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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】アキシャルカムギアボックス機構
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/06 20060101AFI20230216BHJP
【FI】
F16H25/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554942
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(85)【翻訳文提出日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 US2021021576
(87)【国際公開番号】W WO2021183566
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】16/818,738
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/874,379
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521077347
【氏名又は名称】モータス ラブズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MOTUS LABS,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヘフケン、カルロス エイ.
(72)【発明者】
【氏名】コッホ、バリー エフ.
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA60
3J062AB26
3J062AB31
3J062BA12
3J062BA16
3J062BA40
3J062CC03
3J062CC05
3J062CE05
3J062CE25
3J062CG83
(57)【要約】
ギアボックス機構は、出力ギアに動力を伝達するための、複数のカム作動式ロッカーブロックアセンブリを含む。各ロッカーブロックアセンブリは、出力ギアと周期的にインターフェースする表面ダイヤルを有するギアパッドを含む。インターフェース面は、出力ギア上の相補的な突起に対応する複数の突起を備える。各ロッカーブロックアセンブリは、ギアパッド、ロッカーアーム、カムフォロア及び/又は経路フォロアをさらに含み、これらは、ロッカーブロックをカムアセンブリに接続又は連結し、カムアセンブリは動力源に接続される。カムアセンブリは、ギアブロックの動きを特定の設計パラメータに従って2次元又は3次元で制御できるように、その円周に各カムフォロアのための固有の経路又は溝を、及び/又はカムの平面に経路フォロアのための第2の固有の経路又は溝を含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギアパッドを受け入れるように構成されたギアパッド空隙を有するロッカーブロックと、
前記ロッカーブロックによって画定され、回動ピンを受け入れるように構成された回動ピン開口と、
前記ロッカーブロックによって画定され、ギアパッドピンを受け入れるように構成されたギアピン開口と、
前記ロッカーブロックによって画定された1組のコンプライアンス開口であって、各コンプライアンス開口はコンプライアンス機構を受け入れるように構成されている、1組のコンプライアンス開口と、
前記ロッカーブロックによって画定され、経路フォロアを受け入れるように構成された経路フォロア開口と、
前記ロッカーブロックに取り付けられたロッカーアームと、
前記ロッカーアームによって画定され、カムフォロアを受け入れるように構成されたカムフォロア空隙と、を備えるロッカーブロックアセンブリ。
【請求項2】
前記ロッカーブロックが、前記ロッカーブロックの第1の端部から延びる延長アームをさらに備え、
前記ロッカーブロックの第2の端部が前記ロッカーアームに取り付けられる、請求項1に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項3】
前記延長アームが延長ブロックに結合する、請求項2に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項4】
前記延長ブロックが、延長回動ピン空隙、1組のコンプライアンス空隙、及びギアピン空隙を備える、請求項3に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項5】
前記ギアパッドが、前記ギアパッドピンを受け入れるように構成されたギアピン空隙をさらに備える、請求項1に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項6】
前記コンプライアンス機構が、プラグ及びばねをさらに備える、請求項1に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項7】
前記コンプライアンス機構が、前記ギアパッドに力を加えるように構成されている、請求項1に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項8】
前記経路フォロアが、経路フォロアピン及び経路摩擦低減機構をさらに備える、請求項1に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項9】
前記カムフォロアが、カムフォロアピン及びカムフォロア摩擦低減機構をさらに備える、請求項1に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項10】
前記経路フォロア及び前記カムフォロアがそれぞれ摩擦低減機構を含む、請求項1に記載のロッカーブロックアセンブリ。
【請求項11】
カム作動式ギアボックス機構であって、
1組のロッカーブロックアセンブリと、
前記1組のロッカーブロックアセンブリ及びカムアセンブリのカムと機械的に係合するように構成されたカムアセンブリであって、
前記カムは内部経路及び外部経路を有し、前記カムアセンブリは回転装置から回転入力を受け取るように構成される、カムアセンブリと、
前記1組のロッカーブロックアセンブリと機械的に係合される出力ギアを有する出力アセンブリと、
前記アセンブリを収容するように構成されたハウジングと、を備えるカム作動式ギアボックス機構。
【請求項12】
前記ロッカーブロックアセンブリのそれぞれが、
ギアパッドを受け入れるように構成されたロッカーブロックと、
前記ロッカーブロックに取り付けられ、カムフォロアを受け入れるように構成されたロッカーアームと、
経路フォロア開口を介して前記ロッカーブロックと結合するように構成された経路フォロアと、
前記ギアパッドにコンプライアンス力を加えるために前記ロッカーブロック内に収容された1組のコンプライアンス機構とをさらに備える、請求項11に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項13】
前記カムフォロアが、前記カムの内部経路と係合するように構成され、
前記内部経路は、中心軸から半径方向に変化する、請求項12に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項14】
前記経路フォロアが、前記カムの外部経路に係合するように構成され、
前記カムの外部経路は、中心軸と平行な方向に高さが変化する、請求項12に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項15】
前記カムアセンブリが、前記回転入力を受け取るように構成された入力装置をさらに備える、請求項11に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項16】
前記入力装置が、部分的にねじ切りされ、カムナットを受け取るように構成される、請求項15に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項17】
前記カムが前記入力装置と軸方向に係合され、前記カムナットによって固定される、請求項16に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項18】
出力アセンブリが出力装置をさらに備える、請求項11に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項19】
前記出力装置が前記出力ギアに留められる、請求項18に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項20】
前記出力ギアが、各ロッカーブロックアセンブリのギアパッドと係合する、請求項19のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項21】
前記ハウジングが本体及び蓋を含む、請求項11に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項22】
前記本体がロッカーブロックアセンブリ凹部をさらに備える、請求項21に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項23】
前記本体が、前記ロッカーブロックアセンブリの回動ピンを受け入れるように構成された1組のハブ回動ピン開口をさらに備える、請求項22に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項24】
前記ロッカーブロックアセンブリが、前記ロッカーブロックアセンブリ凹部内で前記回動ピンを中心に回動する、請求項23に記載のカム作動式ギアボックス機構。
【請求項25】
ギアボックス機構を作動させる方法であって、
内部経路及び外部経路を有するカムを回転させること、
前記カムの回転に基づいてロッカーブロックアセンブリの動きを誘発すること、及び
前記ロッカーブロックアセンブリのロッカーブロックインターフェース面を出力装置の出力ギアインターフェース面と係合させることを含み、
前記係合は、前記ロッカーブロックアセンブリの動きを前記出力装置に伝達する、方法。
【請求項26】
前記内部経路が第1の半径から第2の半径まで変化する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の半径から前記第2の半径までの前記半径の変動に基づいて、前記ロッカーブロックアセンブリを回動することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記外部経路が第1の高さから第2の高さまで変化する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の高さから前記第2の高さまでの前記高さの変動に基づいて、前記ロッカーブロックアセンブリを移行することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ロッカーブロックアセンブリのカムフォロアが前記内部経路に追従し、
前記ロッカーブロックアセンブリの経路フォロアが前記外部経路に追従する、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達をもたらす出力ギアに周期的に係合するカム作動式ギアブロックアセンブリを特徴とするユニバーサルギアボックス機構に関する。このユニバーサルギアボックス機構は、サーボモータアセンブリでの使用という特定の用途があるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
従来の機械は、通常、動力源と、その動力を制御下に適用する動力伝達系(power transmission system)とからなる。動力伝達系の分野では、これまでさまざまな提案がなされてきた。最も単純な伝達は、その単純さからギアボックスと呼ばれることが多いが(複雑なシステムも俗にギアボックスと呼ばれるが)、ギアの減速(まれに増速)を行い、時には動力シャフトの方向転換を伴うこともある。伝達系(transmission system)は、動力源(例えば、電気モータ)から出力シャフトに動力が伝達される、変速ギア機構及び出力シャフトを含む部品の集合体と定義することができる。多くの場合、トランスミッションとは、ギアとギアトレインを使用して、動力源から他の機器への速度やトルクの変換を行うギアボックスを単に指す。
【0003】
ギアボックスは長年使用されており、さまざまな用途がある。一般に、従来のギアボックスは、4つの主要な要素、すなわち、動力源、ドライブトレイン、ハウジング及び出力手段から構成されている。動力源は、ドライブトレインに力や動きを与えるものである。動力源は、平歯車、かさ歯車、はすば歯車、又はウォーム歯車などの適切な歯車装置を介してドライブトレインに接続されたモータであってもよい。
【0004】
ドライブトレインは、動力源から与えられた入力運動や力に対して、出力運動及び力の操作を可能にする。ドライブトレインは、通常、サイズ、歯数、歯の種類及び用途などのパラメータが異なる複数の歯車、例えば、平歯車、はすば歯車、ウォーム歯車及び/又は内歯歯車又は外歯歯車などを含む。
【0005】
ギアボックスハウジングは、ギアボックスの内部機構を正しい方法で保持する手段である。例えば、ギアボックスハウジングは、動力源、ドライブトレイン及び出力手段を、ギアボックスの所望の動作のために正しい関係に保持することを可能にする。出力手段はドライブトレインに関連付けられており、ドライブトレインからの力と動きを具体的用途に適用することができる。通常、出力手段はギアボックスハウジング内にはない。
【0006】
出力手段は、通常、本体に接続することができ、これにより、ドライブトレインからの結果として生じる出力運動及び力が、出力手段(例えば、出力シャフト)を介して本体に伝達され、出力手段の運動及び力を本体に付与する。或いは、出力手段は、ドライブトレインから出力された運動及び力をギアボックスハウジングに与えることができ、これにより、出力手段は、ギアボックスハウジングが回転できるように十分に保持される。
【0007】
回転動力源は通常、その動力を使用する機器よりも高い回転速度で動作する。したがって、ギアボックスは動力を伝達するだけでなく、速度をトルクに変換する。ギアトレインのトルク比は、その機械的優位性とも呼ばれ、ギア比によって決まる。動力源から発生したエネルギーは、ギア要素への応力又は機械的圧力の形でギアボックスの内部構造部品を通過する必要がある。したがって、ギアボックスの設計における重要な側面は、噛み合うギア要素間の適切な接点を設計することである。そのような接点は通常、力が集中するギア歯上の点又は線である。従来のギアトレインの接触点又は接触線の面積は通常非常に小さく、伝達される動力の量はかなりの量であるため、接触点又は接触線に沿って生じる応力はすべての場合に非常に高くなる。このため、ギアボックス装置の設計者は通常、各ギアの歯が受ける応力を軽減するために、噛み合った2つのギアの間にできるだけ大きな接触線を作ったり、できるだけ多くの同時接触点を作ったりすることに技術的な努力のかなりの部分を費やす。
【0008】
また、ギアボックスの設計では、噛み合うギア間のバックラッシュの量を最小限に抑えることも重要である。バックラッシュとは、圧力を加えたときに、接続されたホイールが機械の一部で反発することである。ギアの場合、バックラッシュ(隙間や遊びと呼ばれることもある)は、噛み合う部品間のクリアランス、又は動きが逆転して接触が再確立されたときのクリアランス又はたるみによる失われた動きの量である。例えば、一対のギアでは、バックラッシュは噛み合ったギア歯間のクリアランスの量である。
【0009】
理論的には、バックラッシュはゼロであるべきだが、実際には、ジャミングを防ぐために多少のバックラッシュを許容するのが一般的である。これは、ほとんどすべての反転機構式カップリングでは避けられないものであるが、その影響を打ち消すこともできる。用途によっては、それが望ましい場合もあれば、そうでない場合もある。バックラッシュが必要な一般的な理由には、潤滑、製造エラー、負荷時のたわみ、及び熱膨張の可能性が含まれる。それでも、精度を高め、衝撃又は振動を回避するために、多くの用途で低バックラッシュ、或いはゼロバックラッシュが求められている。その結果、ゼロバックラッシュのギアトレイン装置は、多くの場合、高価で、寿命が短く、比較的重いものとなっている。
【0010】
ギアボックスの設計では、重量と大きさも考慮しなければならない。噛み合ったギアトレインの接触点又は接触線に前述の応力が集中するため、これらの力及び応力に耐えることができる材料を選択する必要がある。しかしながら、このような材料は比較的重く、硬く、製造が困難な場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、噛み合ったギア間の接触点又は接触線における高応力負荷を処理することができる、改良されたより軽量のギアボックス機構が必要とされている。さらに、バックラッシュが低いか、又はゼロであり、製造コストが低く、信頼性と耐久性が高い、改良されたより軽量のギアボックス機構が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数のカム作動式ギアブロックアセンブリを利用して動力を動力シャフトから2次ギア要素又は出力ギア要素に伝達することにより、従来技術のギアボックス機構の多くの欠点を克服する。一実施形態では、各ギアブロックアセンブリは、2次ギア要素又は出力ギア要素と周期的にインターフェースする表面を有するギアブロックを含む。好ましい実施形態では、インターフェース面は、出力ギア要素の相補的な突起又はギア歯に対応する複数の突起又は歯を含む。各ギアブロックアセンブリはさらに、ギアブロックをカムアセンブリに接続又は連結する複数のリンケージアセンブリを含み、カムアセンブリはさらに動力源に接続される。カムアセンブリは、その周囲に、特定のギアブロックアセンブリの各リンケージアセンブリのための固有の経路又は溝を含み、そのため、ギアブロックの動きを特定の設計パラメータに従って2次元で制御することができる。
【0013】
ギアブロックアセンブリは、カムアセンブリの回転に応じて2次元回路を介してそれぞれのギアブロックを駆動するように設計されている。大まかに言えば、2次元回路は、ギアブロックを付勢して2次ギア要素又は出力ギア要素と係合させ、出力ギア要素から離脱する前に指定された微小距離(quantum distance)だけ移動又は回転させること、及び指定された微小距離だけ戻って2次ギア要素又は出力ギア要素と再度係合させ、このプロセスを繰り返すことを含む。各ギアブロックの移動経路又は回路は、さまざまなリンケージアセンブリの長さと構成を調整し、カムアセンブリに形成された経路又は溝を変更することによって制御される。
【0014】
ギアボックス機構に適合される場合、複数のギアブロックアセンブリがカムアセンブリの中心軸の周りに構成される。カムアセンブリは、動力源と回転可能に結合される。カムアセンブリが回転すると、各々のギアブロックアセンブリのそれぞれのリンケージアセンブリのカムフォロア要素は、カムアセンブリの円周面に形成された特定の経路又は溝との接触を維持する。カムアセンブリの異なる経路又は溝の回転中心からの距離の変動により、それぞれのリンケージアセンブリが協働して、所定の移動回路を介してそれぞれのギアブロックを移動させる。ギアブロックのこの所定の移動回路は、特定の工学的要件を満たすように正確に較正することができる。例えば、トルク比及び減速は、各ギアブロックアセンブリの移動回路を調整することによって調節及び制御することができる。
【0015】
本発明のギアボックス機構の別の実施形態は、本体、出力要素、及び複数の簡略化されたギアブロックアセンブリを含んでもよい。さらに、ギアボックス機構は、本体及び出力要素とインターフェースするリテーナを有してもよい。簡略化された各ギアブロックアセンブリは、ギアブロック、トルクレバー、カムフォロア、及び/又はソケット(又はソケットの一部)を含む。カム作動式ギアブロックアセンブリは、中心軸を中心に構成される。カム要素の回転力により、カム作動式ギアブロックアセンブリに駆動力又は回転力を与えることができる。
【0016】
好ましい実施形態では、トルクレバーはまた、カム要素の平面に沿って形成された所定の経路をたどることができる一組のカムフォロアを有する。カム要素は、ギアブロック又はトルクレバーのカムフォロアとインターフェースする少なくとも1つの固有の経路又は溝を含み、カム要素が回転すると、ギアブロック及び/又はトルクレバーの動きが、少なくとも1つの特定の設計パラメータに従って2次元的に制御される。
【0017】
カム要素の経路又は溝の半径を変えることにより、カム作動式ギアブロックアセンブリは、カム要素の回転に応じて2次元回路を介してそれぞれのギアブロックを駆動する。大まかに言えば、2次元回路は、ギアブロックを付勢して出力要素と係合させ、出力要素から離脱する前に出力要素を指定距離だけ移動又は回転させること、及び指定距離だけ戻って出力要素と再度係合させ、そのプロセスを繰り返すことを含む。各ギアブロックの移動経路又は回路は、それぞれのギアブロック及び/又はトルクレバーの長さ、幅、高さ及び/又は大きさを調整すること、及び/又は、カム要素に形成された経路や溝を変更することで制御される。好ましい実施形態では、ギアブロックとトルクレバーの両方には、それぞれが別々に回動できるように、少なくとも1つの回動点がある。
【0018】
本発明のギアボックス機構の別の実施形態は、カム要素、本体、出力要素、並びに複数の簡略化されたギアブロックアセンブリを含んでもよい。少なくとも1つの例において、出力要素は、リテーナによって本体内に保持される。ギアブロックアセンブリは本体内に配置され、出力要素及びカム要素とインターフェースする。ギアブロックアセンブリは、ロッカーアーム、ギアブロック、カムフォロア、及び経路トラッカーを含むことができる。カムフォロア及び/又は経路トラッカーは、カム要素及び/又はアキシャルカムの経路をたどってロッカーアーム及び/又はギアブロック上に力を発生させて、ロッカーアーム及びギアブロックの両方に対して回動運動を生じさせる。少なくとも1つの例では、回動運動は、ギアブロックに対しては略正方形の回動経路(pivot path)であってもよい。他の例では、ギアブロックの回動経路は略楕円形又は円形になる。
【0019】
少なくとも1つの変形実施形態では、中心軸と整列した中心開口は、ギアボックス機構の一部であってもよい。各ギアブロックアセンブリは、ギアブロック、ロッカーアーム、及び少なくとも1つのカムフォロアを含み、これらは、ギアブロックをカム要素の平面に接続する。ロッカーアーム及び/又はギアブロックは、相互作用して回動可能に取り付けることができ、カムフォロアとカム要素との相互作用及び/又は係合に対応する。出力要素の回転はまた、要素のバックラッシュを低減するために、駆動又は正バイアス回転係合にないギアブロックの逆方向又は張力係合(すなわち、負バイアス)を介して制御されてもよい。
【0020】
少なくとも1つの例では、本体はギアアセンブリのためのハウジングを提供する。ギアブロックアセンブリは、本体の保持面によって静止及び/又は支持される。ギアブロックはまた、本体ギアブロックインターフェースによって保持及び/又は支持されてもよい。ロッカーアームはまた、本体ロッカーアームインターフェース面、及び/又は本体によって画定される本体ロッカーアームボイドによって支持及び/又は保持されてもよい。ロッカーアームの回動運動はまた、出力要素のインターフェース面、係合、及び/又は回転を可能にするギアブロックの回動運動と合わせることができる。
【0021】
少なくとも1つの変形実施形態では、ギアボックス機構は、ロッカーアームと、カムフォロアと、ロッカーブロックに結合された経路フォロアとを有するロッカーブロックアセンブリを含むことができる。カムフォロア及び経路フォロアは、カムに形成された経路を辿ることができ、経路は互いに垂直な平面内に形成される。ロッカーブロックアセンブリは、ロッカーブロックに結合されたギアパッドにコンプライアンス力を適用するコンプライアンス機構を含むこともできる。
【0022】
本発明のギアブロックアセンブリを使用したギアボックス機構の多数の実施形態が可能である。カムアセンブリの中心軸の周りに構成された複数のギアブロックアセンブリは、奇数又は偶数のギアブロックアセンブリを含むことができる。本発明のギアボックス機構には、少なくとも2つ、好ましくは3つのギアブロックアセンブリが必要である。ギアブロックアセンブリは、通常、互いに回転系列で(in a rotational series)動く。少なくとも1つのギアブロックアセンブリは、特定の時点で常に出力ギア要素と係合する。好ましくは、1つのギアブロックアセンブリのみが、特定の時点で出力ギア要素から離脱する。しかしながら、複数のギアブロックアセンブリが4つ以上の偶数のギアブロックアセンブリを含む別の好ましい実施形態では、カムアセンブリの両側に構成されたギアブロックアセンブリは、2次ギア要素又は出力ギア要素から同時に係合及び離脱する。
【0023】
本発明のギアブロックアセンブリの設計は、より多くのギア歯が任意の所与の時間に出力ギアと係合することを可能にし、これにより、関連する応力をより広い領域にわたって分散させる。ギアブロックと出力ギアとの接触面積をいつでも劇的に増加させることにより、機械的応力レベルが大幅に減少する。さらに、本発明のギアブロックアセンブリは、バックラッシュをゼロに、さらには予荷重状態にまで低減して、動力源と被動力供給装置との間に緊密な接続を実現する。これは、特に高振動用途にとって非常に望ましい機能である。バックラッシュをゼロ又は予荷重状態にまで低減することにより、広範囲の高振動周波数で機械インピーダンスを低減することもできる。さらに、出力ギアに対するギアブロックの係合に関連する応力がより広い領域に分散されるため、ギアブロック機構は、信頼性を低下させることなく、より安価で製造が容易な、より軽量でより柔軟な材料で製造することができる。実際、柔軟な材料を使用することで、低周波数での機械インピーダンスをさらに低減することができる。本発明のギアボックス機構は、軽量化及び小型化を図ることで、これまで重量及びスペースの制限から実用化できなかった幅広い用途に適応することができる。
【0024】
本発明の方法及び装置のより完全な理解は、添付の図面と併せて解釈される場合、以下の詳細な記載を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】その開示内容が参照により本明細書に完全に組み込まれる同時係属出願の米国特許出願第16/194,053号明細書に先に開示された、動力源に取り付けられたギアボックス機構の第1の実施形態の斜視図である。
図1B】その側面図である。
図2】外側固定板が取り外されたその端面図である。
図3】その開示内容が参照により本明細書に完全に組み込まれる同時係属出願の米国特許出願第16/266,629号明細書に先に開示された、ギアボックス機構の第2の実施形態の斜視図である。
図4】その出力要素、カム要素、及びギアブロックアセンブリの斜視図である。
図5】そのハブ、ギアブロックアセンブリ、及び出力要素の側面図である。
図6】ギアボックス機構のカム要素及びギアブロックアセンブリの斜視図である。
図7】ギアボックス機構の第5の実施形態の分解斜視図である。
図8図7に示されたギアボックス機構の本体と蓋の斜視図である。
図9図7に示されたギアボックス機構の本体、出力アセンブリ、及び蓋の分解斜視図である。
図10図7に示されたギアボックス機構の出力アセンブリの分解斜視図である。
図11図7に示されたギアボックス機構の入力アセンブリの側面図である。
図12図7に示されたギアボックス機構の入力アセンブリの分解斜視図である。
図13図7に示されたギアボックス機構の入力装置の斜視図である。
図14図7に示されたギアボックス機構のカムの斜視図である。
図15図14に示されたカムの内部経路のグラフ図である。
図16図14に示されたカムの外部経路のグラフ図である。
図17図7に示されたギアボックス機構のロッカーブロックアセンブリの斜視図である。
図18図7に示されたギアボックス機構のロッカーブロックアセンブリの別の斜視図である。
図19図7に示されたギアボックス機構のロッカーブロックアセンブリの分解斜視図である。
図20図7に示されたギアボックス機構の出力アセンブリとのロッカーブロックアセンブリの相互作用を示す斜視図である。
図21図7に示されたギアボックス機構の出力アセンブリとのロッカーブロックアセンブリの相互作用を示す背面図である。
図22図7に示されたギアボックス機構の出力アセンブリとのロッカーブロックアセンブリの相互作用を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面の様々な図で使用される場合、同じ数字は同じ又は類似の部品を示す。さらに、「上」、「下」、「第1」、「第2」、「上方」、「下方」、「高さ」、「幅」、「長さ」、「端」、「側」、「水平」、「垂直」、及び同様の用語が本明細書において使用される場合、これらの用語は、図面に示される構造のみを参照し、本発明の記載を容易にするためにのみ使用される。
【0027】
すべての図面は、本発明の基本的な教示の説明を容易にするためにのみ描かれている。好ましい実施形態を形成するための部品の数、位置、関係、及び寸法に関する図の拡張は、本発明の以下の教示が読まれ理解された後に説明されるか、又は当技術分野の技術の範囲内にある。さらに、特定の力、重量、強度、及び同様の要件に適合する正確な寸法及び寸法比率は、本発明の以下の教示が読まれ、理解された後、同様に当技術分野の技能の範囲内にある。
【0028】
図面、特に図1A図1B及び図2を参照すると、その開示内容が参照により本明細書に完全に組み込まれる同時係属出願の米国特許出願第16/194,053号明細書に先に開示されているギアボックス機構20を利用する機械10の実施形態が示されている。機械10は、動力源又はアクチュエータ2を含み、それは動力源2によって生成された動力を伝達する出力装置(図示せず)を含む。図に示される実施形態は一般に、動力源2を電気モータとして、出力装置を電気モータの出力シャフトとして示すが、多くの可能な実施形態がある。例えば、出力装置は、動力源2に直接接続される必要はないが、ギア、チェーン、ベルト、又は磁場によって回転可能に結合することができる。同様に、動力源2は、電気モータ、内燃機関、又は出力装置で回転動力を生成するように適合させることができる任意の従来の動力源を含んでもよい。さらに、動力源2はまた、前述のギアトレイン機構の出力ギアを含むことができる。
【0029】
図1A図1B及び図2に示される実施形態に示されるように、複数のカム作動式ギアブロックアセンブリ60は、動力シャフト4から環状の2次ギア要素又は出力ギア要素50に動力を伝達する。好ましい実施形態では、各ギアブロックアセンブリ60は、インターフェース面63(例えば、複数の突起又は歯66)を有するギアブロック62を含み、インターフェース面63は、環状の2次ギア要素又は出力ギア要素50の内周面53上に構成された相補的なインターフェース面54(例えば、突起又はギア歯)に対応する。本発明のギアブロック62と出力ギア要素50の内周面53との間のインターフェースは、図示の好ましいギア歯だけでなく、ピンや穴、さらには摩擦嵌合面などの任意の相補的な構成も含むことを理解されたい。
【0030】
環状の出力ギア要素又は動力ギア要素50は、スペーサ要素55によって分離された2つの円形リングとして示されているが、出力ギア要素又は動力ギア要素50は、単一の円形リングを含んでいてもよいことを理解されたい。出力ギア要素又は動力ギア要素50は、出力シャフト又は動力取出し装置(図示せず)に取り付けるための開口又は穴58を含む。さらに、出力ギア要素又は動力ギア要素50の外周51はまた、他のギアトレイン機構とインターフェースするための表面を含んでいてもよいことを理解されたい。
【0031】
本発明のギアブロック62は、より大きな表面積(例えば、より多くのギア歯)が任意の時点に出力ギア50と係合することを可能にするように特別に設計され、これにより、関連する応力をより大きな領域全体に分散させる。ギアブロック62と出力ギア50との間の接触面積を任意の時点で劇的に増加させることにより、機械的応力レベルが大幅に減少する。さらに、本発明のギアブロック62アセンブリは、バックラッシュをゼロに、さらには予荷重状態にまで低減して、動力源2と被動力供給装置との間に緊密な接続を実現する。これは、特に高振動用途にとって非常に望ましい機能である。さらに、出力ギア50に対するギアブロック62の係合に関連する応力がより広い領域に分散されるため、ギアブロック62は、信頼性を低下させることなく、より安価で製造が容易な、より軽量な材料で製造することができる。例えば、ヘルツ接触理論によると、平歯車の一般的な応力結果は450MPa~600MPaである。高級の鋼は、このような高い応力レベルに対応できる最も適した材料である。低級の鋼やアルミニウムのような他の材料は、同様の条件下で変形する。しかしながら、本発明のギアボックス機構に従って広い接触領域にわたって応力を分散させることにより、同様の条件下での応力レベルを約20MPaに低減することができる。このような低い応力レベルにより、本発明のギアボックス機構は、同じ用途のために低級の鋼、アルミニウム、さらにはプラスチックを使用して製造することができる。本発明のギアボックス機構は、軽量化及び小型化を図ることで、これまで重量やスペースの制限から実用化できなかった幅広い用途に適応することができる。
【0032】
カムアセンブリ30は、出力装置又は動力シャフト(図示せず)によって動力源2に結合されている。したがって、動力源2によって生成された動力は、動力シャフトに伝達され、これにより、カムアセンブリ30が中心軸6の周りを回転する。カムアセンブリ30は、その円周面34の周りに、複数の固有の経路又は溝を含み、複数の固有の経路又は溝は、各々のギアブロックアセンブリ60の単一のリンケージアセンブリのカムフォロア要素とそれぞれがインターフェースし、カムアセンブリ30が回転すると、ギアブロック62の動きが、特定の設計パラメータに従って2次元で制御される。カムアセンブリ30の経路又は溝の半径を変えることにより、ギアブロックアセンブリ60のリンケージアセンブリは、カムアセンブリ30の回転に応じて2次元回路を介してそれぞれのギアブロック62を駆動する。大まかに言えば、2次元回路は、ギアブロックを付勢して出力ギア要素50と係合させ、出力ギア要素50から離脱する前に出力ギア要素50を指定微小距離だけ移動又は回転させること、及び指定微小距離だけ戻って出力ギア要素50と再度係合させ、そのプロセスを繰り返すことを含む。各ギアブロック62の移動経路又は回路は、さまざまなリンケージアセンブリの長さと構成を調整し、カムアセンブリ30に形成された経路又は溝を変更することによって制御される。
【0033】
好ましい実施形態では、各リンケージ機構は、2つの回動可能に結合されたコネクタアームを含む。上部コネクタアームは、それぞれのギアブロック62に回動可能に結合された第1の回動点と、下部コネクタアームに回動可能に結合された第2の回動点とを含む。下部コネクタアームは、その遠位端にカムフォロア要素を含み、カムアセンブリ30に形成されたそれぞれの経路又は溝との接触を維持する。下部コネクタアームは、カムアセンブリ30の中心回転軸6に対して固定された回転軸を有する回動点をさらに含む。
【0034】
ここで図3を参照すると、ギアボックス機構の第2の実施形態の図が、同時係属出願の米国特許出願第16/266,629号明細書に先に開示されたように描かれており、その開示内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。図3は、ギアボックス機構の出力要素250とインターフェースするギアブロックアセンブリ260の斜視図を描いている。ギアブロックアセンブリ260は、ギアブロック262、トルクレバー299、第1のカムフォロア294A、及び/又は第2のカムフォロア294Bを含むことができる。少なくとも1つの例では、第1のカムフォロア294Aは、ギアブロック262に結合され、第2のカムフォロア294Bは、トルクレバー299に結合される。カムフォロア294A/294Bが第1及び第2の経路236/237を横断するとき、それらは、トルクレバー299及び/又はギアブロック262の半径方向及び角度方向の動きを発生させる。トルクレバー299及び/又はギアブロック262のこれらの縦方向及び横方向の動きは、トルクレバー299、及び/又はギアブロック262の回動運動を可能にし、及び/又は生成する。少なくとも1つの例において、スペーサ246を利用して、トルクレバー299を支持及び/又は係合させることができる。
【0035】
トルクレバー回動ポスト288とギアブロック回動空隙297は、ギアブロック262を出力要素250と係合及び/又はそれから離脱させる力を発生させるために相互作用する。ギアブロック262の動きは、少なくとも1つの例において、周期的な、環状又は閉ループの動きであり、概ね矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有し得る。
【0036】
例えば、ギアブロックインターフェース面263は、出力要素インターフェース面と係合及び/又はそれから離脱されることができる。ギアブロック262は、トルクレバー299及びカムフォロア294A/294Bの回動運動の結果として周期的に移動する。少なくとも1つの例では、ギアブロックは4つの位置を持つことができる。第1の位置228(又は移行位置)では、出力要素250の新たな回転を開始するために、ギアブロックを横断(traverse)させるか、新たな位置に移動させることができる。第2の位置226(又は係合位置又は正のバイアス移動位置)では、ギアブロックが出力要素250に回転力又は引っ張り力228を生じさせることができる。第3の位置225(又は中立位置又は平衡位置)では、出力要素に力を発生させることなく、ギアブロック262が出力要素インターフェース面に係合、出力要素インターフェース面を回転、又は出力要素インターフェース面から離脱する位置にあることを可能にする。第4の位置227(すなわち、逆張力又は負のバイアス構成)では、出力要素250に張力をかけて、出力要素250のバックラッシュの防止及び/又は排除を支援することを可能にする。
【0037】
カム要素ガイド216は、カム要素ガイド円周面217と出力要素円周面251との間に配置することができる、回転支持体、ボールベアリングアセンブリ、及び/又はボールベアリングの組(図示せず)を介して出力要素250とインターフェースすることができる。
【0038】
図示された実施形態に示されるように、複数のカム作動ギアブロックアセンブリ260は、入力又は回転装置(図示せず)から出力要素250に動力を伝達する。好ましい実施形態では、各ギアブロックアセンブリ260は、出力要素250の外周面251に構成された相補的な出力要素インターフェース面254(例えば、突起又はギア歯)に対応するインターフェース面263(例えば、複数の突起又は歯266)を有するギアブロック262を含む。本発明は、図示のような好ましいギア歯だけでなく、ピン及び穴、さらには摩擦嵌合面などの任意の相補的な構成も含む。
【0039】
出力要素250は単一の円形リングとして示されているが、スペーサ要素(図示せず)によって離間して保持された2つの円形リングを含んでいてもよいことを理解されたい。出力要素250は、出力シャフト又は動力取出装置(図示せず)に取り付けるための開口又は穴258を含む。さらに、出力要素250の内周面251はまた、他の歯車トレイン機構とインターフェースするための表面を含んでもよいことを理解されたい。
【0040】
さらに、ギアブロック262は、インターフェース面263を2つの別個の部分に分割する仕切り/位置合わせブロック(図示せず)を含むことができることを理解されたい。位置合わせブロック(図示せず)を特徴とするギアブロック262の変形例は、円形リングからなる出力要素250を特徴とする実施形態に特に適している。ギアブロック262は、ギアブロック262及び/又はトルクレバー299の回動点を提供するために、トルクレバー開口部297と相互作用し得るギアブロックポスト264を有し得る。
【0041】
本発明のギアブロック262は、より大きな表面積(例えば、より多くのギア歯)が任意の時期に出力要素250に係合することを可能にし、これにより、関連する応力をより大きな領域全体に分散させるように特別に設計される。ギアブロック262と出力要素250との接触面積を任意の時点で劇的に増加させることにより、機械的応力レベルが大幅に減少する。さらに、本発明のギアブロック262アセンブリ260は、バックラッシュをゼロに、さらには予荷重状態にまで低減して、動力源及び/又は動力装置(図示せず)間の接続を緊密にする。これは、特に高振動用途にとって非常に望ましい機能である。さらに、出力要素250に対するギアブロック262の係合に関連する応力がより広い領域に分散されるので、ギアブロック262は、信頼性を低下させることなく、通常はより安価で製造が容易なより軽量の材料で製造することができる。
【0042】
カム要素230は、シャフト、ギア、ベルト、磁場、摩擦嵌合、又は他の結合手段によって、入力装置、動力源、又は他の回転装置(図示せず)に結合することができる。入力装置、動力源、又は他の回転装置(図示せず)によって生成された動力は、シャフト、ギア、ベルト、磁場、摩擦嵌合、又は他の結合手段に伝達され、これによりカム要素230が中心軸206の周りで回転する。カムアセンブリ230は、その平面に沿って、ギアブロックアセンブリ260のカムフォロア294とそれぞれがインターフェースする複数の固有の経路又は溝を含み、その結果、カム要素230が回転すると、ギアブロック262の動きは、特定の設計パラメータに従って2次元で制御される。カム要素230の経路又は溝の半径を変化させることにより、ギアブロックアセンブリ260は、カム要素230の回転に応じて2次元回路を介してそれぞれのギアブロック262を駆動する。大まかに言えば、2次元回路は、ギアブロック262を付勢して出力要素250と係合させ、出力要素250から離脱する前に出力要素250を指定距離だけ移動及び/又は回転させること、及び指定距離だけ戻って出力要素250と再係合させ、このプロセスを繰り返すことを含む。各ギアブロック262の移動経路又は回路は、トルクレバー299、ギアブロック262、及び/又はカムフォロア294のサイズ、高さ、長さ、及び構成を調整し、カム要素230に形成された経路又は溝を変更することで調整される。
【0043】
例えば、回動接続部は、カム要素230の回転サイクル全体にわたってカム要素230の平面235に形成されたそれぞれの経路又は溝236、237の表面との接触を維持するように、トルクレバー299及び/又はギアブロック262をバイアスするねじりばね要素(図示せず)をさらに含んでもよい。一実施形態では、カムアセンブリ230の平面は、カムアセンブリ230の回転軸に実質的に垂直である。或いは、又はさらに、ギアトレイン内のギアブロック262のすべてを接続するリングばねを、本発明によるバイアス機構として使用することができる。
【0044】
ギアブロックアセンブリ260は、各カムフォロア294が、カム要素230の回転サイクル全体にわたってカム要素230に形成されたそれぞれの経路又は溝の表面との接触を維持するように、バイアス及び/又は固定される。例えば、カムフォロア294Aは、第1の経路236の表面との接触を維持し、カムフォロア294Bは、第2の経路237の表面との接触を維持する。各経路には固有の円周があり、その半径は経路の過程で変化する。
【0045】
カム要素230の各経路又は溝236、237の半径を変えることによって、トルクレバー299は、カム要素230の回転に応じて2次元回路を介してそれぞれのギアブロック262を駆動する。概して、2次元回路239は、ギアブロック262を付勢して出力要素250と係合させ、出力要素250から離脱する前に出力要素250を指定距離だけ移動又は回転させること、及び出力要素250を同じ指定距離だけ戻して再係合させ、このプロセスを繰り返すことを含む。図面に示されている2次元回路239は、原寸通りでなく、本発明の一般的な原理を説明するためにいくらか誇張されていることを理解されたい。例えば、距離A-Bは通常、図示されているよりもはるかに小さくなる。各ギアブロック262の移動経路又は回路239は、トルクレバー299、ギアブロック262のサイズ及び構成を調整すること、及び/又はカム要素230に形成される経路又は溝236、237を変更することによって制御される。
【0046】
ギアボックス機構220に適合される場合、複数のギアブロックアセンブリ260は、カム要素230の中心軸206の周りに構成される。カム要素230は、少なくとも1つの例では、出力装置(図示せず)によって動力源(図示せず)に結合することができる。カム要素230が回転すると、それぞれのトルクレバー299のカムフォロア294及び/又は各ギアブロックアセンブリ260のギアブロック262は、カム要素230の平面235に形成された特定の経路又は溝236、237との接触を維持する。カム要素230の異なる経路又は溝236、237の回転中心からの距離の変動により、カムフォロア194に回動可能に取り付けられたトルクレバー299が協働して、所定の移動回路239を通るそれぞれのギアブロック262を動かす。ギアブロック260のこの所定の移動回路239は、特定の工学的要件を満たすように正確に較正することができる。例えば、トルク比及び減速は、各ギアブロックアセンブリ260の移動回路239を調整することによって調節及び制御することができる。
【0047】
図、特に図4を参照すると、本発明のギアボックス機構320の第3の実施形態が描かれている。ギアボックス機構320は、(図1A及び1Bに示すように)動力源又はアクチュエータによって動力を供給され、及び/又は回転され得、それはギアボックス機構320によって出力装置(図示せず)に伝達される。動力源は、電気モータ、燃焼機関、水作動源、風力タービン、又は他の可能な実施形態とすることができる。さらに、動力源又はアクチュエータ、並びに出力装置(図示せず)は、ギア、チェーン、ベルト、又は磁場によって回転結合されることができる。
【0048】
ギアボックス機構320は、中心軸306を中心に構成され得る。中心軸306は、本体340、出力要素350、カム要素330、アキシャルカム331、及びハブ314の中心開口を通過することができる。本体340及びハブ314は、留め具347を介して結合されてもよい。留め具347は、ねじ、ボルト、全ねじ、圧縮嵌め装置、又は2つの構成要素を固定又は確実な方法でともに留めるための他の手段であってもよい。出力要素350、アキシャルカム331、及びカム要素330のそれぞれを本体340及び/又はハブ314から分離し得るベアリング、又はローラベアリング307が存在し得る。少なくとも1つの例において、出力要素とアキシャルカム331とを分離するベアリング又はローラベアリング307も存在し得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、カムアセンブリは、留め具302のような留め具を用いてアキシャルカム331及びカム要素330をともに結合することによって作製され、アキシャルカム331及びカム要素330はギアブロックアセンブリと相互作用する。留め具302は、ねじ、ボルト、全ねじ、圧縮嵌め装置、又はアキシャルカム331及びカム要素330を固定又は確実な方法でともに留めるための他の手段であってもよい。ギアボックス機構320は、複数のギアブロックアセンブリ360をさらに含む。各ギアブロックアセンブリ360は、ギアブロック362(ギアブロック362A、362B、362C、362D、362E、362F、及び362Gを集合的にギアブロック362と呼ぶことがある)と結合されるロッカーアーム399(ロッカーアーム399A、399B、399C、399D、399E、399F及び399Gを集合的にロッカーアーム399と呼ぶ)を含み得る。本発明のギアブロック362は、より大きな表面積(例えば、より多くのギア歯の数)が任意の時点で出力要素350と係合し、それによって、そこに関連する応力をより大きな領域にわたって分散させることができるように、特に設計されている。任意の時点でギアブロック362と出力要素350との間の接触面積を劇的に増加させることによって、機械的応力レベルが著しく減少する。いくつかの実施形態では、ギアブロック362は、個別に又は経路フォロア要素との組み合わせで、アキシャルカム331に形成された経路を辿る及び/又は追従できる経路トラッカーを有してもよい。この経路フォロア要素は、ボールベアリング、ローラベアリング、又は摩擦を低減するための他の機構若しくは手段を含むことができる。さらに、本発明のギアブロックアセンブリ360は、バックラッシュをゼロに、さらには予荷重状態にまで低減し、動力源及び/又は被動力供給装置(図示せず)の間に緊密な接続を作り出す。これは、特に高振動用途に極めて望ましい特徴である。さらに、出力要素350に対するギアブロック362の係合に関連する応力がより大きな領域にわたって分散されるので、ギアブロック362は、信頼性を低下させることなく、一般的に安価で製造が容易な軽量材料で製造することができる。
【0050】
例えば、ヘルツ接触理論によると、平歯車の典型的な応力結果は、450MPa~600MPaの範囲である。高級の鋼は、このような高い応力レベルに対応できる最も適した材料である。低級の鋼やアルミニウムのような他の材料は、同様の条件下で変形する。しかしながら、本発明のギアボックス機構に従って広い接触領域にわたって応力を分散させることにより、同様の条件下での応力レベルを約20MPaに低減することができる。このような低い応力レベルにより、本発明のギアボックス機構は、同じ用途のために低級の鋼、アルミニウム、さらにはプラスチックさえも使用して製造することができる。本発明のギアボックス機構320は、軽量化及び小型化を図ることで、これまで重量やスペースの制限から実用化できなかった幅広い用途に適応することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、ロッカーアーム399は、カム要素330の平面334に又はそれに沿って形成された指定経路の追従を可能にするカムフォロア394を有することもできる。図4の平面334は、アキシャルカム331に面するカム要素330の側に描かれているが、経路336が形成され得る平面は、アキシャルカム331に面しても、アキシャルカム331から離れる方向に面してもよいことが理解されるべきである。ギアボックス機構320は、シャフト、又は他のギア、ベルト、レバー、磁場若しくは電場等のセットなどの回転可能な要素、などの入力装置に基づいてカム要素330を自由に回転させるハブ314及び/又はボールベアリングアセンブリ307も含むことができる。少なくとも1つの例において、任意の回転構成要素の摩擦の低減及び運動の自由を可能にする複数のボールベアリングアセンブリ307A、307B、307C、307D、307E、及び/又は307F(集合的に307)が存在し得る。各ギアブロック362のインターフェース面363は、出力要素350の出力要素インターフェース面353と係合することができる。いくつかの実施形態では、ギアブロック362は、ロッカーアーム399の関連する動きによって関節運動する。
【0052】
カム要素330は、カム要素330が回転すると、ギアブロック362及び/又はロッカーアーム399の動きが少なくとも1つの特定の設計パラメータに従って2次元で制御されるように、各ロッカーアーム399のカムフォロア394とインターフェースする少なくとも1つの固有の経路又は溝336を含んでいる。カム要素330上の経路又は溝336の半径を変えることによって、ギアブロックアセンブリ360は、カム要素330の回転に応答して、2次元回路を介してそれぞれのギアブロック362を駆動する。大まかに言えば、2次元回路は、ギアブロック362を付勢して出力要素350のインターフェース面353と係合させ、出力要素350から離脱する前に指定距離だけ移動及び/又は回転させ、指定距離だけ戻って再び出力要素350と再係合させ、このプロセスを反復することを含む。各ギアブロック362の移動経路又は回路は、それぞれのギアブロック及び/又はロッカーアームの長さ、幅、高さ、及び/又は大きさを調整することによって、及び/又はカム要素330に形成された経路又は溝336を変更することによって、制御される。
【0053】
ロッカーアーム399は、カム要素330に形成された経路336を横断するカムフォロア394によって、特定の回動点の周りで回動される。さらに、ギアブロック362は、ギアブロック362の作動点をもトリガーするアキシャルカム331に沿った別の経路を追従する経路トラッカー及び/又は経路カムフォロアを有し得る。少なくとも1つの実施形態において、ギアブロック362及びロッカーアーム399の両方のための少なくとも1つの回動点又は作動点が存在し、それによって、それぞれが互いに別々に作動又は回動し、同時に、ギアブロック362の特定の運動パターンを作り出すために連動して動くことができる。ギアブロック362の動きは、少なくとも1つの例において、周期的な、環状又は閉ループの動きであり、概ね矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有し得る。
【0054】
ここで図4を参照すると、カム要素330、出力要素350の斜視図が、ロッカーアーム399、カムフォロア394、及びギアブロック362と共に描かれている。アキシャルカム331も描かれているが、この図では容易に見ることができない。中心軸306は、カム要素330、アキシャルカム331、及び/又は出力要素350の中心で、中心開口332を通過することができる。本開示の少なくとも1つの実施形態において、カム要素330は、ギアブロック362と共にロッカーアーム399と相互作用して回転し、ギアブロック362の動きが、ロッカーアーム399に取り付けられたカムフォロア394が経路336に沿って横断し、ギアブロック362の動きを発生させることを可能にし得るカム要素330内の経路に基づいて、概ね矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有する周期的な、環状又は閉ループの動きを有することを引き起こす。
【0055】
カムフォロア394のそれぞれは、それぞれ別個の経路を有し得るか、又はいくつかの実施形態では、それぞれが異なる位置で同時に追従する単一の経路を有し得る。ギアブロック362は、ロッカーアーム399に回動可能に接続することができる。代替的に又は追加的に、ギアトレイン内のギアブロック362のすべてを接続するリングばねが、本発明に従ってバイアス機構として使用されてもよい。本開示の少なくとも1つの実施形態において、カム要素は単一の経路を有するが、カム要素330に複数の経路が形成されてもよく、それらの経路は、それらが平行経路となる同一平面上にあっても、又は中心軸306から異なる距離の経路であっても、又は中心軸306の方向に積層された別々の平面にあってもよい。
【0056】
少なくとも1つの実施形態において、カム要素330に形成された経路336は、ギアブロック362のインターフェース面を出力要素350と係合させ、インターフェースさせ、及び/又は相互作用させるギアブロック362の移動及び回転を可能にする。カムフォロア394は、カム要素330に形成されたそれぞれの経路又は溝の表面との接触を維持する。図に描かれたカム要素330は、カム要素330の平面334に形成された少なくとも1つの経路又は溝336を有する単一のディスク又はユニットのように見えるが、カム要素330は、それぞれがその平面(例えば、334)に形成された固有の経路を有する複数の別々のディスクを含み得、これらは互いに機械的に結合されて単一のカムアセンブリ330を組み立てることが理解されよう。好ましい実施形態では、カムアセンブリ330の平面334は、カムアセンブリ330の回転軸に対して実質的に垂直である。図4に描かれた平面334は、アキシャルカム331に面するカム要素330の側にあるように示されているが、経路336が形成される平面はアキシャルカム331に面しても、アキシャルカム331から離れる方向に面してもよいことが理解されるべきである。
【0057】
例えば、カム要素330上の経路又は溝336の半径を変化させることによって、ロッカーアーム399は、その回動点を中心に回動し、ロッカーアーム399と本体(図示せず)との間の接触を補償し、維持することができる。このロッカーアーム399の回動点を中心とした回動又は動きは、ギアブロック362との回動接続部における動きを誘発する。各ロッカーアーム399は、各ロッカーアーム399のカムフォロア394が、それぞれ異なる点でカム要素330の平面334に形成された経路336を追従及び/又は横断することにより、他のロッカーアーム399から独立して作用する。
【0058】
ロッカーアーム399のカムフォロア394がそれぞれの経路336に従うと、ロッカーアーム399は、ギアブロックを特定の点の周りで回動及び/又は回転させる特定の点で回動することができる。例えば、ロッカーアーム399の回動点は、ギアブロック362に対して、左、右、内および外への運動、又は回転運動を引き起こす。概して、3次元回路は、ギアブロック362を付勢して、出力要素350をバイアスし、出力要素350のバイアスを解除する前に出力要素350を指定距離だけ移動又は回転させることを含む、第1の部分339Aを有し得る。さらに、3次元回路の第2の部分339Bをもたらす係合及び/又は離脱作動が存在し得る(すなわち、集合的に、第1の部分339A及び第2の部分339Bは、339と呼ばれる3次元回路を作り出す)。ともに関連付けられるとそれらは、概して矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有するギアブロック及びインターフェース面の周期的な、環状又は閉ループの動き又は回路339を許容する。ギアブロック362の周期的な、環状、又は閉ループの動き又は回路339は、出力要素350の前方回転に変換される、ギアブロックインターフェース面による出力インターフェース面の正バイアスを可能にし得る。さらに、ギアブロック362は、出力要素及び/又はギアブロックのバックラッシュ又は起こりうるバックラッシュを低減する方法で、ギアブロックインターフェース面によって出力要素インターフェース面を負にバイアスすることができる。少なくとも1つの実施形態において、ギアブロック362が出力要素350を正及び/又は負の方法でバイアスしないことを可能にする中立バイアス又は位置が存在することもでき、それはまたいくつかの例においてギアブロック362が中心軸から外側に解放することを可能にすることができる。
【0059】
ここで図4、及び5を参照すると、本発明のギアボックス機構320の第3の実施形態の追加の図が描かれている。カム要素330上の経路又は溝336の半径を変えることによって、ロッカーアーム399は、カム要素330の回転に応答して、2次元回路を通してそれぞれのギアブロック362を駆動する。概して、2次元回路339Aは、ギアブロック362を付勢して、出力要素350をバイアスし、出力要素350のバイアスを解除する前に出力要素350を指定距離だけ移動又は回転させることを含む。さらに、2次元回路に第2の部分339Bを追加することを可能にする係合及び/又は離脱作動が存在してもよい。ギアブロックが出力要素350から離脱されると、ギアブロック362は、出力要素350の回転運動と反対の方向にインターフェース面を動かすことを可能にする方法で回転及び回動されることができ、ギアブロック362が同じ特定距離を戻り、再び出力要素350ともう一度係合し直してプロセスを繰り返すことを可能にする。図面に描かれた2次元回路339は、縮尺通りではなく、本発明の一般的な原理を説明するために誇張されていることが理解される。例えば、距離A-Bは、典型的には、描かれているよりもずっと小さいであろう。各ギアブロック362の移動経路又は回路339Aは、ロッカーアーム399、ギアブロック362のサイズ及び構成を調整すること、及び/又はカム要素330に形成された経路又は溝336を変更することによって制御される。
【0060】
ギアボックス機構320に適合された場合、複数のギアブロックアセンブリ360は、カム要素330を通過する中心軸306を中心に構成される。カム要素330は、少なくとも1つの例において、出力装置(図示せず)により動力源(図示せず)に結合されてもよい。カム要素330が回転すると、各々のギアブロックアセンブリのそれぞれのロッカーアーム399のカムフォロア394は、カム要素330の平面334に形成された特定の経路又は溝336との接触を維持する。好ましい実施形態において、カムアセンブリ330の平面334は、カムアセンブリ330の回転軸に対して実質的に垂直である。回転中心からカム要素330の経路又は溝336に沿った異なる点までの距離の変動は、ギアブロック362に回動可能に取り付けられたロッカーアーム399を協働させて、所定の移動回路339を通してそれぞれのギアブロック362を動かす。ギアブロック362のこの所定の移動回路339は、特定の工学的要件を満たすように正確に較正することができる。例えば、各ギアブロック362の移動回路339を調整することによって、トルク比及び減速を調節及び制御することができる。アキシャルカム331は、カム要素330と協調して回転し、それらが回転すると、ギアブロック362の経路トラッカー364(特に図7、13及び14参照)は、軸方向経路又は溝337に沿って辿る。軸方向経路又は溝337は、アキシャルカム331の円周面335に形成されている。アキシャルカム331の下部セクション333Aに向かう又は離れる経路の高さの変動によって、ギアブロック362は、直線運動(ギアブロック362のための3次元回路の第2の部分339Bとも呼ばれ得る)を伴って出力要素350のインターフェース面353と係合又は離脱される。ギアブロック362の運動は、3次元回路を作る回転(1つの平面(水平)内の2次元の動き、左右/内外の軸方向の動きの組み合わせ)運動及び垂直平面内の直線運動(上下の動き)を生成するために協働する2つの別々の部分(339A/339B)により作られてもよい。
【0061】
本発明のギアブロックアセンブリを使用するギアボックス機構の多数の実施形態が可能である。本発明に従って構築されたギアボックス機構のすべての実施形態は、カム要素330の中心軸306の周りに構成された複数のギアブロックアセンブリを特徴とし、奇数又は偶数のギアブロックアセンブリのいずれかを含むことができる。本発明のギアボックス機構には、少なくとも2つ、好ましくは3つ又はそれ以上のギアブロックアセンブリが必要である。ギアブロックアセンブリは、通常、互いに回転系列で動く。
【0062】
しかしながら、複数のギアブロックアセンブリが4つ以上の偶数のギアブロックアセンブリを含む好ましい実施形態では、カム要素330の両側に構成されたギアブロックアセンブリは、2次要素又は出力要素350から同時に係合及び離脱する。例えば、ギアボックス機構320の実施形態は、4つのギアブロックアセンブリ360を特徴としてもよい。同様に、ギアボックス機構320の別の実施形態は、6つのギアブロックアセンブリ360を特徴としてもよい。これは、カム要素の平面に形成された個々の経路又は溝が、カム要素330の平面に沿って互いに同相であることを保証することによって達成される。
【0063】
図、特に図6を再び参照すると、本発明のギアボックス機構420の第4の実施形態が描かれている。ギアボックス機構420は、(図1A及び1Bに示すように)動力源又はアクチュエータによって動力を供給され、及び/又は回転され得、それは出力装置に伝達される。動力源は、電気モータ、燃焼機関、水作動源、風力タービン、又は他の可能な実施形態とすることができる。さらに、動力源又はアクチュエータ、並びに出力装置は、ギア、チェーン、ベルト、又は磁場によって回転結合されることができる。
【0064】
ギアボックス機構420は、中心軸406を中心に構成され得る。中心軸406は、本体440、出力要素450、カム要素430、及びハブ414の中心開口を通過することができる。ハブ414は、シャフト、又は他のギア、ベルト、レバー、磁場若しくは電場等のセットなどの回転可能な要素、などの入力装置に基づいて、カム要素430がハブ414内で自由に回転することを可能にするボールベアリングアセンブリ(図示せず)を含むことができる。本体440とハブ414は、留め具(図示せず)で結合されてもよい。留め具は、ねじ、ボルト、全ねじ、圧縮嵌め装置、又は2つの構成要素を固定された又は確実な方法で一緒に留めるための他の手段であってもよい。ギアボックス機構420は、出力要素450、及びカム要素430のそれぞれを本体440及び/又はハブ414から分離し得るローラベアリング407などのベアリングをさらに含んでもよい。ギアボックス機構420は、複数のギアブロックアセンブリ460を含んでもよい。各ギアブロックアセンブリは、ギアブロック462(ギアブロック462A、462B、462C、462D、462E及び462Fを集合的にギアブロック462と呼ぶ場合がある)と結合されるロッカーアーム499(ロッカーアーム499A、499B、499C、499D、499E、499F、及び499Gを集合的にロッカーアーム499と呼ぶ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ギアブロック462は、個別に、又は経路フォロア要素との組み合わせで、カム要素430に形成された経路を辿る及び/又は追従できる経路トラッカーを有し得る。
【0065】
本発明のギアブロック462は、より大きな表面積(例えば、より多くのギア歯の数)が任意の時点で出力要素450と係合し、それによって、そこに関連する応力をより大きな領域にわたって分散させることができるように、特に設計されている。任意の時点でギアブロック462と出力要素450との間の接触面積を劇的に増加させることによって、機械的応力レベルが著しく減少する。さらに、本発明のギアブロック462は、バックラッシュをゼロに、さらには予荷重状態にまで低減し、動力源及び/又は被動力供給装置(図示せず)の間に緊密な接続を作り出す。これは、特に高振動用途に極めて望ましい特徴である。さらに、出力要素450に対するギアブロック462の係合に関連する応力がより大きな領域にわたって分散されるので、ギアブロック462は、信頼性を低下させることなく、一般的に安価で製造が容易な軽量材料で製造することができる。
【0066】
例えば、ヘルツ接触理論によると、平歯車の典型的な応力結果は、450MPa~600MPaの範囲である。高級の鋼は、このような高い応力レベルに対応できる最も適した材料である。低級の鋼やアルミニウムのような他の材料は、同様の条件下で変形する。しかしながら、本発明のギアボックス機構に従って広い接触領域にわたって応力を分散させることにより、同様の条件下での応力レベルを約20MPaに低減することができる。このような低い応力レベルにより、本発明のギアボックス機構は、同じ用途のために低級の鋼、アルミニウム、さらにはプラスチックを使用して製造することができる。本発明のギアボックス機構420は、軽量化及び小型化を図ることで、これまで重量やスペースの制限から実用化できなかった幅広い用途に適応することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、ロッカーアーム499は、カム要素430の周囲面に沿って形成された指定経路の追従を可能にするカムフォロア494を有することもできる。ギアブロック462のインターフェース面463(図23参照)は出力要素450のインターフェース面452と係合することができる。いくつかの実施形態では、ギアブロックはロッカーアーム499の関連する動きによって回転される。
【0068】
カム要素430は、カム要素430が回転すると、ギアブロック462及び/又はロッカーアーム499の動きが少なくとも1つの特定の設計パラメータに従って2次元で制御されるように、各ロッカーアーム499のカムフォロア494とインターフェースする少なくとも1つの固有の経路又は溝を含んでいる。カム要素430上の経路又は溝の半径を変えることによって、ギアブロックアセンブリは、カム要素430の回転に応答して、2次元回路を介してそれぞれのギアブロック462を駆動する。大まかに言えば、2次元回路は、ギアブロック462を付勢して、出力要素450と係合させ、出力要素450から離脱する前に出力要素450を特定距離だけ移動及び/又は回転させ、特定距離だけ戻って再び出力要素450と再係合させ、このプロセスを反復することを含む。各々のギアブロック462の移動経路又は回路は、それぞれのギアブロック及び/又はロッカーアーム499の長さ、幅、高さ、及び/又は大きさを調整することによって、及び/又はカム要素430に形成された経路又は溝を変更することによって、制御される。
【0069】
ロッカーアーム499は、カム要素430が回転するときにカム要素430に形成された経路を横断するカムフォロア494によって特定の回動点の周りで回動される。さらに、ギアブロック462は、ギアブロック462の作動点をもトリガーするカム要素430に沿った別の経路を辿る経路トラッカー及び/又は経路カムフォロアも有し得る。少なくとも1つの実施形態において、ギアブロック462及びロッカーアーム499の両方のための少なくとも1つの回動又は作動点が存在し、それによって、それぞれが互いに別々に作動又は回動でき、同時に、ギアブロック462の特定の運動パターンを作り出すために連動して動くことができる。ギアブロック462の動きは、少なくとも1つの例において、周期的な、環状又は閉ループの動きであり、概ね矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有し得る。いくつかの実施形態では、本体440は少なくとも1つのハブ412A及び/又は412Bと結合され得る。いくつかの例では、ハブ412A及び412Bは連係されてもよい。
【0070】
ここで図6を参照すると、カム要素430の斜視図が、ロッカーアーム499、カムフォロア494、及びギアブロック462と共に描かれている。中心軸406は、カム要素430の中心で、中心開口432を通過することができる。本開示の少なくとも1つの実施形態において、カム要素430は、回転するときに、ギアブロック462と共にロッカーアーム499と相互作用し、ギアブロック462が、ロッカーアーム499に取り付けられたカムフォロア494が経路に沿って横断し、ギアブロック462の動きを発生させることを可能にし得るカム要素430内の経路に基づいて、概ね矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有する周期的な、環状又は閉ループの動きを有することを引き起こす。少なくとも1つの実施形態において、カムフォロア494はロッカーブロック470(図23及び図28参照)を介してロッカーアーム499に結合及び/又は取り付けられてもよい。
【0071】
カムフォロア494の各々は、それぞれ別個の経路を有することができ、又は、いくつかの実施形態では、それぞれが異なる位置で同時に追従する単一の経路を有してもよい。ギアブロック462は、ロッカーアーム499に回動可能に接続することができる。代替的に、又は追加的に、ギアトレイン内のギアブロック462のすべてを接続するリングばねが、本発明に従ってバイアス機構として使用されてもよい。本開示の少なくとも1つの実施形態において、カム要素は単一の経路を有するが、カム要素430に複数の経路が形成されてもよく、それらの経路はそれらが平行な経路となる同一平面上にあっても、又は中心軸406から異なる距離の経路であっても、又は中心軸406の方向に積層された別々の平面内にあってもよい。
【0072】
少なくとも1つの実施形態において、カム要素430に沿った経路436、437は、ギアブロック462のインターフェース面を出力要素450(図17)と係合させ、インターフェースさせ、及び/又は相互作用させるギアブロック462の移動と回転を可能にする。カム要素430が回転すると、カムフォロア494は、カム要素430に形成されたそれぞれの経路又は溝の表面との接触を維持する。図に描かれたカム要素430は、カム要素430の円周面434に形成された少なくとも1つの経路又は溝を有する単一ユニットのように見えるが、カム要素430は、それぞれがその円周面434に形成された固有の経路を有する複数の別々のディスク又は管を含んでもよく、それらは互いに機械的に結合されて単一のカムアセンブリ430を組み立てることが理解される。
【0073】
例えば、カム要素430上の経路又は溝436、437の半径を変えることによって、ロッカーアーム499は、その回動点を中心に回動し、ロッカーアーム499/カムフォロア494と経路436、437の間の接触を補償し、維持する。このロッカーアーム499の回動点を中心とした回動又は移動は、ギアブロック462との回動接続部における移動を誘発する。各々のロッカーアーム499は、各々のロッカーアーム499のカムフォロア494が、それぞれ異なる点でカム要素430の円周面に形成された経路436、437に追従及び/又はそれを横断することにより、他のロッカーアーム499から独立して作用する。
【0074】
ロッカーアーム499のカムフォロア494がそれぞれの経路436、437を追従すると、ロッカーアーム499は、ギアブロックを特定の点の周りで回動及び/又は回転させる特定の点で回動することができる。例えば、ロッカーの回動点は、ギアブロック462に対して、左、右、内および外への運動、又は回転運動を引き起こす。ともに関連付けられると、それらは、概して矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有するギアブロック及びインターフェース面の周期的な、環状又は閉ループの動きを許容する。例えば、ロッカーアーム499の回動点は、ギアブロック462に対して、左、右、内および外への運動、又は回転運動を引き起こす。概して、2次元回路は、ギアブロック462を付勢して、出力要素(図示せず)をバイアスし、出力要素のバイアスを解除する前に出力要素(図示せず)を指定距離だけ移動又は回転させることを含む、第1の部分439Aを有し得る。さらに、2次元回路439の第2の部分439Bを可能にする係合及び/又は離脱作動が存在してもよい。ともに関連付けられると、それらは、概して矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有するギアブロック及びインターフェース面の周期的な、環状又は閉ループの、動き又は回路439を可能にする。ギアブロック462の周期的な、環状、又は閉ループの、動き又は回路439は、出力要素350の前方回転に変換されるギアブロックインターフェース面による出力インターフェース面の正バイアスを可能にすることができる。さらに、ギアブロック462は、出力要素及び/又はギアブロックのバックラッシュ又は起こりうるバックラッシュを低減する方法で、ギアブロックインターフェース面によって出力要素インターフェース面を負にバイアスすることができる。少なくとも1つの実施形態において、ギアブロック462が出力要素を正及び/又は負の方法でバイアスしないことを可能にする中立バイアス又は位置も存在し得、それはまた、いくつかの例において、ギアブロック462が中心軸から外側に解放することを可能にし得る。
【0075】
図、特に図7図22を参照すると、本発明のギアボックス機構520の第5の実施形態が描かれている。ギアボックス機構520は、(図1A及び1Bに示すように)動力源又はアクチュエータによって動力を供給され、及び/又は回転され得、それはギアボックス機構520によって出力装置(図示せず)に伝達される。動力源は、電気モータ、燃焼機関、水作動源、風力タービン、又は他の可能な実施形態とすることができる。さらに、動力源又はアクチュエータ、並びに出力装置(図示せず)は、ギアボックス機構520にギア、チェーン、ベルト、又は磁場によって回転可能に結合され得る。ギアボックス機構520は、ロッカーブロックアセンブリをカム530と係合させることを可能にし、複数の平面に形成された経路を有し、多平面カム作動式ギアボックス機構520を作製する。
【0076】
ギアボックス機構520は、中心軸506を中心に構成され得る。中心軸506は、本体540、出力装置550、カム530、出力ギア552、及び蓋514の中心開口を通過することができる。本体540と蓋514は、留め具547(留め具547A、547B、547Cとして示される)を介して結合され得る。留め具547は、ねじ、ボルト、全ねじ、圧縮嵌め装置、又は2つの構成要素を固定又は確実な方法でともに留めるための他の手段であってもよい。出力ギア552及びカム530のそれぞれを本体540及び/又は蓋514から分離することができる、シールすることができる又は未シールとすることができるベアリング、ローラベアリングなどであるがそれに限定されない摩擦低減機構507が存在し得る。少なくとも1つの例において、出力装置を本体540及び/又は蓋514から分離する摩擦低減機構507も存在し得る。いくつかの例では、摩擦低減機構507はオイルシールを含むことができ、この例として、507Fと507Gであり得、507Fはベアリング又はローラベアリングであり、507Gはシールを提供し摩擦低減流体が利用されることを可能にするオイルシールである。他の例は、自己シール又はシールされたベアリング又はローラベアリングを有することができる。少なくとも1つの実施形態において、507A及び507Gは、グリースなどであるがこれに限定されない摩擦低減流体又は摩擦低減材料をギアボックス機構520内で利用することを可能にするためにシール又はオイルシールとして機能する摩擦低減機構を表している。
【0077】
ギアボックス機構520は、1組のロッカーブロックアセンブリ560をさらに含む。各ロッカーブロックアセンブリ560は、ロッカーブロックアセンブリ560に結合された1組の経路トラッキング装置が、カム530に形成された経路に沿って辿ることを可能にする。ロッカーブロックアセンブリ560のギアパッドは、より大きな表面積(例えば、より多くのギア歯の数)が任意の時間に出力ギア552と係合することを可能にし、それによって、そこに関連する応力をより大きな領域にわたって分散させるように特に設計されている。任意の時間にギアパッド562と出力ギア552との間の接触面積を劇的に増加させることによって、機械的応力レベルは著しく減少する。いくつかの実施形態では、ロッカーブロックアセンブリ560は、個別に又は経路フォロア要素と組み合わせて、カム530に形成された経路を辿る及び/又は追従することができる経路トラッカーを有し得る。経路フォロア要素は、ボールベアリング、ローラベアリング、又は摩擦を低減するための他の機構若しくは手段を含むことができる。さらに、本発明のロッカーブロックアセンブリ560は、バックラッシュをゼロに、さらには予荷重状態にまで低減し、動力源及び/又は被動力供給装置(図示せず)の間の緊密な接続を作り出す。これは、特に高振動用途に極めて望ましい特徴である。さらに、出力ギア552に対するギアパッド562の係合に関連する応力がより大きな領域にわたって分散されるので、ギアパッド562は、信頼性を低下させることなく、一般的に安価で製造が容易な軽量材料で製造することができる。さらに、ギアボックス機構520のモジュール式の性質のため、出力ギア552、ギアパッド562、及びカム530を交換して、任意の数の負荷、ギア比、摩擦、又は速度の設計要件を支持できる様々な組み合わせを作ることができる。ロッカーブロックアセンブリ560は、カム530と組み合わせて、出力ギア552を所定の距離だけ移動又は回転させることができる。カム530の内部経路536及び外部経路537を変化させることにより、広義には、出力ギア552を付勢することを含む3次元回路を通じてロッカーブロックアセンブリ560を駆動する。ロッカーブロックアセンブリ560の動きは、少なくとも1つの例において、概ね矩形、楕円形、円形、正方形、円錐形、卵形、長円形、切頭円形パターン、又はそれらの任意の組み合わせの設計指定された動きのパターンを有し得る周期的な、環状又は閉ループの動きである。
【0078】
例えば、ヘルツ接触理論によると、平歯車の典型的な応力結果は、450MPa~600MPaの範囲である。高級の鋼は、このような高い応力レベルに対応できる最も適した材料である。低級の鋼やアルミニウムのような他の材料は、同じような条件下で変形するだろう。しかしながら、本発明のギアボックス機構に従って応力を広い接触面積に分散させることにより、同様の条件下での応力レベルを約20MPaに低減することができる。このような低い応力レベルにより、本発明のギアボックス機構は、同じ用途のために低級の鋼、アルミニウム、又はさらにはプラスチックを用いて製造することができる。軽量化及び小型化により、本発明のギアボックス機構520は、重量及びスペースの制限により従来は実行不可能だった広範な用途に適応することができる。
【0079】
図示の実施形態に示すように、複数のカム作動式ロッカーブロックアセンブリ560は、入力装置又は回転装置522から出力装置550に動力を伝達する。好ましい実施形態において、各ロッカーブロックアセンブリ560は、出力ギア552の外周面551上に構成された相補的な出力ギアインターフェース面553(例えば、突起又はギア歯)に対応するインターフェース面(例えば、図18に示される複数の突起又は歯)を有するギアパッド562を含む。少なくとも1つの実施形態において、出力ギア552は、出力装置550に留め具を介して結合される。本発明は、描かれているような好ましいギア歯だけでなく、ピン及び穴、さらには摩擦嵌合面など、任意の相補的な配置を含む。
【0080】
出力装置550は単一のシリンダとして描かれているが、出力装置550は、スペーサ要素(図示せず)によって離した状態で保持された2つ以上の円形リングを含み得ることが理解される。出力装置550は、出力シャフト又は動力取出し装置(図示せず)に取り付けるための開口又は穴(図10では開口又は穴559として示されている)を含む。加えて、出力装置550の内周は、何らかの他のギアトレイン機構とインターフェースするための表面も含み得ることが理解される。
【0081】
さらに、ギアパッド562は、インターフェース面(図18に示す)を2つの別々のセクションに分割するデバイダ/アライメントブロック(図示せず)を含み得ることが理解される。アライメントブロック(図示せず)を特徴とするギアパッド562の変形例は、円形リングで構成された出力装置550を特徴とする実施形態に特に好適である。
【0082】
カム530は、シャフト、ギア、ベルト、磁場、摩擦嵌め、又は他の結合手段によって、入力装置522、動力源、又は他の回転装置(図示せず)に結合され得る。入力装置522、動力源、又は他の回転装置によって生成された動力は、シャフト、ギア、ベルト、磁場、摩擦嵌め、又は他の結合手段に伝達することができ、これによりカム530は中心軸506を中心に回転するようになる。いくつかの実施形態では、入力装置522、カム530、及びカムナット524をともに結合することによって、カムアセンブリが形成される。カム530及び入力装置522は、カムナット524と一緒に軸方向に係合され、固定され得る。カム530は、1組のロッカーブロックアセンブリ560と相互作用して、回転エネルギーの組織的な変換を促進する。カム530は、カム530が回転すると、ロッカーブロックアセンブリ560の動きが特定の設計パラメータのセットに従って3次元で制御されるように、ロッカーブロックアセンブリ560のカムフォロア(図18ではカムフォロア594及び/又は経路フォロア574として示されている)にそれぞれインターフェースするその周方向の平面に沿って形成された複数の固有の経路又は溝を有することができる。少なくとも1つの例において、1つ又は複数の摩擦低減機構507(507A、507B、507C、507D、507E、507F、及び507Gとして示される)が、カムアセンブリ、ロッカーブロックアセンブリ560、又は出力アセンブリ549の間で利用され得る。摩擦低減機構507は、少なくとも1つの例において、1つ又は複数のベアリング又はローラベアリング507B、507C、507E、及び507F、並びに1つ又は複数のオイルシール507A、507D、及び507Gを含むことができる。オイルシールは、ベアリング又はローラベアリングが摩擦低減流体で満たされるか又はそれと相互作用することを可能にする。他の例は、1つ又は複数の自己シール式又はシールされたベアリング又はローラベアリングを含み得る。いくつかの例は、ベアリングが機構又は装置と相互作用し、摩擦低減流体がベアリング、シール、及び機構又は装置の間を自由に移動することを可能にするために、測定可能な距離だけ離間したシール及びベアリングを含み得る。本体540は、入力装置522、又はカム530の動き又は動作に従ってロッカーブロックアセンブリ560が揺動、回動、又は他の運動を行うことを可能にするロッカーブロック凹部577を有し得る。本体540はまた、ロッカーブロックアセンブリ560の回動ピンを受け入れることを可能にする回動ピン開口543を含み得る。
【0083】
カム530上の各経路又は溝536、537の半径を変えることによって、ロッカーブロックアセンブリ560は、カム530の回転に応答して、3次元回路を通してそれぞれのギアパッド562を駆動する。概して、3次元回路(図20図22に示す)は、ロッカーブロックアセンブリ560を付勢して、出力装置550又は出力ギア552と係合させ、出力装置550又は出力ギア552から離脱する前に指定距離だけ出力装置550又は出力ギア552を移動又は回転させ、同じ指定距離だけ戻して出力装置550又は出力ギア552ともう一度再係合させ、プロセスを繰り返すことを含んでいる。
【0084】
ギアボックス機構520に適合させた場合、複数のロッカーブロックアセンブリ560は、カム530の中心軸506を中心に構成される。カム530は、少なくとも1つの例において、入力装置522によって動力源(図示せず)に結合され得る。カム要素530の異なる経路又は溝536、537の回転中心(中心軸506)からの距離の変動は、それぞれのギアパッド562を所定の移動回路を通して移動するようにロッカーブロックアセンブリ560を協働させる。ギアパッド562のこの所定の移動回路は、特定の工学的要件を満たすように正確に較正することができる。例えば、各ロッカーブロックアセンブリ560の移動回路を調整することによって、トルク比及び減速を調節及び制御することができる。
【0085】
例えば、回動接続部は、カムフォロア(図18ではカムフォロア594、又は経路フォロア574として示されている)が、カム要素530の回転サイクルを通じて、カム530の円周面又は平面に形成されたそのそれぞれの経路又は溝536、537の表面との接触を維持するようにロッカーブロックアセンブリ560をバイアスするねじりばね要素(図示せず)をさらに含み得る。一実施形態では、カム530の平面は、カム530の回転軸に対して実質的に垂直である。代替的に、又は追加的に、ギアトレイン内のロッカーブロックアセンブリ560の全てを接続するリングばねが、本発明によるバイアス機構として使用されてもよい。
【0086】
ロッカーブロックアセンブリ560は、各カムフォロア594(図18ではカムフォロア594、又は経路フォロア574として示されている)が、カム530の回転サイクルを通じて、カム530に形成されたそのそれぞれの経路又は溝の表面との接触を維持するようにバイアスされ、及び/又は固定される。例えば、カムフォロア594は、第1経路又は内部経路536の表面との接触を維持し、経路フォロア(図18に示す)は、第2経路又は外部経路537の表面との接触を維持する。各経路は固有の回路を有し、その半径又は高さは経路のコースにわたって変化する。
【0087】
少なくとも1つの実施形態において、出力ギア552は、1組の留め具547を介して出力装置550に結合される。留め具547は、様々な設計特性又は負荷の変更を考慮して、出力ギア552を変更することを可能にする。本体540はまた、1組の固定用開口544で受け入れることができる1組の留め具547を介して蓋514に結合されてもよい。少なくとも1つの例において、本体540、蓋514、摩擦低減機構507、入力装置522、カム530、カムナット524、出力ギア552、及び出力装置550のそれぞれは、中心軸506が当該構成要素のそれぞれを通過することを可能にする中心開口を有している。これらの要素のそれぞれは、要素が中心軸506の長さに沿って線形アセンブリを形成することができるように、中心軸に沿って同軸に整列されてもよい。
【0088】
ここで図9を参照すると、本体540、蓋514、及び出力アセンブリ549の分解図が示されている。本体540は、少なくとも1つの例において、ロッカーブロックアセンブリ(図18に示す)用のハウジングを提供することができる。ロッカーブロックアセンブリ(図18に示す)は、本体保持面587によって静止し、及び/又は支持され得る。ロッカーアーム(図18に示す)は、本体540によって画定されるようにロッカーブロック凹部577によって支持及び/又は保持されることができる。例えば、ロッカーブロック凹部577は、ロッカーブロックアセンブリ(図示せず)を保持し、ロッカーブロックの回動運動に対して垂直な単一方向を除いて取り外されないようにする大きさであってもよく、一方、ロッカーブロック(図18に示す)の回動運動はまた、出力ギア又は出力装置(図7に示す)のインターフェース、係合、及び/又は回転を可能にするロッカーブロックアーム(図18に示す)の回動運動と一致することができる。本体540は、本体540によって画定された固定用開口544に嵌まるような大きさの留め具547を介して、蓋514、入力ハブ、リテーナ、又は他の固定装置に結合されることができる。蓋514、入力ハブ、リテーナ、又は他の固定装置は、少なくとも1つの例において、振動を防止するがカムの自由な動きを可能にする方法でカム(図14に示す)を固定及び/又は支持するために利用され得る。
【0089】
図10において出力アセンブリ549は分解斜視図で示されている。出力装置550は、出力ギア552に結合され得る。いくつかの例では、摩擦低減機構507(507G、507F、及び507Eとして示される)が、結合の様々な箇所に含まれ得る。出力シム557が、出力装置550との出力ギア552の適切な位置合わせ、適切な嵌合、及び/又は予荷重を確実にするために利用されてもよい。出力シム557は、出力ギア552と出力装置550とを適切に位置合わせすることによって、出力ギア552から出力装置550を介して回転出力に加えられる結合又は他の過度の摩擦を防止することができる。出力装置550、摩擦低減機構507、出力シム557、及び出力ギア552のそれぞれは、中心開口532を有することができる。中心開口532は、入力装置(図示せず)又は他の要素が中心軸(図示せず)を通過すること又は中心軸を中心に回転することを可能にすることができる。
【0090】
出力ギア552は、出力ギアインターフェース面553を有することができる出力ギア円周面551を有する。出力ギアインターフェース面553は、ロッカーブロックアセンブリのギアパッド上の1組のギア歯に対応する、1組のギア歯を有することができる。少なくとも1つの実施形態において、ギア歯は、ギア歯突起と、突起に概ね等しい相手方ギア歯空隙とを有する概ね三角形又は概ね三角形の多角形形状を有することができる。出力ギア552は、いくつかの例において、対応する出力結合開口561Bを有することができる出力結合開口561Aを画定する内側結合面を有することができる。出力結合開口561A/561Aは、出力ギア552、及び出力装置550が留め具547でともに結合されることを可能にすることができる。同様に、出力装置550は、1組の出力装置留め具開口559に結合された留め具547を介して回転出力に結合され得る。
【0091】
少なくとも1つの実施形態において、出力装置550は、第1の出力摩擦低減機構507F及び第2の出力摩擦低減機構507Gと回転可能に係合している。第1の出力摩擦低減機構507F及び第2の出力摩擦低減機構507Gは、出力摩擦低減機構507F/507Gの一方又は両方が中心軸(図示せず)を中心に自由に回転できるような方法で相互作用し得る。
【0092】
例えば、第1の出力摩擦低減機構507F(ベアリング又はローラベアリング)は、出力装置550に摩擦嵌合し得、第2の出力摩擦低減機構507G(オイルシール)は、第1の出力摩擦低減機構507Fと係合して、第2の出力摩擦低減機構507G又は第1の摩擦低減機構507Fに接触した回転出力装置550が自由に移動できるようにする。或いは、第1の出力摩擦低減機構507Fは、出力装置550に摩擦嵌合し得、第2の出力摩擦低減機構507Gは、第1の出力摩擦低減機構507Fと係合し、第2の出力摩擦低減機構507Gが摩擦嵌合する非可動蓋(図示せず)を基準にして出力装置550が自由に回転できるようにする。第2の出力摩擦低減機構507Gは、これらの例では、摩擦低減流体が装置又は蓋から出るのを防止し、摩擦低減流体がギアボックス機構内で利用されるのを可能にするために、装置又は蓋に摩擦嵌合させることができる。
【0093】
出力装置550は、その円周面で第3の出力摩擦低減機構507Eを受けることができる。少なくとも1つの例において、第3の出力摩擦低減機構507Eは、出力シム557を介して出力ギア552と係合する。第3の出力摩擦低減機構507Eは、出力装置550に対する振動又は他の動きに伴う出力ギア552の移動の自由を可能にすることができる。少なくとも1つの例において、第3の出力摩擦低減機構507Eは、摩擦低減流体を受け入れることができる、又はシールされて摩擦低減機構内に摩擦低減流体を含むことができるベアリング又はローラベアリングであり得る。
【0094】
図11及び12を参照すると、入力アセンブリ519の斜視図及び分解図が示されている。入力アセンブリ519は、入力装置522、カム530、カムナット524、及び1つ又は複数の入力摩擦低減機構507(507D、507C、及び507Bとして示される)を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、入力装置522は、カム530の回転を強制する外部装置からの回転入力によって回転させられ得る。カム530が回転すると、ロッカーブロックアセンブリ(図示せず)が、カム530の表面内に形成された内部経路、及び外部経路のうちの一方又は両方と係合される。カム530は、カムナット524で入力装置522に対して固定される。少なくとも1つの例において、カムナット524は、カム530のための入力装置522に対して摩擦嵌め又はねじ接続を形成する。入力装置522はまた、入力摩擦低減機構507のうちの1つ又は複数を介して他のギアボックス機構要素(図示せず)と回転可能に結合又は係合され得る。
【0095】
例えば、少なくとも1つの実施形態において、入力装置522は、入力装置522が摩擦低減機構507を介して出力ギア(図示せず)と接触することができる場所で中心軸506に沿って配置される。いくつかの例では、第1の入力摩擦低減機構507Dは、第2の入力摩擦低減機構507Cと係合し得、第2の機構507Cは、入力装置522に摩擦嵌合し、第1の機構507Dと係合して第2の入力摩擦低減機構507Cに対する運動の自由を与える内部回転構造を有する。少なくとも1つの例において、第1の入力摩擦低減機構507Dは、第1の入力摩擦低減機構507Dとの流体係合を有するベアリング又はローラベアリングである第2の入力摩擦低減機構507Cと流体係合することができるオイルシールである。第2の入力摩擦低減機構507Cは、第3の入力摩擦低減機構507Bと係合し得る。この第2及び第3の入力摩擦低減機構の係合は、機械的な係合であってもよいし、摩擦低減流体を介した流体係合であってもよい。第3の入力摩擦低減機構507Bは、入力シム527と係合し得る。少なくとも1つの実施形態において、第3の入力摩擦低減機構507Bは、シールされた又は自己シール式ベアリング又はローラベアリングである。少なくとも1つの例において、入力シムは、中心軸506に対するカム530の位置合わせを可能にする。
【0096】
図13は、入力装置522の斜視図を示す。入力装置522は、中心軸506と整列した中心開口532を有することができる。少なくとも1つの実施形態において、中心開口532の内部に沿って、入力装置522は、係合点525を有することができる。係合点525は、入力装置522とギアボックス機構(図7に示す)の外部の回転装置との係合を可能にすることができる。入力装置522の外部に沿って、円周面の多段又は深さのセットにより、入力装置522とカム530との結合が可能になる。例えば、第1の入力円周面523Aは、第2の入力円周面523Bへのカム530及びカムナット524の通過を可能にする。少なくとも1つの例において、第2の入力円周面523Bは、カムねじ面528及びカムナットねじ面521をそれぞれ介して、入力装置522とカム530及びカムナット524とのねじ結合を可能とするねじ面である。さらに、第2の入力円周面523Bはまた、第1の入力円周面523Aよりも大きな半径を有し得る。第1の入力円周面523A及び第2の入力円周面523Bの両方は、第3の円周面523Cよりも小さい半径を有し得る。少なくとも1つの実施形態において、円周面523A/523B/523Cが形成するシリンダは、階段状のピラミッド形状を有する。
【0097】
図14において、カム530の図が示されている。カム530は、内部経路536及び外部経路537を有することができる。内部経路536は、初期の内部半径rから第2の内部半径rへと変化することができる。rからrへの半径変化は、一例では、入力装置又はカムのねじ山パターンの直径以上とすることができる。カム530の半径変化は、カム530の破損を防ぐために十分な壁厚を提供するために、経路とカムの縁との間のカム530の壁内への少なくとも入力ねじ山の深さが存在する必要があるので、カム530の直径によってのみ制限されるであろう。少なくとも1つの例のカム530は、内部経路536の半径、及び外部経路537の深さ、並びに中心軸506からカムねじ面528までの半径に加えて、カムねじ面528が、カム530の合計半径、及びカムの対応する直径を作り出すことになる。カムねじ面528は、(図13に示すように)入力装置上の対応するねじ面を有し得る。カムねじ面528のねじ山パターンは、対応するねじ山パターンと確実に係合するのに十分な深さを有し得る。カムねじ面528、及び外壁の破損なしにカムフォロア(図18に示す)の通過を可能にするのに十分な厚さの外壁の必要性のため、カム530の半径(及び対応する直径)は、入力装置の半径、ねじ山の厚さ(深さ)、半径rからrへの変化、及び外部経路又は溝の深さを含み得る。値の組み合わせが生じ得ることは理解されるだろうが、最低限、カム530は、中心軸506からのrすなわちねじ山厚さ以上の内半径、及び中心軸506からのr+外部経路537の深さ以下の外半径を有することができる。
【0098】
外部経路537は、少なくとも1つの実施形態において、カム530の円周面によって画定される。外部経路537の深さは、経路フォロアが、画定壁の破損なしに沿って進行することを可能にする十分な深さであり得る。内部経路536が形成されるプランナ表面と反対側の底面又は側に関する外部経路537の高さは、hからhの範囲とすることができる。少なくとも1つの例において、高さhからhへの変化は、カム530の高さ(基準枠に依存する厚さ又は深さ)によって制御される。カム530の高さは、外部経路537を横断するときにカム又は経路フォロアに十分な支持を提供するために、少なくとも高さhからhへの変化に比例する厚さの画定壁のセットを含むであろう。少なくとも1つの例における比例は、溝又は外部経路537の深さ又は高さ、又はその何らかの変形に等しくなり得る。内部経路536は、図7に示された中心軸に垂直な平面内に形成され得ることが理解されよう。カム530は、前部及び後部の平面を有し得る。
【0099】
少なくとも1つの実施形態において、内部経路536及び外部経路537は、それぞれカム530の平面及び円周面に形成される。経路536及び537は、ギアパッドインターフェース面が出力インターフェース面を有する出力装置と係合、インターフェース、及び/又は相互作用することを可能にすることによって、ロッカーブロックアセンブリ(図17~19に示す)の移動及び回転を可能にする。ロッカーブロックアセンブリは、それぞれの経路との接触を維持するカム又は経路フォロアを有することができる。経路は、それぞれの表面内の溝又はチャネルとして示され得る。単一のカム530として示されているが、カム530は、それぞれがその平面又は円周面に形成された固有の経路を有する複数の別個のディスクを含んでもよく、単一のカムアセンブリ530を組み立てるためにディスクの1つ又は複数に機械的に結合することを可能にし得ることが理解される。
【0100】
図15及び16に、それぞれ半径及び高さの変動の図が示されている。図15の半径の変化をさらに説明するために、縦軸は半径の変化を示し、横軸は(図14に示すような)カムの度数(360度)の変化を示している。半径の変化は、変曲点529で頂点に達する。変曲点529は、カムの中心から測定した内部経路536の最大半径rである。変曲点529において、半径の変化は、上向き又は増加する半径(変曲点529の左側)から、概して下向き又は減少する半径(変曲点529の右側)に転換する。単一の変曲点として図示されているが、ロッカーブロックアセンブリ(図18に図示)の追加の回動、回転、又は移動を可能にするために、他の変曲点が内部経路536に沿って含まれてもよい。少なくとも1つの実施形態において、半径の変化は、カムの平面に形成された予め定められたパターンに従って、ロッカーブロックアセンブリを回動、回転、揺動及び/又は他の方法で移動させる。
【0101】
内部経路536と同様に、外部経路537は、出力ギア(図10に示す)からのギアパッド(図18に示す)の係合及び離脱を可能にする上昇点531を有する。上昇点531は、係合されたギアパッドから離脱されたギアパッドへの移行点である。少なくとも1つの実施形態において、上昇点531は、ギアパッドが出力ギアから完全に離脱され、再係合への移行を開始する点を示している。例えば、内部経路536の半径を変化させることによって、ロッカーブロックアセンブリ(図17~19に示す)は、位置変化を補償して出力装置とロッカーブロックアセンブリとの間の接触を維持するためにその回動点を中心に回動することができる。このロッカーブロックアセンブリ(いくつかの例ではロッカーブロックとロッカーアーム)の回動点を中心とした回動又は運動は、測定可能な角度寸法の回転(直交座標系上の2次元)運動におけるロッカーブロックアセンブリの運動を誘発する。ロッカーブロックアセンブリのそれぞれは互いに独立して動作し、それぞれは、指定された回転運動と個々の測定可能な角度寸法にマッピングされる。等しい長さのギアパッド(図18に示す)を有するように図示されているが、いくつかの例では、ギアパッドのそれぞれは、それ自体の個々の長さを有し得、それに応じて、異なる回転運動及び測定可能な角度寸法を有するであろう。少なくとも1つの例において、回転運動及び測定可能な角度寸法は、カム530の中心を起点とした場合に、左、右、内、又は外への運動を可能にする。
【0102】
さらに、例えば、外部経路537の高さを変化させることによって、ロッカーブロックアセンブリは、位置変化を補償し、出力装置とロッカーブロックアセンブリとの間の接触を維持するために、上昇及び下降させることができる。昇降は、出力アセンブリとギアパッドのインターフェース面の係合を誘導する。昇降運動は、内部経路536によって誘発される回転運動に対して概ね垂直であり、したがって、直交座標系における3次元の運動を作り出す。回転運動と、回転運動に垂直な直線運動との組み合わせは、ロッカーブロックアセンブリの複数のバイアス位置を作り出す。例えば、変曲点529では、回転バイアスが線形係合バイアスと一緒に発生し得る一方、上昇点531では、線形中立位置又は非バイアス位置が、回転中立位置又は非バイアス位置と一緒に発生し得る。これらのバイアス位置は、図20図22を用いてより詳細に考察される。
【0103】
カム530は、その中に形成された少なくとも1つの平面的経路又は内部経路536を有する平面534Aを含む。少なくとも1つの例において、経路536は、経路536全体に沿って均一である単一の深さを有する。好ましい実施形態において、カム530の平面534Aは、カム530の回転軸に対して実質的に垂直である。図14の平面534Aは、カムナット524に面するカム530の側に描かれているが、内部経路536が形成される平面は、カム要素530のいずれかの面する側(すなわち、カムナット524に面する平面又はカムナット524から離れる方向に面する平面のいずれか)に構成されてもよいことは理解されたい。他の例では、内部経路536は、経路536の長さに沿って深さが変わってもよい。内部経路536は、カムフォロア(図18参照)がロッカーアーム及び/又はギアパッド(図18参照)に回動又は回動力を発生させることを可能にし得る。カムフォロアが内部経路536を横断するとき、経路は、カムフォロアに結合されたロッカーアーム及び/又はギアパッドを動かすために方向(半径)を変更することができる。同様に、外部(円周)経路537は、カム530の円周面534Bに形成されている。経路フォロア(図18参照)は、外部経路を辿り又は追従し、経路に基づいて方向(高さ)を変え、ロッカーアーム及び/又はギアパッドを移動、回転、又は回動させることができる。外部経路及び内部経路536/537の両方は、単一の深さを有することができ、又は、ロッカーブロックアセンブリ(図18に示す)の追加の移動、回転、又は回動を可能にするために深さが変化してもよい。本開示の少なくとも1つの実施形態において、カム530は、その平面の1つに単一の経路を有し、その円周面に単一の経路を有するが、カム530には複数の経路が形成されてもよく、それらの経路はそれらが平行経路となる同一平面上にあっても、又は中心軸506からの異なる距離の経路であっても、又は中心軸506に平行及び垂直な方向に積層された別々の平面上にあってもよい。
【0104】
図17図18、及び図19に、ロッカーブロックアセンブリ560の図が示されている。ロッカーブロックアセンブリ560は、ロッカーブロック570と、ギアパッド562と、回動ピン580と、カムフォロア594とを含むことができる。ロッカーブロック570は、回動ピン580に関連する回動点を中心に回転又は回動することができる。断面にわたって概ね三角形の形状を有するように示されているが、ロッカーブロック570は、正方形、矩形、円形、又は他の形状など、任意の数の断面形状を有することができることが理解されよう。少なくとも1つの実施形態において、ロッカーブロック570は、ロッカーブロック570に結合され、形成され、又は留められるロッカーアーム598を有し得る。例えば、ロッカーブロック570及びロッカーアーム598は1つの部品であってもよいし、結合装置又は留め装置を介してともに接合される別個の部分であってもよい。
【0105】
回動ピン580は、(図20図22に示す)カムの動きに基づくロッカーブロック570の動きを可能にすることができる。カムが回転すると、カムフォロアは、カムに形成された経路を辿り、これにより、ロッカーブロックアセンブリ560、より具体的には、ロッカーブロック570の移動、回転、又は回動が引き起こされる。カムフォロアがカム経路を追従することによって誘発される移動、回転、又は回動に対抗する、又はそれに抗してバイアスするために、回動ピンは、ロッカーブロックアセンブリ560がその周りで移動、回転、又は回動できる回動点として作用し得る。
【0106】
図18により詳細に見られるように、しかし図17図19をなおも参照すると、ロッカーブロック570はまた、カムフォロア594に加えて経路フォロア574を含み得る。経路フォロア574は、経路フォロアピン564を介してロッカーブロック570に結合され、取り付けられ、又は留められてもよい。いくつかの例では、経路フォロアピン564は経路フォロアとして機能してもよく、ここで経路フォロア574は、ベアリング、ローラ、又はローラボールベアリングのセットなどであるがこれらに限定されない摩擦低減機構である。経路フォロア574は、ロッカーブロックアセンブリが、カムの複数の表面に形成された複数の経路を追従する又は辿ることを可能にする。例えば、カムは、中心軸に対して垂直又は平行な方向において平面内に形成された経路を有し得る一方、別の経路が、中心軸に対して水平又は垂直な方向(中心軸に向かう又は中心軸から離れる方向)においてカムの円周面に沿って形成され得る。
【0107】
ギアパッド562は、概ね楕円形又は円形であり、少なくとも1つの実施形態において、インターフェース面563を含む。ギアパッド562は、任意の数の断面形状又は構造を有し得ることが理解されよう。インターフェース面563は、1組のギア歯空隙563A、ギア歯突起563Bを含むことができ、空隙及び突起のそれぞれは、第1の端部563C、及び第2の端部563Dを有する。一例として、ギア歯突起563Bを見ると、第1の端部563Cは第2の端部563Dよりも狭く、又は小さく、第2の端部563Dは第1の端部563Cよりも大きい。ギア歯空隙563Aはギア歯突起563Bに対応し得、それぞれは互いを基準として縦方向に沿って反転している。例えば、水平基準に関して見たとき、突起の第1の端部は、空隙の対応する第2の端部の隣にあるであろう。対応するインターフェース面は、出力アセンブリで構成されていることが分かるかもしれない。他の例では、インターフェース面563は、ポストと穴、舌と溝、摩擦嵌合面、又は他のインターフェース手段を含み得る。
【0108】
少なくとも1つの実施形態において、ロッカーブロックアセンブリ560は、カムに形成された経路の追従又は辿りに基づいて全体として移動する。例えば、ロッカーブロックアセンブリ全体は、カムの円周面に形成された経路の追従に基づいて上下に移動し得、さらに、カムの平面に形成された経路の追従又は辿りに基づいて回転又は回動運動が発生し得る。
【0109】
ロッカーブロックアセンブリ560は、図19において分解図で見ることができ、ギアパッド562は1組のコンプライアンス装置565を有する。ロッカーブロック570又はロッカーアーム598はそれぞれ、ロッカーブロックアセンブリ560の部分又は部品を受け入れるための1つ又は複数の開口又は空隙を有することができる。例えば、ロッカーブロックは、コンプライアンス開口566A、及び/又は566B、並びにパッドピン開口567Bを有することができる。少なくとも1つの例において、コンプライアンス開口566A及び566Bは、コンプライアンス装置565を受け入れるように構成可能であり、パッドピン開口567Bは、パッドピン561を受け入れるように構成可能である。パッドピン開口567Bは、ギアパッド562によって画定された対応するパッドピン開口567Aを有することができる。パッドピン561は、パッドピン開口567Aを介してギアパッド562を通過し、ギアパッド空隙511によってメインロッカーブロック570から部分的に分離されているロッカーブロックスタンドオフ570A及びパッドピン開口567Bを介してロッカーブロック570を通過し、メインロッカーブロック570によって画定されているパッドピン開口567C内に固定することが可能である。ギアパッド空隙511は、その中に物理的な構造を持たない空間であり得、メインロッカーブロック570によって画定され得る。同様に、コンプライアンス装置開口566A、及び566Bは、ロッカーブロックスタンドオフ570A及びメインロッカーブロック570によって画定され得る。ロッカーブロックスタンドオフ570Aは、メインロッカーブロック570の一部であってもよく、それに結合されてもよく、又は留められてもよいことが理解されよう。少なくとも1つの実施形態において、ロッカーブロックスタンドオフ570Aは、ロッカーブロック570に同じく隣接するギアパッド空隙511に隣接するロッカーブロック570の一部であり、ギアパッド空隙511は、ロッカーブロック570の全断面を通過しない深さでロッカーブロック570に形成されている。ロッカーブロック570又はロッカーブロックスタンドオフ570Aはまた、回動ピン開口577を画定し得る。回動ピン開口は、回動ピン580がロッカーブロック570の長さを通過することを可能にするように構成され得る。少なくとも1つの例において、回動ピン580及び/又は回動ピン開口577はまた、ロッカーブロックスタンドオフ570Aを通過し得る。ロッカーブロック570は、経路ピン564又は経路フォロア574がロッカーブロック570に結合されることを可能にする経路ピン開口597も画定し得る。
【0110】
コンプライアンスメカニクス又はコンプライアンス機構は、変形又は弾性体を通して、力又はエネルギーを別のボディ又は物体に伝達することを可能にする。ロッカーブロック570内に収容される、ばね565A及びプラグ565Bを含むことができる1つ又は複数のコンプライアンス装置565。ばね565Aは、コンプライアンス開口566A/566B内に配置され、ロッカーブロック570内のコンプライアンス開口566A/566Bによって画定される空間内で静止することができる。少なくとも1つの実施形態において、ばね565Aは、軸方向ばねである。少なくとも1つの例において、プラグ565Bは、コンプライアンス力を適用するための均一な、一貫した、又は平坦な表面を提供するために、ばね565Bと結合及び/又は固定されることができる。一方、他の例では、ばねだけでコンプライアンス力を提供することができる。ばね又はプラグ以外の他のコンプライアンス機構又は材料を利用できることは理解されるだろう。これらの他のコンプライアンス機構又は材料のいくつかの例は、ロッカーブロック570からギアパッド562への、又はギアボックス機構全体の他の場所へのエネルギーの伝達を可能にする記憶又は合金効果を有し得る。
【0111】
少なくとも1つの実施形態において、1組のコンプライアンス装置565は、正(前)方向及び負(後)方向の両方でインターフェース面の設計バイアスを可能にするのに十分な量でギアパッドインターフェース面563を出力ギアインターフェース面(図10に示す)と係合させるコンプライアンス力をギアパッド562に対して適用する。いくつかの例は、コンプライアンス装置565が、ギアパッド562をギアパッド空隙511内に、及び/又はロッカーブロックスタンドオフ570Aに対して保持するコンプライアンス力を作り出すことも可能にし得る。ロッカーブロックスタンドオフ570Aは、コンプライアンス開口566Bに対向し、それ自体のコンプライアンス開口566Aを画定し得る。
【0112】
ロッカーブロック570は、ロッカーブロック570に結合又は留められ得るか、又はロッカーブロック570の一部として形成され得るロッカーアーム598を有し得る。少なくとも1つの実施形態において、ロッカーアーム598は、(図20図22に示される)カムの動きに基づいてロッカーブロックアセンブリ560の移動、回転、又は回動をトリガー、誘発、及び/又は引き起こすための位置にカムフォロア594を位置決めすることを可能にするオフセット角596を有して形成されている。オフセット角596は、カムの回転運動に関連して出力装置の回転運動を最小化又は最大化するために、カム経路の計算の一部として計算することができる。カムフォロア594は、カムフォロア開口571を画定したロッカーアーム598によって受け入れることができる。カムフォロア594は1つの部品であるように示されているが、カムフォロア594は、経路フォロアピン564及び経路フォロア574と同様のカムフォロアポスト及びカムフォロア摩擦低減機構で作製できることが理解されよう。
【0113】
図20図21、及び図22は、ロッカーブロックアセンブリ560、カム530、及び出力ギア552の動き、回転、又は回動を示す。ロッカーブロックアセンブリ560が出力ギア552と係合するとき。係合はギアパッド562及び出力ギア552を介して起こり得る。ギアパッド562、及び出力ギア552の両方は、それぞれのインターフェース面563及び553を有する。ロッカーブロックアセンブリ560がカム530の円周面に形成された外部経路537に対して移動すると、ギアパッドインターフェース面563は、出力ギアインターフェース面553と係合することができる。ロッカーブロックアセンブリ560が外部経路537と共に移動すると、ロッカーブロック570及びギアパッド562は、回動ピン580に沿ってシフトし得る。回動ピン580は、外部経路537の高さの差によって制限されるロッカーブロック570によるスライド移動を可能にし得る。ロッカーブロックアセンブリ560の移動は、移動の第1の部分539Aとして特徴付けることができる。移動の第1の部分539Aは、図21及び図22に示された対応する回転(2次元)移動部分を有することができる。
【0114】
移動の第2の部分539Bは、ロッカーブロックアセンブリがカム530の内部経路536に関連して移動されるときに生じるようにプログラムされるか又は計算される指定距離だけ出力装置又は出力ギアを動かす回転移動(直交座標における2次元の移動)である。カムフォロア594が、カム530の平面529に形成された内部経路536を移動、辿る、又は追従するとき、ロッカーアーム598及び/又はロッカーブロック570は、回動ピン580を中心に回動、回転、又は移動する。移動の第2の部分539Bは、前方バイアス位置、及び後方バイアス位置の両極を有し得る。少なくとも1つの例では、前方バイアス位置は、ロッカーブロックアセンブリの前方移動、及びそれに応じて出力装置又は出力ギアの前方移動を可能にする。この例にさらに、後方バイアス位置は、ロッカーブロックアセンブリが、ロッカーブロックアセンブリ560、出力装置又は出力ギアの結合を遅くすること、及び/又は防止することを可能にする。この結合防止、後方バイアス位置は、出力装置又は出力ギアが、ギアパッドと出力装置又は出力ギアとの係合を妨げ得る所望の位置を越えて、スリップする、スライドする、又は他の方法で移動することを防止する。ロッカーブロックアセンブリ560はまた、中立位置又は非バイアス位置と、移動の第2の部分539Bに沿った移行位置とを有し得る。
【0115】
例えば、ギアパッドインターフェース面563は、出力要素インターフェース面553と係合及び/又は離脱することができる。ギアパッド562は、ロッカーブロック570、ロッカーアーム598、及びカムフォロア594の回動運動の結果として、周期的な態様で移動する。少なくとも1つの例において、ロッカーブロックは4つの位置を有することができる。第1の位置(又は移行位置)は、出力装置550の新たな回転を開始するために、ギアパッドが新たな位置まで横断又は移動することを可能にする。第2の位置(又は係合位置又は正バイアス移動位置)は、ギアパッドが出力装置550に回転力又は引っ張り力を発生させることを可能にする。第3の位置(又は、中立位置又はバランス位置)は、ギアパッド562が、出力装置に発生する力がない状態で、出力要素インターフェース面と係合、回転、又は離脱する位置にあることを可能にし得る。第4の位置(すなわち、逆張力又は負バイアス構成)は、出力装置550のバックラッシュの防止及び/又は除去を支援するために、出力装置550に張力をかけることを可能にする。さらに、本発明のロッカーブロックアセンブリ560は、バックラッシュをゼロに、さらには予荷重状態に低減し、動力源及び/又は被動力供給装置(図示せず)間の緊密な接続を作り出す。これは、特に高振動用途に極めて望ましい特徴である。さらに、出力装置550に対するギアパッド562の係合に関連する応力がより大きな面積に分散されるため、ギアパッド562は、信頼性を低下させることなく、一般的に安価で製造が容易な軽量材料で製造することが可能である。
【0116】
図20及び図21に示され、さらに図22に示されるように、ロッカーブロックアセンブリ560は、カム530の回転、及びカム530内に形成された経路に従って、出力ギア552を所定の距離だけ係合及び/又は移動させることができる。ロッカーブロックアセンブリ560は、ロッカーブロックアセンブリ560のための移動の3次元周期的パターンを可能にする移動の第2の部分(回転、水平、又は2次元運動)539Bと連携又は組み合わせて動作する移動の第1の部分(直線、垂直、又は1次元運動)539Aを有することができる。移動の第1の部分539Aは、カム530の円周面534Bに形成された外部経路537に対応する。動きの第2の部分539Bは、図14に示す内部経路に対応し、ロッカーアーム598に結合されたカムフォロア(図18に示す)の辿り又は追従に対応する。移動のこれらの部分539A/539Bは、回動ピン580の周りを含むがこれに限定されない、特定の回動点の周りのロッカーブロック570又はロッカーブロックアセンブリ560の移動、回転、又は回動を誘発する。
【0117】
移動の間、ロッカーブロックアセンブリ560の1つ又は複数は、出力ギア552、又は出力ギアインターフェース面553と(ギアパッド又はギアパッドインターフェース面を介して)係合する。この係合の例は、係合501として示され、離脱の例は、離脱503として示される。図面に描かれた3次元回路は縮尺通りではなく、本発明の一般的な原理を説明するために多少誇張されていることが理解される。例えば、距離A-Bは、典型的には、描かれているよりもずっと小さいであろう。各ロッカーブロックアセンブリ560の移動経路又は回路539A/539Bは、ロッカーブロックアセンブリ560、ギアパッド562のサイズ及び構成を調整すること、及び/又はカム530に形成された経路又は溝536、537を変更することにより制御される。例えば、各ギアパッド562の移動経路又は回路は、それぞれのギアパッド562及び/又はロッカーアーム599の長さ、幅、高さ、及び/又はサイズを調整することによって、及び/又はカム530に形成された経路又は溝を変更することによって、制御される。
【0118】
本発明のロッカーブロックアセンブリを使用して、ギアボックス機構の多数の実施形態が実現可能である。本発明に従って構築されたギアボックス機構の全ての実施形態は、カム530の中心軸506を中心に構成された複数のロッカーブロックアセンブリを特徴とし、奇数又は偶数どちらかのロッカーブロックアセンブリを含み得る。本発明のギアボックス機構には、少なくとも2つ、好ましくは3つ以上のロッカーブロックアセンブリが必要である。ロッカーブロックアセンブリの移動は、典型的には、互いに回転系列で移動する。
【0119】
しかしながら、複数のロッカーブロックアセンブリが4つ以上の偶数個のロッカーブロックアセンブリを含む本発明の好ましい実施形態では、カム530の両側に構成されたロッカーブロックアセンブリは、2次装置又は出力装置550から一斉に係合及び離脱する。例えば、ギアボックス機構520の一実施形態は、4つのロッカーブロックアセンブリ560を特徴とし得る。同様に、ギアボックス機構520の別の実施形態は、6つのロッカーブロックアセンブリ560を特徴とし得る。これは、カム530の平面に形成された個々の経路又は溝が、カム530の平面に沿って互いに同相であることを保証することによって達成される。
【0120】
改良されたギアボックス機構が本明細書に記載されていることは当業者には明らかである。本発明は好ましい実施形態によって記載されてきたが、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の適合及び修正を採用できることは明らかである。本明細書で使用される用語及び表現は、記載の用語として使用されており、限定ではない。したがって、同等物を除外する意図はなく、逆に、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できるすべての同等物を網羅することを意図している。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【国際調査報告】