(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】2つ以上の検出区域を使用して埋め込み型マーカの配設を決定するための磁場プローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20230216BHJP
G01B 7/00 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
A61B34/20
G01B7/00 101H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538194
(86)(22)【出願日】2020-12-20
(85)【翻訳文提出日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 IB2020062259
(87)【国際公開番号】W WO2021124300
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521230012
【氏名又は名称】シリウス メディカル システムズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マーテンス,フーベルト
(72)【発明者】
【氏名】シュヘルメルス,ブラム
(72)【発明者】
【氏名】カネコ,タケシ
(72)【発明者】
【氏名】ファルガリ,ピエトロ
【テーマコード(参考)】
2F063
【Fターム(参考)】
2F063AA04
2F063BA29
2F063BB03
2F063CA08
2F063CA09
2F063DA01
2F063DA05
2F063DB05
2F063DC08
2F063DD04
2F063EB00
2F063GA52
2F063KA01
2F063LA02
2F063LA03
2F063LA21
(57)【要約】
侵襲的な治療及び療法中でも、非侵襲的な治療及び療法中でも、医療専門家は関心領域を正確に位置特定する必要がある。不正確さは、すべての領域が治療されるわけではない又は治療が不完全になることを意味し得る。電磁及びRFID(無線周波数識別)マーカが開発されているが、これらは嵩張り、故障しやすい。例えば、不正確さにより、病変の不完全な切除又は除去が生じ、追加の治療が必要になり得る。埋め込み型マーカ200の角度配設180、190を決定するための磁場プローブ100、101であって、プローブが、マーカ200の2つ以上の磁場ベクトルを決定するように構成された、遠位端160に近い第1の磁気センサ110と、近位端165により近い第2の磁気センサ120とを備え、プローブが、遠位端160から延びる2つ以上のマーカ検出区域170、171、172、173、174を定義し、埋め込み型マーカ200に対する角度配設180、190を決定し、角度配設180、190が2つ以上のマーカ検出区域170、171、172、173、174のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断するようにさらに構成され、それによってマーカが1つのマーカ検出区域の中にあることを決定する磁場プローブ100、101が提供される。2つ以上のマーカ検出区域を定義し、磁気マーカが1つのマーカ検出区域の中にあるように見えるかどうかを判断するようにプローブを構成することによって、プローブに対するマーカの配設を示すための単純化された直感的な決定アルゴリズムが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型マーカ(200)の角度配設(180、190)を決定するための磁場プローブ(100、101)であって、前記マーカ(200)が、使用時に磁場を生成するように構成され、前記プローブが、
遠位端(160)と、
前記遠位端(160)に近い第1の磁気センサ(110)と、
前記第1の磁気センサ(110)と近位端(165)との間に配設された第2の磁気センサ(120)とを備え、前記第1及び第2の磁気センサが、使用時に、前記マーカ(200)の1つ又は複数の磁場ベクトルを決定するように構成及び配置され、
前記プローブが、
プローブ長手方向軸(150)に沿って前記遠位端(160)から延びる2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義し、
前記1つ又は複数の磁場ベクトルを使用して、前記埋め込み型マーカ(200)に対する前記角度配設(180、190)を決定し、
前記角度配設(180、190)が前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断し、それによって、前記マーカ(200)が、前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの前記1つの中にあることを決定する
ようにさらに構成される、磁場プローブ(100、101)。
【請求項2】
前記角度配設(180、190)が前記第1又は第2のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)と実質的に一致するかどうかを判断するようにさらに構成される、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)が、前記長手方向軸(150)に関して実質的に対称である、請求項1又は2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)が、前記プローブ長手方向軸(150)に実質的に垂直な、実質的に円形、卵形、楕円形、三角形、長方形、又は正方形の長手方向断面を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項5】
前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)が、実質的に円弧、セグメント、円筒、又は円錐形状を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項6】
前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)が、放物線、直線、又は双曲線の形状をさらに有する、請求項4に記載のプローブ。
【請求項7】
前記2つ以上のマーカ検出区域(171cd、172cd、173cd、174cd)が、1つ又は複数の境界を共有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項8】
前記2つ以上のマーカ検出区域(171cd、172cd、173cd、174cd)が、
範囲、形状、向き、配設、スケーリング、分解能、角度境界、長手方向範囲、横方向範囲、又はそれらの任意の組合せ
からなる群から選択されるパラメータに関して異なる、請求項1~7のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項9】
前記2つ以上のマーカ検出区域(171cd、172cd、173cd、174cd)が、
1つ又は複数の軸に沿って隣接する、1つ又は複数の軸に沿って隣接しない、又はそれらの任意の組合せである、
請求項1~8のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項10】
プローブ長手方向軸(150)に沿って前記遠位端(160)から延びるさらなるマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義し、
前記角度配設(180、190)が3つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断し、それによって、前記マーカ(200)が、前記3つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの前記1つの中にあることを決定する
ようにさらに構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項11】
プローブ長手方向軸(150)に沿って前記遠位端(160)から延びるさらなるマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義し、
前記角度配設(180、190)が、
前記さらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)と実質的に一致するかどうか、
前記第1のマーカ検出区域及びさらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)の両方と実質的に一致するかどうか、
前記第2のマーカ検出区域及びさらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)の両方と実質的に一致するかどうか、
前記第1のマーカ検出区域又はさらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)のいずれとも一致しないかどうか、
前記第2のマーカ検出区域又はさらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)のいずれとも一致しないかどうか、又は
それらの任意の組合せ
を判断する
ようにさらに構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項12】
前記プローブ(100、101)が、前記プローブ(100、101)の前記遠位端(160)に対する前記マーカ(200)の前記角度配設(180、190)を決定するようにさらに構成及び配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項13】
前記プローブ(100、101)が、前記プローブ(100、101)の前記長手方向軸(150)に対する前記マーカ(200)の前記角度配設(180、190)を決定するようにさらに構成及び配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項14】
前記プローブ(100、101)が、前記プローブ(100、101)の前記遠位端(160)に対する前記マーカ(200)の長手方向及び/又は横方向配設を決定するようにさらに構成及び配置される、請求項1~13のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項15】
前記プローブ(100、101)が、少なくとも1つのさらなる磁気センサ(130)を備え、前記磁気センサ(110、120)が、1つ又は複数の1D、2D、又は3Dアレイに含まれる、請求項1~14のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項16】
前記プローブ(100、101)が、
背景磁場を測定するための1つ又は複数の補償センサ(130)
をさらに備え、
使用時の、前記マーカ(200)の1つ又は複数の角度配設(180、190)の前記決定が、前記背景磁場をさらに考慮に入れる、
請求項1~15のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項17】
前記プローブの前記遠位端(160)が、
皮膚(300)の外面の近くに配設される、
皮膚(300)の外面に接触する、
皮膚(300)の外面を通して挿入される、
体腔に挿入される、又は
それらの任意の組合せである
ように構成及び配置される、請求項1~16のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項18】
前記プローブ(100、101)が、前記マーカ(200)に含まれる磁気双極子及び/又は誘導磁気双極子に対する前記角度配設(180、190)を決定するように構成及び配置される、請求項1~17のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項19】
前記プローブ(100、101)が、オーディオフィードバックを提供するようにさらに構成及び配置され、オーディオ特性が、前記マーカ(200)への近接度に依存する、請求項1~18のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項20】
前記プローブ(100、101)が、オーディオフィードバックを提供するようにさらに構成及び配置され、前記角度配設(180、190)が前記第1又は第2のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)に実質的に一致するかどうかに応じてオーディオ特性が異なる、請求項1~19のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項21】
前記オーディオ特性が、ピッチ、ボリューム、ラウドネス、振幅、空間位置、持続時間、休止の期間、トーン、ビープ音、ビープ音間の休止期間、周波数、周波数スペクトル、又はそれらの任意の組合せである、請求項19又は20に記載のプローブ。
【請求項22】
前記プローブ(100、101)が、粗い及び細かいマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)を提供するようにさらに構成及び配置される、請求項1~21のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項23】
前記プローブ(100、101)が、前記プローブ(100、101)の前記遠位端(160)が前記マーカ(200)に近づくときに、前記マーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)をより小さい角度で選択するようにさらに構成及び配置される、請求項1~22のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項24】
前記プローブ(100、101)が、
1つ又は複数のセンサからの1つ又は複数の測定値、1つ又は複数の適切なパラメータ、ユーザによって提供される1つ又は複数のパラメータ、ユーザによる選択、又はそれらの任意の組合せ
に基づいて、前記2つ以上の検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)の1つ又は複数の態様を決定するように構成及び配置される、請求項1~23のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項25】
前記プローブ(100、101)が、ユーザによる選択に基づいて、前記2つ以上の検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)の1つ又は複数の態様を決定するように構成及び配置され、
治療又は療法に基づいて、侵襲的又は非侵襲的使用に基づいて、ハンドヘルド棒としての使用に基づいて、前記マーカ(200)の予想される位置に基づいて、予想される近接度に基づいて、予想される磁場強度に基づいて、予想されるマーカの向きに基づいて、個人的嗜好に基づいて、形状及び断面形状の組合せに基づいて、マーカ区域の組合せに基づいて、粗い/細かい構成に基づいて、又はそれらの任意の組合せで、前記プローブの前記使用を変更する
請求項1~24のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項26】
前記1つ又は複数の態様は、範囲、形状、向き、配設、スケーリング、分解能、角度境界、長手方向範囲、横方向範囲、及び任意の組合せである、請求項24又は25に記載のプローブ。
【請求項27】
埋め込み型マーカ(200)の角度配設を検出するための検出器ユニットであって、請求項1~26のいずれか一項に記載の磁気プローブ(100、101)を備える、検出器ユニット。
【請求項28】
前記検出器がディスプレイをさらに備え、前記検出器が、前記決定の結果を前記ディスプレイで前記ユーザに示すように構成及び配置される、請求項27に記載の検出器ユニット。
【請求項29】
前記検出器ユニットが、前記ディスプレイで前記第1及び第2のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)を示すようにさらに構成及び配置される、請求項28に記載の検出器ユニット。
【請求項30】
前記検出器ユニットが、磁気センサ値を収集し、ソフトウェアアルゴリズムを使用して1つ又は複数の角度配設(180、190)を決定するように構成されたプロセッサをさらに備える、請求項27~29のいずれか一項に記載の検出器ユニット。
【請求項31】
埋め込み型マーカ(200)の角度配設(180、190)を決定するための方法であって、前記マーカ(200)が、使用時に磁場を生成するように構成され、前記方法が、
遠位端(160)を備えるプローブ(100、101)を提供し、前記プローブが、前記遠位端(160)に近い第1の磁気センサ(110)と、前記第1の磁気センサ(110)と近位端(165)との間に配設された第2の磁気センサ(120)とをさらに備え、前記第1及び第2の磁気センサが、使用時に、前記マーカ(200)の1つ又は複数の磁場ベクトルを決定するように構成及び配置されること、
プローブ長手方向軸(150)に沿って前記遠位端(160)から延びる2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義するように前記プローブを構成及び配置すること、
前記1つ又は複数の磁場ベクトルを使用して、前記埋め込み型マーカ(200)に対する前記角度配設(180、190)を決定すること、
前記角度配設(180、190)が前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断すること、並びに
前記マーカ(200)が、前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの前記1つの中にあることを決定すること、
を含む方法。
【請求項32】
前記角度配設(180、190)が前記第1又は第2のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)と実質的に一致するかどうかを判断すること
をさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
人体又は動物の体内での前記マーカ(200)の予想される位置、予想される近接性、予想される磁場強度、又は予想されるマーカ(200)の向きに合わせて、前記プローブ(100、101)を構成及び配置すること
をさらに含む請求項31又は32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[分野]
本開示は、埋め込み型マーカの角度配設を決定するための磁場プローブ、プローブを備える検出ユニット、及び埋め込み型マーカの角度配設を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
侵襲的な治療及び療法中でも、非侵襲的な治療及び療法中でも、医療専門家が関心領域を正確に位置特定することができることは重要である。多くの場合、専門家は、関心領域を見つけて覚えておくために視覚と手動操作に依拠し、皮膚の外面にマークを付けることが多い。実際には、X線及び/又は超音波などの撮像機器を使用して位置特定を支援することもできる。しかし、これは、撮像技術を使用して関心領域を周囲の組織から区別することができることに依拠する。関心領域の位置特定可能性の不正確さは、すべての領域が治療されるわけではない又は治療が不完全になることを意味し得る。これは、腫瘍の除去、ポリープの除去、美容整形、組織の除去及び/又は矯正、埋め込み型デバイスの位置決定(例えば、Implanonなどの避妊デバイスを位置決定する必要があり得る)を含む、治療と美容との両方の処置及び治療にとって問題である。
【0003】
例えば、がんスクリーニング後に病変の切除や除去が処方された場合、外科医は病変の位置及び範囲を知る必要がある。臨床診療における現在のゴールデンスタンダードは、外科的処置の直前に標的に金属アンカワイヤを配置することを必要とし、これは感染及びワイヤの移動の危険がある。より新しいソリューションは、放射性マーカを使用するが、放射性物質の使用は厳しく管理及び規制されている。電磁及びRFID(無線周波数識別)マーカが開発されているが、これらは嵩張り、故障しやすい。関心領域を位置特定する際の不正確さにより、病変の不完全な切除又は除去が生じ、追加の治療が必要になり得る。
【0004】
さらに、スクリーニング処置の改善は、患者のより小さい早期の病変がよりいっそう識別されるようになることを意味する。この早期検出は患者にとってより有益であるが、小さな病変を外科医が識別して位置特定するのは難しいことがある。それらは触知できない可能性も高い。術中の撮像は、面倒であり費用がかかることが多い。
【0005】
近年、埋め込み型磁気マーカ(シード)の使用が提案されている。これらは、放射性マーカと比較してより高い安全性を提供するが、それでも、マーカの配設(位置決定)を検出するために医療専門家はかなりの労力が必要である。非常に小さい磁気マーカを使用して非常に小さい関心領域をマークするとき、これはさらに難しくなる。
【0006】
米国特許第7,561,051号には、磁石を位置特定するため、及び/又は磁石に対する装置の向きを決定するための装置が記載されている。一実施形態では、この装置は、複数の離間された位置でのセンサ読取りを可能にするように往復して可動である多軸磁場センサを含む。別の実施形態では、装置は、直線に沿って配列された複数の多軸磁場センサを含む。この装置は、組織切除、体腔内の医療デバイスの動きの追跡、及び内臓の動きの追跡を含めた多くの医療及び他の用途で使用することができる。
【0007】
国際公開第2018/045465号には、2つ以上の磁気センサを含む検出デバイスを使用して位置及び向きが測定又は検出される磁気シードを使用して、腫瘍などの解剖学的関心領域の位置及び範囲をマークするためのシステム及び方法が記載されている。1つ又は複数の磁気シードが埋め込まれて、解剖学的関心領域の中心及び範囲をマーク及び定義し、磁気センサベースの検出器システムを使用して、磁気シードの位置を正確に識別する。
【0008】
米国特許出願公開第2016/0051164A1号には、第1の磁力計及び第1の加速度計を有する第1のセンサと、第2の磁力計及び第2の加速度計を有する第2のセンサとを含むプローブが、マーカまでの距離及び方向を決定するように構成されることが記載されている。マーカは磁気的でよく、特定の位置をマークするために患者の体内に外科的に挿入することができる。プローブを使用してマーカを位置特定し、それにより位置を識別することができる。プローブは、第1のセンサからの出力及び第2のセンサからの出力を受信し、マーカまでの距離及び方向を決定するマイクロプロセッサを含むことがある。
【0009】
米国特許第6,129,668号には、患者内の留置医療デバイスに結合された磁石の位置を検出するためのデバイスが、それぞれ既知の様式で配置されたセンサ要素を有する3セット以上の磁気センサを使用することが記載されている。各センサ要素は、磁石によって生成された磁場強度を感知し、3次元空間での磁石の方向を示すデータを提供する。磁石の位置及び向きの初期推定は、予測磁場値を生成する。予測値と測定値との差に基づいて、デバイスは磁石の新たな位置を推定し、新たな予測磁場強度値を計算する。この反復プロセスは、予測値が望ましい許容度内で測定値と一致するまで続く。2次元ディスプレイは、検出器のハウジングに対する磁石の位置の標示を提供する。ディスプレイの深さインジケータ部分を使用して、磁石の深さの相対的又は絶対的な標示を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
外科医を最適にサポートするためには、マークされた位置までの距離と方向との両方を提供することが重要である。本発明の目的は、磁気マーカ又は誘導磁気ビーコンに関する改良された方向性検出を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[全般的な言明]
本開示の第1の態様によれば、埋め込み型マーカの角度配設を決定するための磁場プローブであって、マーカが、使用時に磁場を生成するように構成され、プローブが、遠位端と、遠位端に近い第1の磁気センサと、第1の磁気センサと近位端との間に配設された第2の磁気センサとを備え、第1及び第2の磁気センサが、使用時に、マーカの1つ又は複数の磁場ベクトルを決定するように構成及び配置され、プローブが、プローブ長手方向軸に沿って遠位端から延びる2つ以上のマーカ検出区域を定義し、1つ又は複数の磁場ベクトルを使用して、埋め込み型マーカに対する角度配設を決定し、角度配設が2つ以上のマーカ検出区域のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断し、それによって、マーカが、2つ以上のマーカ検出区域のうちの1つの中にあることを決定するようにさらに構成される、磁場プローブが提供される。
【0012】
2つ以上のマーカ検出区域を定義し、磁気マーカがこれら2つ以上のマーカ検出区域のうちの1つの中にあるように見えるかどうかを判断するようにプローブを構成することによって、プローブに対するマーカの配設を示すための単純化された決定アルゴリズムが提供される。例えば、マーカが2つ以上のマーカ検出区域のうちの1つの中にある確率を決定することができる。代替として、角度配設が第1又は第2のマーカ検出区域と実質的に一致するかどうかが決定される。
【0013】
さらに、例えば、範囲、形状、向き、配設、スケーリング、分解能、角度境界、長手方向範囲、横方向範囲、及びそれらの任意の組合せなど、2つ以上の検出区域に関連する1つ又は複数のパラメータ又は態様を変更することによって、ユーザに直感的な方法で探索パラメータを変更することが可能になる。言い換えると、区域は、ソフトウェア制御式のコリメータとして作用するように構成される。従来技術のプローブに勝るさらなる利点は、磁気マーカの角度配設を決定するためにプローブを連続的に動かす必要がないことである。
【0014】
2つ以上のマーカ検出区域が長手方向軸に関して実質的に対称になるようにプローブを構成及び配置することが有利であり得る。
【0015】
プローブがハンドヘルド棒として使用できるようになるので、ユーザはこれを特に直感的に認識し、検出区域は、棒状プローブをその長手方向軸の周りで回転させても大きな影響を受けない。
【0016】
使用の直感性を高めることができる構成は、プローブの遠位端に対するマーカの角度配設を決定する、プローブの長手方向軸に対するマーカの角度配設を決定する、プローブの遠位端に対するマーカの長手方向及び/又は横方向配設を決定する、又はそれらの任意の組合せを行うようにプローブをさらに構成及び配置することを含むことがある。
【0017】
2つ以上のマーカ検出区域を、プローブ長手方向軸に実質的に垂直な、実質的に円形、卵形、楕円形、三角形、長方形、又は正方形の長手方向断面を有するように構成及び配置することが有利であり得る。例えば、プローブ長手方向軸がY軸に沿って延びる場合、長手方向断面は、X-Y平面又はY-Z平面内に決定されることがある。
【0018】
追加として又は代替として、2つ以上の区域は、実質的に円弧、セグメント、円筒、又は円錐形状を有するように構成及び配置されることがある。追加として又は代替として、2つ以上の区域は、放物線、直線、又は双曲線の形状を有するように構成及び配置されることがある。
【0019】
2つ以上のソフトウェア構成可能な検出区域を提供することによって、ユーザは、例えば人体又は動物の体内でのマーカの予想される位置、予想される近接性、予想される磁場強度、及び予想されるマーカの向きに特に適した構成を選択することができる。ユーザは、マーカの位置決定に特に効率的であると個人的に判断した構成を選択することもできる。2つ以上の検出区域を複数の寸法で構成することができるので、これらの形状及び断面形状の2つ以上を組み合わせることができる。単純な形状及び/又は複雑な形状を使用することができる。
【0020】
2つ以上のマーカ検出区域は、マーカへの(ユーザによって)予想される近接性及び/又は向きに応じて、特定の構成を採用するように構成及び配置されることもある。これは、(プローブによって)測定及び/又は推定される近接性及び/又は向きに応じて、ある程度自動化されることもある。様々な程度での任意の組合せも可能である。
【0021】
追加として又は代替として、2つ以上のマーカ検出区域は、範囲、形状、向き、配設、スケーリング、分解能、角度境界、長手方向範囲、横方向範囲、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択されるパラメータに関して異なることがある。追加として又は代替として、2つ以上のマーカ検出区域は、1つ又は複数の境界を共有することがあり、1つ又は複数の軸に沿って隣接することがあり、1つ又は複数の軸に沿って隣接しないことがあり、又はそれらの任意の組合せであり得る。
【0022】
ソフトウェア構成可能な検出区域を提供するさらなる利点は、ユーザが2つ以上のマーカ検出区域を構成及び配置することができることである。これは、例えば、粗い/細かいマーカ検出区域構成を提供することができる。プローブの遠位端が磁気マーカに近づくにつれて、より小さい角度を有するマーカ検出区域が、精度及び感度をさらに高めることができる。
【0023】
本開示の別の態様によれば、プローブは、プローブ長手方向軸に沿って遠位端から延びるさらなるマーカ検出区域を定義し、角度配設が3つ以上のマーカ検出区域のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断し、それによって、マーカが、3つ以上のマーカ検出区域のうちの1つの中にあることを決定するようにさらに構成される。
【0024】
ソフトウェア構成可能な検出区域を提供するさらなる利点は、ユーザが任意の数のマーカ検出区域を構成及び配置することができることである。
【0025】
代替として、プローブが、プローブ長手方向軸に沿って遠位端から延びるさらなるマーカ検出区域を定義し、角度配設が、さらなるマーカ検出区域と実質的に一致するかどうか、第1のマーカ検出区域及びさらなるマーカ検出区域の両方と実質的に一致するかどうか、第2のマーカ検出区域及びさらなるマーカ検出区域の両方と実質的に一致するかどうか、第1のマーカ検出区域又はさらなるマーカ検出区域のいずれとも一致しないかどうか、第2のマーカ検出区域又はさらなるマーカ検出区域のいずれとも一致しないかどうか、又はそれらの任意の組合せを判断するようにさらに構成される。
【0026】
ソフトウェア構成可能な検出区域を提供する別の利点は、ユーザが様々な程度の特別な重畳を有するさらなるマーカ検出区域を構成及び配置することができることである。これらは、実質的に固定されていても、動的でも、又はそれらの任意の組合せでもよい。
【0027】
本開示の別の態様によれば、プローブは、1つ又は複数の1D、2D、又は3Dアレイに含まれる複数の磁気センサを備えることがある。
【0028】
これにより、磁気センサの濃度(又は充填密度)を上げることができる。これらの追加の磁気センサは、例えば感度、精度、及び信頼性などのパラメータを増加させるように構成及び配置されることがある。一般に、遠位端での感度の上昇により、プローブをさらに直感的に使用できるようになる。
【0029】
本開示のさらに別の態様によれば、プローブは、背景磁場を測定するための1つ又は複数の補償センサをさらに備えることがあり、使用時のマーカの1つ又は複数の角度配設の決定において背景磁場がさらに考慮に入れられる。
【0030】
有利には、既存のセンサ又は専用センサが、地球の磁場などの背景磁場を測定(又は検出)するように構成されることがある。配設の決定は、精度及び感度をさらに高めるために、背景測定を使用して補償することができる。
【0031】
本開示のさらに別の態様によれば、プローブは、マーカに含まれる磁気双極子及び/又は誘導磁気双極子への角度配設を決定するように構成及び配置される。
【0032】
ソフトウェア構成可能な検出区域を提供することによって、ユーザは、例えば、予想される磁場強度や予想されるマーカ向きなどに特に適した構成を選択することができる。
【0033】
本開示のさらなる態様によれば、プローブは、オーディオフィードバックを提供するようにさらに構成及び配置され、オーディオ特性は、マーカへの近接度に依存する。追加として又は代替として、角度配設が第1又は第2のマーカ検出区域に実質的に一致するかどうかに応じてオーディオ特性が異なる。任意選択で、オーディオ特性は、ピッチ、ボリューム、ラウドネス、振幅、空間位置、持続時間、休止の期間、トーン、ビープ音、ビープ音間の休止期間、周波数、周波数スペクトル、又はそれらの任意の組合せである。
【0034】
プローブが、粗い及び細かいマーカ検出区域を提供するようにさらに構成及び配置されると有利であり得る。また、プローブが、プローブの遠位端がマーカに近づくときに、マーカ検出区域をより小さい角度で選択するようにさらに構成及び配置されると有利であり得る。
【0035】
本開示の別の態様によれば、プローブは、1つ又は複数のセンサからの1つ又は複数の測定値、1つ又は複数の適切なパラメータ、ユーザによって提供される1つ又は複数のパラメータ、ユーザによる選択、又はそれらの任意の組合せに基づいて、2つ以上の検出区域の1つ又は複数の態様を決定するように構成及び配置される。
【0036】
ソフトウェア構成可能な検出区域は、構成における高い柔軟性を提供する。
【0037】
本開示のさらに別の態様によれば、検出器ユニットが、埋め込み型マーカの角度配設を検出するために提供されることがあり、検出器ユニットは、本開示による磁気プローブを備える。
【0038】
任意選択で、検出器がディスプレイをさらに備え、検出器が、決定の結果をディスプレイでユーザに示すように構成及び配置される。任意選択で、検出器ユニットが、ディスプレイで第1及び第2のマーカ検出区域を示すようにさらに構成及び配置される。
【0039】
本開示の別の態様によれば、埋め込み型マーカの角度配設を決定するための方法が提供され、マーカは、使用時に磁場を生成するように構成され、方法は、
遠位端を備えるプローブを提供し、プローブが、遠位端に近い第1の磁気センサと、第1の磁気センサと近位端との間に配設された第2の磁気センサとをさらに備え、第1及び第2の磁気センサが、使用時に、マーカの1つ又は複数の磁場ベクトルを決定するように構成及び配置されること、
プローブ長手方向軸に沿って遠位端から延びる2つ以上のマーカ検出区域を定義するようにプローブを構成及び配置すること、
1つ又は複数の磁場ベクトルを使用して、埋め込み型マーカに対する角度配設を決定すること、並びに
角度配設が2つ以上のマーカ検出区域のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断すること
を含む方法が提供される。
【0040】
任意選択で、この方法はさらに、角度配設が第1又は第2のマーカ検出区域と実質的に一致するかどうかを決定することを含む。
【0041】
追加として又は代替として、この方法は、人体又は動物の体内でのマーカの予想される位置、予想される近接性、予想される磁場強度、及び予想されるマーカの向きに合わせて、プローブを構成及び配置することを含む。
【0042】
[図面の簡単な説明]
本発明のいくつかの実施形態の特徴及び利点、並びにそれらが達成される方法は、添付図面と共に成される本発明の以下の詳細な説明を検討すればより容易に明らかになろう。添付図面は、好ましい例示的実施形態を示し、必ずしも一律の縮尺では描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1A】本発明による磁場プローブの一実施形態を通る長手方向断面図である。
【
図1B】本発明による磁場プローブの一実施形態を通る長手方向断面図である。
【
図2A】本発明で使用することができるさらなるプローブ構成を示す図である。
【
図2B】本発明で使用することができるさらなるプローブ構成を示す図である。
【
図2C】本発明で使用することができるさらなるプローブ構成を示す図である。
【
図2D】本発明で使用することができるさらなるプローブ構成を示す図である。
【
図2E】本発明で使用することができるさらなるプローブ構成を示す図である。
【
図2F】本発明で使用することができるさらなるプローブ構成を示す図である。
【
図3A】磁気双極子によって生成された磁場の断面を表すほぼ円形の磁力線のシミュレートされた概略図である。
【
図3B】プローブの傾斜とプローブ面内での磁場の傾斜の値との関係を示す図である。
【
図4A】一定の傾斜で異なる角度配設を通してプローブが走査されたときの各磁気センサで行われた測定を示す図である。
【
図4B】一定の傾斜で異なる角度配設を通してプローブが走査されたときの各磁気センサで行われた測定を示す図である。
【
図5A】遠位端に最も近い磁気センサ、すなわち10.0mmのセンサと比較した、15.0mm、20.0mm、及び25.0mmの距離で測定されたB場傾斜の差を示す図である。
【
図5B】遠位端に最も近い磁気センサ、すなわち10.0mmのセンサと比較した、15.0mm、20.0mm、及び25.0mmの距離で測定されたB場傾斜の差を示す図である。
【
図6】センサからのL-R信号を横方向変位に変換するために使用することができる、差動測定対横方向変位特性の例を示す図である。
【
図7】プローブが磁気双極子に直接向いているときの予想磁場成分の一例を示す図である。
【
図8A】異なる範囲を有する検出区域の一例を示す図である。
【
図8B】異なる範囲を有する検出区域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[詳細な説明]
以下の詳細な説明では、本開示の理解を助けるために多くの非限定的な具体的な詳細が与えられている。方法のコンピュータ処理部は、任意のタイプのクライアント、ネットワーク、サーバ、及びデータベース要素を含む任意のタイプのスタンドアロンシステム又はクライアント-サーバ互換システムに実装することができることが当業者には明らかであろう。
【0045】
図1Aは、埋め込み型マーカ200の配設(位置決定)を検出するための磁場プローブ100を通る長手方向断面を示す。図示されるように、磁気マーカ200は、関心領域をマークするために皮膚300の外面の下に埋め込まれる。これは、皮膚の外面よりも数ミリメートル又は数センチメートル下であり得る。これを深さと呼ぶこともある。マーカ200は、使用時に磁場を生成するように構成され、例えば磁気双極子を備えることがある。
【0046】
マーカは、注射などによって簡便に埋め込むことができる。注射は、例えば、軟組織若しくは臓器への注射、又は気管支鏡による肺気管支への送達、若しくは大腸内視鏡による大腸への送達であり得る。埋め込みの方法は、例えば、必要な深さ、実施すべきその後の処置、関心領域のサイズ、関心領域の位置、領域内の組織のタイプ、及び領域を取り囲む組織のタイプに応じて決まることがある。検出の直前又は少し前にマーカを埋め込むことができる。
【0047】
典型的には、磁気双極子を備える適切なマーカ200は、概して円柱形であり、
-直径1.45mm、長さ2.19mm、及び残留磁場(Br)1.43T(ネオジムN52)、又は
-直径1.75mm、長さ5mm、及び残留磁場(Br)1.43T(ネオジムN52)
である。
【0048】
直径1.45mm及び長さ4.7mmを有するマーカも適していることがある。
【0049】
より高いグレードのネオジムが利用可能になるとき、それらも本発明の実施形態で有利に使用され得る。
【0050】
追加として又は代替として、マーカ200は、誘導磁気双極子を備えることがある。磁場プローブ100は、双極子磁場の特性に基づいてマーカ200の角度配設を決定するので、そのような磁場を生成するためのマーカ200の構成及び配置はそれほど重要ではない。技法の組合せを使用して、複数の磁気双極子を生成することもできる。本開示の文脈において、角度配設は、角度配置と同義とみなすことができ、プローブに対するマーカ200の相対位置の角度成分である。
【0051】
プローブ100は、遠位端160を備える。磁場プローブは、プローブ長手方向軸150に沿って延びることがある。同じ及び異なる実施形態の異なる視線を比較しやすくするために、軸も定義されている。図面の平面(紙面)は、互いに実質的に垂直なX600及びY700内にある。X軸600は下から上に延び、Y軸700は右から左に延びる。Z軸800は、X600及びY700に実質的に垂直であり、図面の平面から(紙面の外へ)出る。長手方向軸150は、ここでは、Y軸700に実質的に平行であるものとして示されている。
【0052】
プローブ100は、以下で述べるように、プローブ基準とマーカ200との間の角度配設を決定するようにさらに構成及び配置される。この角度配設は、XYにおける角度配設180(
図1Aに示される)、YZにおける角度配設190(
図1Bに示される)、XZにおける角度配設(
図1A又は1Bには示されていない)、及びそれらの任意の組合せを含むことがある。プローブ基準は、長手方向軸150に沿ったプローブ100の1つ又は複数の点、遠位端160、近位端165、又はそれらの任意の組合せであり得る。
【0053】
図1Bは、埋め込み型マーカ200の配設(位置決定)を検出するための磁場プローブ100を通るさらなる長手方向断面を示す。図面の平面(紙面)は、互いに実質的に垂直なY700及びZ800内にある。Z軸800は下から上に延び、Y軸700は右から左に延びる。X軸600は、Z800及びY700に実質的に垂直であり、図面の平面に(紙面に向かって)入る。長手方向軸150は、ここでも、Y軸700に実質的に平行であるものとして示されている。プローブ100は、プローブ基準とマーカ200との間の角度配設を決定するようにさらに構成及び配置され、角度配設は、以下で述べるようにYZ角度配設190を含むことがある。
【0054】
この例では、遠位端160は、皮膚(300)の外面の近くに配設されるように構成及び配置される。
【0055】
追加として又は代替として、遠位端160は、以下のように構成及び配置することができる。
-皮膚(300)の外面に接触する;
-皮膚(300)の外面を通して挿入される;
-体腔に挿入される;又は
-それらの任意の組合せ。
【0056】
ユーザは、遠位端160のプローブ長手方向軸150とマーカ200との間の角度配設の標示を提供されることに特に関心があり得る。これは、プローブ100が、長手方向軸150に沿って延ばされることによってハンドヘルドであるように構成及び配置され、遠位端160又は先端に対するマーカ200の方向を決定するための直感的な構成を提供するときに特に有利である。
【0057】
マーカ200の角度配設180、190は、度又はラジアンなどの任意の簡便なパラメータで定義及び/又は表現することができる。
【0058】
プローブ100は、マーカ200によって生成される局所磁場(Bx、By、Bz)のベクトルを少なくとも測定するように構成された少なくとも第1の磁気センサ110及び第2の磁気センサ120を備える。これらの特性は、ソフトウェアアルゴリズムを使用して1つ又は複数の角度配設180、190を決定するために使用される。
【0059】
遠位端160は、皮膚300の外面から離して配設することができる。スペーサを使用して一定の距離を維持することができ、又は、プローブ100が皮膚300の外面に接触するようにさらに構成及び配置される場合には、距離はゼロであり得る。プローブ100は、プローブ100の遠位端160とマーカ200との間の距離をさらに減少することができる凹みを生成するために、皮膚300の外面に押し付けられるようにさらに構成及び配置されることがある。一般に、プローブ100とマーカとの間の距離が小さいほど、測定される信号の振幅は大きくなる。いくつかの治療では、プローブ100は、プローブ100とマーカ200との間の距離をさらに減少するために、皮膚300の外面を通して及び/又は体腔内に挿入されるようにさらに構成及び配置されることがある。これは、例えば外科的切開又は自然開口部を介するものでよい。
【0060】
プローブ100は、検出ユニット又はデバイス(図示せず)に含まれることがある。1つ又は複数の配設を決定するための機能を磁気プローブ100のハードウェア及びソフトウェアとして実装することができる、又はそれらを検出器の残りの部分のハードウェア及びソフトウェアとして実装することができることが当業者には明らかであろう。機能は、磁気プローブ100と検出器ユニットの残りの部分との間で簡便に分割することもできる。
【0061】
プローブ100に関する検出ユニット又はデバイスは、以下のうちの1つ又は複数を備えることがある。
-プローブ100の近位端165に取り付けるように構成された、任意選択の電気的及び/又は機械的接続。取付けを解放可能にすると有利であり得る。接続は、無線でもよく、プローブ100と検出器の残りの部分との間でのデータ伝送を少なくとも可能にするように構成及び配置されてもよい;
-プローブ磁気センサにエネルギーを供給するための電源;
-磁気センサ測定値を収集し、適切なソフトウェアアルゴリズムを使用して1つ又は複数の角度配設180、190(角度傾斜)を決定するように構成されたプロセッサ;
-任意選択で、決定の結果をユーザに示すためにディスプレイを提供することもできる。好ましくは、マーカ200に対する1つ又は複数の角度配設180、190がグラフィカル表示される。追加として又は代替として、1つ又は複数の検出区域(以下で述べる)が示され、直感的なフィードバックを提供する。追加として又は代替として、数字を表示することもできる。
【0062】
追加として又は代替として、オーディオフィードバックを提供することもできる。これについては以下でより詳細に述べる。距離(配設)は、例えば相対値及び/又は絶対値として表示されることがある。オーディオフィードバックは、例えば自動車のパーキングセンサで物体までの距離が異なるトーンで示されるのと同様に提供されることがある。
【0063】
マーカ200への近接度に依存するように構成されることがあるオーディオ特性の他の例としては、ピッチ、ボリューム、ラウドネス、振幅、空間位置、持続時間、休止の期間、トーン、ビープ音、ビープ音間の休止期間、周波数、周波数スペクトル、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0064】
プローブが2つ以上の検出区域を定義するように構成されている場合、標示及び/又はオーディオフィードバックは、角度配設(180、190)が、
-第1のマーカ検出区域と実質的に一致するかどうか;
-第2のマーカ検出区域と実質的に一致するかどうか;
-第1及び第2の検出区域の両方と実質的に一致するかどうか;
-第1又は第2の検出区域のいずれとも実質的に一致しないかどうか;又は
-それらの任意の組合せ
に応じて異なることがある。
【0065】
プローブ100は、以下のような2つ以上の磁気センサを備える。
-110:プローブ100の遠位端160に近い第1の磁気センサ;及び
-120:第1の磁気センサ110とプローブ100の近位端165との間に配設された第2の磁気センサ。言い換えると、第1の磁気センサ110よりも遠位端160からさらに離れている。
【0066】
センサ110、120は、使用時、マーカ200の磁場の1つ又は複数のB場3Dベクトル測定値を決定するように構成及び配置される。典型的には、センサ出力は、B場の3Dベクトルである。2つ以上のセンサを用いて角度配設を導出することができる。
【0067】
第1のセンサ110及び第2のセンサ120に関連する第1の測定値及び第2の測定値は、マーカ200の1つ又は複数の角度配設180、190を決定するためにソフトウェアアルゴリズムで使用される。角度配設180、190は、全体としてプローブ100に関連するマーカ200への方向の測定(又は推定)である。
【0068】
任意選択で、プローブは、第3の磁気センサ130を備えることがある。第3の磁気センサ130は、有利には、第1の磁気センサ110及び第2の磁気センサ120よりもプローブ100の近位端165に近い(言い換えると、遠位端160からさらに離れている)。第3の磁気センサ130は、(地球からの)自然発生磁場、測定及び決定が行われる環境内で機器が作動されていることにより存在する人工磁場、及び/又は関心領域内若しくはその周辺の組織によって生成される反磁場などの背景磁場を検出するための補償センサとして構成及び配置することができる。
【0069】
追加として又は代替として、3つの磁気検出器を使用して3つの磁場成分Bx、By、Bzを測定する3軸ホールセンサなどの磁気センサ110、120、典型的にはそのようなホールセンサパッケージは、3つ(3D)の実質的に相互に垂直な検出器を備えるICであり、プローブ内のほぼ同じ物理的位置で3つの自由度の測定を提供する。センサ110、120は、同じタイプでも異なるタイプでもよい。
【0070】
本開示では、センサと検出器とは、時として交換可能に使用される。一般に、センサは、1つ又は複数の検出器を備える単一のカプセル化されたパッケージである。単一の磁気検出器を備えるセンサは、センサ又は検出器とみなすことができる。
【0071】
センサパッケージが、マーカ200の磁場の特定のBベクトルに関する実質的に異なる値を測定するのに十分に大きい検出器間の物理的離間距離を有する2つの検出器を備える場合、本開示の観点では、そのようなパッケージは2つのセンサを備えている。各検出器は、プローブ100内の実質的に異なるセンサ位置(又は配設)に関するマーカ200の磁場のBベクトル測定を提供する。検出器間の物理的離間距離が小さすぎる(検出器が、特定のBベクトルに関して実質的に同じ値を測定する)場合、本開示の観点では、そのようなパッケージは、1つのセンサを備えている。各検出器は、プローブ100内の実質的に同じ位置(又は配設)に関するマーカ200のベクトル測定を提供する。
【0072】
いくつかのパッケージでは、2つ以上の検出器が異なる向きを測定するように構成されることがあり、例えば、いくつかのホールセンサパッケージは、互いに実質的に垂直に向けられた3つの検出器を備えることに留意されたい。それらの検出器は、実質的に同じ位置(又は配設)に関連付けられたBベクトルを測定するので、同じ(1つの)センサに含まれていると考えられる。
【0073】
図1Aに示されているように、少なくとも2つの磁気センサ110、120の1Dアレイを使用することができる。センサ110、120は、プローブ100の長手方向軸150に沿って配設されて図示されているが、それらの相対位置(配設)は測定及び/又は設計データから決定されてソフトウェアアルゴリズムで考慮(考察)され得るので、これは必須ではない。プローブ100は、センサ110、120からのBベクトル測定値を任意のプローブ100の基準面又は基準軸に変換するように構成及び配置される。センサ110、120を長手方向軸150に沿って配設し、この長手方向軸150を角度測定のための基準として使用することは、測定データの幾何学的変換を単純化するので特に有利である。
【0074】
これらの磁気検出器110、120は、磁力計、磁束ゲートセンサ、地磁気センサ、ローレンツ力デジタルMEMS、磁気誘導センサ、磁気抵抗センサ、ホールセンサ、磁気トンネル接合、及びそれらの任意の組合せなど、任意の適切なタイプのものでよい。小型であり3軸検出を含む多くのICパッケージが利用可能である。したがって、単純なPCB設計、及び好ましくはより小さいプローブ直径で「多軸」ソリューションを提供することができる。以下に提案されるセンサパッケージは一例である。それらはデジタルであり、したがって、アナログ設計があまり必要とされないのでインターフェースが比較的簡単である。
【0075】
TIDRV425フラックスゲートセンサ(1D)
技術:フラックスゲート
サイズ:4×4×0.8mm
範囲:±2mT(単軸)
分解能:(アナログ、ADCによる)
RMSノイズ:0.42μT@1000Hz(0.2μT@50Hz)
オフセット:8.3μT+1.4μTヒステリシス+0.4温度ドリフト
利得誤差:0.3%
絶対最大磁場:>2T(任意の方向で)
注:良好なゼロ磁場オフセット性能を有する補正センサを使用することによって、オフセットを低減することができる。別のタイプのセンサは、例えば、プローブ100に統合されて、フラックスゲートに関するある程度のオフセット及び/又はドリフト補正を提供することがある。好ましくは、そのような補正センサは、磁気マーカ200の磁場特性の影響を低減するために、近位端の近くに又は近位端に位置される。
【0076】
Bosch BMM150 3軸デジタル地磁気センサ(3D)
技術:FlipCore
サイズ:1.56×1.56×0.6mm
範囲:±1.2mT(x,y);±2mT(z)
分解能:3μT(LSB)
RMSノイズ:0.3μT@20サンプル/秒
オフセット:40μT(ソフトウェア補償なし)、2μT(補償後、典型的に)
利得誤差:5%(補償後)
絶対最大磁場:>7T(任意の方向で)
【0077】
ST LIS3MDL(1D)
技術:ローレンツ力デジタルMEMS
サイズ:2×2×1mm
範囲:±1.6mT(x,y,z)(ユーザ選択可能:0.4、0.8、1.2mT)
分解能:0.015μT(LSB)(@0.4mT範囲;0.06μT@1.6mT範囲)
RMSノイズ:0.3μT(x,y);0.4μT(z)@1.2mT範囲
オフセット:100μT;磁場>5mT(印加)のときにドリフト
利得誤差:0.15%フルスケール(最良あてはめ直線、非線形)
絶対最大磁場:<0.1T(任意の方向で)
【0078】
ST IIS2MDC(3D)
技術:3軸デジタル出力磁力計
高精度、超低出力
ノイズ:0.3μT(使用可能なローパスフィルタ又はオフセットキャンセレーションによる)。20サンプル/秒で1SD。
オフセットエラー:6μT;20℃範囲にわたって1.2μTに修正可能。3Tで測定されたヒステリシスは、5mTフィールドで53μT及び13μT
オフセット変化:温度と共に、0.03μT/℃
利得誤差:1.5%(典型)、7%(最大)
利得変化:温度と共に、0.03%/℃
【0079】
Melexis MLX90393 Micropower Triaxis Magnetometer(3D)
技術:ホール効果
サイズ:3×3×1mm
範囲:±5-50mT(x,y,z)(ユーザ選択可能)
分解能:0.16μT(x,y);0.3μT(z)(LSB)
RMSノイズ:0.7μT(x,y);0.9μT(z)@50サンプル/秒
オフセット:0μT 2.7μT/℃温度ドリフト(オンチップ補償利用可能)
利得誤差:<1%交差軸感度+3%温度超過
絶対最大磁場:-
【0080】
MEMSIC MMC3416xPJ(3D)
技術:AMR
サイズ:1.6×1.6×0.6mm
範囲:±1.6mT(x,y,z)(ユーザ選択可能:0.4、0.8、1.2mT)
分解能:0.015μT(LSB)(@0.4mT範囲;0.06μT@1.6mT範囲)
RMSノイズ:0.15μT@125サンプル/秒
オフセット:再現可能性誤差0.1%フルスケール=1.6μT
利得誤差:-
絶対最大磁場:1T
【0081】
AKM AK09970N(3D)
技術:ホール効果
サイズ:3×3×0.6mm
範囲:±36mT(x,y);±102mT(z)
分解能:1.1μT(LSB)
RMSノイズ:5μT@100サンプル/秒
オフセット:743μT(x,y)、1050μT(z)
利得誤差:10%
絶対最大磁場:-
【0082】
PNI RM3100センサシステム(3D)
技術:磁気誘導
サイズ:15.24×12.8×3×10.5mm
範囲:±800μT(z)
分解能:13nT(LSB)
RMSノイズ:15nT@100サンプル/秒
オフセット:再現可能性8nTヒステリシス15nT
利得誤差:線形0.5%
絶対最大磁場:-
注:センサシステムは、3つのコイル、及びデジタルインターフェースを有するドライバICを含む。
【0083】
40mm~50mmの長手方向センサアレイの長さ400が好ましい。
【0084】
各センサ110、120は、地球の磁場などの任意の背景磁場及びマーカ200の磁場を含むことがある任意の局所磁場のB場3Dベクトルをそれぞれ測定する。これらの測定値はソフトウェアアルゴリズムに提供され、ソフトウェアアルゴリズムは、測定値を、向き、感度、センサ離間距離などの物理的パラメータと組み合わせて、プローブ100の所定の基準位置に対する磁気マーカ200の角度配設180、190を決定する。
【0085】
本発明の基礎となる洞察の1つは、傾斜(角度配設)がゼロであるとき(言い換えると、マーカ200がプローブ100の長手方向軸150に沿って、例えばY-Z平面700-800内に配設されるとき)、長手方向軸に沿って配設されたすべてのセンサ110、120で測定される磁場が実質的に同じ方向であることである。これがハンドヘルドプローブ100で検出されるとき、プローブ100は、実質的にマーカ200の方向を「向いて」いる。
【0086】
ハンドヘルド用途では、ユーザは、例えばY-Z平面700-800内でプローブ100を異なる傾斜に回転させることができ、それにより長手方向軸150が皮膚300に対して複数の向きを有する。磁場ベクトル測定値を継続的に監視し、各センサ110、120によって測定される磁場方向の偏差の程度(差)を決定することによって、マーカ200に対する相対的な傾斜(角度配設)の標示を提供することができる。偏差の程度が所定の閾値よりも低いとき、プローブ100は、マーカ200を実質的に「向いて」いる。
【0087】
測定の精度を向上させるために、ノイズをできるだけ低減するようにプローブ100を構成することが有利であり得る。これは、例えば、以下のことによって行われる。
-より高感度のセンサ110、120を使用すること;
-より強い磁場を提供するマーカ200を使用すること;
より多数のセンサ110、120を使用することによって;
1つ又は複数の平均化フィルタを使用することによって;及び
それらの任意の組合せ。
【0088】
マーカ200に含まれる磁気双極子を原点とし、双極子モーメントmがZ方向800に向いている場合、球面極座標での磁場は次式によって与えられる。
Br=2|m|cosθ/r3
Bθ=|m|sinθ/r3
Bφ=0 (式1)
【0089】
図3Aは、概して円形の磁力線401、402、403、404のシミュレートされた概略図を示し、Y-Z 700-800の原点で磁気双極子200によって生成された磁場のY-Z平面700-800での断面を表す。Z軸800は、0を通過する、下部での-4から上部での+4までの公称距離単位を表す。また、Y軸700は、0を通過する、右側の-1から左側の+5までの公称距離単位を表す。双極子モーメントmは、Z軸800に沿って配設される。X軸600は、図面の平面に(紙面に向かって)入る。磁力線401、402、403、404はすべてY-Z 700-800の原点(0,0)を通過し、原点から放射状に広がる磁力線を示す。
-第1の磁力線401は、1距離単位の公称直径を有し、Y-Z 700-800座標(0,0)、(0.5,-0.5)、(1,0)、(0.5,0.5)をほぼ通過する。
-第2の磁力線402は、2距離単位の公称直径を有し、Y-Z 700-800座標(0,0)、(1,-1)、(2,0)、(1,1)を通過する。
-第3の磁力線403は、3距離単位の公称直径を有し、X-Y 600-700座標(0,0)、(1.5,-1.5)、(3,0)、(1.5,1.5)をほぼ通過する。
-第4の磁力線404は、4距離単位の公称直径を有し、Y-Z 700-800座標(0,0)、(2,-2)、(4,0)、(2,2)をほぼ通過する。
【0090】
わかりやすくするために、4本の磁力線のみが示されている。実際には、さらなる磁力線が存在し、適切な感度の磁気センサ110、120を用いて測定可能である。
【0091】
また、プローブ100の6つの向きも示されており、それぞれが傾斜181~186を表す。プローブ100は、長手方向軸150に沿った4公称距離単位の延在長さを有する。各位置において、遠位端160が双極子200を「向いて」いるのでY-Z角度配設190は約0度であり、センサ110、120によって測定されるベクトル測定値間の偏差は非常に低い又はほぼゼロである。
-第1の傾斜181。プローブ100は、(0,-4)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、すべてのセンサ110、120に関して、約0(又は180)度でプローブ100と交差する。
-第2の傾斜182。プローブ100は、ほぼ(2,-3.3)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約50度でプローブ100と交差する。
-第3の傾斜183。プローブ100は、ほぼ(3.4,-2)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約70度でプローブ100と交差する。
-第4の傾斜184。プローブ100は、ほぼ(4,0)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約90度でプローブ100と交差する。
-第5の傾斜185。プローブ100は、ほぼ(3.4,2)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約110度でプローブ100と交差する。
-第6の傾斜185。プローブ100は、ほぼ(2,3.3)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約130度でプローブ100と交差する。
【0092】
したがって、マーカ200によって生成される磁気双極子の磁場のこの特性を利用することによって、ほぼゼロのYZ角度配設190を有するプローブ100の向きは、磁気センサ110、120によって測定される磁場方向の偏差が非常に低い又はほぼゼロである向きによって決定することができる。好ましくは、偏差は約15度未満である。
【0093】
磁力線401、402、403、404は、実質的に同じ角度でプローブ100の磁気センサ110、120と交差する。磁力線401、402、403、404の角度は、プローブ100がマーカ200によって生成された磁気双極子と成す角度に大きく依存する。これは、双極子磁場が自己相似であるからである。すなわち、双極子200から遠い磁力線は、双極子200に近い磁力線と実質的に同じ形状を有する。
【0094】
この関係500は
図3Bに示されている。横軸に沿って、プローブ傾斜θ550の値が左から右に0から180度までプロットされ、縦軸に沿って、プローブ平面575での磁場の傾斜の値が、下側での-90度から上側での+90度までプロットされている。この関係は、以下の点を通過する。
【0095】
【0096】
プローブ100が一定のZ800配設で異なる傾斜に動かされる場合、θは、マーカ200からのセンサ110、120の位置に関係付けられる。
tan(θ)=Zsen/Ysen
tan(α)=tan(θ)/2=(Zsen/Ysen)/2
【0097】
図7は、プローブが磁気双極子に直接向いているときの、予想される磁場成分を示す。
【0098】
磁気マーカ200は、マーカ磁気軸900に沿って長手方向に延ばされている。マーカ磁気軸900は、磁石の双極子モーメント(ベクトル)の軸である。双極子モーメント900と実質的に整列された磁気マーカ200を使用することが簡便であるが、マーカ200の他の形状及び他の整列を使用することもできる。
【0099】
図示される場合には、プローブ長手方向軸150は、磁気マーカ200に方向付けられている(プローブは、磁気マーカ200の磁気双極子の中心に向けられている)。プローブの長手方向軸150は、傾斜θでマーカ磁気軸900と交差される。
【0100】
球座標(r,θ,φ)を有する検出位置970で、プローブ長手方向軸150と実質的に垂直に交差する横方向軸950が示されている。検出位置970には、磁気マーカ200によって生成された磁場(B)920が存在し、検出可能である。検出位置970で、磁場ベクトル930Bは、横方向軸950に対して角度αで検出可能である。
【0101】
図示される場合には、プローブが磁気マーカ200に直接向いているので、方位角方向での磁場ベクトル930Bの成分(Bφ)はほぼゼロであると考えることができる。角度αは、主に、磁気マーカ200の磁気双極子に対するプローブの傾斜θに対応すると考えることができる。
【0102】
したがって、磁気マーカ200の角度配設を決定するために、磁場ベクトル930Bは、以下の2つの成分を有すると考えることができる。
|B|sinα=Br(半径方向rでのプローブ長手方向軸150に沿って)
|B|cosα=Bθ(傾斜θの方向に沿って)
【0103】
従来技術のシステムでは、1Dラインのセンサを使用して、距離の測定値と方向の測定値との両方を提供することができる。しかし、プローブが磁気マーカ200に直接向いていないとき、精度が低くなることがある。
【0104】
図3A及び
図3Bから、1Dラインに配設された2つ以上の磁気センサがほぼ同じ磁場角度αを示すとき、プローブが磁気マーカ200を向いていることを当業者は理解されよう。測定された磁場の振幅から、磁気双極子200までの距離を計算することができる。
【0105】
複数のセンサが異なる角度αを示すとき、プローブは磁気マーカ200からずれた方向を向いている。プローブが磁気マーカ200からどれだけずれた方向を向いているかを示す指標として、様々なセンサにわたる角度の偏差に関する任意の人工的な尺度を使用することができる。
【0106】
図4A及び4Bは、プローブ100が30.0度の固定傾斜θ191、192、193、194、195、196で異なるXY角度配設190を通して走査されたときに、長手方向軸150に沿って配設された各磁気センサ110、120で得られた測定値を示す。各磁気センサ110、120で測定されたB場ベクトルを比較することによって、プローブがマーカ200を実質的に直接「向いて」いるXY角度配設190(言い換えると、XY角度配設190が実質的にゼロであるとき)は、グラフが切片を有する点(ゼロ切片又は「切片=0」の点とも呼ばれる)を識別することによって決定することができる。
【0107】
図4Aは、センサでのB場傾斜の測定を示し(単位は度)、磁場傾斜は、縦軸に-75度から+90度まで、及び横軸にプローブZ800配設で-50mmから+50mmまでプロットされている。4つのグラフが示され、遠位端160からY軸700に沿って10.0mm、15.0mm、20.0mm、及び25.0mm(図の左側に下から上へこの順序で示されている)の距離で長手方向軸150に沿って配設された各センサ110、120に関するものである。各グラフは、つぶれたS字形を成し、同じゼロ切片(横軸での0mm)を通過する。
【0108】
図4Bは、
図4Aと同様のデータを示す(4つのグラフ。遠位端160からY軸700に沿って10.0mm、15.0mm、20.0mm、及び25.0mm(図の左側に下から上へこの順序で示されている)の距離で長手方向軸150に沿って配設された各センサ110、120に関するものである)。
図4Bは、用いられる縦軸が-4から+6までのB場傾斜のタンジェントであるという点で
図4Aとは異なる。タンジェント関数を使用する利点は、特性がほぼ線形になり、ゼロ切片の位置(横軸での0mm)を推定及び/又は決定するためにより簡単に使用することができることである。
【0109】
同様に、B場の傾斜の違いを使用して、遠位端に最も近い磁気センサ、すなわち10.0mmでのセンサと比較して、15.0mm、20.0mm、及び25.0mmで測定された値を比べることができる。これらのグラフは、
図5Aにおいて、10.0mm(基準)、15.0mm、20.0mm、及び25.0mmの順に、図の左側で下から上にこの順序で示されている。10.0mmの値とのB場傾斜の差が、縦軸に-12度から+55度までプロットされている。横軸は、-50mmから+50mmまでの配設を示す。他の値が10.0mmの値と比較されるので、10.0mmの値は、0の差分線で水平線として示されている。ここでも、グラフはどれもゼロ切片(横軸での0mm)で切片を有する。
【0110】
図5Bは、
図5Aと同様のデータを示す(10.0mm(基準)、15.0mm、20.0mm、25.0mmの順に、図面の左側にこの順序で)。他の値が10.0mmの値と比較されるので、10.0mmの値は、0の差分線で水平線として示されている。
図5Bは、用いられる縦軸が-3から+3までのB場傾斜のタンジェントであるという点で
図5Aとは異なる。タンジェント関数を使用する利点は、特性がほぼ線形になり、ゼロ切片の位置(横軸での0mm)を推定及び/又は決定するためにより簡単に使用することができることである。
【0111】
したがって、B場傾斜角の偏差は、マーカに対する角度配設の尺度として使用することができる。偏差が最小であるとき、プローブはマーカに直接向いている。偏差は、例えば以下のものを使用して定量化することができる。
-絶対平均。言い換えると、磁場の平均に対する磁場角度が監視される。これは好ましい選択肢である。基準としての磁場の平均は、より強い磁場に対してより大きい重みを置き、それによりSNRを高くすることができる。遠位端160に最も近い磁場を使用することもできるが、これは、ノイズを低減するための追加の手段を必要とすることがある。
-
図4Dに示されるB場タンジェントの平均。
-上記の平均を使用する代わりに、平均タンジェントを使用することができる。
【0112】
図1Aは、プローブ長手方向軸150に沿って遠位端160から延びるマーカ検出区域170a、170bをさらに示す。XY平面600-700に三角形断面で実質的に対称に示されているが、これは必須ではない。任意の断面形状を使用することができる。マーカ検出区域は、主に、破線で示されるような2つ以上の角度境界170a、170bによって決定することができる。追加として及び任意選択で、プローブ100の遠位端160の近位での2つ以上の角度境界170a、170bの間の距離が事前決定及び/又は制御されることがある。追加として及び任意選択で、マーカ検出区域がプローブ100の遠位端160から長手方向軸150に沿って延びる範囲(湾曲した破線として示される)が事前決定又は制御されることがある。
【0113】
同様に、
図1Bは、プローブ長手方向軸150に沿って遠位端160から延びるマーカ検出区域170c、170dのさらなる範囲を示す。YZ平面700-800に三角形断面で実質的に対称に示されているが、これは必須ではない。任意の断面形状を使用することができる。区域は、XY600-700及び/又はYZ700-800内で範囲を有することがある。
【0114】
マーカ検出区域は、主に、破線で示されるような2つ以上の角度境界170c、170dによって決定することができる。追加として及び任意選択で、プローブ100の遠位端160の近位での2つ以上の角度境界170c、170dの間の距離が事前決定及び/又は制御されることがある。追加として及び任意選択で、マーカ検出区域がプローブ100の遠位端160から長手方向軸150に沿って延びる範囲(湾曲した破線として示される)が事前決定又は制御されることがある。
【0115】
図1A及び1Bに示される断面は実質的に同じ形状であり、異なる範囲を有するが、これは必須ではない。例えば、マーカ検出区域170a、170b、170c、170dは、任意選択で、長手方向軸150に実質的に垂直に、実質的に円形、円弧形、セグメント、卵形、楕円形、三角形、長方形、又は正方形の横方向断面を有することがある。
【0116】
マーカ検出区域170a、170b、170c、170dが長手方向軸150に関して実質的に対称である場合、特にプローブがハンドヘルドであるように構成されるとき、マーカ200を見つけるためのより直感的なプローブ100を提供することができる。例えば、マーカ検出区域を円柱又は円錐形として定義することができる。円錐形のマーカ検出区域は、放物線、直線、又は双曲線の形状をさらに有することがある。
・放物線=遠位端160の近位でより広い角度であり、より負のY700配設に向かって遠位端から離れるにつれてより狭い角度である。
・直線=遠位端160の近位でも、より負のY700配設に向けて遠位端160から離れても、ほぼ同じ角度である。これは、集束ビームと呼ばれることもある。
・双曲線=遠位端160の近位でより狭い角度であり、より負のY700配設に向かって遠位端から離れるにつれてより広い角度である。
【0117】
マーカ検出区域170a、170b、170c、170dは、ソフトウェアを使用して定義することができる。例えば、B場ベクトルの測定中、マーカ検出区域170a、170b、170c、170dの外側にあると推定/測定される角度配設180、190は抑制されることがある。言い換えると、ソフトウェアは、マーカ200がマーカ検出区域170a、170b、170c、170d内にあることをベクトル測定値が示しているように見える場合にのみ、角度配設の計算においてベクトル測定値を考慮に入れるように構成することができる。言い換えると、区域は、ソフトウェア制御式のコリメータとして作用するように構成される。追加として及び任意選択で、マーカ検出区域が長手方向軸150に沿って延びる範囲を使用して、長手方向で制限されたマーカ検出区域内にマーカ200があるかどうかを判断することもできる。
【0118】
ソフトウェアで区域を定義することは、円柱、スリット、及び円錐などの単純な形状を使用することができることを意味する。代替として又は追加として、複雑な形状を使用することもできる。例えば、プローブ100の遠位端160の近くでは細い円錐であり、遠位端160から離れるにつれてより広く扇状に広がる、又は遠位端160から直進する(円柱形の)ビームを定義する。
【0119】
これは、簡単なゴニオメトリックテストとして実装して、所望の検出体積を実現することができる。マーカ200が区域170a、170b、170c、170dの縁部にあるように見える場合、ノイズにより、マーカ200が時として除外され、時として使用されることになり得る。実装することができるソリューションとして、以下のものを挙げられる。
1)測定に関するヒステリシス。例えば、区域170a、170b、170c、170dの内側にあるとみなされると、B場ベクトル測定が抑制される前にかなりの距離及び/又は角度の移動が生じるはずである。
2)本願と同一出願人による先行特許出願であるオランダ特許第2022093号に記載されている3D位置決定出力も、ある程度の不確実性を有することがある。位置の不確実性が空間内のヒートマップであると考えられる場合、それに区域170a、170b、170c、170dを乗算し、次いで体積全体にわたって積分することができる。積分値が閾値を超えている場合、それらの値は、角度配設180、190の決定に使用される。
3)区域170a、170b、170c、170dの重みを成形してテーパを付ける。例えば、プローブ100は、B場ベクトルを評価し、ヤコビアンを返すように構成及び配置することができ、ヤコビアンを使用して、推定されるマーカ200位置の不確実性の指標を与えることができる。これは、GPSシステムでの不確実性に伴う問題を軽減するために通常使用される手法に類似している。
4)距離に依存するオーディオピッチを決定するために、提案される実施形態は、推定される位置に区域170a、170b、170c、170dの形状を乗算することである。代替として、不確実性の領域に区域170a、170b、170c、170dの形状を乗算することができる。角度配設180、190の信頼度を示す積分値を、音のボリュームとして出力することができ、音のピッチは、横方向及び/又は長手方向配設(距離)を示すことがある。例えば、ビープ音間の休止期間の間に逆の関係を使用することができる。すなわち、より短い休止が、より高い近位度(又は近接性)を示す。
【0120】
プローブ100は、プローブ100の遠位端160など、プローブ300での適切な基準点に対するマーカ200の長手方向及び/又は横方向配設を決定するようにさらに構成及び配置することができる。
【0121】
プローブ100が最初にマーカ200を向くように方向付けられる場合、マーカ200までの距離(長手方向及び/又は横方向配設)を高い精度で推定することができる。
【0122】
プローブ100がマーカ200に向いているとき、Br=-Byである(プローブ100のY軸700はマーカ200に向くが、rは、マーカ200から、プローブ100に含まれる磁気センサ110、120に向く)。
【0123】
Bφ=0であるので、磁場の大きさの2乗は次式によって与えられる。
【数1】
【0124】
上記の式から、B
r及びB
θに関して次式が成り立つ。
【数2】
B
r及び|B
θ|に関する上記の式を挿入すると、次式が得られる。
【数3】
これは、rを推定するためのより簡単な式を与える。
【数4】
【0125】
このソリューションは、
図1及び
図2に示されているものを含む、様々なセンサ配置で実装することができる。
【0126】
図2A~
図2Fは、本発明で使用することができるさらなるプローブ構成を示す。
【0127】
例えば、以下のようである。
図2A。磁場センサ110、120は、実質的に長手方向軸又はY軸700に沿って配置される。この例では、磁場センサは、プローブ長手方向軸150に沿って配置される。磁場センサは、PCBなどの適切な基板に配置される。基板は、X-Y平面600-700内にある。1つ又は複数のさらなるセンサ130を近位端165に配設することができ、任意の背景磁場を補償するために提供することができ、又は遠位端により近いセンサ1110、120から主センサ離間距離にあるように構成及び配置することができる。
【0128】
これは、1D幾何形状と考えることができる。磁場センサは、実質的に軸に沿って配置される。
【0129】
背景磁場が十分に均一でない場合、又は背景磁場センサがマーカ(図示せず)の双極子磁場を感知する場合(マーカは背景磁場センサに近いので)、背景磁場を局所で差し引くと有利であり得る。
【0130】
例えば、双極子磁場が空間にわたって変化しているのでB場の勾配を測定し、背景磁場が均一である(少なくとも測定範囲、例えば2つの隣接するセンサ間の距離にわたって)と仮定する。この手法は、3つの方向600、700、800すべてにおいて湾曲に対する感度を有する3Dアレイで使用することができる。
【0131】
3Dアレイは、実質的に平面に沿って、さらに上記平面に実質的に垂直な少なくとも1つの軸に沿って配置された磁場センサを備える。3Dアレイは、実質的に第1の平面に沿って、さらに第1の平面に実質的に垂直な第2の平面に沿って配置された磁場センサを備えることもある。
【0132】
2Dアレイで使用することができるさらなる手法を以下に述べる。2Dアレイは、実質的に平面に沿って配置された磁場センサを備える。均一な磁場に関して、∂Br/∂r及び∂Bθ/∂r=0である。これは、プローブの長さ(Y軸700及び/又は長手方向軸150)に沿った磁場の差を取ることによって実装することができる。磁場は、プローブがマーカに含まれる磁石に向いているとき、rと整列される。rは-y方向であり、|Bθ|=√(Bx
2+Bz
2)である。
【0133】
双極子に関しては、
【数5】
さらに、
【数6】
であり、rは次式によって与えられる。
【数7】
【0134】
ここで、偏微分項は、次式によって近似することができる。
【数8】
【0135】
図2B。センサ110、120、130は、実質的に長手方向軸又はY軸700に沿って位置するように積み重ねられる。この例では、センサは、プローブ長手方向軸150に沿って配置されている。各センサは、それ独自の小さなPCB(片側又は両側にセンサを有することがある)上にあり得る。各PCBは、XZ平面600-800内に配設される。この配置は、センサの充填密度を高める。
【0136】
図2C。磁場センサ110、120、130は、実質的に長手方向軸又はY軸700に沿って配置される。この例では、磁場センサは、
図2Aと同様に、プローブ長手方向軸150に沿って配置されている。磁場センサは、PCBなどの適切な基板上に配置される。基板は、X-Y平面600-700内にある。この例では、2Dアレイが提供される。センサのさらなる列(一部のみ見える)が、図示される基板の下面に沿って配設される。言い換えると、センサ110、120、130は、横方向軸800に沿って異なる配設で、しかし基板の両側に提供される。この配置は、センサ110の充填密度を増加させ、また磁場勾配を推測できるようにする。上下に隣接するセンサ110、120、130の磁場測定値は、例えば平均化することができる。これは、隣接するセンサ110、120、130間の空間内の線に実質的に沿ったB場ベクトル測定値を提供する。
【0137】
図2D。磁場センサ110、120は、実質的に長手方向軸又はY軸700に沿って配置される(一部のみ見える)。この例では、磁場センサは、
図2Cと同様に、プローブ長手方向軸150に沿って配置されている。磁場センサは、PCBなどの適切な基板に配置される。基板は、X-Y平面600-700内にある。この例では、3Dアレイが提供される。センサのさらなる2列(一部のみ見える)が、図示される基板の下面に沿って配設される。言い換えると、センサ110、120は、横方向軸800に沿って異なる配設で、しかし基板の両側に提供される。センサ110、120はまた、X-Z平面600-800において三角形の配置で3つ1組としてグループ化されていると考えることもできる。ただ1つのグループのセンサ110、120が見える。
【0138】
図2E。
図2Bと同様にセンサ110、120、130が積み重ねられ、センサは、三角形配置で3つ1組としてのグループで存在し、各グループが、X-Z平面600-800内にあるPCB上に配設される。
【0139】
PCBは、実質的に長手方向軸又はY軸700に沿って配設される。この例では、PCBは、プローブ長手方向軸150に沿って配置されている。各センサは、それ独自の小さなPCB(片側又は両側にセンサを有することがある)上にあり得る。各PCBは、XZ平面600-800内に配設される。言い換えると、センサ110、120、130は、3Dアレイとして提供される。この配置は、センサ110、120の充填密度をさらに増加させ、また磁場勾配を推測できるようにする。
【0140】
図2F。センサ110、120、130は3つの基板セクションに配設され、各基板セクションが長手方向軸又はY軸700に沿って延びる。3つの基板セクションは、それらの長手方向縁部によって相互に取り付けられ、X-Z平面内の横断面が三角形になるように配置された三角形の横方向600-800断面を有する中空基板配置を形成する。言い換えると、3Dアレイは、センサの1Dアレイを3つ使用して提供され、各1Dアレイは別個の基板セクションに配設され、センサの各1Dアレイは、プローブの長手方向軸700に実質的に平行に、長手方向軸700に沿って配設される。
【0141】
この配置は、センサ110、120の充填密度を大幅に増加させ、また磁場勾配を推測できるようにする。この配置はまた、比較的円筒形のパッケージ内に多数のセンサを充填することを可能にし、「フロントセンサ」とマーカ(図示せず)との間の距離も短縮する。
【0142】
実施形態2:3Dセンサアレイ及び磁場強度勾配
プローブ100のさらなる実施形態に関して、3Dセンサグリッド110、120を使用して、磁場強度の空間勾配を測定することができる(例えば、
図2D又は
図2Eに示されるレイアウト)。正方形/立方体のグリッドが可能である。
【0143】
磁場強度は、距離の推定を与え、左側/右側(上側/下側に関しても同様)のセンサ間の距離及び磁場の相対強度は、方向の推定を与える。シードが左に向けて位置される場合、左側のセンサは右側のセンサよりも強い信号を感知する。この差は、横方向変位に関する(相対)尺度として使用することができる。左側/右側のセンサと上側/下側のセンサの差が最小限に抑えられている場合、棒は本質的にマーカの方を向いている。
【0144】
図6は、センサからのL-R信号を横方向変位に変換するために使用することができる、差動測定対横方向変位特性の一例を示す。各センサ(L及びR)から、磁場の大きさが測定される。差動測定は、隣接するセンサでの磁場強度を比較することによって行われる。隣接するセンサは、例えば、左と右、前と後ろ、上と下である。差がゼロの場合、マーカ200は、センサ間の中間点の近くに配設される。差が正の場合、マーカは、より右側に配設される。差が負の場合、マーカは、より左側に配設される。
【0145】
X軸は、-3.0から+3.0まで、変位Xをセンチメートル(cm)で示す。Y軸は、-0.60から0.60まで、L-R信号を示す。長さ4mm及び直径2mmのNdFeBから作られた円筒形の磁気マーカ200を使用して、X=-2.0、-1.0、0、+1.0、及び+2.0の横方向配設でL-R信号を測定した。これらは、それらの変位値でドットとして示されている。これらの距離は、磁気マーカ200の寸法の5~20倍の範囲内にある。X=0で、磁気マーカ200は、プローブ長手方向軸150上に配設される。これらの値に基づいて、特性が当てはめられており、(-2.5,-0.52775)から(2.5,0.52775)までの直線である。言い換えれば、距離Xは、L-R=0.2111Xから計算することができる。この例では、線形の曲線あてはめの相関係数(R2)は0.9328である。
【0146】
ソフトウェア構成可能な検出区域を提供するさらなる利点は、異なる範囲、異なる形状、異なる角度境界、異なる長手方向範囲、異なる横方向範囲、及びそれらの任意の組合せで、2つ以上のマーカ検出区域を構成することができることである。これらの2つ以上のマーカ検出区域は、1つ又は複数の境界を共有することがあり、1つ又は複数の軸に沿って隣接することがあり、1つ又は複数の軸に沿って隣接しないことがあり、又はそれらの任意の組合せであり得る。
【0147】
例えば、
図8A及び
図8Bは、複数の異なる範囲を有する検出区域の2つの例を示す。図示の視線及び示されているプローブ101は、
図1Bに示されているプローブ100と同様である。
【0148】
図8Aは、プローブ長手方向軸150に沿って遠位端160から延びる第2のマーカ検出区域171c、171dを示す。YZ平面700-800に三角形断面で実質的に対称に示されているが、これは必須ではない。任意の断面形状を使用することができる。
【0149】
第2のマーカ検出区域は、破線で示されるように2つ以上の角度境界171c、171dによって主に決定することができる。例えば、長手方向軸150に対して±22.5度である。言い換えると、45度のマーカ検出角度で、プローブ長手方向軸150に対して実質的に対称に配設される。
【0150】
追加として及び任意選択で、プローブ101の遠位端160の近位での2つ以上の角度境界171c、171d間の距離が事前決定及び/又は制御されることがあり、例えば18.5mmである。追加として及び任意選択で、第2のマーカ検出区域がプローブ101の遠位端160から長手方向軸150に沿って延びる範囲(湾曲した破線として示される)が事前決定又は制御されることがあり、例えば29mmである。
【0151】
図8Aは、第2のマーカ検出区域171c、171dの長手方向範囲から延び、プローブ101の遠位端160からさらに離れて延びる第3のマーカ検出区域172c、172dをさらに示す。
【0152】
YZ平面700-800に円弧形断面で実質的に対称に示されているが、これは必須ではない。任意の断面形状を使用することができる。
【0153】
第3のマーカ検出区域は、破線で示されるように2つ以上の角度境界172c、172dによって主に決定することができる。例えば、長手方向軸150に対して±30度である。言い換えると、60度のマーカ検出角度で、プローブ長手方向軸150に対して実質的に対称に配設される。
【0154】
追加として及び任意選択で、第2のマーカ検出区域171c、171dの長手方向範囲の近位での2つ以上の角度境界172c、172d間の距離は、例えば47mmである。追加として及び任意選択で、第3のマーカ検出区域172c、172dが、第2のマーカ検出区域171c、171dの長手方向範囲からさらに長手方向軸150に沿って延びる範囲(曲線の破線として示される)が事前決定又は制御されることがあり、例えば20mmである。
【0155】
図8Bは、プローブ長手方向軸150に沿って遠位端160から延びる第4のマーカ検出区域173c、173dを示す。YZ平面700-800に三角形断面で実質的に対称に示されているが、これは必須ではない。任意の断面形状を使用することができる。
【0156】
第4のマーカ検出区域は、破線で示されるように2つ以上の角度境界173c、173dによって主に決定することができる。例えば、長手方向軸150に対して±10度である。言い換えると、20度のマーカ検出角度で、プローブ長手方向軸150に対して実質的に対称に配設される。
【0157】
追加として及び任意選択で、プローブ101の遠位端160の近位での2つ以上の角度境界173c、173d間の距離が事前決定及び/又は制御されることがあり、例えば5mmである。追加として及び任意選択で、第4のマーカ検出区域がプローブ101の遠位端160から長手方向軸150に沿って延びる範囲(湾曲した破線として示される)が事前決定又は制御されることがあり、例えば33mmである。
【0158】
図8Bは、第4のマーカ検出区域173c、173dの長手方向範囲から延び、プローブ101の遠位端160からさらに離れて延びる第5のマーカ検出区域174c、174dをさらに示す。
【0159】
YZ平面700-800に円弧形断面で実質的に対称に示されているが、これは必須ではない。任意の断面形状を使用することができる。
【0160】
第5のマーカ検出区域は、破線で示されるように2つ以上の角度境界174c、174dによって主に決定することができる。例えば、長手方向軸150に対して±30度である。言い換えると、60度のマーカ検出角度で、プローブ長手方向軸150に対して実質的に対称に配設される。
【0161】
追加として及び任意選択で、第4のマーカ検出区域173c、173dの長手方向範囲の近位での2つ以上の角度境界174c、174d間の距離は、例えば47mmである。追加として及び任意選択で、第5のマーカ検出区域174c、174dが第4のマーカ検出区域173c、173dの長手方向範囲から長手方向軸150に沿って延びる範囲(湾曲した破線として示される)が事前決定又は制御されることがあり、例えば20mmである。
【0162】
さらなるマーカ検出区域を、様々な程度の特別な重畳で構成及び配置することもできる。これらは、実質的に固定されていても、動的でも、又はそれらの任意の組合せでもよい。これは、粗い/細かいマーカ検出区域構成を提供することができる。例えば、プローブ101の遠位端160が磁気マーカ200に近づくにつれて(例えば30~40mm未満、又は約35mm未満)、精度、選択性、及び感度をさらに高めるために、より小さい角度を有するマーカ検出区域を自動的に選択することができる。
【0163】
ソフトウェア構成可能な検出区域を提供する別の利点は、2つ以上のマーカ検出区域を定義することができ、角度配置180、190が
-第1のマーカ検出区域170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cdと実質的に一致するかどうか;
-第2のマーカ検出区域170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cdと実質的に一致するかどうか;
-第1及び第2の検出区域170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cdの両方と実質的に一致するかどうか;
-第1又は第2の検出区域170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cdのいずれとも一致しないかどうか;又は
-それらの任意の組合せ
を判断するようにプローブをさらに構成及び配置することができることである。
【0164】
例えば、範囲、形状、向き、配設、スケーリング、分解能、角度境界、長手方向範囲、横方向範囲、及びそれらの任意の組合せなど、1つ又は複数の検出区域に関連する1つ又は複数のパラメータ又は態様を変更することによって、ユーザに直感的な方法で探索パラメータを変更することが可能になる。
【0165】
検出区域の1つ又は複数の構成可能な態様は、1つ又は複数のセンサからの1つ又は複数の測定値に基づいて、及び/又は1つ又は複数の適切なパラメータに基づいて、プローブによって自動的に決定することができる。追加として又は代替として、ユーザは、決定に影響を与えるために1つ又は複数のパラメータを提供することができる。
【0166】
追加として又は代替として、決定はユーザが選択可能であり得る。個々の検出区域を使用することは特に直感的であり、それによりユーザはプローブの使用を変更することができる。例えば、「より遠くの」検出区域では、より大きく速い動きが促され、「より近くの」検出区域では、より小さく遅い動きが促されることがある。
【0167】
追加として又は代替として、ユーザ選択は、治療又は療法に基づくことがある。追加として又は代替として、ユーザ選択は、侵襲的又は非侵襲的使用に基づくことがある。追加として又は代替として、ユーザ選択は、ハンドヘルド棒としての使用に基づくことがある。
【0168】
追加として又は代替として、ユーザは、例えば人体又は動物の体内でのマーカの予想される位置、予想される近接性、予想される磁場強度、及び予想されるマーカの向きに特に適した構成を選択することができる。1つ又は複数のマーカ検出区域は、マーカへの(ユーザによって)予想される近接性及び/又は向きに応じて、特定の構成を採用するように構成及び配置されることもある。これは、(プローブによって)測定及び/又は推定される近接性及び/又は向きに応じて、ある程度自動化されることもある。様々な程度での任意の組合せも可能である。
【0169】
追加として又は代替として、ユーザは、マーカの位置決定に特に効率的であると個人的に判断した構成を選択することもできる。
【0170】
1つ又は複数の検出区域を複数の寸法で構成することができるので、これらの形状及び断面形状の1つ又は複数を組み合わせることができる。単純な形状及び/又は複雑な形状を使用することができる。ソフトウェア構成可能な検出区域を提供するさらなる利点は、ユーザが2つ以上のマーカ検出区域を構成及び配置することができることである。これは、例えば、粗い/細かいマーカ検出区域構成を提供することができる。プローブの遠位端が磁気マーカに近づくにつれて、より小さい角度を有するマーカ検出区域が、精度及び感度をさらに高めることができる。
【0171】
さらに、プローブは、プローブの向きの測定を提供するために追加のセンサを備えることがある。例えば、IMU(慣性測定ユニット)センサからのプローブのピッチ、ロール、及びヨー角、背景磁場センサからの背景磁場に対する向き、又は他の入力である。この向きは、磁気マーカ200の配設を決定するとき、及び/又は検出区域の構成可能な態様を決定するときにも考慮することができる。
【0172】
位置情報を与える任意の他の入力も同様に使用することができる。例えば、光学式マウスで使用されるセンサと同様の光学式センサを使用して、皮膚の表面の接触点を決定することができる。
【0173】
特定の例示的実施形態に関連して本発明を述べてきたが、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して、当業者に明らかな様々な変更、置換、及び代替を施すことができることを理解されたい。
【0174】
特に有利な実施形態は、以下のように要約することができる。
A.埋め込み型マーカ(200)の角度配設(180、190)を決定するための磁場プローブ(100、101)であって、マーカ(200)が、使用時に磁場を生成するように構成され、プローブが、
遠位端(160)と、
遠位端(160)に近い第1の磁気センサ(110)と、
第1の磁気センサ(110)と近位端(165)との間に配設された第2の磁気センサ(120)とを備え、第1及び第2の磁気センサが、使用時に、マーカ(200)の1つ又は複数の磁場ベクトルを決定するように構成及び配置され、
プローブが、
プローブ長手方向軸(150)に沿って遠位端(160)から延びる1つ又は複数のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義し、
1つ又は複数の磁場ベクトルを使用して、埋め込み型マーカ(200)に対する角度配設(180、190)を決定し、
角度配設(180、190)が1つ又は複数のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)と実質的に一致するかどうかを判断する
ようにさらに構成される、磁場プローブ(100、101)。
【0175】
B.角度配設(180、190)が、
第1のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)と実質的に一致するかどうか、
第2のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)と実質的に一致するかどうか、
第1及び第2の両方のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)と実質的に一致するかどうか、
第1のマーカ検出区域又は第2のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)のいずれとも一致しないかどうか、又は
それらの任意の組合せ
を判断するようにさらに構成された、実施形態Aによるプローブ。
【0176】
Q.埋め込み型マーカ(200)の角度配設を検出するための検出器ユニットであって、実施形態A~Bのいずれかに記載の磁気プローブ(100、101)を備える、検出器ユニット。
【0177】
R.埋め込み型マーカ(200)の角度配設(180、190)を決定するための方法であって、マーカ(200)が、使用時に磁場を生成するように構成され、方法が、
遠位端(160)を備えるプローブ(100、101)を提供し、プローブが、遠位端(160)に近い第1の磁気センサ(110)と、第1の磁気センサ(110)と近位端(165)との間に配設された第2の磁気センサ(120)とをさらに備え、第1及び第2の磁気センサが、使用時に、マーカ(200)の1つ又は複数の磁場ベクトルを決定するように構成及び配置されること、
プローブ長手方向軸(150)に沿って遠位端(160)から延びる1つ又は複数のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義するようにプローブを構成及び配置すること、
1つ又は複数の磁場ベクトルを使用して、埋め込み型マーカ(200)に対する角度配設(180、190)を決定すること、並びに
角度配設(180、190)が1つ又は複数のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)と実質的に一致するかどうかを判断すること
を含む方法。
【符号の説明】
【0178】
図面で使用される参照番号
100 磁場プローブの第1の実施形態
101 磁場プローブの第2の実施形態
110 第1のセンサ
120 第2のセンサ
130 第3のセンサ
150 プローブ長手方向軸
160 プローブの遠位端
165 プローブの近位端
170a、170b X-Y平面内のマーカ検出区域の範囲
170c、170d Y-Z平面内のマーカ検出区域の範囲
171c、171d Y-Z平面内の第2のマーカ検出区域の範囲
172c、172d Y-Z平面内の第3のマーカ検出区域の範囲
173c、173d Y-Z平面内の第4のマーカ検出区域の範囲
174c、174d Y-Z平面内の第5のマーカ検出区域の範囲
180 XY角度配設
190 YZ角度配設
191 第1の傾斜θ
192 第2の傾斜θ
193 第3の傾斜θ
194 第4の傾斜θ
195 第5の傾斜θ
196 第6の傾斜θ
200 埋め込み型磁気マーカ又は誘導磁気マーカ
300 皮膚の外面
401 第1の磁力線
402 第2の磁力線
403 第3の磁力線
404 第4の磁力線
500 傾斜関係
550 プローブの傾斜
575 プローブ面での磁場の傾斜
600 X軸
700 Y軸
800 Z軸
900 磁気マーカ軸
920 磁場
930 磁気ベクトル
950 横方向軸
970 検出位置
【手続補正書】
【提出日】2022-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気双極子を備える埋め込み型マーカ(200)の角度配設(180、190)を決定するための磁場プローブ(100、101)であって、前記マーカ(200)が、使用時に磁場を生成するように構成され、前記プローブが、
遠位端(160)と、
前記遠位端(160)に近い第1の磁気センサ(110)と、
前記第1の磁気センサ(110)と近位端(165)との間に配設された第2の磁気センサ(120)とを備え、前記第1及び第2の磁気センサが、使用時に、前記マーカ(200)の1つ又は複数の磁場ベクトルを決定するように構成及び配置され、
前記プローブが、
プローブ長手方向軸(150)に沿って前記遠位端(160)から延びる2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義し、
前記1つ又は複数の磁場ベクトルを使用して、前記埋め込み型マーカ(200)
に含まれる前記磁気双極子に対する前記角度配設(180、190)を決定し、
前記角度配設(180、190)が前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断し、それによって、前記マーカ(200)が、前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの前記1つの中にあることを決定する
ようにさらに構成される、磁場プローブ(100、101)。
【請求項2】
前記角度配設(180、190)が前記第1又は第2のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)と実質的に一致するかどうかを判断するようにさらに構成される、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)が、前記長手方向軸(150)に関して実質的に対称である、請求項1又は2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)が、実質的に円弧、セグメント、円筒、又は円錐形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項5】
前記2つ以上のマーカ検出区域(171cd、172cd、173cd、174cd)が、1つ又は複数の境界を共有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項6】
前記2つ以上のマーカ検出区域(171cd、172cd、173cd、174cd)が、
範囲、形状、向き、配設、スケーリング、分解能、角度境界、長手方向範囲、横方向範囲、又はそれらの任意の組合せ
からなる群から選択されるパラメータに関して異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項7】
プローブ長手方向軸(150)に沿って前記遠位端(160)から延びるさらなるマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義し、
前記角度配設(180、190)が3つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断し、それによって、前記マーカ(200)が、前記3つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの前記1つの中にあることを決定する
ようにさらに構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項8】
プローブ長手方向軸(150)に沿って前記遠位端(160)から延びるさらなるマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義し、
前記角度配設(180、190)が、
前記さらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)と実質的に一致するかどうか、
前記第1のマーカ検出区域及びさらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)の両方と実質的に一致するかどうか、
前記第2のマーカ検出区域及びさらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)の両方と実質的に一致するかどうか、
前記第1のマーカ検出区域又はさらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)のいずれとも一致しないかどうか、
前記第2のマーカ検出区域又はさらなるマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)のいずれとも一致しないかどうか、又は
それらの任意の組合せ
を判断する
ようにさらに構成される、請求項1~
6のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項9】
前記プローブ(100、101)が、前記プローブ(100、101)の前記遠位端(160)に対する前記マーカ(200)の前記角度配設(180、190)を決定するようにさらに構成及び配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項10】
前記プローブ(100、101)が、前記プローブ(100、101)の前記長手方向軸(150)に対する前記マーカ(200)の前記角度配設(180、190)を決定するようにさらに構成及び配置される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項11】
前記プローブ(100、101)が、少なくとも1つのさらなる磁気センサ(130)を備え、前記磁気センサ(110、120)が、1つ又は複数の1D、2D、又は3Dアレイに含まれる、請求項1~10のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項12】
前記プローブ(100、101)が、オーディオフィードバックを提供するようにさらに構成及び配置され、前記角度配設(180、190)が前記第1又は第2のマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)に実質的に一致するかどうかに応じてオーディオ特性が異なる、請求項1~11のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項13】
前記プローブ(100、101)が、粗い及び細かいマーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)を提供するようにさらに構成及び配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項14】
前記プローブ(100、101)が、前記プローブ(100、101)の前記遠位端(160)が前記マーカ(200)に近づくときに、前記マーカ検出区域(170abcd、1710cdb、1720cd、1730cd、174cd)をより小さい角度で選択するようにさらに構成及び配置される、請求項1~13のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項15】
磁気双極子を備える埋め込み型マーカ(200)の角度配設(180、190)を決定するための方法であって、前記マーカ(200)が、使用時に磁場を生成するように構成され、前記方法が、
遠位端(160)を備えるプローブ(100、101)を提供し、前記プローブが、前記遠位端(160)に近い第1の磁気センサ(110)と、前記第1の磁気センサ(110)と近位端(165)との間に配設された第2の磁気センサ(120)とをさらに備え、前記第1及び第2の磁気センサが、使用時に、前記マーカ(200)の1つ又は複数の磁場ベクトルを決定するように構成及び配置されること、
プローブ長手方向軸(150)に沿って前記遠位端(160)から延びる2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)を定義するように前記プローブを構成及び配置すること、
前記1つ又は複数の磁場ベクトルを使用して、前記埋め込み型マーカ(200)
に含まれる前記磁気双極子に対する前記角度配設(180、190)を決定すること、
前記角度配設(180、190)が前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの1つと実質的に一致するかどうかを判断すること、並びに
前記マーカ(200)が、前記2つ以上のマーカ検出区域(170abcd、171cd、172cd、173cd、174cd)のうちの前記1つの中にあることを決定すること、
を含む方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
また、プローブ100の6つの向きも示されており、それぞれが傾斜181~186を表す。プローブ100は、長手方向軸150に沿った4公称距離単位の延在長さを有する。各位置において、遠位端160が双極子200を「向いて」いるのでY-Z角度配設190は約0度であり、センサ110、120によって測定されるベクトル測定値間の偏差は非常に低い又はほぼゼロである。
-第1の傾斜181。プローブ100は、(0,-4)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、すべてのセンサ110、120に関して、約0(又は180)度でプローブ100と交差する。
-第2の傾斜182。プローブ100は、ほぼ(2,-3.3)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約50度でプローブ100と交差する。
-第3の傾斜183。プローブ100は、ほぼ(3.4,-2)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約70度でプローブ100と交差する。
-第4の傾斜184。プローブ100は、ほぼ(4,0)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約90度でプローブ100と交差する。
-第5の傾斜185。プローブ100は、ほぼ(3.4,2)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約110度でプローブ100と交差する。
-第6の傾斜186。プローブ100は、ほぼ(2,3.3)から(0,0)まで延び、遠位端160は、Y-Z 700-800の原点(0,0)と一致する。磁力線401、402、403、404は、約130度でプローブ100と交差する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
したがって、B場傾斜角の偏差は、マーカに対する角度配設の尺度として使用することができる。偏差が最小であるとき、プローブはマーカに直接向いている。偏差は、例えば以下のものを使用して定量化することができる。
-絶対平均。言い換えると、磁場の平均に対する磁場角度が監視される。これは好ましい選択肢である。基準としての磁場の平均は、より強い磁場に対してより大きい重みを置き、それによりSNRを高くすることができる。遠位端160に最も近い磁場を使用することもできるが、これは、ノイズを低減するための追加の手段を必要とすることがある。
-
図4Bに示されるB場タンジェントの平均。
-上記の平均を使用する代わりに、平均タンジェントを使用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
プローブ100は、プローブ100の遠位端160など、プローブ100での適切な基準点に対するマーカ200の長手方向及び/又は横方向配設を決定するようにさらに構成及び配置することができる。
【国際調査報告】