(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(54)【発明の名称】繊維ウェブをコーティングする方法、及び表面コーティングされた繊維ウェブ
(51)【国際特許分類】
D06M 13/02 20060101AFI20230217BHJP
D21H 19/10 20060101ALI20230217BHJP
D21H 11/18 20060101ALI20230217BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20230217BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20230217BHJP
B05D 1/36 20060101ALI20230217BHJP
D06M 13/13 20060101ALI20230217BHJP
D06M 13/224 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
D06M13/02
D21H19/10 Z
D21H11/18
B05D7/24 303G
B05D7/00 K
B05D1/36 B
D06M13/13
D06M13/224
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537016
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 IB2020062323
(87)【国際公開番号】W WO2021130667
(87)【国際公開日】2021-07-01
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501239516
【氏名又は名称】ストラ エンソ オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バックフォルク, カイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイスカネン, イスト
(72)【発明者】
【氏名】ニーレン, オットー
【テーマコード(参考)】
4D075
4L033
4L055
【Fターム(参考)】
4D075AE06
4D075BB20Z
4D075BB24Z
4D075BB93Z
4D075CA42
4D075CA44
4D075CB07
4D075DA04
4D075DA07
4D075DB01
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4D075EC22
4L033AA02
4L033AB07
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4L033BA09
4L033BA21
4L055AF09
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4L055AG23
4L055AG40
4L055AG50
4L055AG51
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4L055AH29
4L055AH37
4L055BE08
4L055CE26
4L055CH12
4L055CH14
4L055EA04
4L055EA08
4L055EA15
4L055EA17
4L055EA19
4L055EA20
4L055EA32
4L055EA34
4L055FA14
4L055FA19
(57)【要約】
繊維ウェブ、特にナノセルロースファイバーを含む繊維ウェブをコーティングする方法が提供される。本方法は、テクスチャ基材のテクスチャ表面領域にコーティング剤を塗布する工程、テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に繊維ファーニッシュ又は湿潤な繊維ウェブを付着させ、任意で脱水させて湿潤な繊維ウェブを提供する工程、及び前記コーティング剤の少なくとも一部が前記繊維ウェブに移るように、前記湿潤な繊維ウェブを乾燥させる工程、を含む。本方法は、改善されたバリア特性を備える、コーティングされた繊維ウェブを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維ウェブをコーティングする方法であって、
a.少なくとも1つのテクスチャ表面領域を有するテクスチャ基材を提供する工程、
b.前記テクスチャ基材のテクスチャ表面領域にコーティング剤を塗布して、前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域を提供する工程、
c.前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に繊維ファーニッシュを塗布し、前記繊維ファーニッシュを脱水して、湿潤な繊維ウェブを提供する工程、又は
d.前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に湿潤な繊維ウェブを付着させる工程、
e.前記コーティング剤の少なくとも一部が前記繊維ウェブに移るように、工程c若しくは工程dによる前記湿潤な繊維ウェブを乾燥させる工程、及び
f.前記テクスチャ表面領域からコーティングされた繊維ウェブを取り外し、それによってコーティングされた繊維ウェブを提供する工程、を含む、方法。
【請求項2】
前記テクスチャ表面領域が、所定のテクスチャ、好ましくは所定の繰り返しテクスチャを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
繊維ウェブがセルロースファイバー、好ましくはナノセルロースファイバーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記テクスチャ基材が、金属ベルト、ポリマーベルト若しくはセラミックベルト、又は複合材料ベルトなどのテクスチャベルトである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記繊維ファーニッシュ又は前記湿潤な繊維ウェブが、マシン方向において少なくとも2m、好ましくは少なくとも5mの長さにおいて、前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域と接触している、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
コーティング剤が、ワックス、油、極性脂質、金属石鹸、ロジン、又はこれらの混合物から選択される1つ又は複数のコーティング成分を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
コーティング剤が、アルキルケテンダイマー(AKD)又は脂肪酸樹脂である1つ又は複数のコーティング成分を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
コーティング剤が、油中水型(W/O)エマルジョン又は水中油型(O/W)エマルジョン、好ましくはO/Wエマルジョンである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
コーティング剤が、カチオン性ポリマーなどの1つ又は複数の接着剤を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
繊維ウェブが、総固形分含有量に基づいて、0.01~100重量%の量、好ましくは総固形分含有量に基づいて少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%の量のナノセルロースを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
テクスチャ表面領域が0.5~1,000cm
3/m
2、好ましくは1~500cm
3/m
2、より好ましくは1~100cm
3/m
2のセル体積を有するように、テクスチャ表面領域が複数の凹部を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
乾燥工程が、コーティング剤のコーティング成分のうち少なくとも1つの融点より高い温度で行われる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
乾燥工程が、60℃より高い、好ましくは80℃より高い、より好ましくは90℃より高い温度、かつ400℃未満の温度で行われる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記コーティングされた繊維ウェブが、透明又は半透明である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記コーティングされた繊維ウェブが、コーティングされたテクスチャ繊維ウェブである、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
コーティング組成物が、乾燥重量で0.1~100gsm、好ましくは0.3~50gsm、より好ましくは0.5~20gsmの量でテクスチャ表面領域に塗布される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記コーティングされた繊維ウェブが、UVバリア、オイル及びグリースバリア、酸素バリア、アロマバリア及び水蒸気バリア、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのバリア特性を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
繊維ウェブが、500mm超、好ましくは1,000mm超、より好ましくは1,500mm超の、テクスチャ基材の横方向における幅を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
過剰なコーティング剤が、例えばロッド又はドクターブレードを使用して、工程c又は工程dの前にテクスチャ表面領域から除去される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の方法によって得られる、コーティングされた繊維ウェブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
繊維ウェブ、特にナノセルロースファイバーを含む繊維ウェブをコーティングする方法が提供される。本方法は、コーティングされた繊維ウェブを提供する。
【背景技術】
【0002】
ブレードコーティング、フィルムプレス及びサイズプレス、又は印刷、並びにその他の接触及び非接触堆積技術で作製されたさまざまなコーティングなど、繊維ウェブのほとんどのコーティング及び表面処理は、乾燥繊維ウェブで実施される。
【0003】
従来、紙及び板紙向けのほとんどのコーティング方法は、光学特性及び印刷特性を向上させることを目的としているが、バリア特性は考慮されていない。効果的なガス/アロマ及び/又はグリースバリアを得るためには、コーティングが均一であり、かつピンホールのないコーティング又はバリアをもたらすのに十分な厚さであることが不可欠である。
【0004】
乾燥繊維ウェブで実施される技術における問題の1つは、表面処理によって表面が再び濡れるため、寸法安定性及びコーティング品質がベース基材とコーティングとの相互作用に大きく依存することである。これは、親水性と多孔性の両方により、通常は水又は水性ベースであるコーティングの塗布及びレベリング中に、多くの水又は液体の取り込みが起こる、セルロースベースの基材などの親水性基材において、特に問題である。
【0005】
また、別の問題は、コーティングが主に外観又は最終製品の性能を調整するために行われ、例えばウェブ製造プロセスの改善のためではないことである(オンラインコーティングにより、例えば、ウェブ切れなどを回避するために、ウェブの技術的特性に追加の要件が課される)。もう1つの問題は、セルロースフィルム又は耐油紙などの薄い繊維ウェブへ少量の化学物質を投入することは、前述の課題により、均一なコーティングを作製するという点で非常に難しい場合があることである。
【発明の概要】
【0006】
繊維ウェブをコーティングする方法であって、
a.少なくとも1つのテクスチャ表面領域を有するテクスチャ基材を提供する工程、
b.前記テクスチャ基材のテクスチャ表面領域にコーティング剤を塗布して、前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域を提供する工程、
c.前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に繊維ファーニッシュを塗布し、前記繊維ファーニッシュを脱水して、湿潤な繊維ウェブを提供する工程、又は
d.前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に湿潤な繊維ウェブを付着させる工程、
e.前記コーティング剤の少なくとも一部が前記繊維ウェブに移るように、工程c若しくは工程dによる前記湿潤な繊維ウェブを乾燥させる工程、及び
f.前記テクスチャ表面領域からコーティングされた繊維ウェブを取り外し、それによってコーティングされた繊維ウェブを提供する工程、を含む、方法が提供される。
【0007】
技術の追加の態様は、以下の特許請求の範囲及び説明文に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】テクスチャ基材(20)(この場合はテクスチャベルト)のテクスチャ表面領域(21)にある、コーティング(30)を有する湿潤な繊維ウェブ(10)を示す図である。脱水及び乾燥して、コーティング(300)を備えるコーティングされた繊維ウェブ(100)が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
繊維ウェブをコーティングする一般的方法であって、
a.少なくとも1つのテクスチャ表面領域を有するテクスチャ基材を提供する工程、
b.前記テクスチャ基材のテクスチャ表面領域にコーティング剤を塗布して、前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域を提供する工程、
c.前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に繊維ファーニッシュを塗布し、前記繊維ファーニッシュを脱水して、湿潤な繊維ウェブを提供する工程、又は
d.前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に湿潤な繊維ウェブを付着させる工程、
e.前記コーティング剤の少なくとも一部が前記繊維ウェブに移るように、工程c若しくは工程dによる前記湿潤な繊維ウェブを乾燥させる工程、及び
f.前記テクスチャ表面領域からコーティングされた繊維ウェブを取り外し、それによってコーティングされた繊維ウェブを提供する工程、を含む、方法が提供される。
【0010】
現在の技術で得られる可能性のある利点としては、以下が挙げられる。
- オンラインコーティング、単層又は多層コーティング;2種以上のテクスチャ基材を順番に使用する場合は、数種類のコーティング剤を塗布することが可能である。
- テクスチャ基材のテクスチャ表面領域における接着の制御(寸法安定性、収縮の制御)
- 薄いコーティング(例えば、乾燥重量で0.1~100gsm、好ましくは0.3~50gsm、より好ましくは0.5~20gsm)
- エクステンデッドニップ;すなわち、本方法を使用すると、コーティングと繊維ウェブとの接触時間が長くなる。接触時間は、従来のコーティングで通常使用されるよりも長いことが好ましい。
- バリア特性の改善;すなわち、ガスバリア、水蒸気バリア、アロマバリア又はオイル及びグリースバリアのうち少なくとも1つ
- 繊維ウェブの片面における調整された均質又は不均質(不均一)コーティング
【0011】
好適にはテクスチャベルト又はテクスチャシリンダーである、テクスチャ基材が準備される。テクスチャ基材を利用することにより、ニップなどにおける過剰なコーティング液に伴う問題なしに、コーティングの量をより正確に制御することができる。テクスチャ基材の使用により、プロファイル制御(マシン方向)が向上し、受ける側のウェブにテクスチャパターンを作製できるなど、さらなる利点がもたらされる。テクスチャ基材は、少なくとも1つのテクスチャ表面領域を有する。
【0012】
本技術において、「テクスチャ基材」という用語は、前記基材の表面領域が所定のテクスチャを有する(すなわち、テクスチャ表面である)ことを意味する。テクスチャ表面領域のテクスチャはランダムではなく、したがって、実質的にランダムなテクスチャを得るために研削又は別の方法で処理され得る表面/表面領域/基材とは区別される。好適には、テクスチャ表面領域は、パターンが規則的に繰り返される、所定の繰り返しテクスチャを有する。テクスチャ表面領域は、基材の表面全体、例えば、クロスマシン方向の基材の全幅、及び/又はマシン方向の全長を含み得る。あるいは、テクスチャ表面領域は、基材の表面の一部のみを含み、他のテクスチャ加工されていない表面領域が、例えば、クロスマシン方向の基材の端に、及び/又はマシン方向で断続的に存在し得る。
【0013】
したがって、繊維ファーニッシュ又は湿潤な繊維ウェブは、テクスチャ表面領域の外側に、すなわち、例えば、コーティングされていない端領域を有するコーティングされた繊維ウェブが成形されるように付着させることもできる。換言すれば、繊維ファーニッシュ又は湿潤な繊維ウェブの付着領域は、テクスチャ表面領域よりも広い/大きい場合がある。
【0014】
一実施形態において、「テクスチャ表面領域」は、凹領域の繰り返しパターンと、前記凹領域の間に配置された少なくとも1つの非凹領域とを含み、各凹領域は、隣接する非凹領域から深さdだけ凹んでおり、前記深さdは、前記テクスチャ基材の表面に対し垂直な方向で決定され、前記深さdは、1~100μmであり得る。
【0015】
テクスチャ基材は、金属又はプラスチック、あるいは好適な材料の組み合わせで作製することができる。すなわち、テクスチャ基材は、金属ベルト、ポリマーベルト若しくはセラミックベルト、又は複合材料ベルトなどのテクスチャベルトであり得る。テクスチャベルトなどのテクスチャ基材は、長さが1~300m、幅が0.2~10mであり得る。テクスチャ基材のテクスチャ表面領域はまた、例えば、表面エネルギーを調整するために、例えば、セラミック又はプラスチックコーティングでコーティングすることもできる。通常、テクスチャ表面領域が0.5~1,000cm3/m2、好ましくは1~500cm3/m2、より好ましくは1~100cm3/m2のセル体積を有するように、テクスチャ基材のテクスチャ表面領域は複数の凹部を備える。
【0016】
非伝導性又は伝導性の溝又はセルをエッチングすることにより、テクスチャ表面領域に凹部のパターンをもたらすことができる。材料を堆積させて凸領域を生成することも可能である。1つの例は、テクスチャベルト又はテクスチャシリンダーを彫るためにレーザー技術を使用することである。
【0017】
説明した方法でテクスチャ表面領域を使用することにより、繊維ウェブに薄く均一なコーティングをもたらすことが可能となる。
【0018】
テクスチャ基材のテクスチャ表面領域にコーティング剤が塗布される。コーティング剤は、典型的には、ワックス、油、極性脂質、金属石鹸、ロジン、又はこれらの混合物から選択される1つ又は複数のコーティング成分を含む。1つの好ましい態様において、コーティング成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)又は脂肪酸樹脂である。
【0019】
ワックスの例としては、例えば、パラフィンワックスなどのマイクロクリスタリンワックス、又はポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、その他の天然又は合成ワックス、及びそれらのワックスエマルジョンが挙げられる。ワックスは、化石ベース、天然ベース、又は蜜蝋、カルナウバワックス、若しくはバイオワックス(TopScreen(商標)、Solenis製)などのバイオベースのいずれかであり得る。
【0020】
油の例は植物油である。極性脂質の例は、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸などの脂肪酸又はトリグリセリドである。
【0021】
ロジンの例は、例えば、エマルジョン、エマルジョンサイズ剤(すなわち、カゼイン又は他のカチオン性高分子電解質などの乳化剤又は安定剤を用いてロジン酸を溶解、分散、希釈などさせて液体としたもの)、又はロジン石鹸のサイズ剤である。
【0022】
コーティング成分は、非反応性又は反応性であり得る。反応性コーティング成分としては、1つ以上のアルキルケテンダイマー(AKD)又はアルケニルコハク酸無水物(ASA)を挙げることができる。
【0023】
コーティング剤は、油中水型(W/O)エマルジョン又は水中油型(O/W)エマルジョンであり得るが、O/Wエマルジョンが好ましい。コーティング剤は通常、上記コーティング成分のうちの1つ又は複数を含むO/Wエマルジョンの形態である。特に好ましいO/Wエマルジョンとしては、スチレンアクリレート、スチレンブタジエン、ポリ酢酸ビニル、又はこれらの混合物のO/Wエマルジョンが挙げられる。水性エマルジョンは通常、乳化剤、安定剤、及び殺生物剤又は防腐剤などのさらなる添加剤を含有する。エマルジョンの好ましい平均粒子径は、10~5,000nm、好ましくは50~500nmである。
【0024】
特定の実施形態において、コーティング剤は、例えば脂肪酸トリエステル及び/又は加水分解されたAKDを含むマイクロ又はナノエマルジョンである。コーティング剤は、好適には、カチオン性ポリマーなどの1つ又は複数の接着剤を含む。
【0025】
このようにしてコーティング剤を使用することにより、薄いコーティングを施すだけで、テクスチャ表面領域との接着を制御することができる(寸法安定性、収縮の制御)。
【0026】
コーティング剤は、好適には、0.1~100gsm、好ましくは0.3~50gsm、より好ましくは0.5~20gsmの量でテクスチャ表面領域に塗布される。コーティング剤は、テクスチャ表面領域に塗布され、次いで、使用されるコーティング剤及びグレードに応じて、40℃~400℃、好ましくは60~240℃、最も好ましくは80~180℃の温度に加熱され得る。コーティング成分の融点は、好ましくは-40℃~+160℃、好適には+30℃~+160℃の範囲である。
【0027】
一態様において、繊維ウェブは、塗布及び乾燥されると、0.01~100gsm、より好ましくは0.1~50gsmのコーティング剤を含む。
【0028】
一実施形態において、コーティング剤は、繊維ファーニッシュより前に、テクスチャ表面領域に塗布される。好ましくは、コーティング剤を塗布するためのコーティング方法は、スプレー塗布、カーテン塗布、ロール塗布装置、印刷、浸漬などである。好ましくは、コーティングは、少なくとも1つの塗布工程及び1つのレベリング工程を含む。レベリング工程とは、例えばドクターブレード又はロッドで、余分なコーティング液を除去することを意味する。
【0029】
好ましくは、コーティング剤の塗布前に、テクスチャ表面領域を確実に清浄にするため、テクスチャ表面領域を、例えば、スプレーシステム又は蒸気で洗浄することができる。
【0030】
キャスティング工程において、前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に繊維ファーニッシュを塗布することができる。次いで、繊維ファーニッシュを脱水して、湿潤な繊維ウェブを提供する。繊維ファーニッシュは、テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域にキャスト成形され得る。この場合、キャスト成形とは、好ましくは非接触堆積法を使用することにより、繊維ファーニッシュがテクスチャ表面領域に(間接的又は直接的に)堆積されることを意味する。キャスト成形としては、カーテン又はスロットダイタイプの供給、スプレー、ロール又はロッドなど、湿潤なファーニッシュを表面領域に塗布するためのさまざまな方法を挙げることができる。
【0031】
脱水は、機械的プレス又はろ過などの機械的脱水及び蒸発の両方を介して行われることが好ましいプロセスである。もちろん、機械的脱水では水の除去においてエバポレーションよりも費用対効果が高いため、機械的脱水の方が好ましい。また、機械的脱水により、テクスチャ表面領域への接触が良好になり、表面領域のテクスチャがフィルム又はウェブに写され得ることが確実となる。機械的脱水のもう1つの利点は、加えられた圧力(負又は正)によってウェブが緻密化され、最終的なバリア特性が増進されることである。ほとんどの水は機械的に除去されるが、高温で脱水を行ってもよい。真空又は毛管現象ベースの脱水は、機械的脱水として別々に又は同時に使用することもできる。脱水工程は、音波又は超音波法を適用することによって促進することもできる。機械的脱水にも限界があるため、残りの水は蒸発によって除去することが好ましい。この場合、基材は照射又は対流によって、あるいは熱風又は蒸気を加えることによって加熱される。
【0032】
テクスチャ表面領域に塗布された際の繊維ファーニッシュの好ましい乾燥含有量は、好ましくは0.1~50重量%、より好ましくは0.5~30重量%、最も好ましくは1~25重量%である。一実施形態において、テクスチャ表面領域に塗布された際の繊維ファーニッシュの乾燥含有量は、0.1~30重量%、1~20重量%、1~15重量%、又は1~10重量%である。
【0033】
テクスチャ表面領域に繊維ファーニッシュを塗布する代わりに、前記テクスチャ基材のコーティングされたテクスチャ表面領域に湿潤な繊維ウェブを付着させることもできる。この代替案では、テクスチャ表面領域に付着された際に、湿潤な繊維ウェブがすでに成形されている。この代替案により、ウェブ成形手順の自由度が高まる。
【0034】
テクスチャ表面領域に付着させた際の湿潤な繊維ウェブの乾燥含有量は、好ましくは5~90重量%、より好ましくは8~80重量%、最も好ましくは10~60重量%である。湿潤な又は湿ったウェブは、成形ユニットからプレス及び乾燥セクションへと移すことができるように、好ましくは所与の湿潤強度を有する。
【0035】
一実施形態において、繊維ファーニッシュは、セルロースファイバー、通常ナノセルロースファイバーの水性懸濁液である。したがって、一実施形態において、繊維ウェブは、セルロースファイバー、好ましくはナノセルロースファイバーを含む。
【0036】
本発明は、セルロースファイバーを含み得るウェブ、好ましくはナノセルロースを含み得るウェブ(すなわち、ナノセルロースウェブ)を提供する。ナノセルロースとは、本技術の文脈において、少なくとも1つの寸法、好ましくは直径が1,000nm未満のナノスケールのセルロースファイバー又はフィブリルを意味するものとする。ナノセルロース懸濁液はまた、部分的にフィブリル化された、又はフィブリル化されていないセルロース若しくはリグノセルロースファイバーを含み得る。セルロースファイバーは、好ましくは、溶媒交換及び凍結乾燥された材料について、BET法で測定した場合、成形されたナノセルロースの最終比表面積が、約1~約300m2/g、例えば10~200m2/g、より好ましくは50~200m2/gである程度までフィブリル化されている。ナノセルロースの平均フィブリル直径は、1~1,000nm、好ましくは10~1,000nmである。ナノセルロースは、高分解能SEM又はESEM画像を分析することによって特性決定することができる。
【0037】
繊維ウェブは、ウェブの総固形分含有量に基づいて、0.01~100重量%の量のナノセルロースを含み得る。好適には、ウェブ中のナノセルロース含有量は、コーティングなしのウェブの総固形分含有量に基づいて、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%である。一実施形態において、ナノセルロースウェブは、総固形分含有量に基づいて、最大50重量%、例えば最大30重量%、好適には最大20重量%の、平均フィブリル直径が1,000nmを超える、部分的にフィブリル化された、又はフィブリル化されていないセルロース若しくはリグノセルロースファイバーを含む。
【0038】
シングルパス又はマルチプルパスリファイニング、前加水分解及びそれに続くリファイニング、又はフィブリルの高剪断解繊若しくは分離などの、ナノセルロースを作製するためのさまざまな方法が存在する。ナノセルロースの製造を、エネルギー効率が高くかつ持続可能にするためには、通常、1つ又は複数の前処理工程が必要である。したがって、供給されるパルプのセルロースファイバーは、例えば、ヘミセルロース又はリグニンの量を減らすために、酵素的又は化学的に前処理され得る。セルロースファイバーは、フィブリル化の前に化学修飾することができ、ここで、セルロース分子は、元のセルロースに見られるもの以外の(又はそれ以上の)官能基を含有する。そのような基としては、とりわけ、カルボキシメチル、アルデヒド及び/又はカルボキシル基(N-オキシル触媒酸化、例えば、「TEMPO」によって得られるセルロース)、又は第四級アンモニウム(カチオン化セルロース)が挙げられる。上記方法のうちの1つで修飾又は酸化された後、繊維をナノセルロースに解繊することはより容易である。
【0039】
ナノセルロースには、一部のヘミセルロースが含有されている場合があり、その量は植物源に依存する。前処理された繊維、例えば加水分解された、予め膨潤された、又は酸化されたセルロース原料の機械的解繊は、リファイナー、グラインダー、ホモジナイザー、コロイダー、フリクショングラインダー、超音波処理装置、一軸若しくは二軸押出機、マイクロフルイダイザー、マクロフルイダイザーなどのフルイダイザー、又はフルイダイザー型ホモジナイザーなどの好適な装置を用いて実施される。ナノセルロースの製造方法によっては、製品に微粉若しくはナノ結晶セルロース、又は、例えば木材繊維若しくは製紙プロセスにおいて存在する他の化学物質も含有されている場合がある。製品には、効率的にフィブリル化されていないさまざまな量のミクロンサイズの繊維粒子も含有されている場合がある。
【0040】
ナノセルロースは、広葉樹繊維又は針葉樹繊維のいずれの木材セルロースファイバーからも製造することができる。ナノセルロースはまた、微生物原料、麦わらパルプ、竹、バガスなどの農業用繊維、又はその他の非木材繊維原料からも作製することができる。ナノセルロースは、好ましくは、未使用の繊維由来のパルプ、例えば機械的、化学的及び/又は熱機械的パルプを含むパルプから作製される。ナノセルロースはまた、損紙又は再生紙、すなわち消費前及び消費後の廃棄物からも作製することができる。
【0041】
ナノセルロースは天然(すなわち、化学的に非修飾)であってもよく、又は化学的に修飾されていてもよい。リン酸化ナノセルロースは、通常、NH4H2PO4、水、及び尿素の溶液に浸漬させたセルロースファイバーを反応させ、続いて繊維をフィブリル化することによって得られる。1つの特定の方法は、セルロースパルプ繊維の水懸濁液を準備し、前記水懸濁液中のセルロースパルプ繊維をリン酸化剤でリン酸化し、続いて当技術分野において一般的な方法でフィブリル化することを含む。好適なリン酸化剤としては、リン酸、五酸化リン、オキシ塩化リン、リン酸水素二アンモニウム、及びリン酸二水素ナトリウムが挙げられる。
【0042】
ウェブ、及び得られる繊維ファーニッシュには、他のセルロース成分も含まれる場合がある。
【0043】
ナノセルロースウェブの利点の1つは、可視光を透過できることである。したがって、好ましくは、ナノセルロースウェブは、標準規格DIN53147に従って、坪量約30gsmのウェブについて測定した場合、70%超、好ましくは75%超、より好ましくは80%超の透過率を有する。ナノセルロースウェブは、可視光に対しては高い透過率を有し、UV光に対しては低い透過率を有することができることに留意されたい。ただし、透過率はコーティングの影響を受ける場合がある。
【0044】
ウェブ/繊維ファーニッシュには、コーティングなしのウェブの総固形分含有量に基づいて1~30重量%の範囲の、ナノ充填剤などの1つ又は複数の充填剤も含まれる場合がある。典型的なナノ充填剤は、ナノクレイ、ベントナイト、シリカ又はケイ酸塩、炭酸カルシウム、タルカムなどであり得る。好ましくは、充填剤の少なくとも一部は板状充填剤である。好ましくは、充填剤の1つの寸法は、1nm~10μmの平均厚さ又は長さを有するべきである。例えば、光散乱技術を使用して充填剤の粒子径分布を決定する場合、好ましい粒子径は、90%超が2μm未満であるべきである。
【0045】
ウェブ/繊維ファーニッシュには、セルロース誘導体、又は天然デンプン、若しくは例えばカチオン性デンプン、非イオン性デンプン、アニオン性デンプン又は両性デンプンなどの加工デンプンなどの強化剤も含有される場合がある。強化剤はまた、合成ポリマーであってもよい。さらなる実施形態において、ナノセルロースウェブ/繊維ファーニッシュには、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、シリカ、ナノクレイ、ミョウバン、PDADMAC、PEI、PVAmなどの保持及び脱水用化学物質も含有される場合がある。さらに別の実施形態において、ウェブ/繊維ファーニッシュには、染料又は蛍光増白剤、消泡剤、湿潤強度樹脂、殺生物剤、疎水性剤、バリア性化学物質、可塑剤、保湿剤などの、他の典型的なプロセスケミカル又は機能化学品も含有される場合がある。懸濁液の粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて、40℃で100rpmにおいて測定した場合、好ましくは20cPより高く、より好ましくは40cPより高く、最も好ましくは60cPより高い。より高い粘度(より高い温度で)により、湿潤なウェブ(ファーニッシュ)と表面のコーティング層との混合が低減又は防止される。
【0046】
繊維ファーニッシュのpHは限定されないが、好ましくは4~10、より好ましくは5~9である。テクスチャ基材のコーティングされた表面領域における繊維ファーニッシュのキャスティングは、好適には、10~90℃、より好ましくは20~70℃の温度で行われる。
【0047】
ウェブ/繊維ファーニッシュには、カルボキシメチル化ナノセルロースなどのカチオン性又はアニオン性ナノセルロースが含まれる場合がある。一実施形態において、カチオン性又はアニオン性ナノセルロースは、ナノセルロース総量の50重量%未満の量で、好ましくは40重量%未満の量で、より好ましくは30重量%未満の量で存在する。
【0048】
繊維ウェブは、乾燥時に1~80gsm、好ましくは10~50gsm、例えば10~40gsmの坪量を有する。特定の用途では、坪量は小さく、例えば、0.1~20gsm、より好ましくは0.1~10gsmでさえあり得る。
【0049】
次いで、前記コーティング剤の少なくとも一部が前記繊維ウェブに移るように、(前述の選択肢のいずれかによる)湿潤な繊維ウェブを乾燥させる。これは
図1に概略が示されている。乾燥工程は、60℃より高い、好ましくは80℃より高い、より好ましくは90℃より高い温度、かつ400℃未満の温度で行うことができる。乾燥工程は、好適には、コーティング成分のうち少なくとも1つの融点より高い温度、例えば、ワックス、ロジン、アルキルケテンダイマー又は脂肪酸樹脂の融点より高い温度で行われる。好ましい温度範囲は、コーティング成分が繊維ウェブに移るような温度範囲である。
【0050】
プロセスパラメータによっては、繊維ウェブがテクスチャ表面領域から一部のテクスチャを得る場合がある。したがって、本発明の方法の一態様において、コーティングされた繊維ウェブは、コーティングされたテクスチャ繊維ウェブである。テクスチャ表面領域から繊維ウェブへテクスチャが付与される(物理的テクスチャ効果)かどうかに影響を与えるプロセスパラメータは、例えば、テクスチャ表面領域と繊維ウェブとの接触時間、乾燥温度、機械的脱水の使用、コーティング剤の量及びコーティング剤の種類であり得る。例えば、テクスチャ表面領域のテクスチャの凹部がコーティング剤によって完全に覆われている/充填されている場合、物理的テクスチャ効果はあまり明白ではない場合がある。ただし、コーティング剤又は非常に低粘度の化学物質によって、テクスチャ表面領域のテクスチャの凹部が完全に覆われていない/充填されていない(例えば、50%覆われて/充填されている)場合、化学的及び物理的テクスチャ効果の両方が得られる場合がある。
【0051】
したがって、プロセスパラメータによっては、繊維ウェブはテクスチャ表面領域からテクスチャが得られないか、本質的に得られない場合があるが、テクスチャ表面領域のテクスチャは、繊維ウェブにおける改善されたコーティング、例えば、薄く均一なコーティングの提供を可能にするためだけに、又は主に利用される。したがって、本発明の方法における別の態様において、コーティングされた繊維ウェブは、テクスチャ表面領域から得られたテクスチャのない(すなわち、物理的テクスチャ効果によって得られたテクスチャのない)、コーティングされた繊維ウェブである。ただし、コーティングは均一な又は非平坦な化学的効果をもたらす場合がある。
【0052】
繊維ファーニッシュ又は湿潤な繊維ウェブは、好適には、コーティング剤の適切な接触及び移動を確実にするために、マシン方向において少なくとも2m、好ましくは少なくとも5mの長さにおいて、テクスチャ表面領域と接触している。そのような接触は、少なくとも1つのプレス又は脱水繊維を使用してウェブを同時に乾燥させることができるように、外圧の助けを借りて行われる。
【0053】
本方法を使用すると、コーティング剤と繊維ウェブとの接触時間が長くなる。好適には、ニップ長さは、0.2m超、好ましくは0.5m超、最も好ましくは1.0m超である。これにより、コーティング剤と繊維ウェブとのいわゆる「エクステンデッドニップ」又は接触時間がもたらされる。すべての従来の衝撃コーティングでは、コーティングによる衝撃の長さ/時間は非常に短い。
【0054】
最後に、前記テクスチャ表面領域からコーティングされた繊維ウェブを取り外し、それによってコーティングされた繊維ウェブを提供する。その際にウェブに移るコーティング剤の量は、コーティング剤、乾燥方法などに依存する。例えば、ウェブに移るコーティング剤の量は、テクスチャ表面領域に塗布されたコーティング剤の20~100%、20~99%、20~90%、20~80%、又は30~70%であり得る。したがって、ウェブに移るコーティング剤の量は、例えば、テクスチャ表面領域に塗布されたコーティング剤の100%、99%、90%、80%、又は70%であり得る。
【0055】
繊維ウェブは通常、500mm超、好ましくは1,000mm超、より好ましくは1,500mm超の、テクスチャ基材の横方向における幅を有する。コーティングされた繊維ウェブは、好適には、透明又は半透明である。
【0056】
得られるコーティングされた繊維ウェブは、UVバリア、オイル及びグリースバリア、酸素バリア、アロマバリア及び水蒸気バリア、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのバリア特性を有するべきである。繊維ウェブは、フィルムであり得る。すなわち、得られる製品は、ナノセルロースフィルムなどのセルロースフィルムであり得る。
【0057】
本技術は、ナノセルロースウェブの製造、又は、好ましくはナノセルロースを含有するウェブのエクステンデッドニップ(ベルト)脱水又はカレンダー加工を使用する場合に適用することができる。本技術は、他のセルロースベースのウェブにも使用することができる。
【0058】
過剰なコーティング剤は、例えばロッド又はドクターブレードを使用して、本発明の方法の工程c又は工程dの前にテクスチャ表面領域から除去することができる。
【0059】
本発明を多くの実施形態に関連して説明してきたが、これらは本発明を限定すると考えられるべきではない。当業者は、必要に応じてさまざまな態様及び実施形態を組み合わせることにより、請求項に含まれる他の実施形態を提供することができる。
【国際調査報告】