IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイメディシンク インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ イーエム−テック・カンパニー・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-脳波測定装置 図1
  • 特表-脳波測定装置 図2
  • 特表-脳波測定装置 図3
  • 特表-脳波測定装置 図4
  • 特表-脳波測定装置 図5
  • 特表-脳波測定装置 図6
  • 特表-脳波測定装置 図7
  • 特表-脳波測定装置 図8
  • 特表-脳波測定装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-01
(54)【発明の名称】脳波測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/291 20210101AFI20230221BHJP
   A61B 5/256 20210101ALI20230221BHJP
【FI】
A61B5/291
A61B5/256 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541885
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 KR2021015418
(87)【国際公開番号】W WO2022173087
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0019519
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522270435
【氏名又は名称】アイメディシンク インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】513195466
【氏名又は名称】イーエム-テック・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EM-TECH.Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン、ソン ワン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、テ-キョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョン ミョン
(72)【発明者】
【氏名】シム、ポ ヒョン
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA03
4C127LL08
4C127LL13
(57)【要約】
本発明は、被検者の頭に合うように大きさが調節されるとともに被検者の頭に密着する脳波測定装置に関し、前記脳波測定装置は、被検者の頭に装着されるボディ部、前記ボディ部に備えられて頭で発生する電気的信号を感知するセンシング部、前記センシング部に電源を供給し、前記センシング部で感知された電気的信号を脳波信号に変換する制御部および前記ボディ部に備えられて前記ボディ部の大きさを調節する調節部を含み、前記調節部は前記ボディ部に復原力を提供することを特徴とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の頭に装着されるボディ部と、
前記ボディ部に備えられて頭で発生する電気的信号を感知するセンシング部と、
前記センシング部に電源を供給し、前記センシング部で感知された電気的信号を脳波信号に変換する制御部と、
前記ボディ部に備えられて前記ボディ部の大きさを調節する調節部と、を含み、
前記調節部は前記ボディ部に復原力を提供することを特徴とする、脳波測定装置。
【請求項2】
前記ボディ部は、
第1側面フレームおよび前記第1側面フレームと離隔する第2側面フレームを含む側面部と、
前記第1側面フレームと前記第2側面フレームを連結する複数のブリッジ部と、を含み、
それぞれの前記ブリッジ部は、
複数個のブリッジハウジングと、
前記ブリッジハウジングと連結され、前記ブリッジハウジングに対して移動可能に備えられる一つ以上の移動ハウジングと、
前記ブリッジハウジングと前記の側面部を連結し、又は前記ブリッジハウジングと前記移動ハウジングを連結する連結フレームと、を含み、
前記調節部は前記複数個のブリッジハウジングに形成されることを特徴とする、請求項1に記載の脳波測定装置。
【請求項3】
前記調節部は、
前記ブリッジハウジングに備えられる調節ハウジングと、
前記調節ハウジングの内部に備えられ、前記調節ハウジングに両端に連結されたそれぞれの前記連結フレームを移動させる対称移動部と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の脳波測定装置。
【請求項4】
前記対称移動部は、
前記調節ハウジングの一側と前記連結フレームを連結する第1連結ラックギアと、
前記調節ハウジングの他側とさらに他の前記連結フレームを連結し、前記第1連結ラックギアと離隔する第2連結ラックギアと、
前記第1連結ラックギアおよび前記第2連結ラックギアのそれぞれに噛み合うように備えられる連結ピニオンギアと、を含み、
前記第1連結ラックギアおよび前記第2連結ラックギアは互いに対向することを特徴とする、請求項3に記載の脳波測定装置。
【請求項5】
前記対称移動部は、前記連結ピニオンギアに結合され、前記連結ピニオンギアの一方向の回転時、前記連結ピニオンギアに対して反対方向の復原力を提供する調節弾性部材をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の脳波測定装置。
【請求項6】
前記調節部は前記連結ピニオンギアの回転を制限するストッパーをさらに含み、
前記ストッパーは、
前記第1連結ラックギアの一面および前記第2連結ラックギアの一面とそれぞれ接触可能に備えられる第1突出部材と、
前記第1連結ラックギアの他面および前記第2連結ラックギアの他面とそれぞれ接触可能に備えられる第2突出部材と、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の脳波測定装置。
【請求項7】
前記複数のブリッジ部のうち一部において、
前記ブリッジハウジングは、
前記第1側面フレームと連結される第1ブリッジハウジングと、
前記第2側面フレームと連結される第2ブリッジハウジングと、を含み、
前記移動ハウジングは、
前記第1ブリッジハウジングと前記第2ブリッジハウジングを連結する第1移動ハウジングを含むことを特徴とする、請求項3に記載の脳波測定装置。
【請求項8】
前記複数のブリッジ部のうち一部において、
前記ブリッジハウジングは、
前記第1側面フレームと連結される第1ブリッジハウジングと、
前記第2側面フレームと連結される第2ブリッジハウジングと、
第3ブリッジハウジングと、を含み、
前記移動ハウジングは、
前記第1ブリッジハウジングと前記第3ブリッジハウジングを連結する第1移動ハウジングと、
前記第2ブリッジハウジングと前記第3ブリッジハウジングを連結する第2移動ハウジングと、を含むことを特徴とする、請求項7に記載の脳波測定装置。
【請求項9】
前記センシング部は、
一側が前記ボディ部の内周面に結合され、他側に開口部が形成されたセンシングハウジングと、
前記センシングハウジングの内部で結合されて前記開口部を通じて突出する電極と、
前記センシングハウジングの一側と前記電極の間に備えられて前記電極に弾性力を提供する弾性部材と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の脳波測定装置。
【請求項10】
前記センシング部は、
前記電極と前記弾性部材の間に備えられて振動する振動部と、
前記電極の内側に備えられて赤外線を発散するLEDと、をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の脳波測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脳波測定装置に関する。より詳細には、多様な被検者の頭に合うように大きさを調節し、被検者の頭に密着可能な脳波測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に脳の機能的メカニズムを究明するために、脳波(Electroencephalogram、EEG)、脳磁図(Magnetoencephalography、MEG)、機能的磁気共鳴映像(functional Magnetic Resonance Imaging、fMRI)等の多様な非侵襲的測定方法が活用されている。
【0003】
このうち脳波(EEG)は、大脳皮質の表面で発生する神経細胞の同期化された活動によって発生する生体内部の電流の流れを、頭皮に付着された電極(electrode)を利用して測定する電気信号である。このような脳波の分析を通じて脳神経細胞の活動情報を非侵襲的に測定することができる。
【0004】
脳波を利用した脳機能の研究は他の脳機能マッピング方法に比べて測定方法が単純であり、環境に対する制約条件が最も少なく、システムの構成が安価で、時間分解能に優れているという多様な長所を保有しているため、脳科学および工学研究において最も基本的な研究手段として活用されている。
【0005】
最近では、脳波を単に脳の電気生理学的メカニズムを理解する用途として使うことだけでなく、機械学習およびディープラーニングを利用して、人の認知、感情あるいは心理状態を間接的に測定、アルツハイマー、不安障害、精神分裂症、うつ病などの多様な神経精神疾患を診断、使用者が直接自身の脳波の状態を把握しながら望む脳波の状態に自己調節する方法を学習するニューロフィードバック(Neurofeedback)、脳波を利用して外部機器を操作したりコミュニケーションを補助する脳-コンピュータインターフェース(Brain-Computer interface、BCI)、電磁場を利用して脳の神経細胞を刺激して治療目的で利用するなどの多様な応用技術が研究および適用されている。
【0006】
このように多様な研究分野で使われる脳波であるので標準測定法が指定されており、これを10-20システムと称する。信頼可能な脳波を記録するためには少なくとも19個の電極チャネルが必要であり、可能であればさらに多くの数のチャネルを使うことが推奨される。10-20システムのモンタージュ(montage)では前述された19個の電極の位置を大脳皮質(Cerebral cortex)の区域に基づいて指定してくれる。
【0007】
既存に使用していた脳波測定器は導電性ゲル(Conductive gel)を利用して頭皮と電極の間で発生するオン抵抗(Electrical impedance)を最小化する湿式電極(Wet electrode)を使う。これは被験者(または被検者)に相当な不快感を招き得る要素であり、脳波検査後に髪を洗わなければならないという短所もある。
【0008】
このような短所に対する改善案として、乾式電極(Dry electrode)を使った脳波測定器の発明が台頭した。
【0009】
乾式脳波測定は導電性ポリマー(Conductive polymer)をコーティングして導電性を高める方法を使う。湿式電極とは異なって頭皮と電極間に非密着が発生する恐れが大きいため、これを改善するためにBrush型電極を使うのが一般的である。
【0010】
しかし、このような努力にもかかわらず、電極ブラシ(brush)による痛み、人種、一人一人の頭の形および頭の大きさの差から発生する頭皮と電極間の非密着、髪の毛による電極非接触問題を克服できずにいる。
【0011】
したがって、乾式電極基盤の多重チャネル脳波測定装置において、前述した問題点を克服する必要性が台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一実施例は、一人一人の頭の形および頭の大きさの差にかかわらず、効率的に脳波を測定できる脳波測定装置を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の一実施例は、一人一人の頭の形および頭の大きさの差により大きさが変更され得る脳波測定装置を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の一実施例は、被検者の頭のうち、特に額と後頭部部分で大きさが多様に変更され得る脳波測定装置を提供することを目的とする。
【0015】
本発明の一実施例は、頭の形により装置の大きさが変更されても信頼できる脳波を記録する脳波測定装置を提供することにその目的がある。
【0016】
本発明の一実施例は、頭の形により装置の大きさが変更されても被検者の頭に密着する脳波測定装置を提供することにその目的がある。
【0017】
本発明が解決しようとする課題は以上で言及された課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は以下の記載から通常の技術者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施例は、前記目的を達成するために、被検者の頭に装着されるボディ部、前記ボディ部に備えられて頭で発生する電気的信号を感知するセンシング部、前記センシング部に電源を供給し、前記センシング部で感知された電気的信号を脳波信号に変換する制御部および前記ボディ部に備えられて前記ボディ部の大きさを調節する調節部を含み、前記調節部は前記ボディ部の大きさが大きくなった場合、前記ボディ部に復原力を提供する脳波測定装置を提供することができる。
【0019】
前記ボディ部は、第1側面フレームおよび前記第1側面フレームと離隔する第2側面フレームを含む側面部および前記第1側面フレームと前記第2側面フレームを連結するブリッジ部を含み、前記調節部は前記ブリッジ部に備えられ得る。
【0020】
前記調節部は、調節ハウジングおよび前記調節ハウジングの内部に備えられて、前記調節ハウジングを基準として前記ブリッジ部を近づけたり遠ざかるように移動させる対称移動部を含み、前記ブリッジ部は、前記調節ハウジングの一側と前記第1側面フレームおよび前記第2側面フレームのうちいずれか一つを連結し、前記調節ハウジングの他側と前記第1側面フレームおよび前記第2側面フレームのうち残りの一つを連結する連結フレームを含むことができる。
【0021】
前記対称移動部は、前記調節ハウジングの一側と前記連結フレームを連結する第1連結ラックギア、前記調節ハウジングの他側と前記連結フレームを連結し、前記第1連結ラックギアと離隔する第2連結ラックギアおよび前記第1連結ラックギアおよび前記第2連結ラックギアのそれぞれに噛み合うように備えられる連結ピニオンギアを含み、前記連結ピニオンギアが正方向に回転時、前記第1連結ラックギアと前記第2連結ラックギアは互いに近づくように移動され、前記連結ピニオンギアが逆方向に回転時、前記第1連結ラックギアと前記第2連結ラックギアは互いに遠ざかるように移動され得る。
【0022】
前記対称移動部は前記連結ピニオンギアに結合されて、前記連結ピニオンギアが逆方向に回転時、前記連結ピニオンギアに復原力を提供して前記連結ピニオンギアを正方向に回転させる調節弾性部材をさらに含むことができる。
【0023】
前記調節部は前記連結ピニオンギアの回転を制限するストッパーをさらに含み、前記ストッパーは、前記連結フレームの端部に備えられる係止部材および前記調節ハウジングの内部に備えられ、前記係止部材と接触するように備えられる突出部材を含み、前記突出部材は、前記連結ピニオンギアの正方向回転を制限する第1突出部材および前記第1突出部材より前記連結ピニオンギアにさらに遠く備えられて前記連結ピニオンギアの逆方向回転を制限する第2突出部材を含むことができる。
【0024】
前記調節ハウジングは互いに離隔する第1-1調節ハウジングおよび第1-2調節ハウジングを含み、前記ブリッジ部は前記第1-1調節ハウジングと前記第1-2調節ハウジングの間に備えられる第1移動ハウジングをさらに含み、前記連結フレームは、前記第1側面フレームおよび前記第2側面フレームのうちいずれか一つと前記第1-1調節ハウジングを連結する第1-1連結フレーム、前記第1-1調節ハウジングと前記第1-2調節ハウジングを連結し、前記第1移動ハウジングを貫通する第1-2連結フレームおよび前記第1-2調節ハウジングと前記第1側面フレームおよび前記第2側面フレームのうち他の一つを連結する第1-3連結フレームを含むことができる。
【0025】
前記調節ハウジングは互いに離隔する第2-1調節ハウジング、第2-2調節ハウジングおよび第2-3調節ハウジングを含み、前記ブリッジ部は、前記第2-1調節ハウジングと前記第2-2調節ハウジングの間に備えられる第2-1移動ハウジングおよび前記第2-2調節ハウジングと前記第2-3調節ハウジングの間に備えられる第2-2移動ハウジングを含み、前記連結フレームは、前記第1側面フレームおよび前記第2側面フレームのうちいずれか一つと前記第2-1調節ハウジングを連結する第2-1連結フレーム、前記第2-1調節ハウジングと前記第2-2調節ハウジングを連結し、前記第2-1移動ハウジングを貫通する第2-2連結フレーム、前記第2-2調節ハウジングと前記第2-3調節ハウジングを連結し、前記第2-2移動ハウジングを貫通する第2-3連結フレームおよび前記第2-3調節ハウジングと前記第1側面フレームおよび前記第2側面フレームのうち他の一つを連結する第2-4連結フレームを含むことができる。
【0026】
前記センシング部は、一側が前記ボディ部の内周面に結合され、他側に開口部が形成されたセンシングハウジング、前記センシングハウジングの内部で結合されて前記開口部を通じて突出する電極および前記センシングハウジングの一側と前記電極の間に備えられて前記電極に弾性力を提供する弾性部材を含むことができる。
【0027】
前記センシング部は、前記電極と前記弾性部材の間に備えられて振動する振動部および前記電極の内側に備えられて赤外線を発散するLEDをさらに含むことができる。
【0028】
本発明のその他の具体的な事項は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施例によると、一人一人の頭の形および頭の大きさの差にかかわらず、効率的に脳波測定が可能となり得る。
【0030】
本発明の一実施例によると、大きさが変更される脳波測定装置を提供することができる。
【0031】
本発明の一実施例によると、被検者の頭のうち額と後頭部部分で大きさの変化の範囲が大きい脳波測定装置を提供することができる。
【0032】
本発明の一実施例によると、頭の形により装置の大きさが変更されても信頼できる脳波を測定する脳波測定装置を提供することができる。
【0033】
本発明の一実施例によると、頭の形により装置の大きさが変更されても被検者の頭に密着する脳波測定装置を提供することができる。
【0034】
本発明の効果は以上で言及された効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は以下の記載から通常の技術者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施例に係る脳波測定装置の大きさが最小である場合が図示された図面である。
図2】本発明の一実施例に係る脳波測定装置の大きさが最大である場合が図示された図面である。
図3】本発明の一実施例に係るセンシング部が図示された図面である。
図4】本発明の一実施例に係る制御部の概念図である。
図5】本発明の一実施例に係る脳波測定装置の大きさが最小である時の調節部が図示された図面である。
図6】本発明の一実施例に係る脳波測定装置の大きさが最大である時の調節部が図示された図面である。
図7】本発明の一実施例に係る調節弾性部が図示された図面である。
図8】本発明の一実施例に係る第1タイプのブリッジ部が図示された図面である。
図9】本発明の一実施例に係る第2タイプのブリッジ部が図示された図面である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を説明することにする。以下の詳細な説明は、本明細書で記述された方法、装置および/またはシステムに対する包括的な理解を助けるために提供される。しかし、これは例示に過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0037】
本発明の実施例を説明するにおいて、本発明に関連した公知の技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略することにする。そして、後述される用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図または慣例などにより変わり得る。したがって、その定義は本明細書全般にわたった内容に基づいて下されるべきである。詳細な説明で使われる用語は単に本発明の実施例を記述するためのものであり、決して制限的であってはならない。明確に異なって使われない限り、単数形態の表現は複数形態の意味を含む。本説明で、「含む」または「具備」のような表現は、何らかの特性、数字、段階、動作、要素、これらの一部または組み合わせを指すためのものであり、記述されたこと以外に一つまたはそれ以上の他の特性、数字、段階、動作、要素、これらの一部または組み合わせの存在または可能性を排除するように解釈されてはならない。
【0038】
一方、第1、第2等が多様な素子や構成要素を叙述するために使われるが、これら素子や構成要素はこれらの用語によって制限されないことは言うまでもない。これらの用語は単に一つの素子や構成要素を他の素子や構成要素と区別するために使うものである。したがって、以下で言及される第1素子や構成要素は本発明の技術的思想内で第2素子や構成要素であってもよいことは言うまでもない。
【0039】
他の定義がない限り、本明細書で使われるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使われ得るであろう。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。
【0040】
以下、図1図2を参照して本発明の一実施例に係る脳波測定装置10の全般的な構成を説明する。
【0041】
図1(a)は大きさが最小である脳波測定装置10を正面から見た姿が図示された図面であり、図1(b)は大きさが最小である脳波測定装置10を下から見た姿が図示された図面であり、図1(c)は側面部の大きさが最小であるときの姿が図示された図面である。
【0042】
図2(a)は大きさが最大である脳波測定装置10を正面から見た姿が図示された図面であり、図2(b)は大きさが最大である脳波測定装置10を下から見た姿が図示された図面であり、図2(c)は側面部の大きさが最大であるときの姿が図示された図面である。
【0043】
本発明の一実施例に係る脳波測定装置10は被検者の頭に装着されるボディ部100、ボディ部100に備えられて被検者の頭で発生する電気的信号を感知するセンシング部200、センシング部200に電源を供給し、センシング部200で感知された電気的信号を脳波信号に変換する制御部300およびボディ部100に備えられてボディ部100の大きさを調節する調節部400を含む。
【0044】
前記調節部400はボディ部100の大きさが大きくなった場合、ボディ部100に復原力(restoring force)を提供してボディ部100の大きさが大きくなる前へ戻すことができるが、これは図7で詳細に後述する。ボディ部100の大きさが大きくなったという意味は、ボディ部を構成する多数の構成間の距離が遠くなったことを意味し得る。また、ボディ部100の大きさが大きくなったという意味は、ボディ部を構成する構成のうち調節部400と連結された構成が調節部400から相対移動して調節部400から遠くなった状態を意味してもよい。
【0045】
本発明の一実施例に係るボディ部100は、被検者の頭に装着されるための形状で備えられて、被検者の頭のうち少なくとも一部を包み込むように備えられ得る。
【0046】
このために、ボディ部100は第1側面フレーム111および前記第1側面フレーム111と離隔した第2側面フレーム113を含む側面部110、第1側面フレーム111と第2側面フレーム113を連結するブリッジ部120を含む。
【0047】
側面部110はブリッジ部120を両側で固定させて、ボディ部100が被検者の頭に装着される時に安定感を形成することができる。
【0048】
ブリッジ部120は複数個で備えられて前後方向に離隔配置され得る。換言すると、ブリッジ部120は前方から後方にそれぞれ離隔する第1ブリッジ部120a、第2ブリッジ部120b、第3ブリッジ部120c、第4ブリッジ部120dおよび第5ブリッジ部120eを含むことができる。もちろん、ブリッジ部120は単品で形成されたり6個以上で備えられてもよいが、前述した10-20システム下で5個で備えられることが好ましい。
【0049】
ブリッジ部120が複数個で備えられる場合、側面部110には複数個のブリッジ部120を両端で支持するための分枝部を含むことができる。
【0050】
具体的には、第1側面フレーム111は第1側面ボディ1111および前記第1側面ボディ1111で複数個に分枝される第1分枝部1113を含むことができる。前記第1分枝部1113は複数個で備えられるものの(1113a~1113e)、互いに離隔して後述する複数個の第1調節ハウジング410とそれぞれ結合され得る。
【0051】
同様に、第2側面フレーム113は第2側面ボディ1131および前記第2側面ボディ1131で複数個に分枝される第2分枝部1133を含むことができる。前記第2分枝部1133は複数個で備えられるものの(1133a~1133e)、互いに離隔して後述する複数個の第1調節ハウジング410とそれぞれ結合され得る。
【0052】
換言すると、第1分枝部1113はブリッジ部120の一端に結合され得、第2分枝部1133はブリッジ部120の他端に結合され得る。
【0053】
前記調節部400は前記ブリッジ部120に備えられて前記ブリッジ部120の大きさを調節することができる。
【0054】
このために、複数個のブリッジ部120それぞれは複数個のフレームまたはハウジングで備えられ得る。この時、調節部400は複数個のフレームまたはハウジングの間に備えられて、調節部400を基準としてフレームまたはハウジングを遠ざかったり近づいたりする方向に移動させることができる。前記複数個のフレームまたはハウジングをそれぞれブリッジフレームまたはブリッジハウジングと指称することができる。ブリッジハウジングは複数個の種類で構成され得る。
【0055】
これにより、調節部400は複数個のブリッジ部120のそれぞれに少なくとも1個以上ずつ備えられてボディ部100の大きさを弾力的に調節することができる。
【0056】
一方、センシング部200は被検者の頭のうち一部分で発生する電気的信号を感知する構成と定義され得る。この場合、センシング部200は複数個で備えられることが好ましい。前述した通り、10-20システムの場合、少なくとも19個の電極チャネルが必要であり、センシング部200が多いほど信頼可能な脳波を測定できるためである。
【0057】
ただし、センシング部200が複数個で備えられてもセンシング部200それぞれの全般的構成は同一に形成され得る。
【0058】
以下、図3を参照して本発明の一実施例に係るセンシング部200を説明する。
【0059】
図3(a)は本発明の一実施例に係るセンシング部200の断面図であり、図3(b)は本発明の一実施例に係る振動部240が図示された図面である。
【0060】
センシング部200はセンサハウジング210、前記センサハウジング210の内部で被検者の頭に接触するように備えられる電極部220を含む。
【0061】
前記センサハウジング210は前記ボディ部100の内周面に備えられ得る。一方、ボディ部100の内周面は被検者の頭に向かう面と定義され得る。
【0062】
具体的には、前記センサハウジング210は側面部110およびブリッジ部120のうち少なくともいずれか一つに備えられ得る。例えば、センサハウジング210は第1側面フレーム111および第2側面フレーム113それぞれに備えられ得、ブリッジ部120の内周面に備えられ得る。
【0063】
ただし、センシング部200が複数個で備えられることにより、前記センサハウジング210は調節部400に備えられてもよい。
【0064】
センサハウジング210は一側が前記ボディ部100の内周面または前記調節部400に備えられ、他側に開口部211が形成される。
【0065】
前記電極部220は前記センサハウジング210の内部に備えられるものの、前記開口部211を通じて前記センサハウジング210の外部に突出され得る。換言すると、電極部220の一部はセンサハウジング210の内部に位置し、電極部220の残りはセンサハウジング210の外部に位置することができる。
【0066】
電極部220はセンサハウジング210の内部に備えられる電極ハウジング221、前記電極ハウジング221に備えられて前記開口部211を通じてセンサハウジング210の外部に露出する電極223を含むことができる。
【0067】
前記電極ハウジング221は前記電極223と離隔する円板フレーム2211、前記円板フレーム2211から突出して前記電極223と結合される第1突出部2213および前記円板フレーム2211から前記電極223と遠ざかる方向に突出する第2突出部2215を含むことができる。
【0068】
前記電極223は被検者の頭に接触して被検者の頭で発生する電気的信号を感知する構成であり、複数個で備えられ得る。前記電極223が複数個で備えられる場合、複数個の電極は前記第1突出部2213を囲むように備えられ得る。
【0069】
ただし、前記電極223は単品で備えられて被検者の頭と接触する面が平たい(flat)円柱状で備えられてもよい。
【0070】
これに加え、前記電極223の形状とは無関係に電極223には銀(Ag)または塩化銀(Agcl)がコーティング(coating)され得る。
【0071】
これにより、被検者の頭にボディ部100が装着される場合、センシング部200は被検者の頭から発生する電気的信号を感知でき、感知された電気的信号は制御部300に伝達され得る。この時、センシング部200は、電極部220で感知された電気的信号を制御部300に伝達するか、直接脳波信号に変換させるPCB250をさらに含むことができる。前記PCB250は前記電極部220に電源を供給することができる。
【0072】
ただし、被検者の髪の毛などによって前記ボディ部100は被検者の頭に密着されないか密着の維持が困難であり得る。
【0073】
このために、センシング部200はセンシングハウジング210内部に備えられて前記電極部220に弾性力を提供する弾性部材230、センシングハウジング210内部に備えられて前記電極部220に振動を提供する振動部240のうち少なくともいずれか一つをさらに含むことができる。
【0074】
前記弾性部材230は、前記センシングハウジング210の一側と前記電極部220の間に備えられて前記電極部220に弾性力を提供することができる。具体的には、前記弾性部材230の一端は前記円板フレーム2211に備えられ、他端は前記センシングハウジング210の一側に備えられ得る。この時、前記弾性部材230は前記第2突出部2215を囲むように備えられ得る。
【0075】
前記弾性部材230は弾性力を提供できる形状であれば制限されない。例えば前記弾性部材230はコイルスプリング(coil-spring)で備えられ得る。
【0076】
これにより、被検者の頭に電極部220が接触する時、被検者が感じる抵抗は減らされ得る。また、被検者がボディ部100を装着した後にボディ部100が被検者の頭に持続的に密着する効果を期待することができる。
【0077】
前記振動部240は、振動フレーム241、前記振動フレーム241の一側に配置されて振動する振動部材243および前記振動部材243に電源を供給する振動電源部245を含むことができる。
【0078】
前記振動電源部245は前記PCB250または前記制御部300から電源の供給を受けて前記振動部材243に伝達することができる。
【0079】
前記振動部240は前記電極部220と隣接するように備えられて前記電極部220に振動を伝達することが好ましい。より好ましくは、前記振動部240は前記弾性部材230と前記電極223の間に備えられ得る。これは弾性部材230による電極部220の位置変化が前記振動部240による電極部220の位置変化より大きいためである。
【0080】
これにより、被検者の頭に前記ボディ部100が装着される時、前記弾性部材230は一次的に被検者の頭に前記ボディ部100を密着させることができ、前記振動部240は被検者の頭と前記ボディ部100が間欠的に離脱することを最小化することができる。
【0081】
一方、前記センシング部200は前記電極部220に備えられて赤外線(好ましくは近赤外線)を発散するLED260をさらに含むことができる。前記LED260は複数個の電極223により囲まれるように備えられ得る。
【0082】
以下、図4を参照して本発明の一実施例に係る制御部300を説明する。
【0083】
図4は、本発明の一実施例に係る制御部300の概念図である。
【0084】
前記制御部300は別途の構成で備えられ得、前記PCB250に備えられ得る。換言すると、前記PCB250には後述する制御部300の機能が搭載されてもよいが、PCB250と制御部300は互いに分離されて相互に情報を交換することができる。
【0085】
前記PCB250は電極部220から電気的信号が伝達されてこれをフィルタリング(filtering)または増幅する増幅/フィルタ部251、前記増幅/フィルタ部251で処理された情報をデジタル情報に変換するADC(analog-digital converter、253)および前記ADC253で変換されたデジタル情報を前記制御部300に伝送する信号出力部255を含むことができる。
【0086】
前記制御部300は前記信号出力部255から情報の伝達を受けて保存されたアルゴリズムによって脳波信号に変換するマイクロプロセッサ(MCU、310)、前記マイクロプロセッサ310から脳波信号の伝達を受けて外部機器(モバイル装置など)に伝達する無線通信部320および前記PCB250と前記マイクロプロセッサ310に電源を供給する電源部330を含むことができる。
【0087】
ただし、前述した通り、前記増幅/フィルタ部251、前記ADC253および前記信号出力部255はすべて制御部300に備えられてもよい。
【0088】
これにより、被検者の頭で発生した電気的信号は脳波信号に変換されて外部機器に提供され得、使用者は被検者の脳波情報を外部機器を通じて確認することができる。
【0089】
一方、被検者の頭にボディ部100が密着するのとは別個に、被検者の頭の大きさは多様である。換言すると、ボディ部100の大きさが一定である場合、特定の被検者の頭への装着が難しかったり、測定された脳波信号を信頼し難い問題が発生する。
【0090】
以下、図5図7を参照して、前記問題を解決するための調節部400を説明する。
【0091】
図5(a)は本発明の一実施例に係る脳波測定装置の大きさが最小であるときの調節部を上部から見た姿が図示された図面であり、図5(b)は脳波測定装置の大きさが最小であるときの調節部の断面図である。
【0092】
図6(a)は本発明の一実施例に係る脳波測定装置の大きさが最大であるときの調節部を上部から見た姿が図示された図面であり、図6(b)は脳波測定装置の大きさが最小であるときの調節部の断面図である。
【0093】
図7(a)は本発明の一実施例に係る調節弾性部が調節部に備えられた姿が図示された図面であり、図7(b)は調節弾性部が図示された図面である。
【0094】
図5~6を参照すると、調節部400は調節ハウジング410、調節ハウジング410の内部に備えられて、調節ハウジング410を基準として前記ブリッジ部120を近づけたり遠ざけたりするように移動させる対称移動部420を含むことができる。調節ハウジング410はブリッジハウジング内に形成される構成であり、場合により調節ハウジング410とブリッジハウジングを同一の構成と定義してもよい。
【0095】
この時、前記ブリッジ部120は調節ハウジング410を側面部110と連結させる連結フレーム130をさらに含むことができる。
【0096】
前記連結フレーム130は調節ハウジング410の内側と前記第1側面フレーム111および前記第2側面フレーム113のうちいずれか一つを連結し、調節ハウジング410の内側と前記第1側面フレーム111および前記第2側面フレーム113のうち残りの一つを連結することができる。換言すると、連結フレーム130は前記調節ハウジング410の一側と側面部110を連結し、調節ハウジング410の他側と側面部110を連結することができる。
【0097】
すなわち、連結フレーム130は一つのフレームで備えられずに複数個のフレームで備えられてもよい。
【0098】
一方、連結フレーム130は弾性を有する素材で備われ得、使用者の頭の形および大きさにより連結フレーム130が若干ねじれ得る程度の弾性力を有することができる。
【0099】
調節ハウジング410の内部には前記連結フレーム130が移動できる空間が形成され得る。後述するが、連結フレーム130は調節ハウジング410の両側それぞれで調節ハウジング410の内部を移動可能であり得る。したがって、前記調節ハウジング410は内部に備えられて前記連結フレーム130の移動を案内する連結ガイド413が形成され得る。
【0100】
前記対称移動部420は調節ハウジング410の一側と連結フレーム130を連結する第1連結ラックギア421、調節ハウジング410の他側と連結フレーム130を連結するものの、前記第1連結ラックギア421と離隔する第2連結ラックギア423および前記第1連結ラックギア421と前記第2連結ラックギア423のそれぞれに噛み合うように備えられる連結ピニオンギア425を含むことができる。
【0101】
前記第1連結ラックギア421は連結フレーム130をなすフレームのうちいずれか一つと調節ハウジング410の内側を連結でき、第2連結ラックギア423は連結フレーム130をなすフレームのうち残りの一つと調節ハウジング410の内側を連結することができる。
【0102】
これにより、連結ピニオンギア425が第1方向R1に回転時、調節ハウジング410の両側に位置した連結フレーム130は互いに近づく方向に移動することができ、連結ピニオンギア425が第2方向R2に回転時、調節ハウジング410の両側に位置した連結フレーム130は互いに遠ざかる方向に移動することができる。
【0103】
ここで、第1方向R1は正方向または時計回り方向と定義され得、第2方向R2は逆方向または反時計回り方向と定義され得る(図面基準)。
【0104】
したがって、連結ピニオンギア425が正方向に回転時、第1連結ラックギア421と第2連結ラックギア423は互いに近づくように移動され、連結ピニオンギア425が逆方向に回転時、第1連結ラックギア421と第2連結ラックギア423は互いに遠ざかるように移動され得る。
【0105】
ただし、連結ピニオンギア425が正方向または逆方向に持続的に回転時、第1連結ラックギア421と第2連結ラックギア423が互いに衝突したり調節ハウジング410の内部で離脱する問題が発生し得る。
【0106】
前記問題を解決するために、調節部400は連結ピニオンギア425の回転を制限するストッパー430をさらに含むことができる。
【0107】
前記ストッパー430は第1連結ラックギア421および第2連結ラックギア423と接触するように備えられる突出部材433を含むことができる。
【0108】
突出部材433は第1連結ラックギア421が第2連結ラックギア423と対向する面(第1面)および第2連結ラックギア423が第1連結ラックギア421と対向する面(第1面)とそれぞれ接触可能に備えられる第1突出部材4331と第1連結ラックギア421のさらに他の面(第2面)と第2連結ラックギア423のさらに他の面(第2面)とそれぞれ接触可能に備えられる第2突出部材4333を含む。
【0109】
第1突出部材4331は連結ピニオンギア425の回転によって調節部400に対して両端の移動ハウジング140が近づく方向への最大移動距離を制限する構成であり、第2突出部材4333は連結ピニオンギア425の反対方向回転によって調節部400に対して両端の移動ハウジング140が遠ざかる方向への最大移動距離を制限する構成である。移動ハウジング140はブリッジの種類によって各ブリッジごとに1個または2個以上が備えられ得る。
【0110】
第1突出部材4331は連結ピニオンギア425の正方向回転を制限し、第2突出部材4333は連結ピニオンギア425の逆方向回転を制限することができる。
【0111】
前記第1突出部材4331は前記調節ハウジング410の内部に備えられて連結ピニオンギア425と隣接するように備えられ得る。併せて、第1突出部材4331は複数個で備えられて、第1連結ラックギア421と接触したり第2連結ラックギア423に接触するように備えられ得る。
【0112】
前記第2突出部材4331は前記調節ハウジング410の内部に備えられるものの、前記第1突出部材4331より前記連結ピニオンギア425から遠く位置することができる。この時、前記第2突出部材4331は調節ハウジング410の一部分であり得る。より具体的には、調節ハウジング410の両側面には連結フレーム130が移動できる開口部411が形成され得る。この時、前記第2突出部材4331は調節ハウジング410の両側面のうち前記開口部411を除いた部分と接触され得る。
【0113】
これにより、前記対称移動部420は前記ブリッジ部120の大きさを変更させることができ、最終的にはボディ部100の大きさを変更させることができる。したがって、被検者の頭の大きさが多様であっても、対称移動部420によりボディ部100が被検者の頭に装着され得る。
【0114】
ただし、ボディ部100が被検者の頭に装着されても、ボディ部100を被検者の頭に密着させる必要性がある。換言すると、ボディ部100が被検者の頭に装着されても、密着が維持されないと信頼性のある脳波信号を生成することが困難であり得る。
【0115】
もちろん、前述した通り、センシング部200は密着のための構成(例えば、弾性部材または振動部)を含むことができるが、これは定められたボディ部100の大きさの限度内で電極部220を被検者の頭に密着させる構成である。
【0116】
したがって、電極部220に限定されず、ボディ部100自体を被検者の頭に密着させる必要がある。
【0117】
図7を参照すると、対称移動部420は連結ピニオンギア425と結合されて前記ボディ部100を被検者の頭に密着させる調節弾性部材427をさらに含むことができる。
【0118】
前記調節弾性部材427はボディ部100に復原力(restoring force)を提供する構成である。換言すると、前記調節弾性部材427はボディ部100が所定の大きさ以上に大きくなる場合、ボディ部100の大きさを大きさが変更される前へ戻す構成と定義され得る。
【0119】
前記調節弾性部材427はぜんまいバネ(spiral spring)または板バネ(flat spring)で備えられ得る。
【0120】
図7は前記調節弾性部材427がぜんまいバネで備えられた場合が図示されるが、復原力を提供できる手段であれば形状に大きな制限はない。
【0121】
調節弾性部材427は連結ピニオンギア425に結合されて連結ピニオンギア425に復原力を提供することができる。このために、連結ピニオンギア425はピニオンハウジング4253、前記ピニオンハウジング4253の一側に結合されて前記連結ラックギア421、423と噛み合うギア部4251、前記ピニオンハウジング4253の他側に結合されて前記調節弾性部材427と結合される締結部4255を含むことができる。
【0122】
前記締結部4255はギア部4251の回転軸を形成するとともに、前記調節弾性部材427に変位を提供する構成であり得る。
【0123】
具体的には、連結ピニオンギア425が前記連結ラックギア421、423により回転することになると、連結ピニオンギア425の回転軸である締結部4255は前記連結ピニオンギア425とともに回転する。この時、回転した締結部4255は前記調節弾性部材427を回転させ、回転された調節弾性部材427は復原力を提供することができる。
【0124】
この時、調節弾性部材427は調節ハウジング410に固定される固定部4271を含むことができる。前記固定部4271が調節ハウジング410に固定されることにより調節弾性部材427は連結ピニオンギア425に復原力を提供することができる。
【0125】
これにより、調節弾性部材427は前記連結ピニオンギア425が逆方向に回転時、連結ピニオンギア425に復原力を提供して連結ピニオンギア425を正方向に回転させることができる。
【0126】
これにより、調節部400はボディ部100の大きさを変更させながらも、ボディ部100が被検者の頭に密着するようにボディ部100に復原力を提供することができる。
【0127】
一方、ボディ部100の大きさが変更されることにより、複数個のセンシング部200それぞれの位置が重要であり得る。ボディ部100の大きさが変更されることはセンシング部200の位置変更を引き起こし、センシング部200の位置変更は脳波信号の信頼性を低下させ得るためである。
【0128】
このために、本発明の一実施例は、ブリッジ部120を2個のタイプに分類してセンシング部200をそれぞれ配置することができる。
【0129】
以下、図1~2、図5~6、図8~9を参照して、2個のタイプのブリッジ部120を説明する。
【0130】
図8は本発明の一実施例に係る第1タイプのブリッジ部が図示された図面であり、図9は本発明の一実施例に係る第2タイプのブリッジ部が図示された図面である。調節ハウジングはブリッジハウジングの一部の構成と解釈されるかブリッジハウジングと同一の概念で説明され得る。
【0131】
第1タイプのブリッジ部121は2個の調節ハウジング410、3個の連結フレーム130を含むことができる。
【0132】
第1タイプのブリッジ部121と第2タイプのブリッジ部123それぞれは移動ハウジング140を含むことができる。前記移動ハウジング140は前記調節ハウジング410を基準として移動可能に備えられる構成であり、センシング部200が結合され得る。
【0133】
前記連結フレーム130は前記移動ハウジング140に固定されて移動をともにすることができる。
【0134】
すなわち、調節部400は調節ハウジング410を基準として両側に配置された連結フレーム130を移動させることができ、前記移動ハウジング140は前記連結フレーム130に固定されて連結フレーム130と同時に移動することができる。
【0135】
したがって、移動ハウジング140に結合されたセンシング部200は調節ハウジング410を基準として遠ざかったり近づいたりするように移動することができる。
【0136】
具体的には、調節ハウジング410は第1-1調節ハウジング410aおよび前記第1-1調節ハウジング410aと離隔する第1-2調節ハウジング410bを含むことができる。
【0137】
前記ブリッジ部120は前記第1-1調節ハウジング140aおよび前記第1-2調節ハウジング140bの間に備えられる第1移動ハウジング140aを含むことができる。
【0138】
前記連結フレーム130は前記第1側面フレーム111および前記第2側面フレーム113のうちいずれか一つと前記第1-1調節ハウジング410aを連結する第1-1連結フレーム130a、前記第1-1調節ハウジング140aと前記第1-2調節ハウジング140bを連結するものの、前記第1移動ハウジング140aを貫通する第1-2連結フレーム130b、前記第1-2調節ハウジング140bと前記第1側面フレーム111および前記第2側面フレーム113のうち残りの一つを連結する第1-3連結フレーム130cを含むことができる。
【0139】
前記第1タイプのブリッジ部121は、前記第1-1調節ハウジング410aおよび前記第1-2調節ハウジング410b、前記第1移動ハウジング140a、前記第1-1連結フレーム130a、前記第1-2連結フレーム130bおよび前記第1-3連結フレーム130cを含むことができる。
【0140】
前述とは異なり、図9に図示された第2タイプの調節ハウジング410は互いに離隔する第2-1調節ハウジング410c、第2-2調節ハウジング410dおよび第2-3調節ハウジング410eを含むことができる。
【0141】
前記ブリッジ部130は第2-1調節ハウジング410cと前記第2-2調節ハウジング410dの間に備えられる第2-1移動ハウジング140b、前記第2-2調節ハウジング410dと前記第2-3調節ハウジング410eの間に備えられる第2-2移動ハウジング140cを含むことができる。
【0142】
前記連結フレーム130は第1側面フレーム111および前記第2側面フレーム113のうちいずれか一つと前記第2-1調節ハウジング410cを連結する第2-1連結フレーム130d、前記第2-1調節ハウジング410cと前記第2-2調節ハウジング410dを連結するものの、前記第2-1移動ハウジング140bを貫通する第2-2連結フレーム130e、前記第2-2調節ハウジング410dおよび前記第2-3調節ハウジング410eを連結するものの、前記第2-2移動ハウジング140cを貫通する第2-3連結フレーム130f、前記第2-3調節ハウジング410eと前記第1側面フレーム111および前記第2側面フレーム113のうち残りの一つを連結する第2-4連結フレーム130gを含むことができる。
【0143】
前記第2タイプのブリッジ部123は前記第2-1調節ハウジング410c、前記第2-2調節ハウジング410d、前記第2-3調節ハウジング410e、前記第2-1移動ハウジング140b、前記第2-2移動ハウジング140c、前記第2-1連結フレーム130d、前記第2-2連結フレーム130e、前記第2-3連結フレーム130f、前記第2-4連結フレーム130gを含むことができる。
【0144】
ブリッジ部120が第1タイプ121と第2タイプ123に分類されるのは、ボディ部100が被検者の頭に、よりスムーズに装着されるためである。したがって、ブリッジ部が5個で備えられる場合、5個のブリッジ部のうち一部は第1タイプ121で備えられ、残りは第2タイプ123で備えられることが好ましい。
【0145】
好ましくは、第1ブリッジ部120aと第5ブリッジ部120eは第2タイプ123で備えられ、第2ブリッジ部~第4ブリッジ部120b~120dは第1タイプ121で備えられることが好ましい。これは、被検者の頭のうち、大きさが特に多様な部分が額と後頭部部分にあることからである。この場合、まず第2ブリッジ部~第4ブリッジ部120b~120dを被検者に頭に装着した後、第1ブリッジ部120aおよび第5ブリッジ部120eを調節して被検者の頭に密着させることができる。
【0146】
これにより、側面部110、調節ハウジング410および移動ハウジング140にそれぞれ備えられたセンシング部200は、被検者の頭から信頼性ある脳波信号を測定することができる。
【0147】
以下、信頼性ある脳波信号を感知するための構成を説明する。
【0148】
第1タイプのブリッジ部121の場合、移動ハウジング140に備えられるセンシング部200は、第1移動ハウジング140aを形成する面のうち被検者の頭に向かう一面の中央に位置することが好ましい。併せて、第1移動ハウジング140aを基準として両側にそれぞれ位置した第1-1調節ハウジング410aおよび第1-2調節ハウジング410bは、それぞれ同一の形状で備えられて第1移動ハウジング140aを基準として対称となるのが好ましい。
【0149】
第2タイプのブリッジ部123の場合、第2-2調節ハウジング410dに備えられるセンシング部200は、第2-2調節ハウジング410dを形成する面のうち被検者の頭に向かう一面の中央に位置することが好ましい。
【0150】
第2-1移動ハウジング140bおよび第2-2移動ハウジング140cは、互いに同一の形状で備えられて前記第2-2調節ハウジング140dを基準として対称となるのが好ましい。
【0151】
第2-1調節ハウジング410cおよび第2-3調節ハウジング410eは同一の形状で備えられるものの、前記第2-2調節ハウジング410dを基準として対称となるのが好ましい。
【0152】
併せて、第2-1移動ハウジング140bに備えられたセンシング部200は、第2-2移動センシング部140cに備えられたセンシング部200と第2-2調節ハウジング410dに備えられたセンシング部200を基準として対称となるのが好ましい。これにより、第2-2調節ハウジング410に備えられたセンシング部200と第2-1移動ハウジング140bに備えられたセンシング部200の間の距離D1、D2は、第2-2調節ハウジング410に備えられたセンシング部200と第2-2移動ハウジング140cに備えられたセンシング部200の間の距離D1、D2と同一に形成され得る。
【0153】
一方、第2-1移動ハウジング140bは被検者の頭に向かう一面から前記第2-2調節ハウジング410dに向かって延びる第1延長部が備えられ得、前記第1延長部にはセンシング部200が結合され得る。
【0154】
これと同様に、第2-2ハウジング140cは被検者の頭に向かう一面から前記第2-2調節ハウジング140dに向かって延びる第2延長部が備えられ得、前記第2延長部にはセンシング部200が結合され得る。
【0155】
前記の場合、前記第2-2調節ハウジング410dは被検者の頭に向かう一面で前記第1延長部と前記第2延長部を収容するように凹んで形成されたリセス415が形成され得る。
【0156】
以上、本発明の代表的な実施例を詳細に説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、前述した実施例に対して本発明の範疇から逸脱しない限度内で多様な変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、本発明の権利範囲は説明された実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるべきである。
【0157】
前記のような発明の実施のための最善の形態で関連内容を記述した。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は使用者の身体に接触して脳波を測定し、これに基づいて多様な予測情報を提供する分野で活用され得る。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の頭に装着されるボディ部と、
前記ボディ部に備えられて頭で発生する電気的信号を感知するセンシング部と、
前記センシング部に電源を供給し、前記センシング部で感知された電気的信号を脳波信号に変換する制御部と、
前記ボディ部に備えられて前記ボディ部の大きさを調節する調節部と、を含み、
前記ボディ部は、互いに連結されて相対的移動が可能である複数のセグメントから構成され、
各々の前記セグメントは、前記調節部により隣接する他の前記セグメントに近づく方向に力がかけられる、ことを特徴とする、脳波測定装置。
【請求項2】
前記ボディ部は、
第1側面フレームおよび前記第1側面フレームと離隔する第2側面フレームを含む側面部と、
前記第1側面フレームと前記第2側面フレームを連結する複数のブリッジ部と、を含み、
それぞれの前記ブリッジ部は、
複数個のブリッジハウジングと、
前記ブリッジハウジングと連結され、前記ブリッジハウジングに対して移動可能に備えられる一つ以上の移動ハウジングと、
前記ブリッジハウジングと前記の側面部を連結し、又は前記ブリッジハウジングと前記移動ハウジングを連結する連結フレームと、を含み、
前記調節部は前記複数個のブリッジハウジングに形成されることを特徴とする、請求項1に記載の脳波測定装置。
【請求項3】
前記調節部は、
前記ブリッジハウジングに備えられる調節ハウジングと、
前記調節ハウジングの内部に備えられ、前記調節ハウジングに両端に連結されたそれぞれの前記連結フレームを移動させる対称移動部と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の脳波測定装置。
【請求項4】
前記対称移動部は、
前記調節ハウジングの一側と前記連結フレームを連結する第1連結ラックギアと、
前記調節ハウジングの他側とさらに他の前記連結フレームを連結し、前記第1連結ラックギアと離隔する第2連結ラックギアと、
前記第1連結ラックギアおよび前記第2連結ラックギアのそれぞれに噛み合うように備えられる連結ピニオンギアと、を含み、
前記第1連結ラックギアおよび前記第2連結ラックギアは互いに対向することを特徴とする、請求項3に記載の脳波測定装置。
【請求項5】
前記対称移動部は、前記連結ピニオンギアに結合され、前記連結ピニオンギアの一方向の回転時、前記連結ピニオンギアに対して反対方向の復原力を提供する調節弾性部材をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の脳波測定装置。
【請求項6】
前記調節部は前記連結ピニオンギアの回転を制限するストッパーをさらに含み、
前記ストッパーは、
前記第1連結ラックギアの一面および前記第2連結ラックギアの一面とそれぞれ接触可能に備えられる第1突出部材と、
前記第1連結ラックギアの他面および前記第2連結ラックギアの他面とそれぞれ接触可能に備えられる第2突出部材と、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の脳波測定装置。
【請求項7】
前記複数のブリッジ部のうち一部において、
前記ブリッジハウジングは、
前記第1側面フレームと連結される第1ブリッジハウジングと、
前記第2側面フレームと連結される第2ブリッジハウジングと、を含み、
前記移動ハウジングは、
前記第1ブリッジハウジングと前記第2ブリッジハウジングを連結する第1移動ハウジングを含むことを特徴とする、請求項3に記載の脳波測定装置。
【請求項8】
前記複数のブリッジ部のうち一部において、
前記ブリッジハウジングは、
前記第1側面フレームと連結される第1ブリッジハウジングと、
前記第2側面フレームと連結される第2ブリッジハウジングと、
第3ブリッジハウジングと、を含み、
前記移動ハウジングは、
前記第1ブリッジハウジングと前記第3ブリッジハウジングを連結する第1移動ハウジングと、
前記第2ブリッジハウジングと前記第3ブリッジハウジングを連結する第2移動ハウジングと、を含むことを特徴とする、請求項7に記載の脳波測定装置。
【請求項9】
前記センシング部は、
一側が前記ボディ部の内周面に結合され、他側に開口部が形成されたセンシングハウジングと、
前記センシングハウジングの内部で結合されて前記開口部を通じて突出する電極と、
前記センシングハウジングの一側と前記電極の間に備えられて前記電極に弾性力を提供する弾性部材と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の脳波測定装置。
【請求項10】
前記センシング部は、
前記電極と前記弾性部材の間に備えられて振動する振動部と、
前記電極の内側に備えられて赤外線を発散するLEDと、をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の脳波測定装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
図6(a)は本発明の一実施例に係る脳波測定装置の大きさが最大であるときの調節部を上部から見た姿が図示された図面であり、図6(b)は脳波測定装置の大きさが最大であるときの調節部の断面図である。
【国際調査報告】