央の長手方向軸xを規定し、本明細書では長手方向または軸方向として定義される方向に延びる内部キャビティ12を有する。本明細書で使用する場合、「長手方向」または「軸方向」および「横方向」または「径方向」などの方向を示す用語および表現は、分配器の本体の長手方向軸xを指すと解釈されるべきである。
【0009】
内部キャビティ12には、軸方向に移動自在な2つのピストンバルブ要素30,40が収容されている。2つのピストンバルブ要素30,40は、軸方向に伸縮自在に摺動できるように、可動して相互に接続している。伸縮自在の接続の結果、第1ピストンバルブ要素30は、外側管状ピストンバルブ要素として定義することもでき、一方、第2ピストンバルブ要素40は、内部ピストンバルブ要素として定義することもできる。
【0010】
全体として、本体11は、通常、円筒形の形状を有していてもよく、軸方向に延び、2つの対向する軸方向端、この場合、図を参照して左側端および右側端として定義される軸方向端を有する。構造上の理由から、本体11は、横壁22によって閉じられた軸方向端(図では右側)と、プラグ13によって気密に密閉された開口23を有する反対側の軸方向端(左側)と、を有する実質的に管状の形状を有する本体によって好適に構成される。
【0011】
本体11は、車両の第1ブレーキ制御(図示せず)に油圧接続自在な第1インレット14と、車両の第2ブレーキ制御(図示せず)に油圧接続自在な少なくとも1つの第2インレット15と、を備えている。第1インレット14は、少なくとも1つのインレットホールとインレットコネクタ16とを備える。例えば同じ径方向平面(図1の図面に垂直な方向)にある、より多くのインレットホール14が、1つの単一のコネクタに接続されて設けられてもよい。同様に、第2インレット15は、1つ以上のインレットホールとインレットコネクタ17とを備える。
【0012】
また、本体11には、車両のフロントブレーキ(図示せず)に油圧接続自在な第1アウトレット18と、車両のリアブレーキ(図示せず)に油圧接続自在な第2アウトレット19と、が形成されている。参照符号20、21は、それぞれのアウトレットホール18、19のコネクタを示す。一般的に、インレット14,15にブレーキ液を送るブレーキ制御は、二輪車両のハンドルバーに配置された手動操作レバーであってもよいし、ペダル操作であってもよい。ブレーキ制御の具体的な種類や二輪車両への配置は、本発明の実施のための限定的な態様とはみなされない。
【0013】
分配器の本体11の内部は、2つの非連通の油圧チャンバ48、49を画定する。第1の油圧チャンバ48は、第1インレット14及び第1アウトレット18と連通し、内部キャビティ12の第1セクション12a及び第1ピストンバルブ要素30によって区画される。第2油圧チャンバ49は、第2インレット15および第2アウトレット19と連通し、内部キャビティ12の第2セクション12bと第2ピストンバルブ要素40とによって区画されている。
【0014】
実施形態によれば、内部キャビティ12は、大径を有するキャビティセクション12aと、小径を有するキャビティセクション12bと、を有する。キャビティセクション12a及びキャビティセクション12bの間には、径方向のショルダ12cが設けられている。
【0015】
組立の理由から、大径を有するキャビティセクション12aは、好ましくはプラグ13を受け入れる本体11の左側端開口23を形成し、小径を有するキャビティセクション12bは、左側端開口23と反対の端(右側)で背面横壁22を形成する。
【0016】
ピストンバルブ要素30は、大径を有するキャビティセクション12aに摺動自在に装着され、軸方向に延びる内部スルーチャンネル31を有している。ピストンバルブ要素30は、大径を有するキャビティセクション12aに摺動可能に係合し、この例では円筒形のカップ部を形成する大径部分32を形成し、プラグ13に対向するシャンク部33を形成している。
【0017】
内部チャネル31は、ピストンバルブ要素40の端部またはヘッド41を部分的に収容するために開口し、大径部分32に円筒形シート34を形成する。
【0018】
ピストンバルブ要素30には、大径を有するキャビティセクション12aの円筒面に対して摺動するように、2つの摺動接触型シールガスケット36,37が取付けられている。
【0019】
ピストンバルブ要素30の大径部分31には、第1の摺動接触型シールガスケット36が装着されている。ガスケット36は、好ましくは、ピストンバルブ要素40に面するピストンバルブ要素30の端に近接して、ピストンバルブ要素30上の環状溝38に収容された静的ガスケット、例えば、Oリングガスケットである。
【0020】
第2の摺動接触型シールガスケット37は、第1のシールガスケット36から軸方向に間隔をあけて、キャビティの左側端に近い位置にあるように、ピストンバルブ要素30に取り付けられている。シールガスケット37は、キャビティ12の左側端に向かって径方向外側に広がる柔軟な円錐形リップ39を有する。
【0021】
ピストンバルブ要素30と、アクチュエータ10の本体、この例では本体のプラグと、の間には、ピストンバルブ要素30をキャビティ12の反対側の端に向けて、かつピストンバルブ要素40に向けて軸方向に付勢するために、弾性コントラスト要素50が配置されている。弾性要素50は、好ましくは、ピストンバルブ要素30のシャンク部分33に取り付けられた、螺旋状圧縮ばねの形態である。
【0022】
ピストンバルブ要素30は、キャビティセクション12aの内部で、弾性要素50が伸長してピストンバルブ要素30がショルダ12cに突き当たるパッシブ位置(図2)と、スプリングが弾性的に圧縮されてピストンバルブ要素30が本体11の左側後壁、特にプラグ13に突き当たるアクティブ位置(図3)と、の間で軸方向に移動自在である。図1は、ピストンバルブ要素30が上述の2つの反対側のパッシブ位置とアクティブ位置との間の中間平衡位置にある非制動状況を示している。
【0023】
ピストンバルブ要素40は、小径を有するキャビティセクション12bに摺動自在に取り付けられ、端部分またはヘッド41は、ヘッド41が円筒形シート34に密封可能に収容されることができるように実質的に十分な形状および寸法が決定される。端ヘッド41と円筒形シート34とは、好ましくは、対応して実質的に一致した形状及び寸法を有する。シーリングガスケット42は、円筒形シート34と摺動自在に係合するために、ヘッド部分41に取り付けられている。
【0024】
第2ピストンバルブ要素の端部分41と第1ピストンバルブ要素の円筒形シート34とは、共に、第1油圧チャンバ48と連通する軸方向に拡張可能な油圧チャンバ44を画定する。
【0025】
第2ピストンバルブ要素40には、小径を有するキャビティセクション12bの円筒面に対して摺動するように、2つの摺動接触型シールガスケット43,45が装着されている。第1摺動接触シールガスケット43、好ましくは、静的Oリングガスケットは、ピストンバルブ要素40上の環状溝46に収容される。
【0026】
第2摺動接触型シールガスケット45は、第1シールガスケット43から軸方向に間隔をあけて、内部キャビティ12の右側端に近い位置にあるように、ピストンバルブ要素40に取り付けられている。シールガスケット45は、内部キャビティ12の右側端に向かって径方向外側に広がる柔軟な円錐形リップ47を有している。
【0027】
ピストンバルブ要素40と、アクチュエータ10の本体、この例では背面横壁22と、の間には、ピストンバルブ要素40をキャビティ12の反対側の端に向かって、かつ第1ピストンバルブ要素30に向かって軸方向に付勢するために、弾性コントラスト要素51が配置される。弾性要素51は、好ましくは、第2ピストンバルブ要素40に取り付けられた、らせん状の圧縮ばねの形態である。
【0028】
第2ピストンバルブ要素40は、キャビティセクション12bの内部で、ばね51が伸長し、第2ピストンバルブ要素40が第1ピストンバルブ要素30に突き当たる(その結果、端子プラグ13に突き当たる)パッシブ位置(図3)と、ばね51が圧縮されてピストンバルブ要素40が本体11の右側背面横壁22に突き当たるアクティブ位置(図2)と、の間で軸方向に移動自在である。
【0029】
上記ブレーキ分配器の動作は以下の通りである。ブレーキ分配器を組み込んだ二輪車両が移動中、車両にブレーキがかかっていないとき、分配器は図1に示す状態にある。
【0030】
非制動状態(図1)において、ピストンバルブ要素30及びピストンバルブ要素40は、上述した2つの対向するパッシブ位置とアクティブ位置との間の中間平衡位置にある。非制動状態において、2つのスプリング50,51は、互いに対して平衡状態にあり、ピストンバルブ要素30,40を互いに対して1つだけ付勢した状態に保つ。軸方向に拡張可能な油圧チャンバ44は、最小の容積を有する。
【0031】
例えば車両のハンドルバーに取り付けられ、ブレーキポンプ(図示せず)に関連付けられたブレーキの第1手動制御レバー(図示せず)を作動させることによって、第1ブレーキ制御に与えられたコマンドの結果、ブレーキ液は第1インレット14(図2)から第1油圧チャンバ48に導入される。
【0032】
ブレーキ液がインレット14から入ると、第1油圧チャンバ48に入ったブレーキ液の一部は、当該チャンバを通過してアウトレット18から直接出て、リアブレーキを作動させる。第1油圧チャンバ48内の圧力が上昇すると、第1ピストンバルブ要素30は右に移動し、ショルダ12cに突き当たる。同時に、第1油圧チャンバ48内のブレーキ液の一部が内部チャンネル31を通過して円筒形シート34に到達し、膨張式油圧チャンバ44を拡張させ、第2ピストンバルブ要素40を右に移動させる。2つのピストンバルブ要素30,40の間に作用するガスケット42は、フロントブレーキの回路内のブレーキ液とリアブレーキの回路内のブレーキ液とが混ざり合うことを防止する。第2ピストンバルブ要素40の右への移動により、第2油圧チャンバ49に存在するブレーキ液の圧力が上昇し、その結果、アウトレット19からリアブレーキに向かってブレーキ液が流れる。右に移動することにより、第2ピストンバルブ要素40がガスケット47をインレット15よりもさらに右の位置に運び、ブレーキ液が第2油圧チャンバ49のインレット15に逆流することを防止できる。
【0033】
第2ブレーキ制御を作動させることにより、例えば、車両のハンドルバーに取り付けられ、ブレーキポンプ(図示せず)に関連付けられたブレーキの第2手動制御レバー(図示せず)を作動させることにより、第2インレット15から第2油圧チャンバ49にブレーキ液が導入される(図3)。
【0034】
ブレーキ液がインレット15(図3)から到達すると、第2油圧チャンバ49に入ったブレーキ液の一部が当該チャンバを通過してアウトレット19から直接出ることにより、フロントブレーキを作動させる。第2油圧チャンバ内のブレーキ液の圧力が上昇する。第2ピストンバルブ要素40が左に移動し、それによって第1ピストンバルブ要素30も左方に押される。第1ピストンバルブ要素30が左に移動することにより、ガスケット37がインレット14よりも左に位置するようになり、第1油圧チャンバ48のインレット14へのブレーキ液の逆流を防止することができる。
【0035】
第1ブレーキ制御と第2ブレーキ制御とが共に作動した場合、インレット14、15からのブレーキ液の2つの流れは、それぞれのチャンバ48、49を通り、それぞれのアウトレット18、19に向かって出てくるが、これは実質的に非コンバインドブレーキシステムの従来の設計に従ったものである。図1に示す構成では、2つのピストンバルブ要素30、40は実質的に平衡状態にある。
【0036】
他の制御が既に作動しているときに2つのブレーキ制御の一方が作動した場合、第2制御の作動に起因するブレーキ液の流れは、ガスケット37及び45の可撓性によって可能となる。例えば、ピストンバルブ要素30,40が右に移動した位置(図2)にあるときにブレーキ液の流れを制御する場合、ホール15からのブレーキ液の導入は、半径外側方向および軸外側方向、すなわちガスケット47が配置されるキャビティの端に向かって傾斜しているガスケット45の円錐形リップ47の可撓性によって可能となる。第2ピストンバルブ要素40は、実際には、インレット15が静的ガスケット43と可撓性リップ47を有するシールガスケット45との間に配置されるような位置に配置されている。また、あるブレーキ制御によって送られるブレーキ液の圧力が、他の制御によって同時に送られるブレーキ液の圧力より大きい場合も、同様の挙動を示す。例えば、第2油圧チャンバ49に到達した流体の圧力が第1油圧チャンバ48の圧力よりも大きければ、2つのピストンバルブ要素30,40が共に左に移動し、それによってガスケット37のリップ39の可撓性の結果として、流体が両方のリアブレーキに流れるようにする。
【0037】
前輪と後輪との間の制動力の配分は、異なる強度の弾性要素50、51を選択することによって、および/または、油圧チャンバ48、49の直径、すなわちその断面積を適切に寸法設定することによって変化させることができる。例えば、同じ量のブレーキ液を導入しても、1つの油圧チャンバの直径を小さくすると、油圧チャンバの断面積が小さくなるため、ピストンの直線運動が大きくなり、推力が弱くなる。
【0038】
いくつかの実施形態では、コンバインドブレーキが望まれない場合に、分配器の動作を選択的に切り離すために、分配器にロック機構を任意に設けることができる。図4及び図5の例を参照すると、ピストンバルブ要素30、40の長手方向又は軸方向の動きに対して径方向に延びるラッチロック要素60が、分配器の本体11に、実質的に中心軸の位置に取り付けられている。ラッチロック要素60は、第2ピストンバルブ要素40の(好ましくは環状の)径方向の凹部61に係合し、それによってその軸方向移動をロックするために、径方向さらに内側にある位置またはアクチュエータの中心長手方向軸に近い位置に移動することができる。ロック位置(図5)では、油圧チャンバ48、49の両方のインレット14、15は、非コンバインドブレーキ配置に従って、それぞれのアウトレット18、19と直接流体連通している。
【0039】
実施形態によれば、ラッチロック要素60の径方向の移動は、ノブ62によって制御されてもよい。
【0040】
径方向のロック凹部61は、有利には、シーリングガスケット43とシーリングガスケット36との間のゾーンに、フロントおよびリアブレーキ回路のブレーキ液が到達しなくてもよいドライゾーンに配置されている。
【0041】
ブレーキ分配器の様々な態様および実施形態について説明してきたが、各実施形態は他の任意の実施形態と組み合わせることができることが理解される。さらに、実施形態および構造の詳細は、純粋に非限定的な例として説明および図示されたものに関して、それによって添付の請求項で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、広く変形させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
第1ピストンバルブ要素30の大径部分32には、第1の摺動接触型シールガスケット36が装着されている。ガスケット36は、好ましくは、第2ピストンバルブ要素40に面する第1ピストンバルブ要素30の端に近接して、第1ピストンバルブ要素30上の環状溝38に収容された静的ガスケット、例えば、Oリングガスケットである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
ピストンバルブ要素30と、油圧式分配器10の本体、この例では本体のプラグと、の間には、第1ピストンバルブ要素30を内部キャビティ12の反対側の端に向けて、第2ピストンバルブ要素40に向けて軸方向に付勢するために、弾性コントラスト要素50が配置されている。弾性要素50は、好ましくは、第1ピストンバルブ要素30のシャンク部分33に取り付けられた、螺旋状圧縮ばねの形態である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
第2ピストンバルブ要素40と、油圧式分配器10の本体、この例では背面横壁22と、の間には、第2ピストンバルブ要素40を内部キャビティ12の反対側の端に向かって、かつ第1ピストンバルブ要素30に向かって軸方向に付勢するために、弾性コントラスト要素51が配置される。弾性要素51は、好ましくは、第2ピストンバルブ要素40に取り付けられた、らせん状の圧縮ばねの形態である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
いくつかの実施形態では、コンバインドブレーキが望まれない場合に、油圧式分配器の動作を選択的に切り離すために、油圧式分配器にロック機構を任意に設けることができる。図4及び図5の例を参照すると、ピストンバルブ要素30、40の長手方向又は軸方向の動きに対して径方向に延びるラッチロック要素60が、油圧式分配器の本体11に、実質的に中心軸の位置に取り付けられている。ラッチロック要素60は、第2ピストンバルブ要素40の(好ましくは環状の)径方向の凹部61に係合し、それによってその軸方向移動をロックするために、径方向さらに内側にある位置または油圧式分配器の中心長手方向軸に近い位置に移動することができる。ロック位置(図5)では、油圧チャンバ48、49の両方のインレット14、15は、非コンバインドブレーキ配置に従って、それぞれのアウトレット18、19と直接流体連通している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車両用油圧式ブレーキ分配器(10)であって、
前記車両の第1ブレーキ制御に油圧で接続可能な少なくとも1つの第1インレット(14)と、
前記車両の第2ブレーキ制御に油圧で接続可能な少なくとも1つの第2インレット(15)と、
前記車両のフロントブレーキに油圧で接続可能な少なくとも1つの第1アウトレット(18)と、
前記車両のリアブレーキに油圧で接続可能な少なくとも1つの第2アウトレット(19)と、
軸方向に延び、2つの対向する軸方向端を画定する内部キャビティ(12)と、
を形成する外側本体(11)と、
伸縮自在かつ摺動自在に相互に接続され、前記内部キャビティ(12)内で軸方向に移動自在な第1可動ピストンバルブ要素および第2可動ピストンバルブ要素(30、40)であって、
軸方向に延びる内部スルーチャネル(31)と、その一端の円筒形シート(34)であって、前記軸方向に延びる内部スルーチャネル(31)と連通し、前記第2ピストンバルブ要素(40)に向かって開口した円筒形シート(34)とを有する前記第1ピストンバルブ要素(30)、及び、
前記第1ピストンバルブ要素(30)の前記円筒形シート(34)に摺動自在に密封して係合する端部(41)を有し、この前記円筒形シート(34)とともに軸方向に拡張可能な油圧チャンバ(44)を画定する前記第2ピストンバルブ要素(40)と、
前記第1ピストンバルブ要素(30)を前記第2ピストンバルブ要素(40)に向かって、かつ前記内部キャビティ(12)の第1軸方向端から離れるように軸方向に付勢する第1弾性要素(50)、及び、前記第2ピストンバルブ要素(40)を前記第1ピストンバルブ要素(30)に向かって、かつ前記内部キャビティ(12)の第2軸方向端から離れるように軸方向に付勢する第2弾性要素(51)と、
前記第1ピストンバルブ要素(30)に取り付けられ、前記内部キャビティ(12)の第1円筒形セクション(12a)に対して摺動接触して係合する、軸方向に間隔を置いた第1の対のシーリングガスケット(36、37)と、
前記第2ピストンバルブ要素(40)に取り付けられ、前記内部キャビティ(12)の第2円筒形セクション(12b)に対して摺動接触で係合する、軸方向に間隔を置いた第2の対のシーリングガスケット(43、45)と、
前記内部キャビティ(12)内に画定された、2つの非連通油圧チャンバ(48、49)であって、
前記少なくとも1つの第1インレット(14)および前記少なくとも1つの第1アウトレット(18)と連通し、前記内部キャビティ(12)の前記第1セクション(12a)および前記第1ピストンバルブ要素(30)によって区画され、前記軸方向に延びる内部スルーチャネル(31)を通じて軸方向に拡張可能な油圧チャンバ(44)と連通する第1油圧チャンバ(48)、及び、
前記少なくとも1つの第2インレット(15)および前記少なくとも1つの第2アウトレットと連通し、前記内部キャビティの前記第2円筒形セクション(12b)および前記第2ピストンバルブ要素(40)によって区画される、第2油圧チャンバ(49)と、
を備える、二輪車両用の油圧式ブレーキ分配器(10)。
【請求項2】
前記内部キャビティ(12)の前記第1円筒形セクション(12a)は、前記内部キャビティの前記第2円筒形セクション(12b)よりも大径である、請求項1に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項3】
前記内部キャビティ(12)が、前記第1円筒形セクション(12a)および前記第2円筒形セクション(12b)の間に径方向のショルダ(12c)を含んでいる、請求項2に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項4】
前記大径の第1円筒形セクション(12a)が、プラグ(13)によって閉じられた前記外側本体(11)の端開口(23)を形成する、請求項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項5】
前記第1ピストンバルブ要素(30)上の前記第1の対のシーリングガスケット(36、37)は、
前記第2ピストンバルブ要素(40)に面する前記第1ピストンバルブ要素(30)の端に隣接して取り付けられた第1シールガスケット(36)と、
前記内部キャビティ(12)の第1軸方向端に向かって前記第1シーリングガスケット(36)から軸方向に間隔をあけられ、前記内部キャビティ(12)の前記第1軸方向端に向かって径方向外側へ広がる柔軟な円錐形リップ(39)を有する第2シーリングガスケット(37)と、
を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項6】
前記第1シールガスケット(36)は、Oリングシールガスケットである、請求項5に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項7】
前記第1ピストンバルブ要素(30)は、
前記円筒形シート(34)を提供する円筒形カップの形をした大径部分(32)と、
前記軸方向に延びる内部スルーチャネル(31)が形成されるシャンク部分(33)と、
を備える、請求項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項8】
前記第2ピストンバルブ要素(40)上の前記第2の対の軸方向に間隔を置いたシールガスケット(43、45)は、
前記第1ピストンバルブ要素(30)に近い第1シーリングガスケット(43)と)、
前記内部キャビティ(12)の前記第2軸方向端に向かって前記第1シーリングガスケット(43)から軸方向に間隔をあけられ、前記内部キャビティ(12)の前記第2軸方向端に向かって径方向外側で広がる柔軟な円錐形リップ(47)を有する第2シーリングガスケット(45)と、
を備える、請求項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項9】
前記第1シールガスケット(43)は、Oリングシールガスケットである、請求項8に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項10】
前記油圧式ブレーキ分配器の動作を選択的に遮断するためのロック機構を備え、
前記ロック機構は、
横方向に調整可能なロック要素(60)を含み、
前記第1ピストンバルブ要素及び前記第2ピストンバルブ要素(30、40)から径方向に間隔をあけて配置された非係合位置と、前記第1ピストンバルブ要素及び前記第2ピストンバルブ要素(30、40)の一方(40)の径方向凹部(61)内の径方向係合位置と、を有する、請求項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項11】
前記径方向凹部(61)は、環状溝として形成されている、請求項10に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項12】
シールガスケット(42)は、前記第1ピストンバルブ要素(30)における前記円筒形シート(34)に摺動可能に係合するために、前記第2ピストンバルブ要素(40)の端部(41)に取り付けられている、請求項1~11のいずれか1項に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【請求項13】
前記第2ピストンバルブ要素の端部分には、第1ピストンバルブ要素内の円筒形シートに摺動自在に係合するシーリングガスケットが取り付けられ、
前記径方向凹部(61)は、
ブレーキ液が到達しない乾燥領域で、前記第2ピストンバルブ要素(40)上に配置され、
前記第1ピストンバルブ要素(30)の前記第1の対の軸方向に間隔を置いたシーリングガスケット(36、37)、及び、前記円筒形シート(34)の前記シーリングガスケット(42)のうちの一方と、
反対側の前記第2ピストンバルブ要素(40)の前記第2の対の軸方向に間隔を置いたシーリングガスケット(43、45)と、
の間に配置されている、請求項10、11若しくは12に記載の油圧式ブレーキ分配器。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【国際調査報告】