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特表2023-507835タッチスクリーンの初期値設定方法、タッチスクリーン及び表示装置、電子デバイス
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  • 特表-タッチスクリーンの初期値設定方法、タッチスクリーン及び表示装置、電子デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(54)【発明の名称】タッチスクリーンの初期値設定方法、タッチスクリーン及び表示装置、電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20230217BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538431
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2022-08-19
(86)【国際出願番号】 CN2020136372
(87)【国際公開番号】W WO2021121201
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】201911312639.2
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522247013
【氏名又は名称】集▲創▼北方(深▲セン▼)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】申 丹丹
(57)【要約】
タッチスクリーンの初期値設定方法、タッチスクリーン及表示装置、電子デバイスを開示した。タッチスクリーンは、複数の駆動電極を含む駆動電極層と、複数の第1サブブロック及び少なくとも1つのベースブロックに分割される検出電極層と、を含み、ベースブロックを基準として各第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割し、ベースブロック及び複数の第2サブブロックを検出電極とし、第2サブブロックの面積とベースブロックの面積とは実質的に同じである。本出願は、検出電極層の複数の検出電極間の初期静電容量値の一貫性を向上させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動電極を含む駆動電極層と、
複数の第1サブブロック及び少なくとも1つのベースブロックに分割される検出電極層と、を含み、前記ベースブロックを基準として各前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割し、前記ベースブロック及び複数の前記第2サブブロックを検出電極とし、前記第2サブブロックの面積が前記ベースブロックの面積と一致することを特徴とする、タッチスクリーン。
【請求項2】
前記第1サブブロックの面積及び前記ベースブロックの面積に基づいて、前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割することを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項3】
同じ前記第1サブブロックに位置される第2サブブロックの面積は同じであることを特徴とする、請求項2に記載のタッチスクリーン。
【請求項4】
前記ベースブロックの形状は、前記検出電極層の形状と同じであることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項5】
前記ベースブロックの幾何学的中心は、前記検出電極層の幾何学的中心と重なることを特徴とする、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項6】
少なくとも一部の前記第1サブブロックは環状であることを特徴とする、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項7】
少なくとも一部の前記第1サブブロックの縁部形状は、前記検出電極層の形状と同じであることを特徴とする、請求項6に記載のタッチスクリーン。
【請求項8】
前記検出電極層の形状は、方形、多角形、又は円形であることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項9】
前記ベースブロックの特徴サイズは、2mm~8mmであることを特徴とする、請求項8に記載のタッチスクリーン。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のタッチスクリーンを含むことを特徴とする、表示装置。
【請求項11】
前記タッチスクリーンの検出電極は、表示電極に多重化されることを特徴とする、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示装置は、LED表示装置、液晶表示装置、micro LED表示装置、OLED表示装置を含むが、これらに限定されないことを特徴とする、請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか一項に記載のタッチスクリーンを含むことを特徴とする、電子デバイス。
【請求項14】
前記電子デバイスは、携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、ウェアラブル電子デバイスを含むが、これらに限定されないことを特徴とする、請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
検出電極層を複数の第1サブブロック及び少なくとも1つのベースブロックに分割するステップと、
前記ベースブロックを基準として前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップと、を含み、前記ベースブロック及び複数の前記第2サブブロックを検出電極とし、前記第2サブブロックの面積が前記ベースブロックの面積と一致することを特徴とする、タッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項16】
前記ベースブロックの形状は、前記検出電極層の形状と同じであることを特徴とする、請求項15に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項17】
前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップは、
前記第1サブブロックの面積及び前記ベースブロックの面積に基づいて、前記第1サブブロックに含まれる第2サブブロックの数を取得するステップと、
前記第1サブブロックに含まれる第2サブブロックの数に基づいて、前記ベースブロックの中心を基準として、前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップと、を含むことを特徴とする、請求項15に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項18】
前記ベースブロックの幾何学的中心は、前記検出電極層の幾何学的中心と重なることを特徴とする、請求項15に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項19】
少なくとも一部の前記第1サブブロックは環状であることを特徴とする、請求項18に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項20】
少なくとも一部の前記第1サブブロックの縁部形状は、前記検出電極層の形状と同じであることを特徴とする、請求項19に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年12月18日に提出された、出願番号が201911312639.2、発明名称が「タッチスクリーンの初期値設定方法、タッチスクリーン及び表示装置、電子デバイス」である中国特許出願について優先権を主張し、その内容の全てが本出願の一部として援用される。
【0002】
本発明は、タッチ制御の技術分野に関し、特に、タッチスクリーンの初期値設定方法、タッチスクリーン及び表示装置、電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
タッチ制御技術の発展に伴い、タッチデバイスは、様々な電子端末で広く使用されている。要件を満たすために、現在、表示装置や電子デバイスで使用されているタッチスクリーンは、もはや単なる通常の方形のスクリーンではない。タッチスクリーンのマルチポイントタッチを実現するために、検出電極層を分割して設計することはより困難である。
【0004】
従来技術では、分割によって得られた各検出電極の初期静電容量値の不一致を常にソフトウェアによって補償する。しかしながら、分割された各検出電極間の初期静電容量の差が大きすぎる場合、ソフトウェアの補償によって検出電極の初期静電容量値の一貫性を向上することは困難である。
【発明の概要】
【0005】
上記の問題を考慮して、本発明は、タッチスクリーンの検出電極の初期静電容量値の一貫性を向上させるために、タッチスクリーンの初期値設定方法、タッチスクリーン及び表示装置、電子デバイスを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一態様によれば、複数の駆動電極を含む駆動電極層と、複数の第1サブブロック及び少なくとも1つのベースブロックに分割された検出電極層とを含むタッチスクリーンが提供される。前記ベースブロックを基準として、各前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割し、前記ベースブロック及び複数の前記第2サブブロックを検出電極とし、前記第2サブブロックの面積と前記ベースブロックの面積とは実質的に同じである。
【0007】
好ましくは、前記第1サブブロックの面積及び前記ベースブロックの面積に基づいて、前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割する。
【0008】
好ましくは、同じ前記第1サブブロックに位置される第2サブブロックの面積は同じである。
【0009】
好ましくは、前記ベースブロックの形状は、前記検出電極層の形状と同じである。
【0010】
好ましくは、前記ベースブロックの幾何学的中心は、前記検出電極層の幾何学的中心と重なる。
【0011】
好ましくは、少なくとも一部の前記第1サブブロックは環状である。
【0012】
好ましくは、少なくとも一部の前記第1サブブロックの縁部形状は、前記検出電極層の形状と同じである。
【0013】
好ましくは、前記検出電極層の形状は、方形、多角形、又は円形である。
【0014】
好ましくは、前記ベースブロックの特徴サイズは、2mm~8mmであることを特徴とする。
【0015】
本発明の別の態様によれば、上記のタッチスクリーンを含む表示装置が提供される。
【0016】
好ましくは、前記タッチスクリーンの検出電極は、表示電極に多重化される。
【0017】
好ましくは、前記表示装置は、LED表示装置、液晶表示装置、micro LED表示装置、OLED表示装置を含むが、これらに限定されない。
【0018】
本発明の別の態様によれば、上記のタッチスクリーンを含む電子デバイスが提供される。
【0019】
好ましくは、前記電子デバイスは、携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、又はウェアラブル電子デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0020】
本発明の別の態様によれば、タッチスクリーンの初期値設定方法が提供され、検出電極層を、複数の第1サブブロック及び少なくとも1つのベースブロックに分割するステップと、前記ベースブロックを基準として前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップと、を含み、前記ベースブロック及び複数の前記第2サブブロックを検出電極とし、前記第2サブブロックの面積と前記ベースブロックの面積とは実質的に同じである。
【0021】
好ましくは、前記ベースブロックの形状は、前記検出電極層の形状と同じである。
【0022】
好ましくは、前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップは、前記第1サブブロックの面積及び前記ベースブロックの面積に基づいて、前記第1サブブロックに含まれる第2サブブロックの数を取得するステップと、前記第1サブブロックに含まれる第2サブブロックの数に基づいて、前記ベースブロックの中心を基準として、前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップと、を含む。
【0023】
好ましくは、前記ベースブロックの幾何学的中心は、前記検出電極層の幾何学的中心と重なる。
【0024】
好ましくは、少なくとも一部の前記第1サブブロックは環状である。
【0025】
本発明によって提供されるタッチスクリーンの初期値設定方法、タッチスクリーン及び表示装置、電子デバイスにおいて、ベースブロックを基準の検出電極とし、検出電極として複数の第2サブブロックを取得し、第2サブブロックの面積がベースブロックの面積と実質的に同じであり、それにより、第2サブブロックの初期静電容量値がベースブロックの初期静電容量値と実質的に同じになり、ソフトウェアアルゴリズムを使用せずに、タッチスクリーンの検出電極間の初期静電容量値の一貫性を向上させ、コストとリソースを節約する。
【0026】
いくつかの好ましい実施例において、ベースブロックの形状は、検出電極層の形状と同じである。ベースブロックの幾何学的中心は、検出電極層の幾何学的中心と重なる。第1サブブロックは、ベースブロックを順次取り囲み、第1サブブロックの形状が同心円環状である。検出電極層の第1サブブロック領域とベースブロック領域との間の上記配置方式により、検出電極層を分割する方法をより簡単にする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照した本発明の実施例の以下の説明からより明らかになる。添付の図面において、
【0028】
図1図1は、従来技術に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層の概略図を示す。
図2図2は、本発明の実施例に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層の概略図を示す。
図3図3は、本発明の実施例に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層を分割する方法のフローチャートを示す。
図4a図4aは、本発明の実施例に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層を分割する各ステップの概略図を示す。
図4b図4bは、本発明の実施例に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層を分割する各ステップの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付の図面を参照しながら、本発明の様々な実施例を、以下でより詳細に説明する。各図面において、同じ要素は、同じ又は類似の符号によって示される。わかりやすくするために、図面の各部分は縮尺どおりに描かれていない。
【0030】
添付の図面及び実施例を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を、以下でさらに詳細に説明する。
【0031】
図1は、従来技術に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層の概略図を示す。
【0032】
図1に示すように、タッチスクリーンの検出電極層100は、例として円形をとる。検出電極層100は、複数の検出電極を含み、図中の各検出電極にマークされた百分率は、各検出電極の面積と基準面積との比であり、ここで、基準面積は、例えば、該検出電極層100の各検出電極の理想的な面積である。検出電極の面積は、それ自体の初期静電容量値に比例する。
【0033】
さらに、タッチスクリーンの検出電極層100は、均一な分割によって得られた検出電極層の中央領域にある複数の方形の検出電極110と、不規則な分割によって得られた検出電極層の周辺領域にある複数の不規則な形状の検出電極120と、を含む。検出電極層100の中央領域にある4*4アレイ内の複数の検出電極110の面積はいずれも、基準面積の111.11%であり、即ち、面積は均一である。中央領域の4*4アレイの周辺にある複数の方形の検出電極110の面積はいずれも、基準面積であるが、中央領域の4*4アレイの検出電極の面積とは異なり、2つの間の初期静電容量値の差は、ソフトウェアによって補償される。検出電極層100の周辺領域にある不規則な形状の各検出電極120の面積は異なり、また、検出電極層100の中央領域にある検出電極の面積とは異なる。さらに、検出電極層100の各検出電極間の初期静電容量値の一貫性は不十分であり、これはソフトウェアアルゴリズムによって補償される必要がある。
【0034】
図2は、本発明の実施例に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層の概略図を示す。
【0035】
要件を満たすために、タッチスクリーンの検出電極層の形状は、方形、多角形、又は円形にすることができる。Incell(インセル型)タッチスクリーンは、モジュールの厚みが薄く、製造コストが低いため、広く使用されている。Incellタッチスクリーンは、自己容量又は相互容量の原理を使用して、指が触れた位置を検出する。タッチデバイスのマルチポイントタッチを実現するために、Incellタッチスクリーンには、同じ層に位置され、互いに独立した複数のコンデンサアレイが配置されている。本実施例のタッチスクリーンは、Incell構造のタッチスクリーンを例として説明するが、本発明によって提供されるタッチスクリーンは、これに限定されるものではなく、例えば、他の単層構造のタッチスクリーンであってもよい。
【0036】
図2に示すように、タッチスクリーンの検出電極層200は、例として円形をとる。検出電極層200は、複数の第1サブブロック領域及び少なくとも1つのベースブロック領域に分割され、具体的には、第1サブブロック220、230、240及びベースブロック210を含む。第1サブブロック220は、複数の第2サブブロック221を含み、第1サブブロック230は、複数の第2サブブロック231を含み、第1サブブロック240は、複数の第2サブブロック241を含む。第2サブブロック221、231、241と、ベースブロック210との面積比はそれぞれ、99.5%~100.5%である。上記第2サブブロック221の数は、第1サブブロック220の面積及びベースブロック210の面積に関連し、上記第2サブブロック231の数は、第1サブブロック230の面積及びベースブロック210の面積に関連し、上記第2サブブロック241の数は、第1サブブロック240の面積及びベースブロック210の面積に関連する。好ましくは、同じ第1サブブロックに位置される複数の第2サブブロックの面積は、同じである。ベースブロック210を基準の検出電極とし、面積がベースブロック210と同じであるか、又は差が非常に小さい複数の第2サブブロックを検出電極として得て、検出電極層200の検出電極間の初期静電容量値の一貫性を向上させる。
【0037】
さらに、ベースブロック210の形状は、検出電極層200の形状と同じである。ベースブロック210の幾何学的中心は、検出電極層200の幾何学的中心と重なる。第1サブブロック220、230、240は、ベースブロック210を順次取り囲み、本実施例において、第1サブブロック220、230、240の形状は、同心円環状である。検出電極層200の第1サブブロック領域とベースブロック領域との間の上記の配置方式により、検出電極層200を分割する方法をより簡単にし、検出電極層200間の検出電極の初期静電容量値の一貫性がより高い。検出電極層200間の検出電極の初期静電容量値の一貫性は、各検出電極間の面積比に関連し、面積比の精度は、各第1サブブロックの面積及びベースブロックの面積に関連する。
【0038】
好ましい実施例において、タッチスクリーンが指紋タッチスクリーンである場合、検出電極の特徴サイズは、電子デバイスを使用する人体の指の接触サイズに応じて設定され、即ち、ベースブロック210の特徴サイズが、2mm~8mmに設定される。
【0039】
図3は、本発明の実施例に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層を分割する方法のフローチャートを示し、図4a~4bは、本発明の実施例に従って提供されるタッチスクリーンの検出電極層を分割する各ステップの概略図を示す。
【0040】
本出願において、主な考慮事項は、検出電極の面積が検出電極の初期静電容量値に関連していることであるため、本出願は、タッチスクリーンの初期値設定方法をさらに提供する。したがって、該方法は、主にタッチスクリーンの検出電極層を分割することに関する。以下、検出電極層が円形であることを例として具体的に説明する。
【0041】
図3に示すように、タッチスクリーンの検出電極層を分割する方法は、以下のステップを含む。
【0042】
ステップS01:検出電極層を複数の第1サブブロック及び少なくとも1つのベースブロックに分割する。図4aを参照して、検出電極層200を第1サブブロック220、230、240及びベースブロック210に分割する。ベースブロック210は、基準の検出電極である。
【0043】
さらに、ベースブロック210の形状と検出電極層200の形状はいずれも円形であり、ベースブロック210の幾何学的中心は、検出電極層200の幾何学的中心と重なる。第1サブブロック220、230、及び240は、ベースブロック210を順次取り囲む。本実施例において、第1サブブロック220、230、及び240の形状は、同心円環状であり、上記で得られた4つの円形は、円心から外側への半径が順にa、b、c、dである。
【0044】
代替の実施例において、検出電極層200の形状は、多角形、方形などであってもよく、対応するベースブロック210の形状は、多角形、方形などであってもよく、第1サブブロックはベースブロックの周りに配置され、その形状は同心円環状であり、該環状の縁部形状は、検出電極層200の形状と同じである。
【0045】
ステップS02:前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割する。図4bを参照すると、各第1サブブロックの面積及びベースブロック210の面積に基づいて、該第1サブブロックに含まれる第2サブブロックの数を取得し、該第1サブブロックに含まれる第2サブブロックの数に基づいて、ベースブロック210の中心を基準として該第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割する。ベースブロック210及び第2サブブロックを検出電極とし、第2サブブロックの初期静電容量値とベースブロック210の初期静電容量値との比が99.5%~100.5%になるように、第2サブブロックの面積とベースブロック210の面積との比を99.5%~100.5%にする。
【0046】
さらに、順次に第1サブブロック220を複数の第2サブブロック221に分割させ、第1サブブロック230、及び240を対応する複数の第2サブブロックに分割させる。さらに、図2に示される検出電極層200を取得する。
【0047】
具体的には、以下は、検出電極層を分割する実施方法の1つである。ベースブロック210の面積がS1=πa2であり、第1サブブロック220の面積がS2=πb2-πa2であり、第1サブブロック230の面積がS3=πc2-πb2であり、第1サブブロック240の面積がS4=πd2-πc2である。第1サブブロック220をm個の部分に均一に分割し、それにより、S2/m=S1になり、第1サブブロック230をn個の部分に均一に分割し、それにより、S3/n=S1になり、第1サブブロック240をq個の部分に均一に分割し、それにより、S4/q=S1になる。m、n、qはいずれも、実際に分割される検出電極としての第2サブブロックの数であるため、整数にする必要がある。以上、各第1サブブロック、ベースブロックの半径と、第2サブブロックの分割可能な数との間の関係、即ち、
を取得することができる。
【0048】
好ましくは、検出電極としてのベースブロック210の半径は、電子デバイスを使用する人体の指の接触サイズに応じて設定される。例えば、ベースブロック210の半径aは5mmである。内円は分割されず、ベースブロック210の面積はS1=78.5398mm2である。また、m、n、qが小さすぎると、環状の第1サブブロックに識別領域が少なくなり、検出精度が低下する。
【0049】
本実施例において、m=8とし、即ち、第1サブブロック220を分割して検出電極として8個の第2サブブロック221が得られ、b=15mmとなり、したがって第1サブブロック220の面積がS2=78.5398mm2になる。n=10とし、即ち、第1サブブロック230を分割して検出電極として10個の第2サブブロック231が得られ、c≒21.8mmとなり、したがって、第1サブブロック230の面積がS3=78.6253mm2になる。q=16とし、即ち、第1サブブロック240を分割して検出電極として16個の第2サブブロック241が得られ、d≒29.6mmとなり、したがって、第1サブブロック240の面積がS4=78.7205mm2になる。本実施例において、S1=S2の面積が100%の場合、S3の面積は100.1%であり、S4の面積は100.2%であり、即ち、本実施例における検出電極の面積間の比率は、100%になる傾向があり、したがって、検出電極層200の検出電極の初期静電容量値の一貫性が高く、ソフトウェアアルゴリズムで補償する必要がなく、コスト及びリソースを節約した。代替の実施例において、m、n、qの値は、必要な精度を達成するために、実際の要件に従って調整することもできる。
【0050】
本出願は、上記で提供されたタッチスクリーンを含む表示装置をさらに提供し、該表示装置において、タッチスクリーンの検出電極を表示電極に多重化することができる。表示装置は、LED表示装置、液晶表示装置、micro LED表示装置、及びOLED表示装置を含むが、これらに限定されない。
【0051】
本出願は、上記で提供されたタッチスクリーンを含む電子デバイスを、さらに含む。該電子デバイスは、携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、及びウェアラブル電子デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0052】
本発明による実施例は上に記載されているが、これらの実施例はすべての詳細を網羅するものではなく、該発明を記載された具体的な実施例のみに限定するものではない。明らかに、上記の説明に照らして、多くの修正及び変形が可能である。本明細書は、本発明の原理及び実際の適用をよりよく説明するためにこれらの実施例を選択し、具体的に説明し、その結果、当業者は、本発明及び本発明に基づく修正をうまく利用することができる。本発明は、特許請求の範囲及びそれらの全範囲及び同等物によってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
【手続補正書】
【提出日】2022-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動電極を含む駆動電極層と、
複数の第1サブブロック及び少なくとも1つのベースブロックに分割される検出電極層と、を含み、前記ベースブロックを基準として各前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割し、前記ベースブロック及び複数の前記第2サブブロックを検出電極とし、前記第2サブブロックの面積が前記ベースブロックの面積と一致することを特徴とする、タッチスクリーン。
【請求項2】
前記第1サブブロックの面積及び前記ベースブロックの面積に基づいて、前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割することを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項3】
同じ前記第1サブブロックに位置される第2サブブロックの面積は同じであることを特徴とする、請求項2に記載のタッチスクリーン。
【請求項4】
前記ベースブロックの形状は、前記検出電極層の形状と同じであることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項5】
前記ベースブロックの幾何学的中心は、前記検出電極層の幾何学的中心と重なることを特徴とする、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項6】
少なくとも一部の前記第1サブブロックは環状であることを特徴とする、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項7】
少なくとも一部の前記第1サブブロックの縁部形状は、前記検出電極層の形状と同じであることを特徴とする、請求項6に記載のタッチスクリーン。
【請求項8】
前記検出電極層の形状は、方形、多角形、又は円形であることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項9】
前記ベースブロックの特徴サイズは、2mm~8mmであることを特徴とする、請求項8に記載のタッチスクリーン。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のタッチスクリーンを含むことを特徴とする、表示装置。
【請求項11】
前記タッチスクリーンの検出電極は、表示電極に多重化されることを特徴とする、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示装置は、LED表示装置、液晶表示装置、micro LED表示装置、又はOLED表示装置を含むことを特徴とする、請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか一項に記載のタッチスクリーンを含むことを特徴とする、電子デバイス。
【請求項14】
前記電子デバイスは、携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、又はウェアラブル電子デバイスを含むことを特徴とする、請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
検出電極層を複数の第1サブブロック及び少なくとも1つのベースブロックに分割するステップと、
前記ベースブロックを基準として前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップと、を含み、前記ベースブロック及び複数の前記第2サブブロックを検出電極とし、前記第2サブブロックの面積が前記ベースブロックの面積と一致することを特徴とする、タッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項16】
前記ベースブロックの形状は、前記検出電極層の形状と同じであることを特徴とする、請求項15に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項17】
前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップは、
前記第1サブブロックの面積及び前記ベースブロックの面積に基づいて、前記第1サブブロックに含まれる第2サブブロックの数を取得するステップと、
前記第1サブブロックに含まれる第2サブブロックの数に基づいて、前記ベースブロックの中心を基準として、前記第1サブブロックを複数の第2サブブロックに分割するステップと、を含むことを特徴とする、請求項15に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項18】
前記ベースブロックの幾何学的中心は、前記検出電極層の幾何学的中心と重なることを特徴とする、請求項15に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項19】
少なくとも一部の前記第1サブブロックは環状であることを特徴とする、請求項18に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【請求項20】
少なくとも一部の前記第1サブブロックの縁部形状は、前記検出電極層の形状と同じであることを特徴とする、請求項19に記載のタッチスクリーンの初期値設定方法。
【国際調査報告】