(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(54)【発明の名称】温度センサを含む回転電気機械
(51)【国際特許分類】
H02K 11/25 20160101AFI20230220BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20230220BHJP
H02K 11/215 20160101ALI20230220BHJP
【FI】
H02K11/25
G01K1/14 L
H02K11/215
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537543
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2020086725
(87)【国際公開番号】W WO2021122961
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508075579
【氏名又は名称】ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ、ワルメ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム、オレロン
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、ボーコテ
(72)【発明者】
【氏名】リュック、コビランスキ
(72)【発明者】
【氏名】アリス、アチャチェ
(72)【発明者】
【氏名】クレマン、ベルナルド
(72)【発明者】
【氏名】リカルド、ゴンカルベス-ダ-コスタ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン、ルフェーブル
(72)【発明者】
【氏名】マチュー、トレギエ
(72)【発明者】
【氏名】チャーリー、ザネッラ
【テーマコード(参考)】
2F056
5H611
【Fターム(参考)】
2F056CL07
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB02
5H611PP05
5H611QQ03
5H611QQ04
5H611RR02
5H611TT01
5H611UA01
(57)【要約】
本発明は、軸線Xの回転電気機械であって、相互接続された前軸受(16)および後軸受(17)によって内部に保持される、固定子(15)によって囲まれる回転子(12)を保持する軸(13)と、電力エレクトロニクス(37)および制御エレクトロニクス(38)を含む、後軸受(17)に軸方向に搭載されるエレクトロニクスアセンブリ(36)と、ターゲット(51)と結合する、回転子の位置を検知するための位置センサ(50)であって、ターゲット(51)は、回転子(12)上での回転に閉じ込められて回転子(12)と後軸受(17)との間に軸方向に設置されるターゲットキャリア(510)に固定され、位置センサ(50)は、磁気ターゲット(51)の通過を検出するように設計される検出部分(52)、および位置センサをエレクトロニクスに接続するための電気接続部分(53)を含み、位置センサを検出するための検出部分(52)は、エレクトロニクスアセンブリ(36)によって保持される、位置センサ(50)と、温度センサ(40)であって温度を局所的に測定するように設計される測定プローブ(401)を含む温度センサと、温度センサをエレクトロニクスに接続するための電気接続部分(402)とを含み、温度センサ(40)が位置センサ(50)によって保持されることを特徴とする、回転電気機械を提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線Xを有する回転電気機械であって、
互いに接続される前軸受(16)および後軸受(17)によって前記回転電気機械の内部で支持される軸(13)であって、固定子(15)によって囲まれる回転子(12)を支持する軸(13)と、
電力エレクトロニクス(37)および制御エレクトロニクス(38)を含む、前記後軸受(17)に軸方向に取り付けられる電子アセンブリ(36)と、
前記回転子の位置に関するセンサ(50)であって、前記センサは、ターゲット(51)と結合し、
前記ターゲット(51)は、前記回転子(12)上での回転に組み込まれるターゲットキャリア(510)であって、軸方向において前記回転子(12)と前記後軸受(17)との間に埋め込まれるターゲットキャリア(510)に固定され、
前記位置センサ(50)は、前記磁気ターゲット(51)の通過を検出するように設計される検出部分(52)、および前記エレクトロニクスへの前記位置センサの電気接続のための部分(53)を含み、
前記位置センサの前記検出部分(52)は、前記電子アセンブリ(36)によって支持される、前記センサ(50)と、
温度センサ(40)であって、
前記温度センサは、温度を局所的に測定するように設計される測定プローブ(401)、および前記エレクトロニクスへの前記温度センサの電気接続のための部分(402)を含む、前記温度センサ(40)と
を含み、
前記温度センサ(40)が前記位置センサ(50)によって支持されることを特徴とする、回転電気機械。
【請求項2】
前記位置センサの前記検出部分(52)および前記温度センサの前記測定プローブ(401)は、180°よりも小さい、および有利には90°よりも小さい前記機械の前記軸線の周りの角度区域に位置付けられる、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記温度センサの前記測定プローブ(401)は、軸方向において前記後軸受(17)と前記電子アセンブリ(36)との間に位置付けられる、請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
前記温度センサの前記測定プローブ(401)は、前記位置センサの前記検出部分(52)によって支持される、請求項1~3のいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
センサキャリア(54)を含み、前記位置センサの前記検出部分(52)、および前記温度センサの前記測定プローブ(401)は、前記センサキャリア(54)に封入される、請求項4に記載の機械。
【請求項6】
前記センサキャリア(54)は、前記機械の前記軸線の周りで周方向に隣接し、また第3の部分(54c)によって互いに接続される少なくとも1つの別個の第1の部分(54a)および少なくとも1つの別個の第2の部分(54b)を含み、前記第1の部分(54a)が前記位置センサの前記検出部分(52)をオーバーモールドし、前記第2の部分(54b)が前記温度センサの前記測定プローブ(401)をオーバーモールドしている、請求項5に記載の機械。
【請求項7】
前記温度センサの前記測定プローブ(401)は、前記位置センサの前記接続部分(53)によって支持される、請求項1~3のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記温度センサの前記接続部分(402)および前記位置センサの前記接続部分(53)は、前記制御エレクトロニクス(38)の接地に電気的に接続される共通接地を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、特に自動車両のための回転電気機械に関し、温度センサは、信頼できる温度測定を提供するように位置付けられる。
【0002】
本発明は、発電機または電動モータとして動作することができる交流機または可逆機などの回転電気機械分野において適用可能である。
【背景技術】
【0003】
既知の様式では、回転電気機械は、固定子、および軸と一体の回転子を含む。回転子は、駆動軸および/または従動軸に強固に接続され得、交流機、電動モータ、または両方のモードで動作することができる交流機-始動機タイプの可逆機の形態にある回転電気機械の部分を形成することができる。
【0004】
固定子は、ローラ軸受を用いて軸受上で軸を回転させるように構成されるハウジングに取り付けられる。回転子は、例えば、“爪回転子”タイプのものであり、2つの磁石ホイールを含み、これらの各々は、回転子コイルが周りに巻き付けられる極および芯を形成するために互いの内側で瓦状に重ねられる(imbricated)爪を有する。別の例によると、回転子は、好適な固定システムを用いてセットの形態で保持される金属板シートの積層によって形成される本体部を含む。回転子は、例えば、回転子の磁性物質に提供される空洞に収容される永久磁石によって形成される極を含む。代替的に、いわゆる“突”極構造においては、極は、回転子のアームの周りに巻き付けられるコイルによって形成される。
【0005】
機械および電子アセンブリが周囲空気によって冷却されるとき、好適に位置付けられた温度センサは、異なる構成要素の温度を測定または推定すること、およびこれによって機械を過熱から保護することを可能にする。これらのセンサは、習慣的に、電子アセンブリ内に位置付けられる。電子アセンブリが、液体、例えば、機械が設置される車両を冷却するための回路によって冷却され、機械が周囲空気によって冷却される場合、電子アセンブリ内に位置付けられる温度センサはもはや、外気からの十分に信頼できる情報を与えることができない。この場合、機械の温度、特に回転子および固定子の温度の推定はもはや、必要とされる精度で実行されることができない。機械の性能を不必要に抑制しないようにするためには、かなりの精度が必要である。このため、機械の温度を推定または測定するために別のソリューションが明らかにされなければならない。
【0006】
特許文献フランス特許第3046507号に説明される先行技術による機械において、温度センサは、固定子巻線に留められる。このタイプの温度センサの取り付けは、実施するのが困難であり、また高価である。実際、固定子巻線によって形成されるシニヨン(chignon)の形態は、温度センサを容易に組み込むための領域を有することを可能にしない。主に実施されるソリューションは、樹脂が固定子シニヨン上に設置されることを必要とし、これは、製造中のリスク、および特に、回転子または固定子の汚染のリスクを増大させる。加えて、このタイプの温度センサの位置付けにより得られる温度測定は、機械温度を十分に表さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、先行技術の欠点を回避することを可能にすることを目指す。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明の目標は、機械の回転子の位置を決定するためにすでに使用されているセンサへの温度センサの統合である。
【0009】
本発明によると、軸線Xを有する回転電気機械は、互いに接続される前軸受および後軸受によって回転電気機械の内部で支持される軸であって、固定子によって囲まれる回転子を支持する軸と、電力エレクトロニクスおよび制御エレクトロニクスを含む、後軸受に軸方向に取り付けられる電子アセンブリと、回転子の位置に関するセンサであって、センサは、ターゲットと結合し、ターゲットは、回転子上での回転に組み込まれるターゲットキャリア(510)であって、軸方向において回転子と後軸受との間に埋め込まれるターゲットキャリアに固定され、位置センサは、磁気ターゲットの通過を検出するように設計される検出部分、およびエレクトロニクスへの位置センサの電気接続のための部分を含み、位置センサの検出部分は、電子アセンブリによって支持される、温度センサであって、温度を局所的に測定するように設計される測定プローブと、エレクトロニクスへの温度センサの電気接続のための部分とを含む温度センサとを含み、温度センサが位置センサによって支持されることを特徴とする。
【0010】
故に、本発明は、以後説明されるように、機械の軸方向の空気流において、位置センサの近くにおける温度センサの位置付けを考慮して、より信頼できる温度測定を得ることを可能にする。故に、本発明は、組み込むのがはるかにより単純である温度測定を得ること、および故に費用を著しく制限することを可能にする。加えて、エレクトロニクスへの温度センサの接続が、故に促進され、その費用が制限される。
【0011】
1つの実施形態によると、位置センサの検出部分および温度センサの測定プローブは、180°よりも小さい、および有利には90°よりも小さい機械の軸線の周りの角度区域に位置付けられる。
【0012】
本発明の1つの実施形態によると、温度センサの測定プローブは、軸方向において後軸受と電子アセンブリとの間に位置付けられる。
【0013】
本発明の1つの実施形態によると、温度センサの測定プローブは、位置センサの検出部分によって支持される。
【0014】
本発明の1つの実施形態によると、本機械は、センサキャリアを含み、位置センサの検出部分および温度センサの測定プローブは、上記センサキャリアに封入される。
【0015】
本発明の1つの実施形態によると、センサキャリアは、機械の軸線の周りで周方向に隣接し、また第3の部分によって互いに接続される少なくとも1つの別個の第1の部分および少なくとも1つの別個の第2の部分を含み、第1の部分が位置センサの検出部分をオーバーモールドし、第2の部分が温度センサの測定プローブをオーバーモールドしている。
【0016】
1つの実施形態によると、温度センサの測定プローブは、位置センサの接続部分によって支持される。
【0017】
1つの実施形態によると、温度センサの接続部分および位置センサの接続部分は、制御エレクトロニクスの接地に電気的に接続される共通接地を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による回転電気機械の断面図を概略的および部分的に表す図である。
【
図2】位置センサを組み込む機械の電子アセンブリの斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態による、位置センサと制御エレクトロニクスとの電気的組み立てを例証する図である。
【
図5】機械内の空気流を概略的に例証する図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態による、位置センサに対する温度センサの取り付けの図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
説明の継続において、“軸方向に”とは、機械の軸線に沿って延びることを意味し、“正放線状に(orthoradially)”とは、機械の軸線を横断する平面において、機械の軸線の周りの角度区域(angular sector)に従って延びることを意味する。
【0020】
図1は、特に自動車両のための、小型多相交流機10を表す。この交流機は、機械エネルギーを電気エネルギーへと変換し、また可逆であり得る。可逆交流機は、交流機-始動機として知られ、特に、車両の熱機関を始動させるために、電気エネルギーを機械エネルギーへと変換することを可能にする。
【0021】
交流機10は、ハウジング11、およびハウジングの内側に、軸13と直接的または間接的に回転において一体である爪回転子12、ならびに、空隙の存在を伴って回転子12を囲む固定子15を含む。軸3の軸線X-Xは、回転子12の回転の軸線を形成する。
【0022】
説明の継続において、径方向、横断方向、および軸方向の配向は、この軸線X-Xに対して考えられるものとする。
【0023】
固定子15は、固定子の相の取り付けのための切り込み絶縁体を備えている、例えば、半閉鎖タイプの切り込みが設けられた金属板27のセットの形態にある本体部を含み、各相は、少なくとも1つの巻線を含み、この少なくとも1つの巻線は、固定子の本体部の切り込みを通過し、また、すべての相と一緒に、固定子の本体部の両側に前シニヨン29および後シニヨン30を形成する。
【0024】
巻線は、例えば、エナメルで被覆される連続ワイヤから、または、例えば、溶接によって互いに接続されるピンなど、棒の形態にある導電素子から得られる。
【0025】
これらの巻線28は、例えば、星または三角形の形態で接続される3相巻線であり、その出力は、以後説明される電子アセンブリ36に電気的に接続される。
【0026】
回転子12は、2つの磁石ホイール31を含む。各ホイール31は、その外周に、例えば、台形形態および軸方向の配向を有する爪33が提供される、横断方向の配向を有するプレート32を有する。一方の磁石ホイール31の爪33は、他方のホイールのプレート32に軸方向に面し、爪33は、爪33が瓦状に重ねられるように、他方の磁石ホイールの2つの隣接する爪33の間に存在する空間に貫通している。
【0027】
爪33の外周は、軸方向の配向を有し、固定子の本体部の内周と一緒に、固定子15と回転子12との間の空隙を画定する。
【0028】
ホイール32のプレートは、環状形態を有する。
【0029】
円筒状の芯34は、ホイールのプレートの間に軸方向に挿入される。
【0030】
芯と爪33との間に、回転子12は、ハブおよびこのハブ上の電気巻線を含むコイル35を含む。
【0031】
説明される例において、ハブは、プラスチック材料などの電気絶縁材料で作製される一方、磁石ホイール31および芯は、金属、この場合、軟鋼などの強磁性材料で作製される。軸13も金属であり、爪回転子の磁石ホイールおよび芯よりも硬い鋼などの強磁性材料で作製される。
【0032】
ハウジング11は、一緒に組み立てられる前軸受16および後軸受17を含む。後軸受17は、ブラシホルダ24、電圧調節器、および少なくとも1つの整流器ブリッジを支持する。
【0033】
軸受16および17は、中空形態を有し、各々が、回転を伴う回転子12の軸13の取り付けのため、それぞれボール軸受18および19を中央に支持する。
【0034】
プーリ20は、例えば、このプーリの空洞の底部に支持されるナットを用いて、軸13のいわゆる前端に固定される。
【0035】
軸13の前端は、交流機と自動車両の熱機関との間の少なくとも1つのベルトへの運動の伝達のためのデバイスに付随するプーリを支持する一方、軸3の減少した直径を有する後端6は、巻線への線接続によって接続される収集装置リングを支持する。ブラシホルダに付随するブラシは、収集装置リングを擦るように位置付けられる。ブラシホルダは、電圧調節器に接続される。
【0036】
収集装置リングは、収集装置22に付随する。収集装置リング21に加えて、収集装置22はまた、巻線への電気接続を確実にするために変形され得る電気接続突起を含む。これらの突起は、収集装置リングに電気的に接続される。
【0037】
励起巻線がブラシによって電気的に供給されるとき、回転子12は、磁化され、爪における、および故に磁石ホイールの爪における南-北磁極の形成により、インダクタ回転子になる。
【0038】
このインダクタ回転子は、軸13が回転しているとき、誘導固定子内に交流誘導電流を作成し、説明される電子アセンブリ36の整流器ブリッジ(複数可)はこのとき、特に、自動車両の車載ネットワークの充電物および消費物に供給するため、ならびに上記車両のバッテリを再充電するために、誘導交流電流を直流へと変換することを可能にする。
【0039】
この回転子12は、回転子の外周上の2つの隣接する爪の間に挿入される永久磁石を含み得る。変形として、回転子12は、そのような磁石なしでもよい。
【0040】
前軸受16および後軸受17は、回転子の後背面上での、すなわち、後軸受17における、後ファンとして知られるファン26の回転により生成される空気の循環によって交流機の冷却を可能にする目的で、空気の通過のための実質的に横の開口部を含む。各ファン25、26は、例えば、ねじを用いて、またはリベット締めによって、またはさらにスポット溶接によって、対応する磁石ホイールに固定される。
【0041】
故に、本機械はまた、電子アセンブリ36を含み、電子アセンブリ36は、この場合ハウジング11に取り付けられ、巻線28の少なくとも1つの相を制御することを可能にする少なくとも1つの電子動力モジュール37を含む。電子動力モジュール37は、生成された交流電圧を直流電圧へと変換するため、およびその逆のために、電圧整流器ブリッジを形成する。電子動力モジュールは、有利には、MOSFETからなるコンデンサおよび動力モジュールを含む。
【0042】
電子アセンブリ36はまた、制御盤を含む電子制御モジュール38を含む。電子動力モジュール37および電子制御モジュール38の組み立ては、
図2に例証される。
【0043】
回転子12の位置は、同じく
図2に例証され、また電子アセンブリによって支持される、回転子の位置に関するセンサ50を用いて測定され得る。この位置センサ50は、回転子の角度位置に関する情報を提供するために、磁気ターゲット51と協働する。
【0044】
より一般的には磁気エンコーダとして知られる磁気ターゲット51は、例えば、磁石である。この磁気素子51は、回転子12上での回転に組み込まれる(wedged)。この組み込みは、エンコーダおよび磁石ホイールを相対的に位置付けることによって物理的に、または単純に機械の組み立て後にソフトウェアによって実行され得る。ターゲットは、例えば、回転子12と回転において一体であるターゲットキャリアに固定される。ターゲットは、軸方向において回転子と後軸受との間に埋め込まれる。
【0045】
位置センサは、ターゲットに面して位置付けられるように、後軸受内の開口部を軸方向に通過する。
【0046】
この位置センサは、後軸受によって支持される検出部分52を含む。検出部分は、例えば、3つの位置プローブ520を含み、これらは、例えば、ホール効果プローブである。これらのプローブは、センサキャリア54によって支持され、各々、制御エレクトロニクスの制御盤に電気的に接続される。センサキャリア54は、例えば、プラスチック製の容器であり、この中に、ホール効果プローブが、例えば、成型または溶接されることによって、収容される。
【0047】
これらのプローブは、互いに隣接し、ターゲットに面して正放線状に位置付けられ、センサの検出部分52を形成している。各ホール効果プローブは、3つの電極521a、521b、521cを含み、そのうちの2つは、測定電極521aおよび521bであり、そのうちの1つは、接地電極521cである。3つの電極は、実質的に軸方向に延び、
図3に表されるように、機械の軸線Xの周りで互いに隣接する。
【0048】
プローブは、
図4に例証されるように、180°よりも小さい、および有利には90°よりも小さい角度区域の周りに正放線状に分布する。
【0049】
センサキャリア54は、例えば、3つのホール効果プローブが中に収容されるプラスチック部品である。センサキャリア54は、有利には、3つの電極521a、521b、521cの各々がエレクトロニクスに面して位置付けられた状態で、軸線Xの周りに王冠状の形態を有する。
【0050】
図3に例証されるように、コネクタ530が各ホール効果プローブから延び、各ホール効果プローブを制御エレクトロニクスに接続することを可能にする。プローブと制御盤との間の接続は、トラックを用いて提供され、制御盤が、機械の回転中にプローブによって発せられる電気信号を受信することを可能にする。プローブとトラックとの間の接続、ならびに制御盤とトラックとの間の接続は、例えば、溶接によって提供される。
【0051】
図4に例証される、制御エレクトロニクスへの位置センサの電気接続のための部分53は、3つのホール効果プローブの各々を制御エレクトロニクスに接続するトラックの組み立て品を含む。
【0052】
位置センサの検出部分52、センサキャリア54、および接続部分53は、有利には、ケース55にオーバーモールド(over-molded)される。ケース55は、例えばプラスチック製である。
【0053】
ケース55は、各プローブを制御盤に電気的に接続するトラックを含む。これらのトラックは、例えば、プラスチックケース55にオーバーモールドされ、機械の使用中これらのトラックの保持を保証することを可能にする。
【0054】
図5は、回転子上に位置付けられるファンのおかげで、ならびに異なる構成要素の組み立てによって有利に作成される経路のおかげで作成される空気の流れを示す。軸受の上方開口部を通じて入る空気は、横の開口部を通じて出る前に、巻線を冷却することを可能にする。
【0055】
本機械はまた、機械の温度を測定するように設計される温度センサ40を含む。
【0056】
温度センサは、温度を局所的に測定するように設計される測定プローブ401を含み、この測定プローブ401から2つのコネクタが延び、上記コネクタは、プローブを制御エレクトロニクス38に電気的に接続することを可能にする。故に、温度センサは、接地コネクタ402c、およびプローブの末端に電位差を印加することを可能にするコネクタ402aを含む。
【0057】
温度センサは、例えば、有利には、負温度係数センサである。温度センサは、例えば、負温度係数温度センサまたは正温度係数温度センサである。
【0058】
温度センサは、位置センサによって支持される。
【0059】
“位置センサによって支持される温度センサ”とは、温度センサの接続部分が位置センサの接続部分と共有された状態で、温度プローブが、位置センサのケースに含まれること、または、位置センサのケースの表面に取り付けられることを意味する。特に、温度プローブが位置センサのケースに含まれる場合、温度プローブおよびホール効果プローブは、単一のセンサキャリアによって、または2つの異なるセンサキャリアによって支持されることが想定され得る。温度プローブおよびホール効果プローブが、正放線状に隣接する2つの異なるセンサキャリアによって支持される場合、ケースは、機械の軸線の周りに正放線状に隣接する2つの分断された部分を有し得、これらの2つの分断された部分は、以後説明および例証されるように、2つのセンサの少なくとも接続部分を収容する共通部分によって接続される。
【0060】
故に、温度センサは、位置センサの近くに位置付けられ、その結果として、温度センサは、同じ空気流を浴び、その空気流の温度は、機械温度を表す。“近くに”とは、センサ間の距離が、軸方向および軸線Xを中心とした正放線状において、機械の寸法に対して小さいことを意味する。
【0061】
上に説明される実施形態において、位置センサの検出部分52および温度センサの測定プローブ401は、180°よりも小さい機械の軸線の周りの角度区域に正放線状に位置付けられる。角度区域は、
図3に例証されるように、有利には90°よりも小さい。故に、温度センサによって測定される温度は、位置センサの近くの機械空気の温度と実質的に同じである。
【0062】
第1の実施形態によると、温度センサの測定プローブ401は、位置センサの検出部分52によって支持される。
【0063】
温度プローブは、有利には、センサキャリア54によって支持される。
【0064】
3つのホール効果プローブ520および温度センサ401は、有利には、互いに平行に、および機械の軸線に平行に延びる。
【0065】
ホール効果プローブおよび温度プローブは、同じセンサキャリアに収容される。センサキャリアは、例えば、機械の軸線の周りに正放線状に延びる王冠状の形態を有する。プローブは、有利には、センサキャリアにオーバーモールドされる。
【0066】
この実施形態によると、温度プローブ401およびコネクタ402a、402cもまた、ケース55に収容される。
【0067】
このようにプラスチックに収容される温度プローブは、プラスチックが周囲空気による温度プローブの熱化を防がずに、温度プローブが浴びる空気の温度の信頼できる測定を得ることを可能にする。補正熱モデルが、任意選択的に、温度プローブにおいて実行される温度測定を補正するために使用され得る。
【0068】
上に説明されるようなこの実施形態の変形によると、
図4に例証されるように、ケース55は、ホール効果プローブおよび温度プローブを分離する軸方向の切り込みを有する。
【0069】
故に、ケース55は、軸線Xの周りに正放線状に隣接する2つの部分55aおよび55bを含み、各々が実質的に王冠状の形態を有し、2つの隣接する部分は接続部分55cによって接続される。
【0070】
図6に表される第2の実施形態によると、温度の測定のためのプローブ401は、ケース55によって、位置センサ53の接続部分を封入するケースの部分において支持される。
【0071】
この第2の実施形態によると、有利には、接続部分53を被覆するケースの部分において、ケース55に開口部が提供される。このタイプの開口部は、ケースの内部に延びる制御エレクトロニクス38へのコネクタ402aおよび402cによる温度センサのプローブ401の電気接続のためのワイヤの通過を可能にし、このプローブはケース55によって外側に支持される。
【0072】
故に、温度センサのコネクタ402aおよび402cは、ケース55に収容される。
【0073】
以前に説明される実施形態によると、位置センサおよび温度センサの接地電位は、制御エレクトロニクス38の接地に電気的に接続される。実際、接地電位521cおよび402cは、接続部分53において共有される。
【国際調査報告】