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特表2023-508078ロボット掃除デバイスによる物体の移動
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(54)【発明の名称】ロボット掃除デバイスによる物体の移動
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20230220BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20230220BHJP
【FI】
A47L9/28 E
G05D1/02 H
G05D1/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538952
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 EP2019086897
(87)【国際公開番号】W WO2021129918
(87)【国際公開日】2021-07-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516124465
【氏名又は名称】アクチエボラゲット エレクトロルックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォルスベルグ、ペッテル
(72)【発明者】
【氏名】ウェナーストロム、マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】リンデ、マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】カンゲ、フレドリック
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DE02
3B057DE06
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG06
5H301GG08
5H301GG09
5H301LL01
5H301LL17
5H301MM09
(57)【要約】
本開示は、ロボット掃除デバイス(100)の移動を制御する方法及び本方法を実施するロボット掃除デバイス(100)に関する。一態様において、ロボット掃除デバイス(100)の移動を制御する方法が提供される。本方法は、ロボット掃除デバイスが移動する環境の表現を形成する過去のデータを取得すること(S101)と、取得された過去のデータに基づいて、環境内に位置する物体(101)に力をかけて物体(101)を移動させるように、ロボット掃除デバイス(100)の移動を制御すること(S102)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット掃除デバイスの移動を制御する方法であって、
前記ロボット掃除デバイスが移動する環境の表現を形成する過去のデータを取得することと、
前記取得された過去のデータに基づいて、前記環境内に位置する物体に力をかけて前記物体を移動させるように、前記ロボット掃除デバイスの移動を制御することと
を含む方法。
【請求項2】
前記移動の前記制御は、前記取得された過去のデータに基づいて、前記物体を押して前記物体を移動させるように前記ロボット掃除デバイスを制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動の前記制御は、前記取得された過去のデータに基づいて、前記物体に牽引力をかけて前記物体を移動させるように前記ロボット掃除デバイスを制御することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動の前記制御は、前記取得された過去のデータによって指示されるように第1の位置から第2の位置に前記物体を移動させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記移動された物体によって以前に占められていた表面を掃除するために前記第1の位置に戻ることを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記物体に力をかけて前記物体を前記第1の位置に移動させて戻すように、前記ロボット掃除デバイスの移動を制御することを更に含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
過去のデータの前記取得は、前記環境で移動し、且つ前記データを記録するように前記ロボット掃除デバイスを制御することによって実施される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
過去のデータの前記取得は、前記環境で移動し、且つ前記データを記録するように制御された別のロボット掃除デバイスから前記データを受信することによって実施される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記移動の前記制御は、前記取得された過去のデータに基づいて、前記環境内に位置する物体に力をかけて、所望の向きとなるように前記物体を移動させるように、前記ロボット掃除デバイスの移動を制御することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記過去のデータは、前記ロボット掃除デバイスが、物体を移動させることなく、掃除される表面のセクションに到達することができるときを示す統計分布を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記過去のデータは、前記環境における物体の予期される姿勢の統計分布を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記かけられた力が閾値を超えるか否かを判定することと、前記かけられた力が閾値を超える場合、
前記物体に前記力をかけることを停止するように、前記ロボット掃除デバイスの移動を制御することと
を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ロボット掃除デバイスであって、
掃除される領域上で前記ロボット掃除デバイスを移動させるように構成された推進システムと、
前記ロボット掃除デバイスが移動する環境の表現を形成する過去のデータを格納するように構成されたメモリと、
前記環境の画像を取り込むように配置されたカメラデバイスと、
コントローラであって、
前記ロボット掃除デバイスが移動する環境の表現を形成する前記過去のデータを取得することと、
前記取得された過去のデータに基づいて、前記環境内に位置する物体に力をかけて前記物体を移動させるように、前記ロボット掃除デバイスの移動を制御することと
を行うように構成されたコントローラと
を含むロボット掃除デバイス。
【請求項14】
前記コントローラは、前記ロボット掃除デバイスの前記移動を制御するとき、前記取得された過去のデータに基づいて、前記物体を押して前記物体を移動させるように前記ロボット掃除デバイスを制御するように構成される、請求項13に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項15】
前記コントローラは、前記ロボット掃除デバイスの前記移動を制御するとき、前記取得された過去のデータに基づいて、前記物体に牽引力をかけて前記物体を移動させるように前記ロボット掃除デバイスを制御するように構成される、請求項13又は14に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項16】
前記コントローラは、前記ロボット掃除デバイスの前記移動を制御するとき、前記取得された過去のデータによって指示されるように第1の位置から第2の位置に前記物体を移動させるように構成される、請求項13~15のいずれか一項に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項17】
前記コントローラは、前記ロボット掃除デバイスの前記移動を制御するとき、前記移動された物体によって以前に占められていた表面を掃除するために前記第1の位置に戻るように前記ロボット掃除デバイスを制御するように構成される、請求項16に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項18】
前記コントローラは、前記ロボット掃除デバイスの前記移動を制御するとき、前記物体に力をかけて前記物体を前記第1の位置に移動させて戻すように前記ロボット掃除デバイスを制御するように構成される、請求項16又は17に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項19】
前記コントローラは、前記過去のデータを取得するとき、前記環境で移動し、且つ前記環境の画像を取り込むように前記カメラデバイスを制御することによって前記データを記録するように前記ロボット掃除デバイスを制御するように構成される、請求項13~18のいずれか一項に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項20】
前記コントローラは、前記過去のデータを取得するとき、前記環境で移動し、且つ前記データを記録するように制御された別のロボット掃除デバイスから前記データを受信するように構成される、請求項13~19のいずれか一項に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項21】
前記コントローラは、前記ロボット掃除デバイスの前記移動を制御するとき、前記取得された過去のデータに基づいて、前記環境内に位置する物体に力をかけて、所望の向きとなるように前記物体を移動させるように前記ロボット掃除デバイスを制御するように構成される、請求項13~20のいずれか一項に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項22】
前記過去のデータは、前記ロボット掃除デバイスが、物体を移動させることなく、掃除される表面のセクションに到達することができるときを示す統計分布を更に含む、請求項13~21のいずれか一項に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項23】
前記過去のデータは、前記環境における物体の予期される姿勢の統計分布を更に含む、請求項13~21のいずれか一項に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項24】
前記コントローラは、
前記かけられた力が閾値を超えるか否かを判定することと、前記かけられた力が閾値を超える場合、
前記物体に前記力をかけることを停止するように、前記ロボット掃除デバイスの移動を制御することと
を行うように更に構成される、請求項13~23のいずれか一項に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項25】
掃除される表面からごみ及び塵埃を除去するための掃除部材を更に含み、前記コントローラは、前記ロボット掃除デバイスが特定の物体に力をかけると、前記掃除部材をオフに切り替えるように更に構成される、請求項13~24のいずれか一項に記載のロボット掃除デバイス。
【請求項26】
コンピュータ実行可能命令であって、デバイスに含まれるコントローラ上で前記コンピュータ実行可能命令が実行されると、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を前記デバイスに実施させるためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項27】
コンピュータ可読媒体であって、請求項26に記載のコンピュータプログラムをその上に具現化したコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット掃除デバイスの移動を制御する方法及び本方法を実施するロボット掃除デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術分野において、存在し得る障害物に衝突することなく自由に空間内を移動し得るような自律行動するロボットを使用することが望まれている。
【0003】
ロボット真空掃除機が当技術分野で知られており、ロボット真空掃除機は、掃除される表面にわたって掃除機を移動させるための駆動手段をモータの形態で備える。ロボット真空掃除機は、ロボット真空掃除機が自由に動き回り、例えば床の形態の表面を掃除できるように自律行動させるためのマイクロプロセッサの形態のインテリジェンス及びナビゲーション手段を更に備える。これにより、これらの従来技術のロボット真空掃除機は、家具、ペット、壁、扉など、室内に位置する障害物に衝突することなく、程度の差はあるが自律的に室内を動き回り、掃除機がけする能力を有する。
【0004】
当技術分野における問題は、掃除される表面に障害物が置かれていることにより、ロボット真空掃除機が表面を掃除するのを妨げられる場合があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、当技術分野における上記の問題を解決するか又は少なくとも軽減し、ロボット掃除デバイスの移動を制御する改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、第1の態様において、ロボット掃除デバイスの移動を制御する方法によって達成される。本方法は、ロボット掃除デバイスが移動する環境の表現を形成する過去のデータを取得することと、取得された過去のデータに基づいて、環境内に位置する物体に力をかけて物体を移動させるように、ロボット掃除デバイスの移動を制御することとを含む。
【0007】
上記の目的は、第2の態様において、ロボット掃除デバイスであって、掃除される領域上でロボット掃除デバイスを移動させるように構成された推進システムと、ロボット掃除デバイスが移動する環境の表現を形成する過去のデータを格納するように構成されたメモリと、環境の画像を取り込むように配置されたカメラデバイスと、コントローラであって、ロボット掃除デバイスが移動する環境の表現を形成する過去のデータを取得することと、取得された過去のデータに基づいて、環境内に位置する物体に力をかけて物体を移動させるように、ロボット掃除デバイスの移動を制御することとを行うように構成されたコントローラとを含むロボット掃除デバイスによって更に達成される。
【0008】
例えば、ロボット真空掃除機などのロボット掃除デバイスが、家を掃除する命令を与えられたと仮定する。ロボット真空掃除機は、第1の部屋を掃除した後、ロボット真空掃除機自体が以前に記録した過去のデータに基づいて、隣接する第2の部屋に向かう。ロボット真空掃除機が移動する環境の表現を形成する取得された過去のデータを解析することにより、ロボット真空掃除機100は、第1の部屋を掃除した後、更なる掃除のために、隣接する第2の部屋にロボット真空掃除機が向かうべきであることを認識する。過去のデータは、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動するとき、ロボット真空掃除機のカメラが環境の画像を取り込み、ロボット真空掃除機のコントローラが、例えば環境の地図を作成することを目的として、取り込まれた画像から適切なデータを抽出して環境の表現を作成することによって記録され得る。
【0009】
ロボット真空掃除機が、ロボット真空掃除機が第1の部屋から第2の部屋に移動する際に通過しなければならない扉に遭遇した場合、コントローラは、ロボット真空掃除機が実際に第1の部屋から第2の部屋まで扉を介して移動するようになっていることを示す登録された過去のデータに基づいて、ロボット真空掃除機が第2の部屋に入ることができるように、ロボット真空掃除機が扉に力をかけることによって扉を押して開くために扉を押すように、ロボット真空掃除機の移動を制御し得る。
【0010】
一実施形態では、ロボット掃除デバイスは、取得された過去のデータに基づいて、物体に牽引力をかけて物体を移動させるように制御される。
【0011】
一実施形態では、ロボット掃除デバイスは、取得された過去のデータによって指示されるように第1の位置から第2の位置に物体を移動させるように制御される。
【0012】
一実施形態では、ロボット掃除デバイスは、移動された物体によって以前に占められていた表面を掃除するために第1の位置に戻るように制御される。
【0013】
一実施形態では、ロボット掃除デバイスは、物体に力をかけて物体を第1の位置に移動させて戻すように制御される。
【0014】
一実施形態では、過去のデータの取得は、前記環境で移動し、且つデータを記録するようにロボット掃除デバイスを制御することによって実施される。
【0015】
一実施形態では、過去のデータの取得は、前記環境で移動し、且つデータを記録するように制御された別のロボット掃除デバイスからデータを受信することによって実施される。
【0016】
一実施形態では、ロボット掃除デバイスは、取得された過去のデータに基づいて、環境内に位置する物体に力をかけて、所望の向きとなるように物体を移動させるように制御される。
【0017】
一実施形態では、過去のデータは、ロボット掃除デバイスが、物体を移動させることなく、掃除される表面のセクションに到達することができる頻度の統計分布を更に含む。
【0018】
一実施形態では、過去のデータは、前記環境における物体の予期される姿勢の統計分布を更に含む。
【0019】
第3の態様では、コンピュータ実行可能命令であって、ロボット掃除デバイスに含まれるコントローラ上でコンピュータ実行可能命令が実行されると、第1の態様の方法をデバイスに実施させるためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0020】
第4の態様では、コンピュータ可読媒体であって、第3の態様によるコンピュータプログラムをその上に具現化したコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0021】
更なる実施形態については、以下に説明する。
【0022】
一般に、特許請求の範囲において使用されるすべての用語は、本明細書おいて別段の明示的な定義のない限り、当技術分野における通常の意味に従って解釈されるものとする。「1つの(a)/1つの(an)/その(the)要素、装置、構成要素、手段、ステップなど」への言及は、別段の明示的な記載のない限り、少なくとも1つの要素、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの事例を指すものとしてオープンに解釈されるものとする。本明細書において開示される任意の方法のステップは、明示的な記載のない限り、開示される正確な順序で実施される必要はない。
【0023】
ここで、添付の図面を参照して態様及び実施形態をあくまで例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1a】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して開く様子を示す。
図1b】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して開く様子を示す。
図1c】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して開く様子を示す。
図1d】一実施形態による、ロボット真空掃除機の移動を制御する方法を示すフローチャートを示す。
図1e】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して閉める様子を示す。
図1f】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して閉める様子を示す。
図1g】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して閉める様子を示す。
図1h】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に吸引力によって扉を引いて閉じる様子を示す。
図1i】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に吸引力によって扉を引いて閉じる様子を示す。
図1j】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に吸引力によって扉を引いて閉じる様子を示す。
図2a】別の実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して閉じる様子を示す。
図2b】別の実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して閉じる様子を示す。
図2c】別の実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上を移動する際に扉を押して閉じる様子を示す。
図3a】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上で物体を押す様子を示す。
図3b】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上で物体を押す様子を示す。
図3c】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、掃除される表面の上で物体を押す様子を示す。
図4a】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、椅子を押して所望の位置及び向きにする様子を示す。
図4b】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、椅子を押して所望の位置及び向きにする様子を示す。
図4c】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、椅子を押して所望の位置及び向きにする様子を示す。
図5a】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、摩擦力によって扉を押して開く様子を示す。
図5b】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、摩擦力によって扉を押して開く様子を示す。
図5c】一実施形態による、ロボット真空掃除機が、摩擦力によって扉を押して開く様子を示す。
図6】一実施形態による、ロボット真空掃除機の移動を制御する方法を示すフローチャートを示す。
図7】一実施形態によるロボット掃除デバイスを底面図で示す。
図8図7のロボット掃除デバイスを正面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで、特定の実施形態を示す添付の図面を参照して本開示の態様についてより詳細に説明する。
【0026】
ただし、これらの態様は、多くの異なる形態で具体化され得、限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であるように、またすべての態様の範囲を当業者に十分に伝えるように例として提供される。説明を通して、同様の符号は、同様の要素を指す。
【0027】
図1a~図1cは、一実施形態による、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面の上を移動する様子を示す。図1dは、一実施形態による、ロボット真空掃除機100の移動を制御する方法を示すフローチャートを示す。この特定の実施形態では、ロボット真空掃除機100は、第1の部屋を掃除した後、ロボット真空掃除機によってステップS101において取得された過去のデータに基づいて、隣接する第2の部屋に向かう。過去のデータは、ロボット真空掃除機100自体によって以前に記録され得るか、又は場合により別のロボット掃除デバイスによって記録され、ロボット真空掃除機100に転送され得る。
【0028】
このように、ロボット真空掃除機100が移動する環境の表現を形成する取得された過去のデータを解析することにより、ロボット真空掃除機100は、第1の部屋を掃除した後、更なる掃除のために、隣接する第2の部屋にロボット真空掃除機100が向かうべきであることを認識する。過去のデータは、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面の上を移動するとき、ロボット真空掃除機100のカメラが環境の画像を取り込み、ロボット真空掃除機100のコントローラが、例えば環境の地図を作成することを目的として、取り込まれた画像から適切なデータを抽出して環境の表現を作成することによって記録され得る。
【0029】
この特定の実施形態では、ロボット真空掃除機100は、ロボット真空掃除機100が第1の部屋から第2の部屋に移動する際に通過しなければならない扉101に遭遇する。ここで、ロボット真空掃除機100が実際に第1の部屋から第2の部屋に扉101を介して移動するようになっていることを示す登録された過去のデータに基づいて、ステップS102において、ロボット真空掃除機100の移動は、図1a~図1cを通して示されているように、ロボット真空掃除機100が扉101に力をかけることによって扉101を押して開くために扉101を押すように(例えば、以下に詳述するロボット真空掃除機のマイクロコントローラによって)制御される。
【0030】
図1e~図1gは、ロボット真空掃除機100が扉101を開いて隣接する第2の部屋に入った後、ロボット真空掃除機100が、一実施形態では、扉101が開いていてはならない(又は少なくとも大きく開いていてはならない)と過去のデータから結論付け得、それに応じて扉101を押して閉じる様子を示す。ロボット真空掃除機100が第2の部屋の掃除を実施し、その後、扉が閉じた状態から第1の部屋に戻ることも更に想定され得る。
【0031】
図1fを参照すると、一実施形態では、ロボット真空掃除機100は、扉101を半開きのままにした後、図1eに示すように、扉101によって以前に占められていた床の領域に戻り、床のその部分を掃除する。
【0032】
代わりに、図1h~図1jに示すように、ロボット真空掃除機100は、吸引部分を(前端又は別の適切な場所に)備え、吸引部分を介して扉101に吸引力をかけ得る。このような実施形態では、ロボット真空掃除機100は、扉101に遭遇し、後方に移動しながら、その吸引ポートを介して吸引力をかけて、扉101を引いて閉じなければならない。
【0033】
また、ロボット真空掃除機100は、追加の吸引ポートの代わりにフックなどのツールを備えて、扉101を引いて閉じることも想定され得る。ロボット真空掃除機100は、カーペット及びケーブルなどを押すか又は持ち上げるためのシャベル状のツールを追加的又は代替的に備え得る。ロボット真空掃除機100の本体は、物体に牽引力をかけることができる1つ又は複数の粘着性表面を備えることが更に想定され得る。ロボット真空掃除機100の本体は、金属製の物体に牽引力をかけるための磁石を備えることも更に想定され得る。ロボット真空掃除機100の本体は、膨張可能部材を設けられ、膨張可能部材は、ロボット真空掃除機100が移動して物体に接触した後、膨張可能部材を膨張させると、物体に押す力をかけるように膨張され得ることが更に想定され得る。
【0034】
図2a~図2cは、別の実施形態による、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面の上を移動する様子を示す。この実施形態では、例えば台所の床の上を移動するとき、ロボット真空掃除機100は、ここでも過去のデータを解析することにより、冷蔵庫の扉102が開いたままであり、開いた冷蔵庫の扉102を過去のデータが示していないことと矛盾することを認識する。
【0035】
従って、記録された過去のデータが、扉102が本来閉じられるべきであると示していることに基づいて、ロボット真空掃除機100は、扉102に遭遇し、図2a~図2cを通して示すように、扉102に押す力をかけることにより扉102を押して閉じるために扉102を押す。
【0036】
理解されるように、ロボット真空掃除機100は、ロボット真空掃除機100が物体に捕捉又は囲まれた場合、ロボット真空掃除機100が移動できる自由な経路を実現するために物体に力をかけ得る。
【0037】
ロボット真空掃除機100は、物体にぶつかって、物体を移動させるために必要な力の量、物体との衝突中に生じた振動の周波数スペクトル及びぶつかった後に物体が動くか又は元の位置に跳ね戻るか否かによって物体を特定することが想定され得る。例えば物体が単体の物体であるか、又はより大きい物体の一部であるかを確認するために、物体が押されたときの動き方が更に解析され得る。
【0038】
ロボット真空掃除機100は、物体との衝突時、物体の縁部が床における硬質な敷居若しくは段差であることを示すか、又はカーペットの柔らかい縁部であることを示すかを解析することが更に想定され得る。
【0039】
更に、ロボット真空掃除機100は、例えば、スイッチを切り替える(例えば、室内若しくは室外の照明をオン/オフする)か、又は誰かを中に入れるために扉を内側からロック解除するために、物体を押し且つ/又は引くことができる。
【0040】
布、スクレーパ、ブラシ又は動力器具などのツールをロボット真空掃除機100に取り付けて、床若しくは物体を様々な方法で掃除させるか、又は他の種類の表面に到達させることも可能である。
【0041】
ロボット真空掃除機100は、充電器にドッキングすることが困難である場合、その充電ステーションを異なる場所に更に押すか又は引くことができる。
【0042】
また、ロボット真空掃除機100は、そのバッテリを充電するために壁コンセントに接続し得ることも想定され得、その場合、別個の充電ステーションは、必要とされない。
【0043】
図3a~図3cは、更なる実施形態による、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面の上を移動する様子を示す。この実施形態では、例えばリビングルームの床の上を移動するとき、ロボット真空掃除機100は、ここでも過去のデータを解析することにより、スツール103が位置Aに配置されているが、過去のデータによって形成された環境の表現では、スツール103が位置Bに配置されるべきであると示されていることを認識する。
【0044】
その結果、ロボット真空掃除機100は、スツール103に向かって移動し、スツール103が目的の位置Bに到達するまで、リビングルームの床に沿ってスツール103を押す。
【0045】
ロボット真空掃除機100は、スツール103が位置Bに移動される前に位置Aにおいてスツール103によって占められていた表面を掃除するために、位置Aに戻ることが更に想定され得る。
【0046】
スツール103は、本来位置Aに配置されるべきであるが、ロボット真空掃除機100は、現在、スツール103によって占められている領域に到達する必要があるため、ロボット真空掃除機100は、位置Aからスツール103を移動させ、スツール103によってそれまで占められていた領域を掃除した後、スツール103を位置Aに押して戻すことも更に想定され得る。
【0047】
図3a~図3cで説明した実施形態を更に参照すると、記録された過去のデータによって示される物体の変位の結果として、他の種類の物体が移動されることが想定され得る。
【0048】
一例として、掃除される表面に玩具が散らかっていることが想定され得、ロボット真空掃除機100は、玩具が、現在玩具がある場所に配置されているべきではないことを過去のデータから認識するため、玩具は、ロボット真空掃除機100によって部屋の所定の領域に移動される。別の例では、取得された過去のデータは、いかなる物体も永続的に配置されない1つ又は複数の領域が表面にあることを示すことができる。従って、ロボット真空掃除機100は、(潜在的には最初に領域を掃除した後に)前記1つ又は複数の領域に玩具を集めることを決定し得る。理解されるように、ロボット真空掃除機100は、物体を分類した後、その分類に基づいて物体を異なる場所に移動させ得る。
【0049】
別の例では、玄関の床全体に散らかった靴がロボット真空掃除機100によって集められ、玄関のカーペットなどの上に押される。一実施形態では、回転可能なブラシロールの形態における、掃除される表面からごみ及び塵埃を除去するための掃除部材は、特定の物体の移動中、例えば靴ひもなどの任意の物体が絡まることを避けるためにオフに切り替えられることが更に想定される。
【0050】
図4a~図4cは、更なる実施形態による、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面の上を移動する様子を示す。この実施形態では、例えば台所の床の上を移動するとき、ロボット真空掃除機100は、ここでも過去のデータを解析することにより、椅子104が位置Aに配置されているが、過去のデータによって形成された環境の表現では、椅子104が台所のテーブル105の近くの位置Bに配置されるべきであると示されていることを認識する。
【0051】
その結果、図4a及び図4bに示すように、ロボット真空掃除機100は、椅子104に向かって移動し、椅子104がテーブル105における目的の位置に到達するまで、台所の床に沿って椅子104を押す。
【0052】
ここで、この実施形態では、ロボット真空掃除機100は、過去のデータを解析することにより、椅子104の所望の向きを更に判定する。すなわち、この例では、椅子104の向きは、テーブル105の向きと整列されるべきである。
【0053】
ロボット真空掃除機100は、取得された過去のデータから直接椅子104の所望の向きを実際に推論することによってこの結論を得ることができるか、又は取得された過去のデータから結論付けられたように椅子104をテーブル105に移動させ、その後、テーブル105の向きから、この例の椅子104が、図4cに示すように、時計回り方向に約90°回転されるべきであると判定することによってこの結論を得ることができ、ロボット真空掃除機100の移動は、ロボット真空掃除機100が椅子104に力をかけて椅子104を時計回り方向に90°回転させるように制御される。
【0054】
図5a~図5cは、一実施形態による、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面の上を移動する様子を示す。この特定の実施形態では、ロボット真空掃除機100は、第1の部屋を掃除した後、ロボット真空掃除機100によって記録された(又は場合により別のロボット掃除デバイスによって記録されてロボット真空掃除機100に転送された)過去のデータに基づいて、隣接する第2の部屋に向かう。
【0055】
ここで、扉101を開く際、ロボット真空掃除機100は、例えば、図1a~図1cで実施されるように、必ずしも扉に押す力をかけることにより扉101を押して開く必要はない。むしろ、ロボット真空掃除機100は、図5a~図5cを通して示すように、扉101を開くために扉板の側面に摩擦力を加える。扉板の側面に加えられる摩擦力を大きくするために、ロボット真空掃除機100の本体は、摩擦面を設けられ得る。有利には、扉101を開閉するために扉板の側面に摩擦力をかけることにより、ロボット真空掃除機100は、その前方の領域が扉101によって塞がれないため、依然としてその前方の領域を見ることができる。これに関連して、ロボット真空掃除機100は、物体を移動させるために引っ張るか、押すか又は摩擦力を使用するかを問わず、事前に、又は領域を検査し、その後、移動を継続するか、若しくは例えば階段で物体を下方に押すことを避けるために連続的に移動を一時停止することにより、物体を移動させる領域を調べ得ることに留意されたい。
【0056】
図1a~図1j、図2a~図2c、図3a~図3c、図4a~図4b及び図5a~図5cを通して実施形態で示すように、ロボット真空掃除機100に過去のデータを記録させることにより(又は別のロボット真空掃除機によって記録されたデータを取得することにより)、ロボット真空掃除機100の移動は、有利には、例えば、扉を開く/閉じる目的、又はある位置から別の位置に物体を移動させる目的、又は更に隣接する1つ若しくは複数の物体と物体の向きを整列させる目的で、記録された過去のデータに基づいて物体を移動させるために押す力又は牽引力を物体にかけるように制御され得る。
【0057】
一実施形態では、取得された過去のデータは、ロボット真空掃除機100が、物体を移動させることなく、掃除される表面のセクションに自由に到達することができるときを示す統計分布を更に含む。例えば、掃除される部屋の床が複数の四角形のセクションに区分され得、ロボット真空掃除機100が所与のセクションに自由に到達できる推定確率がこのセクションに関連付けられる。統計分布が、例えば10回の掃除の機会のうちの8回において、通常、ロボット真空掃除機100が、いかなる物体も移動させる必要なく特定のセクションに到達することを示す場合、ロボット真空掃除機100が実際に物体を移動させてその特定のセクションに到達しがちであるとき、論理的には、ロボット真空掃除機100は、通常、いかなる物体も移動させずにセクションに到達する可能性が高いため、前記物体が誤って配置されている可能性が高いことになる。
【0058】
別の実施形態では、取得された過去のデータは、ロボット真空掃除機100が遭遇する識別可能な各物体の姿勢(すなわち位置及び向き)の統計分布を構成する。統計分布が、特定の物体が通常(ここでも例えば10回の機会のうちの8回)特定の姿勢で配置されることを示し、物体が現在その特定の姿勢をとっている場合、ロボット真空掃除機100は、その物体を移動させない。ロボット真空掃除機100が物体の下にある床に到達するために物体を移動させる必要がある場合、ロボット真空掃除機100は、その後、物体をその位置に戻し、物体が、統計分布から最も可能性が高いと示された向きになるようにする可能性さえある。
【0059】
逆に、統計分布から、物体が特定の位置に配置される可能性が高いと示されていない場合、ロボット真空掃除機100は、物体を任意の適切な位置に移動させ得る。
【0060】
図6を参照すると、更なる実施形態では、ロボット真空掃除機100は、ステップS103において、物体にかけられた力が閾値Tを超えるか否かを判定し、超える場合、例えば物体が移動させるには重すぎるか、又はロボット真空掃除機100が、壊れやすい物体に大きすぎる力をかけることがあるため、その場合、ステップS104において物体に力をかけることを停止すべきである。
【0061】
例えば、駆動ホイールの移動を可能にする電動ホイールモータの電力消費/電流消費が測定され得、電力消費又は電流消費が閾値Tを超える場合、ロボット真空掃除機100は、物体に力をかけることを停止する。代替的に、駆動ホイールがスリップし始めた場合、スリップは、かけられた力が閾値Tを超えていることを示すため、ロボット真空掃除機100は、物体に力をかけることを停止する。逆に、かけられた力が閾値Tを超えない場合、ロボット真空掃除機100は、物体に力をかけ続ける。
【0062】
本開示は、ロボット掃除デバイス又は換言すれば表面を掃除するための自動自走式機械、例えばロボット真空掃除機、ロボットスイーパ又はロボット床洗浄機に関する。実施形態によるロボット掃除デバイスは、壁コンセントで動作し、且つコードを有するか、バッテリで動作するか、又は任意の他の種類の適切なエネルギー源、例えば太陽エネルギーを使用することができる。
【0063】
実施形態は、十分な処理インテリジェンスを備えた様々な適切なロボット掃除デバイスによって実施され得ることが想定されているが、図7は、一実施形態によるロボット掃除デバイス100を底面図で示し、すなわちロボット掃除デバイスの下側が示されている。矢印は、ロボット真空掃除機の形態で示されているロボット掃除デバイス100の前方方向を示す。
【0064】
ロボット真空掃除機100は、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面上を移動され得るように、駆動ホイール112、113の移動を可能にするための2つの電動ホイールモータ115a、115bの形態で駆動手段を含む、推進システムなどの構成要素を収容する本体111を含む。各ホイールモータ115a、115bは、掃除される表面にわたってロボット真空掃除機100を移動させるために、それぞれの駆動ホイール112、113を互いに独立して回転させるように制御することが可能である。いくつかの異なる駆動ホイール構成及び様々なホイールモータ構成が想定され得る。ロボット真空掃除機100は、より従来式の円形状の本体を有するデバイス又は三角形状の本体を有するデバイスなど、任意の適切な形状を有し得ることに留意されたい。代替形態として、軌道推進システムが使用され得るか、又は更にホバークラフト推進システムが使用され得る。推進システムは、ヨー、ピッチ、並進又はロール運動のいずれか1つ又は複数をロボット真空掃除機100に実施させるように更に配置され得る。
【0065】
マイクロプロセッサなどのコントローラ116は、ロボット掃除デバイスがその周囲を通らなければならない壁、フロアランプ、テーブルの脚の形態の障害物を検出するための障害物検出デバイス(図7には図示せず)から受信した情報を考慮して、必要に応じてホイールモータ115a、115bを制御して駆動ホイール112、113を回転させる。障害物検出デバイスは、障害物を検出し、検出された任意の障害物に関する情報をマイクロプロセッサ116に伝達するために、例えば3Dカメラ、レーザと組み合わせたカメラ、レーザスキャナなどによって実装された、自らの周囲を登録する3Dセンサシステムの形態で具現化され得る。マイクロプロセッサ116は、ホイールモータ115a、115bと通信して、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面にわたって必要に応じて移動できるように、障害物検出デバイスから提供される情報に従ってホイール112、113の移動を制御する。
【0066】
更に、ロボット真空掃除機100の本体111は、本体111の底面にある開口部118を介して、本体に収容されたダストバッグ又はサイクロン装置(図示せず)にごみを搬送するための気流を作り出す吸引ファン120を含む。吸引ファン120は、コントローラ116に通信可能に接続されたファンモータ121によって駆動され、ファンモータ121は、コントローラ116から吸引ファン120を制御するための命令を受信する。本体111は、開口部118に隣接して1つ又は複数の回転サイドブラシ114を更に備え得る。
【0067】
更に、本体111は、ロボット掃除機100の底面にある開口部118に配置された回転可能なブラシロールの形態における、掃除される表面からごみ及び塵埃を除去するための掃除部材117を任意選択で備え得る。従って、回転可能なブラシロール117は、開口部118に水平軸に沿って配置されて、掃除デバイス100の塵埃及びごみの捕集特性を高める。ブラシロール117を回転させるために、ブラシロールモータ119がブラシロールに動作可能に結合されて、コントローラ116から受信した命令に従ってブラシロールの回転を制御する。
【0068】
図7を更に参照すると、1つ又は複数のマイクロプロセッサの形態で具現化されたコントローラ/処理ユニット116は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ又はハードディスクドライブなど、マイクロプロセッサに関連付けられた適切な記憶媒体126にダウンロードされたコンピュータプログラム125を実行するように配置される。コントローラ116は、コンピュータ実行可能命令を含む適切なコンピュータプログラム125が記憶媒体126にダウンロードされ、コントローラ116によって実行されると、実施形態による方法を実行するように配置される。記憶媒体126は、コンピュータプログラム125を含むコンピュータプログラム製品でもあり得る。代わりに、コンピュータプログラム125は、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)又はメモリスティックなどの適切なコンピュータプログラム製品により、記憶媒体126に転送され得る。更なる代替形態として、コンピュータプログラム125は、有線又は無線ネットワークを介して記憶媒体126にダウンロードされ得る。コントローラ116は、代替的に、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)などの形態で具現化され得る。
【0069】
図8は、少なくともカメラ123と、水平方向又は垂直方向に向けられたラインレーザであり得る第1のラインレーザ127及び第2のラインレーザ128とを含む3Dセンサシステムの形態における、上述の障害物検出デバイスを示す一実施形態における図7のロボット真空掃除機100の正面図を示す。コントローラ116、本体111及び駆動ホイール112、113を更に示す。コントローラ116は、ロボット真空掃除機100付近の画像を記録するためのカメラ123に動作可能に結合される。好ましくは、第1のラインレーザ127及び第2のラインレーザ128は、垂直ラインレーザであり得、カメラ123の横に配置される。カメラ123は、コントローラ116によって制御されて、1秒当たり複数の画像を取り込んで記録する。画像からのデータがコントローラ116によって抽出され、データは、通常、コンピュータプログラム125と共にメモリ126に保存される。従って、一実施形態では、ロボット真空掃除機100が移動する環境の表現を形成する過去のデータは、前記環境の取り込まれた画像から抽出されたデータである。
【0070】
第1のラインレーザ127及び第2のラインレーザ128は、ロボット真空掃除機100の近傍を、好ましくは垂直方向において、通常、ロボット掃除デバイス100の移動方向に走査するように構成される。第1のラインレーザ127及び第2のラインレーザ128は、レーザ光を送出するように構成され、このレーザ光は、例えば、掃除される部屋の家具、壁及び他の物体を照射する。カメラ123は、コントローラ116によって制御されて、画像を取り込んで記録し、画像から、コントローラ116は、ロボット真空掃除機100が、掃除される表面にわたって移動しながら、画像から特徴を抽出することにより、またロボット真空掃除機100によってカバーされる距離を測定することにより、ロボット真空掃除機100が動作している周囲の表現又はレイアウトを作成する。このように、コントローラ116は、記録された画像から、掃除される表面に対するロボット真空掃除機100の位置データを導出し、導出した位置データから周囲の3D表現を生成し、駆動モータ115a、115bを制御して、生成された3D表現を考慮して、掃除される表面がナビゲーションされ得るように、生成された3D表現及びロボット真空掃除機100に供給されるナビゲーション情報に従い、掃除される表面にわたってロボット真空掃除機を移動させる。代わりに、完全に照らされた状態の画像の飛行時間計測を利用して3Dセンサを使用することも可能である。このような飛行時間型3Dセンサでは、取り込まれた画像内の距離が画素ごとに決定され、検出された物体までの距離が上記に従って決定され得る。
【0071】
上記では、本開示の態様について主にそのいくつかの実施形態及び例に関連して説明してきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内において、上記で開示されたもの以外の他の実施形態も同様に可能である。
【0072】
このように、本明細書では、様々な態様及び実施形態を開示してきたが、他の態様及び実施形態も当業者に明らかになるであろう。本明細書に開示された様々な態様及び実施形態は、例示を目的とするものであり、限定を意図するものではなく、真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図1h
図1i
図1j
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
【国際調査報告】