(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(54)【発明の名称】装飾的セキュリティファスナ
(51)【国際特許分類】
F16B 23/00 20060101AFI20230220BHJP
F16B 41/00 20060101ALI20230220BHJP
B60B 3/16 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
F16B23/00 H
F16B41/00 R
B60B3/16 F
B60B3/16 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537242
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 US2020066090
(87)【国際公開番号】W WO2021127490
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522238941
【氏名又は名称】マクレーン-フォッグ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】MACLEAN-FOGG COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】サウスウッド,ブラッドリー ウォレン
(72)【発明者】
【氏名】レーブス,マーク アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,ルーク マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マクファーレン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルラ,ジョセフ
(57)【要約】
セキュリティファスナアセンブリは、標準工具ベアリング面と、当該工具ベアリング面の反対側に形成された取付部分とを有するキャップを具える。ファスナ本体は、キャップが固定される第1の端部に形成された相手方取付部分と、相手方取付部分に隣接して形成されたキー式セキュリティ特徴部とを有する。ファスナ本体の第2の端部は、ファスナアセンブリを車両に固定するためのねじファスナ部分を有する。ファスナ本体のねじ部分は、第1方向に回転させて取り付けられる。キャップの工具ベアリング面を係合させて、第1方向とは反対の第2方向に回転させても、ファスナ本体のねじ部分は回転しない。ファスナ本体は、キー式のセキュリティ特徴部を用いて取り外すことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティファスナアセンブリであって、
標準工具ベアリング面と、工具レンチ面の反対側に形成されたねじ取付部分とを有するキャップと、
前記キャップが固定される第1の端部に形成された相手方ねじ取付部分と、当該相手方ねじ取付部分の近くに形成されたキー式セキュリティ特徴部とを有するファスナ本体であって、前記ファスナ本体の第2の端部は、ファスナアセンブリを車両へ固定するためのねじ係合部分を有する、ファスナ本体とを具え、
前記ファスナ本体は、前記相手方ねじ部分の第1のねじ寸法が、前記ねじ係合部分の第2のねじ寸法と異なっており、前記第1のねじ寸法に基づく前記キャップと前記ファスナ本体との間の第1の離脱トルクは、前記第2のねじ寸法に基づく前記ファスナ本体と前記車両との間の第2の離脱トルクより小さく、
前記ファスナ本体のねじ部分は第1の方向に回転させて取り付けられ、前記キャップの工具ベアリング面を係合させて前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させても、前記ファスナ本体のねじ部分は回転せず、
前記ファスナ本体は、前記キー式セキュリティ特徴部を用いて取り外すことができる、セキュリティファスナアセンブリ。
【請求項2】
前記キー式セキュリティ特徴部は、前記キャップが前記ファスナ本体に取り付けられているときに前記キャップによって隠れる、請求項1に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項3】
前記アセンブリは、標準工具を前記キャップの工具ベアリング面に接触させ、前記キャップと前記ファスナ本体を第1の方向に回転させることによって、車両にねじ固定されるように構成される、請求項1に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項4】
前記キャップと前記ファスナ本体との間の第1の離脱トルクが、前記ファスナ本体と前記車両との間の第2の離脱トルクよりも小さくなるように、前記第1のねじ寸法の螺旋角度が、前記第2のねじ寸法の第2の螺旋角度とは異なっている、請求項1に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項5】
セキュリティファスナアセンブリであって、
標準の工具ベアリング面と、当該工具ベアリング面の反対側に形成された取付部分とを有するキャップと、
前記キャップが固定される第1の端部に形成された相手方取付部分と、当該相手方取付部分の近くに形成されたキー式セキュリティ特徴部とを有するファスナ本体であって、前記ファスナ本体の第2の端部は、前記ファスナアセンブリを車両に固定するためのねじファスナ部分を有する、ファスナ本体とを具え、
前記ファスナ本体のねじ部分は、第1の方向に回転させて取り付けられ、前記キャップの工具ベアリング面を係合させて、前記第1の方向と反対の第2の方向に回転させても、前記ファスナ本体のねじ部分は回転せず、
前記ファスナ本体は、前記キー式セキュリティ特徴部を用いて取り外すことができる、セキュリティファスナアセンブリ。
【請求項6】
前記キー式セキュリティ特徴部は、前記キャップが前記ファスナ本体に取り付けられているときに前記キャップによって隠れる、請求項5に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項7】
前記キャップは、前記ファスナ本体を前記車両から外すことなく、前記ファスナ本体から取り外し可能である、請求項5に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項8】
前記キャップの取付部分がねじ部分を有し、前記ファスナ本体が相手方ねじ部分を有し、前記キャップを第1の方向に回転させると前記ねじ部分が前記ファスナ本体の相手方ねじ部分と係合し、前記キャップを前記第1の方向とは反対の第2の方向へ回転させると、前記ファスナ本体から前記キャップが外れるが、前記ファスナ本体は前記第2の方向に回転しない、請求項5に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項9】
前記ファスナ本体の相手方ねじ部分の第1のねじ寸法は、前記ねじファスナ部分の第2のねじ寸法とは異なっており、前記第1のねじ寸法に基づく前記キャップと前記ファスナ本体との間の第1の離脱トルクは、前記第2のねじ寸法に基づく前記ファスナ本体と前記車両との間の離脱トルクよりも小さい、請求項8に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項10】
前記キャップのねじ部分または前記ファスナ本体の相手方ねじ部分の少なくとも一方が、前記キャップと前記ファスナ本体との間の第1の離脱トルクを低減するための摩擦調整剤コーティングを有する、請求項8に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項11】
前記キャップの取付部分が内部ボアを有し、前記ファスナ本体の相手方取付部分が突出部を有し、この突出部を前記内部ボアに押し込むと、前記キャップが前記ファスナ本体に締り嵌めで保持される、請求項5に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項12】
前記相手方取付部分は、少なくとも1つのエラストマーリングをさらに具え、前記エラストマーリングがボアへの挿入時に圧縮され、前記キャップが締まり嵌めで前記ファスナ本体に保持される、請求項11に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項13】
前記内部ボアが環状リッジを有し、前記エラストマーリングが前記環状リッジとスナップフィットで係合する、請求項12に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項14】
前記キャップ本体がプラスチックで形成され、前記相手方取付部分がボアに押し込まれると前記内部ボアが弾性変形して、前記キャップが前記ファスナ本体に締まり嵌めで保持される、請求項11に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項15】
前記突出部が環状リブを有し、前記内部ボアは第2の開口部よりも小さい第1の開口部を有し、前記第1の開口部が、前記環状リブが前記ボアに押し込まれると弾性変形して、前記キャップが前記ファスナ本体にスナップフィットで保持される、請求項14に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項16】
前記キャップが前記ファスナ本体に保持されているときに、前記キャップは前記突出部の周りを自由に回転する、請求項14に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項17】
前記キー式セキュリティ特徴部は、標準工具では操作できない独特のセキュリティ形状を有する少なくとも1つの凹部を有する、請求項5に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項18】
前記キー式セキュリティ特徴部は、前記ファスナ本体の相手方取付部分の内部に形成されている、請求項17に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項19】
前記キー式セキュリティ特徴部は、前記ファスナ本体の相手方取付部分の外部に形成されている、請求項17に記載のセキュリティファスナアセンブリ。
【請求項20】
セキュリティファスナキットであって、
請求項5に記載のセキュリティファスナアセンブリと、
前記ファスナ本体を前記車両から取り外すための前記キー式セキュリティ特徴部に係合するように成形された工具ベアリング先端を有するセキュリティドライブ工具とを有することを特徴とするセキュリティファスナキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年12月18日に出願された米国仮出願番号62/950,096の利益を主張するものであり、その開示は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
【0002】
本出願は、車両のホイールファスナに関する。
【背景技術】
【0003】
車両のホイールは、転売やスクラップ価値のために盗まれることがある。ホイールの盗難を防ぐために、標準のホイールファスナの代わりにロックファスナを使用してホイールを車両に「ロック」し、ファスナを外すのを防ぐことができる。これらのロックファスナは、同じホイールの他の装飾的なホイールファスナとは外観が異なり、魅力的でない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態によれば、セキュリティファスナアセンブリは、標準工具ベアリング面と、当該工具ベアリング面の反対側に形成された取付部分とを有するキャップを具える。ファスナ本体は、キャップが固定される第1の端部に形成された相手方取付部分(mating attachment portion)と、相手方取付部分に隣接して形成されたキー式セキュリティ特徴部とを有する。ファスナ本体の第2の端部は、ファスナアセンブリを車両に固定するためのねじファスナ部分を有する。ファスナ本体のねじ部分は、第1の方向に回転させて取り付けられる。キャップの工具ベアリング面を係合させて、第1の方向とは反対の第2の方向に回転させても、ファスナ本体のねじ部分は回転しない。ファスナ本体は、キー式セキュリティ特徴部を用いて取り外すことができる。
【0005】
別の実施形態では、キー式セキュリティ特徴部は、キャップがファスナ本体に取り付けられているときにキャップによって隠れる。
【0006】
別の実施形態では、キャップは、ファスナ本体を車両から外すことなく、ファスナ本体から取り外し可能である。
【0007】
別の実施形態では、アセンブリは、標準工具をキャップの工具ベアリング面に接触させ、キャップとファスナ本体を第1の方向に回転させることによって、車両にねじ固定されるように構成されている。
【0008】
別の実施形態では、キャップの取付部分がねじ部分(threaded portion)を有し、ファスナ本体が相手方ねじ部分(mating threaded portion)を有する。キャップを第1の方向に回転させて、ねじ部分をファスナ本体の相手方ねじ部分に係合させる。キャップを第1の方向と反対の第2の方向に回転させると、キャップがファスナ本体から外れるが、ファスナ本体は第2の方向には回転しない。
【0009】
別の実施形態では、ファスナ本体は、相手方ねじ部分の第1のねじ寸法が、ねじ付きファスナ部分の第2のねじ寸法とは異なる。第1のねじ寸法に基づくキャップとファスナ本体との間の第1の離脱トルク(break-away torque)は、第2のねじ寸法に基づくファスナ本体と車両との間の離脱トルクよりも小さい。
【0010】
別の実施形態では、第1のねじ寸法の第1の螺旋角度が、第2のねじ寸法の第2の螺旋角度とは異なる。キャップとファスナ本体の間の第1の離脱トルクは、ファスナ本体と車両の間の第2の離脱トルクよりも小さい。
【0011】
別の実施形態では、キャップのねじ部分またはファスナ本体の相手方ねじ部分の少なくとも一方は、キャップとファスナ本体との間の第1の離脱トルクを低減するための摩擦調整剤コーティングを有する。
【0012】
別の実施形態では、キャップの取付部分が内部ボアを有し、ファスナ本体の相手方取付部分が突出部を有し、この突出部を内部ボアに押し込むと、キャップがファスナ本体に締まり嵌め(interference fit)で保持される。
【0013】
別の実施形態では、相手方取付部分は、少なくとも1つのエラストマーリングをさらに具える。このエラストマーリングがボアへの挿入時に圧縮され、キャップが締まり嵌めでファスナ本体に保持される。
【0014】
別の実施形態では、内部ボアが環状リッジを有し、エラストマーリングが環状リッジとスナップフィット(snap fit)で係合する。
【0015】
別の実施形態では、キャップ本体がプラスチックで形成される。内部ボアは、相手方取付部分がボアに押し込まれると弾性変形して、キャップがファスナ本体に締まり嵌めで保持される。
【0016】
別の実施形態では、突出部が環状リブを有する。内部ボアは、第2の開口部よりも小さい第1の開口部を有する。第1の開口部は、環状リブがボアに押し込まれると弾性変形して、キャップがファスナ本体にスナップフィットで保持される。
【0017】
別の実施形態では、キャップがファスナ本体に保持されているときに、キャップは突出部の周りを自由に回転する。
【0018】
別の実施形態では、キー式セキュリティ特徴部は、標準工具では操作できない独特のセキュリティ形状を有する少なくとも1つの凹部を有する。
【0019】
別の実施形態では、キー式セキュリティ特徴部は、ファスナ本体の相手方取付部分の内部に形成される。
【0020】
別の実施形態では、キー式セキュリティ特徴部は、ファスナ本体の相手方取付部分の外部に形成される。
【0021】
別の実施形態では、セキュリティファスナキットは、請求項1のセキュリティファスナアセンブリと、ファスナ本体を車両から取り外すためのキー式セキュリティ特徴部と係合するように成形された工具ベアリング先端を有するセキュリティドライブ工具とを有する。
【0022】
別の実施形態によれば、セキュリティファスナアセンブリが提供される。セキュリティファスナアセンブリは、分離可能なキャップとファスナ本体とを有するツーピースアセンブリである。キャップは、標準工具レンチ面と、当該工具レンチ面の反対側に形成されたねじ付き取付部分とを具える。ファスナ本体は、キャップが固定される第1の端部に形成された相手方ねじ付き取付部分と、当該相手方ねじ付き取付部分に隣接して形成されたキー式セキュリティ特徴部とを有する。ファスナ本体の第2の端部は、ファスナアセンブリを車両に固定するためのねじ付き係合部分を有する。ファスナ本体は、相手方ねじ部分の第1のねじ寸法が、ねじ付き係合部分の第2のねじ寸法とは異なり、第1のねじ寸法に基づくキャップとファスナ本体との間の第1の離脱トルクは、第2のねじ寸法に基づくファスナ本体と車両との間の第2の離脱トルクより小さい。ファスナ本体のねじ切り部分を第1の方向に回転させて取り付けるとキャップの工具ベアリング面に係合し、第1の方向と反対の第2の方向に回転させてもファスナ本体のねじ切り部分は回転しない。ファスナ本体は、キー式セキュリティ特徴部を用いて取り外し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、一実施形態による装飾的キャップおよびファスナ本体を有するセキュリティファスナアセンブリの分解側面図である。
【
図2】
図2は、
図1のセキュリティファスナアセンブリの組み立てられた側面図である。
【
図3】
図3は、
図1のセキュリティファスナアセンブリのファスナ本体の一端の上面図であり、セキュリティドライブ特徴部をより詳細に示し、外部ねじ内に配置されている。
【
図4】
図4Aは、一実施形態による、
図3のファスナ本体の上面図である。
図4Bは、別の実施形態による、
図3のファスナ本体の上面図である。
【
図5】
図5は、
図1のファスナ本体の断面線5-5を通る断面図である。
【
図6】
図6は、
図1のファスナアセンブリのキャップの底面図である。
【
図7】
図7は、
図1のキャップの断面線7-7を通る断面図である。
【
図8】
図8は、
図2のファスナアセンブリの断面線8-8を通る断面図である。
【
図9】
図9Aは、セキュリティドライブ工具を示す上面図である。
図9Bは、セキュリティドライブ工具を示す断面図である。
図9Cは、セキュリティドライブ工具を示す底面図である。
【
図10】
図10は、一実施形態による、装飾的キャップおよびファスナ本体を有するセキュリティファスナアセンブリの側面図である。
【
図16】
図16は、一実施形態による、装飾的キャップおよびファスナ本体を有するセキュリティファスナアセンブリの側面図である。
【
図22】
図22は、一実施形態による、装飾的キャップおよびファスナ本体を有するセキュリティファスナアセンブリの側面図である。
【
図28】
図28は、一実施形態による、装飾的キャップおよびファスナ本体を有するセキュリティファスナアセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示された実施形態は、様々な代替の形態で具体化され得る本発明の単なる例示であることが理解されるべきである。図面は必ずしも縮尺通りではなく、一部の特徴が特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化されている場合がある。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明を様々に使用することを当業者に教えるための代表的な基礎として単に解釈されるべきである。
【0025】
図1は、装飾的セキュリティファスナアセンブリ10を示す。装飾的セキュリティファスナアセンブリ10は、セキュリティファスナ本体14に結合された装飾的ファスナキャップ12を具える。この装飾的セキュリティファスナアセンブリ10は、標準工具で取り付けることができるが、取り外すには特定のキー型工具を必要とする。
【0026】
図6に示すように、装飾的ファスナキャップ12は、六角形のベアリング面24を有し得る。ファスナキャップ12のベアリング面24は、車両の他のホイールファスナと共通である。したがって、セキュリティファスナ10は、標準工具で取り付けることができ、取り付けるために特別なまたは独自の工具を必要としない。キャップ12は、六角形に配向された6つのベアリング面を有し得る。しかしながら、キャップ12は異なる数のレンチ面を有することが可能であり、または、任意の適切な形状、構成、または標準の工具ベアリング面が使用されてもよい。例えば、Larry Wilsonらによる米国特許出願番号15/487,805の3つの尖った工具ベアリング面を有するファスナキャップや、Steven Tomaszewskiらによる米国特許出願番号15/872,386のハイブリッドベアリング面を使用することができ、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
ファスナキャップ12は、当該キャップ12をファスナ本体14に取り付けるための取付部分(attachment portion)26を有する。この取付部分26は、キャップ12をファスナ本体14の相手方取付部分(mating attachment portion)32に取り付けるための工具ベアリング面24の反対側に形成されている。
【0028】
図1の実施形態に示すように、取付部分26はねじ切り面16を有する。ねじ切り面16は、封止されたキャップエンド22の反対側のボア28内に形成された雌ねじ(internal threads)42として形成される。ねじ切り部分16の雌ねじ42は、ファスナ本体14の雄ねじ(external threads)44と螺合する。雌ねじ42がファスナ本体14の雄ねじ44に完全に着座すると、キャップ12はファスナ本体14へのトルク流路を提供し、ホイールを車両にしっかりと固定するための業界標準トルクレベルでセキュリティファスナアセンブリ10を車両のホイールスタッド(図示せず)に固定することができる。
【0029】
相手方取付部分32は、ファスナ本体14の第1の端部34に形成された雄ねじ44を有する。テーパ状、円錐台状、球状または他の形状のベアリング面36が、第1の端部34とは反対側のファスナ本体の第2の端部38に形成されている。一例では、ベアリング面36は、60度のテーパ形であり得る。別の例では、ベアリング面は、45度などの他の適切なテーパ寸法で先細であってもよい。第2の端部38は、車両のホイールスタッドと係合するための雌ねじ48を有する内部ボア40を具える。雌ねじ48が標準トルクレベルでスタッドに完全に着座すると、ベアリング面36は圧迫され、対応する面にテンションがかかりナットが緩む傾向を低減し、それによってホイールを車両にしっかりと保持することができる。
【0030】
図5、
図8の断面図に示すように、ファスナ本体14の第2の端部38は、雌ねじ48を有する係合面30を有するナット本体として形成されている。別の実施形態では、ファスナ本体14の第2の端部38は、ホイールのハブ、ドラムブレーキまたはディスクのねじ穴と係合するための雄ねじとの係合面を有するボルトとして形成され得る。
【0031】
ファスナアセンブリ10を外そうと試みると、ファスナキャップ12がねじ回転してファスナ本体14から外れ、キー式セキュリティ特徴部50が現れる。ファスナキャップ12を外したら、ホイールスタッドからファスナ本体14を取り外すためには、対応するキー型セキュリティ工具が必要となる。
【0032】
図1-2に示すように、キー式セキュリティ特徴部50は、キャップ12がファスナ本体14に取り付けられているときには隠されている。
図3-5に示すように、キー式セキュリティ特徴部50は、ファスナ本体14の相手方取付部分32の内部に形成されている。キャップ12がファスナ本体14に取り付けられると、キー式セキュリティ特徴部50はキャップ12のボア28内に配置され、閉じたキャップエンド22によって隠される。
【0033】
キー式内部ドライブ50は、ファスナ本体14を取り外すのに十分なトルクを加えるための標準的な工具によってグリップできない、異なる起伏のある、蛇行した、不規則または独特の形状の凹部、または複数の凹部を有し得る独特の形状の凹部52を有する。例えば、
図4A~4Bは、標準的な工具ではファスナ本体14を車両から外すのに十分なトルクを伝達するように機能しない独特の形状の凹部52を有するキー式セキュリティ特徴部50の2つの例を示す。
【0034】
図8に示すように、封止されたキャップエンド22は、キャップ本体56に固定されたカバー54で封止することができる。カバー54は、キャップ本体56の上に固定されたステンレス鋼カバーであり得る。キャップ本体を覆うカバーの一例は、Larry Wilsonらによる特許出願番号14/976,190、15/144,920および16/976,190に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
図9A-9Bに示すように、セキュリティ工具60は、ファスナ本体14をホイールから螺合解除するための、対応する起伏のある、蛇行した、または独特の形状の先端62を有する。例えば、ファスナ本体14は15以上の独特の形状のセキュリティ凹部を有して製造することができ、この独特のセキュリティ凹部はそれぞれ、独特の工具を必要とする。
図9Bに示すように、独特の工具先端部62は、
図4Aに示すキー式凹部52に対応する。他の工具は、セキュリティ凹部の形状に基づいて、対応する工具先端部を有する。車両用のロックセキュリティキットは、4つのファスナアセンブリ10(各ホイールに1つのファスナアセンブリ10)を含むことができ、各ファスナ本体14は、同じ固有のキー式ドライブ特徴部50を有し得る。このキットはまた、キットの4つのファスナアセンブリ10のそれぞれの1つの独特のキー式ドライブに対応する係合先端を有するキー式セキュリティドライブ工具60を1つ含む。
【0036】
ファスナ本体14は、独特のキー型セキュリティドライブ工具60を使用してのみホイールから取り外すことができる。キャップ12は、ベアリング面36におけるファスナ接合部のテンションを失うことなく、ファスナ本体14が車両に固定されたままで、雄ねじ44から切り離して取り去ることができる。
【0037】
ファスナアセンブリ10は、キャップ12とファスナ本体14の2つの嵌合要素で形成されるので、この2つの構成要素は、性能だけでなく外観を向上させるために様々な材料特性や処理を有し得る。審美的に魅力的であるために、ほとんどのアフターマーケットのロック式ホイールファスナはクロムメッキされており、クロムメッキされたベアリング面を有する。クロムメッキされたベアリング面は、予測できない摩擦係数と予測できない圧迫テンションを有し、このためファスナとベアリング面がホイールを車両に確実に固定できない。2つの構成要素で形成されたファスナアセンブリ10は、この問題を解決する。ファスナ本体10はクロムメッキされておらず、トルク制御およびベアリング面における予測可能な締結に関する自動車メーカーの仕様を満たすように、有機メッキまたは他の適切な表面処理が施される。キャップ12は、ステンレス鋼、クロムメッキ、または黒色クロムメッキなどの所望の外観、または他の所望の外観の表面処理を有するように別途形成することができる。したがって、ファスナアセンブリ10は、クロムメッキされたベアリング面36を有することなく、装飾的な外観を得ることができる。
【0038】
さらに、市販のロック式ホイールファスナのほとんどは、ホイールファスナ性能に関する自動車メーカーの工場仕様を満たしておらず、例えば硬度、摩擦、強度などに関する要件の一部または全部において逸脱している。しかしながら、ファスナアセンブリ10は、硬度、摩擦、および強度の要件を満たすような材料および処理で形成されたファスナ本体14を有することができる。
【0039】
さらに、一般的なロック式セキュリティファスナは、キー式セキュリティドライブ特徴部が露出しているため腐食しやすく、外観が悪いことに加えて、腐食やデブリが付着したキー式ドライブ開口部にキー工具が収まりにくくなり、取り外しを妨げる効果がある。キー式セキュリティドライブ特徴部50はキャップ12によって保護されるので、ファスナアセンブリ10はまた、現行のロック式ラグナットに勝る利点を提供する。本出願のキー式セキュリティドライブ特徴部50は、キャップ12を取り外さない限り露出されないので、通常の使用中にキー式セキュリティドライブ特徴部50が腐食やデブリから保護されるという利点を提供する。
【0040】
キャップ12はまた、ファスナアセンブリ10が車両または他の受信機と通信可能にするか、ホイール盗難が試みられた場合に警報を提供可能にするセキュリティ電子機器を含んでもよい。
【0041】
David Davisらによる米国特許出願第15/788,204号、第16/127,999号、および第17/069,649号に開示されたホイールファスナアラーム用のファスナセキュリティ電子機器が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
キャップ12は、キー式ドライブ特徴部をカバーし、隠し、または保護が望まれる別のファスナ本体と共に使用することができる。キャップ12とファスナ本体14間のねじ係合は、ファスナ本体14を正確なトルクおよびテンション要件を満たす着座位置に駆動するためのトルク流路および一方向クラッチを提供する。キャップ12の雌ねじ42は、ファスナ本体14の雌ねじ48と同じ締め方向(handedness)なので、キャップ12とファスナ本体14は取り付けのために両方とも同じ方向に回すことができる。
【0043】
その後、ファスナ本体14とホイールの接合テンションに影響を与えることなく、キャップ12を取り外すことができる。実際、キャップ12の雌ねじ42とファスナ本体14の雌ねじ44は、テンションがかかっておらず、クランプ荷重がない。したがって、キャップ12は、ファスナ本体14の雌ねじ48のホイールスタッドへの着座に影響を与えることなく、キャップの雌ねじ42がファスナ本体14の雄ねじ44から外れるところで取り外すことができる。
【0044】
ファスナ本体14に対するキャップ12の取り外しトルク、すなわち離脱トルクは、ホイールに対するファスナ本体14の離脱トルクよりも小さい。一実施例では、ファスナ本体14に対するキャップ12の離脱トルクは、ホイールに対するファスナ本体14の離脱トルクの95%未満である。一実施例では、ファスナ本体14に対するキャップ12の離脱トルクは、ホイールに対するファスナ本体14の離脱トルクの95%~75%であり得る。ただし、キャップ12がファスナ本体に固定されたままで振動で脱落するようなことがないが、ファスナ本体がホイールから外れることなく簡単に取り外せるものであれば、離脱トルクの差は任意の適切な差であってよい。
【0045】
ファスナ本体14を車両から外すことなく、キャップ12をファスナ本体14からねじで取り外せるようにするために、キャップの取付部分26および相手方取付部分32が第1のねじ寸法を有し、一方で係合面30が第2のねじ寸法を有し得る。一実施形態では、取付部分26および相手方取付部分32のねじは、ダブルリードねじであり得る。ダブルリードねじは、2条のねじが同時に回転され得る。係合面30上のねじは、シングルリードであってもよい。
【0046】
一例では、第1および第2のねじ寸法は、異なるピッチ角を有し得る。シングルリードねじの場合、ピッチ角と螺旋角は等しい。ダブルリードねじの場合、ピッチ角は螺旋角の半分である。
【0047】
第1のねじ寸法の螺旋角は、第2のねじ寸法の螺旋角よりも大きくてもよい。上部の相手方取付部分32の螺旋角度がファスナ本体14の下部係合面30の螺旋角度よりも大きい(すなわち急勾配である)場合、上部の相手方取付部分32へのトルクは一定のままであるが、下部係合面30に伝達されるトルクは増加する。したがって、より下部係合面30は、車両に対するクランプ力が大きくなる。したがって、キャップ12を回してファスナ本体12の相手方取付部分32から外すときに、キャップ12は、ホイールに対するファスナ本体よりも低い離脱トルクで外れる。
【0048】
例えば、ボルトまたはホイールナット14の係合面30は、標準の140Nmのトルクをかけたときに、約46.2KNのクランプ力および約117Nmの離脱トルクを有し、約0.43ラジアンの螺旋角を有するシングルリードを有し得る。逆に、一例では、上部相手方取付部分32は、ダブルリードねじである場合、約47.2kNのクランプ力、約113Nmの離脱トルク、約0.08ラジアンの螺旋角を有し得る。他の螺旋角および/またはねじ寸法も、上部相手方取付部分32と下部係合面30との間の離脱トルクに適切な差を提供するように企図される。
【0049】
別の実施形態では、相手方取付部分32は、係合面30のねじ山よりも少ないベアリング面を有してもよい。例えば、キャップ12の雌ねじ42およびファスナ本体14の雄ねじ44は、ホイールスタッドおよびファスナ本体14の雌ねじ48と比較して、ベアリング表面積が小さくてもよい。
【0050】
別の実施形態では、相手方取付部分32は、係合面30のねじ山よりも小さいねじ径を有してもよい。例えば、取付部分26および相手方取付部分32はM12x1.5であり、係合面30のねじ山はM4xl.5であり得る。
【0051】
ファスナ本体14は、耐腐食性および耐摩擦性のためのコーティングを有することができる。キャップ12をファスナ本体14から取り外すために必要な離脱トルクをさらに低減するために、摩擦調整剤コーティングをキャップ12の取付部分26に適用することができる。摩擦調整剤コーティングは摩擦係数を低減させ、キャップ12を簡単に取り外すことができる。摩擦調整剤コーティングの一例は、クロムを含まない亜鉛アルミニウムコーティングであり得る。
【0052】
図10-15は、別の実施形態による装飾的なセキュリティファスナアセンブリ100を示す。装飾的セキュリティファスナアセンブリ100は、セキュリティファスナ本体114に結合された装飾的ファスナキャップ112を含む。ファスナアセンブリ100は、標準工具で取り付けることができるが、取り外すには特定のキー型ツールが必要である。
【0053】
図12に示すように、装飾的ファスナキャップ112は、六角形のベアリング面124を有し得るが、このベアリング面124は、車両の他のホイールファスナと共通の任意の標準的なベアリング面を有することができる。図示するように、ファスナキャップ112は、キャップ112をファスナ本体114に取り付けるための取付部分126を有し、封止されたキャップエンド122の反対側のボア128に形成された雌ねじ142を有する。一実施形態では、ボア128はキャップ本体158の全長にわたって延在し、キャップエンド122は、キャップ本体158に固定されたカバーで囲まれていてもよい。例えば、カバーは、キャップ本体158上に固定されたステンレス鋼カバーであり得る。キャップを覆うカバーの一例は、Larry Wilsonらによる米国特許出願第14/976,190、第15/144,920および第16/976,190に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
ねじ部分16の雌ねじ142は、ファスナ本体114の雄ねじ144と螺合する。雌ねじ142がファスナ本体114の雄ねじ144に完全に着座すると、キャップ112は、セキュリティファスナアセンブリ100を業界標準のトルクレベルで車両に固定できるように、ファスナ本体114にトルクをかける流路を提供する。
【0055】
図14に示すように、ファスナ本体114はボルトとして形成され、第2の端部138が、ねじ穴と係合するための雄ねじ148を有するボルト突出部140である係合面130を有するボルト本体として形成される。例えば、雄ねじ148は、ホイールのハブ、ドラムブレーキ、またはディスクと係合することができる。
【0056】
ファスナアセンブリ100を取り外そうとする場合、ファスナキャップ112が回転してファスナ本体114からねじで外れ、キー式セキュリティ特徴部150が現れる。
図15に示すように、キー式セキュリティ特徴部150は、ファスナ本体114において相手方取付部分126の外部に形成されている。キー式セキュリティ特徴部150は、相手方取付部分132を取り囲むレッジ154上に形成することができる。図示するように、キー式セキュリティ特徴部150は、レッジ154上に形成された複数のセキュリティ凹部152として形成することができる。複数の凹部152は、レッジ154に沿って任意の適切な形状、数、または間隔を有することができる。キー式セキュリティ凹部152は、相手方取付部分132の周りに連続し、ファスナ本体114を取り外すのに十分なトルクを加えるために標準工具によってはグリップできない、起伏のある、蛇行した、または独特の形状の凹部であり得る。ファスナキャップ112を取り外したら、ファスナ本体114を取り外すためには一致するキー型セキュリティ工具が必要となる。
【0057】
キャップ112がファスナ本体114に取り付けられると、キー式セキュリティ特徴部150が隠れる。キャップ112がファスナ本体114に取り付けられると、キー式セキュリティ特徴部150は、キャップ112のフランジ156で隠され、レッジ154上のキー式セキュリティ特徴部150が覆われる。キャップ112のフランジ156は、レッジ154に隣接してキー式セキュリティ特徴部150を隠し、凹部152を囲んでセキュリティ特徴部150のデブリや腐食を防ぐためのほぼ平面の表面を有し得る。
【0058】
キャップ112とファスナ本体114との間のねじ係合は、ファスナ本体114を正確なトルクとテンションの要件を満たす着座位置へと駆動するためのトルク流路および一方向クラッチを提供する。キャップ112の雌ねじ142は、ファスナ本体114の雄ねじ山148と同じ締め方向(handedness)であるので、キャップ112およびファスナ本体114は、取り付けのために両方とも同じ方向に回すことができる。
【0059】
相手方雄ねじ144がファスナ本体114の第1の端部134に形成され、雄ねじ148はファスナ本体114の第2の端部138まで延在する。テーパ状、球面または円錐台面136が、第1の端部134と第2の端部138との間の、レッジ154の反対側に形成されてもよい。雄ねじ148が標準トルクレベルで完全に着座すると、ベアリング面136が圧迫され、対応する面にテンションがかかってボルトが緩む傾向が低減され、これによってファスナ100のしっかりと固定された状態が維持される。
【0060】
図16-21は、別の実施形態による装飾的セキュリティファスナアセンブリ200を示す。装飾的セキュリティファスナアセンブリ200は、セキュリティファスナ本体214に結合される装飾的ファスナキャップ212を有する。装飾的セキュリティファスナアセンブリ200は、標準工具で取り付けることができるが、取り外すには特定のキー型工具が必要である。
【0061】
図18に示すように、装飾的ファスナキャップ212は、六角形のベアリング面224を有し得る。しかしながら、ベアリング面224は、車両の他のホイールファスナと共通の任意の標準的なベアリング面を有してもよい。
図19に示すように、ファスナキャップ212は、ファスナ本体214にキャップ212を取り付けるための取付部分226を有し、これはキャップ本体228から突出する中実の雄ねじ242を有する。取付部分226は、反対側の封止されたキャップエンド222に延在する。
【0062】
雄ねじ242は、ファスナ本体214のボア246内に形成された雌ねじ244に螺合する。雄ねじ242がファスナ本体214の雌ねじ244に完全に着座すると、キャップ212は、セキュリティファスナアセンブリ200を業界標準のトルクレベルで車両に固定することができるトルク流路をファスナ本体214に提供する。
【0063】
図20に示すように、ファスナ本体214は、第2の端部238がねじ穴と係合するための雄ねじ248を備えた突出部240を有するボルトとして形成され得る。例えば、雄ねじ248は、ホイールのハブ、ドラムブレーキ、またはディスクに係合することができる。
【0064】
ファスナアセンブリ200を取り外そうとする場合、ファスナキャップ212が回転してファスナ本体214からねじで外れ、キー式セキュリティ特徴部250が現れる。
図20に示すように、キー式セキュリティ特徴部250は、ファスナ本体214の相手方取付部分232の内側に形成されている。キー式セキュリティ特徴部250は、ボア246の底部床254内に形成され得る。図示するように、キー式セキュリティ特徴部250は、凹部252であり得る。この凹部252は、任意の適切な形状を有し得るか、または複数の凹部によって形成され得る。キー式セキュリティ凹部252は、ファスナ本体114を取り外すのに十分なトルクを加えるために標準工具ではグリップできない、起伏のある、蛇行した、または独特の形状の凹部であり得る。ファスナキャップ212を取り外したら、ファスナ本体214を取り外すためには対応するキー型セキュリティ工具が必要となる。
【0065】
図16-18に示すように、キャップ212がファスナ本体214に取り付けられると、キー式セキュリティ特徴部250が隠れる。キャップ212がファスナ本体214に取り付けられると、キャップ212は、ボア246の床254にあるキー式セキュリティ特徴部250を覆う。
【0066】
相手方雌ねじ244がファスナ本体214の第1の端部234からボア246内に延在しており、雄ねじ248はファスナ本体214の第2の端部238まで延在する。テーパ状、球面、または円錐台形のベアリング表面236が、第1の端部234と第2の端部238との間に形成されてもよい。雄ねじ248が標準トルクレベルで完全に着座したとき、ベアリング面236が圧迫され、対応する面にテンションをかけてボルトが緩む傾向が低減され、これによってファスナ200のしっかりと固定した状態が維持される。
【0067】
キャップ212とファスナ本体214との間のねじ係合は、ファスナ本体214を正確なトルクおよびテンションの要件を満たす着座位置に駆動するためのトルク流路および一方向クラッチを提供する。キャップ212の雄ねじ242は、ファスナ本体214の雄ねじ248と同じ締め方向であるので、キャップ212およびファスナ本体214は、取り付けのために両方とも同じ方向に回すことができる。
【0068】
図22-27は、別の実施形態による装飾的セキュリティファスナアセンブリ300を示す。装飾的セキュリティファスナアセンブリ300は、セキュリティファスナ本体314に結合された装飾的ファスナキャップ312を含む。ファスナアセンブリ300は、標準的なファスナの美的外観を有するが、取り外すために特定のキー型工具を必要とする。
【0069】
図24に示すように、装飾的ファスナキャップ312は、六角形のベアリング面324を有し得るが、ベアリング面324は、車両の他のホイールファスナと共通の任意の標準的なベアリング面を有してもよい。
図25に示すように、ファスナキャップ312は、キャップ312をファスナ本体314に取り付けるための取付部分326を有する。取付部分326は、封止されたキャップエンド322の反対側の内部ボア328である。ファスナ本体314の相手方取付部分332が、キャップ312の取付部分326に押し込まれる。ファスナ本体314の相手方取付部分332は、締まり嵌め(interference fit)でキャップ312の取付部分326に保持される。一実施形態では、ボア328はキャップ本体358の全長にわたって延在し、キャップエンド322はキャップ本体358に固定されたカバーで囲まれてもよい。例えばカバーは、キャップ本体358に固定されたステンレス鋼カバーであり得る。キャップ本体を覆うカバーの一例は、Larry Wilsonらの米国特許出願番号14/976,190、15/144,920、および16/197,190に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
相手方取付部分332は、ファスナレッジ354から延びる突出部344を有し、これがファスナ本体314の第1の端部334を規定する。ファスナ本体314の第2の端部338は、雌ねじを有するボルトである係合面330を規定する。別の実施形態では、ファスナ本体314の第2の端部338は、雌ねじとの係合面を有するナット体として形成されてもよい。
【0071】
相手方取付部分332は、突出部344の周りに形成された少なくとも1つの環状溝346を有する。図示するように、2本の環状溝346が、突出部344に沿って形成されている。環状溝346はそれぞれ、Oリングのようなエラストマーリング360を保持するようなサイズで弧を描いている。エラストマーリング360の外径は、内部ボア328の内径よりも大きく、相手方取付部分332がキャップ312に押し込まれると圧縮されて締まり嵌めを作り出す。
【0072】
キャップ312の取付部分326はまた、ボア328内に延びる少なくとも1つの環状リッジ362を有する。エラストマーリング360が隆起362を越えて押されるときに、エラストマーリング360はさらに圧縮されてスナップフィットを作り出し、ファスナ本体314がキャップ312から引き離されないように追加の保持を提供する。
【0073】
ファスナキャップ312を回転させることによってファスナアセンブリ300を取り外そうとする場合、キャップ312はねじれて回転するが、ファスナアセンブリ300は外れない。ファスナキャップ312をファスナ本体314から引き抜くと、キー式セキュリティ特徴部350が現れる。
図27に示すように、キー式セキュリティ特徴部350は、ファスナ本体314の相手方取付部分332の外部に形成されている。
【0074】
キー式セキュリティ特徴部350は、相手方取付部分332を取り囲むレッジ354上に形成することができる。
図27に示すように、キー式セキュリティ特徴部150は、レッジ354上に形成される複数のセキュリティ凹部352として形成され得る。複数の凹部352は、レッジ354に沿って任意の適切な形状、数、または間隔を有することができる。キー式セキュリティ凹部352は、相手方取付部分332の周りで連続し、ファスナ本体314を取り外すのに十分なトルクを加えるために標準工具によってグリップすることができない起伏のある、蛇行したまたは独特の形状の凹部であり得る。ファスナキャップ312を取り外したら、ファスナ本体314をねじ回転させて取り外すのには一致するキー型セキュリティ工具が必要となる。キー型セキュリティ工具は、キャップ312を押し込む前にファスナ本体314を取り付けるのに使用することもできる。
【0075】
キャップ312がファスナ本体314に取り付けられると、キー式セキュリティ特徴部350は隠れる。キャップ312がファスナ本体314に取り付けられると、キー式セキュリティ特徴部350は、キャップ312のフランジ356によって隠され、レッジ354上のキー式セキュリティ特徴部350が覆われる。キャップ312のフランジ356は、キー式セキュリティ特徴部350を隠すためにレッジ354に隣接するほぼ平坦な表面を有し得る。
【0076】
ファスナ本体314の係合部分330は、第2の端部338まで延びる雄ねじ348を有する。テーパ形または円錐台形の座面336が、第1の端部334と第2の端部338との間にレッジ354の反対側に形成されている。雄ねじ348が標準トルクレベルで完全にシールされると、ベアリング面336が圧迫され、対応する表面にテンションをかけてボルトが緩む傾向が低減され、それによってファスナ300をしっかりと固定した状態に維持する。ベアリング面336は、第1の端部334と第2の端部338との間に形成されたテーパ状、球面、または円錐台形あるいは他の適切な形状のベアリング面336であり得る。
【0077】
その後に、キャップ312を、ファスナ本体314と車両の接合テンションに影響を与えることなく取り外すことができる。キャップ312は、ねじ係合されているファスナ本体314が回転するファスナ本体の中心軸に平行な直線方向に取り外される。したがって、キャップ312は、ファスナ本体314の雄ねじ348から車両へのスケーリング(scaling)に影響を与えることなく取り外すことができる。同様に、キャップ312は、エラストマーリング360の周りでキャップ312をねじる摩擦力が、ファスナ本体の螺合部分330の離脱トルクよりも小さければ、エラストマーリング上で回転またはねじることができる。
【0078】
図28-31は、別の実施形態による装飾的セキュリティファスナアセンブリ400を示す。この装飾的セキュリティファスナアセンブリ400は、セキュリティファスナ本体414に結合された装飾的ファスナキャップ412を具える。キャップ414は、標準的なファスナの美的外観を有するが、ファスナ本体414は、取り外すために特定のキー型工具を必要とする。
【0079】
図28に示すように、装飾的ファスナキャップ412は、六角形のベアリング面424を有し得るが、ベアリング面424は、車両の他のホイールファスナと共通の任意の標準的なベアリング面を有してもよい。
図29に示すように、ファスナキャップ412は、キャップ412をファスナ本体414に取り付けるための取付部分426を有する。取付部分426は、ファスナ本体414の相手方取付部分432を受け入れるための、キャップエンド422の反対側の内部ボア428である。ファスナ本体414の相手方取付部分432は、キャップ412の取付部分426に押し入れられる。ファスナ本体414の相手方取付部分432は、締まり嵌めでキャップ412の取付部分426に保持される。
【0080】
相手方取付部分432は、ファスナレッジ454から延びてファスナ本体414の第1の端部434を規定する突出部444を有する。ファスナ本体414の第2の端部438は、雄ねじ448を有するボルトである係合面430を規定する。別の実施形態では、ファスナ本体414の第2の端部438は、雌ねじを有する係合面430を有するナット本体として形成することができる。
【0081】
図31に示すように、キャップ412の取付部分426はボア428を規定し、これは第2のボア開口462より小さい直径を有する第1の開口460を有する。内側キャップ本体466は、プラスチックで形成され得る。内側キャップ本体466は、ポリマー、または他の適切な弾性変形可能な材料で形成されてもよい。内側キャップ本体466は、キャップ412が他のファスナの美的外観となるように、金属カバー470または層で覆われる。例えば、キャップ112は、Scan K. Milliganによる米国特許出願第13/766,199号に開示されているようなステンレス鋼カバーといった金属カバーを有することができ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。内側キャップ本体466およびカバー470もまた、
図29に示すように、フランジ456を有してもよい。
【0082】
図29に示すように、相手方取付部分432は、突出部444の周囲に形成された少なくとも1つの環状リブ446を有する。環状リブ446は、内部ボア428の第1の開口460の内径よりも大きい外径を有する。相手方取付部分432が内側キャップ本体466に形成されたボア428に押し込まれると、環状リブ446は、第1の開口460を弾性変形させる。環状リブ446は、第2のボア開口462へと押し込まれ、ファスナ本体414がキャップ412から引き抜かれるのを保持および防止するスナップフィットを作成する。代替的に、キャップ312の取付部分326が、ボア428内に延びる少なくとも1つの環状リッジを有してもよい。環状リブ446がリッジを越えて押されると、エラストマーリング360はさらに圧縮され、追加の保持を提供し、ファスナ本体414がキャップ412から引き抜かれるのを防ぐスナップフィットを作り出す。
【0083】
環状リブ446の外径は、第2のボア開口462の内径よりも小さく、キャップ412が突出部444の周りで自由に回転できるようにしてもよい。ファスナキャップ412を回転させることによってファスナアセンブリ400の取り外しが試みられた場合、キャップ412は自由にねじれて回転するが、ファスナアセンブリ400は外れない。
図28および30に示すように、キー式セキュリティ特徴部450は、レッジ454の周縁部468に沿ってファスナ本体414に沿って形成することができる。
【0084】
雄ねじ448が標準トルクレベルで完全に着座すると、ベアリング面436が圧迫され、対応する面にテンションがかかってボルトが緩む傾向が低減され、それによってファスナ400をしっかりと固定した状態に維持する。ベアリング面436は、第1の端部434と第2の端部438との間に形成されたテーパ状、球面または円錐台状または他の適切な形状のベアリング面436であってよい。
【0085】
キー式セキュリティ特徴部450は、相手方取付部分432を囲むレッジ454上に形成することができる。
図28および30に示すように、キー式セキュリティ特徴部450は、レッジ454の周縁部468に沿って形成された複数のセキュリティノッチ452として形成することができる。複数のノッチ452は、レッジ454に沿って任意の適切な形状、数または間隔を有し得る。キー式セキュリティノッチ452はまた、ファスナ本体414を取り外すのに十分なトルクを加えるために標準工具によってグリップできない、起伏のある、蛇行した、または独特の形状の周縁部を形成し得る。キー式セキュリティ特徴部450は、ベアリング面436に隣接するレッジ454上にも形成されて、周縁部468に沿ったセキュリティノッチ452がベアリング面436まで延在するようにしてもよい。
【0086】
ファスナ本体414をねじ回転させて取り外すためには、一致するキー型セキュリティ工具が必要である。キー型セキュリティ工具をファスナ本体414の取り付けに使用することもできる。別の実施形態では、ファスナキャップ412をファスナ本体414から引き抜くと、上述したように、レッジ454のキー式セキュリティ特徴部が現れるようにしてもよい。
【0087】
例示的な実施形態を上記に記載したが、これらの実施形態は本発明のすべての可能な形態を説明することを意図するものではない。むしろ、本明細書で使用される用語は、限定ではなく説明の言葉であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解される。さらに、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、本発明のさらなる実施形態を形成することができる。
【国際調査報告】