(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(54)【発明の名称】オキサゾリジノン化合物および抗細菌剤としてのその使用方法
(51)【国際特許分類】
C07D 263/20 20060101AFI20230216BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20230216BHJP
A61P 31/06 20060101ALI20230216BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230216BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
C07D263/20
A61K31/541
A61P31/06
A61P31/04
A61K45/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555750
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 US2021022652
(87)【国際公開番号】W WO2021188606
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/080359
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】クラウリー,ブレンダン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ナンターメット,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】オルセン,デイビッド・ビー
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リーフー
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ,ランイン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB351
4C084ZB352
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC88
4C086GA09
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA11
4C086NA14
4C086ZB35
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、式(I)のオキサゾリジノン化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。本発明はまた、式(I)の化合物を含有する組成物に関する。本発明はまた、マイコバクテリア細胞の増殖を阻害する方法、ならびに式(I)および/もしくはその薬学的に許容される塩、またはそのような化合物および/もしくは塩を含む組成物の治療有効量を投与することによって、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによるマイコバクテリア感染を治療する方法を提供する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項3】
細菌感染を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項4】
細菌感染を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、請求項2に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項5】
前記細菌感染が、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによるものである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記細菌感染が、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによるものである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物または前記その薬学的に許容される塩が、経口、非経口または局所投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記医薬組成物が、経口、非経口または局所投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記M.ツベルクローシスが薬剤耐性マイコバクテリア株である、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記M.ツベルクローシスが薬剤耐性マイコバクテリア株である、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
M.ツベルクローシスを治療するための第2の治療剤を投与する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の治療剤が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、サイクロセリン、テリジドン、パラアミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸、プレトマニド、ベダキリン、GSK 3036656、ゲポチダシン、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸、TBA-7371 aデカプレニルホスホリル-β-D-リボース2’-オキシダーゼ(DprE1)阻害剤、Otsuka Pharmaceutical製のOPC-167832、Qurient Co.,Ltd製のTelacebec(Q203)、およびチオリダジンからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
対象の細菌感染を治療するための、または対象の細菌感染を治療するための医薬品の製造における、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項14】
式Iの化合物。
【化2】
【請求項15】
治療有効量の請求項14に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項16】
細菌感染を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、治療有効量の請求項14に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項17】
細菌感染を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、請求項15に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項18】
前記細菌感染が、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによるものである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記細菌感染が、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによるものである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物または前記その薬学的に許容される塩が、経口、非経口または局所投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記化合物または前記その薬学的に許容される塩が、経口、非経口または局所投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記M.ツベルクローシスが薬剤耐性マイコバクテリア株である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記M.ツベルクローシスが薬剤耐性マイコバクテリア株である、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
M.ツベルクローシスを治療するための第2の治療剤を投与する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の治療剤が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、サイクロセリン、テリジドン、パラアミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸、プレトマニド、ベダキリン、GSK 3036656、ゲポチダシン、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸、TBA-7371 aデカプレニルホスホリル-β-D-リボース2’-オキシダーゼ(DprE1)阻害剤、Otsuka Pharmaceutical製のOPC-167832、Qurient Co.,Ltd製のTelacebec(Q203)、およびチオリダジンからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
対象の細菌感染を治療するための、または対象の細菌感染を治療するための医薬品の製造における、請求項14に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌感染、特にマイコバクテリア感染の治療に有用なオキサゾリジノン化合物に関する。本発明はまた、マイコバクテリア・ツベルクローシス(Mycobacteria tuberculosis)によって引き起こされるものなどのマイコバクテリア感染の治療のためのオキサゾリジノン化合物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイコバクテリウムは、結核(M.ツベルクローシス)およびハンセン病(M.レプレ(M.leprae))の原因となる病原体を含む、真にグラム陽性でも真にグラム陰性でもない細菌の属である。結核(TB)は、特に、イソニアジドおよびリファンピンなどの抗TB薬が利用可能であるにもかかわらず、世界で最も致命的な疾患の1つであると考えられている。世界保健機関によると、2018年には、1000万例の新規TB症例および150万例のTB死亡例があった。世界保健機関によって発行されたGlobal Tuberculosis Report 2019を参照されたい。TBの流行を複雑にしているのは、多剤耐性株の増加傾向、およびHIVとの致命的な関連である。HIV陽性でTBに感染している人は、活動性TBを発症する可能性がHIV陰性の人の30倍であり、TBは、世界中のHIV/AIDS患者3例のうち1例の死亡の原因である。例えば、Kaufmann et al.,Trends Microbiol.1:2-5(1993)およびBloom et al.,N.Engl.J.Med.338:677-678(1998)を参照されたい。
【0003】
AIDS患者を苦しめる日和見感染では、M.ツベルクローシス以外のマイコバクテリアがますます見られるようになっている。M.アビウム-イントラセルラーレ(M.avium-intracellulare)複合体(MAC)由来の生物、特に血清型4および8は、AIDS患者由来のマイコバクテリア単利株の68%を占める。膨大な数のMACが見出され(組織1グラム当たり最大1010個の抗酸菌)、その結果、感染したAIDS患者の予後は不良である。
【0004】
オキサゾリジノンは、抗微生物薬として使用される、窒素および酸素を含む5員環である2-オキサゾリドンを含む化合物のクラスである。例えば、国際公開第2009157423号を参照されたい。一般に、オキサゾリジノンは、モノアミンオキシダーゼ阻害剤であり、グラム陽性微生物に対して活性を有することが知られている。国際公開第2006022794号、Suzuki et al.,Med.Chem.Lett.4:1074-1078(2013)、Yang et al.,J.Med.Chem.58:6389-6409(2015)、Shaw et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.1241:48-70(2011)。さらに、PCT公開番号国際公開第2017/070024号は、結核の治療のためのオキサゾリジノン抗生物質を開示している。
【0005】
いくつかのオキサゾリジノン抗生物質が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などのグラム陽性細菌感染の治療のために承認されているか、または臨床試験中である。オキサゾリジノン抗生物質の例には、リネゾリド(Zyvox(商標)、Pfizer Inc.,New York,NY)およびテジゾリド(Sivextro(商標)、Merck Sharp&Dohme Corp.,Kenilworth,NJ)が挙げられる。テジゾリドは、特定の感受性グラム陽性細菌によって引き起こされる急性細菌性皮膚・皮膚組織感染症を治療するために使用される。リネゾリドは、院内肺炎、複雑性皮膚・皮膚軟部組織感染症および市中肺炎を含む、グラム陽性微生物の感受性株によって引き起こされるいくつかの感染症の治療に適応される。さらに、リネゾリドは、多剤耐性(MDR)および広範囲薬剤耐性(XDR)マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)(Mtb)の治療のために臨床試験で試験されている。Lee et al.,N.Engl.J.Med 367:1508-18(2012)。これらの疾患の治療における臨床的有効性にもかかわらず、リネゾリドの長期使用は、骨髄抑制(貧血および白血球減少症を含む)(Hickey et al.,Therapy 3(4):521-526(2006)、神経障害およびセロトニン症候群を含む有害事象に関連している。これらの有害事象は、ミトコンドリアタンパク質合成の阻害に関連すると仮定されている。Flanagan et al.,Antimicrobial Agents and Chemotherapy 59(1):178-185(2015)。
【0006】
承認されたオキサゾリジノンよりも安全であるが、少なくとも同程度に有効なオキサゾリジノン抗生物質の開発は、Mtb患者に大いに利益をもたらすであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2009157423号
【特許文献2】国際公開第2006022794号
【特許文献3】PCT公開番号国際公開第2017/070024号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Kaufmann et al.,Trends Microbiol.1:2-5(1993)
【非特許文献2】Bloom et al.,N.Engl.J.Med.338:677-678(1998)
【非特許文献3】Suzuki et al.,Med.Chem.Lett.4:1074-1078(2013)
【非特許文献4】Yang et al.,J.Med.Chem.58:6389-6409(2015)
【非特許文献5】Shaw et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.1241:48-70(2011)
【非特許文献6】Lee et al.,N.Engl.J.Med 367:1508-18(2012)
【非特許文献7】Hickey et al.,Therapy 3(4):521-526(2006)
【非特許文献8】Flanagan et al.,Antimicrobial Agents and Chemotherapy 59(1):178-185(2015)
【発明の概要】
【0009】
本発明は、抗細菌活性を有するオキサゾリジノン化合物に関する。化合物およびその薬学的に許容される塩は、例えば、細菌感染、例えばマイコバクテリア感染の治療に有用であり得る。さらに具体的には、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む:
【化1】
【0010】
本発明はまた、式Iのオキサゾリジノン化合物および/または薬学的に許容される担体、希釈剤もしくは賦形剤を含む、対象の細菌感染、特にM.ツベルクローシス感染を治療するための医薬組成物に関する。
【0011】
式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩は、例えば、マイコバクテリウム・ツベルクローシスの増殖を阻害するために、および/または患者の結核を治療もしくは予防するために有用であり得る。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、結核の治療のための本発明のオキサゾリジノン化合物の使用は、リネゾリドなどの公知のオキサゾリジノン化合物よりも骨髄抑制を引き起こす可能性が低いと考えられ、これは、それらが、ミトコンドリアタンパク質合成の高度の阻害に関連しない、および/またはM.ツベルクローシスに対する効力とミトコンドリアタンパク質合成の阻害との間の比較的高い分離を有するためである。また、本明細書に記載される化合物は、M.ツベルクローシスに対するその効力と組み合わせて、公知のオキサゾリジノンよりもヒトに対する妥当な投与量で1日1回(QD)投与を提供する可能性が高い薬物動態プロファイルを示す。さらに、その薬物動態プロファイルに基づいて、本明細書に記載される化合物では、公知のオキサゾリジノンよりも投与24時間後の体内でのその最大濃度と最小濃度との差が小さい可能性が高く、これにより、Mtbの治療における有効性と潜在的な有害作用との間の良好な分離が可能になり得る。
【0012】
本発明はまた、1)式Iのオキサゾリジノン化合物の有効量を対象に投与することを含む、その治療を必要とする対象の結核を治療する方法、および2)結核の治療のための式Iのオキサゾリジノン化合物の使用に関する。
【0013】
本発明の実施形態、下位実施形態および特徴は、本明細書でさらに説明されるか、または以下の説明、実施例、および添付の特許請求の範囲から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
オキサゾリジノンは、グラム陽性細菌感染、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染の治療に使用するために最初に開発された。実施例に示すように、式Iのオキサゾリジノン化合物のインビトロ試験では、この化合物が、マイコバクテリア・ツベルクローシスの増殖を阻害する優れた効力を有するが、高度のミトコンドリアタンパク質合成阻害とは関連しないことが明らかにされた。そのため、式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩は、マイコバクテリアツベルクローシス(mycobacterial tuberculosis)(Mtb)の治療に有用であるが、オキサゾリジノンリネゾリドに関連する骨髄抑制などの副作用をもたらさないと予測される。したがって、式Iの化合物は、Mtb治療剤としてのリネゾリドおよび類似体よりも顕著な利点を有するであろう。
【0015】
式Iの化合物
式Iの化合物が本明細書に開示される:
【化2】
式Iの化合物:
【化3】
およびその薬学的に許容される塩も本明細書に開示され、該化合物は、細菌感染、特にマイコバクテリア感染の治療のために使用するのに好適であり得る。
【0016】
式Iの化合物に関する異なる実施形態への言及は、具体的には、式Iの化合物と、場合により、式Iの化合物の薬学的に許容される塩とを含む。
【0017】
本発明の他の実施形態には、以下が含まれる:
(a)本明細書で定義される式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(b)抗生物質である第2の化合物をさらに含む、(a)の医薬組成物。
(c)第2の化合物が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、サイクロセリン、テリジドン(terididone)、パラアミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸、プレトマニド、ベダキリン、GSK 3036656、M72/AS01Eワクチン、ゲポチダシン、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸、TBA-7371 aデカプレニルホスホリル-β-D-リボース2’-オキシダーゼ(DprE1)阻害剤、Otsuka Pharmaceutical製のOPC-167832、Qurient Co.,Ltd製のTelacebec(Q203)、およびチオリダジンからなる群から選択される、(b)の医薬組成物。
(d)(i)式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、(ii)第2の化合物とを含む医薬組成物であって、第2の化合物が抗生物質であり、式Iの化合物と第2の化合物とが、該組合せを細菌感染の治療または予防に有効にする量でそれぞれ使用される医薬組成物。
(e)第2の化合物が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、サイクロセリン、テリジドン、パラアミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸、プレトマニド、ベダキリン、GSK 3036656、M72/AS01Eワクチン、ゲポチダシン、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸、TBA-7371 aデカプレニルホスホリル-β-D-リボース2’-オキシダーゼ(DprE1)阻害剤、Otsuka Pharmaceutical製のOPC-167832、Qurient Co.,Ltd製のTelacebec(Q203)、およびチオリダジンからなる群から選択される、(d)の組合せ。
(f)対象の細菌感染を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む方法。
(g)細菌感染を予防および/または治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む方法。
(h)細菌感染を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の組成物を治療有効量投与することを含む方法。
(i)(f)、(g)または(h)に記載される、細菌感染を治療する方法であって、細菌感染が、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによるものである方法。
(j)マイコバクテリア感染を予防および/または治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組成物の有効量を投与することを含む方法。
(k)(j)に記載される、マイコバクテリア感染を治療する方法であって、マイコバクテリア感染が、M.ツベルクローシスによるものである方法。
(l)(j)に記載される、マイコバクテリア感染を治療する方法であって、組成物が、(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の組成物である方法。
【0018】
本発明はまた、(i)細菌感染、特にマイコバクテリア感染を医学的に治療する、もしくは治療するのに使用するための、(ii)細菌感染、特にマイコバクテリア感染を医学的に治療する、もしくは治療するための医薬品として使用するための、または(iii)細菌感染、特にマイコバクテリア感染を医学的に治療する、もしくは治療するための医薬品の調製(または製造)に使用するための式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。これらの用途では、本発明の化合物は、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、サイクロセリン、テリジドン、パラアミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸、プレトマニド、ベダキリン、GSK 3036656、M72/AS01Eワクチン、ゲポチダシン、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸、TBA-7371 aデカプレニルホスホリル-β-D-リボース2’-オキシダーゼ(DprE1)阻害剤、Otsuka Pharmaceutical製のOPC-167832、Qurient Co.,Ltd製のTelacebec(Q203)、およびチオリダジンを含む1つ以上の第2の治療剤と組み合わせて使用されていてもよい。
【0019】
本発明の追加の実施形態は、上記の(a)~(l)に記載の医薬組成物、組合せおよび方法、ならびに先の段落に記載されている使用を含み、そこで使用される本発明の化合物は、上記の実施形態、下位実施形態、クラスまたは下位クラスのうちの1つの化合物である。化合物は、これらの実施形態では、薬学的に許容される塩の形態で使用されていてもよい。
【0020】
上記で提供された化合物および塩の実施形態では、そのような組合せが安定な化合物または塩を提供し、実施形態の説明と一致する限り、各実施形態を1つ以上の他の実施形態と組み合わせてもよいことを理解されたい。上記の(a)~(l)として提供される組成物および方法の実施形態は、実施形態の組合せから生じるような実施形態を含め、化合物および/または塩のあらゆる実施形態を含むと理解されることをさらに理解されたい。
【0021】
本発明の追加の実施形態は、先の段落に記載の医薬組成物、組合せ、方法および使用の各々を含み、そこで使用される本発明の化合物またはその塩は、実質的に純粋である。式Iの化合物またはその塩と、薬学的に許容される担体と、場合により1つ以上の賦形剤とを含む医薬組成物に関して、用語「実質的に純粋」は、式Iの化合物またはその塩自体、すなわち、組成物中の活性成分の純度を指すと理解される。
【0022】
定義および略語
本明細書で使用される用語は、それらの通常の意味を有し、そのような用語の意味は、その各出現時に独立している。それにもかかわらず、特に明記しない限り、以下の定義が明細書および特許請求の範囲全体にわたって適用される。化学名、一般名および化学構造は、同じ構造を説明するために区別なく使用され得る。化学構造および化学名の両方を使用して化学化合物が言及され、構造と名称との間に曖昧さが存在する場合、構造が優位を占める。これらの定義は、特に明記しない限り、用語が単独で使用されるか、または他の用語と組み合わせて使用されるかにかかわらず適用される。
【0023】
「抗生物質」は、微生物の生存率を低下させるか、または微生物の増殖(growth)もしくは増殖(proliferation)を阻害する化合物または組成物を指す。「増殖(growth)または増殖(proliferation)を阻害する」という語句は、生成時間(すなわち、細菌細胞が分裂するのに必要な時間、または集団が2倍になるのに必要な時間)を少なくとも約2倍増加させることを意味する。好ましい抗生物質は、生成時間を少なくとも約10倍以上(例えば、総細胞死の場合のように、少なくとも約100倍、またはさらには無期限に)増加させることができるものである。本開示で使用される場合、抗生物質は、抗微生物剤、静菌剤または殺菌剤を含むことがさらに意図される。
【0024】
「約」は、物質もしくは組成物の量(例えば、kg、Lまたは同等物)、または物理的特性の値、またはプロセス工程を特徴付けるパラメータの値(例えば、プロセス工程が行われる温度)などを修飾する場合、例えば、物質または組成物の調製、特性評価および/または使用に関与する典型的な測定、取り扱いおよびサンプリング手順によって、これらの手順の不注意な誤りによって、組成物を作製もしくは使用するために、または手順を行うために使用される成分の製造、供給源または純度の差などによって起こり得る数値量の変動を指す。ある特定の実施形態では、「約」は、適切な単位の±0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0または5.0の変動を意味し得る。ある特定の実施形態では、「約」は、±1%、2%、3%、4%、5%、10%または20%の変動を意味し得る。
【0025】
「薬剤耐性」は、マイコバクテリウムに関連して、少なくとも1つの以前に有効であった薬物に対してもはや感受性ではなく、少なくとも1つの以前に有効であった薬物による抗生物質攻撃に耐える能力を発現したマイコバクテリウムを意味する。薬剤耐性株は、その耐性能をその子孫に伝え得る。上記耐性は、単一の薬物または異なる薬物に対する感受性を変化させる細菌細胞内のランダムな遺伝子変異に起因し得る。
【0026】
「結核」は、M.ツベルクローシス複合体を含むマイコバクテリア種によって引き起こされる感染症に通常関連する疾患状態を含む。用語「結核」は、M.ツベルクローシス(MOTT)以外のマイコバクテリアによって引き起こされるマイコバクテリア感染にも関連する。他のマイコバクテリア種には、M.アビウム-イントラセルラーレ、M.カンサリイ(M.kansarii)、M.フォーチュイタム(M.fortuitum)、M.ケロネー(M.chelonae)、M.レプレ、M.アフリカヌム(M.africanum)、およびM.ミクロティ(M.microti)、M.アビウムパラツベルクローシス(M.avium paratuberculosis)、M.イントラセルラーレ(M.intracellulare)、M.スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、M.ゼノピ(M.xenopi)、M.マリヌム(M.marinum)、およびM.ウルセランス(M.ulcerans)が含まれる。
【0027】
本発明の別の実施形態は、最初に定義された、または前述の実施形態、下位実施形態、態様、クラスもしくは下位クラスのいずれかで定義された式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩であり、化合物またはその塩は、実質的に純粋な形態である。本明細書で使用される場合、「実質的に純粋」は、式Iの化合物または式Iの塩を含有する生成物(例えば、該化合物または塩をもたらす反応混合物から単離された生成物)の好適には少なくとも約60重量%、典型的には少なくとも約70重量%、好ましくは少なくとも約80重量%、さらに好ましくは少なくとも約90重量%(例えば、約90重量%~約99重量%)、さらになお好ましくは少なくとも約95重量%(例えば、約95重量%~約99重量%、または約98重量%~100重量%)、最も好ましくは少なくとも約99重量%(例えば100重量%)が、該化合物または塩からなることを意味する。化合物および塩の純度レベルは、標準的な分析方法、例えば、薄層クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィーおよび/または質量分析を使用して決定することができる。複数の分析方法が使用され、それらの方法が決定された純度レベルに実験的に有意な差を提供する場合、最高の純度レベルを提供する方法が適用される。純度100%の化合物または塩とは、標準的な分析方法によって決定される場合、検出可能な不純物を含まないものである。1つ以上の不斉中心を有し、立体異性体の混合物として存在し得る本発明の化合物に関して、実質的に純粋な化合物は、立体異性体の実質的に純粋な混合物、または実質的に純粋な個々のジアステレオマーもしくはエナンチオマーのいずれかであり得る。
【0028】
式Iの化合物では、原子はそれらの天然の同位体存在度を示し得るか、または原子のうちの1つ以上が、同じ原子番号を有するが、主に自然界に見られる原子質量もしくは質量数とは異なる原子質量もしくは質量数を有する特定の同位体で人工的に濃縮されてもよい。本発明は、式Iの化合物のあらゆる好適な同位体変種を含むことを意味する。例えば、水素(H)の異なる同位体形態には、プロチウム(1H)および重水素(2HまたはD)が含まれる。プロチウムは、自然界で見られる主要な水素同位体である。重水素を濃縮することにより、特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増大、もしくは投与量要件の低減が得られ得るか、または生物学的試料の特性評価のための標準として有用な化合物が得られ得る。式I内の同位体濃縮化合物は、当業者に周知の従来の技術によって、または適切な同位体濃縮試薬および/もしくは中間体を使用して本明細書の実施例に記載されているものと同様のプロセスによって、過度の実験を用いることなく調製することができる。
【0029】
用語「化合物」は、遊離化合物、およびそれらが安定である限り、その任意の水和物または溶媒和物を指す。水和物とは、水と錯体形成した化合物であり、溶媒和物とは、有機溶媒と錯体形成した化合物である。
【0030】
上記のように、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で使用することができる。本明細書で使用される場合、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩、および遊離化合物もしくはその薬学的に許容される塩の前駆体として、または他の合成操作で使用される場合、薬学的に許容されない塩も含み得ることが理解される。
【0031】
用語「薬学的に許容される塩」は、親化合物の有効性を有し、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない(例えば、そのレシピエントにとって毒性でも他の点で有害でもない)塩を指す。用語「薬学的に許容される塩」は、無機塩基または有機塩基および無機酸または有機酸を含む薬学的に許容される非毒性塩基または非毒性酸から調製された塩を指す。用語「薬学的に許容される塩」に包含される塩基性化合物の塩は、一般に遊離塩基を好適な有機酸または無機酸と反応させることによって調製される、本発明の化合物の非毒性塩を指す。本発明の塩基性化合物の代表的な塩には、限定するものではないが、酢酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、吸引物、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジエチル酢酸、ジグルコン酸塩、二塩酸塩、ドデシルスルホン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、エタンスルホン酸塩、ギ酸、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イソニコチン酸、イソチオン酸塩(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、メタンスルホン酸塩、ムチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ナプシレート(napsylate)、ニコチン酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピメリン酸、フェニルプロピオン酸、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、トリフルオロ酢酸塩、ウンデカン酸塩(undeconate)、吉草酸塩などが含まれる。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、その好適な薬学的に許容される塩には、限定するものではないが、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン(manganic)、第一マンガン(mangamous)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む無機塩基に由来する塩が含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩が特に好ましい。薬学的に許容される有機非毒性塩基に由来する塩には、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミン、環状アミン、ジシクロヘキシルアミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が含まれる。また、低級ハロゲン化アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルクロリド、ブロミドおよびヨージド;硫酸ジアルキル、例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル;ならびに硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物、例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルクロリド、ブロミドおよびヨージド、アラルキルハロゲン化物、例えば、ベンジルおよびフェネチルブロミドなどのような作用物質によって四級化され得る塩基性窒素含有基も含まれる。
【0032】
これらの塩は、公知の方法によって、例えば、本発明の化合物と、当量、および所望の酸、塩基などを含有する溶液とを混合し、次いで、塩を濾過するか、または溶媒を留去することにより所望の塩を回収することによって得ることができる。本発明の化合物およびその塩は、水、エタノールまたはグリセロールなどの溶媒と溶媒和物を形成し得る。本発明の化合物は、側鎖の置換基の種類に応じて、酸付加塩、および塩基との塩を同時に形成し得る。
【0033】
上記のように、本発明は、本発明の式Iの化合物と、場合により1つ以上の他の活性成分と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を含む。担体の特徴は、投与経路に依存する。「薬学的に許容される」とは、医薬組成物の成分が互いに適合性でなければならず、(1または複数の)活性成分の有効性を妨げず、そのレシピエントに有害ではない(例えば、毒性ではない)ことを意味する。したがって、本発明による組成物は、阻害剤に加えて、希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定剤、可溶化剤、および当技術分野で周知の他の材料を含有し得る。
【0034】
また上記のように、本発明は、細菌感染を治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を治療有効量投与することを含む方法を含む。本明細書で使用される用語「対象」(あるいは「患者」)は、治療、観察または実験の対象であった動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。式Iの化合物に関して、用語「投与(administration)」およびその変形例(例えば、化合物を「投与する(administering)」)は、治療を必要とする個体に、化合物またはその薬学的に許容される塩を提供することを意味する。化合物またはその塩が1つ以上の他の活性薬剤と組み合わせて提供される場合、「投与(administration)」およびその変形例はそれぞれ、同時にまたは異なる時間に化合物またはその塩および他の薬剤を提供することを含むと理解される。組合せの薬剤を同時に投与する場合、それらを単一の組成物で一緒に投与することができるか、またはそれらを別個に投与することができる。活性薬剤の「組合せ」は、活性薬剤全部を含有する単一の組成物、または各々が活性薬剤のうちの1つ以上を含有する複数の組成物であり得ることが理解される。2つの活性薬剤の場合、組合せは、両薬剤を含む単一の組成物、または各々が薬剤のうちの1つを含む2つの別個の組成物のいずれかであり得る。3つの活性薬剤の場合、組合せは、3つ全部の薬剤を含む単一の組成物、各々が薬剤のうちの1つを含む3つの別個の組成物、または一方が薬剤のうちの2つを含み、他方が第3の薬剤を含む2つの組成物などのいずれかであり得る。
【0035】
本発明の組成物および組合せは、有効量で好適に投与される。式Iの化合物に関して本明細書で使用される用語「有効量」は、殺菌効果または静菌効果を引き起こすのに十分な活性化合物の量を意味する。一実施形態では、有効量は、細菌の薬物耐性を克服することができ、細菌の複製を阻害するおよび/または細菌の死滅をもたらすのに十分な活性化合物の量を意味する「治療有効量」である。活性化合物(すなわち、活性成分)が塩として投与される場合、活性成分の量への言及は、化合物の遊離酸または遊離塩基の形態に対するものである。
【0036】
本発明の組成物の投与は、好適には非経口、経口、舌下、経皮、局所、鼻腔内、気管内、眼内または直腸内であり、組成物は、例えば、Remington-The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2006の第39章、第41章、第42章、第44章および第45章に記載されている製剤を調製および投与するための方法を含む、当技術分野で周知の製剤化方法を使用して、選択された経路による投与のために好適に製剤化される。一実施形態では、本発明の化合物は、病院環境で静脈内投与される。別の実施形態では、投与は、錠剤またはカプセルなどの形態の経口である。本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩の投与量は、広い範囲内で変動し得、それぞれの特定の場合に、個々の条件に対して、および制御されるべき病原体に対して自然に調整されるべきである。一般に、細菌感染の治療に使用する場合、1日用量は、0.005mg/kg~100mg/kg、0.01mg/kg~10mg/kg、0.05mg/kg~5mg/kg、0.05mg/kg~1mg/kgであり得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物の1日用量は、0.005mg/kg~100mg/kg、0.01mg/kg~10mg/kg、0.05mg/kg~5mg/kg、0.05mg/kg~1mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物の1日用量は、1mg/kg~5mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物の1日用量は、2mg/kg~5mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物の1日用量は、約2.1~4.3mg/kgであり得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、経口、静脈内、筋肉内、経鼻または局所投与用の医薬製剤で提供される。したがって、いくつかの実施形態では、製剤は、限定するものではないが、錠剤、カプセル、液体(溶液または懸濁液)、坐剤、軟膏、クリームまたはエアロゾルなどの剤形で調製され得る。いくつかの実施形態では、本開示の主題は、凍結乾燥され、例えば、静脈内または筋肉内注射のような投与のための薬学的に許容される製剤を形成するように再構成され得るそのような化合物および/または製剤を提供する。
【0039】
本発明の化合物の静脈内投与は、許容される溶媒を用いて、化合物の粉末形態を再構成することによって行われ得る。好適な溶媒には、例えば、生理食塩水(例えば、0.9%塩化ナトリウム注射液)および滅菌水(例えば、滅菌注射用水、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを含む静菌注射用水、または0.9%ベンジルアルコールを含む静菌注射用水)が含まれる。化合物の粉末形態は、化合物のガンマ線照射によって、または化合物の溶液の凍結乾燥によって得ることができ、その後、粉末は、再構成されるまで室温以下で(例えば、密封バイアル内で)貯蔵され得る。再構成されたIV溶液中の化合物の濃度は、例えば、約0.1mg/mL~約20mg/mLの範囲であり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、1日1回(QD)投与のための医薬製剤で提供される。他の実施形態では、本発明の化合物は、1日1回(QD)またはそれ以下の投与のための医薬製剤で提供される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、1日1回(QD)の経口投与のための医薬製剤で提供される。他の実施形態では、本発明の化合物は、1日1回(QD)またはそれ以下の経口投与のための医薬製剤で提供される。
【0041】
本開示の主題の方法は、これらの病態を治療するために、病態の発症、増殖もしくは拡大を阻害するか、病態の退行を引き起こすか、病態を治癒させるか、または病態に罹患しているもしくは病態に罹患するリスクがある対象の全般的な健康を改善するという点で有用である。したがって、本開示の主題によれば、用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、およびそれらの文法的変形例、ならびに「治療する方法」という語句は、限定するものではないが、本明細書に開示される微生物に曝露されたか、または本明細書に開示される微生物に曝露されることが予測される対象などの対象の既存の感染を治療する方法、および感染を予防する(すなわち、防止する)方法を含む任意の所望の治療的介入を包含することを意味する。
【0042】
本発明の化合物によって治療可能であり得る感染は、真菌、藻類、原虫、細菌およびウイルスを含む様々な微生物によって引き起こされ得る。いくつかの実施形態では、感染は細菌感染である。本発明の方法によって治療され得る例示的な微生物感染には、限定するものではないが、黄色ブドウ球菌、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、連鎖球菌種(例えば、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae))、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、プロテウス種(例えば、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)およびプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris))、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、ストレノトロホモナス・マルトフィリア(Strenotrophomonas maltophillia)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)、結核菌群の他のマイコバクテリア、およびマイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)を含む非結核性マイコバクテリア(NTM)のうちの1つ以上によって引き起こされる感染が含まれる。
【0043】
ある特定の実施形態では、本発明の化合物によって治療可能であり得る感染は、様々な非結核性マイコバクテリアによって引き起こされ得る。このような非結核性マイコバクテリアには、最も臨床的に重要なNTM種であるマイコバクテリウム・アブセサス(Mycobacterium abscessus)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)コンプレックス(MAC)およびマイコバクテリウム・カンサシ(Mycobacterium kansasii)を含む150種超が含まれる。
【0044】
ある特定の実施形態では、感染は、グラム陽性菌の感染である。いくつかの実施形態では、感染は、マイコバクテリア感染、炭疽菌感染、エンテロコッカス・フェカリス感染および肺炎連鎖球菌感染から選択される。
【0045】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、(a)感染のリスクがある対象のマイコバクテリウム・ツベルクローシス感染;(b)マイコバクテリウム・ツベルクローシス感染の再発;および(c)それらの組合せのうちの1つの発生を予防または低減するために予防的に投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、既存のマイコバクテリウム・ツベルクローシス感染を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、マイコバクテリウム・ツベルクローシスの多剤耐性株(すなわち、2つ以上の以前から知られている抗結核薬、例えば、イソニアジド、エタンブトール、リファンピシン、カナマイシン、カプレオマイシン、リネゾリドおよびストレプトマイシンに耐性である株)の感染を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、25μg/mL以下というマイコバクテリウム・ツベルクローシスに対する最小発育阻止濃度(MIC)を有する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、マイコバクテリウム・ツベルクローシスの多剤耐性株の感染を治療するために投与される。
【0046】
したがって、本開示の主題の方法は、それらがTB感染の発症、増殖もしくは拡散を阻害するか、TB感染の退行を引き起こすか、TB感染を治癒させるか、または結核に罹患しているもしくは結核に罹患するリスクがある対象の全般的な健康を改善するという点で、結核を治療するのに有用であり得る。
【0047】
いくつかの技術、例えば、喀痰スミア、胸部X線、ツベルクリン皮膚反応(すなわち、マントー反応またはPPD反応)、および/または他の臨床症状(例えば、胸痛、咳血、発熱、寝汗、食欲不振、疲労など)の存在によって、M.ツベルクローシスまたは他の結核関連感染に罹患している対象を決定することができる。所望であれば、細菌のRNA、DNAまたはタンパク質を、TBに罹患していると考えられる対象から単離し、当技術分野で公知の方法によって分析し、細菌のRNA、DNAまたはタンパク質の公知の核酸またはアミノ酸配列と比較することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、25μg/mL以下というマイコバクテリウム・ツベルクローシスに対する最小発育阻止濃度(MIC)を有する。MICは、当技術分野で公知の方法、例えば、Hurdle et al.,2008,J.Antimicrob.Chemother.62:1037-1045に記載されている方法によって決定することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、対象に追加の治療化合物を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、1つ以上の追加の治療化合物の前、後、またはそれと同時に対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療化合物は抗生物質である。いくつかの実施形態では、追加の治療化合物は抗結核治療薬である。いくつかの実施形態では、追加の治療化合物は、イソニアジド、エタンブトール、リファンピシン、カナマイシン、カプレオマイシン、リネゾリドおよびストレプトマイシンを含む群から選択される。
【0050】
したがって、本発明は、さらなる態様では、1つ以上の追加の治療剤と一緒に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組合せを提供する。そのような1つ以上の追加の治療剤の例には、限定するものではないが、アミカシン、アミノサリチル酸、カプレオマイシン、サイクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、カナマイシン、ピラジナミド、リファマイシン(リファンピン、リファペンチンおよびリファブチンなど)、ストレプトマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、オキサゾリジノンおよびフルオロキノロン(オフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシンおよびガチフロキサシンなど)を含む抗結核剤がある。そのような化学療法は、好ましい薬物の組合せを使用して、治療医の判断によって決定される。薬剤耐性ではないマイコバクテリウム・ツベルクローシス感染を治療するために使用される「第一選択」化学療法剤には、イソニアジド、リファンピン、エタンブトール、ストレプトマイシンおよびピラジナミドが含まれる。1つ以上の「第一選択」薬物に対する薬物耐性を示したマイコバクテリウム・ツベルクローシス感染を治療するために使用される「第二選択」化学療法剤には、オフロキサシン、シプロフロキサシン、エチオナミド、アミノサリチル酸、サイクロセリン、アミカシン、カナマイシンおよびカプレオマイシンが含まれる。上記に加えて、限定するものではないが、TMC-207、OPC-67683、PA-824、LL-3858およびSQ-109を含む、式Iの化合物と組み合わせた1つ以上の追加の治療剤としても使用され得る、臨床試験から出現した多くの新しい抗結核治療剤がある。
【0051】
したがって、式Iの化合物と組み合わせられ得る他の抗生物質は、例えば、リファンピシン(=リファンピン);イソニアジド;ピラジナミド;アミカシン;エチオナミド;モキシフロキサシン;エタンブトール;ストレプトマイシン;パラアミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸、プレトマニド、ベダキリン、GSK 3036656、M72/AS01Eワクチン、ゲポチダシン、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸、TBA-7371 aデカプレニルホスホリル-β-D-リボース2’-オキシダーゼ(DprE1)阻害剤、Otsuka Pharmaceutical製のOPC-167832、Qurient Co.,Ltd製のTelacebec(Q203)、およびチオリダジン;キノロン/フルオロキノロン、例えば、オフロキサシン、シプロフロキサシン、スパルフロキサシンなど;マクロライド、例えば、クラリスロマイシン、クロファジミン、アモキシシリンとクラブラン酸など;リファマイシン;リファブチン;リファペンチンである。
【0052】
さらなる態様では、1つ以上の追加の治療剤は、例えば、哺乳動物の結核の治療に有用な薬剤、治療用ワクチン、抗細菌剤、抗ウイルス剤;HIV/AIDSを治療するための抗生物質および/または薬剤である。そのような治療剤の例には、イソニアジド(INH)、エタンブトール、リファンピン、ピラジナミド、ストレプトマイシン、カプレオマイシン、シプロフロキサシンおよびクロファジミンが挙げられる。
【0053】
一態様では、1つ以上の追加の治療剤は治療用ワクチンである。したがって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、マイコバクテリア感染に対するワクチン接種、特にマイコバクテリウム・ツベルクローシス感染に対するワクチン接種と併せて投与され得る。マイコバクテリア感染に対する既存のワクチンには、カルメット-ゲラン桿菌(Bacillus Calmette Guerin)(BCG)が含まれる。マイコバクテリア感染の治療、予防または改善のために現在開発中のワクチンには、追加の抗原と、サイトカインと、有効性または安全性を改善することを意図した他の薬剤とを組換え発現する改変BCG株;BCGよりもマイコバクテリウム・ツベルクローシスに類似した抗原のポートフォリオを発現する弱毒化マイコバクテリア;およびサブユニットワクチンが含まれる。サブユニットワクチンは、そのいずれかがアジュバント化されていてもよい1つ以上の個々のタンパク質抗原の形態で、もしくは複数のタンパク質抗原の1もしくは複数の融合物で投与されてもよいか、または1つ以上の個々のタンパク質抗原をコードするか、もしくは複数のタンパク質抗原の1もしくは複数の融合物をコードするポリヌクレオチドの形態で投与されてもよく、例えば、ポリヌクレオチドは、発現ベクターで投与される。サブユニットワクチンの例には、限定するものではないが、M72、抗原Mtb32aおよびMtb39に由来する融合タンパク質;HyVac-1、抗原85bおよびESAT-6に由来する融合タンパク質;HyVac-4、抗原85bおよびTb10.4に由来する融合タンパク質;MVA85a、抗原85aを発現する改変ワクシニアウイルスAnkara;ならびにAeras-402、抗原85a、抗原85bおよびTb10.4に由来する融合タンパク質を発現するアデノウイルス35が挙げられる。
【0054】
本明細書で使用される略語には、以下が含まれる:
ACN=アセトニトリル;CBZ-Cl=クロロギ酸ベンジル;CDCl3=重水素化クロロホルム;DCM=ジクロロメタン;DIAD=ジイソプロピルジアゾジカルボキシレート、DIEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン;DMF=N,N-ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;Et=エチル;EtOAc=酢酸エチル;EtOH=エタノール;GFP=緑色蛍光タンパク質;HATU=(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)、HET=複素環;H2=水素ガス、HPLC=高速液体クロマトグラフィー;LC-MS=液体クロマトグラフィー/質量分析;Me=メチル;MeOH=メタノール;MIC=最小発育阻止濃度;MW=分子量;MS=質量分析;Mtb=マイコバクテリウム・ツベルクローシス;Pd-C=パラジウム炭素;RT=室温;TB=結核;TEA=トリエチルアミン;TFA=トリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフラン;およびTBDMS=tert-ブチルジメチルシリル。
【0055】
式Iの化合物を作製する方法:
式Iの化合物は、容易に入手可能な出発材料、試薬および従来の合成手順を使用して、以下の反応スキームまたはその改変に従って調製することができる。これらの反応では、それ自体は当業者に知られているが、さらに詳細には言及されていない変形例を利用することも可能である。代替の合成経路、および類似の構造は、以下の反応スキームに照らして有機合成の当業者には明らかであろう。
【0056】
[実施例]
[実施例1]
メチル({(5S)-3-[4-(1,1-ジオキソ-1λ
6-チオモルホリン-4-イル)-3,5-ジフルオロフェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル}メチル)カルバメートの合成
【化4】
【0057】
工程A:4-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)チオモルホリンの合成
1,2,3-トリフルオロ-5-ニトロベンゼン(3.0g、16.9mmol)のDMF(30mL)の溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.81mL、50.8mmol)およびチオモルホリン(1.75g、16.9mmol)を加えた。反応混合物を80℃に加温し、2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水(20mL)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(3×30mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、次の工程で使用するのに十分な純度の表題化合物を得た。1H NMR(400 MHz,CD3Cl)δ 7.82-7.74(m,2 H),3.59-3.57(m,4 H),2.78-2.75(m,4 H).
【0058】
工程B:3,5-ジフルオロ-4-(チオモルホリン-4-イル)アニリンの合成
4-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)チオモルホリン(4.1g、15.8mmol)のエタノール(30mL)溶液に、鉄(2.64g、47.3mmol)、塩化アンモニウム(2.53g、47.3mmol)および水(10mL)を加えた。反応混合物を70℃に加温し、3時間撹拌した。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、次の工程で使用するのに十分な純度の表題化合物を得た。MS(ESI)m/z:230.8 [M+H+].
【0059】
工程C:ベンジル[3,5-ジフルオロ-4-(チオモルホリン-4-イル)フェニル]カルバメートの合成
3,5-ジフルオロ-4-(チオモルホリン-4-イル)アニリン(3.4g、14.8mmol)のアセトン(20mL)溶液に、重炭酸ナトリウム(2.48g、29.5mmol)の水(20mL)溶液を加え、反応混合物を0℃に冷却した。クロロギ酸ベンジル(3.02g、17.7mmol)を加え、反応混合物を周囲温度に加温し、3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、次の工程で使用するのに十分な純度の表題化合物を得た。MS(ESI)m/z:365.3 [M+H+].
【0060】
工程D:N-({(5S)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(チオモルホリン-4-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル}メチル)アセトアミドの合成
ベンジル[3,5-ジフルオロ-4-(チオモルホリン-4-イル)フェニル]カルバメート(8.0g、22mmol)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液に、メタノール(0.89mL、22mmol)およびリチウムtert-ブトキシド(5.27g、65.9mmol)を0℃で加え、反応混合物を1時間撹拌した。(2S)-1-アセトアミド-3-クロロプロパン-2-イルアセテート(8.50g、43.9mmol)を加え、反応混合物を周囲温度に加温し、16時間撹拌した。HCl水溶液(1M)を加えることによって反応混合物を約pH6に調整し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(3×30mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。酢酸エチル:石油エーテルの勾配(1:50から100:0)を用いて溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、表題化合物を得た。MS(ESI)m/z:371.9 [M+H+].
【0061】
工程E:N-({(5S)-3-[4-(1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリン-4-イル)-3,5-ジフルオロフェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル}メチル)アセトアミドの合成
N-({(5S)-3-[3,5-ジフルオロ-4-(チオモルホリン-4-イル)フェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル}メチル)アセトアミド(1.5g、4.04mmol)のメタノール(25mL)溶液に、オキソン(3.10g、5.05mmol)の水(15mL)溶液を0℃で加え、反応混合物を周囲温度に加温し、4時間撹拌した。飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(20mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(3×30mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、次の工程で使用するのに十分な純度の表題化合物を得た。MS(ESI)m/z:404.1 [M+H+].
【0062】
工程F:4-{4-[(5S)-5-(アミノメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}-1λ6-チオモルホリン-1,1-ジオンの合成
N-({(5S)-3-[4-(1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリン-4-イル)-3,5-ジフルオロフェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル}メチル)アセトアミド(1.6g、3.97mmol)のメタノール(12mL)溶液に、水(3mL)および濃HCl水溶液(12N、3mL)を加えた。反応混合物を70℃に加温し、1.5日間撹拌した。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮して、次の工程で使用するのに十分な純度の表題化合物を得た。MS(ESI)m/z:361.8 [M+H+].
【0063】
工程G:メチル({(5S)-3-[4-(1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリン-4-イル)-3,5-ジフルオロフェニル]-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル}メチル)カルバメートの合成
4-{4-[(5S)-5-(アミノメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]-2,6-ジフルオロフェニル}-1λ6-チオモルホリン-1,1-ジオン(150mg、0.377mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.196ml、1.13mmol)およびクロロギ酸メチル(0.032mL、0.415mmol)を0℃で加えた。反応混合物を周囲温度に加温し、1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水の勾配(15:85から45:55)を用いて溶出する分取HPLCによって残渣を精製して、表題化合物を得た。MS(ESI)m/z:419.9[M+H+].1H NMR(DMSO-d6,400 MHz):δ 7.52-7.50(m,1 H),7.34-7.27(m,2 H),4.74-4.71(m,1 H),4.11-4.07(m,1 H),3.75-3.71(m,1 H),3.54(s,3 H),3.48-3.40(m,4 H),3.35-3.34(m,2 H),3.23-3.22(m,4 H).
【0064】
生物学的アッセイ
マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mtb)増殖アッセイ
pH6.8で、2つのインビボ関連炭素源、グルコースおよびコレステロールを用いて、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mtb)増殖の阻害を評価した。炭素源としてのグルコースの場合、培地は、4g/Lのグルコースと、0.08g/LのNaClと、5g/LのBSA画分Vと、0.05%チロキサポールとを補充したMiddlebrook 7H9ブロスからなった。炭素源としてのコレステロールの場合、培地は、97mg/Lのコレステロールと、0.08g/LのNaClと、5g/LのBSA画分Vと、0.05%チロキサポールとを補充したMiddlebrook 7H9ブロスからなった。スクリーニング前にウシ血清アルブミンおよびチロキサポールを補充したMiddlebrook 7H9-ブロスベース中の関連炭素源を用いた増殖に、緑色蛍光タンパク質を発現するMtb(Mtb-GFP;H37Rv pMSP12::GFP)を予め適合させた。384ウェルマイクロタイタープレートに、約2×104個の活性に増殖する細菌細胞を24μL容量/ウェルで分注した。マイクロタイタープレートに、0.2μLの化合物、ジメチルスルホキシド(陰性対照)またはリファンピシン(25μM;陽性対照)を予め分注した。細胞を50μM~0.049μMの化合物の2倍段階希釈液に曝露した。いくつかの実験では、化合物をさらに低い濃度で試験した。分光光度計を使用して蛍光を測定することによって、7日間の増殖期間後に増殖阻害を評価した。陰性対照ウェルでは、細胞は読み出し時に依然として活性に増殖していた。細菌の増殖の95%を阻害するのに必要な試験化合物の最低濃度をMITC95と定義した。いずれの試験もBSL3施設で行った。
【0065】
ミトコンドリアタンパク質合成アッセイ
HepG2細胞を対象として、酸化的リン酸化酵素複合体の2つのサブユニット、複合体IVのサブユニットI(COX-I)および複合体IIの70kDaサブユニット(SDH-A)のレベルを比較することによって、ミトコンドリアタンパク質合成の阻害を評価した。COX-Iは、ミトコンドリアDNAによってコードされ、SDH-Aは、核DNAによってコードされる。HepG2細胞を96ウェルコラーゲンコーティングプレートに8,000細胞/ウェルで播種し、100μM~6.25μMの化合物の2倍段階希釈液に曝露した。マイクロタイタープレートを約5複製サイクル(4日間)にわたってインキュベートした後、製造業者によって記載されているようにキット(ab110217 MitoBiogenesis In Cell ELISA Kit、Abcam,Cambridge,MA)を使用して、タンパク質レベルを評価した。COX-1対SDH-Aレベルの比、およびCOX-1対総生細胞量の比(ヤーヌスグリーン(JG)染色によって決定)として、ミトコンドリアタンパク質合成の阻害を表した。
【0066】
【0067】
薬物動態実験
ラットIVおよびPO単回実験
経口投与試験およびIV投与試験から、ラットを対象に、クリアランス、分布容積、半減期および経口バイオアベイラビリティに関する血漿薬物動態パラメータを決定した。典型的には体重225~260グラムの雄ラット4匹を投与前に一晩絶食させた。使用した用量に応じて、ビヒクルに加えることによって、経口投与およびIV投与用に化合物を調製した。典型的な調製物では、20%ジメチルスルホキシド(DMSO)、60%ポリエチレングリコール400(PEG400)および20%水から構成されるビヒクルに、1mg/mL(IV)または1.5mg/mL(経口)の試験化合物を加えた。事前にカニューレ挿入した頸静脈を介してラット2匹に静脈内(IV)製剤を投与し、経口胃管栄養法を介してラット2匹に経口投与を施した。典型的には、IVでは投与前、投与後2、8、15、30分、1、2、4、6および8時間、ならびに経口投与では投与前、15、30分、1、2、4、6、8時間の時点で、事前にカニューレ挿入した動脈によって血液を採取した。試料をK2EDTAチューブに採取し、氷上で保存し、遠心分離した。血漿をマイクロタイタープレートに移し、分析まで-70℃で保存した。血漿試料をタンパク質沈殿を使用して抽出し、各化合物の標準曲線を使用して、液体クロマトグラフィー分離とそれに続く質量分析検出(LC-MS/MS)によって分析した。非コンパートメント法によって、IVおよび経口投与データについて血漿薬物動態パラメータを計算した。経口投与対IV投与後の用量正規化血漿の曲線下面積(AUC)の比として経口バイオアベイラビリティを決定した。
【0068】
ラットIVカセット実験
IVカセット投与試験から、ラットを対象に、クリアランス、分布容積、半減期および平均滞留時間(MRT)に関する血漿薬物動態パラメータを決定した。典型的には体重225~260グラムの雄ラット2匹を投与前に一晩絶食させた。
【0069】
使用した用量に応じて、ビヒクルに加えることによって、IV投与用に化合物を調製した。典型的な調製物では、20%ジメチルスルホキシド(DMSO)、60%ポリエチレングリコール400(PEG400)および20%水から構成されるビヒクルに、1mg/mL(IV)の最大5種の試験化合物を加えた。事前にカニューレ挿入した頸静脈を介して、ラット2匹にIV製剤を投与した。典型的には投与前、投与後2、8、15、30分、1、2、4、6および8時間の時点で、事前にカニューレ挿入した動脈によって血液を採取した。
【0070】
試料をK2EDTAチューブに採取し、氷上で保存し、遠心分離した。血漿をマイクロタイタープレートに移し、分析まで-70℃で保存した。血漿試料をタンパク質沈殿を使用して抽出し、各化合物の標準曲線を使用して、液体クロマトグラフィー分離とそれに続く質量分析検出(LC-MS/MS)によって分析した。非コンパートメント法によって血漿薬物動態パラメータを計算した。
【0071】
イヌIVおよびPO単回実験
経口投与試験およびIV投与試験から、イヌを対象に、クリアランス、分布容積、半減期、平均滞留時間(MRT)および経口バイオアベイラビリティに関する血漿薬物動態パラメータを決定した。典型的には体重8~12キログラムの雄イヌ4匹を投与前に一晩絶食させた。使用した用量に応じて、ビヒクルに加えることによって、経口投与およびIV投与用に化合物を調製した。典型的な調製物では、20%ジメチルスルホキシド(DMSO)、60%ポリエチレングリコール400(PEG400)および20%水から構成されるビヒクルに、1mg/mL(IV)または1.5mg/mL(経口)の試験化合物を加えた。伏在静脈または橈側皮静脈を介してイヌ2匹にIV製剤を投与し、経口胃管栄養法を介してイヌ2匹に経口投与を施した。典型的には、IVでは投与前、投与後2、8、15、30分、1、2、4、6、8および24時間、ならびに経口投与では投与前、15、30分、1、2、4、6、8および24時間の時点で、橈側皮静脈または頸静脈によって血液を採取した。試料をK2EDTAチューブに採取し、氷上で保存し、遠心分離した。血漿をマイクロタイタープレートに移し、分析まで-70℃で保存した。血漿試料をタンパク質沈殿を使用して抽出し、各化合物の標準曲線を使用して、液体クロマトグラフィー分離とそれに続く質量分析検出(LC-MS/MS)によって分析した。非コンパートメント法によって、IVおよび経口投与データについて血漿薬物動態パラメータを計算した。経口投与対IV投与後の用量正規化血漿の曲線下面積(AUC)の比として経口バイオアベイラビリティを決定した。
【0072】
イヌIVカセット実験
IVカセット投与試験から、イヌを対象に、クリアランス、分布容積、半減期および平均滞留時間(MRT)に関する血漿薬物動態パラメータを決定した。典型的には体重8~12キログラムの雄イヌ2匹を投与前に一晩絶食させた。
【0073】
使用した用量に応じて、ビヒクルに加えることによって、IV投与用に化合物を調製した。典型的な調製物では、20%ジメチルスルホキシド(DMSO)、60%ポリエチレングリコール400(PEG400)および20%水から構成されるビヒクルに、1mg/mL(IV)の最大5種の試験化合物を加えた。伏在静脈または橈側皮静脈を介して、イヌ2匹にIV製剤を投与した。典型的には、投与前、投与後2、8、15、30分、1、2、4、6、8および24時間の時点で、橈側皮静脈または頸静脈によって血液を採取した。試料をK2EDTAチューブに採取し、氷上で保存し、遠心分離した。血漿をマイクロタイタープレートに移し、分析まで-70℃で保存した。血漿試料をタンパク質沈殿を使用して抽出し、各化合物の標準曲線を使用して、液体クロマトグラフィー分離とそれに続く質量分析検出(LC-MS/MS)によって分析した。非コンパートメント法によって血漿薬物動態パラメータを計算した。
【0074】
血漿タンパク質結合実験
2.5μMの試験化合物の存在下、37℃で4時間にわたる適切な種の血漿の平衡透析によって、ラットおよびイヌ由来の血漿タンパク質への化合物の結合を決定した。血漿試料を沈殿させ、遠心分離によって分離した。各化合物の標準曲線を使用して、質量分析検出(LC-MS/MS)によって上清を分析した。以下に従って、未結合化合物の画分を計算した:
未結合画分(fu)=ピーク面積比緩衝液/ピーク面積比血漿
式中、
ピーク面積比緩衝液=緩衝液中の分析物/内部標準のピーク面積比
ピーク面積比血漿=血漿中の分析物/内部標準のピーク面積比
【0075】
【0076】
PCT公開番号国際公開第2017/070024号は、結核の治療のためのオキサゾリジノン抗生物質を開示している。本明細書に記載の化合物は、先に開示された類似体、それらを含む医薬組成物、および治療におけるそれらの使用と比較して非常に好ましい薬物動態特性を有する。PCT公開番号国際公開第2017/070024号に開示されたオキサゾリジノン抗生物質の薬物動態特性を以下の表に示す:
【0077】
【0078】
上記の表に示されるように、式Iの化合物は、妥当な用量でのQD投与の可能性とさらに良好に相関する薬物動態プロファイルを有する。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項3】
細菌感染を治療する方法
のための、請求項2に記載の医薬組成
物。
【請求項4】
前記細菌感染が、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによるものである、請求項
3に記載の
医薬組成物。
【請求項5】
経口、非経口または局所投与
用の、請求項
3に記載の
医薬組成物。
【請求項6】
前記M.ツベルクローシスが薬剤耐性マイコバクテリア株である、請求項
4に記載の
医薬組成物。
【請求項7】
前記方法が、M.ツベルクローシスを治療するための第2の治療剤を投与する工程
を含む、請求項
3に記載の
医薬組成物。
【請求項8】
前記第2の治療剤が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、サイクロセリン、テリジドン、パラアミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸、プレトマニド、ベダキリン、GSK 3036656、ゲポチダシン、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸、TBA-7371 aデカプレニルホスホリル-β-D-リボース2’-オキシダーゼ(DprE1)阻害剤、Otsuka Pharmaceutical製のOPC-167832、Qurient Co.,Ltd製のTelacebec(Q203)、およびチオリダジンからなる群から選択される、請求項
7に記載の
医薬組成物。
【請求項9】
対象の細菌感染を治療するための医薬品の製造における、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項10】
式Iの化合物
【化2】
【請求項11】
治療有効量の請求項
10に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項12】
細菌感染を治療する方法
のための、請求項
11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記細菌感染が、マイコバクテリウム・ツベルクローシスによるものである、請求項
12に記載の
医薬組成物。
【請求項14】
経口、非経口または局所投与
用の、請求項
12に記載の
医薬組成物。
【請求項15】
前記M.ツベルクローシスが薬剤耐性マイコバクテリア株である、請求項
13に記載の
医薬組成物。
【請求項16】
前記方法が、M.ツベルクローシスを治療するための第2の治療剤を投与する工程
を含む、請求項
12に記載の
医薬組成物。
【請求項17】
前記第2の治療剤が、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジド、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、オフロキサシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシン、エチオナミド、プロチオナミド、サイクロセリン、テリジドン、パラアミノサリチル酸、クロファジミン、クラリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸、プレトマニド、ベダキリン、GSK 3036656、ゲポチダシン、チアセタゾン、メロペネム-クラブラン酸、TBA-7371 aデカプレニルホスホリル-β-D-リボース2’-オキシダーゼ(DprE1)阻害剤、Otsuka Pharmaceutical製のOPC-167832、Qurient Co.,Ltd製のTelacebec(Q203)、およびチオリダジンからなる群から選択される、請求項
16に記載の
医薬組成物。
【請求項18】
対象の細菌感染を治療するための医薬品の製造における、請求項
10に記載の化合
物の使用。
【国際調査報告】