(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(54)【発明の名称】駆動装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20230217BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230217BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230217BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230217BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230217BHJP
H05B 45/60 20220101ALI20230217BHJP
H05B 44/00 20220101ALI20230217BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 680T
G09G3/20 612A
G09G3/20 611E
G09G3/20 642D
G09G3/20 670J
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B45/60
H05B44/00
H02M3/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538478
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2020132764
(87)【国際公開番号】W WO2022077723
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】202011085597.6
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】シエ ゾンチェ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
5H730
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC31
3K107HH04
3K107HH05
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA10
5C080DD03
5C080DD06
5C080KK07
5C380AC08
5C380AC11
5C380AC12
5C380BB09
5C380BB22
5C380CE01
5C380CF43
5C380CF51
5H730AA14
5H730AS11
5H730BB82
5H730BB86
5H730DD02
(57)【要約】
本開示は、駆動装置及び電子機器に関する。前記装置は、第1電圧と第2電圧を生成する電圧生成モジュールと、コンデンサモジュールと、第1時間帯において前記第1電圧を前記コンデンサモジュールの第1端に出力し、第2時間帯において前記第2電圧を前記コンデンサモジュールの第2端に出力して、前記コンデンサモジュールの第1端の電圧を設定するスイッチモジュールと、発光モジュールと、前記コンデンサモジュールの第1端の電圧で前記発光モジュールを駆動して発光させるトランジスタモジュールと、を含む。上記装置により、本開示の実施例では、トランジスタモジュールに存在する損失に対する補償を実現することができ、コンデンサモジュールの第1端の安定時の電圧でトランジスタモジュールをオンにして発光モジュールを駆動して発光させることにより、発光モジュールの輝度を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電圧と第2電圧を生成する電圧生成モジュールと、
コンデンサモジュールと、
前記電圧生成モジュール及び前記コンデンサモジュールに電気的に接続され、第1時間帯において前記第1電圧を前記コンデンサモジュールの第1端に出力し、第2時間帯において前記第2電圧を前記コンデンサモジュールの第2端に出力して、前記コンデンサモジュールの第1端の電圧を設定するスイッチモジュールと、
発光モジュールと、
前記コンデンサモジュールの第1端及び前記発光モジュールに電気的に接続され、前記コンデンサモジュールの第1端の電圧で前記発光モジュールを駆動して発光させるトランジスタモジュールと、を含む、ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記電圧生成モジュールは、
輝度情報、および輝度情報と電圧との関連関係を含む予め設定された輝度電圧関係に基づいて、前記第1電圧を生成する第1電圧生成ユニットを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記電圧生成モジュールは、
前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタの種類及びトランジスタの閾値電圧に基づいて前記第2電圧を生成する第2電圧生成ユニットをさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記した、前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタの種類及びトランジスタの閾値電圧に基づいて前記第2電圧を生成することは、
前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタがNMOSトランジスタである場合、数値が当該NMOSトランジスタの閾値電圧より大きく且つ正の第2電圧を生成すること、又は
前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタがPMOSトランジスタである場合、数値が当該PMOSトランジスタの閾値電圧より大きく且つ負の第2電圧を生成することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記スイッチモジュールは、
第1端が前記第1電圧を受信し、第2端が前記コンデンサモジュールの第1端に電気的に接続される第1スイッチと、
第1端が接地され、第2端が前記コンデンサモジュールの第2端に電気的に接続される第2スイッチと、
第1端が前記第2電圧を受信し、第2端が前記コンデンサモジュールの第2端に電気的に接続される第3スイッチと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記スイッチモジュールはさらに、
第1時間帯において、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオンにし、前記第3スイッチをオフにし、前記第1電圧を前記コンデンサモジュールの第1端に出力し、
第2時間帯において、前記第3スイッチをオンにし、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオフにし、前記第2電圧を前記コンデンサモジュールの第2端に出力するために用いられる、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記コンデンサモジュールは、
第1端が前記コンデンサモジュールの第1端として前記スイッチモジュール及び前記トランジスタモジュールに電気的に接続され、第2端が前記コンデンサモジュールの第2端として前記スイッチモジュールに電気的に接続される第1コンデンサを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記駆動装置は、複数のトランジスタモジュール、複数のコンデンサモジュール、複数の発光モジュールを含み、スイッチモジュールは複数の第1スイッチを含み、前記電圧生成モジュールは複数の第1電圧を生成し、
前記電圧生成モジュールはさらに、トランジスタモジュールのそれぞれに対応付けられる複数の第1電圧のそれぞれを出力するために用いられ、
前記スイッチモジュールはさらに、トランジスタモジュールが発光モジュールを駆動するように、第1電圧のそれぞれ及び第2電圧でコンデンサモジュールのそれぞれの第1端の電圧をそれぞれ設定するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記発光モジュールは、LCD、LED、MiniLED、MicroLED、OLEDのいずれか一つ又は複数を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の駆動装置を含む、ことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
ディスプレイ、スマートフォン、又は携帯機器を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術分野に関し、特に駆動装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の継続的な発展と人々の生活水準の継続的な改善に伴い、表示機能を備えた様々な電子機器がますます普及している。しかし、現在、電子機器の表示パネルは、表示パネル自体の問題による輝度不足又はフリッカーの問題があるので、ユーザ体験に影響を与えるだけでなく、表示パネルの寿命の短縮も招いてしまう。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、上記実情に鑑みて、第1電圧と第2電圧を生成する電圧生成モジュールと、
コンデンサモジュールと、
前記電圧生成モジュール及び前記コンデンサモジュールに電気的に接続され、第1時間帯において前記第1電圧を前記コンデンサモジュールの第1端に出力し、第2時間帯において前記第2電圧を前記コンデンサモジュールの第2端に出力して、前記コンデンサモジュールの第1端の電圧を設定するスイッチモジュールと、
発光モジュールと、
前記コンデンサモジュールの第1端及び前記発光モジュールに電気的に接続され、前記コンデンサモジュールの第1端の電圧で前記発光モジュールを駆動して発光させるトランジスタモジュールと、を含む、駆動装置を提供する。
【0004】
1つの可能な実施形態では、前記電圧生成モジュールは、
輝度情報、および輝度情報と電圧との関連関係を含む予め設定された輝度電圧関係に基づいて、前記第1電圧を生成する第1電圧生成ユニットを含む。
【0005】
1つの可能な実施形態では、前記電圧生成モジュールは、
前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタの種類及びトランジスタの閾値電圧に基づいて前記第2電圧を生成する第2電圧生成ユニットをさらに含む。
【0006】
1つの可能な実施形態では、前記した、前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタの種類及びトランジスタの閾値電圧に基づいて前記第2電圧を生成することは、
前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタがNMOSトランジスタである場合、数値が当該NMOSトランジスタの閾値電圧より大きく且つ正の第2電圧を生成すること、又は
前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタがPMOSトランジスタである場合、数値が当該PMOSトランジスタの閾値電圧より大きく且つ負の第2電圧を生成することを含む。
【0007】
1つの可能な実施形態では、前記スイッチモジュールは、
第1端が前記第1電圧を受信し、第2端が前記コンデンサモジュールの第1端に電気的に接続される第1スイッチと、
第1端が接地され、第2端が前記コンデンサモジュールの第2端に電気的に接続される第2スイッチと、
第1端が前記第2電圧を受信し、第2端が前記コンデンサモジュールの第2端に電気的に接続される第3スイッチと、を含む。
【0008】
1つの可能な実施形態では、前記スイッチモジュールはさらに、
第1時間帯において、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオンにし、前記第3スイッチをオフにし、前記第1電圧を前記コンデンサモジュールの第1端に出力し、
第2時間帯において、前記第3スイッチをオンにし、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオフにし、前記第2電圧を前記コンデンサモジュールの第2端に出力するために用いられる。
【0009】
1つの可能な実施形態では、前記コンデンサモジュールは、
第1端が前記コンデンサモジュールの第1端として前記スイッチモジュール及び前記トランジスタモジュールに電気的に接続され、第2端が前記コンデンサモジュールの第2端として前記スイッチモジュールに電気的に接続される第1コンデンサを含む。
【0010】
1つの可能な実施形態では、駆動装置は、複数のトランジスタモジュール、複数のコンデンサモジュール、複数の発光モジュールを含み、スイッチモジュールは複数の第1スイッチを含んでもよく、前記電圧生成モジュールは複数の第1電圧を生成してもよく、
前記電圧生成モジュールはさらに、トランジスタモジュールのそれぞれに対応付けられる複数の第1電圧のそれぞれを出力するために用いられ、
前記スイッチモジュールはさらに、トランジスタモジュールが発光モジュールを駆動するように、第1電圧のそれぞれ及び第2電圧でコンデンサモジュールのそれぞれの第1端の電圧をそれぞれ設定するために用いられる。
【0011】
1つの可能な実施形態では、前記発光モジュールは、LCD、LED、MiniLED、MicroLED、OLEDのいずれか一つ又は複数を含む。
【0012】
本開示の一の局面によれば、上述した駆動装置を含む、電子機器を提供する。
【0013】
1つの可能な実施形態では、前記電子機器は、ディスプレイ、スマートフォン、又は携帯機器を含む。
【0014】
上記装置により、本開示の実施例では、第1電圧と第2電圧を生成し、スイッチモジュールで異なる時間帯において第1電圧又は第2電圧をコンデンサモジュールの両端に出力することによって、コンデンサモジュールの第1端が安定状態に達するように制御する。このようにして、トランジスタモジュールに存在する損失に対する補償を実現することができ、コンデンサモジュールの第1端の安定時の電圧でトランジスタモジュールをオンにして発光モジュールを駆動して発光させることにより、発光モジュールの輝度を向上させることができる。
【0015】
以下に、図面を参照しながら例示的な実施例を詳しく説明することにより、本開示のその他の特徴及び態様がより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
明細書の一部分として明細書に組み込まれる図面は、明細書と共に本開示の例示的な実施例、特徴及び態様を示しており、本開示の原理を説明するために用いられる。
【
図1】本開示の一実施例に係る駆動装置のブロック図を示す。
【
図2】本開示の一実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【
図3】本開示の一実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【
図4】本開示の一実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【
図5】本開示の一実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【
図6】本開示の実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【
図7】本開示の実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本開示の様々な例示的実施例、特徴及び態様を詳細に説明する。図面において、同じ符号は、機能が同じまたは類似する要素を表す。図面において実施例の様々な態様を示したが、特に明記されたいない限り、図面は、必ずしも原寸に比例しているとは限らない。
【0018】
ここの用語「例示的」とは、「例、実施例として用いられることまたは説明的なもの」を意味する。ここで「例示的」に説明されるいかなる実施例は、必ずしも他の実施例より好ましいまたは優れたものと解釈されるとは限らない。
【0019】
また、本開示をより良く説明するために、以下の具体的な実施形態には多くの具体的な細部が示されている。当業者であれば、何らかの具体的な細部がなくても、本開示は同様に実施できることを理解すべきである。いくつかの実施例では、本開示の趣旨を強調するために、当業者によく知られている方法、手段、素子および回路について、詳細な説明を行わない。
【0020】
図1を参照し、
図1は本開示の一実施例に係る駆動装置のブロック図を示す。
【0021】
図1に示すように、前記装置は、第1電圧と第2電圧を生成する電圧生成モジュール10と、
コンデンサモジュール30と、
前記電圧生成モジュール10及び前記コンデンサモジュール30に電気的に接続され、第1時間帯において前記第1電圧を前記コンデンサモジュール30の第1端に出力し、第2時間帯において前記第2電圧を前記コンデンサモジュール30の第2端に出力して、前記コンデンサモジュール30の第1端の電圧を設定するスイッチモジュール20と、
発光モジュール50と、
前記コンデンサモジュール30の第1端及び前記発光モジュール50に電気的に接続され、前記コンデンサモジュール30の第1端の電圧で前記発光モジュール50を駆動して発光させるトランジスタモジュール40と、を含む。
【0022】
上記装置により、本開示の実施例では、第1電圧と第2電圧を生成し、スイッチモジュールで異なる時間帯において第1電圧又は第2電圧をコンデンサモジュールの両端に出力することによって、コンデンサモジュールの第1端が安定状態に達するように制御する。このようにして、トランジスタモジュールに存在する損失に対する補償を実現することができ、コンデンサモジュールの第1端の安定時の電圧でトランジスタモジュールをオンにして発光モジュールを駆動して発光させることにより、発光モジュールの輝度を向上させ、フリッカーの問題を解決することができる。
【0023】
本開示の実施例に係る装置は、表示機能を備えた様々な電子機器であってもよく、ユーザ機器(user equipment、UE)、移動局(mobile station、MS)、移動端末(mobile terminal、MT)等とも呼ばれ、ユーザに音声及び/又はデータ接続性を提供する機器であり、例えば、無線接続機能を備える手持ち装置、車載装置等である。現在、いくつかの端末の例としては、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、モバイルインターネットデバイス(mobile internetdevice、MID)、ウェアラブルデバイス、仮想現実(virtual reality、VR)デバイス、拡張現実(augmentedreality、AR)デバイス、産業制御(industrial control)における無線端末、無人運転(selfdriving)における無線端末、遠隔手術(remote medical surgery)における無線端末、スマートグリッド(smart grid)における無線端末、輸送安全(transportation safety)における無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、スマートホーム(smart home)における無線端末、テレマティクスにおける無線端末等が挙げられる。
【0024】
1つの可能な実施形態では、前記発光モジュールは、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)、MiniLED(Mini Light Emitting Diode、ミニ発光ダイオード)、MicroLED(Micro Light Emitting Diode、マイクロ発光ダイオード)、OLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)のいずれか一つ又は複数を含んでもよい。
【0025】
なお、本開示の実施例に係る装置における各モジュールはいずれもハードウェア回路によって実現されてもよく、以下、駆動装置における各モジュールの実現可能な方式について例示的に説明する。
【0026】
図2を参照し、
図2は本開示の一実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【0027】
1つの可能な実施形態では、
図2に示すように、前記電圧生成モジュール10は、
輝度情報、および輝度情報と電圧との関連関係を含む予め設定された輝度電圧関係に基づいて、前記第1電圧Vinを生成する第1電圧生成ユニット110を含んでもよい。
【0028】
一例では、予め設定された輝度関係は事前に設定することができ、例えば、発光モジュールに含まれる表示トランジスタの種類に基づいて輝度と電圧との関連関係を設定することができ、異なる発光モジュールに対して、異なる予め設定された輝度電圧関係を設定することができる。予め設定された輝度関係は、テーブルの形式であってもよく、他の形式であってもよく、本開示の実施例においてそれらについて限定しないことはもちろんである。
【0029】
本開示の実施例では、具体的な予め設定された輝度関係については限定せず、発光モジュールの種類についても限定せず、当業者は必要に応じて設定することができる。
【0030】
本開示では、第1電圧生成ユニットの具体的な実施形態については限定せず、当業者は必要に応じて関連技術における電圧生成装置(例えば、交流直流AC/DC変換装置、直流直流DC/DC変換装置)を選択することができる。
【0031】
一例では、電圧生成モジュールは、予め設定された輝度関係又は駆動装置の各モジュールが生成した他のデータを記憶する記憶ユニット(不図示)を含んでもよい。
【0032】
記憶ユニットは、例えば静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなどの様々なタイプの揮発性または不揮発性記憶装置またはそれらの組み合わせによって実現できる。
【0033】
1つの可能な実施形態では、トランジスタモジュール40は少なくとも1つのトランジスタを含んでもよく、トランジスタの種類はNMOS(N-Metal-Oxide-Semiconductor、N型金属酸化物半導体)トランジスタ、PMOS(P-Metal-Oxide-Semiconductor、P型金属酸化物半導体)トランジスタなどであってもよい。
【0034】
トランジスタモジュール40は、発光モジュール50の駆動段とされることができ、発光モジュールを駆動して発光させる。
【0035】
一例では、トランジスタは、閾値電圧VTHを有するため、トランジスタモジュールをオンにして発光モジュールを駆動する時、閾値電圧VTHにより第1電圧生成ユニット110の生成した第1電圧の損失が発生し、依然として第1電圧でトランジスタモジュールをオンにして発光モジュールを駆動すると、発光輝度が不足してしまい、発光モジュールの表示が正常でなくなり、ユーザ体験に影響を与える。
【0036】
1つの可能な実施形態では、
図2に示すように、前記電圧生成モジュール10は、
前記トランジスタモジュール40におけるトランジスタの種類及びトランジスタの閾値電圧に基づいて第2電圧VXを生成する第2電圧生成ユニット120をさらに含んでもよい。
【0037】
本開示の実施例では、第2電圧生成ユニットは、トランジスタの種類及びトランジスタの閾値電圧に基づいて第2電圧を生成することにより、トランジスタモジュールにおけるトランジスタの損失に対して補償を行い、発光モジュールの輝度を向上させることができる。
【0038】
なお、本開示の実施例では、第2電圧生成ユニットの具体的な実施形態については限定せず、当業者は必要に応じて関連技術における電圧生成装置を選択することができる。
【0039】
1つの可能な実施形態では、前記した、前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタの種類及びトランジスタの閾値電圧に基づいて前記第2電圧を生成することは、
前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタがNMOSトランジスタである場合、数値が当該NMOSトランジスタの閾値電圧より大きく且つ正の第2電圧を生成すること、又は
前記トランジスタモジュールにおけるトランジスタがPMOSトランジスタである場合、数値が当該PMOSトランジスタの閾値電圧より大きく且つ負の第2電圧を生成することを含んでもよい。
【0040】
本開示の実施例では、異なる種類のトランジスタに対して、トランジスタの閾値電圧より大きい第2電圧を生成し、種類に基づいて第2電圧の正負値を調整することができ、それにより、異なる種類のトランジスタの損失に対応して補償を行い、適用性を向上させる。
【0041】
1つの可能な実施形態では、
図2に示すように、前記スイッチモジュール20は、
第1端が前記第1電圧Vinを受信し、第2端が前記コンデンサモジュール30の第1端に電気的に接続される第1スイッチS1と、
第1端が接地され、第2端が前記コンデンサモジュール30の第2端に電気的に接続される第2スイッチS2と、
第1端が前記第2電圧VXを受信し、第2端が前記コンデンサモジュール30の第2端に電気的に接続される第3スイッチS3と、を含んでもよい。
【0042】
本開示の実施例は、上記スイッチモジュールの各スイッチにより、異なる時間帯においてコンデンサモジュールの第1端と第2端に第1電圧と第2電圧をそれぞれ出力することを実現することができ、コンデンサモジュールの第1端の電圧を調整し、トランジスタモジュールの損失に対する補償を実現し、発光モジュールを駆動する時の駆動能力を向上させることができる。
【0043】
【0044】
1つの可能な実施形態では、
図3に示すように、前記スイッチモジュールはさらに、
第1時間帯において、前記第1スイッチS1及び前記第2スイッチS2をオンにし、前記第3スイッチS3をオフにし、前記第1電圧Vinを前記コンデンサモジュール30の第1端に出力するために用いられてもよい。
【0045】
一例では、本開示の実施例は、第1時間帯において、前記第1スイッチS1及び前記第2スイッチS2をオンにし、前記第3スイッチS3をオフにすることにより、コンデンサモジュールの第1端の電圧を第1電圧に安定させることができる。
【0046】
1つの可能な実施形態では、
図4に示すように、第2時間帯において、前記第3スイッチS3をオンにし、前記第1スイッチS1及び前記第2スイッチS2をオフにして、前記第2電圧VXを前記コンデンサモジュール30の第2端に出力する。
【0047】
一例では、本開示の実施例は、第2時間帯において、前記第3スイッチS3をオンにし、前記第1スイッチS1及び前記第2スイッチS2をオフにすることにより、コンデンサモジュールの第1端の電圧をV1+V2に上昇させることができ、すなわち、トランジスタモジュールの入力端の電圧VG=V1+V2となる。このようにして、本開示の実施例はトランジスタモジュールの損失に対して補償を行って、発光モジュールの輝度を向上させることができる。
【0048】
一例では、トランジスタモジュールにおけるトランジスタがNMOSトランジスタであり、且つNMOSトランジスタの閾値電圧に基づいて生成された第2電圧が4Vであり、予め設定された輝度関係に基づいて生成された第1電圧が5Vであると仮定した場合、コンデンサモジュールの第1端、すなわちトランジスタモジュールの入力端電圧VG=V1+V2=9Vとなる。
【0049】
一例では、トランジスタモジュールにおけるトランジスタがPMOSトランジスタであり、且つPMOSトランジスタの閾値電圧に基づいて生成された第2電圧が-4Vであり、予め設定された輝度関係に基づいて生成された第1電圧が1Vであると仮定した場合、コンデンサモジュールの第1端、すなわちトランジスタモジュールの入力端電圧VG=V1+V2=-3Vとなる。
【0050】
1つの可能な実施形態では、
図2に示すように、前記コンデンサモジュール30は、
第1端が前記コンデンサモジュール30の第1端として前記スイッチモジュール20及び前記トランジスタモジュール40に電気的に接続され、第2端が前記コンデンサモジュール30の第2端として前記スイッチモジュール20に電気的に接続される第1コンデンサC1を含んでもよい。
【0051】
他の実施形態では、コンデンサモジュールは他のコンデンサをさらに含んでもよく、又、第1コンデンサC1は複数のコンデンサ及び他の素子の並列・直列形態であってもよく、本開示の実施例においてそれらについて限定しないことはもちろんである。
【0052】
図5を参照し、
図5は本開示の一実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【0053】
1つの可能な実施形態では、
図5に示すように、発光モジュール50を、
図2に示す形態と区別するように、トランジスタモジュールと電圧VDDとの間に設けることにより、発光モジュールを異なる種類のトランジスタによって駆動することを実現するようにしてもよい。
【0054】
図6を参照し、
図6は本開示の一実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【0055】
1つの可能な実施形態では、
図6に示すように、スイッチモジュール、コンデンサモジュール、トランジスタモジュール、発光モジュールを単独の表示モジュールとし、1つの電圧生成モジュールが生成した第1電圧Vin、第2電圧VXで複数の表示モジュールを駆動することにより、各表示モジュールにおけるトランジスタモジュールの損失による影響を解消し、発光モジュールの発光輝度を向上させるようにしてもよい。
【0056】
図7を参照し、
図7は本開示の一実施例に係る駆動装置の模式図を示す。
【0057】
1つの可能な実施形態では、
図7に示すように、複数のトランジスタモジュール、複数のコンデンサモジュール、複数の発光モジュールを含んでもよく、スイッチモジュールは複数の第1スイッチ(S11~S1K、Kは1以上の整数)を含んでもよく、第1電圧生成ユニットは複数の第1電圧(Vin1~VinkK)を生成してもよい。
前記電圧生成モジュールはさらに、トランジスタモジュールのそれぞれに対応付けられる複数の第1電圧のそれぞれを出力するために用いられ、
前記スイッチモジュールはさらに、トランジスタモジュールが発光モジュールを駆動するように、第1電圧のそれぞれ及び第2電圧でコンデンサモジュールのそれぞれの第1端の電圧をそれぞれ設定するために用いられる。
【0058】
上記装置における電圧生成モジュール、スイッチモジュール、コンデンサモジュール等のモジュールの接続関係について、上述した説明を参照すればよく、ここでは説明を省略する。
【0059】
上記設定により、本開示の実施例は駆動装置の適用範囲を広くすることができ、表示パネルにおける複数のトランジスタに対して適応的な電圧補償を行い、各発光モジュールの表示輝度を向上させ、表示パネル全体の表示効果を向上させることができる。
【0060】
以上、本開示の各実施例について説明したが、上記の説明は、例示的なものであり、制限的なものではなく、本開示は開示された各実施例に限定されるものでもない。説明された各実施例の範囲及び趣旨を逸脱しない場合、種々の修正、変更が当業者には明らかである。本文で使用される用語は、各実施例の原理、実際の応用、若しくは市場における技術に対する改良を最も良く説明するか、又は当業者が本文に開示された各実施例を理解することができるために選択されるものである。
【国際調査報告】