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特表2023-507665延伸可能なナノファイバーフィルムおよびその製造方法並びに応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】延伸可能なナノファイバーフィルムおよびその製造方法並びに応用
(51)【国際特許分類】
   A61L 15/44 20060101AFI20230216BHJP
   A61L 15/28 20060101ALI20230216BHJP
   A61L 15/26 20060101ALI20230216BHJP
   A61L 15/24 20060101ALI20230216BHJP
   A61L 15/18 20060101ALI20230216BHJP
   A61L 15/46 20060101ALI20230216BHJP
   A61L 15/42 20060101ALI20230216BHJP
   D01D 5/04 20060101ALI20230216BHJP
   D01F 8/18 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
A61L15/44
A61L15/28
A61L15/26
A61L15/24
A61L15/18
A61L15/46
A61L15/42 300
D01D5/04
D01F8/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541309
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 CN2022075825
(87)【国際公開番号】W WO2022161505
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110483874.7
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522267125
【氏名又は名称】河北寧紡集団有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】HEBEI NINGFANG GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.113 Gongye Street, Ningjin County, Xingtai, Hebei 055550, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】徐建林
(72)【発明者】
【氏名】劉瑞寧
【テーマコード(参考)】
4C081
4L041
4L045
【Fターム(参考)】
4C081AA03
4C081AA12
4C081BA14
4C081BA16
4C081BB06
4C081BB07
4C081BB08
4C081BC02
4C081CA211
4C081CB051
4C081CD091
4C081CE01
4C081CF142
4C081CF162
4C081DA02
4C081DB03
4C081DC01
4C081EA03
4L041AA03
4L041BA02
4L041BA21
4L041CA56
4L041CB02
4L041CB05
4L045AA01
4L045AA08
4L045BA34
4L045DA60
(57)【要約】
本願は医療用ナノファイバー材料製造の技術分野に関し、具体的には延伸可能なナノファイバーフィルムおよびその製造方法並びに応用を開示する。前記延伸可能なナノファイバーフィルムはコア-シェル構造を有し、コア層はアミノ化キトサン担体および抗菌剤を含み、前記抗菌剤は前記アミノ化キトサン担体内にドープされ、シェル層はポリウレタン担体、ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよびN-TiO/活性炭を含み、前記ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよび前記N-TiO/活性炭は前記ポリウレタン担体内にドープされる。延伸可能なナノファイバーフィルムは同軸エレクトロスピニング技術によって製造されて得られる。本願により製造されるナノファイバーフィルムは延伸性能に優れ、吸着性能が強く、抗菌時間が長くおよびセルフクリーニングの利点を有し、創傷表面の治癒効果を顕著に向上させ、医療用ドレッシング分野で幅広い用途が見込まれる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延伸可能なナノファイバーフィルムであって、コア-シェル構造を有し、コア層はアミノ化キトサン担体および抗菌剤を含み、前記抗菌剤は前記アミノ化キトサン担体内にドープされ、シェル層はポリウレタン担体、ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよびN-TiO/活性炭を含み、前記ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよび前記N-TiO/活性炭は前記ポリウレタン担体内にドープされ、
ここで、前記ポリウレタン担体は熱可塑性ポリウレタンエラストマーゴムであり、前記アミノ化キトサン担体はテトラエチレンペンタミンとジイソプロピルカルボジイミドでキトサンを改質して得られ、前記アミノ化キトサン担体内のアミノ基含有量は30%~33%であり、
前記N-TiO/活性炭の製造方法は、
木粉をアルカリ性溶液内に加えて2~4h浸漬し、浸漬液を順に濾過および乾燥して浸漬材料を得るステップと、前記浸漬材料をビウレットおよび二酸化チタンと均一に混合して混合物を得、不活性雰囲気で、前記混合物を400~500℃で1.5~2.5h焼成し、焼成後の生成物を順に洗浄および乾燥してN-TiO/活性炭を得るステップとを含む、ことを特徴とする延伸可能なナノファイバーフィルム。
【請求項2】
前記アミノ化キトサン担体と前記ポリウレタン担体との質量比は1:7~22であり、および/または
前記抗菌剤の前記アミノ化キトサン担体におけるドーピング量は10~50wt%であり、および/または
前記ポリN-イソプロピルアクリルアミドの前記ポリウレタン担体におけるドーピング量は13~27wt%であり、および/または
前記N-TiO/活性炭の前記ポリウレタン担体におけるドーピング量は4~11wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載の延伸可能なナノファイバーフィルム。
【請求項3】
キトサンと有機アミンを均一に混合し、反応混合物を加熱して還流し、反応が終了した後、生成物を順に濾過、洗浄および乾燥し、アミノ化キトサンを得るステップ1であって、前記有機アミンはテトラエチレンペンタミンとジイソプロピルカルボジイミドの混合物であるステップ1と、
前記アミノ化キトサンおよび抗菌剤を希酸溶液内に加え、均一に混合してコア層スピニングソリューションを得るステップ2と、
木粉をアルカリ性溶液内に加えて2~4h浸漬し、浸漬液を順に濾過および乾燥して浸漬材料を得、そして前記浸漬材料をビウレットおよび二酸化チタンと均一に混合して混合物を得、不活性雰囲気で、前記混合物を400~500℃で1.5~2.5h焼成し、焼成後の生成物を順に洗浄および乾燥してN-TiO/活性炭を得るステップ3と、
ポリウレタン、ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよび前記N-TiO/活性炭を有機混合溶媒内に加え、均一に混合してシェル層スピニングソリューションを得るステップ4であって、前記有機混合溶媒はジメチルホルムアミドおよびエタノールを含むステップ4と、
前記コア層スピニングソリューションおよび前記シェル層スピニングソリューションを同軸エレクトロスピニング装置にそれぞれ注入し、エレクトロスピニングを行い、得られたエレクトロスピニングファイバーフィルムを乾燥させ、前記延伸可能なナノファイバーフィルムを得るステップ5とを含む、ことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法。
【請求項4】
ステップ1では、前記キトサンと前記有機アミンとの質量体積比は0.08~0.12:1であり、ここで、質量の単位はグラムであり、体積の単位はミリリットルであり、前記有機アミンにおける前記テトラエチレンペンタミンと前記ジイソプロピルカルボジイミドとの体積比は3~5:1であり、および/または
ステップ2では、前記アミノ化キトサンと前記希酸溶液との質量比は0.02~0.05:1であり、および/または
ステップ2では、前記抗菌剤と前記希酸溶液との質量比は0.005~0.01:1である、ことを特徴とする請求項3に記載の延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法。
【請求項5】
ステップ3では、前記木粉と前記アルカリ性溶液との質量体積比は1~2:5であり、ここで、質量の単位はグラムであり、体積の単位はミリリットルであり、前記アルカリ性溶液の濃度は0.8~1.2mol/Lであり、および/または
ステップ3では、前記浸漬材料と前記ビウレットとの質量比は5~10:1.5~4であり、および/または
ステップ3では、前記ビウレットと前記二酸化チタンとの質量比は2~4:1であり、および/または
ステップ3では、温度プログラミングにより温度を400~500℃に上げ、昇温速度は1.5~2.5℃/minである、ことを特徴とする請求項3に記載の延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法。
【請求項6】
ステップ4では、前記ポリウレタンと前記ポリN-イソプロピルアクリルアミドと前記N-TiO/活性炭との質量比は18~22:3~5:1~2であり、および/または
ステップ4では、前記ポリウレタンと前記有機混合溶媒との質量比は0.18~0.22:1であり、および/または
ステップ4では、前記ジメチルホルムアミドと前記エタノールとの体積比は1~2:1である、ことを特徴とする請求項3に記載の延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法。
【請求項7】
ステップ5では、前記コア層スピニングソリューション内のアミノ化キトサンと前記シェル層スピニングソリューション内のポリウレタンとの質量比は1:7~22であり、および/または
ステップ5では、前記エレクトロスピニングのパラメータは、前記エレクトロスピニング装置におけるノズルとアルミニウム箔との距離が10~15cmであり、スピニング電圧が20~30kVであり、コア層スピニングの流速が0.5~1mL/hであり、シェル層スピニングの流速が1~2mL/hであり、湿度が25%~35%である、ことを特徴とする請求項3に記載の延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法。
【請求項8】
請求項1~2のいずれか一項に記載の延伸可能なナノファイバーフィルムの医療用ドレッシングの製造における応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は2021年04月30日に提出された中国特許出願No.CN202110483874.7の優先権を主張する。先行出願の開示内容は全体の引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は医療用ナノファイバー材料製造の技術分野に関し、特に延伸可能なナノファイバーフィルムおよびその製造方法並びに応用に関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚は異物および病原の侵入を阻止し、体液の流失を防止するなどの機能を有し、人体の重要な保護バリアであるだけでなく、また機体免疫システムの重要な構成部分であり、人体の皮膚が損傷された後に医療用ドレッシングを用いて傷口を保護する必要がある。医療用ドレッシングは創傷表面を一時的に覆う皮膚代替物であり、その主な作用は傷口滲出液を吸収し、細菌感染を回避することである。そのため、医療用ドレッシングは抗菌、止血および一定の力学的性能を備える必要があり、特に指、膝、関節および肘などの部位に応用する場合、延伸性能を備える必要がある。
【0004】
キトサンは天然抗血液凝固性を有する塩基性多糖であり、優れた生物活性および良好な生分解能力を有し、また、さらに一定の止血および抗菌消炎などの効果を有し、創傷組織の再生を促進しおよび瘢痕の生成を低減することに役立つ。しかしながら、現在一般的に使用されているキトサン系ナノファイバードレッシングやハイドロゲル系ドレッシングなどは、抗菌剤との結合力が弱く、抗菌剤を徐放させる効果が期待できず、また、延伸性能が低く、可動関節部位に好適に適用することができない。また、医療用ドレッシングは皮膚に接触する時間が長く、皮膚創傷部の血液、油汚れなどが常にドレッシングに付着して創傷表面の治癒効果が不良である。そのため、延伸性能に優れ、薬物徐放効果を有しかつセルフクリーニングできる医療用ナノファイバーフィルムを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術におけるキトサン医療用ドレッシングに一般的に存在する問題、例えば延伸性能が低く、薬物徐放効果を有せず、およびセルフクリーニングできないという問題に対し、本願は延伸可能なナノファイバーフィルムおよびその製造方法並びに応用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的問題を解決するために、本願により提供される技術的解決手段は以下のとおりである。
【0007】
延伸可能なナノファイバーフィルムはコア-シェル構造を有し、コア層はアミノ化キトサン担体および抗菌剤を含み、前記抗菌剤は前記アミノ化キトサン担体内にドープされ、シェル層はポリウレタン担体、ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよびN-TiO/活性炭を含み、前記ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよび前記N-TiO/活性炭は前記ポリウレタン担体内にドープされる。
【0008】
前記ポリウレタン担体は熱可塑性ポリウレタンエラストマーゴム(TPU)である。
【0009】
前記アミノ化キトサン担体はテトラエチレンペンタミンとジイソプロピルカルボジイミドでキトサンを改質して得られる。
【0010】
前記アミノ化キトサン担体内のアミノ基含有量は30%~33%(質量含有量)である。
【0011】
前記N-TiO/活性炭の製造方法は、
木粉をアルカリ性溶液内に加えて2~4h浸漬し、浸漬液を順に濾過および乾燥して浸漬材料を得るステップと、前記浸漬材料をビウレットおよび二酸化チタンと均一に混合して混合物を得、不活性雰囲気で、前記混合物を400~500℃で1.5~2.5h焼成し、焼成後の生成物を順に洗浄および乾燥してN-TiO/活性炭を得るステップとを含む。
【0012】
テトラエチレンペンタミンおよびジイソプロピルカルボジイミドを選択してキトサンを改質することで、改質キトサンにおけるアミノ基含有量を顕著に向上させ、アミノ基含有量を30%~33%まで高くし、それにより抗菌剤のアミノ化キトサン担体における担持量を向上させることに役立つ。
【0013】
一実施例では、前記アミノ化キトサン担体と前記ポリウレタン担体との質量比は1:7~22である。
【0014】
一実施例では、前記抗菌剤の前記アミノ化キトサン担体におけるドーピング量は10~50wt%である。
【0015】
一実施例では、前記ポリN-イソプロピルアクリルアミドの前記ポリウレタン担体におけるドーピング量は13~27wt%である。
【0016】
一実施例では、前記N-TiO/活性炭の前記ポリウレタン担体におけるドーピング量は4~11wt%である。
【0017】
各物質の間の比率を限定することにより、ナノファイバーフィルムが優れた延伸性、徐放性およびセルフクリーニング性能を有することを保証することができ、それによりナノファイバーフィルムが優れた創傷表面治癒能力を有する。
【0018】
本願では抗菌剤について特に限定されず、エモジン、アモキシシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン(Bacampicillin hydrochloride)およびメロキシシリンナトリウムなどの当分野の一般的な抗菌剤であってもよい。
【0019】
本願はさらに前記延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法を提供し、
キトサンと有機アミンを均一に混合し、反応混合物を加熱して還流し、反応が終了した後、生成物を順に濾過、洗浄および乾燥し、アミノ化キトサンを得るステップ1であって、前記有機アミンはテトラエチレンペンタミンとジイソプロピルカルボジイミドの混合物であるステップ1と、
前記アミノ化キトサンおよび抗菌剤を希酸溶液内に加え、均一に混合してコア層スピニングソリューションを得るステップ2と、
木粉をアルカリ性溶液内に加えて2~4h浸漬し、浸漬液を順に濾過および乾燥して浸漬材料を得、そして前記浸漬材料をビウレットおよび二酸化チタンと均一に混合して混合物を得、不活性雰囲気で、前記混合物を400~500℃で1.5~2.5h焼成し、焼成後の生成物を順に洗浄および乾燥してN-TiO/活性炭を得るステップ3と、
ポリウレタン、ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよび前記N-TiO/活性炭を有機混合溶媒内に加え、均一に混合してシェル層スピニングソリューションを得るステップ4であって、前記有機混合溶媒はジメチルホルムアミドおよびエタノールを含むステップ4と、
前記コア層スピニングソリューションおよび前記シェル層スピニングソリューションを同軸エレクトロスピニング装置にそれぞれ注入し、エレクトロスピニングを行い、得られたエレクトロスピニングファイバーフィルムを乾燥させ、前記延伸可能なナノファイバーフィルムを得るステップ5とを含む。
【0020】
一実施例では、ステップ1では、前記キトサンと前記有機アミンとの質量体積比は0.08~0.12:1であり、すなわち前記キトサンは質量で秤量され、前記有機アミンは体積で秤量され、ここで、質量の単位はグラムであり、体積の単位はミリリットルであり、前記有機アミンにおける前記テトラエチレンペンタミンと前記ジイソプロピルカルボジイミドとの体積比は3~5:1である。
【0021】
ステップ1における各物質の比率は、アミノ基含有量の高い改質キトサンを取得するのに役立つ。
【0022】
一実施例では、ステップ1では、還流の時間は2~4hである。
【0023】
一実施例では、ステップ2では、前記アミノ化キトサンと前記希酸溶液との質量比は0.02~0.05:1である。
【0024】
一実施例では、ステップ2では、前記抗菌剤と前記希酸溶液との質量比は0.005~0.01:1である。
【0025】
一実施例では、前記希酸溶液の濃度は0.1~0.5mol/Lである。
【0026】
前記抗菌剤および前記アミノ化キトサンの使用量は、前記抗菌剤の前記アミノ化キトサンにおける担持量を向上させることに役立つ。
【0027】
具体的には、前記希酸溶液は塩酸溶液、酢酸溶液または乳酸溶液である。
【0028】
一実施例では、ステップ3では、前記木粉と前記アルカリ性溶液との質量体積比は1~2:5であり、すなわち前記木粉は質量で秤量され、前記アルカリ性溶液は体積で秤量され、ここで、質量の単位はグラムであり、体積の単位はミリリットルであり、前記アルカリ性溶液の濃度は0.8~1.2mol/Lである。
【0029】
具体的には、前記アルカリ性溶液は濃度が0.8~1.2mol/Lの水酸化カリウム溶液である。
【0030】
一実施例では、ステップ3では、前記浸漬材料と前記ビウレットとの質量比は5~10:1.5~4である。
【0031】
一実施例では、ステップ3では、前記ビウレットと前記二酸化チタンとの質量比は2~4:1である。
【0032】
一実施例では、ステップ3では、温度プログラミングにより温度を400~500℃に上げ、昇温速度は1.5~2.5℃/minである。
【0033】
ステップ3における各物質の比率は、N-TiOの活性炭における担持量を向上させ、ナノファイバーフィルムのセルフクリーニング性能を向上させ、かつシェル層の延伸性能に影響を与えず、また、400~500℃で1.5~2.5h保温反応することにより、比表面積が大きく、孔構造が豊富な活性炭を取得することができ、ナノファイバーフィルムの吸着性能を向上させ、創傷表面の滲出液を迅速に吸収することに役立ち、また、好ましい反応条件はさらに二酸化チタンに窒素ドーピングを行うことに役立ち、可視光応答性に優れたN-TiOを取得し、ナノファイバーフィルムのセルフクリーニング性能を向上させ、それにより創傷表面の治癒を促進することに役立つ。
【0034】
一実施例では、ステップ4では、前記ポリウレタンと前記ポリN-イソプロピルアクリルアミドと前記N-TiO/活性炭との質量比は18~22:3~5:1~2である。
【0035】
一実施例では、ステップ4では、前記ポリウレタンと前記有機混合溶媒との質量比は0.18~0.22:1である。
【0036】
一実施例では、ステップ4では、前記ジメチルホルムアミドと前記エタノールとの体積比は1~2:1である。
【0037】
前記ポリN-イソプロピルアクリルアミドの添加量は、ナノファイバーフィルムの温度感度を向上させることができ、ナノファイバーフィルムが皮膚に接触する時に体積を急速に収縮させ、ナノファイバーフィルムの孔径を増加させ、それにより抗菌剤の放出を促進し、前記N-TiO/活性炭の添加量は、シェル層の延伸性能に影響を与えない前提で、さらにナノファイバーフィルムに良好なセルフクリーニング性能および吸着性能を付与することができる。
【0038】
本願における前記不活性ガスは当分野の一般的な不活性ガスであり、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどである。
【0039】
一実施例では、ステップ5では、前記コア層スピニングソリューション内のアミノ化キトサンとシェル層スピニングソリューション内のポリウレタンとの質量比は1:7~22である。
【0040】
一実施例では、ステップ5では、前記エレクトロスピニングのパラメータは、前記エレクトロスピニング装置におけるノズルとアルミニウム箔との距離が10~15cmであり、スピニング電圧が20~30kVであり、コア層スピニングの流速が0.5~1mL/hであり、シェル層スピニングの流速が1~2mL/hであり、湿度が25%~35%である。
【0041】
前記エレクトロスピニングのパラメータは連続的なコア/シェル構造のナノファイバーフィルムを形成することに役立ち、さらに抗菌剤の徐放に基礎を提供し、かつ溶媒の揮発に役立ち、製造されたナノファイバーフィルムは多孔質構造を備え、抗菌剤の放出とガス交換に役たち、細菌の侵入を防止し、かつ傷口滲出液を効果的に吸収し、温かい傷口治癒環境を維持し、それにより傷口の治癒を加速する。
【0042】
本願はさらに前記延伸可能なナノファイバーフィルムの医療用ドレッシングの製造における応用を提供する。
【0043】
本願に記載のN-TiO/活性炭は窒素ドープナノTiO負荷活性炭の複合材料である。
【0044】
本願で開示されている数値範囲は、範囲間隔内の任意の値であってもよく、開示された数値は、好ましい選択にすぎないことを理解されたい。当然のことながら、他の実施例では、他の数値も使用することができるが、それに限定されない。
【発明の効果】
【0045】
従来技術に対し、本願により提供される延伸可能なナノファイバーフィルムはアミノ化キトサンを採用して抗菌剤のキャリアとし、改質後に得られたアミノ化キトサン分子鎖上のアミノは抗菌剤に対して大面積吸着、結合を行い、抗菌剤とキトサンとの結合力および抗菌剤のキトサンにおける担持量を向上させ、また、ナノファイバーフィルムの製造プロセスにおける抗菌剤の損失を低減させ、それにより、抗菌剤の負荷有効度を向上させ、かつアミノ化キトサンをコア層とし、弾性ポリウレタンをシェル層とし、シェル層はコア層を被覆することにより、ナノファイバーフィルムに優れた延伸性を有させ、また、ポリウレタン担体には温度感受性を有するポリN-イソプロピルアクリルアミドが複合され、それによりナノファイバーフィルムは皮膚に接触する瞬間に体積が急縮し、そしてナノファイバーフィルムの孔径が大きくなり、それにより、抗菌剤の孔構造における徐放を実現し、ナノファイバーフィルムの抗菌時間と有効性を向上させる。それ以外、ポリウレタン担体にはN-TiO/活性炭が複合され、N-TiO/活性炭は優れた吸着性能と光触媒セルフクリーニング性能を備え、ナノファイバーフィルムに接触する血液および油汚れなどを可視光で自己分解させ、創傷表面のセルフクリーニング性能および抗菌持続性を向上させ、かつN-TiO/活性炭をドーピングすることで、シェル層の抗菌剤に対する吸着作用を向上させ、抗菌剤がコア層からシェル層へ移動することに役立ち、さらにナノファイバーフィルムの抗菌持続性を向上させる。
【0046】
本願はシェル層材料とコア層材料をそれぞれ適切な溶媒に溶解し、同軸エレクトロスピニング技術を用いてコア-シェル構造を有するナノファイバーフィルムを製造し、ここで、スピニングプロセスにおける溶媒の揮発およびファイバーフィルムの成形に伴い、多孔質構造を有するナノファイバーを構築することができ、多孔質構造はナノファイバーフィルムの延伸性を向上させることに役立ち、シェル層の吸着性能を向上させることにも役立ち、また、多孔質構造は抗菌剤のコア層における担持量を向上させることにも役立ち、かつ抗菌剤の孔構造における徐放を実現し、ナノファイバーフィルムの創傷表面の治癒性を向上させる。
【0047】
本願により提供される延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法は操作しやすく、ワンステップ法で優れた癒合能力を有する延伸可能なナノファイバーフィルムを製造することを実現することができ、比較的高い実用価値を有する。
【0048】
本願により提供されるナノファイバーフィルムは延伸性能に優れ、吸着性能が強く、抗菌時間が長くおよびセルフクリーニングの利点を有し、創傷表面の治癒効果を顕著に向上させ、特に可動関節部位のような異なる部位の創傷に適用することができ、医療用ドレッシング分野で幅広い用途が見込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本願の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするため、以下は実施例を参照し、本願をより詳細に説明する。ここで記述された具体的な実施例は本願を解釈するのみに用いられ、本願を限定するものではないと理解すべきである。
【0050】
本願をよりよく説明するために、以下、実施例によりさらに例を挙げて説明する。
【0051】
(実施例1)
本願の実施例は延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法を提供し、以下のステップ1~5を含み、
ステップ1、キトサン10gを秤量して100mLの有機アミン混合溶液に溶解し、有機アミン混合溶液にテトラエチレンペンタミンおよびジイソプロピルカルボジイミドが含まれ、ここで、テトラエチレンペンタミンとジイソプロピルカルボジイミドとの体積比は5:1であり、続いて反応混合物を2h加熱して還流し、反応が終了した後、粗生成物を含む混合液を得て、粗生成物を含む混合液を室温まで冷却し、続いて濾過し、それぞれ無水エタノールと水で粗生成物を洗浄し、乾燥し、アミノ化キトサンを得る。
ステップ2、ステップ1で得られたアミノ化キトサンを5mLの0.3mol/Lの酢酸溶液に加え、均一に混合した後にエモジンを加え、続いて50℃の水浴で2h超音波してコア層スピニングソリューションを得、ここで、アミノ化キトサンの添加量は酢酸溶液質量の2wt%であり、エモジンの添加量は酢酸溶液質量の1wt%である。
ステップ3、5gの木粉を25mLの1.0mol/LのKOH溶液に浸漬し、3h浸漬し、浸漬液を順に濾過および乾燥した後、浸漬材料を得、前記浸漬材料とビウレットおよび二酸化チタンを均一に混合して混合物を得て、窒素雰囲気で、2℃/minの速度で450℃まで昇温し、混合物を2h焼成し、焼成後の生成物を中性まで洗浄し、120℃で真空乾燥し、N-TiO/活性炭を得、ここで、浸漬材料とビウレットの質量比は5:4であり、ビウレットと二酸化チタンの質量比は2:1である。
ステップ4、TPU、ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよびN-TiO/活性炭を10mLの有機混合溶媒に加え、均一に混合してシェル層スピニングソリューションを得、有機混合溶媒はジメチルホルムアミドおよびエタノールを含み、ここで、TPUの添加量は有機混合溶媒質量の20wt%であり、ポリN-イソプロピルアクリルアミドの添加量は有機混合溶媒質量の4wt%であり、N-TiO/活性炭の添加量は有機混合溶媒質量の1wt%であり、有機混合溶媒におけるジメチルホルムアミドとエタノールとの体積比は1:1である。
ステップ5、シェル層スピニングソリューションとコア層スピニングソリューションをそれぞれ10mLと5mLの注射器に入れ、かつ2つの注射器を同軸エレクトロスピニング装置におけるノズルに接続し、また、スピニングのパラメータは、ノズルとアルミニウム箔との距離が12cmであり、スピニング電圧が20kVであり、コア層スピニングの流速が1mL/hであり、シェル層スピニングの流速が2mL/hであり、湿度が30%であり、得られたエレクトロスピニングファイバーフィルムを24h真空乾燥し、延伸可能なナノファイバーフィルムを得る。
【0052】
元素分析装置(EA)を用いてステップ1で調製されたアミノ化キトサンに対してアミノ基含有量の測定を行い、アミノ基含有量が33%であると測定する。
【0053】
(性能試験)
中華人民共和国国家標準GB/T 20944.3-2008「織物抗菌性能の評価」抗菌率の方法を参照し、延伸可能な条件での抗菌率を算出する。
【0054】
電子万能試験機を利用してナノファイバー複合フィルムの力学的性能を試験し、試料サイズは5mm×35mmの矩形スプラインであり、標間距離は20mmであり、試験速度は4mm/minである。
【0055】
本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの延伸強度は35.4MPaであり、破断伸度は55.4%である。延伸率が20%の条件で本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率は99.1%であり、延伸率が20%の条件でそれぞれ2、4、6時間使用した後、本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率はそれぞれ98.7%、97.6%、96.9%に対応する。
【0056】
(実施例2)
本願の実施例は延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法を提供し、以下のステップ1~5を含み、
ステップ1、キトサン10gを秤量して100mLの有機アミン混合溶液に溶解し、有機アミン混合溶液にテトラエチレンペンタミンおよびジイソプロピルカルボジイミドが含まれ、ここで、テトラエチレンペンタミンとジイソプロピルカルボジイミドとの体積比は3:1であり、続いて反応混合物を4h加熱して還流し、反応が終了した後、粗生成物を含む混合液を得て、粗生成物を含む混合液を室温まで冷却し、続いて濾過し、それぞれ無水エタノールと水で粗生成物を洗浄し、乾燥し、アミノ化キトサンを得る。
ステップ2、ステップ1で得られたアミノ化キトサンを5mLの0.1mol/Lの酢酸溶液に加え、均一に混合した後にエモジンを加え、続いて50℃の水浴で2h超音波してコア層スピニングソリューションを得、ここで、アミノ化キトサンの添加量は酢酸溶液質量の3wt%であり、エモジンの添加量は酢酸溶液質量の0.8wt%である。
ステップ3、10gの木粉を25mLの1.0mol/LのKOH溶液に浸漬し、2h浸漬し、浸漬液を順に濾過および乾燥した後、浸漬材料を得、前記浸漬材料とビウレットおよび二酸化チタンを均一に混合して混合物を得て、窒素雰囲気で、2.5℃/minの速度で500℃まで昇温し、混合物を1.5h焼成し、焼成後の生成物を中性まで洗浄し、120℃で真空乾燥し、N-TiO/活性炭を得、ここで、浸漬材料とビウレットの質量比は10:1.5であり、ビウレットと二酸化チタンの質量比は3:1である。
ステップ4、TPU、ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよびN-TiO/活性炭を10mLの有機混合溶媒に加え、均一に混合してシェル層スピニングソリューションを得、有機混合溶媒はジメチルホルムアミドおよびエタノールを含み、ここで、TPUの添加量は有機混合溶媒質量の22wt%であり、ポリN-イソプロピルアクリルアミドの添加量は有機混合溶媒質量の3wt%であり、N-TiO/活性炭の添加量は有機混合溶媒質量の1.5wt%であり、有機混合溶媒におけるジメチルホルムアミドとエタノールとの体積比は1.5:1である。
ステップ5、シェル層スピニングソリューションとコア層スピニングソリューションをそれぞれ10mLと5mLの注射器に入れ、かつ2つの注射器を同軸エレクトロスピニング装置におけるノズルに接続し、また、スピニングのパラメータは、ノズルとアルミニウム箔との距離が10cmであり、スピニング電圧が30kVであり、コア層スピニングの流速が0.5mL/hであり、シェル層スピニングの流速が1mL/hであり、湿度が25%であり、得られたエレクトロスピニングファイバーフィルムを24h真空乾燥し、延伸可能なナノファイバーフィルムを得る。
【0057】
元素分析装置(EA)を用いてステップ1で調製されたアミノ化キトサンに対してアミノ基含有量の測定を行い、アミノ基含有量が32%であると測定する。
【0058】
実施例1の試験方法に応じて本実施例により製造されたナノファイバーフィルムに対して抗菌および力学的性能試験を行い、本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの延伸強度は38.2MPaであり、破断伸度は61.3%である。延伸率が20%の条件で本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率は99.5%であり、延伸率が20%の条件でそれぞれ2、4、6時間使用した後、本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率はそれぞれ98.9%、98.3%、97.9%に対応する。
【0059】
(実施例3)
本願の実施例は延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法を提供し、以下のステップ1~5を含み、
ステップ1、キトサン10gを秤量して100mLの有機アミン混合溶液に溶解し、有機アミン混合溶液にテトラエチレンペンタミンおよびジイソプロピルカルボジイミドが含まれ、ここで、テトラエチレンペンタミンとジイソプロピルカルボジイミドとの体積比は4:1であり、続いて反応混合物を3h加熱して還流し、反応が終了した後、粗生成物を含む混合液を得て、粗生成物を含む混合液を室温まで冷却し、続いて濾過し、それぞれ無水エタノールと水で粗生成物を洗浄し、乾燥し、アミノ化キトサンを得る。
ステップ2、ステップ1で得られたアミノ化キトサンを5mLの0.5mol/Lの酢酸溶液に加え、均一に混合した後にエモジンを加え、続いて50℃の水浴で2h超音波してコア層スピニングソリューションを得、ここで、アミノ化キトサンの添加量は酢酸溶液質量の5wt%であり、エモジンの添加量は酢酸溶液質量の0.5wt%である。
ステップ3、8gの木粉を25mLの1.0mol/LのKOH溶液に浸漬し、4h浸漬し、浸漬液を順に濾過および乾燥した後、浸漬材料を得、前記浸漬材料とビウレットおよび二酸化チタンを均一に混合して混合物を得て、窒素雰囲気で、1.5℃/minの速度で400℃まで昇温し、混合物を2.5h焼成し、焼成後の生成物を中性まで洗浄し、120℃で真空乾燥し、N-TiO/活性炭を得、ここで、浸漬材料とビウレットの質量比は8:4であり、ビウレットと二酸化チタンの質量比は4:1である。
ステップ4、TPU、ポリN-イソプロピルアクリルアミドおよびN-TiO/活性炭を10mLの有機混合溶媒に加え、均一に混合してシェル層スピニングソリューションを得、有機混合溶媒はジメチルホルムアミドおよびエタノールを含み、ここで、TPUの添加量は有機混合溶媒質量の18wt%であり、ポリN-イソプロピルアクリルアミドの添加量は有機混合溶媒質量の5wt%であり、N-TiO/活性炭の添加量は有機混合溶媒質量の2wt%であり、有機混合溶媒におけるジメチルホルムアミドとエタノールとの体積比は2:1である。
ステップ5、シェル層スピニングソリューションとコア層スピニングソリューションをそれぞれ10mLと5mLの注射器に入れ、かつ2つの注射器を同軸エレクトロスピニング装置におけるノズルに接続し、また、スピニングのパラメータは、ノズルとアルミニウム箔との距離が15cmであり、スピニング電圧が25kVであり、コア層スピニングの流速が0.8mL/hであり、シェル層スピニングの流速が1.6mL/hであり、湿度が35%であり、得られたエレクトロスピニングファイバーフィルムを24h真空乾燥し、延伸可能なナノファイバーフィルムを得る。
【0060】
元素分析装置(EA)を用いてステップ1で調製されたアミノ化キトサンに対してアミノ基含有量の測定を行い、アミノ基含有量が31%であると測定する。
【0061】
実施例1の試験方法に応じて本実施例により製造されたナノファイバーフィルムに対して抗菌および力学的性能試験を行い、本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの延伸強度は32.2MPaであり、破断伸度は50.1%である。延伸率が20%の条件で本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率は99.2%であり、延伸率が20%の条件でそれぞれ2、4、6時間使用した後、本実施例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率はそれぞれ98.8%、97.9%、96.8%に対応する。
【0062】
実施例1~3におけるステップ2に記載の酢酸溶液はさらに塩酸溶液または乳酸溶液に置き換えてもよく、エモキシシリンはさらに他の抗菌剤に置き換えてもよく、例えばアモキシシリンナトリウム、塩酸バカンピシリンおよびメロキシシリンナトリウムなどであり、いずれも実施例1~3と基本的に相当する技術的効果を達成することができる。
【0063】
(比較例1)
本比較例は延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法を提供し、その製造方法は実施例1と全く同じであり、異なるのは、シェル層スピニングソリューションにN-TiO/活性炭を加えないだけである。
【0064】
実施例1の試験方法に応じて本比較例により製造されたナノファイバーフィルムに対して抗菌性能および力学的性能試験を行い、本比較例により製造されたナノファイバーフィルムの延伸強度は32MPaであり、破断伸度は52.8%である。延伸率が20%の条件で本比較例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率は97.1%であり、延伸率が20%の条件でそれぞれ2、4、6時間使用した後、本比較例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率はそれぞれ87.1%、75.1%、71.1%に対応する。
【0065】
(比較例2)
本比較例は延伸可能なナノファイバーフィルムの製造方法を提供し、その製造方法は実施例1と全く同じであり、異なるのは、ステップ1におけるテトラエチレンペンタミンとジイソプロピルカルボジイミドを等量のトリエチレンテトラミンとカルボジイミドに置き換えるだけである。
【0066】
実施例1の試験方法に応じて本比較例により製造されたナノファイバーフィルムに対して抗菌性能および力学的性能試験を行い、本比較例により製造されたナノファイバーフィルムの延伸強度は32MPaであり、破断伸度は52.5%である。延伸率が20%の条件で本比較例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率は93.3%であり、延伸率が20%の条件でそれぞれ2、4、6時間使用した後、本比較例により製造されたナノファイバーフィルムの抗菌率はそれぞれ84.2%、72.8%、69.3%に対応する。
【0067】
以上の記載は本願の好適な実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の精神と原則内で行われたいかなる修正、均等置換または改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】