(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(54)【発明の名称】床仕上げ除去パッドアセンブリ及び床仕上げを除去する方法
(51)【国際特許分類】
B24D 7/06 20060101AFI20230220BHJP
B24D 9/08 20060101ALI20230220BHJP
B24D 3/00 20060101ALI20230220BHJP
B24D 7/02 20060101ALI20230220BHJP
B24B 27/00 20060101ALI20230220BHJP
A47L 13/16 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
B24D7/06
B24D9/08 A
B24D3/00 330E
B24D7/02 B
B24D3/00 310Z
B24D3/00 320A
B24B27/00 L
A47L13/16 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540317
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 IB2020062302
(87)【国際公開番号】W WO2021137092
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ズー,リジュン
(72)【発明者】
【氏名】エッケル,ジョセフ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ニーナバー,アーロン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】マナロ,ジェイミー エム.
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ユヤン
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,トーマス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3B074
3C063
3C158
【Fターム(参考)】
3B074AA01
3B074AA02
3B074AA03
3B074AA08
3B074AB02
3C063AA02
3C063BA03
3C063BA37
3C063BA40
3C063BB03
3C063BB06
3C063BG07
3C063BG18
3C063BG30
3C158AA04
3C158AA14
(57)【要約】
床仕上げ除去パッドアセンブリが記載されている。床仕上げ除去パッドアセンブリで床仕上げを除去する方法が記載されている。特に、床仕上げ除去パッドアセンブリは、圧縮可能なバッキングパッドと、不連続に配置され、非剛性コーティングされた、複数の研磨材、又は不連続にパターン化され、実質的に同一の広がりを有する、単一のコーティングされた研磨材とを含む。そのような床仕上げ除去パッドアセンブリを使用する方法は、化学薬品剥離剤を使用せずに、床仕上げを効果的に除去することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び第2主面を有する圧縮可能なバッキングパッドと、
前記圧縮可能なバッキングパッドの前記第1主面に取り付けられた、不連続に配置され、非剛性コーティングされた、複数の研磨物品と、
を備える、床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項2】
不連続に配置され、非剛性コーティングされた、複数の研磨物品が、前記圧縮可能なバッキングパッドの前記第1主面に取り外し可能に取り付けられている、請求項1に記載の床仕上げ除去パッド。
【請求項3】
前記コーティングされた研磨物品が、酸化アルミニウム粒子を含む、請求項1に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項4】
前記コーティングされた研磨物品が、正三角形の粒子を含む、請求項1に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項5】
前記コーティングされた研磨物品が、直角三角形の粒子を含む、請求項1に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項6】
前記圧縮可能なバッキングパッドが、嵩高い不織布パッドである、請求項1に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項7】
前記圧縮可能なバッキングパッドが、発泡体パッドである、請求項1に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項8】
前記圧縮可能なバッキングパッドが、砥粒を含む、請求項1に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項9】
前記コーティングされた研磨物品が、潤滑剤を含む、請求項1に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項10】
床仕上げを除去する方法であって、
圧縮可能なバッキングパッドの主面に取り付けられた、不連続に配置され、非剛性コーティングされた、複数の研磨物品を、コーティングされた硬質床面と接触させるステップと、
任意選択で、前記接触させるステップを繰り返すステップと、を含み、
前記接触させるステップは、有効量の化学薬品剥離剤の不在下で行われる、
方法。
【請求項11】
前記接触させるステップが、水の不在下でも行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
アクリル床仕上げの25マイクロメートルの厚さのコーティングを除去するステップが、10回未満の接触させるステップを必要とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、前記接触させるステップの前に、前記圧縮可能なバッキングパッドをスクラバー又はサンダーに取り付けるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮可能なバッキングパッドが、自動スクラバーに取り付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記圧縮可能なバッキングパッドが、オービタルサンダーに取り付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
第1主面及び第2主面を有する圧縮可能なバッキングパッドと、
前記圧縮バッキングパッドと実質的に同一の広がりを有し、前記圧縮可能なバッキングパッドの前記第1主面に取り付けられた、不連続にパターン化され、非剛性コーティングされた、研磨物品と、
を備える、床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項17】
前記コーティングされた研磨物品が、酸化アルミニウム粒子を含む、請求項16に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項18】
前記コーティングされた研磨物品が、正三角形の粒子を含む、請求項16に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項19】
前記コーティングされた研磨物品が、直角三角形の粒子を含む、請求項16に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【請求項20】
前記圧縮可能なバッキングパッドが、嵩高い不織布パッド又は発泡体パッドである、請求項16に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
保護床仕上げは、環境、足、及び商業ビルの通行(例えば、カート)にさらされると、引っかき傷、擦り傷、摩耗が起こる。床仕上げを再適用するために、床仕上げを除去して、下の裸の基材を露出させる必要がある。腐食性化学薬品は、従来、硬質仕上げを軟化させて、摩耗により除去できるようにするために必要である。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本明細書は、床仕上げ除去パッドアセンブリに関する。特に、床仕上げ除去パッドアセンブリは、第1主面及び第2主面を有する圧縮可能なバッキングパッドと、圧縮可能なバッキングパッドの第1主面に取り付けられた、不連続に配置され、非剛性コーティングされた、複数の研磨物品と、を含む。
【0003】
別の態様では、本明細書は、床仕上げを除去する方法に関する。特に、床仕上げを除去する方法は、圧縮可能なバッキングパッドの主面に取り付けられた、不連続に配置され、非剛性コーティングされた、複数の研磨物品を、コーティングされた硬質床面と接触させることと、任意選択で、接触させるステップを繰り返すことと、を含む。接触させるステップは、有効量の化学薬品剥離剤の不在下で行われる。
【0004】
更に別の態様では、本明細書は、床仕上げ除去パッドアセンブリに関する。特に、床仕上げ除去パッドアセンブリは、第1主面及び第2主面を有する圧縮可能なバッキングパッドと、圧縮バッキングパッドと実質的に同一の広がりを有し、圧縮可能なバッキングパッドの第1主面に取り付けられた、不連続にパターン化され、非剛性コーティングされた、研磨物品と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】コーティングされた研磨物品のいくつかの例示的な形状を含む例示的な床仕上げ除去パッドアセンブリの底面図である。
【
図3】床仕上げ除去パッドアセンブリを使用して床仕上げを除去するための例示的なシステムの概略立面図である。
【
図4】例示的な研磨材パターンの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
床手入れの領域における床剥離は、床上に見られる古いワックス、仕上げ、しみ、及び破片を完全に除去することを指す。床剥離は、床のメンテナンス及び手入れにおける、又は更には専門の洗浄産業全体を通して、最も時間がかかる労働集約的なタスクのうちの1つであることが知られている。一般に、ワックス又は床仕上げを床面基材に適用することは、床の見た目が魅力的で、光沢があり、かつ引っかき傷及び汚れがないように保つのに役立つ。典型的には、これらの仕上げ又はワックスは、複数の層又はコーティングで適用される。しかしながら、経時的に、特に歩行者又は他の通行が多いと、これらの層は摩耗し、汚れ又は破片が埋め込まれ、通常の従来のメンテナンスによって洗浄又は修復することができない。これらの場合、新しい仕上げコーティングを適用するために、床仕上げ又はワックスを完全に除去しなければならない。
【0007】
従来の床剥離プロセスは、4つの別個のステップを含む。第1に、床仕上げ剥離化学薬品を床面に塗布し、約10分間置く。第2に、床剥離パッドを使用して、緩んだ及び/又は軟化した床仕上げを研磨する。第3に、ここで汚れ及び床仕上げ微粒子で汚れた剥離溶液を床から除去する必要がある。最後に、床仕上げを再適用する前に、裸の床を洗浄し、乾燥させる必要がある。
【0008】
汚く、臭いのする、危険である可能性のある従来のプロセスのために、化学薬品を含まない床剥離方法を使用することが望まれてきた。しかしながら、現在の方法では、単層の床コーティングを除去するためでさえも複数のパスを行う。ほとんどの床コーティングが複数回の(例えば、2回又は4回の)コーティングを推奨することを考慮すると、現在利用可能な化学薬品を含まない剥離溶液は、必要な追加の労働コストを考慮すると実用的ではない。
【0009】
本明細書に記載の床仕上げ除去パッドアセンブリは、化学薬品床剥離剤を使用せずに床仕上げの層を除去するのに驚くほど効果的である。いくつかの実施形態では、床仕上げ除去パッドアセンブリは、特別に成形され、整列した砥粒を利用する。いくつかの実施形態では、床仕上げ除去パッドアセンブリは、圧縮可能なバッキングパッド上に不連続に配置され、非剛性コーティングされた研磨物品を利用する。全ての床面は、ある程度の凹凸を有し、そのような圧縮性及び非剛性は、これらのアセンブリが不均一な床の低点に到達し、その上の床仕上げコーティングを除去するのに役立ち得る。
【0010】
図1は、コーティングされた研磨物品のいくつかの例示的な形状を含む例示的な床仕上げ除去パッドアセンブリの底面図である。床仕上げ除去パッドアセンブリ100は、圧縮可能なバッキングパッド110と、任意選択の取り付け穴112と、例示的な不連続に配置されたコーティングされた研磨物品120a、120b、120c、及び120dと、を含む。
【0011】
床仕上げ除去パッド100は、任意の全体形状及びサイズであってもよい。いくつかの実施形態では、床仕上げ除去パッド100は、回転機械に取り付け可能であることが意図される場合、円形又はディスク状であってもよい。いくつかの実施形態では、床仕上げ除去パッド100は、正方形型サンダー又はオービタルサンダーに取り付け可能であることが意図される場合、長方形又は正方形であってもよい。
【0012】
圧縮可能なバッキングパッド110は、同様に、任意の好適な形状、サイズ、及び厚さであってもよい。いくつかの実施形態では、圧縮可能なバッキングパッドは、例えば、0.25~10cmの間の任意の好適な厚さであってもよい。1インチの厚さは、一般的(2.54cm)である。いくつかの実施形態では、圧縮可能なバッキングパッドは、既存の床洗浄及び処理装置に取り付けるための標準的なサイズ及び形状を有してもよい。例えば、20インチ(50.8cm)の床パッドが一般的であるが、直径10インチ(25.4cm)~24インチ(60.96cm)のサイズがこれらの用途に好適であり得る。
【0013】
圧縮可能なバッキングパッド110は、任意の好適な材料又は複数の材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、圧縮可能なバッキングパッド110は、ウレタンフォームゴム又は天然ラテックスフォームゴムである。いくつかの実施形態では、圧縮可能なバッキングパッド110は、連続気泡エチレン-酢酸ビニルである。任意の圧縮性天然材料、ポリマー材料又はそれらのブレンドを使用することができる。いくつかの実施形態では、圧縮可能なバッキングパッドは、嵩高い不織パッドである。これらの実施形態では、特定の不織布繊維に使用される材料は、それ自体が圧縮可能である必要はないが、嵩高いパッドは、繊維が応力下で屈曲し得るときに圧縮可能であるように構成されてもよい。繊維は、天然繊維及び合成繊維を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維は、天然繊維(例えば、麻、黄麻などの植物繊維、及びブタの毛髪などの動物性毛髪繊維)、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンイソフタレート)、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、合成繊維、若しくはこれらの組み合わせであってもよく、又はこれらを含んでもよい。合成繊維としては、トウモロコシ由来のポリ乳酸などの天然源由来のポリマーが挙げられる。繊維は、バインダーによって、及び/又は溶融結合されることによって相互接触の接合部で互いに接着され得る。
【0014】
圧縮可能なバッキングパッド110は、任意選択の取り付け穴112を含む。任意選択の取り付け穴は、任意の好適なサイズ又は形状であってもよく、床仕上げ除去パッドアセンブリ100を、任意の所望の床処理又はメンテナンス機械に使用可能又は取り付け可能であるように、適合又は設計されてもよい。
【0015】
不連続に配置されたコーティングされた研磨物品120a、120b、120c、及び120dは、任意の好適な形状及びサイズであり得るが、多くの実施形態では、そのようなコーティングされた研磨物品は、取り付けられたときに圧縮可能なバッキングパッド110の領域内に完全に適合することが望ましい。120a、120b、120c、及び120dで表される様々な形状からわかるように、多くの可能な好適な構成がある。いくつかの実施形態では、コーティングされた研磨物品は、全て同じ形状であり、いくつかの実施形態では、コーティングされた研磨物品は、異なる形状である。いくつかの実施形態では、コーティングされた研磨物品は、同じサイズ又は面積であり、いくつかの実施形態では、コーティングされた研磨物品は、異なるサイズ又は面積である。好適な形状としては、円形、長円形、楕円形、多角形、正方形、長方形、台形、ダイヤモンド、菱形などが挙げられる。不規則、湾曲、及び他の形状も可能であり、特定の用途に好適であり得る。コーティングされた研磨物品は、非剛性であり、これは、亀裂が入る、又は破砕することなく回復可能に曲がるように少なくともある程度の自由度を有することを意味する。いくつかの実施形態では、コーティングされた研磨物品は、布地若しくは生地バッキング、又は薄い若しくは可撓性のポリマーバッキングを含み得る。いくつかの実施形態では、コーティングされた研磨物品は、不織布バッキング又は発泡体バッキングを含み得る。いくつかの実施形態では、コーティングされた研磨物品は、圧縮可能なバッキングパッドに取り外し可能に取り付け可能であってもよく、取り付けのための接着剤又は面ファスナ(又は他の物理的相互連結)機構を含んでもよい。
【0016】
コーティングされた研磨物品は、複数の砥粒で覆われている、又は少なくとも複数の砥粒を含む。いくつかの実施形態では、複数の砥粒は、1つのタイプの研磨材料を含む。いくつかの実施形態では、複数の砥粒は、複数の研磨材料又は研磨材料のブレンドを含む。いくつかの実施形態では、複数の砥粒は、実質的に同じ形状の砥粒のうちの1つのみを含む。いくつかの実施形態では、複数の砥粒は、複数の形状の砥粒を含む。砥粒は、本明細書に記載の研磨粒子材料のいずれか、例えば、酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム、熱処理された酸化アルミニウム、炭化ケイ素、共溶融されたアルミナ-ジルコニア、ダイヤモンド、セリア、二ホウ化チタン、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、ガーネット、フリント、エメリー、ゾルゲル誘導研磨剤粒子、ノバキュライト、軽石、ルージュ、砂、コランダム、砂岩、トリポリ、粉末長石、十字石、セラミック酸化鉄、ガラス粉末、鋼粒子、及びこれらのブレンドであり得る。研磨剤コーティングはまた、樹脂を含むことができる。使用するのに好適な例示的な樹脂としては、メラミン樹脂、無水マレイン酸及び無水フタル酸とプロピレングリコールとの縮合生成物などのポリエステル樹脂、スチレン-ブタジエン(SBR)コポリマーなどの合成ポリマー、カルボキシル化-SBRコポリマー、フェノール-アルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、アセタールコポリマー、ポリウレタン、並びにこれらの混合物及び架橋バージョンが挙げられる。
【0017】
成形砥粒は、特定の実施形態において特に有用であり得る。成形砥粒は、本質的にランダム化された従来の方法で供給された研磨材に見られない形状を含むモールド砥粒であり得る。成形砥粒はまた、形状がより均一であり得る。成形砥粒を作製する方法が知られており、例えば、米国特許第8,142,531(B2)号(Adefrisら)に記載されている。好適な成形砥粒は、任意の好適な形状(
図2に関連してより詳細に論じられる)及び任意の好適なサイズであり得る。いくつかの実施形態では、砥粒の平均寸法又は特徴寸法(成形されているか否かにかかわらず)は、0.01~0.1mm、0.1~0.5mm、0.5~1mm、又は1mm~5mmであり得る。いくつかの実施形態では、複数の砥粒は、サイズのブレンドを含み得る。研磨スラリーを作製するために任意の他の成分と混合された、又は任意の他の成分中に混合された砥粒又は砥粒(Abrasive grains or abrasive grains)は、スプレーコーティング又はロールコーティングを含む任意の好適な方法によってバッキング上にコーティングされ得る。潤滑剤又は他の添加剤が組み込まれ得る、又は含まれ得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、不連続な非剛性コーティングされた研磨物品と併せて記載された砥粒のいずれかは、圧縮可能なバッキングパッド上など、床仕上げ除去パッドアセンブリの任意の他の部分に存在し得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、バッキングを含む単一のコーティングされた研磨物品は、圧縮可能なバッキングパッドと同一の広がり又は実質的に同一の広がりを有する。単一コーティングされた研磨物品のバッキングは、研磨材を含まない領域に隣接する研磨材の領域を作製するようにパターン化され得る。上記の不連続にコーティングされた研磨物品のいずれかについて、任意の好適な研磨材又は研磨材の組み合わせを使用することができる。
【0020】
図2は、例示的な砥粒形状の概略斜視図である。正三角形の砥粒形状222aは、正三角形に近似する面を有する。直角三角形の砥粒形状222bは、直角三角形に近似する面を有する。
図2に示すような形状は、特定のタイプの床仕上げに特に好適であり得る、又は一般に様々な床仕上げに適用可能であってもよく、当該形状は、用途及び所望の性能に基づいて選択されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に表される他の形状又は形状の変更が使用され得る。例えば、側壁の長さ又は角度を変更してもよい。
【0021】
図3は、床仕上げ除去パッドアセンブリを使用して床仕上げを除去するための例示的なシステムの概略立面図である。コーティングされた床340から床仕上げを除去するために、床デバイス330は、床仕上げ除去パッドアセンブリ310を組み込む。床デバイス330は、自動スクラバーであり得る。いくつかの実施形態では、床デバイス330は、オービタルサンダー又は正方形型サンダーであり得る。床デバイス330は、コーティングされた床340に対して床仕上げ除去パッドアセンブリ310を接触させることを助けるように構成されている。いくつかの実施形態では、コーティングされた床340に対して床仕上げ除去パッドアセンブリ310を接触させるステップは、床仕上げ除去パッドアセンブリを回転させるステップを含む。コーティングされた床340は、ビニルコンポジションタイル(VCT)、ソリッドビニルタイル、石床、又は任意の他の好適な天然若しくは製造された床面を含む、任意のコーティングされた硬質面であってもよい。
図3では、コーティングされた床340は、任意の大きい又は小さい寸法であり得ることを示すために、破断線で示されている。コーティングされた床はまた、任意の数のコーティング(典型的には、10未満)の任意のワックス、床コーティング又は保護剤を含み得る。いくつかの実施形態では、コーティングされた床に対して床仕上げ除去パッドアセンブリを接触させるステップは、床仕上げ除去パッドアセンブリをコーティングされた床に対して横方向に並進させるステップを含む。いくつかの実施形態では、コーティングされた床に対して床仕上げ除去パッドアセンブリを接触させるステップは、化学薬品剥離剤の不在下で行われる。いくつかの実施形態では、コーティングされた床に対して床仕上げ除去パッドアセンブリを接触させるステップは、水の不在下で行われる。いくつかの実施形態では、接触させるステップは、任意選択で繰り返される。いくつかの実施形態では、床仕上げの厚さ25マイクロメートルのコーティングを除去するステップは、10未満の接触させるステップを必要とする。
【0022】
実施例
床仕上げ除去パッドアセンブリ試料は、フィルムバッキング上に研磨材をコーティングすることによって作製された。試料の削剥及び仕上げ除去について試験した。別段の記載がない限り、実施例及び本明細書のその他の箇所における全ての部分、百分率、比などは、重量によるものである。特に明記しない限り、他の全ての試薬は、ミズーリ州St.LouisのSigma-Aldrich Companyなどの化学薬品業者から入手したか、又は入手可能であり、あるいは既知の方法で合成することができる。
【0023】
【0024】
実施例1
MAKE1を、4インチ×6インチ(10×15cm)面積当たり24粒子の重量で、ノッチバーによってBACK1上に連続的にコーティングした。
【0025】
MIN1を、4インチ×6インチ(10×15cm)面積当たり60粒子の総鉱物重量で、連続的に移動する静電コーターによってBACK1上にコーティングした。第2の鉱物MIN4はまた、4インチ×6インチ(10×15cm)面積当たり20粒子の重量で、静電コーターによって適用された。
【0026】
材料を約40インチの長さに変換し、バッチオーブン内に置いた。オーブンを175Fで30分間、195Fで30分間、210Fで70分間動作させた。
【0027】
材料をバッチオーブンから取り出し、ロールコーターを通過させて、1平方メートル当たり483グラムの被覆率でSIZE1を75cmのペイントローラーを用いて適用し、得られた生成物を90℃で60分間、次いで102℃で更に8時間硬化させた。
【0028】
実施例2
MIN1の代わりにMIN2を使用したことを除いて、実施例1の試料作製を繰り返した。
【0029】
実施例3
MIN1の代わりにMIN3を使用したことを除いて、実施例1の試料作製を繰り返した。
【0030】
実施例4
A-積層ループバッキングの準備
【0031】
【0032】
NET MESHを、1平方メートル当たり72グラムのBOSTIKの1つの層に、約2秒間の接触時間で鉄プレスを使用して積層し、このように、ループバッキング上に連続フィルムを作製した。
【0033】
B-フェノール樹脂調製
本明細書で説明される研磨物品を調製するために使用された、フェノール樹脂の成分を表2に列挙する。
【0034】
【0035】
硬化性組成物は、600rpm~900rpmの高剪断ブレードを使用して、高速分散下で、均質な混合が得られるまで、B7をU0とブレンドし、次いで剪断下で、D1、GEO、COL、SIC、FIL2、ANTを添加し、FIL5を徐々に添加することによって調製した。
【0036】
C-ステンシル印刷プロセス
A-積層ループバッキング上の連続フィルムの上に配置された、パターン化された3milのポリエステルステンシル(
図4に示すようにパターン化された)を使用して、硬化性組成物B-フェノール樹脂がステンシル印刷され、このステンシル印刷は、バッキングとステンシルとを接触させ、バッキングとは反対側のステンシルの側に硬化性組成物を適用し、ブレード機構を使用して硬化性組成物をスクリーン/ステンシルに押し付けて通し、次いで、ステンシルとバッキングとを分離して、バッキング上に硬化性組成物のコーティングを残すことによるものであり、コーティングされた硬化性組成物の量は、100gsmであり、100ミクロンの膜厚を有する。次いで、硬化性組成物が依然として湿潤している間に、70%のAP180と30%のMIN5とのブレンド50gsmを静電コーティング(Spellman SL 150)した。次いで、この構成全体を、80℃のバッチオーブン内で30分間、熱によって予備硬化させ、103℃のバッチオーブン内で4時間、最終硬化させた。この最終段階の間に、硬化性組成物が硬化し、BOSTIKが溶融して、ループバッキングの繊維及びスクリーンがウィッキングすることにより、バッキングに元から存在する多くの穴を再び開放する。この例では、最少で元の穴の90%が、再び開放された。
【0037】
比較例1 3M High Productivity Pad 7300(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)
比較例2 3M Black Stripper PAD 7200(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)
比較例3 SCOTCH-BRITE Surface Preparation Pad Plus(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)
【0038】
試験結果
1.シーファー削剥試験
本発明における物品の相対摩耗性を評価するために、シーファー削剥試験を実施した。試験は、米国特許第5,626,512号(Palaikisら)に記載されているのと概ね同様の方法で実施した。実施例1~3をフック材料(APIX220フック)の層で積層し、次いで、円形パッド(直径8.25cm)に切断した。3M 96研磨パッド(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)を同じサイズで円形に切断した。物品のフック側を3M 96 scouring padに取り付けた後、アセンブリ全体をシーファー摩耗試験機(Frasier Precision Company(Gaithersburg,Maryland)から入手可能)の駆動プレートに固定した。ワークピースは、全て直径約10.16cm、厚さ約0.317cmであった。各ワークピースの初期乾燥重量を記録し、ワークピースを試験機械の下部ターンテーブルに両面発泡テープを使用して固定した。試験は、40~60滴/分でアクリルディスクの表面に水を加えて、2.26kgの負荷下で合計2,000回転にわたって行った。試験を500回転ごとに停止した。ワークピースを乾燥させて、秤量した。試験中のアクリルディスクの重量減少は、表3の結果(グラムとして報告)として示された。より高い重量減少を示す実施例は、より高い削剥率を有する。
【0039】
【0040】
2.床仕上げ除去試験
ビニルコンポジションタイル(VCT)床試験領域を最初に剥離し、次いで、1層のSignature床仕上げ(Sealed Air(Charlotte,NC,28273)から入手可能)で、2000平方フィート/ガロンでコーティングして、乾燥後に各タイル上に5本のマーカーラインを引き、次いで、マーカーラインの上に4層のSignature床仕上げをコーティングして、試験前に7日間硬化させる。実施例1~4をフック材料(Aplix 220フック)の層で積層し、次いで、3インチ×9インチ(7.6×23cm)のストリップに切断し、6個のストリップのフック側を、14インチ×20インチ(35.6×51cm)の3M Red Buffer床パッドに3列に取り付け、アセンブリ全体を14インチ×20インチの正方形スクラブ機(Square Scrub製のEBG-20/C PIVOT)に取り付けた。正方形スクラブ機を試験したタイル上で前後に移動させた。マーカーラインの95%が除去されるまで、パス数をカウントした。前後は2回のパスとしてカウントした。表4は、試験結果を示す。4層のSignature床仕上げを除去するために必要なパス数が少ない例の方がより効率的である。
【0041】
【0042】
用いた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用したものであり、そのような用語及び表現を使用する際、図示及び記載する特徴の均等物又はその一部分を除外する意図はなく、本発明の実施形態の範囲内で様々な修正形態が可能であることが理解される。したがって、特定の実施形態及び任意選択の特徴によって、本発明を具体的に開示したが、本明細書に開示する概念の修正形態及び変形形態を、当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及び変形形態は、本発明の実施形態の範囲内であると見なされることが理解されるべきである。
【国際調査報告】