(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(54)【発明の名称】密閉型モータのためのハイブリッド冷却システム
(51)【国際特許分類】
H02K 9/20 20060101AFI20230217BHJP
【FI】
H02K9/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538104
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 US2020066060
(87)【国際公開番号】W WO2021127471
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521301840
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・タイコ・アイピー・ホールディングス・エルエルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】スネル,ポール・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ハイジー,マシュー・リー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルゲムス,タイラー・アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB01
5H609BB14
5H609BB19
5H609PP02
5H609PP05
5H609PP06
5H609PP17
5H609QQ03
5H609QQ08
5H609RR26
5H609RR31
(57)【要約】
密閉型モータのためのハイブリッド冷却システムは、蒸気流を受容するモータハウジング内の環状空洞と、液体流を受容するモータハウジング内のアニュラスと、を含む。ハイブリッド冷却システムは、環状空洞およびアニュラスに隣接して配置されたスリーブを含み、そこでは、半径方向開口部がスリーブを通って画定されている。ハイブリッド冷却システムは、スリーブによって少なくとも部分的に取り囲まれた固定子と、固定子と回転子との間に画定された間隙と、スリーブの半径方向開口部を通る環状空洞からの蒸気流を受容して、蒸気流を間隙に方向付けるように構成された固定子の通気口溝と、を含む。ハイブリッド冷却システムは、固定子に接触する液体流から生成された気化した蒸気流、およびモータハウジングから出る蒸気流を方向付けるように構成されたモータハウジング内の出口経路を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉型モータのためのハイブリッド冷却システムであって、
モータハウジング内の環状空洞であって、主冷媒回路からの蒸気流を受容するように構成された、環状空洞と、
前記モータハウジング内の少なくとも1つのアニュラスであって、前記主冷媒回路からの液体流を受容するように構成された、少なくとも1つのアニュラスと、
前記環状空洞および前記少なくとも1つのアニュラスに隣接する前記モータハウジング内に配置されたスリーブであって、少なくとも1つの半径方向開口部が、前記スリーブを通って画定されており、前記環状空洞と流体連通している、スリーブと、
前記スリーブによって少なくとも部分的に取り囲まれた固定子と、
前記密閉型モータの前記固定子と回転子との間に画定された間隙と、
前記スリーブの前記少なくとも1つの半径方向開口部を通る、前記環状空洞からの前記蒸気流を受容し、前記蒸気流を前記間隙に方向付けるように構成された前記固定子の通気口溝と、
前記固定子に接触する前記液体流から生成された気化した蒸気流、および前記モータハウジングから出る前記蒸気流を方向付けるように構成された前記モータハウジング内の出口経路と、を備える、密閉型モータのためのハイブリッド冷却システム。
【請求項2】
前記モータハウジングが、前記間隙から前記蒸気流を受容し、前記気化した蒸気流を受容するように構成された主空洞を備え、前記モータハウジングが、前記蒸気流および前記気化した蒸気流を前記主冷媒回路の圧縮器に方向付けるように構成された通気口を備える、請求項1に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項3】
前記蒸気流は、前記蒸気流が前記間隙を出た後に、前記主空洞内で前記気化した蒸気流と混合するように構成されている、請求項2に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項4】
前記気化した蒸気流が、前記間隙の上流端と下流端との間に画定された前記間隙の全長を横切るように構成されており、前記蒸気流が、前記通気口溝と前記間隙の前記下流端との間に画定された前記間隙の部分長を横切るように構成されている、請求項1に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項5】
前記モータハウジングの前記少なくとも1つのアニュラスが、
前記スリーブの第1の軸方向端部を少なくとも部分的に取り囲み、前記液体流のうちの第1の液体流を、前記スリーブの前記第1の軸方向端部を通って、かつ前記固定子の第1の端部に方向付けるように構成された第1のアニュラスであって、前記固定子の前記第1の端部が、前記第1の液体流を、前記気化した蒸気流のうちの第1の気化した蒸気流内に気化させるように構成されている、第1のアニュラスと、
前記スリーブの第2の軸方向端部を少なくとも部分的に取り囲み、前記液体流のうちの第2の液体流を、前記スリーブの前記第2の軸方向端部を通って、かつ前記固定子の第2の端部に方向付けるように構成された第2のアニュラスであって、前記固定子の前記第2の端部が、前記第2の液体流を、前記気化した蒸気流のうちの第2の気化した蒸気流内に気化させるように構成されている、第2のアニュラスと、を備える、請求項1に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項6】
前記第1の液体流および前記第2の液体流が、前記主冷媒回路の凝縮器のすぐ下流に配置された三方弁から前記モータハウジングに方向付けられている、請求項5に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項7】
前記蒸気流が、前記主冷媒回路の凝縮器から前記モータハウジングに方向付けられている、請求項1に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項8】
前記蒸気流が、前記主冷媒回路の圧縮器の吐出部分から前記モータハウジングに方向付けられている、請求項1に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項9】
前記スリーブを通って画定された前記少なくとも1つの半径方向開口部が、複数の半径方向開口部を備え、前記固定子が、前記通気口溝を含む複数の通気口溝を備え、前記複数の通気口溝が、前記複数の半径方向開口部と整列して、前記蒸気流のそれぞれの部分が、前記複数の半径方向開口部のうちの対応する半径方向開口部、および前記複数の通気口溝のうちの対応する通気口溝を通って、前記間隙に入ることを可能にする、請求項1に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項10】
前記環状空洞が、前記スリーブの全周の周りに延在して、前記蒸気流が、前記モータハウジングおよび前記スリーブの前記全周に熱を伝達することを可能にする、請求項1に記載のハイブリッド冷却システム。
【請求項11】
暖房、換気、空調、および冷房(HVAC&R)システムの圧縮器のための密閉型モータであって、
前記圧縮器を駆動する回転子の回転を引き起こすように構成された固定子であって、通気口溝が、前記固定子の半径方向外向き表面を、前記固定子と前記回転子との間に画定された環状間隙に流体結合するために、前記固定子の中央部分を通って画定されている、固定子と、
前記固定子の前記半径方向外向き表面の一部分を円周方向に取り囲むスリーブと、
前記固定子および前記スリーブの周りに配置されたモータハウジングと、を備え、前記モータハウジングが、
前記スリーブに各々隣接する第1のアニュラスおよび第2のアニュラスであって、前記第1のアニュラスおよび前記第2のアニュラスが、それぞれの液体流を、前記スリーブを通って前記固定子に方向付けるように各々構成されている、第1のアニュラスおよび第2のアニュラスと、
前記スリーブに隣接する環状チャンバであって、前記環状チャンバが、前記第1のアニュラスと前記第2のアニュラスとの間に軸方向に位置付けられており、前記環状チャンバが、前記環状チャンバから、前記スリーブおよび前記通気口溝を通って、かつ前記環状間隙内に蒸気流を方向付けるように構成されている、環状チャンバと、を画定する、密閉型モータ。
【請求項12】
前記スリーブが、前記スリーブの本体を通して画定され、前記蒸気流が前記スリーブを通って移動することを可能にするために、前記通気口溝に半径方向中心に置かれた少なくとも1つの半径方向開口部を備える、請求項11に記載の密閉型モータ。
【請求項13】
前記モータハウジングが、前記HVAC&Rシステムの主冷媒回路の凝縮器の上部部分から前記蒸気流を受容するように構成されており、前記モータハウジングが、前記凝縮器の吐出部分から前記第1のアニュラスおよび前記第2のアニュラスの前記それぞれの液体流を受容するように構成されている、請求項11に記載の密閉型モータ。
【請求項14】
前記スリーブが、前記スリーブの本体を通って画定された第1の半径方向開口部と、第2の半径方向開口部と、を備え、前記第1の半径方向開口部が、前記固定子の第1の端部と半径方向に整列して、前記第1のアニュラスの前記それぞれの液体流が、前記スリーブを通って前記固定子の前記第1の端部に移動することを可能にし、前記第2の半径方向開口部が、前記固定子の第2の端部と半径方向に整列して、前記第2のアニュラスの前記それぞれの液体流が、前記スリーブを通って前記固定子の前記第2の端部に移動することを可能にする、請求項11に記載の密閉型モータ。
【請求項15】
前記モータハウジングが、前記第2のアニュラスの前記それぞれの液体流を前記固定子に方向付けるように構成されており、前記第2のアニュラスの前記それぞれの液体流が、気化した蒸気流に気化するようになっており、前記固定子が、前記気化した蒸気流を方向付け、前記環状間隙に沿って前記蒸気流と混合するように構成されている、請求項14に記載の密閉型モータ。
【請求項16】
前記モータハウジングが、前記第1のアニュラスおよび前記第2のアニュラスの前記それぞれの液体流を方向付けるように構成されており、前記第1のアニュラスおよび前記第2のアニュラスの前記それぞれの液体流が、気化した蒸気流に気化するようになっており、前記モータハウジングが、前記気化した蒸気流および前記蒸気流を前記モータハウジングから、かつ前記HVAC&Rシステムの蒸発器に向けて方向付けるように構成された通気口を画定する、請求項11に記載の密閉型モータ。
【請求項17】
前記通気口が、前記モータハウジングと前記蒸発器との間の圧力差に基づいて、前記気化した蒸気流、および前記モータハウジングからの前記蒸気流を方向付けるように構成されている、請求項16に記載の密閉型モータ。
【請求項18】
暖房、換気、空調、および冷房(HVAC&R)システムであって、
直列に結合された圧縮器、凝縮器、膨張装置、および蒸発器を備える、主冷媒回路であって、前記主冷媒回路の高圧側が、前記圧縮器の出口と前記膨張装置の入口との間に画定されている、主冷媒回路と、
前記圧縮器を駆動するように構成されたモータと、
ハイブリッド冷却システムであって、前記主冷媒回路の前記高圧側から前記密閉型モータに蒸気流を方向付け、前記凝縮器から前記密閉型モータに液体流を方向付け、前記モータから前記蒸発器に加温された冷媒を方向付けるように構成された冷却冷媒回路と、
前記第1のアニュラス、第2のアニュラス、および前記第1のアニュラスと前記第2のアニュラスとの間に軸方向に位置付けられた環状チャンバを画定する前記モータのハウジングであって、前記第1のアニュラスおよび前記第2のアニュラスは、前記冷却冷媒回路から前記液体流を受容して、前記液体流を前記密閉型モータの固定子に方向付けるように各々構成されており、前記環状チャンバが、前記冷却冷媒回路から前記蒸気流を受容して、前記蒸気流を前記密閉型モータの前記固定子と回転子との間の間隙に方向付けるように構成されている、前記モータのハウジングと、を備える、ハイブリッド冷却システムと、を備える、暖房、換気、空調、および冷蔵(HVAC&R)システム。
【請求項19】
前記ハイブリッド冷却システムが、前記固定子と、前記環状チャンバに隣接する前記固定子の少なくとも一部分の周りに配置されたスリーブと、を備え、前記スリーブが、複数の半径方向穴を画定し、前記固定子の前記少なくとも一部分が、前記複数の半径方向穴と前記間隙との間に延在する複数の通気口溝を画定し、前記蒸気流が、前記環状チャンバから前記間隙に移動することを可能にする、請求項18に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項20】
前記主冷媒回路の前記高圧側が、前記凝縮器の上部部分、前記圧縮器の吐出部分、または前記凝縮器と前記膨張装置との間に配置されている前記主冷媒回路のフラッシュタンクエコノマイザを備える、請求項18に記載のHVAC&Rシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本項は、以下に記載される本開示の様々な態様に関連し得る、当該技術の様々な態様を読者に紹介することを意図する。本考察は、本開示の様々な態様のより良い理解を容易にするために、読者に背景情報を提供するのに役立つと考えられる。したがって、これらの記載は、この観点から読むべきものであって、先行技術を承認するものとして読むべきものではないと、理解すべきである。
【0002】
冷却サイクルの圧縮器は、モータによって回転され得るシャフトによって駆動される。シャフトに結合されたモータの回転子の回転を駆動する一連の巻線によって形成されたモータの固定子を電流が通過するにつれて、熱(例えば、熱エネルギ)が発生し得る。回転子および固定子は、モータハウジング内に収容されており、モータの動作により熱が発生するにつれて、温度上昇を経験し得る。いくつかの圧縮器では、回転子は電磁軸受によって支持され得、電磁軸受が熱を発生させ、モータハウジング内の温度をさらに増加させ得る。したがって、冷却システムを介して冷却流体をモータに供給して、熱を除去し、過熱によって生じるモータの性能低下または運転停止を回避し得る。残念ながら、一部の冷却システムによって供給される冷却流体は、モータ内に大きい温度勾配(コールドスポット、ホットスポットなど)を発生させ得る。例えば、冷却流体は、冷却された液体であり得、これは時折、モータのハウジングを過冷却し、ハウジングの外部上に結露を発生させ得る。外観上の問題に加えて、水の結露は、ハウジングの外側上に位置する電子部品に信頼性の問題をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に開示される特定の実施形態の概要が、以下に記載されている。これらの態様は、読者に、これらの特定の実施形態の簡潔な概要を提供するためにのみ提示されるものであり、これらの態様は、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。実際、本開示は、以下に記載されない可能性のある様々な態様を包含し得る。
【0004】
一実施形態では、密閉型モータのためのハイブリッド冷却システムは、モータハウジング内に環状空洞を含む。環状空洞は、主冷媒回路からの蒸気流を受容するように構成されている。ハイブリッド冷却システムは、モータハウジング内に少なくとも1つのアニュラスを含む。少なくとも1つのアニュラスは、主冷媒回路からの液体流を受容するように構成されている。ハイブリッド冷却システムはまた、環状空洞および少なくとも1つのアニュラスに隣接してモータハウジング内に配置されたスリーブを含む。少なくとも1つの半径方向開口部は、スリーブを通って、かつ環状空洞と流体連通するように画定されている。ハイブリッド冷却システムはまた、スリーブによって少なくとも部分的に囲まれた固定子、ならびに密閉型モータの固定子と回転子との間に画定された間隙を含む。追加的に、ハイブリッド冷却システムは、スリーブの少なくとも1つの半径方向開口部を通る環状空洞からの蒸気流を受容して、蒸気流を間隙に方向付けるように構成された固定子の通気口溝を含む。ハイブリッド冷却システムはまた、固定子に接触する液体流から生成された気化した蒸気流、およびモータハウジングから出る蒸気流を方向付けるように構成されたモータハウジング内の出口経路を含む。
【0005】
別の実施形態では、暖房、換気、空調、および冷房(HVAC&R)システムの圧縮器のための密閉型モータは、圧縮器を駆動する回転子の回転を引き起こすように構成された固定子を含む。通気口溝は、固定子の半径方向外向きの表面を固定子と回転子の間に画定された環状間隙に流体結合するように固定子の中央部分を通して画定されている。密閉型モータは、固定子の半径方向外向きの表面の一部分を円周方向に取り囲むスリーブと、固定子およびスリーブの周りに配置されたモータハウジングと、を含む。モータハウジングは、各々がスリーブに隣接する第1のアニュラスおよび第2のアニュラスを画定する。第1のアニュラスおよび第2のアニュラスは、スリーブを通って固定子にそれぞれの液体流を方向付けるように、各々構成されている。モータハウジングはまた、スリーブに隣接する環状チャンバも画定する。環状チャンバは、第1のアニュラスと第2のアニュラスとの間に軸方向に位置付けられている。環状チャンバは、環状チャンバからの蒸気流をスリーブおよび通気口溝を通って、環状間隙内に方向付けるように構成されている。
【0006】
別の実施形態では、暖房、換気、空調、および冷房(HVAC&R)システムは、直列に結合された圧縮器、凝縮器、膨張装置、および蒸発器を含む主冷媒回路を含む。主冷媒回路の高圧側は、圧縮器の出口と膨張装置の入口の間に画定されている。HVAC&Rシステムは、圧縮器を駆動するように構成されたモータとハイブリッド冷却システムを含む。ハイブリッド冷却システムは、主冷媒回路の高圧側からの蒸気流を密閉型モータに方向付け、凝縮器からの液体流を密閉型モータに方向付け、モータからの加温された冷媒を蒸発器に方向付けるように構成された冷却冷媒回路を含む。ハイブリッド冷却システムはまた、第1のアニュラス、第2のアニュラス、および第1のアニュラスと第2のアニュラスとの間に軸方向に位置付けられた環状チャンバを画定するモータのハウジングも含む。第1のアニュラスおよび第2のアニュラスは、冷却冷媒回路からの液体流を受容して、液体流を密閉型モータの固定子に方向付けるように各々構成されている。環状チャンバは、冷却冷媒回路からの蒸気流を受容して、蒸気流を密閉型モータの固定子と回転子の間の間隙に方向付けるように構成されている。
【0007】
本出願の他の特徴および利点は、例として、本出願の原理を例示する添付の図面と併せて、実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【0008】
本開示の様々な態様は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによってより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一態様による、商業的環境において暖房、換気、空調、および冷房(HVAC&R)システムを利用し得る建物の一実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示の一態様による、蒸気圧縮システムの一実施形態の斜視図である。
【
図3】本開示の一態様による、
図2の蒸気圧縮システムの一実施形態の概略図である。
【
図4】本開示の一態様による、
図2の蒸気圧縮システムの一実施形態の概略図である。
【
図5】本開示の一態様による、凝縮器から冷媒蒸気を受容するハイブリッド冷却システムを利用する密閉型モータを有する蒸気圧縮システムの一実施形態の概略図である。
【
図6】本開示の一態様による、圧縮器から冷媒蒸気を受容するハイブリッド冷却システムを利用する密閉型モータを有する蒸気圧縮システムの一実施形態の概略図である。
【
図7】本開示の一態様による、ハイブリッド冷却システムを含む
図5または
図6の密閉型モータの一実施形態の断面側面図である。
【
図8】本開示の一態様による、
図7の密閉型モータの一実施形態の部分断面側面図であり、冷媒蒸気入口および2つの冷媒液体入口を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つ以上の具体的な実施形態が、以下に記載される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装例のすべての特徴が、本明細書に記載されているわけではない。任意のエンジニアリングまたは設計プロジェクトにおけるように、任意のそのような実際の実装例の開発では、実装例ごとに異なり得るシステム関連およびビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために、多くの実装例固有の決定がなされなければならないことを理解されたい。さらに、そのような開発努力は、複雑かつ時間がかかるものであり得るが、それにもかかわらず、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては、設計、製作、および製造の決まりきった仕事であろうことを理解されたい。
【0011】
本開示の実施形態は、モータ(例えば、密閉型モータ、電気モータ)の温度を制御するハイブリッド冷却システムを有する暖房、換気、空調、および冷房(HVAC&R)システムを対象とし、該モータは、HVAC&Rシステムの圧縮器を駆動するために利用されている。圧縮器を駆動するために、電流がモータの固定子を介して方向付けられ、これがモータの回転子を回転させ、回転子と圧縮器の間に結合されたシャフトを介して圧縮器の構成要素の回転を生成する。モータは、例えば、モータに供給される電流からの巻線抵抗と渦電流損失の結果として、運転中に熱を生成する。モータによって生成された熱は、熱エネルギとしてモータハウジングに伝達され得、それによって、モータの温度が上昇する。したがって、冷却システムはモータハウジングに結合されて、熱エネルギを吸収して、モータの温度を低減し得るか、またはモータを冷却し得る。いくつかの実施形態では、冷却システムは、HVAC&Rシステムの主冷媒回路からモータハウジング内に冷媒を循環させて、モータハウジング内の熱エネルギを吸収する。例えば、冷媒(例えば、冷却システムの冷却流体)は、HVAC&Rシステムの凝縮器からモータハウジング内に方向付けられて、モータの運転中に生成された熱エネルギを吸収し得る。冷媒は、次いで、モータハウジングからHVAC&Rシステムの主冷媒回路に戻るように方向付けられ得る。
【0012】
液体として冷媒をモータハウジングに供給するだけで、HVAC&Rシステムの運転範囲が、冷媒液体によってモータが好適に冷却される運転モードに制限され得ることが、ここで認識されている。追加的に、ここで、ある状況では、冷媒液体がモータハウジングを(例えば、露点を下回って)過冷却し、モータハウジングの外面に結露が蓄積するのを可能にし得ることが認識されている。そのため、本開示は、モータおよびそのモータハウジングの温度を効率的に制御するために、冷媒蒸気(例えば、冷却蒸気)および冷媒液体(例えば、冷却流体)の両方を、それぞれの入口ポートを介してモータに送達するハイブリッド冷却システムを導入する。例えば、ハイブリッド冷却システムは、モータの固定子の第1の端部にある第1の入口ポートと、固定子の第2の端部にある第2の入口ポートと、第1と第2の入口ポートの間に位置付けられた第3の入口ポートと、を含む。ハイブリッド冷却システムは、第1および第2の入口ポートを通して冷媒液体を方向付け(例えば、注入し)、かつ、さらに、第3の入口ポートを介して固定子を囲むジャケット(例えば、環状チャンバ、加熱ジャケット)に冷媒蒸気を方向付ける。冷媒液体がモータから熱を吸収すると、一部の液体冷媒が気化して蒸気になり、回転子と固定子の間の間隙に沿って移動し得る。モータの構成要素の温度を調整することに加えて、冷媒蒸気は、間隙に沿った蒸気の流れを増強または増加させ、回転子および固定子の温度分布をさらに改善または均等化し得る。そのため、ハイブリッド冷却システムは、モータの効率を増加させ得、モータの過冷却および/または外部結露を低減すると同時に、圧縮器および/またはHVAC&Rシステムの動作範囲を拡大する。
【0013】
ここで図面に目を向けると、
図1は、典型的な商業的環境のための建物12内の暖房、換気、空調、および冷房(HVAC&R)システム10の環境の一実施形態の斜視図である。HVAC&Rシステム10は、建物12を冷却するために使用され得る、冷却された液体を供給する蒸気圧縮システム14を含み得る。HVAC&Rシステム10はまた、建物12を暖房するために暖かい液体を供給するためのボイラ16と、建物12を通して空気を循環させる空気分配システムと、を含み得る。空気分配システムはまた、空気戻りダクト18、空気供給ダクト20、および/または空気ハンドラ22を含み得る。いくつかの実施形態では、空気ハンドラ22は、導管24によってボイラ16および蒸気圧縮システム14に接続されている熱交換器を含み得る。空気ハンドラ22内の熱交換器は、HVAC&Rシステム10の動作モードに応じて、ボイラ16からの加熱された液体、または蒸気圧縮システム14からの冷却された液体のいずれかを受容し得る。HVAC&Rシステム10は、建物12の各フロアに別個の空気ハンドラを伴って示されているが、他の実施形態では、HVAC&Rシステム10は、フロア間で共有され得る空気ハンドラ22および/または他の構成要素を含み得る。
【0014】
図2および
図3は、HVAC&Rシステム10内で使用され得る蒸気圧縮システム14の実施形態である。蒸気圧縮システム14は、圧縮器32から始まる回路を通して冷媒を循環させ得る。この回路はまた、凝縮器34と、膨張弁または膨張装置36と、液体チラーまたは蒸発器38と、を含み得る。蒸気圧縮システム14は、アナログ-デジタル(A/D)変換器42、マイクロプロセッサ44、不揮発性メモリ46、および/またはインターフェースボード48を有する制御パネル40をさらに含み得る。
【0015】
蒸気圧縮システム14内で冷媒として使用され得る流体のいくつかの例は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒、例えば、R-410A、R-407、R-134a、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、アンモニア(NH3)、R-717、二酸化炭素(CO2)、R-744のような「天然」冷媒、または炭化水素系冷媒、水蒸気、もしくは任意の他の好適な冷媒である。いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、R-134aなどの中圧冷媒と比較して、低圧冷媒とも称される、1大気圧で摂氏約19度(華氏66度)の標準沸点を有する冷媒を効率的に利用するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「標準沸点」は、1大気圧で測定される沸点温度を指し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、可変速駆動(VSD)52、モータ50、圧縮器32、凝縮器34、膨張弁または膨張装置36、および/または蒸発器38のうちの1つ以上を使用し得る。モータ50は、圧縮器32を駆動し得、可変速駆動(VSD)52によって電力を供給され得る。VSD52は、交流(AC)電源からの特定の固定回線電圧および固定回線周波数を有するAC電力を受電し、可変電圧および周波数を有する電力をモータ50に提供する。他の実施形態では、モータ50は、AC電源または直流(DC)電源から直接電力供給され得る。モータ50は、VSDによって、またはACもしくはDC電源から直接電力供給され得る任意のタイプの電気モータ、例えば、スイッチトリラクタンスモータ、誘導モータ、電子整流式永久磁石モータ、または別の好適なモータを含み得る。
【0017】
圧縮器32は、冷媒蒸気を圧縮し、蒸気を吐出通路を通して凝縮器34に送達する。いくつかの実施形態では、圧縮器32は、遠心式圧縮器であり得る。圧縮器32によって凝縮器34に送達される冷媒蒸気は、凝縮器34内の冷却流体(例えば、水または空気)に熱を伝達し得る。冷媒蒸気は、冷却流体との熱伝達の結果として、凝縮器34内の冷媒液に凝縮し得る。凝縮器34からの液体冷媒は、膨張装置36を通って蒸発器38に流れ得る。
図3の例示される実施形態では、凝縮器34は、水冷式であり、冷却流体を凝縮器に供給する冷却塔56に接続された管束54を含む。
【0018】
蒸発器38に送達された液体冷媒は、別の冷却流体からの熱を吸収し得、この冷却流体は、凝縮器34で使用されるのと同じ冷却流体であってもなくてもよい。蒸発器38内の液体冷媒は、液体冷媒から冷媒蒸気への相変化を受け得る。
図3の例示される実施形態に示されるように、蒸発器38は、冷却負荷62に接続された供給ライン60Sおよび戻りライン60Rを有する管束58を含み得る。蒸発器38の冷却流体(例えば、水、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン、塩化ナトリウムブライン、または任意の他の好適な流体)は、戻りライン60Rを介して蒸発器38に入り、供給ライン60Sを介して蒸発器38を出る。蒸発器38は、冷媒との熱伝達を介して、管束58内の冷却流体の温度を低減させ得る。蒸発器38内の管束58は、複数の管および/または複数の管束を含み得る。いずれにしても、冷媒蒸気は、蒸発器38を出て、吸込みラインによって圧縮器32に戻り、サイクルを完了する。
【0019】
図4は、凝縮器34と、膨張装置36との間に組み込まれた中間回路64を有する蒸気圧縮システム14の概略である。中間回路64は、凝縮器34に直接流体接続された入口ライン68を有し得る。他の実施形態では、入口ライン68は、凝縮器34に間接的に流体結合され得る。
図4の例示される実施形態に示されるように、入口ライン68は、中間容器70の上流に位置付けられた第1の膨張装置66を含む。いくつかの実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンク(例えば、フラッシュインタークーラ)であり得る。他の実施形態では、中間容器70は、熱交換器または「サーフェスエコノマイザ」として構成され得る。
図4の例示される実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンクとして使用されており、第1の膨張装置66は、凝縮器34から受容した液体冷媒の圧力を低下させる(例えば、膨張させる)ように構成される。膨張プロセス中、液体の一部分が気化し得、したがって、中間容器70を使用して、第1の膨張装置66から受容された液体から蒸気を分離し得る。追加的に、中間容器70は、液体冷媒が中間容器70に入るときに経る圧力低下のために(例えば、中間容器70に入るときに経る体積の急激な増加のために)、液体冷媒のさらなる膨張をもたらし得る。中間容器70内の蒸気は、圧縮器32の吸込みライン74を通して、圧縮器32によって引き出され得る。他の実施形態では、中間容器内の蒸気は、(例えば、吸込みステージではなく)圧縮器32の中間ステージに引き込まれ得る。中間容器70に集まる液体冷媒は、膨張装置66および/または中間容器70内での膨張のために、凝縮器34を出る液体冷媒よりも低いエンタルピーであり得る。次いで、中間容器70からの液体が、ライン72内を、第2の膨張装置36を通して蒸発器38に流れ得る。
【0020】
上述のように、
図1~
図4の蒸気圧縮システム14で使用されるモータ50は、運転中に熱を生成し得、したがって、概して、凝縮器34などの蒸気圧縮システム14の比較的高い圧力部分から方向付けられた冷媒を使用して冷却される。例示を容易にするため、
図5は、モータ50を冷却するために冷媒をモータ50に循環させるハイブリッド冷却システム100の一実施形態の概略図である。上述のように、主冷媒回路102は、互いに直列に連結され得る、圧縮器32、凝縮器34、膨張装置36、および蒸発器38を通して冷媒を循環的に方向付ける。本明細書で使用されるとき、主冷媒回路102の高圧側104は、圧縮器32の出口と膨張装置36の入口との間に延在する。ハイブリッド冷却システム100の例示される実施形態は、モータ冷却回路106(例えば、冷却冷媒回路)を含み、これは、主冷媒回路102の高圧側104の複数の部分から冷媒を方向付け、モータ50を冷却する。本明細書に記載されるように、ハイブリッド冷却システム100は、冷媒蒸気および冷媒液体の組み合わせを実装し、モータ50内の構成要素(例えば、固定子、回転子、および/または軸受)を効率的に冷却するために、それぞれの入口ポートを通って、モータ50内に方向付けられる。ハイブリッド冷却システム100は、最初に、凝縮器34からモータ冷却回路106に分流されている冷媒蒸気を参照して考察されるが、理解されるように、冷媒蒸気は、代替的に、圧縮器32、上で考察される中間容器70、または蒸気圧縮システム14の別の好適な高圧源の吐出から分流されてもよい。
【0021】
例示される実施形態では、モータ冷却回路106は、凝縮器34の上部部分110から、モータ冷却回路106の蒸気導管112に沿って、モータ50のハウジング内へ冷媒蒸気を方向付ける。例えば、出口ポートは、凝縮器34のシェルを通って形成され得、その中の高圧冷媒蒸気がシェルから出て、蒸気導管112に入ることを可能にする。凝縮器34の上部部分110として示されているが、冷媒蒸気は、凝縮器34のシェルから任意の好適な場所から引き込まれ得ることを理解されたい。第1の弁114(例えば、蒸気制御弁)は、蒸気導管112に沿って凝縮器34の下流に、蒸気導管112に沿った冷媒流に対して配置され得る。第1の弁114は、凝縮器34からモータ50にモータ冷却回路106に沿って方向付けられる冷媒蒸気の量を調整するように動作する。
【0022】
追加的に、冷媒蒸気を補完するために、モータ冷却回路106は、凝縮器34から出る冷媒液体の一部分をモータ50のハウジングに方向付ける。例えば、第1のティー120(例えば、三方弁)は、冷媒液体の一部分を主冷媒回路102からモータ冷却回路106の液体導管122に分流させ得る。追加的に、第2の弁124(例えば、液体制御弁)は、液体導管122に沿って、凝縮器34の下流で液体導管122に沿った冷媒の流れに対して配置され得る。本実施形態の液体導管122は、単一の導管入口および2つの導管出口を含む。ハイブリッド冷却システム100が、2つの導管出口を出る冷媒液体の相対的な流れを制御することを可能にするために、任意の好適な制御装置(例えば、弁)が、液体導管122に沿って含まれ得ることを理解されたい。実際には、他の実施形態では、第2の弁124は、それぞれの液体導管122の導管出口からの冷媒液体流を制御するように各々が設計される2つの弁で置き換えられ得る。
【0023】
弁114、124は各々が、固定オリフィス弁、可変オリフィス弁、ボール弁、バタフライ弁、ゲート弁、グローブ弁、ダイヤフラム弁などの、そこを通る冷媒流を受動的に、または能動的に制御する任意の好適な弁、および/または別の好適な弁であり得る。いくつかの実施形態では、弁114、124の一方または両方が、制御パネル40(以下、コントローラ40と称される)に結合されている。コントローラ40は、弁114、124のそれぞれの位置を調整して、例えば、センサ126(例えば、温度センサ)によって監視されるモータ50の温度に基づいて、モータ冷却回路106の導管112、122を通る冷媒流を制御し得る。いくつかの実施形態では、ハイブリッド冷却システム100のコントローラ40は、冷媒液体に対する冷媒蒸気の流れを個別に調整し得る。例えば、コントローラ40は、モータ50の温度が事前定義された閾値を下回ると判定し、それにより、モータ50の温度を上昇させることに応答して、(例えば、弁114、124を調整することを介して)冷媒液体流に対する冷媒蒸気流を増加させ得る。代替的に、コントローラ40は、モータの温度が事前定義された閾値を上回っているとの判定に応答して、冷媒液体流に対して冷媒蒸気流を減少させ得る。いくつかの実施形態では、弁114、124は、蒸気圧縮システム14の予想または予定された動作に基づいて手動で制御され得る。代替的に、弁114、124の一方または両方は、それぞれの導管112、122が、蒸気圧縮システム14の動作に基づいてモータ冷却回路106に沿った冷媒流を調整するのに好適なサイズ(例えば、直径、固定オリフィスサイズ)を有する状況では省略され得る。
【0024】
したがって、以下で考察されるように、ハイブリッド冷却システム100は、冷媒液体を2つの液体入口ポート130を介してモータ50のハウジング内に方向付け、さらに、蒸気入口ポート132を介して冷媒蒸気をモータ50のハウジング内に方向付ける。いくつかの実施形態では、液体入口ポート130は互いに直列に結合されており、冷媒液体の最初の流れは、冷媒液体の後続の流れが下流の液体入口ポート130のうちの1つに方向付けられる前に、液体入口ポート130の上流に方向付けられる。蒸気入口ポート132は、液体入口ポート130の間でモータ50の長手方向軸140に対して位置付けられており、それによって、冷媒蒸気の単一の流れが、冷媒液体の両方の流れと相互作用することを可能にする。したがって、ハイブリッド冷却システム100は、冷媒流を互いに、かつ、モータ50の任意の好適な構成要素(例えば、固定子、回転子、および/または軸受)との熱交換関係に置く。したがって、冷媒は、モータ50の温度を低減するためにモータ50からの熱エネルギ(例えば、熱)を吸収すると同時に、モータ50のハウジングの過冷却を低減または防止する。加温された冷媒は、次いで、モータ50からモータ冷却回路106の戻り導管142を介して、主冷媒回路102に向けて戻るように方向付けられ、加温された冷媒が蒸発器38内に流れることを可能にする。いくつかの実施形態では、戻り導管142は、第2のティー144または三方弁を介して主冷媒回路102に結合されるが、任意の他の好適な接続装置が利用され得る。したがって、本明細書で指摘されるように、モータ冷却回路106は、主冷媒回路への3つの接続点である、冷媒蒸気入口150(凝縮器34の上部部分110に対応する)と、冷媒液体入口152(第1のティー120に対応する)と、冷媒出口154(第2のティー144に対応する)と、を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、モータ冷却回路106は、ポンプ、エダクタ、圧縮器、またはモータ冷却回路106を通る冷媒のそれぞれの流れを促進する別の好適な装置などの流れ生成装置を含む。他の実施形態では、冷媒は、モータ50の上流とモータ50の下流の冷媒間の圧力差を介して、モータ冷却回路106のそれぞれの導管112、122を通って移動する。例えば、凝縮器の上部部分110から分流した冷媒蒸気の圧力および/または凝縮器34から出る冷媒の圧力は、膨張装置36によって引き起こされる圧力降下のために、蒸発器38に入る冷媒の圧力よりも大きくなり得る。
【0026】
図6は、蒸気圧縮システム14の圧縮器吐出部分170から冷媒蒸気を受容するハイブリッド冷却システム100の別の実施形態の概略図である。図示した例では、モータ冷却回路106は、圧縮器32を出る冷媒蒸気の一部分を分流させる第3のティー172を含む。追加的に、蒸気導管112は、第3のティー172とモータ50のハウジングの蒸気入口ポート132との間に延在する。第1の弁114は、コントローラ40が蒸気導管112に沿った冷媒蒸気の流れを調整することを可能にするために、蒸気導管112に沿って配置され得る。したがって、冷媒蒸気は、上で考察されるように、凝縮器34からの冷媒液体とともにモータ50を冷却し得る。そのため、主冷媒回路102からモータ冷却回路106への接続点は、冷媒蒸気入口150としての第3のティー172と、冷媒液体入口152としての第1のティー120と、冷媒出口154としての第2のティー144と、を含む。
【0027】
他の実施形態では、ハイブリッド冷却システム100は、圧縮器32のハウジング内に形成された好適に位置付けられた出口ポートを介してなど、圧縮器32のハウジングからの冷媒蒸気を分流し得る。さらに、冷媒蒸気は、(例えば、圧縮器32と膨張装置36との間で冷媒流方向に対して延在する)主冷媒回路102の他の好適な高圧部分からモータ50のハウジングに方向付けられ得ることを理解されたい。実際、一時的に
図4に戻ると、モータ冷却回路106は、フラッシュタンクエコノマイザに対応し得る中間容器70からモータ50に冷媒蒸気を分流させ得る。そのような実施形態では、任意の好適なティーおよび/または制御弁が、冷媒蒸気の制御を可能にするためにハイブリッド冷却システム100内に含まれ得る。追加的に、冷媒蒸気は、凝縮器34、圧縮器32、および/または中間容器70のうちの2つ以上から供給され得ることを理解されたい。例えば、凝縮器34、圧縮器32、および中間容器70の各々からの冷媒蒸気は、モータ50に設けられている共通の蒸気導管に沿って方向付けられ得る。追加的に、または代替的に、コントローラ40は、第1の期間中に第1の高圧蒸気源から、かつ、異なる第2の期間中に第2の高圧蒸気源からモータ50に冷媒蒸気が提供されることを可能にするために、任意の好適な制御弁を動作させ得る。
【0028】
ハイブリッド冷却システム100の上述の一般的な動作を念頭に置いて、そこを通って冷媒蒸気および冷媒液体の両方を方向付けるハイブリッド冷却システム100を有するモータ50に関するさらなる考察が提供される。
図7は、ハイブリッド冷却システム100を有するモータ50の断面側面図であり、モータ50を通るモータ冷却回路106内の冷媒流経路を示している。
図7の例示される実施形態に示すように、モータ50は、ハウジング200、ならびに固定子202、シャフト206に結合された回転子204、スリーブ210、およびハウジング200内に配置された軸受(例えば、玉軸受、スリーブ軸受、磁気軸受、他の好適な軸受)を含む。モータ50の固定子202は、スリーブ210内に配置され得、スリーブ210が、固定子202の半径方向外向き表面212の少なくとも一部分を(例えば、モータ50の長手方向軸140の周りの円周軸214に対して)円周方向に取り囲むようになっている。いくつかの実施形態では、スリーブ210は、アルミニウムまたは非磁性金属などの金属材料から形成されており、これは、スリーブ210と、回転子204が固定子202内で回転するときに回転子204と固定子202との間に生成される電磁場との間の干渉を低減する。他の実施形態では、ハウジング200と固定子202は、スリーブ210がモータ50から省略されることを可能にするような方式で形成され得る。
【0029】
本実施形態では、環状空洞220(例えば、加熱ジャケット、冷却ジャケット、蒸気冷却ジャケット)は、ハウジング200とスリーブ210との間に形成されている。環状空洞220は、スリーブ210とハウジング200との間に円周方向に延在する画定された体積であり得、環状空洞220が、ハウジング200およびスリーブ210の両方に隣接するようになっている。本明細書で認識されるように、蒸気入口ポート132は、蒸気導管112と環状空洞220との間に結合され、ハイブリッド冷却システム100が、ハウジング200内に、および環状空洞220内に冷媒蒸気流222(例えば、蒸気流)を方向付けて、ハウジング200、スリーブ210、およびモータ50の固定子202を冷却することを可能にする。上で考察されるように、ハウジング200に供給される冷媒蒸気流222は、
図4に関して上で考察される凝縮器34、圧縮器32、および/または中間容器70から分流した冷媒蒸気であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、環状空洞220は、スリーブ210の全周の周りに延在し、このことは、冷媒蒸気流222が、ハウジング200とスリーブ210の全周との間で熱を伝達することを可能にする。環状空洞220は、固定子202の積層スタックなどの固定子202の中央部分232を通って半径方向に(例えば、半径方向軸230に沿って)延在する通気口溝226の上流端224に流体結合されている。例えば、任意の好適な数の開口部(例えば、ドリル加工された穴、半径方向開口部)が、環状空洞220が通気口溝226と流体結合することを可能にするために、スリーブ210内に形成され得る。いくつかの実施形態では、スリーブ210の各半径方向開口部は、冷媒蒸気流222が複数の通気口溝226に入ることを可能にするように、複数の通気口溝226の対応する通気口溝226と半径方向に中心化または整列され得る。いずれの場合でも、1つ以上の通気口溝226の下流端234は、固定子202と回転子204との間に形成された間隙240(例えば、空隙、環状間隙)に流体結合され得る。
【0031】
そのため、ハイブリッド冷却システム100は、ハウジング200を通る蒸気流経路242を含み、これは、冷媒蒸気流222が、環状空洞220を充填して、通気口溝226に沿って移動して、間隙240内に移動することを可能にする。したがって、冷媒蒸気流222は、ハウジング200、固定子202、および回転子204から熱エネルギを吸収し得る。したがって、通気口溝226は、冷媒蒸気流222が、ハウジング200内の構成要素の温度を維持することを可能にし、これはさらに、モータ50の効率を向上させ得る。蒸気流経路242は、間隙240からハウジング200内の第1の空洞250(例えば、冷媒流方向252に対して下流の空洞)に延在し、これは、冷媒蒸気流222を通気口254に向けて、ハウジング200から出し、蒸発器38に向かうように方向付ける。冷媒が固定子202から出口経路に沿って通気口254に向けて流れると、冷媒蒸気流222(および/または以下で考察される気化した冷媒蒸気流)はまた、ハウジング200内の回転子204および/または軸受と接触して、そこからの熱を吸収し得る。
【0032】
追加的に、冷媒蒸気流222がハウジング200と接触して環状空洞220を満たすことから、冷媒蒸気流222は、ハウジング200の温度を外部結露生成につながり得る露点未満に低下させるための(例えば、液体冷媒冷却と比較して)低減された電位を有するハウジング200の目標温度範囲を効率的に維持する。つまり、環状空洞220内の冷媒蒸気流222は、そうでない場合、ハウジング200の外面256上の結露形成を可能にする露点を超える特定の条件で、ハウジング200の温度を上昇させる加温または加熱ジャケットとして動作し得る。さらに、冷媒液体を通気口溝に沿って方向付け得る冷却システムと比較して、本発明で開示されているハイブリッド冷却システム100は、間隙240に沿った冷媒蒸気のより高い流量を提供し、これによって、低減された停滞、低減された空隙風道損失、および改善された温度分布を伴う、より効率的な冷却をもたらす。さらに、蒸気流経路242に沿って移動する冷媒蒸気流222は、本明細書で考察されるように、ハウジング200の結露をもたらし得る過冷却を伴わずに、間隙240を通って提供される第2の液体入口ポート262からの気化された、または急激に気化された冷媒液体流を増強(例えば、補充)して、標的化された冷却を可能にし得る。上述のように、冷媒蒸気流222は、凝縮器34、圧縮器32、および/または中間容器70から提供され得る。
【0033】
実際、図示されるように、ハイブリッド冷却システム100は、凝縮器34からの冷媒液体などの冷媒液体を、液体入口ポート130の第1の液体入口ポート260および/または第2の液体入口ポート262を通して、ハウジング200内へ方向付け得る。上述したように、液体入口ポート130は、(例えば、長手方向軸140に対して)蒸気入口ポート132のいずれかの側方側の上のハウジング200を通して形成され、冷媒蒸気流222が、両方の液体入口ポート130を通して供給される冷媒液体の蒸気流と相互作用または混合するようになっている。いくつかの実施形態では、第1の液体入口ポート260は、第1の冷媒液体流264(例えば、第1の液体流)をモータ50の第1の端部270(例えば、固定子202の第1の軸方向端部に対応する反対側の駆動端部)において固定子202を取り囲む第1のアニュラス266内に方向付ける。同様に、第2の液体入口ポート262は、第2の冷媒液体流274(例えば、第2の液体流)をモータ50の第2の端部278(例えば、固定子202の第2の軸方向端部に対応する駆動端部)において固定子202を取り囲む第2のアニュラス276内に方向付ける。いくつかの実施形態では、アニュラス266、276は、スリーブ210に隣接するハウジング200内に形成され得、アニュラス266、276が、スリーブ210および固定子202を少なくとも部分的に取り囲むようになっている。例えば、アニュラス266、276は、モータ50の第1の端部270(例えば、反対側の駆動端部、第1の軸方向端部)およびモータ50の第2の端部272(例えば、駆動端部、第2の軸方向端部)にそれぞれ位置付けられ得る、液体入口ポート260、262に対応するモータ50の長さに沿った場所に位置付けられ得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、冷媒液体流264、274は、ハウジング200に直列で提供され、第2の冷媒液体流274が、ハウジング200に方向付けられ、または提供され、第2のアニュラス276を充填するようになっている。その後、第2のアニュラス276が概ね充填されているため、ハイブリッド冷却システム100は、第1の冷媒液体流264を第1のアニュラス266に方向付け、または提供し得る。他の実施形態では、冷媒液体流264、274は、ハウジング200に並列で提供され得る。いずれの場合でも、アニュラス266、276をそれぞれ充填した後、冷媒液体流264、274は、次いで、アニュラス266、276の各々の周りで円周方向に離間された開口部を通して連続的に吐出され得、冷媒液体流264、274が、アニュラス266、276の開口部から半径方向内側に移動して、固定子202の巻線と接触するようになっている。冷媒液体流264、274が開口部を通過するとき、ハイブリッド冷却システム100は、連続的な冷却を可能にするために、アニュラス266、276を連続的に充填し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、第1のアニュラス266から吐出される第1の冷媒液体流264は、固定子202から有意な熱を吸収し、ハウジング200の第1の空洞250を通って流れる第1の気化した冷媒蒸気流280(例えば、第1の気化した蒸気流、最初に液体としてハウジング200に提供される流れ)に変換し得る。したがって、第1の気化した冷媒蒸気流280は、主冷媒回路102に向けて戻って吐出される前に、第1の空洞250内で冷媒蒸気流222と混合し得る。そのために、第1の気化した冷媒蒸気流280は、冷媒蒸気流222に合流し、第1の空洞250から、かつ、蒸発器38へ移動し得る。
【0035】
追加的に、第2のアニュラス276から吐出された第2の冷媒液体流274は、同様に、固定子202から有意な熱を吸収し、第2の気化した冷媒蒸気流282(例えば、第2の気化した蒸気流、最初に液体としてハウジング200に提供された流れ)に変換し得る。第2の気化した冷媒蒸気流282は、ハウジング200の第2の空洞284(例えば、上流空洞、第1の空洞250および第2の空洞284によって画定される主空洞の上流部分)を通って、間隙240の上流端に向けて移動し得る。したがって、第2の気化した冷媒蒸気流282の全部または一部分は、長手方向軸140に沿って、間隙240の全長290に沿って移動して、間隙240内の冷媒蒸気流222と混合し得る。
【0036】
言い換えれば、第2の気化した冷媒蒸気流282は、間隙の全長290を横断し得、一方、冷媒蒸気流222は、通気口溝226と間隙240の下流端との間に画定される間隙240の部分長292を横断する。冷媒蒸気流222は、間隙240の上流端と下流端との間にある通気口溝226から間隙240に入るため、冷媒蒸気流222は、回転子204と固定子202との間の温度分布を均等化すると同時に、第2の蒸発冷媒蒸気流282を増強し得る。次いで、第2の気化した冷媒蒸気流282は、第1の気化した冷媒蒸気流280および冷媒蒸気流222とともに、第1の空洞250を通って通気口254から出て移動し得る。
【0037】
実際には、冷媒液体流264、274は、モータ50の部分から吸収された熱エネルギによって気化され得るため、冷媒液体流264、274を中間供給された冷媒蒸気流222で増強または補充することは、電位の過冷却またはモータ50内のコールドスポットの形成を遮断して回転子204および固定子202の温度を安定化し得る。ハイブリッド冷却システム100はまた、冷媒液体流264、274の気化されていない部分が主冷媒回路102に戻ることを可能にするハウジング200内の排水口の包含に対する需要を軽減し、それによってモータ50の複雑さを低減し得る。さらに、冷媒蒸気を間隙240に直接噴射することと比較して、ハイブリッド冷却システム100は、より効率的で信頼できる通気口溝226を通して冷媒蒸気流222を間隙240に提供し、同時にまた、冷媒液体流264、274とより自然に統合する。
【0038】
図8は、モータ50のハイブリッド冷却システム100の入口ポート132、260、262の拡張した部分断面側面図である。図示されるように、アニュラス266、276は、シール302(例えば、Oリング、シリコーン、シーラント)を使用して、スリーブ210とハウジング200の表面300との間で密封される。そのため、冷媒液体流264、274は、それぞれの液体入口ポート260、262からそれぞれのアニュラス266、276に流入する前に、空洞250、284、または環状空洞220内への漏洩が遮断され得る。上で考察されるように、アニュラス266、276は各々が、スリーブ210の本体309を通って画定された、いくつかの開口部308を含み得る。開口部308は、アニュラス266、276の周りに離間されて、冷媒液体流264、274を固定子202に向けて方向付けて、そこから熱を吸収し得る。
【0039】
追加的に、蒸気入口ポート132は、ハウジング200とスリーブ210との間に延在する環状空洞220に結合されている。蒸気入口ポート132は、冷媒蒸気流222がハウジング200に入ることを可能にするための任意の好適なサイズを有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、蒸気入口ポート132は、冷媒蒸気流222がそこを通って移動することを可能にするために、液体入口ポート130の直径312よりも大きい直径310を有する。いくつかの開口部314(例えば、半径方向の開口部、半径方向の穴)は、スリーブ210の本体309を通して形成され得、環状空洞220を、固定子202を通って画定された通気口溝226(または複数の通気口溝226)に流体結合する。例えば、2、3、4、5、10、20、またはそれよりも多い開口部314および対応する通気口溝226は、スリーブ210および固定子202を通して形成され得る。他の実施形態では、ハイブリッド冷却システム100は、環状空洞220を単一の通気口溝226に結合する単一の開口部314を含み得る。いずれの場合でも、冷媒蒸気流222は、効率的なモータ冷却を促すために、通気口溝226を通して、かつ、上で考察される間隙240を通して選択的に方向付けられ得る。
【0040】
蒸気入口ポート132は、ハウジング200内の別の好適な場所に、例えば、通気口溝226と整列されて、または代替的に、液体入口ポート260、262の1つの反対側に、蒸気入口ポート132を環状空洞220に接続する流体導管とともに位置付けられ得ることを理解されたい。追加的に、環状空洞220は、図示した滑らかなエッジ320の代わりに直角を有するものなどの任意の好適な形状を含み得る。追加的に、環状空洞220は、他の実施形態では、環状空洞220のエッジ部分326において遠位高さ324と等しい代わりに、それとは異なる、通気口溝226の上の中心高さ322(例えば、半径方向高さ)を含み得る。
【0041】
上述のように、本開示は、蒸気圧縮システム14の圧縮器32の動作を駆動するモータ50などの密閉型モータの冷却に有用な1つ以上の技術的効果を提供し得る。本開示の実施形態は、冷媒蒸気流222を、モータ50のハウジング200と、モータ50の固定子202を取り囲むスリーブ210との間に画定されている環状空洞220に方向付けるハイブリッド冷却システム100を含み得る。冷媒蒸気流222は、固定子202を通して画定された通気口溝226にアクセスするために、スリーブ210内の開口部314を通って半径方向に移動し得る。次いで、冷媒蒸気流222は、モータの固定子202と回転子204との間に画定された間隙240に沿って長手方向に移動し得る。さらに、ハイブリッド冷却システム100は、環状空洞220を軸方向に取り囲む、ハウジング200とモータ50との間に画定されたそれぞれのアニュラス266、276に冷媒液体流264、274を方向付け得る。冷媒液体流264、274は、固定子202から伝達される熱によって気化され得、ハウジング200内の空洞250、284を横断するそれぞれの気化された冷媒蒸気流280、282を生成すると同時に、その中の冷媒蒸気流222によって増強されている。したがって、ハイブリッド冷却システム100は、結露を遮断するために、露点を超える温度でモータ50のハウジング200を維持しながら、回転子204の温度を低減させること、および固定子202全体にわたってより均一な温度分布を可能にする。本明細書における技術的効果および技術的問題は、例であり、限定するものではない。本明細書に記載の実施形態は、他の技術的効果を有し得、他の技術的問題を解決し得ることに留意されたい。
【0042】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「a」、「an」、および「the」は、要素のうちの1つ以上が存在することを意味することが意図される。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図され、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。追加的に、本開示の「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、列挙された特徴を同様に内蔵する追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではないことを理解されたい。
【0043】
特定の特徴および実施形態のみが図示および説明してきたが、多くの修正および変更(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率の変化、パラメータの値(例えば、温度、圧力)、取り付け配置、材料の使用、色、配向)が、特許請求の範囲に記載された本主題の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、当業者には着想され得る。任意のプロセスまたは方法ステップの順番またはシーケンスは、代替実施形態に従って、変更または再順序付けされ得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨に収まるすべてのそのような修正および変更を包含することが意図されていることを理解すべきである。さらに、例示的な実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装例のすべての特徴が説明されていない場合がある(すなわち、本開示を実施するための熟考された現在の最良モードとは無関係のもの、または特許請求された開示を可能にすることとは無関係なもの)。任意のエンジニアリングまたは設計プロジェクトにおけるように、任意のそのような実際の実装例の開発では、多くの実装例固有の決定がなされ得ることを理解されたい。そのような開発努力は、複雑かつ時間がかかるものであり得るが、それにもかかわらず、過度の実験をすることなく、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては、設計、製作、および製造の決まりきった仕事である。
【国際調査報告】