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特表2023-508113アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質、ワクチン組成物、調製方法及びその応用
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  • 特表-アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質、ワクチン組成物、調製方法及びその応用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(54)【発明の名称】アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質、ワクチン組成物、調製方法及びその応用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/34 20060101AFI20230220BHJP
   A61K 39/12 20060101ALI20230220BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20230220BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20230220BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230220BHJP
   C07K 14/01 20060101ALI20230220BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
C12N15/34
A61K39/12 ZNA
A61P31/20
A61K39/39
A61P37/04
C07K14/01
C12N15/63 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540323
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2021079792
(87)【国際公開番号】W WO2021180088
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】202010180036.8
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
2.PLURONIC
3.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】515269637
【氏名又は名称】普莱柯生物工程股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田 克恭
(72)【発明者】
【氏名】▲ぱん▼ 文強
(72)【発明者】
【氏名】張 許科
【テーマコード(参考)】
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA03
4C085BA51
4C085CC08
4C085DD62
4C085EE01
4C085FF01
4C085FF02
4C085FF12
4C085FF13
4C085FF14
4C085FF17
4C085FF18
4C085FF19
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA01
4H045DA86
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質を提供する。前記キメラタンパク質は、(1)アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIと、(2)アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIと、(3)アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIIと、(4)アフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質とを含む。本発明に係るキメラタンパク質は、アフリカ豚熱ウイルスp72タンパク質を骨格として利用して、アフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質p54、p30、CD2v及びp12の抗原性エピトープを比較的良好に示し、免疫効果が良好であり、顕著な体液及び細胞免疫反応を発生することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質であって、前記キメラタンパク質は、
1)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するドメインIであって、アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIと、
2)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するドメインIIであって、アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIと、
3)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するドメインIIIであって、アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIIと、
4)アフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質とを含み、
5)アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIはキメラタンパク質のN末端に位置し、ドメインIIIはキメラタンパク質のC末端に位置し、ドメインIIはドメインIとドメインIIIの間に位置し、アフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質はアフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIとドメインIIの間及び/又はドメインIIとドメインIIIの間に位置することを特徴とするアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質。
【請求項2】
前記アフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、p54、p30、CD2v及びp12タンパク質の少なくとも1つのフラグメントであることを特徴とする請求項1に記載のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質。
【請求項3】
前記p54タンパク質フラグメントは、配列番号5、6、7、8、9、10、11、12で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数であり、
前記p30タンパク質フラグメントは、配列番号13、14、15、16、17、19で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数であり、
前記CD2vタンパク質フラグメントは、配列番号20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数であり、
前記p12タンパク質フラグメントは、配列番号31、32、33、34、35、36、37で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数であることを特徴とする請求項2に記載のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質。
【請求項4】
前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質は、T細胞免疫活性化エピトープを更に含み、前記T細胞免疫活性化エピトープは、コレラ毒素T細胞エピトープ及び/又はジフテリア毒素T細胞エピトープ及び/又は破傷風類毒素T細胞エピトープ及び/又は大腸菌易熱性エンテロトキシンT細胞エピトープを含むが、これらに限定されないことを特徴とする請求項1に記載のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質。
【請求項5】
前記ジフテリア毒素T細胞エピトープは、配列番号59、60、61、62、63、64、65で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数であり、
前記破傷風類毒素T細胞エピトープは、配列番号66、67、68、69、70、71、72、73、74、75で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数であることを特徴とする請求項4に記載のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質。
【請求項6】
前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質は、フレキシブルペプチドを更に含み、前記フレキシブルペプチドの長さは4~10個のアミノ酸配列であり、好ましくは、前記フレキシブルペプチドはGGGSであることを特徴とする請求項1に記載のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の調製方法であって、
1)前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質遺伝子を人工的に合成し、遺伝子工学手段によってクローニング担体、即ちキメラタンパク質のクローニング担体に連結させるステップと、
2)構築された前記キメラタンパク質のクローニング担体及び発現担体を酵素で消化して、キメラタンパク質遺伝子を含む発現担体、即ちキメラタンパク質の発現担体を構築するステップと、
3)前記キメラタンパク質の発現担体を受容菌に導入して発現を誘導し、発現されたキメラタンパク質を同定してアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質を得るステップと
を含むことを特徴とする調製方法。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質をコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項9】
請求項8に記載のポリヌクレオチド配列を含有する、発現担体。
【請求項10】
免疫量の請求項1から6のいずれか一項に記載のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質と、薬学的に許容される担体とを含む、アフリカ豚熱ウイルスワクチン組成物。
【請求項11】
前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の含有量は、100~300μg/mlであり、好ましくは、前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の含有量は、200μg/mlであることを特徴とする請求項10に記載のアフリカ豚熱ウイルスワクチン組成物。
【請求項12】
前記薬学的に許容される担体は、アジュバントを含み、前記アジュバントは、(1)鉱物油、アルミニウムゲルアジュバント、サポニン、アブリジン、DDA、(2)油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、水中油中水型エマルジョン、又は(3)アクリル酸又はメタクリル酸の重合体、無水マレイン酸とアルケニル誘導体の共重合体、及びRIBIアジュバント系、ブロック共重合体(Block co―polymer)、SAF―M、モノフォスフォリルリピッドA、アブリジン(Avridine)脂質-アミンアジュバント、大腸菌易熱性エンテロトキシン、コレラ毒素、IMS 1314、ムラミルジペプチド、Montanide ISA206、Gelアジュバントのうちの1つ又は複数を含み、好ましくは、サポニンは、QuilA、QS―21、GPI―0100であり、
前記アジュバントの含有量は、5%~60%V/Vであり、好ましくは30%~60%V/Vであり、より好ましくは50%V/Vであることを特徴とする請求項10に記載のアフリカ豚熱ウイルスワクチン組成物。
【請求項13】
アフリカ豚熱を予防する医薬の調製における、請求項10から12のいずれか一項に記載のアフリカ豚熱ウイルスワクチン組成物の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣用生物製品技術分野に属し、具体的には、アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質、当該キメラタンパク質を含有するワクチン組成物、調製方法及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
アフリカ豚熱(African swine fever,ASF)は、アフリカ豚熱ウイルス(ASFV)によって引き起こされる急性で、劇性で、接触性の高い伝染病であり、その発病率が高く、死亡率が最大100%に達し得、中国はアフリカ豚熱をクラスIの動物伝染病として分類している。当該感染症は、最初1921年にアフリカのケニアで発生されたことが確認されている。2007年以来、アフリカ豚熱は世界中の多くの国で発生、拡散及び流行し、2018年に我が国に伝来され、直接に又は間接に巨大的な経済的損失をもたらす。当該感染症が発見されてからほぼ100年が経ったが、現在では全世界において薬事承認されたワクチン及び特効薬が未だないである。
【0003】
アフリカ豚熱ワクチンの研究開発の難点は、ウイルスゲノムが大きく、タンパク質が多く、構造が複雑で、大規模な培養が難しく、継代で変異しやすく、ウイルスの免疫逃避メカニズムが不明であり、従来の不活化ワクチン及び弱毒化生ワクチンには未だ実質的な進歩がなく、弱毒化生ワクチンの不適切な使用による毒力復帰変異及び毒素拡散の生物安全リスクがあることである。
【0004】
このため、本発明は、現代生物学の方法により病原体の遺伝子及びタンパク質を分析し、それらの免疫保護能力を試験して、タンパク質工学ワクチンを開発することで、現在各種ワクチンの免疫効果が望ましくないという問題点を効果的に解決する。
【発明の内容】
【0005】
先行技術の欠点を解決するために、本発明は、アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質を提供する。当該アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質は、ワクチンの調製に使用される場合、免疫効果が良好であり、先行技術における各種ワクチンの免疫効果が望ましくないという問題点を効果的に解決する。
【0006】
第1の態様において、本発明は、アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質を提供する。前記キメラタンパク質は、
(1)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するドメインIであって、アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIと、
(2)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するドメインIIであって、アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIと、
(3)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するドメインIIIであって、アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIIと、
(4)アフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質とを含み、
(5)アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIはキメラタンパク質のN末端に位置し、ドメインIIIはキメラタンパク質のC末端に位置し、ドメインIIはドメインIとドメインIIIの間に位置し、アフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質はアフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIとドメインIIの間及び/又はドメインIIとドメインIIIの間に位置する。
【0007】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質に含まれるアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、p54、p30、CD2v及びp12タンパク質フラグメントのうちの少なくとも1つである。
【0008】
本発明の一実施形態として、本発明に係るp54タンパク質フラグメントは、配列番号5、6、7、8、9、10、11、12で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0009】
本発明の一実施形態として、本発明に係るp30タンパク質フラグメントは、配列番号13、14、15、16、17、18、19で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0010】
本発明の一実施形態として、本発明に係るCD2vタンパク質フラグメントは、配列番号20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0011】
本発明の一実施形態として、本発明に係るp12タンパク質フラグメントは、配列番号31、32、33、34、35、36、37で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0012】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質に含まれるアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、p54+p30タンパク質フラグメントであり、前記p54+p30タンパク質フラグメントは、配列番号38、39、40で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0013】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質に含まれるアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、p54+CD2vタンパク質フラグメントであり、前記p54+CD2vタンパク質フラグメントは、配列番号41、42、43で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0014】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質に含まれるアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、p30+CD2vタンパク質フラグメントであり、前記p30+CD2vタンパク質フラグメントは、配列番号44、45、46で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0015】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質に含まれるアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、p30+p12タンパク質フラグメントであり、前記p30+p12タンパク質フラグメントは、配列番号47、48、49で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0016】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質に含まれるアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、CD2v+p12タンパク質フラグメントであり、前記CD2v+p12タンパク質フラグメントは、配列番号50、51、52で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0017】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質に含まれるアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、p54+p30+CD2vタンパク質フラグメントであり、前記p54+p30+CD2vタンパク質フラグメントは、配列番号53、54、55で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0018】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質に含まれるアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質は、p54+p30+CD2v+p12タンパク質フラグメントであり、前記p54+p30+CD2v+p12タンパク質フラグメントは、配列番号56、57、58で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0019】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質は、T細胞免疫活性化エピトープを更に含み、前記T細胞免疫活性化エピトープは、コレラ毒素T細胞エピトープ及び/又はジフテリア毒素T細胞エピトープ及び/又は破傷風類毒素T細胞エピトープ及び/又は大腸菌易熱性エンテロトキシンT細胞エピトープを含むが、これらに限定されない。
【0020】
本発明の一実施形態として、本発明に係るジフテリア毒素T細胞エピトープは、配列番号59、60、61、62、63、64、65で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0021】
本発明の一実施形態として、本発明に係る破傷風類毒素T細胞エピトープは、配列番号66、67、68、69、70、71、72、73、74、75で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0022】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質は、フレキシブルペプチドを更に含み、前記フレキシブルペプチドの長さは4~10個のアミノ酸配列である。フレキシブルペプチドは、キメラタンパク質により良い親和力を持たせることができる。これは主に、フレキシブルペプチドは、構造機能ドメイン間のスペースが増やされ、隣接する構造機能ドメイン間の空間的な物理的障害作用が消去又は低減され、前記キメラタンパク質の各構造機能ドメインの相対的な独立性が強化されるとともに、前記キメラタンパク質の各機能領域の構造安定性及び生物学の機能も増強されるためである。
【0023】
本発明の一実施形態として、本発明で選択されるフレキシブルペプチドはGGGSである。
【0024】
第2の態様において、本発明は、アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の調製方法を提供する。前記調製方法は、
(1)前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質遺伝子を人工的に合成し、遺伝子工学手段によってクローニング担体、即ちキメラタンパク質のクローニング担体に連結させるステップと、
(2)構築された前記キメラタンパク質のクローニング担体及び発現担体を酵素で消化して、キメラタンパク質遺伝子を含む発現担体、即ちキメラタンパク質の発現担体を構築するステップと、
(3)前記キメラタンパク質の発現担体を受容菌に導入して発現を誘導し、発現されたキメラタンパク質を同定してアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質を得るステップとを含む。
【0025】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質は、原核発現系によって調製されても良く、真核発現系又は化学合成法によって調製されても良い。
【0026】
第3の態様において、本発明は、前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質をコードする、ポリヌクレオチドを提供する。
【0027】
第4の態様において、本発明は、前記ポリヌクレオチド配列を含有する発現担体を提供する。本分野の常識によれば、当業者は、上記に開示されたアフリカ豚熱キメラタンパク質のアミノ酸配列により対応するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を得ることができ、更に前記ポリヌクレオチドを取得することができる。
【0028】
第5の態様において、本発明は、免疫量の前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質と、薬学的に許容される担体とを含む、アフリカ豚熱ウイルス遺伝子工学ワクチン組成物を提供する。
【0029】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルス遺伝子工学ワクチン組成物において、前記アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の含有量は、100~300μg/mlである。
【0030】
アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の含有量は、100μg/ml、110μg/ml、120μg/ml、130μg/ml、140μg/ml、150μg/ml、160μg/ml、170μg/ml、180μg/ml、190μg/ml、200μg/ml、210μg/ml、220μg/ml、230μg/ml、240μg/ml、250μg/ml、260μg/ml、270μg/ml、280μg/ml、290μg/ml、300μg/mlから選択され得る。
【0031】
本発明の一実施形態として、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルス遺伝子工学ワクチン組成物において、前記薬学的に許容される担体は、アジュバントを含み、前記アジュバントは、(1)鉱物油、アルミニウムゲルアジュバント、サポニン、アブリジン、DDA、(2)油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、水中油中水型エマルジョン、又は(3)アクリル酸又はメタクリル酸の重合体、無水マレイン酸とアルケニル誘導体の共重合体、及びRIBIアジュバント系、ブロック共重合体(Block co―polymer)、SAF―M、モノフォスフォリルリピッドA、アブリジン(Avridine)脂質-アミンアジュバント、大腸菌易熱性エンテロトキシン、コレラ毒素、IMS 1314、ムラミルジペプチド、Montanide ISA206、Gelアジュバントのうちの1つ又は複数を含み、好ましくは、サポニンは、QuilA、QS―21、GPI―0100である。
【0032】
前記アジュバントの含有量は、5%~60%V/Vであり、好ましくは30%~60%V/Vであり、より好ましくは50%V/Vである。
【0033】
本発明の一実施形態として、前記薬学的に許容される担体は、医薬、免疫増強薬、抗酸化剤、界面活性剤、着色剤、揮発性油、緩衝剤、分散剤、推進剤及び防腐剤を含む。前記免疫増強薬は、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM―CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M―CSF)及びインターロイキン2(IL2)を含む。
【0034】
このような組成物を調製するために、本分野において一般的に周知の方法が使用され得る。
【0035】
第6の態様において、本発明は、アフリカ豚熱を予防する医薬の調製における、前記アフリカ豚熱ウイルス遺伝子工学ワクチン組成物の応用を提供する。
【0036】
本発明は、以下の顕著な利点を有する。
【0037】
本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質は、初めてアフリカ豚熱ウイルスp72タンパク質を骨格として利用して、p54、p30、CD2v及びp12タンパク質の抗原性エピトープを比較的良好に示し、免疫効果が良好であり、顕著な体液及び細胞免疫を発生することができ、現在のところアフリカ豚熱ウイルスワクチンが直面している免疫原性が悪いという問題点を効果的に解決する。前記ワクチン組成物は、遺伝子工学手段によって大量に発現させることができ、かかる時間が短いだけでなく、大規模生産を容易にすることもでき、生物安全リスクがないことである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】キメラタンパク質の概要図であり、「I」はアフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIを表し、「II」はアフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIを表し、「III」はアフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIIを表し、「Ag」はアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質を表し、「N」はキメラタンパク質の窒素末端を表し、「C」はキメラタンパク質の炭素末端を表す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について説明することにする。
【0040】
定義
「抗原(Antigen)」とは、生体に免疫応答を引き起こさせるように誘導できる物質を指し、即ち、T/Bリンパ球表面の抗原レセプター(TCR/BCR)により特異的に識別及び結合可能であり、T/B細胞を活性化することで、増殖・分化させて、免疫応答生成物(感作リンパ球又は抗体)を生成させ、体内外で対応する生成物と特異的な結合を引き起こし得る物質を指す。
【0041】
本発明で使用される用語「ワクチン」及び「ワクチン組成物」とは、アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質を含有する医薬組成物を指し、当該医薬組成物は、アフリカ豚熱に対する豚の免疫反応を誘発、刺激又は増強させることができる。
【0042】
用語「免疫量」とは、「免疫有効量」として理解されるべきであり、免疫保護量又は免疫応答を引き起こす有効量とも称され、レシピエントの生体内で免疫応答を効果的に誘導可能な抗原量である。当該量は、健康への悪影響又はその合併症を含む、疾患の徴候又は症状を予防又は改善するのに十分である。前記免疫応答は、診断目的又はその他の試験に十分であり得、或いは、病原体による感染によって引き起こされる不利な健康結果又は合併症を含む、疾患の前兆又は症状の予防に適し得る。体液免疫力又は細胞媒介性免疫力或いはその両方とも誘導され得る。免疫原性組成物に対する動物の免疫応答は、例えば、抗体価の測定やリンパ球増殖分析によって間接的に評価されるか、或いは、野生株でのチャレンジ後の前兆又は症状のモニタリングによって直接的に評価され得る。当該ワクチンにより提供される保護性免疫力は、例えば、死亡率、発病率の低下、温度数値、被験者の全体的な生理学的状況及び全体的な健康及び表現といった被験者の臨床症状を測定することによって評価され得る。前記免疫応答は、細胞性及び/又は体液性免疫力の誘導を含み得るが、これらに限定されない。
【0043】
用語「薬学的に許容される担体」とは、本発明に係るワクチン組成物のうちアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質を除いた他のすべての成分を指し、生体を刺激せずかつ使用される化合物の生物学的活性及び特性を妨げない担体又は希釈剤であって、好ましくは、アジュバントである。「アジュバント」の用語は、アルミナゲルアジュバント、Quil A、QS-21(Cambridge Biotech Incorporation、Cambridg e MA)、GPI-0100(Galenica Pharmaceuticals Incorporation、Birmingham AL)のようなサポニン(saponin)、油中水型乳剤、水中油型乳剤、水中油中水型乳剤、アクリル酸又はメタクリル酸の重合体、無水マレイン酸とアルケニル(alkenyl)誘導体との共重合体から 選択された化合物を含むことができる。「乳剤」の用語は、特に、軽質流動パラフィンオイル(ヨーロッパ薬局方類型)、スクアラン(squalane)又はスクアレンオイル(squalene oil)のようなオレフィンがオリゴ重合したイソプレノイドオイル(isoprenoid oil)、特にイソブテン又はデセン、酸又はアルコールの直鎖アルキルを含むエステル、更に特 に、植物油、オレイン酸エチル、プロピレングリコール-(オクタン酸エステル/デカン酸エステル)、トリアシルグリセロール-(オクタン酸エステル/デカン酸エステル)又はプロピレングリコールオレイン酸エステル、分枝鎖脂肪酸又はアルコールのエステル、特にイソステアリン酸エステルに基づくものであってよい。また、乳剤を形成し易くするように、オイルと乳化剤を組合して使用する。乳化剤は、 非イオン界面活性剤であることが好ましく、特にソルビタンのエステル、二縮マンニトール一オレイン酸(mannide)のエステル(例えば、マンニタンオレイン酸エステル)、脂肪族グリコール(グリコール)のエステル、ポリグリセリン(polyglycerol)のエステル、プロピレングリコールのエステル及びオレイン酸のエステル、イソステアリン酸のエステル、リシノール酸のエステル又はヒドロキシステアリン酸のエステルであることが好ましく、それらから任意に選択してエトキシ化することができる。なお、ポリプロピレンオキシド-ポリオキシエチレンブロック共重合体、特にプルロニック(Pluronic)製品、特にL121である。Hunter等により編集された <The theory and practical application of adjuvants(アジュバントの理論及び実際応用)>(DES Stewart -Tull、John Wiley and Sons、ニューヨーク、1995、51-94)及びToddらにより編集された<Vaccine(ワクチン)>(1997、15、564-570)を参照のこと。例えば、Powell M及びNewman Mにより編集された<Vaccine design(ワクチン設計)、the Subunit and adiuvant approach(サブニット及びアジュバントアプローチ)>(Plenum Press、1995)第147ページに記述されたSPT乳剤及び第183ページに記述されたMF59乳剤を使用することが可能である。「アクリル酸又はメタクリル酸の重合体」の用語は、架橋したアクリル酸又はメタクリル酸重合体であることが好ましく、特に砂糖(sugar)のポリアルケニルエーテル又はポリオールと交差架橋することが好ましい。これらの化合物は、既知のものであり、カルボマー(Carbomer、商品名カーボポール(Carbopol))(Phameuropa、1996、8(2))と呼ばれる。当業者は、米国特許US2909462を参照しても良く、そこには、この種類のアクリル酸重合体が記述されている。ポリヒドロキシル化化合物と交差架橋され、前記化合物は、少なくとも3個のヒドロキシを有し、8個を超えないことが好ましく、その内、少なくとも3個のヒドロキシの水素原子は、少なくとも2個の炭素原子を有する不飽和脂肪族ラジカル(aliphatic radical)により取り替えられる。基は、2~4個の炭素原子を含有する基、例えば、エチレン基、アリル基及び他のエチレン性不飽和基 (ethylenically unsaturated group)であることが好ましい。前記不飽和基自体は、メチル基のような他の置換基を含むことが可能である。これらの製品は、カーボポールの名義で販売され、(BF Goodrich、Ohio、USA)が特に適合である。これらは、アリル基スクロースと又はアリルペンタエリトリトール(allyl pentaerythritol)と交差架橋される。ここで、カーボポール974P、934P及び971Pを言及することができ、カーボポール971Pを使用することが一番好ましい。「無水マレイン酸とアルケニル誘導体との共重合体」の用語は、無水マレイン酸とエチレンとの共重合体EMA(モンサント社)を考慮しても良い。これらの重合体は、水の中で溶解して酸性溶液を産生し、中和を経て、アジュバント溶液を産生し易くするように、生理的pHまで中和させることが好ましい。さらに、その中に免疫原性、抗原性又はワクチン性組成物自体を混ぜ合わせることが可能である。「アジュバント」の用語は、RIBIアジュバントシステム(RIBI社)、ブロック共重合体(CytRx、Atlanta GA)、SAF-M(キロン、エメリビル CA)、モノホスホリルリピドA(monophosphoryl lipid A)、アブリジン脂質-アミンアジュバント、大腸菌易熱性毒素(組換え又はその他)、コレラ毒素、IMS1314、ムラミルジペプチド、ゲルアジュバント等を含むが、これらに限 らない。前記アジュバントは、アルミナゲルアジュバント、サポニン、油中水型乳剤、水中油型乳剤、水中油中水型乳剤、アクリル酸又はポリメタクリル酸の重合体、無水マレイン酸和 アルケニル(alkenyl)誘導体の共重合体、RIBIアジュバントシステム、ブロック共重合体、SAF-M、モノホスホリルリピドA、アブリジン脂質-アミンアジュバント、大腸菌易熱性毒素、コレラ毒素、IMS1314、ムラミルジペプチド又はゲルアジュバントのうち一種又は数種を含むことが好ましい。
【0044】
用語「予防」は、アフリカ豚熱ウイルス感染に言及する場合、アフリカ豚熱ウイルスの複製を抑制すること、アフリカ豚熱ウイルスの伝播を抑制すること、或いはアフリカ豚熱ウイルスがその宿主の生体内での定着を防止すること、及びアフリカ豚熱ウイルス感染の疾患又は病症の症状を軽減させることを指す。
【0045】
以下では、具体的な実施例と併せて本発明をさらに説明することにする。本発明の利点及び特徴は、説明とともにより明確になるだろう。但し、これらの実施例は単に例示的なものであり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の技術的解決手段の詳細及び形態に対する修正又は置き換えを行い得るが、これらの修正及び置き換えはいずれも本発明の保護範囲に含まれることを理解すべきである。
【0046】
本発明の実施例で使用される化学試薬は、いずれも分析用グレードであり、中国国家医薬集団(シノファームグループ)から購入されたものである。本発明に記載される実験方法は、特に明記しない限り、いずれも従来の方法であり、記載される生物材料は、特に明記しない限り、いずれも商業的ルートから入手され得る。
【実施例
【0047】
実施例1
アフリカ豚熱ウイルスp72全長型及び短縮型タンパク質の発現
中国蘇州金唯智生物科技有限会社によって対応するコード配列リスト配列番号1で示されるp72タンパク質アミノ酸配列のヌクレオチド配列を合成し、合成されたヌクレオチドをpET28a担体にクローニングし、組換えプラスミドpET28a―p72と名付けられた。
【0048】
同様に、配列リスト配列番号2で示されるアフリカ豚熱ウイルスp72のドメインI、配列リスト配列番号3で示されるアフリカ豚熱ウイルスp72のドメインII、配列リスト配列番号4で示されるアフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIIIをフレキシブルペプチドによって連結させた。アフリカ豚熱ウイルスp72のドメインIはN末端に位置し、ドメインIIIはC末端に位置し、ドメインIIはドメインIとドメインIIIの間に位置した。中国蘇州金唯智生物科技有限会社によって対応するコードのヌクレオチド配列を合成し、合成されたヌクレオチドをpET28a担体にクローニングし、組換えプラスミドpET28a―Δp72と名付けられた。
【0049】
上記の組換えプラスミドpET28a―p72、pET28a―Δp72をそれぞれコンピテント大腸菌BL21(DE3)に形質転換して、発現菌株1及び発現菌株2を構築し、カナマイシン耐性の50mlのLB液体培地に接種し、37℃、230回転/分で12時間振盪培養した後、1LのLB液体培地へ転移し、37℃で培養して、発酵用の種子液を調製した。
【0050】
使用された発酵槽は、中国上海保興生物会社の50L発酵槽である。30L培地を調合して発酵槽に入れ、121℃で30分間滅菌した。翌日、3Lの種子液を発酵槽に転移させ、培養菌液濃度が、OD600約10程度になったところで、培養温度を25℃までに下げ、最終濃度が0.5mMになるまでにIPTGを加えて12時間培養した。発酵密度が約40程度(OD600)になったら培養を停止し、遠心によって菌体を回収する。
【0051】
菌体を再懸濁し、ホモジナイザーを利用して800bar圧力で菌体を4回破砕した。13500rpmで40min遠心して、上清液を採取し、15%SDS―PAGEによる電気泳動検出した。硫酸アンモニウム分級沈殿法によりタンパク質の粗精製を行い、続いてクロマトグラフィー精製を行い、精製後のタンパク質はSDS―PAGEによる電気泳動により、標的タンパク質がいずれも精製及び濃縮されていることが示された。
【0052】
実施例2
アフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質の免疫原性に対する影響
実施例1で調製されたp72全長型タンパク質及びp72短縮型タンパク質をアジュバントに加え、加える過程で連続的に回転数が800rpmである乳化機で12min間攪拌し、均一に混ぜて、4℃で保存すると、p72全長型タンパク質又はp72短縮型タンパク質を含有するワクチン組成物になっていた。本発明に適したアジュバントは、当業者に公知のアジュバントであり得る。本発明において、使用されたアジュバントは、二相アジュバント(水中油中水型エマルジョン)であり、例えば、アジュバントISA206(フランスセピック社)であり得る。調製されたワクチン中の各組成の具体的な配合比を表1に示した。
【表1】
【0053】
アフリカ豚熱ウイルス抗原及び抗体がいずれも陰性である体重20kg程度の健康で感染しやすい子豚15匹を選び取って、ランダムに3つの群に分けられ、各群を5匹とした。第1群はワクチン1で免疫し、第2群はワクチン2で免疫し、第3群はブランク対照群である。免疫群の免疫経路としては、頸部筋肉に2ml注射し、対照群に対して等量のPBS+アジュバントで免疫した。14日間隔で2回免疫した。1回目の免疫前及び2回目の免疫後の14日目に採血した。
【0054】
アフリカ豚熱全ウイルス不活化抗原(EUアフリカ豚熱リファレンスラボラトリー(EUROPEAN UNION REFERENCE LABORATORY FOR AFRICAN SWINE FEVER,URL―ASF)から購入)でELISAプレートを被覆し、4℃で一晩被覆した。被覆溶液を廃棄し、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄した。5%ウシ血清アルブミンBSAを加え、37℃で2時間ブロッキングした。ブロッキング液を廃棄し、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄し、たたいて乾燥させる。
【0055】
サンプル希釈液:リン酸緩衝生理食塩水。
【0056】
洗浄液:0.05%V/V Tween―20を含有するリン酸緩衝生理食塩水。
【0057】
二次抗体:酵素標識ヤギ抗ブタ二次抗体、使用時に1:2000に希釈した。
【0058】
発色液:A液とB液とを含む。A液は、TMB20mgに10mlの無水エタノールを加え、ddHOで100mlに定容し、均一に混ぜた後に無菌で分注した。B液は、クエン酸2.1g、無水NaHPO2.82g、0.75%の過酸化水素尿素0.64mlからなるものであって、ddHOで100mlに定容し、均一に混ぜた後に無菌で分注した。
【0059】
停止液:2M HSO
【0060】
検出する際、先ず50μlのリン酸緩衝生理食塩水を酵素標識反応ウェルに加え、続いて50μlの被検出血清を加え、陰性及び陽性の対照を行い、37℃で30分間インキュベートし、プレートを洗浄液で3回洗浄し、ヤギ抗ブタ酵素標識抗体をリン酸緩衝生理食塩水で1:2000に希釈し、反応プレートに100μl/ウェルを加え、37℃で30分間インキュベートし、プレートを洗浄液で3回洗浄し、発色液A液及びB液をそれぞれ50μl/ウェル加え、37℃で10分間発色させ、停止液50μl/ウェルを加えて反応を停止させ、マイクロプレートリーダーで吸光度OD450nmを読み取り、判定結果に基づいて判定を行った。
【0061】
判定標準:OD値≧0.19は陽性であり、OD値<0.19は陰性である。
【0062】
検出結果を表2に示した。
【表2】
【0063】
上記の結果は、アフリカ豚熱ウイルスp72全長型及び短縮型タンパク質抗体の検出でいずれも陽性であり、抗体検出値に差がないことを示していた。これは、本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスp72タンパク質は、短縮された後にその免疫原性に影響を与えず、p72タンパク質を骨格としてキメラタンパク質を構築する可能性を提供することを示していた。
【0064】
実施例3
アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の骨格及び抗原性タンパク質の選択
発明者らは、アフリカ豚熱ウイルスp72タンパク質の構造を分析することにより、創造的に短縮を行ったことで、依然としてタンパク質の空間構造の相対的安定性を維持させ、その免疫原性に影響を与えず、このため、p72短縮型タンパク質を本発明のキメラタンパク質の骨格として確定した。
【0065】
同時に、発明者らは大量の実験研究により、アフリカ豚熱ウイルス免疫原性タンパク質の抗原性エピトープ分析に合わせ、以下の配列を選択したが、キメラタンパク質がアフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質p54、p30、CD2v及びp12タンパク質フラグメントの少なくとも1つを含む場合、より高い免疫原性反応を生成することができた。
【0066】
p54タンパク質フラグメントは、配列番号5、6、7、8、9、10、11、12で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0067】
p30タンパク質フラグメントは、配列番号13、14、15、16、17、18、19で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0068】
CD2vタンパク質フラグメントは、配列番号20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0069】
p12タンパク質フラグメントは、配列番号31、32、33、34、35、36、37で示されるものから選ばれるいずれかの1つ又は複数である。
【0070】
実施例4
アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の発現1
実施例1の方法を参照すると、実施例3における配列番号7、13をそれぞれアフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIとドメインIIの間、及びドメインIIとドメインIIIの間に挿入して、4つのキメラタンパク質を形成した。即ち、N末端からC末端へは、配列番号2+配列番号7+配列番号3+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号7+配列番号4、配列番号2+配列番号13+配列番号3+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号13+配列番号4である。発現菌株3、発現菌株4、発現菌株5及び発現菌株6を構築した。
【0071】
発現菌株3、4、5、6をそれぞれ発酵及び培養し、タンパク質を回収及び精製した。
【0072】
実施例5
キメラタンパク質の免疫原性に対する異なる挿入部位の影響
実施例4で発現及び回収された4つのタンパク質に、実施例2の方法を参照してアジュバントを加えて、ワクチン組成物を調製した。各ワクチン組成物の具体的な配合比を表3に示した。
【表3】
【0073】
アフリカ豚熱ウイルス抗原及び抗体がいずれも陰性である体重20kg程度の健康で感染しやすい子豚25匹を選び取って、ランダムに5つの群に分けられ、各群を5匹とした。第4群~第7群はそれぞれワクチン3~ワクチン6で免疫し、第8群はブランク対照群である。免疫群の免疫経路としては、頸部筋肉に2ml注射し、対照群に対して等量のPBS+アジュバントで免疫した。14日間隔で2回免疫した。1回目の免疫前及び2回目の免疫後14日目に採血した。抗体検出の結果を表4に示した。
【表4】
【0074】
上記の結果は、4つのアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質が、骨格としてのp72短縮型タンパク質であれ、挿入されたp54タンパク質フラグメントであれ、並びにキメラタンパク質全体であれ、いずれも一定の免疫原性を有し、キメラタンパク質の免疫原性がより優れており、異なる挿入位置での免疫原性に差がないことを示していた。これは、異なる挿入部位はアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の免疫原性に影響を与えず、アフリカ豚熱ウイルス抗原性タンパク質が挿入された後、骨格としてのp72短縮型タンパク質の免疫原性は影響を受けないことを示していた。
【0075】
実施例6
アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の発現2
実施例3における配列番号9、16、22、23、32をそれぞれアフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIとドメインIIの間に挿入し、配列番号10、18、19、25、35をそれぞれアフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIIとドメインIIIの間に挿入して、10個のキメラタンパク質を形成した。即ち、N末端からC末端へは、配列番号2+配列番号9+配列番号3+配列番号4、配列番号2+配列番号16+配列番号3+配列番号4、配列番号2+配列番号22+配列番号3+配列番号4、配列番号2+配列番号23+配列番号3+配列番号4、配列番号2+配列番号32+配列番号3+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号10+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号18+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号19+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号25+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号35+配列番号4である。発現菌株7~16を構築した。
【0076】
発現菌株7~16をそれぞれ発酵及び培養し、タンパク質を回収及び精製した。
【0077】
実施例7
単一の抗原性タンパク質フラグメントを含有するキメラタンパク質の免疫原性試験
実施例6で発現及び回収された10個のタンパク質に、実施例2の方法を参照してアジュバントを加えて、ワクチン組成物を調製した。各ワクチン組成物の具体的な配合比を表5及び表6に示した。
【表5】

【表6】
【0078】
アフリカ豚熱ウイルス抗原、抗体がいずれも陰性である体重20kg程度の健康で感染しやすい子豚55匹を選び取って、ランダムに11個の群に分けられ、各群を5匹とした。第9群~第18群はそれぞれワクチン7~ワクチン16で免疫し、第19群はブランク対照群である。免疫群の免疫経路としては、頸部筋肉に2ml注射し、対照群に対して等量のPBS+アジュバントで免疫した。14日間隔で2回免疫した。1回目の免疫前と2回目の免疫後14日目に採血した。抗体検出の結果を表7に示した。
【表7】
【0079】
上記の結果は、10個のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質は、いずれも一定の免疫原性を有し、抗体が陽性であり、異なる挿入位置でのキメラタンパク質ワクチン組成物の免疫原性は差がないことを示していた。
【0080】
さらに、実施例3における配列番号5、6、8、12、14、20、21、29、30、31をそれぞれアフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIとドメインIIの間に挿入し、配列番号11、15、17、24、26、27、28、33、34、36、37をそれぞれアフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIIとドメインIIIの間に挿入して、21個のキメラタンパク質を形成し、タンパク質を発現するように発現菌株を構築し、実施例2の方法を参照してワクチン組成物を調製した。豚の体に対する試験を行った結果、2回免疫した後の14日目の抗体検出結果はいずれも0.622~0.664の間であり、結果は陽性を示した。これは、本発明において使用されたp54タンパク質フラグメント、p30タンパク質フラグメント、CD2vタンパク質フラグメント、p12タンパク質フラグメントは、キメラタンパク質の抗原性タンパク質としていずれも一定の免疫活性を有することを証明し、さらには、異なる挿入部位がアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の免疫原性に対して影響を与えないことを示していた。
【0081】
実施例8
アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の発現3
本実施例において、本発明によって選択された任意の2つのタンパク質フラグメントは、具体的な制限がなく、アフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIIとドメインIIIの間に挿入し、アフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIとドメインIIの間に挿入しても良く、同時に挿入しても良く、その概略図を図1に示した。実施例1の方法を参照して、実施例3におけるp54タンパク質フラグメント、p30タンパク質フラグメント、CD2vタンパク質フラグメント、p12タンパク質フラグメントからその2つのものを選択し、配列番号38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52を形成し、それぞれアフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIIとドメインIIIの間に挿入して、15個のキメラタンパク質を形成した。即ち、N末端からC末端へは、配列番号2+配列番号3+配列番号38+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号39+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号40+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号41+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号42+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号43+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号44+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号45+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号46+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号47+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号48+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号49+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号50+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号51+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号52+配列番号4である。発現菌株17~31を構築した。
【0082】
発現菌株17~31をそれぞれ発酵及び培養し、タンパク質を回収及び精製した。
【0083】
実施例9
2つの抗原性タンパク質フラグメントを含有するキメラタンパク質の免疫原性試験
実施例8で発現及び回収された15個のタンパク質に、実施例2の方法を参照してアジュバントに加えて、ワクチン組成物を調製した。各ワクチン組成物の具体的な配合比を表8、9、10に示した。
【表8】

【表9】

【表10】
【0084】
アフリカ豚熱ウイルス抗原及び抗体がいずれも陰性である体重20kg程度の健康で感染しやすい子豚80匹を選び取って、ランダムに16個の群に分けられ、各群を5匹とした。第20群~第34群はそれぞれワクチン17~ワクチン31で免疫し、第35群はブランク対照群である。免疫群の免疫経路としては、頸部筋肉に2ml注射し、対照群に対して等量のPBS+アジュバントで免疫した。14日間隔で2回免疫した。1回目の免疫前と2回目の免疫後14日目に採血した。抗体検出の結果を表11に示した。
【表11】
【0085】
上記の結果は、15個のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質がいずれも比較的良好な免疫原性を有し、抗体が陽性であることを示していた。これは、2つのタンパク質フラグメントが挿入されたキメラタンパク質は、単一のタンパク質フラグメントが挿入されたキメラタンパク質よりも優れた免疫原性を有することを示していた。
【0086】
実施例10
アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の発現4
実施例1の方法を参照して、実施例3におけるp54タンパク質フラグメント、p30タンパク質フラグメント、CD2vタンパク質フラグメント、p12タンパク質フラグメントからその3つ又は4つのものを選択し、配列番号53、54、55、56、57、58を形成し、それらをそれぞれアフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIIとドメインIIIの間に挿入して、6つのキメラタンパク質を形成した。即ち、N末端からC末端へは、配列番号2+配列番号3+配列番号53+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号54+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号55+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号56+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号57+配列番号4、配列番号2+配列番号3+配列番号58+配列番号4である。発現菌株32~37を構築した。
【0087】
発現菌株32~37をそれぞれ発酵及び培養し、タンパク質を回収及び精製した。
【0088】
実施例11
2つ以上の抗原性タンパク質フラグメントを含有するキメラタンパク質の免疫原性試験
実施例10で発現及び回収された6つのタンパク質に、実施例2の方法を参照してアジュバントに加えて、ワクチン組成物を調製した。各ワクチン組成物の具体的な配合比を表12に示した。
【表12】
【0089】
アフリカ豚熱ウイルス抗原及び抗体がいずれも陰性である体重20kg程度の健康で感染しやすい子豚35匹を選び取って、ランダムに7つの群に分けられ、各群を5匹とした。第36群~第41群はそれぞれワクチン32~ワクチン37で免疫し、第42群はブランク対照群である。免疫群の免疫経路としては、頸部筋肉に2ml注射し、対照群に対して等量のPBS+アジュバントで免疫した。14日間隔で2回免疫した。1回目の免疫前と2回目の免疫後14日目に採血した。抗体検出の結果を表13に示した。
【表13】
【0090】
上記の結果は、6つのアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質がいずれも比較的良好な免疫原性を有し、抗体が陽性であることを示していた。これは、2つ以上のタンパク質フラグメントが挿入されたキメラタンパク質は、単一又は2つのタンパク質フラグメントが挿入されたものよりも優れた免疫原性を有することを示していた。
【0091】
実施例12
アフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質の発現5
実施例1の方法を参照して、実施例3におけるp54タンパク質フラグメント、p30タンパク質フラグメント、CD2vタンパク質フラグメント、p12タンパク質フラグメントのうちのいずれか1つ又は複数を、限定されないが、コレラ毒素T細胞エピトープ及び/又はジフテリア毒素T細胞エピトープ及び/又は破傷風類毒素T細胞エピトープ及び/又は大腸菌易熱性エンテロトキシンT細胞エピトープを含むT細胞免疫活性化エピトープに連結させてから、アフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIIとドメインIIIの間に挿入して、キメラタンパク質を形成した。本実施例では、実施例3におけるp54タンパク質フラグメント、p30タンパク質フラグメント、CD2vタンパク質フラグメント、p12タンパク質フラグメントからその2つ又は3つのものを選択し、配列番号38、39、45、47、52、54を形成して、ジフテリア毒素T細胞エピトープ配列番号61又は破傷風類毒素T細胞エピトープ配列番号70に連結させ、それらをそれぞれアフリカ豚熱ウイルスp72短縮型タンパク質のドメインIIとドメインIIIの間に挿入して、12個のキメラタンパク質を形成した。即ち、N末端からC末端へは、配列番号2+配列番号3+配列番号38+配列番号4+配列番号61、配列番号2+配列番号3+配列番号39+配列番号4+配列番号61、配列番号2+配列番号3+配列番号45+配列番号4+配列番号61、配列番号2+配列番号3+配列番号47+配列番号4+配列番号61、配列番号2+配列番号3+配列番号52+配列番号4+配列番号61、配列番号2+配列番号3+配列番号54+配列番号4+配列番号61、配列番号2+配列番号3+配列番号38+配列番号4+配列番号70、配列番号2+配列番号3+配列番号39+配列番号4+配列番号70、配列番号2+配列番号3+配列番号45+配列番号4+配列番号70、配列番号2+配列番号3+配列番号47+配列番号4+配列番号70、配列番号2+配列番号3+配列番号52+配列番号4+配列番号70、配列番号2+配列番号3+配列番号54+配列番号4+配列番号70である。発現菌株38~49を構築した。
【0092】
発現菌株38~49をそれぞれ発酵及び培養し、タンパク質を回収及び精製した。
【0093】
実施例13
T細胞免疫活性化エピトープを含むキメラタンパク質の免疫原性試験
実施例12で発現及び回収された12個のタンパク質に、実施例2の方法を参照してアジュバントを加えてワクチン組成物を調製した。各ワクチン組成物の具体的な配合比を表14、15、16に示した。
【表14】

【表15】

【表16】
【0094】
アフリカ豚熱ウイルス抗原及び抗体がいずれも陰性である体重20kg程度の健康で感染しやすい子豚95匹を選び取って、ランダムに19個の群に分けられ、各群を5匹とした。第43群~第60群はそれぞれワクチン38~ワクチン55で免疫し、第61群はブランク対照群である。免疫群の免疫経路としては、頸部筋肉に2ml注射し、対照群に対して等量のPBS+アジュバントで免疫した。14日間隔で2回免疫した。1回目の免疫前と2回目の免疫後14日目に採血した。抗体検出の結果を表17に示した。
【表17】
【0095】
上記の結果は、T細胞免疫活性化エピトープを含む12個のアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質がいずれも比較的良好な免疫原性を有し、抗体が陽性であり、実施例9及び実施例11で検証されたT細胞免疫活性化エピトープが添加されていないアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質と比較して、免疫原性がより優れていることを示していた。これは、T細胞免疫活性化エピトープを添加すると、免疫応答をさらに増強させるのに役立つことを示していた。
【0096】
実施例14
細胞免疫に対する本発明に係るアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質ワクチン組成物の影響
実施例9で回収された第20群、第21群、第27群、第29群、第34群、実施例11で回収された第37群、並びに実施例13で回収された第49~61群の豚の末梢血に対して、末梢血リンパ球を分離し、バイオソースヨーロッパ(Biosource Europe)の豚IFNサイトセットエリスポット(Swine IFN Cytoset ELISPOT)アッセイキットにより検出を行い、スポットの数を計算した。検出結果を表18に示した。
【表18】

注:検出細胞数は、10個である。
【0097】
上記の結果は、本発明に係るT細胞免疫活性化エピトープが添加されたアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質ワクチン組成物は、細胞免疫の生成を比較的良好に刺激でき、免疫原性がT細胞免疫活性化エピトープが添加されていないアフリカ豚熱ウイルスキメラタンパク質ワクチン組成物よりも著しく高いことを示していた。
【0098】
これは、本発明のキメラタンパク質に基づいて、T細胞免疫活性化エピトープを添加すると、細胞免疫応答に役立つことを示していた。
【0099】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、いかなる形態においても本発明を限定するものではない。本発明が上記のように好ましい実施例により開示されていたが、本発明が限定されることを意図するものではない。本分野を熟知している当業者であれば、本発明の技術的解決手段の範囲から逸脱しない範囲で、上記のように開示された技術内容を利用して変更又は修飾を等価変化とする若干の等価実施例を実施することができる。本発明の技術的解決手段から逸脱せず、本発明の技術実質によって上記の実施例に対して行われた任意の単純な修正、等価変化及び修飾は依然としてすべて本発明の技術的解決手段の範囲内に属する。
図1
【配列表】
2023508113000001.app
【国際調査報告】