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特表2023-508106アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセス
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  • 特表-アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセス 図1A
  • 特表-アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセス 図1B
  • 特表-アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセス 図2A
  • 特表-アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセス 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(54)【発明の名称】アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/30 20060101AFI20230220BHJP
   C08F 8/00 20060101ALI20230220BHJP
   C08F 20/18 20060101ALI20230220BHJP
   C07C 69/533 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
C07C67/30
C08F8/00
C08F20/18
C07C69/533
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539092
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 US2020065764
(87)【国際公開番号】W WO2021138073
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】62/954,956
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】アウヨン、イヴリン
(72)【発明者】
【氏名】クラソフスキー、アルカジー エル.
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー、ジャクリン
(72)【発明者】
【氏名】ストゥーベルト、ブライアン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス、アナ ヴイ.
(72)【発明者】
【氏名】カミンズ、クラーク エイチ.
【テーマコード(参考)】
4H006
4J100
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AB46
4H006AC22
4H006BB11
4H006BC10
4H006BC19
4H006KA31
4H006KC14
4J100AL02P
4J100HA35
4J100HC05
4J100HC34
4J100HG28
(57)【要約】

本開示は、アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセスに関し、本プロセスは、a)アルファ-(ハロメチル)アクリレート及び有機アルミニウム化合物を含む、出発材料を組み合わせることと、それによって、アルファ置換アクリレートを含む生成物を形成することと、を含む。
【選択図】図1A図1B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセスであって、
a)アルファ-(ハロメチル)アクリレート及び式RAlの有機アルミニウム化合物を含む、出発材料を組み合わせることと、
それによって、前記アルファ置換アクリレートを含む生成物を形成することと、を含み、
前記アルファ置換アクリレートが、式(I)を有し、
【化1】
前記アルファ-(ハロメチル)アクリレートが、式(II)を有し、
【化2】
各Rが、独立して、C1~C26ヒドロカルビル基又はポリオレフィニル基であり、
各R1が、独立して、C1~C30ヒドロカルビル基であり、
Xが、ハロゲンである、プロセス。
【請求項2】
ステップa)の前記出発材料が、溶媒を更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記溶媒が、非芳香族炭化水素溶媒である、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記プロセスが、任意のトランス金属化ステップ又は反応を除外する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
ステップa)の前記出発材料が、有機触媒を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
各Rが、独立して、C1~C26ヒドロカルビル基である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
各Rが、独立して、R-Hの特性によって定義され得るポリオレフィニル基であり、R-Hが、365g/mol超の数平均分子量を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ポリオレフィニル基が、エチレン系ポリメリル基である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ポリオレフィニル基が、エチレンに由来する単位を含むエチレンホモポリメリル基である、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記ポリオレフィニル基が、エチレン及びC3~C30アルファ-オレフィンに由来する単位を含むエチレン/アルファ-オレフィンインターポリメリル基である、請求項8に記載のプロセス。
【請求項11】
前記ポリオレフィニル基が、プロピレン系ポリメリル基である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項12】
前記ポリオレフィニル基が、プロピレンに由来する単位を含むプロピレンホモポリメリル基である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記ポリオレフィニル基が、プロピレン及びエチレン又はC4~C30アルファ-オレフィンのいずれかに由来する単位を含むプロピレン/アルファ-オレフィンインターポリメリル基である、実施形態11に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月30日出願の米国出願第62/954,956号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
アルファ-(アルキル)アクリレート又はアルファ-(ポリメリル)アクリレートなどのアルファ置換アクリレートは、有用なポリマー材料を調製するための重要な中間体である。有機亜鉛試薬からのアルファ置換アクリレート及びビスアクリレートの調製のための合成経路が当該技術分野で知られている。しかしながら、そのような経路は、有機亜鉛化合物の有機銅化合物へのトランス金属化を用い、有機アルミニウム化合物とハロメチルアクリレートとの直接反応は知られていない。本開示は、アルファ-(アルキル)及びアルファ-(ポリメリル)アクリレートを合成するために、有機アルミニウム化合物とアルファ-(ハロメチル)アクリレートとの直接反応を実証することによって、そのような必要性に対処する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセスに関し、本プロセスは、
a)アルファ-(ハロメチル)アクリレート及び有機アルミニウム化合物を含む、出発材料を組み合わせることと、
それによって、アルファ置換アクリレートを含む生成物を形成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】実施例1のNMRスペクトルを提供する。
図1B】実施例1のNMRスペクトルを提供する。
図2A】実施例2のNMRスペクトルを提供する。
図2B】実施例2のNMRスペクトルを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
定義
本明細書における元素周期表へのすべての言及は、CRC Press,Inc.によって2003年に出版及び著作権化された元素周期表を指すものとする。また、族(複数可)へのいずれの言及も、族を番号付けするためのIUPACシステムを使用してその元素周期表に反映された族(複数可)に対するものとする。
【0006】
反対のことが明記されないか、文脈から示唆されないか、又は当該技術分野で慣習的でない限り、すべての部及びパーセントは、重量に基づく。
【0007】
米国特許実務の目的のため、本明細書で参照される任意の特許、特許出願、又は刊行物の内容は、特に当該技術分野における合成技法、定義(本明細書に提供される任意の定義と矛盾しない程度において)、及び一般的な知識の本開示に関して、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる(又は、それらの同等の米国版が、参照によりそのように組み込まれる)。
【0008】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値及び上限値を含む、下限値及び上限値のすべての値を含む。明示的な値を含む範囲(例えば、1、又は2、又は3~5、又は6、又は7)の場合、任意の2つの明示的な値の間の任意の下位範囲(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6など)が含まれる。本明細書に開示される数値範囲は、任意の2つの明示的な値の間の分数を更に含む。
【0009】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、及びそれらの派生語は、任意の追加の成分、ステップ、又は手順の存在を、それが具体的に開示されているかどうかにかかわらず除外することを意図しない。対照的に、「~から本質的になる」という用語は、任意の後続の詳述の範囲から、操作性に必要不可欠ではないものを除き、任意の他の成分、ステップ、又は手順を除外する。「~からなる」という用語は、具体的に記述又は列挙されていない任意の成分、ステップ、又は手順を除外する。「又は」という用語は、別途明記しない限り、列挙された項目を個々に、並びに任意の組み合わせで指す。
【0010】
本明細書で使用される場合、「ヒドロカルビル」、「ヒドロカルビル基」などの用語は、脂肪族、芳香族、非環式、環式、多環式、分岐状、非分岐状、飽和、及び不飽和化合物を含む、完全に水素及び炭素で構成される化合物を指す。「ヒドロカルビル」、「ヒドロカルビル基」、「アルキル」、「アルキル基」、「アリール」、「アリール基」などの用語は、すべての構造異性体又は立体異性体を含むすべての可能な異性体を含むことを意図する。
【0011】
「環式」という用語は、ポリマー又は化合物中の一連の原子を指し、そのような一連の原子は、1つ以上の環を含む。したがって、「環式ヒドロカルビル基」という用語は、1つ以上の環を含有するヒドロカルビル基を指す。本明細書で使用される場合、「環式ヒドロカルビル基」は、1つ以上の環に加えて、非環式(線状又は分岐状)部分を含有し得る。
【0012】
「トランス金属化(transmetalation)」又は「トランス金属化(transmetallation)」は、1つの金属から別の金属への配位子の移動を伴う有機金属反応を指す。
【0013】
「触媒」という用語は、「プロ触媒」、「プレ触媒」、「触媒前駆体」、「遷移金属触媒」、「遷移金属触媒前駆体」、「重合触媒」、「重合触媒前駆体」、「遷移金属錯体」、「遷移金属化合物」、「金属錯体」、「金属化合物」、「錯体」、「金属-配位子錯体」などの用語と互換的に使用される。
【0014】
「助触媒」は、特定のプロ触媒を活性化して、不飽和モノマーの重合が可能な活性触媒を形成することができる化合物を指す。「助触媒」という用語は、「活性化剤」などの用語と互換的に使用される。
【0015】
「活性触媒」、「活性触媒組成物」などの用語は、助触媒の有無にかかわらず、不飽和モノマーの重合が可能である遷移金属化合物を指す。活性触媒は、助触媒なしで不飽和モノマーを重合するために活性になる「プロ触媒」であり得る。あるいは、活性触媒は、不飽和モノマーを重合するために助触媒と組み合わせて活性になる「プロ触媒」であり得る。
【0016】
「ポリマー」という用語は、モノマーのセットを反応させる(すなわち、重合させる)ことによって調製された材料を指し、このセットは、均一な(すなわち、1種のみ)モノマーのセット又は不均一な(すなわち、2種以上)モノマーのセットである。本明細書で使用される場合、ポリマーという用語は、均一なモノマーのセットから調製されたポリマーを指す「ホモポリマー」という用語、及び以下に定義されるような「インターポリマー」という用語を含む。
【0017】
「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されたポリマーを指す。この用語は、「コポリマー」、すなわち、2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマー、及び3つ以上の異なる種類のモノマーから調製された、例えば、ターポリマー、テトラポリマーなどのポリマーの両方を含む。この用語はまた、ランダム、ブロック、均一、不均一などのインターポリマーのすべての形態を包含する。
【0018】
「ポリオレフィン」は、モノマーとしてのオレフィンの重合から製造されるポリマーであり、オレフィンモノマーは、少なくとも1つの二重結合を有する炭素及び水素の線状、分岐状、又は環式化合物である。したがって、本明細書で使用される場合、「ポリオレフィン」という用語は、「エチレン系ポリマー」、「プロピレン系ポリマー」、「エチレンホモポリマー」、「プロピレンホモポリマー」、「エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」、「エチレン/アルファ-オレフィンコポリマー」、「エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー」、「ブロック複合体」、「特定のブロック複合体」、「結晶性ブロック複合体」、「プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」、及び「プロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー」という用語を含み、かつ網羅する。
【0019】
「エチレン系ポリマー」は、ポリマーの重量に基づいて、過半量の重合エチレンを含有し、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーの重合単位を更に含有し得る、ポリマーである。「エチレン系インターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、過半量のエチレンを重合形態で含有し、少なくとも1つのコモノマーの重合単位を更に含有する、インターポリマーである。「エチレンホモポリマー」は、エチレンに由来する繰り返し単位を含むが、残留量の他の成分を除外しないポリマーである。
【0020】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」という用語は、過半重量パーセントのエチレン(インターポリマーの重量に基づく)、及びアルファ-オレフィンである少なくとも1つのコモノマーを重合形態で含むポリマーを指す。エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、ランダム又はブロックインターポリマーであり得る。「エチレン/アルファ-オレフィンコポリマー」及び「エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー」という用語は、「エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」という用語によって網羅される。
【0021】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンコポリマー」という用語は、過半重量パーセントのエチレン(コポリマーの重量に基づいて)、及びアルファ-オレフィンであるコモノマーを重合形態で含むコポリマーを指し、エチレン及びアルファ-オレフィンは唯一の2つのモノマー種類である。エチレン/アルファ-オレフィンコポリマーは、ランダム又はブロックコポリマーであり得る。
【0022】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー」又は「オレフィンブロックコポリマー」は、エチレン及び1つ以上の共重合性アルファ-オレフィンコモノマーを重合形態で含むインターポリマーを指し、2つ以上(好ましくは3つ以上)の重合モノマー単位の複数のブロック又はセグメント、化学的又は物理的特性が異なるブロック又はセグメントを特徴とする。具体的には、この用語は、線状方式で連結した2つ以上(好ましくは3つ以上)の化学的に異なる領域又はセグメント(「ブロック」と称される)を含むポリマー、すなわち、ペンダント又はグラフト化された様式ではなく、重合した官能基に関して端と端とが連結(共有結合)している化学的に区別された単位を含むポリマーを指す。ブロックは、そこに組み込まれるコモノマーの量若しくは種類、密度、結晶化度の量、結晶化度の種類(例えば、ポリエチレン対ポリプロピレン)、そのような組成のポリマーに起因する結晶のサイズ、立体規則性の種類若しくは程度(アイソタクチック若しくはシンジオタクチック)、領域規則性若しくは領域不規則性、長鎖分岐若しくは超分岐を含む分岐の量、均一性、及び/又は任意の他の化学的若しくは物理的特性において異なる。ブロックコポリマーは、例えば、触媒系と組み合わせたシャトリング剤の使用効果に基づいて、ポリマー多分散性(PDI又はMw/Mn)及びブロック長分布の両方の独特の分布を特徴とする。本開示のオレフィンブロックコポリマーの非限定的な例、及びこれを調製するプロセスは、米国特許第7,858,706(B2)号、同8,198,374(B2)号、同8,318,864(B2)号、同8,609,779(B2)号、同8,710,143(B2)号、同8,785,551(B2)号、及び同9,243,090(B2)号に開示されており、その全体が参照としてすべて本明細書に組み入れられる。
【0023】
「ブロック複合体」(「block composite、BC」)という用語は、3つのポリマー成分:(i)エチレン系ポリマー(ethylene-based polymer、EP)中の重合モノマー単位の総モルに基づいて、10mol%~90mol%のエチレン含有量を有するエチレン系ポリマー(EP)(ソフトコポリマー)と、(ii)アルファ-オレフィン系ポリマー(alpha-olefin-based polymer、AOP)中の重合モノマー単位の総モルに基づいて、90mol%超のアルファ-オレフィン含有量を有するアルファ-オレフィン系ポリマー(AOP)(ハードコポリマー)と、(iii)エチレンブロック(ethylene block、EB)及びアルファ-オレフィンブロック(alpha-olefin block、AOB)を有するブロックコポリマー(eブロックコポリマー)と、を含む、ポリマーを指し、ここで、ブロックコポリマーのエチレンブロックは、ブロック複合体の成分(i)のEPと同じ組成であり、ブロックコポリマーのアルファーオレフィンブロックは、ブロック複合体の成分(ii)のAOPと同じ組成である。加えて、ブロック複合体中のEPの量とAOPの量との間の組成分配は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間の組成分配と本質的に同じであろう。本開示のブロック複合体の非限定的な例、及びこれを調製するプロセスは、米国特許第8,686,087号及び同第8,716,400号に開示されており、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0024】
「特定のブロック複合体」(「specified block composite、SBC」)という用語は、3つのポリマー成分:(i)エチレン系ポリマー(EP)中の重合モノマー単位の総モルに基づいて、78mol%~90mol%のエチレン含有量を有するエチレン系ポリマー(EP)(ソフトコポリマー)と、(ii)アルファ-オレフィン系ポリマー(AOP)中の重合モノマー単位の総モルに基づいて、61mol%~90mol%のアルファ-オレフィン含有量を有するアルファ-オレフィン系ポリマー(AOP)(ハードコポリマー)と、(iii)エチレンブロック(EB)及びアルファ-オレフィンブロック(AOB)を有するブロックコポリマー(ジブロックコポリマー)と、を含む、ポリマーを指し、ここで、ブロックコポリマーのエチレンブロックは、特定のブロック複合体の成分(i)のEPと同じ組成であり、ブロックコポリマーのアルファーオレフィンブロックは、特定のブロック複合体の成分(ii)のAOPと同じ組成である。加えて、特定のブロック複合体中のEPの量とAOPの量との間の組成分配は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間の組成分配と本質的に同じであろう。本開示の特定のブロック複合体の非限定的な例、並びにそれを調製するためのプロセスは、国際公開第2017/044547号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
「結晶性ブロック複合体」(「crystalline block composite、CBC」)という用語は、3つの成分:(i)結晶性エチレン系ポリマー(crystalline ethylene based polymer、CEP)中の重合モノマー単位の総モルに基づいて、90mol%超のエチレン含有量を有する結晶性エチレン系ポリマー(CEP)と、(ii)結晶性アルファ-オレフィン系コポリマー(crystalline alpha-olefin based copolymer、CAOP)中の重合モノマー単位の総モルに基づいて、90mol%超のアルファ-オレフィン含有量を有する結晶性アルファ-オレフィン系ポリマー(CAOP)と、(iii)結晶性エチレンブロック(crystalline ethylene block、CEB)及び結晶性アルファ-オレフィンブロック(crystalline alpha-olefin block、CAOB)を含むブロックコポリマーと、を含む、ポリマーを指し、ここで、ブロックコポリマーのCEBは、結晶性ブロック複合体の成分(i)のCEPと同じ組成であり、ブロックコポリマーのCAOBは、結晶性ブロック複合体の成分(ii)のCAOPと同じ組成である。加えて、結晶性ブロック複合体中のCEPの量とCAOPの量との間の組成分配は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間の組成分配と本質的に同じであろう。本開示の結晶性ブロック複合体の非限定的な例、及びこれを調製するプロセスは、米国特許第8,822,598(B2)号及び国際公開第2016/01028961(A1)号に開示されており、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0026】
「プロピレン系ポリマー」は、ポリマーの重量に基づいて、過半量の重合プロピレンを含有し、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーの重合単位を更に含有し得る、ポリマーである。「プロピレン系インターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、過半量のプロピレンを重合形態で含有し、少なくとも1つのコモノマーの重合単位を更に含有する、インターポリマーである。「プロピレンホモポリマー」は、プロピレンに由来する繰り返し単位を含むが、残留量の他の成分を除外しないポリマーである。
【0027】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」という用語は、過半重量パーセントのプロピレン(インターポリマーの重量に基づく)、及びアルファ-オレフィン(ここで、エチレンはアルファ-オレフィンとみなされる)である少なくとも1つのコモノマーを重合形態で含むポリマーを指す。プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、ランダム又はブロックインターポリマーであり得る。「プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」という用語は、「プロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー」という用語を含む。
【0028】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー」という用語は、過半重量パーセントのプロピレン(コポリマーの重量に基づいて)、及びアルファ-オレフィンであるコモノマーを重合形態で含むコポリマーを指し、プロピレン及びアルファ-オレフィンは唯一の2つのモノマー種類である。プロピレン/アルファ-オレフィンコポリマーは、ランダム又はブロックコポリマーであり得る。
【0029】
「ポリメリル」、「ポリメリル基」などの用語は、1つの水素を欠くポリマーを指す。
【0030】
「ポリオレフィニル」、「ポリオレフィニル基」などの用語は、1つの水素を欠くポリオレフィンを指す。
【0031】
アルファ-(ハロメチル)アクリレート
本開示のプロセスのステップa)の出発材料は、アルファ-(ハロメチル)アクリレートを含む。特定の実施形態では、アルファ-(ハロメチル)アクリレートは、式(II)を有し、
【0032】
【化1】
式中、Xは、ハロゲンであり、
R1は、C1~C30ヒドロカルビル基である。
【0033】
特定の実施形態では、Xは、ハロゲンであり、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される。
【0034】
特定の実施形態では、R1は、線状、分岐状、又は環式であり得るC1~C30ヒドロカルビル基である。更なる実施形態では、R1は、線状、分岐状、又は環式であり得るC1~C30アルキル基である。例えば、R1は、1~30個の炭素原子、又は1~20個の炭素原子、又は1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子を含む線状、分岐状、又は環式アルキル基であり得る。
【0035】
有機アルミニウム化合物
本開示のプロセスのステップa)の出発材料は、式RAlの有機アルミニウム化合物を含み、式中、各Rは、独立して、C1~C26ヒドロカルビル基又はポリオレフィニル基である。
【0036】
特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、C1~C26ヒドロカルビル基である。特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、線状、分岐状、又は環式であり得るC1~C26ヒドロカルビル基である。更なる実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、線状、分岐状、又は環式であり得るC1~C26アルキル基である。例えば、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、1~26個の炭素原子、又は1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子を含む線状、分岐状、又は環式のアルキル基であり得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、ポリオレフィニル基である。更なる実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、R-Hの特性によって定義され得るポリオレフィニル基であり、R-Hは、365g/mol超の数平均分子量を有する。更なる実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、R-Hの特性によって定義され得るポリオレフィニル基であり、R-Hは、365g/mol超~10,000,000g/mol、又は365g/mol超~5,000,000g/mol、又は365g/mol超~1,000,000g/mol、又は365g/mol超~750,000g/mol、又は365g/mol超~500,000g/mol、又は365g/mol超~250,000g/molの数平均分子量を有する。
【0038】
更なる実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、R-Hの特性によって定義され得るポリオレフィニル基であり、R-Hは、0.850~0.965g/cc、又は0.860~0.950g/cc、又は0.865~0.925g/ccの密度を有する。
【0039】
更なる実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、R-Hの特性によって定義され得るポリオレフィニル基であり、R-Hは、0.01~2,000g/10分、又は0.01~1,500g/10分、又は0.1~1,000g/10分、又は0.1~500g/10分、又は0.1~100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0040】
更なる実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、R-Hの特性によって定義され得るポリオレフィニル基であり、R-Hは、1~10、又は1~7、又は1~5、又は2~4の数平均分子量分布(Mw/Mn又はPDI)を有する。
【0041】
特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、エチレンに由来する単位を含むエチレンホモポリメリル基である。
【0042】
特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、エチレン及び少なくとも1つのC3~C30アルファ-オレフィンに由来する単位を含むエチレン/アルファ-オレフィンインターポリメリル基である。C3~C30アルファ-オレフィンは、例えば、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、又は1-オクタデセンであり得る。
【0043】
特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、エチレン及びC3~C30アルファ-オレフィンに由来する単位を含むエチレン/アルファ-オレフィンコポリメリル基である。C3~C30アルファ-オレフィンは、例えば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、又は1-オクタデセンであり得る。
【0044】
特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、本明細書で定義されるようなエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリメリル基又はオレフィンブロックコポリメリル基である。
【0045】
更なる実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、本明細書で定義されるように、ブロック複合体、特定のブロック複合体、又は結晶性ブロック複合体のポリメリル基である。
【0046】
特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、プロピレンに由来する単位を含むプロピレンホモポリメリル基である。
【0047】
特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、プロピレン及びエチレン又はC3~C30アルファ-オレフィンである少なくとも1つのコモノマーに由来する単位を含むプロピレン/アルファ-オレフィンインターポリメリル基である。C3~C30アルファ-オレフィンは、例えば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、又は1-オクタデセンであり得る。
【0048】
特定の実施形態では、式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rは、独立して、プロピレン及びエチレン又はC3~C30アルファ-オレフィンであるコモノマーに由来する単位を含むプロピレン/アルファ-オレフィンコポリメリル基である。C3~C30アルファ-オレフィンは、例えば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、又は1-オクタデセンであり得る。
【0049】
式RAlの有機アルミニウム化合物の各Rが、独立して、ポリオレフィニル基である、実施形態に関して、式RAlの有機アルミニウム化合物は、プロセス(a1)によって調製され得、プロセス(a1)は、
i)オレフィンモノマー成分と、
ii)触媒と、
iii)式JAlの連鎖シャトリング剤(式中、各Jは、独立して、C1~C20ヒドロカルビル基である)と、を含む、出発材料を組み合わせることと、
それによって、式RAlの有機アルミニウム化合物を含む溶液又はスラリーを形成することと、を含む。
【0050】
出発材料i)オレフィンモノマー成分は、1つ以上のオレフィンモノマーを含む。好適なオレフィンモノマーとしては、2~30個の炭素原子、あるいは2~20個の炭素原子の直鎖又は分岐状アルファ-オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、及び1-エイコセン;3~30個、あるいは3~20個の炭素原子を有するシクロオレフィン、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、及び2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンが挙げられる。好適なオレフィンモノマーは、例えば、米国特許第7,858,706号の第16欄5~36行目、及び米国特許第8,053,529号の第12欄7~41行目に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では出発材料i)は、エチレン、及び任意選択的に、プロピレン又は1-オクテンなどの、エチレン以外の1つ以上のオレフィンモノマーを含み得る。
【0051】
出発材料ii)に関して、好適な触媒としては、所望の組成又は種類のポリマーを調製するのに適合された任意の化合物又は化合物の組み合わせが挙げられる。1つ以上の触媒が使用され得る。例えば、第1及び第2のオレフィン重合触媒は、化学的又は物理的特性が異なるポリマーを調製するために使用され得る。不均一触媒及び均一触媒の両方が用いられ得る。不均一系触媒の例には、チーグラー-ナッタ組成物、特に第2族金属ハロゲン化物若しくは混合ハロゲン化物上に担持された第4族金属ハロゲン化物、及びアルコキシド、並びにクロム又はバナジウム系触媒が挙げられる。あるいは、使用の容易さ、及び溶液中での狭い分子量のポリマーセグメントの生成のために、触媒は、第3~15族又は元素周期表のランタノイド系列から選択される金属に基づく化合物又は錯体などの、有機金属化合物又は金属錯体を含む均一系触媒であり得る。出発材料ii)は、触媒に加えて助触媒を更に含み得る。助触媒は、カチオン形成助触媒、強ルイス酸、又はそれらの組み合わせであり得る。好適な触媒及び助触媒は、例えば、米国特許第7,858,706号の第19欄45行目~第51欄29行目、及び米国特許第8,053,529号の第16欄37行目~第48欄17行目に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。また、添加され得る好適なプロ触媒としては、PCT国際公開第2005/090426号、同第2005/090427号、同第2007/035485号、同第2009/012215号、同第2014/105411号、同第2017/173080号、米国特許公開第2006/0199930号、同第2007/0167578号、同第2008/0311812号、並びに米国特許第7,355,089(B2)号、同第8,058,373(B2)号、及び同第8,785,554(B2)号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
出発材料iii)に関して、連鎖シャトリング剤は、式JAlを有し、式中、各Jは、独立して、1~20個の炭素原子のヒドロカルビル基である。Jのヒドロカルビル基は、1~20個の炭素原子、あるいは2~12個の炭素原子を有する。Jのヒドロカルビル基は、アルキル基であり得、これは、線状又は分岐状であり得る。Jは、エチル、プロピル、オクチル、及びそれらの組み合わせによって例示されるアルキル基であり得る。好適な連鎖シャトリング剤としては、トリエチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物が挙げられる。好適な連鎖シャトリング剤は、米国特許第7,858,706号の第16欄37行目~第19欄44行目、及び米国特許第8,053,529号の第12欄49行目~第14欄40行目に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
式RAlの有機アルミニウム化合物を調製するための出発材料は、任意選択的に、iv)溶媒、vi)除去剤、vii)アジュバント、及びviii)重合助剤から選択される1つ以上の追加の出発材料を更に含み得る。トルエン及びIsopar(商標)Eは、出発材料の溶媒iv)の例である。Isopar(商標)Eは、ExxonMobil Chemical Companyから市販されている、典型的には1ppm未満のベンゼン及び1ppm未満の硫黄を含有するイソパラフィン流体である。
【0054】
式RAlの有機アルミニウム化合物を調製するためのプロセス条件及び設備は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第7,858,706号及び米国特許第8,053,529号に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。例えば、プロセス(a1)は、連続重合、好ましくは連続溶液重合(触媒成分、シャトリング剤、モノマー、並びに任意選択的に溶媒、アジュバント、除去剤、及び重合助剤が反応帯域に連続的に供給され、ポリマー生成物が連続的にそこから除去される)として行われることが望ましい重合を特徴とし得る。この文脈において使用される場合、「連続的」及び「連続的に」という用語の範囲内にあるのは、反応物質の断続的な添加及び規則的又は不規則な小間隔での生成物の除去が存在し、そのため経時的に、全体的なプロセスが実質的に連続的であるそれらのプロセスである。
【0055】
重合は、高圧、溶液、スラリー、又は気相重合プロセスとして有利に用いられ得る。溶液重合プロセスの場合、用いられる重合条件下でポリマーが可溶性である液体希釈剤中で、触媒成分の均一な分散液を用いることが望ましい。金属錯体又は助触媒のいずれかがさほど可溶性ではない場合に、非常に微細なシリカ又は類似の分散剤を利用して、そのような均一触媒分散液を生成する1つのそのようなプロセスは、米国特許第5,783,512号に開示されている。本発明の新規のポリマーを調製するための溶液プロセス、特に連続溶液プロセスは、好ましくは80℃~250℃、より好ましくは100℃~210℃、最も好ましくは110℃~210℃の温度で行われる。高圧プロセスは、通常、100℃~400℃の温度、及び500バール(50MPa)を超える圧力で行われる。スラリープロセスは、不活性炭化水素希釈剤を使用してもよく、また、0℃から、得られるポリマーが不活性重合媒体中で実質的に可溶となる温度直下までの温度を使用してもよい。スラリー重合における好ましい温度は、30℃、好ましくは60℃~最大115℃、好ましくは最大100℃である。圧力は、典型的には、大気圧(100kPa)~500psi(3.4MPa)の範囲である。
【0056】
アルファ置換アクリレートの調製
本プロセスは、アルファ置換アクリレートを調製することを対象とする。特定の実施形態では、アルファ置換アクリレートは、式(I)を有し、
【0057】
【化2】
式中、Rは、C1~C26ヒドロカルビル基又はポリオレフィニル基であり、
R1は、C1~C30ヒドロカルビル基である。
【0058】
式(I)のアルファ置換アクリレートのR基及びR1基の各々は、それぞれ、式RAlの有機アルミニウム化合物のR基及び式(II)のアルファ-(ハロメチル)アクリレートのR1基と同じであり、それらのすべての実施形態を含む。実際、本開示のプロセスは、X、ハロゲンが、式RAlの有機アルミニウム化合物のRによって置き換えられる脱離基である、求核置換反応に関する。
【0059】
特定の実施形態では、本開示のプロセスのステップa)は、適切に実施され得る。更なる実施形態では、本開示のプロセスのステップa)における出発材料は、炭化水素溶媒を更に含む。更なる実施形態では、本開示のプロセスのステップa)における出発材料は、非芳香族炭化水素溶媒である炭化水素溶媒を更に含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本開示のプロセスのステップa)は、本明細書で定義されるように、R基の融解温度を超える温度で実施される。例えば、限定するものではないが、本開示のプロセスのステップa)は、15℃~100℃の温度で実施され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、ステップa)におけるアルファ-(ハロメチル)アクリレート対式RAlの有機アルミニウム化合物の比率は、15:1、又は12:1、又は9:1、又は6:1、又は3:1、又は2:1、又は1:1である。
【0062】
好ましい実施形態では、本開示のプロセスは、任意のトランス金属化ステップ又は反応を除外する。
【0063】
特定の実施形態では、本開示のプロセスのステップa)は、触媒化されない。更なる実施形態では、本開示のプロセスのステップa)は、1つ以上の有機触媒によって触媒化され得る。有機触媒は、任意の金属元素を除外する触媒である。したがって、特定の実施形態では、本プロセスのステップa)における出発材料は、有機触媒を更に含む。例えば、本開示のプロセスのステップa)における出発材料は、国際公開第2019/182992号に開示されているような窒素含有複素環を更に含む。窒素含有複素環は、例えば、限定されないが、N-メチルイミダゾールであり得る。
【0064】
本開示の特定の実施形態は、以下を含むが、これらに限定されない。
実施形態1.アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセスであって、
a)アルファ-(ハロメチル)アクリレート及び有機アルミニウム化合物を含む、出発材料を組み合わせることと、
それによって、アルファ置換アクリレートを含む生成物を形成することと、を含む、プロセス。
実施形態2.アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセスであって、
a)アルファ-(ハロメチル)アクリレート及び式RAlの有機アルミニウム化合物を含む、出発材料を組み合わせることと、
それによって、アルファ置換アクリレートを含む生成物を形成することと、を含み、
アルファ置換アクリレートが、式(I)を有し、
【0065】
【化3】
アルファ-(ハロメチル)アクリレートが、式(II)を有し、
【0066】
【化4】
各Rが、独立して、C1~C26ヒドロカルビル基又はポリオレフィニル基であり、
各R1が、独立して、C1~C30ヒドロカルビル基であり、
Xが、ハロゲンである、プロセス。
実施形態i.ステップa)の出発材料が、溶媒を更に含む、実施形態1又は2に記載のプロセス。
実施形態4.溶媒が、非芳香族炭化水素溶媒である、実施形態3に記載のプロセス。
実施形態5.プロセスが、任意のトランス金属化ステップ又は反応を除外する、実施形態1~4のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態6.ステップa)の出発材料が、有機触媒を更に含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態7.有機触媒が、窒素含有複素環である、実施形態6に記載のプロセス。
実施形態8.窒素含有複素環が、N-メチルイミダゾールである、実施形態7に記載のプロセス。
実施形態9.各R1が、独立して、線状、分岐状、又は環式であるC1~C30、又はC1~C10、又はC1~C8、又はC1~C3アルキル基である、実施形態1~8のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態10.各Rが、独立して、C1~C30ヒドロカルビル基である、実施形態1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態11.各Rが、独立して、線状、分岐状、又は環式であるC1~C30、又はC1~C10、又はC1~C8アルキル基である、実施形態10に記載のプロセス。
実施形態12.各Rが、独立して、ポリオレフィニル基である、実施形態1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態13.ポリオレフィニル基が、エチレン系ポリメリル基である、実施形態12に記載のプロセス。
実施形態14.ポリオレフィニル基が、エチレンに由来する単位を含むエチレンホモポリメリル基である、実施形態13に記載のプロセス。
実施形態15.ポリオレフィニル基が、エチレン及びC3~C30アルファ-オレフィンに由来する単位を含むエチレン/アルファ-オレフィンインターポリメリル基である、実施形態13に記載のプロセス。
実施形態16.ポリオレフィニル基が、エチレン及びC3~C30アルファ-オレフィンに由来する単位を含むエチレン/アルファ-オレフィンコポリメリル基である、実施形態13に記載のプロセス。
実施形態17.C3~C30アルファ-オレフィンが、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から選択される、実施形態15又は16に記載のプロセス。
実施形態18.ポリオレフィニル基が、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリメリル基である、実施形態13に記載のプロセス。
実施形態19.ポリオレフィニル基が、ブロック複合体のポリメリル基、特定のブロック複合体のポリメリル基、及び結晶性ブロック複合体のポリメリル基からなる群から選択される、実施形態13に記載のプロセス。
実施形態20.ポリオレフィニル基が、プロピレン系ポリメリル基である、実施形態12に記載のプロセス。
実施形態21.ポリオレフィニル基が、プロピレンに由来する単位を含むプロピレンホモポリメリル基である、実施形態20に記載のプロセス。
実施形態22.ポリオレフィニル基が、プロピレン及びエチレン又はC4~C30アルファ-オレフィンのいずれかに由来する単位を含むプロピレン/アルファ-オレフィンインターポリメリル基である、実施形態20に記載のプロセス。
実施形態23.ポリオレフィニル基が、プロピレン及びエチレン又はC4~C30アルファ-オレフィンのいずれかに由来する単位を含むプロピレン/アルファ-オレフィンコポリメリル基である、実施形態20に記載のプロセス。
実施形態24.C4~C30アルファ-オレフィンが、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から選択される、実施形態22又は23に記載のプロセス。
実施形態25.ポリオレフィニル基が、R-Hの特性によって定義され得、R-Hが、365g/mol超の数平均分子量を有する、実施形態12~24のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態26.ポリオレフィニル基が、R-Hの特性によって定義され得、R-Hが、365g/mol超~10,000,000g/mol、又は365g/mol超~5,000,000g/mol、又は365g/mol超~1,000,000g/mol、又は365g/mol超~750,000g/mol、又は365g/mol超~500,000g/mol、又は365g/mol超~250,000g/molの数平均分子量を有する、実施形態12~25のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態27.ポリオレフィニル基が、R-Hの特性によって定義され得、R-Hが、0.850~0.965g/cc、又は0.860~0.950g/cc、又は0.865~0.925g/ccの密度を有する、実施形態12~26のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態28.ポリオレフィニル基が、R-Hの特性によって定義され得、R-Hが、0.01~2,000g/10分、又は0.01~1,500g/10分、又は0.1~1,000g/10分、又は0.1~500g/10分、又は0.1~100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、実施形態12~27のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態29.ポリオレフィニル基が、R-Hの特性によって定義され得、R-Hが、1~10、又は1~7、又は1~5、又は2~4の数平均分子量分布(Mw/Mn)を有する、実施形態12~28のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態30.ステップa)が、15~100℃の温度で実行される、実施形態1~29のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態31.ステップa)におけるアルファ-(ハロメチル)アクリレート対有機アルミニウム化合物の比率が、15:1、又は12:1、又は9:1、又は6:1、又は3:1、又は2:1、又は1:1である、実施形態1~30のいずれか1つに記載のプロセス。
実施形態32.有機アルミニウム化合物が、
i)オレフィンモノマー成分と、ii)触媒と、iii)連鎖シャトリング剤と、を含む、出発材料を組み合わせることと、
それによって、有機アルミニウム化合物を含む溶液又はスラリーを形成することと、を含む、プロセスによって調製される、実施形態1に記載のプロセス。
実施形態33.式RAlの有機アルミニウム化合物が、
i)オレフィンモノマー成分と、ii)触媒と、iii)式JAlの連鎖シャトリング剤(式中、各Jは、独立して、C1~C20ヒドロカルビル基である)と、を含む、出発材料を組み合わせることと、
それによって、式RAlの有機アルミニウム化合物を含む溶液又はスラリーを形成することと、を含む、プロセスによって調製される、実施形態2~31のいずれか1つに記載のプロセス。
【0067】
試験方法
密度:
密度は、ASTM D-792の方法Bに従って測定する。
【0068】
メルトインデックス:
メルトインデックス(I)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるASTM D-1238、条件190℃/2.16kgに従って測定し、10分当たりに溶出したグラムで報告した。
【0069】
GPC:
以下に従ってGPCを介して、試料ポリマーのそれらの特性について試験した。
【0070】
分子量(MW)及び分子量分布(MWD)の決定に、PolymerChar Inc(Valencia,Spain)からの赤外線濃度検出器(IR-5)からなる高温ゲル浸透クロマトグラフィーシステム(Gel Permeation Chromatography、GPC IR)を使用した。担体溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)であった。オートサンプラーコンパートメントを、160℃で稼働し、カラムコンパートメントを150℃で稼働した。使用したカラムは、4つのPolymer Laboratories Mixed A LS、20ミクロンカラムであった。クロマトグラフィー溶媒(TCB)及び試料調製溶媒は、250ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及び窒素を散布した同じ溶媒源からであった。試料は、TCB中で2mg/mLの濃度で調製した。160℃で2時間、ポリマー試料を穏やかに振とうした。注入量は200μLであり、流速は1.0ml/分であった。
【0071】
GPCカラムセットの較正を、21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質を用いて実施した。標準物質の分子量は、580~8,400,000g/molの範囲であり、6つの「カクテル」混合物に配置され、個々の分子量間に少なくとも一桁の間隔があった。
【0072】
実施例を実行する前に、21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質を実行することによって、GPCカラムセットを較正した。標準物質の分子量(Mw)は、1モル当たり580-8,400,000グラム(g/mol)の範囲であり、標準は6つの「カクテル」混合物に含有された。各標準混合物は、個々の分子量間に少なくとも一桁の間隔を有した。標準混合物は、Polymer Laboratories(Shropshire,UK)から購入した。ポリスチレン標準物質を、1,000,000g/mol以上の分子量について50mLの溶媒中0.025g、及び1,000,000g/mol未満の分子量について50mLの溶媒中0.05gで調製した。ポリスチレン標準を、80℃で30分間穏やかに撹拌しながら溶解した。狭い標準混合物を最初に、かつ分解を最小限に抑えるために最高分子量(Mw)成分を減少させる順序で実行した。ポリスチレン標準ピーク分子量は、Mark-Houwink定数を用いてポリエチレンMwに変換した。定数を得たら、溶出カラムの関数としてのポリエチレン分子量及びポリエチレン固有粘度に関する2つの線状基準通常較正を構築するために2つの値を使用した。
【0073】
ポリスチレン標準ピーク分子量を、以下の式を使用してポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載のとおり)。
ポリエチレン=A(Mポリスチレン(1)
式中、Bは、1.0の値を有し、Aの実験的に決定された値は、約0.41である。
【0074】
三次多項式が使用され、方程式(1)から得られたそれぞれのポリエチレン等価較正点を、それらの観察されたポリスチレン標準の溶出堆積に適合させた。
【0075】
数平均、重量平均、及びz平均分子量を、以下の式に従って計算した。
【0076】
【化5】
式中、Wfは、i番目の成分の重量分率であり、Mは、i番目の成分の分子量である。
【0077】
MWDを、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比率として表した。
【0078】
正確なA値を、式(3)を使用して計算されたMw及び対応する保持堆積多項式が、標準線状ポリエチレンホモポリマー参照物の既知のMw値120,000g/molに一致するまで、式(1)のA値を調整することによって決定した。
【0079】
GPCシステムは、搭載型示差屈折率検出器(RI)を装備した、Waters(Milford,Mass.)150℃高温クロマトグラフ(他の好適な高温GPC器材としては、Polymer Laboratories(Shropshire,UK)モデル210及びモデル220が挙げられる)からなる。追加の検出器としては、Polymer ChAR(Valencia,Spain)のIR4赤外線検出器、Precision Detectors(Amherst,Mass.)2角レーザー光散乱検出器モデル2040、及びViscotek(Houston,Tex.)150R 4-キャピラリー溶液粘度計が挙げられ得る。最後の2つの独立した検出器と、少なくとも1つの最初の検出器と、を有するGPCは、時に「3D-GPC」と称されるが、用語「GPC」単独では一般に従来のGPCを指す。試料に応じて、光散乱検出器の15度角又は90度角のいずれかを計算の目的のために使用した。
【0080】
データ収集を、Viscotek TriSECソフトウェア、バージョン3及び4つのチャネルのViscotek Data Manager DM400を使用して実施した。このシステムには、Polymer Laboratories(Shropshire,UK)製のオンライン溶媒脱気機器も備わっていた。4つの長さ30cmのShodex HT803 13ミクロンカラム又は4つの20ミクロンの混合細孔サイズパッキングの30cmのPolymer Labカラムなどの好適な高温GPC(MixA LS、Polymer Lab)カラムを使用することができた。試料のカルーセルコンパートメントを140℃で稼働させ、カラムコンパートメントを150℃で稼働させた。試料を50ミリリットルの溶媒中0.1グラムのポリマーの濃度で調製した。クロマトグラフ溶媒及び試料調製溶媒は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する。両方の溶媒に窒素を散布した。ポリエチレン試料を160℃で4時間(4時間)穏やかに撹拌した。注入量は200マイクロリットル(μL)であった。GPCを通る流速を1mL/分に設定した。
【0081】
NMR(13C及びH):
NMR分析を、クロロホルム又はベンゼンなどの標準NMR溶媒を使用して室温で実施し、データをVarian 500MHz分光計で取得した。
【0082】
GCMS:
電子衝撃イオン化(EI)を用いたタンデムガスクロマトグラフィー/低分解能質量分析を、Agilent Technologies 5975不活性XL質量選択検出器及びAgilent Technologies Capillaryカラム(HP1MS、15m×0.25mm、0.25ミクロン)を装備したAgilent Technologies 6890Nシリーズガスクロマトグラフ上で70eVで、以下に関して実施する。
【0083】
プログラムされた方法:
50℃で0.5分間のオーブン平衡化時間
次いで、200℃まで25℃/分、及び5分間保持
実行時間11分
【実施例
【0084】
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を例示することを意図しており、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【0085】
別途明記しない限り、すべての材料及び試薬は、Sigma Aldrichなどから市販されている。
【0086】
実施例1
【0087】
【化6】
実施例1の反応を、不活性窒素雰囲気グローブボックス下で、例示的かつ非限定的である上記の反応スキームに従って実施した。20mLのバイアル中の乾燥メチルシクロヘキサン(5mL)中のエチルブロモメチルアクリレート(193mg)の溶液に、Oct3Al(122.5mg、0.33当量)の溶液を室温でゆっくりと添加した。反応混合物はわずかに黄色に変わり、室温で一晩の後、色が消失した。1,3,5-トリブロモベンゼンを添加し(76mg、0.244mmol)、内部標準物質として添加した。
【0088】
室温で12時間後、NMR転化率を図1Aに見られるように約35%と計算した。
【0089】
反応混合物を85℃で6時間更に加熱した。NMRは、図1Bに見られるように、いくつかの副産物の形成による約60%の転化率を示した。積分対内部標準物質は、61%NMR収率を得た。更なる加熱は変換率を改善しなかったが、より多くの副生成物が形成された。
【0090】
実施例2
【0091】
【化7】
実施例2の反応を、不活性窒素雰囲気グローブボックス下で、非限定的かつ例示的である上記の反応スキームに従って実施した。20mLのバイアル中の乾燥メチルシクロヘキサン(5mL)中のメチルクロロメチルアクリレート(134.6mg)の溶液に、Oct3Al(136.5mg、0.33当量)の溶液を室温でゆっくりと添加した。反応混合物はわずかに黄色に変わり、室温で一晩の後、色が消失した。1,3,5-トリブロモベンゼン(71.7mg、0.227mmol)を、内部標準物質として添加した。
【0092】
室温で12時間後、NMR転化率を図2Aに見られるように約39%と計算した。
【0093】
反応混合物を85℃で6時間更に加熱した。NMRは、図2Bに見られるように、いくつかの副産物の形成による約56%の転化率を示した。積分対内部標準物質は、46~50%NMR収率を得た。更なる加熱は変換率を改善しなかったが、より多くの副生成物が形成された。
図1A
図1B
図2A
図2B
【手続補正書】
【提出日】2022-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファ置換アクリレートを調製するためのプロセスであって、
a)アルファ-(ハロメチル)アクリレート及び式RAlの有機アルミニウム化合物を含む、出発材料を組み合わせることと、
それによって、前記アルファ置換アクリレートを含む生成物を形成することと、を含み、
前記アルファ置換アクリレートが、式(I)を有し、
【化1】
前記アルファ-(ハロメチル)アクリレートが、式(II)を有し、
【化2】
各Rが、独立して、C1~C26ヒドロカルビル基又はポリオレフィニル基であり、
各R1が、独立して、C1~C30ヒドロカルビル基であり、
Xが、ハロゲンである、プロセス。
【請求項2】
ステップa)の前記出発材料が、溶媒を更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記溶媒が、非芳香族炭化水素溶媒である、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記プロセスが、任意のトランス金属化ステップ又は反応を除外する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
ステップa)の前記出発材料が、有機触媒を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
各Rが、独立して、C1~C26ヒドロカルビル基である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
各Rが、独立して、R-Hの特性によって定義され得るポリオレフィニル基であり、R-Hが、365g/mol超の数平均分子量を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ポリオレフィニル基が、エチレン系ポリメリル基である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ポリオレフィニル基が、エチレンに由来する単位を含むエチレンホモポリメリル基である、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記ポリオレフィニル基が、エチレン及びC3~C30アルファ-オレフィンに由来する単位を含むエチレン/アルファ-オレフィンインターポリメリル基である、請求項8に記載のプロセス。

【国際調査報告】