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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-01
(54)【発明の名称】空間予測子走査順序
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/52 20140101AFI20230221BHJP
【FI】
H04N19/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537087
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2020086692
(87)【国際公開番号】W WO2021130097
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】19306770.9
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】521355902
【氏名又は名称】インターデジタル ブイシー ホールディングス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ガルピン、フランク
(72)【発明者】
【氏名】レリーネク、ファブリス
(72)【発明者】
【氏名】ラト、ガガン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159LC09
5C159MA04
5C159MA05
5C159MA21
5C159MC11
5C159ME01
5C159NN11
5C159RC12
5C159RC38
5C159UA02
5C159UA05
5C159UA16
5C159UA22
(57)【要約】

インターモードにおいてコーディングユニットを符号化するために、動きベクトル予測子(MVP)リストを使用して、動き情報を信号伝達する複数のインターモードが存在する。異なるコーディングモードに対するMVPリストは、空間予測子を含む。一実施形態では、MVPリストを使用する全てのコーディングモードについて、上部空間予測子が、左側空間予測子の前に、最初に動きベクトル予測子リストに追加される。別の実施形態では、コーディングモードのサブセットが、左側空間予測子の前に上部空間予測子を追加し、コーディングモードの別のサブセットが、上部空間予測子の前に左側空間予測子を追加する。例えば、全てのマージモードは、最初に上部空間予測子を追加し、全てのAMVPモードは、最初に左側空間予測子を追加する。別の例では、全ての非サブブロックモードは、最初に上部空間予測子を追加し、全てのサブブロックモードは、最初に左側空間予測子を追加する。
【選択図】図12

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ符号化のための方法であって、
ビデオシーケンス内のピクチャのブロックにアクセスすることと、
前記ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、
前記ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって符号化され、
前記動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、
前記複数のコーディングモードの各々について、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、
前記動きベクトル予測子の前記リストに基づいて、前記ブロックと関連付けられた動きベクトルを符号化することと、を含む、方法。
【請求項2】
ビデオ復号化のための方法であって、
ビデオシーケンス内のピクチャのブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、
前記ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって復号化され、
前記動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、
前記複数のコーディングモードの各々について、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、
前記動きベクトル予測子のリストに基づいて、前記ブロックと関連付けられた動きベクトルを復号化することと、を含む、方法。
【請求項3】
前記ブロックが、コーディングユニットである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のコーディングモードが、1つ以上のマージモード及び1つ以上のAMVPモードを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のコーディングモードが、1つ以上のサブブロックモード及び1つ以上の非サブブロックモードを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記符号化又は復号化が、ビデオコーディング規格に従い、前記複数のコーディングモードが、前記ビデオコーディング規格に従って、動きベクトル予測リストを使用する全てのコーディングモードに対応する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記マージモードが、通常のマージモード、MMVDモード、三角形区画化マージモード、イントラブロックコピーモード、及びサブブロックマージモードのうちの少なくとも1つを含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記AMVPモードが、通常のAMVPモード及びアフィンAMVPモードを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、非サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、非サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、サブブロックモードであり、前記複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記非サブブロックモードが、通常のマージモード、MMVDモード、三角形区画化マージモード、イントラブロックコピーモード、及び通常のAMVPモードのうちの少なくとも1つを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のサブブロックモードが、サブブロックマージモード及びアフィンAMVPモードを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1及び3~14のいずれか一項に記載の方法を使用して符号化されたビットストリームを含むようにフォーマットされた信号。
【請求項16】
プロセッサと、前記プロセッサ上で実行されるときに、請求項1~14のいずれか一項に記載のビデオ符号化又は復号化のための方法を実行するために動作可能な、命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、概して、ビデオの符号化又は復号化のための方法及び装置、より具体的には、予測子リスト内の動きベクトル予測子を調整するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高い圧縮効率を実現するために、画像及びビデオのコーディング方式は、通常、ビデオコンテンツ内の空間冗長性及び時間冗長性を活用するために予測及び変換を採用している。概して、イントラピクチャ又はインターピクチャ相関を利用するために、イントラ予測又はインター予測が使用され、次いで、予測誤差又は予測残差と呼ばれることが多い、原ブロックと予測ブロックとの間の差が、変換、量子化、及びエントロピコード化される。ビデオを再構成するには、エントロピコーディング、量子化、変換、及び予測に対応する逆の処理によって、圧縮データを復号化する。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態によれば、ビデオ復号化の方法が提供され、ビデオシーケンス内のピクチャのブロックに関する動きベクトル予測子のリストを生成することであって、当該ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって復号化され、当該動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、当該複数のコーディングモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、当該動きベクトル予測子のリストに基づいて、当該ブロックと関連付けられた動きベクトルを復号化することと、を含む。
【0004】
別の実施形態によれば、ビデオ符号化の方法が提供され、ビデオシーケンス内のピクチャのブロックにアクセスすることと、当該ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、当該ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって符号化され、当該動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、当該複数のコーディングモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、当該動きベクトル予測子のリストに基づいて、当該ブロックと関連付けられた動きベクトルを符号化することと、を含む。
【0005】
別の実施形態によれば、ビデオ復号化の方法が提供され、当該ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、当該ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって復号化され、当該動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、当該複数のコーディングモード内の1つ以上のマージモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、上部の近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものであり、当該複数のコーディングモード内の1つ以上のAMVPモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子は、左側近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、上部の近傍ブロックからのものである、生成することと、当該動きベクトル予測子のリストに基づいて、当該ブロックと関連付けられた動きベクトルを復号化することと、を含む。
【0006】
別の実施形態によれば、ビデオ符号化の方法が提供され、ビデオシーケンス内のピクチャのブロックにアクセスすることと、当該ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、当該ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって符号化され、当該動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、当該複数のコーディングモード内の1つ以上のマージモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、上部の近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものであり、当該複数のコーディングモード内の1つ以上のAMVPモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、上部の近傍ブロックからのものである、生成することと、当該動きベクトル予測子のリストに基づいて、当該ブロックと関連付けられた動きベクトルを符号化することと、を含む。
【0007】
別の実施形態によれば、ビデオ復号化の方法が提供され、当該ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、当該ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって復号化され、当該動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、当該複数のコーディングモード内の1つ以上の非サブブロックモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、上部の近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものであり、当該複数のコーディングモード内の1つ以上のサブブロックモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子は、左側近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、上部の近傍ブロックからのものである、生成することと、当該動きベクトル予測子のリストに基づいて、当該ブロックと関連付けられた動きベクトルを復号化することと、を含む。
【0008】
別の実施形態によれば、ビデオ符号化の方法が提供され、ビデオシーケンス内のピクチャのブロックにアクセスすることと、当該ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、当該ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって符号化され、当該動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、当該複数のコーディングモード内の1つ以上の非サブモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、上部の近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものであり、当該複数のコーディングモード内の1つ以上のサブブロックモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、上部の近傍ブロックからのものである、生成することと、当該動きベクトル予測子のリストに基づいて、当該ブロックと関連付けられた動きベクトルを符号化することと、を含む。
【0009】
別の実施形態によれば、ビデオ符号化のための装置が提供され、当該装置は、ビデオシーケンス内のピクチャのブロックにアクセスすることと、当該ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、当該ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって符号化され、当該動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、当該複数のコーディングモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、当該動きベクトル予測子のリストに基づいて、当該ブロックと関連付けられた動きベクトルを符号化することと、を行うように構成された1つ以上のプロセッサを備える。
【0010】
別の実施形態によれば、ビデオ復号化のための装置が提供され、当該装置は、ビデオシーケンス内のピクチャのブロックに関する動きベクトル予測子のリストを生成することであって、当該ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって復号化され、当該動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、当該複数のコーディングモードの各々に関して、当該リスト内の第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからであり、第1の空間予測子に続く第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからである、生成することと、当該動きベクトル予測子のリストに基づいて、当該ブロックと関連付けられた動きベクトルを復号化することと、を行うように構成された、1つ以上のプロセッサを備える。
【0011】
一実施形態は、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに上で説明された実施形態のいずれかに従う符号化方法又は復号化方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラムを提供する。本実施形態のうちの1つ以上はまた、上で説明された方法に従ってビデオデータを符号化するか、又は復号化するための命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。1つ以上の実施形態はまた、上で説明された方法に従って生成されたビットストリームを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。1つ以上の実施形態はまた、上で説明された方法に従って生成されたビットストリームを送信するか、又は受信するための方法及び装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の態様が実装され得るシステムのブロック図を例解する。
【0013】
図2】ビデオ符号化器の一実施形態のブロック図を例解する。
【0014】
図3】ビデオ復号化器の一実施形態のブロック図を例解する。
【0015】
図4】圧縮HEVCピクチャを表すためのコーディングツリーユニット(Coding Tree Unit、CTU)及びコーディングツリー(Coding Tree、CT)概念の一例を例解する。
【0016】
図5】コーディングツリーユニット(CTU)のコーディングユニット(Coding Units、CUs)、予測ユニット(Prediction Units、PU)、及び変換ユニット(Transform Units、TU)への分割の一例を例解する。
【0017】
図6】VVCにおいて使用される区画化を例解する。
【0018】
図7】VVCにおける四分ツリー及び二分/三分ツリーを有するピクチャを区画化する一例を例解する。
【0019】
図8】空間及び時間予測子の位置を例解する。
【0020】
図9】VVCで使用される4×4サブCUベースのアフィン動きベクトルフィールドの一例を例解する。
【0021】
図10】アフィンモデル継承の一例を例解する。
【0022】
図11】SbTMVP予測の一例を例解する。
【0023】
図12】一実施形態に従って、コーディングモードがマージモード又はAMVPモードであるかどうかに基づいて、空間予測子走査順序を調整する方法を例解する。
【0024】
図13】一実施形態に従って、コーディングモードがサブブロックモードであるかどうかに基づいて、空間予測子走査順序を調整する方法を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、様々な態様及び実施形態が実装され得るシステムの一例のブロック図を例解する。システム100は、以下に記載の様々な構成要素を含むデバイスとして具現化され得、本明細書に記載の態様のうちの1つ以上を実行するように構成されている。かかるデバイスの実施例としては、これらに限定されないが、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、デジタルマルチメディアセットトップボックス、デジタルテレビ受信機、パーソナルビデオ記録システム、コネクテッド家電、及びサーバなどの様々な電子デバイスが挙げられる。システム100の要素は、単独で、又は組み合わせて、単一の集積回路、複数のIC、及び/又は個別の構成要素で具現化され得る。例えば、少なくとも一つの実施形態では、システム100の処理要素及び符号化器/復号化器要素は、複数のIC及び/又は個別の構成要素にわたって分散される。様々な実施形態では、システム100は、例えば、通信バスを介して、又は専用の入力ポート及び/若しくは出力ポートを通じて、他のシステム、又は他の電子デバイスに通信可能に結合される。様々な実施形態では、システム100は、本出願に記載された態様のうちの1つ以上を実装するように構成される。
【0026】
システム100は、例えば、本出願に記載された様々な態様を実装するために、内部にロードされた命令を実行するように構成された、少なくとも1つのプロセッサ110を含む。プロセッサ110は、埋め込み型メモリ、入力出力インターフェース、及び当該技術分野で既知の様々な他の回路を含み得る。システム100は、少なくとも1つのメモリ120(例えば、揮発性メモリデバイス及び/又は不揮発性メモリデバイス)を含む。システム100は、記憶デバイス140を含み、この記憶デバイスは、限定されるものではないが、EEPROM、ROM、PROM、RAM、DRAM、SRAM、フラッシュ、磁気ディスクドライブ、及び/若しくは光ディスクドライブを含む、不揮発性メモリ並びに/又は揮発性メモリを含み得る。記憶デバイス140は、非限定的な例として、内部記憶デバイス、取り付け型記憶デバイス、及び/又はネットワークアクセス可能な記憶デバイスを含み得る。
【0027】
システム100は、例えば、データを処理して、符号化ビデオ又は復号化ビデオを提供するように構成された符号化器/復号化器モジュール130を含み、その符号化器/復号化器モジュール130は、それ自体のプロセッサ及びメモリを含み得る。符号化器/復号化器モジュール130は、符号化機能及び/又は復号化機能を実行するためにデバイス内に含まれ得るモジュールを表す。既知であるように、デバイスは、符号化及び復号化モジュールのうちの一方又は両方を含み得る。加えて、符号化器/復号化器モジュール130は、システム100の個別の要素として実装され得るか、又は当業者に既知であるように、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとしてプロセッサ110内に組み込まれ得る。
【0028】
本出願に記載の様々な態様を実行するためにプロセッサ110又は符号化器/復号化器130上にロードされるプログラムコードは、記憶デバイス140内に記憶され、その後、プロセッサ110による実行のためにメモリ120上にロードされ得る。様々な実施形態によれば、プロセッサ110、メモリ120、記憶デバイス140、及び符号化器/復号化器モジュール130のうちの1つ以上は、本出願に記載されるプロセスの実施中に、様々な項目のうちの1つ以上を記憶し得る。かかる記憶された項目は、限定されるものではないが、入力ビデオ、復号化ビデオ、又は復号化ビデオの一部分、ビットストリーム、行列、変数、並びに、方程式、式、動作、及び動作論理の処理からの中間結果又は最終結果を含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、プロセッサ110及び/又は符号化器/復号化器モジュール130の内部のメモリは、命令を記憶するため、及び符号化又は復号化中に必要とされる処理のためのワーキングメモリを提供するために使用される。しかしながら、他の実施形態では、処理デバイス(例えば、処理デバイスは、プロセッサ110又は符号化器/復号化器モジュール130のいずれかであり得る)の外部のメモリが、これらの機能のうちの1つ以上のために使用される。外部メモリは、メモリ120及び/又は記憶デバイス140、例えば、ダイナミック揮発性メモリ及び/又は不揮発性フラッシュメモリであり得る。いくつかの実施形態では、外部不揮発性フラッシュメモリが、テレビのオペレーティングシステムを格納するために使用される。少なくとも一実施形態では、RAMなどの高速外部ダイナミック揮発性メモリが、MPEG-2、HEVC、又はVVCなどのビデオコーディング動作及び復号化動作のためのワーキングメモリとして使用される。
【0030】
システム100の要素への入力は、ブロック105に示されるように、様々な入力デバイスを通して提供され得る。このような入力デバイスとしては、(i)例えば、放送局によって無線で送信されるRF信号を受信するRF部、(ii)コンポジット入力端子、(iii)USB入力端子、及び/又は(iv)HDMI入力端子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
様々な実施形態では、ブロック105の入力デバイスは、当該技術分野で既知であるように、関連するそれぞれの入力処理要素を有する。例えば、RF部分は、(i)所望の周波数を選択することと(また信号を選択する、又は信号を周波数帯域に帯域制限するとも称される)、(ii)選択された信号をダウンコンバートすることと、(iii)特定の実施形態で、(例えば)チャネルとして称され得る信号周波数帯域を選択するために、再度より狭い周波数帯域に帯域制限することと、(iv)ダウンコンバート及び帯域制限された信号を復調することと、(v)誤り訂正を実行することと、(vi)データパケットの所望のストリームを選択するために多重分離することと、に対して好適な要素と関連付けられ得る。様々な実施形態のRF部は、これらの機能を実行する1つ以上の要素、例えば、周波数セレクタ、信号セレクタ、バンドリミッタ、チャネルセレクタ、フィルタ、ダウンコンバータ、復調器、誤り訂正器、及びデマルチプレクサを含む。RF部分は、これらの様々な機能を実行するチューナを含み得、例えば、受信した信号をより低い周波数(例えば、中間周波数、若しくは近接ベースバンド周波数)に、又はベースバンドにダウンコンバートすることが含まれる。セットトップボックスの一実施形態では、RF部分及びその関連する入力処理要素は、有線(例えば、ケーブル)媒体を介して送信されるRF信号を受信し、所望の周波数帯域にフィルタリング、ダウンコンバート、及び再フィルタリングすることによって周波数選択を実行する。様々な実施形態では、上述した(及び他の)要素の順序を並べ替える、これらの要素の一部を削除する、並びに/又は、類似若しくは異なる機能を実行する他の要素を追加する。要素を追加することは、既存の要素の間に要素を挿入すること、例えば、増幅器及びアナログ-デジタル変換器を挿入することを含み得る。様々な実施形態において、RF部は、アンテナを含む。
【0032】
追加的に、USB及び/又はHDMI端末は、USB及び/又はHDMI接続全体にわたって、システム100を他の電子デバイスに接続するためのそれぞれのインターフェースプロセッサを含み得る。入力処理の様々な態様、例えば、リードソロモン誤り訂正は、例えば、必要に応じて、個別の入力処理IC内又はプロセッサ110内に実装され得ることを理解されたい。同様に、USB又はHDMIインターフェース処理の態様は、必要に応じて、個別のインターフェースIC内又はプロセッサ110内に実装され得る。復調され、誤り訂正され、多重分離されたストリームは、例えば、プロセッサ110、並びに、メモリ及び記憶要素と組み合わせて動作して、出力デバイス上に提示するのに必要なデータストリームを処理する符号化器/復号化器130を含む、様々な処理要素に提供される。
【0033】
システム100の様々な要素は、統合されたハウジング内に提供され得、統合されたハウジング内では、様々な要素は、好適な接続構成115、例えば、I2Cバス、配線、及びプリント回路基板を含む、当該技術分野で既知の内部バスを使用して相互に接続され、互いの間でデータを送信し得る。
【0034】
システム100は、通信チャネル190を介して他のデバイスとの通信を可能にする通信インターフェース150を含む。通信インターフェース150は、限定されるものではないが、通信チャネル190を介してデータを送信及び受信するように構成された送受信機を含み得る。通信インターフェース150は、限定されるものではないが、モデム又はネットワークカードを含み得、通信チャネル190は、例えば、有線及び/又は無線媒体内に実装され得る。
【0035】
データは、様々な実施形態において、IEEE802.11などのWi-Fiネットワークを使用して、システム100にストリーミングされる。これらの実施形態のWi-Fi信号は、Wi-Fi通信のために適合された通信チャネル190及び通信インターフェース150を介して受信される。これらの実施形態の通信チャネル190は、一般には、ストリーミングアプリケーション及び他のオーバーザトップ通信を可能にするためにインターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを提供するアクセスポイント又はルータに接続される。別の実施形態では、入力ブロック105のHDMI接続を介してデータを配信するセットトップボックスを使用して、システム100にストリーミングデータを提供する。更に他の実施形態では、入力ブロック105のRF接続を使用して、システム100にストリーミングデータを提供する。
【0036】
システム100は、出力信号を、ディスプレイ165、スピーカ175、及び他の周辺デバイス185を含む、様々な出力デバイスに提供し得る。他の周辺デバイス185は、実施形態の様々な例において、スタンドアロンDVR、ディスクプレーヤ、ステレオシステム、照明システム、及びシステム100の出力に基づいて機能を提供する他のデバイス、のうちの1つ以上を含む。様々な実施形態では、制御信号は、AV.Link、CEC、又はユーザ介入あり若しくはユーザ介入なしでデバイス間制御を可能にする他の通信プロトコルなどの信号伝達を使用して、システム100とディスプレイ165、スピーカ175、又は他の周辺デバイス185との間で通信される。出力デバイスは、それぞれのインターフェース160、170、及び180を通じた専用接続を介してシステム100に通信可能に結合され得る。代替的に、出力デバイスは、通信インターフェース150を介し、通信チャネル190を使用して、システム100に接続され得る。ディスプレイ165及びスピーカ175は、例えば、テレビなどの電子デバイスにおいて、システム100の他の構成要素とともに単一ユニットに統合され得る。様々な実施形態では、ディスプレイインターフェース160は、ディスプレイドライバ、例えば、タイミングコントローラ(timing controller、TCon)チップを含む。
【0037】
ディスプレイ165及びスピーカ175は、代替的に、例えば、入力105のRF部分が個別のセットトップボックスの一部である場合、他の構成要素のうちの1つ以上から分離され得る。ディスプレイ165及びスピーカ175が外部構成要素である様々な実施形態では、出力信号は、例えば、HDMIポート、USBポート、又はCOMP出力を含む、専用の出力接続を介して提供され得る。
【0038】
図2は、VVC(Versatile Video Coding、多用途ビデオコーディング)符号化器などのビデオ符号化器200の一例を例解する。本出願では、「再構成された(reconstructed)」及び「復号化された(decoded)」という用語は、交換可能に使用され得、「符号化(encoded)された」及び「コード化(coded)された」という用語は、交換可能に使用され得、「画像(image)」、「ピクチャ(picture)」、及び「フレーム(frame)」という用語は、交換可能に使用され得る。通常では、必ずしもそうではないが、「再構成された」という用語は符号化器側で使用され、「復号化された」という用語は復号化器側で使用される。
【0039】
ビデオシーケンスは、符号化される前に、符号化前処理を受け得、例えば、入力カラーピクチャに色変換を適用すること(例えば、RGB4:4:4からYCbCr4:2:0への変換)、又は圧縮に対してより耐性のある信号分布を得るために入力ピクチャ構成要素の再マッピングを実行すること(例えば、色成分の1つのヒストグラム等化を使用する)。メタデータは、その前処理と関連付けられ、ビットストリームに添付され得る。
【0040】
符号化器200において、ピクチャは、以下に記載する符号化器要素によって符号化される。入力信号がマッピングされる(201)。201のマッピングは、291の順方向マッピングに対応し得るか、又は前処理のための他のマッピングを更に含み得る。符号化されるピクチャは、CU(202)のユニットで処理される。各CUは、イントラモード又はインターモードのいずれかを使用して符号化される。CUがイントラモードで符号化されるとき、イントラ予測(260)を実行する。インターモードでは、動き推定(275)及び動き補償(270)が実行される。順方向マッピング(291)は、予測信号に適用される。符号化器デバイスは、CUを符号化するためにイントラモード又はインターモードのうちのいずれを使用するかを決定し(205)、予測モードフラグによってイントラ/インター決定を示す。予測残差は、(ステップ201からの)マッピングされた元の画像ブロックから(ステップ291からの)マッピングされた予測ブロックを差し引くこと(210)によって計算される。
【0041】
次いで、予測残差が変換され(225)、量子化される(230)。量子化された変換係数、並びに動きベクトル及び他のシンタックス要素は、エントロピコード化され(245)、ビットストリームを出力する。符号化器はまた、変換をスキップし、変換されていない残差信号に量子化を直接適用し得る。符号化器はまた、変換及び量子化の両方をバイパスし得、すなわち、残差は、変換処理又は量子化処理を適用することなく直接コード化される。直接PCMコーディングでは、予測は適用されず、コーディングユニットサンプルは、ビットストリームに直接コード化される。
【0042】
符号化器は、符号化されたブロックを復号化して、更なる予測のための参照を提供する。量子化された変換係数は、量子化され(240)、逆変換され(250)、予測残差を復号化する。復号化された予測残差及び予測ブロックを組み合わせると(255)、画像ブロックが再構成される。逆マッピング(290)及びループ内フィルタ(265)が、再構成された信号に適用されて、例えば、符号化アーチファクトを低減するために脱ブロック化/SAO(サンプル適応オフセット)フィルタ処理を実行する。フィルタ処理された画像は、参照ピクチャバッファ(280)に記憶される。
【0043】
図3は、VVC復号化器などのビデオ復号化器300の一例のブロック図を例解する。復号化器300では、以下に説明する復号化器要素によってビットストリームが復号化される。ビデオ復号化器300は、概して、図2において説明されたような、符号化パスに相反する復号化パスを実行し、ビデオデータを符号化することの一部としてビデオ復号化を実行する。
【0044】
特に、復号化器の入力は、ビデオ符号化器200によって生成され得るビデオビットストリームを含む。第1に、ビットストリームは、エントロピ復号化されて(330)、変換係数、動きベクトル、ピクチャ区画化情報、及び他のコード化情報を取得する。ピクチャ区画化情報は、CTUのサイズ、及びCTUがCUに分割され、及び適用可能な場合にはPUに分割される様式を示す。したがって、復号化器は、復号化されたピクチャ区画化情報に従って、ピクチャをCTUに、かつ各CTUをCUに分割し得る(335)。変換係数を脱量子化し(340)、逆変換して(350)、予測残差を復号化する。
【0045】
復号化された予測残差及び予測ブロックを組み合わせると(355)、画像ブロックが再構成される。予測ブロックは、イントラ予測(360)から又は動き補償予測(すなわち、インター予測)(375)から取得され得る(370)。また、順方向マッピング(395)は、予測信号に適用される。双予測の場合、2つの動き補償された予測が、加重和と組み合わされ得る。逆マッピング(396)及びループ内フィルタ(365)は、再構成された信号に適用される。フィルタ処理された画像は、参照ピクチャバッファ(380)に記憶される。
【0046】
ループ内フィルタからの出力は、前処理で実行されるマッピングプロセス(201)の逆を実行する、逆マッピング(390)を通過し得る。復号化されたピクチャは、他の復号化後処理、例えば、逆色変換(例えば、YCbCr4:2:0からRGB4:4:4への変換)を更に通過することができる。復号化後処理は、符号化前処理において導出され、ビットストリームにおいて信号伝達されたメタデータを使用し得る。
【0047】
HEVCでは、動き補償された時間予測は、動きベクトルが各予測ユニット(prediction unit、PU)と関連付けられる、ビデオの連続するピクチャ間に存在する冗長性を利用するために採用される。各CTUは、圧縮ドメイン内のコーディングツリーによって表現される。これは、図4に例解されるように、各リーフがコーディングユニット(CU)と呼ばれる、CTUの四分ツリー分割である。次いで、各CUは、予測情報としていくつかのイントラ又はインター予測パラメータを与えられる。そうするために、CUは、1つ以上の予測ユニット(PU)に空間的に区画化され得、各PUは、いくつかの予測情報を割り当てられる。イントラ又はインターコーディングモードは、CUレベルに割り当てられる。これらの概念は、図5において更に例解される。
【0048】
VVCにおける新しいビデオ圧縮ツールは、圧縮ドメイン内のコーディングツリーユニット表現を含み、これは、より柔軟な方法でピクチャデータを表現することができる。VVCでは、二分及び三分分割セグメンテーション構造を使用する、ネストマルチタイプツリー(nested multi-type tree、MTT)を有する四分ツリーは、複数の区画化ユニットタイプの概念を置き換える、すなわち、VVCは、いくつかの特別な場合を除いて、CU、PU、及びTU概念の分離を除去する。VVCコーディングツリー構造では、CUは、正方形又は長方形のいずれかの形状を有することができる。コーディングツリーユニット(CTU)は、第1に四分ツリー構造によって区画化される。次いで、四分ツリーリーフノードが、マルチタイプツリー構造によって更に区画化され得る。
【0049】
具体的には、CTUのツリー分解は、異なる段階で進行され、第1にCTUが、四分ツリー様式で分割され、次いで、各四分ツリーリーフは、二分又は三分方式で更に分割することができる。図6に示されるように、マルチタイプのツリー構造において4つの分割タイプがあり、すなわち、垂直二分分割(VER)、水平二分分割(HOR)、垂直三分分割(VER_TRIPLE)、及び水平三分分割(HOR_TRIPLE)である。HOR_TRIPLE又はVER_TRIPLE分割(水平又は垂直三分ツリー分割モード)は、コーディングユニット(CU)を3つのサブコーティングユニット(サブCU)に分割することにおいて構成され、それぞれのサイズは、考慮される空間分割の方向において、親CUサイズの1/4、1/2、及び1/4に等しい。マルチタイプのツリーリーフノードは、コーディングユニット(CU)と呼ばれ、いくつかの特別な場合を除いて、このセグメンテーションは、任意の更なる区画化なしで予測及び変換処理に使用される。四分ツリー及び三分/二分ツリーコーディングブロック構造を有する複数のCUに分割されたCTUの実施例が図7に示される。
【0050】
VTM(VVC試験モデル)における予測リスト
【0051】
VVCでは、予測リストは、異なるインターコーディングモード:通常のマージ、MMVD(MVDを有するマージモード)、CIIP(組み合わされたイントラ及びインター予測)、TPM/GEO、IBC(イントラブロックコピー)、通常のAMVP(高度な動きベクトル予測)、アフィンAMVP、及びサブブロックマージ内に存在する。これらの予測リストは、図8において示されるような、位置{A0、A1、A2、B0、B1、B2、B3}の空間近傍ブロックから選択される、空間予測子を含有する。左側近傍ブロックからの予測子は、左側空間予測子を考慮し、上方の近傍ブロックからの予測子は、上部空間予測子を考慮する。上部-左側のブロックB2などのいくつかのブロックは、左側及び上部近傍ブロックの両方として考慮される。
【0052】
VTM-6.0では(「Algorithm description for Versatile Video Coding and Test Model 6(VTM 6)」、JVET-O2002,15th Meeting:Gothenburg,SE,3-12 July 2019参照)、全てのリストの空間候補が、概して左側から上部に走査される。例えば、通常のマージモードの場合、第1の空間予測子は、A1(左側)からのものであり、第2の空間予測子は、A1予測子とは異なる場合、B1(上部)からのものである。通常のAMVPモードでは、第1の空間予測子は、A0又はA1(左側)から選択され、第2の空間予測子は、B0、B1、又はB2(上部)からのものである。異なるリストが、表1に説明される。
【表1】
【表2】
【表3】
【0053】
通常のマージモード
【0054】
VTM-6.0では、マージ候補リスト、マージリスト、又は通常のマージリストとも称される、通常のマージモードに関する予測リストは、以下のタイプの予測子(また候補とも称される)を含むことによって構築される。
1)空間近傍CUからの空間MVP(動きベクトル予測子)、
2)配列CUからの時間MVP、
3)FIFOテーブルからの履歴ベースのMVP、
4)ペアワイズ平均MVP、及び
5)ゼロMVP。
【0055】
マージモードでコード化された各CUに関して、選択された予測子のインデックスが符号化される。マージ候補の各カテゴリの生成プロセスを以下に説明する。
【0056】
空間候補導出
【0057】
VVC内の空間マージ候補の導出は、HEVCと同じである。最大4つのマージ候補が、図8内に図示される位置内に位置付けられた候補の中で選択される。導出の順序は、A、B、B、A、及びBである。位置Bは、位置A、B、B、AのいずれかのCUが利用可能ではない場合(例えば、別のスライス又はタイルに属するため)、又はイントラコード化されているときにのみ考慮される。位置Aにおいて候補が追加された後、残りの候補の追加が冗長検査に供され、これが、同じ動き情報を有する候補がリストから除外されることを確実とし、その結果、コード効率が改善される。計算の複雑さを低減するために、全ての可能な候補対が、冗長検査において考慮されるわけではない。代わりに、表1内の対のみが考慮され、冗長検査に使用される対応する候補が同じ動き情報を有さない場合、候補がリストに追加されるのみである。例えば、表1において、「空間B1+プルーニングされたA1」は、位置Bにおける候補が、位置Aにおける候補とは異なる場合にのみマージリストに追加されることを示す。
【0058】
時間候補導出(「TMVP C0/C1」)
【0059】
マージリストには、1つの時間候補のみが追加される。特に、この時間マージ候補の導出において、スケーリングされた動きベクトルは、結合された参照ピクチャに属する配列CUに基づいて、導出される。図8に図示されるように、時間候補に関する位置は、候補CとCとの間で選択される。位置CにおけるCUが利用可能ではない場合、CUがイントラコード化される場合、又はCUがCTUの現在の行の外側にある場合、位置Cが、使用される。別様に、位置Cは、時間マージ候補の導出において使用される。
【0060】
履歴ベースのマージ候補導出
【0061】
履歴ベースのMVP(history-based MVP、HMVP)マージ候補は、空間MVP及びTMVPの後に、マージリストに追加される。HMVPを使用するために、以前にコード化されたブロックの動き情報を表内に記憶し、現在のCUのためのMVPとして使用する。複数のHMVP候補を有する表は、符号化/復号化プロセス中に維持される。表は、新しいCTU行が遭遇するときにリセット(空)される。非サブブロック間コード化CUが存在する場合は常に、関連付けられた動き情報が、新しいHMVP候補として表の最後のエントリに追加される。
【0062】
HMVP候補は、マージ候補リスト構築プロセスにおいて使用され得る。表内の最新のいくつかのHMVP候補は、順番に検査され、TMVP候補の後に候補リストに挿入される。冗長検査は、HMVP候補上で、いくつかの空間マージ候補に適用される。FIFO内の最後の2つのHMVP候補の各々(より最近のもの)は、空間候補A及びBと比較され、同じ動き情報を有していない場合にのみマージリストに追加される。利用可能なマージ候補の総数が最大に許容されるマージ候補マイナス1に達すると、HMVPからのマージ候補リスト構築プロセスが終了する。
【0063】
ペアワイズ平均マージ候補導出
【0064】
ペアワイズ平均候補は、既存のマージ候補リスト内の第1の対の候補を平均化することによって生成される。ペアワイズ平均マージ候補が追加された後にマージリストが完全でないとき、最大マージ候補数に達するまで、ゼロMVPが端部において挿入される。
【0065】
MVDとのマージモード(Merge mode with MVD、MMVD)
【0066】
マージモードに加えて、暗黙的に導出された動き情報が、現在のCUの予測サンプル生成のために直接使用される場合、動きベクトル差とのマージモード(MMVD)がVVC内に導入される。
【0067】
MMVDでは、マージ候補が選択された後、信号伝達されたMVD情報によって更に精緻化される。更なる情報は、マージ候補フラグ、動きの大きさを指定するためのインデックス、及び動き方向の指標に関するインデックスを含む。MMVDモードでは、マージリスト内の最初の2つの候補のうちの1つが、MV基準として使用されるように選択される。マージ候補フラグは、どれが使用されるかを指定するように信号伝達される。
【0068】
インター予測のための三角形の区画(TPM)
【0069】
三角形区画モードが使用されるとき、対角行列分割又は反対角行列分割のいずれかを使用して、CUは、2つの三角形形状の区画に均一に分割される。CU内の各三角形区画は、それ自体の動きを使用して相互予測される、各区画に対して、単一予測のみが許可される。単予測候補リストは、上で説明されたマージモードに従って構築されたマージ候補リストから直接導出される。
【0070】
三角形区画モードが現在のCUに対して使用される場合、三角形区画の方向を示すフラグ(対角行列又は反対角行列)、及び2つのマージインデックス(各区画に対して1つ)が、更に信号伝達される。
【0071】
イントラブロックコピーモード(Intra Block Copy mode、IBC)
【0072】
イントラブロックコピー(IBC)モードは、HEVCのスクリーンコンテンツ拡張から得られる。このモードは、復号化された現在のフレームとのインター予測をエミュレートする。これは、より単純である予測子リストを除いて、対応する通常モードと同一である、IBC AMVP及びIBCマージモードを支持するのみである。
【0073】
VVCでは、IBCマージ予測子リスト(IBCマージ候補リスト又はIBCマージリストとも称される)は、以下のタイプの候補を含むことによって構築される。
1)空間近傍CUからの空間MVP、
2)IBC FIFOテーブルからの履歴ベースのMVP、及び
3)ゼロMVP。
【0074】
空間候補導出
【0075】
空間IBCマージ候補の導出は、通常のマージと同じである。最大2つの空間IBCマージ候補のみが、位置A、B内に位置付けられた候補の中で選択される。位置Aにおいて候補が追加された後、残りの候補の追加が冗長検査に供され、これが、同じ動き情報を有する候補がリストから除外されることを確実とし、その結果、コード効率が改善される。
【0076】
履歴ベースのマージ候補導出
【0077】
履歴ベースのMVP(HMVP)IBCマージ候補は、通常のマージリストに関するものと同じ方法で、空間IBC MVPの後にIBCマージリストに追加される。しかし、IBCモードには、個別のFIFOが使用される。
【0078】
HMVP候補が追加された後、IBCマージリストが完全でないとき、最大IBCマージ候補数に達するまで、ゼロIBC MVPが端部において挿入される。
【0079】
IBC AMVPモードでは、唯一の利用可能な参照フレームが現在のものであるため、1つの予測子リストのみが、構築されるはずである。かかる予測子リストは、プルーニングすることなく、2つの候補に制限されたIBCマージリストを再使用する。
【0080】
通常のAMVPモード
【0081】
VVCのAMVPモード(通常のAMVPとも呼ばれる)は、HEVCのうちの1つに近い。AMVP候補リスト、AMVPリスト、又は通常のAMVPリストとも称されるAMVPモードの予測子リストは、以下のタイプの候補を含むことにより、各参照フレームリストの各参照フレームに対して構築される。
1)空間近傍CUからの空間MV、
2)配列CUからの時間MV、
3)FIFOテーブルからの履歴ベースのMV、及び
4)ゼロMV。
【0082】
動き記憶部の精度(1/16-pel)は、AMVR(適応性動きベクトル解像度)モードに応じて、1/4-pel、1/2-pel、1-pel又は4-pelであり得る、動きベクトル差の許容精度よりも微細である。かかる制約を順守するために、各予測子は、動きベクトル差の許容精度に丸みを付けられる。
【0083】
AMVPモード及び各参照フレームリストにおいてコード化された各CUについて、選択された参照フレームのインデックス、選択された予測子のインデックス(AMVP候補とも称される)、及び(動き推定を通して推定された選択された動きベクトルと予測子との間の差としての)動きベクトル差が、符号化される。AMVP候補の各カテゴリの生成プロセスは、参照フレームリストyの、refxyと記される、参照フレームxに関して以下で説明される。
【0084】
空間候補導出
【0085】
VVC内のrefxyに関する空間AMVP候補の導出は、HEVCの場合と同じである。最大2つのAMVP候補が、図8に図示された位置内に位置付けられた候補の中で選択される。1つの候補は、左側の位置A又はAから選択され、別の1つは、上部の位置B、B、又はBから選択される。考慮されるべきことに、候補はまた、参照フレームrefxyを使用しなければならない。具体的には、Aがインターコード化されていないか、又は参照フレームrefxyを使用しないとき、左予測子は、位置Aから選択される。左側の候補が追加された後、上部の候補の追加が、冗長検査に供され、これが、同じ動きベクトルを有する候補がリストから除外されることを確実とし、その結果、コード効率が改善される。
【0086】
時間候補導出(「TMVP C0/C1」)
【0087】
通常のマージリスト構築と同じ導出プロセスを使用することによって、1つの時間候補のみがAMVPリストに追加されるが、refxyの使用法に制限される。
【0088】
履歴ベースの候補導出
【0089】
FIFOテーブルにおけるいくつかのHMVP候補は、逆順序で検査され、refxyを使用する場合、及び冗長検査なしで、TMVP候補の後に候補リストに挿入される。利用可能なAMVP候補の総数が最大に許容されるAMVP候補に達すると、HMVPからのAMVP候補リスト構築プロセスが終了する。
【0090】
HMVP候補が追加された後、AMVPリストが完全でないとき、最大AMVP候補数に達するまで、ゼロMVが端部において挿入される。
【0091】
アフィンAMVPモード
【0092】
アフィンAMVP、サブブロックモードは、通常のAMVPに近いが、並進の代わりに図9内に提示されるようなアフィン動きモデルを使用する。
【0093】
フラグは、AMVPモードがアフィンであることを信号伝達し、別のフラグが、4-又は6-パラメータアフィンモデルが使用されるかどうかを示す。次いで、各参照フレームリストについて、選択された参照フレームのインデックス、選択された予測子のインデックス(アフィンAMVP候補とも称される)及び(アフィン動き推定及びCPMV予測子を通して推定された最良のCPMV間の差としての)2つの動きベクトル差が、符号化される。
【0094】
予測子は、以下のタイプの候補を含むことによって、各参照フレームリストの各参照フレームに対して構築される、予測子リスト内で選択される。
1)空間アフィン近傍CUからの空間継承アフィンCPMV(制御ポイント動きベクトル)、
2)空間近傍CUからの構築されたアフィンCPMV、
3)空間及び時間近傍CUからの構築された並進CPMV、及び
4)ゼロアフィンCPMV。
【0095】
動き記憶部の精度(1/16-pel)は、AMVR(適応性動きベクトル解像度)モードに応じて、1/16-pel、1/4-pel、又は1-pelであり得る、動きベクトル差の許容精度よりも微細である。かかる制約を順守するために、各予測子は、動きベクトル差の許容精度に丸みを付けられる。
【0096】
空間継承アフィン候補導出
【0097】
VVCにおける参照フレームrefxyに関する空間継承アフィン候補の導出は、図10に図示された位置内に位置付けられたアフィン候補に基づく。1つの候補は、左側位置A、Aにおいて選択され、別の候補は、上部位置B、B、Bにおいて選択される。考慮されるべきであるが、候補は、アフィンコード化され、また参照フレームrefxyを使用しなければならない。
【0098】
現在のCUに関するアフィンモデル(CPMV)は、考慮されたアフィン近傍の記憶されたモデルから導出される。
【0099】
構築されたアフィン候補導出
【0100】
1つのアフィンモデルは、refxyを使用する、上部-左側(LT)位置(A、B、B)、下部-左側(LB)の位置(A、A)、及び上部-右側(RT)位置(B、B)からCPMVを抽出することによって構築される。次いで、現在のアフィンモデルは、これらの抽出されたCPMVの組み合わせとして定義される。
【0101】
構築された並進候補の導出
【0102】
アフィンAMVPリストが構築されたアフィン候補が追加された後に完全でないとき、並進モデルがリストに挿入される。現在のアフィンモデルの全てのCPMVは、上部、左側、上部-左側、及び時間位置から並進動きベクトルに連続的に設定される。
【0103】
アフィンAMVPリストがその後完全ではないとき、最大アフィンAMVP候補数に達するまで、ゼロCPMVが、端部において挿入される。
【0104】
サブブロックマージモード
【0105】
サブブロックマージモードは、2つの異なる組の予測子候補:SbTMVP及びアフィンマージを含む。アフィンAMVPモードに関して、フラグは、マージモードがサブブロックであることを信号伝達する。次いで、通常のマージモードの場合、サブブロックマージモードにおいてコード化された各CUに関して、選択された予測子のインデックスが符号化される。
【0106】
サブブロックマージ候補リスト又はアフィンマージリストとも称される、サブブロックマージモードの予測リストは、以下のタイプの候補を含むことによって構築される。
1)SbTMVP候補、
2)空間アフィン近傍CUからの空間継承アフィンCPMV、
3)空間及び時間近傍CUからの構築されたアフィンCPMV、及び
4)ゼロCPMV。
【0107】
サブブロック時間動きベクトル予測子(SbTMVP)導出
【0108】
SbTMVP候補は、入力として左空間候補A(又はAが利用可能である場合はゼロMV)を使用する。この入力動きベクトルは、図11に示されるように、8×8ベースで、現在のCUの動き情報を取得するために、配列参照フレーム上で使用される。
【0109】
空間継承アフィン候補導出
【0110】
空間継承アフィン候補の導出は、現在のCUに関するアフィンモデル(CPMV)が左、次いで上部のアフィン近傍の記憶されたモデルから導出されるアフィンAMVPモードと同じである。
【0111】
構築されたアフィン候補導出
【0112】
アフィンモデルは、上部-左側の位置(A、B、B)、左側の位置(A、A)、上部の位置(B、B)及び時間C位置からCPMVを抽出することによって構築される。次いで、現在のアフィンモデルは、これらの抽出されたCPMVの組み合わせとして定義される。
【0113】
その後、サブブロックマージリストが完全ではないとき、最大サブブロックマージ候補数に達するまで、ゼロCPMVが、端部において挿入される。
【0114】
VTM-7.0(「Algorithm description for Versatile Video Coding and Test Model 7(VTM 7)」,JVET-P2002,16th Meeting:Geneva,CH,1-11 October 2019参照)では、上部-左側の走査は、通常のマージ、MMVD、及びTPM/GEOモードのために採用され、左側-上部の走査は、表2において示されるような他のコーディングモードのために維持される。通常のマージモードに関して、マージリスト構築における差が、表3に記載する。
【表4】
【表5】
【0115】
VTM-7.0の上部-左側の走査は、マージ、MMVD、及び三角形のモードにのみ影響を及ぼす。それゆえ、この上部-左側の走査の概念を、IBC、AMVP、アフィンAMVP、及びサブブロックマージモードとして全ての他のコーディングモードに拡張することが可能である。一実施形態では、全ての適用可能なコーディングモードにおける空間予測子の上部-左側の走査を考慮することが提案される。
【0116】
IBCへの拡張
【0117】
表4内に提示されるように、IBCリスト構築のために空間予測子の上部-左側の走査を使用することが提案される。表4に示されるように、空間予測子B1は、予測子リスト構築において空間予測子A1の前に考慮される。これは、両方のモードが同じリストを使用するため、IBCマージ及びIBC AMVPに影響を及ぼす。
【表6】
【0118】
通常のAMVPへの拡張
【0119】
AMVPの場合では、一組の空間近傍が探索される。しかし、VTM-7.0では、左側の組は、上部組の前に走査される。それゆえ、表5に示されるように、左側(A0/A1)の前に上部の位置(B0/B1/B2)を探索することが提案される。
【表7】
【0120】
変形例では、表6内に提示されるように、左側の候補の組において、B2、すなわち、上部-左側の候補を移動させることも可能である。
【表8】
【0121】
アフィンAMVPへの拡張
【0122】
アフィンAMVPでは、同じ左側の組の候補が、AMVPの場合に関して、上部の候補の前に探索される。表7に提示されるように、走査の順序を戻すことも可能である。
【表9】
【0123】
変形例では、表8内に提示されるように、左側の候補の組において、B2、すなわち、上部-左側の候補を移動させることも可能である。
【表10】
【0124】
サブブロックマージに拡張
【0125】
サブブロックマージリストは、VTM-7.0において、異なる性質の5つの候補で構成される。それは、SbTMVP候補、継承又は構築されたアフィンモデルであり得る。空間候補の提案された上部-左側走査は、表9内に提示されるように、継承アフィンモデルの導出に拡張され得る。
【表11】
【0126】
変形例では、表10内に提示されるように、左側の候補の組において、B2、すなわち、上部-左側の候補を移動させることも可能である。
【表12】
表10:左側の候補としてB2を有するサブブロックマージリストへの上部-
左側走査の拡張
【0127】
別の変形例では、修正はまた、表11に示されるように、左側の候補の代わりに入力として空間上部候補を使用することによって、SbTMVP候補に影響を及ぼし得る。
【表13】
【0128】
上記では、全てのコーディングモードで空間近傍の左側-上部走査を使用することが提案される。別の実施形態では、コーディングモードのサブセットに対してのみこの順序を適用することが提案される。
【0129】
上で説明されたように、動きベクトル予測リストが使用されるとき、概して、コーディングモードの2つのカテゴリ:マージモード及びAMVPモードが存在する。マージモードを使用するコーディングユニットの場合、予測子リストが生成され、リストへのインデックス(例えば、mvp_idx)が復号化器に送信され、復号化器は、同じ予測子リストを生成し、選択された動きベクトル予測子の復号化されたインデックスにのみ基づいて、現在のコーディングユニットのための動きベクトルとして動きベクトル予測子を選択することができる。典型的には、参照ピクチャインデックス(ref_idx)又は動きベクトル差(MVD)などの他の動き情報は、送信される必要はない。
【0130】
AMVPモードを使用するコーディングユニットの場合、予測子リストが生成され、リストへのインデックス(例えば、mvp_idx)が、復号化器に送信される。加えて、参照ピクチャインデックス(ref_idx)及び動きベクトル差(MVD)などの他の動き情報もまた送信される。復号化器は、同じ予測子リストを生成し、現在のコーディングユニットのための動きベクトル予測子として予測子リストから動きベクトル予測子を選択し、次いで、動きベクトル予測子、復号化されたMVD、及び参照ピクチャインデックスに基づいて、動きベクトルを復号化することができる。
【0131】
VVCでは、MMVDは、通常、マージモードとして考慮されるが、MVD情報を信号伝達する。
【0132】
一実施形態では、本発明者らは、マージモード(1205、例えば、通常のマージ、MMVD、TPM、IBC、サブブロックマージ)を伴う全てのコーディングユニットに対して上部-左側走査(1210、例えば、上部空間予測子が、予測子リストにおいて第1の予測子であり、左側空間予測子が続く)を使用し、AMVPモード(1205、例えば、通常のAMVP、アフィンAMVP)を伴う全てのコーディングユニットに対して左側-上部走査(1220、例えば、左側空間予測子が、予測子リストにおいて第1の予測子であり、上部空間予測子が続く)を使用することを提案する。他の予測子もまた、予測子リストに追加され得る(1230)。予測子リストが構築された後、動き情報は、予測子リストに基づいて、符号化又は復号化され得る(1240)。また、AMVPに対して上部-左側、及びマージモードに対して左側-上部の状態で反対にもなり得ることに留意されたい。
【0133】
分類の別の方法では、動きベクトル予測子リストが使用されるときのコーディングモードは、非サブブロックモード及びサブブロックモードとして分類することができる。サブブロックモードでは、コーディングモードが、コーディングユニットレベルで示されている間、動き補償は、サブブロックレベルで実行され、CUのサブブロックは、異なる動きベクトルを有することができる。VVCでは、アフィン候補(アフィンAMVP又はサブブロックマージから)及びSbTMVP候補のみが存在する。しかし、FRUC(フレームレートアップ変換)及びOBMC(オーバーラップされたブロック動き補償)として、他の潜在的なサブブロックツールを含むことができる。
【0134】
一実施形態では、本発明者らは、非サブブロックモード(1305、例えば、マージ、MMVD、TPM、IBC、AMVP)を伴う全てのコーディングユニットに対して上部-左側走査(1310、例えば、上部空間予測子が、予測子リストにおいて第1の予測子であり、左側空間予測子が続く)を使用し、サブブロックモード(1305、アフィンAMVP、サブブロックマージ)を伴う全てのコーディングユニットに対して左側-上部走査(1320、例えば、左側空間予測子が、予測子リストにおいて第1の予測子であり、上部空間予測子が続く)を使用することを提案する。他の予測子もまた、予測子リストに追加され得る(1330)。予測子リストが構築された後、動き情報は、予測子リストに基づいて符号化又は復号化され得る(1340)。また、サブブロックモードに対して上部-左側、及び非サブブロックモードに対して左側-上部の状態で反対にもなり得ることに留意されたい。
【0135】
様々な方法が本明細書に記載されており、本方法の各々は、記載の方法を達成するための1つ以上のステップ又はアクションを含む。ステップ又はアクションの特定の順序が方法の適切な動作のために必要とされない限り、特定のステップ及び/又はアクションの順序及び/又は使用は、修正又は組み合わされ得る。
【0136】
本出願に記載されている様々な方法及び他の態様を使用して、図2及び図3に示されたようなビデオ符号化器200及びビデオ復号化器300のモジュール、例えば、動き推定及び補償モジュール(270、275、375)を修正することができる。更に、本態様は、VVC又はHEVCに限定されず、例えば、他の規格及び勧告、並びに任意のそのような規格及び勧告の拡張に適用することができる。別段の指示がない限り、又は技術的に除外されない限り、本出願に記載される態様は、個別で又は組み合わせて使用され得る。
【0137】
一実施形態は、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサに上で説明された実施形態のいずれかに従う符号化方法又は復号化方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラムを提供する。本実施形態のうちの1つ以上はまた、上で説明された方法に従って、ビデオデータを符号化するか、又は復号化するための命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。1つ以上の実施形態はまた、上で説明された方法に従って生成されたビットストリームを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。1つ以上の実施形態はまた、上で説明された方法に従って生成されたビットストリームを送信又は受信するための方法及び装置を提供する。
【0138】
様々な実装形態は、復号化することを含む。本出願で使用される場合、「復号化」は、例えば、ディスプレイに好適な最終出力を生成するために受信された符号化シーケンス上で実行されるプロセスの全て又は一部分を包含し得る。様々な実施形態において、このような処理は、例えば、エントロピ復号化、逆量子化、逆変換、及び差動復号化など、復号化器によって一般的に実行される処理のうちの1つ以上を含む。「復号化処理」という句が、操作のサブセットを具体的に指すことを意図しているか、又はより広範な復号化処理を一般的に指すことを意図しているかは、特定の説明の文脈に基づいて明らかになり、当業者にはよく理解されると考えられる。
【0139】
様々な実装形態は、符号化することを含む。「復号化(decoding)」に関する上記の考察と同様に、本出願で使用される「符号化(encoding)」は、例えば、符号化されたビットストリームを生成するために入力ビデオシーケンスに対して実行されるプロセスの全て又は一部分を包含し得る。
【0140】
本明細書で使用される際、シンタックス要素、例えば、RSTカーネルインデックスを示すために使用されるシンタックス、及び平面イントラ予測モードが使用されているか否かを示すために使用されるシンタックスが、説明の用語であることに留意されたい。したがって、これらは他のシンタックス要素名の使用を排除するものではない。
【0141】
本明細書に記載の実装形態及び態様は、例えば、方法又はプロセス、装置、ソフトウェアプログラム、データストリーム、又は信号において実装され得る。たとえ単一の形式の実装形態の文脈でのみ考察されている場合でも(例えば、方法としてのみ考察されている)、考察された特徴の実装形態は、他の形式(例えば、装置又はプログラム)でも実装され得る。装置は、例えば、適切なハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアで実装され得る。本方法は、例えば、コンピュータ、マイクロプロセッサ、集積回路又はプログラマブル論理デバイスを含む、一般に処理デバイスを指すプロセッサなどの装置において実装され得る。プロセッサはまた、例えば、コンピュータ、携帯電話、携帯型/パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)及びエンドユーザ間の情報の通信を容易にする他のデバイスなどの通信デバイスを含む。
【0142】
「一実施形態」又は「実施形態」又は「一実装形態」又は「実装形態」、及びそれらの他の変形形態の言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、特性などが、少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な場所に現れる「一実施形態では」又は「実施形態では」又は「一実装形態では」又は「実装形態では」という語句の出現、並びに任意の他の変形例は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではない。
【0143】
加えて、本出願は、様々な情報を「判定する」ことに言及し得る。情報を判定することは、例えば、情報を推定すること、情報を計算すること、情報を予測すること、又は情報をメモリから取り出すことのうちの1つ以上が含み得る。
【0144】
更に、本出願は、様々な情報に「アクセスすること」に言及する場合がある。情報にアクセスすることには、例えば、情報を受信すること、情報を(例えば、メモリから)取り出すこと、情報を記憶すること、情報を移動させること、情報をコピーすること、情報を計算すること、情報を判定すること、情報を予測すること、又は情報を推定することのうちの1つ以上が含まれ得る。
【0145】
加えて、本出願は、様々な情報を「受信する」ことに言及する場合がある。受信することは、「アクセスする」と同様に、広義の用語であることを意図している。情報を受信することは、例えば、情報にアクセスすること、又は情報を(例えば、メモリから)取り出すことのうちの1つ以上を含み得る。更に、「受信すること」は、典型的には、動作、例えば、情報を記憶すること、情報を処理すること、情報を送信すること、情報を移動すること、情報をコピーすること、情報を消去すること、情報を計算すること、情報を判定すること、情報を予測すること、又は情報を推定することの間時に、何らかの形で関与する。
【0146】
例えば、「A/B」、「A及び/又はB(A and/or B)」及び「A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」の場合、つぎの「/」、「及び/又は(and/or)」、及び「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」のいずれかの使用は、第1のリストされた選択肢(A)のみの選択、又は第2のリストされた選択肢(B)のみの選択、又は両方の選択肢(A及びB)の選択を包含することが意図されていることを理解されるべきである。更なる実施例として、「A、B、及び/又はC(A, B, and/or C)」及び「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ(at least one of A, B, and C)」の場合、かかる表現は、第1のリストされた選択肢(A)のみの選択、又は第2のリストされた選択肢(B)のみの選択、又は第3のリストされた選択肢(C)のみの選択、又は第1及び第2のリストされた選択肢(A及びB)のみの選択、又は第1及び第3のリストされた選択肢(A及びC)のみの選択、又は第2及び第3のリストされた選択肢のみの選択(B及びC)のみ、又は3つ全ての選択肢の選択(A及びB及びC)を包含することが意図される。このことは、当該技術分野及び関連技術分野の通常の技術を有する者に明らかであるように、リストされた項目の数だけ拡張され得る。
【0147】
当業者には明らかであるように、実装形態は、例えば、記憶又は送信され得る情報を搬送するようにフォーマットされた様々な信号を生成し得る。情報は、例えば、方法を実行するための命令又は記載された実装形態のうちの1つによって生成されたデータを含み得る。例えば、信号は、説明された実施形態のビットストリームを搬送するようにフォーマットされ得る。かかる信号は、例えば、(例えば、スペクトルの無線周波数部分を使用して)電磁波として、又はベースバンド信号としてフォーマットされ得る。フォーマットすることは、例えば、データストリームを符号化し、符号化されたデータストリームで搬送波を変調することを含み得る。信号が搬送する情報は、例えば、アナログ情報又はデジタル情報であり得る。信号は、既知であるように、様々な異なる有線又は無線リンクによって送信され得る。信号は、プロセッサ可読媒体に記憶され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ符号化のための方法であって、
ビデオシーケンス内のピクチャのブロックにアクセスすることと、
前記ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、
前記ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって符号化され、
前記動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、
前記複数のコーディングモードの各々について、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、
前記動きベクトル予測子の前記リストに基づいて、前記ブロックと関連付けられた動きベクトルを符号化することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記複数のコーディングモードが、動きベクトル予測子リストを使用する全ての利用可能なコーディングモードに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、非サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、非サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、サブブロックモードであり、前記複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ビデオ復号化のための方法であって、
ビデオシーケンス内のピクチャのブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、
前記ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって復号化され、
前記動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、
前記複数のコーディングモードの各々について、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、
前記動きベクトル予測子のリストに基づいて、前記ブロックと関連付けられた動きベクトルを復号化することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記複数のコーディングモードが、動きベクトル予測子リストを使用する全ての利用可能なコーディングモードに対応する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、非サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、非サブブロックモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、サブブロックモードであり、前記複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのメモリ及び1つ以上のプロセッサを備える、ビデオ符号化のための装置であって、前記1つ以上のプロセッサが、
ビデオシーケンス内のピクチャのブロックにアクセスすることと、
前記ブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、
前記ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって符号化され、
前記動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、
前記複数のコーディングモードの各々について、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、
前記動きベクトル予測子のリストに基づいて、前記ブロックと関連付けられた動きベクトルを符号化することと、を行うように構成されている、装置。
【請求項14】
前記複数のコーディングモードが、動きベクトル予測子リストを使用する全ての利用可能なコーディングモードに対応する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのメモリ及び1つ以上のプロセッサを備える、ビデオ復号化のための装置であって、前記1つ以上のプロセッサが、
ビデオシーケンス内のピクチャのブロックのための動きベクトル予測子のリストを生成することであって、
前記ブロックが、複数のコーディングモードのうちの1つを使用することによって復号化され、
前記動きベクトル予測子のリストが、複数の空間予測子を含み、
前記複数のコーディングモードの各々について、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、上部近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、左側近傍ブロックからのものである、生成することと、
前記動きベクトル予測子のリストに基づいて、前記ブロックと関連付けられた動きベクトルを復号化することと、を行うように構成されている、装置。
【請求項18】
前記複数のコーディングモードが、動きベクトル予測子リストを使用する全ての利用可能なコーディングモードに対応する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
別の複数のコーディングモードが、前記ブロックによって使用されるために利用可能であり、前記複数のコーディングモードの各モードが、AMVPモードであり、前記別の複数のコーディングモードの各モードが、マージモードであり、前記別の複数のコーディングモードにおける各モードについて、前記リスト内の前記第1の空間予測子が、前記左側近傍ブロックからのものであり、前記第1の空間予測子に続く前記第2の空間予測子が、前記上部近傍ブロックからのものである、請求項17に記載の装置。

【国際調査報告】