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特表2023-508188農産物のためのコンピュータ実装されたブロックチェーンベースのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-01
(54)【発明の名称】農産物のためのコンピュータ実装されたブロックチェーンベースのシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20230221BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539222
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2020087827
(87)【国際公開番号】W WO2021130341
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】1919145.1
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2000120.2
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2000957.7
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2012157.0
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2016029.7
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2016030.5
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2016032.1
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2016033.9
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2016034.7
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2016036.2
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.ANDROID
3.HYPERLEDGER
4.iOS
5.GOOGLEPLAY
(71)【出願人】
【識別番号】522252316
【氏名又は名称】ファーマー コネクト エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎
(72)【発明者】
【氏名】ベレンズ デービッド
(72)【発明者】
【氏名】ボデン ダービー マクニー
(72)【発明者】
【氏名】ポルトマン ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】トマシニ カストロ ジャケリネ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
本明細書では、コーヒー、カカオ、茶、砂糖、穀物、および果物のサプライチェーンなどの農業サプライチェーンのトレーサビリティ、効率性、および公平性を向上させるように設計された、ブロックチェーン上に構築されたプラットフォームを開示する。本プラットフォームには、分散型台帳技術の上に構築された新しい形式のデジタルアイデンティティである、自己主権型アイデンティティソリューションが含まれている。農家、卸売業者、貿易業者、および小売業者は、このデータへの包括的でほぼリアルタイムのアクセスを使用してより効率的に対話することができ、消費者は、自身が消費する製品の起源についての新しいインサイトを得ることができる。本プラットフォームには、ブロックチェーンから直接情報をプルし、例えばコーヒーを飲む人などの最終消費者を、農家、貿易業者、焙煎業者、およびブランドに接続する、消費者向けのアプリケーションが含まれている。情報はインタラクティブなマップ上に表示され、これにより各製品がシンプルかつスケーラブルな方法でストーリーを伝えることが可能となる。アプリはまた、コーヒーコミュニティにおける持続可能性プロジェクトを提示し、消費者を直接支援する機会をも提供する。消費者は、開発途上国のコーヒー農家を直接支援することにより、持続可能性ガバナンスにおいて積極的な役割を果たすことができるようになった。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能1
サプライチェーン内の商品を購入するための取引要求を処理するための、コンピュータ実装されたブロックチェーンベースの方法であって、前記方法は、
(i)スマートフォンまたはタブレット用のモバイルアプリケーションなどのアプリケーションを使用して、エンドユーザによって開始された取引要求を受信する工程と、
(ii)前記取引要求を処理し、デジタル取引証明書を作成する工程と、
(iii)前記デジタル取引証明書を、例えば、モバイルアプリケーションなどの別のアプリケーションを介して前記商品の生産者に送信する工程であって、前記生産者が、コーヒー農家またはコーヒー農家のグループ、またはコーヒー小規模所有者を含む、農家または農家のグループ、または小規模所有者である、送信する工程と、
(iv)前記生産者によって承認または確認された前記取引を、前記ブロックチェーンに記録する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記ブロックチェーンがプライベートである、請求項1に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項3】
前記ブロックチェーンベースのシステムが、複数のトレースを並行して行う、または同時に行う、または統合して行うことを可能にする、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項4】
前記ブロックチェーンベースシステムが、場所の物理マップ、または処理の論理マップなどの1つ以上のトレースまたは他の分析の結果をマップ上に重ねることを可能にする、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項5】
前記商品の支払いが受領されるなど、事前定義されたルールのセットが満たされると、承認/確認が与えられる、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項6】
承認/確認が、前記生産者のスマートフォン用のアプリケーションなどのアプリケーションに生産者によって入力される、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項7】
承認/確認が、前記生産者のアプリケーションに格納されている、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項8】
エンドユーザが、流通業者、混載業者、輸出業者、輸入業者、焙煎業者、食品加工業者、通関業者、小売業者、消費者など、前記生産者と結び付いている前記サプライチェーン内の任意の当事者である、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項9】
自己主権型アイデンティティ証明書を使用して、前記ブロックチェーンにアクセスする、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項10】
デジタル取引証明書には、量、価格、品質などの商品関連メタデータが含まれる、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項11】
デジタル取引証明書が、前記生産者および前記エンドユーザの両方によって検証される、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項12】
前記商品に関連する後続の取引イベントが、前記ブロックチェーンに記録される、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項13】
前記サプライチェーンの各エンティティ間の取引の永続的なデジタル化されたチェーンが、前記ブロックチェーンに記録される、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項14】
各取引出力が、計算され、前記ブロックチェーンに記録される、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項15】
前記エンドユーザおよび生産者の両方が、自身の独自アプリを介して前記商品の行程をトレースすることができる、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項16】
前記ブロックチェーンの各ピアまたは各ノードまたは各サブシステムが、自身のデータがどのように使用またはアクセスされているかに関する許可を設定することができる、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項17】
前記方法が、前記商品の原産地および行程に関する完全なエンドツーエンドの透明性を提供する、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項18】
前記ブロックチェーンが、前記生産者によって、または前記システムにわたって運用制御するエンティティなどによって、前記サプライチェーンの一部であるすべての別個のエンティティが、それらに帰属する別個の許可レベルを有することを可能にする、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項19】
複数の製品、または製品および支払い、または完成した製品のすべての原材料などの、複数のトレースを可能にする、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項20】
複数のトレースの統合を可能にする、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項21】
複数のトレースの前記結果を、地理マップまたは論理マップにオーバーレイすることを可能にして、例えば分析を支援する、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項22】
任意の特定の生産者またはエンドユーザのアイデンティティに関係なく、普遍的なデータ標準を構成する、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項23】
前記ブロックチェーンが、インコタームズのスマート契約を実装する、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項24】
物理的な商品、デジタル証明書への参照、および物理的な商品であるかのようにトレースされる通貨の交換が、同じ契約参照内で追跡される、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項25】
前記ブロックチェーン上の参加者が、2人の参加者間の所有権の変更を反映する取引であって、自身のそれぞれのアカウント、両方の当事者によって署名されたデジタル証明書、またはその趣旨のスマート契約でアップロードもしくは参照される、取引が、会社の取締役によって関与および承認された前記ユーザによって署名された書面による商業協定の証拠であり、したがって現地の法律または仲裁の観点から拘束力がある、という協定に署名する、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項26】
ユーザが、参照コード、製品、位置を使用してチェーンをトレースし、取引相手、デジタル証明書、施設証明書、日付範囲、前記参照からの工程数、または施設/製品のタイプによって返された結果を、制限するかまたは絞り込むことができる、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項27】
情報が、他のシステムで使うためのAPIを介して利用可能であり、2つの有機システム、すなわち、人工知能と統合された企業ダッシュボードであって、トレース上のボリュームおよび収穫高または他の変数を分析して、異常値を識別し、視覚的に強調表示する、企業ダッシュボードと、消費者向けアプリケーションまたはウェブページであって、製品の説明、インタラクティブなマップ、ならびにクラウドファンディングプロジェクト、ウィキ、およびソーシャルメディアコンテンツなどのインタラクティブコンテンツを使用して、契約ベースで企業顧客に提供される完全な分析で消費者を魅了する、消費者向けアプリケーションまたはウェブページと、にフィードする、先行請求項のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項28】
機能2
サプライチェーン追跡プラットフォームであって、サプライチェーン内の商品関連の取引を処理するブロックチェーンレイヤと、前記ブロックチェーンレイヤの上に位置し、前記ブロックチェーンレイヤから、消費者、ベンダー、小売業者、卸売業者、輸送業者、各取引の入力および出力、前記商品/製品の生産に使用されるすべて、のうちのいずれかなどの商品関連のデータを受信して、このデータを分析する分析レイヤと、を備える、サプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項29】
複数のカテゴリの商品が同時に追跡される、請求項28に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項30】
複数の消費者および商品が同時に追跡される、先行請求項28~29のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項31】
追跡がリアルタイムで実施される、先行請求項28~30のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項32】
サプライチェーン取引は、前記分析レイヤ内で抽出およびマッピングされる、先行請求項28~31のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項33】
商品の購入が前記ブロックチェーンレイヤ内で承認されると、モバイルアプリで前記商品の購入者に前記商品の行程のインタラクティブなマップが表示される、先行請求項28~32のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項34】
前記商品の前記行程には、購入取引要求から前記商品の配送までの、前記商品に関連する任意の取引イベントが含まれる、先行請求項28~33のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項35】
前記分析レイヤは、データをダッシュボードまたはアプリケーションまたはウェブページにフィードする、先行請求項28~34のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項36】
前記プラットフォームが、任意サプライチェーンアーキテクチャにスケーラブルである、先行請求項28~35のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項37】
前記ブロックチェーンがプライベートブロックチェーンである、先行請求項28~36のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項38】
前記ブロックチェーンベースのシステムが、複数のトレースを並行して行う、または同時に行う、または統合して行うことを可能にする、先行請求項28~37のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項39】
前記ブロックチェーンベースシステムが、場所の物理マップ、または処理の論理マップなどの1つ以上のトレースまたは他の分析の結果をマップ上に重ねることを可能にする、先行請求項28~38のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースの方法。
【請求項40】
機能3
サプライチェーン追跡プラットフォームであって、(i)サプライチェーン内の農産物関連取引を処理する、ブロックチェーンレイヤと、(ii)前記ブロックチェーンレイヤの上に位置し、それらの農産物および前記関連取引の持続可能性の側面を記述するデータを受信し、事前に定義された持続可能性基準に関連するレポートを生成する、レポートレイヤと、を含む、サプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項41】
複数のカテゴリの商品が同時に追跡される、請求項40に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項42】
複数の消費者および商品が同時に追跡される、先行請求項40~41のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項43】
追跡がリアルタイムで実施される、先行請求項40~42のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項44】
サプライチェーン取引が、前記分析レイヤ内で抽出およびマッピングされる、先行請求項40~43のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項45】
前記商品の購入が前記ブロックチェーンレイヤ内で承認されると、前記商品の前記行程のインタラクティブなマップが生成される、先行請求項40~44のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項46】
前記商品の前記行程には、購入取引要求から前記商品の配送までの、前記商品に関連する任意の取引イベントが含まれる、先行請求項40~45のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項47】
前記レポートレイヤが、データをダッシュボードまたはアプリケーションまたはウェブページにフィードする、先行請求項40~46のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項48】
前記プラットフォームが、任意サプライチェーンアーキテクチャにスケーラブルである、先行請求項40~47のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項49】
前記ブロックチェーンはプライベートである、先行請求項40~48のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項50】
前記ブロックチェーンベースのシステムにより、複数のトレースを並行して行う、または同時に行う、または統合して行うことを可能にする、先行請求項40~49のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項51】
前記ブロックチェーンベースのシステムが、1つ以上のトレースまたは他の分析の結果を、マップ(例えば、場所の物理マップ、またはプロセスの論理マップなどにオーバーレイすることを可能にする、先行請求項40~50のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項52】
事前定義されたルールのセットが満たされると、例えば、前記商品の前記支払いなどが受領されると、承認/確認が与えられる、先行請求項40~51のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項53】
承認/確認が、前記生産者のスマートフォン用のアプリケーションなどのアプリケーションに生産者によって入力される、先行請求項40~52のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項54】
承認/確認が、前記生産者のアプリケーションに格納されている、先行請求項40~53のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項55】
エンドユーザが、流通業者、混載業者、輸出業者、輸入業者、焙煎業者、食品加工業者、通関業者、小売業者、消費者など、前記生産者と結び付いている前記サプライチェーン内の任意の当事者である、先行請求項40~54のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項56】
自己主権型アイデンティティ証明書を使用して、前記ブロックチェーンにアクセスする、先行請求項40~55のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項57】
デジタル取引証明書には、量、価格、品質などの商品関連メタデータが含まれる、先行請求項40~56のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項58】
デジタル取引証明書が、前記生産者および前記エンドユーザの両方によって検証される、先行請求項40~57のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項59】
前記商品に関連する後続の取引イベントが、前記ブロックチェーンに記録される、先行請求項40~58のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項60】
前記サプライチェーンの各エンティティ間の取引の永続的なデジタル化されたチェーンが、前記ブロックチェーンに記録される、先行請求項40~59のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項61】
各取引出力が、計算され、前記ブロックチェーンに記録される、先行請求項40~60のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項62】
前記エンドユーザおよび生産者の両方が、自身の独自アプリを介して前記商品の行程をトレースすることができる、先行請求項40~61のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項63】
前記ブロックチェーンの各ピアまたは各ノードまたは各サブシステムが、自身のデータがどのように使用またはアクセスされているかに関する許可を設定することができる、先行請求項40~62のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項64】
前記プラットフォームが、商品の原産地および行程に関する完全なエンドツーエンドの透明性を提供する、先行請求項40~63のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項65】
前記ブロックチェーンが、前記サプライチェーンの一部であるすべての別個のエンティティが、(例えば、前記生産者によって、またはシステムにわたって運用制御するエンティティによって、それらに帰属する別個の許可レベルを有することを可能にする、先行請求項40~64のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項66】
前記プラットフォームが、複数の製品、または製品および支払い、または完成した製品のすべての原材料などの、複数の追跡を可能にする、先行請求項40~65のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項67】
複数のトレースの統合を可能にする、先行請求項40~66のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項68】
複数のトレースの前記結果を、地理マップまたは論理マップにオーバーレイすることを可能にして、例えば分析を支援する、先行請求項40~67のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項69】
任意の特定の生産者またはエンドユーザの前記アイデンティティに関係なく、普遍的なデータ標準を構成する、先行請求項40~68のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項70】
前記ブロックチェーンが、インコタームズのスマート契約を実装する、先行請求項40~69のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項71】
物理的な商品、デジタル証明書への参照、および物理的な商品であるかのようにトレースされる通貨の交換が、同じ契約参照内で追跡される、先行請求項40~70のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項72】
前記ブロックチェーン上の参加者が、2人の参加者間の所有権の変更を反映する取引であって、それぞれのアカウント、両方の当事者によって署名されたデジタル証明書、またはその趣旨のスマート契約でアップロードもしくは参照される、取引が、会社の取締役によって関与および承認された前記ユーザによって署名された書面による商業協定の証拠であり、したがって現地の法律または仲裁の観点から拘束力がある、という協定に署名する、先行請求項40~71のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項73】
ユーザが、参照コード、製品、位置を使用してチェーンをトレースし、取引相手、デジタル証明書、施設証明書、日付範囲、前記参照からの工程数、または施設/製品のタイプによって返された結果を、制限するかまたは絞り込むことができる、先行請求項40~73のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項74】
情報が、他のシステムで使うためのAPIを介して利用可能であり、2つの有機システム、すなわち、人工知能と統合された企業ダッシュボードであって、トレース上のボリュームおよび収穫高(または他の変数)を分析して、異常値を識別し、視覚的に強調表示する、企業ダッシュボードと、消費者向けアプリケーションまたはウェブページであって、製品の説明、インタラクティブなマップ、ならびにクラウドファンディングプロジェクト、ウィキ、およびソーシャルメディアコンテンツなどのインタラクティブコンテンツを使用して、契約ベースで企業顧客に提供される完全な分析で消費者を魅了する、消費者向けアプリケーションまたはウェブページと、にフィードする、先行請求項40~73のいずれか一項に記載のサプライチェーン追跡プラットフォーム。
【請求項75】
機能4
一意のデジタルIDを提供するモバイルアプリケーションであって、この一意のデジタルIDは、農産物の生産者などのエンドユーザに、サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォーム上での彼らのアイデンティティの制御権を与え、その場合、前記デジタルIDが、取引証明書および行動証明書に関連するかまたはそれらの間で分割され、かつ前記デジタルIDが信頼スコアもしくは信頼値に関連付けられている、モバイルアプリケーション。
【請求項76】
前記デジタルIDが、前記アプリケーションが実行されているモバイルデバイスまたはクラウドに格納されている、請求項75に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項77】
前記デジタルIDが、前記ブロックチェーン上に格納されていない、請求項75または76に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項78】
エンドユーザが、自身のデジタルIDを別の使用済みに対して保護することができる、先行請求項75~77のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項79】
エンドユーザが、デジタルIDを有する別のユーザとの取引を開始することができる、先行請求項75~78のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項80】
取引が、両方のユーザによって承認されると、両方のユーザの取引証明書に保存される、先行請求項75~79のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項81】
取引証明書または行動証明書が、取引に関与する取引相手の信頼値スコアに関連付けられている、先行請求項75~80のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項82】
信頼値は、第三者によってさらに検証および更新することができる、先行請求項75~81のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項83】
前記エンドユーザの個人情報または機密情報が、前記ブロックチェーンに記録されない、先行請求項75~82のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項84】
エンドユーザが、自身のデータがどのように使用またはアクセスされているかについてのアクセス許可を設定する、先行請求項75~83のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項85】
前記サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームが、消費者向けアプリケーションと統合されている、先行請求項75~84のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項86】
前記デジタルIDユーザは、別のデジタルIDユーザとの取引を開始することができるが、このような取引は、前記ユーザの証明書にのみ保存される、先行請求項75~85のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項87】
各取引証明書または各行動証明書が、関与する2つの取引相手に基づいた信頼値を有し、その信頼性を高めるために第三者によってさらに検証することができる、先行請求項75~86のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項88】
アカウントユーザが農家との取引を開始すると、前記取引が、デジタル証明書として前記農家のデジタルウォレットに保存され、(前記農家のハッシュを有する)システムIDを有する共通の農家アカウント、および前記アカウントユーザのIDまたはシステムIDを有する前記アカウントユーザの組織の両方で、前記ブロックチェーンにも書き込まれる、先行請求項75~87のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項89】
物理的な商品の将来の表現を抽象化して、参照番号および取引相手がまだ不明な、まだ存在しない製品へのトレースを可能とし、最初の契約参照から検索可能なフォワードフローチェーンの作成を許可する、先行請求項75~88のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項90】
興味のある商業的第三者またはサービスを提供する第三者が、まだ配送されていないかまたはまだ存在しない製品の足取りを調べることができる、先行請求項75~89のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項91】
機能5
コンピュータ実装されたブロックチェーンベースのシステムであって、農家もしくは農家のグループ、またはコーヒー農家もしくはタバコ農家もしくは他の作物などの小規模所有者などの生産者に関連付けられた取引が、前記ブロックチェーンベースのシステム上でキャプチャされ、その生産者のデジタルIDに関連付けられることを可能にする、農産物のための、
かつ前記ブロックチェーンベースのシステム上で、その生産者からの商品を取り扱うかまたは処理する際に1つ以上のエンティティによって行われた、取引のための、かつ消費者が、スマートフォンまたは他の接続されたコンピューティングデバイス上で動作するアプリケーションを使用して、前記ブロックチェーンベースのシステムを使用して、これらの取引のうちの1つ以上を閲覧および/もしくは検証すること、ならびに/またはその生産者からの商品をトレースすることを可能にする、消費者のための、システム。
【請求項92】
前記別個のエンティティの各々には個別に許可レベルが設定されている、請求項91に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項93】
前記ブロックチェーンがプライベートである、先行請求項91~92のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項94】
前記ブロックチェーンベースのシステムが、複数のトレースを並行して行う、または同時に行う、または統合して行うことを可能にする、先行請求項91~93のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項95】
前記ブロックチェーンベースシステムが、場所の物理マップ、または処理の論理マップなどの1つ以上のトレースまたは他の分析の結果をマップ上に重ねることを可能にする、先行請求項91~94のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項96】
前記消費者が、アプリケーションを介して、前記生産者に、または前記生産者のために、金銭の支払いを行うことができる、先行請求項91~95のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項97】
前記金銭の支払いが、その生産者から商品を取り扱ったり加工したりするエンティティを迂回する、先行請求項91~96のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項98】
前記金銭の支払いが、前記ブロックチェーンベースのシステムによって物理的アイテムであるかのように処理される、先行請求項91~97のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項99】
物理的な商品、デジタル証明書への参照、および物理的な商品であるかのようにトレースされる通貨の交換が、同じ契約参照内で追跡される、先行請求項91~98のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項100】
金銭の支払いが、前記消費者によってトレース可能である、先行請求項91~99のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項101】
前記生産者が、前記ブロックチェーンベースのシステム上の支払いの影響または使用を記録して、前記消費者が影響または使用を表示できるようにする、先行請求項91~100のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項102】
前記ブロックチェーンベースのシステムが、任意の特定の生産者またはエンドユーザのアイデンティティに関係なく、普遍的なデータ標準を構成する、先行請求項91~101のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項103】
ユーザが、参照コード、製品、位置を使用してチェーンをトレースし、取引相手、デジタル証明書、施設証明書、日付範囲、前記参照からの工程数、または施設/製品のタイプによって返された結果を、制限するかまたは絞り込むことができる、先行請求項91~102のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項104】
情報が、他のシステムで使うためのAPIを介して利用可能であり、2つの有機システム、すなわち、人工知能と統合された企業ダッシュボードであって、トレース上のボリュームおよび収穫高(または他の変数)を分析して、異常値を識別し、視覚的に強調表示する、企業ダッシュボードと、消費者向けアプリケーションまたはウェブページであって、製品の説明、インタラクティブなマップ、ならびにクラウドファンディングプロジェクト、ウィキ、およびソーシャルメディアコンテンツなどのインタラクティブコンテンツを使用して、契約ベースで企業顧客に提供される完全な分析で消費者を魅了する、消費者向けアプリケーションまたはウェブページと、にフィードする、先行請求項91~103のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項105】
消費者向けアプリケーションが、サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームへの消費者エンドユーザアクセスを提供し、前記アプリケーションが、地理的位置、現在または将来の可用性、配送予定日、生産者デジタルID証明書、生産者信頼スコアなどの前記エンドユーザ検索基準に基づいて、農産物のリストを前記エンドユーザに表示する、先行請求項91~104のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項106】
消費者向けアプリケーションが、農産物のトレーサビリティを定義するサプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームへの、消費者エンドユーザアクセスを提供し、前記アプリケーションが、画面またはメニュー選択肢を前記エンドユーザに表示し、前記画面またはメニュー選択肢は、選択されると、前記消費者エンドユーザからのメッセージもしくは通信を、前記農産物または前記農産物の原材料もしくは構成成分を生産する生産者(例えば、農家または農家のグループなど)に関連付ける、先行請求項91~105のいずれか一項に記載のブロックチェーンベースのシステム。
【請求項107】
機能6
スマートフォンまたは他の接続されたコンピューティングデバイス上で動作する消費者モバイルソフトウェアアプリケーションであって、農産物のトレーサビリティを定義するサプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームへの、消費者エンドユーザアクセスを提供し、前記アプリケーションは、画面またはメニュー選択肢を前記エンドユーザに表示し、前記画面またはメニュー選択肢は、選択されると、前記消費者エンドユーザからのトレース可能な支払いを、前記農産物または前記商品の原材料もしくは構成成分を生産する、農家、コーヒー農家、または農家のグループ、またはコーヒー農家のグループなどの生産者に関連付ける、消費者モバイルソフトウェアアプリケーション。
【請求項108】
前記トレース可能な支払いが、前記ブロックチェーンによって取り扱われるかまたは処理される、請求項107に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項109】
前記トレース可能な支払いが、前記ブロックチェーン上の物理的商品として取り扱われるかまたは処理される、先行請求項107~108のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項110】
前記トレース可能な支払いが、双方向確認を可能にし、これにより例えば、消費者が、支払いをトレースして、その支払いが行われたことを前記生産者に確認でき、生産者が、支払いをトレースして、その支払いが受領されたことを前記消費者に確認できる、先行請求項107~109のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項111】
国境を越えて移動する前記トレース可能な支払いが、マネーロンダリングに対処している責任ある第三者に対して行うことができる、先行請求項107~110のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項112】
前記トレース可能な支払いが、トレース可能な相殺の対象となり、送金される正味金額を最小限に抑えることができる、先行請求項107~111のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項113】
前記アプリケーションが、消費者が、商品、またはパッケージされた商品を、例えば、前記商品またはそのパッケージ上のバーコードをスキャンすることによって選択することを可能にし、次いで、前記画面またはメニュー選択肢を自動的に前記エンドユーザに表示し、前記画面またはメニュー選択肢は、選択されると、前記消費者エンドユーザからのトレース可能な支払いを、前記商品または前記選択された商品の原材料もしくは構成成分を生産する、農家、コーヒー農家、農家のグループ、コーヒー農家のグループなどの生産者に関連付ける、先行請求項107~112のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項114】
前記アプリケーションが、前記エンドユーザが購入しようとしているか、または購入に興味があるか、または以前に購入したか、または前記エンドユーザが以前にインタラクションした生産者にリンクされている、農産物のリストにリンクされた持続可能性プロジェクトを表示するように構成され、前記トレース可能な支払いがどのように使用されたか、およびその影響を表示する、先行請求項107~113のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項115】
前記アプリケーションにより、消費者が、地理的位置、現在または将来の入手可能性、配送予定日、生産者デジタルID証明書、生産者信頼スコアなどの検索基準に基づいて、商品、またはパッケージされた商品を識別し、いま入手可能であるか、または将来の作物に対する事前資金調達として入手可能であるかにかかわらず、それらの商品を注文することができる、先行請求項107~114のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項116】
前記アプリケーションが、消費者が、商品、またはパッケージされた商品を識別し、それらの商品を前記生産者から直接購入することを可能にする、先行請求項107~115のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項117】
前記アプリケーションが、消費者定義のデフォルト/財務リターンプロファイルのリスクを満たすように選択された生産者を特定することを可能にし、前記消費者は、前記選択された生産者に関連付けられた前記消費者エンドユーザからのトレース可能な支払いを送信することによって、リスク/リターンプロファイルを満たす1つ以上の生産者に、直接的または間接的に投資することを可能にする、先行請求項107~116のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項118】
前記トレース可能な支払いが、検証可能性のためのスマート契約である、先行請求項107~117のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項119】
生産者が、前記アプリケーションに表示される独立した信頼スコアを有している、先行請求項107~118のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項120】
前記エンドユーザが、事前資金調達モデルを用いて前記生産者を設定し、特定の商品の生産を支援することができる、先行請求項107~119のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【請求項121】
各参加者に、ログインして、資金または商品に換算された資金の送受信を確認するように要求し、そのトレースに透明性を持たせることにより、プロジェクト所有者は、不正流用に必要な談合の量を増やし、そのような談合が発見された場合に、そのユーザの活動の永続的な記録が存在し、利用可能であることを確認する、先行請求項107~120のいずれか一項に記載のモバイルアプリケーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー、カカオ、茶、穀物、タバコ、および果物などの農産物のための、コンピュータ実装されたブロックチェーンベースのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
現在、コーヒーを飲む人々の消費量は年間5000億杯を上回り、調査対象となった19~24歳の消費者の3分の2が、持続可能な栽培がなされ責任を持って調達されたコーヒーを購入する方がよいと回答している。しかし、国際的な認証機関が進歩したにもかかわらず、コーヒー農家が生産物を市場に出すのに十分な生計を立てる必要性についての知識が依然として欠如している。また、農家は、最終消費者からますます離れており、自身のデータを制御できず、強力なグローバル競争に直面している。農家は、関連情報にアクセスできず、自身のデータを制御できず、自身のビジネスに投資できるように信用力を確立するのにかなりの困難を経験している。
【0003】
大規模でグローバルなサプライチェーンは、コーヒーのトレーサビリティを困難にする。コーヒー豆は、栽培されると、協同組合、輸出業者、出荷業者、輸入業者、焙煎業者、流通業者、小売業者を含むいくつかの場所で止まってから、最終的に消費者に届く。この複雑なシステムの各参加者は、ほとんどの場合、行程の小さなセグメントのみを追跡し、各々が自身の独自のシステムを使用してデータを記録する。これは、生産物に関する情報が断片的であることを意味する。小規模所有者の商品の取引は紙集約型および労働集約型であり、データの均質化、可視化、および分析を課題とする、マクロリスクおよびレガシーシステムに企業をさらしている。
【0004】
消費者は、新しく、安全で、責任を持って調達された生産物を提供するブランドに目を向け、若い世代は証明を求めている。近所のコーヒー店とコーヒーを栽培している農家との間の空白を埋めたいと考えている消費者には、現在のところソリューションがない。同様に、ブランド所有者には多くの場合、顧客との直接的なつながり/不可欠で検証可能なつながりが欠如している。
【0005】
これらの問題は、多くの世界的な農業市場で一般的であり、よって本発明は、コーヒーに限定されず、カカオ、茶、穀物、タバコ、果物などの多くの農産物に適用可能である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、添付の特許請求の範囲で定義される、農産物のためのコンピュータ実装のブロックチェーンベースのシステムである。主要な機能の統合リストは、付録2にある。本発明は、以下のセクションで詳細に説明されているFarmer Connect(商標)システムと呼ばれるシステムに実装されている。
【0007】
Farmer Connectシステムには、いくつかの利点がある。
1.即時の業務節約/効率性:労働集約型タスクまたは重複したタスクを除去することにより、バックオフィスおよびミドルオフィスのコストを削減する。典型的なコーヒー輸入業者にとって、この節約は30%となり得る。
2 サプライチェーン全体のデジタル化/統一化およびより良い管理:Farmer Connectオーバーレイにより、複数のITプラットフォームにわたるより良い制御、より良い監視および一貫性、ならびに(人為的ミスおよび/または詐欺に関する)重要なリスク要素の除去を可能にする。
3 信頼できる持続可能性レポートの発行を可能にすること:特に、これらのレポートが正しく、タイムリーかつ監査可能であることを要求する、最大のグローバルクライアントに関連している。規制当局にも関連している。
4.非スペシャルティコーヒーがプレミアムの要素を取り戻せるようにすること:農家と加盟業者が、コモディティ化されたコーヒーよりも、農家/加盟業者と最終的な最終消費者との間の直接的なつながりを可能にするデータ対応取引プラットフォームに基づいたプレミアム製品を多く販売できる権限を与えるようにする。
【0008】
図面は、Farmer Connect(商標)システムを示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】Farmer Connectエコシステム全体を示す概略図である。
図2】Farmerアプリケーションのホーム画面を示す。
図3】Thank My Farmerアプリの2つの画面を示す。
図4】テクノロジアーキテクチャ全体を示す。
図5】企業ブロックチェーン上に構築された一般的なモジュール構造を示す概略図である。
図6】信用格付けがどのように機能するであろうかを示す一例の図である。
図7A】Farmer Connectシステムおよび関連システムの全体的なアーキテクチャを示す。
図7B】Farmer Connectシステムおよび関連システムの全体的なアーキテクチャを示す。
図8】関連するコア機能要素の拡大図である。
図9】自己主権型アイデンティティ(SSI)システムを示す概略図である。
図10】マーケットプレイスシステムを示す。
図11】Thank My Farmerアプリケーションの概略図である。
図12】データダッシュボードの概略図である。
図13】AIの概略図である。
図14】考え得る将来のシナリオを示す。
図15】モバイルウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図16】モバイルウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図17】モバイルウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図18】モバイルウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図19】モバイルウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図20】モバイルウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図21】モバイルウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図22】クラウドウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図23】クラウドウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図24】クラウドウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図25】クラウドウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図26】クラウドウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図27】クラウドウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図28】クラウドウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図29】クラウドウォレットアプリケーションのスクリーンショットである。
図30】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図31】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図32】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図33】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図34】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図35】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図36】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図37】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図38】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図39】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図40】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図41】コミュニティビルダーアプリケーションのスクリーンショットである。
図42】農家と加盟業者との間に信頼できるつながりを作り出すためのFarmer Connectアプローチを以下に示す。
図43A】サプライチェーンの可視性の向上を通じて在庫レベルを予測するためのスキーマを示す。
図43B】サプライチェーンの可視性の向上を通じて在庫レベルを予測するためのスキーマを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
セクションA.Farmer Connect(商標)システムの概要
本セクションでは、Farmer Connectシステムの詳細を説明する。Farmer Connectシステムは、ブロックチェーン上に構築されたトレーサビリティプラットフォームであり、コーヒー、カカオ、茶、砂糖、穀物、果物のサプライチェーンなどの農業サプライチェーンのトレーサビリティ、効率性、公平性を向上させるように設計されている。Farmer Connectは、小規模農家をグローバル消費者に結びつける。これは、グローバルな農業市場向けのブロックチェーン対応プラットフォームである。Farmer Connectシステムでは、ブロックチェーン技術により、コーヒーサプライチェーンのすべての関係者が一緒に、情報の共有および制御、ならびに支払いを簡素化し、信頼を高めることができる。Farmer Connectシステムは、追加専用のデジタル化された取引のチェーンを作成する。各ネットワーク参加者は、データのコピーを有し、ブロックチェーンへの追加は、各参加者の許可レベルに基づいてネットワーク全体で共有される。Farmer Connectは、分散型台帳技術を使用する新しい形式のデジタルアイデンティティである、自己主権型アイデンティティソリューションを含んでいる。これにより、消費者に対して透明性およびより良い体験を提供しながら、小規模所有者の生計を向上させる循環型経済のループが閉じられる。
【0011】
農家、卸売業者、貿易業者、および小売業者は、このデータへの包括的でほぼリアルタイムのアクセスを使用してより効率的に対話することができ、消費者は、自身が消費する製品の起源についての新しいインサイトを得ることができる。
【0012】
近所のコーヒー店とコーヒーを栽培している農家との間の空白を埋めたいと考えている消費者には、今や以下のようなソリューションがある。Farmer Connectは、業界全体で使用できる標準化された方法でブロックチェーンから直接情報を引き出す、消費者向けのアプリケーション「Thank My Farmer」アプリを導入している。このアプリは、ユーザを、農家、貿易業者、焙煎業者およびブランドに結び付ける。情報はインタラクティブなマップ上に表示され、これにより各製品がシンプルかつスケーラブルな方法でストーリーを伝えることが可能となる。「Thank My Farmer」アプリはまた、コーヒーコミュニティにおける持続可能性プロジェクトを提示し、消費者にその支援をする機会をも提供する。「Thank My Farmer」アプリにより、コーヒーを飲む人々は、そのコーヒーの品質および原産地をトレースし、豆を栽培した農家を支援することさえ可能となる。その目的は、コーヒーを飲む各人と日々飲まれているコーヒーとの関係を、人間味のあるものにすることであり、今や消費者は、開発途上国のコーヒー農家を支援することによって、持続可能性ガバナンスにおいて積極的な役割を果たすことができる。ブロックチェーンおよびこの消費者向けアプリを通じて、Farmer Connectは好循環をもたらす。ユーザは、単一生産地のプレミアムコーヒーの様々なブランドのQRコードをスキャンすることが可能となり、コーヒーを飲む人々は、地域のプロジェクトに出資することによって、そのコーヒー豆が栽培されているコミュニティを支援することができる。
【0013】
Farmer Connectは、数多くのグローバル規模の農業市場において一般的である、根本的な現実的な課題を解決する。
【0014】
農家:農家は、最終消費者からますます離れており、自身のデータを制御できず、強力なグローバル競争に直面している。Farmer Connectアプリケーションは、農家が関連情報にアクセスすること、自身のデータを制御することを可能にし、かつ自身のビジネスに投資できるように信用力を証明するのに役立つ。これにより、新しい収益モデルも生まれる。
【0015】
サプライチェーン:小規模所有者の商品の取引は紙集約型および労働集約型であり、データの均質化、可視化、および分析を課題とする、マクロリスクおよびレガシーシステムに企業をさらしている。信頼できる公正なプラットフォーム上で業界をまとめることにより、サプライチェーンの可視化、効率化、およびマーケットプレイスモジュールは、コストを削減し、コーヒー価格を物理的な取引フローに合わせることができる。そしてこれにより、Farmer Connectの顧客に不可欠な意思決定ツールを与えることができる。
【0016】
ブランド所有者および消費者:消費者は、新しく、安全で、責任を持って調達された生産物を提供するブランドに目を向け、若い世代は証明を求めている。Farmer Connectは、製品の背後にあるストーリーを共有し、ブランドをすべての販売店で小売消費者とつなぎ、消費者がサプライチェーン持続可能性において発言権を有することを可能にするのに役立つ。これにより、迅速かつ的を絞ったリコール、製品の即時の差別化、および在庫管理のため到着するはるか前の出荷の可視性が可能になる。
【0017】
Farmer Connectエコシステム全体を示す概略図を、以下の図1に示す。
【0018】
ここでは、各要素についてより詳細に見ていく。
【0019】
Farmer IDアプリケーション
Farmer IDアプリケーションを使用することにより、農家は初めてデータを所有および管理できるようになる。行動証明書および取引証明書は、デバイスまたはクラウドに保存されている。取引は、ブロックチェーンにプッシュされる。収入の証明により農家は銀行取引可能となる。証明書の組み合わせにより、クレジットスコアまたは自動KYCが可能になる。同じ原則が、ビジネスアカウントまたは他のユーザにも適用できる。農家への支払い経路は、短期~中期が可能となる。図2は、Farmerアプリケーションのホーム画面を示す。
【0020】
Farmer Connectプラットフォーム
データのアップロードおよび検索は、安全で、文書ごとおよび組織ごとに許可されている。APIを使用することにより、レガシーシステムと完全に統合して、情報をプッシュまたはプルすることができる。AIと分析とを使用したダッシュボードは、在庫、サプライチェーンのマッピング、リスク管理、および外れ値に関する管理インサイトをもたらす。スマート契約および完全なマーケットプレイスは、特に大規模な場合は時間とコストを抜本的に削減する。
【0021】
Thank My Farmer(消費者向けアプリ)
コーヒーパッケージのリンクまたはQRコードにより、消費者は、最もメッセージを受け入れやすい時に、ブランドマーケティングによって制御される標準化された情報源を手にすることができる。ブロックチェーンとの統合は、トレース情報が自動的に更新されることを意味する。ブランド持続可能性プロジェクトは、それらのすべての製品に自動的に関連付けられている。GDPR準拠のユーザ行動分析が、集約されたベースラインを含むFarmer Connectクライアントに提供される。図3は、Thank My Farmerアプリの2つの画面を示す。
【0022】
Farmer Connectシステムは、責任ある調達を可能にする。認証は、「現場のブーツ(boots on the ground)」により消費者意識および検証を高めるという画期的な作業を行った。ただし、実際の問題がある。レポートは手動で、通常はExcelで行われるが、これには時間を要し、エラーを引き起こす可能性がある。農場ごとの多重認証を考慮すると、需要を満たすだけの供給がない。一部の農家は、認証なしでコーヒーを販売しなければならない一方で、認証の費用を負担している。認証の恩恵を受ける農家の選択は、任意であるため不平等につながる可能性がある。認証されていない持続可能な行動は必ずしも報われるとは限らない。厳格な管理要件は、不正行為の原因となったり手抜きを奨励したりするおそれがある。
【0023】
Farmer Connectシステムでは、農家関連のデータは農家によって制御されており、農家および消費者のデータは、多くの貿易業者、ブランド所有者、およびNGOにとって価値がある。多くのグループは、農家にサービスを提供し、消費者売り上げを増やしたいと考えている。Farmer Connectは、両方向のデータフローを仲介するように位置付けられている。
【0024】
今日、農産物の大部分は、アナログまたはセミデジタル(電話、電子メール、チャット)で取り引きされ、取引所(ICE、CBOT、BMFなど)でヘッジ取引されている。Farmer Connectは、スマート契約、トレーサビリティ、責任ある調達メトリクス、物流、および在庫を含むブロックチェーン対応の農産物の交換を提供する。
【0025】
Farmer Connect上にエコシステムを構築することで、他の起業家がプラットフォーム上でブロックチェーン上の支払いを追跡するなど、追加の「レイヤ」およびサービスを構築することができる。毎年数十億ドルが開発と援助に費やされているが、意図された受取人に実際にどの程度到達するかはほとんど明確ではなく、Farmer Connectは、これらの農業システムの基盤である小規模農家に直接お金を流すための、代替的な、高速で、信頼できる、かつ透明性のあるメカニズムを提供することができる。
【0026】
テクノロジアーキテクチャ全体を、以下の図4に示す。
【0027】
セクションB.企業ブロックチェーン&モジュールアプリケーションビルドアウトへのデータのプッシュ/プル
本セクションでは、Farmer Connectシステムが企業ブロックチェーン上でどのように構築されるかを見ていく。一般的なモジュール構造を示す概略図を、以下の図5に示す。
【0028】
企業ブロックチェーンからのデータのプル
Farmer Connectは、ブロックチェーンから消費者向けアプリケーションに直接情報をプルする消費者モジュールを開発した。「Thank My Farmer」と名付けられたこのアプリは、消費者が楽しんでいる製品の説明、および製品が歩んできた行程を示すインタラクティブなマップを提供する。最後に、製品は、ブランド所有者によって実施されている持続可能性プロジェクトとつながっているか、または消費者の選択に最も近い地理的近傍にある。次に、消費者は、これらのプロジェクトの学習、支援、支払い情報の追跡、および影響を測る権限を与えられる。
【0029】
企業ブロックチェーンへのデータのプッシュ
Farmerアプリケーションの作成に伴い、農園(農家)向けの自己主権型アイデンティティソリューションを利用して、デジタル取引証明書も作成される。この証明書は、農家によって販売され加工業者および貿易業者によって購入される、製品(例えば、コーヒー豆)の価格、数量、および場合によっては品質を把握するために使用される。農家は、デジタル証明書を受け取り、利用規約が正しいことも確認する。
【0030】
農家による取引証明書の確認は、Farmerアプリに格納されるが、トレーサビリティおよび透明性のデータキャプチャの最初のブロックを形成するために、購入者企業ブロックチェーンアカウントにもプッシュされる可能性がある。
【0031】
ブロックチェーントレースの始まりである農家データキャプチャを組み合わせ、消費者向けアプリケーションまで運ぶことにより、Farmer Connectは真にエンドツーエンドのデータキャプチャを提供している。ただし、そのデータは双方向に流れることができるので、製品の販売地点を取得し、そのデータを農家に転送して戻し、その農家の製品がどこで販売されているかを確認することも可能である。
【0032】
ブロックチェーンを使用して農家への直接支払いを促進する
Farmer Connectが提供するアプリケーション/デジタルIDソリューションを使用してSKUが農家に接続され、デジタルウォレットまたは銀行口座に接続されると、消費者またはブランド所有者が栽培者に直接支払いを行うことができる。支払いは、商品の支払い時に受け取った最初の証明書と同様の証明書によって、デジタルで検証される。これにより、支払いと支払いの受領との両方が取引の有効性を保証する一意のキーIDを使用して、両者をブロックチェーン上でキャプチャできる。
【0033】
デジタルアイデンティティおよび証明書を通じて信用スコア/信頼スコアを構築
Farmer Connectには、Hyperledger Indy/Ariesの上に構築された自己主権型アイデンティティソリューションを組み込んだ、Farmerアプリケーションが含まれている。史上初めて、農家が個人データを制御し始め、貿易パートナー、銀行、NGO、およびサービスを提供する他者と共有することを許可できることが想定されている。
【0034】
Farmer IDは、取引情報および行動情報の両方を格納する手段を提供する。
【0035】
取引証明書:
1.農産物をFarmer Connectエコシステムメンバ(承認者/検証者の役割)に販売する農家は、販売されている製品の数量、価格、場合によっては品質を示す、取引のデジタル証明書(各当事者によって検証される)を受け取る。これは単一商品に限定されず、複数の商品(コーヒー、バナナ、トウモロコシなど)にわたって検証することができる。
2.Farmer Connectエコシステムパートナーの活動によって提供される、コーヒーの摘み取りなどの、他の雇用を有する農家は、サービスのために支払われた金額のデジタル証明書を受け取り、確認することができる。
【0036】
販売された製品とサービスとの組み合わせは、農家の総収入をキャプチャすることを目的としている(ただし、農家のみに限定されない)。
【0037】
行動証明書:
1.農家は、生産コスト、農場の位置および規模、協同組合、社会基準、環境作業、現在有効または期限切れの認証情報、修了した訓練クラス、受賞歴などの未確認データを、自身のアイデンティティに追加できる。
2.さらに、Farmer Connectエコシステムの一部である第三者グループ(承認者または検証者の役割)は、農家による取得要求を検証するデジタル証明書を発行したり、農場(農家)IDの下に新たな情報を追加したりすることができる。この例としては、Rainforest Alliance/UTZ認証、Good Agriculture Practicesの訓練クラスのNGO修了証、業界団体からの環境スチュワードシップの認証、または地元の協同組合が受賞した賞などがある。
【0038】
証明書は、行動証明書と組み合わせて、農家用にカスタマイズされた信頼格付け/信用格付けを作成することができる。格付けを作成する各当事者は、検証する当事者(証明書発行者)である者をプレビューし、そのグループに重み付けを行うことができる。例えば、確立された評判の高いNGOは、個々のコーヒー購入者よりも高い加重スコアを保持するであろう。
【0039】
次に、Farmer Connect格付け(または独立した第三者)を使用して、銀行、起業家、およびNGOは、それに従ってリスクを管理する方法で農家(ここでも、農家に限定されない)にサービスを提供することが想定される。また、「責任ある」コーヒーの調達を証明したい大規模なブランドおよび小売業者は、Farmer Connectプラットフォームを使用して、最終的なSKUを、自分自身、Farmer Connect、または中立的な第三者によって発生され得る一定の格付け閾値を有する農家までトレースすることができると考えられている。
【0040】
以下の図6は、信用格付けがどのように機能するであろうかを示す一例の図である。
【0041】
セクションC:テクノロジアーキテクチャ
Farmer Connectシステムおよび関連システムの全体的なアーキテクチャが、以下の図7に示されている。
【0042】
これを、6つの主要な構成要素に分類することができる。
【0043】
1.サプライチェーン管理:Farmer Connectプラットフォーム
トレース可能なコーヒーは不可能ではないが、多くの手間がかかる。Farmer Connectプラットフォームは、(狭く深い)企業資金計画ソフトウェアと置き換えるためではなく、人とシステムとの間で(広く浅い)情報を伝達するように設計されている。Farmer Connectにより、道路横の農家および集荷業者から、モノのインターネット接続された抽出業者まで、各参加者は、自身の情報をトレースに追加できる。購入者は、サプライヤーと、コーヒー+データの契約を結ぶ。(許可されている場合)トレース参加者は、リアルタイムでアップロードされたデータを参照する。電子メールを送信したり電話をかけたりする必要はない。大規模/洗練された参加者の場合、データを直接ERPにかつERPから流すことができる。
【0044】
参加者は、特定のデータを匿名化してプラットフォームと共有することを選択できる(輸送時間など)。一元化されたデータにより、共有、性能分析、および予測分析が可能となる。それが他のすべてのモジュールの基礎である。
【0045】
実用アプリケーション:
スキャナを使用して、出荷前サンプルおよび到着サンプルのデジタルフィンガープリントがアップロードされ比較される。結果がX%以内の場合は、到着が自動的に承認され、スタッフに、不一致の結果を分析するための時間をより多く与えることができる。梱包業者は、3つの梱包工場で3つの異なる情報システムを使用し、クライアント/サプライヤーは自身の独自システムを使用する。ユーザが単一のシステムに切り替えるように支払ったり訓練したりするのではなく、各システムが、情報をFarmer ConnectプラットフォームにプッシュおよびFarmer Connectプラットフォームからプルする。
【0046】
輸送時間のベンチマークは、Colombiaでの製粉から北米への到着までの最短時間が40日であることを示している。39日間、焙煎業者は貿易業者に海上を補償範囲とすることを要求する。10日間、焙煎業者は貿易業者に現場を補償範囲とすることを要求する。小売業者には、テストリコールを実施することが要求される。製品のロット番号を入力し、1分未満にトレースする。
【0047】
関連するコア機能要素の拡大図を図8に示す。
【0048】
2.デジタルアイデンティティ
分散型識別子(DID)は、新しいタイプの識別子であり、これにより追加の仲介者、集中型インスタンス、または証明機関なしで、コントローラがその制御を証明することができる。これは、個人がデジタルアイデンティティの完全な所有権および制御権を回復する、自己主権型アイデンティティ(SSI)の概念の実装のための重要な実現要因である。
【0049】
SSI概念の一部に、ネットワークの1人以上の参加者によってユーザに発行される、検証可能な証明書(VC)がある。それらの証明書は、とりわけ、行動、資産、または取引を記述し、発行者のデジタル署名をすることができる。信頼できる当事者からの証明書は、「信頼スコア」に集約され、信頼性のいらないやり取り(取引相手を「知る」必要がない場合)およびゼロ知識証明(プログラムがデータを分析し、情報を公開せずにスコアまたはイエス/ノーを返す場合)の基礎となる。農家のためにそれを行うことができれば、企業および個人のためにどこでもそれを行うことができる。すべての構成要素の中で、SSIは農産物の内外を混乱させる可能性が最も高い。図9を参照のこと。
【0050】
実用的な用途:
●集荷場所のエージェントが、輸出業者に代わって農家からコーヒーチェリーを購入する。Farmer IDには、農家のウォレットおよび輸出業者のブロックチェーンに支払われた数量および価格が記録される。
●農家は、取引履歴(収入の証明)に基づいて融資を申し込む。
●投資家または銀行は、基準のリストに基づいて、10,000人の農家のグループに直接お金を融資する。
●貿易業者は貸借対照表を見ずに新たなクライアントのKYCを行う(このアルゴリズムは、重要な数字を信頼スコアに構築する)。
●焙煎業者は、信頼スコア要件および運用スコア要件を満たすサプライヤーから生豆を購入するために、ブラインドオークションを開催する。
●持続可能なスコア要件を満たす輸出業者は、より低い金利で貿易資金を受け取る。
●ユーザは、ターゲット化されたマーケティングでスコア要件のデータを使用することで収入を得る。スコア要件の情報はソーシャルメディア企業のサーバではなく、USBキーに保存されており、いつでもアクセスをブロックできる。
【0051】
3.マーケットプレイス
ICE取引所には500億ドルの価値がある。その価値のほとんどは、取引手数料を背景に生み出されている。ICE認定コーヒーの販売者および購入者の双方がFarmer Connectに参加している場合、コーヒーをトレースできない理由はない。
【0052】
Farmer Connectは、商品業界で広く採用され、生産者から直接均一価格購入に移行することで、企業の生産計画ソフトウェアに関連付けられたトレース可能なコーヒーへのアクセスを提供し、自己主権型アイデンティティソリューション(SSI)を通じて取引相手のリスク管理を可能にし、契約条件をブロックチェーンに永続的に格納し、スマート契約を通じて解決するというニッチを埋めることができる。図10を参照のこと。
【0053】
4.消費者の親密性:Thank My Farmerアプリケーション
ブロックチェーンと消費者向けアプリケーションとの組み合わせは、いくつかのレベルの説得により作用する。
希少性:より具体的にすることにより、各製品および各バッチの独自性および認識される価値が増加する。
社会的証明:プロジェクトの寄付および統計を通じて、消費者には彼らのピアによる参加を示すものが与えられる。
一貫性:ブランド/製品プロジェクトに貢献する消費者は、非財務的な理由により、再びブランドに忠実であり続ける可能性が高くなる。
嗜好:ブランドは、消費者がそのブランドの情報を検索し、他の善意のブランドに関連付けられている状況で、自身の善行を伝える。さらに、人々は自身と似たようなものを好み、消費者基盤とのコミュニケーションを調整することにより、ブランドがより好まれるようになる。
権限:サプライチェーン全体から分散された情報のソースとして、Thank My Farmerは、Wikipediaのように、信頼できる情報ソース(ブランドによる製品およびブランドページに配置されたマーケティングを含む)になる。
互恵性:情報を提供することにより、ブランドは引き換えに情報を提供するよう消費者に奨励する。
【0054】
SSIとThank My Farmerとを組み合わせることにより、消費者プロファイルは、購入履歴、製品の推薦、および「消費者の条件に基づく」ダイレクトマーケティングを可能にするプライバシーに完全に配慮して格納することができ、それらを受け入れやすくすると同時に、コミュニケーションおよびマーケティング戦略を推進するための匿名化された行動データの収集を最大化する。図11を参照のこと。
【0055】
5.データダッシュボード
Farmer Connectは、単なるブロックチェーンの先駆けではない。ブロックチェーンには役割があるが、スケール、統合、および分析がなければ、ブロックチェーンは利益よりも害をもたらす。「ダッシュボード」は、ANYブロックチェーン(Komgo(商標)、Covantis/ABCD(商標)など)、その他のデータサービス(Cargoo(商標)、Tradelens(商標)、Libra(商標)など)からのデータをまとめて、データのさらなる組み合わせおよび分析を可能にする。さらに、柔軟なデータダッシュボードの開発は、Farmer Connectが任意の1つのシステムに依存していないことを意味する。データダッシュボードは、最低でも、需要予測、ヘッジ、契約、到着予定時間、在庫管理、品質承認、スマート契約、および交換の進歩を可能にする。図12を参照のこと。
【0056】
6.AI
組織独自のデータおよび業界からのベンチマークデータをまとめると、次の工程は、そのデータの分析を自動化することになる。最初の工程として、機械学習を使用して、平均収穫高よりも低い異常値である生産施設、平均重量損失よりも高い倉庫および港、平均輸送時間よりも長いルートを特定し、ユーザに注意を喚起する。クリーンアップされタグ付けされたデータの可用性、およびサプライチェーン関係者による決定の記録が増加するにつれて、AI主導の意思決定が、情報の自動要求、データ主導の調達、およびクエリへの自動応答を可能にする。適切に訓練されたAIに支えられた1人の人間が、専門知識を少なくして、より大きな領域でより多くのことを達成できるというのが本質である。図13を参照のこと。
【0057】
考え得る将来
図14は、将来の考え得るシナリオを示す。
【0058】
消費者の感情的な体験から始まり、「消費者ID」を使用して消費者の嗜好を記録する。これは、(ソーシャルメディアの収集のような)推測される情報、および(ユーザが旅行が好きだと言っているような)意図的な情報を取り込み、安全かつ消費者の制御下にあるプロファイルにそれらを組み合わせるという問題である。それに加えて、ある人のX年間の、潜在的に生涯分の購入履歴全体である。
【0059】
その消費者IDは、アルゴリズム、仮想アシスタント、または人工知能にフィードし、それらは将来消費されると予想されるものに基づいて、その消費者の「需要」プロファイルを作成する。それは彼らがいつも食べたり、飲んだり、着たりするものなどが80%だが、(変化に対する耐性/欲求に基づいて)類似しているが斬新さを提供するのに十分異なる、いくつかの新製品でもある。その情報は、その消費者のプールにローカルな(または少なくとも十分にローカルな)製造業者の需要計画ソフトウェアにフィードされ、統合される。
【0060】
ビジネスIDを使用して、サプライヤーが生産計画の信頼性、品質、および環境要件/社会要件/ガバナンス要件に適合するかどうかを判断し、原材料は可能な限り上流から契約される。生産者は、時には6、12、24か月以上前に予約されることもあるこれらの契約を使用して、農場をより良く運営するための資金を調達し、使用する肥料、農薬、および水をより少なくするスマートフィールドサブスクリプション、ならびにコストおよび環境への影響を削減しながら収穫高および収益性を向上させるためのその他の支援を得る。独立したアグロノミストは、監査(および証明書の発行)を行うこと、ならびに調達された量、発行された融資、販売された肥料などに基づいて手数料を受け取ることの両方の権限を与えられている。仲買人は農産物を取りに行くたびに、農家が必要とするもの(Farmer IDによって決定される)を満載するトラックで出かける。
【0061】
マーケットプレイスは、商品の真の需給に基づいて一種のランニングバランスを生み出し、需要が強い状態では価格を上げて調整し、代替製品を推奨し、供給が増えると価格を押し下げて戻す。生産は、農家/採掘者/アグロノミスト/監査人からの頻繁な更新により2年以上前に計画すべきであり、実際の契約の予約は、製造業者のアルゴリズム的決定または人間主導決定の誘発によって行われ、価格を固定し、生産者に所得保障を与える。
【0062】
製造業者はまた、マーケットプレイスを使用して、現在物流会社または貿易業者の役割を担っている人々から他のサービスを調達する。これには、天候、市場、取引相手、および他の運用上のリスクを軽減し、適切な場所および時間通りに商品を配達することが含まれる。発明者らは、貿易業者には彼らがお金を稼ぐ分野(投機およびリスク管理)に焦点を合わせるよう奨励し、生産および調達はそれを最も重要視する人々(農家および製造業者)に任せるであろう。ビジネスIDの過去のパフォーマンス記録は、オークションプロセス中に記録が悪くなった安価な企業に同等にランク付けできるようにすることにより、トップパフォーマー(いつも時間どおりに配達する人々など)に報酬を与えるであろう。より長いビジネス記録は本質的により信頼できるため、これはダミー会社を折りたたんで新しい会社を再開して財務義務を逃れる慣行を終わらせることになるが、むしろ、確立された会社を買い取り、そのデジタル追跡記録を取得するために問題を解決することに価値があるであろう。
【0063】
これらの出荷はすべて同じシステム上にあり、貨物予約ソフトウェアおよび出荷ラインの計画などのシステムと統合されているため、港で立ち往生することによって発生する品質の損失に基づいた価値共有と引き換えに、より腐りやすい商品を優先して金属の出荷を遅らせるなどの操作を可能にすることができる。
【0064】
プロの製造業者が所有し、最大限の自動化で運営されている工場に到着すると、原材料は、消費者の品質仕様またはブランドが開発した専門の製法に基づいて処理される。これらの製法は、ブロックチェーンおよびビジネスIDソリューションの両方を可能にする、同じ暗号化および許可を通じて安全に保たれ、ブランドは使用に基づいてその生産物のロイヤリティを受け取る。これは、ブランドが、マーケティング、消費者とのインタラクション、および最も競争力のある製法を開発するための研究開発に真に焦点を当てていることを意味する。
【0065】
次いで、製品は、消費者に配布され、消費者が受け取った商品の楽しみを評価し、それが新たなまたは調整された需要を生み出す新しいフィードバックサイクルを開始する。
【0066】
付属書類1
この付属書類1では、Farmer Connect製品のより詳細な説明を行う。
【0067】
製品概要
Farmer IDは、農家が、取引先の加盟業者から送られてくる支払い領収書および農場のデジタル文書(例えば、ライセンス)を管理するのに役立つ。Farmer IDは、加盟業者が農家に送る証明書を作成、発行、および管理するのにも役立つ。
【0068】
農家のためのウォレット
現在、農家はこれらの書類(支払い領収書、農場文書、他の証明書)を、整理および検証するのが困難な紙の証明書で管理している。Farmer IDは、これらの証明書を安全に受け取って格納することのできる、デジタルウォレットを農家に提供する。農家は、自身のデジタルウォレットを使用して、これらの文書の有効性を他人に証明することができる。農家がスマートフォンを有している場合、ウォレットとして使用するモバイルアプリをダウンロードできる。農家がスマートフォンを有していない場合は、SMSテキストを使用してクラウドホスト型ウォレットを管理できる。これらの農家は、認証コードを用いてクラウドホスト型ウォレットにログインして、自身の証明書を表示および削除できる。これらの農家は、SMSテキストを介して、提供された証明書または検証要求に応答することができる。
【0069】
加盟業者/ウォッシングステーション管理者用ダッシュボード
Farmer IDは、加盟業者が、農家に送られる領収書およびデジタル文書を作成、発行、および検証するのに役立つ。これらの領収書および書類は、手帳に紙で記録されることが多く、整理および検証するのが困難である。ほとんどの加盟業者はウォッシングステーションを運営しており、コンピュータを備えたオフィスを有している。加盟業者は、コミュニティビルダーと呼ばれるwebダッシュボードを使用して、農家がウォッシングステーションに来たときに、領収書および支払書を作成し、農家に送ることができる。加盟業者はまた、農家に送信した取引、書類、およびライセンスの履歴を表示することもできる。加盟業者は、以前に農家に送った農家ライセンスを取り消すことができる。加盟業者は、ビジネスを停止すると、農家とのつながりを削除できる。
【0070】
証明書のタイプ
Farmer IDウォレットは、農家がすべてのデジタル検証可能な証明書を安全に格納するための場所を提供する。現在農家のウォレットに発行できる証明書のタイプは、以下のとおりである。
身分証明書
取引領収書
支払い領収書
農場情報文書
アグロノミー(農場)書類
アグロノミー(土壌および肥料)書類
【0071】
これらの証明書には、農家およびその(公開)プロファイルを介してアクセスを許可された人のみがアクセスできる。農家の個人情報は、それら農家のウォレットから入手したものである場合にのみ、正当なものとして検証され得る。農家がウォレットを受け取れる方法には、スマートフォンのモバイルウォレット、またはSMSによって管理されるクラウドウォレットの2通りがある。
【0072】
モバイルウォレット
農家がスマートフォンを有している場合、iOSまたはAndroidアプリストアでモバイルウォレットをダウンロードして自身の携帯電話で使用できる。農家の情報はすべて彼らの携帯電話に保存される
【0073】
モバイルウォレット:設計
スクリーンショットを図15図21に示す。
【0074】
モバイルウォレット:機能
モバイルウォレット:農家がオンボードする方法:コミュニティビルダーで:農家は、識別情報および彼らのスマートフォンの有効な電話番号をウォッシングステーション管理者に渡し、その後、フォームに記入して招待SMSを送信する。農家は電話で招待SMSを受信する。
「Farmer Connectに招待されました。リンク(リンク)をクリックしてアプリで開きます」
【0075】
農家は、App(またはGoogle Play)Storeからアプリをダウンロードする。SMSのリンクがアプリを開き、農家は登録プロセス(言語の選択、プッシュ通知設定など)を開始できる。設定プロセスが完了すると、アイデンティティ証明書提示が農家に送信され、承諾されると、アイデンティティ証明書が発行される。
【0076】
モバイルウォレット:取引および支払い領収書を受信する方法。ウォッシングステーション管理者は、コミュニティビルダーで取引/支払いを開始する。Farmer IDアプリでプッシュ通知を受信する。取引および支払い領収書は、農家の確認後にウォレット宛てに発行される。
【0077】
モバイルウォレット:農場およびアグロノミー書類を受け取る方法。ウォッシングステーション管理者は、コミュニティビルダーで証明書の発行を開始する。Farmer IDアプリでプッシュ通知を受信する。証明書は、農家の確認後にウォレット宛てに発行される。
【0078】
クラウドウォレット
スマートフォンを有していない農家には、証明書を格納するためのクラウドウォレットが与えられる。農家は、webインターフェースを介してこれらの証明書を管理できる。
【0079】
クラウドウォレット:設計
スクリーンショットを図22図29に示す。
【0080】
クラウドウォレット:機能
クラウドウォレット:農家がオンボードする方法。コミュニティビルダーで:農家は、識別情報および彼らのスマートフォンの有効な電話番号をウォッシングステーション管理者に渡し、その後、フォームに記入して招待SMSを送信する。有効な電話番号が入力されるとすぐに、農家は電話で招待SMSを受信する。「(組織名)でFarmer IDアカウントを取得要求するように招待されています。(コード)を共有して取得要求してください。」コードが共有され、アカウントが成功裏に取得要求されると、農家は、www.farmerid.comからログインしてウォレットを表示できる。
【0081】
クラウドウォレット:取引および支払い領収書を受信する方法。取引は自動的にウォレットに発行され、確認が必要な場合、農家は、ウォッシングステーション管理者に示す必要があるコードを含むSMSを受信する。取引および支払いは、取引タブで表示することができる。
【0082】
クラウドウォレット:農場およびアグロノミー書類を受け取る方法。農場ライセンスは自動的にウォレットに発行され、確認は必須ではない。農場ライセンスは、証明書タブで表示することができる。
【0083】
携帯電話が紛失した場合、または番号が変更された場合はどうなるか?いかなる(加盟業者)組織でも、support@farmerconnect.comに要求を送信して、農家の電話番号を更新することができ、農家の全世帯が最新の番号に更新される。オフラインの認証プロセスを使用して、加盟業者ダッシュボードにリストされている農家のアイデンティティ証明書を比較し、同一の農家であることを確認する。要求が記載された電子メールがFarmer Connectに送信され、Farmer Connectは、変更について通知するために旧電話番号にSMSを送信し、1週間以内に返信がない場合、電話番号は変更され、変更が記録される。農家は、クラウドウォレットを介して独自に世帯の電話番号を変更することもできる。
【0084】
コミュニティビルダー
コミュニティビルダーは、加盟業者、特にウォッシングステーション管理者が農家のコミュニティを構築および管理できるようにするダッシュボードである。
【0085】
コミュニティビルダー:設計
スクリーンショットを図30図41に示す。
【0086】
コミュニティビルダー:機能
コミュニティビルダー:(加盟業者)組織がオンボードする方法。パートナーのオンボーディングは、加盟業者組織をFarmer Connectプラットフォームに登録することから始まる。その後、加盟業者組織はそれぞれのユーザをFCプラットフォームに登録する必要がある。第2の工程では、関連する製品、施設、および通貨をFCプラットフォームに登録する必要がある。これらのアイテムは、自動的にコミュニティビルダーで使用できるようになる。
【0087】
コミュニティビルダー:農家がオンボードする方法。ウォッシングステーション管理者が「農家を招待」をクリックし、姓名を入力した後、最も重要な選択となるのは電話のタイプである(これがウォレットのタイプおよびその後の大部分のフローを決定する)。
【0088】
コミュニティビルダー:スマートフォン。農家の電話番号は必須である。ウォッシングステーション管理者は、農家の電話番号を入力し、残りのアイデンティティ証明書データフィールドを完了する。ウォッシングステーション管理者が「登録」をクリックする。ステータスが「農家がアカウントを確認するのを待機中」に変わり、農家はSMSを受信し、ウォレットを設定する。農家はアイデンティティ証明書を承諾する。ステータスが「接続済み」に変更される。
【0089】
コミュニティビルダー:折り畳み式携帯電話:農家の電話番号は任意である。
【0090】
コミュニティビルダー:折り畳み式携帯電話:電話番号あり:ウォッシングステーション管理者は、電話番号を入力し、残りのアイデンティティ証明書データフィールドを完了する。ウォッシングステーション管理者が「登録」をクリックする。クラウドウォレットが作成され、アイデンティティが発行される。「農家」タブに戻ると、農家のステータスが「確認」に変わる。農家タブでは、ウォッシングステーション管理者は、「確認」(農家の電話番号の隣)をクリックできる。これにより、バックエンドのSMSがトリガされ、農家コードの入力フィールドが開く。農家は、招待テキストおよびコードが記載されたSMS、「(組織名)でFarmer IDアカウントを取得要求するように招待されています。(コード)を共有して取得要求してください。」を受信する。農家は、ウォッシングステーション管理者にコードを示し、ウォッシングステーション管理者はフィールドにコードを入力し、バックエンドに格納されているコードと一致した場合は、ステータスが「接続済み」に変わる。「Farmer IDへようこそ。これで、(リンク)経由でクラウドウォレットにアクセスできるようになりました。」という確認テキストが記載されたSMSが農家に送信される。
【0091】
コミュニティビルダー:折り畳み式携帯電話:電話番号なし。ウォッシングステーション管理者は、電話番号フィールドを空白のままにするが、残りのアイデンティティ証明書データフィールドを完了する。ウォッシングステーション管理者が「登録」をクリックする。クラウドウォレットが作成され、アイデンティティ証明書が発行される。「農家」タブに戻ると、農家のステータスが「取得要求」に変わる。時間が経過する。折り畳み式携帯電話の農家がアカウントを取得したい場合は、ウォッシングステーションを訪問する必要がある。ウォッシングステーション管理者は、「取得要求」(「農家」タブ、電話番号欄)をクリックすると、オーバーレイが開く。オーバーレイでは、ウォッシングステーション管理者が農家の電話番号を入力し、「コードを送信」(農家の電話番号の隣)をクリックすることができ、これによりバックエンドでSMSがトリガされる。農家は、招待テキストおよびコードを含むSMS、「(組織名)でFarmer IDアカウントを取得要求するように招待されています。(コード)を共有して取得要求してください。」を受信する。農家は、ウォッシングステーション管理者にコードを示す。ウォッシングステーション管理者がフィールドにコードを入力し、コードがバックエンドに格納されているものと一致した場合は、ステータスが「接続済み」に変わる。「Farmer IDへようこそ。これで、(リンク)経由でクラウドウォレットにアクセスできるようになりました。」という確認テキストが記載されたSMSが農家に送信される。
【0092】
コミュニティビルダー:取引および支払い方法。ウォッシングステーション管理者は、「取引」をクリックして取引/支払いプロセスを開始し、取引の詳細を入力する。
【0093】
スマートフォン:取引/支払い要求が農家に送信される。農家は電話でプッシュ通知を受信する。承諾/却下後、証明書がウォレットに発行され、プラットフォーム書類がアップロードされる。確認済みペイロードは、(農家の回答に応じて)TRUE/FALSEでアップロードされている。
【0094】
折り畳み式携帯電話。ウォッシングステーション管理者が取引/支払いの詳細を入力し、その詳細を確認する必要があるかどうかを選択する。「送信する」をクリック後、確認済みペイロードを除くすべてのプラットフォーム書類がアップロードされる。「農家確認を要求」が選択されている場合:ウォッシングステーション管理者は「取引」に移動し、それぞれの取引を見つけて「確認」をクリックし、確認要求のSMS(コードを含む)が農家に送信される。農家は、取引詳細およびコードを含むSMS、「(組織名)との取引:(量)(単位)の(製品)を(価格)(通貨)で購入。(コード)を共有して確認してください。」を受信する。または、「(組織名)からの支払い(通貨)(価格)。(コード)を共有して確認してください。」を受信する。農家はウォッシングステーション管理者にコードを示し、ウォッシングステーション管理者が「確認」ボタンをクリックすると、コードが確認される。証明書が発行され、確認済みペイロードは値TRUE(または「農家確認を要求」が選択されなかった場合はFALSE)でアップロードされる。
【0095】
農場およびアグロノミー書類を発行する方法:
スマートフォン:要求に対するプッシュ通知ありの通常のフロー。
折り畳み式携帯電話:ウォッシングステーション管理者は、「発行する」をクリックして証明書発行プロセスを開始し、証明書の詳細を入力する。証明書は、農家の確認なしにウォレットに直接発行される。アカウントのステータスが「接続済み」である場合、農家はメッセージ付きのSMSを受信する。「(組織名)が新しい証明書を発行しました。(リンク)経由でログインして表示してください。」
【0096】
パートナーAPI
パートナーAPI:概要
コミュニティビルダーダッシュボードを使用したくないが、自身の独自アプリケーションでFarmer ID機能を有効にしたい組織は、代わりにパートナーAPIを使用してこれを行うことができる。この場合、ほぼすべての(農家)データはパートナーシステムに格納され、Farmer Connectは、主に農家のつながりと電話番号とに関する情報を格納する。
【0097】
パートナーAPIのオンボーディング:パートナーのオンボーディングは、パートナー組織をFarmer Connectプラットフォームに登録することから始まる。パートナー組織は次に、プラットフォーム上にサービスIDを登録する必要がある。このようなサービスを登録する場合、パートナー組織には、後でパートナーAPIを介して使用するサービスAPIキーが提供される。パートナー組織は、それぞれのユーザをFCプラットフォームに登録する必要がある。第2の工程では、関連する製品、施設、および通貨をFCプラットフォームに登録する必要がある。これらのアイテムは、自動的にパートナーAPIで使用できるようになる。
【0098】
パートナーAPIの一般的な行動。パートナーAPI側では、開始プロセスの一部として、パートナーは、証明書の発行プロセスの結果をパートナーに通知するために後で使用されるwebhookを定義する必要があり、パートナーAPIは、そのためのエンドポイントを提供する。すべての異なる証明書には、固有のエンドポイントがある。すべてのエンドポイント、すなわち行われたアクションは、エントリに応じて200または400のステータスコードを返す。農家のオンボーディングのみが、農家を識別する識別子、すなわち接続識別子を返す。この識別子は、後に、特定の農家に代わって行われたすべてのアクションで使用される。行われたすべてのアクション、すなわち証明書が発行されたパートナーは、行われたアクションをマークする自身の独自識別子(文字列)を含む追加のプロパティを送信する。この識別子は、後に、アクションのステータスをシグナルするためにパートナー側でトリガされるwebhookを介した、応答の一部として使用される。証明書の発行プロセスは、webhook呼び出し(call)で終了する。webhook呼び出しは、アクションを識別するパートナー識別子と、アクションのステータスを記述するメッセージタイプ(プロセス中にwebhook通知を送信することを決定した場合は終了時だけではなく)と、発行された証明書IDで構成されるディクショナリとから構成される。証明書IDは、後で証明書を取り消すために使用することができる。パートナーAPIは、信用付与を取り消すためのエンドポイントを提供する。折り畳み式携帯電話ユーザの場合、取引および支払い領収書のみが農家の承認を必要とする。その他の証明書はすべて自動的に発行される。
【0099】
パートナーAPI機能
パートナーAPI:認証する方法。エンドポイントが提供され、エンドポイントは、要求内のサービスAPIキー(サービスアカウントの作成時にIBMによって提供される)および組織IDを承諾し、応答でIBM JWTトークンを返す。JWTトークンは、認可ヘッダ内のパートナーAPIへのすべての呼び出しにおいて期待される。
【0100】
パートナーAPI:農家がオンボードする方法。パートナーAPIは、農家をオンボードするためのエンドポイントを提供する。証明書に必要な情報とは別に、パートナーはアクションにラベルを付ける識別子(文字列)を送信する必要がある。この識別子は、webhook呼び出し内のパートナーAPIによって、アクションの結果と共にパートナーに返される(アイデンティティ証明書は取り消すことができないため、証明書アイデンティティは応答の一部にはならない)。農家のオンボードプロセスを呼び出すと、即時要求/応答の交換の一部として、接続識別子がパートナーに返される。この接続識別子は、双方のシステムで農家を結合するものである。この識別子(ガイド)は次いで、特定の農家の証明書発行アクションごとにその一部として送信される。
【0101】
パートナーAPI取引および支払い方法。パートナーAPIは、取引ごとに2つのエンドポイントを提供し、1つは取引、1つは支払いのためのものである。双方とも、証明書情報とは別に、パートナー識別子(すなわち、アクション識別子)および接続識別子(すなわち、パートナーAPIによって発行された、農家識別子を期待する。プロセスの最後に、webhookがトリガされる。取引証明書は取り消すことができないため、webhookのディクショナリは、証明書IDではなく取引ごとのIBM関連情報で構成される。
【0102】
パートナーAPI農場およびアグロノミー書類を発行する方法。農場、アグロノミー、および土壌の証明書は、他の証明書と同様に発行される。パートナー識別子および接続識別子は、証明書データとは別に、要求内で期待される。証明書IDは、パートナーが後でそれらを取り消すことができるように、webhookを介してパートナーに返される。
【0103】
同意管理
同意管理は、農家が、その農家についてオンラインで共有されている情報を制御するのに役立つ。これは、組織が農家に関する個人情報を受け取り、その農家が、その情報が共有されることに明示的に同意したことを知るのに役立つ。これにより、例えば、Thank My Farmerアプリは、その農家の個人情報で一杯となったデータベースを維持する必要なく、その農家の個人情報をアプリに表示することができる。さらに、農家は、検証可能な証明書を自身の携帯電話からすぐに世界に示すことができるプラットフォームを有することもできる。
【0104】
同意管理:概要。主な使用事例は、企業/ビジネスの文脈において(例えば、企業が持続可能に調達されたコーヒーを購入しているか、またはThank My Farmerのブランドを介して購入していることを示す必要がある場合の持続可能性レポート)である。ウォレットホルダーは、共有する証明書を指定し、それに同意することができる。
【0105】
農家として:私は、証明書を公開することの意味を理解しており、特定の証明書および属性を公開共有することを明示でき、これらの公開された証明書を、自分のウォレットのプロファイル表示で整理および管理でき、自分の(アイデンティティ)証明書に格納されている個人情報をプロフィールに入力でき、世界に見てもらいたい証明書を自分のプロファイルに追加することができる。
【0106】
同意管理:プロファイル管理。証明書からプロファイルに、同意された属性を追加する方法。必須:農家は、ウォレットに少なくとも1つのアイデンティティまたは農場証明書を有していること。農家がプロファイルを更新したいときは、ウォレット内のアイデンティティおよび農場証明書のリストから証明書を選択できること。農家が証明書を選択した場合は次に、その農家のプロファイルに追加したい証明書の属性を選択できること。証明書をプロファイルに保存したいときは次に、ボタンをクリックして同意し、それらの属性を自身のプロファイルに保存できること。
【0107】
同意管理:プロファイルを表示する方法。農家がウォレットを開くと、自身のプロファイルページへのナビゲーションアイテムを表示することができる。農家がプロファイルページを表示すると、その農家が共有することに同意した個人情報および証明書を見ることができる。農家がプロファイルで証明書をタップすると、その農家が共有することに同意したその証明書の属性のサブセットを表示することができる
【0108】
農家のURNサービス。認証:パートナーAPIの認証と同じである。URNを解決する方法:APIにGET要求を送信して、そのFarmer URNに関する公開情報の構造化されたjsonを取得する。証明を使用して、ユーザは組織全体の情報をブラインディングし、各URNごとに公開したい情報を示す。
【0109】
付属書類2
この付属書類2では、6つの機能をリストしており、各機能にはいくつかの任意選択機能がある。6つの機能は以下のとおりである。
機能1.総合的なFarmer Connect「接続されたエコシステム」
機能2:サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームの上にある分析レイヤ
機能3:持続可能性レポート能力を備えたブロックチェーンベースのプラットフォーム
機能4:サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォーム内で、農家に自身の独自アイデンティティの制御権を与える一意のfarmer IDを提供する、モバイルアプリケーション
機能5.最終製品を農家につなげるすべての取引に対する消費者の可視性およびトレース能力を提供する、消費者向けアプリ
機能6:消費者に、農家への寄付および支払いを行い追跡する能力を提供する、消費者向けアプリ。
【0110】
これらの6つの機能のうちのいずれかは、他の機能のうちの1つ以上、および任意選択の機能のうちのいずれかと組み合わせることができることに留意されたい。任意選択の機能のうちのいずれかは、他の任意の機能のうちの1つ以上と組み合わせることができる。
【0111】
機能1.総合的なFarmer Connect「接続されたエコシステム」
Farmer Connectシステムは、デバイス上またはクラウド内のいずれかに格納されているデジタル証明書と共にモバイルデバイスを使用して、物理的な商品生産のレベルでトレースを開始する、(最低でも)二重の確認を備えたエンドツーエンドの農業エコシステムである。
【0112】
物理的な商品、デジタル証明書への参照、および(物理的な商品であるかのようにトレースされる)通貨の交換は、同じ契約参照内で追跡される。各製品の換算の収穫高は、物理的であるかデジタルであるかにかかわらず計算され、格納される。ユーザは、参照コード、製品、位置を使用してチェーンをトレースし、取引相手、デジタル証明書、施設証明書、日付範囲、参照からの工程数、または施設/製品のタイプによって返された結果を、制限するかまたは絞り込むことができる。この情報は、他のシステムで使うためのAPIを介して利用可能であり、2つの有機システム、すなわち、人工知能と統合された企業ダッシュボードであって、トレース上のボリュームおよび収穫高(または他の変数)を分析して、異常値を識別し、視覚的に強調表示する、企業ダッシュボードと、消費者向けアプリケーションまたはウェブページであって、製品の説明、インタラクティブなマップ、ならびにクラウドファンディングプロジェクト、ウィキ、およびソーシャルメディアコンテンツなどのインタラクティブコンテンツを使用して、契約ベースで企業顧客に提供される完全な分析で消費者を魅了する、消費者向けアプリケーションまたはウェブページと、にフィードする。
【0113】
プラットフォーム請求:ある会社がFCと契約を結び、システム管理者にブロックチェーンアカウントが与えられる。システム管理者は、他のユーザを、システム管理者、読み取り/書き込み、書き込みのみ、または読み取りのみとしてサインアップし、暗号化されていないFCのデータへのアクセスを除外できる。FCは、所有者の法的な代表者の要求により、会社のシステムへのアクセスを回復することができる。保有体制内の複数の法人は、自身の独自アカウントを有することができ、それらは外部からアカウントに持ち込まれた計量単位で請求されるか、単一の請求書でアカウント内に作成され、それらのアカウント間の取引はホワイトリストを通じて請求から除外される。請求可能なエントリは、独自の内部売掛金プロセスに責任を負い、FCに他社の支払いの保証を提供する。
【0114】
否認防止:ブロックチェーンの参加者は、2人の参加者間の所有権の変更を反映する取引であって、自身のそれぞれのアカウント、両方の当事者によって署名されたデジタル証明書、またはその趣旨のスマート契約でアップロードもしくは参照される、取引が、会社の取締役によって関与および承認されたユーザによって署名された書面による商業協定の証拠であり、したがって現地の法律または仲裁の観点から拘束力がある、という協定に署名する。参加者は、2人の参加者間で紛争が発生した場合は、Farmer Connectが、既存の暗号化データと申し立てられた暗号化データとの比較を通じて、そのような取引が証明されたかどうかを検証し、参加者に暗号化されていないデータへのアクセス権限を許諾することなく、法務当局または仲裁当局に、そのような証拠を提供することに、同意するものとする。申し立てられた検証されるべき正確なコンテンツを提供することは、告発者の責任である。口頭または書面による協定の証拠を伴うことなく、取引に関する許可を上書きまたは取り消したと判断されたユーザもしくは組織は、使用条件に違反した場合、Farmer Connectからの他の罰則または責任に直面する可能性がある。
【0115】
発明者らは、農家がモバイルアプリを介してサプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォーム内で商品の購入を直接確認するシステムを概括することができる。より具体的には、次のようなものがある。
【0116】
コンピュータ実装されたブロックチェーンベースのシステムであって、生産者(例えば、農家もしくは農家のグループ、またはコーヒー農家もしくはタバコ農家もしくは他の作物などの小規模所有者)に関連付けられた取引が、ブロックチェーンベースのシステム上でキャプチャされ、その生産者のデジタルIDに関連付けられることを可能にする、農産物のための、
かつブロックチェーンベースのシステム上で、その生産者からの商品を取り扱うかまたは処理する際に1つ以上のエンティティによって行われた、取引のための、かつ消費者が、このブロックチェーンベースのシステムを使用して、これらの取引のうちの1つ以上を閲覧または検証することもしくはその生産者からの商品をトレースすることを可能にする、消費者のための、システム。
【0117】
任意選択の機能:
●別個のエンティティの各々には個別に許可レベルが設定されている
●ブロックチェーンはプライベートである
●ブロックチェーンベースのシステムにより、複数のトレースを並行して行う、または同時に行う、または統合して行うことを可能にする
●ブロックチェーンベースのシステムは、1つ以上のトレースまたは他の分析の結果を、マップ(例えば、場所の物理マップ、またはプロセスの論理マップなど)にオーバーレイすることを可能にする。
●消費者は、アプリケーションを介して、生産者に対して、または生産者のために、金銭の支払いを行うことができる。
●金銭の支払いは、その生産者から商品を取り扱ったり加工したりするエンティティを迂回する
●金銭の支払いは、ブロックチェーンベースのシステムによって物理的アイテムであるかのように処理される。
●物理的な商品、デジタル証明書への参照、および物理的な商品であるかのようにトレースされる通貨の交換は、同じ契約参照内で追跡される
●金銭の支払いは、消費者によってトレース可能である
●生産者はブロックチェーンベースのシステム上の支払いの影響または使用を記録して、消費者が影響または使用を表示できるようにする
●ブロックチェーンベースのシステムは、任意の特定の生産者またはエンドユーザのアイデンティティに関係なく、普遍的なデータ標準を構成する
●ユーザは、参照コード、製品、位置を使用してチェーンをトレースし、取引相手、デジタル証明書、施設証明書、日付範囲、参照からの工程数、または施設/製品のタイプによって返された結果を、制限するかまたは絞り込むことができる。
●この情報は、他のシステムで使うためのAPIを介して利用可能であり、2つの有機システム、すなわち、人工知能と統合された企業ダッシュボードであって、トレース上のボリュームおよび収穫高(または他の変数)を分析して、異常値を識別し、視覚的に強調表示する、企業ダッシュボードと、消費者向けアプリケーションまたはウェブページであって、製品の説明、インタラクティブなマップ、ならびにクラウドファンディングプロジェクト、ウィキ、およびソーシャルメディアコンテンツなどのインタラクティブコンテンツを使用して、契約ベースで企業顧客に提供される完全な分析で消費者を魅了する、消費者向けアプリケーションまたはウェブページと、にフィードする
【0118】
サプライチェーン内の商品を購入するための取引要求を処理するための、コンピュータ実装されたブロックチェーンベースの方法であって、本方法は、
(i)アプリケーション(例えば、スマートフォンまたはタブレット用のモバイルアプリケーションなど)を使用して、エンドユーザによって開始された取引要求を受信する工程と、
(ii)取引要求を処理し、デジタル取引証明書を作成する工程と、
(iii)デジタル取引証明書を、(例えば、モバイルアプリケーションなどの別のアプリケーションを介して)商品の生産者に送信する工程と、
(iv)生産者(例えば、農家もしくは農家のグループ、またはコーヒー農家もしくはタバコ農家もしくは他の作物などの、小規模所有者)によって承認または確認された取引を、ブロックチェーンに記録する工程と、を含む。
【0119】
任意選択の機能:
●事前定義されたルールのセットが満たされると[例えば、商品の支払いなどが受領されると]、承認/確認が与えられる。
●承認/確認は、アプリケーション(例えば、その生産者のスマートフォン用のアプリケーションなど)に生産者によって入力される
●承認/確認は、生産者のアプリケーションに格納される。
●エンドユーザは、流通業者、混載業者、輸出業者、輸入業者、焙煎業者、食品加工業者、通関業者、小売業者、消費者など、生産者と結び付いているサプライチェーン内の任意の当事者である。
●自己主権型アイデンティティ証明書を使用して、ブロックチェーンにアクセスする。
●デジタル取引証明書には、量、価格、品質などの商品関連メタデータが含まれる。
●デジタル取引証明書は、生産者およびエンドユーザの両方によって検証される。
●商品に関連する後続の取引イベントは、ブロックチェーンに記録される。
●サプライチェーンの各エンティティ間の取引の永続的なデジタル化されたチェーンが、ブロックチェーンに記録される。
●各取引出力が計算され、ブロックチェーンに記録される。
●エンドユーザおよび生産者の両方が、自身の独自アプリを介して商品の行程をトレースすることができる。
●ブロックチェーンの各ピアまたは各ノードまたは各サブシステムは、自身のデータがどのように使用またはアクセスされているかに関する許可を設定することができる。
●方法は、商品の原産地および行程に関する完全なエンドツーエンドの透明性を提供する。
●ブロックチェーンは、サプライチェーンの一部であるすべての別個のエンティティが、それらに帰属する別個の許可レベルを有することを可能にする(例えば、生産者によって、またはシステムにわたって運用制御するエンティティによって。
●システムは、例えば複数の製品、または製品および支払い、完成した製品のすべての原材料などの、複数の追跡を、おそらく同時に可能にする。
●システムは、複数のトレースの統合を、おそらく同時に可能にする
●システムは、複数のトレースの結果を、地理マップまたは論理マップにオーバーレイすることを可能にして、例えば分析を支援する。
●システムは、任意の特定の生産者またはエンドユーザのアイデンティティに関係なく、普遍的なデータ標準を構成する
●ブロックチェーンは、インコタームズのスマート契約を実装する
●ブロックチェーンの参加者は、2人の参加者間の所有権の変更を反映する取引であって、自身のそれぞれのアカウント、両方の当事者によって署名されたデジタル証明書、またはその趣旨のスマート契約でアップロードもしくは参照される、取引が、会社の取締役によって関与および承認されたユーザによって署名された書面による商業協定の証拠であり、したがって現地の法律または仲裁の観点から拘束力がある、という協定に署名する。
【0120】
機能2:サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームの上にある分析レイヤ
システム管理者は、親企業アカウントに基づいてデジタルアイデンティティ管理ダッシュボードを作成し、アカウントユーザに、会社に代わって取引する権限を与えることができる。分析レイヤは、管理ダッシュボードにフィードする。アカウントユーザは、ブロックチェーンの読み取り/書き込み許可を有している。アカウントユーザが書き込み許可のみを有する場合(例えば、請負業者または仲介業者などの場合)は、システム管理者のログインまたはサービスIDを使用して、承認された製品または施設のリストなど、取引の実行に必要なデータを取得する。これにより、エージェントおよび第三者が、内陸部および外国を含むインフラストラクチャを有さない地域で、会社に代わって取引を開始し、記録することができる。
【0121】
次のように概括することができる。
サプライチェーン追跡プラットフォームであって、サプライチェーン内の商品関連の取引を処理するブロックチェーンレイヤと、ブロックチェーンレイヤの上に位置し、ブロックチェーンレイヤから、消費者、ベンダー、小売業者、卸売業者、輸送業者、各取引の入力および出力、商品/製品の生産に使用されるすべて、のいずれかなどの商品関連のデータを受信して、このデータを分析する分析レイヤと、を備える、サプライチェーン追跡プラットフォーム。
●複数のカテゴリの商品が同時に追跡される。
●消費者および商品が同時に追跡される。
●追跡がリアルタイムで実施される。
●サプライチェーン取引は、分析レイヤ内で抽出およびマッピングされる。
●商品の購入がブロックチェーンレイヤ内で承認されると、モバイルアプリで商品の購入者に商品の行程のインタラクティブなマップが表示される。
●商品の行程には、購入取引要求から商品の配送までの、商品に関連する任意の取引イベントが含まれる。
●分析レイヤは、データをダッシュボードまたはアプリケーションまたはウェブページにフィードする。
●プラットフォームは、任意のサプライチェーンアーキテクチャにスケーラブルである。
●ブロックチェーンは、プライベートなブロックチェーンである。
【0122】
機能3:持続可能性レポート能力を備えたブロックチェーンベースのプラットフォーム
現在、持続可能性レポートは一貫性がなく信頼性が低く、農産物の主要な購入者(例えば、小売業者、コーヒーショップチェーンなど)は、正確で、迅速で、包括的で、かつ監査可能な持続可能性レポートをますます要求しているが、従来のシステムでは、これらの課題に対処することができない。Farmer Connectシステムでは、以下のことが可能である。
【0123】
次のように概括することができる。
サプライチェーン追跡プラットフォームであって、(i)サプライチェーン内の農産物関連取引を処理する、ブロックチェーンレイヤと、(ii)ブロックチェーンレイヤの上に位置し、それらの農産物および関連取引の持続可能性の側面を記述するデータを受信し、事前に定義された持続可能性基準に関連するレポートを生成する、レポートレイヤと、を含む、サプライチェーン追跡プラットフォーム。
【0124】
任意選択の機能:
●複数のカテゴリの商品が同時に追跡される。
●複数の消費者および商品が同時に追跡される。
●追跡がリアルタイムで実施される。
●サプライチェーン取引は、レポートレイヤ内で抽出およびマッピングされる。
●商品の購入がブロックチェーンレイヤ内で承認されると、商品の行程のインタラクティブなマップが生成される。
●商品の行程には、購入取引要求から商品の配送までの、商品に関連する任意の取引イベントが含まれる。
●レポートレイヤは、データをダッシュボードまたはアプリケーションまたはウェブページにフィードする。
●プラットフォームは、任意サプライチェーンアーキテクチャにスケーラブルである。
●ブロックチェーンは、プライベートである。
●ブロックチェーンベースのシステムにより、複数のトレースを並行して行う、または同時に行う、または統合して行うことを可能にする。
●ブロックチェーンベースのシステムは、1つ以上のトレースまたは他の分析の結果を、マップ(例えば、場所の物理マップ、またはプロセスの論理マップなど)にオーバーレイすることを可能にする。
●事前定義されたルールのセットが満たされると、例えば、商品の支払いなどが受領されると、承認/確認が与えられる。
●承認/確認は、アプリケーション(例えば、その生産者のスマートフォン用のアプリケーションなど)に生産者によって入力される。
●承認/確認は、生産者のアプリケーションに格納される。
●エンドユーザは、流通業者、混載業者、輸出業者、輸入業者、焙煎業者、食品加工業者、通関業者、小売業者、消費者など、生産者と結び付いているサプライチェーン内の任意の当事者である。
●自己主権型アイデンティティ証明書を使用して、ブロックチェーンにアクセスする。
●デジタル取引証明書には、量、価格、品質などの商品関連メタデータが含まれる。
●デジタル取引証明書は、生産者およびエンドユーザの両方によって検証される。
●商品に関連する後続の取引イベントはいずれも、ブロックチェーンに記録される。
●サプライチェーンの各エンティティ間の取引の永続的なデジタル化されたチェーンが、ブロックチェーンに記録される。
●各取引出力が計算され、ブロックチェーンに記録される。
●エンドユーザおよび生産者の両方が、自身の独自アプリを介して商品の行程をトレースすることができる。
●ブロックチェーンの各ピアまたは各ノードまたは各サブシステムは、自身のデータがどのように使用またはアクセスされているかに関する許可を設定することができる。
●プラットフォームは、商品の原産地および行程に関する完全なエンドツーエンドの透明性を提供する。
●ブロックチェーンは、サプライチェーンの一部であるすべての別個のエンティティが、それらに帰属する別個の許可レベルを有することを可能にする(例えば、生産者によって、またはシステムにわたって運用制御するエンティティによって。
●プラットフォームは、例えば複数の製品、または製品および支払い、完成した製品のすべての原材料などの、複数の追跡を可能にする。
●プラットフォームは、複数のトレースの統合を可能にする。
●プラットフォームは、複数のトレースの結果を、地理マップまたは論理マップにオーバーレイすることを可能にして、例えば分析を支援する。
●プラットフォームは、特定の生産者またはエンドユーザのアイデンティティに関係なく、普遍的なデータ標準を構成する。
●ブロックチェーンは、インコタームズのスマート契約を実装する。
●物理的な商品、デジタル証明書への参照、および物理的な商品であるかのようにトレースされる通貨の交換は、同じ契約参照内で追跡される。
●ブロックチェーンの参加者は、2人の参加者間の所有権の変更を反映する取引であって、自身のそれぞれのアカウント、両方の当事者によって署名されたデジタル証明書、またはその趣旨のスマート契約でアップロードもしくは参照される、取引が、会社の取締役によって関与および承認されたユーザによって署名された書面による商業協定の証拠であり、したがって現地の法律または仲裁の観点から拘束力がある、という協定に署名する。
●ユーザは、参照コード、製品、位置を使用してチェーンをトレースし、取引相手、デジタル証明書、施設証明書、日付範囲、参照からの工程数、または施設/製品のタイプによって返された結果を、制限するかまたは絞り込むことができる。
●情報は、他のシステムで使うためのAPIを介して利用可能であり、2つの有機システム、すなわち、人工知能と統合された企業ダッシュボードであって、トレース上のボリュームおよび収穫高(または他の変数)を分析して、異常値を識別し、視覚的に強調表示する、企業ダッシュボードと、消費者向けアプリケーションまたはウェブページであって、製品の説明、インタラクティブなマップ、ならびにクラウドファンディングプロジェクト、ウィキ、およびソーシャルメディアコンテンツなどのインタラクティブコンテンツを使用して、契約ベースで企業顧客に提供される完全な分析で消費者を魅了する、消費者向けアプリケーションまたはウェブページと、にフィードされる。
【0125】
機能4:サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォーム内で、農家に自身の独自アイデンティティの制御権を与える一意のfarmer IDを提供する、モバイルアプリケーション
証明書およびカストディアンシップ:デジタルIDユーザは、デジタルアイデンティティを、行動証明書および取引証明書に分割して、デバイス上に有するか、またはクラウド上でそのユーザ用に格納することができる。自身のアカウントを別のデバイスに転送することができる。また、相手が自分のアカウントを回復できるという点で、他の誰か(友人または取引相手)に保護を与えることもできるが、相手がまだアカウントを有する場合は、登録されたデバイスでの試みについて通知されるであろう。登録したデバイスにアクセスできれば、コンピュータからアカウントにログインすることができる。デジタルIDユーザは、別のデジタルIDユーザとの取引を開始することができるが、このような取引は、ユーザの証明書にのみ保存される。各取引証明書または各行動証明書は、関与する2つの取引相手に基づいた信頼値を有し、その信頼性を高めるために第三者によってさらに検証することができる。
【0126】
信用スコア/信頼スコア:企業または個人は、行動証明書および取引証明書を含むデジタルIDを有することができる。個人用ウォレットおよび企業用ウォレットの両方により、様々な用途に自動化され、ゼロ証明のKYCを可能にする。デジタルIDユーザは、自身の取引相手によって検証された、自身の証明書のレポートをコンパイルすることができる。取引先は、特定の信頼スコアを下回る証明書を、レポートまたは計算から除外することができる。このレポートは、Farmer Connectの計算式に従って、またはカスタム計算式のいずれかに従って、数値スコアにまとめることができ、このカスタム計算式は、デジタルIDユーザがサービス、クレジット、賞金、もしくは取引相手が発行できる他の利益を享受する価値を判断する計算式である。マーケットプレイスと連動して、これは、位置への物理的アクセス、助成金またはその他の収入の支払いなどの利益または特権の自動的な支払いを含み得、スマート契約の文脈においては、これは、契約の裁定または契約の入札または契約の申込みの適格性の決定要因となり得る。
【0127】
取引:企業または個人は、行動証明書および取引証明書を含むデジタルIDを有することができる。企業アカウントユーザは、デジタルIDのみのユーザと関係を形成し、一意のハッシュコードで会社に、(例えば)「農家」として登録することができる。アカウントユーザが農家との取引を開始すると、取引は、デジタル証明書として農家のデジタルウォレットに保存され、(農家のハッシュを有する)システムIDを有する共通の農家アカウント、およびアカウントユーザのIDまたはシステムIDを有するアカウントユーザの組織の両方で、FCブロックチェーンにも書き込まれる。確立された農家または企業は、自らのFCブロックチェーン企業アカウントを有することができ、完全な暗号化証明を用いて他のアカウントへの自身の独自取引を作成するか、Farmer IDを使用して、企業アカウントでログインすることにより、デジタルID証明書およびブロックチェーントレースの両方を取得することができる。
【0128】
個人用ウォレットおよび企業用ウォレットの両方により、様々な用途に自動化され、ゼロ証明のKYCを可能にする。デジタルIDユーザは、自身の取引相手によって検証された、自身の証明書のレポートをコンパイルすることができる。取引先は、特定の信頼スコアを下回る証明書を、レポートまたは計算から除外することができる。
【0129】
取引(詳細):以下の図42は、農家と加盟業者との間に信頼できるつながりを作成する、Farmer Connectのアプローチを示している。
【0130】
取引(アイデンティティ)
困難さは、FarmerアプリケーションおよびFCプラットフォームでの、アイデンティティ管理に対する一見反対の2つのアプローチを調整することにある。プラットフォームでは、加盟業者/組織は、サプライチェーンの性質と、許可されたブロックチェーンであるFCプラットフォームとにより明確に識別される。Farmerアプリケーションでは、世帯/農場および潜在的に機密性の高いデータを個人レベルで取り扱っている。このデータへのアクセスは、関心のある個人のみに許可されるべきである。
【0131】
プロセスの最適化:ブロックチェーンは、異なる組織によって生成されたイベントをつなげるための連続したカストディチェーンに依存する。商品サプライチェーンは、数か月または数年後に履行される契約の予約および締結に依存するので、最初の契約参照から検索可能なフォワードフローチェーンの作成を許可するために、物理的な商品の将来の表現を抽象化して、参照番号および取引相手がまだ不明な、まだ存在しない製品へのトレースを可能にすることが必要である。このコンセプトは、興味のある商業的第三者またはサービスを提供する第三者が、まだ配送されていないかまたはまだ存在しない製品の足取りを調べることを可能にし、ビジネスの通常の実行に不可欠である。
【0132】
プロセスの最適化(詳細)
サプライチェーンの可視性の向上を通じて在庫レベル、例えばコンテナ到着日、を予測するためのスキーマが、図43に示されている。
【0133】
次のように概括することができる。
一意のデジタルIDを提供するモバイルアプリケーションであって、この一意のデジタルIDは、農産物の生産者などのエンドユーザに、サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォーム上での彼らのアイデンティティの制御権を与え、その場合、デジタルIDが、取引証明書および行動証明書に関連するかまたはそれらの間で分割され、かつデジタルIDが信頼スコアもしくは信頼値に関連付けられている、モバイルアプリケーション。
【0134】
任意選択の機能:
●デジタルIDは、アプリケーションが実行されているモバイルデバイスまたはクラウドに格納される。
●デジタルIDは、ブロックチェーンには格納されていない。
●エンドユーザは、自身のデジタルIDを別の使用済みに対して保護することができる。
●エンドユーザは、デジタルIDを有する別のユーザとの取引を開始することができる。
●取引は、両方のユーザによって承認されると、両方のユーザの取引証明書に保存される。
●取引証明書または行動証明書は、取引に関与する取引相手の信頼値スコアに関連付けられている。
●信頼値は、第三者によってさらに検証および更新することができる。
●エンドユーザの個人情報または機密情報は、ブロックチェーンに記録されない。
●エンドユーザは、自身のデータがどのように使用またはアクセスされているかについてのアクセス許可を設定する
●サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームは、消費者向けアプリケーションと統合されている
●デジタルIDユーザは、別のデジタルIDユーザとの取引を開始することができるが、このような取引は、ユーザの証明書にのみ保存される。
●各取引証明書または各行動証明書は、関与する2つの取引相手に基づいた信頼値を有し、その信頼性を高めるために第三者によってさらに検証することができる。
●アカウントユーザが農家との取引を開始すると、取引は、デジタル証明書として農家のデジタルウォレットに保存され、(農家のハッシュを有する)システムIDを有する共通の農家アカウント、およびアカウントユーザのIDまたはシステムIDを有するアカウントユーザの組織の両方で、ブロックチェーンにも書き込まれる。
●物理的な商品の将来の表現を抽象化して、参照番号および取引相手がまだ不明な、まだ存在しない製品へのトレースを可能とし、最初の契約参照から検索可能なフォワードフローチェーンの作成を許可する。
●興味のある商業的第三者またはサービスを提供する第三者は、まだ配送されていないかまたはまだ存在しない製品の足取りを調べることができる。
【0135】
機能5.最終製品を農家につなげるすべての取引に対する消費者の可視性およびトレース能力を提供する、消費者向けアプリ
次のように概括することができる。
コンピュータ実装されたブロックチェーンベースのシステムであって、生産者(例えば、農家もしくは農家のグループ、またはコーヒー農家もしくはタバコ農家もしくは他の作物などの小規模所有者)に関連付けられた取引が、ブロックチェーンベースのシステム上でキャプチャされ、その生産者のデジタルIDに関連付けられることを可能にする、農産物のための、
かつブロックチェーンベースのシステム上で、その生産者からの商品を取り扱うかまたは処理する際に1つ以上のエンティティによって行われた、取引のための、かつ消費者が、スマートフォンまたは他の接続されたコンピューティングデバイス上で動作するアプリケーションを使用して、このブロックチェーンベースのシステムを使用して、これらの取引のうちの1つ以上を閲覧および/もしくは検証すること、ならびに/またはその生産者からの商品をトレースすることを可能にする、消費者のための、システム。
【0136】
任意選択の機能:
●別個のエンティティの各々には個別に許可レベルが設定されている。
●ブロックチェーンは、プライベートである。
●ブロックチェーンベースのシステムにより、複数のトレースを並行して行う、または同時に行う、または統合して行うことを可能にする。
●ブロックチェーンベースのシステムは、1つ以上のトレースまたは他の分析の結果をマップ(例えば、場所の物理マップ、または処理の論理マップ)上に重ねることを可能にする。
●消費者は、アプリケーションを介して、生産者に、または生産者のために、金銭の支払いを行うことができる。
●金銭の支払いは、その生産者から商品を取り扱ったり加工したりするエンティティを迂回する。
●金銭の支払いは、ブロックチェーンベースのシステムによって物理的アイテムであるかのように処理される。
●商品、デジタル証明書への参照、および物理的な商品であるかのようにトレースされる通貨の交換は、同じ契約参照内で追跡される。
●金銭の支払いは、消費者によってトレース可能である。
●生産者はブロックチェーンベースのシステム上の支払いの影響または使用を記録して、消費者が影響または使用を表示できるようにする。
●ブロックチェーンベースのシステムは、任意の特定の生産者またはエンドユーザのアイデンティティに関係なく、普遍的なデータ標準を構成する。
●ユーザは、参照コード、製品、位置を使用してチェーンをトレースし、取引相手、デジタル証明書、施設証明書、日付範囲、参照からの工程数、または施設/製品のタイプによって返される結果を、制限するかまたは絞り込むことができる。
●情報は、他のシステムで使うためのAPIを介して利用可能であり、2つの有機システム、すなわち、人工知能と統合された企業ダッシュボードであって、トレース上のボリュームおよび収穫高(または他の変数)を分析して、異常値を識別し、視覚的に強調表示する、企業ダッシュボードと、消費者向けアプリケーションまたはウェブページであって、製品の説明、インタラクティブなマップ、ならびにクラウドファンディングプロジェクト、ウィキ、およびソーシャルメディアコンテンツなどのインタラクティブコンテンツを使用して、契約ベースで企業顧客に提供される完全な分析で消費者を魅了する、消費者向けアプリケーションまたはウェブページと、にフィードする。
●消費者向けアプリケーションは、サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームへの消費者エンドユーザアクセスを提供し、このアプリケーションは、地理的位置、現在または将来の可用性、配送予定日、生産者デジタルID証明書、生産者信頼スコアなどのエンドユーザ検索基準に基づいて、農産物のリストをエンドユーザに表示する。
●消費者向けアプリケーションは、農産物のトレーサビリティを定義するサプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームへの、消費者エンドユーザアクセスを提供し、このアプリケーションは、画面またはメニュー選択肢をエンドユーザに表示し、この画面またはメニュー選択肢は、選択されると、消費者エンドユーザからのメッセージもしくは通信を、農産物または農産物の原材料もしくは構成成分を生産する生産者(例えば、農家または農家のグループなど)に関連付ける。
【0137】
機能6:消費者に、農家への寄付および支払いを行い追跡する能力を提供する、消費者向けアプリ。
通貨は、デジタル形式、または暗号形式、または物理的形式であろうと、硬貨でいっぱいのスーツケースなどの物理的な商品であるかのように、FCブロックチェーンでトレースされる。通貨は送金され、他の通貨または物理的商品に換算され、物理的物品と同じようにトレースされる。これにより、トレースを実行することができる。一部の国では、慈善団体の寄付の60%超が、目的とする受益者の利益のために使用されることはなく、すべてのプロジェクトには費用超過がある。各参加者に、ログインして、資金または商品に換算された資金の送受信を確認するように要求し、そのトレースに透明性を持たせることにより、プロジェクト所有者は、不正流用に必要な談合の量を増やし、そのような談合が発見された場合に、そのユーザの活動の永続的な記録が存在し、利用可能であることを確認できる。これにより、可視性およびコンプライアンスを向上させるだけでなく、契約の柔軟性を高め、プロジェクトに提供されるサービスのコストを削減することができる。
【0138】
次のように概括することができる。
農産物のトレーサビリティを定義するサプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームへの、消費者エンドユーザアクセスを提供する消費者向けアプリケーションであって、このアプリケーションは、画面またはメニュー選択肢をエンドユーザに表示し、この画面またはメニュー選択肢は、選択されると、消費者エンドユーザからのトレース可能な支払いを、農産物または商品の原材料もしくは構成成分を生産する生産者(例えば、農家または農家のグループなど)に関連付ける。
【0139】
任意選択の機能:
●トレース可能な支払いは、ブロックチェーンによって取り扱われるかまたは処理される
●トレース可能な支払いは、ブロックチェーン上の物理的商品として取り扱われるかまたは処理される
●トレース可能な支払いは、双方向確認を可能にする(例えば、消費者は、支払いをトレースして、支払いが行われたことを生産者に確認でき、生産者は、支払いをトレースして、支払いが受領されたことを消費者に確認できる)。
●国境を越えて移動するトレース可能な支払いは、マネーロンダリングに対処している責任ある第三者に対して行うことができる
●トレース可能な支払いは、トレース可能な相殺の対象となり、送金される正味金額を最小限に抑えることができる
●消費者向けアプリケーションは、消費者が、商品、またはパッケージされた商品を(例えば、商品またはそのパッケージ上のバーコードをスキャンすることによって)選択することを可能にし、次いで、画面またはメニュー選択肢を自動的にエンドユーザに表示し、この画面またはメニュー選択肢は、選択されると、消費者エンドユーザからのトレース可能な支払いを、商品または選択された商品の原材料もしくは構成成分を生産する生産者(例えば、農家または農家のグループなど)に関連付ける。
●消費者向けアプリケーションは、エンドユーザが購入しようとしているか、または購入に興味があるか、または以前に購入したか、またはエンドユーザが以前にインタラクションした生産者にリンクされている、農産物のリストにリンクされた持続可能性プロジェクトを表示するように構成され、トレース可能な支払いがどのように使用されたか、およびその影響を表示する。
●消費者向けアプリケーションにより、消費者は、地理的位置、現在または将来の入手可能性、配送予定日、生産者デジタルID証明書、生産者信頼スコアなどの検索基準に基づいて、商品、またはパッケージされた商品を識別し、いま入手可能であるか、または将来の作物に対する事前資金調達として入手可能であるかにかかわらず、それらの商品を注文することができる。
●消費者向けアプリケーションは、消費者が、商品、またはパッケージされた商品を識別し、それらの商品を生産者から直接購入することを可能にする。
●消費者向けアプリケーションは、消費者定義のデフォルト/財務リターンプロファイルのリスクを満たすように選択された生産者を特定することを可能にし、消費者は、選択された生産者に関連付けられた消費者エンドユーザからのトレース可能な支払いを送信することによって、リスク/リターンプロファイルを満たす1つ以上の生産者に、直接的または間接的に投資することを可能にする。
●トレース可能な支払いは、検証可能性のためのスマート契約である
●生産者は、消費者向けアプリに表示される独立した信頼スコアを有している
●エンドユーザは、事前資金調達モデルを用いて生産者を設定し、特定の商品の生産を支援することができる。
●各参加者に、ログインして、資金または商品に換算された資金の送受信を確認するように要求し、そのトレースに透明性を持たせることにより、プロジェクト所有者は、不正流用に必要な談合の量を増やし、そのような談合が発見された場合に、そのユーザの活動の永続的な記録が存在し、利用可能であることを確認できる。
●消費者向けアプリケーションであって、サプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームへの消費者エンドユーザアクセスを提供し、このアプリケーションは、地理的位置、現在または将来の可用性、配送予定日、生産者デジタルID証明書、生産者信頼スコアなどのエンドユーザ検索基準に基づいて、農産物のリストをエンドユーザに表示する。
●消費者向けアプリケーションであって、農産物のトレーサビリティを定義するサプライチェーンブロックチェーンベースのプラットフォームへの、消費者エンドユーザアクセスを提供し、このアプリケーションは、画面またはメニュー選択肢をエンドユーザに表示し、この画面またはメニュー選択肢は、選択されると、消費者エンドユーザからのメッセージもしくは通信を、農産物または農産物の原材料もしくは構成成分を生産する生産者(例えば、農家または農家のグループなど)に関連付ける
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43A
図43B
【国際調査報告】