(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(54)【発明の名称】個体ごとに最適化された餌情報の提供装置および方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20230220BHJP
A01K 29/00 20060101ALN20230220BHJP
【FI】
G06Q50/00
A01K29/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536906
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 KR2020018736
(87)【国際公開番号】W WO2021125908
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0171652
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0178224
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】513246872
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ヨン, ソン チャン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
一実施形態に係る個体ごとに最適化された餌情報の提供装置は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報を取得するデータ取得部と、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体に適した餌を判断するプロセッサとを含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報を取得するデータ取得部と、
前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体に適した餌を判断するプロセッサとを含む、
個体ごとに最適化された餌情報の提供装置。
【請求項2】
前記特性情報は、個体の種類、品種、体重、年齢、性別、肥満状態、疾病状態、血液検査の結果、中性化手術の有無を含む、
請求項1に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体に必要な栄養成分を判断し、前記判断された栄養成分を提供できる餌構成を判断する、
請求項1に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供装置。
【請求項4】
前記餌構成は、餌の構成成分の種類、質、量を含む、
請求項3に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体の健康状態を判断し、前記判断された健康状態に異常があると、前記マイクロバイオーム分析結果情報を用いて、前記対象個体内の有害菌と利益菌の種類および割合を判断し、前記対象個体に必要な利益菌の種類および量を判断し、前記対象個体に必要な利益菌の種類および量を考慮して前記餌構成を判断する、
請求項3に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供装置。
【請求項6】
前記判断された餌の餌情報を出力する出力部をさらに含む、
請求項1に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供装置。
【請求項7】
前記餌情報は、前記餌の種類、製品情報、食餌方法を含む、
請求項6に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記特性情報および前記マイクロバイオーム分析結果情報から、個体に合った最適な餌を判断するように学習された餌推奨モデルを用いる、
請求項1に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供装置。
【請求項9】
対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報を取得するステップと、
前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体に適した餌を判断するステップとを含む、
個体ごとに最適化された餌情報の提供方法。
【請求項10】
前記特性情報は、個体の種類、品種、体重、年齢、性別、肥満状態、疾病状態、血液検査の結果、中性化手術の有無を含む、
請求項9に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供方法。
【請求項11】
前記対象個体に適した餌を判断するステップは、
前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体に必要な栄養成分を判断し、前記判断された栄養成分を提供できる餌構成を判断するステップを含む、
請求項9に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供方法。
【請求項12】
前記餌構成は、餌の構成成分の種類、質、量を含む、
請求項11に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供方法。
【請求項13】
前記餌構成を判断するステップは、
前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体の健康状態を判断し、前記判断された健康状態に異常があると、前記マイクロバイオーム分析結果情報を用いて、前記対象個体内の有害菌と利益菌の種類および割合を判断し、前記対象個体に必要な利益菌の種類および量を判断し、前記対象個体に必要な利益菌の種類および量を考慮して前記餌構成を判断するステップを含む、
請求項11に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供方法。
【請求項14】
前記判断された餌の餌情報を出力するステップをさらに含む、
請求項9に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供方法。
【請求項15】
前記餌情報は、前記餌の種類、製品情報、食餌方法を含む、
請求項14に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供方法。
【請求項16】
前記対象個体に適した餌を判断するステップは、
前記特性情報および前記マイクロバイオーム分析結果情報から、個体に合った最適な餌を判断するように学習された餌推奨モデルを用いて、前記対象個体に適した餌を判断するステップを含む、
請求項9に記載の個体ごとに最適化された餌情報の提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体ごとに最適化された餌情報を提供できる装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ペットを飼う家庭が急増し、ペットのための飼料推奨サービスの必要性が強く求められている。ペットを飼う家庭の増加とともに飼料の種類も急増するにつれて、飼い主は飼料給与に常に関心を持っているが、当該飼料がペットに適した飼料であるかどうかの判断が難しいため、メーカーの知名度だけで飼料を購入するのが一般的である。
【0003】
しかし、ペットは動物の種類および品種が多様であり、年齢や大きさ、身体状態、病気などによって摂取すべき栄養成分が異なるため、飼い主がペットに必要な栄養成分を含む飼料を選ぶことは容易ではない。
【0004】
そこで、各々のペットに最適化された飼料を推奨する技術について研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、個体ごとに最適化された餌情報を提供できる装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様による個体ごとに最適化された餌情報の提供装置は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報を取得するデータ取得部と、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体に適した餌を判断するプロセッサとを含むことができる。
【0007】
前記特性情報は、個体の種類、品種、体重、年齢、性別、肥満状態、疾病状態、血液検査の結果、中性化手術の有無を含むことができる。
【0008】
前記プロセッサは、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体に必要な栄養成分を判断し、前記判断された栄養成分を提供できる餌構成を判断することができる。
【0009】
前記餌構成は、餌の構成成分の種類、質、量を含むことができる。
【0010】
前記プロセッサは、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体の健康状態を判断し、前記判断された健康状態に異常があると、前記マイクロバイオーム分析結果情報を用いて、前記対象個体内の有害菌と利益菌の種類および割合を判断し、前記対象個体に必要な利益菌の種類および量を判断し、前記対象個体に必要な利益菌の種類および量を考慮して、前記餌構成を判断することができる。
【0011】
個体ごとに最適化された餌情報の提供装置は、前記判断された餌の餌情報を出力する出力部をさらに含むことができる。
【0012】
前記餌情報は、前記餌の種類、製品情報、食餌方法を含むことができる。
【0013】
前記プロセッサは、前記特性情報および前記マイクロバイオーム分析結果情報から個体に合った最適な餌を判断するように学習された餌推奨モデルを用いることができる。
【0014】
他の態様による個体ごとに最適化された餌情報の提供方法は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報を取得するステップと、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、前記対象個体に適した餌を判断するステップとを含むことができる。
【0015】
前記特性情報は、個体の種類、品種、体重、年齢、性別、肥満状態、疾病状態、血液検査の結果、中性化手術の有無を含むことができる。
【0016】
前記対象個体に適した餌を判断するステップは、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて前記対象個体に必要な栄養成分を判断し、前記判断された栄養成分を提供できる餌構成を判断するステップを含むことができる。
【0017】
前記餌構成は、餌の構成成分の種類、質、量を含むことができる。
【0018】
前記餌構成を判断するステップは、前記取得された特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて前記対象個体の健康状態を判断し、前記判断された健康状態に異常があると、前記マイクロバイオーム分析結果情報を用いて、前記対象個体内の有害菌と利益菌の種類および割合を判断し、前記対象個体に必要な利益菌の種類および量を判断し、前記対象個体に必要な利益菌の種類および量を考慮して、前記餌構成を判断するステップを含むことができる。
【0019】
個体ごとに最適化された餌情報の提供方法は、前記判断された餌の餌情報を出力するステップをさらに含むことができる。
【0020】
前記餌情報は、前記餌の種類、製品情報、食餌方法を含むことができる。
【0021】
前記対象個体に適した餌を判断するステップは、前記特性情報および前記マイクロバイオーム分析結果情報から個体に合った最適な餌を判断するように学習された餌推奨モデルを用いて、前記対象個体に適した餌を判断するステップを含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、個体の特性及びマイクロバイオーム分析結果により、各個体に最適化された餌を推奨することができる。これにより、ユーザは個体の餌を簡単に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態による個体ごとに最適化された餌情報の提供装置を示す図である。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態による個体ごとに最適化された餌情報の提供装置を示す図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態による個体ごとに最適化された餌情報の提供方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。各図の構成要素に参照符号を付けるに際し、同じ構成要素については、たとえ別の図上に表示されるとしてもできるだけ同じ符号を付けるようにしていることに留意すべきである。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする虞があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0025】
一方、各ステップにおいて、各ステップは文脈上明らかに特定の順序を記載しない限り、明記された順序とは異なる順に行われてもよい。すなわち、各ステップは、明記された順序と同様に行われてもよく、実質的に同時に行われてもよく、反対の順序で行われてもよい。
【0026】
後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、使用者、運用者の意図または慣例などによって異なり得る。従って、その定義は、本明細書全般に亘る内容に基づいて行われるべきである。
【0027】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。単数の表現は、文脈上、取り立てて明示しない限り、複数の表現を含む。「含む」または「有する」のような用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを示すものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではない。
【0028】
また、本明細書における構成部の区分は、各構成部が担当する主機能による区分に過ぎない。すなわち、2つ以上の構成部が1つの構成部に合わせられるか、または1つの構成部がさらに細分化した機能別に2つ以上に分化して備えられてもよい。そして、構成部のそれぞれは、それ自体の担当する主機能以外にも他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部のそれぞれが担当する主機能のうち一部の機能が他の構成部によって専担されて行われてもよい。各構成部は、ハードウェアまたはソフトウェアで実現するか、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現することができる。
【0029】
図1は、例示的な実施形態による個体ごとに最適化された餌情報の提供装置を示す図である。
図1の個体ごとに最適化された餌情報の提供装置(以下、「餌情報の提供装置」)100は、対象個体の特性およびマイクロバイオーム分析結果に基づいて、対象個体に最適化された餌情報を提供する装置であり、電子装置に搭載されるか、またはハウジングに包まれて別々の装置で形成することができる。電子装置は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション装置、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイスなどを含むことができる。ウェアラブルデバイスは、メガネ型、腕時計型、リストバンド型、指輪型、イヤリング型、ベルト型、ネックレス型、足首バンド型、太ももバンド型、エルボーバンド型などを含むことができる。しかし、電子装置は前述の例に限定されず、ウェアラブルデバイスもまた前述の例に限定されない。
【0030】
図1を参照すると、例示的な実施形態による餌情報の提供装置100は、データ取得部110と、プロセッサ120とを含むことができる。
【0031】
データ取得部110は、対象個体の特性情報および対象個体のマイクロバイオーム分析結果情報を取得することができる。ここで、個体は、餌(食物、飼料など)を摂取するヒト及び動物を含むことができ、個体の特性情報は、個体の種類(例えば、ヒト、イヌ、ネコ等)、品種、体重、年齢、性別、肥満状態、疾病状態、血液検査の結果、中性化手術の有無などを含むことができる。
【0032】
例えば、データ取得部110は、個体の特性情報を測定及び/又は記憶する病院(動物病院を含む)のサーバから対象個体の特性情報を取得し、個体のマイクロバイオーム分析を行う企業のサーバから対象個体のマイクロバイオーム分析結果を取得することができる。このとき、データ取得部110は、有無線通信技術を使用することができる。ここで、無線通信技術は、ブルートゥース(bluetooth)通信、BLE(Bluetooth Low Energy)通信、近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)、WLAN通信、ジグビー(Zigbee)通信、赤外線(Infrared Data Association、IrDA)通信、WFD(Wi-Fi Direct)通信、UWB(ultra-wideband)通信、Ant+通信、WiFi通信、RFID(Radio Frequency Identification)通信、3G通信、4G通信および5G通信などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
他の例として、データ取得部110は、所定の入力手段により、ユーザから対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報の入力を受け、対象個体の特性情報および対象個体のマイクロバイオーム分析結果情報を取得することができる。
【0034】
プロセッサ120は、餌情報の提供装置100の全体的な動作を制御できる。
【0035】
プロセッサ120は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、対象個体に最適化された餌を判断し、判断された餌情報を出力手段によって出力することができる。ここで、餌情報は、餌の種類、製品情報、食餌方法などを含み、製品情報は、製品名、製造メーカー、構成成分、栄養成分、添加剤などを含むことができる。
【0036】
一実施形態によると、プロセッサ120は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、対象個体に適した最適化された餌構成を判断することができる。ここで、餌構成は、餌の構成成分の種類、質、量などを含むことができる。
【0037】
個体の種類、品種、体重、年齢、性別、肥満状態、疾病状態、血液検査の結果、中性化手術の有無などの各個体の特性及び/又は各個体に存在する微生物によって、各個体に必要な栄養成分が異なり得る。そのため、一実施形態によると、プロセッサ120は、取得された対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、対象個体に必要な栄養成分を判断し、判断された栄養成分を提供できる最適な餌構成、例えば、餌の構成成分の種類、質、量などを判断することができる。このとき、プロセッサ120は、個体の種類別に摂取不可の餌の構成成分を考慮できる。
【0038】
例えば、プロセッサ120は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、個体の健康状態が正常であるか異常であるかを判断することができる。また、プロセッサ120は、対象個体の健康状態に異常があると判断されると、マイクロバイオーム分析結果情報を用いて、個体内の有害菌と利益菌の種類および割合を判断し、対象個体に必要な利益菌の種類および量を判断することができる。このとき、プロセッサ120は、健康状態が正常である個体内に存在する利益菌の種類および割合を考慮できる。また、プロセッサ120は、対象個体に必要な利益菌の種類および量を考慮して、対象個体に適した最適化された餌構成を判断することができる。
【0039】
また、プロセッサ120は、対象個体に必要な利益菌を含むマイクロバイオーム製品を判断し、判断されたマイクロバイオーム製品の情報を出力手段によって出力することができる。ここで、マイクロバイオーム製品の情報は、製品名、製造メーカー、微生物の種類および量などを含むことができる。多数のマイクロバイオーム製品の情報は、餌情報の提供装置100の内部または外部のデータベースに予め記憶することができる。プロセッサ120は、このデータベースを検索して、対象個体に適したマイクロバイオーム製品を判断することができる。
【0040】
プロセッサ120は、対象個体に適した最適化された餌構成が判断されると、判断された餌構成に基づいて、対象個体に合った最適な餌を判断することができる。このとき、プロセッサ120は、構成成分に役立つ材料の質と量を考慮できる。多数の餌情報は、餌情報の提供装置100の内部または外部のデータベースに予め記憶することができる。プロセッサ120は、このデータベースを検索して、対象個体に最適化された餌を判断することができる。
【0041】
一実施形態によると、プロセッサ120は、餌推奨モデルを用いて対象個体に最適化された餌を判断することができる。
【0042】
餌推奨モデルは、個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報から個体に合った最適な餌を判断するように学習された機械学習モデルであってもよい。例えば、餌推奨モデルは、様々な個体についての各個体の特性及びマイクロバイオーム分析結果と、それに対応する餌からなる学習データに基づいて、機械学習によって予め生成することができる。ここで、機械学習モデルは、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network)、決定木(Decision Tree)、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)、遺伝的プログラミング(Genetic Programming)、k近傍法(K-Nearest Neighbor)、放射基底関数ネットワーク(Radial Basis Function Network)、ランダムフォレスト(random forests)、サポートベクターマシン(Support Vector Machine)、およびディープラーニング(deep learning)などを含むことができる。
【0043】
プロセッサ120は、餌推奨モデルを定期的に更新することができる。例えば、プロセッサ120は、追加の学習データ、例えば対象個体の実際のデータ(対象個体の特性およびマイクロバイオーム分析結果と、それに対応する最適な餌)を継続的に収集し、収集された追加の学習データを用いて定期的に追加学習し、餌推奨モデルを更新することができる。餌推奨モデルの継続的な更新により、餌推奨モデルの性能を向上させることができる。すなわち、餌情報の提供装置100の使用回数が増加すればするほど、より多くのデータを学習できるので、使用回数の増加によって餌推奨モデルの性能をより向上させることができる。
【0044】
図2は、例示的な実施形態による個体ごとに最適化された餌情報の提供装置を示す図である。
【0045】
図2を参照すると、餌情報の提供装置200は、データ取得部110と、プロセッサ120と、入力部210と、記憶部220と、通信部230と、出力部240とを含むことができる。ここで、データ取得部110およびプロセッサ120は、
図1で説明した通りであるので、その詳細な説明を省略する。
【0046】
入力部210は、ユーザから様々な操作信号および情報の入力を受けることができる。一実施形態によると、入力部210は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(touch pad)、ジョグホイール(Jog wheel)、ジョグスイッチ(Jog switch)、H/Wボタンなどを含むことができる。特に、タッチパッドがディスプレイと相互レイヤー構造をなす場合には、それを「タッチスクリーン」と称することができる。
【0047】
記憶部220は、餌情報の提供装置200の動作のためのプログラムまたは命令を記憶することができ、餌情報の提供装置200に入力されるデータ及び処理されたデータ、対象個体に最適化された餌を判断するために必要なデータなどを記憶することができる。
【0048】
記憶部220は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SDまたはXDメモリなど)、ラム(Random Access Memory、RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(Read Only Memory、ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含むことができる。また、餌情報の提供装置200は、インターネット上で記憶部220の記憶機能を行うウェブストレージ(web storage)等の外部記憶媒体を利用することもできる。
【0049】
通信部230は、外部装置との通信を行うことができる。例えば、通信部230は、餌情報の提供装置200に入力されたデータ、記憶されたデータ、処理されたデータなどを外部装置に送信するか、または外部装置から、対象個体に最適化された餌を判断するために必要な様々なデータを受信することができる。
【0050】
通信部230は、有無線通信技術を用いて外部装置との通信を行うことができる。このとき、無線通信技術は、ブルートゥース(bluetooth)通信、BLE(Bluetooth Low Energy)通信、近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)、WLAN通信、ジグビー(Zigbee)通信、赤外線(Infrared Data Association、IrDA)通信、WFD(Wi-Fi Direct)通信、UWB(ultra-wideband)通信、Ant+通信、WiFi通信、RFID(Radio Frequency Identification)通信、3G通信、4G通信および5G通信などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
出力部240は、餌情報の提供装置200に入力されたデータ、記憶されたデータ、処理されたデータなどを出力することができる。一実施形態によると、出力部240は、取得された対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報、それらによって判断された最適化された餌構成情報、最適な餌情報、及びマイクロバイオーム製品情報などを聴覚的方法、視覚的方法および触覚的方法の少なくとも1つの方法で出力することができる。このために、出力部240は、ディスプレイ、スピーカ、振動機などを含むことができる。
【0052】
図3は、例示的な実施形態による個体ごとに最適化された餌情報の提供方法を示す図である。
図3の餌情報の提供方法は、
図1または
図2の餌情報の提供装置100,200によって行うことができる。
【0053】
図3を参照すると、餌情報の提供装置は、対象個体の特性情報および対象個体のマイクロバイオーム分析結果情報を取得することができる(ステップ310)。
【0054】
例えば、餌情報の提供装置は、個体の特性情報を測定及び/又は記憶する病院(動物病院を含む)のサーバから対象個体の特性情報を取得し、個体のマイクロバイオーム分析を行う企業のサーバから対象個体のマイクロバイオーム分析結果を取得することができる。
【0055】
他の例として、餌情報の提供装置は、所定の入力手段により、ユーザから対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報の入力を受け、対象個体の特性情報および対象個体のマイクロバイオーム分析結果情報を取得することができる。
【0056】
餌情報の提供装置は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、対象個体に最適化された餌を判断し、判断された餌情報を出力することができる(ステップ320)。ここで、餌情報は、餌の種類、製品情報、食餌方法などを含み、製品情報は、製品名、製造メーカー、構成成分、栄養成分、添加剤などを含むことができる。
【0057】
一実施形態によると、餌情報の提供装置は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、対象個体に適した最適化された餌構成を判断することができる。ここで、餌構成は、餌の構成成分の種類、質、量などを含むことができる。例えば、餌情報の提供装置は、取得された対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、対象個体に必要な栄養成分を判断し、判断された栄養成分を提供できる最適な餌構成、例えば、餌の構成成分の種類、質、量などを判断することができる。このとき、餌情報の提供装置は、個体の種類別に摂取不可の餌の構成成分を考慮できる。
【0058】
例えば、餌情報の提供装置は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて、個体の健康状態が正常であるか異常であるかを判断することができる。また、餌情報の提供装置は、対象個体の健康状態に異常があると判断されると、マイクロバイオーム分析結果情報を用いて個体内の有害菌と利益菌の種類および割合を判断し、対象個体に必要な利益菌の種類および量を判断することができる。また、餌情報の提供装置は、対象個体に必要な利益菌の種類および量を考慮して、対象個体に適した最適化された餌構成を判断することができる。
【0059】
また、餌情報の提供装置は、対象個体に必要な利益菌を含むマイクロバイオーム製品を判断し、マイクロバイオーム製品情報を出力することができる。ここで、マイクロバイオーム製品情報は、製品名、製造メーカー、微生物の種類および量などを含むことができる。
【0060】
また、餌情報の提供装置は、対象個体に適した最適化された餌構成が判断されると、判断された餌構成に基づいて対象個体に合った最適な餌を判断することができる。このとき、餌情報の提供装置は、構成成分に役立つ材料の質と量を考慮できる。
【0061】
他の実施形態によると、餌情報の提供装置は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報と、餌推奨モデルとを用いて、対象個体に最適化された餌を判断することができる。
【0062】
餌推奨モデルは、個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報から個体に合った最適な餌を判断するように学習された機械学習モデルであってもよい。例えば、餌推奨モデルは、様々な個体についての各個体の特性およびマイクロバイオーム分析結果と、それに対応する餌からなる学習データとに基づいて、機械学習によって予め生成することができる。
【0063】
例示的な実施形態に係る餌情報の提供装置および方法は、対象個体の特性情報およびマイクロバイオーム分析結果情報に基づいて対象個体に適した最適な餌構成を完成させ、完成した餌構成に近い餌を判断し、その餌情報を提供することができる。このとき、必要によって、対象個体に必要なマイクロバイオーム製品情報も併せて提供することができる。一方、完成した餌構成は、対象個体の餌を新たに製造するために使用することもできる。
【0064】
そして、例示的な実施形態による餌情報の提供装置および方法は、動物保険の分野における保険料率の決定に使用できる。つまり、個体別のカスタム餌に基づいて、病気の減少/増加などをもたらすことができ、その結果を保険料率の算定に用いることができる。例えば、例示的な実施形態による餌情報の提供装置および方法に従って飼料が供給される動物に対しては、他の動物よりも相対的に低い保険料率を付与することができる。
【0065】
前述の実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に、コンピュータ読み取り可能なコードとして実現することができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータが記憶されるあらゆる種類の記録装置を含むことができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光ディスクなどが挙げられる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散され、分散方式によってコンピュータ読み取り可能なコードで作成され実行され得る。
【0066】
以上、本発明の具体的な実施形態について考察したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。従って、本発明の範囲は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と同等の範囲内にある多様な実施形態が含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】