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特表2023-508212スライド感覚シミュレーション装置、被制御ロボット及びゲームパッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-01
(54)【発明の名称】スライド感覚シミュレーション装置、被制御ロボット及びゲームパッド
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/285 20140101AFI20230221BHJP
   B25J 13/02 20060101ALI20230221BHJP
   A63F 13/218 20140101ALI20230221BHJP
   A63F 13/428 20140101ALI20230221BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20230221BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
A63F13/285
B25J13/02
A63F13/218
A63F13/428
A63F13/24
G06F3/01 560
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539709
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(85)【翻訳文提出日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2021080831
(87)【国際公開番号】W WO2021213074
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202010327089.8
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】黎 雄
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 宇
(72)【発明者】
【氏名】蒋 若萱
(72)【発明者】
【氏名】姜 ▲シン▼洋
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 正友
【テーマコード(参考)】
3C707
5E555
【Fターム(参考)】
3C707DS01
3C707ES03
3C707JT04
3C707KS33
3C707LS20
3C707LV10
5E555AA08
5E555AA16
5E555AA76
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC04
5E555CA21
5E555CC01
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
本願の実施例は、スライド感覚シミュレーション装置、被制御ロボット、ゲームパッド、仮想ゲーム機及び制御システムを提供する。スライド感覚シミュレーション装置は、ベースと、ベースに設置された少なくとも1つのモータと、スライド感覚データを受信し、前記少なくとも1つのモータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成するように構成されるスライド感覚シミュレーションコントローラと、各前記モータに関連付けられた、少なくとも1つの同期ホイール、少なくとも1つの同期ベルト及び少なくとも1つの位置制限装置と、を含み、前記同期ベルトは、前記同期ホイール及び位置制限装置に套設され、かつ前記モータは、前記少なくとも1つの同期ホイールに動力伝達可能に接続されることにより、前記回転速度制御信号に基づいて前記少なくとも1つの同期ホイール及び前記少なくとも1つの同期ベルトを回転させるように駆動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
ベースに設置された少なくとも1つのモータと、
スライド感覚シミュレーションコントローラであって、スライド感覚データを受信し、前記少なくとも1つのモータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成するように構成されるスライド感覚シミュレーションコントローラと、
各前記モータに関連付けられた、少なくとも1つの同期ホイール、少なくとも1つの同期ベルト及び少なくとも1つの位置制限装置と、を含み、
前記同期ベルトは、前記同期ホイール及び前記位置制限装置に套設され、かつ前記モータは、前記少なくとも1つの同期ホイールに動力伝達可能に接続されることにより、前記回転速度制御信号に基づいて前記少なくとも1つの同期ホイール及び前記少なくとも1つの同期ベルトを回転させるように駆動する、スライド感覚シミュレーション装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのモータは第1のモータ及び第2のモータを含み、
前記第1のモータに関連付けられた同期ホイールは第1の同期ホイールであり、第1のモータに関連付けられた同期ベルトは第1の同期ベルトであり、
前記第2のモータに関連付けられた同期ホイールは第2の同期ホイールであり、第2のモータに関連付けられた同期ベルトは第2の同期ベルトであり、
前記第1の同期ベルトの延伸方向は第1の方向であり、前記第2の同期ベルトの延伸方向は第2の方向であり、前記第1の方向と第2の方向は交差し、
前記第1の同期ホイールの回転軸の軸方向は第1の方向に垂直であり、前記第2の同期ホイールの回転軸の軸方向は第2の方向に垂直であり、前記第1の同期ホイールの回転軸の軸方向は前記第2の同期ホイールの回転軸の軸方向とは異なる、請求項1に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項3】
前記第1の同期ベルトの数は少なくとも2つであり、前記少なくとも2つの第1の同期ベルトは互いに平行であり、かつ前記少なくとも2つの第1の同期ベルトは第1の同期ホイール上の位置制限ストリップによって隔てられており、
前記第2の同期ベルトの数は少なくとも2つであり、前記少なくとも2つの第2の同期ベルトは互いに平行であり、かつ前記少なくとも2つの第2の同期ベルトは第2の同期ホイール上の位置制限ストリップによって隔てられている、請求項2に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項4】
前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、かつ前記第1の同期ベルトと前記第2の同期ベルトとは、目標方向において重なる部分を有し、
前記目標方向は、第1の方向及び第2の方向が構成する平面に垂直な方向である、請求項2に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項5】
前記装置は、
制御側通信機をさらに含み、前記制御側通信機は前記スライド感覚シミュレーションコントローラに通信可能に接続され、前記制御側通信機は被制御側通信機からスライド感覚データを受信するように構成され、
前記スライド感覚シミュレーションコントローラはさらに、
前記制御側通信機から前記スライド感覚データを受信し、かつ前記スライド感覚データに基づいて前記少なくとも1つのモータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成することにより、前記少なくとも1つのモータの回転速度を制御するように構成される、請求項1に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項6】
前記装置は、
制御側圧力センサをさらに含み、前記制御側圧力センサは、前記スライド感覚シミュレーションコントローラに通信可能に接続され、前記少なくとも1つの同期ベルトに印加された圧力を感知し、かつ圧力検出信号を生成するように構成され、
前記スライド感覚シミュレーションコントローラはさらに、前記制御側圧力センサから前記圧力検出信号を受信し、かつ前記圧力検出信号を圧力制御データに変換するように構成され、
前記制御側通信機はさらに、前記スライド感覚シミュレーションコントローラから前記圧力制御データを受信し、かつ被制御側通信機に圧力制御データを送信するように構成される、請求項5に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項7】

前記スライド感覚シミュレーションコントローラは比例積分微分コントローラを含み、
各前記モータに対して、前記比例積分微分コントローラは、前記モータの回転速度データ及び前記回転速度制御信号に基づいて、電圧制御信号を生成し、前記電圧制御信号に基づいて、前記モータに印加する電圧を調整することにより、前記モータの回転速度を調整する、請求項1に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項8】

前記同期ホイールの回転軸の両端に少なくとも1つのテンションスライダが套設され、前記テンションスライダが前記ベースの内側のテンションスライド溝内に嵌設されており、
前記テンションスライド溝内の前記テンションスライダの位置は、前記テンションスライド溝に嵌設された位置制限ネジにより制限される、請求項1に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項9】
前記ベースは、底板と、2つの横方向に取り外し可能な側板と、2つの縦方向に取り外し可能な側板とを含み、
前記2つの横方向に取り外し可能な側板は平行に対向して設置され、かつ両者はいずれも前記底板に固定接続され、第1の同期ホイールは、底板の上であって、かつ横方向に取り外し可能な側板の間に回転可能に設置され、第1のモータは、前記底板に固定接続され、
前記2つの縦方向に取り外し可能な側板は平行に対向して設置され、かつ両者はいずれも前記底板に固定接続され、第2の同期ホイールは、底板の上であって、かつ縦方向に取り外し可能な側板の間に回転可能に設置され、第2のモータは、前記底板に固定接続される、請求項2に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項10】
前記第1の同期ベルトの外側表面に、前記第2の同期ベルトとは異なる凹凸テクスチャが設置され、
前記第1の同期ベルト及び前記第2の同期ベルトの内側表面は、いずれも滑らかなゴム材質である、請求項2に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項11】
被制御ロボットであって、
圧力制御データを受信し、請求項1~10のいずれか一項に記載のスライド感覚シミュレーション装置にスライド感覚データを送信するように構成される被制御側通信機と、
被制御ロボットが印加した圧力を検出し、かつ被制御ロボットの圧力データを生成するように構成される被制御側圧力センサと、
前記被制御側通信機及び被制御側圧力センサに通信可能に接続される被制御側コントローラと、を含み、
前記被制御側コントローラは、
前記被制御ロボットの圧力データ及び前記圧力制御データに基づいて、前記被制御ロボットが印加する圧力を調整し、
前記被制御ロボットの圧力データを前記スライド感覚データに変換し、かつ前記スライド感覚データを被制御側通信機に送信するように構成される、被制御ロボット。
【請求項12】
前記被制御ロボットは、ロボット指をさらに含み、前記ロボット指は、指モータ、機械動力伝達部材、及び指挟持部材を含み、
前記指モータは、前記ロボット指を駆動するように構成され、前記被制御側コントローラは、前記ロボット指の挟持力を制御するように構成され、
前記被制御側コントローラはさらに、前記被制御ロボットの圧力データ及び前記圧力制御データに基づいて、前記指モータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成するように構成され、
前記指モータはさらに、前記機械動力伝達部材を駆動するように構成され、前記機械動力伝達部材は、前記指挟持部材を連動させて、前記指挟持部材の挟持力を調整する、請求項11に記載の被制御ロボット。
【請求項13】
ケースと、
電源と、
前記ケースの内部に設置された請求項1~10のいずれか一項に記載のスライド感覚シミュレーション装置と、を含み、
前記スライド感覚シミュレーション装置は、
仮想ゲーム機からスライド感覚データを受信し、かつ前記仮想ゲーム機に圧力制御データを出力することにより、前記仮想ゲーム機において実行される仮想ゲームアプリケーションにおける仮想オブジェクトを制御するように構成される、ゲームパッド。
【請求項14】
仮想ゲーム機であって、
請求項13に記載のゲームパッドから圧力制御データを受信し、かつ前記ゲームパッドにスライド感覚データを送信するように構成される被制御側通信機と、
プロセッサであって、前記プロセッサは仮想ゲームアプリケーションを実行するように構成され、前記仮想ゲームアプリケーションにおける第1の仮想オブジェクトはゲームパッドによって制御される、プロセッサと、を含み、前記プロセッサは、さらに、
第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加した圧力を示す圧力データを計算し、
前記圧力データ及び前記圧力制御データに基づいて、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を調整し、かつ前記圧力データを更新し、
更新された圧力データを前記スライド感覚データに変換し、かつ前記スライド感覚データを被制御側通信機に送信するように構成されるように構成され、
画面であって、第1の仮想オブジェクト及び第2の仮想オブジェクトを表示するように構成される画面と、を含む、仮想ゲーム機。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか一項に記載のスライド感覚シミュレーション装置と、請求項11~12のいずれか一項に記載の被制御ロボットと、を含む、制御システム。
【請求項16】
請求項13に記載のゲームパッドと、請求項14に記載の仮想ゲーム機と、を含む、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年4月23日に提出された中国特許出願第202010327089.8号に基づき、かつ該中国特許出願の優先権を主張するものであり、該中国特許出願の全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、遠隔制御操作の分野に関し、特に、スライド感覚シミュレーション装置、被制御ロボット、ゲームパッド、仮想ゲーム機及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザがロボット又はゲームキャラクターなどの被制御側に対して操作を行うとき、ロボット又はゲームキャラクターなどの被制御側には、運動過程において触覚を生じさせる場合があり、ユーザに被制御側の触覚を感じさせるために、触覚をシミュレーションする必要がある。
【0004】
関連技術における感覚シミュレーション手段の多くは、圧力感覚(圧覚と略称する)を対象としており、スライド動作感覚(スライド感覚と略称する)を対象とする装置が少なく、かつ関連技術におけるスライド感覚シミュレーション装置は、構造が複雑であり、加工しにくいだけでなく、非常に制限された移動範囲であり、かつ単一方向でのスライド動作シミュレーションしか提供できず、ユーザ体験が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、遠隔制御操作中にスライド動作感覚をシミュレーションして、ユーザに複数の方向、速度での連続的なスライド動作を同期的に感じさせることができるスライド感覚シミュレーション装置及び制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例は、スライド感覚シミュレーション装置を提供し、該スライド感覚シミュレーション装置は、ベースと、ベースに設置された少なくとも1つのモータと、スライド感覚データを受信し、前記少なくとも1つのモータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成するように構成されるスライド感覚シミュレーションコントローラと、各前記モータに関連付けられた、少なくとも1つの同期ホイール、少なくとも1つの位置制限装置及び少なくとも1つの同期ベルトと、を含み、前記同期ベルトは、前記同期ホイール及び前記位置制限装置に套設され、かつ前記モータは、前記少なくとも1つの同期ホイールに動力伝達可能に接続されることにより、前記回転速度制御信号に基づいて前記少なくとも1つの同期ホイール及び前記少なくとも1つの同期ベルトを回転させるように駆動する。
【0007】
本願の実施例は、被制御ロボットをさらに提供し、該被制御ロボットは、圧力制御データを受信し、かつ本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置にスライド感覚データを送信するように構成される被制御側通信機と、被制御ロボットが印加した圧力を検出し、かつ被制御ロボットの圧力データを生成するように構成される被制御側圧力センサと、前記被制御側通信機及び被制御側圧力センサに通信可能に接続される被制御側コントローラと、を含み、前記被制御側コントローラは、前記被制御ロボットの圧力データ及び前記圧力制御データに基づいて、前記被制御ロボットが印加する圧力を調整し、前記被制御ロボットの圧力データを前記スライド感覚データに変換し、かつ前記スライド感覚データを被制御側通信機に送信するように構成される。
【0008】
本願の実施例は、ゲームパッドをさらに提供し、該ゲームパッドは、ケースと、電源と、前記ケースの内部に設置された本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置と、を含み、前記スライド感覚シミュレーション装置は、仮想ゲーム機からスライド感覚データを受信し、かつ前記仮想ゲーム機に圧力制御データを出力することにより、前記仮想ゲーム機において実行される仮想ゲームアプリケーションにおける仮想オブジェクトを制御するように構成される。
【0009】
本願の実施例は、仮想ゲーム機をさらに提供し、該仮想ゲーム機は、本願の実施例により提供されたゲームパッドから圧力制御データを受信し、かつ前記ゲームパッドにスライド感覚データを送信するように構成される被制御側通信機と、第1の仮想オブジェクトがゲームパッドによって制御される仮想ゲームアプリケーションを実行するように構成され、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加した圧力を示す圧力データを計算し、前記圧力データ及び前記圧力制御データに基づいて、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を調整し、かつ前記圧力データを更新し、更新された圧力データを前記スライド感覚データに変換し、かつ前記スライド感覚データを被制御側通信機に送信するように構成されるプロセッサと、第1の仮想オブジェクトが、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を調整することを表示するように構成される画面と、を含む。
【0010】
本願の実施例は、制御システムをさらに提供し、該制御システムは、本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置と、本願の実施例により提供された被制御ロボットと、を含む。
【0011】
本願の実施例は、制御システムをさらに提供し、該制御システムは、本願の実施例により提供されたゲームパッドと、本願の実施例により提供された仮想ゲーム機と、を含む。
【0012】
本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置及び制御システムについて、スライド感覚シミュレーション装置は、同期ベルト構造の無限回転により変位範囲に制約のない連続的なスライド感覚シミュレーションを実現し、構造が簡単であり、製造が容易であり、コストが低く、ユーザに被制御側設備のスライド動作速度及び方向をリアルタイムで感じさせる。制御システムは、圧力センサによりユーザの圧力を検知することにより、制御信号を被制御側にリアルタイムで送信して被制御側のスライド動作速度を変更する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本願の実施例により提供された剪断力を生じる装置の概略構成図である。
図2A】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の概略構成図である。
図2B】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の構造ブロック図である。
図2C】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の制御原理図である。
図3】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の概略構成図である。
図4A】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の概略構成図である。
図4B】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の上面図である。
図4C】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の正面図である。
図4D】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の背面図である。
図4E】本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置の分解図である。
図5A】本願の実施例により提供された被制御ロボットの概略図である。
図5B】本願の実施例により提供された被制御ロボットの制御原理図である。
図6】本願の実施例により提供されたゲームパッドと仮想ゲーム機とのインタラクションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願の実施形態における図面を参照して、本願の実施形態における技術的解決手段を明確かつ完全に記載する。
【0015】
本願の上述した目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して本願を詳細に記載する。説明すべきものとして、矛盾のない場合には、本願の実施形態及び実施形態における特徴を互いに組み合わせることができる。
【0016】
以下の記載において本願を十分に理解するために多くの詳細を示したが、記載された実施形態は単に本願の一部の実施形態であり、全ての実施形態ではない。本願の実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施形態は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。
【0017】
以下の各実施例は、添付した図面を参照しながら、本願の実施できる特定の実施例を例示するために説明されるものである。本出願において言及された方向用語、例えば、「長」、「左右」、「上下」などは、添付した図面に基づく方向に過ぎない。したがって、使用された方向用語は本出願をより容易かつより明確に説明し理解するためのものであり、対象としている装置又は部品が特定の方向性を有し、特定の方向において構築及び操作するべきことを示すもの又は暗示するものではなく、したがって、本発明を限定するものであると理解してはならない。別途に明確な規定及び限定がない限り、用語「装着」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、直接的な連結であってもよく、中間媒体を介する間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0018】
図1は、本願の実施例により提供された剪断力を生じる装置100の概略構成図である。
【0019】
通常、スライド感覚の大きさは、剪断力の大きさによって特徴付けることができる。剪断力は、隣接する層間で相対移動を生じる際に生じる摩擦力を表す。剪断力を生じる装置は、図1に示すとおりであり、スライダが接触部材の後ろでスライド動作することにより、スライダ検知領域において剪断力を生じる。ユーザは、該スライダ検知領域に触れることで、スライダのスライド動作によって生じる剪断力を感じる。図1に示す剪断力を生じる装置100に示されるように、装置100は、ゲームパッドの構成要素の1つとして使用することができ、該構成要素は、ユーザにスライド感覚フィードバックを提供することができる。例えば、仮想ゲームのゲームキャラクターが図1に示すように棒を握ろうとし、かつ棒が重すぎるか又は棒の表面が滑らかすぎるため、棒が下にスライド動作する可能性があると仮定する。この場合、ユーザの指がスライダ検知領域に接触するとき、スライダが下にスライド動作することで棒が下向きにスライド動作する力を感じることができる。ユーザがゲームパッドで棒の下へのスライド動作を感じた後、ユーザは、ゲームパッドへの握力を増加させてゲームキャラクターを制御する可能性がある。
【0020】
装置100は、ユーザが仮想ゲームにおける仮想オブジェクトと、別の仮想オブジェクトとの間の相対的な運動と、該相対的な運動の速度及び震動感覚とを感じることをシミュレーションすることができるが、スライダの運動変位の範囲がスライダ検知領域の大きさのみであるため、装置100は、ユーザに連続的なスライド感覚を提供することができない。また、スライダが単一方向に垂直に移動することしかできないため、ユーザは、スライダが同じ平面上の異なる方向に生じる剪断力を装置100で感じることができない。実際の製造過程において、装置100は、構造が複雑であり、加工が困難であり、ゲーム制作のコストが向上する。
【0021】
このため、本願の実施例は、スライド感覚シミュレーション装置、被制御ロボット、ゲームパッド、仮想ゲーム機及び制御システムを提供する。該スライド感覚シミュレーション装置は、同期ベルトを採用してスライド感覚をシミュレーションする。同期ベルトは無限回転することができ、変位範囲に制約がないため、該スライド感覚シミュレーション装置は、連続的なスライド感覚シミュレーションを提供することができる。本願の実施例はまた、複数の交差する同期ベルトを利用して、複数の方向のスライド動作合成を実現することにより、異なる方向及び速度のスライド動作シミュレーションを実現する。本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置は、構造が簡単であり、製造が容易であり、コストが低く、被制御オブジェクトのスライド動作速度及び方向をユーザにリアルタイムで感じさせる。
【0022】
以下、図面を参照して、本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置及び制御システムを詳細に記載する。
【0023】
図2Aは、本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置200の概略構成図である。図2Bは、本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置200の構造ブロック図である。図2Cは、本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置200の制御原理図である。
【0024】
図2Aに参照されるように、本願の実施例に係るスライド感覚シミュレーション装置200は、図1に示すようにゲームパッドに同様に装着することもでき、独立して使用されてユーザにスライド感覚シミュレーションを提供することもできる。以下、説明の便宜上、図2Aは、装置200を独立して使用する場合の装置の構造を説明するが、当業者は、スライド感覚シミュレーション装置200が、任意の関連設備の内蔵又は独立した構成要素の1つとしてユーザにスライド感覚シミュレーションを提供することもでき、本願の実施例がこれに限定されないことを理解すべきである。
【0025】
例えば、スライド感覚シミュレーション装置200は、ベース201と、ベース201に設置された少なくとも1つのモータ204と、スライド感覚データを受信し、上記少なくとも1つのモータ204を制御するために用いられる回転速度制御信号を生成するように構成されるスライド感覚シミュレーションコントローラ205とを含む。
【0026】
上記少なくとも1つのモータ204の各モータ204に対し、モータ204に関連付けられた、少なくとも1つの同期ホイール203、少なくとも1つの位置制限装置206及び少なくとも1つの同期ベルト202が設置される。上記少なくとも1つの同期ベルト202は、上記少なくとも1つの同期ホイール203及び少なくとも1つの位置制限装置206に套設され、かつ上記モータ204は、上記少なくとも1つの同期ホイール203に動力伝達可能に接続されることにより、回転速度制御信号に基づいて少なくとも1つの同期ホイール203及び少なくとも1つの同期ベルト202を回転させるように駆動する。
【0027】
説明の便宜上、図2Aには、1つのモータ204、1本の同期ベルト202、1つの位置制限装置206及び1つの同期ホイール203のみが示されるが、いくつかの実施例において、同期ホイール、位置制限装置及び同期ベルトの数は、いずれも少なくとも2つであり得る。当業者は、本願の実施例がモータ、位置制限装置、同期ベルト及び同期ホイールの数を限定しないことを理解すべきである。図2Aにおいて、モータ204に直接套設された同期ホイール203が駆動ホイールであるのに対し、位置制限装置206が従動ホイールである。駆動ホイールは、従動ホイールを連動して回転させる。当業者は、位置制限装置206が、同期ベルト202の回転を補助するという機能を達成することができる限り、円弧型鋼板、支持棒などの、同様の役割を果たすことができる機械的構成要素によって置き換えられてもよいことを理解すべきである。
【0028】
同期ベルト202が同期ホイール203に套設された後、同期ベルト202は、同期ホイール203に接触する円弧部分、及び位置制限装置206と同期ホイール203との間に位置する2つの直線部分をそれぞれ形成することが理解できる。ユーザは、指を直線部分に置き、同期ベルトの回転を感じることによりシミュレーションされたスライド感覚を感じることができる。
【0029】
スライド感覚データは、被制御オブジェクトが感じた剪断力を特徴付けることができるデータを指す。装置200は、該スライド感覚データに基づいてユーザにスライド感覚を提供することにより、ユーザが、被制御オブジェクトが感じた剪断力と同様の剪断力を感じることができる。例えば、被制御オブジェクトが仮想ゲームにおけるゲームキャラクターであり、該ゲームキャラクターが棒を握ろうとし、かつ棒が重すぎるか又は棒の表面が滑らかすぎるため、棒が下にスライド動作する可能性があると仮定する。ユーザの指が同期ベルト202を押圧するか又はそれに触れると、同期ベルト202は、モータ204が動作しているときに前向きに回転するか又は後向きに回転する可能性があり、このとき、ユーザは、同期ベルト202がスライド動作することを感じることにより、棒が下にスライド動作することを感じることができる。また例えば、被制御オブジェクトが釣りロボットであり、該釣りロボットが泳いでいる魚を手でつかもうとすると仮定する。このとき、ユーザの指が同期ベルト202に触れると、ユーザは、同期ベルト202がスライド動作する感覚を感じることにより、魚が手の中を泳ぐ感覚をシミュレーションすることができる。これにより、装置200は、同期ベルト202の運動によって、スライド動作している物体に触れる感覚をシミュレーションする。
【0030】
モータ204が連動して同期ベルト202を連続的に回転させるため、装置200は、ユーザに連続的なスライド感覚フィードバックを提供することができる。また、モータ204の回転速度が、スライド感覚シミュレーションコントローラ205によって出力された回転速度制御信号によって制御されるため、モータ204が同期ベルト202を異なる速度で回転させることができ、その結果、装置200は、速度の異なるスライド感覚をユーザに提供する。モータ204の回転速度が速いほど、装置200によって供給された剪断力が大きくなり、その結果、より明白なスライド感覚をユーザにシミュレーションすることができる。
【0031】
図2B及び図2Cに参照されるように、装置200は、制御側通信機206をさらに含むことができる。制御側通信機206及びスライド感覚シミュレーションコントローラ205は通信可能に接続される。制御側通信機206は、被制御側通信機からスライド感覚データを受信するように構成される。ここで、スライド感覚シミュレーションコントローラ205はさらに、制御側通信機206からスライド感覚データを受信し、かつスライド感覚データに基づいて上記少なくとも1つのモータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成することにより、少なくとも1つのモータ204の回転速度を制御するように構成される。
【0032】
制御側通信機206及び被制御側通信機は、ネットワークを介して接続することができる。通信可能な接続とは、設備同士が直接的又は間接的に互いに通信でき、例えば、ネットワークを介してデータ及び/又は信号を互いに送受信することを指す。ネットワークは、インターネット及び/又は電気通信ネットワークに基づくモノのインターネット(Internet of Things)であってもよく、有線ネットワークであってもよく、無線ネットワークであってもよく、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN))、セルラーデータ通信ネットワークなどの、情報交換機能を実現できる電子ネットワークであってもよい。
【0033】
制御側通信機206が伝送されたスライド感覚データを受信した後、スライド感覚シミュレーションコントローラ205が、被制御側のスライド動作方向及びスライド動作速度を回転速度制御信号にそれぞれ変換して、少なくとも1つのモータ204の出力速度を制御することにより、少なくとも1つの同期ベルト202を対応する回転速度に達させることができる。
【0034】
例えば、スライド感覚シミュレーションコントローラ205は、比例積分微分コントローラ2051と、少なくとも1つのモータ204の実際の回転速度を取得するように構成される少なくとも1つの制御側回転速度センサ2053と、電力増幅器2052とをさらに含む。いくつかの実施例において、上記スライド感覚シミュレーションコントローラ205において、さらに速度センサレス制御ポリシーを用いることができ、例えば、速度オブザーバを採用して上記少なくとも1つのモータの回転速度を推定する。この場合、上記少なくとも1つの制御側回転速度センサ2053は、省略されてもよく、速度オブザーバ2053’によって置き換えられてもよい。
【0035】
例えば、モータ204は、低電力直流モータであり得て、制御側回転速度センサ2053は、モータ204に内蔵されたエンコーダであり得る。エンコーダは、少なくとも1つのモータ204の実際の回転速度データn(t)を直接取得することができ、ここで、tが時刻を表し、n(t)が時刻tにおけるモータ204の実際の回転速度を表す。モータ204の回転速度に基づいて、モータ204に関連付けられた同期ベルト202の実際の回転速度を計算して、スライド動作速度が正確であるか否かを判断することができる。少なくとも1つのモータ204に付属したエンコーダを制御側回転速度センサ2053として利用することにより、構造を簡略化し、製造を容易にすることができる。
【0036】
また例えば、制御側回転速度センサ2053は、同期ベルト202の回転速度を検知するセンサであり得る。制御側回転速度センサ2053は、同期ベルト202の回転速度を検出するようにベース1に設置され得る。同期ベルトの回転速度に基づいて、それに関連付けられたモータ204の実際の回転速度データn(t)も導出することができる。
【0037】
制御側回転速度センサ2053は、比例積分微分コントローラ2051に電気的に接続され得るか又は通信可能に接続され得る。比例積分微分コントローラとは、比例積分微分制御(proportional-integral-derivative control、PID制御)法則に基づいて機械的構成要素を制御するコントローラを指す。各モータ204に対して、比例積分微分コントローラ2051は、モータの回転速度データ及び回転速度制御信号に基づいて回転速度制御信号を生成する。
【0038】
例えば、少なくとも1つのモータ204が低電力直流モータである場合、回転速度制御信号は、モータ電圧制御信号に変換され得る。モータ電圧制御信号は、モータ204に印加する直流電圧を示す。これにより、スライド感覚シミュレーションコントローラ205は、モータ204に印加する電圧を調整することにより、モータ204の回転速度を調整する。
【0039】
例えば、比例積分微分コントローラ2051は、比例積分微分制御法則に基づいて、制御側回転速度センサ2053により取得された実際の回転速度データn(t)に基づいて所望の回転速度r(t)を計算して分析して、少なくとも1つのモータ204の回転速度への調整を実現することができる。ここで、所望の回転速度r(t)は、時刻tに達するように望んでいるモータ204の回転速度を表し、スライド感覚データによって示されてよい。
【0040】
スライド感覚シミュレーションコントローラ205が少なくとも1つのモータ204の回転速度を調整する方法は、以下を含む。スライド感覚シミュレーションコントローラ205は、スライド感覚データに基づいてモータ204の所望の回転速度r(t)を計算し、制御側回転速度センサ2053は、少なくとも1つのモータ204の実際の回転速度n(t)を検知する。スライド感覚シミュレーションコントローラ205は、所望の回転速度r(t)を実際の回転速度n(t)と比較して、差e(t)=r(t)-n(t)を計算する。比例積分微分コントローラ2051は、差e(t)に基づいて回転速度制御信号u(t)を計算する。回転速度制御信号u(t)は、時刻tにモータの回転速度を制御する信号を表す。いくつかの実施例において、u(t)は、簡単な線形変化によってモータ電圧制御信号y(t)に変換することができる。y(t)は、時刻tにおけるモータ駆動電圧を表す。この場合、いくつかの実施例において、u(t)は、単に電力増幅器2052によってモータ電圧制御信号y(t)を取得し、モータ204の電圧を変更することで少なくとも1つのモータ204を駆動してその回転速度を変更することにより、スライド動作シミュレーションを実現することができる。
【0041】
装置200は、制御側圧力センサ207をさらに含むことができ、制御側圧力センサ207は、スライド感覚シミュレーションコントローラ205に通信可能に接続され、上記少なくとも1つの同期ベルトに印加された圧力を感知し、かつ圧力検出信号を生成するように構成される。ここで、スライド感覚シミュレーションコントローラ205はさらに、制御側圧力センサ207から圧力検出信号を受信し、かつ圧力検出信号を圧力制御データに変換するように構成される。ここで、制御側通信機206はさらに、スライド感覚シミュレーションコントローラ205から上記圧力制御データを受信し、かつ被制御側通信機に圧力制御データを送信するように構成される。
【0042】
例えば、制御側圧力センサ207は、ベース201の底部に設置されてもよく、ユーザが同期ベルトに圧力を印加すると、スライド感覚シミュレーション装置200全体に圧力を印加し、ベース200の底部にある制御側圧力センサ207を利用して、スライド動作シミュレーション装置200全体が受けた圧力を検知することができる。また例えば、制御側圧力センサ207は、同期ベルトがベース201に接触するスリットに設置されてもよく、ユーザが印加した圧力を検知することができる。当業者は、制御側圧力センサ207がユーザによって印加された圧力を検知することができる限り、制御側圧力センサ207が必要に応じて装置200の他の適切な位置に設置されてもよいことを理解すべきである。制御側圧力センサ207は、検出された圧力を圧力検出信号に変換し、そして圧力検出信号をスライド感覚シミュレーションコントローラ205に送信することができる。
【0043】
スライド感覚シミュレーションコントローラ205は、制御側圧力センサ207から圧力検出信号を受信した後、圧力検出信号を圧力制御データに変換することができる。圧力制御データは、被制御オブジェクトが外部に印加する圧力を制御するために用いられる。制御側通信機206は、スライド感覚シミュレーションコントローラ205から圧力制御データを受信し、かつ被制御側通信機に圧力制御データを送信する。例えば、被制御オブジェクトがロボット指又はグリッパである場合、被制御オブジェクトは、その内蔵した被制御側通信機によって圧力制御データを受信した後、該圧力制御データに基づいて機械の指の握力又は押圧力を変更することができる。また例えば、被制御オブジェクトが仮想ゲームにおける仮想キャラクターである場合、制御される仮想キャラクターは、該圧力制御データに基づいて、それが別の仮想オブジェクトに印加する作用力を調整することができる。
【0044】
スライド感覚シミュレーション装置200は、同期ベルトを採用してスライド感覚をシミュレーションする。同期ベルトは無限回転することができ、変位範囲に制約がないため、該スライド感覚シミュレーション装置200は、連続的なスライド感覚シミュレーションを提供することができる。
【0045】
図3は、本願の実施例により提供された別のスライド感覚シミュレーション装置300の概略構成図である。
【0046】
図3に参照されるように、本願の実施例に係るスライド感覚シミュレーション装置300は、図1に示すようにゲームパッドに同様に装着することもでき、独立して使用されてユーザにスライド感覚シミュレーションを提供することもできる。以下、説明の便宜上、図3は、装置300を独立して使用する場合の装置の構造を説明するが、当業者は、本願の実施例がこれに限定されないことを理解すべきである。
【0047】
例えば、スライド感覚シミュレーション装置300は、ベース201と同様であり、第1の同期ベルト303、第2の同期ベルト306、第1の同期ホイール304、第2の同期ホイール307、第1のモータ302及び第2のモータ305がその上に設置されるベース301を含む。装置300は、同様に、装置200におけるスライド感覚シミュレーションコントローラ205をさらに含むことができ、いくつかの実施例において、制御側通信機206及び制御側圧力センサ207をさらに含むことができる。
【0048】
第1のモータ302及び第2のモータ305は、上述したモータ204と同様であるため、ここでは繰り返さない。
【0049】
第1のモータ302に関連付けられた同期ホイールは第1の同期ホイール304であり、第1のモータ302に関連付けられた同期ベルトは第1の同期ベルト303である。
【0050】
第2のモータ305に関連付けられた同期ホイールは第2の同期ホイール307であり、第2のモータ305に関連付けられた同期ベルトは第2の同期ベルト306である。
【0051】
第1の同期ベルト303の一端は、第1の同期ホイール304に套設され、第1の同期ベルト303のもう一端は、第1のモータ302に関連付けられた位置制限装置に套設される。第1のモータ302は、第1の同期ホイール304に動力伝達可能に接続されることにより、第1の同期ホイール304及び第1の同期ベルト303を回転させるように駆動する。
【0052】
第2の同期ベルト306の一端は、第2の同期ホイール307に套設され、第2の同期ベルト306の他端は、第2のモータ305に関連付けられた位置制限装置に套設される。第2のモータ305は、第2の同期ホイール307に動力伝達可能に接続されることにより、第2の同期ホイール307及び第2の同期ベルト306を回転させるように駆動する。
【0053】
第1の同期ベルト303の延伸方向は第1の方向であり、第2の同期ベルト306の延伸方向は第2の方向であり、第1の方向及び第2の方向は交差する。いくつかの実施例において、第1の方向は第2の方向に垂直であり、かつ第1の同期ベルト303及び第2の同期ベルト306は、第1の方向及び第2の方向が構成する平面に垂直な方向において重なる部分(例えば、図3における格子領域)を有する。
【0054】
第1の同期ベルト303及び第2の同期ベルト306は、交差して配置される(図3に示すように、第1の同期ベルト303は、第2の同期ベルト306の上方に交差して積層される)。第1の同期ホイール304及び第2の同期ホイール307の回転軸は、軸方向が異なる。
【0055】
図3には、1本の第1の同期ベルト303及び1本の第2の同期ベルト306のみが示されるが、当業者は、複数本の第1の同期ベルト303が存在し得ること、複数本の第2の同期ベルト306が存在し得ること、及び本願の実施例が第1の同期ベルト303及び第2の同期ベルト306の数を限定しないことを理解すべきである。
【0056】
例えば、ユーザの指が図3における格子領域を押圧すると、第1の同期ベルト303は、第1のモータ302が動作しているときに第1の方向に前向きに回転するか又は後向きに回転する可能性があり、このとき、ユーザは、第1の同期ベルト303が第1の方向にスライド動作することを感じることができる。このとき、装置300は、第1の同期ベルト303の運動によって、ユーザが第1の方向にスライド動作する物体に触れる感覚をシミュレーションする。
【0057】
第2の同期ベルト306が第2のモータ305の動作に伴って第2の方向に前向きに回転するか又は後向きに回転するとき、第2の同期ベルト306が第1の同期ベルト303に接触するため、ユーザは、格子領域を押圧するときに第1の同期ベルト303を介して第2の同期ベルト306のスライド動作を感じることもできる。このとき、装置300は、同期ベルト306の運動によって、ユーザが材料層を介して第2の方向にスライド動作する物体に触れる感覚をシミュレーションする。ユーザが第2の同期ベルト306を直接押圧すると、ユーザは、第2の同期ベルト306が第2の方向にスライド動作することを感じることができる。
【0058】
いくつかの実施例において、第2の同期ベルト306及び第1の同期ベルト303は同時に回転することができ、ユーザの指が図3における格子領域を押圧すると、ユーザは、2つの方向のスライド動作を同時に感じることができる。第1の同期ベルト303及び第2の同期ベルト306のそれぞれの回転速度を制御することにより、ユーザは、360度方向にスライド動作を感じることができる。本明細書には、説明の便宜上、ユーザの指が格子領域を押圧する場合のみが言及されるが、当業者は、指が第1の同期ベルト及び第2の同期ベルトの他の位置を押圧するとき、装置300が依然としてユーザにスライド感覚をフィードバックすることができることを理解すべきである。
【0059】
例えば、第1のモータ302及び第2のモータ305の回転速度を変更することにより、第1の同期ベルト303及び第2の同期ベルト306が異なる速度で回転することができ、それによりユーザに異なる速度でのスライド感覚フィードバックを提供する。装置100と比較して、第1の同期ベルト303及び第2の同期ベルト306が第1の方向及び第2の方向に連続的に回転することができ、変位範囲に制約がない。そのため、装置300は、連続的なスライド感覚シミュレーションを提供することができ、2つの方向のスライド動作合成を利用して、異なる方向及び速度のスライド動作シミュレーションを実現することができ、構造が簡単であり、製造が容易であり、コストが低く、ユーザに被制御側設備のスライド動作速度及び方向をリアルタイムで感じさせる。
【0060】
図4Aは、本願の実施例に係るスライド感覚シミュレーション装置400の概略構成図である。図4Bは、本願の実施例に係るスライド感覚シミュレーション装置400の上面図である。図4Cは、本願の実施例に係るスライド感覚シミュレーション装置400の正面図である。図4Dは、本願の実施例に係るスライド感覚シミュレーション装置400の背面図である。図4Eは、本願の実施例に係るスライド感覚シミュレーション装置400の分解図である。
【0061】
スライド感覚シミュレーション装置400は、ベース401を含み、ベース401の機能は、上述したベース201及びベース301の機能と同様であり、スライド感覚シミュレーション装置400の他の構成要素に構造的支持を提供する。装置400は、同様に、装置200における制御側通信機206をさらに含むことができ、いくつかの実施例において、スライド感覚シミュレーションコントローラ205及び制御側圧力センサ207をさらに含むことができる。
【0062】
第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bは、第1の同期ホイール404と第1のモータ402に関連付けられた位置制限装置とに套設され、第1のモータ402は、第1の同期ホイール404に動力伝達可能に接続されることにより、第1の同期ホイール404と第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bを回転させるように駆動する。いくつかの実施例において、第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bは互いに平行であり、かつ第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bは、第1の同期ホイール404上の位置制限ストリップによって隔てられている。
【0063】
いくつかの実施例において、第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bは、第2の同期ホイール407と第2のモータ405に関連付けられた位置制限装置とに套設され、第2のモータ405は、第2の同期ホイール407に動力伝達可能に接続されることにより、第2の同期ホイール407と第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bを回転させるように駆動する。いくつかの実施例において、第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bは互いに平行であり、かつ第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bは、第2の同期ホイール407上の位置制限ストリップによって隔てられている。
【0064】
いくつかの実施例において、上述した同期ホイールがいずれも柱状であり、中間に位置制限ストリップを設置することで、1組の平行な同期ベルトの相互摩擦を防ぎ、ユーザがスライド動作を感じることを容易にすることができる。
【0065】
第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bは、それぞれ第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bと交差して重なる。ここでは、第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bを第2の同期ホイール407と第2のモータ405に関連付けられた位置制限装置とに套設した後、第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bは、それぞれ第2の同期ホイール407と第2のモータ405に関連付けられた位置制限装置とに接触する2つの円弧部分、及び第2の同期ホイール407と第2のモータ405に関連付けられた位置制限装置との間にある2つの直線部分を形成することが理解され得る。第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bの少なくとも2つの直線部分は、第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bの直線部分に接触する。第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bが回転する第2の方向は、第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bが回転する第1の方向と交差する。
【0066】
ユーザの指が同期ベルトの重なる直線部分に置かれると、第2の同期ベルト406A、第2の同期ベルト406B、第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bの回転をユーザの指に直接伝達することができる。このとき、ユーザは、第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bと第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bの4者のスライド動作の重ね合わせに基づいて、実際のスライド動作の全体的な方向及び速度を判断することができ、ユーザが全方向の移動を感じることができる。例えば、第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bがいずれも第1の方向に前向きに回転し、第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bがいずれも第2の方向に前向きに回転すると仮定する。第1の方向が第2の方向に垂直であり、かつ第1のモータ402及び第2のモータ405の回転速度が同じである場合、ユーザは、第1の方向及び第2の方向と全体的に45°の夾角をなす方向を向く剪断力を感じる。
【0067】
いくつかの実施例において、第1の方向が第2の方向に垂直である。このとき、実際のスライド動作の全体的な方向及び速度は、垂直である2つの方向の速度に分解することができる。このとき、第2の同期ベルト406A、第2の同期ベルト406B、第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bは、それぞれ横方向及び縦方向のスライド動作速度をシミュレーションし、アルゴリズムを簡略化し、多方向のシミュレーションを容易にすることができる。当然のことながら、第1の方向及び第2の方向は他の角度で交差することもでき、両者が平行でないと任意の方向の速度を合成することができ、本願の実施例はこれを限定しない。
【0068】
いくつかの実施例において、第2の同期ベルト406A及び第2の同期ベルト406Bの外側表面には、第1の同期ベルト403A及び第1の同期ベルト403Bとは異なる凹凸テクスチャが設置される。同期ベルトがスライド動作するとき、ユーザは、表面の異なる凸テクスチャによる感覚を利用して同期ベルトを区別することができる。
【0069】
いくつかの実施例において、上述した同期ベルトの厚さはいずれも1mm未満であり得て、該厚さは、同期ベルトのスライド動作を容易にし、摩耗を低減するだけでなく、ユーザが感じることも容易にする。当然のことながら、本願の実施例はこれに限定されない。
【0070】
いくつかの実施例において、上述した同期ベルトは、いずれも内側表面が滑らかなゴム材質であり、同期ベルトが接触するときに生じる摩擦力を低減することができるとともに、同期ホイールとの効果的な動力伝達を実現することができる。
【0071】
いくつかの実施例において、ベース401には、4つのテンションスライダ及びテンションスライド溝がさらに設置される。ベースにはテンションスライド溝が設置され、テンションスライダは、テンションスライド溝内にスライド動作可能に設置され、そのスライド動作方向がそれに連結された同期ホイールの配列方向である。イモネジは、ベース401に接続され、かつテンションスライダに接触するようにテンションスライド溝内まで延伸して、テンションスライド溝内のテンションスライダの位置を制限する。同期ホイールは、軸によりテンションスライダに回転可能に接続される。イモネジとテンションスライダとの協力により、同期ホイールをその対応する同期ベルトの回転方向に前後に移動させるように制御することができ、同期ベルトのテンションを調整して、接触している複数本の同期ベルトの密集度の調整を制御することができる。
【0072】
いくつかの実施例において、ベースは、底板と、2つの横方向に取り外し可能な側板と、2つの縦方向に取り外し可能な側板とをさらに含む。2つの横方向に取り外し可能な側板は平行に対向して設置され、かつ両者はいずれも底板に固定接続され、第1の同期ホイール404/第2の同期ホイール407は、底板の上であって、かつ横方向に取り外し可能な側板の間に回転可能に設置され、第1のモータ402は、上記底板に固定接続される。2つの縦方向に取り外し可能な側板は平行に対向して設置され、かつ両者はいずれも上記底板に固定接続される。第1の同期ホイール404/第2の同期ホイール407は、底板の上であって、かつ縦方向に取り外し可能な側板の間に回転可能に設置され、第2のモータ405は、上記底板に固定接続される。
【0073】
装置400は、複数本の同期ベルトが協力する多同期ベルト構造を採用し、これは、無限回転を実現でき、変位範囲に制約がなく、連続的なスライド感覚シミュレーションを提供することができるだけでなく、2つの方向のスライド動作合成を利用して、異なる方向及び速度のスライド動作シミュレーションを実現することもでき、構造が簡単であり、製造が容易であり、コストが低く、ユーザが被制御オブジェクトのスライド動作速度及び方向をリアルタイムで感じることにより、制御信号を被制御オブジェクトにリアルタイムで送信して被制御オブジェクトのスライド動作速度を変更する。
【0074】
図5Aは、本願の実施例に係る被制御ロボット500の概略図である。図5Bは、本願の実施例に係る被制御ロボット500のブロック図である。
【0075】
図5Aに参照されるように、被制御ロボット500は、被制御側通信機501、被制御側圧力センサ502及び被制御側コントローラ503を含む。
【0076】
被制御側通信機501は、圧力制御データを受信し、かつスライド感覚シミュレーション装置200、スライド感覚シミュレーション装置300及びスライド感覚シミュレーション装置400のいずれかの装置にスライド感覚データを送信するように構成される。以下、スライド感覚シミュレーション装置400にスライド感覚データを送信することを例として説明するが、当業者は、本願の実施例がこれに限定されないことを理解すべきである。
【0077】
ここでは、スライド感覚データは、被制御ロボットが感じた剪断力を特徴付けることができるデータを指す。例えば、図5Aにおいて、被制御ロボット500が挟持された物体を挟もうとする場合、挟持された物体が下にスリップする可能性がある。被制御ロボット500は、挟持された物体が下にスライド動作することを感知することによりスライド感覚データを生成し、そして該スライド感覚データをスライド感覚シミュレーション装置400に送信することができる。そして、スライド感覚シミュレーション装置400は、該スライド感覚データに基づいて、同期ベルトの回転を調整して、挟持された物体が下にスライド動作する状態をシミュレーションすることができる。ユーザの指が同期ベルトを押圧すると、ユーザは、挟持された物体が下にスライド動作する状態を感じることができ、それによりスライド感覚シミュレーション装置400は、ユーザにシミュレーションしたスライド感覚を提供することを実現する。
【0078】
ユーザの指がスライド感覚シミュレーション装置400における同期ベルトが重なる直線部分に触れると、挟持された物体のスライド動作を感じることができる。そして、スライド感覚シミュレーション装置400は、圧力制御データを被制御ロボット500にフィードバックする。例えば、このときにユーザがスライド感覚シミュレーション装置400に適切な押圧力を印加すると仮定する。上記のように、スライド感覚シミュレーション装置400における制御側圧力センサは、ユーザが印加した圧力を検知し、そして圧力検出信号を生成することができる。スライド感覚シミュレーション装置400におけるスライド感覚シミュレーションコントローラは、該圧力検出信号を圧力制御データに変換し、かつスライド感覚シミュレーション装置400における制御側通信機によって被制御ロボット500の被制御側通信機501に出力することができる。
【0079】
被制御側圧力センサ502は、被制御ロボット500が印加した圧力を検出し、かつ被制御ロボット500の圧力データを生成するように構成される。例えば、被制御ロボットがロボット指を有する場合、被制御側圧力センサ502をロボット指に装着して、ロボット指が他の物体に印加した作用力を検出することができる。
【0080】
被制御側コントローラ503は、被制御側通信機501及び被制御側圧力センサ502に通信可能に接続される。被制御側コントローラ503は、被制御ロボット500の圧力データ及び圧力制御データに基づいて、被制御ロボット500が印加する圧力を調整し、被制御ロボット500の圧力データをスライド感覚データに変換し、かつスライド感覚データを被制御側通信機501に送信するように構成される。
【0081】
例えば、ユーザがスライド感覚シミュレーション装置400に触れることにより挟持された物体が下にスリップすることを感じると仮定すると、ユーザは、押圧力を増加させて、挟持された物体がスリップしなくなるように試みる可能性がある。これにより、圧力制御データは、挟持された物体に印加する圧力を増加させるように被制御ロボットに指示する。被制御側コントローラ503は、圧力データと圧力制御データとを比較して、被制御ロボット500が挟持された物体に印加する圧力を最終的に決定することができる。被制御ロボット500が挟持力を増加させると、挟持された物体が下にスリップしなくなる可能性がある。このとき、被制御側コントローラ503は、被制御側圧力センサ502が検出した圧力データに基づいて(例えば、摩擦力式などを利用して)スライド感覚データを更新し、そしてスライド感覚データを被制御側通信機501によってスライド感覚シミュレーション装置400に送信することができる。
【0082】
いくつかの実施例において、図5Aに示すように、被制御ロボット500は、ロボット指504をさらに含む。ロボット指504は、指モータ5041(図示せず)、機械動力伝達部材5042及び指挟持部材5043を含む。指モータ5041は、ロボット指504を駆動する。被制御側コントローラ503は、ロボット指の挟持力を制御する(すなわち、被制御ロボットが印加する圧力を調整する)ように構成されている。いくつかの実施例において、被制御側コントローラ503は、被制御ロボットの圧力データ及び圧力制御データに基づいて、指モータ5041を制御するために用いられる回転速度制御信号を生成することができ、指モータ5041は、機械動力伝達部材5042を駆動し、機械動力伝達部材5042は、指挟持部材5043を連動させて、上記指挟持部材5043の挟持力を調整する。
【0083】
例えば、図5Bに示すように、被制御側コントローラ503には、上述した比例積分微分コントローラ2051と同様な被制御側比例積分微分コントローラ5031が含まれ得る。被制御側比例積分微分コントローラ5031は、比例積分微分法則に基づいて指モータ5041の回転速度を制御することができる。例えば、被制御側比例積分微分コントローラ5031は、比例積分微分制御法則に基づいて、圧力制御データFc(t)を被制御ロボットの圧力データp(t)に基づいて計算して分析して、指モータ5041の回転速度への調整を実現することができる。ここで、圧力制御データFc(t)は、スライド感覚シミュレーション装置400によって、ロボット指が時刻tに挟持された物体に印加するように望んでいる挟持力を表す。被制御ロボットの圧力データp(t)は、ロボット指が時刻tに挟持された物体に印加する挟持力を表す。
【0084】
被制御側コントローラ503は、圧力制御データFc(t)を被制御ロボットの圧力データp(t)と比較して、差d(t)=Fc(t)-p(t)を取得する。そして、被制御側比例積分微分コントローラ5031は、d(t)に基づいて、指モータ5041の回転速度制御信号uf(t)を決定する。例えば、モータの回転速度とロボット指が印加した力との間の変換により、被制御側比例積分微分コントローラ5031は、d(t)に基づいて、指モータ5041の回転速度制御信号uf(t)を決定し、それは、時刻tにモータの回転速度を制御する信号を表す。いくつかの実施例において、uf(t)は、簡単な線形変化により指モータ電圧制御信号yf(t)に変換することができる。yf(t)は、時刻tにおける指モータ5041の駆動電圧を表す。この場合、いくつかの実施例において、uf(t)は、単に電力増幅器5045によって指モータ電圧制御信号yf(t)を得ることができ、指モータ5041の電圧を変更して指モータ5041を駆動してその回転速度を変更することにより、スライド動作シミュレーションを実現する。
【0085】
指モータ5041の直流モータを駆動する電圧を変更して指モータ5041の回転速度を変更することにより、ロボット指が挟持された物体に印加した力を調整して、挟持された物体のスライド動作を阻止する。
【0086】
いくつかの実施例において、被制御側圧力センサ502を採用せずに、すなわち、実際のロボットの手が印加した力をフィードバックとして使用せずに、圧力制御データFc(t)を、指モータ2051を駆動する電圧と簡単に直接マッピングしてもよく、それにより制御システム及び制御方式を簡略化することができる。
【0087】
本願の実施例により提供された被制御ロボット500について、ユーザがスライド感覚シミュレーション装置を利用して被制御ロボット500を遠隔に制御操作する場合、スライド感覚シミュレーション装置は、ロボットの指先にある感覚センサによって提供されたスライド動作感覚フィードバックをシミュレーションして、ロボットによって掴まれた物体のスライド動作方向及び速度をユーザに感じさせる。同時に、被制御ロボット500の被制御側圧力センサ502は、掴まれた物体がスライド動作しているか又はスライド動作しようとしていることを感じるか又は予測するのに役立つことができ、そして、被制御ロボット500は、感じた情報に基づいてスライド感覚情報を生成し、スライド感覚シミュレーション装置にフィードバックして、反応するようにユーザに通知することができる。本願の実施例において、スライド感覚シミュレーション装置は、ユーザの反応を収集して圧力制御信号を生成し、被制御ロボット500は、該圧力制御信号に基づいて物体がスライド動作することを阻止することにより、閉ループ制御システムを形成する。
【0088】
本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置は、簡単かつコンパクトであり、体積が小さく、製造が容易であり、コストが低い。本願の実施例により提供された被制御ロボットが採用したアルゴリズムも簡単かつ効率的であり、実現が容易である。
【0089】
本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置は、被制御ロボットと互いに通信してロボットの手の動作をシミュレーションすることができるだけでなく、ロボットの他の部分、又は、仮想現実、コンピュータゲーム、ヒューマンコンピュータインタラクションなどのシーンに応用することもできる。
【0090】
図6は、本願の実施例に係るゲームパッド600と仮想ゲーム機700とのインタラクションの概略図である。
【0091】
図6に示すように、本願の実施例に係るゲームパッド600は、ケース601と、電源602と、ケース601の内部に設置されたスライド感覚シミュレーション装置603とを含む。スライド感覚シミュレーション装置603は、上述した実施例に開示されたようなスライド感覚シミュレーション装置200、300及び400のいずれか1つであり得る。ここで、スライド感覚シミュレーション装置603は、仮想ゲーム機からスライド感覚データを受信し、かつ前記仮想ゲーム機に圧力制御データを出力することにより、前記仮想ゲーム機において実行される仮想ゲームアプリケーションにおける仮想オブジェクトを制御するように構成される。
【0092】
本願の実施例に係る仮想ゲーム機700は、被制御側通信機701と、プロセッサ702と、画面703とを含む。
【0093】
被制御側通信機701は、ゲームパッド600から圧力制御データを受信し、かつゲームパッド600にスライド感覚データを送信するように構成される。被制御側通信機701は、上述した被制御側通信機501と同様であるため、本願の実施例において繰り返さない。
【0094】
プロセッサ702は、仮想ゲームアプリケーションを実行するように構成される。該仮想ゲームアプリケーションにおける第1の仮想オブジェクトは、ゲームパッドによって制御される。例えば、図6に示すように、第1の仮想オブジェクトは、棒を握ろうとする人間の手であり得る。棒は、第2の仮想オブジェクトである。プロセッサ702は、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を示す圧力データを計算し、上記圧力データ及び上記圧力制御データに基づいて、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を調整し、かつ上記圧力データを更新し、更新された圧力データをスライド感覚データに変換し、かつ上記スライド感覚データを被制御側通信機に送信するように構成される。
【0095】
異なるゲームアプリケーションに応じて、プロセッサ702が圧力データを計算する方法も異なる可能性があり、本願の実施例はこれを限定しない。
【0096】
例えば、図6に示すように、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトを握ろうとする場合、第2の仮想オブジェクトは下にスリップする可能性がある。プロセッサ702は、計算により、第2の仮想オブジェクトが下にスライド動作することを決定することによりスライド感覚データを生成し、そして該スライド感覚データをスライド感覚シミュレーション装置603に送信することができる。そして、スライド感覚シミュレーション装置603は、該スライド感覚データに基づいて、同期ベルトの回転を調整して、挟持された物体が下にスライド動作する状態をシミュレーションすることができる。ユーザの指が同期ベルトを押圧すると、ユーザは、第2の仮想オブジェクトが下にスライド動作する状態を感じることができ、それによりスライド感覚シミュレーション装置603は、ユーザにシミュレーションしたスライド感覚を提供する。
【0097】
ユーザがスライド感覚シミュレーション装置603に触れることにより第2の仮想オブジェクトが下にスリップすることを感じると仮定すると、ユーザは、押圧力を増加させて、第2の仮想オブジェクトがスリップしなくなるように試みる可能性がある。これにより、スライド感覚シミュレーション装置603によって送信された圧力制御データは、第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を増加させるように第1の仮想オブジェクトに指示する。プロセッサ702は、圧力データと圧力制御データとを比較して、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を最終的に決定することができる。第1の仮想オブジェクトが挟持力を増加させた後、第2の仮想オブジェクトは、下にスリップしなくなる可能性がある。このとき、プロセッサ702は、(例えば、摩擦力式などを利用して)スライド感覚データを更新し、そしてスライド感覚データを被制御側通信機701によってスライド感覚シミュレーション装置603に送信することができる。
【0098】
画面703は、第1の仮想オブジェクト及び第2の仮想オブジェクトを表示する。いくつかの実施例において、画面703は、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を調整していることを表示することができる。例えば、画面703は、第1の仮想オブジェクトの握力の数値の変化などを表示することができる。
【0099】
本願の実施例は、制御システムをさらに提供する。該制御システムは、上述したスライド感覚シミュレーション装置及び被制御ロボットを含むか又は上述したゲームパッド及び上述した仮想ゲーム機を含む。
【0100】
本願の実施例は、スライド感覚シミュレーション装置、被制御ロボット、ゲームパッド、仮想ゲーム機及び制御システムを提供する。該スライド感覚シミュレーション装置は、同期ベルトを採用してスライド感覚をシミュレーションする。同期ベルトが無限回転することができ、変位範囲に制約がないため、該スライド感覚シミュレーション装置は、連続的なスライド感覚シミュレーションを提供することができる。本願の実施例はまた、複数の交差する同期ベルトを利用して、複数の方向のスライド動作合成を実現することにより、異なる方向及び速度のスライド動作シミュレーションを実現する。本願の実施例により提供されたスライド感覚シミュレーション装置は、構造が簡単であり、製造が容易であり、コストが低く、被制御オブジェクトのスライド動作速度及び方向をユーザにリアルタイムで感じさせる。
【0101】
なお、図面におけるフローチャート及びブロック図は、本願の様々な実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を図示している。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、1つのモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができ、上記モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部は、規定された論理機能を実現するために用いられる1つ又は複数の実行可能な命令を含む。また、ブロック図における各ブロック、及びブロック図におけるブロックの組み合わせは、規定された機能又は操作を実行する、ハードウェアに基づく専用システムで実現されてもよく、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現されてもよいことに留意されるべきである。
【0102】
本願の様々な例示的な実施例は、ハードウェア、専用回路、ソフトウェア、ファームウェア、論理又はそれらの任意の組み合わせで実施され得る。特定の態様は、ハードウェアで実施され得るのに対し、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェア又はソフトウェアで実施され得る。本願の実施例の各態様は、ブロック図、フローチャートで図示又は記載されるか又は他のいくつかのグラフで示される場合、ここで記載されたブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくは論理、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピューティングデバイス、又はそれらの何らかの組み合わせで実施され得ることを理解すべきである。
【0103】
以上詳述した本発明の例示的な実施例は、例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。当業者は、本発明の原理と精神から逸脱しない限り、これらの実施例又はそれらの特徴に様々な修正及び組み合わせを行うことができ、このような修正が本発明の範囲内に含まれることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0104】
202 同期ベルト
203 同期ホイール
204 モータ
205 スライド感覚シミュレーションコントローラ
207 制御側圧力センサ
302 第1のモータ
303 第1の同期ベルト
304 第1の同期ホイール
305 第2のモータ
307 第2の同期ホイール
402 第1のモータ
403A 第1の同期ベルト
403B 第1の同期ベルト
404 第1の同期ホイール
405 第2のモータ
406A 第2の同期ベルト
406B 第2の同期ベルト
407 第2の同期ホイール
500 被制御ロボット
501 被制御側通信機
502 被制御側圧力センサ
503 被制御側コントローラ
504 ロボット指
700 仮想ゲーム機
701 被制御側通信機
702 プロセッサ
703 画面
2051 比例積分微分コントローラ
2051 指モータ
2052 電力増幅器
2053 制御側回転速度センサ
2053’ 速度オブザーバ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
ベースに設置された少なくとも1つのモータと、
スライド感覚シミュレーションコントローラであって、スライド感覚データを受信し、前記少なくとも1つのモータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成するように構成されるスライド感覚シミュレーションコントローラと、
各前記モータに関連付けられた、少なくとも1つの同期ホイール、少なくとも1つの同期ベルト及び少なくとも1つの位置制限装置と、を含み、
前記同期ベルトは、前記同期ホイール及び前記位置制限装置に套設され、かつ前記モータは、前記少なくとも1つの同期ホイールに動力伝達可能に接続されることにより、前記回転速度制御信号に基づいて前記少なくとも1つの同期ホイール及び前記少なくとも1つの同期ベルトを回転させるように駆動する、スライド感覚シミュレーション装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのモータは第1のモータ及び第2のモータを含み、
前記第1のモータに関連付けられた同期ホイールは第1の同期ホイールであり、第1のモータに関連付けられた同期ベルトは第1の同期ベルトであり、
前記第2のモータに関連付けられた同期ホイールは第2の同期ホイールであり、第2のモータに関連付けられた同期ベルトは第2の同期ベルトであり、
前記第1の同期ベルトの延伸方向は第1の方向であり、前記第2の同期ベルトの延伸方向は第2の方向であり、前記第1の方向と第2の方向は交差し、
前記第1の同期ホイールの回転軸の軸方向は第1の方向に垂直であり、前記第2の同期ホイールの回転軸の軸方向は第2の方向に垂直であり、前記第1の同期ホイールの回転軸の軸方向は前記第2の同期ホイールの回転軸の軸方向とは異なる、請求項1に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項3】
前記第1の同期ベルトの数は少なくとも2つであり、前記少なくとも2つの第1の同期ベルトは互いに平行であり、かつ前記少なくとも2つの第1の同期ベルトは第1の同期ホイール上の位置制限ストリップによって隔てられており、
前記第2の同期ベルトの数は少なくとも2つであり、前記少なくとも2つの第2の同期ベルトは互いに平行であり、かつ前記少なくとも2つの第2の同期ベルトは第2の同期ホイール上の位置制限ストリップによって隔てられている、請求項2に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項4】
前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、かつ前記第1の同期ベルトと前記第2の同期ベルトとは、目標方向において重なる部分を有し、
前記目標方向は、第1の方向及び第2の方向が構成する平面に垂直な方向である、請求項2に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項5】
前記装置は、
制御側通信機をさらに含み、前記制御側通信機は前記スライド感覚シミュレーションコントローラに通信可能に接続され、前記制御側通信機は被制御側通信機からスライド感覚データを受信するように構成され、
前記スライド感覚シミュレーションコントローラはさらに、
前記制御側通信機から前記スライド感覚データを受信し、かつ前記スライド感覚データに基づいて前記少なくとも1つのモータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成することにより、前記少なくとも1つのモータの回転速度を制御するように構成される、請求項1に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項6】
前記装置は、
制御側圧力センサをさらに含み、前記制御側圧力センサは、前記スライド感覚シミュレーションコントローラに通信可能に接続され、前記少なくとも1つの同期ベルトに印加された圧力を感知し、かつ圧力検出信号を生成するように構成され、
前記スライド感覚シミュレーションコントローラはさらに、前記制御側圧力センサから前記圧力検出信号を受信し、かつ前記圧力検出信号を圧力制御データに変換するように構成され、
前記制御側通信機はさらに、前記スライド感覚シミュレーションコントローラから前記圧力制御データを受信し、かつ被制御側通信機に圧力制御データを送信するように構成される、請求項5に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項7】

前記スライド感覚シミュレーションコントローラは比例積分微分コントローラを含み、
各前記モータに対して、前記比例積分微分コントローラは、前記モータの回転速度データ及び前記回転速度制御信号に基づいて、電圧制御信号を生成し、前記電圧制御信号に基づいて、前記モータに印加する電圧を調整することにより、前記モータの回転速度を調整する、請求項1に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項8】

前記同期ホイールの回転軸の両端に少なくとも1つのテンションスライダが套設され、前記テンションスライダが前記ベースの内側のテンションスライド溝内に嵌設されており、
前記テンションスライド溝内の前記テンションスライダの位置は、前記テンションスライド溝に嵌設された位置制限ネジにより制限される、請求項1に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項9】
前記ベースは、底板と、2つの横方向に取り外し可能な側板と、2つの縦方向に取り外し可能な側板とを含み、
前記2つの横方向に取り外し可能な側板は平行に対向して設置され、かつ両者はいずれも前記底板に固定接続され、第1の同期ホイールは、底板の上であって、かつ横方向に取り外し可能な側板の間に回転可能に設置され、第1のモータは、前記底板に固定接続され、
前記2つの縦方向に取り外し可能な側板は平行に対向して設置され、かつ両者はいずれも前記底板に固定接続され、第2の同期ホイールは、底板の上であって、かつ縦方向に取り外し可能な側板の間に回転可能に設置され、第2のモータは、前記底板に固定接続される、請求項2に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項10】
前記第1の同期ベルトの外側表面に、前記第2の同期ベルトとは異なる凹凸テクスチャが設置され、
前記第1の同期ベルト及び前記第2の同期ベルトの内側表面は、いずれも滑らかなゴム材質である、請求項2に記載のスライド感覚シミュレーション装置。
【請求項11】
被制御ロボットであって、
圧力制御データを受信し、請求項1~10のいずれか一項に記載のスライド感覚シミュレーション装置にスライド感覚データを送信するように構成される被制御側通信機と、
被制御ロボットが印加した圧力を検出し、かつ被制御ロボットの圧力データを生成するように構成される被制御側圧力センサと、
前記被制御側通信機及び被制御側圧力センサに通信可能に接続される被制御側コントローラと、を含み、
前記被制御側コントローラは、
前記被制御ロボットの圧力データ及び前記圧力制御データに基づいて、前記被制御ロボットが印加する圧力を調整し、
前記被制御ロボットの圧力データを前記スライド感覚データに変換し、かつ前記スライド感覚データを被制御側通信機に送信するように構成される、被制御ロボット。
【請求項12】
前記被制御ロボットは、ロボット指をさらに含み、前記ロボット指は、指モータ、機械動力伝達部材、及び指挟持部材を含み、
前記指モータは、前記ロボット指を駆動するように構成され、前記被制御側コントローラは、前記ロボット指の挟持力を制御するように構成され、
前記被制御側コントローラはさらに、前記被制御ロボットの圧力データ及び前記圧力制御データに基づいて、前記指モータを制御するために用いられる回転速度制御信号を生成するように構成され、
前記指モータはさらに、前記機械動力伝達部材を駆動するように構成され、前記機械動力伝達部材は、前記指挟持部材を連動させて、前記指挟持部材の挟持力を調整する、請求項11に記載の被制御ロボット。
【請求項13】
ケースと、
電源と、
前記ケースの内部に設置された請求項1~10のいずれか一項に記載のスライド感覚シミュレーション装置と、を含み、
前記スライド感覚シミュレーション装置は、
仮想ゲーム機からスライド感覚データを受信し、かつ前記仮想ゲーム機に圧力制御データを出力することにより、前記仮想ゲーム機において実行される仮想ゲームアプリケーションにおける仮想オブジェクトを制御するように構成される、ゲームパッド。
【請求項14】
仮想ゲーム機であって、
請求項13に記載のゲームパッドから圧力制御データを受信し、かつ前記ゲームパッドにスライド感覚データを送信するように構成される被制御側通信機と、
プロセッサであって、前記プロセッサは仮想ゲームアプリケーションを実行するように構成され、前記仮想ゲームアプリケーションにおける第1の仮想オブジェクトはゲームパッドによって制御される、プロセッサと、
画面であって、第1の仮想オブジェクト及び第2の仮想オブジェクトを表示するように構成される画面と、を含み、
前記プロセッサは、
第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加した圧力を示す圧力データを計算し、
前記圧力データ及び前記圧力制御データに基づいて、第1の仮想オブジェクトが第2の仮想オブジェクトに印加する圧力を調整し、かつ前記圧力データを更新し、
更新された圧力データを前記スライド感覚データに変換し、かつ前記スライド感覚データを被制御側通信機に送信するように構成される、仮想ゲーム機。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか一項に記載のスライド感覚シミュレーション装置と、請求項11~12のいずれか一項に記載の被制御ロボットと、を含む、制御システム。
【請求項16】
請求項13に記載のゲームパッドと、請求項14に記載の仮想ゲーム機と、を含む、制御システム。
【国際調査報告】