(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(54)【発明の名称】試薬カートリッジ内の流体工学をモニタするシステム及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20230217BHJP
G01N 35/08 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576525
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 US2020063784
(87)【国際公開番号】W WO2021138002
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】コックス-ムラナミ、ウェズリー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】マー、キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラトル、シリル
(72)【発明者】
【氏名】クリヴェッリ、ポール
(72)【発明者】
【氏名】シャー、カマル
(72)【発明者】
【氏名】ノートン、カークパトリック ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CE01
2G058GA06
2G058GB04
2G058GB05
(57)【要約】
試薬カートリッジ内の流体工学をモニタするシステム及び関連する方法。装置は、試薬カートリッジレセプタクルを含むシステムと、フローセルアセンブリと、を備える。装置は、試薬カートリッジレセプタクル内に受容可能であり、フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジを含む。試薬カートリッジは、フローセルアセンブリに流体的に連結された試薬リザーバを含む。装置は、試薬リザーバに隣接して位置付けられるように適合されたセンサモジュールを含む。センサモジュールは、試薬リザーバ内に含有される試薬の体積と関連付けられた信号を生成するように適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
試薬カートリッジレセプタクルを含むシステムと、
フローセルアセンブリと、
前記試薬カートリッジレセプタクル内に受容可能であり、前記フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジであって、前記試薬カートリッジは、前記フローセルアセンブリに流体的に連結されるように適合された試薬リザーバを含む、試薬カートリッジと、
前記試薬リザーバに隣接して位置付けられるように適合されたセンサモジュールであって、前記センサモジュールは、前記試薬リザーバ内に含有される試薬の体積と関連付けられた信号を生成するように適合されている、センサモジュールと、を備える、装置。
【請求項2】
前記システムは、前記センサモジュールからの前記信号にアクセスするように適合されたコントローラを含み、前記コントローラは、経時的な前記試薬リザーバ内の前記体積に基づいて、前記試薬リザーバからの流量を判定するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記判定された試薬流量値を参照流量値と比較するように適合され、前記判定された試薬流量値が前記参照流量値の閾値範囲外である場合、前記コントローラは、前記システムの動作パラメータを変更するように適合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記動作パラメータは、前記試薬が前記試薬リザーバから流されている時間量を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記動作パラメータは、前記試薬リザーバに加えられる圧力を含む、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記試薬リザーバに圧力を加えるように適合された圧力源を更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記圧力源と前記試薬リザーバとの間に連結されたレギュレータを更に備え、前記コントローラは、前記レギュレータに、前記試薬リザーバに加えられる前記圧力を変更させるように適合されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記システムは、前記センサモジュールを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記センサモジュールに通信可能に連結されるように適合されたセンサ電極を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記センサ電極は、前記センサモジュールに無線で連結されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記センサモジュールと前記センサ電極を連結するように適合されたコネクタを更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記コネクタは、雄部分及び雌部分を含み、前記雄部分又は前記雌部分のうちの一方は、試薬カートリッジによって担持され、前記雄部分又は前記雌部分のうちの他方は、前記システムによって担持されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記センサ電極は、前記試薬リザーバが間に位置付けられる一対のプレートを含む、請求項9、11、及び12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記センサ電極は、環状電極であり、前記試薬リザーバを取り囲んでいる、請求項9、11、及び12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記センサ電極は、前記試薬カートリッジによって担持されている、請求項9及び11~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記センサモジュールは、前記センサモジュールを前記センサ電極と接続する接触界面を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
接点は板ばね接点を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記試薬リザーバに圧力を加えるように適合された圧力源を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記圧力源と前記試薬リザーバとの間に連結されたレギュレータを更に備え、前記コントローラは、前記レギュレータに、前記試薬リザーバに加えられる前記圧力を変更させるように適合されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記システムは、前記センサモジュールを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記センサモジュールに通信可能に連結されるように適合されたセンサ電極を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記センサ電極は、前記試薬リザーバが間に位置付けられる一対のプレートを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記センサ電極は、環状電極であり、前記試薬リザーバを取り囲んでいる、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記センサ電極は、前記試薬カートリッジによって担持されている、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記センサモジュールは、前記センサモジュールを前記センサ電極と接続する接触界面を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
装置であって、
フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジであって、前記試薬カートリッジは、
前記フローセルアセンブリに流体的に連結されるように適合された試薬リザーバと、
前記試薬リザーバ内の試薬の体積、試薬の存在、又は試薬流量値のうちの少なくとも1つと関連付けられた信号の生成と関連付けられたセンサ電極と、を含む、試薬カートリッジを備える、装置。
【請求項27】
前記試薬カートリッジは、流体ラインを含み、前記センサ電極は、前記試薬流体ラインに隣接して位置付けられている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記フローセルアセンブリを更に備え、前記試薬リザーバは、前記フローセルアセンブリに流体的に連結されている、請求項26又は27に記載の装置。
【請求項29】
前記センサ電極は、前記試薬カートリッジに連結された導電性テープを含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記センサ電極は、前記試薬カートリッジの前記試薬リザーバの一部分を含む、請求項26~29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記センサ電極は、導電性流体で充填されたウェルを含み、前記試薬リザーバに隣接している、請求項26~30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記試薬リザーバはテーパ部分を含む、請求項26~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記試薬リザーバは細長い部分を含む、請求項26~32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記センサ電極は、前記試薬リザーバに隣接している、請求項26~33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記試薬リザーバはテーパ部分を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項36】
方法であって、
試薬リザーバからフローセルアセンブリへ試薬を流すことと、
前記試薬リザーバ内に含有される試薬と関連付けられた信号を生成することと、
前記信号に基づいて、前記試薬リザーバ内の前記試薬の体積を判定すること、を含む、方法。
【請求項37】
経時的な前記試薬の前記体積に基づいて、試薬流量値を判定することを更に含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記試薬リザーバを加圧することを更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記判定された試薬流量値を参照流量値と比較することと、前記判定された試薬流量値が前記参照流量値の閾値範囲外である場合、後続の試薬流量値が前記参照流量値の前記閾値範囲内に収まることを可能にするように、前記試薬リザーバに加わる圧力を変更することと、を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記信号は、前記試薬リザーバ内に含有される前記試薬の高さと関連付けられている、請求項36~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記信号は、電極のアレイの電極と関連付けられ、前記電極のアレイのそれぞれの電極は、前記試薬リザーバに隣接して位置付けられ、前記試薬リザーバ内の試薬の異なる体積と関連付けられている、請求項36~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
装置であって、
リザーバと、
前記リザーバと関連付けられた信号の生成と関連付けられたセンサ電極と、を備える、装置。
【請求項43】
前記信号は、前記リザーバ内の液体の体積、液体の存在、又は流量値のうちの少なくとも1つと関連付けられている、請求項42に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年12月30日に出願された米国特許仮出願第62/955,160号の優先権を主張するものであり、その内容は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
シークエンシングプラットホームは、バルブ及びポンプを含み得る。バルブ及びポンプは、様々な流体動作を実行するために使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
第1の実装形態によれば、装置は、試薬カートリッジレセプタクルを備える又は含むシステムを備える又は含む。装置は、フローセルアセンブリを含む。装置は、試薬カートリッジレセプタクル内に受容可能であり、フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジを備える又は含む。試薬カートリッジは、フローセルアセンブリに流体的に連結されるように適合された試薬リザーバを備える又は含む。装置は、試薬リザーバに隣接して位置付けられるように適合されたセンサモジュールを備える又は含む。センサモジュールは、試薬リザーバ内に含有される試薬の体積と関連付けられた信号を生成するように適合されている。
【0004】
第2の実装形態によれば、装置は、フローセルアセンブリを備える又は含む。装置は、フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジを備える又は含む。試薬カートリッジは、フローセルアセンブリに流体的に連結されるように適合された試薬リザーバを備える又は含む。試薬カートリッジは、試薬リザーバ内の試薬の体積、試薬の存在、又は試薬流量値のうちの少なくとも1つと関連付けられた信号の生成と関連付けられたセンサ電極を備える又は含む。
【0005】
第3の実装形態によれば、装置は、フローセルアセンブリ及びフローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジを備える又は含む。フローセルアセンブリに流体的に連結されるように適合された試薬リザーバを備える又は含む試薬カートリッジ。装置は、試薬リザーバ内の試薬の体積、試薬の存在、又は試薬流量値のうちの少なくとも1つと関連付けられた信号の生成と関連付けられたセンサ電極を備える又は含む。
【0006】
第4の実装形態によれば、方法は、試薬リザーバからフローセルアセンブリへ試薬を流すことと、試薬リザーバ内に含有される試薬と関連付けられた信号を生成することと、を備える又は含む。方法は、信号に基づいて、試薬リザーバ内の試薬の体積を判定することを備える又は含む。
【0007】
第5の実装形態によれば、装置は、試薬カートリッジレセプタクルを備える又は含むシステムと、センサモジュールと、センサモジュールに動作可能に連結されたコントローラと、を備える又は含む。装置は、フローセルアセンブリを備える又は含む。装置は、試薬カートリッジレセプタクル内に受容可能であり、フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジを備える又は含む。試薬カートリッジは、試薬を含有する試薬リザーバと、試薬リザーバ及びフローセルアセンブリに連結された流体ラインと、を備える又は含む。装置は、試薬リザーバに圧力を加えるように適合された圧力源を備える又は含む。センサモジュールは、試薬流量値と関連付けられた信号を生成するように適合され、コントローラは、判定された試薬流量値を参照流量値と比較するように適合されている。判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、コントローラは、試薬リザーバのうちの1つ以上に加えられた圧力を変化させることによって、後続の試薬流量値を参照流量値の閾値内に収めることを可能にし得る。
【0008】
第6の実装形態によれば、装置は、フローセルアセンブリと、システムの試薬カートリッジレセプタクル内に受容可能であり、フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジと、を備える又は含む。試薬カートリッジは、複数の試薬リザーバと、共通流体ラインと、複数の試薬流体ラインと、を備える又は含む。それぞれの試薬流体ラインは、対応する試薬リザーバに連結されている。試薬カートリッジは、システムのセンサモジュールの別の部分と界面接続するように適合され、試薬流量値と関連付けられた信号の生成と関連付けられたセンサモジュールの一部分を備える又は含む。
【0009】
第7の実装形態によれば、方法は、試薬を含有する試薬リザーバに加圧することと、試薬流体ラインを通って共通流体ラインに試薬を流すことと、試薬流量値を判定することと、判定された試薬流量値を参照流量値と比較することと、判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、後続の試薬流量値が参照流量値の閾値範囲内に収まることが可能になるように、試薬リザーバに加えられる圧力を変更することと、を備える又は含む。
【0010】
第8の実装形態によれば、装置は、フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジを備える又は含む。フローセルアセンブリに流体的に連結されるように適合された試薬リザーバを備える又は含む試薬カートリッジ。装置は、試薬リザーバ内の試薬の体積、試薬の存在、又は試薬流量値のうちの少なくとも1つと関連付けられた信号の生成と関連付けられたセンサ電極を備える又は含む。
【0011】
更に前述の第1、第2、第3、第4、第5、第6、及び/又は第7の実装形態によれば、装置及び/又は方法は、以下のいずれか1つ以上を更に含み得る又は備え得る。
実装形態では、システムは、センサモジュールからの信号にアクセスするように適合されたコントローラを備える又は含む。コントローラは、経時的な試薬リザーバ内の体積に基づいて、試薬リザーバからの流量を判定するように適合されている。
【0012】
別の実装形態では、コントローラは、判定された試薬流量値を参照流量値と比較するように適合されている。判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、コントローラは、システムの動作パラメータを変更するように適合されている。
【0013】
別の実装形態では、動作パラメータは、試薬が試薬リザーバから流されている時間量を備える又は含む。
別の実装形態では、動作パラメータは、試薬リザーバに適用された圧力を備える又は含む。
【0014】
別の実装形態では、試薬リザーバに圧力を加えるように適合された圧力源を更に備える又は含む。
別の実装形態では、圧力源と試薬リザーバとの間に連結されたレギュレータを更に備える又は含む。コントローラは、レギュレータに、試薬リザーバに加えられる圧力を変更させるように適合されている。
【0015】
別の実装形態では、システムは、センサモジュールを備える又は含む。
別の実装形態では、センサモジュールに通信可能に連結されるように適合されたセンサ電極を更に備える又は含む。
【0016】
別の実装形態では、センサ電極は、センサモジュールに無線で連結されている。
別の実装形態では、センサモジュール及びセンサ電極を連結するように適合されたコネクタを更に備える又は含む。
【0017】
別の実装形態では、コネクタは、雄部分及び雌部分を備える又は含む。雄部分及び雌部分のうちの一方は、試薬カートリッジによって担持される。雄部分及び雌部分のうちの他方は、システムによって担持される。
【0018】
別の実装形態では、センサ電極は、試薬リザーバが間に位置付けられる一対のプレートを備える又は含む。
別の実装形態では、センサ電極は、試薬リザーバが間に位置付けられるように適合される一対のプレートを備える又は含む。
【0019】
別の実装形態では、センサ電極は、環状電極であり、試薬リザーバを取り囲む。
別の実装形態では、センサ電極は、環状電極であり、試薬リザーバを取り囲むように適合されている。
【0020】
別の実装形態では、センサ電極は、試薬カートリッジによって担持される。
別の実装形態では、センサモジュールは、センサモジュールをセンサ電極と接続する接点を備える又は含む。
【0021】
別の実装形態では、センサモジュールは、センサ電極と界面接続するように適合された接点を備える又は含む。
別の実装形態では、接点は、板ばね接点を備える又は含む。
【0022】
別の実装形態では、試薬カートリッジは、流体ラインを備えるか又は含み、センサ電極は、流体ラインに隣接して位置付けられている。
別の実装形態では、フローセルアセンブリを更に備え、リザーバは、フローセルアセンブリに流体的に連結されている。
【0023】
別の実装形態では、センサ電極は、試薬カートリッジに連結された導電性テープを備える又は含む。
別の実装形態では、センサ電極は、試薬リザーバ又は試薬カートリッジの一部分を備える又は含む。
【0024】
別の実装形態では、センサ電極は、導電性流体で充填され、試薬リザーバに隣接するウェルを備える又は含む。
別の実装形態では、試薬リザーバは、テーパ部分を備える又は含む。
【0025】
別の実装形態では、試薬リザーバは、細長い部分を備える又は含む。
別の実装形態では、センサモジュールは、容量センサを備える又は含む。
別の実装形態では、経時的な試薬の体積に基づいて試薬流量値を判定することを更に備える又は含む。
【0026】
別の実装形態では、試薬リザーバを加圧することを更に備える又は含む。
別の実装形態では、判定された試薬流量値を参照流量値と比較することと、判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、後続の試薬流量値が参照流量値の閾値範囲内に収まることを可能にするように、試薬リザーバに加えられる圧力を変更することと、を更に備える又は含む。
【0027】
別の実装形態では、信号は、試薬リザーバ内に含有される試薬の高さと関連付けられている。
別の実装形態では、信号は、電極のアレイの電極と関連付けられ、電極のアレイのそれぞれの電極は、試薬リザーバに隣接して位置付けられ、試薬リザーバ内の試薬の様々な体積と関連付けられている。
【0028】
以下でより詳細に説明される、前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせは(かかる概念が相互に矛盾しないという前提で)、本明細書に開示される主題の一部であると考えられ、かつ/又は特定の態様の特定の利益を達成するように組み合わせることができることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】本開示の第1の例によるシステムの実装形態の概略図である。
【
図1C】
図1Aのシステムのフローセルアセンブリ及び試薬カートリッジの別の実装形態の図である。
【
図2】一対のプレートを含む、
図1のセンサモジュール及びセンサ電極の実装形態の概略図である。
【
図3】環状電極を含む、
図1のセンサモジュール及びセンサ電極の別の実装形態の概略図である。
【
図4】導体及び接点を含む、
図1のセンサモジュール及びセンサ電極の別の実装形態の概略図である。
【
図5】一対の導体及び一対の接点を含む、
図1のセンサモジュール及びセンサ電極の別の実装形態の概略図である。
【
図6】試薬リザーバがテーパ部分を含む、
図1の試薬リザーバ、センサモジュール、及びセンサ電極の概略図である。
【
図7】試薬リザーバが細長い部分を含む、
図1の試薬リザーバ、センサモジュール、及びセンサ電極の別の実装形態の概略図である。
【
図8】平坦部分を有する
図1の試薬リザーバの実装形態を示す図である。
【
図9】
図1の試薬リザーバの別の実装形態を示す図である。
【
図10】
図1の共通流体ラインの実装形態から離間した一対のセンサ電極、及び共通流体ラインの実装形態に隣接して位置付けられた一対のセンサ電極を示す図である。
【
図11】
図10の共通流体ラインに隣接して位置付けられたセンサ電極のアレイを示す図である。
【
図12】
図10の共通流体ラインに隣接して位置付けられたセンサ電極の別のアレイを示す図である。
【
図13】
図10の共通流体ラインに隣接するセンサ電極の別の配置を示す図である。
【
図14】
図1の試薬リザーバの実装形態に隣接するセンサ電極の配置を示す図である。
【
図15】
図14の試薬リザーバに隣接する参照センサ電極を含むセンサ電極のアレイを示す図である。
【
図16】
図14の試薬リザーバ136に隣接するセンサ電極の配置を示す図である。
【
図17】
図1A~
図1C又は本明細書に開示された他の実装形態のいずれかの試薬リザーバ内の試薬の体積を判定する方法のためのフローチャートを示す図である。
【
図18】
図1A~
図1C又は本明細書に開示された他の実装形態のいずれかの試薬リザーバ内の試薬の体積を判定する方法のための別のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下のテキストは、方法、装置、及び/又は製品の実装形態の詳細な説明を開示しているが、所有権の法的範囲は、本特許の最後に記載された特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。したがって、以下の「発明を実施するための形態」は、例としてのみ解釈されるべきであり、可能な全ての実装形態を説明することは、不可能ではないにしても、非現実的であろうことから、可能な全ての実装形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の出願日の後に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替的な実装形態が実装され得る。そのような代替的な実装形態は、依然として特許請求の範囲内に含まれるであろうことが想定される。
【0031】
本開示は、試薬リザーバ内の試薬流量及び/又は試薬の体積を判定するために使用されるセンサモジュールに関する。一実装形態では、システム(シーケンシングシステムなど)は、センサモジュールと、センサモジュールに動作可能に連結されたコントローラと、を備える。システムは、試薬カートリッジを受容するように適合されている。
【0032】
試薬カートリッジは、フローセルアセンブリを担持するように適合され、試薬、共通流体ライン、及び複数の試薬流体ラインを含有する複数の試薬リザーバを含む。各試薬流体ラインは、対応する試薬リザーバに連結されるように適合されている。センサモジュールは、試薬リザーバに隣接して位置付けられるように適合され得る。
【0033】
動作中、センサモジュールは、試薬リザーバ内に含有される試薬の体積と関連付けられた信号を生成するように適合されている。いくつかの実装形態では、コントローラは、経時的な試薬リザーバ内の体積に基づいて、試薬リザーバからの流量を判定するように適合されている。
【0034】
いくつかのそのような例では、コントローラは、判定された試薬流量値を参照流量値と比較するように適合されている。参照流量値は、メモリに記憶され得る。閾値範囲は、メモリに記憶され得る。判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、コントローラは、システムの動作パラメータを変更するように適合されている。動作パラメータを変更することは、閾値量の試薬がポンプ輸送されることが可能になるように、試薬が試薬リザーバから流される時間量を変更することに関連し得る。試薬リザーバが加圧される実装形態では、動作パラメータを変更することは、後続の試薬流量値が参照流量値の閾値範囲内に収まることが可能になるように、試薬リザーバに加えられる圧力を変更することと関連し得る。
【0035】
図1Aは、本開示の第1の例によるシステム100の実装形態の概略図を示している。システム100を使用して、1つ以上の対象とする試料に対して分析を実行することができる。試料は、一本鎖DNA(single stranded DNA、sstDNA)を形成するように線形化された1つ以上のDNAクラスターを含み得る。図示される実装形態では、システム100は、試薬カートリッジ104を受容するように適合されている試薬カートリッジレセプタクル102を含む。試薬カートリッジ104は、フローセルアセンブリ106を担持する。
【0036】
図示される実装形態では、システム100は、一部分において、センサモジュール108と、センサモジュール108に動作可能に連結されたコントローラ110と、を含む。センサモジュール108は、集積回路(integrated circuit、IC)111を含み得る。試薬カートリッジ104がシステム100によって担持される場合、センサモジュール108は、試薬カートリッジ104の上部に、試薬カートリッジ104の側面に、かつ/又は試薬カートリッジ104の底部に位置付けられてもよい。センサモジュール108は、例えば、容量センサ及び/又は非接触容量レベルセンサなどのタッチレスセンサを含んでもよい。しかしながら、他の種類のセンサも好適であることが立証され得る。例えば、センサモジュール108は、光学センサ又は流量センサを含んでもよい。
【0037】
センサモジュール108は、試薬カートリッジ104内の流体と関連付けられた信号を生成するように適合され得る。信号は、試薬カートリッジ104内の試薬の体積と関連付けられ得る。試薬の流量は、経時的な試薬の体積と関連付けられ得る。試薬の流量に影響を与え得るいくつかの要因としては、インピーダンス(例えば、流体ラインのインピーダンス)、湿度、フローセルアセンブリ106、製造公差、周囲温度、クリープ、吸水、圧力(例えば、周囲圧力)、及び/又は位置合わせが挙げられる。例えば、異なる試薬カートリッジ104は、カートリッジ別のインピーダンスの多様性(cartridge-to-cartridge impedance variability)と呼ばれることもある異なるインピーダンスを有し得る。他の要因もまた、試薬の流量に影響を及ぼし得る。
【0038】
信号はまた、システム100、試薬カートリッジ104、及び/又はフローセルアセンブリ106内の気泡と関連付けられ得る。例えば、信号は、試薬カートリッジ104内に存在する/存在しない気泡と関連付けられ得る。信号は、例えば、試薬カートリッジ104内に存在する/存在しない試薬と関連付けられ得る。
【0039】
いくつかの実装形態では、センサモジュール108によって生成された信号を使用して、湿度の変化を判定し、液体の存在を検出し、かつ/又はフラッシング動作中にフローセルアセンブリ106を空気(例えば、空気洗浄)でフラッシングする有効性を判定することができる。閾値を超えて湿度が検出された場合、湿度は、漏れと関連付けられ得る。通常乾燥している領域内の液体の存在を検出することは、漏れと関連付けられ得る。いくつかの実装形態では、センサモジュール108によって生成された信号を使用して、流体ラインのうちの1つ以上に残っている試薬の量、試薬の計量を判定して、試薬が予想どおりに流れているかどうかを判定し、試薬が試薬リザーバ136の上部に残っているかどうかを判定し、かつ/又は試薬の混合及び/若しくは再水和をモニタすることができる。他の用途も好適であることが立証され得る。
【0040】
いくつかの実装形態では、より高い信号対雑音比は、判定されたパラメータ(例えば、体積)の精度に影響を及ぼし得る。いくつかの実装形態では、信号の信号対雑音比は、いくつかの方法で低減され得る。信号対雑音比を低減するためのいくつかのアプローチとして、センサ電極のアレイを含む試薬リザーバの高さを増加(例えば、
図15を参照)させること、並びに/又はセンサ電極の間隔及び/若しくは関連する電圧を減少させることが挙げられ得る。他のアプローチとして、キャパシタンス乗算器(トランジスタ又はオペアンプベースであるADC以前のキャパシタンス乗算器)を使用すること、正弦波電圧でセンサ電極を駆動すること、及び/又はロックイン増幅器を使用することが挙げられ得る。他のアプローチも好適であることが立証され得る。
【0041】
図示される実装形態では、システム100はまた、圧力源112を含む。いくつかの実装形態では、圧力源112は、試薬カートリッジ104を加圧するために使用され得る。試薬を加圧することを使用して、システム100、試薬カートリッジ104、及び/又はフローセルアセンブリ106を通って正圧下で試薬を流すことができる。圧力源112は、代替的に、試薬カートリッジ104によって担持されてもよく、又はシステム100の外部にあってもよい。
【0042】
いくつかの要因が、加えられた圧力及び/又は結果として生じる試薬流量値の変動を引き起こす場合がある。流量及び/又は圧力に影響を与える要因のいくつかは、フローセルの高さ、製造公差、レーンの切断、周囲圧力、及び/又は温度を含む。他の要因が、加えられた圧力及び/又は結果として生じる試薬流量値に影響を及ぼす場合がある。
【0043】
システムはまた、レギュレータ113と、撮像システム114と、駆動アセンブリ115と、廃棄物リザーバ116と、を含む。代替的に、レギュレータ113は含まれなくてもよい。駆動アセンブリ115は、ポンプ駆動アセンブリ118と、バルブ駆動アセンブリ120と、圧力駆動アセンブリ122と、を含む。コントローラ110は、駆動アセンブリ115及び撮像システム114に電気的にかつ/又は通信可能に連結され、また、駆動アセンブリ115及び/又は撮像システム114に、本明細書に開示されるような様々な機能を実行させるように適合されている。廃棄物リザーバ116は、システム100の廃棄物リザーバレセプタクル124内に選択的に収容可能であり得る。
【0044】
試薬カートリッジ104は、1つ以上の対象とする試料を担持する。駆動アセンブリ115は、試薬カートリッジ104と界面接続して、試薬カートリッジ104及び/又はフローセルアセンブリ106を介して試料と相互作用する1種以上の試薬(例えば、A、T、G、Cヌクレオチド)を流す。
【0045】
実装形態では、可逆的ターミネータが試薬に取り付けられて、サイクルごとにsstDNAによって単一のヌクレオチドが組み込まれることを可能にする。いくつかのそのような実装形態では、ヌクレオチドのうちの1つ以上は、励起されると色を発する固有の蛍光標識を有する。色(又はその欠如)を使用して、対応するヌクレオチドを検出する。図示される実装形態では、撮像システム114は、識別可能な標識(例えば、蛍光標識)のうちの1つ以上を励起し、その後、識別可能な標識の画像データを取得するように適合されている。標識は、入射光及び/又はレーザによって励起され得、画像データは、励起に応答してそれぞれの標識によって放たれる1つ以上の色を含み得る。画像データ(例えば、検出データ)は、システム100によって分析され得る。撮像システム114は、対物レンズ及び/又は固体撮像装置を含む蛍光分光光度計であり得る。固体撮像装置は、電荷結合素子(charge coupled device、CCD)及び/又は相補的金属酸化物半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)を含み得る。
【0046】
画像データが取得された後、駆動アセンブリ115は、試薬カートリッジ104に界面接続して、試薬カートリッジ104を通って別の反応成分(例えば、試薬)を流し、その後、それは廃棄物リザーバ116によって受け取られ、かつ/又は他の方法で試薬カートリッジ104によって排出される。反応成分は、蛍光標識及び可逆的ターミネータをsstDNAから化学的に切断するフラッシング動作を行う。フラッシング動作はまた、空気を使用して行われてもよい。次いで、sstDNAは、別のサイクルのために準備ができている。
【0047】
フローセルアセンブリ106は、ハウジング126と、フローセル128と、を含む。フローセル128は、少なくとも1つのチャネル130、フローセル入口132、及びフローセル出口134を含む。チャネル130は、U字型であってもよいし、直線状でフローセル128を横切って延びていてもよい。チャネル130の他の構成も好適であることが立証され得る。チャネル130のそれぞれは、専用のフローセル入口132及び専用のフローセル出口134を有し得る。単一のフローセル入口132は、代替的に、例えば入口マニホールドを介して、2つ以上のチャネル130に流体的に連結され得る。単一のフローセル出口134は、代替的に、例えば出口マニホールドを介して2つ以上のチャネルに連結され得る。
【0048】
図示される実装形態では、試薬カートリッジ104は、複数の試薬リザーバ136と、共通流体ライン138と、複数の試薬流体ライン140と、を含む。あるいは、1つの試薬リザーバ136及び1つの試薬流体ライン140が含まれてもよい。試薬リザーバ136は、流体(例えば、試薬及び/又は別の反応成分)を含み得る。圧力源112は、試薬リザーバ136に圧力を加え得る。したがって、圧力源112からの正圧を使用して、システム100、試薬カートリッジ104、及び/又はフローセルアセンブリ106を通って試薬を付勢することができる。
【0049】
各試薬流体ライン140は、対応する試薬リザーバ136に連結され得る。試薬カートリッジ104はまた、フローセルレセプタクル142と、マニホールドアセンブリ144と、を含む。他の実装形態では、マニホールドアセンブリ144は、フローセルアセンブリ106の一部及び/又はシステム100の一部である。
【0050】
動作中、センサモジュール108は、試薬リザーバ136内に含有される試薬の体積と関連付けられた信号を生成し得る。コントローラ110は、センサモジュール108からの信号にアクセスし、経時的な試薬リザーバ136内の体積に基づいて、試薬リザーバ136からの流量値を判定するように適合され得る。
【0051】
コントローラ110は、判定された試薬流量値を参照流量値と比較し得る。いくつかの実装形態では、判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、コントローラ110は、システム100の動作パラメータを変更してもよい。動作パラメータは、試薬が試薬リザーバ136から流されている時間量を含み得る。例えば、判定された試薬流量値が参照流量値未満である場合、コントローラ110は、閾値量の試薬がポンプ輸送されることを可能にするように、試薬が試薬リザーバ136から流される時間量を増加させる。あるいは、判定された試薬流量値が参照流量値より大きい場合、コントローラ110は、閾値量の試薬がポンプ輸送されることを可能にするように、試薬が試薬リザーバ136から流される時間量を減少させる。実装形態では、閾値範囲は、およそ約100マイクロリットル(μL)~およそ約6000μLである。他の流量も好適であることが立証され得る。
【0052】
他の実装形態では、動作パラメータは、試薬リザーバに加えられる圧力を含む。圧力は、圧力源112を使用して加えられ得る。そのような実装形態では、コントローラ110は、後続の試薬流量値が参照流量値の閾値範囲内に収まることが可能になるように、試薬リザーバ136のうちの1つ以上に加えられる圧力を変更する。例えば、コントローラ110は、レギュレータ113と界面接続するように適合されたバルブ駆動アセンブリ120に、試薬リザーバ136に加えられる圧力を制御させることができる。したがって、コントローラ110は、レギュレータ113に、試薬リザーバ136のうちの1つ以上に加えられた圧力を変化させることができる。レギュレータ113は、圧力源112と試薬リザーバ136との間に位置付けられる。しかしながら、レギュレータ113は、異なる位置にあってもよく、又は完全に省略されてもよい。
【0053】
図示される実装形態では、試薬カートリッジ104は、センサ電極145を含む。したがって、センサ電極145は、試薬カートリッジ104によって担持され得る。センサ電極145は、センサモジュール108に通信可能に連結されている。センサ電極145は、物理的接続又は無線接続によってセンサモジュール108に連結され得る。他の実装形態では、センサ電極145は、システム100によって担持され得る(例えば、
図2及び
図3を参照)。そのような実装形態では、センサ電極145は、一対の突起又はプレートであってもよく(
図2を参照)、又は環状であってもよい(
図3を参照)。
【0054】
図示される実装形態では、コネクタ146は、センサモジュール108とセンサ電極145とを連結する。コネクタ146は、エッジコネクタ、プラグ/ソケットコネクタ、又はポゴピンであってもよい。コネクタ146が2成分コネクタ(例えば、プラグ/ソケットコネクタ)であるとき、コネクタ146は、雌部分148及び雄部分150を含み得る。雄部分150又は雌部分148のうちの一方は、試薬カートリッジ104によって担持されてもよく、雄部分150又は雌部分148のうちの他方は、システム100によって担持されてもよい。
【0055】
別の実装形態では、試薬カートリッジ104は、センサ電極145を担持し、システム100は、コネクタ146を担持する(例えば、
図4及び
図5を参照)。そのような実装形態では、センサ電極145は、導体152(
図4及び
図5を参照)を含み得、コネクタ146は、接点154(
図4及び5を参照)を含む。接点154は、導体152と界面接続するように適合され得る。接点154は、板ばね接点コネクタであり得る。他の種類の接点154も好適であることが立証され得る。
【0056】
試薬カートリッジ104は、試薬カートリッジ本体156を含む。試薬カートリッジ本体156は、センサ電極145を担持し得る。例えば、センサ電極145は、試薬カートリッジ本体156内に収容されてもよく、試薬カートリッジ本体156の外側に連結されてもよく、又は試薬カートリッジ本体156内に埋め込まれてもよい。接着剤又はクリップを使用して、センサ電極145を試薬カートリッジ本体156の外側あるいは試薬カートリッジ本体156に連結してもよい。センサ電極145が試薬カートリッジ本体156の外側で担持される場合、試薬カートリッジ本体156は、センサ電極レセプタクル158を画定し得る。センサ電極レセプタクル158は、センサ電極145を受容するように適合され得る。センサ電極レセプタクル158は溝であってもよい。
【0057】
試薬カートリッジ本体156は、射出成形技術及び/又は付加製造技術を使用して固体プラスチックから形成されてもよい。いくつかの実装形態では、試薬リザーバ136は、試薬カートリッジ本体156と一体化して形成されている。他の実装形態では、試薬リザーバ136は、別個に形成され、試薬カートリッジ本体156に連結されている。
【0058】
図示される実装形態では、マニホールドアセンブリ144は、複数のバルブ160を含む。バルブ160は、ピンチバルブ、回転バルブ、膜バルブ、ベルビルバルブ、及び/又は線形バルブを含み得る。他の種類のバルブ160も好適であることが立証され得る。マニホールドアセンブリ144は、共通流体ライン138と試薬流体ライン140の各々とを流体的に連結する。それぞれのバルブ160は、共通流体ライン138と対応する試薬流体ライン140との間に連結されている。動作中、バルブ駆動アセンブリ120は、バルブ160と界面接続して、試薬流体ライン140と共通流体ライン138との間の試薬の流れを制御するように適合されている。
【0059】
マニホールドアセンブリ144は、マニホールド本体162を含む。マニホールド本体162は、ポリプロピレンで形成され得る。マニホールド本体162は、共通流体ライン138の一部分164及び試薬流体ライン140の一部分166を画定する。
【0060】
フローセルレセプタクル142は、フローセルアセンブリ106を受容するように適合されている。あるいは、フローセルアセンブリ106は、試薬カートリッジ104内に一体化することができる。そのような実装形態では、フローセルレセプタクル142は含まれなくてもよく、又は、少なくとも、フローセルアセンブリ106は、試薬カートリッジ104内に取り外し可能に受容可能でなくてもよい。
【0061】
ここで駆動アセンブリ115を参照すると、図示されている実装形態では、駆動アセンブリ115は、ポンプ駆動アセンブリ118と、バルブ駆動アセンブリ120と、圧力駆動アセンブリ122と、を含む。ポンプ駆動アセンブリ118は、1つ以上のポンプ168と界面接続して、試薬カートリッジ104を通って流体をポンプ輸送するように適合されている。ポンプ168は、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、ダイアフラムポンプなどによって実装され得る。ポンプ168は、フローセルアセンブリ106と廃棄物リザーバ116との間に位置付けられてもよいが、他の実装形態では、ポンプ168は、フローセル106の上流に位置付けられてもよく、又は完全に省略されてもよい。
【0062】
コントローラ110を参照すると、図示される実装形態では、コントローラ110は、ユーザインターフェース170と、通信インターフェース172と、1つ以上のプロセッサ174と、開示される実装形態を含む様々な機能を実行するための、1つ以上のプロセッサ174によって実行可能な命令を記憶するメモリ176と、を含む。ユーザインターフェース170、通信インターフェース172、及びメモリ176は、1つ以上のプロセッサ174に電気的にかつ/又は通信可能に連結されている。
【0063】
実装形態では、ユーザインターフェース170は、ユーザーからの入力を受信し、システム100の動作及び/又は行われる分析と関連付けられた情報をユーザーに提供するように適合されている。ユーザインターフェース170は、タッチスクリーン、ディスプレイ、キーボード、スピーカ、マウス、トラックボール、及び/又は音声認識システムを含み得る。タッチスクリーン及び/又はディスプレイは、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を表示することができる。
【0064】
実装形態では、通信インターフェース172は、ネットワークを介してシステム100と遠隔システム(例えば、コンピュータ)との間の通信を可能にするように適合されている。ネットワークとしては、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(local-area network、LAN)、広域ネットワーク(wide-area network、WAN)、同軸ケーブルネットワーク、無線ネットワーク、有線ネットワーク、衛星ネットワーク、デジタル加入者回線(digital subscriber line、DSL)ネットワーク、セルラーネットワーク、Bluetooth(登録商標)接続、近距離無線通信(near field communication、NFC)接続などを挙げることができる。遠隔システムに提供される通信の一部は、システム100によって生成された、又は別の方法で取得された、分析結果、撮像データなどと関連付けられ得る。システム100に提供される通信のうちの一部は、システム100によって実行される流体分析動作、患者記録、及び/又はプロトコルと関連付けられてもよい。
【0065】
1つ以上のプロセッサ174及び/又はシステム100は、プロセッサベースのシステム又はマイクロプロセッサベースのシステムのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実装形態では、1つ以上のプロセッサ174及び/又はシステム100は、プログラマブルプロセッサ、プログラマブルコントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、縮小命令セットコンピュータ(reduced-instruction set computer、RISC)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、フィールドプログラマブル論理デバイス(field programmable logic device、FPLD)、論理回路、及び/又は本明細書に記載されるものを含む様々な機能を実行する別の論理ベースデバイスのうちの1つ以上を含む。
【0066】
メモリ176は、1つ以上の参照流量値、閾値範囲、及び他の関連データを格納し得る。メモリ176は、半導体メモリ、磁気読み取り可能メモリ、光学メモリ、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、光学記憶ドライブ、ソリッドステート記憶デバイス、ソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、不揮発性RAM(non-volatile RAM、NVRAM)メモリ、コンパクトディスク(compact disc、CD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク、独立ディスクの冗長アレイ(redundant array of independent disks、RAID)システム、キャッシュ、及び/又は任意の持続時間にわたって(例えば、永続的に、一時的に、長期にわたって、バッファリングのために、キャッシングのために)情報が記憶される任意の他の記憶デバイス若しくは記憶ディスクのうちの1つ以上を含むことができる。
【0067】
図1Bは、
図1Aのシステム100の別の実装形態の概略図を示す。図示される実装形態では、システム100は、試薬カートリッジレセプタクル102を含む。フローセルアセンブリ106が含まれる。試薬カートリッジ104もまた含まれる。試薬カートリッジ104は、試薬カートリッジレセプタクル102内に受容可能であり、フローセルアセンブリ106を担持するように適合されている。試薬カートリッジ104は、試薬リザーバ136を含み、フローセルアセンブリ106に流体的に連結されている。センサモジュール108もまた含まれる。センサモジュール108は、システム100及び/又は試薬カートリッジ104によって担持され得る。センサモジュール108は、試薬リザーバ136に隣接して位置付けられ得る。動作中、センサモジュール108は、試薬リザーバ136内に含有される試薬の体積と関連付けられた信号を生成し得る。
【0068】
図1Cは、
図1Aのシステム100のフローセルアセンブリ106及び試薬カートリッジ104の別の実装形態を示す。図示される実装形態では、フローセルアセンブリ106及び試薬カートリッジ104が含まれる。試薬カートリッジ104は、フローセルアセンブリ106を担持するように適合されている。試薬カートリッジ104は、フローセルアセンブリ106に流体的に連結される試薬リザーバ138を含む。センサ電極145は、試薬リザーバ136内の試薬の体積、試薬の存在、又は試薬流量値のうちの少なくとも1つと関連付けられた信号の生成と関連付けられている。試薬の存在は、試薬流体経路140内、共通流体経路138内、かつ/又は試薬リザーバ136、試薬流体経路140、及び/若しくは共通流体経路138の外側の領域内において特定され得る。リザーバ又は流体経路の外側の試薬の存在は漏れと関連付けられ得る。
【0069】
図2は、
図1のセンサモジュール108及びセンサ電極145の実装形態の概略図である。センサモジュール108及びセンサ電極145は、システム100によって担持され得る。図示される実装形態では、センサ電極145は、一対のプレート177を含む。プレート177は、距離178だけ離間されている。試薬リザーバ136のうちの1つは、プレート177の間に位置付けられて図示されている。プレート177は、試薬リザーバ136の上又は下に位置付けられてもよく、あるいはプレート177は、試薬リザーバ136の周りに位置付けられてもよい。プレート177が試薬リザーバ136の周りに位置付けられる場合、プレート177は、試薬リザーバ136の側面に位置付けられてもよく、又はプレート177は、試薬リザーバ136の上及び下に位置付けられてもよい。
【0070】
プレート177及び試薬リザーバ136の相対的な位置に関係なく、センサモジュール108及びプレート177は、試薬リザーバ136内の試薬(又は他の流体)の量と関連付けられた信号を生成するように適合され得る。試薬リザーバ136内で判定された試薬の量を使用して、試薬の流量(例えば、経時的な体積)を判定することができる。
【0071】
図3は、
図1のセンサモジュール108及びセンサ電極145の別の実装形態の概略図である。センサモジュール108及びセンサ電極145は、システム100によって担持され得る。図示される実装形態では、センサ電極145は、環状電極179を含む。環状電極179は、リング電極とも称され得る。環状電極179は、試薬リザーバ136のうちの1つを囲むように図示されている。環状電極179の対称性のために、環状電極179と試薬リザーバ136との間の位置合わせが一貫して達成され得る。したがって、環状電極179は、試薬リザーバ136の製造公差を含む製造公差の理由であり得る。
【0072】
環状電極179は、試薬リザーバ136の上又は下に位置付けられてもよく、あるいは環状電極179は、試薬リザーバ136の周りに位置付けられてもよい。環状電極179が試薬リザーバ136の周りに位置付けられる場合、例えば、試薬カートリッジ104がシステム100内に係止及び/又は装填されているとき、環状電極179は、試薬リザーバ136の周りに誘導され得る。環状電極179を試薬リザーバ136に対して位置決めする他の方法も、センサモジュール108及び環状電極179が試薬リザーバ136内のある量の試薬(又は他の流体)と関連付けられた信号を生成することができるように環状電極179を位置付けるのに好適であることが立証され得る。
【0073】
図4は、
図1のセンサモジュール108及びセンサ電極145の別の実装形態の概略図である。図示される実装形態では、センサ電極145は、導体152を含み、コネクタ146は、接点154を含む。実装形態では、導体152は導電性テープであり、接点154は板ばね電気接点である。導電性テープはアルミニウムを含み得る。
【0074】
別の実装形態では、導体152は、試薬リザーバ136の一部分を含み、接点154は板ばね電気接点である。一部分は導電性プラスチックであり得る。そのような実装形態では、試薬リザーバ136は、2段階射出成形プロセスで形成され得る。試薬リザーバ136を形成する他の方法でも好適であることが立証され得る。代替として、試薬カートリッジ104が当該一部分を含んでもよい。導体152及び/又は接点154がどのように形成されるかに関係なく、接点154は、導体152と接触して導体152と接点154とを通信可能に連結するように適合され得る。
【0075】
図5は、
図1のセンサモジュール108及びセンサ電極145の別の実装形態の概略図である。図示される実装形態では、センサ電極145は、一対の導体152を含み、コネクタ146は、一対の接点154を含む。一対の導体152によって生成された電界は、
図4の単一の導体152によって生成された電界とは異なり得る。
【0076】
導体152は、試薬リザーバ136に連結及び/又は隣接する一対のウェル180であってもよい。ウェル180は導電性流体182で充填され得る。導電性流体182は、接着剤、硬化状態の接着剤、ガリウム、水銀、導電性接着剤、スライバ(sliver)エポキシ接着剤、導電性ゲル、アルミナ接着剤、熱接着剤、及び/又は導電性接着剤ゲルを含み得る。他の導電性流体が好適であることが立証され得る。
【0077】
図6は、
図1の試薬リザーバ136、センサモジュール108、及びセンサ電極145の概略図である。図示される実装形態では、試薬リザーバ136はテーパ部分184を含む。センサモジュール108は、試薬リザーバ136内の試薬の特性を判定するように配置される。テーパ部分184に隣接する試薬の第1の体積186は、試薬リザーバ136の残りの部分の第2の体積188よりも小さい。テーパ部分184は、第1の体積186内の試薬の量を減少させる。したがって、第1の体積186内の試薬の高さの変化は、第2の体積188内より迅速に発生し、その結果、第1の体積186をモニタすることによって試薬流量値を比較的迅速に判定することができる。結果として、いくつかの実装形態では、システム100は、通常の実行開始前に別個の較正プロセスを実行することとは対照的に、通常の実行条件中に較正プロセスを実行することができる。
【0078】
図7は、
図1の試薬リザーバ136、センサモジュール108、及びセンサ電極145の別の実装形態の概略図である。図示される実装形態では、試薬リザーバ136は細長い部分190を含む。センサモジュール108は、試薬リザーバ136内の試薬の特性を判定するように配置される。細長い部分190に隣接する試薬の第1の体積186は、試薬リザーバ136の残りの部分における第2の体積188よりも小さく、その結果、通常の実行条件中に、第1の体積186からの試薬流量値をモニタすることによって、コントローラ110が流量を判定及び調整することを可能にする。しかしながら、別個の較正プロセスが、ここで又は他の開示された実装形態のいずれかで実行されてもよい。
【0079】
図8は、
図1の試薬リザーバ136の実装形態である。図示される実装形態では、試薬リザーバ136は、湾曲部分192と、平坦部分194と、を含む。センサ電極145及び/又はセンサモジュール108は、平坦部分194に隣接して位置付けられ得る。導体152及び/若しくは185、センサ電極145、並びに/又はセンサモジュール108を、平坦部分194に隣接して位置決めすることにより、湾曲部分192と比較して、平坦部分194における試薬の高さをモニタすることがより容易であり得るため、判定された体積及び/又は判定された試薬流量値の精度が高まり得る。
【0080】
図9は、
図1の試薬リザーバ136の別の実装形態である。図示される実装形態では、試薬リザーバ136は円形断面を有する。他の断面も好適であることが立証され得る。
図10~
図12は、
図1の共通流体ライン138の実装形態に隣接して位置付けられたセンサ電極145の様々な例示的な配置の実装形態を示す。代替的に、センサ電極145は、試薬流体ライン140のうちの1つ以上に隣接して位置付けられ得る。
【0081】
図10は、
図1の共通流体ライン138の実装形態から離間しかつ隣接して位置付けられた一対のセンサ電極145を示す。センサ電極145間の体積196は既知である。センサ電極145と関連付けられた静電容量値は、共通流体ライン138内の試薬が対応するセンサ電極145に隣接しているときに変化し得る。
【0082】
試薬流量値を判定するために、第1の電極198の静電容量値が変化したときと第2の電極200の静電容量値が変化したときとの間で経過する時間量が判定される。静電容量値は、共通流体ライン138内の試薬が対応するセンサ電極145に隣接しているときに変化し得る。共通流体ライン138内の流量を判定するために、センサ電極145間の体積196が、変化する静電容量値と関連付けられた時間で除算される。流量を判定する他の方法が好適であることが立証され得る。
【0083】
更に、センサ電極145を使用して、試薬又は別の流体の存在を検出することができる。例えば、第1の電極198の静電容量値が変化すると、試薬の存在が検出され得る。
図11は、
図10の共通流体ライン138に隣接して位置付けられたセンサ電極145のアレイを示す。センサ電極145は、試薬カートリッジ104及び/又はシステム100に連結され得る。
【0084】
実装形態では、共通流体ライン138内に流された流体の体積を判定するために、それぞれのセンサ電極145の静電容量値がモニタされる。例えば、第1の2つのセンサ電極145の静電容量値が変化する場合、コントローラ110は、試薬の関連する体積が共通流体ライン138の一部分を通ってポンプ輸送されるか、かつ/又は流されたことを判定することができる。同様に、第1の3つのセンサ電極145の静電容量値が変化する場合、コントローラ110は、試薬の関連する体積が共通流体ライン138の他の部分を通ってポンプ輸送されるか、かつ/又は流されたことを判定することができる。センサ電極145が4つ示されているが、任意の数の電極が含まれてもよい。試薬の体積を判定することを使用して、試薬が閾値量に混合され、試薬の閾値体積が提供され、試薬が閾値量に再水和され(例えば、試薬初期化)、かつ/又は試薬の閾値濃度が達成されることを確実にすることができる。
【0085】
センサ電極145もまた試薬リザーバ136に隣接して位置付けられる場合の実装形態において、コントローラ110は、異なるセンサ電極145からの信号を比較して、流体分析動作の動作状態をモニタすることができる。例えば、コントローラ110は、流体分析動作が予想どおりに行われているかどうかを判定することができる。
【0086】
図12は、
図10の共通流体ライン138に隣接して位置付けられたセンサ電極145の別のアレイを示す。10個のセンサ電極145が示されているが、任意の他の数のセンサ電極145が含まれてもよい。センサ電極145と関連付けられた静電容量値を使用して、試薬流量値、共通流体ライン138内の試薬の体積、及び/又はポンプ輸送される試薬の量を判定することができる。しかしながら、静電容量値は、他の方法で使用されてもよい。
【0087】
図13は、
図10の共通流体ライン138に隣接するセンサ電極145の別の配置を示す。図示される実装形態では、センサ電極145は、より長い電極202と、一対の参照センサ電極204と、を含む。参照センサ電極204のうちの1つは、共通流体ライン138から離間されてもよく、参照センサ電極204の別の1つは、共通流体ライン138の上部に、あるいは隣接して位置付けられてもよい。参照センサ電極204が共通流体ライン138を通って流れ得る試薬に暴露されていないか、あるいは試薬から離間されている場合、参照センサ電極204を使用して、コントローラ110に参照静電容量値を判定させることを可能にすることができる。
【0088】
より長い電極202と関連付けられた静電容量値を使用して、共通流体ライン138内の試薬の体積を判定することができる。経時的な静電容量値の変化は、共通流体ライン138を通る試薬流量値と関連付けられ得る。
【0089】
図14は、
図1の試薬リザーバ136の実装形態に隣接するセンサ電極145の配置を示す。図示される実装形態では、より長い電極202は、比較的薄い幅を有する。より長い電極202が比較的薄い幅を備えることにより、より長い電極202が試薬リザーバ136に対してずれて配置される可能性を低減することができる。参照センサ電極204のうちの1つは、試薬206から離間され、参照センサ電極204の別の1つは、試薬206に隣接して位置付けられる。
【0090】
図15は、
図14の試薬リザーバ136に隣接して位置付けられている参照センサ電極204を含むセンサ電極145のアレイを示す。試薬リザーバ136の頂部208に向かって位置付けられているセンサ電極145のいくつかを使用して、試薬206が下向きに流れたかどうか、かつ/又は試薬206が試薬リザーバ136の頂部208に向かって吊り下げられている/静止しているかどうかを判定することができる。
【0091】
図示される実装形態では、様々なセンサ電極145の静電容量値は、試薬リザーバ136を有する試薬206の体積と関連付けられ得る。例えば、第1の電極210は、試薬リザーバ136内に含有される試薬の第1の体積と関連付けられ得、第2の電極212は、試薬リザーバ136内に含有される試薬の第2の体積と関連付けられ得、第3の電極214は、試薬リザーバ136内に含有される試薬の第3の体積と関連付けられ得るなどである。別の言い方をすれば、電極145のアレイのそれぞれの電極145及び試薬リザーバ136に対するその位置は、試薬の特定の体積と関連付けられ得る。その結果、電極210~214の容量値が変化し、残りの電極216、218、220、222、224、226の容量値が変化しない場合、コントローラ110は、試薬206の特定の体積が、第1の3つの電極210、212、214と関連付けられた試薬リザーバ136内に含有されていることを判定することができる。そのような実装形態では、電極145は、オン/オフスイッチとして作用し得るか、あるいは試薬又は流体が検知されるときにトリップされ得る。更に、静電容量値は、試薬206が試薬リザーバ136の頂部208に向かってかつ/又は頂部208において静止していることを示し得る。例えば、最上電極226の静電容量値が試薬が存在することを示し、電極220、222、224のうちの他が試薬が存在しないことを示す静電容量値を有する場合、コントローラ110は、試薬の一部が試薬リザーバ136の頂部208に向かって静止していること、あるいは試薬の判定及び/又は分配に誤りがあることを判定し得る。
【0092】
図16は、
図14の試薬リザーバ136に隣接するセンサ電極145の配置を示す。
図16の配置は、
図14の配置と同様であるが、センサ電極145がより広い。センサ電極145の他の幅及び/又は形状も好適であることが立証され得る。また、
図14に示される下方参照センサ電極204は、
図16の実装形態には含まれない。しかしながら、代替的に、下方参照センサ電極204は、
図16の実装形態に含まれ得る。
【0093】
図17及び
図18は、
図1A又は本明細書に開示される他の実装形態のいずれかのシステム100を使用して、試薬リザーバ136内の試薬の体積を判定する方法のためのフローチャートを示す。
図17のフローチャートでは、実線で囲まれたブロックは、プロセス1700の実装形態に含まれ得、破線で囲まれたブロックは、プロセスの実装形態において任意選択的であり得る。しかし、ブロックの境界が
図17及び
図18に提示される方式にかかわらず、ブロックの実行順序は変更されてもよく、かつ/又は説明されるブロックのうちの一部は、変更されてもよく、排除されてもよく、組み合わされてもよく、かつ/若しくは複数のブロックに細分化されてもよい。
【0094】
図17を参照すると、プロセス1700は、試薬リザーバ136を加圧することによって開始する(ブロック1702)。試薬リザーバ136は、圧力源112を使用して加圧され得る。試薬は、試薬リザーバ136からフローセルアセンブリ106に流される(ブロック1704)。信号は、試薬リザーバ136内に含有される試薬に関連して生成される(ブロック1706)。信号は、センサモジュール108によって生成され得る。試薬リザーバ136内の試薬の体積は、信号に基づいて判定される(ブロック1708)。
【0095】
試薬流量値は、経時的な試薬の体積に基づいて判定される(ブロック1710)。判定された試薬流量値は、参照流量値と比較される(ブロック1712)。判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、後続の試薬流量値が参照流量値の閾値範囲内に収まることを可能にするように、試薬リザーバ136に加えられる圧力が変更される(ブロック1714)。
【0096】
別の実装形態では、試薬流量値は、経時的な試薬の体積に基づいて判定される。判定された試薬流量値は、参照流量値と比較される。後続の試薬流量値が参照流量値に近づくことが可能になるように、試薬リザーバに加えられる圧力が変更される。
【0097】
図18を参照すると、プロセス1800は、試薬が試薬リザーバ136からフローセルアセンブリ106に流されることによって開始する(ブロック1802)。信号は、試薬リザーバ136内に含有される試薬に関連して生成される(ブロック1804)。信号は、センサモジュール108によって生成され得る。試薬リザーバ136内の試薬の体積は、信号に基づいて判定される(ブロック1806)。
【0098】
装置であって、試薬カートリッジレセプタクルを含むシステムと、フローセルアセンブリと、試薬カートリッジレセプタクル内に受容可能であり、フローセルアセンブリを担持するように適合された試薬カートリッジであって、試薬カートリッジは、フローセルアセンブリに流体的に連結されるように適合された試薬リザーバを含む、試薬カートリッジと、試薬リザーバに隣接して位置付けられるように適合されたセンサモジュールであって、センサモジュールは、試薬リザーバ内に含有される試薬の体積と関連付けられた信号を生成するように適合されている、センサモジュールと、を備える、装置。
【0099】
システムは、センサモジュールからの信号にアクセスするように適合されたコントローラを含み、コントローラは、経時的な試薬リザーバ内の体積に基づいて、試薬リザーバからの流量を判定するように適合されている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0100】
コントローラは、判定された試薬流量値を参照流量値と比較するように適合され、判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、コントローラは、システムの動作パラメータを変更するように適合されている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0101】
動作パラメータは、試薬が試薬リザーバから流されている時間量を含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0102】
動作パラメータは、試薬リザーバに加えられる圧力を含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0103】
試薬リザーバに圧力を加えるように適合され、試薬リザーバに圧力を加え得る圧力源を更に備える、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置で。
【0104】
圧力源と試薬リザーバとの間に連結されたレギュレータを更に備え、コントローラは、レギュレータに、試薬リザーバに加えられる圧力を変更させるように適合され、かつ変更させ得る、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0105】
システムは、センサモジュールを含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
センサモジュールに通信可能に連結されるように適合され、かつ通信可能に連結され得るセンサ電極を更に備える、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0106】
センサ電極は、センサモジュールに無線で連結されている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0107】
センサモジュールとセンサ電極を連結するように適合され、かつセンサモジュールとセンサ電極を連結し得るコネクタを更に備える、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0108】
コネクタは、雄部分及び雌部分を含み、雄部分又は雌部分のうちの一方は、試薬カートリッジによって担持され、雄部分又は雌部分のうちの他方は、システムによって担持されている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0109】
センサ電極は、試薬リザーバが間に位置付けられるように適合されている一対のプレートを含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0110】
センサ電極は、環状電極であり、試薬リザーバを取り囲むように適合され、かつ取り囲んでいる、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0111】
センサ電極は、試薬カートリッジによって担持されている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0112】
センサモジュールは、センサ電極と界面接続するように適合された接点を含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0113】
接点は板ばね接点を含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
装置であって、フローセルアセンブリと、フローセルアセンブリを担持するように適合され、フローセルアセンブリを担持する試薬カートリッジであって、試薬カートリッジは、フローセルアセンブリに流体的に連結されるように適合された試薬リザーバと、試薬リザーバ内の試薬の体積、試薬の存在、又は試薬流量値のうちの少なくとも1つと関連付けられた信号の生成と関連付けられたセンサ電極と、を含む、試薬カートリッジと、を備える、装置。
【0114】
試薬カートリッジは、流体ラインを含み、センサ電極は、流体ラインに隣接して位置付けられている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0115】
センサ電極は、試薬カートリッジに連結された導電性テープを含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0116】
センサ電極は、試薬リザーバ又は試薬カートリッジの一部分を含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0117】
センサ電極は、導電性流体で充填されたウェルを含み、試薬リザーバに隣接している、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0118】
試薬リザーバはテーパ部分を含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
試薬リザーバは細長い部分を含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の装置。
【0119】
方法であって、試薬リザーバからフローセルアセンブリへ試薬を流すことと、試薬リザーバ内に含有される試薬と関連付けられた信号を生成することと、信号に基づいて、試薬リザーバ内の試薬の体積を判定すること、を含む、方法。
【0120】
経時的な試薬の体積に基づいて、試薬流量値を判定することを更に含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
【0121】
試薬リザーバを加圧することを更に含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
判定された試薬流量値を参照流量値と比較することと、判定された試薬流量値が参照流量値の閾値範囲外である場合、後続の試薬流量値が参照流量値の閾値範囲内に収まることを可能にするように、試薬リザーバに加わる圧力を変更することと、を更に含む、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
【0122】
信号は、試薬リザーバ内に含有される試薬の高さと関連付けられている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
【0123】
信号は、試薬リザーバ内に含有される試薬の体積と関連付けられている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
【0124】
信号は、試薬リザーバから分配される試薬の流量と関連付けられている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
【0125】
信号は、電極のアレイの電極と関連付けられ、電極のアレイのそれぞれの電極は、試薬リザーバに隣接して位置付けられ、試薬リザーバ内の試薬の様々な体積と関連付けられている、電極のアレイの電極と関連付けられている、前述の実装形態のうちのいずれか1つ以上及び/又は以下に開示される実装形態のうちのいずれか1つ以上に記載の方法。
【0126】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載される様々な構成を実践することを可能にするために提供される。対象技術は、様々な図及び構成を参照して特に説明されてきたが、これらは例示目的のみのためであり、対象技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0127】
特定の実装形態は単一の試薬リザーバを説明するが、本明細書で想到される他の実装形態は、複数の試薬リザーバを含む。同様に、複数のセンサモジュール及び/又はセンサ電極は、好適であることが立証され得るように、1つ以上の流量を判定するために、単一又は複数の試薬リザーバに使用され得る。
【0128】
本明細書で使用する際、単数形で記載され、かつ単語「a」又は「an」に続く要素又は工程は、かかる除外が明示的に記載されていない限り、複数のこれらの要素又は工程を除外しないものとして理解されるべきである。更に、「一実装形態」への言及は、列挙された特徴をまた組み込む追加の実装形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。更に、反対に明示的に記載されない限り、特定の特性を有する1つの要素又は複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、又は「有する(having)」実装形態は、その特性を有するか否かにかかわらず、追加の要素を含み得る。更に、用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などは、本明細書において互換的に使用される。
【0129】
本明細書全体を通して使用される「実質的に」、「およそ(approximately)」、及び「約」という用語は、処理のばらつきなどに起因する小さな変動を説明及び考慮するために使用されている。例えば、それらは、±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下を指すことができる。
【0130】
主題技術を実施するための多くの他の方法が存在し得る。本明細書に記載される様々な機能及び要素は、主題技術の範囲から逸脱することなく、示されるものとは異なって分割され得る。これらの実装形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義される一般的な原理は、他の実装形態に適用することができる。したがって、主題技術の範囲から逸脱することなく、当業者によって、多くの変更及び修正を主題技術に行うことができる。例えば、異なる数の所与のモジュール又はユニットが用いられ得、異なる種類若しくは複数の種類の所与のモジュール又はユニットが用いられ得、所与のモジュール又はユニットが追加され得、あるいは所与のモジュール又はユニットが省略され得る。
【0131】
下線付き及び/又はイタリック体の見出し及び副見出しは、便宜上のみのために使用され、主題技術を限定するものではなく、主題技術の説明の解釈と関連して言及されない。当業者に既知である、又は後に知られることになる、本開示全体を通って記載される様々な実装形態の要素に対する全ての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題技術に包含されることが意図される。更に、本明細書に開示された何物も、そのような開示が上記の説明において明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公開専用であることを意図するものではない。
【0132】
以下でより詳細に説明される、前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせは(かかる概念が相互に矛盾しないという前提で)、本明細書に開示される主題の一部であると考えられることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると考えられる。
【国際調査報告】