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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-01
(54)【発明の名称】モノホイールシステム
(51)【国際特許分類】
   B62K 1/00 20060101AFI20230221BHJP
   B62K 17/00 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
B62K1/00
B62K17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538883
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 IL2020051321
(87)【国際公開番号】W WO2021130751
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】271708
(32)【優先日】2019-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521085722
【氏名又は名称】ワット カー インダストリーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】キャハン,アモス
(72)【発明者】
【氏名】クアンツ,ラン
(72)【発明者】
【氏名】レゲブ,アヴィドル
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BB08
3D212BB23
3D212BB42
3D212BB46
3D212BB92
(57)【要約】
電磁誘導電力を発生する協調運動型の変形可能なモノホイールシステムは、使用者への衝撃を最小限にするために、又は使用者の快適性を高めるために、実際の事故又は差し迫った事故の場合に自動的に変形可能な構成を含む。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノホイールで使用するための変形可能なシートシステムであって、
(i)少なくとも2つの調整可能な部分を含み、前記モノホイールの内側キャビティ内に取り付けられるように構成された少なくとも1つの変形可能なシートと、
(ii)コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記変形可能なシートを形成する前記調整可能な部分の構成又は相対位置、あるいは前記変形可能なシートの姿勢を制御するように構成される、
変形可能なシートシステム。
【請求項2】
前記コントローラがコンピュータプラットフォームである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが電気機械式の機構である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラが携帯型デバイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記変形可能なシートが、リクライニング位置に変形されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記変形可能なシートが、水平位置に変形されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記変形可能なシートが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の衝撃の際に、その形状を変形して広い減速面を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記変形可能なシートが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の外部衝撃から反対方向にシフトされるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記変形可能なシートが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の外部衝撃の際に、その形状を、シフトされた半リクライニング位置に変形するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記変形可能なシートが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の外部衝撃の際に、その形状を上下逆さまの位置に変形するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記変形可能なシートが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の外部衝撃の際に、から使用者を保護するように前記モノホイール内で垂直に変位されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記変形可能なシートが、使用者に好都合な出入口を提供するためにその形状又は姿勢を変形するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記変形可能なシートが、差し迫った又は実際の激しい衝撃の場合に前記モノホイールから押し出されるように構成された射出シートである、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
(i)外縁、及び
(ii)前記外縁に適応的に接続されるように構成された少なくとも1本のスポーク、
を備えるモノホイールシステムであって、
前記少なくとも1本のスポークと外縁との間の接続の構成が前記外縁の剛性レベルに影響を与える、モノホイールシステム。
【請求項15】
コントローラが、前記少なくとも1本のスポークの前記外縁への接続の構成を制御するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記モノホイールの外縁の硬度レベルを高めるために、前記外縁の剛性レベルが、差し迫った又は実際の衝撃の際に増大するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記モノホイールの外縁の弾力レベルを高めるために、前記外縁の剛性レベルが、差し迫った又は実際の衝撃の際に低減するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記外縁の剛性レベルが、変化する道路状況に応じて適応するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記モノホイールの内側キャビティ内に取り付けられるように構成された少なくとも1つの変形可能なシートを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記変形可能なシートが、差し迫った又は実際の激しい衝撃の際に前記モノホイールから押し出されるように構成された射出シートである、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記変形可能なシートが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の衝撃から使用者を保護するために前記モノホイール内で垂直に変位されるように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
逆推進機構をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
結合手段によって結合されるように構成された少なくとも2つのモノホイールを備える、モノホイール編隊。
【請求項24】
前記少なくとも2つのモノホイールが列状に結合されるように構成される、請求項23に記載の編隊。
【請求項25】
前記少なくとも2つのモノホイールが並列に結合されるように構成される、請求項23に記載の編隊。
【請求項26】
少なくとも1つのモノホイールが、少なくとも1つの後続のモノホイールの動きを制御する、請求項23に記載の編隊。
【請求項27】
前記少なくとも1つの後続のモノホイールが自律モードにある、請求項26に記載の編隊。
【請求項28】
モノホイールの前記編隊が、電力リソースを共有するように構成される、請求項23に記載の編隊。
【請求項29】
前記少なくとも2つの結合されたモノホイールの前記外縁が反対方向にスピンしており、前記反対方向のスピンが、電流を発生する電磁場を誘起する、請求項23に記載のモノホイールの編隊。
【請求項30】
前記発生された電流が、前記モノホイールの編隊の少なくとも1つのモノホイールを推進するために使用される、請求項29に記載のモノホイールの編隊。
【請求項31】
前記発生された電流の電荷が、指定されたリザーバ内に貯蔵される、請求項29に記載のモノホイールの編隊。
【請求項32】
モノホイールで使用するための変形可能なシートシステムを使用する方法であって、
(i)コントローラを用いて、変形可能なシートを形成する調整可能な部分の好ましい構成又は相対位置、あるいは前記変形可能なシートの姿勢の好ましい構成を決定するステップと、
(ii)前記好ましい決定に従って、前記変形可能なシートを形成する前記調整可能な部分の物理的構成又は相対位置、あるいは前記変形可能なシートの姿勢の好ましい構成を調整するステップと
を含む方法。
【請求項33】
前記好ましい構成が、前記モノホイールに対する差し迫った又は実際の衝撃に際して決定される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記変形可能なシートが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の衝撃の際に、広い減速面を提供するためにその形状を変形するように構成される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記変形可能なシートが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の外部衝撃の際に使用者を保護するために、前記モノホイール内で垂直に変位されるように構成される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
(i)少なくとも1本のスポークに適応的に接続されたフェローを提供するステップと、
(ii)前記外縁の剛性レベルを調整するために、前記少なくとも1本のスポークと外縁の構成を適応的に調整するステップと
を含むモノホイールシステムを調整する方法。
【請求項37】
外縁の好ましい剛性レベルを決定するためにコントローラが使用される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記外縁の剛性レベルが、前記モノホイールの外縁の硬度レベルを高めるために、差し迫った又は実際の衝撃の際に増大するように構成される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記外縁の剛性レベルが、前記モノホイールの外縁の弾力レベルを高めるために、差し迫った又は実際の衝撃の際に低減するように構成される、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記外縁の剛性レベルが、変化する道路状況に応じて適応するように構成される、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記外縁の剛性レベルが、モノホイールキャビティに設置されたシートの好ましい姿勢に従って適応するように構成される、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記好ましい剛性レベルが、前記モノホイールへの差し迫った又は実際の衝撃に際して決定される、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
モノホイールの編隊を作り出すための方法であって、
(i)結合手段によって結合されるように構成された少なくとも2つのモノホイールを提供するステップと、
(ii)同時に移動可能な少なくとも2つのモノホイールの編隊を作り出すために前記結合手段を使用するステップと
を含む方法。
【請求項44】
少なくとも1つのモノホイールが、少なくとも1つの後続のモノホイールの動きを制御する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも1つの後続のモノホイールが自律モードにある、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
モノホイールの前記編隊が、電力リソースを共有するように構成される、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
モノホイールの編隊を使用して電流を発生させる方法であって、
(i)基準点に対して反対方向にスピンする少なくとも2つの電気伝導性の外縁を提供するステップと、
(ii)前記少なくとも2つの外縁の動きを利用して、前記基準点に電磁場を誘起するステップと
を含む方法。
【請求項48】
前記電磁場で発生した電流が、前記モノホイールの編隊の少なくとも1つのモノホイールを推進するために使用される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記発生された電荷が、指定されたリザーバ内に貯蔵される、請求項47に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノホイール(monowheel)システムの分野に関し、より詳細には、モノホイールシステムに使用する安全装置及び省エネルギー技術の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
モノホイールの最新の設計は、(公告PCT/IL2019/050954号に開示されているものなど)モノホイールの設計の従来の弱点と考えられていた領域において改善を提供している。例えば、電動モノホイールの速度、安定性、利便性及び実用性は、現在の技術開発によってさらに向上している。それにもかかわらず、従来のモノホイールの設計は、課題を伴うと考えられている。例えば、モノホイールは自動車(乗用車、トラックなど)に比べて軽量であるため、その中にいる使用者を保護しにくいと考えられている。また、モノホイールは自動車よりも軽量である傾向があるため、それらの構造一体性及びシャーシは衝突の際に損傷を受けやすく、また、強い衝撃を受けた際に歪んで、その中に着座している使用者に大きな怪我を負わせる可能性がある。
【0003】
もう1つの懸念は、モノホイールの寸法が比較的小さいため、その中にいる使用者に提供される内部空間が制限され、また、標準的なモノホイール車両を推進するために使用されるエネルギー貯蔵器のサイズ(及びその容量)も制限されることである。
【0004】
さらに、一般的なモノホイールの設計と構造は、オーソドックスな自動車のように遮蔽されていない乗員の快適性と安全性のレベルに対して課題を提起し得る。一方、モノホイールの性能向上は、現代の様々な交通手段や様々な交通解決策にモノホイールが普及することに貢献する可能性がある。
【0005】
このような遍在化は、モノホイールの設計の根本的な変更を必要とする可能性があり、例えば、快適性及び/又は安全レベルの向上を提供し得る柔軟で改良された座席ソリューションを必要とする可能性がある。
【0006】
したがって、モノホイール設計における安全性及び実用性の改善が必要であり、これによって、より小さなサイズ、重量、及びより優れたエネルギー効率など、モノホイールの有利性が損なわれることはない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、その乗員を保護し、さらに向上した快適性及び安全レベルを提供する改善された能力を有するモノホイールシステムを提供する。
【0008】
提案された向上した安全性及び快適性の解決策の中に、使用者への衝撃を最小限にするために、又は使用者の快適性レベルを向上するために、実際の事故又は差し迫った事故の場合に自動的に変形するように構成されたモノホイールで使用するための変形可能なシートがある。
【0009】
前記システムは、激しい衝撃の場合に使用者をモノホイール内又はその中から押し出すように構成された射出シートを提案することによって、そのより小さいサイズ及び重量に起因して一般的なモノホイールが提供する保護の低下に対処し得る。
【0010】
前記システムは、複数のモノホイールを結合して編隊を形成することを提案することによって、単一のモノホイール車両の制限されたエネルギー貯留部に関する解決策を含み得る。前記編隊は、モノホイールのいくつかを自律モードで動作することを可能にすることができる。
【0011】
前記システムは、電磁誘導を使用して電力を発生させるために、モノホイール編隊の協調的な動きを使用することをさらに含み、したがって、エネルギー効率の良い輸送プラットフォームを提供し得る。
【0012】
以下の実施形態及びその態様は、範囲を限定するものではなく、例示的及び説明的であることを意図するシステム、装置及び方法と関連して記載及び示される。様々な実施形態において、上記の問題の1つ又は複数が低減又は排除される一方、他の実施形態は他の利点又は改良に向けられる。
【0013】
一態様によれば、少なくとも2つの調整可能な部分を含み、モノホイールの内側キャビティ内に取り付けられるように構成された少なくとも1つの変形可能なシートと、コントローラとを備えるモノホイールで使用するための変形可能なシートシステムが提供される。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、変形可能なシートを形成する調整可能な部分の構成及び相対位置と、変形可能なシートの姿勢とを制御するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、コンピュータプラットフォーム、電気機械的な機構、又は携帯型デバイスである。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、リクライニング位置又は水平位置に変形されるように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、モノホイールへの衝撃時に使用者の身体が接触する広い減速面を提供するように、その形状を変形させるように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、モノホイールへの衝撃から反対方向にシフトされるように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、モノホイールへの正面衝突時に、後方にシフトされたセミリクライニング位置にその形状を変形させるように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、モノホイールへの前面衝突時に、上下逆さまの位置にその形状を変形させるように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、使用者に好都合な出入口を提供するために、その形状又は姿勢を変形させるように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、差し迫った又は実際の激しい衝撃の場合にモノホイールから押し出されるように構成された射出シートである。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、モノホイールに対する差し迫った又は実際の衝撃から使用者を保護するために、モノホイールの内側キャビティ内で垂直に変位するように構成される。
【0024】
別の態様によれば、モノホイールの内側キャビティ内に取り付けられるように構成された少なくとも1つの変形可能なシートと、コントローラと、外縁と、外縁に適応的に接続されるように構成された少なくとも1本のスポークとを備えるモノホイールシステムが提供される。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1本のスポークと外縁との間の接続の構成は、外縁の剛性レベルに影響を与える。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、少なくとも1本のスポーク外縁の接続の構成を制御するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、モノホイールの外縁の強化された硬度レベルを提供するために、衝撃時に増大するように構成された外縁の剛性。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、モノホイールの外縁の強化された弾力性レベルを提供するために、衝撃時に減少するように構成された外縁の剛性。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、変化する道路状況に応じて適応するように構成された外縁の剛性。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシートは、激しい衝撃の場合にモノホイールから押し出されるように構成された射出シートである。
【0031】
別の態様によれば、結合手段によって結合されるように構成された少なくとも2つのモノホイールを含む、モノホイール編隊が提供される。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つのモノホイールは、列状に結合されるように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つのモノホイールは、並列に結合されるように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのモノホイールは、少なくとも1つの後続のモノホイールの動きを制御する。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの後続モノホイールは、自律モードである。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、モノホイールの編隊は、電力リソースを共有するように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの結合されたモノホイールの外縁は反対方向にスピンしており、前記反対方向のスピンは、電流を発生させる電磁誘導を誘発する。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、発生された電流は、モノホイール編隊の少なくとも1つのモノホイールを推進するために使用される。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、発生された電流は、指定されたバッテリ内に蓄積される。
【0040】
別の態様によれば、変形可能なシートシステムを使用する方法であって、コントローラを使用して、変形可能なシートを形成する調整可能な部分の好ましい構成又は相対位置あるいは変形可能なシートの姿勢を決定するステップと、好ましい決定に従って、変形可能なシートを形成する調整可能な部分の構成又は相対位置あるいは変形可能なシートの姿勢を調整するステップとを備える方法が提供される。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、好ましい決定は、モノホイールへの差し迫った衝撃又は実際の衝撃に際して決定される。
【0042】
別の態様によれば、モノホイールシステムを使用する方法であって、外縁の好ましい剛性レベルを決定するためにコントローラを使用するステップと、外縁の剛性レベルに影響を与えるために、少なくとも1本のスポーク及び外縁の構成を適応的に調整するステップとを含む方法が提供される。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、好ましい剛性レベルは、モノホイールに対する差し迫った衝撃又は実際の衝撃に際して決定される。
【0044】
別の態様によれば、電流を生成する方法であって、少なくとも2つの外縁の間に位置する導体を提供するステップと、導体に対して反対方向にスピンする少なくとも2つの外縁の動きを使用して、電磁電流を誘導するステップとを含む方法が提供される。
【0045】
別の態様によれば、モノホイール編隊を作り出す方法であって、結合手段によって結合されるように構成された少なくとも2つのモノホイールを提供するステップと、同時運動が可能な少なくとも2つのモノホイールの編隊を作り出すために前記結合手段を使用するステップとを含む方法が提供される。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態が、添付の図を参照して本明細書に記載される。記載は、図と共に、いくつかの実施形態がどのように実施され得るかを、当業者に明らかにする。図は、説明に役立つ記載のためのものであり、本発明の基本的な理解に必要な以上に詳細に実施形態の構造的な詳細を示すことは試みられていない。明確にするために、図に描かれたいくつかの物体は、一定の縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A-1C】いくつかの実施形態による、モノホイールシステム内に設置された変形可能なシートの概略斜視図を構成する。
図2A-2C】いくつかの実施形態による、モノホイールシステム内に設置された変形可能なシートの概略斜視図を構成する。
図3A-3C】いくつかの実施形態による、モノホイールシステム内に設置された変形可能なシートの概略斜視図を構成する。
図4A-4B】いくつかの実施形態による、モノホイールシステム内に設置された変形可能なシートの概略斜視図を構成する。
図5A-5B】いくつかの実施形態による、モノホイールシステム内に設置された変形可能なシートの概略斜視図を構成する。
図6A-6B】いくつかの実施形態による、モノホイールシステム内に設置された外縁及び支持スポークの概略斜視図を構成する。
図7A-7B】いくつかの実施形態による、複数の結合されたモノホイールの概略斜視図を構成する。
図8】いくつかの実施形態による、結合されたモノホイールの概略斜視図を構成する。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下の詳細な記載において、本発明を完全に理解するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細なしに実施できることは、当業者には理解されるであろう。他の例では、周知の方法、手順、並びに構成要素、モジュール、ユニット及び/又は回路は、本発明を不明瞭にしないように、詳細には記載されていない。ある実施形態に関して記載したいくつかの特徴又は要素は、他の実施形態に関して記載した特徴又は要素と組み合わせることができる。明確にするために、同一又は類似の特徴又は要素の考察は繰り返されない場合がある。
【0049】
本発明の実施形態はこの点で限定されないが、例えば、「処理」、「演算」、「計算」、「決定」、「確立」、「分析」、「確認」、「設定」、「受信」などの用語を利用する考察は、コントローラ、コンピュータ、コンピュータプラットフォーム、コンピュータシステム、又は他の電子コンピュータ装置の動作及び/又は処理を指している場合があり、これは、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理(例えば電子)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理量として同様に表される他のデータ、又は動作及び/又は処理を実行する命令を格納し得る他の情報非一時的記憶媒体に操作及び/又は変換する。
【0050】
本発明の実施形態はこの点で限定されないが、本明細書で使用される「複数(plurality,a plurality)」という用語は、例えば、「多数」又は「2つ以上」を含み得る。「複数」という用語は、本明細書を通じて、2つ以上の構成要素、デバイス、要素、ユニット、パラメータなどを記載するために使用することができる。明示的に述べない限り、本明細書に記載される方法の実施形態は、特定の順序又はシーケンスに制約されない。さらに、記載された方法の実施形態又はその要素のいくつかは、同時に、同じ時点で、又は同時発生的に発生し得る、又は実行され得る。
【0051】
本明細書で使用される「コントローラ」という用語は、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータもしくはタブレットコンピュータ、シングルボードコンピュータ(SBC)又はクラウドコンピュータシステムなどの汎用コンピュータなどのメモリデバイス、中央処理装置(CPU)又はマイクロプロセッサデバイス、及びいくつかの入力/出力(I/O)ポートを備え得る任意のタイプのコンピュータプラットフォームを意味する。そのようなコントローラは、制御されるタスクを最適化するように構成された、例えば、従来のニューラルネットワーク(又はCNN)であり得るディープラーニングシステムなどの人工知能機能を含み、作動し、使用し、採用し、実装し、又は他の方法で関与し得る。本明細書で使用される「コントローラ」という用語は、予め定義された閾値を超える結果として機械的又は電気的出力を提供するように適合されたジャイロスコープ、油圧装置及び他の機械的に基づく制御手段などの機械的制御システムを指すこともある。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態による、車両10内に設置された変形可能なシート104の概略斜視図を構成する図1A、1B及び1Cを参照する。示されるように、車両10は、使用者20がそこに座っている間、車両10の移動中に回転するように構成された外縁100と、前記外縁100に接続するように構成された少なくとも1本のスポーク102とを含むモノホイールであり得る。いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、外縁100内に形成された内部空間内に配置され、取り付けられ、固定手段(図示せず)によって支持される。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、前記固定手段は、回転ヒンジ、ボールアンドソケットヒンジ、スイベル、歯車その他などの1つ又は複数のヒンジを含み得る。いくつかの実施形態によれば、前記固定手段は、ばね又は油圧シリンダ、電気的/機械的モータ、サスペンションロッドその他などの弾力性コネクタを含み得る。いくつかの実施形態によれば、前記固定手段は、それぞれ又は組み合わせて、スポーク102に対する又は外縁100に対する変形可能なシート104の位置変更を可能にするレール、例えば、スライドレールを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、コントローラ(図示せず)は、車両10内に一体化され得る、又は、変形可能なシート104の形状及び姿勢を制御するように構成された分離された装置であり得る。いくつかの実施形態によれば、前記コントローラは、使用者20によって携帯される携帯装置又はその一部、例えば、モバイルセルラーデバイス、ラップトップ、タブレットその他であり得る。いくつかの実施形態によれば、前記コントローラは、機械的ジャイロスコープ、ジャイロスコープセンサ、加速度センサ、画像センサ、光(レーザなど)センサ又は機械的(衝撃)センサ、あるいはモノホイールの運動及び/又は向きの変化を検出するように構成された任意の他のデバイスであり得る。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、ヒンジ、軸、シリンダ、電気/機械モータ、歯車、レール、スイベルその他などの結合手段によって相互接続され得るバックレスト202及びベンチ204を備える。いくつかの実施形態によれば、前記結合手段は、機械的、磁気的、電気的、油圧的のいずれかの機構及び装置等によって動作可能であり得、その姿勢又は向きを変更するように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、前記固定手段、ならびに変形可能なシート104を形成する部品間の前記結合手段は、その形状及び/又は姿勢を変形することを可能にする。いくつかの実施形態によれば、そのような変形は、サーボ機構によって促進され得る。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、脚伸展部206は、先に開示したのと同じ結合手段及び制御機構によって、変形可能なシート104のベンチ204に相互接続されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、前記結合手段の調整、並びにシート104を車両10に取り付ける前記固定手段の調整は、状況の変化の結果として、又は使用者20によって行われる操作の結果として実施されてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記状況の変化は、コントローラからの出力応答をトリガーし得る車両10によって吸収された衝突又は衝撃、又はコントローラによって感知された差し迫った衝撃であり得る。例えば、差し迫った衝撃、差し迫った衝突又は車両10の制御の喪失(例えば、横転)である。いくつかの実施形態によれば、前記固定手段又は結合手段の調整は、使用者20が、自分の好みに応じて、及び/又は車両10の向きの特定の変化を考慮して、変形可能なシート104の形状及び/又は姿勢を変えることを選択した結果として実施されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、定位置にあるとき、変形可能なシート104は、図1Aに示されるように、好都合な運転/移動体勢を可能にする直立又は半直立の位置を提供する。いくつかの実施形態によれば、使用者20が変形可能なシート104’の形状及び/又は姿勢を変更することを選択した結果、変形可能なシート104は、図1Bに示すように、その姿勢をリクライニング位置に変形し得る。いくつかの実施形態によれば、前記リクライニング位置は、車両10が停止又は他の車両(列車、フェリー、トラックその他など)によって運ばれている間、車両10が自律走行モードにある間、又は車両10が以下にさらに開示するように他の隣接する車両10によって遠隔制御されている間、使用者20が休息又は睡眠をとることを可能にし得る。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、図1Cに示されるように、その姿勢及び形状を水平位置に変形し得る。いくつかの実施形態によれば、前記水平な、ベッドのような位置は、車両10が停止している間、他の車両(列車、フェリー、トラックその他など)によって運ばれている間、車両10が自律走行モードにある間、又は車両10が以下にさらに開示するように他の隣接する車両10によって遠隔制御又は制御されている間、使用者20が休息又は睡眠をとることを可能にし得る。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態による、車両10内に取り付けられた変形可能なシート104の概略斜視図を構成する図2A、2B、2Cを参照する。示されるように、定位置にあるとき、変形可能なシート104は、図2Aに示されるように、好都合な運転体勢を可能にする直立又は半直立の位置を提供する。いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、その位置を、後方にシフトされたセミリクライニング位置、又は代替的に、上下逆さまの位置に変形し得、それぞれ図2B及び2Cに示される。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104の前記後方にシフトされたセミリクライニング位置は、車両10に引き起こされる正面衝突/衝撃の場合に使用者を保護し得る。例えば、正面衝突の場合、つまり、車両10がその移動方向に面するセクションにおいて衝撃を吸収する場合、変形可能なシート104は、使用者20が実質的に車両10の上部セクションに面し得るように、その位置を後方にシフトされたセミリクライニング位置に変化し得る。いくつかの実施形態によれば、差し迫った又は実際の正面衝突又は衝撃の場合、前記後方にシフトされたセミリクライニング位置は、前記位置において、及び正面衝突/衝撃の間、ベンチ204が使用者20の身体の前進を止め、それゆえ、前記衝撃によって引き起こされる減速力を吸収する比較的広い領域を提供するので、使用者20の身体とベンチ部分204との間に最大化した接触プラットフォーム領域を提供し得る。いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104の移動によって引き起こされる、車両10の移動方向と反対の方向への使用者の能動的な加速は、衝突の場合に使用者の身体が経験する正味の減速を低減するために使用され得る。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104の前記後方へシフトされたセミリクライニング位置はまた、使用者20の頭部の急激な動きによって引き起こされ得るむち打ち症を防止又は軽減し得る。いくつかの実施形態によれば、前記後方へシフトされたセミリクライニング位置は、変形可能なシート104の前方又は後方回転のいずれかによって達成されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、図2Cに描かれた上下逆さまの位置は、車両10に引き起こされる正面衝突/衝撃の場合に、使用者20に代替的な保護構成を同じく提供し得る。例えば、正面衝突の場合、つまり、車両10がその移動方向に面するセクションで衝撃を吸収する場合、変形可能なシート104は、使用者20が車両10の後部セクションに面し得るように、その位置を上下逆さまの位置に変更し得る。いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104の前記逆さまの位置は、使用者20の身体の前進を止め、使用者20の身体のバックレスト部202への接触を最大化し、かくして、前記衝撃によって生じる減速力を吸収する比較的広い領域を提供し得る。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104の前記上下逆さまの位置はまた、使用者20の頭部の急激な動きによって引き起こされ得るむち打ち症を防止又は軽減し得る。いくつかの実施形態によれば、前記上下逆さまの位置は、変形可能なシート104の前方又は後方回転のいずれかによって達成されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、車両10全体のいずれかの場所で発生する衝撃/衝突によって引き起こされる減速力を吸収する比較的広い領域を提供するために、その構成/姿勢を変更し得る。例えば、後部、側部、上部又は底部の衝撃は、使用者20の身体に広い減速プラットフォームを提供するために、変形可能なシート104にその構成/姿勢を適宜変更させ得る。本発明のいくつかの実施形態による、車両10内に設置された変形可能なシート104の概略斜視図を構成する図3A、3B、3Cを参照する。図示のように、衝撃又は衝突の場合、図3Aに示すように、使用者20の下肢を保護するために、ベンチ部分204、又は代替的に、変形可能なシート104の他のいずれかの部分が後退し得る。いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104を構成する部分の前記後退は、使用者20の四肢を車両10の周囲から遠ざけ、したがって、使用者20の四肢又は他の身体部分が、硬い表面にぶつかるか又は車両10の崩壊するセクションによって負傷する可能性を減らし得る。いくつかの実施形態によれば、前記後退は、衝撃時に使用者20の内臓を保護することにも役立ち得る。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、外縁100によって囲まれた内部空間を横切る水平線Aに沿って前方/後方にシフトされてもよい。例えば、正面衝突の場合、つまり、車両10がその移動方向に面するセクションで衝撃を吸収する場合、変形可能なシート104は、衝撃領域から使用者20を遠ざけるために反対方向にシフトされてもよく、したがって、使用者20の四肢又は他の身体部位が硬い表面にぶつかるか、又は車両10の崩壊するセクションによって負傷する可能性を減らし、図3Bに示すように使用者20の身体によって経験される正味の最大減速度を低減させる。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、後部衝撃又は背面衝突の場合、つまり、車両10がその移動方向とは逆のセクションで衝撃を吸収する場合、変形可能なシート104は、衝撃ゾーンから使用者20を遠ざけるために、図3Cに示されるように反対方向にシフトされてもよく、したがって、使用者20の四肢又は他の身体部位が、硬い表面にぶつかるか、又は車両10の崩壊するセクションによって負傷する可能性を低減する。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、シート104は、車両10に対する差し迫った衝撃から使用者20を遠ざけるように、車両104の垂直、水平又は横軸に沿ってシフト、変位又は転がされてもよく、したがって、使用者20の四肢又は他の身体部分が硬い表面にぶつかるか又は車両10の崩壊するセクションによって負傷する可能性を低減する。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、車両10は、車両10の内部空洞内にシート104を包括的に位置決めすることを可能にする構成を有している。例えば、車両10は、従来の車両と比較して、シート104を垂直、水平又は横方向にシフトさせることを可能にする球状の形状を有するモノホイールであるが、従来の車両は細長く狭いため、その利用可能な内部空間が制限される。さらに、典型的なモノホイールは、使用者20のシートの後ろに追加のシートを有さず、一般に従来のステアリングホイールを有さず、それゆえ、変化する必要性及び状況に従うシート104の様々な位置決めのためのより多くの内部空間が存在する。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、車両10は、コントローラによって識別された差し迫った又は実際の衝撃の場合に起動するように構成された逆推進機構を含み得る。例えば、コントローラは、衝突/衝撃が起ころうとしていることを識別し、その後、車両10が減速するように、又は代替的に、差し迫った衝撃とは反対の方向に動き始めるように、その動きの方向を切り替えるようにモータにコマンドを送信し得る。いくつかの実施形態によれば、この逆推進機能は、車両10の運動エネルギーを減少させ、したがって、差し迫った衝突時に車両10に引き起こされる可能性のある損傷、及びその中に座っている使用者20に引き起こされる可能性のある負傷を減少し得る。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、着座した使用者20の快適性、安全性又はパフォーマンスレベルを高めるために、その姿勢を変化させ得る。例えば、変形可能なシート104は、後方に走行する際の気持ち悪さを防止するために、車両10の移動方向に応じてその姿勢を変更してもよく、その逆もまた然りである。さらに別の例では、変形可能なシート104は、車両10が上り坂、下り坂、又は曲がり角を進んでいるときに、使用者20に直接の視線を提供するために、車両10の移動方向に従ってその姿勢を変化させ得る。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態による、車両10内に設置された変形可能なシート104の概略斜視図を構成する図4A~5Bを参照する。示されるように、変形可能なシート104は、衝突又は衝撃の場合に使用者20を保護するために、垂直線Bに沿ってシフトされ得る。いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、弾力性又は浮揚性デバイス、機械的ギア、油圧システム、その他を用いて変位され得る。例えば、エアバッグ208などの浮揚性デバイスは、変形可能なシート104を上方に押し上げるために、衝撃/衝突がコントローラによって検出されると膨張され得る。いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104の前記上方への移動は、使用者20を車両10の下部から遠ざけ、使用者20の四肢又は他の身体部分が、硬い表面にぶつかるか又は車両10への下部衝撃/衝突によって生じる車両10の崩壊するセクションによって負傷する可能性を低減し得る。いくつかの実施形態によれば、前記弾力性又は浮揚性デバイスは、コントローラによって検出された衝撃/衝突時に、上に開示された同じ目的のために、変形可能なシート104を上方に押し上げ得るばねシステム210であり得る。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、将来の衝突を予測することを可能にし、結果として、実際の衝突の前にシートの動き/調整を調整することを可能にする。したがって、怪我又は耐え難い加速度による人体への過度のストレスが防止され得る。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、車両10の構造は、衝撃又は衝突のエネルギーを吸収することを可能にする浮揚特性及び/又は弾力特性を含み得る。いくつかの実施形態によれば、前記浮揚及び/又は弾力特性は、以下に開示されるように、車両10の構造剛性を増加/減少させるように設計された構造部品を用いて調整されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、衝撃領域から使用者20を遠ざけ、使用者20の四肢又は他の身体部分が硬い表面にぶつかるか又は車両10全体のいずれかの場所で発生する衝撃/衝突によって生じる車両10の崩壊するセクションによって負傷する可能性を低減するために、弾力性又は浮揚性デバイス、機械的ギア、油圧システム、その他を用いて車両10内の任意の方向にシフトされてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、車両10に乗り込む又は車両10から降りる使用者20にその位置を適合させることによって、改善されたアクセス性を提供し得る。例えば、変形可能なシート104は、使用者20に向かって傾くか又はリクライニングし、使用者20が座った後に好都合な運転位置に後退し得る。変形可能なシート104はまた、使用者20に容易なアクセス性を提供するために、水平線Aに沿って前方/後方に、又は垂直線Bに沿って上方/下方にシフトされ得る。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、車両10の一般位置に関して補償された位置を提供するためにその位置を適応させ得る。例えば、車両10が急な斜面に沿って静止又は移動する場合、変形可能なシート104は、車両10を運転する間、車両10に乗り込む間、又は車両10から退避する間、傾斜位置を補償し、使用者20に比較的水平なシートを提供するために、回転又はその姿勢を変更し得る。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、中に座っている使用者20の視線を改善するために、その姿勢を変更し得る。例えば、車両10が急な斜面を上/下に移動しているとき、変形可能なシート104は、使用者20が移動方向を向き、前方の道路をより良く見ることができるように、その姿勢を変更し得る。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104は、車両10の一般的な姿勢に関係なく、特定の位置を維持し得る。例えば、変形可能なシート104は、車両10が絶えずその姿勢を変えながら移動しているときでも、半直立の直立位置又は他の任意の運転位置に留まり得る。いくつかの実施形態によれば、変形可能なシート104の前記位置適応は、コントローラによって制御される。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、車両10の移動中に衝撃を受動的又は能動的に吸収し、かくして使用者20の快適性レベルを高めるように、サスペンション機構が変形可能なシート104に設置されてもよい。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態による、車両10の外縁100及び支持スポーク102の概略斜視図を構成する図6A、6Bを参照する。図示されているように、車両10はモノホイールであり得、その柔軟性レベルを変更するように構成された外縁100を備える。これは、外縁100と少なくとも1本のスポーク102との間にジョイント106を設けることによって達成され得る。いくつかの実施形態によれば、前記ジョイント106は、ヒンジ、弾力性部材、ギアシステム、油圧システム、又はスポーク102が外縁100に調整可能に接続されることを可能にする任意の他の種類のコネクタであり得る。いくつかの実施形態によれば、いずれの所与の瞬間においても、少なくとも1本のスポーク102が、現在地面に接触している外縁100のセクションに接続されるように、複数のスポーク102が複数のジョイント106を介して外縁100に接続され得る。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、外縁100に対するスポーク102の角度を制御することによって、又は代替的に、スポーク102又はジョイント106の長さを制御することによって、変化するニーズに従って外縁100の柔軟性レベルを調整するように構成され得る。コントローラは、例えば、欠陥のある道路を走行中に衝撃を吸収する必要が生じたとき、高速走行区間中に増加したグリップを提供する必要が生じたとき、車両10の運転中に使用者20に向上した快適性レベルを提供することが好ましいときなど、変化する状況に従って外縁100の剛性/柔軟性レベルを調整し得る。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、外縁100の少なくとも一部の剛性/柔軟性レベルは、外縁100の機械的特性(弾力性、浮揚性など)を制御し得る電気装置を用いることによって修正及び操作され得る。
【0084】
いくつかの実施形態によれば、外縁100の前記適応可能な柔軟性は、車両10の安全性を向上させることもできる。例えば、衝撃が間近に迫っている時、又は衝撃が発生している間、外縁100の少なくとも一部は、前記衝撃に抵抗するために硬くなり得る、又は代替的に、外縁100の少なくとも一部は、前記衝撃のエネルギーを吸収し、かくしてその有害な影響を軽減するために、柔軟になり得る。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、外縁100の前記適応可能な柔軟性は、1つ又は複数のスポーク102の再整列を通して、1つ又は複数のジョイント106の順応性又は抵抗の変化を通して、又は外縁100又はその一部の機械的特性の電気的に誘導された変化を通しても達成され得る。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態による、タンデムに結合された複数の車両10の概略斜視図を構成する図7A、7Bを参照する。示されるように、車両10は、結合手段108を用いて少なくとも1つの追加の車両10に接続するように構成されたモノホイールであり得る。いくつかの実施形態によれば、結合手段108は、例えば、ヒンジ、ジョイント磁気/電磁コネクタ、フック-ループコネクタ、その他などの任意の種類の固定具であり得る。いくつかの実施形態によれば、結合手段108を用いた車両10の結合は、結合された車両10間のある程度の運動の自由度を可能にし得る。いくつかの実施形態によれば、前記結合手段108は、1つ又は複数のスイベル、ヒンジ、アンカー、バンド、ケーブル、磁石、電磁石、その他を含み得る。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、結合された車両10は、結合手段108を用いて、図7Aに描かれているように列状に結合され得る。いくつかの実施形態によれば、そのような結合された車両10の車列は、第1の車両10によって行われる旋回に追従することによって旋回することができる。いくつかの実施形態によれば、追加の結合された車両10は、中に座っている使用者20の注意を必要としない自律モードである間、第1の車両10に追従し得る。いくつかの実施形態によれば、前記結合された車両10の車列は、同時に旋回することができ、前記旋回は、全ての車両が車列を形成することによって行われる。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、2台以上の車両10の結合は、エネルギー需要を低減する一方で、旋回、加速、又は制動の間の安定性も提供する。いくつかの実施形態によれば、2台以上の車両10の縦方向の結合は、空気流特性を改善し、したがって、前記結合された車両10の抗力係数を低減することによって、エネルギー消費を低減する。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、コントローラなどの指定された操作モジュールは、結合された車両10の前記車列を制御するように構成され、前記コントローラは、加速、減速、回転及び旋回、制動、その他を制御し得る。いくつかの実施形態によれば、使用者20の操作/コマンドに応答して結合された車両10の前記車列の制御を可能にするために、いくつかのコントローラが、有線又は無線接続を用いて機能的に結合されてもよい。前記結合された車両10の前記車列の制動/加速及び一般的な操縦性は、転倒の感受性を低減することによって改善され得る。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも2台の車両10は、結合手段108を用いて並列に互いに結合され、したがって、実質的に横に並んで取り付けられる車両10の集団を形成し得る。いくつかの実施形態によれば、結合された車両10の前記集団は、上述したように、集団を先導する第1の車両10の旋回に追従して旋回することが可能である。いくつかの実施形態によれば、前記結合された車両10の集団は、例えば、集団を形成する全ての車両の旋回が同時に行われるような、同時操縦可能なものである。結合された車両10の前記集団の制動/加速及び一般的な操縦性は、転倒の感受性を低減することによって改善され得る。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、複数の結合された車両10は、自律モードである間に、1つ又は複数の結合された車両10によって制御され得る。そのような制御は、コントローラによって得られ、例えば、すべての結合された車両10が協調して移動及び操縦できるように、1つの車両10が他の結合された車両10と通信できるように構成された有線又は無線接続であり得る接続手段(図示せず)を用いて実施され得る。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、複数の接続された車両10に電力を供給するために必要なエネルギーは、参加車両10の間で共有され得る。例えば、1つの車両10は、別の隣接する車両10に電流を供給することによって、他の車両10のためのエネルギー源として動作し得る。いくつかの実施形態によれば、これは、車両10間の電気的接続によって、又は前記別の車両10に関連付けられたバッテリの電気的充電によって得られ得る。いくつかの実施形態によれば、電力ネットワークは、電力の共通リザーバを使用する複数の接続された車両10によって形成され得る。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態による、結合された車両10の概略斜視図を構成する図8を参照する。図示のように、少なくとも2つの隣接する車両10A及び10Bは、結合手段108を用いて結合され、方向Cに前進するように構成される。外縁100Aは車両10Aに関連付けられ、外縁100Bは車両10Bに関連付けられ、両外縁は前記方向Cの経路に沿って前進しながら基準点200に対して反対方向にスピンするように構成される。いくつかの実施形態によれば、外縁100A及び100Aを形成し得る金属合金の反対方向のスピニングによって引き起こされる電磁誘導は、車両10A及び10Bの動作のために使用され得る電流を発生し得る。いくつかの実施形態によれば、前記電磁電流は、車両10A又は10Bを直接推進するために利用されてもよく、又は代替的に、車両10の結合された編隊に属する他の車両10を推進するために利用されてもよい。いくつかの実施形態によれば、電気伝導体手段が基準点200に設置されてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、電磁誘導によって形成された電流は、車両10に関連付けられたバッテリ、又は車両10の結合された編隊に関連付けられたバッテリの共通リザーバに貯蔵されてもよく、電磁誘導を発生する車両10のいずれか1つ又は車両10の結合された編隊の将来の推進に使用することが可能である。
【0095】
いくつかの実施形態によれば、車両10は、使用者20を車両10から退避させるように設計されたシステムを含み得る。前記システムは、衝突、衝撃、火災、その他の場合に使用者20を車両10から射出するように構成された射出シート(不図示)であり得る。いくつかの実施形態によれば、前記射出シートは、推進機構を使用して使用者20を車両10から押し出すように構成され得る。いくつかの実施形態によれば、コントローラは、迫り来る衝撃の予測される重大性を感知し、射出シートを作動させるか否かを決定するように構成される。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、射出シートは、特定の閾値が達成された場合にのみ作動され得る。例えば、コントローラは、迫り来る衝撃、衝突、火災、その他に関する様々なパラメータを計算し、どの安全対策を起動する必要があるかを決定し、最後の手段としてのみ射出シートを起動し得る。いくつかの実施形態によれば、車両10は、そのシートの一部として安全ベルトを本質的に含むモノホイールである。この配置は、車両10の一部として、射出シート及びシート位置変形の動作を可能にする。それは、安全ベルトを含まず、したがって射出シートを含むことができないオートバイ、セグウェイ、スクーター、その他とは対照的である。
【0097】
本発明を特定の実施形態を参照して記載したが、この記載は限定的に解釈されることを意図するものではない。開示された実施形態の様々な変更、及び本発明の代替実施形態は、本発明の記載を参照することにより、当業者に明らかになるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内に入るそのような変更をカバーすることが企図される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】