(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(54)【発明の名称】気道及び/または肺への遺伝子送達のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/869 20060101AFI20230220BHJP
C12N 7/01 20060101ALI20230220BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230220BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20230220BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230220BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230220BHJP
A61K 35/763 20150101ALI20230220BHJP
【FI】
C12N15/869 Z
C12N7/01 ZNA
C12N15/12
A61K38/17
A61K48/00
A61P11/00
A61K35/763
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537333
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020066150
(87)【国際公開番号】W WO2021127524
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520417056
【氏名又は名称】クリスタル バイオテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン スマ
(72)【発明者】
【氏名】パリー トレバー
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル プージャ
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥージ サラ
(72)【発明者】
【氏名】ヨブチェフ ムラデン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA44
4C084AA02
4C084AA13
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4C084ZA59
4C087AA01
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4C087MA63
4C087MA65
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA59
(57)【要約】
本開示は、ポリペプチド(例えば、ヒトアルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドなどの吸入治療用ポリペプチド)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸;組換え核酸を含むウイルス;組換え核酸及び/またはウイルスを含む組成物及び製剤;それらの使用方法(例えば、ポリペプチドを呼吸器の1つ以上の細胞に送達するため、及び/またはアルファ-1-アンチトリプシン欠乏症など、肺に影響を与える疾患の治療のため);ならびにその製品またはキットを提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項2】
複製能力を有する、請求項1に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項3】
複製欠損である、請求項1に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項4】
組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えEpstein-Barrウイルスゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム及びそれらの任意の派生体からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項5】
組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項6】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノムまたはそれらの任意の派生体である、請求項5に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項7】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムである、請求項5または請求項6に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項8】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、1つ以上の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現が減少するまたは排除されるように操作されている、請求項4~7のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項9】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、不活性化突然変異を含む、請求項4~8のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項10】
前記不活性化突然変異が、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、請求項9に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項11】
前記不活性化突然変異が、前記単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である、請求項10に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項12】
前記単純ヘルペスウイルス遺伝子が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41及びUL55からなる群から選択される、請求項10または請求項11に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項13】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化突然変異を含む、請求項12に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項14】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項12または請求項13に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項15】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記UL41遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項12~14のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項16】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化突然変異を含む、請求項12~15のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項17】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP27遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項12~16のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項18】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP47遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項12~17のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項19】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記UL55遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項12~18のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項20】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、一方または両方の前記ICP4ウイルス遺伝子座内に前記吸入治療用ポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項4~19のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項21】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP22ウイルス遺伝子座内に前記吸入治療用ポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項4~20のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項22】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記UL41ウイルス遺伝子座内に前記吸入治療用ポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項4~21のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項23】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、一方または両方の前記ICP0ウイルス遺伝子座内に前記吸入治療用ポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項4~22のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項24】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP27ウイルス遺伝子座内に前記吸入治療用ポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項4~23のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項25】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP47ウイルス遺伝子座内に前記吸入治療用ポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項4~24のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項26】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記UL55ウイルス遺伝子座内に前記吸入治療用ポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項4~25のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項27】
前記吸入治療用ポリペプチドが、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチド、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチド、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチド、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチド、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチド、精子関連抗原1ポリペプチド、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチド、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチド、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチド、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチド、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチド、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチド、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチド、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチド、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチド、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチド、エンドグリンポリペプチド、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチド、カベオリン-1ポリペプチド、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチド、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチド、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチド、ジスケリンポリペプチド、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチド、TERF1相互作用核因子2ポリペプチド、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチド、ムチン-5Bポリペプチド、デスモプラキンポリペプチド、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチド、及びジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドからなる群から選択される、請求項1~26のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項28】
前記吸入治療用ポリペプチドが、ヒトポリペプチドである、請求項1~27のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項29】
前記吸入治療用ポリペプチドが、配列番号3~46からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~28のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項30】
前記吸入治療用ポリペプチドが、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドである、請求項1~29のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項31】
前記吸入治療用ポリペプチドが、ヒトアルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドである、請求項1~30のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項32】
前記吸入治療用ポリペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~31のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項33】
対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、標的細胞に導入されたときに細胞毒性が低減している、請求項1~32のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項34】
前記標的細胞が、ヒト細胞である、請求項33に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項35】
前記標的細胞が、呼吸器の細胞である、請求項33または請求項34に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項36】
前記標的細胞が、気道上皮細胞である、請求項33~35のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項37】
請求項1~36のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムを含む、ヘルペスウイルス。
【請求項38】
複製能力を有する、請求項37に記載のヘルペスウイルス。
【請求項39】
複製欠損である、請求項37に記載のヘルペスウイルス。
【請求項40】
対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して細胞毒性が低減している、請求項37~39のいずれか1項に記載のヘルペスウイルス。
【請求項41】
単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、Epstein-Barrウイルス、及びカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスからなる群から選択される、請求項37~40のいずれか1項に記載のヘルペスウイルス。
【請求項42】
単純ヘルペスウイルスである、請求項37~41のいずれか1項に記載のヘルペスウイルス。
【請求項43】
前記単純ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)またはそれらの任意の派生体である、請求項41または請求項42に記載のヘルペスウイルス。
【請求項44】
前記単純ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)である、請求項41~43のいずれか1項に記載のヘルペスウイルス。
【請求項45】
請求項1~36のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムまたは請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスと、薬学的に許容され得る賦形剤と
を含む、医薬組成物。
【請求項46】
局所(topical)投与、経皮投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、鼻腔内投与、気管内投与、舌下投与、頬側投与、直腸投与、膣内投与、吸入投与、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、心臓内投与、骨内投与、腹腔内投与、経粘膜投与、硝子体内投与、網膜下投与、関節内投与、関節周囲投与、局所(local)投与、または皮膚上投与に適している、請求項45に記載の医薬組成物。
【請求項47】
経口投与、鼻腔内投与、気管内投与、または吸入投与に適している、請求項45または請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
鼻腔内投与または吸入投与に適している、請求項45~47のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項49】
吸入投与に適している、請求項45~48のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、電気流体力学的エアロゾル装置、またはそれらの任意の組み合わせでの使用に適している、請求項45~49のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
ネブライザーで使用するのに好適である、請求項45~50のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記ネブライザーが、振動型メッシュ式ネブライザーである、請求項51に記載の医薬組成物。
【請求項53】
リン酸緩衝液を含む、請求項45~52のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項54】
グリセロールを含む、請求項45~53のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項55】
脂質担体を含む、請求項45~54のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項56】
ナノ粒子担体を含む、請求項45~55のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項57】
医用薬剤として使用するための、請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項58】
治療法において使用するための、請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項59】
1つ以上の遺伝性肺疾患を治療するための医用薬剤の製造における、請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項60】
対象の1つ以上の、呼吸器の細胞、気道上皮細胞、及び/または肺細胞における吸入治療用ポリペプチドのレベルを発現、増強、増加、増大、及び/または補足する方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項61】
進行性肺破壊の低減または阻害を必要とする対象において、それを行う方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項62】
前記対象が、慢性肺疾患に罹患している、請求項60または請求項61に記載の方法。
【請求項63】
気道及び/または肺に影響を与える疾患の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項64】
アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項65】
前記対象のゲノムが、SERPINA1遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記組換えヘルペスウイルスゲノムが、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項64または請求項65に記載の方法。
【請求項67】
肺胞微石症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項68】
前記対象のゲノムが、SLC34A2遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記組換えヘルペスウイルスゲノムが、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項67または請求項68に記載の方法。
【請求項70】
原発性線毛機能不全の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項71】
前記対象のゲノムが、DNAH5、DNAH11、CCDC39,DNAI1、CCDC40、CCDC103、SPAG1、ZMYND10、ARMC4、CCDC151、DNAI2、RSPH1、CCDC114、RSPH4A、DNAAF1、DNAAF2、及びLRRC6からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記組換えヘルペスウイルスゲノムが、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチド、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチド、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチド、精子関連抗原1ポリペプチド、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチド、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチド、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチド、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチド、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチド、及びロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項70または請求項71に記載の方法。
【請求項73】
先天性肺胞タンパク症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項74】
前記対象のゲノムが、SFTPB、SFTPC、NKX2-1、ABCA3、CSF2RB、及びCSF2RAからなる群から選択される、1つ以上の遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記組換えヘルペスウイルスゲノムが、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチド、及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項73または請求項74に記載の方法。
【請求項76】
肺動脈性肺高血圧症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項77】
前記対象のゲノムが、BMPR2、ATP2A2、ACVRL1、ENG、SMAD9、CAV1、KCNK3、及びEIF2AK4からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記組換えヘルペスウイルスゲノムが、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチド、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチド、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチド、エンドグリンポリペプチド、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチド、カベオリン-1ポリペプチド、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチド、及びeIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項76または請求項77に記載の方法。
【請求項79】
肺線維症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法であって、
有効量の請求項37~44のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項45~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項80】
前記対象のゲノムが、SFTPC、ABCA3、SFTPA2、TERT、TERC、DKC1、RTEL、PARN、TINF2、NAF1、MUC5B、DSP、STN1、及びDPP9からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記組換えヘルペスウイルスゲノムが、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチド、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチド、ジスケリンポリペプチド、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチド、TERF1相互作用核因子2ポリペプチド、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチド、ムチン-5Bポリペプチド、デスモプラキンポリペプチド、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチド、及びジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項79または請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記対象がヒトである、請求項60~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記ヘルペスウイルスまたは医薬組成物が、前記対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される、請求項60~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記ヘルペスウイルスまたは医薬組成物が、前記対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される、請求項60~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記ヘルペスウイルスまたは医薬組成物が、吸入を介して前記対象に投与される、請求項60~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記ヘルペスウイルスまたは医薬組成物が、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される、請求項60~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記ヘルペスウイルスまたは医薬組成物が、ネブライザーを使用して投与される、請求項60~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記ネブライザーが、振動型メッシュ式ネブライザーである、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
対象の呼吸器の1つ以上の細胞にポリペプチドを送達する方法であって、
前記対象に、以下:
(a)組換えヘルペスウイルスゲノムを含むヘルペスウイルスであって、前記組換えヘルペスウイルスゲノムが、前記ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、前記ヘルペスウイルスと;
(b)薬学的に許容される担体と
を含む医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項90】
前記対象が、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記疾患が、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び肺線維症からなる群から選択される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記ヘルペスウイルスが、複製能力を有する、請求項89~91のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記ヘルペスウイルスが、複製欠損である、請求項89~91のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイルスである、請求項89~93のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記組換えヘルペスウイルスゲノムが、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、請求項89~94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、不活性化突然変異を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記不活性化突然変異が、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記不活性化突然変異が、前記単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記単純ヘルペスウイルス遺伝子が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41及びUL55からなる群から選択される、請求項97または請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化突然変異を含む、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項99または請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記UL41遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項99~101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化突然変異を含む、請求項99~102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP27遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項99~103のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記ICP47遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項99~104のいずれか1項に記載の方法。
【請求項106】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、前記UL55遺伝子に不活性化突然変異を含む、請求項99~105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
前記医薬組成物が、前記対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される、請求項89~106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記医薬組成物が、前記対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される、請求項89~107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
前記医薬組成物が、吸入を介して前記対象に投与される、請求項89~108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記医薬組成物が、吸入を介して前記対象に投与される、請求項89~109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
前記医薬組成物が、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される、請求項89~110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
前記医薬組成物が、ネブライザーを使用して投与される、請求項89~111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記ネブライザーが、振動型メッシュ式ネブライザーである、請求項112に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月20日に出願された米国仮出願第62/951,523号に対する優先権の利益を主張するものであり、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出物に関する内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式(CRF)(ファイル名:761342001340SeqList.txt、記録日:2020年12月18日、サイズ:366KB)。
【0003】
技術分野
本開示は、ポリペプチド(例えば、ヒトアルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドなどの吸入治療用ポリペプチド)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸;本組換え核酸を含むウイルス;これらの医薬組成物及び製剤;これらの使用方法(例えば、ポリペプチドを呼吸器の1つ以上の細胞に送達するため、及び/またはアルファ-1-アンチトリプシン欠乏症など、肺に影響を与える疾患の治療のため)に一部関する。
【背景技術】
【0004】
背景
遺伝性肺疾患は、生涯において重大な罹患率及び死亡率となる。すべての小児病院への入院の約22%は、呼吸器障害に向けたものであり、呼吸器疾患の先天的原因は、多くの場合致命的である。臨床ケアにおいて有意に進歩がみられ、病原性メカニズムがより良く理解されているにもかかわらず、これらの患者のための決定的な治療オプションは欠けており、治療アプローチは、多くの場合、補助的かつ思いやりのあるケアまたは肺移植に制限されている。そのため、患者の根本的な遺伝的/分子的欠陥に対処するために、新しい治療戦略が必要とされる。
【0005】
特許出願、特許公報、非特許文献、及びNCBI/UniProtKB/Swiss-Prot受託番号を含む、本明細書に引用されるすべての参考文献は、各個々の参考文献が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
概要
これら及び他のニーズを満たすために、1つ以上のポリペプチドを呼吸器の1つ以上の細胞(例えば、気道上皮細胞)に送達するため、及び/またはそれを必要としている対象の気道及び/または肺に影響を与える1つ以上の疾患を治療するために有用なウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)、医薬組成物及び製剤、医用薬剤、及び/または方法で使用するため、1つ以上のポリペプチド(例えば、1つ以上の吸入治療用ポリペプチド)をコードする組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)が本明細書に提供される。
【0007】
したがって、本開示の特定の態様は、吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換えヘルペスウイルスゲノムに関する。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、吸入治療用ポリペプチドをコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製能力を有する。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上のウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、Epstein-Barrウイルスゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム及びそれらの任意の組み合わせまたは派生体から選択される。
【0008】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノムまたはそれらの任意の派生体である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換えHSV-1ゲノムである。
【0009】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現が減少するまたは排除されるように操作されている。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス遺伝子は、感染細胞タンパク質(ICP)0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41及びUL55から選択される。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子の一方または両方のコピー中に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、tk遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ジョイント(Joint)領域に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ジョイント領域の欠失を含む。
【0010】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上のウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方または両方のICP4ウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22ウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41ウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方または両方のICP0ウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27ウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47ウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、tkウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55ウイルス遺伝子座内に吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
【0011】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチド、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチド、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチド、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチド、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチド、精子関連抗原1ポリペプチド、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチド、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチド、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチド、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチド、コイルドコイルメイン含有タンパク質114ポリペプチド、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチド、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチド、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチド、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチド、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチド、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチド、エンドグリンポリペプチド、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチド、カベオリン-1ポリペプチド、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチド、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチド、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチド、ジスケリンポリペプチド、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチド、TERF1相互作用核因子2ポリペプチド、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチド、ムチン-5Bポリペプチド、デスモプラキンポリペプチド、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチド、及びジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドから選択される。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、ヒトポリペプチドである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、配列番号3~46から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、配列番号5~21から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、配列番号22~27から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、配列番号28~35から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、配列番号23、25及び36~46から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有する配列を含む。
【0012】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、標的細胞に導入されたときに細胞毒性が低減している。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、呼吸器の細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、気道上皮細胞である。
【0013】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのいずれかを含むヘルペスウイルスに関する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは複製能力を有する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは複製欠損である。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して細胞毒性が低減している。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、Epstein-Barrウイルス、及びカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、及びそれらの任意の組み合わせまたは派生体から選択される。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1、HSV-2またはそれらの任意の派生体である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1である。
【0014】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのいずれか及び/またはヘルペスウイルスのいずれかと、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物に関する。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所(topical)投与、経皮投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、鼻腔内投与、気管内投与、舌下投与、頬側投与、直腸投与、膣内投与、吸入投与、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、心臓内投与、骨内投与、腹腔内投与、経粘膜投与、硝子体内投与、網膜下投与、関節内投与、関節周囲投与、局所(local)投与、または皮膚上投与に適している。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口、鼻腔内、気管内、または吸入投与に適している。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、鼻腔内投与または吸入投与に適している。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、吸入投与に適している。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、電気流体力学的エアロゾル装置、またはそれらの任意の組み合わせでの使用に適している。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、ネブライザーで使用するのに好適である。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、リン酸緩衝液を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、グリセロールを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、脂質担体を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、ナノ粒子担体を含む。
【0015】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)、組換えウイルス(例えば、組換えヘルペスウイルス)、及び/または医薬組成物のいずれかの、医用薬剤としての使用に関する。
【0016】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)、組換えウイルス(例えば、組換えヘルペスウイルス)、及び/または医薬組成物のいずれかの、治療法においての使用に関する。
【0017】
本開示の他の態様は、1つ以上の肺疾患(例えば、遺伝性肺疾患)を治療するための、医用薬剤の調製において、本明細書に記載の組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)、組換えウイルス(例えば、組換えヘルペスウイルス)、及び/または医薬組成物のいずれかの使用に関する。
【0018】
本開示の他の態様は、対象の1つ以上の、呼吸器の細胞、気道上皮細胞、及び/または肺細胞における吸入治療用ポリペプチドのレベルを発現、増強、増加、増大、及び/または補足する方法に関し、本方法は、本明細書に記載の有効量の組換えヘルペスウイルス及び/または医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患に罹患している。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0019】
本開示の他の態様は、進行性肺破壊の低減または阻害を必要とする対象においてそれを行う方法に関し、方法は、対象に有効量の本明細書に記載の組換えヘルペスウイルス、及び/または医薬組成物のいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、慢性肺疾患に罹患している。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0020】
本開示の他の態様は、気道及び/または肺に影響を与える疾患の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスまたは医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0021】
本開示の他の態様は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスまたは医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、SERPINA1遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0022】
本開示の他の態様は、肺胞微石症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換えヘルペスウイルス及び/または医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、SLC34A2遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0023】
本開示の他の態様は、原発性線毛機能不全の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスまたは医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、DNAH5、DNAH11、CCDC39、DNAI1、CCDC40、CCDC103、SPAG1、ZMYND10、ARMC4、CCDC151、DNAI2、RSPH1、CCDC114、RSPH4A、DNAAF1、DNAAF2、及びLRRC6から選択される1つ以上の遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチド、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチド、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチド、精子関連抗原1ポリペプチド、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチド、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチド、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチド、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチド、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチド、及びロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドから選択されるポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0024】
本開示の他の態様は、先天性肺胞タンパク症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスまたは医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、SFTPB、SFTPC、NKX2-1、ABCA3、CSF2RB、及びCSF2RAから選択される1つ以上の遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチド、及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドから選択されるポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0025】
本開示の他の態様は、肺動脈性肺高血圧症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスまたは医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、BMPR2、ATP2A2、ACVRL1、ENG、SMAD9、CAV1、KCNK3、及びEIF2AK4から選択される1つ以上の遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチド、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチド、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチド、エンドグリンポリペプチド、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチド、カベオリン-1ポリペプチド、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチド、及びeIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドから選択されるポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0026】
本開示の他の態様は、肺線維症の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスまたは医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、SFTPC、ABCA3、SFTPA2、TERT、TERC、DKC1、RTEL、PARN、TINF2、NAF1、MUC5B、DSP、STN1、及びDPP9から選択される1つ以上の遺伝子における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチド、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチド、ジスケリンポリペプチド、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチド、TERF1相互作用核因子2ポリペプチド、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチド、ムチン-5Bポリペプチド、デスモプラキンポリペプチド、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチド、及びジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドから選択されるポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、吸入を介して対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0027】
本開示の他の態様は、対象の呼吸器の1つ以上の細胞にポリペプチドを送達する方法に関し、本方法は、(a)組換えヘルペスウイルスゲノムを含むヘルペスウイルス、及び(b)薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、ここで、組換えヘルペスウイルスゲノムは、ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、対象は、遺伝性肺疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、疾患は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び肺線維症から選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは複製能力を有する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは複製欠損である。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して細胞毒性が低減している。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、Epstein-Barrウイルス、及びカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、及びそれらの任意の組み合わせまたは派生体から選択される。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1、HSV-2またはそれらの任意の派生体である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1である。
【0029】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、Epstein-Barrウイルスゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム及びそれらの任意の組み合わせまたは派生体から選択される。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノムまたはそれらの任意の派生体である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換えHSV-1ゲノムである。
【0030】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子の発現が減少するまたは排除されるように操作されている。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス遺伝子は、感染細胞タンパク質(ICP)0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41及びUL55から選択される。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子の一方または両方のコピー中に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、tk遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化突然変異を含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ジョイント(Joint)領域に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ジョイント領域の欠失を含む。
【0031】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上のウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方または両方のICP4ウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22ウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41ウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、一方または両方のICP0ウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27ウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47ウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、tkウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55ウイルス遺伝子座内にポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
【0032】
先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対象はヒトである。先行実施形態のいずれかと組み合わせることができるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象に、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象に、吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0033】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを含む製品またはキット、及びこれらの投与のための指示書に関する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1-1】
図1A~
図1Iは、野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。
図1Aは野生型単純ヘルペスウイルスゲノムを示している。
図1Bは、野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ICP4のコード配列(両方のコピー)の欠失を含み、ICP4遺伝子座のそれぞれに組み込まれた吸入治療用ポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットを有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1Cは、野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ICP4(両方のコピー)及びUL41のコード配列の欠失を含み、ICP4遺伝子座のそれぞれに組み込まれた吸入治療用ポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットを有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1D野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ICP4(両方のコピー)及びUL41のコード配列の欠失を含み、UL41遺伝子座に組み込まれた吸入治療用ポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットを有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1Eは、野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含み、ICP4遺伝子座のそれぞれに組み込まれた吸入治療用ポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットを有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1Fは、野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含み、ICP22遺伝子座に組み込まれた吸入治療用ポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットを有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1Gは、野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ICP4(両方のコピー)、UL41、及びICP22のコード配列の欠失を含み、ICP4遺伝子座のそれぞれに組み込まれた吸入治療用ポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットを有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1Hは、野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ICP4(両方のコピー)、UL41、及びICP22のコード配列の欠失を含み、UL41遺伝子座に組み込まれた吸入治療用ポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットを有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1Iは、野生型及び改変単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。ICP4(両方のコピー)、UL41、及びICP22のコード配列の欠失を含み、ICP22遺伝子座に組み込まれた吸入治療用ポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットを有する、改変単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
【
図2】
図2は、ヒトCFTR導入遺伝子をコードする改変単純ヘルペスウイルス(「HSV-CFTR」)または陰性対照(ビヒクル)の噴霧後の野生型及びCFTR欠損マウスの気道におけるベクター形質導入及び導入遺伝子発現を示す図であり、
図2Aは、qPCR分析によって評価された、HSV-CFTRまたはビヒクル対照の噴霧の48時間後にマウスでの示された気道組織から採取された生検材料中に存在するヒトCFTR DNAのレベルを示す。
図2Bは、qRT-PCR分析によって評価された、HSV-CFTRまたはビヒクル対照の噴霧の48時間後にマウスでの示された気道組織から採取された生検材料中に存在するヒトCFTR転写物のレベルを示す。データは、2つの組織サンプルの平均(2つの複製/組織)±平均標準誤差(SEM)として表される。
【
図3】ヒトCFTR導入遺伝子をコードする改変単純ヘルペスウイルス(「HSV-CFTR」)または陰性対照(ビヒクル)の噴霧後に野生型及びCFTR欠損マウスから採取された代表的なヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色気道組織サンプルを示す図である。
【
図4】ヒトCFTR導入遺伝子をコードする改変単純ヘルペスウイルス(「HSV-CFTR」)または陰性対照(ビヒクル)の噴霧後に野生型及びCFTR欠損マウスの肺から採取された気管支肺胞洗浄液(BALF)中での細胞浸潤を示す図である。データは、2つのサンプリングされた±SEMの平均として表わす。統計は、両側スチューデントのT検定を使用して計算した。
【
図5】非ヒト霊長類におけるヒトCFTR導入遺伝子をコードする改変単純ヘルペスウイルス(「HSV-CFTR」)の反復投与噴霧の研究デザインの概略図を示す図である。
【
図6】
図6は、ヒトCFTR導入遺伝子をコードする改変単純ヘルペスウイルス(「HSV-CFTR」)の噴霧後の非ヒト霊長類の選択された組織におけるベクター形質導入及び導入遺伝子発現を示す図であり、
図6Aは、qPCR分析によって評価された、高用量のHSV-CFTRの噴霧の48時間後に示された、組織から採取された生検材料中に存在するヒトCFTR DNAのレベルを示す。
図6Bは、qRT-PCR分析によって評価された、高用量のHSV-CFTRの噴霧の48時間後に示された、組織から採取された生検材料中に存在するヒトCFTR転写物のレベルを示す。データは、2回の複製/組織の平均±SEMとして表わす。nd:検出なし。
【
図7】非感染対照細胞(モック)または感染多重度(MOI)が1または2で、ヒトSERPINA1導入遺伝子をコードする改変単純ヘルペスウイルスに感染した細胞における細胞内ヒトアルファ-1-アンチトリプシン(A1AT)のウエスタンブロット検出を示す図である。組換えヒトA1AT(rA1AT)を陽性対照として使用した。
【
図8】非感染対照細胞(モック)または感染多重度(MOI)が1または2で、ヒトSERPINA1導入遺伝子をコードする改変単純ヘルペスウイルスに感染した細胞の細胞培養上清に分泌されたヒトアルファ-1-アンチトリプシン(A1AT)のウエスタンブロット検出を示す図である。組換えヒトA1AT(rA1AT)を陽性対照として使用した。ゲルをロードするときに、各感染細胞上清サンプルの間にブランクウェルを残した(レーン5、7、及び9)。
【発明を実施するための形態】
【0035】
詳細な説明
以下の説明では、例示的な方法、パラメータなどを述べる。しかしながら、そのような説明は、本開示の範囲を制限することを意図するものではなく、代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されることを認識されたい。
【0036】
I.一般的技術
本明細書に記載または参照される技術及び手順は、概して、当業者によってよく理解され、従来の方法論、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003))、the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984)、Methods in Molecular Biology,Humana Press、Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999)に記載されている広く利用されている方法論などを使用して一般的に援用されている。
【0037】
II.定義
本開示を詳細に説明する前に、本開示は、特定の組成物または生体系に限定されず、言うまでもなく変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用する用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためのものであり、限定を意図するものではないことも理解されたい。
【0038】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されていない限り、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」という単数形には、複数の指示対象が含まれる。したがって、例えば、「分子」への言及は、2つ以上のそのような分子の組み合わせなどを任意に含む。
【0039】
本明細書で使用する場合、「及び/または」という用語は、関連する列挙した項目の1つ以上のあらゆるすべての組み合わせを含み得る。例えば、「a及び/またはb」という用語は、「aのみ」、「bのみ」、「aまたはb」、または「a及びb」を指すことができ、「a、b及び/またはc」という用語は、「aのみ」、「bのみ」、「cのみ」、「aまたはb」、「aまたはc」、「bまたはc」、「a、bまたはc」、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、または「a、b及びc」などを指すことができる。
【0040】
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、当業者であれば容易に理解するそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」の値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。
【0041】
本開示の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」を含むことが理解される。
【0042】
本明細書で使用する場合、「ポリヌクレオチド」、「核酸配列」、「核酸」という用語、及びそれらの変形は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含有する)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含有する)、プリン塩基またはピリミジン塩基のN-グリコシドである任意の他のタイプのポリヌクレオチド、ならびに非ヌクレオチド骨格を含有する他のポリマー(ただし、DNA及びRNAで見られるような塩基対形成及び塩基スタッキングが可能な構成中で核酸塩基を含有するポリマーに限る)の総称であるものとする。したがって、これらの用語には、既知のタイプの核酸配列修飾、例えば、類似体による1つ以上の天然ヌクレオチドの置換、及びヌクレオチド間修飾が含まれる。
【0043】
本明細書で使用する場合、核酸は、それが別の核酸配列と機能的な関係に置かれるとき、「作動可能に連結(operatively linked)」または「作動可能に連結(operably linked)」されている。例えば、プロモーターもしくはエンハンサーは、それが配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結されており、またはリボソーム結合部位は、それが翻訳を促進するように配置されている場合、コード配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動可能に連結された(operatively linked)」または「作動可能に連結された(operably linked)」は、連結されているDNA配列またはRNA配列が隣接していることを意味する。
【0044】
本明細書で使用する場合、「ベクター」という用語は、異種核酸を、それらの発現または複製のいずれかのために細胞に導入するために使用される個々の要素を指す。発現ベクターは、プロモーター領域などの調節配列と作動可能に連結された核酸を発現することができるベクターを含み、調節配列は、そのような核酸の発現をもたらすことができる。したがって、発現ベクターは、プラスミド、ファージ、組換えウイルス、または適切な宿主細胞に導入されると核酸の発現をもたらす他のベクターなどのDNAコンストラクトまたはRNAコンストラクトを指し得る。適切な発現ベクターは当業者に周知であり、真核細胞中で複製可能なもの、及びエピソームのままであるもの、または宿主細胞ゲノムに組み込まれるものが含まれる。
【0045】
本明細書で使用する場合、「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、タンパク質またはポリペプチドをコードする、DNAまたはRNAのいずれかの核酸の連続ストレッチを指す。典型的には、核酸は、ATGまたはAUGなどの翻訳開始シグナルまたは開始コドン、及び終止コドンを含む。
【0046】
本明細書で使用する場合、「非翻訳領域」または「UTR」は、オープンリーディングフレームの5’末端及び/または3’末端にある非翻訳核酸を指す。ポリヌクレオチドに1つ以上のUTRを含有させると、ポリヌクレオチドの転写後調節、mRNA安定性及び/または翻訳に影響を及ぼす場合がある。
【0047】
本明細書で使用する場合、「導入遺伝子」という用語は、細胞に導入された後、適切な条件下でRNAに転写され、翻訳及び/または発現することができるポリヌクレオチドを指す。いくつかの態様では、導入遺伝子は、それが導入された細胞に所望の特性を付与するか、またはさもなければ所望の治療結果または診断結果をもたらす。
【0048】
本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」、「タンパク質」及び「ペプチド」という用語は互換的に使用され、2つ以上のアミノ酸のポリマーを指し得る。
【0049】
本明細書で使用する場合、「対象」、「宿主」または「個体」は、ヒト、飼育動物及び家畜を含む哺乳動物、ならびにイヌ、ウマ、ネコ、雌ウシなどの動物園の動物、競技用動物または愛玩動物、加えて、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ及び非ヒト霊長類などの研究で使用される動物などに分類される任意の動物を指す。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
【0050】
本明細書で使用する場合、「医薬製剤」または「医薬組成物」という用語は、活性成分(複数可)の生物学的活性が有効になるような形態であり、かつ組成物または製剤を投与される対象が許容できない毒性を有する追加の成分を含まない調製物を指す。「薬学的に許容され得る」賦形剤(例えば、ビヒクル、添加物)は、対象の哺乳動物に適度に投与され、用いられる有効用量の活性成分(複数可)を提供することができるものである。
【0051】
本明細書で使用する場合、「有効量」とは、特定の障害の1つ以上の症状の測定可能な改善または予防をもたらすために必要な少なくとも最小の量である。「有効量」は、患者の病態、年齢、性別及び体重などの要因によって異なり得る。有効量は、治療上の有益な効果が処置の任意の毒性作用または有害作用を上回るものでもある。予防的使用の場合、有益なまたは所望の結果には、疾患のリスクの排除もしくは低減、疾患の重症度の軽減、または疾患、その合併症及び疾患の発症中に現れる中間病理学的表現型の発生の遅延などの結果が含まれる。治療的使用の場合、有益なまたは所望の結果には、疾患に起因する1つ以上の症状の軽減、疾患に罹患している者の生活の質の向上、疾患の症状の処置に使用される他の薬物療法の用量の減少、疾患の進行の遅延、及び/または生存期間の延長などの臨床結果が含まれる。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。本開示の目的に関して、組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物の有効量は、予防的または治療的処置を直接または間接的のいずれかで達成するのに十分な量である。臨床的文脈において理解されるように、有効量の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物は、別の薬物、化合物または医薬組成物と併せて達成される場合もあれば、達成されない場合もある。したがって、「有効量」は、1つ以上の治療剤の投与の状況において考慮される場合があり、単一の薬剤は、1つ以上の他の薬剤と併せると望ましい結果が達成され得るか、または達成される場合、有効量で与えられるとみなすことができる。
【0052】
本明細書で使用する場合、「処置」は、臨床病態の経過中に処置されている個体または細胞の自然経過を変化させるように設計された臨床的介入を指す。処置の望ましい効果には、疾患/障害/異常の進行速度の減速、疾患/障害/異常状態の改善または緩和、及び寛解または予後の改善が含まれる。例えば、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症に関連する1つ以上の徴候または症状が軽減または除去される場合に、個体は成功裡に「処置される」。
【0053】
本明細書で使用する場合、疾患/障害/異常「の進行を遅延させる」という用語は、疾患/障害/異常の発症の延期、妨害、減速、抑制、安定化及び/または遅発を指す。この遅延は、疾患/障害/異常の病歴及び/または処置されている個体に応じて異なる長さまたは期間であり得る。当業者に明らかであるように、十分な、または大幅な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で予防を包含し得る。
【0054】
III.組換え核酸
本開示の特定の態様は、ポリペプチド(例えば、吸入治療用ポリペプチド)をコードする1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上など)のポリヌクレオチドを含む組換え核酸(例えば、単離された組換え核酸)に関する。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、吸入治療用ポリペプチドをコードする1つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、吸入治療用ポリペプチドをコードする2つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、吸入治療用ポリペプチドをコードする3つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、2つ以上の吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の吸入治療用ポリペプチドは同一である。いくつかの実施形態では、2つ以上の吸入治療用ポリペプチドは異なる。
【0055】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスアンプリコンである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換えヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムである。
【0056】
吸入治療用ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
いくつかの実施形態では、本開示は、ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸に関する(例えば、吸入治療用ポリペプチド)。いくつかの実施形態では、吸入治療用ポリペプチドは、気道及び/または肺に影響を与える1つ以上の疾患と相関する、原因となる、または寄与するポリペプチドの野生型及び/または機能的バリアント(例えば、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び/または肺線維症のうちの1つ以上と相関する、原因となる、または寄与する突然変異体及び/または短縮型ポリペプチド)である。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、気道及び/または肺に影響を与える1つ以上の疾患と相関する、原因となる、または寄与する病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異(例えば、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、肺線維症などのうちの1つ以上に罹患している患者において特定された遺伝子中の病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異)を含むものとして特定されている遺伝子の野生型及び/または機能的型のコード配列を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む。気道及び/または肺に影響を与える1つ以上の疾患または状態(例えば、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、肺線維症)と相関する、原因となる、または寄与する病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を保有する遺伝子としては、例えば、SERPINA1、SLC34A2、DNAH5、DNAH11、CCDC39、DNAI1、CCDC40、CCDC103、SPAG1、ZMYND10、ARMC4、CCDC151、DNAI2、RSPH1、CCDC114、RSPH4A、DNAAF1、DNAAF2、LRRC6、SFTPB、SFTPC、NKX2-1、ABCA3、CSF2RB、CSF2RA、BMPR2、ATP2A2、ACVRL1、ENG、SMAD9、CAV1、KCNK3、EIF2AK4、SFTPA2、TERT、TERC、DKC1、RTEL、PARN、TINF2、NAF1、MUC5B、DSP、STN1、及びDPP9が挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載される遺伝子のいずれかの野生型コード配列(その任意のアイソフォームなど)を含む。ヒトSERPINA1遺伝子の野生型コード配列を含む例示的ポリヌクレオチドは、配列番号1として提供される。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載の遺伝子のいずれかの野生型コード配列のコドン最適化バリアントを含む。ヒトSERPINA1遺伝子の野生型コード配列のコドン最適化バリアントを含む例示的ポリヌクレオチドは、配列番号2として提供される。いくつかの実施形態では、遺伝子のコード配列のコドン最適化バリアントの使用により、対応する、非コドン最適化野生型配列の異種発現の安定性及び/または収量と比較して、標的細胞中でのコードされたポリペプチドの異種発現(RNA及び/またはタンパク質)の安定性及び/または収量が増加する。1つ以上の標的細胞(例えば、1つ以上のヒト細胞)における発現のための配列のコドン最適化を実施するための当技術分野で知られている任意の好適な方法を使用することができ、例えば、Fathらによって記載された方法による(PLoS One.2011 Mar3;6(3):e17596)。
【0058】
当技術分野において公知である任意の適切なポリペプチドは、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。例えば、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチド、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチド、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチド、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチド、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチド、精子関連抗原1ポリペプチド、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチド、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチド、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチド、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチド、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチド、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチド、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチド、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチド、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチド、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチド、エンドグリンポリペプチド、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチド、カベオリン-1ポリペプチド、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチド、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチド、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチド、ジスケリンポリペプチド、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチド、TERF1相互作用核因子2ポリペプチド、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチド、ムチン-5Bポリペプチド、デスモプラキンポリペプチド、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチド、ジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の吸入治療用ポリペプチドは、本明細書に記載のポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドは、ヒトアルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P01009を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型SERPINA1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:5265を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0060】
いくつかの実施形態では、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号3の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、しかし418未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドは、ヒトナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O95436を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型SLC34A2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:10568を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号4の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0062】
いくつかの実施形態では、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号4のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号4の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、しかし690未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチドは、ヒトダイニン重鎖5軸糸ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q8TE73を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DNAH5遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:1767を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号5の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0064】
いくつかの実施形態では、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号5のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号5の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500、少なくとも3750、少なくとも4000、少なくとも4250、少なくとも4500、しかし4624未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチドは、ヒトダイニン重鎖11軸糸ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q96DT5を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DNAH11遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:8701を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号6の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0066】
いくつかの実施形態では、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号6のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号6の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500、少なくとも3750、少なくとも4000、少なくとも4250、少なくとも4500、しかし4516未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチドは、ヒトコイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9UFE4を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型CCDC39遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:339829を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチドは、配列番号7の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0068】
いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号7の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、しかし941未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチドは、ヒトダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9UI46を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DNAI1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:27019を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0070】
いくつかの実施形態では、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号8の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、しかし699未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチドは、ヒトコイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q4G0X9を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型CCDC40遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:55036を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチドは、配列番号9の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号9のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0072】
いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号9のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号9の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、しかし1142未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチドは、ヒトコイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q8IW40を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型CCDC103遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:388389を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチドは、配列番号10の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号10のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0074】
いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号10のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号10の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、しかし242未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、精子関連抗原1ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、精子関連抗原1ポリペプチドは、ヒト精子関連抗原1ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q07617を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型SPAG1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:6674を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、精子関連抗原1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号11の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、精子関連抗原1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号11のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0076】
いくつかの実施形態では、精子関連抗原1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号11のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号11の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、しかし926未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチドは、ヒトジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O75800を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型ZMYND10遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:51364を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチドは、配列番号12の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号12のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0078】
いくつかの実施形態では、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号12のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号12の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、しかし440未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチドは、ヒトアルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q5T2S8を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型ARMC4遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:55130を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチドは、配列番号13の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0080】
いくつかの実施形態では、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号13のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号13の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、しかし1044未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチドは、ヒトコイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号A5D8V7を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型CCDC151遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:115948を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチドは、配列番号14の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号14のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0082】
いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号14のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号14の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、しかし595未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチドをコードするいくつかの実施形態では、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチドは、ヒトダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9GZS0を参照のこと)いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DNAI2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:64446を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号15の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号15のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0084】
いくつかの実施形態では、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号15のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号15の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、しかし605未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチドは、ヒトラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q8WYR4を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型RSPH1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:89765を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号16の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号16のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0086】
いくつかの実施形態では、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号16のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号16の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、しかし309未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチドは、ヒトコイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q96M63を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型CCDC114遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:93233を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチドは、配列番号17の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0088】
いくつかの実施形態では、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号17のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号17の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、しかし670未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチドは、ヒトラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q5TD94を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型RSPH4A遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:345895を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号18の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号18のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0090】
いくつかの実施形態では、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号18のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号18の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、しかし716未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチドは、ヒトダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q8NEP3を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DNAAF1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:123872を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号19の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号19のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0092】
いくつかの実施形態では、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号19のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号19の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、しかし725未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチドは、ヒトダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9NVR5を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DNAAF2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:55172を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号20の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0094】
いくつかの実施形態では、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号20のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号20の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、しかし837未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドは、ヒトロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q86X45を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型LRRC6遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:23639を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドは、配列番号21の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0096】
いくつかの実施形態では、ロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号21のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号21の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、しかし466未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチドは、ヒト肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P07988を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型SFTPB遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:6439を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号22の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0098】
いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号22のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号22の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、しかし381未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチドは、ヒト肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P11686を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型SFTPC遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:6440を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0100】
いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号23のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号23の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、しかし197未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチドは、ヒトホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P43699を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型NKX2-1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:7080を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号24の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号24のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0102】
いくつかの実施形態では、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号24のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号24の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、しかし371未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチドは、ヒトATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q99758を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型ABCA3遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:21を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチドは、配列番号25の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0104】
いくつかの実施形態では、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号25のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号25の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、しかし1704未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチドは、ヒトサイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P32927を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型CSF2RB遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:1439を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号26の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号26のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0106】
いくつかの実施形態では、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号26のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号26の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、しかし897未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドは、ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P15509を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型CSF2RA遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:1438を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号27の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号27のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0108】
いくつかの実施形態では、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号27のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号27の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、しかし400未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチドは、ヒト骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q13873を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型BMPR2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:659を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチドは、配列番号28の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号28のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0110】
いくつかの実施形態では、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号28のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号28の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、しかし1038未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチドは、ヒト筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P16615を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型ATP2A2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:488を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号29の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号29のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0112】
いくつかの実施形態では、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号29のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号29の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、しかし1042未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチドは、ヒトセリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P37023を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型ACVRL1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:94を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号30の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号30のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0114】
いくつかの実施形態では、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号30のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号30の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、しかし503未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、エンドグリンポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、エンドグリンポリペプチドは、ヒトエンドグリンポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P17813を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型ENG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:2022を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、エンドグリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号31の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、エンドグリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号31のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0116】
いくつかの実施形態では、エンドグリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号31のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号31の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、しかし658未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチドは、ヒトマザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O15198を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型SMAD9遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:4093を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号32の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号32のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0118】
いくつかの実施形態では、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号32のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号32の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、しかし467未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、カベオリン-1ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ポリペプチドは、ヒトカベオリン-1ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q03135を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型CAV1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:857を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0120】
いくつかの実施形態では、カベオリン-1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号33の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、しかし178未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチドは、ヒトカリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O14649を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型KCNK3遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3777を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号34の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号34のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0122】
いくつかの実施形態では、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号34のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号34の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、しかし394未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドは、ヒトeIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9P2K8を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型EIF2AK4遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:440275を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0124】
いくつかの実施形態では、eIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号35の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、しかし1649未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチドは、ヒト肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q8IWL1を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型SFTPA2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:729238を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号36の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号36のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0126】
いくつかの実施形態では、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号36のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号36の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、しかし248未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチドは、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O14746を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型TERT遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:7015を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0128】
いくつかの実施形態では、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号37のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号37の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、しかし1132未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ジスケリンポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ジスケリンポリペプチドは、ヒトジスケリンポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O60832を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DKC1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:1736を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ジスケリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号38の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ジスケリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号38のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0130】
いくつかの実施形態では、ジスケリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号38のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号38の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、しかし514未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子をコードする。いくつかの実施形態では、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子は、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドのヒト調節因子である(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9NZ71を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型RTEL遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:51750を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子をコードするポリヌクレオチドは、配列番号39の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子をコードするポリヌクレオチドは、配列番号39のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0132】
いくつかの実施形態では、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子をコードするポリヌクレオチドは、配列番号39のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号39の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、しかし1219未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチドは、ヒトポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:O95453を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型PARN遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:5073を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0134】
いくつかの実施形態では、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号40の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、しかし639未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、TERF1相互作用核因子2ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、TERF1相互作用核因子2ポリペプチドは、ヒトTERF1相互作用核因子2ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9BSI4を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型TINF2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:26277を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、TERF1相互作用核因子2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、TERF1相互作用核因子2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0136】
いくつかの実施形態では、TERF1相互作用核因子2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号41の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、しかし451未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチドは、ヒトH/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q96HR8を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型NAF1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:92345を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチドは、配列番号42の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号42のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0138】
いくつかの実施形態では、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチドは、配列番号42のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号42の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、しかし494未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0139】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ムチン-5Bポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ムチン-5Bポリペプチドは、ヒトムチン-5Bポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9HC84を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型MUC5B遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:727897を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ムチン-5Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ムチン-5Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0140】
いくつかの実施形態では、ムチン-5Bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号43の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500、少なくとも3750、少なくとも4000、少なくとも4250、少なくとも4500、少なくとも4750、少なくとも5000、少なくとも5250、少なくとも5500、少なくとも5750、しかし5762未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、デスモプラキンポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、デスモプラキンポリペプチドは、ヒトデスモプラキンポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:P15924を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DSP遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:1832を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、デスモプラキンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号44の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、デスモプラキンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号44のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0142】
いくつかの実施形態では、デスモプラキンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号44のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号44の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、しかし2871未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチドは、ヒトCST複合体サブユニットSTN1ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q9H668を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型STN1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:79991を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0144】
いくつかの実施形態では、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号45の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、しかし368未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0145】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、ジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドは、ヒトジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドである(例えば、UniProtアクセッション番号:Q86TI2を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、野生型DPP9遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:91039を参照のこと)、またはそのコドン最適化バリアントのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号46の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号46のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0146】
いくつかの実施形態では、ジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号46のアミノ酸配列のN末端短縮型、C末端短縮型、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端短縮型、C末端短縮型、または断片は、配列番号46の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、しかし892未満の連続アミノ酸を含んでもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3~46から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3~46から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0148】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5~21から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5~21から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0149】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号22~27から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号22~27から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0150】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号28~35から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号28~35から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0151】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号23、25、及び36~46から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号23、25、及び36~46から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
【0152】
ポリペプチドをコードする本開示のポリヌクレオチド(例えば、吸入治療用ポリペプチド)は、追加のコード配列及び非コード配列をさらにコードし得る。追加のコード配列及び非コード配列の例には、追加のポリペプチドタグ(例えば、融合タンパク質を産生するためにポリペプチドにインフレームでコードされたポリペプチドタグ)、イントロン(例えば、天然イントロン、改変イントロンまたは異種イントロン)、5’UTR及び/または3’UTR(例えば、天然5’UTR及び/または3’UTR、改変5’UTR及び/または3’UTR、または異種5’UTR及び/または3’UTR)などをコードする配列が含まれ得るが、これらに限定されない。好適なポリペプチドタグの例には、精製タグ(例えば、hisタグ、flagタグ、マルトース結合タンパク質及びグルタチオン-S-トランスフェラーゼタグ)、測光的に検出され得るタグなどの検出タグ(例えば、緑色蛍光タンパク質または赤色蛍光タンパク質など)、ならびに検出可能な酵素活性を有するタグ(例えば、アルカリホスファターゼなど)、分泌配列、シグナル配列、リーダー配列及び/または安定化配列を含有するタグ、プロテアーゼ切断部位(例えば、フーリン切断部位、TEV切断部位、トロンビン切断部位など)などの任意の組み合わせなどが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、ポリヌクレオチドの安定性、局在化及び/または翻訳効率を向上させる。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、タンパク質発現のレベル及び/または持続時間を改善させる。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、オフターゲット発現を阻止または低減させ得る(例えば、細胞周期の特定の時期、特定の発生段階などで、特定の細胞タイプ(例えば、神経細胞)における発現を阻害する)エレメント(例えば、1つ以上のmiRNA結合部位など)を含む。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、特定の細胞タイプにおけるコードされたポリペプチドの発現を増強させ得るエレメント(例えば、1つ以上のmiRNA結合部位など)を含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、ポリペプチド(例えば、吸入治療用ポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10個以上など)の調節配列に作動可能に連結されている。「調節配列」という用語は、エンハンサー、インシュレーター、プロモーター及び他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含み得る。当該技術分野において既知の任意の好適なエンハンサー(複数可)を使用することができ、それらとしては、例えば、哺乳動物遺伝子由来のエンハンサー配列(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン、インスリンなど)、真核細胞ウイルス由来のエンハンサー配列(例えば、複製起点の後側にあるSV40エンハンサー(bp100~270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後側にあるポリオーマエンハンサー、アデノウイルスエンハンサーなど)及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。当該技術分野において既知の任意の好適なインシュレーター(複数可)を使用することができ、それらとしては、例えば、HSVクロマチン境界(CTRL/CTCF結合/インシュレーター)エレメントCTRL1及び/またはCTRL2、ニワトリ高感受性部位4インシュレーター(cHS4)、ヒトHNRPA2B1-CBX3ユビキタスクロマチンオープニングエレメント(UCOE)、ヒトインターフェロンベータ遺伝子(IFNB1)由来のスキャフォールド/マトリックス結合領域(S/MAR)ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれる。当該技術分野において既知の任意の好適なプロモーター(例えば、哺乳動物宿主細胞における転写に好適なプロモーター)を使用することができ、それらとしては、例えば、ウイルス(例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、シミアンウイルス40(SV40)など)のゲノムから得られたプロモーター、異種の哺乳動物遺伝子由来のプロモーター(例えば、アクチンプロモーター(例えば、β-アクチンプロモーター)、ユビキチンプロモーター(例えば、ユビキチンC(UbC)プロモーター)、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、免疫グロブリンプロモーター、熱ショックプロモーター由来など)、同種の哺乳動物遺伝子由来のプロモーター、合成プロモーター(CAGプロモーターなど)、及びそれらの任意の組み合わせ(ただし、そのようなプロモーターが宿主細胞と適合する場合に限る)が含まれる。調節配列は、核酸の構成的発現を指示するもの、ならびに組織特異的な調節配列及び/または誘導性配列もしくは抑制性配列を含み得る。
【0154】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、1つ以上の異種プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の異種プロモーターは、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、時間的プロモーター、空間的プロモーター、誘導性プロモーター及び抑制性プロモーターのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、1つ以上の異種プロモーターは、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)前初期プロモーター、ヒト伸長因子-1(EF1)プロモーター、ヒトβ-アクチンプロモーター、ヒトUbCプロモーター、ヒトPGKプロモーター、合成CAGGプロモーター及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、ポリペプチド(例えば、吸入治療用ポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、HCMVプロモーターに作動可能に連結されている。
【0155】
いくつかの実施形態では、ポリペプチド(例えば、アルファ-1-アンチトリプシンなどの吸入治療用ポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが、対象の1つ以上の標的細胞(例えば、対象の呼吸器(respiratory tract)、気道(airway)、肺などの1つ以上の細胞)に送達されるときに、ポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、ポリペプチド(例えば、アルファ-1-アンチトリプシンなどの吸入治療用ポリペプチド)の発現は、(例えば、ポリペプチドの発現前と比較して、細胞内で発現した内因性ポリペプチドのレベルと比較して、など)対象の1つ以上の標的細胞中ポリペプチドのレベル、機能、及び/または活性を増強、増加、増大、及び/または補足する。いくつかの実施形態では、ポリペプチド(例えば、アルファ-1-アンチトリプシンなどの吸入治療用ポリペプチド)の発現は、対象において(例えば、ポリペプチドの発現前と比較して)、気道及び/または肺に影響を与える疾患(例えば、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、肺線維症など)の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を提供する。
【0156】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド(COL7)のコード配列(例えば、それをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド(LH3)のコード配列(例えば、それをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド(KRT17)のコード配列(例えば、それをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド(例えば、ヒトTGM1ポリペプチド及び/またはヒトTGM5ポリペプチドなどのヒトトランスグルタミナーゼポリペプチド)のコード配列(例えば、それをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、化粧用タンパク質(例えば、コラーゲンタンパク質、フィブロネクチン、エラスチン、ルミカン、ビトロネクチン/ビトロネクチン受容体、ラミニン、神経調節物質、フィブリリン、付加的な皮膚細胞外マトリックスタンパク質など)のコード配列(例えば、それらをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、抗体(例えば、完全長抗体、抗体断片など)のコード配列(例えば、それをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、セリンプロテアーゼ阻害剤カザル型(SPINK)ポリペプチド(例えば、SPINK5ポリペプチドなどのヒトSPINKポリペプチド)のコード配列(例えば、それをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、フィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド)のコード配列(例えば、それをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)のコード配列(例えば、それをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、魚鱗癬関連ポリペプチド(例えば、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー12ポリペプチド、1-アシルグリセロール-3-リン酸O-アシルトランスフェラーゼABHD5ポリペプチド、アルデヒドデヒドロゲナーゼファミリー3メンバーA2ポリペプチド、アラキドネート12-リポキシゲナーゼ12R型ポリペプチド、ヒドロペルオキシドイソメラーゼALOXE3ポリペプチド、AP-1複合体サブユニットシグマ-1Aポリペプチド、アリールスルファターゼEポリペプチド、カスパーゼ-14ポリペプチド、コルネオデスモシンポリペプチド、セラミドシンターゼ3ポリペプチド、炭水化物スルホトランスフェラーゼ8ポリペプチド、クローディン-1ポリペプチド、シスタチン-Aポリペプチド、チトクロームP450 4F22ポリペプチド、3-ベータ-ヒドロキシステロイド-デルタ(8)、デルタ(7)-イソメラーゼポリペプチド、非常に長鎖の脂肪酸タンパク質4ポリペプチドの伸長、フィラグリンポリペプチド、フィラグリン2ポリペプチド、ギャップジャンクションベータ-2ポリペプチド、ギャップジャンクションベータ-3ポリペプチド、ギャップジャンクションベータ-4ポリペプチド、ギャップジャンクションベータ-6ポリペプチド、3-ケトジヒドロスフィンゴシンレダクターゼポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格1ポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格2表皮ポリペプチド、ケラチン、I型細胞骨格9ポリペプチド、ケラチン、I型細胞骨格10ポリペプチド、リパーゼメンバーNポリペプチド、ロリクリンポリペプチド、膜結合転写因子部位2プロテアーゼポリペプチド、マグネシウムトランスポーターNIPA4ポリペプチド、ステロール-4-アルファ-カルボキシレート3-デヒドロゲナーゼ、脱カルボキシル化ポリペプチド、ペルオキシソームターゲティングシグナル2受容体ポリペプチド、D-3-ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼポリペプチド、フィタノイル-CoAジオキシゲナーゼ、ペルオキシソームポリペプチド、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有タンパク質1ポリペプチド、プロテアソーム成熟タンパク質ポリペプチド、ホスホセリンアミノトランスフェラーゼポリペプチド、短鎖デヒドロゲナーゼ/レダクターゼファミリー9Cメンバー7ポリペプチド、セルピンB8ポリペプチド、長鎖脂肪酸輸送タンパク質4ポリペプチド、シナプトソーム関連タンパク質29ポリペプチド、腫瘍形成抑制剤14タンパク質ポリペプチド、ステリルスルファターゼポリペプチド、真空タンパク質選別関連タンパク質33Bポリペプチド、及びCAAXプレニルプロテアーゼ1ホモログポリペプチド)のコード配列(例えば、コードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド及び/またはそれらの任意のキメラポリペプチドのコード配列(例えば、それらをコードする導入遺伝子のコード配列)を含まない。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド、フィラグリンポリペプチド、化粧用タンパク質、抗体、SPINKポリペプチド、CFTRポリペプチド、魚鱗癬関連ポリペプチド、及び/またはそれらの任意のキメラポリペプチド(例えば、これらをコードする導入遺伝子)のコード配列を含まない。
【0157】
組換え核酸
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のポリヌクレオチドのいずれか1つ以上を含む組換え核酸に関する。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ベクター(例えば、発現ベクター、ディスプレイベクターなど)である。いくつかの実施形態では、ベクターはDNAベクターまたはRNAベクターである。一般に、対象において1つ以上のポリペプチドを産生させるために、ポリヌクレオチドを維持、増殖及び/または発現させるのに適したベクターを使用することができる。適切なベクターの例には、例えば、プラスミド、コスミド、エピソーム、トランスポゾン及びウイルスベクター(例えば、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、シンドビスウイルスベクター、麻疹ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクターなど)が含まれ得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主細胞内で自律複製することができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主細胞内で自律複製することができない。いくつかの実施形態では、ベクターを宿主DNAに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、ベクターを宿主DNAに組み込むことができない(例えば、エピソームである)。1つ以上の目的のポリヌクレオチドを含有するベクターを作製する方法は当業者に周知であり、例えば、化学合成による、または核酸の単離されたセグメントの人為的操作による(例えば、遺伝子工学技術による)方法が含まれる。
【0158】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、単純ヘルペスウイルス(HSV)アンプリコンである。ヘルペスウイルスアンプリコンは、構造的特徴及びその作製方法を含めて、当業者に一般的に知られている(例えば、de Silva S.and Bowers W.「Herpes Virus Amplicon Vectors」Viruses 2009,1,594-629を参照されたい)。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスアンプリコンは、HSV-1アンプリコンである。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスアンプリコンは、HSV-1ハイブリッドアンプリコンである。HSV-1ハイブリッドアンプリコンの例としては、HSV/AAVハイブリッドアンプリコン、HSV/EBVハイブリッドアンプリコン、HSV/EBV/RVハイブリッドアンプリコン及び/またはHSV/Sleeping Beautyハイブリッドアンプリコンを挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、HSV/AAVハイブリッドアンプリコンである。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、HSV/Sleeping Beautyハイブリッドアンプリコンである。
【0159】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、組換えヘルペスウイルスゲノムである。組換えヘルペスウイルスゲノムは、当該技術分野において既知のヘルペスウイルス科ファミリーのDNAウイルスの任意のメンバーに由来する組換えゲノムであり得、それらとしては、例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えEpstein-Barrウイルスゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム及びそれらの任意の組み合わせまたは派生体が含まれる。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上など)の不活性化突然変異を含む。本明細書で使用する場合、「不活性化突然変異」は、(例えば、不活性化突然変異を欠く対応する配列と比較して)量及び/または機能が減少、検出不能、または排除された遺伝子またはレギュロン産物(RNAまたはタンパク質)をもたらす任意の突然変異を指し得る。不活性化突然変異の例には、転写制御配列(プロモーター、エンハンサー、インシュレーターなど)及び/または所与の遺伝子またはレギュロンのコード配列における欠失、挿入、点突然変異及び再配列が含まれ得るが、これらに限定されない。当該技術分野で既知の遺伝子産物またはレギュロン産物の量を測定する任意の好適な方法を使用することができ、それらとしては、例えば、qPCR、ノーザンブロット、RNAseq、ウエスタンブロット、ELISAなどが含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の不活性化突然変異は、1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上など)のヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、(例えば、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して)弱毒化されている。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製能力を有する。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。
【0160】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換え単純ヘルペスウイルス(HSV)ゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上など)の不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の不活性化突然変異は、1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10個以上など)の単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、(例えば、対応する野生型単純ヘルペスウイルスゲノムと比較して)弱毒化されている。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、複製能力を有する。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。
【0161】
いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノムまたはそれらの任意の派生体である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換えHSV-1ゲノムである。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、例えば、株17、Ty25、R62、S25、Ku86、S23、R11、Ty148、Ku47、H166syn、1319-2005、F-13、M-12、90237、F-17、KOS、3083-2008、F12g、L2、CD38、H193、M-15、India 2011、0116209、F-11I、66-207、2762、369-2007、3355、MacIntyre、McKrae、7862、7-hse、HF10、1394,2005、270-2007、OD4、SC16、M-19、4J1037、5J1060、J1060、KOS79、132-1988、160-1982、H166、2158-2007、RE、78326、F18g、F11、172-2010、H129、F、E4、CJ994、F14g、E03、E22、E10、E06、E11、E25、E23、E35、E15、E07、E12、E14、E08、E19、E13、ATCC 2011など、当技術分野で公知である任意のHSV-1株に由来し得る(例えば、Bowen et al.J Virol.2019 Apr 3;93(8))を参照)。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、KOS株に由来する。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、McKrae株に由来しない。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、(例えば、対応する野生型HSV-1ゲノムと比較して)弱毒化されているいくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、複製能力を有する。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、複製欠損である。
【0162】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、感染細胞タンパク質(または感染細胞ポリペプチド)(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41及び/またはUL55単純ヘルペスウイルス遺伝子の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つまたは8つすべてに不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、(例えば、免疫刺激ウイルスの産生を回避するための)ICP34.5単純ヘルペスウイルス遺伝子(一方もしくは両方のコピー)及び/またはICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化突然変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5単純ヘルペスウイルス遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化突然変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5単純ヘルペスウイルス遺伝子(一方または両方のコピー)及びICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化突然変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは腫瘍溶解性ではない。
【0163】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)に不活性化突然変異を含み、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP22遺伝子、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子、UL41遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)における不活性化突然変異、及びICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)における不活性化突然変異、及びICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)における不活性化突然変異、及びUL41遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)における不活性化突然変異、及びICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、及びUL41遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、ICP22遺伝子における不活性化突然変異、及びUL41遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、ICP22遺伝子に不活性化突然変異、及びUL41遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP22遺伝子及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)に不活性化突然変異を含み、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)ICP22遺伝子、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子、UL41遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、及びICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、及びUL41遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異、ICP22遺伝子に不活性化突然変異、及びUL41遺伝子における不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP22遺伝子及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化突然変異を含み、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子、UL41遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子における不活性化突然変異、及びUL41遺伝子における不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、ICP22遺伝子及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化突然変異を含み、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP22遺伝子、ICP47遺伝子、UL41遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、ICP27遺伝子のコード配列の欠失である。
【0167】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化突然変異を含み、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP22遺伝子、ICP27遺伝子、UL41遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、ICP47遺伝子のコード配列の欠失である。
【0168】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化突然変異を含み、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP22遺伝子、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子及び/またはUL55遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、UL41遺伝子のコード配列の欠失である。
【0169】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化突然変異を含み、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP22遺伝子、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子及び/またはUL41遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化突然変異は、UL55遺伝子のコード配列の欠失である。
【0170】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、内部リピートロング(IRL)領域及び内部リピートショート(IRS)領域を含む内部リピート(ジョイント)領域に、不活性化突然変異(例えば、それらの欠失)を含む。いくつかの実施形態では、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、ICP4遺伝子及びICP0遺伝子の各々1つのコピーを除去する。いくつかの実施形態では、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーターをさらに不活性化する(例えば、欠失させる)。必要に応じて、これらの遺伝子の一方または両方の発現は、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムに前初期プロモーターを挿入することによって回復させることができる(例えば、Hill et al.(1995).Nature 375(6530):411-415;Goldsmith et al.(1998).J Exp Med 187(3):341-348を参照されたい)。理論に束縛されることを望まないが、ジョイント領域を不活性化する(例えば、欠失させる)ことは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムの安定性に寄与し、及び/または組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、より多く及び/またはより大きな導入遺伝子を収容することを可能にし得ると考えられる。
【0171】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP22遺伝子及びICP27遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP27遺伝子及びUL55遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP22遺伝子、ICP27遺伝子、ICP47遺伝子及びUL55遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP27遺伝子及び/またはUL55遺伝子における不活性化突然変異は、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP27遺伝子及び/またはUL55遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子における不活性化突然変異は、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーター領域の欠失である(例えば、ICP22及びICP47のコード配列はインタクトであるが、転写的に活性ではない)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP27遺伝子及びUL55遺伝子のコード配列における欠失、ならびにICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーター領域における欠失を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)及び/またはUL41遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)及びICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)及びICP22遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP22遺伝子及びICP27遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)、ICP22遺伝子、ICP27遺伝子及びUL55遺伝子に不活性化突然変異を含む。いくつかの実施形態では、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)ICP22遺伝子、ICP27遺伝子及び/またはUL55遺伝子における不活性化突然変異は、ICP0遺伝子(一方もしくは両方のコピー)、ICP4遺伝子(一方もしくは両方のコピー)ICP22遺伝子、ICP27遺伝子及び/またはUL55遺伝子のコード配列の欠失を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子及び/またはUL41遺伝子に不活性化突然変異をさらに含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つ以上のウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む。好適なウイルス遺伝子座の例には、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、tk、UL41及びUL55単純ヘルペスウイルス遺伝子座が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方の中に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、ICP22遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、UL41遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、ICP27遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、ICP47遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、UL55遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、tkウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、tk遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。
【0174】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、及びICP22ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、ICP4遺伝子座の一方または両方内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチド、及びICP22遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、及びUL41ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、ICP4遺伝子座の一方または両方内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチド、及びUL41遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、及びUL41ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、ICP22遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチド、及びUL41遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、及びUL41ウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、組換えウイルスは、ICP4遺伝子座の一方または両方内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチド、ICP22遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチド、及びUL41遺伝子座内にポリペプチド(吸入治療用ポリペプチドなど)をコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方に本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、ICP22ウイルス遺伝子座に本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、UL41ウイルス遺伝子座に本開示、ICP27ウイルス遺伝子座内の本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、ICP47ウイルス遺伝子座に本開示の1つ以上のポリヌクレオチド、tkウイルス遺伝子座、及び/またはUL55ウイルス遺伝子座に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、1つ以上のヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つ以上の毒性ヘルペスウイルス遺伝子)、例えば、HSV ICP0遺伝子の両方のコピー、HSV ICP4遺伝子の一方または両方のコピー、HSV ICP22遺伝子、HSV UL41遺伝子、HSV ICP27遺伝子、HSV ICP47遺伝子、HSV tk遺伝子、HSV UL55遺伝子などの発現を減少または除去するように操作されている。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノム(例えば、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム)と比較して、(例えば、標的細胞に導入されたときに)組換えゲノムの細胞毒性を低減させるように操作されている。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞(一次細胞またはそれに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、呼吸器の細胞(一次細胞またはそれに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、気道上皮細胞(一次細胞またはそれに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、肺の細胞(一次細胞またはそれに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、組換えゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)の(例えば、標的細胞における)細胞毒性は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%低減される(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する、組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定;標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する、組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定など)。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)の(例えば、標的細胞における)細胞毒性は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍または少なくとも約1000倍以上低減される(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する、組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定;標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する、組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定など)。細胞毒性の測定方法は当業者に既知であり、例えば、生体染色色素の使用(ホルマザン色素)、プロテアーゼバイオマーカー、MTTアッセイ(または、XTT、MTS、水溶性テトラゾリウム塩などの関連するテトラゾリウム塩を使用するアッセイ)、ATP含有量の測定などによるものが含まれる。
【0176】
いくつかの実施形態では、組換えゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、対応する野生型ゲノム(例えば、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム)と比較して、標的細胞の組換えゲノムへの曝露後の標的細胞増殖に対する影響を低減させるように操作されている。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞(一次細胞またはそれに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、呼吸器の細胞(一次細胞またはそれに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、気道上皮細胞(一次細胞またはそれに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、肺の細胞(一次細胞またはそれに由来する細胞株)である。いくつかの実施形態では、組換えゲノムへの曝露後の標的細胞増殖は、対応する野生型ゲノムへの曝露後の標的細胞増殖と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%速い(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する、組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定;標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する、組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定など)。いくつかの実施形態では、組換えゲノムへの曝露後の標的細胞増殖は、対応する野生型ゲノムへの曝露後の標的細胞増殖と比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍または少なくとも約1000倍速い(例えば、標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する、組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定;標的細胞における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する、組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定など)。細胞増殖の測定方法は当業者に既知であり、例えば、Ki67細胞増殖アッセイ、BrdU細胞増殖アッセイなどの使用によるものが含まれる。
【0177】
ベクター(例えば、ヘルペスウイルスベクター)は、宿主細胞でのポリヌクレオチドの発現に適した形態で、本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み得る。ベクターは、発現されるポリヌクレオチドに(例えば、前述の通りに)作動可能に連結された1つ以上の調節配列を含み得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の組換え核酸のいずれかを含む1つ以上の異種ポリヌクレオチド(例えば、細菌人工染色体(BAC))に関する。
【0179】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、組換え核酸に任意の方向で挿入された本明細書に記載のポリヌクレオチドの1つ以上を含む。組換え核酸が本明細書に記載の2つ以上のポリヌクレオチド(例えば、2つ以上、3つ以上など)を含む場合、ポリヌクレオチドは、互いに同じ方向または向かい合う方向で挿入され得る。理論に束縛されることを望まないが、2つのポリヌクレオチド(例えば、2つの導入遺伝子)を組換え核酸(例えば、ベクター)にアンチセンス方向で組み込むことは、リードスルーを回避し、確実に各ポリヌクレオチドを適切に発現させるのに役立ち得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド(COL7)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド(LH3)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド(KRT17)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド(例えば、ヒトTGM1ポリペプチド及び/またはヒトTGM5ポリペプチドなどのヒトトランスグルタミナーゼポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、化粧用タンパク質(例えば、コラーゲンタンパク質、フィブロネクチン、エラスチン、ルミカン、ビトロネクチン/ビトロネクチン受容体、ラミニン、神経調節物質、フィブリリン、付加的な皮膚細胞外マトリックスタンパク質など)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、抗体(例えば、完全長抗体、抗体断片など)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、セリンプロテアーゼ阻害剤カザル型(SPINK)ポリペプチド(例えば、SPINK5ポリペプチドなどのヒトSPINKポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、フィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンまたはフィラグリン2ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチド(例えば、ヒトCFTRポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、魚鱗癬関連ポリペプチド(例えば、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー12ポリペプチド、1-アシルグリセロール-3-リン酸O-アシルトランスフェラーゼABHD5ポリペプチド、アルデヒドデヒドロゲナーゼファミリー3メンバーA2ポリペプチド、アラキドネート12-リポキシゲナーゼ12R型ポリペプチド、ヒドロペルオキシドイソメラーゼALOXE3ポリペプチド、AP-1複合体サブユニットシグマ-1Aポリペプチド、アリールスルファターゼEポリペプチド、カスパーゼ-14ポリペプチド、コルネオデスモシンポリペプチド、セラミドシンターゼ3ポリペプチド、炭水化物スルホトランスフェラーゼ8ポリペプチド、クローディン-1ポリペプチド、シスタチン-Aポリペプチド、チトクロームP450 4F22ポリペプチド、3-ベータ-ヒドロキシステロイド-デルタ(8)、デルタ(7)-イソメラーゼポリペプチド、非常に長鎖の脂肪酸タンパク質4ポリペプチドの伸長、フィラグリンポリペプチド、フィラグリン2ポリペプチド、ギャップジャンクションベータ2ポリペプチド、ギャップジャンクションベータ-3ポリペプチド、ギャップジャンクションベータ-4ポリペプチド、ギャップジャンクションベータ-6ポリペプチド、3-ケトジヒドロスフィンゴシンレダクターゼポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格1ポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格2表皮ポリペプチド、ケラチン、I型細胞骨格9ポリペプチド、ケラチン、I型細胞骨格10ポリペプチド、リパーゼメンバーNポリペプチド、ロリクリンポリペプチド、膜結合転写因子部位2プロテアーゼポリペプチド、マグネシウムトランスポーターNIPA4ポリペプチド、ステロール-4-アルファ-カルボキシレート3-デヒドロゲナーゼ、脱カルボキシル化ポリペプチド、ペルオキシソームターゲティングシグナル2受容体ポリペプチド、D-3-ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼポリペプチド、フィタノイル-CoAジオキシゲナーゼ、ペルオキシソームポリペプチド、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有タンパク質1ポリペプチド、プロテアソーム成熟タンパク質ポリペプチド、ホスホセリンアミノトランスフェラーゼポリペプチド、短鎖デヒドロゲナーゼ/レダクターゼファミリー9Cメンバー7ポリペプチド、セルピンB8ポリペプチド、長鎖脂肪酸輸送タンパク質4ポリペプチド、シナプトソーム関連タンパク質29ポリペプチド、腫瘍形成抑制剤14タンパク質ポリペプチド、ステリルスルファターゼポリペプチド、真空タンパク質選別関連タンパク質33Bポリペプチド、及びCAAXプレニルプロテアーゼ1ホモログポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド及び/またはそれらの任意のキメラポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド、フィラグリンポリペプチド、化粧用タンパク質、抗体、SPINKポリペプチド、CFTRポリペプチド、魚鱗癬関連ポリペプチド、及び/またはそれらの任意のキメラポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まない。
【0181】
IV.ウイルス
本開示の特定の態様は、本明細書に記載のポリヌクレオチド及び/または組換え核酸のいずれかを含むウイルスに関する。いくつかの実施形態では、ウイルスは、対象(例えば、ヒト)の1つ以上の標的細胞に感染することができる。いくつかの実施形態では、ウイルスは、ポリヌクレオチド及び/または組換え核酸を対象(例えば、ヒト対象)の1つ以上の標的細胞に送達するのに適している。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、ポリヌクレオチド及び/または組換えゲノムによってコードされるポリペプチドの突然変異バリアントをコードする内因性遺伝子中に遺伝的欠損(例えば、病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異)を含む1つ以上の細胞である(例えば、ポリヌクレオチド及び/または組換えゲノムからのポリペプチドの発現は、根底にあるタンパク質欠損を分子的に修正する)。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、1つ以上の気道上皮細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、呼吸器の1つ以上の細胞(例えば、気道上皮細胞(杯細胞、繊毛細胞、クララ細胞、神経内分泌細胞、基底細胞、中間または傍基底細胞、漿液細胞、刷子細胞、腫瘍細胞、非繊毛円柱細胞、及び/または化生細胞など);肺胞細胞(1型肺細胞、2型肺細胞、及び/または立方状の非繊毛細胞など);気管支中の唾液腺細胞(漿液細胞、粘液細胞、及び/または管細胞);など)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、肺の1つ以上の細胞である。
【0182】
当該技術分野において既知の任意の好適なウイルスを使用することができ、それらとしては、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、センダイウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)、ワクシニアウイルス及び/またはそれらの任意のハイブリッドウイルスもしくは派生ウイルスが含まれる。いくつかの実施形態では、ウイルスは弱毒化されている。いくつかの実施形態では、ウイルスは複製能力を有する。いくつかの実施形態では、ウイルスは複製欠損である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、対応する未改変の野生型ウイルスの組織向性と比較して、その組織向性を変化させるように改変されている。いくつかの実施形態では、ウイルスは、(例えば、標的細胞中において)、対応する野生型ウイルスと比較して細胞毒性が低減している。組換え核酸を含むウイルスを産生する方法は、当業者に周知である。
【0183】
いくつかの実施形態では、ウイルスは、例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、Epstein-Barrウイルス及びカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスなどを含む、ヘルペスウイルス科ファミリーのDNAウイルスのメンバーである。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは弱毒化されている。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは複製欠損である。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは複製能力を有する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、1つ以上のヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つ以上の毒性ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を低減または排除するように操作されている。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して細胞毒性が低減している。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは腫瘍溶解性ではない。
【0184】
いくつかの実施形態では、ウイルスは単純ヘルペスウイルスである。組換え核酸を含む単純ヘルペスウイルスは、例えば、WO2015/009952、WO2017/176336、WO2019/200163、及び/またはWO2019/210219に開示されているプロセスによって産生され得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは弱毒化されている。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは複製欠損である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは複製能力を有する。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、1つ以上の単純ヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つ以上の毒性単純ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を低減または排除するように操作されている。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、対応する野生型単純ヘルペスウイルスと比較して細胞毒性が低減している。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、腫瘍溶解性ではない。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1、HSV-2またはそれらの任意の派生体である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1ウイルスである。いくつかの実施形態では、HSV-1は弱毒化されている。いくつかの実施形態では、HSV-1は複製欠損である。いくつかの実施形態では、HSV-1は複製能力を有する。いくつかの実施形態では、HSV-1は、1つ以上のHSV-1遺伝子(例えば、1つ以上の毒性HSV-1遺伝子)の発現を低減または排除するように操作されている。いくつかの実施形態では、HSV-1は、対応する野生型HSV-1と比較して細胞毒性が低減している。いくつかの実施形態では、HSV-1は腫瘍溶解性ではない。
【0185】
いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、未改変の野生型単純ヘルペスウイルスの組織向性と比較して、その組織向性を変化させるように改変されている。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは改変されたエンベロープを含む。いくつかの実施形態では、改変されたエンベロープは、1つ以上の(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上など)の突然変異した単純ヘルペスウイルス糖タンパク質を含む。単純ヘルペスウイルス糖タンパク質の例には、糖タンパク質gB、gC、gD、gH及びgLが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、改変されたエンベロープは、野生型単純ヘルペスウイルスと比較して、単純ヘルペスウイルスの組織向性を変化させる。
【0186】
いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞(例えば、呼吸器の1つ以上の細胞)に対する本開示のウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルスなどのヘルペスウイルス)の形質導入効率(in vitro及び/またはin vivo)は、少なくとも約25%である。例えば、1つ以上の標的細胞に対するウイルスの形質導入効率は、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%または少なくとも約99.5%以上であり得る。いくつかの実施形態では、ウイルスは単純ヘルペスウイルスであり、1つ以上の標的細胞(例えば、呼吸器の1つ以上の細胞)に対するウイルスの形質導入効率は、約85%~約100%である。いくつかの実施形態では、ウイルスは単純ヘルペスウイルスであり、1つ以上の標的細胞(例えば、呼吸器の1つ以上の細胞)に対するウイルスの形質導入効率は、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または100%である。In vitroまたはin vivoでウイルス形質導入効率を測定する方法は当業者に周知であり、例えば、qPCR分析、ディープシーケンシング、ウェスタンブロッティング、蛍光分析(例えば、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、蛍光レポーター遺伝子発現、免疫蛍光法、FACS)などが含まれる。
【0187】
V.医薬組成物及び製剤
本開示の特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)及び/またはウイルス(例えば、組換えゲノムを含むヘルペスウイルス)のいずれか(組換え単純ヘルペスウイルスゲノムを含む単純ヘルペスウイルスなど)と、薬学的に許容される賦形剤もしくは担体とを含む医薬組成物または製剤に関する。
【0188】
いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、本明細書に記載のウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)のいずれか1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、約104~約1012プラーク形成単位(PFU)/mLのウイルスを含む。例えば、医薬組成物または製剤は、約104~約1012、約105~約1012、約106~約1012、約107~約1012、約108~約1012、約109~約1012、約1010~約1012、約1011~約1012、約104~約1011、約105~約1011、約106~約1011、約107~約1011、約108~約1011、約109~約1011、約1010~約1011、約104~約1010、約105~約1010、約106~約1010、約107~約1010、約108~約1010、約109~約1010、約104~約109、約105~約109、約106~約109、約107~約109、約108~約109、約104~約108、約105~約108、約106~約108、約107~約108、約104~約107、約105~約107、約106~約107、約104~約106、約105~約106または約104~約105PFU/mLのウイルスを含み得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、約104、約105、約106、約107、約108、約109、約1010、約1011または約1012PFU/mLのウイルスを含む。
【0189】
医薬組成物及び製剤は、所望の純度を有する有効成分(複数可)(組換え核酸及び/またはウイルスなど)を1つ以上の薬学的に許容され得る担体または賦形剤と混合することによって調製することができる。薬学的に許容され得る担体または賦形剤は、一般に、用いられる用量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、限定されないが、緩衝液(例えば、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩及び他の有機酸);酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸及びメチオニン);防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルアルコールもしくはベンジルアルコール、アルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール及びm-クレゾール);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジン);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリン);ポリオール(グリセロールなど、例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%などのグリセロールを含む製剤);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);単糖類、二糖類及び他の炭水化物(グルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む);キレート剤(例えば、EDTA);糖類(例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトール);塩形成対イオン(例えば、ナトリウム);金属複合体(例えば、Zn-タンパク質複合体);及び/または非イオン性界面活性剤(例えば、ポリエチレングリコール(PEG))を含み得る。薬学的に許容され得る担体の完全な考察は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub.Co.,N.J.1991)にて入手可能である。
【0190】
いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、1つ以上の脂質(例えば、カチオン性脂質)担体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、1つ以上のナノ粒子担体を含む。ナノ粒子は、カプセル化された薬物(合成小分子、タンパク質、ペプチド、細胞、ウイルス及び核酸ベースの生物学的製剤など)を迅速放出または制御放出のために運搬することができる、サブミクロン(約1000nm未満)サイズのドラッグデリバリービヒクルである。様々な分子(例えば、タンパク質、ペプチド、組換え核酸など)を、当該技術分野で周知のプロセスを使用して、ナノ粒子中に効率的にカプセル化することができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子中に「カプセル化された」分子は、ナノ粒子内に含有されるか、またはナノ粒子の表面に付着及び/または会合するか、あるいはそれらの任意の組み合わせである分子(ウイルスなど)を指し得る。本明細書に記載の組成物または製剤で使用するためのナノ粒子は、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、PLGA、PLA、PGAを含むナノ粒子及びそれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野において既知の任意のタイプの生体適合性ナノ粒子であり得る(例えば、Vauthier et al.Adv Drug Del Rev.(2003)55:519-48、US2007/0148074、US2007/0092575、US2006/0246139、US5753234、US7081483及びWO2006/052285を参照されたい)。
【0191】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る担体または賦形剤は、例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮膚投与、経口投与、鼻腔内投与、気管内投与、舌下投与、頬側投与、局所投与、経皮投与、皮内投与、腹腔内投与、眼窩内投与、硝子体内投与、網膜下投与、経粘膜投与、関節内投与、移植による投与、吸入による投与、髄腔内投与、脳室内投与及び/または鼻腔内投与を含む、当該技術分野において既知の任意の投与経路に適合するか、または適し得る。いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る担体または賦形剤は、経口投与、鼻腔内投与、気管内投与、及び/または吸入投与に適合するか、または適している。いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る担体または賦形剤は、鼻腔内投与及び/または吸入投与に適合するか、または適している。いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る担体または賦形剤は、吸入投与に適合するか、または適している。
【0192】
いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮膚投与、経口投与、鼻腔内投与、気管内投与、舌下投与、頬側投与、局所投与、経皮投与、皮内投与、腹腔内投与、眼窩内投与、硝子体内投与、網膜下投与、経粘膜投与、関節内投与、移植による投与、吸入による投与、髄腔内投与、脳室内投与または鼻腔内投与を含む、当該技術分野において既知の任意の投与経路に適合するか、または適し得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、経口、鼻腔内、気管内、及び/または吸入投与に適合するか、または適している。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、鼻腔内、及び/または吸入投与に適合するか、または適している。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、吸入投与に適合するか、または適している。
【0193】
いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、1つ以上の追加の成分をさらに含む。追加の成分の例には、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、充填剤(例えば、ラクトース及び他の糖類、微結晶性セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレートまたはリン酸水素カルシウムなど)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、硬化植物油、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど)、崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウムなど)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、塩類溶液、アルコール類、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、甘味剤、香味剤、芳香剤、着色剤、保湿剤、日焼け止め剤、抗菌剤、ポリヌクレオチドを安定化させるか、またはその分解を防止することのできる薬剤などが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、メチルセルロースゲル(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、リン酸緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、グリセロールを(例えば、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%などで)含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物または製剤は、リン酸緩衝液及びグリセロールを含む。
【0194】
In vivo投与に使用される医薬組成物及び製剤は、一般に滅菌である。滅菌状態は、例えば、滅菌濾過膜を通した濾過により容易に実現することができる。
【0195】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを使用して、ポリペプチド(例えば、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドなどの吸入治療用ポリペプチド)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを、対象の1つ以上の細胞(例えば、対象の呼吸器の1つ以上の細胞)に送達することができる。いくつかの実施形態では、対象は、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、疾患または状態(例えば、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び/または肺線維症など、気道及び/または肺に影響を与えるもの)の治療に使用することができる。これらは、コードされたポリペプチドの発現から利益を得るであろう。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、進行性肺破壊の予防または治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、急性または慢性肺疾患の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、肺胞微石症の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、原発性線毛機能不全の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、肺胞タンパク症の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、肺動脈性肺高血圧症の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、肺線維症の治療に使用することができる。
【0196】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかは、ポリペプチド(例えば、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドなどの吸入治療用ポリペプチド)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを、対象の1つ以上の細胞(例えば、対象の呼吸器の1つ以上の細胞)へ送達するのに有用な医用薬剤を調製する際に使用することができる。いくつかの実施形態では、対象は、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、疾患または状態(例えば、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び/または肺線維症など、気道及び/または肺に影響を与えるもの)の治療に有用な医用薬剤を調製する際に使用することができる。これらは、コードされたポリペプチドの発現から利益を得るであろう。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、進行性肺破壊の予防または治療に有用な医用薬剤を調製する際に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、急性または慢性肺疾患の治療に有用な医用薬剤を調製する際に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症の治療に有用な医用薬剤を調製する際に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、肺胞微石症の治療に有用な医用薬剤の調製に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、原発性線毛機能不全の治療に有用な医用薬剤の調製に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、肺胞タンパク症の治療に有用な医用薬剤の調製に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、肺動脈性肺高血圧症の治療に有用な医用薬剤の調製に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを、肺線維症の治療に有用な医用薬剤の調製に使用することができる。
【0197】
VI.方法
本開示の特定の態様は、ポリペプチドを対象の呼吸器の1つ以上の細胞(例えば、気道上皮細胞(杯細胞、繊毛細胞、クララ細胞、神経内分泌細胞、基底細胞、中間または傍基底細胞)、漿液細胞、刷子細胞、腫瘍細胞、非繊毛円柱細胞、及び/または化生細胞);肺胞細胞(1型肺細胞、2型肺細胞、及び/または立方体の非繊毛細胞);気管支の唾液腺細胞(漿液腺細胞など、粘液細胞、及び/または管細胞);など))を送達させる方法に関し、方法は、(a)ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、本明細書に記載の組換え核酸(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、例えば、組換えHSV-1ゲノム)のいずれかを含む、本明細書に記載のウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス、例えば、HSV-1)のいずれかを含む医薬組成物と、薬学的に許容される担体と、を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象に、経口的投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、または吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象に、鼻腔内投与される、または吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象に、吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスまたは医薬組成物は、ネブライザーを使用して投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0198】
いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)は、複製能力を有する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)は、複製欠損である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び肺線維症のうちの1つ以上に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症及び/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患していない。いくつかの実施形態では、対象は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、肺胞微石症に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、原発性線毛機能不全に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、肺胞タンパク症に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、肺動脈性肺高血圧症に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、肺線維症に罹患している。いくつかの実施形態では、このポリペプチドは、本明細書に記載のポリペプチドのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、本明細書に記載の組換え核酸のうちのいずれかである。
【0199】
本開示の他の態様は、対象の1つ以上の細胞におけるポリペプチド(例えば、吸入治療用ポリペプチド)のレベルを発現、増強、増加、増大、及び/または補足することに関し、方法は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のうちのいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、急性及び/または慢性肺疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び肺線維症のうちの1つ以上に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症及び/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患していない。
【0200】
いくつかの実施形態では、対象への組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つ以上の対応する未処理細胞におけるポリペプチドの内因性レベルと比較して、対象の1つ以上の接触または処理された細胞において、ポリペプチド(例えば、吸入治療用ポリペプチド)レベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約2倍増加させる。例えば、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つ以上の対応する未処理細胞におけるポリペプチドの内因性レベルと比較して、対象の1つ以上の接触または処理された細胞において、ポリペプチド(例えば、吸入治療用ポリペプチド)レベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、少なくとも約1000倍、またはそれ以上増加させることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の接触または処理された細胞は、呼吸器の1つ以上の細胞(例えば、気道上皮の1つ以上の細胞)である。サンプルから転写物またはタンパク質レベルを測定する方法は、例えば、qPCR、ウエスタンブロット、質量分析など、当業者に周知である。
【0201】
本開示の他の態様は、少なくとも1つの呼吸量の測定の改善を必要とする対象において、それを行う方法に関し、方法は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、急性及び/または慢性肺疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び肺線維症のうちの1つ以上に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症及び/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患していない。
【0202】
いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤を対象へ投与することは、治療前に対象において測定された少なくとも1つの参照呼吸量と比較して、少なくとも1つの呼吸量の測定値を少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、またはそれ以上改善する。測定できる適切な呼吸量の例としては、例えば、総肺気量(TLC)、最大膨張時の肺内での量;1回換気量(TV)、安静呼吸中に肺に出入りする空気の量;残気量(RV)、最大呼気後に肺中に残存している空気の量;予備呼気量(ERV)、努力性呼出中に呼出可能な(1回換気量を超える)最大空気量;予備吸気量(ERV)、吸気終了位置から吸入できる最大空気量;最大吸気量(IC)、IRV及びTVの合計;吸気肺活量(IVC)、最大呼気点から吸入される空気最大量;肺活量(VC)、最も深い吸入後に呼出された空気の量;機能的残気量(FRC)、呼気終末位置での肺の容量;努力性肺活量(FVC)、最大努力呼出からの肺活量の測定;努力性呼気肺活量(時間)(FEVt)、最初のt秒間に努力条件下で呼出される空気の量;努力性吸気流量(FIF)、努力性吸気曲線の特定の測定値;努力性呼気流量(PEF)、ピークフローメーターで測定された最大努力性呼気流量;最大努力換気量(MVV)、反復最大努力中の特定の期間に呼出された空気の量などが挙げられる。方法は、一般に、当業者に公知である。
【0203】
本開示の他の態様は、肺の慢性炎症の低減、予防、または治療を必要とする対象において、それを行う方法に関し、方法は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、急性及び/または慢性肺疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び肺線維症のうちの1つ以上に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症及び/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患していない。肺炎症の測定に対する改善を含む肺炎症を測定する方法、例えば、呼気酸化窒素を測定すること、喀痰及び/または血液中の好酸球の割合(パーセンテージ)を決定することによるなどは、当業者に周知である。
【0204】
本開示の他の態様は、進行性肺破壊の低減、阻害、または治療を必要とする対象において、それを行う方法に関し、方法は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、気道及び/または肺に影響を与える疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、急性及び/または慢性肺疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び肺線維症のうちの1つ以上に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症及び/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患していない。肺破壊を測定する方法は、当業者に周知であり、例えば、Saetta et al.(Am Rev Respir Dis.1985May;131(5):764-9)に記載の方法によるものである。
【0205】
本開示の他の態様は、気道及び/または肺に影響を与える疾患の1つ以上の徴候または症状の予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、急性及び/または慢性肺疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、肺胞微石症、原発性線毛機能不全、先天性肺胞タンパク症、肺動脈性肺高血圧症、及び肺線維症のうちの1つ以上に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症及び/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患していない。
【0206】
本開示の他の態様は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症の1つ以上の徴候または症状に対して予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、SERPINA1遺伝子(一方または両方のコピー)における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)は、アルファ-1-アンチトリプシンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤の投与は、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症の1つ以上の徴候または症状の測定可能な改善または予防に影響を与える。
【0207】
アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症の徴候及び症状としては、これらに限定されないが、息切れ(特に運動中);呼吸中の喘鳴(wheezing)及び/または喘鳴(whistling)の音;肺感染症に対する感受性の増大;疲労;起立時の速い心拍;体重減少;慢性咳嗽(多くの場合、血液を伴う);肺気腫(一般的には、汎細葉性);及び痰の生成の増加が挙げられ得る。
【0208】
本開示の他の態様は、肺胞微石症の1つ以上の徴候または症状に対して予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、SLC34A2遺伝子(一方または両方のコピー)における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)は、ナトリウム依存性リン酸輸送タンパク質2Bポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤の投与は、肺胞微石症の1つ以上の徴候または症状の測定可能な改善または予防に影響を与える。
【0209】
肺胞微石症の徴候及び症状としては、これらに限定されないが、息切れ、乾いた咳(散発的に血液を含む);胸痛;無力症;及び気胸が挙げられ得る。
【0210】
本開示の他の態様は、原発性線毛機能不全の1つ以上の徴候または症状に対して予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、DNAH5、DNAH11、CCDC39、DNAI1、CCDC40、CCDC103、SPAG1、ZMYND10、ARMC4、CCDC151、DNAI2、RSPH1、CCDC114、RSPH4A、DNAAF1、DNAAF2、及びLRRC6から選択される1つ以上の遺伝子(一方または両方のコピー)における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)は、ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチド、ダイニン重鎖11軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質39ポリペプチド、ダイニン中間鎖1軸糸ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質40ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質103ポリペプチド、精子関連抗原1ポリペプチド、ジンクフィンガーMYNDドメイン含有タンパク質10ポリペプチド、アルマジロリピート含有タンパク質4ポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質151ポリペプチド、ダイニン中間鎖2軸糸ポリペプチド、ラジアルスポークヘッド1ホモログポリペプチド、コイルドコイルドメイン含有タンパク質114ポリペプチド、ラジアルスポークヘッドタンパク質4ホモログポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子1軸糸ポリペプチド、ダイニンアセンブリ因子2軸糸ポリペプチド、及び/またはロイシンリッチリピート含有タンパク質6ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、原発性線毛機能不全に関連する1つ以上の遺伝子中に病原性変異及び/または機能喪失型突然変異を含み、対象は、対応するポリペプチドの野生型及び/または機能的バリアントをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸で治療され(例えば、対象のゲノムは、DNAH5遺伝子(一方または両方のコピー)に、病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む)、対象は、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤(ダイニン重鎖5軸糸ポリペプチドなどをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸を含むもの)を投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤の投与は、原発性線毛機能不全の1つ以上の徴候または症状の測定可能な改善または予防に影響を与える。
【0211】
原発性線毛機能不全の徴候及び症状としては、これらに限定されないが、副鼻腔、耳、及び/または肺の慢性感染症;慢性鼻づまり;粘液及び膿の排出を伴う鼻水;難聴;呼吸困難(特に新生児);慢性咳嗽;再発性肺炎;慢性副鼻腔炎;気管支拡張症;及び肺の一部または全部の崩壊が挙げられ得る。
【0212】
本開示の他の態様は、肺胞タンパク症の1つ以上の徴候または症状に対して予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、SFTPB、SFTPC、NKX2-1、ABCA3、CSF2RB、及び/またはCSF2RAから選択される1つ以上の遺伝子(一方または両方のコピー)における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)は、肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ホメオボックスタンパク質Nkx-2.1ポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、サイトカイン受容体共通サブユニットベータポリペプチド、及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体サブユニットアルファポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、肺胞タンパク症に関連する1つ以上の遺伝子中に病原性変異及び/または機能喪失型突然変異を含み、対象は、対応するポリペプチドの野生型及び/または機能的バリアントをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸で治療され(例えば、対象のゲノムは、SFTPB遺伝子(一方または両方のコピー)に、病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む)、対象は、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤(肺サーファクタント関連タンパク質Bポリペプチドなどをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸を含むもの)を投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤の投与は、肺胞タンパク症の1つ以上の徴候または症状の測定可能な改善または予防に影響を与える。
【0213】
肺胞タンパク症の徴候及び症状としては、これらに限定されないが、呼吸困難;咳時折粘液または血液を伴う咳;青みがかった顔色;全身倦怠感;微熱;体重減少;胸痛または緊張;低レベルの血中酸素;ばち指形成が挙げられ得る。
【0214】
本開示の他の態様は、肺動脈性肺高血圧症の1つ以上の徴候または症状に対して予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、BMPR2、ATP2A2、ACVRL1、ENG、SMAD9、CAV1、KCNK3、及び/またはEIF2AK4から選択される1つ以上の遺伝子(一方または両方のコピー)における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)は、骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチド、筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2ポリペプチド、セリン/スレオニンプロテインキナーゼ受容体R3ポリペプチド、エンドグリンポリペプチド、マザーズアゲインストデカペンタプレジックホモログ9ポリペプチド、カベオリン-1ポリペプチド、カリウムチャネルサブファミリーKメンバー3ポリペプチド、及び/またはeIF-2-アルファキナーゼGCN2ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、肺動脈性肺高血圧症に関連する1つ以上の遺伝子中に病原性変異及び/または機能喪失型突然変異を含み、対象は、対応するポリペプチドの野生型及び/または機能的バリアントをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸で治療され(例えば、対象のゲノムは、BMPR2遺伝子(一方または両方のコピー)に、病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む)、対象は、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤(骨形成タンパク質受容体2型ポリペプチドなどをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸を含むもの)を投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤の投与は、肺動脈性肺高血圧症の1つ以上の徴候または症状の測定可能な改善または予防に影響を与える。
【0215】
肺動脈性肺高血圧症の徴候及び症状としては、これらに限定されないが、最初は運動中、最終的には安静時の息切れ;倦怠感;めまいまたは失神発作;胸部圧迫感または胸痛;足首、脚、及び/または腹部の腫脹;青みを帯びた色の唇及び肌;脈拍または動悸が挙げられ得る。
【0216】
本開示の他の態様は、肺線維症の1つ以上の徴候または症状に対して予防的、姑息的、または治療的な緩和を、それを必要とする対象において提供する方法に関し、方法は、有効量の本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、SFTPC、ABCA3、SFTPA2、TERT、TERC、DKC1、RTEL、PARN、TINF2、NAF1、MUC5B、DSP、STN1、及び/またはDPP9から選択される1つ以上の遺伝子(一方または両方のコピー)における病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)は、肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチド、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3ポリペプチド、肺サーファクタント関連タンパク質A2ポリペプチド、テロメラーゼ逆転写酵素ポリペプチド、ジスケリンポリペプチド、テロメア伸長ヘリカーゼ1ポリペプチドの調節因子、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼPARNポリペプチド、TERF1相互作用核因子2ポリペプチド、H/ACAリボ核タンパク質複合体非コアサブユニットNAF1ポリペプチド、ムチン-5Bポリペプチド、デスモプラキンポリペプチド、CST複合体サブユニットSTN1ポリペプチド、及び/またはジペプチジルペプチダーゼ9ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、肺線維症に関連する1つ以上の遺伝子の病原性変異及び/または機能喪失型突然変異を含み、対象は、対応するポリペプチドの野生型及び/または機能的バリアントをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸で治療され(例えば、対象のゲノムは、SFTPC遺伝子(一方または両方のコピー)に、病原性バリアント及び/または機能喪失型突然変異を含む)、対象は、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤(肺サーファクタント関連タンパク質Cポリペプチドなどをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸を含むもの)を投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤の投与は、肺線維症の1つ以上の徴候または症状の測定可能な改善または予防に影響を与える。
【0217】
肺線維症の徴候及び症状としては、これらに限定されないが、特に運動中の息切れ;乾いた、頻発空咳;速くて浅い呼吸;徐々に意図しない体重減少;疲労;関節及び筋肉の痛み;脚の腫脹;指先またはつま先のばち指が挙げられ得る。
【0218】
本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、これらに限定されないが、経口的、鼻腔内、気管内、舌下、頬側、局所的に、直腸的に、吸入による、経皮的に、皮下、皮内、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜的に、膣内に、硝子体内に、眼窩内、網膜下、関節内、関節周囲、局所的に、皮膚上、またはそれらの任意の組み合わせなど、当技術分野で公知である任意の適切な方法または経路によって投与され得る。したがって、本開示は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを個体(例えば、気道及び/または肺に影響を与える疾患を有する、または発症するリスクがある個体)に送達する方法を包含する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、経口投与される、鼻腔内投与される、気管内投与される、及び/または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、鼻腔内投与される、または吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、吸入を介して投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー、または電気流体力学的エアロゾル装置を使用して投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、ネブライザーを使用して、投与される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。
【0219】
経口、鼻腔内、気管内、及び/または吸入投与経路を介して気道及び/または肺に薬物を送達する方法は、一般に、当業者に知られている(例えば、Gardenhire et al.A Guide to Aerosol Delivery Devices for Respiratory Therapists,4th Edition,American Association for Respiratory care,2017;Patil et al.Pulmonary Drug Delivery Strategies:A Concise,Systematic Review,Lung India.2012.29(1):44-9;Marx et al.Intranasal Drug Administration-An Attractive Delivery Route for Some Drugs,2015)。
【0220】
いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または組成物もしくは製剤は、エアロゾル化された製剤の吸入によって肺に送達される。吸入は、対象の鼻及び/または口を介して生じ得る。組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤を肺に送達するための例示的な装置にとしては、これらに限定されないが、乾燥粉末吸入器、加圧定量吸入器、ソフトミスト吸入器、ネブライザー(例えば、ジェットネブライザー、超音波式ネブライザー、振動型メッシュ式ネブライザー)、衝突ジェット、押し出しジェット、表面波マイクロ流体噴霧、キャピラリーエアロゾル生成、電気流体力学的エアロゾル装置など(例えば、Carvalho及びMcConville.The function and performance of aqueous devices for inhalation therapy.(2016) Journal of Pharmacy and Pharmacologyを参照されたい)が挙げられ得る。
【0221】
液体製剤は、例えば、加圧定量吸入器(pMDI)を使用して、対象の肺に投与することができる。pMDIは、一般に、少なくとも2つの構成要素:液体製剤が1つ以上の噴射剤と組み合わせて圧力下で保持されるキャニスター、及びキャニスターを保持し、作動させるために使用される容器を含む。キャニスターは、製剤の単回投与または複数回投与を含み得る。キャニスターは、キャニスターの内容物が排出され得るバルブ、典型的には、計量バルブを含み得る。エアロゾル化された薬物は、キャニスターに力を加えて、レセプタクル内に押し込むことによって、pMDIから投与され、それによってバルブが開き、薬物粒子がバルブからレセプタクル出口を通って運ばれる。キャニスターから排出されると、液体製剤は噴霧され、エアロゾルを形成する。pMDIは、典型的には、1つ以上の噴射剤を使用して、キャニスターの内容物を加圧し、液体製剤をレセプタクル出口から推進させて、エアロゾルが形成される。任意の適切な噴射剤を利用することができ、例えば、圧縮ガスまたは液化ガスなど、様々な形態をとることができる。
【0222】
液体製剤は、例えば、ネブライザーを使用して、対象の肺に投与することができる。ネブライザーは、液体製剤を小滴の霧またはクラウドに変換する液体エアロゾル発生器であり、多くの場合、直径が約5ミクロン未満の空気力学的直径の中央値を有し、下気道に吸入させ得る。エアロゾルクラウドが吸入されたときに、液滴により、活性剤(複数可)が、鼻、上気道、及び/または深部肺に運ばれる。これらに限定されないが、空気圧(ジェット)式ネブライザー、電気機械式ネブライザー(例えば、超音波式ネブライザー、振動型メッシュ式ネブライザー)など、当技術分野において公知である任意のタイプのネブライザーを使用して、製剤を患者に投与することができる。空気圧(ジェット)式ネブライザーは、液体製剤の噴霧化の駆動力として、加圧ガス供給を使用する。圧縮ガスは、ノズルまたはジェットを介して送達され、周囲の液体製剤を飛沫同伴する低圧フィールドを作成し、それを剪断して、薄膜またはフィラメントにする。薄膜またはフィラメントは不安定であり、小滴に分解され、これらは、圧縮ガスの流れによって吸気に運ばれる。液滴プルームに挿入されたバッフルは、大きい液滴をふるいにかけ、バルク液体リザーバーに戻す。電気機械式ネブライザーは、電気的に生成された機械力を使用して、液体製剤を噴霧する。電気機械的駆動力は、例えば、液体製剤を超音波周波数で振動させることによって、またはバルク液体を薄膜の小さな穴に強制的に通すことによって加えることができる。この力により、薄い液膜またはフィラメントストリームが生成され、それらは小滴に分解され、吸気流に飛沫同伴され得るゆっくりと動くエアロゾルストリームが形成される。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、振動型メッシュ式ネブライザーである。振動型メッシュ式ネブライザーの例としては、例えば、Phillips InnoSpire、Aerogen Solo、PARI eFlowなどが挙げられる。
【0223】
液体製剤は、例えば、電気流体力学的(EHD)エアロゾル装置を使用して、対象の肺に投与することができる。EHDエアロゾル装置は、電気エネルギーを使用して、液体の薬液または懸濁液をエアロゾル化する。
【0224】
乾燥粉末製剤は、例えば、乾燥粉末吸入器(DPI)を使用して、対象の肺に投与することができる。DPIは、典型的には、ガスのバーストなどの機序を使用して、容器内に乾燥粉末のクラウドを作成し、それが対象によって吸入され得る。DPI中では、投与される用量は、非加圧乾燥粉末の形態で保存され、吸入器の作動時に、粉末の粒子が対象によって吸入される。場合によっては、pMDIと同様に、圧縮ガスを使用して粉末を投与することができる。場合によっては、DPIは、呼吸により作動させ得る(吸気に正確に反応して、エアロゾルが生成される)。典型的には、乾燥粉末吸入器は、咳の誘発を回避するために、吸入ごとに数十ミリグラム未満の用量を投与する。DPIの例としては、例えば、Turbohaler(登録商標)吸入器(AstraZeneca)、Clickhaler(登録商標)吸入器(Innovata)、Diskus(登録商標)吸入器(Glaxo)、EasyHaler(登録商標)(Orion)、Exubera(登録商標)吸入器(Pfizer)などが挙げられる。
【0225】
いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、対象に1回投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、対象に少なくとも2回(例えば、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回など)投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約1時間(例えば、少なくとも約1時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約15日、少なくとも約20日、少なくとも約30日、少なくとも約40日、少なくとも約50日、少なくとも約60日、少なくとも約70日、少なくとも約80日、少なくとも約90日、少なくとも約100日、少なくとも約120日など)が、投与の間(例えば、第1の投与と第2の投与の間、第2の投与と第3の投与の間など)に経過する。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、対象に1日1回、2回、3回、4回または5回以上投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤は、対象に1ヶ月に1回、2回、3回、4回または5回以上投与される
【0226】
VII.宿主細胞
本開示の特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸のいずれかを含む1つ以上の宿主細胞に関する。当該技術分野において既知の任意の好適な宿主細胞(原核細胞または真核細胞)を使用することができ、それらとしては、例えば、グラム陰性微生物またはグラム陽性微生物などの真正細菌、例えば、エシェリキア(Escherichia)(例えば、大腸菌(E.coli))、エンテロバクター(Enterobacter)、エルミニア(Erminia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ(Salmonella)(例えば、S.チフィリウム(S.typhimurium))、セラチア(Serratia)(例えば、S.マルセセンス(S.marcescans))及びシゲラ(Shigella)などの腸内細菌科、ならびにB.サブティリス(B.subtilis)及びB.リケニフォルミス(B.licheniformis)などの桿菌を含む原核細胞;真菌細胞(例えば、S.セレビシエ(S.cerevisiae));昆虫細胞(例えば、S2細胞など);ならびに、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚性腎臓株(293細胞または懸濁培養における増殖のためにサブクローニングされた293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10)、マウスセルトリ細胞(TM4)、サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳癌(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞、MRC 5細胞、FS4細胞、ヒト肝癌株(Hep G2)、DHFR” CHO細胞を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ならびにNS0及びSp2/0などの骨髄腫細胞株を含む哺乳動物細胞が含まれる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ヒト細胞または非ヒト霊長類細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細胞株由来の細胞である。好適な宿主細胞または細胞株の例には、293細胞、HeLa細胞、SH-Sy5y細胞、Hep G2細胞、CACO-2細胞、A549細胞、L929細胞、3T3細胞、K562細胞、CHO-K1細胞、MDCK細胞、HUVEC細胞、Vero細胞、N20細胞、COS-7細胞、PSN1細胞、VCaP細胞、CHO細胞などが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0227】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスアンプリコンである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、HSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンである。いくつかの実施形態では、ヘルパーウイルスを含む宿主細胞を本明細書に記載のHSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンと接触させることにより、本明細書に記載の1つ以上の組換え核酸を含むウイルスが産生される。いくつかの実施形態では、ウイルスを、接触させた宿主細胞の上清から回収する。ヘルパーウイルスを含む宿主細胞をHSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンと接触させることによってウイルスを産生する方法は、当該技術分野において既知である。
【0228】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、補完宿主細胞である。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞は、本明細書に記載のウイルスベクターのいずれかにおいて不活性化される1つ以上の遺伝子を発現する。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞を、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)と接触させる。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞を組換えヘルペスウイルスゲノムと接触させることにより、本明細書に記載の1つ以上の組換え核酸を含むヘルペスウイルスが産生される。いくつかの実施形態では、ウイルスを、接触させた宿主細胞の上清から回収する。補完宿主細胞を組換え単純ヘルペスウイルスと接触させることによってウイルスを産生する方法は、概して、WO2015/009952、WO2017/176336、WO2019/200163、及び/またはWO2019/210219に記載されている。
【0229】
VIII.製品またはキット
本開示の特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のいずれかを含む製品またはキットに関する。いくつかの実施形態では、製品またはキットは、組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物、または製剤を投与するための指示書を含む添付文書を含む。
【0230】
組換え核酸、ウイルス、医用薬剤、及び/または医薬組成物もしくは製剤のための好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、バッグ、チューブ及びシリンジが含まれ得る。容器は、様々な材料、例えば、ガラス、プラスチック(ポリ塩化ビニルもしくはポリオレフィンなど)、または合金(ステンレス鋼もしくはハステロイなど)から形成され得る。いくつかの実施形態では、容器は、容器上のまたは容器に付属のラベルを含み、ラベルは使用のための指示を示している。製品またはキットは、その他の緩衝液、希釈剤、フィルター、吸入器、ネブライザー、鼻腔内投与装置、添付文書などを含む、商業的及び使用者の観点から望ましいその他の材料をさらに含み得る。
【0231】
本明細書は、当業者が本開示を実施することを可能にするのに十分なものであるとみなされる。本明細書に示され、説明される改変に加えて、本開示の様々な改変が前述の説明から当業者に明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に入るであろう。
【実施例】
【0232】
本開示は、以下の実施例を参照することにより、より完全に理解されるであろう。しかしながら、それらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載される実施例及び実施形態は例示のみを目的とするものであり、それを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、それらは本出願の趣旨及び範囲内に、ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。
【0233】
実施例1:吸入治療用ポリペプチドをコードする改変単純ヘルペスウイルスベクター
標的哺乳動物細胞(呼吸器の細胞など)中で吸入治療用ポリペプチドを発現することができる改変単純ヘルペスウイルスゲノムベクターを作製するために、まず、単純ヘルペスウイルスゲノム(
図1A)を、1つ以上の単純ヘルペスウイルス遺伝子を不活性化するように改変させる。このような改変は、哺乳動物細胞におけるゲノムの毒性を低減させ得る。次に、これらの改変/弱毒化組換えウイルスコンストラクトのバリアントを、それらが所望の吸入治療用ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを保有するように生成する。これらのバリアントには以下が含まれる:1)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下にある吸入治療用ポリペプチド(例えば、配列番号3)のコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4改変HSV-1ゲノム(
図1B);2)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下にある吸入治療用ポリペプチド(例えば、配列番号3)のコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41改変HSV-1ゲノム(
図1C);3)各UL41遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下にある吸入治療用ポリペプチド(例えば、配列番号3)のコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41改変HSV-1ゲノム(
図1D);4)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下にある吸入治療用ポリペプチド(例えば、配列番号3)のコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(
図1E);5)各ICP22遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下にある吸入治療用ポリペプチド(例えば、配列番号3)のコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(
図1F);6)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下にある吸入治療用ポリペプチド(例えば、配列番号3)のコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(
図1G);7)各UL41遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下にある吸入治療用ポリペプチド(例えば、配列番号3)のコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(
図1H);及び8)各ICP22遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下にある吸入治療用ポリペプチド(例えば、配列番号3)のコード配列を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41/ΔICP22改変HSV-1ゲノム(
図1I)。
【0234】
これらの改変単純ヘルペスウイルスゲノムベクターを、1つ以上の単純ヘルペスウイルス遺伝子を発現するように改変された、操作された細胞にトランスフェクトする。これらの操作された細胞は、細胞培養物の上清に、改変されたゲノムがその中にパッケージングされた複製欠損単純ヘルペスウイルスを分泌する。次に、上清を回収して濃縮し、5μmのフィルターに通して滅菌濾過する。
【0235】
実施例2:野生型及び変異型動物の気道への改変単純ヘルペスウイルスベクターのin vivo投与
8匹のC57BL/6マウス(「野生型」)及び4匹の腸を矯正したCFTR欠損Cftrtm1UncTg(FABPCFTR)1 Jaw/Jマウス(「CFTR-/-」)でin vivo実験を行い、改変単純ヘルペスウイルスベクター(「HSV-CFTR」、ヒトCFTRをコードする操作されたHSV-1)が、非侵襲的な吸入投与に修正可能であり、かつ投与された動物の気道全体に組織を形質導入することができるか否かを判断した。4匹の野生型マウス及び4匹のCFTR-/-マウスに、臨床的に承認されたネブライザーを使用して、HSV-CFTRを並行して投与した。この同じ吸入装置を使用して、4匹の野生型マウスにビヒクル対照を別々に投与した。実験を通して実施されたケージ側及び臨床観察では、HSV-CFTRとビヒクル処置動物との間に差がないことが確認された。群間で体重差は見られなかった。噴霧の48時間後、動物を安楽死させ、次の組織サンプルを各動物の気道全体で別々に採取した:気管(上及び下)、気管支(左及び右)、右肺(前葉、中葉、後葉、及び副葉)、ならびに左肺。qPCR/qRT-PCR分析用の組織(2匹/群)を液体窒素で急速冷凍した。組織学用の組織(2匹/群)を10%中性緩衝ホルマリンで固定し、パラフィン包埋した。剖検中、任意の処置された動物の肉眼的観察は認められなかった。
【0236】
HSV-CFTRに曝露された動物の気道から採取された生検材料から、qPCR分析によって検出可能なレベルのヒトCFTR DNAを明らかにし、ベクターの大部分は、右肺及び左肺に比較的均等に播種させた(
図2A)。驚いたことに、CFTR欠損動物は、テストしたすべての肺組織で形質導入効率の改善を示し、それぞれ右副葉、右後葉、右前葉、右中葉、及び左肺葉で検出されたベクターゲノムが、野生型対応物と比較して、31.9倍、7.1倍、3.2倍、6.4倍、及び3.4倍増加した。外れ値として右副葉肺を無視した場合であっても、HSV-CFTR形質導入の5.1倍の増加が、CFTR
-/-マウス及び野生型マウスで検出された。ヒトCFTR RNAが、投与された動物の肺中で検出され、テストされたほとんどの組織中で、CFTR欠損動物対野生型動物において、より高い導入遺伝子発現が検出されたため、この転写レベルでも、同様の傾向が観察された(
図2B)。ビヒクル処置動物では、ヒトCFTR DNAまたはRNAがほとんどまたはまったく観察されなかったことから、ヒト導入遺伝子がコードされたHSV-CFTRのアッセイの特異性が示唆された。
【0237】
各処置群から気道全体で採取された組織の組織学的検査を実施して、操作されたベクターによる感染が、急性炎症、壊死、またはin vivoでのHSV-CFTR吸入療法の潜在的な安全性の懸念を示し得る他の肉眼的生理学的変化を引き起こしたか否かを判断した。ビヒクル処置マウスと比較して、野生型またはCFTR欠損免疫担当動物からのHSV-CFTR投与組織のいずれにおいても、免疫細胞浸潤、線維症、または壊死の明らかな徴候は検出されなかった(
図3)感染の48時間後にこれらの動物から採取した気管支肺胞洗浄(BAL)液は、群間で肺への細胞浸潤に有意差が認められなかったことを示し、さらに、噴霧後の野生型動物及びCFTR欠損動物の両方において、このベクターが安全であることを示している(
図4)。
【0238】
まとめると、このデータは、この改変単純ヘルペスウイルスベクターが、臨床的に承認されたネブライザーを使用した非侵襲的吸入投与に適していること、及びベクターが、CFTR欠損肺上皮の状況で効果的に送達され得ることを示し、これにより、強力な形質導入及び標的気道組織において、コードされたヒトCFTR導入遺伝子がその後に発現することが明らかになる。
【0239】
実施例3:非ヒト霊長類における反復投与改変単純ヘルペスウイルスベクターのin vivo忍容性及び生体内分布
本試験の目的の一部は、噴霧後の非ヒト霊長類(NHP)における改変単純ヘルペスウイルスベクターの送達を評価することであった。本試験は、一部は、改変単純ヘルペスウイルスベクターの反復送達が、将来の吸入試験のために実行可能であることを確実にするために実施した。単一の雄のカニクイザルは、合計3回の曝露(ビヒクル(1日目)、低用量HSV-CFTR(5日目)、及び高用量HSV-CFTR(17日目))を受け、その後安楽死させ、組織収集を行った(
図5)。収集された組織には、脳、脾臓、腎臓、肝臓、肺(3つの固有の場所)、心臓、ならびにリンパ節(腋窩及び鼠径部)を含めた。血液は、また、吸入適用後の薬物生成物への全身曝露を判断するために、投与前及び投与後に採取した。実施された手順はすべて、該当する動物福祉法に準拠しており、各国のInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)によって承認された。
【0240】
本試験を通して、動物について異常なケージ側または臨床的観察は認められなかった。さらに、投薬期間中に食物消費または体重の変化は見られず、これは、改変単純ヘルペスウイルスベクターの反復投薬が十分に許容されたことを示している。
【0241】
噴霧された高用量HSV-CFTRの投与から48時間後の19日目に、それぞれ、qPCR及びqRT-PCRを介して生体内分布及びエフェクター発現を分析するために、血液及び組織サンプルを収集した。試験した3つの肺組織すべてで有意なベクターの蓄積が観察されたが、残りの組織中ではベクターがほとんどまたはまったく検出されなかった(
図6A)。すべての血液サンプルは、qPCRアッセイの検出限界を下回っていた。これは、ベクターが循環器系への有意な拡散はなく、気道に限定されていることを示唆している。ヒトCFTR RNAは、主に動物の肺で検出され、他の試験組織では、エフェクターの発現は、あるにしても、ほとんどなかった(
図6B)。興味深いことに、肺中での導入遺伝子の発現レベルは、試験組織中でのベクターゲノムよりも1~2桁高く(組織のコピー/グラムベースで)、噴霧後の気道上皮の感染時に、改変単純ヘルペスウイルスベクターが、コードされたヒト導入遺伝子を確固として発現することを示唆している。
【0242】
まとめると、理論によって拘束されることを望むものではないが、本明細書で提供される前臨床データは、改変単純ヘルペスウイルスベクターが、関連する気道上皮を感染させることが可能であり、コードされたヒト導入遺伝子を効率的に産生し、有意な毒性または全身性のベクター分布のない、臨床的に関連のあるネブライザーを使用する非侵襲的吸入投与を介して、in vivoで動物に(再)投与させ得ることを示している。したがって、理論によって拘束されることを望むものではないが、これらのin vivo試験及び安全性評価の結果により、遺伝性肺疾患の治療のための新規の標的化された広く適用可能な遺伝子治療ベクターとしての吸入用の操作単純ヘルペスウイルスの適用が裏付けられる。
【0243】
実施例4:ヒトアルファ-1-アンチトリプシンをコードする改変単純ヘルペスウイルスベクターの構築
次の実施例では、ヒトSERPINA1を正常にコードし(例えば、配列番号1及び2を参照)、完全長のヒトアルファ-1-アンチトリプシン(A1AT)タンパク質を発現した(例えば、配列番号3を参照)組換えHSV-1の操作について記載している。
【0244】
組換えHSV-1は、異種プロモーター及びポリA配列を含むヒトSERPINA1発現カセットを組み込むように操作された(例えば、実施例1を参照)。ヒトSERPINA1カセットを含むことが推定される18のウイルスプラークを採取し、補完細胞株における感染によってスクリーニングし、ウエスタンブロット分析によって、ヒトA1ATタンパク質の発現の試験を行った(データは示さず)。その後、さらなるin vitro分析のために、HSV-A1ATと呼ばれる高発現クローンのうちの1つを選択した。
【0245】
非補完U2-OS及びVero細胞は、ビヒクル対照にモック感染させたか、無血清細胞培養培地において、感染多重度(MOI)1または2でHSV-A1ATに感染させた。感染の48時間後、細胞ペレットを採取し、プロテアーゼ阻害剤を含むRIPAバッファー中で溶解し、タンパク質含有量をBCAアッセイで定量した。30μgの各サンプルをロードして4~15%アクリルアミドゲルで泳動させ、ヒトタンパク質がコードされたHSVの発現をウエスタンブロット分析で評価した(
図7)。陽性対照として、組換えヒトA1AT(rA1AT)をゲルにロードした。非感染対照のVero細胞及びU2-OS細胞ではヒトA1ATは検出されなかったが、両方の細胞株中でHSV-A1ATに感染後、ヒトA1ATの確固とした発現が用量依存的に観察された。A1ATは、自然に分泌されるタンパク質であるため、細胞培養上清も採取し、ヒトタンパク質の存在について試験した(
図8)。細胞ペレットのデータと一致して、モック感染した対照は、A1ATの分泌を十分に示さなかった。しかし、試験した両方のMOIでHSV-A1ATに感染したVero細胞及びU2-OS細胞の上清中でヒトA1ATが検出され、これは、組換えベクターからの発現後に完全長のヒトタンパク質が適切に処理/分泌されたことを示唆している。
【0246】
まとめると、この実施例で提示されたデータは、組換えHSV-1ベクターHSV-A1ATが、複数の細胞型を効率的に形質導入し、そこにコードされているヒト導入遺伝子を発現できたことを示している。さらに、データは、外因性のヒトタンパク質がその後(適切に)感染細胞から分泌されたことを示している。理論に拘束されることを望むものではないが、このデータは、遺伝性肺疾患の治療のための新規の、標的化された、広く適用可能な遺伝子治療ベクターとしての操作された単純ヘルペスウイルスの使用をさらに裏付けるものと考えられる。
【配列表】
【国際調査報告】