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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-01
(54)【発明の名称】JAKキナーゼ阻害剤の医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20230221BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20230221BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20230221BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P29/00 101
A61K9/20
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/34
A61K47/12
A61K47/04
A61K47/14
A61K47/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538841
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 CN2020138253
(87)【国際公開番号】W WO2021129600
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911334601.5
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519352757
【氏名又は名称】江▲蘇▼恒瑞医▲薬▼股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU HENGRUI PHARMA CEUTICALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.7 KUNLUNSHAN ROAD, ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, LIANYUNGANG, JIANGSU 222047, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲奚▼ 宏磊
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ 秋冬
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 昊
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA37
4C076BB01
4C076CC04
4C076DD21
4C076DD41
4C076DD67
4C076EE31
4C076EE32
4C076FF04
4C076FF06
4C076FF09
4C076GG14
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA03
4C086NA12
4C086ZB15
(57)【要約】
本開示は、JAKキナーゼ阻害剤の医薬組成物に関する。具体的には、(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩及びセルロース-ラクトースなどの複合添加物を含み、優れた安定性、溶出度及び生物学的利用能を有し、且つその調製プロセスが簡単で、経済的且つ迅速である医薬組成物を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分である(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩及び充填剤を含み、前記充填剤は複合添加物から選ばれ、前記複合添加物は、好ましくは微結晶性セルロース-ラクトース、セルロース-ラクトース、コーンスターチ-ラクトースであり、より好ましくは微結晶性セルロース-ラクトース又はセルロース-ラクトースである、
医薬組成物。
【請求項2】
前記充填剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、40%~95%であり、好ましくは60%~92%である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
崩壊剤を更に含み、前記崩壊剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、1%~30%であり、好ましくは2%~20%である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記崩壊剤は、金属元素を含まず、好ましくはアルファ化デンプン、アジピン酸、アルギン酸、ゼラチン化デンプン、架橋ポリビニルピロリドン及び低置換ヒドロキシプロピルセルロースのうちの少なくとも1種である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
流動促進剤と潤滑剤のうちの少なくとも1種を更に含み、前記流動促進剤又は潤滑剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、0.5%~5%であり、好ましくは1%~5%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記流動促進剤は、金属元素を含まず、好ましくはシリカ、軽質無水ケイ酸、結晶性セルロース、ステアリン酸及びコーンスターチのうちの少なくとも1種であり、より好ましくはシリカであり、前記潤滑剤は、金属元素を含まず、好ましくはステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油及びシリカのうちの少なくとも1種である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
金属元素を含まず、前記金属元素は好ましくはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記充填剤にラクトースを更に含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記複合添加物とラクトースとの重量比は1:2~5:1であり、好ましくは1:2~2:1である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
重量に基づいて計算すると、
1)0.1%~30%の(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩と、
2)前記複合添加物とラクトースとの重量比が1:2~5:1である40%~95%の充填剤と、
3)任意選択で1%~30%の崩壊剤と、
4)任意選択で0.5%~5%の流動促進剤と、
5)任意選択で0.5%~5%の潤滑剤と、を含み、
更に、好ましくは金属元素を含まない、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
金属元素含有添加物を含まない(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項12】
充填剤を更に含み、前記充填剤は、好ましくはラクトース、微結晶性セルロース-ラクトース、セルロース-ラクトース及びコーンスターチ-ラクトースのうちの少なくとも1種である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
崩壊剤、流動促進剤及び潤滑剤のうちの少なくとも1種を更に含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
重量に基づいて計算すると、
1)0.1%~30%の(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩と、
2)好ましくはラクトース、微結晶性セルロース-ラクトース、セルロース-ラクトース及びコーンスターチ-ラクトースのうちの少なくとも1種である40%~95%の充填剤と、
3)任意選択で1%~30%の崩壊剤と、
4)任意選択で0.5%~5%の流動促進剤と、
5)任意選択で0.5%~5%の潤滑剤と、を含み、
更に、好ましくは金属元素含有添加物を含まない、請求項11~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
活性成分である薬学的に許容可能な塩は、硫酸水素塩から選ばれる、請求項1~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
高湿度条件下で30日間放置した後、pH6.8のリン酸塩溶液を溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行う場合、活性成分の溶出度は、15分で85%より高く、好ましくは30分で90%より高い、請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
a)(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩を、充填剤及び任意選択で崩壊剤と潤滑剤のうちの少なくとも1種の賦形剤と混合することと、b)a)で得られた混合物を造粒した後、打錠するか又は直接打錠することと、を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬組成物の調製方法。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬組成物のJAKキナーゼに関連する疾患を治療する医薬品の調製における使用であって、前記疾患は、好ましくはリウマチ及び関節リウマチである、医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2019年12月23日の中国特許出願CN201911334601.5の優先権を主張する。上記中国特許出願の全文は本願に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、医薬分野に関し、(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩及びセルロース-ラクトースなどの複合添加物を含むJAKキナーゼ阻害剤の医薬組成物を提供する。
【背景技術】
【0003】
JAK阻害剤は、JAKキナーゼを選択的に阻害し、JAK/STATシグナル伝達経路を遮断することができる。臨床的には、JAK阻害剤は主に、血液疾患、腫瘍、関節リウマチ、乾癬などの治療薬のスクリーニングに使用される。関節炎は世界で最も一般的な慢性疾患である。世界中、約3.55億万人が関節炎に罹患し、そのうち、中国では1億人以上いる。
【0004】
現在、多くのJAK阻害剤が臨床研究に入っており、例えば、FDAにより血液疾患の治療にルキソリチニブ(Ruxolitinib)、関節リウマチの治療にトファシチニブ(Tofacitinib)が承認され、いずれも経口投与されている。
【0005】
(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミドは、インビボとインビトロ活性及び高吸収性を備えたJAKキナーゼ阻害剤化合物である。CN201780001376.6には、(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド及びセルロースエーテルを含む組成物が記載されており、同時に、結合剤の選択が組成物の放置安定性に直接影響し、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用することで、優れた安定性及び優れた溶出速度を備えた組成物が得られると考えられている。そして、長期放置の結果により、上記組成物を長期間放置した後に得られた錠剤などの組成物は、溶出度が遅くなり、完全に溶出できないなど、望ましくない特性を有することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願201780001376.6号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方では、医薬品の品質に影響を与える要因は多く、内的要因と外的要因の2種類にまとめることができる。医薬品の生産品質に影響を与える内的要因と外的要因は、一般的に次の4つの側面に分けることができる。1、輸送中、医薬品の包装が破損する。2、温度と湿度の気候条件が製品の品質に影響を与える。3、輸送中、温度と湿度が医薬品の品質に影響を与える。4、製薬会社や患者の貯蔵方法が適当ではないなど。放置後の上記製剤の溶出が遅くなることを考慮すると、技術者は、製品販売の安全要件を満たすために、製品の品質要件を満たす新しい製剤を早急に開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本開示(The disclosure)は、活性成分である(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩及び複合添加物から選ばれる充填剤を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
前記複合添加物は幾つかの(単一の)添加物を事前に混合し、直接適用可能な添加物を作成するものであり、例えば、市販されているラクトース複合物Cellactose(登録商標)80(C80と略記)は、セルロースをラクトース溶液に十分に懸濁し、噴霧乾燥することによって得られた、75%のラクトース一水和物及び25%のセルロース粉末からなるオールインワン(セルロースが球状粒子に均一に分布する)の球状粒子である。
【0010】
幾つかの実施形態において、前記複合添加物は、微結晶性セルロース-ラクトース、セルロース-ラクトース、コーンスターチ-ラクトースから選ばれ、好ましくは微結晶性セルロース-ラクトース又はセルロース-ラクトースである。
【0011】
幾つかの実施形態において、前記微結晶性セルロース-ラクトースとは、約75%重量のラクトースと約25%重量の微結晶性セルロースとを含む噴霧乾燥混合物など、ラクトースと微結晶性セルロースとの噴霧乾燥混合物を指す。例えば、Meggle社により販売される微結晶性セルロース-ラクトース(microcellac 100)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
幾つかの実施形態において、前記セルロース-ラクトースとは、約75%重量のラクトースと約25%重量のセルロースとを含む噴霧乾燥混合物など、ラクトースとセルロースとの噴霧乾燥混合物を指し、例えば、Meggle社により販売されるセルロース-ラクトース(C80と略記)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
幾つかの実施形態において、前記セルロース-ラクトースのかさ密度は約370 g/Lである。
【0014】
幾つかの実施形態において、前記セルロース-ラクトースのかさ密度は約490 g/Lである。
【0015】
幾つかの実施形態において、前記セルロース-ラクトースのCarrの流動性指数は約24.49%である。
【0016】
幾つかの実施形態において、医薬組成物における活性成分の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、約0.1%~30%であり、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%、10.0%、10.5%、11.0%、11.5%、12.0%、12.5%、13.0%、13.5%、14.0%、14.5%、15.0%、15.5%、16.0%、16.5%、17.0%、17.5%、18.0%、18.5%、19.0%、19.5%、20.0%、20.5%、21.0%、21.5%、22.0%、22.5%、23.0%、23.5%、24.0%、24.5%、25.0%、25.5%、26.0%、26.5%、27.0%、27.5%、28.0%、28.5%、29.0%、29.5%、30.0%又は任意の2つの値の間の任意の値であってもよく、好ましくは1.0%~15.0%である。
【0017】
一方では、幾つかの実施形態により提供される医薬組成物において、前記充填剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、約40%~95%であり、約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%又は任意の2つの値の間の任意の値であってもよく、好ましくは60%~92%である。
【0018】
別の幾つかの実施形態により提供される医薬組成物には崩壊剤を更に含み、前記崩壊剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、約1%~30%であり、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%又は任意の2つの値の間の任意の値であってもよく、好ましくは2%~20%である。
【0019】
幾つかの実施形態において、前記崩壊剤は、アルファ化デンプン、アジピン酸、アルギン酸、ゼラチン化デンプン、架橋ポリビニルピロリドン及び低置換ヒドロキシプロピルセルロースのうちの少なくとも1種から選ばれるが、これらに限定されない。
【0020】
幾つかの実施形態において、前記崩壊剤に金属元素を含まず、前記金属元素はアルカリ金属又はアルカリ土類金属元素又はアルミニウムであってもよい。
【0021】
幾つかの実施形態により提供される医薬組成物に流動促進剤と潤滑剤のうちの少なくとも1種を更に含み、前記流動促進剤又は潤滑剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、約0.5%~5%であり、約0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%又は任意の2つの値の間の任意の値であってもよく、好ましくは1%~5%である。
【0022】
幾つかの実施形態において、前記潤滑剤は、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油及びシリカのうちの少なくとも1種から選ばれるが、これらに限定されない。
【0023】
幾つかの実施形態において、前記潤滑剤に金属元素を含まず、前記金属元素はアルカリ金属又はアルカリ土類金属元素又はアルミニウムであってもよい。
【0024】
一方では、幾つかの実施形態において、前記流動促進剤は、シリカ、軽質無水ケイ酸、結晶性セルロース、ステアリン酸及びコーンスターチのうちの少なくとも1種であってもよく、好ましくはシリカである。
【0025】
幾つかの実施形態において、前記流動促進剤に金属元素を含まず、前記金属元素はアルカリ金属又はアルカリ土類金属元素又はアルミニウムであってもよい。
【0026】
一方では、本開示に記載の医薬組成物の充填剤にラクトースを更に含む。
【0027】
幾つかの実施形態において、前記充填剤における複合添加物とラクトースとの重量比は約1:2~5:1であり、1:2、1:1.5、1:1、1.5:1、2:1又は任意の2つの値の間の任意の値であってもよく、好ましくは1:2~2:1である。
【0028】
幾つかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量に基づいて計算すると、
1)0.1%~30%の(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩と、
2)前記複合添加物とラクトースとの重量比が1:2~5:1である40%~95%の充填剤と、
3)任意選択で1%~30%の崩壊剤と、
4)任意選択で0.5%~5%の流動促進剤と、
5)任意選択で0.5%~5%の潤滑剤と、を含み、
更に、前記医薬組成物に金属元素含有添加物を含まない。
【0029】
本開示は、金属元素含有添加物を含まない(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を更に提供する。更に、前記医薬組成物に、任意選択で充填剤、崩壊剤、流動促進剤及び潤滑剤のうちの少なくとも1種を含む。幾つかの実施形態において、前記充填剤は、ラクトース、微結晶性セルロース-ラクトース、セルロース-ラクトース及びコーンスターチ-ラクトースのうちの少なくとも1種から選ばれる。
【0030】
別の幾つかの実施形態において、前記充填剤は、ラクトースと微結晶性セルロース-ラクトース又はセルロース-ラクトースから選ばれる。更に、微結晶性セルロース-ラクトース又はセルロース-ラクトースとラクトースとの重量比は1:2~5:1であり、例えば1:2、1:1.5、1:1、1.5:1、2:1又は任意の2つの値の間の任意の値である。
【0031】
幾つかの実施形態において、前記崩壊剤は、アルファ化デンプン、アジピン酸、アルギン酸、ゼラチン化デンプン、架橋ポリビニルピロリドン及び低置換ヒドロキシプロピルセルロースのうちの少なくとも1種から選ばれるが、これらに限定されない。更に、前記崩壊剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、約1%~30%であり、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%又は任意の2つの値の間の任意の値であってもよく、好ましくは2%~20%である。
【0032】
幾つかの実施形態において、前記潤滑剤は、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油及びシリカのうちの少なくとも1種から選ばれるが、これらに限定されない。
【0033】
一方では、幾つかの実施形態において、前記流動促進剤は、シリカ、軽質無水ケイ酸、結晶性セルロース、ステアリン酸及びコーンスターチのうちの少なくとも1種であってもよく、好ましくはシリカである。
【0034】
幾つかの実施形態において、前記流動促進剤又は潤滑剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて計算すると、約0.5%~5%であり、約0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%又は任意の2つの値の間の任意の値であってもよく、好ましくは1%~5%である。
【0035】
幾つかの実施形態において、前記医薬組成物は、重量に基づいて計算すると、
1)金属元素含有添加物を含まない0.1%~30%の(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩と、
2)任意選択で40%~95%の充填剤と、
3)任意選択で1%~30%の崩壊剤と、
4)任意選択で0.5%~5%の流動促進剤と、
5)任意選択で0.5%~5%の潤滑剤と、を含む。
【0036】
幾つかの実施形態により提供される医薬組成物は、重量に基づいて計算すると、
1)金属元素含有添加物を含まない0.1%~30%の(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩と、
2)好ましくは微結晶性セルロース-ラクトース、セルロース-ラクトース、コーンスターチ-ラクトースである複合添加物を含む40%~95%の充填剤と、
3)1%~30%の崩壊剤と、
4)任意選択で0.5%~5%の流動促進剤と、
5)任意選択で0.5%~5%の潤滑剤と、を含む。
【0037】
本開示の別の態様により提供される医薬組成物において、活性成分である(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩の90%の粒径(D90と略記)は約50 μm以下であり、例えば10 μm、11 μm、12 μm、13 μm、14 μm、15 μm、16 μm、17 μm、18 μm、19 μm、20 μm、21 μm、22 μm、23 μm、24 μm、25 μm、26 μm、27 μm、28 μm、29 μm、30 μm、31 μm、32 μm、33 μm、34 μm、35 μm、36 μm、37 μm、38 μm、39 μm、40 μm、41 μm、42 μm、43 μm、44 μm、45 μm、46 μm、47 μm、48 μm、49 μm、50 μm又は任意の2つの値の間の任意の値であってもよく、好ましくは20 μm以下である。複合添加物は球状粒子であり、活性成分の粒径(D90値など)に適し、添加物と均一に混合しやすいため、医薬組成物はより優れたインビトロ溶出挙動及びより優れた含有量均一性を備える。
【0038】
前記粒径の取得方法は以下の通りである。大粒径を有する(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩を、チョッパー、ハンマーミル、低温粉砕機、ジェット粉砕機などによって、微粉化し、粉砕し、粉砕中の温度を制御し、粒子を必要な粒径に粉砕する。大粒径を有する(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩を、必要な添加物と共に粉砕してもよく、粒径を維持すると同時に、より均一な医薬混合物が得られる。
【0039】
更に、本開示に係る医薬組成物を高湿度(25℃/90% RH)条件で30日放置した後、中国薬局方2015版二部付録に開示の溶出度測定の第2法(パドル法)に従って、pH6.8のリン酸塩溶液を溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行う場合、前記活性成分の溶出度は、15分で85%(例えば、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%又はそれ以上)より高く、又は、30分で90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%又はそれ以上)より高い。
【0040】
一方では、本開示に係る医薬組成物を長期条件(30℃±2℃,RH65%±5%)で1~12ヶ月間放置した後、中国薬局方2015版二部付録に開示の溶出度測定の第2法(パドル法)に従って、pH6.8のリン酸塩溶液を溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行う場合、前記活性成分の溶出度は、30分で90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%又はそれ以上)より高い。
【0041】
一方では、本開示に係る医薬組成物を加速条件(40℃±2℃、RH75%±5%)で1~3ヶ月間放置した後、中国薬局方2015版二部付録に開示の溶出度測定の第2法(パドル法)に従って、pH6.8のリン酸塩溶液を溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行う場合、前記活性成分の溶出度は、30分で90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%又はそれ以上)より高い。
【0042】
幾つかの実施形態において、本開示に係る活性成分である(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミドの薬学的に許容可能な塩は硫酸水素塩から選ばれる。
【0043】
一方では、本開示に記載の医薬組成物は、必要に応じて更にコーティングされ、例えば、腸溶性放出の要件を満たすために腸溶性コーティングされる。本開示は、a)(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド又はその薬学的に許容可能な塩を、充填剤及び任意選択で崩壊剤と潤滑剤のうちの少なくとも1種の賦形剤と混合することと、b)a)で得られた混合物を造粒した後、打錠するか又は直接打錠することと、を含む、前記医薬組成物の調製方法を更に提供する。
【0044】
一方では、本開示は、前記医薬組成物のJAKキナーゼに関連する疾患を治療する医薬品の調製における使用を更に提供し、前記疾患は好ましくはリウマチ及び関節リウマチである。
【0045】
一方では、本開示は、前記医薬組成物のJAKキナーゼに関連する疾患の治療方法を更に提供し、前記疾患は好ましくはリウマチ及び関節リウマチである。
【0046】
本開示の「組成物」は、本明細書に記載の1つ又は複数の活性成分と、生理学的/薬学的に許容可能な担体及び賦形剤などの他の化学成分とを含む混合物を意味する。医薬組成物は、生体への投与を促進し、活性成分の吸収に寄与して更に生物学的活性を発揮するためのものである。本明細書において、「組成物」と「製剤」は相互に排他的ではない。
【0047】
本開示に記載の「医薬組成物の総重量」は、コーティング剤を含まない錠剤コアの重量に基づいて計算された、活性成分又はその他の医薬添加物の使用量の値の範囲である。
【0048】
本開示の「含まない」は、当業者によって許容可能な「基本的に含まない」の範囲内に含まれることを意味し、即ち、医薬組成物内の金属元素は、組成物を一定時間放置した後の安定性に影響を与えるのに十分ではない。
【0049】
本開示の「約」は、当業者によって決定される特定の値の許容可能な誤差範囲内に含まれることを意味し、それは、前記値を如何に計量又は測定するか、即ち前記測定システムによって部分的に制限されている。特定の測定、結果又は実施形態の文脈において、実施例又は明細書の他の場所で明確に別段の記載がない限り、「約」は当該分野の慣例に従う1標準偏差以内又は最大5%の範囲内を意味する。一方では、本開示に記載の値は機器の測定値であり、ある程度の誤差があり、一般的には、±10%は合理的な誤差範囲内である。当然ながら、この値が使用される文脈を考慮する必要があり、例えば、活性成分の粒径の場合、測定後にこの値の誤差が±10%を超えず、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%又は±1%であってもよく、好ましくは±5%である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下の実施例及び実験例によって本開示を更に詳しく説明する。これらの実施例及び実験例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示の実施例において、特定の条件が明記されていない実験方法は、通常、生産に有利な従来の条件に従うか、又は原材料や商品の製造業者によって推奨される条件に従う。特定の供給元が明記されていない試薬は、市販されている一般的な試薬である。
【0051】
以下の実施例において、(3aR,5s,6aS)-N-(3-メトキシ-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド硫酸水素塩に替わって化合物Aと表す。
【0052】
実施例1
表1の配合比に従って、化合物A、ラクトース、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウムを均一に混合し、3%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC E5)の水溶液を湿潤剤として、湿式造粒を行い、打錠し、錠剤を調製する。
【0053】
【表1】
【0054】
上記配合を温度25℃、相対湿度90%の環境に30日間放置した後、中国薬局方2010版二部付録に開示の溶出度測定の第2法(パドル法)又は中国薬局方2015版四部通則0931の第2法(パドル法)に従って溶出度を測定する。
【0055】
溶出実験条件は、以下の通りである。0.1 mol/Lの塩酸溶液500 mlを溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行い、具体的な溶出度データは表2に示される。
【0056】
【表2】
【0057】
溶出実験条件は、以下の通りである。pH6.8のリン酸塩緩衝液500 mlを溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行い、具体的な溶出度データは表3に示される。
【0058】
【表3】
【0059】
結論は、以下の通りである。
1)異なる溶出媒体における配合1の30分間の溶出度の変化が様々であり、0.1 mol/Lの塩酸媒体がサンプルの溶出度の変化を正確に反映できず、pH6.8のリン酸塩媒体がサンプルの実際の溶出状況を反映できることを示している。
2)錠剤を高湿度条件で30日間放置した後、サンプルの関連物質は変化しなかったが、pH6.8のリン酸塩媒体での溶出速度は顕著に遅くなり、溶出が不完全であり、当該製剤は市販されていると、品質上のリスクがある。
【0060】
実施例2
表4の配合比に従って、化合物A、ラクトース、微結晶性セルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースを均一に混合し、3%のヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液を湿潤剤として、湿式造粒を行い、打錠し、錠剤を調製する。
【0061】
【表4】
【0062】
溶出実験
上記配合を温度25℃、相対湿度90%の環境に30日間放置した後、中国薬局方2015版四部通則0931の第2法(パドル法)に従って溶出度を測定する。溶出実験条件は、以下の通りである。pH6.8のリン酸塩緩衝液500 mlを溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行い、具体的な溶出度データは表5に示される。
【0063】
【表5】
【0064】
結論は、以下の通りである。
1)配合1及び配合2の最初の溶出は迅速且つ完全であったが、高湿度で一定時間放置した後、錠剤の崩壊速度は様々な程度の低下が見られ、その結果、溶出速度が低下し、溶出が不完全であった。
2)配合1と比べ、非金属の崩壊剤である低置換ヒドロキシプロピルセルロースの製剤の配合は、医薬組成物の溶解度、特に高温で一定時間放置した後のサンプルの溶出度を改善することができる。金属イオンが活性成分を錯化させることで医薬組成物の崩壊速度に影響を与える、更に高温条件で放置した後の溶出度に影響を与えると推測される。
【0065】
実施例3
表6の割合に従って、化合物A、ラクトース、セルロース-ラクトースC80及びシリカを均一に混合し、ステアリン酸を加え、更に均一に混合する。得られた材料を直接打錠し、所望の錠剤を調製する。
【0066】
【表6】
【0067】
溶出実験
上記配合を温度25℃、相対湿度90%の環境に30日間放置した後、中国薬局方2015版四部通則0931の第2法(パドル法)に従って溶出度を測定する。
【0068】
溶出実験条件は、以下の通りである。pH6.8のリン酸塩緩衝液1000 mlを溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行い、具体的な溶出度データは表7に示される。
【0069】
【表7】
【0070】
結論は、以下の通りである。配合3を高湿度条件で一定時間放置した後、30分での溶出度は低下したが、配合2と比べ、85%以上に達し、製品の品質要件を満たす。
【0071】
実施例4
表8の割合に従って、まず化合物A、ラクトース、セルロース-ラクトースC80及びコロイダルシリカを均一に混合し、ステアリン酸を加え、更に均一に混合する。得られた材料を直接打錠し、所望の錠剤を調製する。
【0072】
【表8】
【0073】
溶出実験
上記配合を温度25℃、相対湿度90%の環境に30日間放置した後、中国薬局方2015版四部通則0931の第2法(パドル法)に従って溶出度を測定する。
【0074】
溶出実験条件は、以下の通りである。pH6.8のリン酸塩緩衝液500 mlを溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行い、具体的な溶出度データは表9に示される。
【0075】
【表9】
【0076】
上記サンプルは、高湿度条件で一定時間、例えば30日間放置した後、優れた溶出度と溶出速度を維持していることが分かった。当該製剤が市販された後、品質リスクの管理が可能であるという要件を満たすことが期待される。
【0077】
実施例5
表10の割合に従って、まず化合物A、ラクトース、セルロース-ラクトースC80、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、コロイダルシリカ及びステアリン酸を均一に混合する。得られた材料を直接打錠し、所望の錠剤を調製する。フィルムコーティングプレミックス(胃溶性)でコーティングし、薬用アルミホイルで包装する。
【0078】
【表10】
【0079】
上記サンプルを、それぞれ30℃±2℃、RH65%±5%(長期)及び40℃±2℃、RH75%±5%(加速)の条件下で置き、安定性とサンプル溶出を調査した。
【0080】
溶出実験条件は、以下の通りである。pH6.8のリン酸塩緩衝液500 mlを溶出媒体として使用し、37±0.5℃及び50 rpmのパドル速度で溶出試験を行った。
【0081】
【表11】
【国際調査報告】