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特表2023-507811層を設計することによって木材の耐久性および耐候性を改善する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(54)【発明の名称】層を設計することによって木材の耐久性および耐候性を改善する方法
(51)【国際特許分類】
   B27D 1/00 20060101AFI20230217BHJP
   B32B 21/13 20060101ALI20230217BHJP
   E04C 2/12 20060101ALI20230217BHJP
   B27D 1/04 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
B27D1/00 B
B32B21/13
E04C2/12 E
B27D1/04 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538267
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 NZ2020050178
(87)【国際公開番号】W WO2021125981
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】760411
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522244481
【氏名又は名称】アボド ウッド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル、ベンジャミン ジェレミー ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ガッセル、ダニエル ジョン
【テーマコード(参考)】
2B200
2E162
4F100
【Fターム(参考)】
2B200AA01
2B200AA07
2B200BA02
2B200BA18
2B200BB03
2B200BB08
2B200CA13
2B200DA11
2B200DA12
2B200DA13
2B200EA06
2B200EA09
2B200EB03
2B200EF05
2B200EF11
2B200FA31
2B200HA03
2E162CC01
4F100AK01
4F100AK33G
4F100AK36G
4F100AK51G
4F100AP01A
4F100AP02B
4F100AP03C
4F100AT00C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100EC18
4F100EH61
4F100EJ17
4F100EJ30
4F100EJ82
4F100GB07
4F100GB08
4F100JB02
4F100YY00A
4F100YY00B
(57)【要約】
本発明は、高耐久性木材製品を製造する方法であって、a)耐久性のある基材木材を選択するステップと、b)高性能木材のベニヤを選択するステップと、c)高性能木材のベニヤを耐久性のある基材木材の面に接着するステップとを含み、得られた製造された高耐久性木材製品は、高性能木材のみで作られた場合の同じ厚さの木材製品よりも低コストで、屋外用途での長期使用に適している、方法に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高耐久性木材製品を製造する方法であって、
a)耐久性のある基材木材を選択するステップと、
b)高性能木材のベニヤを選択するステップと、
c)前記高性能木材のベニヤを前記耐久性のある基材木材の面に接着するステップとを含み、
製造された前記高耐久性木材製品は、高性能木材のみで作られた場合の同じ厚さの木材製品よりも低コストで、屋外用途での長期使用に適している、方法。
【請求項2】
前記耐久性のある基材木材は、屋外での使用において安定で耐久性がある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記耐久性のある基材木材は、平挽き材またはロータリーピーリング材である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記耐久性のある基材木材は、整形グレード、商品グレード、または標準グレードである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記基材木材は、ユーカリ、ベイスギ、黄杉、カラマツ、チーク、または最低限クラス3耐久性(EN350)または同等の他の木材などの生来耐久性のある木材である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基材木材は、熱改質された、マツ種(マツ)、ダグラスモミ、ポプラ、またはラバーウッドなどの非耐久性木材である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基材木材は、防腐処理を伴って、または防腐処理無しで、熱改質されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基材木材は、耐久性のために防腐処理または改質されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基材は、軽有機溶剤系防腐剤(LOSP)、銅・第四級、アルカリ銅・第四級(ACQ)、クロム銅ヒ素(CCA)最低UC3A(アメリカ木材保護協会-AWPA)、水性アゾール、殺虫剤、撥水剤、微粉化銅アゾール(MCA)、ナフテン酸銅、または均等物から選択される防腐剤で処理された、マツ種、ダグラスモミ、ポプラ、またはラバーウッドなどの非耐久性木材である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記耐久性のある基材の構造は、無垢材、あられ組み、積層、合板、交差積層、単板積層材(LVL)、ボード、パネル、または柱材である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記高性能木材のベニヤは、屋外条件でひび割れする可能性が低い安定したおよび/または耐久性のある木材である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記高性能木材のベニヤは、ベイスギ、ユーカリ、クウィラ/メルバウ、チーク、サイプレス、桐、熱改質オーク、熱改質ブナ、スポッティドガム、および熱改質アッシュなどの安定した生来耐久性のある木材を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記高性能木材のベニヤは、略垂直木目材を含むか、または略垂直木目方向に積層されるため、前記ベニヤは、木材の面に垂直木目の外観を有するが、略平坦木目材から作られる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記高性能木材のベニヤは、四分挽きの略垂直木目材である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記高性能木材のベニヤは、ラジアータパインである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記高性能木材のベニヤは、その安定性、耐久性、および屋外条件での性能を高めるように改質された、マツ種、トウヒ、ブナ、アッシュ、ダグラスモミ、ラバーウッド、ポプラ、シーダー、コークなどの非耐久性木材を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記高性能木材のベニヤは、熱改質、緻密化、熱機械的緻密化、アセチル化、フルフィレーション、樹脂含浸、ジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)改質、アルカリ銅・第四級(ACQ)改質、銅アゾール処理、および/またはそれらの組み合わせから選択される改質を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記高性能木材のベニヤは熱改質される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記高性能木材のベニヤは、熱改質された略垂直木目のラジアータパイン、略垂直木目方向で積層された熱改質されたラジアータパイン材、または熱改質されアセチル化されたラジアータパインである、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記高性能木材のベニヤは、LOSP、溶媒または水性アゾールから選択される防腐剤、および/または合成ピレスロイド、ネオニコチノイド、またはホウ素などの殺虫剤でさらに処理される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記高性能木材のベニヤは耐火性であり、最低限ASTM E84クラスA、AS3959 BAL29(オーストラリア規格3959)、および/またはEN 13501-1ユーロクラスB(欧州規格13501-1)を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記高性能木材のベニヤは、約1mm~10mmの厚さを有する、好ましくは、前記ベニヤは、約1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、9mm、または10mmの厚さを有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記基材は、熱改質ラジアータパインであり、前記高性能木材のベニヤは、アセチル化ラジアータパインであるか、
前記基材は、熱改質パイン合板であり、前記高性能木材のベニヤは、熱改質垂直木目材、垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパイン、マクロカルパ、スポッティドガム、ユーカリ、樹脂含浸ラジアータパイン、または垂直木目ベイスギであるか、
前記基材は、CCA処理されたラジアータパイン柱材であり、前記高性能木材のベニヤは、垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパインであるか、
前記基材は、熱改質ラジアータパイン屋外グレード合板パネルであり、前記高性能木材のベニヤは、垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパインであるか、
前記基材は、ACQ処理されたラジアータパイン積層ベニヤ材であり、前記高性能木材のベニヤは、ACQ処理された窯乾燥された四分挽きラジアータパインであるか、
前記基材は、熱改質平挽き整形グレードラジアータパインであり、前記高性能木材のベニヤは、熱改質アセチル化ラジアータパインであるか、
前記基材は、熱改質平挽き整形グレードラジアータパインであり、前記高性能木材のベニヤは、樹脂含浸ラジアータパインであるか、
前記基材は、交差積層された熱改質平挽き整形グレードラジアータパインであり、前記高性能木材のベニヤは、垂直木目方向で積層された帯鋸挽き熱改質ラジアータパインであるか、または、
前記基材は、熱改質ラジアータパインであり、前記高性能木材のベニヤは、垂直木目杉である、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記高性能木材のベニヤおよび/または前記基材は、単独で、または防腐処理プロセスの一部として、圧力含浸、噴霧、または浸漬によって木材表面に付与されたUV安定顔料によってさらに着色される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、主に平挽きまたはロータリーピーリングされたパイン基材の面に厚さ1mm~10mmの高性能木材のベニヤを積層するステップを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記高性能木材のベニヤは、無垢材、あられ組み、積層、合板、交差積層、または単板積層材(LVL)の基材木材の面に積層される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記高性能木材のベニヤは、ボード、パネル、梁材、または柱材の基材木材の面に積層される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記木材製品は、交差積層されている、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記高性能木材製品は、3つの層:高性能木材層の上部ベニヤおよび2層の基材を含み、中間基材層は、前記上部ベニヤ層および下部基材層に対して90度に配置されて交差積層材を形成する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ポリウレタン、メラミン、メラミン尿素、フェノール、および/またはレゾルシノール接着剤から選択される高性能屋外用接着剤を使用して、前記高性能木材のベニヤを前記基材に接着する、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載の方法により製造された、屋外用途に適した木材製品。
【請求項32】
ベニヤおよび基材を含む工業木材製品であって、
a.前記基材は、平挽きまたはロータリーピーリングによって切断された耐久性のある基材木材であり、
b.前記ベニヤは、屋外条件でひび割れする可能性が低い高性能木材であり、
c.前記ベニヤは、前記基材の面に接着されており、
前記得られた木材製品は、前記高性能木材のみで作られた場合の同じ厚さの木材製品よりも低コストで、屋外用途での長期使用に適している、工業木材製品。
【請求項33】
下見板張り被覆、相欠き継ぎ、さねはぎ継ぎ、角材、菱形、デッキ用材料、またはスクリーニング用としての最終用途に適した、請求項31または32に記載の木材製品。
【請求項34】
前記製品は、ボード、パネル、梁材、または柱材である、請求項31または32に記載の木材製品。
【請求項35】
前記木材製品は、約70~290×20~32mmの被覆またはデッキボード、または約15~25mmの厚さ×600~1200mmの幅×2400~6000mmの長さのパネルである、請求項31または32に記載の木材製品。
【請求項36】
前記木材製品は、バンドソー切断された、ブラシをかけられた、テクスチャード加工された、または滑らかな整形面を含む、請求項31または32に記載の木材製品。
【請求項37】
樹脂含浸、フルフィレーション、アセチル化、または防腐処理から選択される改質によって、接着後に前記木材を処理するさらなるステップを含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
図5または7~18のいずれかを参照して説明されるような、耐久性のある基材木材と高性能木材のベニヤで構成される高耐久性木材製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材の耐久性および耐候性を改善する方法に関するものである。より具体的には、本発明は、高性能木材のベニヤを寸法的に安定で耐久性のある基材木材に積層することによって、木材の耐久性および耐候性を高める方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材の特性は、木材の供給元、木材の切断部、および木材の処理によって大きく異なる可能性がある。例えば、ラジアータパイン(「ラジアータ」)、サザンイエローパイン、スコットパイン、アッシュ、カエデ、ブナ、カバノキ、アスペン、ラバーウッドを含む針葉樹種は、屋外用途で使用すると、使用時の寸法安定性(「安定性」)の欠如、表面の硬さ、表面の浅割れ/ひび割れ、露出後の色/美観の悪さを含む欠点を有する。防腐剤と木材改質技術の使用は、耐候性を高めるための既知の方法である。そのような木材は、生産の容易さと丸太の直径のために、主に平挽きされる。
【0003】
平挽き材またはロータリーピーリング材は、丸太を分解する最も効率的な方法の1つである。しかしながら、そのような木材は、コア心材、平坦木目、および/または節などの欠陥を含む可能性があり、最終的な木材製品の品質と安定性を低下させる。木材の木目方向は、屋外用途の木材の耐候性に大きな影響を与える可能性がある。木材が乾燥すると、木材を製造するために作られた切断部の向きと、結果として生じる木目の向きに応じて、様々な収縮が発生する。屋外用途では、木材は通常、木目に垂直にひび割れが入ることが知られている。平坦木目方向のボードは、屋外用途で使用すると割れおよび表面の浅割れが発生しやすいことが知られているが、垂直木目方向のボードは、反り、割れ、表面の浅割れに対してより耐性があり、したがってより安定している。
【0004】
平挽き材またはロータリーピーリング材は、デッキ用材料、スクリーニング用、構造材、および被覆材などの多くの屋外用途で使用される。しかしながら、平挽き材およびロータリーピーリング材には、屋外用途で使用する場合の表面の浅割れを含む欠点がある。表面の浅割れは通常、木目に垂直に発生し、ひび割れには湿気が含まれていることが知られており、木材および/または木材に塗布されたコーティングの早期障害につながる可能性がある。これにより、平挽き材またはロータリーピーリング材は、一部の市場用途において、より耐久性があり、ひび割れのない高価で高性能な屋外材と競争することができなくなった。これは特に、滑らかな表面などの高品質の仕上げが必要な場合に当てはまる。その結果、平挽きおよびロータリーピーリング材は、屋外用途向けの低価値で低品質の木材と見なされる。しかしながら、ひび割れのない高性能の屋外材は、一般的により高価である、および/または供給が限定されている。
【0005】
木材の安定性を向上させるために、同じまたは類似の材料の個々のボードを共に積層することが知られている。積層木製ボードは、通常、個々のボードを端部同士または面同士平坦木目方向で共に接着し、個々の完成したボードに平坦なまたは混合した木目方向を与えることによって製造される。しかしながら、この方法で積層を行うと、通常、表面の浅割れおよび移動がより発生しやすい平坦木目方向のボードがもたらされる。これは、木材が濡れると伸縮し、いくつかの場所で木部繊維が引き離されるときに発生する。ひび割れが原因で水が木材に侵入し、真菌性の腐敗につながる可能性があるため、長期的な耐久性の性能が低下する可能性がある。また、美観の面でも不利である。ひび割れは視覚的外観を損なうため、ひび割れのない高価値の木材製品に対する市場の好みがある。
【0006】
移動はまた、接着線の層間剥離と木材の早期障害を引き起こす可能性がある。また、完成品に見苦しい接着線が生じる(例えば、特許文献1に示されている積層技術を参照)。
【0007】
当技術分野で知られている木製のベニヤ表面積層は、通常、半耐久性または非耐久性のみであり、主に室内使用のために設計されている。そのような製品の例は、3層構造(広葉樹ベニヤの上層、未処理のトウヒなどの針葉樹で作られた中層および下層)で作られたフローリングボードおよび他の層の積層製品である。このようなベニヤ積層は、通常、屋外用途での長期的な耐久性または安定性を提供しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】新国特許第562263号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、耐久性のある無垢材は、耐久性を保っているか生来耐久性があるかにかかわらず、一般的に屋外用途で使用される。したがって、これは、建築物のコストを増加させるか、またはそのような木材が建造物で使用される可能性を低くし、また、特に成長が遅い場合または生育地域が限定されている場合、および/または輸入する必要がある場合は、これらの木材の成長、収穫、供給に負担がかかる。
【0010】
本発明の方法は、安定で耐久性のある基材を高性能の木材表面層(ベニヤ)と組み合わせて利用する。ベニヤはひび割れが発生しにくく、表面の浅割れを制限する。これにより、長期的な耐久性と美観が向上し、コストが削減される。
【0011】
本発明の目的は、表面の浅割れ/ひび割れを制限し、屋外用途における木材の長期耐久性を高めるために、集成材製品を製造する方法を提供することである。あるいはまた、本発明の目的は、少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によれば、高耐久性木材製品を製造する方法であって、
a)耐久性のある基材木材を選択するステップと、
b)高性能木材のベニヤを選択するステップと、
c)高性能木材のベニヤを耐久性のある基材層の面に接着するステップとを含み、
得られた高耐久性工業木材製品は、高性能木材のみで作られた場合の同じ厚さの木材製品よりも低コストで、屋外用途での長期使用に適している、方法が提供される。
【0013】
好ましくは、耐久性のある基材木材は、屋外での使用において安定で耐久性のある木材である。
【0014】
1つの特定の実施形態では、耐久性のある基材は、平挽き材またはロータリーピーリング材である。
【0015】
1つの実施形態では、耐久性のある基材は、整形グレード、商品グレード、または標準グレードである。1つの実施形態では、基材は、あられ組みまたは無垢材の形態である。
【0016】
特定の一実施形態では、基材は、ユーカリ、ベイスギ、黄杉、カラマツ、チーク、または最低限クラス3耐久性(EN350)または同等のものを有する他の木材などの生来耐久性のある木材である。
【0017】
特定の一実施形態では、基材は、防腐処理を伴って、または防腐処理無しで、熱改質された、マツ種(マツ)、ダグラスモミ、ポプラ、またはラバーウッドなどの非耐久性木材である。
【0018】
特定の一実施形態では、基材は、耐久性のために防腐処理または改質されている。1つの実施形態では、基材は、防腐剤処理された、マツ種、ダグラスモミ、ポプラ、またはラバーウッドなどの非耐久性木材である。1つの実施形態では、防腐剤処理は、軽有機溶剤系防腐剤(LOSP)、銅・第四級、アルカリ銅・第四級(ACQ)、クロム銅ヒ素(CCA)最低UC3A(アメリカ木材保護協会-AWPA:American Wood Protection Association)、水性アゾール、任意選択で殺虫剤および/または撥水剤を添加、微粉化銅アゾール(MCA)、ナフテン酸銅、または均等物である。
【0019】
耐久性のある基材の構造は、無垢材、あられ組み、積層、合板、交差積層、または単板積層材(LVL)とすることができる。1つの実施形態では、基材は、ボード(6)、パネル(7)、または柱材(8)とすることができる。
【0020】
好ましくは、ベニヤは、屋外条件でひび割れする可能性が低い、高性能で安定した耐久性のある木材である。
【0021】
1つの実施形態では、高性能木材のベニヤは、ベイスギ、ユーカリ、クウィラ/メルバウ、チーク、サイプレス、桐、熱改質オーク、熱改質ブナ、スポッティドガム、および熱改質アッシュなどの安定した生来耐久性のある木材を含む。
【0022】
1つの実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤは、略垂直木目材を含む。1つの実施形態では、略垂直木目材は、四分挽きされる。1つの実施形態では、高性能木材のベニヤは、略垂直木目方向で積層されるため、ベニヤは、木材の面に垂直木目の外観を有するが、略平坦木目材から作られる。1つの実施形態では、本明細書に記載のベニヤは、ラジアータパインなどの非耐久性の木材である。
【0023】
1つの実施形態では、高性能木材のベニヤは、平坦木目材、柾目挽き材、クラウンカット材、および/または混合木目材を含む。
【0024】
1つの実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤは、その安定性、耐久性、および屋外条件での性能を高めるように改質された、マツ種、トウヒ、ブナ、アッシュ、ダグラスモミ、ラバーウッド、ポプラ、シーダー、コークなどの非耐久性木材を含む。1つの実施形態では、改質は、熱改質、緻密化、熱機械的緻密化、アセチル化、フルフィレーション(furfylation)、樹脂含浸、ジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)改質、アルカリ銅・第四級(ACQ)改質、銅アゾール処理、および/またはそれらの組み合わせから選択される。
【0025】
1つの実施形態では、高性能木材のベニヤは熱改質される。1つの特定の実施形態では、高性能木材のベニヤは、熱改質された略垂直木目のラジアータパイン、または略垂直木目方向で積層されたラジアータパイン材である。1つの実施形態では、熱改質された垂直木目材は、四分挽きされる。
【0026】
別の一実施形態では、ベニヤは、垂直木目方向で積層された熱改質されたラジアータパインである。熱改質垂直木目ベニヤは、略平坦木目材から作られた木材の面に垂直木目の外観を有する木材とすることができる。
【0027】
別の一態様では、高性能木材のベニヤは、熱改質アセチル化木材である。1つの実施形態では、高性能木材のベニヤは、熱改質アセチル化ラジアータパインである。
【0028】
任意選択で、高性能木材のベニヤは、溶媒または水性アゾールなどの防腐剤、および/または合成ピレスロイド、ネオニコチノイド、またはホウ素などの殺虫剤でさらに処理される。任意選択で、高性能木材のベニヤは、化学防腐剤および/または殺虫剤で処理されない。
【0029】
別の一実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤは、熱改質、緻密化、熱機械的緻密化、アセチル化、フルフィレーション、樹脂含浸、ジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)改質、アルカリ銅・第四級(ACQ)改質、銅アゾール処理、および/またはそれらの組み合わせから選択されるさらなる改質を含む。
【0030】
特定の一実施形態では、高性能木材のベニヤは耐火性であり、最低限ASTM E84クラスA、AS3959 BAL29(オーストラリア規格3959)、および/またはEN 13501-1ユーロクラスB(欧州規格13501-1)を備える。
【0031】
1つの実施形態では、高性能木材のベニヤは、ボードまたはパネルである。
【0032】
特定の一実施形態では、高性能木材のベニヤは、約1mm~10mmの厚さを有する。好ましくは、ベニヤは、約1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、9mm、または10mmの厚さを有する。
【0033】
特定の一実施形態では、基材は、熱改質パイン(マツ)合板であり、高性能木材のベニヤは、熱改質垂直木目材である。特定の一実施形態では、基材は、熱改質パイン合板であり、高性能木材のベニヤは、アセチル化マツである。特定の一実施形態では、基材は、熱改質ラジアータパインであり、高性能木材のベニヤは、アセチル化パインである。特定の一実施形態では、基材は、熱改質ラジアータパインであり、高性能木材のベニヤは、垂直木目材である。
【0034】
1つの実施形態では、基材は、熱改質ラジアータパインであり、高性能木材のベニヤは、アセチル化ラジアータパインであるか、基材は、熱改質パイン合板であり、高性能木材のベニヤは、熱改質垂直木目材、垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパイン、マクロカルパ、スポッティドガム、ユーカリ、樹脂含浸ラジアータパイン、または垂直木目ベイスギであるか、基材は、CCA処理されたラジアータパイン柱材であり、高性能木材のベニヤは、垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパインであるか、基材は、熱改質ラジアータパイン屋外グレード合板パネルであり、高性能木材のベニヤは、垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパインであるか、基材は、ACQ処理されたラジアータパイン積層ベニヤ材であり、高性能木材のベニヤは、ACQ処理された窯乾燥された四分挽きラジアータパインであるか、基材は、熱改質平挽き整形グレードラジアータパインであり、高性能木材のベニヤは、熱改質アセチル化ラジアータパインであるか、基材は、熱改質平挽き整形グレードラジアータパインであり、高性能木材のベニヤは、(メラミン樹脂と難燃剤の混合物を含浸させた)樹脂含浸ラジアータパインであるか、基材は、交差積層された熱改質平挽き整形グレードラジアータパインであり、高性能木材のベニヤは、垂直木目方向で積層された帯鋸挽き熱改質ラジアータパインであるか、または、基材は、熱改質ラジアータパインであり、高性能木材のベニヤは、垂直木目杉である。1つの実施形態では、基材は、熱改質パインであり、高性能木材のベニヤは、熱改質ブナである。
【0035】
高性能木材のベニヤおよび/または基材は、単独で、または防腐処理プロセスの一部として、圧力含浸、噴霧、または浸漬によって木材表面に付与され得るUV安定顔料の使用によってさらに着色することができる。この顔料は、紫外線を含む風化の影響から木材をさらに保護することと、「シルバーオフ」効果を遅らせることによって木材の色を維持することの両方に作用する。
【0036】
1つの実施形態では、本発明の方法は、防腐剤処理または耐久性を改質された、主に平挽きまたはロータリーピーリングされたパイン(または同様の木材)の面に高性能木材の厚さ1mm~10mmの高性能木材のベニヤを積層することを含む。
【0037】
1つの特定の実施形態では、高性能木材のベニヤは、無垢材、あられ組み、積層、合板、交差積層、または単板積層材(LVL)の基材木材の面に積層される。1つの特定の実施形態では、高性能木材のベニヤは、ボード、梁材、パネル、または柱材の基材木材の面に積層される。1つの特定の実施形態では、高性能木材ボードのベニヤは、基材パネルの外面に対して端部から端部まで面積層されている。1つの実施形態では、高性能木材のベニヤは、柱基材の外面に積層される。
【0038】
1つの実施形態では、木材製品は交差積層されている。1つの特定の実施形態では、木材製品は、3つの層:本明細書に記載されるような高性能木材層の上部ベニヤおよび本明細書に記載されるような基材の2層を含み、中間基材層は、上部ベニヤ層および下部基材層に対して90度に配置されて交差積層材パネルを形成する。1つの実施形態では、交差積層製品の層は、メラミン接着剤を使用して3層構造に面接着される。
【0039】
好ましくは、高性能木材のベニヤは、基材に接着されている。1つの実施形態では、接着剤層は、ポリウレタン、メラミン、メラミン尿素、フェノール、またはレゾルシノール接着剤などの高性能屋外用接着剤である。好ましくは、高性能木材のベニヤ(表面層)と基材との間の接着剤層は、耐熱性または難燃性である。好ましくは、接着剤は、基材の色に類似した色を有する。
【0040】
1つの実施形態では、接着積層プラントを使用して、基材およびベニヤをダブルアップ(基材-ベニヤ-基材)として接着する。次に、ダブルアップをバンドソーで半分に切断して2つの部材を作製する。次に、これらの部材を成形して、バンドソー切断された、ブラシをかけられた、テクスチャード加工された、または滑らかな整形面を使用した、下見板張り被覆、相欠き継ぎ、さねはぎ継ぎ、角材(square dressed)、菱形、デッキ用材料、またはスクリーニング用を含む最終用途に適したプロファイルを提供できる。
【0041】
特定の一実施形態では、従来の接着積層プラントを使用して、表面ベニヤを基材上に4つの面すべてに接着して、構造用の梁材/柱材を形成する。
【0042】
代替の一実施形態では、この方法は、ホットベニヤプレスまたはコールドベニヤプレスを使用して、基材上に表面層(ベニヤ)をパネルプレスすることによって実行することができる。別の代替の一実施形態では、この方法は、工業用フローリングプラントを使用して実行することができる。さらに別の代替の一実施形態では、表面層(ベニヤ)は、真空または機械式プレスを使用して基材上にプレスすることができる。
【0043】
1つの特定の実施形態では、木材製品は、緻密化、熱機械的緻密化、アセチル化、フルフィレーション、樹脂含浸、ジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)改質、アルカリ銅・第四級(ACQ)改質、銅アゾール処理、および/またはそれらの組み合わせなどの改質によって積層後に処理される。1つの実施形態では、木材製品は、溶媒または水性アゾールなどの防腐剤および/または合成ピレスロイド、ネオニコチノイド、またはホウ素などの殺虫剤によって積層後に処理される。
【0044】
本発明の第2の態様によれば、ベニヤおよび基材を含む工業木材製品であって、
a.基材は、平挽きまたはロータリーピーリングによって切断され、
b.ベニヤは、屋外条件でひび割れする可能性が低い高性能木材であり、
c.ベニヤは、基材の面に接着されており、
得られた木材製品は、高性能木材のみで作られた場合の同じ厚さの木材製品よりも低コストで、屋外用途での長期使用に適している、工業木材製品が提供される。
【0045】
1つの実施形態では、木材製品は、下見板張り被覆、相欠き継ぎ、さねはぎ継ぎ、角材、菱形、デッキ用材料、またはスクリーニング用を含む最終用途に適している。1つの実施形態では、木材製品は、ボード、パネル、または柱材とすることができる。
【0046】
1つの実施形態では、木材製品は、約140×18mm、約140×27mmまたは約90×20mmの寸法または約180×20mm(幅×高さ)の被覆またはデッキボードである。1つの実施形態では、木材製品は、約70~290×20~32mmの被覆またはデッキボード、または約15~25mmの厚さ×600~1200mmの幅×2400~6000mmの長さのパネルである。
【0047】
1つの実施形態では、木材製品は、バンドソー切断された、ブラシをかけられた、テクスチャード加工された、または滑らかな整形面を含む。
【0048】
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、「および」または「または」、あるいはその両方を意味する。
【0049】
本明細書で使用される場合、名詞に続く「(s)」は、名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合の「含む(comprising)」という用語は、「少なくとも部分的になる(consisting at least in part of)」を意味する。その用語を含む本明細書の記載を解釈する場合、各文でその用語が前に付いている構成はすべて存在する必要があるが、他の構成もまた存在する可能性がある。「comprise」および「comprised」などの関連用語も同様に解釈され得る。
【0051】
本明細書に開示される数の範囲(例えば、1~10)への参照は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、および10)と、その範囲内の有理数の任意の範囲(例えば、2~8、1.5~5.5、および3.1~4.7)への参照も組み込むことが意図される。
【0052】
本発明が関係する当技術分野の当業者にとって、構造の多くの変更および本発明の大きく異なる実施形態および用途は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、それ自体を示唆する。本明細書の開示および説明は、純粋に例示的なものであり、いかなる意味においても限定することを意図するものではない。
【0053】
そのすべての新規な態様において考慮されるべきである本発明のさらなる態様は、本発明の実際の適用の少なくとも1つの例を提供する以下の説明を読むと、当業者には明らかになるであろう。
【0054】
ここで、本発明の実施形態は、以下を含む添付の図面を参照して、例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】年輪/木目の向き(5)を示し、平坦木目A、垂直木目C、追い柾B、および混合木目Dを有する木から切断された木材切断部(9)を示す木の断面を示している。
図2】年輪/木目の向き(5)を示し、丸太の断面に一般的なタイプの製材の切断部(9)を示す木の断面を示しており、平挽きはAに、四分挽きはBに、柾目挽きはCで示されている。
図3】風化後のひび割れ(4)を示す熱改質平挽きラジアータパインボードを示している(図3Aは写真を示し、図3Bは、木目(5)およびひび割れ(4)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図4】約2か月の風化後のひび割れ(4)を示す熱改質平挽きラジアータパインボードを示している(図4Aは写真を示し、図4Bは、ひび割れ(4)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図5】本発明の木材製品(10)を示している。熱改質ラジアータパイン基材(1)上に高性能アセチル化ラジアータパインベニヤ(2)を備えたボード(6)(図5Aは写真を示し、図5Bは、接着線(3)、木目(5)、およびひび割れ(4)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図6】本発明の木材製品(10)を調製する一例を示しており、以下が含まれる。ステップ1-2つの基材ボード(1)をベニヤ(2)に積層する。ステップ2-ベニヤ(1)を中央で分割する。ステップ3-得られたボードをさねはぎ継ぎのプロファイルに成形する。
図7】本発明の木材製品(10)を示している。アセチル化ラジアータパインベニヤ(2)を含むボード(6)が、平挽きTMラジアータパイン基材上に積層され、約12か月間風化させた(図7Aは写真を示し、図7Bは、ベニヤ(2)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図8】本発明の木材製品(10)を示している。熱改質平挽きラジアータパイン基材上に面積層された積層垂直木目TMラジアータパインを備えたデッキボード(6)(図8Aは写真を示し、図8Bは、ベニヤ(2)および木目(5)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図9】本発明の木材製品(10)を示している。混合ベニヤ(2)を平挽きTMラジアータパイン基材に積層し、約3年間風化させた被覆ボード(6)(図9Aは写真を示し、図9Bは、ベニヤ(2)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図10】本発明の木材製品(10)を示している。接着剤で積層されたCCA処理されたラジアータパイン基材(1)上に積層された積層垂直木目熱改質ベニヤ(2)を含む柱材(8)(図10Aは写真を示し、図10Bは、ベニヤ(2)、基材(1)、および木目(5)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図11】本発明の木材製品(10)を示している。風化後、CCA処理積層パイン基材(1)のすべての面に面積層された積層垂直木目熱改質ラジアータパインベニヤ(2)を備えた設計された梁は、CCA基材がひび割れ(4)を示し、積層垂直木目TMラジアータパインベニヤにはひび割れがないことを示している(図11Aは写真を示し、図11Bは、ベニヤ(2)、基材(1)、接着線(3)、木目(5)、およびひび割れ(4)などの詳細を強調している写真のグラフィック表現を示している)。
図12】本発明の木材製品(10)を示している。垂直木目(2)で積層され、熱改質ラジアータパイン合板ベニヤ(1)に面積層され、約18か月間風化された、高性能熱改質ラジアータパインベニヤ(図12Aは、木材製品の写真を示し、図12Bは、木材製品の詳細な断面図を示し、図12Cは、ベニヤ(2)、基材(1)、接着線(3)などの詳細を強調している、写真12Aと写真12Bのグラフィック表現を示している。
図13】本発明の木材製品(10)を示している。ACQ LVL基材(1)上に積層され、屋外デッキに形成され、約2年間風化された、高性能四分挽きACQ処理ラジアータパインベニヤ(2)(図13Aは写真を示し、図13Bは、ベニヤ(2)、基材(1)、接着線(3)、木目(5)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図14】本発明の木材製品(10)を示している。熱改質パイン基材(1)上に積層され、デッキボードにプロファイルされ、約6か月間風化された、高性能アセチル化熱改質ラジアータパインベニヤ(2)(図14Aは写真を示し、図14Bは、ベニヤ(2)、基材(1)、接着線(3)、木目(5)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図15】本発明の木材製品(10)を示している。熱改質パイン基材(1)上に積層され、図14のデッキボードにプロファイルされ、約6か月間風化させた、高性能アセチル化熱改質ラジアータパインベニヤ(2)(図15Aは写真を示し、図15Bは、ベニヤ(2)、基材(1)、接着線(3)、木目(5)、ひび割れ(4)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図16】本発明の木材製品(10)を示している。熱改質パイン基材(1)上に積層され、約1年間風化させた高性能樹脂含浸ラジアータパインベニヤ(2)(図16Aは写真を示し、図16Bは、ベニヤ(2)、基材(1)、接着線(3)、および木目(5)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図17】本発明の木材製品(10)を示している。熱改質パイン基材(1)上に積層され、約1年間風化させた高性能樹脂含浸ラジアータパインベニヤ(2)(図17Aは写真を示し、図17Bは、ベニヤ(2)、基材(1)、接着線(3)、および木目(5)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
図18】本発明の木材製品(10)を示している。熱改質パイン交差積層材基材(1)上に積層垂直木目熱改質ラジアータパインベニヤ(2)を備えたボード(6)(図18Aは写真を示し、図18Bは、ベニヤ(2)、基材(1)、接着線(3)、および木目(5)などの詳細を強調するための写真のグラフィック表現を示している)。
【発明を実施するための形態】
【0056】
定義
「針葉樹」とは、裸子植物の木からの木材を意味する。裸子植物は、風によって他の木に広がる花粉を放出する胞子嚢穂を形成することによって繁殖する。受粉した木は裸の種子を形成し、それを地面に落とす、風に乗る、またはその他の方法で運ばれて、新しい木が他の場所で成長できるようにする。針葉樹の例としては、スギ、マツ、レッドウッド、ダグラスモミ、ヒノキ、トウヒ、カラマツが含まれる。
【0057】
「広葉樹」とは、被子植物の木からの木材を意味する。被子植物は、殻または果実などのある種の覆いを有する種子を生産する。被子植物は通常、繁殖するために花を形成する。花に引き寄せられた鳥および昆虫は、花粉を他の木に運び、受精すると、木は、果実または堅実または種子を形成する。広葉樹には、ユーカリ、ブナ、ブラックウッドが含まれる。
【0058】
「ボード」とは、幅が深さよりも大きく、長さが幅よりも大きい木から鋸で挽かれた部材の木材として定義される。ボードの面は、ボードの幅と長さによってエッジが定義された平面として定義される。幅および深さ軸を通るボードの断面図は、通常、略長方形であるが、例えば、さねはぎ継ぎを接合することを可能にするエッジの詳細を有することができ、また、1つまたは複数の主要な表面またはエッジ表面において傾斜して、下見板張りなどを形成することができる。ボードは、図1に示し、以下でさらに詳しく説明するように、様々な方向で樹木から切り取ることができる。
【0059】
「合板」とは、互いに90度の角度で木目が配置されたベニヤと共に接着およびプレスされた、2つ、3つ、またはそれ以上の層の木製ベニヤを含む木のボードとして定義される。
【0060】
「積層ベニヤ材」とは、互いに平行に配置されたベニヤと共に接着およびプレスされた、3層以上の木製ベニヤを含む木のボードとして定義される。
【0061】
「ベニヤ」とは、厚さが約1mm~約10mmの木材の薄い層を意味する。ベニヤは、任意選択で表面に接着され得る。
【0062】
「寸法安定性」または単に「安定性」とは、温度および湿度などの条件の変化から生じる可能性のある、変形、膨張、または収縮に対する耐性の程度を意味する。
【0063】
「耐候性」とは、屋外用途への曝露における、ひび割れ、浅割れ、歪み、破片、またはその他の劣化の程度を意味する。
【0064】
「高性能」とは、ひび割れ、移動、浅割れ、歪み、破片、またはその他の劣化に対する耐性の度合いが高いことを意味する。木材は、耐火性があるため、または高い寸法安定性、高い硬度または靭性を有するため、さらに高性能であり得る。
【0065】
「耐久性がある」とは、真菌または微生物の成長および分解の結果としての腐敗に対する耐性の程度、および任意選択でシロアリの攻撃に対する耐性の程度を意味する。
【0066】
「EN350」は、木材および木材ベースの製品の耐久性に関する欧州規格を指す。菌類によって攻撃される木質材料の耐久性クラスは、5つのクラス:クラス1-非常に耐久性がある、クラス2-耐久性がある、クラス3-適度に耐久性がある、クラス4-やや耐久性がある、クラス5-耐久性がないに分けられる。
【0067】
「美的特性」とは、色、質感、接着線の存在、積層された層間のコントラスト、および木目方向を考慮に入れた、木材の視覚的外観を意味する。
【0068】
「整形グレード」とは、節のない木材に加えて、いくつかのきつい節および小さな欠陥を含む可能性のある中品質グレードの木材を意味する。
【0069】
「商品グレード」とは、多くの節および大きな欠陥を含む可能性のある低品質グレードの木材を意味する。
【0070】
「標準グレード」とは、きつい節を含む中品質グレードの木材を意味する。
【0071】
「あられ組み」とは、節または欠陥の有無にかかわらず、両端がかみ合う形状で成形され、接着剤で結合されてより長い木材を形成している木材の部材を意味する。
【0072】
本発明は、そうでなければ低品質の屋外材であるものの耐久性および耐候性を改善するための木材製品(10)を製造するための方法に関するものである。本発明者らは、現在公開されているまたは市場に出ている他の積層製品を含む他の屋外材製品と比較して、耐候性、耐久性、および安定性が向上した製品を生み出すために、平挽きおよびロータリーピーリング材を処理する方法を開発した。この方法の利点は、より高価な屋外材の耐候性特性を模倣または超えることができることである。この方法は、より望ましい耐久性、硬度、または美的特性を与えるために任意の種を改質するために適用可能である。特定の実施形態では、木材は、ロータリーピーリング材または平挽き材から選択される。
【0073】
本発明者らは、驚くべきことに、本発明の木材製品(10)が長期の屋外用途での使用に適していることを発見した。長期的な屋外用途には、木材製品の一部またはすべてが2、3、6、12、18、24か月以上の間、屋外/風雨にさらされる木材製品の配置が含まれる。1つの実施形態では、本発明の木材製品(10)は、12ヶ月を超える、18ヶ月を超える、または24ヶ月を超える屋外用途での使用に適している。
【0074】
例えば柾目挽きまたは四分挽きによって、より高性能な屋外材を入手するいくつかの方法では、生産中に大量の無駄が生じる可能性がある。平挽きおよびロータリーピーリングのプロセスは、丸太を分解する最も効率的な方法である。しかしながら、平挽きおよびロータリーピーリング材は、他の木材切断部よりも価値が低く、高性能の屋外材の耐久性に欠けている。コア心材、平坦木目、および/または節などの欠陥が含まれている可能性があり、最終的な木材製品の品質と安定性が低下する。屋外用途では、このような木材はしばしば、垂直木目などの生来より高性能な木材を優先して端材として捨てられるか、または欠陥を取り除くためにさらに処理される。平挽きおよびロータリーピーリング材は、屋外用途で使用されると表面の浅割れに悩まされることが多いため、耐候性が低くなる。表面の浅割れは通常、木目に対して垂直に発生し、ひび割れには水分が含まれていることが知られている。これは、木材および/または木材に塗布されたコーティングの早期障害につながる可能性がある。
【0075】
本発明者らは、平坦木目およびロータリーピーリング材を使用することの欠点を軽減するための異なる方法を試験し、これらの欠点は、平挽きまたはロータリーピーリング基材(1)に高性能ベニヤ(2)を追加することによって、特に、高性能ベニヤを耐久性があるが低コストの基材に塗布する場合、効果的に対処できることを発見した。本発明者らは、ベニヤ(1)がベース基材(2)の面を共に保持し、ひび割れ(4)を略低減し、木材およびコーティングの耐用年数を延ばすことを発見した。これは、耐久性があるが比較的安価な低品位の基材(1)と(より高価な)高性能の木材上部ベニヤ(1)との相乗的な組み合わせを形成する。したがって、本発明者らは、より望ましい高価な屋外材の代わりに、より安価で低品位のロータリーピーリング/平挽き材を使用するが、完成品において同じ耐候性を有するという課題に対する解決策を提供した。
【0076】
屋外用途での表面の浅割れ、木材の処理の必要性、およびこれが最終製品に追加するコストを含む欠点のために、屋外用途で使用するための平挽きおよびロータリーピーリング材の生産は制限されている。高スループットの木材操作の場合、これは望ましくなく、商品製品となるものにコストを追加する。本発明者らは、平挽きおよびロータリーピーリング材から製造された製品の市場が存在する可能性があることを認識している。経済的な観点から、より価値の低い材料からより価値の高い製品へのアップグレードが望ましい。したがって、本発明は、有限の資源からより多くの価値を抽出し、土地および森林の持続可能な利用に貢献する方法をユーザーに提供する。
【0077】
屋外用途での平挽き材またはロータリーピーリング材の使用には、特に高価な高性能屋外材に比べていくつかの利点がある。これらの利点は通常、効率、コスト、および環境問題に関連している。ひび割れのない高性能屋外材は、一般的により高価であるか、または供給が限定されている。平挽きまたはロータリーピーリングは、丸太を分解する最も効率的な方法である。丸太を分解する他の方法は非効率的であり、生産中に様々な程度の廃棄物を生み出す。例えば、柾目挽きは、価値の高い略垂直木目材になるが、生産中に多くの廃棄物を生み出す。価値の低い木材をアップグレードする本発明者らの方法は、資源と端材のより効率的な使用をもたらす。
【0078】
したがって、本発明の第1の態様では、高耐久性木材製品(10)を製造する方法であって、
a)耐久性のある基材木材(1)を選択するステップと、
b)高性能表面ベニヤ(2)を選択するステップと、
c)高性能表面層を耐久性のある基材層(3)に接着するステップとを含む、方法が提供される。
【0079】
本発明の1つの重要な態様は、屋外使用のための高耐久性木材の耐久性基材として平挽きまたはロータリーピーリング材を使用する能力である。平挽きおよびロータリーピーリング材は、屋外使用中の表面の浅割れ(ひび割れ(4))の傾向が高まるため、一般的に他の木材断面部よりも価値が低く、望ましくない。木材が生来耐久性のある木材から平挽きまたはロータリーピーリングされるか、または耐久性のない木材から平挽きまたはロータリーピーリングされ、耐久性を高めるためにさらに処理される場合でさえも、上記の欠点に悩まされる可能性がある。例えば、熱改質またはジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)の後、ロータリーピーリング材および無垢の平挽き材の木材繊維はもろくなり、表面浅割れする傾向がある。本発明者らは、驚くべきことに、耐久性のある基材(1)を高性能ベニヤ(2)と積層すると、木材の寸法安定性、耐久性、および耐候性が相乗的に向上することを発見した。耐久性と安定性のために木材の部材を熱改質または保存し、さらに高性能の木材の層を目に見える面に積層することは論理的ではなく、業界の慣習でもない。しかしながら、この方法を適用することにより、本発明者らは、ボードが風化するにつれて表面のひび割れが減少するため、得られる木材がより高性能でより耐久性があることを発見した。この表面コーティング(例えば、塗料)の結果として、安定した上部層のために長持ちもする。
【0080】
1つの特定の実施形態では、耐久性のある基材(1)は、平挽き材またはロータリーピーリング材である。
【0081】
1つの実施形態では、耐久性基材(1)は、整形グレード、商品グレード、標準グレードである。1つの実施形態では、基材は、あられ組みまたは無垢材フォームである。
【0082】
1つの実施形態では、基材(1)は、ユーカリ、ベイスギ、黄杉、チーク、またはカラマツの最低限クラス3耐久性(EN350)または同等のものなどの生来耐久性のある木材である。
【0083】
基材(1)は、改質または防腐処理された木材とすることができる。防腐剤と木材改質技術の使用は、針葉樹などの耐久性の低い木材の耐久性を高める手段を提供することが知られている。これらの技術はよく知られており、マツ属、ダグラスモミ、ポプラ、ゴムなどの耐久性の低い木材の耐久性を高めるために、個別にまたは組み合わせて選択の余地を提供する。適切な防腐剤処理の例には、軽有機溶剤系防腐剤(LOSP)、銅・第四級、アルカリ銅・第四級(ACQ)、クロム銅ヒ素(CCA)最低UC3A(アメリカ木材保護協会-AWPA)、水性アゾール、任意選択で殺虫剤および/または撥水剤、微粉化銅アゾール(MCA)、ナフテン酸銅または均等物が含まれる。
【0084】
基材(1)は、マツ属、ダグラスモミ、ポプラ、ブナ、または熱改質されたラバーウッドなどの非耐久性木材とすることもできる。熱改質材は、木材の安定性の向上を示す。木材の安定性の向上に加えて、熱改質プロセスは、木材全体に浸透する恒久的な色の変化を木材にもたらす。
【0085】
木材を熱改質すると、屋外耐久性が向上した木材をもたらすため、地上の多くの用途で防腐処理なしで木材を使用できる。好ましくは、熱改質は、約200℃~260℃の間の温度で実施される。好ましくは、温度は、200~260℃の範囲内、または約250℃、約240℃、約230℃、約220℃、約210℃、または約200℃である。いくつかの実施形態では、熱改質の温度は、160℃まで低くてもよい。本発明者らは、200~240℃で木材を熱改質することにより、中程度の暗褐色に加えて、屋外用途(例えば、被覆、デッキ用材料)に適した製品を提供する耐久性および安定性を与えることを発見した。160℃~200℃での熱改質により、安定性は向上するが、単に明るい茶色を与える。
【0086】
200~240℃の好ましい温度での処理期間は、好ましくは2~4時間、または約3時間である。いくつかの実施形態では、処理は、1~6時間とすることができる。
【0087】
上記の温度で熱改質する前に、木材を乾燥させて含水率を略0%に下げることが好ましい。1つの実施形態では、乾燥は、木材を130℃に加熱するために熱および任意選択で蒸気を印加することによって達成される。乾燥ステップの期間は、木材の元の含水率によって異なる。
【0088】
1つの実施形態では、熱改質は。高圧シリンダー内で実施され、窯乾燥材の高圧蒸気処理を伴う。好ましくは、窯乾燥材は、約16%以下の含水率を有する。
【0089】
熱改質に関連する高温用に特別に設計された高圧シリンダーまたは窯システムを、熱改質ステップに使用することができる。例として、TekkmaheatまたはStellacによって提供されるようなそのような熱改質窯は、当業者によく知られているであろう。クローズドセル熱改質プロセスは、熱改質プロセスとしての使用にも適している。例として、Wood Treatment Technologyによって提供されるようなそのようなクローズドセルシステムは、当業者に知られているであろう。1つの実施形態では、クローズドセル熱改質は、150℃~190℃、より好ましくは160~180℃で実施される。
【0090】
180~240℃でベイスギの外観が実現される。温度が上昇すると、木材の構造的完全性が低下する可能性がある。したがって、より高い温度はより望ましいより暗い色をもたらす可能性があるが、結果として生じる構造的完全性の喪失は、木材を使用できる最終的な用途を決定する。熱改質は、好ましくは、約2日~約4日の期間にわたって、より好ましくは3日にわたって実施されて、完全に着色され乾燥された製品(約6~8%の水分含有量)を与える。
【0091】
1つの実施形態では、木材の熱改質は、木材に防腐特性を提供する。特に、熱改質木材は、真菌、昆虫、バクテリア、および/または藻類による分解に対する耐性が向上している。化学的防腐剤化合物処理の代わりに熱改質の使用は、以下を含む利点をユーザーに提供する。
・処理コストと防腐剤化合物を削減する。
・動物/人間の健康への毒性を削減する。
・他の種への毒性を削減し、したがって環境への影響を低下させる。
【0092】
いくつかの状況では、例えば、木材がシロアリの攻撃にさらされる可能性がある場合、3-フェノキシベンジル-(1RS)-シス、トランス-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(ペルメトリン)および/またはN-[1-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イル]ニトラミド(イミダクロプリド)も使用できる。
【0093】
耐久性のある基材(1)の構築は、当業者に周知の方法によるものとすることができ、無垢材、あられ組み、積層、合板、交差積層、または単板積層材(LVL)を含む。別の一実施形態では、基材(1)は、ボード(6)、パネル(7)、または柱材(8)とすることができる。
【0094】
1つの特定の実施形態では、基材(1)は、互いに直角に向けられ、フェノールホルムアルデヒドなどの屋外グレードの接着剤を使用してプレスで互いに面接着されたロータリーピーリングベニヤを含む合板である。
【0095】
本発明者らは、高性能木材のベニヤ(2)を基材(1)の面に積層することにより、ベース基材の面を共に保持し、ひび割れ(4)を大幅に減らし、木材およびコーティングの耐用年数を延ばすことを発見した。本発明の1つの重要な態様では、ベニヤ(2)は、屋外条件でひび割れする可能性が低い、安定した、耐久性のある、高性能の木材である。
【0096】
1つの実施形態では、高性能木材のベニヤ(2)は、ベイスギ、ユーカリ、クウィラ/メルバウ、チーク、ヒノキ、桐、熱改質オーク、熱改質ブナ、スポッティドガム、および熱改質アッシュなどの安定した生来耐久性のある木材を含む。
【0097】
1つの実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、略垂直木目材を含む。1つの実施形態では、略垂直木目材は四分挽きされる。1つの実施形態では、高性能木材のベニヤ(2)は、略垂直木目方向で積層されるため、ベニヤ(2)は、木材の面上に垂直木目の外観を有するが、略平坦木目材から作られる。1つの実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、ラジアータパインなどの非耐久性木材である。
【0098】
1つの実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、平坦木目、柾目挽き、クラウンカット、および/または混合木目材を含む。
【0099】
1つの実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、その安定性、耐久性、および屋外条件での性能を高めるように改質された、マツ種、トウヒ、ブナ、アッシュ、ダグラスモミ、ラバーウッド、ポプラ、シーダー、コークなどの非耐久性木材を含む。1つの実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、熱改質、緻密化、熱機械的緻密化、アセチル化、フルフィレーション、樹脂含浸、ジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)改質、アルカリ銅・第四級(ACQ)改質、銅アゾール処理、および/またはそれらの組み合わせから選択される改質を含む。
【0100】
1つの特定の実施形態では、高性能木材(2)のベニヤは、熱改質された略垂直木目のラジアータパイン、または略垂直木目方向で積層されたラジアータパイン材である。1つの実施形態では、熱改質垂直木目材は、四分挽きされる。
【0101】
別の一実施形態では、高性能木材のベニヤ(2)は、垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパインである。熱改質された垂直木目ベニヤ(2)は、略平坦木目材から作られた木材の面に垂直木目の外観を有する木材とすることができる。例えば、木材は、米国特許第10,059,027号に開示されている方法によって製造することができる。特に、少なくとも2つの平坦木目熱改質ボードは、接着によって共に積層されて、積層ブロックを形成し、ここで、各々の元のボードは、積層された層を含む。次に、ブロックを木目に対して略垂直に切断して、個々の積層ボードを製造する。各々の積層ボードは、積層された層の間に少なくとも1つの接着線を示す前面および背面を含み、前記面は、略垂直木目方向の外観を有する。この技術は、積層ボードの長さに沿って延在する各々の元のボードの接合部に接着線があるボードを生成する。この方法で処理された木材は、反り、裂け目、表面の浅割れに対してより耐性があり、したがって使用時により安定する。
【0102】
図1は、平坦木目A、垂直木目C、追い柾B、および混合木目Dの樹木から製材された木材を示している。各々のボードは、幅と深さによって定義される平面に沿って切断され、ボードの長さは、丸太に沿って延在し、図1の切断部の幅は、深さよりも大きくなっている。ボードの長さは任意の長さにすることができる。略平坦木目方向とは、ボードのエッジに対して0°~35°の年輪を有するボードを意味する。追い柾ボードは、ボードのエッジに対して35°~65°の年輪を有し、垂直木目(または四分挽き)ボードは、ボードのエッジに対して65°~90°の年輪を有する。当業者は、垂直木目の外観を有する積層ボードが、平坦木目材の大部分で構成され得ることを理解するであろう。しかしながら、特定の実施形態では、追い柾または垂直木目材で構成される最終積層ボードの断面幅の最大20%があり得る。
【0103】
別の一態様では、高性能木材のベニヤは、熱改質されたアセチル化木材である。1つの実施形態では、ベニヤは、熱改質されたアセチル化ラジアータパインである。
【0104】
1つの特定の態様では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)の熱改質は、約200℃~260℃の間の温度で実施される。好ましくは、温度は、200~260℃の範囲、または約250℃、約240℃、約230℃、約220℃、約210℃、または約200℃である。いくつかの実施形態では、熱改質の温度は、160℃まで低くてもよい。本発明者らは、200~240℃で木材を熱改質することにより、中程度の暗褐色に加えて、屋外用途(例えば、被覆、デッキ用材料)に適した製品を提供する耐久性および安定性を与えることを発見した。160℃~200℃での熱改質により、安定性は向上するが、単に明るい茶色になる。
【0105】
200~240℃の好ましい温度での処理の期間は、好ましくは2~4時間、または約3時間である。いくつかの実施形態では、処理は、1~6時間とすることができる。
【0106】
上記の温度で熱改質する前に、木材を乾燥させて含水率を略0%に下げることが好ましい。1つの実施形態では、乾燥は、木材を130℃に加熱するために熱および任意選択で蒸気を印加することによって達成される。乾燥ステップの期間は、木材の元の含水率によって異なる。
【0107】
1つの実施形態では、熱改質は高圧シリンダー内で実施され、窯乾燥材の高圧蒸気処理を伴う。好ましくは、窯乾燥材は、約16%以下の含水率を有する。
【0108】
熱改質に関連する高温用に特別に設計された高圧シリンダーまたは窯システムを、熱改質ステップに使用することができる。例として、TekmaheatまたはStellacによって提供されるようなそのような熱改質窯は、当業者によく知られているであろう。クローズドセル熱改質プロセスは、熱改質プロセスとしての使用にも適している。例として、Wood Treatment Technologyによって提供されるようなそのようなクローズドセルシステムは、当業者に知られているであろう。1つの実施形態では、クローズドセル熱改質は、150℃~190℃、より好ましくは160~180℃で実施される。
【0109】
180~240℃でベイスギの外観が実現される。温度が上昇すると、木材の構造的完全性が低下する可能性がある。したがって、より高い温度はより望ましいより暗い色をもたらす可能性があるが、結果として生じる構造的完全性の喪失は、木材を使用できる最終的な用途を決定する。熱改質は、好ましくは、約2日~約4日の期間にわたって、より好ましくは3日にわたって実施されて、完全に着色され乾燥された製品(約6~8%の水分含有量)を与える。
【0110】
一実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、熱改質、緻密化、熱機械的緻密化、アセチル化、フルフィレーション、樹脂含浸、ジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)改質、アルカリ銅・第四級(ACQ)改質、銅アゾール処理、および/またはそれらの組み合わせから選択される改質を含む。
【0111】
木材は、化学的、機械的、または化学的プロセスと機械的プロセスの組み合わせによって緻密化することができる。化学的緻密化は、木材内の空間を流体で満たすことに依存し、一方、機械的緻密化は、機械的な力を印加することによる木材の圧縮に依存する。木材の緻密化の方法は、当業者によく知られているであろう。
【0112】
熱機械的に緻密化された木材は、特に機械的な力と熱を印加することによる木材の圧縮を伴う。木材を熱機械的に緻密化するための方法は、当業者に知られているであろう。1つの方法では、熱機械的緻密化プロセスは、高温プラテンが木材と接触されて圧力を印加し、熱伝達を可能にする、熱機械的プレスの使用を含む。
【0113】
アセチル化による木材の改質には、化学試薬と木材構造高分子成分との反応が含まれ、試薬と木材基材の間に共有結合の形成をもたらす。得られた生成物には、木材の細胞壁のヒドロキシル(OH)部位に結合したアセチル基が含まれている。反応はケテン、酢酸、または塩化アセチルを使用して行うことができるが、最も有用なプロセスは、無水酢酸との反応による木材のアセチル化である。木材のアセチル化の方法は、当業者に知られているであろう。アセチル化木材は非常に耐久性があり、最高のEN 350-2クラス、クラス1に改良されている(Sandberg D.、KutnarA.、Mantanis G、 iForest-Biogeosciences and Forestry (2017) 10、第6号、895-908頁)。
【0114】
ジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)改質には、真空/圧力プロセスでの1,3-ジメチロール-4,5-ジヒドロキシエチレン尿素の木材への含浸が含まれる。任意選択で、塩化マグネシウム(MgCl)などの触媒を使用することもできる。理論に縛られることなく、DMDHEUは木材中の化合物と架橋し、細胞壁内で自己重縮合する。これにより、細胞壁が恒久的に膨らみ、木材の寸法変化が減少する。木材のDMDHEU改質の方法は、当業者によく知られているであろう。DMDHEUは、木材の寸法安定性、耐候性、耐久性を向上させることが知られている(Militz,H.、Schaffert,S.、Peters,B.C.ら、Wood Sci Technol(2011)45:547)。
【0115】
フルフリル改質木材は、フルフリルアルコールを使用して木材の細胞構造を改質し、それによって表面の硬度、安定性、耐久性を高めるフルフリル化として知られるプロセスを経る。この手法を使用して色を変更することもできる。木材のフルフリル化を達成するための方法は、当業者に知られている。
【0116】
樹脂含浸には、圧力を使用して有機または非有機ベースの樹脂(例えば、メラミン、尿素ホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、または尿素とデンプンベースのエマルジョンまたはパイン脂の組み合わせ)を木材内に押し込むことが含まれる。これにより、木材の安定性、耐久性、および/または表面硬度の特性が向上する。この手法を使用して色を変更することもできる。
【0117】
1つの実施形態では、高性能木材のベニヤ(2)は、難燃剤を含浸させた木材を含む。1つの実施形態では、ベニヤ(2)は、メラミン樹脂と難燃剤との混合物を含浸させた木材を含む。
【0118】
任意選択で、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、LOSPなどの防腐剤、溶媒または水性アゾール、および/または合成ピレスロイド、ネオニコチノイド、またはホウ素などの殺虫剤でさらに処理される。任意選択で、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、化学防腐剤および/または殺虫剤で処理されていない。
【0119】
1つの実施形態では、本明細書に記載の高性能木材のベニヤ(2)は、耐火性であり、最低限ASTM E84クラスA、AS3959 BAL29(オーストラリア規格3959)、および/またはEN 13501-1ユーロクラスB(欧州規格13501-1)を備える。
【0120】
1つの実施形態では、ベニヤ(2)木材は、ボード(6)またはパネルである。
【0121】
特定の一実施形態では、高性能木材のベニヤ(2)は、約1mm~10mmの厚さを有する。1つの実施形態では、ベニヤ(2)は、約1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、9mm、または10mmの厚さを有する。
【0122】
上部ベニヤ(2)および/または基材(1)は、単独で、または防腐処理プロセスの一部として、圧力含浸、噴霧、または浸漬によって木材表面に付与できるUV安定顔料を使用してさらに着色することができる。この顔料は、紫外線を含む風化の影響から木材をさらに保護することと、「シルバーオフ」効果を遅らせることによって木材の色を維持することの両方に作用する。
【0123】
1つの実施形態では、本発明の方法は、防腐剤処理または耐久性を改質された、主に平挽きまたはロータリーピーリングされたパイン(または同様の木材)基材(1)の面に、厚さ1mm~10mmの高性能木材のベニヤ(2)を積層することを含む。
【0124】
1つの特定の実施形態では、高性能木材のベニヤ(2)は、無垢材、あられ組み、積層、合板、交差積層、または単板積層材(LVL)の基材木材(1)の面に積層される。1つの特定の実施形態では、高性能木材(2)のベニヤは、ボード、パネル、または柱材の基材木材(1)の面に積層される。1つの特定の実施形態では、高性能木材ボードのベニヤ(2)は、基材パネル(1)の外面に対して端部から端部まで面積層されている。1つの実施形態では、高性能木材のベニヤ(2)は、柱基材(1)の外面に積層される。
【0125】
1つの実施形態では、木材製品(10)は交差積層されている。1つの特定の実施形態では、木材製品(10)は、3つの層:本明細書に記載されるような高性能木材層の上部ベニヤ(2)および本明細書に記載されるような基材(1)の2層を含み、中間基材層は、上部ベニヤ層および下部基材層に対して90度に配置されて交差積層材パネルを形成する。1つの実施形態では、交差積層製品の層は、メラミン接着剤を使用して3層構造に面接着(3)される。
【0126】
好ましくは、高性能木材のベニヤ(2)は、基材(1)に接着(3)されている。好ましくは、接着剤層(3)は、ポリウレタン、メラミン、メラミン尿素、フェノール、またはレゾルシノール接着剤などの高性能屋外用接着剤である。好ましくは、高性能木材のベニヤ(2)と基材(1)との間の接着剤層(3)は、耐熱性または難燃性である。好ましくは、接着剤層(3)は、基材(1)の色と類似した色を有する。
【0127】
本発明の方法における積層のプロセスは、当業者に知られているであろう標準的な技術を含む。当業者は、ベニヤ(2)を基材(1)に積層するための多くの方法があることを理解しているであろう。
【0128】
1つの実施形態では、木材製品(10)を製造する方法は、2つの基材木材(1)を、高性能木材の単一のベニヤ(2)の両側に積層する、ステップ1と、ベニヤ材(1)を中央で分割する、ステップ2と。得られた木材製品を最終用途のプロファイルに成形する、ステップ3とを含む(図6を参照)。
【0129】
1つの実施形態では、接着積層プラントを使用して、基材(1)およびベニヤをダブルアップとして接着する(2つの基材木材(1)を単一のベニヤ材(2)の両側に積層する)。次に、ダブルアップをバンドソーで半分に切断して2つの部材を作製する(図6のステップ2を参照)。次に、これらの部材を成形して、最終用途に適したプロファイルを提供できる。
【0130】
特定の一実施形態では、従来の接着積層プラントを使用して、ベニヤを基材(1)の4つの側面すべてに接着して、構造梁/柱材(8)を形成する。
【0131】
あるいはまた、パネルプレスは、高性能木材(2)の表面ベニヤがホットまたはコールドベニヤプレスを使用して基材(1)表面にプレスされる場合に使用できるか、または、このプロセスは、適切な接着剤が使用されたならば、工業用フローリングプラントを介して実行できる。あるいはまた、高性能木材の表面層ベニヤ(2)を真空または機械式プレスを使用して基材(1)にプレスする場合、交差積層材プレスを使用することができる。次に、これらの部材を成形して、最終用途に適したプロファイルを提供できる。
【0132】
1つの特定の実施形態では、部材を成形して、バンドソー切断された、ブラシをかけられた、テクスチャード加工された、または滑らかな整形面を使用した、下見板張り被覆、相欠き継ぎ、さねはぎ継ぎ、角材、菱形、デッキ用材料、またはスクリーニング用を含む最終用途に適したプロファイルを提供できる。
【0133】
1つの特定の実施形態では、基材(1)は熱改質されたパイン合板であり、高性能木材のベニヤ(2)は熱改質された垂直木目木材である。1つの特定の実施形態では、基材(1)は熱改質されたパイン合板であり、高性能木材のベニヤ(2)はアセチル化されたパインである。1つの特定の実施形態では、基材(1)は熱改質されたラジアータパインであり、高性能木材のベニヤ(2)は垂直木目杉である。
【0134】
1つの特定の実施形態では、木材製品は、本明細書に記載されるように、緻密化、熱機械的緻密化、アセチル化、フルフィレーション、樹脂含浸、ジメチルオルジヒドロキシエテレン尿素(DMDHEU)改質、アルカリ銅・第四級(ACQ)改質、銅アゾール処理、および/またはそれらの組み合わせなどの改質によって積層後に処理される。1つの実施形態では、木材製品は、溶媒または水性アゾールなどの防腐剤および/または合成ピレスロイド、ネオニコチノイド、またはホウ素などの殺虫剤によって積層後に処理される。さらなる一実施形態では、木材製品は、積層後に難燃剤で処理される。積層後処理は、接着線を使用して、樹脂/改質化学物質をボード上の特定の領域(ほとんどの場合、これは木材の表面になる)に制限するために使用され得る。
【0135】
本発明の第2の態様によれば、ベニヤ(2)および基材(1)を含む工業木材製品(10)であって、
a.基材は、平挽きまたはロータリーピーリングによって切断された耐久性のある基材木材(1)であり、
b.ベニヤ(2)は、屋外条件でひび割れする可能性が低い高性能木材であり、
c.ベニヤは、基材(1)に接着されており、
得られた木材製品(10)は、高性能木材のみで作られた場合の同じ厚さの木材製品よりも低コストで、屋外用途での長期使用に適している、工業木材製品(10)が提供される。
【0136】
1つの実施形態では、木材製品は、下見板張り被覆、相欠き継ぎ、さねはぎ継ぎ、角材、菱形、デッキ用材料、またはスクリーニング用を含む最終用途に適している。1つの実施形態では、木材製品(10)は、ボード、パネル、または柱材とすることができる。
【0137】
1つの実施形態では、木材製品は、約140×18mm、約140×27mmまたは約90×20mmの寸法または約180×20mm(幅×高さ)の被覆またはデッキボードである。1つの実施形態では、木材製品は、約70~290×20~32mmの被覆またはデッキボード、または約15~25mmの厚さ×600~1200mmの幅×2400~6000mmの長さのパネルである。
【0138】
1つの実施形態では、木材製品は、バンドソー切断された、ブラシをかけられた、テクスチャード加工された、または滑らかな整形面を含む。
【0139】
上記および下記に引用されているすべての出願、特許、および文献の開示全体は、ある場合は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0140】
本明細書における先行技術への言及は、その先行技術が世界のどの国においても試みの分野における共通の一般知識の一部を形成するという承認またはいかなる形式の示唆でもなく、またそのように解釈されるべきではない。
【0141】
本発明はまた、本出願の明細書において個別にまたは集合的に参照されるか、または示される部品、要素、および構成に、または前記部品、要素、または構成のうちの2つ以上の任意のまたはすべての組み合わせに存するものとして広く言うことができる。
【0142】
前述の説明が整数またはその既知の均等物を有する構成要素に言及されている場合、それらの整数は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0143】
本明細書に記載されている現在のところ好ましい実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者には明らかであることに留意すべきである。そのような変更および修正は、本発明の範囲から逸脱することなく、かつそれに付随する利点を損なうことなく行うことができる。したがって、そのような変更および修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【実施例
【0144】
実施例1-熱改質パイン基質上へのアセチル化ラジアータパインベニヤ
150×35mmの粗切断寸法の平挽き整形グレードのラジアータパインを熱改質した。熱改質は、約230度の温度で実施された。
【0145】
次に、熱改質されたパインを約145×32mmに機械加工し、切断して欠陥を取り除き、スニップソーを使用して長さ180mm~400mmのクリアグレードのシェイクを作製した。次に、木材のシェイクをポリウレタン接着剤で接合部にあられ組みした。
【0146】
次に、145×32mmのボードを、薄いカーフバンドソーを使用して、ボードの厚さを約145×15mmのボードに分割した。
【0147】
約145×14mmの寸法のアセチル化ラジアータパインを2枚の145×15の熱改質ラジアータパインの間に置き、ポリウレタン接着剤を使用して面積層した。
【0148】
接着剤が完全に硬化したら、薄いカーフバンドソーを使用して集成材ブロックを真っ二つに分割し、約145×21mmの2つの部材を残した(図6のステップ1と2を参照)。
【0149】
ボードは最終的に4つの側面を約140×18mmのデッキ用材料に機械整形した。
【0150】
完成品は、ニュージーランドのウェストオークランドにある出願人の試験場所の屋外で、北向きの水平デッキラックに設置され、約2年間風雨にさらされた。
【0151】
木材の評価
風化したボード(図5A図5B図7A、および図7B)は、露出面の浅割れを示す平挽き熱改質パイン(図3A図3B図4A、および図4B)と比較した場合、表面の浅割れの減少を示しているか、またはまったく示さない。
【0152】
実施例2-熱改質パイン基材上への混合材のベニヤ
150×35mmの粗切断寸法の平挽き整形グレードのラジアータパインを熱改質した。熱改質は、約230度の温度で実施された。
【0153】
次に、熱改質されたパインを約145×32mmに機械加工し、切断して欠陥を取り除き、スニップソーを使用して長さ180mm~400mmのクリアグレードのシェイクを作製した。次に、木材のシェイクをポリウレタン接着剤で接合部にあられ組みした。
【0154】
次に、145×32mmのボードを、薄いカーフバンドソーを使用して、ボードの厚さを約145×15mmのボードに分割した。
【0155】
垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパイン、マクロカルパ、スポッティドガム、ユーカリ、樹脂含浸ラジアータパイン、および垂直木目ベイスギを含む様々な木材を使用して、約145×14mmの寸法の木材を2枚の145×15の熱改質ラジアータパインの間に置き、ポリウレタン接着剤を使用して面積層した。
【0156】
接着剤が完全に硬化したら、薄いカーフバンドソーを使用して集成材ブロックを中央で分割し、約145×21mmの2つの部材を残した。
【0157】
ボードは最終的に4つの側面を約140×18mmのさねはぎ継ぎの被覆およびデッキ用に機械整形した。
【0158】
完成品は、ニュージーランドのウェストオークランドにある出願人の試験場所の屋外で、北向きの水平デッキラックに設置され、約3年間風雨にさらされた。
【0159】
木材の評価
3年間の風化後、すべてのサンプルは、平挽きされた熱改質ラジアータパイン(図3A図3B図4A、および図4B)と比較して、移動と表面の浅割れの減少を示した(図8A図8B図9A、および図9B)。
【0160】
実施例3-積層CCA処理パイン基材上への熱改質垂直木目パイン
約140×6mmの寸法の垂直木目方向で積層された熱改質ラジアータパインを、ポリウレタン接着剤を使用して、積層CCA処理ラジアータパイン柱材の外面に面積層した(図10および図11)。
【0161】
接着剤が完全に硬化したら、面をきれいにするために、集成材ブロックの4つの側面をバンドソーで切断した。
【0162】
完成品は、ニュージーランドのウェストオークランドにある出願人の試験場所の屋外で、水平デッキラックに置かれ、約6か月間風雨にさらされた。
【0163】
木材の評価
積層された垂直木目上部ベニヤは、面にひび割れの兆候を示さなかったが、CCA処理された平挽きパインベース材はひび割れし始めていた(図11Aおよび図11B)。
【0164】
実施例4-熱改質合板基材上への熱改質垂直木目パイン
約140×5mmの寸法の垂直木目方向で積層されたバンドソー切断面熱改質ラジアータパインのボードは、メラミン尿素接着剤を使用して、12mm厚の熱改質ラジアータパイン屋外グレード合板パネルの外面に端部から端部まで積層された。パネルは、コールドプレスの圧力下で硬化された。
【0165】
完成品は、ニュージーランドのウェストオークランドにある出願人の試験場所の屋外で、垂直被覆ラックに置かれ、約2年間風雨にさらされた。
【0166】
木材の評価
面に積層された垂直木目を備えたパネル(図12A図12B、および図12C)は、18か月後にロータリーピーリングされた熱改質ラジアータパインパネル(図3A図3B図4A、および図4B)よりも少ないひび割れを示した。
【0167】
実施例5-ACQ処理LVL基材上への柾目挽きACQ処理パイン
ACQ処理された窯乾燥された四分挽きラジアータパインは、約145×20mmの寸法のボードに機械加工された。
【0168】
次に、約145×20mmの寸法のACQ処理されたラジアータパイン単板積層材(LVL)の2つのボードを、フェノールホルムアルデヒド接着剤を使用して145×20mmの四分挽きACQラジアータパインボードの両側に面積層し、約145×60mmのブロックを形成した。次に、合板製造の当業者によく知られている方法で、ブロックをホットプレスで硬化させた。
【0169】
接着剤が完全に硬化したら、薄いカーフバンドソーを使用して、集成材ブロックを60mmの厚さの中央で分割し、約145×30mmの2つの部材を残した。
【0170】
ボードは最終的に約140×27mmのデッキ用材料に4つの側面を機械整形した。
【0171】
完成品は、ニュージーランドのオークランドにある出願人の試験場所の屋外で、西向きのデッキに設置され、約2年間風雨にさらされた。
【0172】
木材の評価
板は平坦で真っ直ぐのままであり、同じ用途でロータリーピーリングまたは平挽きされたラジアータパインと比較した場合、約2年間の風化後、ひび割れはほとんど/まったく示さなかった(図13Aおよび図13B)。
【0173】
実施例6-熱改質パイン基材上へのアセチル化熱改質ラジアータパインベニヤ
150×35mmの粗切断寸法の平挽き整形グレードのラジアータパインを熱改質した。熱改質は、約230℃の温度で実施された。次に、熱改質されたパインを約145×32mmに機械加工し、切断して欠陥を取り除き、スニップソーを使用して長さ180mm~400mmのクリアグレードのシェイクを作製した。
【0174】
次に、木材のシェイクをポリウレタン接着剤で接合部にあられ組みした。次に、145×32mmのボードを、薄いカーフバンドソーを使用して、ボードの厚さを約145×15mmのボードに分割した。
【0175】
150×25mmの寸法のアセチル化ラジアータパインを230℃で熱改質した。アセチル化ラジアータパイン材は、145×14mmの寸法に切断された。次に、アセチル化ラジアータパイン材を、2枚の145×15の熱改質ラジアータパインの間に置き、ポリウレタン接着剤を使用して面積層した。
【0176】
接着剤が完全に硬化したら、薄いカーフバンドソーを使用して集成材ブロックを中央で分割し、約145×21mmの2つの部材を残した(図6のステップ1と2を参照)。
【0177】
ボードは最終的に4つの側面を約140×18mmのデッキ用材料に機械整形した。完成品は、出願人の試験場所の屋外に6か月間設置された。
【0178】
木材の評価
積層されたアセチル化熱改質上部ベニヤは、面割れの兆候を示さなかったが、熱改質平挽きンパインベース材はひび割れし始めていた(図14A図14B図15A、および図15B)。
【0179】
実施例7-熱改質パイン基材上への樹脂含浸ラジアータパインベニヤ
100×35mmの粗切断寸法の平挽き整形グレードのラジアータパインを熱改質した。熱改質は約230℃の温度で実施された。次に、熱改質されたパインを約90×32mmに機械加工し、切断して欠陥を取り除き、スニップソーを使用して長さ180mm~400mmのクリアグレードのシェイクを作製した。次に、木材のシェイクをポリウレタン接着剤で接合部にあられ組みした。
【0180】
次に、90×32mmのボードを、薄いカーフバンドソーを使用して、ボードの厚さを約90×15mmのボードに分割した。
【0181】
100×32寸法のラジアータパインは230℃で熱改質された。次に、圧力容器内でメラミン樹脂と難燃剤の混合物を木材に圧力含浸させた。その後、木材を窯で約10日間乾燥させた。
【0182】
含浸された木材は90×14mmの寸法に切断され、90×15の熱改質ラジアータパインの2つの部材の間に配置され、フェノールホルムアルデヒド接着剤を使用して面積層された。
【0183】
接着剤が完全に硬化したら、薄いカーフバンドソーを使用して集成材ブロックを中央で分割し、約90×21mmの2つの部材を残した(図6のステップ1と2を参照)。
【0184】
ボードは最終的に4つの側面を約90×20mmに機械整形された。完成品は、出願人の試験場所の屋外に1年間設置された。
【0185】
木材の評価
樹脂を含浸させたパインベニヤは、面割れの兆候を示さなかった(図16A図16B図17A、および図17Bを参照)。
【0186】
実施例8-熱改質パイン交差積層材基材上への積層垂直木目熱改質ラジアータパインベニヤ
150×32mmの粗切断寸法の平挽き整形グレードのラジアータパインを熱改質した。熱改質は、約230℃の温度で実施された。次に、150×32mmのボードを、薄いカーフバンドソーを使用して、約145×6mmのボードに機械加工されたボードの厚さに分割した。次に、木材をスニップソーで長さに切断した。
【0187】
2層の平挽きボードを、約140×5mmの寸法の垂直木目方向で積層されたバンドソー切断面熱改質ラジアータパインの上部層と組み合わせた。ボードは、メラミン接着剤を使用して3層構造に面接着された。中間層を上層と下層に対して90度に配置して、交差積層材パネルを形成した。パネルは、コールドプレスの圧力下で硬化された。
【0188】
ボードは最終的に約140×18mmの被覆用に機械整形された。完成品は、出願人の試験場所の屋外に3か月間設置された。
【0189】
木材の評価
積層された垂直木目熱改質ラジアータパインベニヤは、表面の浅割れ/ひび割れの兆候の減少を示した(図18Aおよび図18Bを参照)。
【0190】
実施例の各々において、寸法的に安定した基材木材を有しながら、非常に良好に風化する高性能ベニヤの表面を有する集成材製品が製造された。得られた製品は、無垢の高性能木材の木材製品として設置されたときのようであったが、完全に高性能ベニヤ材で作られた場合よりも低コストで製造された。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
【国際調査報告】